Home/ 財政・税制 財政・税制 既成権力者たちから日本を取り戻せ! 2012.05.17 現在、「消費税増税」による経済の危機、「脱原発」によるエネルギー安全保障の危機、更には「緊迫する極東情勢」による国防の危機、これら三つの危機が同時に日本を襲い、日本の国難がより一層深まっています。 私たち幸福実現党は3年前から国難の到来を警告し、日本の政治に柱を立てるべく、正論を訴えて参りましたが、それらはことごとく「岩盤のような何か」に阻まれ続けてきました。 日下公人氏は著書『日本既成権力者の崩壊』(ビジネス社、2/7発刊⇒http://goo.gl/kGp1q)の中で、「今までの中変化、小変化の波を乗り切って地位を築き、資産や名声を得た人たち」を「既成権力者(エスタブリッシュメント)」と呼んでおりますが、私は「既成権力者」こそが「岩盤のような何か」の正体であると考えます。 そして、その中心は紛れもなく財務官僚、マスコミ、そして御用学者であり、この三つの「既成権力者」がこの日本の国難を作りだしている張本人であると言えます。 「消費税増税」一つをとっても、既成権力者同士の蜜月な関係性は明らかです。例えば、財務省は「新聞業界に対する軽減税率の適用」という「アメ」をちらつかせ、その見返りに、大手新聞の多くは「消費税増税必要論」を「布教」しています。 また、「消費税増税」を訴える財務省やマスコミの理論を裏付ける便利な存在として「御用学者」と呼ばれる知識人・言論人たちがいます。彼らは審議会等のメンバーとなり、政権の意向に沿った答申にお墨付きを与えることを主な仕事としています。 彼らは得てして左翼思想に汚染されており、自らのイデオロギーを振りかざしながらも、既成権力と一体となって都合の良い理論を展開し、異議を唱える学者、言論人達を排除しています。 そして、既成権力者の中でも筆頭に挙げられるのは「財務官僚」です。小泉内閣の閣僚として財務省と予算編成の主導権を争った竹中平蔵氏は、財務省を「大きな財布の中でカネを配ることが財務省の権力の源泉」と称しております。 財務官僚による予算の裏付けがなければ、他の省庁が推進するいかなる政策も日の目を見ることはなく、逆に、財務省の省益を拡大するような政策であれば、いかなる愚策であっても実現するような権限を有しています。 自民党時代から行われている生産調整など農業のバラマキ政策も、背後には「政治家と財務省の癒着」があります。こうした政治家と財務省の癒着は、実は「脱官僚」を旗頭としていた民主党政権になって以降も更に加速しています。 結局、民主党政権が言う「脱官僚」とは、財務省以外の官僚からは距離を取るが、財務省とは手を握る」ということであったのです。 日本が長期に渡る停滞から脱し、新しい日本を再建していくためには、国家としての制度的イノベーションが必要であり、私は以下の二つの政策を提言致します。 第一は「予算の複数年度制の導入」です。憲法86条で「予算の単年度主義」が採られていることにより、原則、予算の期限が1年間となっており、毎年予算を決める度に財務省が「主導権」を握り、財務省の「権力の一極集中」と「既得権益との癒着」を生み出しています。 世界に目を向ければ、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなど、既に「複数年度会計」を行っている実例はあります。 「複数年度会計制度」を導入することで、年度末の予算の使い切り等、無駄な予算執行を排除すると共に、政治家や各省庁が財務省の顔色を伺わずに、長期構想を持って国家的政策を遂行していくことができるように改革すべきです。 第二は「中選挙区制度への移行」です。小選挙区制度は、人気取り、バラマキ、利益誘導型の政治家が勝つシステムとなっています。国難が深まる中、「ポピュリズム政治」を断ち切り、真に国民の幸福と国益のために邁進する政治家が輩出される制度への改革が急務です。 幸福実現党は必ずや、規制権力者の手から自由を取り戻し、良識あるメディアや言論人、官僚達とも手を取り合って、「世界のリーダー国家・日本」を築いて参ります。(文責・HS政経塾1期生 城取良太) 「コンクリートから人へ」で進む日本列島のインフラ荒廃化 2012.05.11 茨城県鉾田市と行方市を結ぶ鹿行(ろっこう)大橋の中央約60メートルが落ち、霞ケ浦に沈んでいる――5月10日の報道ステーションの特集「全国でインフラ老朽危機」で、無残な鹿行大橋の姿が映し出されました。 鹿行大橋(長さ404メートル)が落ちたのは、東日本大震災が起こった昨年3月11日。走行中の車1台が転落し、運転していた男性が死亡しました。震度は6強でした。 鹿行大橋は建設から43年。橋脚は揺れで変形しやすく耐震性が低い構造でしたが、橋を管理する県の「点検」は職員が車の中から見るだけ。震災1週間前にも目視はしていましたが、結果は「異常なし」でした。(4/30 毎日「進む橋の老朽化 膨らむ財政不安」⇒http://goo.gl/nviwZ) 鹿行大橋の崩落は地震がきっかけであったとは言え、根本的な原因は橋梁の老朽化と見られています。 昨日の[HRPニュースファイル269](http://goo.gl/UJQUP)でも指摘されていますが、日本の橋梁は、寿命と言われている50年を越えるものが現在は8%ですが、10年後には26%、20年後には53%になります。(5/1 朝日「橋や道路、迫る寿命 膨らむインフラ補修費」⇒http://goo.gl/q3sq5) 老朽化等により通行規制を受けた橋は2008年から3年間で680から1129に増えています。京大大学院の藤井聡教授は「いつどこで橋が落ちる事故が起きても不思議ではない」と指摘。実際、2007年には香川県、昨年は高知県で橋が落ちています。