Home/ 新着一覧 新着一覧 子供達に愛国心を!――大分県教組の「慰安婦ツアー」の実態 2014.11.16 文/幸福実現党大分県本部副代表 上田 あつこ ◆「慰安婦ツアー」違法募集 大分県教組はこれまで「日本の(侵略期の)加害行為を正しく認識し、平和を模索する」という主旨で、中学生とその保護者を募集し、韓国ツアー「親子で学ぶ韓国平和の旅」を2002年より毎年実施、今年の夏休みに開催され計12回行われています。 また、近年3回のこの「反日教育ツアー」は、県教組が助成金を出し、親子2人が2泊で2万5千円という破格の旅行代金を売りに新聞広告で申し込みを行っております。 旅行の募集や代金の徴収といった旅行業務は、登録を受けた旅行会社しか行えないと規定した同法に違反しているとして、大分県教組は、観光庁から改善するよう指導されています。(違法行為は、今年で3回目となりました。) ◆ツアー内容 韓国での中学生の交流が目的とはいうものの、日本軍「慰安婦」歴史館や反日運動家らの監獄として使用された「西大門刑務所跡」なども訪問しています。 そこでは、現地ガイドから、韓国側の主張に沿った一方的な説明を受けるのです。 「慰安婦」歴史館は、日本軍が強制連行し、性奴隷にしたとする韓国側の一方的な主張を表現する象徴的施設で、平成5年の河野洋平官房長官談話発表を「慰安婦『強制』認め謝罪」と報じた朝日新聞のコピーなど多くの慰安婦関連資料が展示されています。 しかし、日本の政府見解は「強制連行を直接示す資料はない」とし、文部科学省の教科書検定でも軍や官憲による強制があったとする記述は認められていません。 歴史教育では、義務教育では、自国の立場を教えるのが基本ですが、旅行は極めて反日的で、韓国側の立場を学ばせるものであり教育上、不適切であると考えます。 ◆従軍慰安婦も強制連行も虚構である理由 1.「従軍看護婦」「従軍カメラマン」は存在しましたが「従軍慰安婦」はおらず 「売春婦」が存在したのみです。 2004年の売春禁止法が成立するまで、売春婦は合法的な職業で、韓国業者により集められた 売春婦が存在しました。 (「従軍慰安婦」との言葉は、作家の千田夏光の造語です。) 2.「強制連行」ではなく、韓国売春業者の募集による職業婦人でした。 当時の日本政府は、むしろ「意に反した」女性狩りをする韓国人悪徳業者を日本の官憲に取り締まらせていました。 3.日本政府の調査では、強制連行を裏付ける証拠は見つかっておらず、韓国との合作だったことが 明るみに出ています。 4.これまで、慰安婦は『挺身隊』の名で「強制的に連行された」と報道してきた内容について「軍などが組織的に人さらいのように連行した資料は見つかっていない」と改めました。 5.吉田清治が「済州島で慰安婦を強制連行した」とする証言は虚偽だと認め、朝日新聞は記事を取り消しました。 6.慰安婦と女子挺身隊を混同していたことについて、これらはまったく別ものであり、誤用していたことを認めました。 つまり、旧日本軍による慰安婦強制連行についての根拠とされてきたものが、根本的に崩れたわけです。 このような中での訪問は、子供の歴史認識に混乱を与える事となり、虚構の上に作られた展示施設を見学する『慰安婦ツアー』は健全育成の見地から極めて適切でないと考えます。 私も一児の母として子供達の未来のためにも間違った歴史教育に対して断固抗議してまいります。 「親子で学ぶ韓国平和の旅」あるいはそれに類するツアーを今後実施しないよう、教育委員会及び教育庁から大分県教職員組合に対して厳しく指導し、各学校に対しても募集に応じないよう、只今、署名活動ならびに、12月大分県定例議会に陳情書提出の準備を進めています。 ◆愛国心を育てる正しい歴史教育を 教育が人間をつくります。歴史の必然として、誇りを失った国は滅びに至るといわれます。 この美しい国、誇り高き日本を守るために、また、この国に真の自由と繁栄をもたらすために、正しい歴史認識、正しい歴史教育が必要です。 子供達に自虐史観をうえつける教育を一日も早く卒業し、共に、愛国心の持てる教育に変えてゆきましょう 「南京大虐殺」の虚構――「大虐殺」の命令はあったのか 2014.11.15 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆「大虐殺」の命令はあったのか アメリカは広島や長崎の原爆、東京などの空襲で、一般市民30万人以上を「大虐殺」しました。これは逃れようのない歴史の事実です。国際法で禁じられている一般市民の大虐殺をアメリカは「国家の命令」によって行ったのです。 では、日本国あるいは日本軍による「大虐殺」の命令はあったのでしょうか。今回は南京での虐殺の責任を問われ絞首刑になった松井石根大将が大虐殺の命令を出したのかどうか、検証してみましょう。 ◆日本軍の「南京城攻略要項」 1937年12月7日、日本軍は南京攻略戦にあたり部隊へ「南京城攻略要領」として、その際の心得、注意を指示しました。 この中に、南京攻略作戦の準備、手順などが示され、最後の7つ目の「南京城の攻略及入城に関する注意事項」で皇軍(神の軍隊)として、諸外国の権益を保護すること、正々堂々、将来の模範となるよう、不法行為を厳しく取り締まる内容が書いてあります。