Home/ 佐々木 勝浩 佐々木 勝浩 執筆者:佐々木 勝浩 幸福実現党 広報本部スタッフ 日本の海上防衛を考える(6)――「中国の海」になりつつある東シナ海 2015.02.14 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆中国の海洋支配プロセス8段階 前回、南シナ海がいかに「中国の海」になっていったかについて述べました。 日本の海上防衛を考える(5)――中国に支配された南シナ海 日本の海上防衛を考える(5)――中国に支配された南シナ海 これまでを整理し中国が南シナ海をどのように支配していったか、そのプロセスを分析してみましょう。 第1段階 漁船(軍事訓練を受けた「海上民兵」)を相手の海域で操業させる。 第2段階 相手国が抗議船を出せば漁船をぶつけて紛争を起こす。 第3段階 漁民を守るという名目で警備の公船を出す。 第4段階 1~3段階で、一方的に相手国海域の領有を国内法で宣言(「海洋法」や「三沙市」)。 第5段階 近海の島を占領し(岩礁の場合は埋め立てて人工島化)、排他的経済水域を主張することで戦争をせずに自国の領海を拡大する。 第6段階 公船だけでなく軍艦を出す。 第7段階 漁船・公船・軍艦を頻繁に出没させ領海侵犯をして実効支配を行う。 第8段階 島に上陸し住民が住み始め、インフラを整備し軍事基地化する。 中国は決して最初から軍艦を出すような愚かなことはしません。いきなり軍艦を出せば国際的非難を浴びるからです。少しずつ段階的に一手一手を打って南シナ海を「中国の海」に変えていったのです。 ◆中国の尖閣海域の支配 前回述べたように、中国の海軍戦略の第一段階は、第一列島線(日本列島から沖縄フィリピンを結んだ線)の内側、つまり「南シナ海」と「東シナ海」の支配です。 中国の海洋支配は、東シナ海より南シナ海が先行しているので、上記の「中国の海洋支配プロセス8段階」から今後を東シナ海で起きることが予測できます。 この「中国の海洋支配プロセス8段階」を東シナ海に当てはめてみましょう。 第1段階 胡錦濤国家主席と福田康夫総理が会談中に中国公船が尖閣海域を徘徊(2008年5月)。 第2段階 尖閣諸島海域で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突(2010年9月)。 第3段階 中国海警局公船が尖閣諸島の領海を侵犯(2010年9月~現在)。 第4段階 中国が「領海法」を制定し尖閣諸島を自国の領土と主張(1992年2月)。 第5段階 ガス田「白樺」採掘(2004年)。2005年ガス田「樫」掘削 (東シナ海には島がない海域はガス田の採掘基地を建設して中国の海域であることを主張)。 そして昨年末、中国軍が東シナ海の沖縄県・尖閣諸島から約300キロ北西にある浙江省の「南麂(なんき)列島」で軍事拠点の整備に着手、すでにレーダーが設置されヘリポート、軍用機の滑走路の建設計画も浮上しています(2014/12/22東京新聞)。 「南麂(なんき)列島」は中国に帰属しますが、同島は自衛隊や米軍基地がある沖縄本島より尖閣諸島に約100キロ近くに位置し日本にとっては尖閣諸島の防衛に大きな影響を与えることは必至です。 第6段階 2014年12月中旬、中国軍艦2隻が尖閣諸島の接続水域約70キロに接近、昨年8月から島から北に200キロ海域に常駐(12/30朝日)。 現在、中国漁船による領海内での違法操業が急増、2014年1月~9月は208件、2013年1年間の2・4倍、2011年の26倍になっています(2014/10/10日経)。 第7段階 2014年12月30日、中国公船3隻が領海侵入、2014年の中国公船による領海侵入は32回目(12/31産経) このように東シナ海では、現在第7段階の「漁船・公船・軍艦が頻繁に出没し領海侵犯などの実効支配を行う」ところまできています。おそらく今年以降、軍艦がさらに尖閣諸島に近づいてくるでしょう。 そして日本が何にもしないと分かればさらに軍艦が尖閣諸島に近づけるでしょう。 この第7段階目の実効支配が進んで軍艦がなんの気兼ねもなく尖閣海域を航行できるようになれば、最終的に中国は尖閣諸島に上陸するでしょう。 そして最後の総仕上げとして、第8段階の「尖閣諸島の魚釣島を軍事基地化」する、これが中国のシナリオです。 ◆尖閣の防衛は急務 中国は尖閣支配の一環として、安倍政権下ではじめて実現する見通しとなった尖閣諸島の合意文書で、内外に日本が「間接的に尖閣諸島をめぐる争いがあることを認めた」と強調しました(2014/11/8朝日)。 こうした心理戦、情報戦を仕掛けて日本を追い込んでいます。現在、日本の海洋防衛は急務の段階にまできているのです。 次回、中国の海軍戦略の第2段階である第二列島線(日本列島とグアムを結んだ線)、つまり西太平洋の支配について紹介し、日本の海洋防衛のあり方を考えて参りたいと思います。 日本の海上防衛を考える(5)――中国に支配された南シナ海 2015.02.07 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆中国の海洋戦略 前回、中国が海洋戦略として南シナ海と東シナ海、西太平洋を2020年までに中国の海にする戦略を持っていると指摘しました。今回は、その戦略をもう少し詳細に分析してみましょう。 【前回】日本の海上防衛を考える(4)――中国の海洋戦略 http://hrp-newsfile.jp/2015/1959/ 海洋国家である日本が防衛を考える際に、中国の海洋戦略がどのようなものかを知ることは大変重要なことです。何故ならそれが分かっていれば日本の海洋防衛の対策も立てることができるからです。 中国の海洋戦略は、1997年に発表された「海軍発展戦略」に表れています。