(同上) 老朽化に起因する落橋事故は、日本より早くインフラ整備がなされたアメリカでは既に起き続けています。 最初の落橋事故が起こったのは1967年。ウェストバージニア州とオハイオ州を結ぶシルバー橋(橋齢40年弱)が老朽化により落橋し、通行者46名が死亡する大惨事となりました。(根本祐二著『朽ちるインフラ』日経新聞社⇒http://goo.gl/ywBei) 当時のジョンソン大統領(民主党)は貧困対策として、バラマキ政策に次々と予算を充てる一方、橋や道路への投資は後回しにし、事態の更なる悪化を招きました。 「コンクリートから人へ」を掲げている日本の民主党も同様の過ちを犯しており、結果的に「人の命」を危険に晒しています。 その後も、アメリカでは築40年を経過した橋の崩落事故が続いています。直近では2007年、ミネソタ州の橋がラッシュアワー時に、わずか5秒間というスピードで完全崩落。死者・行方不明者13名、重軽傷者80名にのぼる大惨事となりました。(同上) この橋が建設されたのは1967年ですが、日本では1964年の東京オリンピック前後に建設ラッシュとなり、その時期に建設された膨大なインフラが老朽化し、耐用年数を迎えようとしています。(参考:5/9 テレ朝「老朽化した首都高改修問題」⇒http://goo.gl/AxKC9) そのため、今後、耐用年数を迎えたインフラの維持管理・更新費は2040年に現在の約5倍に達します。このままでは、2040年には維持管理・更新で公共投資予算を使い切り、インフラの新設はできなくなります。(4/15 日経「グラフ:このままでは更新費用が急増へ」⇒http://goo.gl/wGE8G) 現在、日本経済の成長と共に建設された膨大なインフラの耐用年数が迫る一方、政府や自治体は財政難で維持管理や更新が困難な状況にあります。しかし、このまま放置すれば、橋の崩壊や道路の荒廃など、既に海外で起きていることが日本でも起こります。 東洋大教の根本祐二教授は「ゆっくりと震災が起きているようなもの。問題が起きたときに対応しても手遅れで、直ちに動き出すべきだ」と指摘しています。(4/15 日経「インフラ高齢化にどう対応」⇒http://goo.gl/lEZvq) 経費削減のためには、[HRPニュースファイル187]「進むインフラ老朽化~公民連携(PPP)で財政負担を減らせ!」(http://goo.gl/7A8Wh)でも指摘されている通り、増税ではなく、従来、「官」の仕事とされていた道路、橋梁等のインフラの維持管理を民間に委託するような大胆な発想転換が必要です。 例えば、北海道の清里町と大空町は、市町村が管理する道路や河川の維持業務を民間企業に委託。舗装の穴埋め補修や除雪、作工物の修理などの業務を民間に一括委託し、維持補修費の約25%削減に成功しています。⇒http://goo.gl/ua0Qp 高度経済成長期に人類史上最速で進んで来た日本のインフラの多くが、間もなく築後約50年を迎えます。その結果、人類史上最速のスピードで日本に「インフラ老朽化」問題が襲って来ることは避けられない「現実」です。 世界最高速の少子高齢化やインフラ老朽化を含め、どの国も経験したことがない課題に直面している「課題先進国・日本」は、今こそ、大胆な発想の転換と不屈のチャレンジ精神、高度な技術革新によって次々と課題を克服し、世界の危機を救うリーダー国家となるべきです。(文責・黒川白雲) 未来都市開発の促進こそ、日本の発展の鍵である 2012.05.10 5月22日に東京スカイツリー(東京・墨田区)の開業を控え、新聞やテレビの報道も盛り上がってきています。この「新名所」の年間来場者数はスカイツリーだけで552万人、周辺施設には2085万人の来場者が見込まれ、開業後の経済波及効果は年間880億円と推計されています。 また、この他にも東京では、「ダイバーシティ東京プラザ(江東区)」や「渋谷ヒカリエ(渋谷区)」などが4月にオープンし、新名所が後押ししています。先のGW期間中の来場者数は、ダイバーシティで100万を突破し、ヒカリエ(4月26日から5月6日までの集計)では150万人に達しています。 このように、人々を集め、地価を上げる工夫が様々になされています。ここに、日本が長引くデフレから脱却する道筋があると思われます。 というのも、デフレの大きな要因の一つに、土地や株価下落によって投資や消費が落ち込む「資産デフレ」があるからです。日本の地価は、この20年の間に1200兆円も下がり、景気回復の大きな足かせとなっています。 「都市開発によるデフレ脱却」――これは、日本の経済成長戦略のキーワードの一つです。 日本がなすべき都市開発のポイントとして、【ヒト】国際都市化、【モノ】インフラの再整備、【カネ】民間資金の誘導の三つが挙げられます。 (1)【ヒト】国際都市化 まずは、東京をはじめとする主要都市を、世界の企業と人材が集まる国際都市へ発展させるべきです。GDP約90兆円という世界一位の経済規模を誇っている東京都は国際競争力の面では5位となっています(Global Financial Centres Index⇒http://goo.gl/8eAyC)。 国際競争力強化のための都市機能の充実・強化に向け、以下の6つの項目に取り組むべきです。 ・国際金融などの中枢業務拠点の形成 ・国際的な商業・観光拠点の形成 ・国際化に対応した居住・教育・医療・カンファレンス・滞在型宿泊機能の誘導 ・文化・芸術機能や迎賓・交流機能の歴史と集積を生かした文化・交流機能の誘導 ・次世代型の産業・業務・情報機能や、アミューズメント、文化・商業・交流機能の誘導 ・空港と直結する交通拠点機能の強化 (2)【モノ】インフラの再整備 次に、道路や水道などの都市基盤の強化・補修です。道路渋滞による損失額は年額約12兆円で、四国全体のGDPに相当します。