Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 67回目の終戦記念日に靖国参拝を終えて 2012.08.15 幸福実現党は、67回目の終戦記念日に党役員と候補者などで靖国神社に昇殿参拝しました。 今回、民主党政権になって二人の閣僚(松原仁拉致問題担当相と羽田雄一郎国交相)が靖国神社に参拝しました(超党派では55名の議員が参拝)。 鳩山政権と菅政権時代にはゼロだったことを考慮すれば、少しは前進と言えますが、野田首相や他の閣僚は中国や韓国の要請通り参拝を自粛しています。 首相の靖国参拝は日本の内政問題にも関わらず、中韓の内政干渉に屈した弱腰外交は健在です。 さて、靖国神社の参拝問題の背景には歴史認識問題があります。歴史認識問題は領土問題とも密接に関係しています。 増税法案可決に熱心だった野田首相ですが、歴史認識に疎いのか、外交上の大きな失敗を犯し続けていることを指摘せざるを得ません。 まず、7月にはロシアのメドベージェフ首相の国後島訪問がありました。2010年の大統領時代以来二度目の訪問でしたが、日本政府は遺憾の意を表したのみでした。 尖閣沖での漁船衝突事故後、ロシアの態度はエスカレートし続けていますが、今回の訪問によって実効支配が強まってしまいました。 韓国との間では従軍慰安婦問題が再燃。韓国の日本大使館前に建てられた慰安婦像を皮切りに、米国の主要都市で慰安婦を糾弾する石碑建立も加わりました。 外務省と自民党議員による抗議はありましたが、具体的な追求はまだまだ継続する必要がありそうです。 そして、日本国内が消費税増税法案可決の最中、間隙をついて日本の領土である竹島に李明博韓国大統領が上陸。大統領の竹島上陸は、平和の祭典であるロンドン五輪にも大きな影響を与えました。 特に、男子サッカーの三位決定戦終了後に、韓国代表MFの選手が上半身裸で観客から受け取った「独島は韓国の領土」とハングルで書かれたプラカードを提示。 現在、IOC(国際オリンピック委員会)が五輪憲章違反の疑いがあるとして調査中ですが、ロゲ委員長は「当然、政治的表現に該当する」と指摘しています。⇒http://bit.ly/Oup92r 翻って、李大統領の竹島上陸は韓国国内で8割が支持。一部、政治的パフォーマンスだと皮肉る論調が見られますが、サッカー選手だけではなく韓流スターがリレー方式で泳いで竹島を目指すパフォーマンスを行っているところを見れば、韓国人の反日感情の高さは異常です。 中国も同様ですが、日本に対しては何をやっても構わないという教育の成果なのでしょう。 一方、日本政府は外務省を通じて、お決まりの「遺憾の意」を表明して形式上の反発はしました。そして、玄葉外務相は国際司法裁判所への提訴を発表。しかしながら、韓国側は司法解決を拒否しています。 韓国側が司法解決に応じなければ裁判をできません。逆に言えば、韓国政府が裁判では不利であることを自ら表明しているようなものです。日本政府は、断固正論を押し、韓国政府を引っ張り出す努力を継続するべきです。 さらに、驚くことに李大統領は14日、忠清北道大学の教育関係者との会合で、独立運動の犠牲者への天皇陛下の謝罪を要求しました(大統領として、公式の場としては初)。⇒http://bit.ly/MZmfmL 李大統領は一貫して、従軍慰安婦問題に対する日本側の「不誠実な対応」を非難し続けていますが、国体の象徴である天皇陛下を侮辱し、本来日本の領土である竹島を不法上陸した大統領こそ不誠実です。 野田首相をはじめ、官房長官や外務大臣はなぜ遺憾の意しか言えないのでしょうか。遺憾の意だけでは、沈黙したと同じです。国際社会では、沈黙は「承認」を意味します。 残念ながら、野田首相は一連の韓国大統領の乱心に対して完全に後手にまわっています。ロシアに次いで韓国、そして次は中国による尖閣諸島上陸が予想されています。 もし、尖閣を取られたら領土問題の失点は三つになります。増税法案可決に注いだ情熱を、ぜひ領土問題にも注いで頂きたい。 今後、韓国による要求が過熱するならば、政府は日韓スワップ協定の破棄(残念ながら政府は現状維持を表明)や韓国国債購入の白紙撤回を迫るべきです。 また、韓流スターの入国および活動の禁止、サムソン製品の禁輸など、経済的な制裁措置だけでも選択肢はいつくもあります。 首相が、心底遺憾だと思うならば、国体の侮辱と不法占拠に対する対抗措置は明確に発表するべきです。 あるいは、政治生命をかけて増税法案を通した野田首相なのですから、自衛隊のヘリで竹島に上陸して日章旗を立てる。 もしくは、今話題のオスプレイに試乗して竹島に上陸ないし視察をすることも考えてはどうでしょうか。きっと、名誉を回復する最高の舞台となるでしょう。 英霊の尊い犠牲によって今日の繁栄がある日本。終戦記念を終えて思うのは、英霊への感謝と日本人の誇り、そして繁栄の未来の継承です。 そのためにも、幸福実現党は今後も竹島問題で韓国と妥協するつもりはありません。必ず国際司法裁判所に持ち込んで決着をつける努力をしていきます。 同時に、外交・安全保障の強化、歴史認識問題の見直しを通して、日本の誇りを取り戻す活動を継続していく次第です。(文責:中野雄太) 李韓国大統領の竹島上陸――対応を誤れば、次は中国の尖閣諸島上陸も 2012.08.11 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が8月10日午後、日本固有の領土である島根県・竹島に上陸しました。 竹島については、2008年に当時の韓昇洙(ハン・スンス)首相が上陸したことがありますが、韓国の大統領が上陸するのは初めての事態です。 李大統領の上陸にあたっては、韓国軍は、日本海上保安庁や自衛隊の接近を警戒し、KF16戦闘機編隊が空中警護を行い、駆逐艦や護衛艦、哨戒艦が海上警備を行うなど、ものものしい厳戒体制が取られました。(8/11東亜日報) 竹島は国際法に照らしても、歴史的事実に照らしても、明らかに我が国固有の領土であり、韓国による許しがたい「不法占拠」が続けられて来ました。 1905年、明治政府が竹島を島根県に編入し国際法的にも日本の領土になりました。