過去のニュースファイルでも紹介しましたが、これが分かれば、中国が今後どのような手を打ってくるかがすべて分かります。 【第一段階】2000~10年――「第一列島線」(鹿児島~沖縄~尖閣諸島~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ線)の内部の制海権確保。つまり「南シナ海、東シナ海」を支配する。 【第二段階】2010~20年――「第二列島線」(伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ線)の内部の制海権確保。つまり「西太平洋」を支配する。 【第三段階】2020~40年――太平洋、インド洋で米軍と制海権を競う。つまり、南シナ海、東シナ海、そして西太平洋を段階的に「中国の海」にする。 【第一段階】は、計画から少し遅れている感はありますが、【第二段階】は、2006年から西太平洋の沖ノ鳥島近海で海洋軍訓練が行われ前倒しで進行しています。 そして西太平洋での海洋軍事訓練は、毎年回数を増やし、規模も大きくなっています。昨年の小笠原諸島での中国漁船のサンゴ密漁も中国当局の指示によるものです。 ◆南シナ海の支配は最終段階へ 話は戻りますが【第一段階】は少し遅れているようですが、南シナ海の支配は最終段階へ入りました。 昨年5月フィリピンは、自国が領有を主張していたスプラトリー諸島(南沙諸島)で7つの岩礁のうち6つの岩礁を中国が埋め立て軍事拠点化していると発表しました。 さらに中国は永暑島に人工島をつくり飛行場や軍艦の受け入れが可能な港も建設中であると米国防当局が分析しています。(11/23世界日報) 今年に入って2月4日には、フィリピン外務省が同国の排他的経済水域スカボロー礁(黄岩島)で、中国当局の船がフィリピンの漁船に意図的に衝突したとして中国に抗議しました。(2/5産経) ◆中国の軍事支配の手口 まず漁船を出して相手を挑発して、今度は軍艦を出して力で抑え込んで島を支配する、岩礁の場合は埋め立てで人工島を造って軍事基地化する、これが中国のいつもの手です。 一方でベトナムが領有を主張する南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)では、昨年5月~7月に中国が一方的に石油掘削を行いました。 8月には中国の『環球時報』が、パラセル諸島のウッディ―島(永興島)に航空滑走路の拡大工事を完成させたと報じました。「この滑走路は爆撃が飛び立てる」ことができ力による実効支配が進んでいます。(10/9産経) 9月23日には『中国中央テレビ』が、中国の海・空軍、第二砲兵(戦略ミサイル部隊)が合同で、南シナ海で大規模な合同軍事訓練の模様を報じました。 その際に中国軍関係者は「フィリピンやベトナムを威嚇するのが狙い。南シナ海の軍事基地建設に向け、拠点確保は早い者勝ちだ」と述べています。 パラセル諸島やスプラトリー諸島は、「三沙市」として中国当局が移住を推進し、「島民」には、1日40元(800円)の『駐島手当』が支給され、スーパー建設など生活支援なども着々と進めています。(1/7日読売) フィリピンは、中国への対抗策として仲裁裁判所に提訴し国際社会にアピール、昨年4月には中国に対抗するため米国と新軍事協定を結びました。 フィリピンにとって、軍事力にものを言わせて話し合いが成立しない中国に対する一番の対策は米国との軍事協定だったのです。 こうして中国の【第一段階】南シナ海の支配は最終段階に入っていますが、東シナ海についても、すでにその支配は進んでいます。今後、東シナ海では南シナ海で起こったことと同じことが起こるでしょう。 次回、東シナ海と西太平洋で何が起こっているのか、また今後何が起こるのかを見ていきたいと思います。 (つづく) 日本の海上防衛を考える(4)――中国の海洋戦略 2015.01.10 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 前回まで小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域に現れた中国漁船が九州にも現れていること、そして日本ばかりでなく韓国やパラオにまで現れていることを紹介してきました。 今回は、中国漁船は南シナ海では1970年代から現れており、その後南シナ海はどうなったのかについて明らかにします。 南シナ海ですでに起こっていることは、今後東シナ海で起こることでもあるので、それを知っていれば、中国から日本の近海の近海をどのように守っていけばいいかがわかります。 ◆密漁天国の日本近海 日本という国は、違法操業して捕まっても簡単に釈放してくれ、万が一、海上保安庁の船に捕まっても食事つきで飛行機に乗せて中国に帰してくれる――そうした前例を民主党政権時につくってしまいました。 中国漁民からすれば日本は、密漁しても最悪であっても罰金を払えば釈放してくれる国です。 サンゴで大儲けができるとなれば、日本の領海であろうが構わずに違法操業して、まったく罪の意識さえありません。まさに中国にとって日本近海は密漁天国です。 しかし中国政府自体は、さらにその先のことを考えています。中国の最終的な目的は、東シナ海、西太平洋を中国の海にすることです。 中国は海洋戦略として南シナ海と東シナ海、西太平洋を2020年までに中国の海にする戦略を持っています。 その中国の戦略が一歩先に進んでいるのが南シナ海です。ですから南シナ海で起こったことをみれば、今後東シナ海と西太平洋で起こることが予測できます。 南シナ海で起こったことが、今後日本の近海でも起こるでしょう。 ◆南シナ海は如何に中国の海になったのか すでに南シナ海では、ベトナム近海やフィリピン近海は中国の海になっています。 