Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 日本の海上防衛を考える(5)――中国に支配された南シナ海 2015.02.07 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆中国の海洋戦略 前回、中国が海洋戦略として南シナ海と東シナ海、西太平洋を2020年までに中国の海にする戦略を持っていると指摘しました。今回は、その戦略をもう少し詳細に分析してみましょう。 【前回】日本の海上防衛を考える(4)――中国の海洋戦略 http://hrp-newsfile.jp/2015/1959/ 海洋国家である日本が防衛を考える際に、中国の海洋戦略がどのようなものかを知ることは大変重要なことです。何故ならそれが分かっていれば日本の海洋防衛の対策も立てることができるからです。 中国の海洋戦略は、1997年に発表された「海軍発展戦略」に表れています。過去のニュースファイルでも紹介しましたが、これが分かれば、中国が今後どのような手を打ってくるかがすべて分かります。 【第一段階】2000~10年――「第一列島線」(鹿児島~沖縄~尖閣諸島~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ線)の内部の制海権確保。つまり「南シナ海、東シナ海」を支配する。 【第二段階】2010~20年――「第二列島線」(伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ線)の内部の制海権確保。つまり「西太平洋」を支配する。 【第三段階】2020~40年――太平洋、インド洋で米軍と制海権を競う。つまり、南シナ海、東シナ海、そして西太平洋を段階的に「中国の海」にする。 【第一段階】は、計画から少し遅れている感はありますが、【第二段階】は、2006年から西太平洋の沖ノ鳥島近海で海洋軍訓練が行われ前倒しで進行しています。 そして西太平洋での海洋軍事訓練は、毎年回数を増やし、規模も大きくなっています。昨年の小笠原諸島での中国漁船のサンゴ密漁も中国当局の指示によるものです。 ◆南シナ海の支配は最終段階へ 話は戻りますが【第一段階】は少し遅れているようですが、南シナ海の支配は最終段階へ入りました。 昨年5月フィリピンは、自国が領有を主張していたスプラトリー諸島(南沙諸島)で7つの岩礁のうち6つの岩礁を中国が埋め立て軍事拠点化していると発表しました。 さらに中国は永暑島に人工島をつくり飛行場や軍艦の受け入れが可能な港も建設中であると米国防当局が分析しています。(11/23世界日報) 今年に入って2月4日には、フィリピン外務省が同国の排他的経済水域スカボロー礁(黄岩島)で、中国当局の船がフィリピンの漁船に意図的に衝突したとして中国に抗議しました。(2/5産経) ◆中国の軍事支配の手口 まず漁船を出して相手を挑発して、今度は軍艦を出して力で抑え込んで島を支配する、岩礁の場合は埋め立てで人工島を造って軍事基地化する、これが中国のいつもの手です。 一方でベトナムが領有を主張する南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)では、昨年5月~7月に中国が一方的に石油掘削を行いました。 8月には中国の『環球時報』が、パラセル諸島のウッディ―島(永興島)に航空滑走路の拡大工事を完成させたと報じました。「この滑走路は爆撃が飛び立てる」ことができ力による実効支配が進んでいます。(10/9産経) 9月23日には『中国中央テレビ』が、中国の海・空軍、第二砲兵(戦略ミサイル部隊)が合同で、南シナ海で大規模な合同軍事訓練の模様を報じました。 その際に中国軍関係者は「フィリピンやベトナムを威嚇するのが狙い。南シナ海の軍事基地建設に向け、拠点確保は早い者勝ちだ」と述べています。 パラセル諸島やスプラトリー諸島は、「三沙市」として中国当局が移住を推進し、「島民」には、1日40元(800円)の『駐島手当』が支給され、スーパー建設など生活支援なども着々と進めています。(1/7日読売) フィリピンは、中国への対抗策として仲裁裁判所に提訴し国際社会にアピール、昨年4月には中国に対抗するため米国と新軍事協定を結びました。 フィリピンにとって、軍事力にものを言わせて話し合いが成立しない中国に対する一番の対策は米国との軍事協定だったのです。 こうして中国の【第一段階】南シナ海の支配は最終段階に入っていますが、東シナ海についても、すでにその支配は進んでいます。今後、東シナ海では南シナ海で起こったことと同じことが起こるでしょう。 次回、東シナ海と西太平洋で何が起こっているのか、また今後何が起こるのかを見ていきたいと思います。 (つづく) 日本は中東から決して退いてはいけない! 2015.02.03 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆日本政府は二人の日本人の死を無駄にしてはならない 冒頭に、今回「イスラム国」の人質となって殺害された湯川遥菜氏、後藤健二氏へのご冥福を心からお祈り申し上げます。 さて、今回の人質事件を通じて、誘拐やテロに備え、重点地域への防衛駐在官の集中配置、在外公館の情報収集力強化の必要性など、在留邦人を守るための議論が活発化してきました。 また、安倍首相においても、3日の参議院予算委員会で日本人を自衛隊が救出できるよう憲法9条を求めた野党議員に対して「自民党は既に9条の改正案を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べ、前日の消極的な姿勢とはうってかわって、憲法改正への意欲を表明しました。 是非とも、今回のお二人のご無念が無駄にならないよう、あるべき安保法制のかたちを今国会において道筋付けて頂きたいと思います。 ◆「イスラモフォビア(恐怖症)」増殖の危険性 今回の人質事件を通じて、もう一つ考えるべきは、国内における「イスラモフォビア(恐怖症)」の増殖を防ぐことです。 