(外務省「竹島の領有権に関する我が国の一貫した立場」⇒http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/index.html) しかし、日本の敗戦後、米占領軍が竹島を日本の行政権から外したことを口実に1952年、李承晩(イ・スンマン)韓国初代大統領が、公海上に「李承晩ライン」(海洋主権宣言)を一方的に設定し、竹島に守備隊を駐屯させました。 韓国は97年に竹島の接岸施設工事、2005年には竹島への一般観光客の入島を解禁する等、年々、実効支配強化を進めています。 日本政府は54年と62年に2度に渡って国際司法裁判所への提訴を提案しましたが、韓国側は受け入れませんでした。国際司法裁判に持ち込めば、竹島が日本の領土と認められることは明らかだからです。 玄葉外相は11日、李明博大統領の竹島上陸への対抗措置として、竹島の領有権問題について、国際司法裁判所への提訴を検討する考えを表明しましたが、韓国外交通商省当局者は「一考の価値もない」と述べ、裁判開始に必要となる提訴への同意を拒否する考えを鮮明にしました。 韓国は自国の主張に自信があるのであれば、速やかに国際司法裁判に委ねるべきですが、そうしないのは、韓国側が敗訴することが分かっているからです。 韓国は国策として「反日」で国家をまとめてきた経緯があり、その一環として竹島を「独島(ドクト)」と名づけ、国家規模で歴史を捏造し、「独島は韓国領」という教育を続けて来ました。 自立した国家であれば、他国を責めることなく独立自尊の国家運営をなすべきです。それが出来ないのが韓国の弱さでもあります。 一方、日本は日本で、育鵬社等の保守系教科書が登場するまでは、公教育では竹島が自国の領土であることは教えて来ませんでした。 また、日本政府は国際社会で「竹島は日本領土である」という主張を怠って来ました。 「親日」と言われて来た李大統領の竹島上陸の背景には、前国会議員の実兄が逮捕されたことによる支持率低下を挽回すべく、8月15日の解放記念日や五輪男子サッカーの日韓戦を直前に控え、「竹島上陸」カードを使ったのではないかと報じられています。 こうした背景を鑑みてか、森本防衛相は「韓国の内政上の要請によるものだ。他国の内政にとやかくコメントすることは控えるべきだ」と述べました。 しかし、日本の領土を守り抜く責任を負った防衛大臣が、竹島問題は韓国の「内政問題」であり、日本は干渉すべきではないとしたことは極めて重大な問題発言であり、防衛大臣としての資質が欠落していると言わざるを得ません。 野田首相は、今回の竹島上陸に対し、「極めて遺憾」として武藤駐韓大使を帰国させることを明らかにしましたが、相手国への抗議の意思を示す「召還」ではなく、抗議の姿勢をトーンダウンさせた「一時帰国」の形を取りました。 これまでも民主党政権は、鳩山元首相は韓国に対して竹島への「不法占拠」という表現を封印し、菅前首相は日韓併合100年にあたって韓国に対して「首相談話」として謝罪。野田首相は、返還義務のない「朝鮮王朝儀軌」を引き渡しました。 韓国は、民主党政権の3年間で、日本は「ごり押しすれば簡単に退く国家」と確信したのでしょう。 特に、今回の対処を誤れば、事は対韓国の問題だけでは済みません。 今回の日本側の対応を、北方領土に足を踏み入れたロシアのメドべージェフ首相や尖閣諸島実効支配を虎視眈々と狙っている中国が注目しています。 日本政府の最終兵器が「遺憾の意を表す」程度に過ぎなければ、着々と竹島の実効支配強化を進める韓国に倣って、ロシアは北方領土領有の既成事実化し、中国が尖閣諸島の実効支配を進めることは間違いありません。 尖閣諸島は、8月中に東京都が尖閣諸島の調査の許可を国に求めています。しかし藤村官房長官国は「何人も尖閣諸島への上陸を認めない」との方針を打ち出し、中国に弱腰姿勢を見せています。 幸いにも8月初旬に3つの台風が尖閣諸島を通過しました。「神風」が中国船の出港を阻み、辛うじて守っているような状態にありますが、問題は日本国家に自国を守る意志があるかどうかが問われています。 今回の韓国大統領の竹島上陸に対する対応を誤れば、次に来るのは中国の尖閣諸島上陸であり、「日本占領」のシナリオです。 日本政府は、今回の対応の失敗が国難を呼び込むことを肝に銘じ、日本固有の領土である「竹島」を守り抜くべく、毅然たる態度で、竹島の主権確立を目指すべきです。(文責・佐々木勝浩) 原爆投下とソ連の侵略があった8月9日 2012.08.08 8月9日は、米軍が長崎に原爆を投下した日です。 1945年8月9日午前11時02分長崎県長崎市に対して米軍が投下したのは、広島に投下されたウラン235型よりも1.5倍強力なプルトニウム239型でした。 当時の長崎市の人口24万人のうち、約14万9千人が死没し、40%近くの建物が全壊ないし半壊したほどの破壊力でした。 広島と長崎では、いまだに原爆の後遺症に苦しむ方もいます。原爆によって失われた遺族の方々の気持ちを考えれば、毎年訪れる8月6日と9日に心が痛むのは私だけではありません。 広島と長崎から恒久平和と核廃絶の願いが出てくることは自然なことです。しかしながら、次の論点は政治やメディア、そして教育で長年タブー視されてきた問題であるため、多くの日本人は答えることができません。 例えば、実戦で原爆を投下して大量の市民を巻き込んだ米国が正義に適ったものであるのか。戦争を早期に集結するために、本当に原爆投下が必要であったのかは、依然として議論が分かれます。というより、議論すら許されていないのが現状です。 米国在住のジャーナリストの日高義樹氏の最新刊『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』(PHP研究所)という本を出版しました。日高氏の精力的な取材に基づけば、日本に落とされた原爆は「人体実験」だというショッキングな内容が記されており、話題を呼んでいます。⇒http://amzn.to/NZg8yg 同書は、広島と長崎の原爆に限らず、東京をはじめとする大都市の空襲にも焦点を当て、米軍による非戦闘員(軍人以外の一般人)の大量虐殺は到底容認することはできないことを記しています。特に広島と長崎は通常爆弾の空襲を受けていませんでした。 つまり、米軍は一発の原爆の威力と人体や建造物への影響を試したかったと思われます。