中国も頭が良いですから、始めから軍艦を出してその海域を支配することはしません。 1970年代、ベトナム戦争が終わって米軍が南シナ海から引き揚げると、中国はそれまでベトナムが領有を主張してきた南シナ海の西沙諸島海域に中国漁船を出すようになりました。 中国は毛沢東時代から農民や漁民を兵隊として訓練し国防を強化してきました。ですから中国の漁民もただの漁民ではなく軍事訓練を受けた「海上民兵」が含まれています。 ベトナムやフィリピンが領有していた海域に中国漁船が現れるとベトナムは中国漁船にベトナム海域から立ち去るよう警告を出しました。 もちろん中国漁船が立ち去ることはありません。そこでベトナムの船と中国漁船とぶつかり合いが起きました。 その段階で中国は中国漁民を守るという名目で軍艦を出しました。こうしてそれまでベトナムが領有していた海域を力で支配し、さらには島や岩礁を埋め立て軍事基地化していきました。 また島でない満潮時には海面から沈んでしまう岩礁までコンクリートで固め、島だとして200海里まで主張し始めたのです。もちろんこれは国際海洋法違反です。 ◆フィリピン海域まで中国の海に 同じような方法で、1980年代に入ると、フィリピンから米軍基地が撤退すると、それまで南シナ海の中沙諸島、南沙諸島に中国漁船が現れ、岩礁を占拠し、その後軍事基地化していきます。 小島や岩礁に砂を運んで島にしてコンクリートで固め軍事滑走路までつくる中国の暴挙は、昨年の2014年でも続いています。 もちろんフィリピンも海軍を派遣して抵抗していますが、力に任せて中国はまったくテーブルの交渉でも聞く耳も持ちません。 ちなみにフィリピンの米軍基地撤退運動で一定の活動を展開したのはフィリピンに住む中華系住民とも言われています。 ここまで見ていくと、沖縄から米軍が撤退した場合、尖閣諸島や沖縄がどうなるかはお分かりになるでしょう。だから日米同盟を強化し沖縄県から米軍基地撤退させてはいけないのです。 しかし沖縄のマスコミは、米軍の犯罪を大きく取り上げ反米感情を煽る報道を続けています。このうらには沖縄県民と米軍を離反させる工作が働いているのです。 沖縄県民が反米感情をもって「米軍出て行け」という声が高まればどこの国が喜ぶか、ここまで書けば分かるでしょう。 ◆南シナ海を一方的に「三沙市」にした中国 南シナ海は、中国が支配する海になり、現在中国は、ベトナムとフィリピンの主張も無視して勝手に南シナ海の西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島(南シナ海のほぼ全域)に「三沙市」と名付けて自分の海にしまいました。 同じような手法で中国は現在、東シナ海や西太平洋を中国の海にしようとする手を打っています。この点について次回詳しく見ていきたいと思います。(つづく) 日本の海上防衛を考える(3)――韓国とパラオに現れた中国漁船 2014.12.29 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 前回のニュースファイルでは、中国船は小笠原諸島や伊豆諸島だけではなく、鹿児島や、長崎県五島列島にも現れていることを述べました。 日本の海上防衛を考える(2)――中国漁船は九州でも http://hrp-newsfile.jp/2014/1920/ 今回は韓国やパラオにも現れた中国船の例を紹介し、特に軍隊も持たないパラオが中国という大国に対して取った毅然たる態度を紹介致します。 ◆韓国近海に現れた海賊レベルの中国漁船 お隣の韓国では、2011年11月に同国の排他的経済水域で違法に操業していた中国漁船を約30隻近く拿捕し、その際に韓国側に負傷者も出ています。 中国漁船は韓国国旗などで国籍を偽装し、韓国海洋警察が取り調べをしようとすると、鉄パイプや斧などで抵抗、韓国紙「ソウル新聞」は、「わが海域で違法操業をする中国漁船は海賊と同じレベル」と批判しました。 同年の12月には中国漁船員が韓国海洋官を殺害する事件も起きています。追って説明しますが、中国の漁民には、軍事訓練を受けている「海上民兵」がいます。つまりただの漁民ではないのです。 他にも12月に韓国が中国漁船3隻を拿捕し罰金を徴収して、いずれも釈放しています。 今年2014年、10月にも韓国海洋警察が違法操業をしていた中国漁船の船員らと乱闘になり、その際には中国漁船の船長が死亡しました。 ◆中国漁船の違法操業に決然と対応したパラオ 日本や韓国と違い、横暴な中国に対して毅然とした態度を取ったのは人口がたった2万人で、しかも軍隊も持っていないパラオという国です。 ちなみにパラオは、国旗を日本の日の丸をモデルにつくるほど親日国家です。親日である理由は、先の大戦で日本が命を懸けて米軍と戦ってくれたことに感謝しているからです。 さて2012年3月、パラオが排他的経済水域に設けているサメ保護区で違法操業をしていた中国漁船と取り締まりのパラオ警察の間で「激烈な争い」が発生しました。(2012/4/4サーチナ) その際、発砲により流れ弾に当たった中国漁船の乗組員1人が死亡、残りの5人を逮捕しました。最終的には死亡した1人を除き、25人が「御用」となったのです。その際にパラオ側にも行方不明者が出ています。 中国人漁民25人は同年4月に起訴され、パラオ警察は「中国人漁民は複数の罪に問われている」「裁判の結果、処分が決まる」と言明、中国漁民に対して毅然として司法行為を進める決意しました。(2012/5/28産経) パラオは台湾を国家として遇しており、中国を正統国家として認めていません。従って、中国は大使館を置くミクロネシアから外交官が特別の手続きを踏んだ上で入国し、パラオ側と交渉せざるを得ませんでした。 「中国外交官は非常に傲慢だった」と、パラオ・トリビオン大統領は当時の様子を地元メディアに語っています。