実際に、歴史的にイスラムと関係が深いヨーロッパでは、イスラム・テロの頻発やイスラム教徒の移民増加に伴い、10年以上前からイスラモフォビアの広がりが叫ばれ、1月初旬フランス・パリで起こったイスラム過激派による「シャルリー・エブド襲撃事件」に対する「反イスラム・テロ」デモでは、フランス史上最大規模といわれる約370万人が参加しております。 また、フランスでの事件を受けて、ドイツでも移民排斥等を訴えるデモが勃発し、「反イスラム」を訴えていたのは記憶に新しいところです。 今のところは「イスラム国」と一般のイスラム社会は分けて考えるべきという論調が主流のようですが、欧米的価値観の影響が根強い日本メディアにおいて、今後の展開次第で徐々にイスラム自体への排他的な論調が出てくることも考えられます。 また「イスラム国」に関しても、日本人の立場からすれば、今回の行為については断固許し難いのが当然の感情でありますが、中東・イスラム圏について学ぶ者として冷静に観察すると、歴史的・思想的に「イスラム国」が掲げる大義が「全くのデタラメ」かといえば、必ずしもそうとも言えない点があることもまた客観的な事実であります。 今まで大半の日本人からすると、中東は「遠くて縁の薄い地域」で、「砂漠」や「石油」「アラブの大富豪」「テロ」といった非常に表面的なイメージしか持っていなかったのが実情かもしれません。 しかし、今回の事件を通じて教訓を得るとするならば、日本人独自の目線から「中東・イスラム圏」に対して、国民広く目を開き、本質的な理解を深めていくことにあるのではないでしょうか。 ◆日本の積極的な中東外交は日本・中東諸国双方の国益と明るい未来に通ずる 一部の識者の中には、「日本は(外交的に)中東にそんなに深く関与しない方が良い、またはする必要がない」という意見を持つ方もいます。 ただ、今回の一件で腰が引けてしまうことなく、積極的な中東外交を仕掛けていくことこそ、日本・中東イスラム諸国お互いの国益に繋がり、世界の安定に直結すると言っても過言ではありません。 例えば、中東地域で産出される原油・天然ガスが日本のエネルギー安全保障を支えているという事実があります。 エネルギー資源の90%近くを中東に依存している現状を鑑みれば、この地域の安定化に日本の国益が掛かっている状況にあり、そもそも無関心ではいられません。 また、人口が激増する中東・イスラム市場は日本企業にとっては宝の山であると同時に、「人材」をしっかり育てる日本企業の更なる進出や政府の経済支援によって、中東に新しい発展の種を植え付けることになり、双方の経済的発展に繋がっていきます。 過激志向の強いジハーディストが増えているのも、根本的にはイスラム教の教えに根差す問題ではありますが、副次的には貧困の増大や高い失業率、無償での極端なイスラム教育などといった、経済的、教育的要素が多分に影響していることからも目を背けてはなりません。 このように日本の産業力、技術力、教育力は、イスラム圏の根本的な改革にも繋がっていくのです。 ◆「サムライ精神」の発揮によって、中東における中国の野望を打破せよ 更に、ほとんどの識者やメディアは言及しておりませんが、中国の中東外交は彼らの覇権戦略に深く繋がっている事実があります。 激化する欧米とイスラム圏の対立の間隙をぬい、漁夫の利を得つつ、イスラム圏を手なずけようとしている中国の野望が浮き彫りになっています。 (このテーマについては、HRPニュースファイルで何度か配信させて頂いておりますので、そちらをご参考頂ければと思います。参考:「イスラム圏で止まらない『中国の進撃』」http://hrp-newsfile.jp/2014/1774/ 「アメリカVSイスラム圏を取り込んだ中国」の構図――日本の中東外交がカギを握る」http://hrp-newsfile.jp/2013/668/) しかし、日本には、中東イスラム圏において中国が絶対に勝てないカードを持っています。 それは「絶大なる信頼と尊敬」というカードです。 その信頼と尊敬心は何処から来るのか―― それはこれまで中東の地で彼らの信頼を勝ち取ってきた企業マン、政府関係者の皆さんの汗と努力の賜物でありましょう。 また、遡れば明治から戦前までの日本を守り抜いた先人たちの「サムライ精神」のおかげでありましょう。 日本外交にそうした「サムライ精神」を取り戻し、欧米とイスラム圏の対立に「正義」と「公正」の柱を立て、融和を図ることが出来たならば、中国の覇権主義は自然と中東において打破されることでしょう。 「イスラム国」人質事件――自衛隊派遣の法整備を! 2015.01.29 文/HS政経塾部長 兼 幸福実現党事務局部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆予断を許さない「イスラム国」との交渉 日本政府は、ヨルダン政府と連携して、イスラム系過激派組織「イスラム国」と交渉を続けており、緊迫した状況が続いています。こうした中、日本としてどのような外交スタンスをとり、安全保障法制を考えていくべきでしょうか。 ◆「みんなにいい顔はこれ以上続けられない」問われる日本のスタンス フィナンシャルタイムズでは、「岐路に立つ日本外交(A Tipping point for Japan’s foreign policy)」という見出しの論説で、今の日本の動きを報じています。大まかに2点、概要を紹介します。 1)日本は、積極的平和主義を標榜し、同盟国への武器輸出や、尖閣諸島での防衛強化を目指している。防衛をアメリカにアウトソーシングする一方で、全方位外交で特定のスタンスをとることを避けてきたが、日本独自の立場を示しつつある。しかし、今回の人質事件の行方に応じて、これからの安倍政権の外交方針も影響を受けるだろう。 2)中国は日本に対して(尖閣諸島の)領有権の主張をし、アメリカはもしもの時に本当に頼りなるかは分からない。石油の依存をしている中東はイデオロギーの対立で渦巻いている。