(国土交通省試算⇒http://goo.gl/YCPRU) また、東京23区内の都市計画道路整備率は未だ6割程度です。環状2号線、国道357号(東京港トンネル)、首都高晴海線等の整備・延伸など、広域的な交通利便性の向上していく必要があります。 加えて補修の問題があります。全国の橋梁や道路、水道などのインフラの多くは、高度経済成長期に造られたものであり、ここ10年の間に一斉に寿命を迎えます。 特に橋梁においては、寿命と言われている50年を越えるものが現在は8%ですが、10年後には26%、20年後には53%になります。 (3)【カネ】民間資金の誘導 最後に、民間資金を不動産に誘導するパイプである不動産投資信託(REIT)市場の拡大です。日銀買入もあって東証REIT指数は底入れはしましたが、時価総額は3.5兆円と小さいままです。 しかし、都市再開発における組み入れ対象物件は膨大にあります。資金調達手段の多様化などの制度改革によって、市場を活性化すれば民間資金が集まり、不動産市場が息を吹き返すでしょう。(5/8 日経) 東京をはじめとする主要都市が発展していかなければ、日本は衰退していきます。 都市開発は、最も目に見える投資の一つです。ここでは、夢のある都市開発の例として「オリンピック誘致」を挙げておきたいと思います。 一般的に「スポーツの祭典」とされているオリンピックですが、来る7月27日開幕のロンドン五輪では「英国産業の優秀さのショーケースとなる一世代に一度の機会」としています。 英国政府は、この五輪を「自国の産業や環境技術を世界にアピールする場」と位置付け、各国の経済・通商閣僚や企業のCEOら約200人が参加予定の世界投資会議を開幕前日に開きます。 また、各国にある在外大使館が現地の企業に声をかけ、開幕前から期間中に3500件もの商談会を用意し、産業技術の顕彰制度も創設するなど、新たな振興の機会と捉えています。 日本には、英国以上に世界にアピール出来る技術がたくさんあります。しかし、そうした技術を発信する機会や場が少ないために、国際競争力を失っています。 「ヒト」「モノ」「カネ」を呼び込める「舞台」をつくるのが「都市開発」であり、その実現に向けては、規制緩和等を通じて民間の力を最大限に発揮出来る仕組みが必要です。 都市開発は日本がデフレを脱却し、更なる繁栄を実現していくための大きな鍵となります。その促進のためにも、政治家がリーダーシップを発揮し、未来ビジョンを提示すべきです。 フランスとギリシャで緊縮財政にNO!ユーロ崩壊前夜か? 2012.05.09 5月6日投開票されたフランス大統領選挙の決選投票で、フランソワ・オランド前社会党第一書記が51.62%の投票を得て、次期大統領となることが決まりました。 現職のサルコジ大統領の緊縮財政路線に対する「レッドカード」判定がフランス国民によってなされた衝撃は、今後のユーロ情勢に影響を与えることは必至です。 一方、ソブリン危機に直面しているギリシャの総選挙においても、連立与党の新民主義党と全ギリシャ社会主義運動が過半数割れとなり、フランスと同じく緊縮財政に対する国民の批判が表れた結果となりました。 サンケイビジネスアイ5月8日の記事によれば、ギリシャが1年から1年半以内にユーロを離脱するリスクが、50%から75%に高まったとする、シティグループのリポートを紹介しています。 要するに、ユーロ圏では政治的に「タブー」とされていたユーロ離脱が、現実味を帯びてきたということです。 ユーロをはじめとするEU諸国では、フランスとドイツが中心となって政治経済を運営する「独仏枢軸体制」があります。 欧州の歴史の中では、両国が激しい戦争をしたことから、両国が協調して欧州の政治経済の安定に貢献するというものですが、ユーロの存続問題にまで発展している昨今、オーランド氏がどこまでドイツのメルケル首相と協調していけるかが、今後のユーロないしEU発展のカギとなることは間違いないでしょう。 さて、フランスの大統領選結果を待たず、既に欧米のメディアではユーロ離脱をにおわす論調が出てきているのは事実です。 先日のHRPニュースファイル263でも紹介された通り、ノーベル経済学者のクルーグマンやスティグリッツらの批判は、不況期に緊縮財政を採用する愚かさを説いています。→http://bit.ly/ITtyUj さらに、ユーロを痛烈な批判をしているハーバード大学ケネディ行政大学院のJ・フランケル教授(国際経済学の専門家として有名)は、ユーロの離脱をはじめとした具体的な提案を出しています。記事はこちら→http://bit.ly/KFTqn8 なぜ、欧米の経済学者は、ここまで痛烈な批判をしているのでしょうか。 理由は実に簡単です。 共通通貨ユーロを採用しているということは、ユーロ圏諸国が金融政策の自由度がないことを意味します。言い換えれば、自国で不況が深刻化しているとしても、金融緩和を行うことができないからです。 ユーロ圏では、「南北問題」と呼ばれる経済格差が存在し、比較的好調なドイツ経済を「北」とすれば、イタリア、ギリシャなどの地中海諸国は、経済的にも貧しい「南」という位置づけになります。 仮に、ドイツ経済が好調でイタリア経済が不況であるとしましょう。ドイツは、景気の過熱を防ぐために欧州中央銀行(ECB)に金利の引き上げを要求します。 しかしながら、不況に苦しむイタリアは、逆の利下げをはじめとする金融緩和を要求せざるを得ません。このように、ユーロ圏では金融政策は欧州中央銀行の政策次第となり、自由に金融政策を発動できません。 一方、財政出動も制限されています。成長安定協定(マーストリヒト基準とか経済収斂基準とも呼ばれる)と呼ばれる財政規定では、ユーロ圏にとどまる以上、財政赤字対GDP比3%、長期債務対GDP比60%を原則維持しなければなりません。 最近は、ギリシャやイタリアの債務危機があり、域内では緊縮財政が行われており、景気回復を狙った財政出動もできません。 