中国の外交官は、漁船乗組員を即時釈放することと、中国人漁船員一人一人と立会いなしで面会を求めてきたといいます。 パラオは、中国に対して遺族への丁重な弔意を示したものの、即時釈放を断り乗組員全員有罪とし、罰金を1千ドルずつ払わせました。中国人船員の拘留は17日間に及び、パラオはあくまでも国際法、国内法に則って立場を貫いたのです。 そして釈放されると中国はチャーター機を自ら用意して全員を連れ帰りました。 中国の圧力に屈しなかったことについて大統領は、「はっきりしているのは、ここはパラオの領海だ」との趣旨を、地元メディアに語っています。 (参考【月刊WiLL2011年10月号】 総力大特集 図に乗るな中国!) ◆中国船衝突に対する民主党政権の対応 軍隊も持たないパラオの毅然とした姿勢と比べて、1億人の人口を誇り自衛隊も持っている日本はどうでしょうか? 民主党政権は、2010年9月、尖閣諸島で領海侵犯し海上保安庁の巡視船に体当たりした中国漁船船長を、あくまで沖縄の地方検事の判断だとして釈放を許し、国家としての国防の責任を放棄しました。 しかも、船長を迎えに来日した中国政府高官のために夜中に石垣空港を開港させ、日本の立会いなしで漁船船長との面会を許し、最後は日本側がわざわざチャーター機を用意し食事付きで漁船の乗組員を中国まで送り届けたのです。 当時の菅首相は、口をつぐんだまま、中国に何も発言しませんでした。 こうして中国の無法漁船を事実上、無罪放免したことが今日の中国のサンゴ密漁を許すことになり、日本の漁民のみなさんを危険に晒していることにつながっているのです。 パラオが独立国として自国の主権を守るために大国中国に取った毅然とした態度を日本は学ぶべきです。 (補足)パラオは、1994年独立した時に米国と「自由連合盟約」を締結。期限付きで全軍事権と、外交権の内、軍事権に関係する部分を米国に委ねています。盟約に基づき、国民の一部は米国軍人として入営しています。 中国もパラオとの交渉が決裂すれば、米軍が出てくることになるので、下手なことはできません。ここからも日米同盟の重要さが分ります。 次回、中国漁船を戦略的に動かし、南シナ海を「中国の海に」してきた戦略を明らかにします。それと同じ方法で今度は東シナ海、西太平洋まで「中国の海」にしようとしているのです。 (つづく) 日本の海上防衛を考える(2)――中国漁船は九州でも 2014.12.23 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆日本に多大な損害を与えた中国漁船 前回、小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域に現れた中国のサンゴ密漁船は、中国当局の指示で動いていると推定されることを明らかにしました。 日本の海上防衛を考える(1)――中国サンゴ密漁船の実態 http://hrp-newsfile.jp/2014/1887/ もう一方で日本側が考えなくてはならないことは、今回の中国船のサンゴ密漁が多大な損害を日本の漁業に与えたことです。小笠原島漁協・代表理事組合長の菊池勝貴氏はこう語ります。 「(中国漁船は)密漁してサンゴを傷つけるだけでなく、網で海底を荒らしていく。サンゴが育つ場所は魚たちのすみかです。貴重な資源が破壊されると、元に戻るまで数十年はかかると言われています。私たち漁師は、一か月以上も漁ができない日が続き死活問題です。」(12/10朝日) ちなみにAPECが迫る中で、外務省は中国に配慮して中国船のサンゴ密漁を公表するまで3日間も黙っていました(11/7産経)。自国の漁民の安全や生活より中国への配慮を優先したのです。 今でも遅くはありません。外交ルートを通じて漁民のみなさんへの損害賠償請求を中国側に起こすべきではないでしょうか。サンゴ礁が元に戻るまで数十年に亘る損害を中国漁船は与えたのですから当然のことです。 ◆鹿児島にも出没した中国漁船 また、あまり報道されていませんが中国漁船の今回のサンゴ密漁は、小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域だけでなく、鹿児島県南さつま市沖の領海でも行われており、先月11月17日、海上保安庁は、サンゴを密漁した中国漁船の船長2人を逮捕しています。(12/6朝日デジタル) さらに今月12月16日には、沖縄近海で中国船が少なくとも11隻が東に向かって航行しているのが海保の航空機から確認されており、小笠原諸島へ向かうのではないかと警戒を強めています。(12/18産経) これまで日本の排他的経済水域で違法操業して罰金は400万円以下、担保金と呼ばれる罰金を関係者が支払うことを保証する書面を提出すれば、早期に釈放されています。 その書面は中国当局が出しているのかどうかわかりませんが、これでは一獲千金を狙う中国漁民が大量に押し寄せるのは当然です。中国漁民にとってなんのリスクもありません。 さすがに日本政府も外国漁船の違法操業の罰金を400万円から3000万円に引き上げるなどの改正法が11月19日の参院本会議で可決され27日に公布、12月7日に施行されることになりました。 なお同様の違法操業は、中国だけでなく北朝鮮のイカ釣り漁船も能登半島沖、日本海の排他的経済水域境界海域で操業しており、今年、北朝鮮漁船の数は昨年の3倍に急増していることも記しておきます。 確認された北朝鮮漁船は延べ約400隻、うち9割が日本の排他的経済水域内に進入しており(11/27朝日新聞デジタル)、こうした事実もあまりマスコミは報道していません。 ◆中国漁民の不法上陸も 過去にさかのぼると2012年7月、当時の民主党政権が尖閣諸島の国有化の意思を示した直後に、長崎県の五島列島の入り江に台風で避難したという名目で106隻もの漁船が進入しました。 