広島型(ウラン)、長崎型(プルトニウム)の原料の異なる原爆の“実験”であったというのは米国側のこうした都合によるものです。 また、東京大空襲で司令官カーチス・ルメイ米国中将は、東京の民家は小さな軍需工場であり、その空襲は非戦闘員への攻撃ではないとの理屈立てましたが、これを素直に受け入れることはできません。 実際、戦後に実施された東京裁判(正式には、極東国際軍事裁判。1946年5月3日から48年11月12日まで行われた)では、日本の戦争犯罪が裁かれました。 東条英機首相をはじめ、28名の指導者を裁いた東京裁判では、通常の戦争犯罪を含めて「平和に対する罪」「人道に対する罪」が柱となりました。 当裁判が国際法の観点を欠いたものであることは、上智大学の渡部昇一名誉教授らを筆頭に歴史家によって明らかにされています。 さらに、日本側から提出された却下史料を掲載した『東京裁判日本の弁明』(講談社学術文庫小堀桂一郎編)は熟読に値する書物です。⇒http://amzn.to/Q9ncUf 特に清瀬一郎弁護人の論文は秀逸ですが、一連の論文を精読すれば、広島と長崎の原爆投下や非戦闘員まで巻き込んだ大空襲こそ「平和に対する罪」であり「人道に対する罪」だと結論が導けます。 人類史上、原子爆弾を投下した国の大統領や指導者は一切謝罪することなく、投下された国民は「日本は悪い国だったから原爆を落とされた」と謝罪するのは奇妙です。 むしろ、「米国こそ裁かれるべきだ」と東京裁判で唯一日本無罪を主張したR・パール判事の意見にこそ耳を傾けるべきです。 最後に、8月9日に関して忘れられた歴史を紹介します。 1945年8月9日は、ソ連が日ソ不可侵条約を破棄して宣戦布告。満州や朝鮮、南樺太や千島列島に侵略をしました。日本大使館から本土に向けての電話回線は切断されており、完全な奇襲攻撃でした。 原爆投下とソ連の奇襲によるダブルパンチは、戦況が悪化していた日本軍には相当な痛手でした。 さらに悪いことに、ソ連は8月18日に千島列島の最東端の占守島を侵略。千島列島を不法占拠しました。 精鋭部隊でもあった戦車第十一連隊の活躍があったおかげで、北海道から東北地方の占領は免れたとはいえ、現在の北方領土はこの時に占拠されています。 要するに、スターリンによる手段を選ばない卑劣な手段が背景にあったということです。その意味で、「北方領土奪取は、火事場泥棒であった」と言わざるを得ません。 現在、日本は米国とロシアと友好関係にあります。幸福実現党は、日米同盟や日露通商協定を主張しているので、こうした議論は矛盾すると思われるかもしれません。 しかしながら、既に敗戦から67年が経過しました。米国は「真珠湾を忘れるな」と同盟国の日本を批判的に教育していますし、ロシアは9月2日を対日戦勝記念日として制定しています。 国によって歴史認識に違いがあるのは当然のことですが、日本だけが自虐史観を抱えたままでは、対等以上の外交はできません。同盟国だからといって一方的な受け入れは避けるべきです。 歴史認識は内政問題ですから、何か言われたら内政干渉として退ければよいだけです。親米とか反米の問題ではなく、独立国として当然のことです。 自虐史観=東京裁判史観の脱却は、幸福実現党の教育政策の柱の一つであり、今後も力を入れていく分野です。 8月15日の終戦記念日におきましては、党役員、候補者による靖國神社参拝も予定しており、今日の平和な日本を築いてくださった英霊への深い感謝と、豊かで誇り高き日本の復活を誓わせていただく予定です。(文責・中野雄太) 「核兵器の使用は悪である」――戦後の呪縛から脱し、主権国家として当然の抑止力強化を。 2012.08.06 8月6日、広島は67回目の「原爆の日」を迎えました。世界初の核兵器投下により、一瞬の内に約14万人が死傷し、その後も多くの人が被爆などが原因で亡くなりました。犠牲になられました多くの方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 同日、「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」が行われ、広島、長崎への原爆投下を命じたトルーマン元米大統領の子孫が初めて参列し、「私が広島にいることを許さない人もいるかもしれないが、米国に帰って核兵器をなくす活動を続け、広島で会った被爆者の心に応えたい」と語りました。 広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい。過ちは 繰返しませぬから」という言葉が刻まれていますが、明確にすべきことは「原爆は、落とされたほうが悪いのか、落としたほうが悪いのか」という一点です。 私達は日米同盟を重視しており、今後とも安全保障の基調と考えるものですが、「原爆は落としたほうが悪い」「人道に対する罪である」「使ってはいけない道具である」と考えます。 戦後、日本への原爆投下について、アメリカが責任を問われることはありませんでした。原爆投下は当時の事情から見てやむを得なかったとの説があるからですが、これは本当でしょうか? 「原爆投下はやむを得ない」とされている背景には、主として以下の3つの主張があります。 1.原爆投下は、真珠湾攻撃などの卑劣な行為をした日本への当然の報復行為である。 2.日本の抵抗が激しく、日米両国の被害を最小限に抑えるためにやむをえなかった。 3.日本が最初の段階でポツダム宣言を受け入れなかったため、投下せざるを得なかった。 これについては、以下のような反論があることを知っておくべきでしょう。 1.原爆投下は、真珠湾攻撃などの卑劣な行為をした日本への当然の報復行為である。 宣戦布告の通告が遅れたため、真珠湾攻撃は「だまし討ち」と非難されていますが、これをもって原爆投下を正当化することは出来ません。 まず、真珠湾攻撃は軍事基地に限定されており、広島や長崎への原爆投下のように無防備な市民を多数死傷させたわけではありません。 また、原爆開発を指示したルーズベルトは、日本の真珠湾攻撃の前から核兵器の製造を考えていました。 実際、原爆開発の予算6000ドルを計上し、議会を通過させたのは、日本の真珠湾攻撃の前日だったとのことです。