(抜粋) 「部隊の軍紀風紀を特に厳粛にし支那軍民をして皇軍の威風に敬仰帰服せしめ苟も名誉を毀損するがごとき行為の絶無を期するを要す」 「掠奪行為を為し又不注意と雖も火を失するものは厳罰に処す」 「軍隊と同時に多数の憲兵、補助憲兵を入城せしめ不正行為を摘発せしむ」 これを見てもわかるように南京攻略の総責任者である松井石根大将は、日本軍が入城する際に、厳しい軍紀を示しています。 これについては中山寧人(南京戦当時陸軍少佐)氏の以下の証言からも窺えます。(「東京裁判 第214号1947年5月12日弁護側反証段階(三)」) 「松井大将は蘇洲到着後、塚田参謀長に対し『南京は中国の首都であるから之が攻略は世界的事件である故に慎重に研究して日本の名誉を一層発揮し中国民衆の信頼を増す様にせよ』と言われました。」 以上のように日本軍の命令として計画的な殺戮や強姦はなかったことを、「南京城攻略要項」が証明しています。 ◆軍による計画的な虐殺はなかった ただ、残念にも100%日本軍の軍紀が守られたかとそうではありませんでした。第十軍の法務部長であった小川関次郎氏は、残っていた記録から11月から南京に入城した12月まで20人くらいの処罰を行ったと東京裁判で証言しています。 そもそも「大虐殺」の命令が出ているのであれば、処罰する必要もありません。 当時、松井大将は若干の不祥事を把握しており、南京陥落後に行なわれた慰霊祭の際に15分にわたって「いまわしい事件が起こり、戦没将兵が立てた功を半減させてしまった。なにをもって英霊にまみえんか」と涙ながらに軍紀の粛正を訓示しました。 東京裁判で松井大将はこうした若干の不祥事があったことを正直に認めました。ところが、この若干の不祥事が、判決になると「20万人の大虐殺」として下されたのです。 こうして国家の命令として原爆と大空襲という国際法で禁じられていた民間人の大虐殺を行ったアメリカが、若干の不祥事にも関わらず松井大将に、20万人大虐殺の汚名を着せて絞首刑台に送り込んでしまったのです。 ◆正義の女神が過去の賞罰を変える時 戦後70年を経た今、日本に大虐殺という汚名を着せた「東京裁判」が「歴史の真相」によって裁かれる番です。 最後に東京裁判を「勝者による儀式化された復讐」と主張した東京裁判の判事の中で、唯一の国際法学者であったインドのラダ・ビノード・パール博士の次の言葉を紹介します。 時が熱狂と偏見とを やわらげた暁には また理性が虚偽から その仮面を剥ぎ取った暁には その時こそ正義の女神は その秤を平衡に保ちながら 過去の賞罰の多くに そのところを変えることを 要求するであろう ※参考 『南京戦史資料集』偕行社 『再検証・南京で本当は何が起こったのか』阿羅健一著 徳間書店 国際リニアコライダー計画――東北の復興と国際化を目指すチャンス! 2014.11.14 文/幸福実現党岩手県本部副代表 石川幹子 東北岩手に世界の架け橋となる国際リニアコライダー計画が進められ決定されれば2020年に完成予定です。 ◆国際リニアコライダー(ILC)計画とは 深さ約100メートルの地下に全長約30キロメートルの直線状の加速機を作り、電子とその反粒子である陽電子を超高速エネルギーで正面衝突させ宇宙の始まりから1兆分の1秒後の状態を人為的に再現しようとするものです。 宇宙の真空の謎、時間と空間の謎、質量の謎に迫ることが出来ると言われております。 大型加速器としては、スイスのジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器の27キロメートルが現在最大ですが、計画されている国際リニアコライダーは、完成すると全長約30キロメートルとなり、世界最大となります。 この計画の建設完成は、2020年代半ばを目途とされております。 立地評価会議は、2013年8月に国内候補地として岩手県(岩手県北上山地の南部、奥州市近郊に建設予定)に一本化されましたが国はまだ誘致を判断していません。しかしながらアメリカのシカゴ近郊やCERNがあるスイス、ロシア、ドイツなども誘致に向けて積極的にアピールしています。 国際リニアコライダーの建設費は約8千億円、経済波及効果は、4.3兆円、建設段階から運用までに至る30年間で、全国ベースで約25万人分の雇用機会が創出されるとされており、東北大震災からの復興を目指す東北、岩手、宮城にとって大きな起爆剤となります。 ◆人口の増加と第三の開国を進めることで少子高齢化や財政赤字を解消 国際リニアコライダーが誘致されると世界から科学者、技術者、関連企業そして、その家族などが移り住み、約1万人の外国人が移住する事になると言われており、岩手県南部に突如として、一つの国際都市が出現する事になるでしょう。 さらにその生活基盤を支えるために、飲食店、スーパー、衣料品店など物販店も数多く立ち並び、さらに子供達の学校なども整備されていくことと思います。その様相はまさにインターナショナルなものになるでしょう。 またこの新しい街と空港を結ぶアクセスなどの整備も考えられ、近隣の花巻空港の国際化を含めて、新たなインフラ整備が必要とされます。 ◆東日本大震災から立ち上がった姿を国際社会に示す絶好の好機 東日本大震災からの復興に全力で取り組む東北の地に、ILCが実現すれば、東北の復興の加速と東北地方全体への大きな波及効果が期待されます。また国際的な科学拠点として世界に対し日本が大きく貢献する事となります。 昨年の5月には、高い技術力と高精度の精密部品を製造する岩手県奥州市にある千田精密工業が、国際リニアコライダーの技術開発を進める高エネルギー加速器研究機構(KEK,茨木県つくば市)から、実績が認められ実験機の心臓部となる装置「電磁ホーン」2台の製造を依頼され今後の活躍の期待と参入に意欲をみせる企業が立ち上がっている状況です。 これまで基礎研究がもたらした技術は、世界の経済と文化を飛躍的に変え、国際リニアコライダーの技術も科学と産業の両方に応用を生み出すとされています。医療、生命科学から新機能の材料、部品の創出、情報、通信、計量、計測、環境、エネルギー分野まで多岐にわたると考えられています。 2020年の東京オリンピック開催と同時に地方でも国際化を目指す大チャンスです。そして、最先端科学が進む事で日本経済の復活への起爆剤になり今後、世界のリーダーとなる日本が、国際社会の平和と安全、繁栄していくためにも限りない可能性と創造性を秘めた科学技術の発展が大事です。 岩手にILCが実現したなら、つくば市にある筑波研究学園都市構想が可能になるでしょう。海外からの移住者が増加することで商業施設、公共施設、外国人学校、病院など生活空間が変わります。交通網はリニア新幹線の開通、ハブ空港の建設により国際化が加速する事でしょう。 東北に拓かれた未来構想、未来科学の実現に向け取り組んで参ります。 参考文献 ILC PROJECT 国際リニアコライダー計画 正しい政治を行う新政府の樹立を目指して 2014.11.12 文/幸福実現党徳島県本部副代表 小松由佳 ◆増税延期と衆院解散の可能性 マスコミ各社は連日、年内の衆院解散の可能性を報じています。安倍首相が、17日発表の7~9月期のGDP速報値を受け、景気回復が十分でないと判断すれば、10%への消費増税を先送りした上で、アベノミクスの是非を問うべく衆院選を行う、というシナリオです。 12日付日経新聞によれば、民間調査機関12社の予測平均値では、実質GDP成長率は1.9%(年率換算)に留まり、8月時点での平均4%との予想を大きく下回っています。再増税によるさらなる景気悪化は目に見えており、当然ながら再増税は延期すべきです。 ◆国民の自由を軽んじた政府の失敗 安倍政権の不安定化の原因は、やはり国家社会主義的な統制政治の要素を払拭できず、旧態依然とした自民党政治から脱却し切れなかったことにあると言えます。 まず、明らかに8%への消費増税は間違いでした。増税そのものは民主党政権下で決められたことですが、関連法を改正せず実行に移したことは、安倍政権の失策です。 昨年度の実質GDP成長率2.3%のうち、0.77%が駆け込み需要によるものであり、今年4月の増税後、この駆け込み需要の反動減と、実質可処分所得の低下が起きました。 そのため、14 年4~6月期の実質GDP成長率は、1~3月期比でマイナス7.1%(年率換算)という、リーマン・ショック以来の大幅な落ち込みでした。 主因は、深刻な国内需要の減少であり、それだけ見るとマイナス15%に達するとも言われています。 中でも民間消費の落ち込みが大きく、国民の消費マインドが冷え込んだことは明らかです。現在、駆け込み需要の反動減は緩やかに回復基調にありますが、ほとんどの経済指標が予想を下回り、様々な景気動向指数は低迷しています。 外交・安全保障の面では、やはり中国に対する弱腰が目につきます。10日、約3年ぶりの日中首脳会談が行われましたが、その前提として7日に両政府が発表した合意事項では、尖閣問題で両国が「異なる見解を有する」とされています。 これは「尖閣諸島について領有問題が存在する」と解釈され得るものであり、中国に対する大きな譲歩です。 さらに、安倍首相は首脳会談で、小笠原・伊豆両諸島の周辺海域での中国漁船団によるサンゴ密漁への抗議も行わず、歴史認識についても、習主席が村山談話に言及した際、「歴代内閣の歴史認識の立場を引き継いでいる」と述べ、自虐史観を国際社会に曝け出しました。 こうした弱腰の日本政府と、レームダック化したオバマ政権の下、中国包囲網であるTPP交渉も進まず、越年が確実となりました。 その裏で中国は、韓国との自由貿易協定(FTA)を妥結し、日本が最大出資国であるアジア開発銀行(ADB)に対抗するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立計画を進め、TPPに対抗するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想を主導するなど、アジアでの存在感を増しています。 そして何より、政府が犯した致命的な過ちがあります。10月31日、あらゆる自由の根源である「信教の自由」を侵し、「霊言」をはじめとする教義内容や宗教行為そのものを理由に、幸福の科学大学の設立を「不認可」としたのです。 