その結果、ユーロ圏ではデフレ圧力が強まり、通貨も割高となる可能性もあります。こうした一連の経済的制約を皮肉って、「ユーロの足かせ」と呼びます。 ユーロ圏諸国は、必死でユーロ存続をかけた政治的調整をしていますが、肝心のドイツ国内でもマルク復活を求める声も実際にあり、ユーロ崩壊はいよいよ現実的となってきました。 EUリーダー達の政治的悲願であったユーロをそう簡単に手放すことはないとしても、このままユーロにしがみついていく以上、ユーロ圏から欧州全域に不況が蔓延し、世界に経済的悪影響が及ぶ可能性も否定できません。 翻って見れば、フランスとギリシャの選挙結果から、いよいよユーロが崩壊のカウントダウンに入ったとみる方が強くなりました。 未来がどう展開するかは分かりませんが、ユーロが最大の危機を直面しているのは間違いありません。(文責:中野雄太) 子どもの数 31年連続で減少――「生涯現役社会」への移行が急務 2012.05.06 5月4日、総務省は「子供の日」に合わせて「15歳未満の子どもの推計人口(4月1日現在)」を発表しました。それによれば、日本の子供の人口は前年より12万人少ない1665万人で、31年連続で減少しています。⇒http://goo.gl/YyJTO 国立社会保障・人口問題研究所は、5年毎に「日本の将来推計人口」を発表していますが、今年1月に公表された平成24年1月推計によると、日本は長期にわたって人口減少、高齢化が進むと予測しています。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」⇒http://goo.gl/GYwy9) また、統計では日本の総人口が、2010年の1億2805万人が50年後の2060年には4132万人減の8673万人に減少します。 65歳以上の人口の比率は23%から40%へと上昇、「生産年齢人口」である15~64歳は、一人で子供・高齢者一人を扶養しなければならない厳しい社会が到来することを予測しています。 戦後日本は、ピラミット型の人口構造と、右肩上がりの経済成長を前提にして年金や社会保障制度の仕組みを構築しました。 しかし、少子高齢化が急速に進み、経済も停滞している現在の状況が続けば、これまでの社会保障制度では高齢者を支えきれないことは誰でもが理解できます。 こうした背景があり、野田首相は「消費税増税」による「税と社会保障の一体改革」を断行しようとしているわけです。 しかし、ここに大きな「ペテン」があります。野田首相は今年1月24日の内閣総理大臣施政方針演説で「持続可能な社会保障制度を再構築する」と断言しています。 しかし、たとえ消費税増税を行っても、少子高齢化が進む限り、現行の社会保障制度は「持続不可能」であり、「持続可能な社会保障制度」を謳う「税と社会保障の一体改革」は、財務省の作文による悪意に満ちた「詐欺」政策です。 実際、岡田副総理は2月5日のTV番組で「今のまま高齢化が進めば、5%の消費税率引き上げでは足りなくなる」「消費税率の5%引き上げを目指す2015年前後には高齢化の進展を踏まえてさらなる引き上げの議論を行う必要がある」と本音を述べています。 すなわち、「税と社会保障の一体改革」を実行しても、3年後に消費税を10%に引き上げた途端、更なる増税議論が必要になるぐらい、数年後には「持続不可能」な制度だということです。 日本における急速な少子高齢化は2070年代前半まで続くことが予想されており、その間、高齢化の速度は衰えることはありません。 すなわち、少子高齢化が進む限り、今後60年以上にわたって「大増税に次ぐ大増税」を繰り返していかなければ「持続不可能」な制度であり、「持続可能な社会保障制度」という夢のような謳い文句で国民を騙し、大増税を進めることは大きな罪であり、国家的詐欺です。 東京財団上席研究員の原田泰氏は、社会保障給付費の増加分を全て消費税で賄うならば、2055年には58.8%もの税率アップが必要と予測しています。60%超の消費税率は、どう考えても非現実的です。 現行の社会保障制度を維持しようとするならば、際限なき増税と共に、給付水準も限りなく低下し、人々はやがて制度自体に意味を感じなくなるはずです。既に若者の年金未納現象にその端緒が表れています。 現行の年金制度は人口増加と高度経済成長を前提とした仕組みであり、現在の延長線上では、対症療法を重ねていっても、やがて破綻は避けられません。 何が何でも、現行の社会保障制度を維持しようとする野田首相の考えは、未来世代に「破綻」という大きなツケを回すだけです。 現行の社会保障制度の「持続」はそれほどに困難であることを知り、私たち国民は「老後を国家に頼る」という発想を大きく転換し、自助努力型の「生涯現役社会」を築いていく必要があります。 そのためには、「15~64歳」と定義されている「生産年齢人口」を出来るだけ伸ばす必要があります。 東京では、65歳以上のうち8割を超える方が介護保険の介護認定を受けていない元気な高齢者です。(「団塊世代・元気高齢者地域活性化推進協議会」報告⇒http://goo.gl/MXThK) 元気な高齢者層がまだまだ働ける社会を実現し、国から年金をもらう側ではなく、社会を支える側になって頂くことで、生産年齢層に対する負担も減らしていくことが可能です。 福岡県では「70歳現役社会」の実現を目指し、4月に開設した「高齢者向けの就職支援窓口」へ「社会とつながりを持ち続けたい」という高齢者の相談が殺到しています。(5/5 読売「70歳現役社会目指す就職支援窓口、高齢者殺到」⇒http://goo.gl/j5xBU) 福岡県は今年4月に策定した総合計画で、70歳まで働ける企業の割合を、現状の16%から、16年度までに30%に上げる目標を設定し、企業に協力を求めると共に、高齢者が行うまちおこしにも補助金を出すなど、社会参加も促しています。