(『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』日高義樹著による) 2.日本の抵抗が激しく、日米両国の被害を最小限に抑えるためにやむをえなかった。 アメリカ側の主張として、「原爆を使わなければ日本は降伏せず、より多くの人の命が奪われた」というものがあります。 しかし、ルソン島、硫黄島、沖縄戦におけるアメリカ軍の戦死者の総計は2.7万人程度でした。さらに、九州への上陸作戦を予定していたマッカーサーも、戦死者は多く見積もって6万人であると考えていました。 ゆえに、広島・長崎合わせて、20万人以上とも言われる死傷者を出した原爆を使う必要はなかったといえます。 当時のアメリカ軍指導者も、原爆投下は不要であったと述べています。第二次世界大戦でヨーロッパ戦線における連合軍の最高司令官を務め、後に34代大統領となったアイゼンハワーも「日本の敗色は濃厚で、原爆使用はまったく不必要であり、もはや不可欠ではない兵器を使用することで、世界の世論に波紋を広げることは避けるべきだと考えていた」と語っています。 3.日本が最初の段階でポツダム宣言を受け入れなかったため、投下せざるをえなかった。 『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』の著者、鳥居民氏は「ポツダム宣言は正式な外交文書とは思わせないように作成し、また原案から天皇の地位保全の条項を削り、あえて日本側が「黙殺」するような状況を仕組んだ」「戦争が終わってしまえば、原爆開発に費やした巨額な資金の支出について国民と議会に納得させることが難しくなると考え、原爆投下まで日本を降伏させたくなかった」と指摘しています。 そもそも、原爆使用が「国際法違反」であったという説もあります。 東京裁判において、日本人弁護士団を補佐したアメリカ人弁護士たちは、「原子爆弾という国際法で禁止されている“残虐な兵器”を使用して、多数の一般市民を殺した連合国側が、捕虜虐待について日本の責任を問う資格があるのか」と主張しました。 このような反論を見るまでもなく、核兵器のような残虐な兵器を使うことは悪であり、「落とした方が絶対に悪い」ことは明らかです。 しかし、日本は、「落とされた方が悪い」かのごとくのスタンスに立ち、学校教育でもそのように教えています。 1979年から1995年の4期にわたって長崎市の市長を務めた本島等氏は、1998年の産経新聞のインタビューに対して「米国やアジア太平洋諸国は原爆投下を『正しかった』『天罰だ』『救世主だった』と思っている。 確かに、日本がアジア太平洋戦争などで行った数々の悪魔の所業を思うと、原爆投下は仕方なかった、やむを得なかった、と言わざるを得ない。東京大空襲や沖縄戦も同じだ」などと発言しています。 また、2001年度の文科省の検定を通った、東京書籍発行の中学校歴史教科書には、「広島は軍都であったから原爆が投下された。そのような過ちを繰り返さないことが大切」と、原爆投下の責任が日本側にもあるかのような記述がなされています。 さらに、1955年、5名の被爆者を原告として「原爆投下は国際法に違反する戦争犯罪である」とする賠償訴訟が起こされた際、日本政府は「原爆投下によって日本の降伏が早まり、交戦国双方の人名殺傷を防止する結果をもたらしたので、原爆投下が国際法違反であるかどうかは、何人も結論を下しがたい」という趣旨の陳述をしています。 このあたりにも、アメリカと事を荒立てたくないという政府の姿勢が見て取れます。 もちろん、戦後、日本がアメリカに安全保障面や経済面で助けられてきたことには感謝すべきであり、ことさらにアメリカに抗議を行うことは外交上得策とはいえません。 かといって、「日本が悪かったから、原爆を落とされてもやむを得ない」と卑屈な立場に立つこともバランスを欠いています。 必要以上に自らの非を認め、謝罪するだけでは平和は訪れません。それどころか、アメリカの軍事力にかげりが出てきている今、日本の非を強調すれば、中国や北朝鮮に核兵器使用の口実を与えかねません。 幸福実現党は、世界平和の実現を目指す政党として、「侵略目的を持つ国家の核の廃絶」を目指しています。 広島・長崎の惨劇を繰り返さないためにも、「核兵器の使用は悪である」ことを明確にし、悪意を持った周辺諸国から国家と国民を守るため抑止力を強化していくべきです。(文責・HS政経塾 小川佳世子) 平成24年度版『防衛白書』を読む――「多様化する脅威」から日本を守れ! 2012.08.05 8月6日、広島は67回目の原爆の日を迎えます。 広島において、原爆の犠牲となられた多くの方々の御霊に対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げますと共に、日本と世界の平和を守り抜くことを固く誓わせて頂きます。 広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい。過ちは 繰返しませぬから」という言葉が刻まれています。 この言葉に代表されるように、私たち日本人は、戦後、占領軍によって導入され、日教組が育ててきた「自虐史観教育」の中で、「日本が外に行けば悪いことをする民族である」と刷り込まれ、「暴虐な日本が戦争を放棄さえすれば世界は平和である」と洗脳されて来ました。 日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と謳っていますが、これは、自国の平和を他国に依存するという「植民地条項」であり、主権の放棄です。 残念ながら、国際社会は善意に満ちているわけではありません。中国の軍事拡大、尖閣諸島を巡る日本への恫喝、北朝鮮のミサイル発射や核実験を行い、「平和を愛する諸国民」ではない近隣国が存在していることは明らかです。 こうした現状を踏まえ、先日7月31日、平成24年度版『防衛白書』が公開されました。⇒http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2012/w2012_00.html 同白書は、中国に関し海軍艦艇部隊の太平洋進出が「常態化しつつある」と懸念を表明すると共に、北朝鮮については弾道ミサイル発射を「今後も行う可能性が高い」と警告しています。 