(こうした国際情勢の中、)日本はいつまでも(中立と称してどちらの側にもつかずに)フェンスに座っていることはできない。 (Financial Times, “A Tipping point for Japan’s foreign policy”, Jan 29th) この論説では、日本は、「みんなにいい顔をしようとしている」と見ているようです。しかし、変動する国際情勢の中、「あいまいで中立な態度」は許されなくなっていることを指摘しています。 ◆平和的な関与であったとしても、判断責任は発生する 「たとえ武器を持たない間接的な人道支援でも、有志国連合に関わり、中東に来ているリスクを理解することが大切だ」というヨルダン人の識者のインタビューが報道されています(1/29毎日夕刊8面)。 平和的な関与であるとしても、判断責任が発生することを、日本人として認識するべきことだと思います。 日本として考える正しさの基準は何か?どのような価値判断に基づいて行動しているのかということを国際社会において問われているのです。 ◆議論が深まらない自衛隊の邦人救出のあり方 日本政府のイスラム国への対応について、時事通信の世論調査では、約6割の方が、良く対応していると回答しています。 しかし、今回の人質事件でも判明している通り、日本としてできることは、情報収集と、現地の政府と協力することに限られています。この状況に手を打たずしては、根本的な問題への対応とは言えないのではないでしょうか。 昨年7月の集団的自衛権の行使容認の閣議決定の折に、「武器使用を伴う在外邦人の救出についても対応する必要がある」という方針は打ち出されていますが、その場合の自衛隊の活動範囲は領域国政府の「権力が維持されている範囲」と限定されており、今回のように国家ではない「イスラム国」の支配地域から人質救出については想定されていません。 26日からはじまった通常国会で、4月の統一地方選挙の後に、集団的自衛権の行使に基づく安全保障関連法案が審議される予定となっていますが、自衛隊の邦人救出を可能にする法案については、踏み込んだ議論には至っていないようです。 ◆自衛隊の後方支援のあり方についての議論 今、安全保障関連法案について、ようやく自民党と公明党の中で議論されているのが、自衛隊の多国籍軍への後方支援のあり方についてです(1/29朝日朝刊4面)。 今までは、自衛隊を海外に派遣するためには、特別措置法を個別に成立させてきました。しかし、これでは多国籍軍からの要請に対しての迅速な対応ができないため、恒久法の成立を検討するべきではないかという議論されています。 自民党側は、自衛隊派遣の根拠になる恒久法を成立させるべきという立場です。一方、公明党側は、これまで通り個別に特別措置法で作ることが、自衛隊派遣の「歯止め」になるという立場です。 ◆在外邦人救出へ踏み込んだ自衛隊派遣の法整備を! 「歯止め」ということが、いかにも耳心地のいい言葉となっていますが、これまで述べてきたように、「歯止めをかけて日本としては、出来るだけ価値判断をしないでおこう」という態度は、もはや許されなくなっています。 日本として考える正しさに基づいて行動していくことが必要です。その一環として、在外邦人の生命・安全・財産を守れるよう、もう一段踏み込んで、「イスラム国」のケースにも対応できる自衛隊派遣の法整備を推し進めるべきです。 今こそ、善悪の価値判断ができる日本へ 2015.01.28 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川 裕三 ◆イスラム国の新たな要求 27日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が拘束している後藤健二さんとみられる男性の新たな動画がネット上に公表され、24時間以内にヨルダン政府が収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放するよう要求しました。 28日午前、官邸で開いた関係閣僚会議で安倍首相は「きわめて卑劣な行為に強い憤りを感じる」とイスラム国を非難したうえで、「後藤さんの早期解放に向けヨルダン政府に協力を要請する方針に変わりはない」と述べました。 なお現時点では真偽のほどはわかりませんが、28日の夕方の報道によれば、イスラエルの通信社は、リシャウィ死刑囚と後藤健二さんの解放について、合意したと報じ、地元・ヨルダンのメディアでも、このリシャウィ死刑囚をまもなく移送すると報じています。 ◆善悪の価値判断ができない日本 今回の人質事件において改めて浮き彫りとなったことは、有事において日本政府は主体的な善悪の価値判断ができず、行動もとれないということです。 こうした人質事件が発生すれば、欧米諸国であれば当然のこととして、特殊部隊を派遣して人質奪還に向けたオペレーションをとるのに対し、日本では、憲法九条によって、国内的には〝軍隊を保持していない“ため、議論すら及びません。 挙句には28日、自民党副総裁の高村氏が記者団に対し、「昨年の(集団的自衛権の行使容認の)閣議決定に基づいて安全保障法制の整備ができた場合、日本は有志連合に参加して過激派組織「イスラム国」と戦闘できるかといえば、幸か不幸かそれはできない。こんなことは当たり前のことで、改めて言うまでもないと思う」と発言しています。 改憲派でタカ派と言われる安倍首相であっても、「何らの行動もとれない」という意味において、結局は護憲派の左翼陣営と基本的には変わらないということです。 加えて、安倍首相は28日午前、参院本会議の各党代表質問で戦後70年に際しての新談話について、「安倍政権としては村山談話をはじめ、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」と述べました。 ここに、自民党の限界を感じます。「この道しかない」と先の衆院選で大勝した与党ですが、年明け早々の有事に際し、皮肉にも「この道は行き止まりである」という事実が明るみになりました。 ◆「空気」の支配から、「正義」の支配へ かつてイザヤ・ベンダサンのペンネームで活躍された評論家、山本七平氏は「『空気』の研究」などを著して「日本教」という独特の表現で、いかに日本人が「空気」によって支配され、動いているかを指摘しました。 その「日本教」について、「現代日本を支配する『空気』の正体 山本七平の新・日本人論」(大川隆法著)では、「『自分の命がいちばん惜しい』というのが日本教の本質」と述べられています。つまり、「人命第一主義」で、これは「日本教徒」が誰も反対しない「教義」というわけです。 「現代日本を支配する『空気』の正体 山本七平の新・日本人論」大川隆法著/幸福の科学出版 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=980 ただ、大事なことは、「憤りを感じる」とだけ言うのではなく、イスラム国の行為は正しいのか間違っているのか、その判定を下し、発言することです。 日本という大国の宰相であるならば、「あなた方の行為はイスラム教の教えに照らしても間違っている。人質を処刑にしたら我が国に対する宣戦布告と見なし、諸外国と連携して行動する」くらいのメッセージは発信していただきたいものです。 幸福実現党の大川総裁は、24日、「正しさからの発展」と題する法話で、このイスラム国という過激派組織が広がり、彼らの行為が極端までいった場合、人類を幸福にするかということを想像し、仮定してみれば善悪の判断はできるという趣旨で、価値判断の基準を提示しました。 「正しさからの発展 及び 質疑応答」 http://info.happy-science.jp/lecture/2015/12658/ ◆今必要なのは正しい宗教政党 「日本教」の正体についてさらに言えば、戦後の日本はまさしく「神なき民主主義、「空気」という名の多数派が支配する衆愚制」に堕していると言えるのではないでしょうか。 イスラム国の行為は間違っています。しかしだからと言って、欧米のキリスト教国が言うように、イスラム教自体が悪魔の教えであるわけではありません。 これらの宗教の開祖にあたるイエスやムハンマドの考え方、思想の根本を明らかにでき、それらの相違を超克できる普遍的な「智慧」をベースとしてできた「正しき国家の探究」をし続ける宗教政党の存在が今、時代的な要請なのです。 イスラム国の悪を止めるためには――幸福実現党の広報外交活動 2015.01.25 文/幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆世界各地での大混乱はオバマに遠因 「イスラム国」による日本人人質事件は、欧米のメディアでは異例の注目度で、大々的に報道されています。私がこのニュースを聞いたのは、幸福実現党の広報外交活動のためアメリカの首都ワシントンに向かう直前でした。 ワシントンでの広報外交の目的は、今の世界の混乱は、アメリカが国際問題から手を引いたことが原因だとアメリカの世論に訴えることでした。 米軍がアフガニスタンから撤退したあと、学校でテロリストが生徒たちを大量殺害。米軍がイラクから撤退し、シリア内戦を見過ごしたあと、「イスラム国」という怪物が現れました。 実は、私たちは「イスラム国」が出てきた原因は「世界の警察」をやめたアメリカにある、というように、オバマ大統領を批判した本、『国際政治を見る眼ー世界秩序の新基準とは何か』(大川隆法著、幸福の科学出版)を昨年発刊し、その英語版を今年アメリカで出したところでした。 『国際政治を見る眼ー世界秩序の新基準とは何か』(大川隆法著、幸福の科学出版) http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1307 今回は、この本のPRのために、ワシントンの要人に会い、ラジオ番組に出演する予定でした。そこに、日本人人質事件が起こり、この本が警告している内容が残念ながら最悪の形で実現してしまいました。 ◆意味不明だった安倍首相のイスラエルでの記者会見 この事件発生直後に安倍首相はイスラエルで記者会見を行いましたが、その中で述べられたのは二点です。「人命尊重を第一優先にする」こと。さらに、日本政府は「テロには屈しない」ということです。 実は、この二つは相矛盾しています。人命尊重とは、身代金を払うことを暗に意味しますが、同時にテロに屈しないというのは意味不明です。 欧米メディアは、この記者会見を報道しましたが、一体どちらの姿勢なのかわからない感じでした。私が出演したラジオ番組でも、毎回司会者から日本政府の意図はどっちなのかと聞かれました。 ◆悪は悪だと世界にはっきり言うべき 今回の事件が起きる直前、安倍首相は、中東諸国を訪問し、「イスラム国」と戦っている地域に2億ドルの軍資金支援をすると発表しました。 この発表は国際社会で高く評価されました。なぜなら、日本の首相が中東に自ら出向いて、「イスラム国」と一緒に戦う姿勢に「今までの日本と違う」と感じたからです。 ところが、日本人が人質になった途端、日本政府は「あの2億ドルはあくまで人道支援だ」と強調しました。これも意味不明でした。 日本政府はそう説明することで、「イスラム国」に対して「日本はあなた方の敵ではない」と言いたかった意図はわかりますが、それでテロリストが納得するはずはありません。 安倍首相と日本政府のわかりにくい発信とは違って、私が出演した、あるラジオ番組の司会者は、明確な意見を私に述べてきました。 「イスラム国は、これまで欧米キリスト教国を狙ってきたのに、日本人まで人質にして大金を要求してきた。彼らは、とんでもなく邪悪だ」と激しく非難しました。 このアメリカ人司会者は「神」という言葉は使いませんでしたが、「神」の目から見た善悪という意味で、はっきり「悪」だと断じていました。これこそ日本が言うべきことだったはずです。 ◆ 「イスラム国」の悪を阻止するためには では、「イスラム国」の問題を解決する方法はあるのでしょうか? 