(福岡県総合計画「70 歳現役社会づくりの推進」⇒http://goo.gl/VI7Ly) 政府は増税ではなく、高齢者の方々が「生きがい」をもって働く環境を整え、活気ある「生涯現役社会」を築いていくことをこそ目指すべきです。(文責・佐々木勝浩) 欧州で「緊縮財政」批判強まる――野田政権の《超》緊縮財政の危険性 2012.05.04 欧州では、経済危機脱却に向けて進められている財政再建優先の「緊縮財政(増税や歳出削減等)」に対する批判が強まっています。 5月3日付の日経は「欧州、成長にも目配り 緊縮策と両立狙う 来月末に戦略 独仏中心に調整」という記事を掲載しています。この記事のポイントは以下の4点です。⇒http://goo.gl/mifrf ・欧州では、債務危機で各国が「緊縮財政」を進めているが、それが重荷になり、2011年10~12月のユーロ圏の実質GDPは10四半期ぶりにマイナス成長に陥ったほか、失業率も10%を超え、過去最悪の水準に至った。 ・緊縮財政で経済成長率が低迷し、財政が悪化し続ける悪循環に陥る恐れもある。各国では緊縮財政に抗議するデモが頻発。オランダでは財政赤字削減策を巡る連立与党内の協議が決裂し、内閣が総辞職する事態に至った。 ・域内の国民は「緊縮財政疲れ」を起こしている。IMFは「赤字削減目標によって、成長が損なわれるべきではない」として、経済成長をてこ入れするよう勧告した。 ・欧州で、成長戦略構想のきっかけになったのが仏大統領選の最有力候補、オランド氏の主張。同氏は財政規律を強化するEUの新条約を見直し、成長や雇用に配慮する条項を盛り込むよう提案している。 欧州で緊縮財政の見直しが強まっている背景には、緊縮財政を進めているスペインが景気後退に突入したことが挙げられます。(4/30 ロイター「スペイン景気後退突入、緊縮財政推進に疑問も」⇒http://goo.gl/DqKvT) また、ルーマニアでも4月27日、ウングレアーヌ政権の緊縮財政に反対する世論の高まりを背景に、内閣不信任案が可決されました。(4/28 毎日「ルーマニア:内閣不信任案を可決…緊縮財政批判受け」⇒http://goo.gl/pV46R) ILO(国際労働機関)も、4月29日、信用不安に揺れるヨーロッパを中心とした先進国の緊縮財政が、雇用の回復に悪影響を及ぼすとして警鐘を鳴らしています。(4/30 NHK「ILO 緊縮財政が雇用に影響」⇒http://goo.gl/QYwHe) ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏は、失業率が悲惨なまでに高かったにもかかわらず、財政赤字削減を主張する欧米の政策エリートたちを「まるで古代のカルトの聖職者のようだ」と評し、「ギリシャやアイルランドでの緊縮財政計画の悲惨な結果を見るべきだ」と主張しています。 また、サマーズ元米財務長官や経済学者のブラッド・デロング教授は「ギリシャやポルトガルなど救済を受けた国々は厳しい緊縮策を遂行するしかないが、その他の国々が短期的に財政支出を削減すれば長期的な財政悪化を招く」と警告しています。(4/17 朝日「欧州債務危機、緊縮か成長か 単純な答え見つからず」⇒http://goo.gl/JpNMi) ※ただし、注意が必要なのは、成長議論も一様ではなく、仏大統領選でリードしている社会党のオランド候補の「成長・雇用政策」は、富裕層や投資所得、銀行に対する増税によって、補助金を付けて雇用を創出することを企図しており、日本の民主党の増税・バラマキ型の「大きな政府」に近いと言えます。 こうした欧州の迷走を受け、経済評論家の近藤駿介氏は「ユーロがこの数年実施してきた『緊縮財政一辺倒の財政再建』という壮大な実験が失敗に終わることが明白になった今でも、『ユーロの危機は対岸の火事ではない』『ユーロ化を防ぐ』と繰り返して来た野田政権は、失敗に終わることが明らかになったユーロの実験を繰り返すつもりなのだろうか」と疑問を呈しています。⇒http://goo.gl/sQhKv 消費税増税法案には「景気条項」が盛り込まれましたが、あくまで「努力目標」にとどまっており、野田政権の「経済成長を置き去りにした《超》緊縮財政一辺倒」では、欧州と同じ失敗を繰り返すことは避けられません。 幸福実現党は、無駄な歳出やバラマキ等の削減を打ち出すと共に、財政優先の緊縮財政の危険性を指摘。将来の税収増を見込める投資―インフラ、交通革命、未来産業等―への積極投資も経済政策の核として打ち出しています。 これは企業経営と同じです。経費削減も重要ですが、経費削減だけで、新規の投資をしなければ売上はジリ貧になります。企業の成長に向けては、未来に向けた戦略的投資が不可欠です。 ノーベル賞経済学者のスティグリッツ教授は「必要なのは―財政再建のためにも―緊縮政策ではなく、さらなる景気刺激策である。赤字を増大させる最も重要な要因は経済成長の弱さによる税収の伸び悩みであり、したがって最善の処方はアメリカを成長軌道に戻すことだ」と述べています。(「欧州とアメリカに互いに伝播する間違った考え」⇒http://goo.gl/JA4Dl) 増税は景気を悪化させ、税収を減らし、逆に財政危機を招きます。財政再建のためにも、増税ではなく、骨太の経済成長戦略が必要です。幸福実現党は断固、日本経済を沈没させる消費税増税法案を廃案に追い込んで参ります。(文責・黒川白雲) 増税の前になすべきことは山ほどある――税金にたかるシロアリたち 2012.04.20 大阪市が競争性のない随意契約で業務委託している外郭団体50団体に、昨年7月現在で市のOB計約1200人が天下りしていることが判明しました。