憲法違反である下村文部科学大臣の判断に、当然ながら大学側は異議申し立てを行いました。首相の任命責任も重く、根源的な自由権を侵害した閣僚を抱えたままでは、政権存続が難しいのは明らかでしょう。 参照: 幸福の科学公式HP⇒http://info.happy-science.jp/2014/12003/ ザ・リバティweb⇒https://the-liberty.com/article.php?item_id=8698 自己保身や党利党略、世論調査に振り回されることをもって、“自由”や“民主主義”を謳歌していると勘違いしてはなりません。真の「自由」とは、普遍的な「正しさ」、人智を超えた「神仏の声」を、虚心坦懐に求めるところから始まります。 そして、真の「民主主義」とは、神仏の子としての人間の尊厳を守るものです。このことに深く思いを致さなければ、「自由」や「民主」を党名に掲げる既存政党が、その名を実とする日は来ないでしょう。 ◆神仏の下での「自由からの繁栄」を 幸福実現党は立党以来、後にアベノミクスと称される経済政策に加え、徹底した減税による景気回復を提案してきました。また、中国による軍事的脅威や人権弾圧への明確な批判を続け、自虐史観を払拭した新談話の発表、新憲法の制定などを一貫して訴えてきました。 これらは全て、国民の自由と尊厳を守り、国を発展・繁栄させ、世界中の幸福を実現したいという志によるものです。 与野党共に、衆院選の準備に追われているでしょうが、自らはあくまで「公僕」であり、国民の「自由からの繁栄」を支えるべきこと、そして何より神仏の「僕」であることを忘れず、正しい「まつりごと」を行わなくてはならないのです。 世界経済の新潮流――日本は減税で世界を照らせ! 2014.11.11 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆FRBの量的緩和終了 米連邦準備理事会(FRB)は10月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で2008年の金融危機直後から続けて来た量的緩和政策を終了しました。 量的緩和の終了は国際経済の潮目が大きく変化したことを意味します。 第1に米国の量的緩和の終了は「百年に一度の大津波」と言われた金融危機に資本主義経済が打ち克ったことを象徴します。一時10%を上回った米国の失業率も今や5.8%まで改善し、米経済はゆるやかな景気拡大、正常化に向かっております。 第2に「強いドル」の復活です。米国は「強いドル」によって世界の余剰資金を集め、金融立国を強固にし、軍事技術はもちろん、ITやロボティクス、医療機器等、次世代の産業技術の創造を加速させるでしょう。 「強いドル」の復活は日本にとっても悪いことではありません。米国の量的緩和終了が伝わると、10月第3週には1ドル=105円台まで下がっていたドル円レートは109円台まで反発。その結果、日経平均株価も3週間ぶりの高値を付けました。 しかし第3に、量的緩和の終了は、目下、新興国にとっては冬の時代到来を意味します。それまで新興国に向かっていた巨大な緩和マネーは再び米国に反転し、資本流出や通貨安によるインフレと新興国は格闘しなければなりません。 げんに米国の量的緩和終了に伴いブラジルやロシアは急激な利上げに踏み切りました。金利を高く設定し、国内にマネーを引き留めようとするためです。しかし高い金利は企業家の投資需要を減退させ、国内経済を傷めつけます。 偶然にも31日、こうした変化に日銀は追加緩和で応じることとなり、結果的に新興国の外貨不足懸念を緩和したことは、対外的な観点からも評価されるべきです。 その他、日本としてはTPPやEPA等の自由貿易・経済連帯協定を積極的に締結し、市場を開放していくこと、外貨不足による新興国の債務不履行を防ぐべく通貨スワップ協定の枠組みを拡大していく等、新興国発の危機を未然に防ぐ努力を行っていくべきです。 ◆原油価格の下落と中東情勢 また現在、注目すべき世界経済のトピックとしては原油価格の大幅下落があげられます。今年7月に1バレル=115ドルだった北海ブレンド原油は今月4日には82ドルにまで下落しました。 要因は需要面からは欧州や新興国経済の不振による世界経済の減速懸念、そして供給面からは米国のシェール開発で原油輸出の市場競争が激化したことです。 実際、米国はシェール開発により日量100万バレルだったナイジェリアからの原油輸入を3年間で1/10に減らし、今年8月にはゼロにしています。 こうした米国の動きをけん制し、自国産原油の市場シェアを守るべく、サウジアラビアを始め中東諸国は、こぞって油価を下落させたのです。1バレル80円台では米国シェールは採算割れで開発できないからです。 さて、こうした「円安」かつ「原油安」また「米経済の回復」は、日本にとってはプラス要因であり、日本経済の対外環境は現在、稀な幸運に恵まれていると言えるでしょう。 しかし、極端な原油価格の下落やその持続は、別の問題を発生させます。 ロシアやイラン、イラク、オマーン等、1バレル=80円台ではとても財政均衡を持続できない産油国が多数存在し、そうした産油国の経済悪化は容易に政情不安に転化し、「アジア回帰」を掲げる米国の外交戦略にも影響を与えかねません。 