今は目の前の日本人人質事件の解決には、残念ながら日本に手はほとんどありません。しかし、今後このようなことが繰り返されないために、この問題の根本的原因を知ることは重要です。 もし、書籍『国際政治を見る眼』の警告通り、「イスラム国」問題の根本原因が、アメリカが「世界の警察」から降りたことであるならば、アメリカが再度自己の「使命」を考え直すしかありません。 私がアメリカのラジオでそのことを話すと、ある番組の司会者から「いや、アメリカはもう世界の警察官の役には疲れたんだよ」という正直な反論が返ってきました。 確かに、イラク戦争をはじめ、自国のためではなく世界のためにアメリカ人の命を犠牲にして戦ったにも関わらず、アメリカは世界から非難され続け、この役に疲れ果て、国内の経済問題に集中したいのが本音でしょう。 しかし、アメリカのような大国がどこも、世界の問題に目を背け、自国の経済だけを考えるようになると、世界全体が景気後退し、経済規模は縮んでいきます。その中で、世界の人口だけが増えていくと、世界は極めて危険な状況になり、回り回って大国も危機に追い込まれます。 私がアメリカにこのように考え方を改めることをストレートに主張すると、番組の司会者のほとんどはこの視点には同意せざるを得ませんでした。 「イスラム国」のような悪を押しとどめるためには、アメリカが世界のリーダーに復帰し、同時に、日本がもっと明確な考えを持って、アメリカの最強のパートナーになることです。。そのような新しい世界秩序をつくるのは、アメリカや日本の国民世論です。 幸福実現党は、微力ならが、アメリカを説得するためにこのような広報外交を続けていきます。 世界を平和に導く「正しさ」を求めて 2015.01.22 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆「インターネット規制」、揺れるヨーロッパと唱道する中国 フランスで起きたテロを受け、ヨーロッパ諸国でインターネットの監視や検閲を強化しようという意見が出てきています。 2001年に9.11同時多発テロが起きた際も、テロを未然に防ぐため、政府がインターネットを始め様々な通信手段を監視できるようにする動きがありました。 それを踏みこえて、「ヘイト・スピーチ」と目されるサイトを廃止することをインターネット会社に要請できるようにすべきとの意見もあります。 インターネットの監視・規制については、SNSで発信された情報がきっかけとなって起きた「アラブの春」以降、中国が強く推進しています。 ヨーロッパで起きている情報規制の流れが、イスラム圏への不信感と一体となって、中国政府が行っている情報管理の流れと合流するのではないか。かすかな危惧を感じます。 ◆ポピュリズムは「多数派の専制」につながる 何が「ヘイト・スピーチ」であるのか、何がテロに結びつく情報であるのか、こういったことを客観的に判断するのは非常に難しいことです。 民主主義国家における情報管理は、「多数派による少数意見の封殺」につながる可能性があり、民主主義が本来目指している「多様性、複数性に基づく自由」ではなく、「多数派による専制」に結びつきます。 民主主義国家において、「何が白で何が黒か」を判断するのは、異なる意見を持った人間を理解し、考える力を持った国民であり、その判断をポピュリストによって構成される政府に委ねたときに民主主義が終わるのだと自覚しなければなりません。 ◆多くの人を幸福にする『智慧』を求めて 今、人類にとって必要とされているのは、異なる意見を持つ人を受け入れる寛容の心を持つと同時に、人間として共通している点を再認識することです。 キリスト教、イスラム教、仏教、すべての宗教に共通する「黄金律(ゴールデン・ルール)があります。 「他の人からしてもらいたくないことはするな。してもらいたいことを行え」 自分が最も大切にしているものを穢されるということは、人間にとって一番辛いことではないでしょうか。 529年、東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌスによってギリシャ哲学が禁止されると、多くの哲学者をイスラム世界は受け入れました。そのギリシャ哲学が12世紀に逆輸入され、トマス・アクィナスが構築したキリスト教の教義に大きな影響を与えました。 時代を超えて、地域を超えて、多くの人々の心を潤し、幸福にしていく『智慧』というものは必ずあります。そしてそれこそが人間にとって最も重要なもの、共通する立脚点なのではないでしょうか。 私たち幸福実現党はこの共通する立脚点に立ち、智慧の力によって多くの人々を幸福にしてゆきたいと考えています。 参考文献 『智慧の法』大川隆法著/幸福の科学出版 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1377 テロに屈する歴史を繰り返してはならない 2015.01.20 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆イスラム国による日本人殺害予告 20日、民間軍事会社の経営者、湯川遥菜氏、フリージャーナリストの後藤健二氏と見られる日本人二人に対して、イスラム国による殺害予告とみられる映像がyoutubeに投稿されました。 イスラム国は、エジプト・カイロで行われた安倍首相の演説の「イスラム国と闘う周辺国に2億ドルの支援を行う」という内容に反発し、「72時間以内に、支援額と同規模の身代金2億ドル(240億円)を払わなければ人質を殺害する」と日本政府に要求しています。 それに対し、安倍首相は外遊先のイスラエルにおいて記者会見を行い、「人命を盾に取って脅迫することは許し難いテロ行為だ。二人の日本人に危害を加えないよう、そして直ちに解放するよう、強く要求する。」と述べました。 そして、エジプト・カイロでの演説でも繰り返し述べていた「中庸こそ最善である」という中東地域に広がる格言をもとに「寛容」の大切さを改めて訴えました。 