(4/13 毎日「大阪市:随意契約50団体に、OB1200人天下り委託150億円」⇒http://goo.gl/PludU) これらの団体への年間の委託額は150億円を超えており、市は来年度以降、原則、随意契約を廃止し、入札や公募を導入する方針で、これらの団体への天下りや業務委託は大幅に削減される見込みです。 大阪市が20%以上の出資や業務委託をしている外郭団体は計70団体。うち50団体が長年にわたり、随意契約で市から業務を受託していました。 年間7億9000万円で地下鉄の窓口業務などを受託する「交通サービス」には327人が天下り。年間約34億円で市バスの運転や整備を請け負う「大阪運輸振興」には162人が天下りしており、OB36人が在籍する「市建築技術協会」は、市との随意契約が収入の9割以上を占めるということです。 大阪市は天下りが顕著だったために大きな問題になっていますが、こうした外郭団体への天下りや随意契約は、全国の自治体や国家レベルにおいても堂々と横行しているのが現状です。 2009年5月、野党時代の民主党は2007年度の国家公務員の天下り状況に関する衆院の調査結果を公表し、中央省庁が所管する4,504に上る特殊法人や独立行政法人などに再就職した国家公務員OBは2万5245人で、これらの法人に12兆1334億円が交付されていたと発表しました。 野田首相は2009年の総選挙の際、大阪で行なった街頭演説で「消費税5%分の皆さんの税金(注:12兆円)に、天下り法人がぶら下がってるんです。シロアリがたかってるんです。それなのにシロアリを退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか?鳩山さんが4年間消費税を引き上げないといったのは、そこなんです」と述べ、「4年間消費税を上げない」と公約しています。 野田首相は自らの公約について「知らぬ存ぜぬ」を決め込み、天下りを放置したまま、消費税増税を強行しようとしています。シロアリ退治しようとして、シロアリになってしまったのが野田首相であり、民主党議員達です。 今回、大阪市では外郭団体への随意契約(競争入札によらずに任意で決定した相手と契約すること)を原則廃止する方針ですが、随意契約は、競争入札より高値になることは必然で、また、必要性の薄い(無い)業務を毎年契約するなどの「税金の無駄遣い」の温床となっています。 また、外郭団体への随意契約が、天下りを受け入れた民間企業に下請けで再委託されるなど、巧妙な税金の流出が指摘されています。 こうした税金の流出の解決策としては、天下りを無くすのがすぐには難しいのであれば、行政と天下り法人との「癒着」(随意契約等)を無くし、入札や公募等を取り入れるしか解決策はありません。 従来、天下り法人が独占して来た10兆円を上回る契約を民間企業に解放すれば、財政支出の削減と共に、民間マーケットの拡大、ひいては経済成長にも繋がります。 総務省「地方公共団体における民間委託の推進等に関する研究会」の報告書は、自治体が担うべき仕事は「法令により、公務員が実施すべきとされている業務」等に限定し、「民間委託等の効果が十分に発揮されるような環境を整える必要がある」と改善を要請しています。⇒http://goo.gl/8ghBr 「民にできることは民に」は当然のこととして、今、欧米で注目されている「官民連携」(PPP:Public Private Partnership)では、従来、「官」(政府、自治体、外郭団体等)の仕事とされていた公共的な事業を「民」が連携して行う取り組みが始まっており、日本でもPFI、指定管理者制度、市場化テスト(官民競争入札)など様々な取り組みが始まっています。(例:刑務所の民間運営⇒http://goo.gl/Gtc3H) 野田首相は、増税の前になすべきことは山ほどあります。政府や自治体などのあり方を根本的に見直し、「小さな政府」を実現することで、税金の無駄削減、民間経済の活性化の余地は無限にあるのです。(文責・黒川白雲) 「消費増税で景気はよくなる?」――週刊ダイヤモンドが主張する「新常識」を検証する 2012.04.18 週刊ダイヤモンド4月14日特大号では「『日本経済』入門」という特集が組まれています。難しい経済問題を図解やグラフなどで作成された力作であり、歯切れがよいので、読み物としてはよくできていると言えます。 しかしながら、手放しでは賞賛できない論点も数多くあります。特に、問題と思われるのが、新常識1の「消費増税で景気はよくなる」という論点です。 32ページには、消費税増税で景気が悪くなるという視点は思い込みに過ぎないとし、「消費税率を引き上げて財政再建を進めることで景気はむしろ上向く」と断定しています。果たして、ここまで強く断定できるものなのでしょうか。詳細を見てみましょう。 まず、97年の消費税増税による景気悪化は認めています。97年4月1日に3%から5%へと引き上げられた消費税ですが、その後の4月から6月は、民間消費はマイナス、企業の設備投資も落ち込みました。 理由は、消費税増税前の「駆け込み需要」の反動だとします。その後、7月から9月期には、これらの数値がプラスに復帰していることを強調し、「消費税増税が景気悪化につながっていなかった」と言いたいわけです。 さらに、10月から12月にかけての消費や設備投資の落ち込みは、アジア通貨危機や11月の山一証券などの破綻が原因であり、消費税増税は関係ないとします。 実際、97年から98年にかけて成長率が落ち込んだのは、消費税増税ではなく、通貨危機と金融危機が原因だとする研究が数多く存在することも事実です。その後の展開もすごいものがあります。 財務省が言うように、日本の財政はギリシャよりも悪い)政府の債務残高対GDP比率を指す)ので、早急な財政再建が必要だと展開します。歳出削減は、年金や医療などの必要不可欠な支出なので簡単にカットできません。 