「中国や北朝鮮の脅威」を正面から捉え、踏み込んで表記したことは当然と言えば当然ですが、評価できます。 また、「国際社会の課題」と題した第2章において、グローバル化・多角化する安全保障問題について言及している点も評価できます。 特に、本章で重要なテーマは、第2節で取り上げられている「サイバー空間をいかに防衛していくのか」という課題です。 サイバー空間はコンピュータネットワークとして社会インフラの重要な部分を占めており、これをいかに防衛するかという問題に関しては、非常に重要な問題です。 しかし、日本は自衛隊内部に専門部隊が創設されていないために警察任せとなっており、先進国の中で最も対策が遅れています。 一方、同白書で評価できない点は、日本の国益(National Interest)と日本の国益における軍事力の役割(National interest and the Role of Military power)を明確な形で規定していないことにあります。 これは、日本が自国の利益をどのように考えているか、そしてその利益を守るためにどのように軍事力を用いるのかという重要な命題について明確に答える用意がないということを意味しています。 このことが周辺国を含めた諸外国にどのような影響を与えているかと言えば、日本は中国以上に「訳が分からない怪しい国」「何をするか分からない国」して認識されているということです。 東南アジアの国々が、日本に積極的に頼らず、アメリカだけに頼るのはこのことが原因です。 私達は、もっと自らの戦略を内外にアピールしていく必要があります。日本は今、自国の国益をあらゆる脅威から守るために、安全保障戦略を真剣に考えなければならない時期に来ています。 現在、日本の脅威は多様化しています。国際関係においては、日中問題というバイラテラル(2国間)の問題のみらならず、ますます「脅威」が多様化・複雑化する様相を呈しています。 グローバル化が進んだ現在、たとえ日本から遠く離れている国々の出来事であろうとも、日本に影響を及ぼすということは十分にあり得ます。 特定の脅威に視野が狭まると、他からの脅威に対応できなくなる隙が生まれます。私たち日本国民は、日本の防衛について深く知り、更なる大局観を持って見ていく必要があります。 特に、サイバー空間における戦いは「国家対国家」の戦いであるばかりでなく、ウィキリークスやアノニマスに代表されるように、ある集団が国家を敵に回して戦える時代が到来しています。 今こそ、私たち日本国民は、こうした「多様化する脅威」から自分の国を守ることを真剣に考えなければなりません。 そのための第一歩として、『防衛白書』は非常に役に立ちます。是非、御一読をお勧め致します。(文責・佐々木勝浩) 内戦が激化するシリア情勢――日本政府はいかに貢献すべきか 2012.07.22 シリアでは、政府軍と反政府軍との間での戦闘が激化しています。 シリアの首都、ダマスカス中心部にある治安機関の建物で7月18日に起きた爆発では、ラジハ国防相やアサド大統領の義理の兄の副国防相ら少なくとも3人が死亡したとされています。 18日にはシリア全土で180人が、19日には60人が死亡したとされており、事態は混迷を深めています。(7/20 NHK「シリア 首都での戦闘続く」) こうした事態を受け、21日、政府軍が反体制派への攻撃を強め、シリア各地で激しい戦闘が発生しています。(7/22ロイター「シリア第2の都市でも戦闘激化、大統領は軍部隊の首都集結を指示か」) しかし、日本政府や日本のマスコミはシリア問題に対して、あまりにも無関心です。 同国が内戦に至った原因を深く追及しておらず、政権側はイスラム教アラウィ派、反政権側はイスラム教スンニ派というステレオタイプな宗派間対立として見る向きもあります。 しかし、シリア問題の本質は、単なるイスラム教の「宗派間対立」ではなく、市民が「独裁政権からの自由」を求めて行動を起こしていることにあります。 つまり、イスラム教を信仰している人々も、人類普遍の真理である「自由」に目覚めつつあることを意味しているのです。 現在、シリア問題に取り組んでいる国連は、活動することのできない停戦監視団を送り、無意味に安全保障理事会を重ねるだけで、物事の本質を突いた解決策を提示できていません。 NATOは軍事介入する可能性を否定していますが、むやみに軍事介入すれば、シリアと親密な隣国イランを不必要に刺激し、イランを巻き込んだ戦争の発端となる可能性があります。 まずは、国際社会は一致した対応をとり、シリア国民が自らの力で自由を手にすることを支援すべきです。 また、武力介入が行われる場合、その主力は2011年3月に行われたリビアにおける軍事作戦と同じように、アメリカ軍よりも北大西洋条約機構(NATO)が主体となった欧州連合軍が主体になるものと推測されます。 では、日本は責任ある大国として、どのようにシリアの問題に関して関わっていけばよいのでしょうか。 シリアの「内戦をいかに終わらせるか」も重要ですが、日本政府としては、内戦後のシリアの復興シナリオをいかに描くかが重要です。 例えば、2011年に長期間の独裁政権から解放されたエジプトでは、選挙で選ばれたモルシ大統領と長年政権を維持してきた軍部との争いが始まり、市民の自由が遠のいています。 「アラブの春」は「独裁政権からの解放」だけが目的で、その後の「国家ビジョン」が無かったことが、改革が行き詰まっている原因です。日本はキリスト教国にもイスラム教国にも分け隔てなく接することのできる数少ない国です。 日本は内戦後のシリアが、自身の自助努力によって、いかに繁栄を手にすることができるかを考え、支援していくべきです。 なぜなら、「アラブの春」と呼ばれる一連の革命の発端は、高失業率など経済失政への不満が強まり、若年層の不満が鬱積した結果起こったためであり、日本政府はシリア経済の回復・成長を支援すべきです。 シリアは反体制派が四分五裂のため、アサド政権崩壊後のビジョンが見通せない上、シリアは石油資源が少なく、近い将来の枯渇が心配されているため、復興に向けてはEU、日本、湾岸産油国などによる支援が不可欠です。 