しかし、「身代金を払う考えがあるのか」という外国人記者たちの質問に対しては、「人命第一に全力を尽くす」「断固としてテロに屈しない」と繰り返し、明言は避け、グレーゾーンの回答に留まっています。 ◆今回の事態は事前に想定できなかったのか? まず、今回の発端となったエジプト・カイロでの安倍首相による演説内容を踏まえ、もし今回のような事態が起こることを全く想定出来ていなかったのであれば、日本政府側の見積もりの甘さを指摘せざるを得ません。 なぜなら、今回人質となった二人は長らく安否不明でしたが、イスラム国に拘束され、生存している可能性はあったことがまず挙げられます。 もう一つの理由としては、イスラム国をはじめとする武装勢力にとって、人質の転売や、人質交渉を隠れ蓑に周辺国のスポンサーからの資金援助を受けるなど、彼らにとっては人質が極めて貴重な商品であるという事実です。 と同時に、断固として交渉に応じない英米に対しては、公開処刑することで国際世論の非難を向けさせるなど、人質を最大限に活用する傾向があるといえます。 少し厳しい見方をするならば、安倍首相の演説内容は、付け込む機会を待っていた「イスラム国」にとっては格好の材料になってしまったのかもしれません。 ◆テロに屈する歴史を二度と繰り返してはならない では、日本政府はどのような対応を取るべきなのでしょうか。 1977年9月、ダッカで起こった日本赤軍によるハイジャック事件による弱腰の対応が、その後どのような事態を引き起こしたかを、今一度振り返る必要があります。 当時の福田赳夫首相は「人命は地球よりも重い」という言葉と共に、テロリストに屈し、日本赤軍の活動家6人を「超法規的措置」により解放し、600万ドル(当時で16億円)を支払いました。 テロリストの要求に応じてしまった日本で、その後何が起こったでしょうか。 ダッカ事件の1カ月半後には、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致され、その後は大勢の日本人が北朝鮮に連れていかれて、40年近く経つ今でも、多くの拉致被害者は戻らず、解決の糸口はつかめていない状況にあるのです。 もちろん、今回人質となり、拘束されているお二人が感じている苦痛、そしてご家族・知人の皆様の大きな苦しみと悲しみは筆舌に尽くし難いはずでしょう。 しかし、北朝鮮と同様、テロリスト(疑似)国家であるイスラム国に対しては、「テロには絶対に屈しない」という姿勢で望まない限り、結局、更に多くの人々を苦しめる結果となってしまうのです。 ◆今回の人質事件から「中庸」とは何かを考えるべき 冒頭でも述べた通り、中東と日本が共有する「中庸が最善である」という伝統的な智慧を、今回の中東歴訪で安倍首相は強調しておりますが、まさに今、この智慧の発揮を日本政府は突き付けられていると言えましょう。 「正義を貫くこと」と「人命を救うこと」。 この二つを両立させる解があるとしたら、「防衛法制の抜本的改正」によって、自衛隊の特殊部隊による邦人救出が実行できる体制、法整備を速やかに行うことでありましょう。 是非とも安倍首相におかれましては、今回の人質交渉への対応ではもちろん、今月末に開会する通常国会においても、あるべき安全保障法制について、批判を恐れずに正しさを追求して頂きたいと切に願います。 【参考文献】 「イスラム国 テロリストが国家をつくる時」 ロレッタ・ナポリオーニ著 阪神・淡路大震災20年目の教訓 2015.01.17 文/HS政経塾3期生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき ◆1月17日、阪神・淡路大震災から20年目をむかえるにあたり 突然の災いにより、この世を去ることとなられた方々の恒久的なる魂の平安と、来世での幸福を心よりお祈り申し上げます。 そして残された方々の、愛する人ともう一度会いたいと願う心中をお察しし、また来世で縁あり再会が叶いますことを心より祈念申し上げ、20年の歳月を越え未来へと希望の灯りをともしてゆきますことをお誓いし、哀悼の意を表します。 ◆防災・減災を考える大切さ 前日から兵庫県を訪問されている天皇・皇后両陛下は防災関係者の労をねぎらわれ、17日に県が主催する追悼式典にご臨席されました。 今一度、日本全体が、命の尊さと、人間の力をはるかに超えたものへの畏怖の念を思い起こし、人と人、地域の結びつきを大切にし、防災・減災について再確認するべきだと感じます。 この震災を振り返れば、誰も予想していなかった突如の大地震として語られています。 それゆえ、ときの政府や地方行政の対応の遅さへの批判が、時間とともに薄れかけ、根本的な政治的過ちを黙認する流れにあることに危機感を覚えます。 確かに震災直後の民間の協力や近隣住民の助け合いによる「命のリレー」によって、多くの方が助かったことは事実であり、さらに地方中心の創造力で復興を推し進め、早期に復活されたことは素晴らしいと感じます。 これらは災害史の「光」の部分として、今後、地域主体の住民安全確保の事例として語り継がれるべきです。 しかし「闇」の部分もしっかりと見てゆかなければ、犠牲者は浮かばれません。 ◆イデオロギーによって生じた犠牲 地震が発生したのは、午前5時46分。 地震発生後の2時間半後の午前8時半には、陸上自衛隊の姫路駐屯地の部隊はすでに出動準備が整っていたにもかかわらず、被災中心地に到着したのは午後1時10分、発生から7時間後だったといいます。 これは当時、県知事しか災害派遣要請を行うことができなかったのと、政治的に革新勢力が強く、平時から市と自衛隊間で話し合いが持てず、自衛隊の判断による自主派遣ができなかったことが原因とされています。 自衛隊を憲法違反と位置づける主張をしてきた当時の総理の村山富市氏の周辺にも、午前8時過ぎには震災の情報が入り始めましたが、閣議が開かれたのは10時すぎだったとのことです。 当時、首相にも県にも「イデオロギーにより災害派遣要請を遅らせ、住民を犠牲にしたのではないか」という批判が殺到しました。