中国はこうした政治的メッセージを、中国漁船を使って送ってくる国であることを知っておく必要があります。 この漁船団は2000人が乗船しており、五島列島では過去に中国漁民が不法上陸したことがあります。 今回のサンゴ密漁でも台風が接近し同様のことが小笠原諸島・伊豆諸島でも起こり得るため島民のみなさんの間にも不安が広がっていました。 台風の接近の際には国際的なルールとして緊急避難を受け入れざるを得ません。中国船が日本の港に入港し不法上陸の可能性もあるため、今回政府は小笠原に機動隊を派遣し巡回させる対応を取りました。 こうした中国漁船の横暴さは日本近海だけではありません。次回、韓国とパラオの例を紹介し、特に軍隊も持たないパラオが中国という大国に対して取った毅然たる態度を紹介します。 日本の海上防衛を考える(1)――中国サンゴ密漁船の実態 2014.12.11 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆中国漁船に命令を出す中国当局 2012年12月16日のフジテレビの番組「特命報道記者X」――「中国の尖閣奪取計画」の中で福建省の漁民に対する取材で注目すべき事実が明らかになっています。 中国漁民には中国当局から無料で「GPS機材」が配られており、すべての中国漁船は一隻にいたるまで中国当局の指揮下に管理されていることです。漁船は必要があれば中国当局と直接連絡も取り合うことが出来るようになっています。 番組では、2010年9月に中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突させた事件の時期にも、中国当局からの尖閣諸島で操業する通達が出ていたことが明らかにされました。 さらに尖閣諸島まで行けば燃料代まで中国当局から支給されるということも中国漁民は証言しています。 つまり、今年の9月ごろから11月に小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域に現れたサンゴの密漁の中国漁船も、勝手に来たのではなく中国当局から指示が出ていたと考えて間違いありません。 ◆サンゴ密漁船を出す中国の意図 今回の密漁船も福建省から出航しており、小笠原諸島・伊豆諸島まで片道2000キロメートルあり、燃料費だけで300万円ほどかかります。 大船団で一獲千金を狙うにしても過当競争で採算が取れず、しかも日本に数隻が拿捕されて、罰金も課せられる状況下で、それでもやめないというのは、何らかの意図があるからです。 にわかに中国漁船が大船団を組んでやってくることは極めて不自然であり、まとめて燃料費を提供するスポンサー(中国当局のバックアップ)がなければ、どう考えても不可能です。 中国は、11月に自国がホスト国を務めたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)のタイミングに合わせて、多い時は200隻ものサンゴ密漁船を小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域に送りこんだとしか考えられません。 また海上保安庁は尖閣諸島に12隻の巡視船を配備する予定になっており、2隻の新造警備船が石垣島に到着したタイミングで小笠原諸島に密漁船は現れました。(11/6産経「正論・サンゴ密漁の真の狙いは尖閣だ」東海大学教授・山田吉彦氏) 小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域で取り締まっている日本の船は、海上保安庁3隻と水産庁2隻の計5隻だけです。 中国は日本が尖閣諸島と西太平洋の二つの海域(二正面)に中国船を出した場合、海上警備面で日本はどのように対応するか、試したのではないかと考えられるわけです。 例えば、小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域に大船団を出して、従来は尖閣諸島を警備する海保の巡視船を小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域にシフトすれば、今度は尖閣海域の警備が手薄になります。 日本の巡視船の数は充分ではなく尖閣諸島と小笠原諸島・伊豆諸島周辺海域の二つの海域で同時に100隻の漁船を出されたら対応はできなくなります。ですから早急に巡視船を増やす必要があります。 次回、中国船のサンゴ密漁は鹿児島でも起こっていること、近年は長崎県の五島列島にも中国船は出没しており、その際に中国漁民の不法上陸の不安が広がっていることを紹介します。 (つづく) 世界の「減税で景気回復」に学べ 2014.12.07 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆日本には消費税率を引き上げる選択しかないのか 本年に消費税が8%に上がり、サブプライムショック時のレベルまでGDPが減ってしまいました。 今回の安倍首相は消費税10パーセント見送りましたが、結局2017年に消費増税を上げるのであれば、日本の経済はまた失速してしまいます。 自民党をはじめとして既存政党は、ほとんどが消費税率を10パーセントに引き上げることしか考えていません。はたして、日本が取るべき選択として消費税を引き上げること以外に道はないのでしょうか? ここで他国の例を見てみましょう。 ◆外国の減税策 (1)インドの間接税減税 サブプライムショック後の2008年12月にインド政府は財政出動と減税を柱とする経済対策を発表し、間接税率(日本の消費税に相当)を14%から10%に下げました。(08/12/08 日経) 結果、インドの経済はどうなったかというと、2007年9.2%から2008年に6.7%と推移していた実質GDP成長率は、減税後2009年に7.4%へと増え景気が回復したのです。 