米シンクタンクのヘリテージ財団は、アサド政権崩壊後、米政府は、欧州の同盟諸国や日本、アラブ湾岸産油国と手を携えて、シリア安定化に向けた支援を進め、シリア国民が日常生活を取り戻すのに貢献すべきだと提言しています。(7/2ヘリテージ財団「American Leadership Needed for Shaping a Post-Assad Syria」) 今後、日本が行うべき国際社会に対する貢献は「内戦の原因を根絶する」という戦略的な目標を立て、その国の国民自身が自らの自助努力によって経済的な繁栄を手にできるように支援していくことが重要です。(文責・佐々木勝浩) 中東情勢の激化に日本はいかに対処するべきか~愛は憎しみを超えて~ 2012.07.06 7月1日、核開発を続けるイランへの制裁を強化するため、EUはイラン産原油の全面的な禁輸措置に踏み切り、先に新たな金融制裁を発動させたアメリカと共にイランの核開発阻止に向けて圧力を強めました。(7/1 NHK「EU イラン産原油の禁輸措置発動へ」⇒http://goo.gl/Rqiai) これに対して、イランは欧米諸国に対する反発を強化。7月4日、イランは攻撃を受けた場合、直ちに中東にある米軍基地、及びイスラエルに対して攻撃し、ホルムズ海峡も封鎖すると警告しています。(7/4 ロイター「イラン、攻撃受けたら直ちに中東の米軍基地を破壊」⇒http://goo.gl/QQdDx) イランは、既に「シャハブ3」と呼ばれる北朝鮮の「ノドン」がベースとなっている準中距離弾道ミサイルを配備しています。 同ミサイルの射程は2,000kmに達し、弾頭は500~650kgまでの高性能爆薬や核弾頭を搭載可能と見られています。(Global Seculity⇒http://goo.gl/3P5ZD) 同ミサイルはイスラエルを含む湾岸諸国と湾岸諸国に展開するアメリカ軍を射程に収めており、周辺諸国に多大なるインパクトを与えています。 アメリカ軍は1983年以降、中東地域を管轄する地域別統合軍としてアメリカ中央軍(USCENTCOM)を設置し、同地域に米軍を積極的に展開しています。 現在、米軍は原子力空母2隻(エンタープライズ、エイブラハム・リンカーン)、強襲揚陸艦1隻(イオー・ジマ)を基幹として、米沿岸警備隊、イギリス、フランス等が参加する大規模な部隊をペルシャ湾、オマーン湾に展開しています。その理由は以下の2点が挙げられます。 第一は、イランとイスラエル双方が早まった行動に出ないように牽制すること。第二は、現在、内戦状態にあるシリアに対する圧力です。 アメリカやヨーロッパの対外政策(foreign policy)の目標は、イランとイスラエルの双方の暴発を抑えつつ、イランの核開発を押し止めることにあります。 しかし、これはイラン、イスラエルのどちらか一方が攻撃を決断すれば、すぐに崩れてしまう「破局一歩手前」の「ガラスの均衡」です。 日本政府としては、何としても粘り強く両者の対話を促し、事態を破局に導かないように導くべきです。 日本にとって、原油の輸送の80%以上が通過するホルムズ海峡において、武力紛争の勃発や封鎖は、国家のエネルギー政策の破綻を意味します。 したがって、中東情勢が激化を抑え、ホルムズ海峡やシーレーンを守ることが、日本の「国益」であると言って過言ではありません。 しかし、日本の政治は増税以外、何一つ決められない「無政府状態」に陥っています。野田政権には「日本の国益を守る」という意志が皆無です。 日本政府はアメリカ、イスラエル、EUとイランの間で仲介の労をとり、イランの核開発や紛争勃発を未然に防ぐべきです。 また、イスラエルが早まってイランの核施設を攻撃すれば、両国との間で戦争状態になることは目に見えています。 そうならないよう、両方に顔が利く日本が先頭に立ち、話し合いの場を中東から遠く離れた日本に設けて調停を進めるべきです。 また、日本は宗教的アプローチから、イスラム教とユダヤ・キリスト教との橋渡しをなすことが可能な立場にあります。 「神の正義」を争う両者に対して、寛容なる精神の下、両者を包含していく宗教的理念が必要です。それは「愛」であり、「慈悲」であります。 『イラン大統領VS.イスラエル首相~中東の核戦争は回避できるのか~』(大川隆法著、幸福実現党発行⇒http://goo.gl/a1RpC)で、大川隆法党名誉総裁は「私は愛は憎しみを超えると信じている。慈悲は世界を救うだろう。」と述べています。 日本は一刻も早く、「国益」に基づいた戦略を描き、外交的アプローチ、宗教的アプローチの双方から両者の仲介を進めていくべきです。(文責・黒川白雲) ロシア首相が北方領土再訪問。どうなる日露関係 2012.07.04 ロシアのメドベージェフ首相が大統領時代の2010年以来二回目の国後島訪問をしました。同首相は、「一寸たりとも領土は渡さない」をはじめとして、日本を挑発するかのような発言を連発しており、かなり強気の姿勢を示しています。 択捉島への訪問は天候不順で中止になったとは言え、北方領土問題を抱える日露関係悪化の懸念が再燃してきました。 今回は、北方領土問題を題材に日露外交を考えていきます。 【論点1】歴史的経緯から見た日露間の領土問題 北方領土問題を理解するために、簡単に歴史をおさらいしておきましょう。詳細は外務省のHPでも確認できます。→http://bit.ly/MTxuaZ 実は、日本はロシアよりも先に北方領土を発見しており、19世紀には実効的支配をしています。その後、ロシア側も択捉の隣にあるウルップ島を南限として認識していました。 両国は1855年に日露通商条約を結び、両国が認識する国境をそのまま確認しています。 1875年の樺太千島交換条約では、千島列島(占守島からウルップ島までの18島)をロシアから譲り受ける代わりに、ロシアに対して樺太半島を放棄。日露戦争後のポーツマス条約では、ロシアから樺太の北緯50度以南の部分を譲り受けています。 問題は、戦後以後の歴史です。 実は、第二次世界大戦におけるソ連は問題児でした。例えば、わが国とは1945年8月に日ソ不可侵条約を破棄して宣戦布告し、満州を侵略しています。終戦後もソ連との戦争は続きました。 8月17日から18日にかけては、千島列島最東端の占守島(シュムシュと読む)をソ連軍が突如侵略。