多くのお年寄りは、年金があてにならないために資金を貯めています。彼らを安心させるためにも、増税をして財政再建をすれば、安心して消費に向かう。そうすれば、増税しても景気が良くなるという論法です。 では、本当に額面通り受け取ってよいものなのでしょうか。そして、本当に「新しい常識」と言えるのかを検証してみましょう。 実は、週刊ダイヤモンドの記者が参考にしたと思われる論文を私はつかんでいます。上智大学准教授で財政学者の中里透氏の論文と週刊ダイヤモンドの結論は全く同じです。中里氏の論文はこちら→http://bit.ly/HOvAdq この論文は、著名な財政学者の井堀利宏氏が編集していることからもわかる通り、財務省を含めた増税路線を正当化する政府寄りのグループが発表しているものであり、ある意味で財政学の世界では「常識」になっている内容でもあります。だからこそ、週刊ダイヤモンドは「新常識」とうたっていると思われます。 しかしながら、消費税増税が98年以降の景気停滞の犯人ではないという論理にも、経済学者から一定の疑問が呈されています。 例えば、現在学習院大学特別客員教授の八田達夫氏の研究によれば、消費税増税が住宅や耐久消費財などの消費と投資の減少を招き、さらに通貨危機と金融危機が効果を増幅したと指摘しています(この論文は、財務省サイトから削除されている。財務省にとっては不都合な真実だということだろうか)。 つまり、「消費税増税による影響はあった」と言うことです(前回紹介した片岡剛士氏も八田氏の正当性を述べている)。 さらに言えば、消費税増税後に景気が回復しているわけではないので、この論点には無理がありますし、消費者が増税することによって、安心して消費に回すという前提も短絡的すぎます。要するに、前例がない以上、常識とは言えないということです。 新常識4では「今のやりかたでは財政再建ができないことを認めている」こと、新常識5では「社会保障と税の一体改革はすでに失敗している」とあります。誠に正しいと言えます。そうであるならば、増税がどのようにして国民を安心させると言うのでしょうか。主張に矛盾があります。 そのほか、「デフレ脱却で景気回復できない」(新常識10)とか、「金融緩和でデフレは解決できない」(新常識11)など、いずれも緻密な検証をせずに書かれているものが多く、とても常識と呼ぶまで一般化するレベルではありません。あくまでも、「そのような見方がある」という書き方にとどめるのが常識的な判断です。追加論点→http://diamond.jp/articles/-/17446 「増税が景気を良くする」「金融政策は効果がない」――どちらも、世界標準の経済学の観点から見て正当化できません。もし、日本国内で、「新しい常識」として定着するならば、それは間違った常識認定をされる可能性大です。 その意味で、残念ながら、これらは「本当に使えない(使うべきはない)!経済のツボであり、『新常識』」だと言わざるを得ません。(文責・中野雄太) 不誠実な野田首相の対話集会――野田首相はまず、国民の信を問え! 2012.04.09 野田首相は7日、社会保障・税一体改革に関する政府主催の「明日の安心」対話集会に初めて出席し、自ら消費税増税への理解を訴えました。 この対話集会は2月からスタートし、民主党の議員が、社会保障・税一体改革の必要性を訴えてまわり、今までに32府県をめぐりました。 会場に選ばれたのは兵庫県西宮市の甲南大学。若者を中心に現役世代が集まりました。首相は、集会前に「一体改革は若者の支持が低い。若者の理解が大切だ」とアドバイスを受けていたということです。 質問のトップバッターの19歳男性は「増税は仕方がない。高齢化で年金の負担が増えていくことは避けられない」と理解を示す質問でした。 首相は「今日よりも明日が良くなるという展望を持つためには一番の不安を取り除くことが前提。一番の不安は、社会保障の持続可能性だ」などと応じ、対話集会では、社会保障の説明にかなり多くの時間を割きました。 つまり、首相が強調したかったのは、「社会保障・税一体改革は、若者の将来の安心につながりますよ」ということです。 しかし、消費税増税によって、現行の日本の社会保障、特に年金制度を維持することは、もはや不可能と見られます。 東京財団上席研究員の原田泰氏の試算によれば、高齢者一人あたりの社会保障給付費を現状の水準で一定とし、名目GDPが生産年齢人口に連動して減少していくと仮定すれば、社会保障給付費の増加分を全て消費税で賄うなら、実に58.8%もの税率アップが必要と予測されています。 60%超の消費税率は誰がどう見ても非現実的です。「できない」ことを「できる」と言って、お金を集めるのは、無限連鎖講(ネズミ講)と同じ詐欺行為です。 野田首相が強調する「社会保障と税の一体改革」は絵空事と言わざるをえません。 また、野田首相は「未来世代にツケを回さない」と語っていますが、そもそも、これまでの政治家や官僚による予算管理や年金管理・年金予測の杜撰(ずさん)さによって窮状に至っているのであり、それを「増税」という形で「国民にツケをまわしてはならない」のは当然のことです。 増税しても税収が増えるとは限りません。税収増は、経済成長によってこそ可能になります。政治家は、若者に対して、経済成長、所得倍増、GDP2位奪還作戦、自助努力の精神など、もっと夢やビジョンを語り、若者が「夢を持てる国・日本」を目指すべきです。 「下山の思想」が流行る時代、もう一度、「坂の上の雲」を目指して、国のあるべき姿を次世代に示すのが政治家の責務です。 日本が高度経済成長を成し遂げた後、政治家も官僚も「国家の未来ビジョン」を持てず、目先の問題の解決に追われているのが現状です。 「現状維持」を前提とするのが官僚の発想であり、「現状打破」を行うのが政治家の発想です。