また今年2014年、インドでは投資と輸出が減り、その対策として2月にインド政府は減税を決断、6月以降も減税を継続しました。 具体的には、製造業者向けの間接税の税率を12%から10%に引き下げ、小型車、商用車、二輪車も物品税を12%から8%に引き下げました。 (「2/17ロイター通信」「6/25ウォールストリートジャーナル日本語ネット版」) これによって2014年のインドの実質GDP成長率は、前年比で4.6%増(1-3月期)から5.7%増(4-6月期)、5.3%増(7-9月期)と、減税以降、回復の兆しを見せています。(9/4三菱総合研究所・11/29読売ネット版) (2)イギリスの付加価値税減税 イギリスにおいてもサブプライムショック後、2008年12月から13ヶ月間、付加価値税(日本の消費税に相当)の標準税率を17.5%から15%に下げました。 結果、実質GDP成長率は、2008年度の-0.1%から2009年に-4.9%、2010年には、1.3%へと推移(JETROデータ)しています。減税が景気悪化を止める役割をしたのです。 当時、国際通貨基金(IMF)の高官は付加価値税減税の効果はないと主張していますが、英国の有力シンクタンク・財政研究所は、「減税をしなければさらに景気が悪化していただろう」と指摘しています。 ちなみに、その後イギリスは、2010年1月に17.5%に税率を戻し2011年1月に20%へ引き上げました。結局イギリスは2012年にロンドンオリンピックがあったにも関わらず景気は回復しませんでした。 日本も2020年東京オリンピックを迎える前の2017年に消費税率を上げれば、イギリスと同じ道を歩むことは必至です。 (3)カナダの商品サービス税減税 カナダも1991年に日本の消費税にあたる「商品サービス税」を導入して以降、2度引き下げを行っています。2007年にも減税が行われ7%から5%へ引き下げられました。 カナダは、「商品サービス税」に加えて州の「小売売上税」も徴収されており、国民からの強い反発があったのです。(4/2 NEWSポストセブン) (4)ロシアの消費税導入撤回 ロシアも今年9月、来年予定していた消費税3パーセント導入計画を撤回しました。 ウクライナ問題や国内経済にすでに強い逆風が吹いていることが理由です。(9 / 20 時事ドットコム「ロシア、来年の消費税導入を撤回=首相」) ◆景気が悪い時には減税を このように外国では不況対策としての減税が普通に行われているのです。しかし、現在の日本の政治家は、わき目も振らず増税への道を一直線です。 消費増税という自公民の三党合意の弊害が明らかになったにもかかわらず反省もしていません。消費税を2017年に増税延期するという選択は何の解決にならないのです。 「2017年には必ず増税」というアナウンス効果で、国民はさらに財布のひもを締め、増税前後で引き起こる消費の上振れと下振れによる悪影響が日本経済に打撃を与えるでしょう。 日本の経済を浮上させる喫緊の経済政策は、消費税を5%へ減税することです。 解散総選挙の争点は、「アベノミクス」か? 2014.11.21 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆消費増税で税収は増えない 21日、衆議院が解散、選挙は、「12月2日公示・14日投開票」で行われます。 安倍首相は、来年10月予定だった10パーセントへの引き上げを1年半、先送りすることを決めましたが、消費税率10パーセントは、再び先送りせず確実に実施すると断言しました。 記者会見の中で安倍首相は、「経済再生と財政再建を同時に実現していく」と述べています。 財政再建を消費増税で実現しようとしているわけですが、しかし安倍首相は会見冒頭で自ら発言しているように「税率を引き上げても税収が増えないことになっては元も子もない」と述べています。 我が党が2009年の立党当初から口を酸っぱくして言ってきた「増税で税収は増えるどころか減る」ことを安倍首相は分かっているのです。 消費増税を行えば、いくら経済成長を促そうとしても国民の財布の紐は締まっていくので、消費は冷え込み企業が儲からないため給与も上がりません。こうして景気が悪くなっていくサイクルが回り始めるのです。 これは経済成長というアクセルを踏みながら、増税というブレーキを踏むようなものです。それでは日本経済のエンジンは焼け焦げてしまいます。つまり「経済成長と財政再建」は、両立しないのです。 経済を良くし税収も上げるには、先に民間企業を活性化させ経済成長を実現することです。そうすれば結果的に増税などしなくても税収は上がっていくのです。 ◆選挙の争点は「アベノミクス」なのか? マスコミの論調は、「アベノミクス」を選挙の争点に掲げています。民主党の枝野氏も、「アベノミクス」を批判し次のように述べています。 「アベノミクスのカンフル剤と、痛み止めに頼った施策では限界があることを、より自信をもって訴えることができる。」(11/18産経) しかし民主党政権は、経済の活性化できなかったばかりか、「消費増税」という時限爆弾を日本経済に仕掛けた責任を免れることはできません。アベノミクスを批判する前に、自ら反省をしていただきたいものです。 そもそも消費増税法案は、三党合意で決断したのですから、自民党と公明党、それに民主党の三党に責任があります。 ◆アベノミクスの何が失敗なのか アベノミクスは、第一の矢である「金融緩和」で日本銀行が国債を買い、銀行のお金を増やし、銀行が企業に貸し出すことで市場にお金を流します。 第二の矢、公共投資による「財政政策」で企業への投資を喚起しながら、第三の矢「成長戦略」で民間投資を行い、「宇宙産業」など新たな未来産業を創出しなければなりませんでした。 