武装解除をしていたわが国陸軍は、突如の侵略に苦戦しましたが、当時精鋭部隊と呼ばれた陸軍の戦車第十一連隊の活躍などにより、内容は勝っていたようです。 ソ連政府機関紙のイズベスチア誌は、「8月19日は、ソ連人民悲しみの日であり、喪の日である」と言及していることから、日本軍の善戦の様子が分かります。 結局、日本は停戦=降伏となりましたが、日本軍の強さがソ連の千島列島から北海道、場合によっては東北の占領を防いだわけです(一説には、日露戦争敗戦によるスターリンの怨念が引き起こした侵略行為だと言われている)。 残念ながら、地元の北海道をはじめとして、占守島決戦を教える教師は少ないようですが、日本人なら心に留めておくべきでしょう。 【論点2】ロシアとの交渉は甘くない 前述の占守島決戦後、ソ連は一方的に千島列島を自国領に編入しました。1951年のサンフランシスコ平和条約では、日本は千島列島に対する全ての権限及び請求権を放棄していますが、問題となっている北方四島は含まれていません。 加えて、特筆すべき論点は、サンフランシスコ平和条約に、ソ連が署名を拒否していることです。 そのため、わが国は、1956年に「日ソ共同宣言」を調印し、両国間の外交は再開しました。同共同宣言では、歯舞諸島と色丹はわが国に返還することになっていたのです(いわゆる2島返還要求)。 プーチン大統領自身も「2島引き渡しが軸」と考えています。(5/7 産経「「2島引き渡し」が軸 北方領土問題、大胆な譲歩は困難」⇒http://bit.ly/LwWsgd) 上記の記事にもある通り、プーチン大統領は「領土問題を最終決着させたい」という意思は持っており、日ソ共同宣言が現在も有効と考えています。 ロシア政府内では、メドベージェフ首相による強固路線が先鋭化しているように見えますが、北方領土返還交渉は今後も2島返還が基盤となることは変わりありません。その意味で、新大統領の間にどれだけの交渉ができるかがカギです。 ただ、プーチン氏の大統領再任の際に明らかになったように、国内の支持基盤は強くはありません。加えて、メドベージェフ首相をはじめとした強固路線派もいるため、ロシア政府が大胆に返還交渉に出ることは難しいと言えるでしょう。 そして、歴史を見る限り、ロシアとの交渉は甘くはないことは肝に銘じるべきです。 【論点3】日露通商の強化がカギか 幸福実現党としては、領土問題に関して前提としているのが、日露通商交渉を強化です。原発問題により、資源外交を余儀なくされている日本は、ロシアの天然ガスやその他の天然資源は必要になります。 同時に、ロシア側としては、日本の優れた技術と資金力が欲しいという面もあるでしょう。親日派と呼ばれるプーチン大統領時ならば、ロシアとの通商交渉を強化していくのは一つの対策です。 その上で、日ソ共同宣言の精神に従ってまずは2島返還を実現する。残りの2島を返還できるかどうかは、今後の日ロ関係の成熟次第だとも言えるでしょう。 日本は、ロシアとの関係を強化する上では「大人の態度」が必要です。「親日派」と呼ばれるプーチン大統領を過大評価することなく、資源外交や経済協力を推し進めなければなりません。 日本政府は、単にメドベージェフ首相の訪問を抗議するだけではなく、中長期的な視点で領土問題解決をしていくのがベターだと言えます。(文責・中野雄太) 宇宙への覇権拡大――本格的な中国宇宙軍の時代に備えよ! 2012.07.03 民主党が事実上分裂し、自民党と連携するのか、それとも「維新の会」と連帯するのかといった、政局を占う動きが強くなっています。 しかし、次の選挙で「国防」について議論を沸騰させることなくして、この日本に未来はありません。日本防衛のラストチャンスが、ここ数年の戦いであるからです。 ここで2020年に向けた中国の軍事的戦略を確認してみると、例えば、中国は今、「宇宙ステーション」建設の計画を進めています。 先月「神舟9号」と「天宮1号」が宇宙空間でドッキングを果たし、宇宙空間で各種実験が行われましたが、当然ながらこれは「軍事拠点」であり、「中国宇宙軍」の時代の到来を告げるものです。 中国軍事研究家の平松茂雄氏は、この中国宇宙軍構想について、既に1987年の「解放軍報」に明らかにされていたと指摘。そして、将来の戦争は「地表面の争奪を主要な目的とした平面戦争」から「空間の争奪を目的とした立体戦争」へと発展すると述べています。 そして、その「空間の争奪」の一つの焦点が宇宙空間であり、「宇宙空間で優勢になった者が空間争奪戦を優位に展開する」ことになり、「空間争奪」の観点から、今後の陸軍、海軍、空軍は一体化されて運用されるようになる。 武装部隊は、大気圏外における単独の「宇宙軍」と、大気圏内で高度に統合化された「陸海空軍」の二つに区分されるようになると指摘しています。(2011/10/6 産経 平松茂雄氏「すぐに中国宇宙軍の時代が来る」⇒http://goo.gl/ohGWk) 実際、中国は既に1980年代から、外国の民用衛星の打ち上げ代行を100回以上行っています。鄧小平の改革・解放により、ロケット部門が解放されたためです。 「民用衛星」といっても、その打ち上げを行っている中国宇宙開発総公司と、軍の管轄下にある中国宇宙局とは所在地も職員も同じです。 何のことはない、軍用施設を転用し、衛星打ち上げ代行で外貨を獲得。諸外国からは関連技術を導入しながら、軍事領域に還元しているのです。 当然ながら、こうした「宇宙軍構想」は、中国の悲願である「台湾統一」において、米国に対抗する力となります。 台湾統一時に予想されるシナリオは、大陸間弾道ミサイルで米国の主要都市を攻撃すると威嚇して、横須賀の第七艦隊の空母機動部隊が出動することを断念させること。 そして、宇宙ステーションから、米国の軍事衛星をレーザー兵器で破壊し、米国のミサイル防衛システムを無力化することです。台湾統一に向けて、米国が介入できないような状況を作っているのです。 日本に向けては、中距離弾道ミサイルで日本の各都市に核を落とすと威嚇して、米軍の後方支援を停止させる。また、福建省と江西省に大量に配備された短距離ミサイルが、台湾を攻撃することになります。 なお、ミサイル技術と連動して、中国版GPS(全地球航法測位衛星システム)の独自開発も進んでいます。