(今は、兵庫県の防災訓練には、自衛隊のみならず在日米軍も参加しています。) 国会で初動の遅れを追求された村山首相は、「なにぶん初めての経験で・・」という答弁を残したのが印象的でした。 ◆国民の命を守るのが国家の役目 近年、日本の政治は、共産主義、社会主義を掲げる政治家の台頭によって、「いかに現代国家を解体してゆくか」の方向に舵取りを行ってきました。村山首相もその一人です。 行き着く先は、国籍不問の「市民」による市町村レベルの「自治政府」による主権の行使です。これは国家統治を前提とする地方分権とは似ていて全く異なるものです。 この考えからは、自衛隊の必要性は出てこないので、大規模な災害や武力攻撃から国民の命を守るということは、初めから想定外なのです。 ◆家族・友人を愛することは国を愛すること 誰でも自分や自分の家族、友人の命は守りたいと思うはず。 災害や武力攻撃などで有事となれば、皆んなが大変な状態。 その大変な状況下でも、普段から緊急事態を想定して訓練し、有事のとき力強い組織がある。 それが自衛隊であり、普段から消防や警察や市などと協力すれば、国民を守る力は何倍にもなる。 そのためには「国家」「国家主権」という考え方がとても重要なのです。 ◆今の日本には自衛隊が必要 現在の日本の周辺、中国や北朝鮮による兆発的な軍事動向を見る限り、特に国境付近には自衛隊の配置が必要です。 この状況下でも、自衛隊を排斥しようとすることは、どんな美辞麗句を並べてもその下には、日本国民の命も、子供たちの未来も守る気がないという政治的メッセージがあると捉えるべきです。 イデオロギーによる国民の犠牲はもう懲り懲りです。 ◆危機管理意識を高めよ ちなみに、阪神・淡路大震災での災害派遣の話ですが、姫路駐屯地から神戸まで普段は1時間で行けるところ、渋滞により3時間かかったそうです。 倒壊した建物等の下敷きになった人の救出は、経過時間72時間を境に生存率が激減するとされているなか、2時間のロスは大変に大きいものです。 自分の街に自衛隊があったなら・・・と思う時にはもう遅いのかもしれません。 危機管理の基本は最悪の事態を想定することから始まるのです。 参考: 『自衛隊員も知らなかった自衛隊』松島悠佐著 ゴマブックス 正論2010年8月 産経新聞2015年1月17日朝刊 世界に広がる「中国離れ」――平和国家・日本は誇りある外交を! 2015.01.15 文/HS政経塾スタッフ:遠藤明成 ◆アジアと中米で起きた象徴的な出来事 昨年の終わり頃から本年初めに世界で中国離れの進展を予感させる出来事が起きています。 中国は、スリランカ前大統領の地元であるハンバントタの港湾開発を支援し、インド包囲網を進めてきましたが、1月9日の同国大統領選では親中外交の見直しを訴えたシリセナ氏が当選しました。(スリランカはインド、日本との関係強化を進めるとの憶測が各紙で報道されている) また、メキシコでは昨年11月に中国から受注した首都と工業都市を結ぶ210キロの高速鉄道プロジェクトを白紙撤回しています。 昨年12月に着工した約5000億円の大きな契約が受注3日後に撤回され、その代替案が日本の新幹線をも含めて再検討されているのです。 ◆外務省の調査で判明した、米国世論の「日中逆転」 また、昨年11月、中国でのAPEC開催前に外務省はアメリカで行なった世論調査の結果を発表しました。 この調査は昨年夏に行なわれましたが、アメリカの有識者と国民に「アジアで最も重要なパートナーはどこか」と問いかけたところ、有識者と国民の双方で、中国よりも日本を挙げる人が上回ったのです。(外務省HP「米国における対日世論調査」2014/11/7) ≪一般国民の部≫(約1000人) 「日本」と答えた割合は46% (前年35%)。 「中国」と答えた割合は26% (前年39%)。 ≪有識者の部≫(約200人) 「日本」と答えた割合は58% (前年39%)。 「中国」と答えた割合は24% (前年43%)。 昨年と比べると「日中逆転」し、09年以来、はじめて「日本」が一般と有識者の双方で1位となりました。4年連続で米国の「有識者」が日本よりも中国を「重要なパートナー」と見なしてきた趨勢が変わったのです。 そして、日米安全保障条約は「維持すべき」との回答が、一般の部で81%(前年67%)、有識者の部で85%(前年77%)へと増えています。 結局、中国の反日外交は、米国世論の「親日度向上」という予期せぬ”成果”を生みました。 ◆歴史観においても日本は正論を貫くべき 良識あるアメリカ人は過去だけを見ているわけではありません。中国が東シナ海や南シナ海で繰り返した「現在の蛮行」に厳しい判定を下しています。 また、歴史観についても米記者のマイケル・ヨン氏と産経記者らが「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)米国議会あて最終報告」を調査し、日本関連の約14万2千ページの文献の中に軍が慰安婦を強制連行した証拠がないことを明らかにしました。 ようやくこの分野でも米国世論が変わる兆候が出てきたのです。 しかし、安倍政権は年頭記者会見で「村山談話を含めた、歴史認識に関しての歴代内閣の立場を継承する」と明言しています。これでは日本は自虐史観の見直しを海外に発信できません。 産経新聞のインタビュー記事(12/31)では、米グレンデール市の慰安婦像撤去訴訟の原告となった目良浩一氏が「朝日新聞が誤報を認めたと記事にしても米国人で朝日を読んでいる人が果たして何人いるか。いないに等しい」と述べていました。 やはり、こうした海外の日本人の努力と期待に応えるためにも、安倍政権は河野談話、村山談話を破棄すべきです。 ◆平和国家として正論を貫き、仲間となる国を増やすべき 日本は、平和国家としての「現在の行動」に誇りを持ち、「敵を減らし、味方を増やす外交」を進めなければなりません。 