日本は東アジア諸国とだけでなく、ロシアや中東諸国にも目を向けて、通貨スワップ協定や貿易・投資面での経済連帯協力等の締結により、幸運による日本経済の回復を中東諸国に波及させるべきです。 ◆日本は減税で世界を照らせ! さて31日に発表された日銀の追加緩和は国内においてだけでなく、海外市場からも好感を持って受け入れられました。日本の政策決定は世界経済に多大な影響を与えるのです。 追加緩和に関しては株高バブルを誘発させる等、一部副作用を指摘する声もありますが、元より幸福実現党は2009年の立党以来、「3%」のインフレ目標を政策に掲げ、2013年に日銀が異次元緩和を開始してからも、さらなる「緩和拡大」を求めてきました。 しかし消費増税の悪影響を打ち消すための最大の景気対策は、税率をもとの5%に引き下げることです。これで消費は回復し、日本の株価は暴騰するに違いありません。 再度、安倍政権はデフレ脱却の意志を鮮明にし、「アベノミクス第2フェーズ」を始めるべきです。 追加緩和が第1の矢であったならば、消費増税の撤回を第2の矢、そして法人税の大幅減税を第3の矢として、世界経済の需要を日本が牽引していく意志を表明すべきです。 幸福実現党は地球視野での経済繁栄に取り組み、世界をあまねく照らす新しい日本の国づくりに全力で尽くします。 日本では報道されないドイツの脱原発事情(2) 2014.11.10 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆FIT制度がドイツ国民に及ぼす深刻な影響 さらに、ドイツの国民にとって、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)が深刻な影響を与えています。 FIT制度は、原発停止に伴い不足するエネルギーを、再生可能エネルギーに求めるためのものです。電力会社は、国家の決定した価格での再生可能エネルギーの購入を義務付けると共に、それによる値上がり分については、ユーザーである国民が負担する制度です。 当然、この固定価格は、市場価格より高いもので、その結果ドイツ国民の負担は大きくなっており、FIT制度のために電力料金は、年間一人あたり4万円の負担増となっています。 ドイツでは1世帯平均2人というデータがありますので、単純に計算すると、1世帯で年間8万円の負担増になっている事になり、国民に深刻な影響を与えています。 これに関して、2013年9月19日付け「ヘラルド・トリビューン」紙(現在「インターナショナル・ニューヨークタイムス」に名称変更)には、ショッキングなレポートが掲載されています。 それによると、 ○「電気を節約するため、夜はキッチンの5ワット電球だけを頼りにする」ドイツ国民の姿 ○ベルリン市内には、電気料金支払いが困難な市民を救済する機関がある。 ○2011年、公式データによると、電力料金を支払えない31万2千世帯の電力を止めた。 ○政府の補助があるにもかかわらず、アメリカの3倍の料金に値上がりしており、国外からの投資意欲が大きく損なわれている。 この制度は、日本でもすでに施行されており、その影響については、すでに当ニュースファイルでも論じております。 日本経済を奈落の底に沈める「原発ゼロ」と電力の「固定価格買い取り制度」 http://hrp-newsfile.jp/2012/554/ 「市場原理に立脚しない再生エネルギー固定価格買取制度(FIT)のほころび」 http://hrp-newsfile.jp/2014/1747/ ◆東ドイツ出身のメルケル首相に繁栄のビジョンは見えるか ドイルのメルケル首相は、国民の人気も高く、優秀な政治家でありますが、社会主義の東ドイツ出身で、しかもキリスト教民主同盟のコール政権下では、4年にわたり「環境・自然保護・原子力安全担当大臣」をつとめており、一貫して規制を進める立場を取っています。 このような経歴を見ると、メルケル首相には、元々、脱原発に向けての強い考えを持つ一方、経済繁栄に対しての考えが不足しているのかもしれません。 当初、好意的な見方もされてきたドイツの「エネルギー革命」は、国民の負担が莫大なものなると共に、風力発電の最大手である「プロコン」社が今年1月に倒産し、供給側に課題があることも現実となりました。本当にこの政策が正しいものであるのか、ドイツ内外で大きな疑問が投げかけられています。 ◆日独両国の発展が世界大繁栄のカギ 現在のEUは、ギリシャ危機のあと、スペイン、ポルトガル、イタリアなどカトリック諸国で経済問題が続いています。その中で、ドイツは、さらなる繁栄のビジョンを掲げ、ドイツが圧倒的な経済力をもって、今後もEU立て直しの主役となって強い存在感を示していくことが求められます。 このように、本来、欧州のリーダーとなるべき役割があるにも関わらず、「ヒットラー」や「ナチズム」の反省による自虐史観と、エネルギー政策の失敗によって、ドイツ経済の発展は、足踏みを強いられています。 アメリカが世界の警察官を放棄しつつあり、世界は混とんとしていく中、欧州においては、ドイツが、日本と同様に「ドイツの誇りを取り戻し」、さらなる繁栄を目指す時が来ています。 