この二年の流れは、第一の矢である「金融緩和」で、日本の企業にお金が流れ込み経済が活性化するとの期待から外国人投資家が日本の株に投資し、それによって株価が上がったのです。 ところが、第三の矢である「成長戦略」は、「女性が輝く社会」や「学童保育の受け皿確保」など、それだけでは経済成長を大胆に興すことはできません。「新たな産業を創出」する政策ではないのです。 しかも安倍首相は、銀行の国内での投資が進まないので、海外を外遊して外国にお金をばらまいてきました。 もちろん、戦略的に中国包囲網を築くために外国との関係を強化する意味では必要なことではありますが、しかし日本にお金が回らないのであれば、本末転倒です。 こうして第三矢である「成長戦略」に魅力がなかったために、外国人投資家は、「アベノミクス」に失望してしまいました。2年を経た今では「金融緩和」で市場にお金を投入しても一時的な効果しかなくなりました。 さらに悪いことは、安倍政権は、票目当ての「商品券バラマキ政策」を解散直前に行ないました。これでは民主党政権と変わりません。 4月に8パーセントへ消費増税をせず、アベノミクスで企業が活性化し中小企業の給与もアップするまで時間を待てば、今頃はもっと日本経済は良くなっていたのです。 「金融緩和」による円安の痛みも、消費増税をやらず中小企業まで活性化していれば、その痛みはもっと和らいでいたでしょう。 また民主党の「原発ゼロ」政策で、電気代の上昇による製造コストを抑えるために工場が海外に逃げてしまったことが円安でも輸出が伸びない原因であり、政府の政策を信用できない企業は簡単に日本に工場を呼び戻せないと判断しているのです。 ですからその原因を招いた民主党は、この点でもアベノミクスを批判する資格はありません。 つまりは「自公民、その他の古い政治家、既存の政党で日本の経済を立て直すことは、もう無理だ!」ということです。 今回の最大の争点は、経済を失速させた「消費増税は是か非か」であり、我が党は、「消費税を8パーセントから5パーセントに減税する」「宇宙産業等、魅力ある経済成長戦略」を国民の皆さんに提言します! これが日本の経済を浮上させる喫緊の政策です! 「南京大虐殺」の虚構――「大虐殺」の命令はあったのか 2014.11.15 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆「大虐殺」の命令はあったのか アメリカは広島や長崎の原爆、東京などの空襲で、一般市民30万人以上を「大虐殺」しました。これは逃れようのない歴史の事実です。国際法で禁じられている一般市民の大虐殺をアメリカは「国家の命令」によって行ったのです。 では、日本国あるいは日本軍による「大虐殺」の命令はあったのでしょうか。今回は南京での虐殺の責任を問われ絞首刑になった松井石根大将が大虐殺の命令を出したのかどうか、検証してみましょう。 ◆日本軍の「南京城攻略要項」 1937年12月7日、日本軍は南京攻略戦にあたり部隊へ「南京城攻略要領」として、その際の心得、注意を指示しました。 この中に、南京攻略作戦の準備、手順などが示され、最後の7つ目の「南京城の攻略及入城に関する注意事項」で皇軍(神の軍隊)として、諸外国の権益を保護すること、正々堂々、将来の模範となるよう、不法行為を厳しく取り締まる内容が書いてあります。(抜粋) 「部隊の軍紀風紀を特に厳粛にし支那軍民をして皇軍の威風に敬仰帰服せしめ苟も名誉を毀損するがごとき行為の絶無を期するを要す」 「掠奪行為を為し又不注意と雖も火を失するものは厳罰に処す」 「軍隊と同時に多数の憲兵、補助憲兵を入城せしめ不正行為を摘発せしむ」 これを見てもわかるように南京攻略の総責任者である松井石根大将は、日本軍が入城する際に、厳しい軍紀を示しています。 これについては中山寧人(南京戦当時陸軍少佐)氏の以下の証言からも窺えます。(「東京裁判 第214号1947年5月12日弁護側反証段階(三)」) 「松井大将は蘇洲到着後、塚田参謀長に対し『南京は中国の首都であるから之が攻略は世界的事件である故に慎重に研究して日本の名誉を一層発揮し中国民衆の信頼を増す様にせよ』と言われました。」 以上のように日本軍の命令として計画的な殺戮や強姦はなかったことを、「南京城攻略要項」が証明しています。 ◆軍による計画的な虐殺はなかった ただ、残念にも100%日本軍の軍紀が守られたかとそうではありませんでした。第十軍の法務部長であった小川関次郎氏は、残っていた記録から11月から南京に入城した12月まで20人くらいの処罰を行ったと東京裁判で証言しています。 そもそも「大虐殺」の命令が出ているのであれば、処罰する必要もありません。 当時、松井大将は若干の不祥事を把握しており、南京陥落後に行なわれた慰霊祭の際に15分にわたって「いまわしい事件が起こり、戦没将兵が立てた功を半減させてしまった。なにをもって英霊にまみえんか」と涙ながらに軍紀の粛正を訓示しました。 東京裁判で松井大将はこうした若干の不祥事があったことを正直に認めました。ところが、この若干の不祥事が、判決になると「20万人の大虐殺」として下されたのです。 こうして国家の命令として原爆と大空襲という国際法で禁じられていた民間人の大虐殺を行ったアメリカが、若干の不祥事にも関わらず松井大将に、20万人大虐殺の汚名を着せて絞首刑台に送り込んでしまったのです。 ◆正義の女神が過去の賞罰を変える時 戦後70年を経た今、日本に大虐殺という汚名を着せた「東京裁判」が「歴史の真相」によって裁かれる番です。 最後に東京裁判を「勝者による儀式化された復讐」と主張した東京裁判の判事の中で、唯一の国際法学者であったインドのラダ・ビノード・パール博士の次の言葉を紹介します。 