朝日新聞や毎日新聞、東京新聞などの報道を見ると、まるで中国と韓国だけが世界の世論であるかのような書きぶりですが、台湾やインド、バングラデシュ、トルコ、ブラジルなど、世界各地に多くの親日国があります。 日本は昨年にフィリピンへ巡視艇を10隻(ODAの円借款を活用)、ベトナムへ巡視船に転用可能な中古船6隻(ODAとして無償供与)の供与を決めました。 現在、ODAの範囲拡大に向けて議論が進められていますが、日本は、欧米諸国が行っている「対外援助協力」(Foreign Aid)を参考とし、人道支援、経済援助、軍事援助などを多角的に構成し、親日国を支援すべきです。 (※「対外援助協力」は民生分野が中心のODAとは異なり、安全保障分野にまで踏み込んだ援助を行なうことに適している) 東京の災害対策を早急に進めよう! 2015.01.14 文/幸福実現党・世田谷区代表 曽我周作 ◆阪神・淡路大震災から20年 1995年の阪神・淡路大震災から1月17日で20年になります。あらためて亡くなられた方々へお悔やみ申し上げます。 震災は、真冬の早朝に襲った、まさに悪夢のような出来事でした。多く家屋や高速道路も倒壊し、火災も大きく燃え広がり、街は壊れ、結果として6,434名(震災関連死を含む)もの尊い人命が失われる事態になりました。 日本は、非常に多くの、そして大きな地震が発生する国であり、しかもそれはほぼ全国に及びます。最近10年間だけをみても震度6弱以上の地震は15件以上発生しています。 1923年に関東大震災を経験している首都東京ですが、その東京も今後いつ首都直下型地震等が発生してもおかしくありません。 本年2015年の1月12日「成人の日」は、2020年の東京オリンピック開催から2020日前に当たる日だったそうです。 これから2020年の東京オリンピックまでの間、東京では様々な場所で開発事業が行われるでしょうが、その中でどれだけの震災対策(災害対策)を並行して進めることができるかは非常に重要なことだと思います。 ◆阪神・淡路大震災を教訓――火災対策 1月13日の読売新聞朝刊では「木造密集 解消急ぐ」という記事のなかで、東京都が「大火を防ぐ10年プロジェクト」を推進することを紹介しています。阪神淡路大震災の教訓から学び、震災対策を進めようというものです。 阪神淡路大震災では「大規模火災へと延焼拡大した火災の多くは、古い木造家屋が密集している地域に発生していた」 ことが報告されています。 特に神戸市の長田区で火災の延焼がひどかったのですが、先の読売新聞の記事にもあるように火災は三日間続き、4,759棟が全焼し、約52ヘクタールに延焼しました。 地震発生直後の午前7時までの長田区の出火件数は13件でした。延焼速度は風が弱かったこともあり比較的遅かったようです。 火災の延焼を止めた要因としては、道路等が39%、空地23%、耐火造・耐火壁等24%、消火活動14%と報告されています。 これでもわかるように消火活動でくい止められた延焼の割合は非常に低かったわけです。それは地震発生直後の初期消火活動の時点ですでにポンプ車が不足していたことからもわかります。 先ほど長田区での地震発生直後の出火件数が13件だったということを紹介しましたが、神戸市全体では63件の出火があり、実際に出動可能だったポンプ車数は40台だったと指摘されています。出火件数に満たない数しか出動可能なポンプ車がありませんでした。 首都直下型地震で想定される最大の出火件数は、東京都で1,200件です。それに対し、ポンプ車の台数は東京都の消防本部のもので677台、消防団280台で、合わせても想定最大の出火件数には届きません。 もちろん消防力の増強は考えなければならないと思いますが、震災時の延焼阻止を消火活動だけに頼るには限界があります。 例えば、1976年の酒田市大火においても、「最終的に合計217台の消防車両が出動したが、その延焼は自然焼け止まり線である新井田川という大きな河川に至るまでは止まらなかった」 と言われています。 阪神淡路大震災において延焼を防いだ要因の6割以上が道路や空地の存在であったこと、建物の耐火造・耐火壁まで含めれば、消火活動以外の要因は85%以上にも及ぶことを鑑みれば、今後の火災延焼防止のための対策は、道路の拡幅、そして沿道の建物等の不燃化によって延焼遮断帯をつくることが必要です。 また広い道路を確保し消防車等の緊急車両が問題なく通行できるようにすること。「震災や台風等の災害時には、電柱の倒壊や電線の切断等により避難や救急活動、物資輸送に支障が生じる」ため、電線の地中化を進めること。 また、防火水槽を適切な場所に配置しておくこと。そして公園などの空地を確保すること等、様々な面におよび対策を打つ必要があります。また、震災対策では十分な避難場所の確保も必要になります。 したがって、今後はやはりグランドデザインを描き、そして行政と民間企業が協力し、再開発事業を進め、新しい街づくりを進めながら同時に震災対策を進めていく必要があると思います。震災対策は行政だけで行うには限界があります。 ◆行政と民間――行政と民間の協力 また、民間企業が再開発事業を円滑に進めるには行政の強力なバックアップが必要です。地域住民への説得や行政手続きなど、積極的な協力姿勢が必要になります。行政と民間がいかに協力できるかがひとつのカギになりますし、地域行政の力が試されるところにもなるでしょう。 やはり行政側の本気度、積極的姿勢こそが民間の力を引き出すことになりますので、地方の首長や議会もそのような「積極的な行政」の実現に力を注ぐべきだと思います。 参考 『阪神・淡路大震災教訓情報資料集』内閣府 『震災時の火災被害と消防に期待される役割』関沢愛 『新時代を迎える地震対策』建設省監修 『首都直下地震の被害想定と対策について』平成 25 年 12 月 中央防災会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ 『震災時の火災被害と消防に期待される役割』関沢愛 すべてを表示する « Previous 1 … 52 53 54 55 56 … 101 Next »