そして、我が日本においても、今回お伝えしたように、ドイツでの教訓を生かし、当面は原子力発電を基礎にしたエネルギー政策を進め、安定的なエネルギー供給を確保することが大切です。 このように、日独両国が、自虐史観を払しょくし、世界的な役割を強く認識し、力強い発展繁栄を目指していくことが必要です。 幸福実現党も、日本において自虐史観を払しょくし、世界のリーダーをめざし、さらなる繁栄を目指して参ります。ご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。 日本では報道されないドイツの脱原発事情(1) 2014.11.09 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆「原発推進派」に対するマスコミの風当たりは強い 安倍改造内閣の目玉の一人であった小渕経産大臣が政治団体の不透明な収支を巡る問題で、辞任しました。内容を聞く限り、大臣失格は当然であります。 しかし、その一方、小渕前大臣は、「原発推進」を明言し、九州の川内原発などの再稼働を念頭に置いていたと言われています。 報道によると、さる11/8(土)、鹿児島県の伊藤知事は、震災以降初めて、原発の立地県として川内原発の再稼働に同意しました。 さて、2012年10月に行われた衆院鹿児島3区補選では、幸福実現党公認の松澤力候補だけが、川内原発再稼働を訴えました。当時は自民党候補ですら再稼働の主張ができなかった事を考えると、この先見性には大きな評価を受けるべきではないでしょうか。 マスコミでは、まだ原発推進派と目される政治勢力に対する風当たりは強いものの、現実は政府も再稼働への方向をはっきりと示しています。 そうした意味では、日本のさらなる繁栄の為に、今回の小渕前経産大臣のスキャンダルで、原発推進の動きが止まってしまうことを懸念するものです。 ◆日本で誤解されているドイツの「エネルギー革命」 よく、「脱原発派」が引き合いに出すのが、ドイツの原発政策です。元々ドイツでは、チェルノブイリの原発事故以来、放射線に対する恐怖が強く、自然エネルギーの研究も進んでいた地域ではありました。 2000年代のシュレーダー政権の時から、脱原発の方向は示されていましたが、2011年の福島原発事故をきっかけとして、メルケル首相が「エネルギー革命」と称する脱原発政策を打ち出すことになりました。概要は以下の通りです。 1、独国内17基の原発のうち、老朽化した8基を停止すると共に、残りの9基についても順次停止していき、2022年までに全廃を目指す。 2、その代替エネルギーとして、太陽光・風力など再生可能エネルギーを推進し、2050年には完全移行を目指す。 3、電力会社に対して、再生可能エネルギーを一定の固定価格で買い取ることを義務付けるFIT制度を導入する。 これらの政策は、当初、環境保全推進の立場から、好意的な反応があり、「日本もドイツに学べ」という論調が強まりました。 しかし、日本で誤解されている事は、ドイツでの原子力発電は暫時減らしていくという事で、現在も稼働しているという事です。 また、エネルギー政策の柱として掲げた、再生可能エネルギーは安定的な供給ができず、ドイツ政府は、石炭を中心とする火力発電を中心に行うことになり、現在はドイツの数か所で新規に「火力発電所」の建設が急ピッチで進んでいるのです。 以上の結果、2013年のドイツにおけるエネルギー割合の暫定値は、以下のようになっています。 原子力 15% 石炭 20% 褐炭 25% 再生可能エネ 24% 天然ガス 10% その他 6% 少なくとも、ドイツは、まだ原発稼働中で、日本の即時停止とした対応が、いかに極端なものであるかが分かります。 次回、ドイツの電力事情にもう少しメスを入れ、日本が学ぶべき教訓を明らかにします。(次回は、明日配信) 「沖縄2大紙」の歴史から見る反日思想 2014.11.08 文/HS政経塾 4期生 幸福実現党 大阪本部副代表 数森圭吾 ◆沖縄の2大紙 沖縄では11月16日に沖縄県知事選挙の投開票が行われ現地新聞も選挙関連の記事を多く報道しております。 沖縄には「琉球新報」と「沖縄タイムス」という新聞があり、両紙は「沖縄2大紙」とよばれています。この2紙は反日、反米的主張が多いと言われていますが、その背景を歴史的な視点から検証してみたいと思います。 ◆アメリカ軍と2大紙の創刊 先の大戦において、沖縄本土に上陸した米軍は1945年4月1日「琉球列島米国軍政府」を設置し沖縄占領統治を開始しました。ここにおいて米軍政府は沖縄と本土の分断し、沖縄統治を円滑にすすめるために反日宣伝工作を行います。 米軍の沖縄統治は本土のように日本政府を通した間接統治ではなく直接統治でした。このため米軍政府のとった検閲政策はプレスコードやラジオコードによる検閲ではなく、直接米軍の方針を反映できる米軍広報機関として現地に新聞社をつくるという直接的なものでした。 そこでつくられたのが占領下初の新聞である「ウルマ新聞」であり、これは現在の「琉球新報」です。創刊は沖縄戦終結直後の1945年7月25日。