中国は2000年10月、12月、2003年5月と、「北斗航法測位衛星」を打ち上げました。 米国ではGPS、ロシアではGLONASSと呼ばれ、日本ではカーナビでおなじみの機能は、もともと軍事利用目的に開発され、1991年の湾岸戦争のイラク空爆でミサイルを攻撃目標に正確に当てて世界を驚かせました。 中国はこれまで11基の衛星を打ち上げ、測定精度は25m、測定範囲はアジア太平洋の大半に及んでいます。これが米国並みの30基の衛星が打ち上げられ、システムが完了するのも、2020年です。 測位範囲は全世界に拡大され、制度は10m前後に向上すると言われています。この中国版GPSも、台湾軍事侵攻の時、特に海上に展開する海軍艦艇や潜水艦の位置および攻撃目標の指示など広範囲な役割を果たすことでしょう。 ちなみに、中国は衛星攻撃兵器の実験にも成功しています。2007年1月11日、四川省西昌の衛星発射センターから発射されたミサイルが高度860キロの軌道上にあった老朽化した中国の衛星「風雲1C」を破壊したことが、米国『Aviation Week and Space Technology』によって明らかにされました。 宇宙空間にゴミ(スペースデブリ)をまき散らしたと非難されましたが、既に米軍の情報システムに打撃を与えうる力も持っているのです。 こうした動きはアヘン戦争で失われた「失地回復」にとどまるものではなく、海洋や宇宙にまで拡大し、「地表面の争奪を主要な目的とした平面戦争」から「空間の争奪を目的とした立体戦争」へと発展してきているのです。 中国は、国家目標を総力を上げて実現してきた「有言実行」の国です。日本は中国が自信の根拠としている「核」に対抗するための「核武装」について議論せざるを得なくなるでしょう。 また「核を無力化する」新技術を必死に求めなくてはならないでしょう。いかに対処すべきか、早急に防衛戦略を練らなくてはならないにもかかわらず、保守政党でさえ、国を守る姿勢があるとは思えません。 2020年を視座に、日本を守り抜くべく、幸福実現党は戦ってまいります。(文責・幸福実現党青年局長 釈量子) 参考文献 ・平松茂雄著『中国、核ミサイルの標的』(角川グループパブリッシング 、2006)他 香港返還15年。香港の自由を守れ! 2012.07.02 7月1日、英植民地だった香港が1997年に中国に返還されてから15年を迎えました。 胡錦濤国家主席は「共産主義国家が自由主義社会を特別行政区として包含し、併存する前例のない『一国二制度』の成果」を内外にアピールしました。 しかし、多くの香港市民は中国への懸念や不信感を示しており、胡主席の演説中、会場の男性が「天安門事件の評価を見直せ!」「一党独裁を終わらせろ!」と叫び、警備員に取り押さえられる一幕もありました。(7/1 日経) 1997年7月にイギリスが中国に香港を返還してから50年間は、香港の民主政治や自治、言論の自由が保障され、中国は外交と防衛のみを担うはずでした。 しかし、実際は、中国は香港の報道機関への圧力等、香港の自由をじわじわと奪う工作を続けています。 今年3月25日の行政長官選挙は、親中派二人の事実上の一騎打ちでしたが、中国は投票権をもつ選挙委員会(定数1200)に対し、胡主席に近いとされる梁氏への投票を暗に要請。結局、梁氏が大勝を果たしました。 これに対し、香港の民主派は「共産党員による香港統治だ」とし、露骨な政治介入を行った中国政府に怒りをぶつけています。 香港の民主派グループは、梁氏の長官就任や中国の人権弾圧などに反発し、7月1日、主催者側発表で40万人が集まり、大規模デモを実施。梁氏辞任を要求しました。(7/1 産経「香港返還15年 市民は『40万人』の嫌中デモで抗議」⇒http://goo.gl/cnX0S) しかし、英植民地時代からの自由を守りたい民主派の必死の抵抗とは裏腹に、香港経済は既に中国の支配下に入っているとも言われています。 返還後、香港は中国による優遇措置を度々享受してきました。人口710万人の香港に観光客などで中国本土から訪れた人は昨年2810万人。97年の236万人のなんと12倍です。 香港ドルが地元通貨なら中国の人民元もいたるところで利用可能となり、中国人が欧米の高級ブランドショップの店頭に列をなします。まさに経済から徐々に支配していく中国の戦略がよく分かります。 2011年5月22日、幸福実現党創立者、大川隆法名誉総裁は、香港を代表する施設、九龍湾・国際展貿センターにおいて『The Fact and The Truth』と題する講演会を行い、次のように述べておられます。 「もしあなたが『自由』と『平等』のどちらかを選ばなければならないとしたら、まず『自由』を選ばなくてはなりません。人間は自由な考えを許されているからこそ、幸福なのです。 私は香港の人々を頼りにしています。もし香港人が多くの中国人を未来へと導くことができれば、この国の人々をより幸福にしていくことができるでしょう。」 香港が持つ、代え難い貴重な価値こそ「自由」です。香港には、民主主義と自由主義の根がしっかりと根付いていたのですから、しっかりと自由を守り抜いて頂きたいと思います。 女性政治思想家のハンナ・アレントは「全体主義と闘うためには、ただ一つのことを理解する必要がある。全体主義は自由の最も根源的な否定であるということである」と述べています。(『アーレント政治思想集成2』「全体主義の本性について」、みすず書房、2002) まさしく、「自由」を守り抜くことこそ、中国という全体主義国家から香港を守り抜く唯一の道なのです。 「同じ民族でも、政治の制度が違えば国は違ったものになる」ことは中国と台湾を見れば分かります。 中国は、政治においては一党独裁体制を保ちつつ、経済においては、一部に資本主義経済を取り入れ経済を拡張してきました。 今、香港が経済のレベルを超えて、政治の基本的な考え方や哲学のレベルまで国が変わっていくかどうかを世界中が注目しています。 香港の自由が中国に影響を及ぼし、中国を導くリーダーの役割を担って頂きたいと思います。中国に「自由の模範」を示すことこそ、香港人の使命なのです。(文責・竜の口法子) すべてを表示する « Previous 1 … 91 92 93 94 95 … 98 Next »