時が熱狂と偏見とを やわらげた暁には また理性が虚偽から その仮面を剥ぎ取った暁には その時こそ正義の女神は その秤を平衡に保ちながら 過去の賞罰の多くに そのところを変えることを 要求するであろう ※参考 『南京戦史資料集』偕行社 『再検証・南京で本当は何が起こったのか』阿羅健一著 徳間書店 「南京大虐殺」の虚構――「崇善堂」の埋葬記録の検証(2) 2014.10.25 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆不可解な「崇善堂」の遺体埋葬記録 前回も説明したように東京裁判は、「偽証罪」(裁判でウソを証言した罪)が問われず、始めから日本を貶める作意のある裁判でした。ですから証言や出された資料が真実かどうかの検証もされていません。 日本軍が南京に入城したのは昭和12年12月ですが、昭和21年から始まった「東京裁判」のために作成されたのが「崇善堂」(すうぜんどう)の遺体埋葬記録です。これは当時の記録ではなく9年経ってから作成された記録です。 「崇善堂」の埋葬記録は、別の慈善団体である「紅卍会」(こうまんじかい)が遺体埋葬を終えてから、数か月後に同じ場所で遺体埋葬作業が行われ、つじつまの合わない不可解な点があることは、前回のニュースファイルで指摘したとおりです。 では、この「崇善堂」とはどのような団体だったのでしょうか? ◆「崇善堂」は埋葬活動をしていない? 昭和12年末~昭和13年始めに埋葬活動を行っていた「紅卍会」の埋葬活動は、当時も目撃されています。私も当時の記録フィルムで「紅卍会」の活動の映像を見たことがあります。 「紅卍会」は4万余体を埋葬しているので、その倍以上11万余体の埋葬活動をした「崇善堂」が目撃されていてもおかしくないのですが、当時南京にいた日本兵の間でも「崇善堂」という存在は知られていませんでした。 また国際委員会の記録の中にも、ティンパーリーのように国民党の中央宣伝部の依頼で、世界に日本の虐殺を告発するために出版した「戦争とは何か -中国における日本軍の暴虐」にも「崇善堂」の名はどこにも出てきていません。 もし「崇善堂」が、埋葬活動をしていないとしたら、「南京大虐殺」の根拠になっている埋葬数11万余体が架空の数字だったということになります。当時中国の文献で検証できれば、中国が主張する日本の「南京大虐殺」は完全に崩壊します。 ◆当時の中国文献から「崇善堂」を検証 1945年11月、中国側は東京裁判に提出する資料を作成するため「南京地方法院検察処敵人罪行調査委員会」を設けました。 同委員会は、官民合同の14の政府機関や民間団体を網羅し「紅卍会」まで加わっていますが、どうしたわけかここにも「崇善堂」は名を連ねていません。「紅卍会」の倍以上の11万余体もの遺体埋葬をしているにも関わらず、当時の中国側の文献にも「崇善堂」の名前さえないのです。 その実態が明らかになったのは、昭和60年8月10日付け「産経新聞」のスクープ記事からです。国立国会図書館にあった「中華民国27年度版(昭和13年)南京市政概況」などの当時の南京市の史料で、ここには当時の慈善団体とその活動が記されていました。 ちなみに「紅卍会」の活動は、「収容」「埋葬」という活動が記されています。ところが「崇善堂」の活動欄には、「乳呑児を育てる」の文字はありますが「埋葬」は記されていません。 さらに決定的なことは、日本軍の南京入城後に中国で編集された「南京市政概況」には、「紅卍会」は、「工作進行」(活動が続いている)と記されていますが、「崇善堂」は、「工作進行範囲狭小」(活動は続いているが規模が縮小)しています。同文献の遺体埋葬の団体の中にも「紅卍会」はあっても「崇善堂」の名前はないのです。 また「南京商工会議所編」の「南京」には、「崇善堂」が本格的に活動したのは、南京戦後の8か月も経った「昭和13年9月から」と記されています。 つまり東京裁判に報告された「崇善堂」の埋葬活動が、「昭和13年4月9日から5月1日まで」(『日中戦争史』)であることが明らかになっていますが「崇善堂」は、その時期、南京では活動していなかったと中国の文献自体が記しているのです。 「崇善堂」の人員構成がはじめて出てくるのは、戦後しばらく経った中国の文献である『証言・南京大虐殺』(中国/南京市文史資料研究会・1984年「青木書店」)です。同書によると「崇善堂」は、主任1人、隊員1人、人夫10人、計12人で構成されています。 これが真実であるとしたら「崇善堂」は、 1か月弱の間に12人で11万体、一日で多い日は数千体を埋葬したということになります。ショベルカーもブルトーザーもない時代に手作業でやったというのは常識的に考えてもあり得ないことです。 中国側に下記のように質問してみたいものです。 「当時、南京で活動していなかった『崇善堂』が、11万余体の遺体をどうやって埋葬したのですか?また『紅卍会』が埋葬を完了した同じ場所から数か月経ってどうして遺体がでてきたのですか?その時の状況を説明してください。また『崇善堂』は12人で、1日で数千体を埋葬したことになっていますが、どんな方法で埋葬したのですか?」 以上、二回にわたって「崇善堂」の埋葬記録を検証しましたが、いかにずさんなものだったことが分かります。ですから日本が検証もせず、中国から言われるままに「南京大虐殺」を謝罪し、そのたびに経済支援を要求されるとしたら、まったく愚かなことであると言わざるを終えません。 しかし、これまで日本の政治家は中国に対して謝罪を繰り返してきたのです。 【参考図書】 「南京事件の総括」田中正明著/小学館文庫 「南京の実相―国際連盟は『南京2万人虐殺』すら認めなかった」日本の前途と歴史教育を考える議員の会(監修)/日新報道 すべてを表示する « Previous 1 … 5 6 7 8 9 … 22 Next »