野田首相の発想はせいぜい「官僚」レベルです。 そして野田首相は、のうのうと対話集会で「増税キャンペーン」を行う前に、2009年の衆院選で「消費税を上げない」と公約したのにもかかわらず、消費税増税法案を国会に提出したことについて、全国を「懺悔(ざんげ)キャンペーン」して回るべきです。 野田首相のような不誠実な大人の態度を若者は見ています。そして、国民は政治への不信感を募らせています。 消費税を増税をしたいなら、民主党政権は衆議院を解散し、正々堂々と「消費税増税」をマニフェストに掲げて選挙で戦い、「国民の信」を問うべきです。(文責・竜の口法子) 国内外で増税キャンペーンを展開する財務省の実態 2012.04.04 財務省の増税キャンペーンが一層エスカレートしています。 既に、HRPニュースファイル231「マスコミの増税キャンペーン―『アメとムチ』でマスコミを操る財務省」(http://goo.gl/EkGWs)と232『「聖なるもの」の懐に手を突っ込む財務省、マスコミの危険性」(http://goo.gl/j32Ii)が指摘するように、いよいよ宗教法人課税を本格的にちらつかせてきました。 また、増税反対論者のテレビ出演に圧力をかけるなど、最近の増税キャンペーンは行き過ぎた感を否めません。 国民集会をけん制か? さて、3月31日は「増税が国を滅ぼす!国民集会」でしたが、国税庁による朝日新聞による申告漏れ指摘は前日の3月30日でした。私は、ここには、「何らかの政治的意図」を感じざるを得ません。 今回の国民集会は、事前に全マスコミにプレスリリースとマスコミ向けの懇親会(記者会見)まで用意したにも関わらず、主要マスコミの参加はゼロ。デモ集会を報道する記事も結局ありませんでした(前回の11月5日の集会は、主要マスコミでは産経新聞のみが掲載)。 つまり、どちらかと言えば増税キャンペーンに便乗していた朝日新聞をやり玉にあげ、増税に反対するマスコミを黙らせる意図があったとしか思えません。財務省の悪口を書けないマスコミが、増税に反対する国民集会を取材するのは、さぞやリスクの高いものであったのでしょう。日本のメディアは、真のジャーナリスト精神を放棄してしまったのでしょうか。情けない限りです。 御用学者を使って国民を洗脳する 客観的に見ても、財政再建には経済成長や歳出削減という方法があるにも関わらず、主要マスコミが増税一本槍しかないのは異常と言わざるを得ません。経済成長を過小評価し、成長に伴うインフレ路線では財政再建できないという「御用学者」を総動員してまで増税を目論む姿勢には閉口せざるを得ません。 過去のニュースファイルでも指摘してきたとおり、デフレ不況時の増税は「禁じ手」であり、日本経済に大打撃を与えます。 増税による財政再建が失敗しているにも関わらず、あえて増税に踏み込むのは、増税を実現することで「甘い果実」を吸える体制があるからです。予算の差配権を掌握し、政治家やマスコミを牛耳る力がある財務省の権限は、必要以上に大きくなっているのです。(3/29放送 幸福実現TV「増税亡国論」参照⇒http://goo.gl/0dRbI) IMFを通じて増税をしかける狡猾さ 財務省の手口は、海外機関を利用していることにも注目するべきです。現在、IMF(国際通貨基金)の副専務理事には、元財務官僚の篠原尚之氏がいます。日本人として副専務理事に就任しているのは、日本政府がIMFへの出資金が大きいことと比例しています。その関係で、財務省のスタッフも数十人派遣されており、主に日本の経済分析を担当しています。 海外の研究者よりも、日本人の方が日本経済の分析は正確だということもあり、IMF内では、財務省官僚が日本向けのレポートを作成することが多いのです。そのため、最近はIMFからの増税提言が増えているのです。実際、篠原尚之副専務理事は、2月上旬に都内で記者会見を行い、野田総理の消費税増税を「歓迎する」とコメントし、消費税は15%まで引き上げる必要性を主張しています。⇒http://bit.ly/HXrhY5 IMFは性急な財政再建を戒めている しかしながら、増税を歓迎するIMFといっても、必ずしも一枚岩ではありません。 IMFトップのラガルド専務理事は、昨年の8月にフィナンシャル・タイムズのインタビューの中で、「性急な財政再建は景気に悪影響」を及ぼすことを指摘しています。まるで、数週間後に誕生する野田政権をけん制するかのタイミングでした。 現在でも、IMFのチーフエコノミストのオリヴィエ・ブランシャール氏はラガルド専務理事と同じ発言を繰り返し、債務削減は長期戦で取り組むことを主張しています。⇒http://bit.ly/Heq18D 日本国内でも世論は変わってきている ここまで見てきたように、財務省は国内外を通じて消費税増税を含めたあらゆる増税キャンペーンを展開しています。しかしながら、海外ではIMFをはじめとして、2001年のノーベル経済学者のJ・スティグリッツ、2008年のノーベル経済学者のP・クルーグマンを筆頭に日本の増税路線を批判しています。財務省の目論みは、海外では評価されていないのです。 そして、日本国内でも消費税増税に反対する意見が強くなってきました。世論調査では、「増税はしかたない」という意見も多いのですが、少しずつ増税に反対する数字が強くなってきています。このまま国民の承諾がないままに増税路線を突っ走る野田政権は、民主主義のルールを完全に逸脱しています。 財務省の「操り人形」と化したドジョウ総理は、このまま日本経済を泥沼に引きずる愚策を展開していると言わざるを得ません。 幸福実現党は、野田総理の即刻退陣と消費税増税法案の成立を断固として阻止するべく、関連団体とも協力していく次第です。(文責:中野雄太) すべてを表示する « Previous 1 … 25 26 27 28 29 … 33 Next »