この新聞は事実上の「米軍広報宣伝紙」とも言えるものでした。 この新聞の記者であったある邦人は、この新聞をつくることになった際に「米国の宣伝をする新聞をつくるとスパイ扱いされるから御免だとは思ったが、断ると銃殺されるかもわからず、否応なかった」(「沖縄の言論」辻村明、大田昌秀)と話しています。 また、琉球新報と並び、沖縄を代表する新聞である「沖縄タイムス」(1948年7月1日創刊)の創刊号では、当時の社長である高嶺朝光氏が次のように語っています。 「吾々はアメリカの暖かい援助のもとに生活している、この現実を正しく認識することはとりも直さずアメリカの軍政に対する誠実なる協力であり、また、これが沖縄を復興する道である」 さらに同紙創刊者の一人は、 「沖縄タイムスの特色は創立スタッフが戦前にも新聞記者を経験していたことです。戦時中、大衆を戦争に駆り立てたという、(中略)この大きな罪を背負いつつ『立ち直って、反戦の立場からもう一度、新聞をつくってみよう』との意気込みがあった。それは一方で、新聞人としての贖罪の意味ともなり『新の平和を目指す新聞を作る』という心があったんです」(沖縄タイムス1993年7月1日) と語っています。 これらの発言から両紙の原点が「戦争への贖罪」と「親米反日」というアメリカの宣伝工作にあったことがわかります。 ◆アメリカによる沖縄復興と左翼思想 戦後、米軍統治によって沖縄ではインフラ整備、医療技術の飛躍的向上が果たされました。また米軍基地周辺では経済が活性化し、戦後急激な復興と発展を遂げています。 このように戦後の沖縄復興に対してアメリカが果たした役割は非常に大きいということができます。戦後、日米の関係は変化し、現在ではアジア諸国の安全保障にとっても両国の友好関係は非常に重要なものになっています。 しかし、1972年の沖縄返還から40年以上たった現在、米軍統治下でつくられた「琉球新報」と「沖縄タイムス」は、ある意味において創刊時と変わらず反日的主張を行い続けているとともに、逆に「反米」も強く打ち出しています。 これは、創刊当時の反日思想を土台としながら、そこに基地問題や補償金などの戦後新たに発生した切り口から左翼思想が入り込んでしまった結果であると考えられます。 知事選を控え様々な情報が飛び交い、各紙がそれぞれの主張を展開しています。「沖縄独立」などといった言葉もよく目にするようになっていますが、私たちはこのような「沖縄2大紙」の歴史を知り、そのスタンスを把握したうえで、正しく情報を読み取る必要があるのです。 沖縄県知事選――親中政治から脱却せよ! 2014.11.07 文/幸福実現党沖縄県本部副代表 下地玲子 ◆最大の争点は基地問題か? 11月16日投開票が行われる沖縄県知事選。現職仲井眞氏、前那覇市長翁長氏、元郵政担当下地氏、元参議院議員喜納氏の4人が出馬し、激しい選挙戦が展開されています。 マスコミは、最大の争点は、普天間飛行場の辺野古移設であるとし、各候補の主張や動向を連日報じています。 昨年12月の知事の辺野古埋立工事承認を境に大きく動き始めており、仲井眞氏は引き続き、推進していく考えなのに対し、翁長氏、喜納氏は辺野古移設反対、下地氏は県民投票実施を主張しています。 ◆翁長氏が主張する『オール沖縄』 翁長氏は、今回、共産、社民、社大、生活、県民ネットの5つの党と、那覇市議会派、新風会の支持を得て出馬しました。 2013年、全市町村、議長、県議らと共に上京し、「普天間基地の閉鎖、撤去」「オスプレイ配備の撤回」「県内移設断念」を求め、「建白書」を安倍総理に提出しました。以来これを県民の総意=「オール沖縄」とし、日本対沖縄という構図をつくろうとしているようにもみえます。 しかし、ここに来て、オール沖縄が否定されました。石垣市の中山市長が、「県内移設の選択肢を否定しない」とする確認書を作成していたことが分かったためです。(2014.11.3八重山日報) ◆龍柱は中国属国化の象徴か?! 翁長氏は、2012年「那覇市のランドマークとなる観光シンボル」として那覇空港や大型旅客船ターミナルから県庁へ向かう玄関口ともいえる市有地に、高さ15メートルの龍柱を2本建てる計画を進めています。 驚くことに、2億5千万もの国民の税金を使って、何と、中国に発注するというのです。中国の皇帝の属国であることを示すような龍柱建設に反対の声が多数挙がり、市民による「住民訴訟」が起こりました。 ◆「琉球独立」が「第2のクリミア危機」をまねく 沖縄には、「久米36姓」という帰化人の子孫の方々が、多く住んでおり近年新たに中国人が地域社会に多く入ってきています。 2013年5月「琉球民族独立総合研究学会」が設立され、記者会見を行いましたが、沖縄で「独立」を主張する方々はまだ少数派であるにもかかわらず、この時の映像が中国では大きく報道されました。 時を同じく、2013年5月中国の人民日報は「沖縄の領有権は日本にはない」という論文を掲載し、環球時報は、「中国は沖縄の独立運動を支援すべき」という社説を掲載しました。 県民の多くが独立を望んでいるかのように報道され、「クリミアの二の舞」になってしまう可能性も出てきました。この「琉球独立」派の人々が翁長氏を支持しています。 ◆中国の海洋進出――離島防衛を急げ! 尖閣諸島周辺には、中国公船が3~4隻体制で連日航行し、海保や漁船に圧力をかけていますが、領海侵犯も今年はすでに27回を超し、一触即発の危険な状態です。 海上警備体制強化のため先般、尖閣領海警備を専従体制とし、新たに大型巡視船2隻を投入しましたが、最近、小笠原・伊豆諸島沖に中国のサンゴ密漁船が押し寄せたのをみても、我国の海上警備体制に揺さぶりをかけてきているのは明らかです。 又、与那国島、石垣島、宮古島への自衛隊配備も早急に取り組まねばならい課題でしょう。 このように、今回の知事選の最大の争点は、中国問題であり、沖縄県だけの問題ではなく、日本全体やアジアの平和と安定にもかかわる重要な選挙なのです。 しかし、こういった中国問題は、あまり報道されません。 そればかりか、沖縄マスコミの偏向報道により、県民が誤てる判断を下すことが危惧されます。正しい判断を下すためにも正しい情報を伝えるマスコミの報道姿勢が求められています。 道徳の「特別な教科化」に寄せて――学校教育の現場の声 2014.11.06 文/HS政経塾1期卒塾生・逗子市政を考える会代表 彦川太志 10月21日、中央教育審議会が公立小中学校の道徳の時間を「特別な教科」に格上げするよう、答申を出しました。 この答申を受け、道徳の授業における検定教科書の使用や、数値式でない評価方式の導入などが2018年度より新たな学習指導要領の下で実施される予定です。 本日は、この道徳の「特別な教科化」をめぐる議論について、現場の声も交えながら検証を加え、あるべき道徳教育の姿について提言していきたいと思います。 ◆道徳の「教科化」が求められた経緯-年少者による凶悪犯罪の多発 道徳を正式な教科として格上げする動きは、第一次安倍政権が設置した「教育再生会議」の提言から始まりました。しかし、当時は「子供達の『心の成長』について、点数をつける『教科』化はふさわしくない」という見解から、正式な「教科」への格上げは見送りとなりました。 今回の答申はそうした経緯を踏まえ、点数式ではない評価方式を実施する「特別な教科」として、学校教育法施行規則上の「道徳」の位置づけを変更することになったのです。 そもそも、なぜ道徳を「特別な教科」と位置づける必要があったのでしょうか? その理由として、(1)「他の授業の時間に当てられてしまうことが多い」ことや、(2)「学校や教員によって指導内容や指導方法ばらつきがある」ことが挙げられていますが、本質的には1997年の神戸連続児童殺傷事件や1999年の栃木女性教師刺殺事件、2011年の大津小におけるいじめ自殺事件など、年少者が関わる凶悪犯罪が多発していることに対して、対策が求められたという経緯があります。 いかにして子供達の「善なる心」を開花させるか―。道徳の教科化を考える際、このような本質的な論点を忘れてはならないのです。 ◆いわゆる「平和教育」の押し付けが行われている「道徳」の時間の現状 このような道徳の「特別な教科化」の動きに対して、一部メディアから「思想統制、価値観の押し付けになるのでは」という慎重意見がありますが、すでに教育の現場では、いわゆる「平和教育」の押し付けが行われているという現状があります。たとえば、幸福実現党鎌倉後援会には、次のような市民の声が寄せられています。 ・市内の公立小学校では、中学年の道徳の授業で「サダコの折り鶴の物語」から「平和憲法」へと話の内容を飛躍させ、「修学旅行は広島市に行きたい」という子供達の「声」を引き出す授業が行われています。先生の口調も熱狂的で、憲法に話が移ると「その憲法を今、変えようとしている!」と叫ぶ子供もいます。これは道徳の授業といえるのでしょうか。(鎌倉市内在住、主婦Aさん) こうした授業内容について、相談を受けた教員経験者の方は「どこかで似たような授業を見たことがある。授業というより『主張』であり、おそらく用意された台本があると思う。」とコメントをしています。 つまり、一部のメディアが危惧するような“押し付け”の道徳教育は、すでにいわゆる「平和教育」として行われているというのが現状なのです。マスメディアには、こうした現状もしっかり報道していただきたいと思います。 ◆「検定教科書」の導入だけでは不十分。学校教育の透明性を高めよ しかし、だからと言って「検定教科書」を導入すれば済むという話でもありません。後援会に寄せられた別の声を紹介いたします。 ・「検定教科書」を導入しさえすればいいというわけではないと思います。教科書をまったく使わず、先生が自分が作ったプリントで、まったく反対のことを教えているケースもあります。本当に授業の中身を改善したかったら、プリントまでチェックしないとだめだと思います。(お子様が横浜市内の県立高校に通学中、主婦Bさん) ・政治家や識者の方に、「学校の現場」で何が起こっているか真剣に見て頂きたい。学校が責任を取らないで親に負担を押し付けるようなことが横行している。学校教育が適正に行われているかを社会がチェックする意味でも、もっと開放度を高めないといけない。(逗子市在住、元教員Cさん) 多くの新聞報道でも指摘されているとおり、道徳のような「心」に関する指導力は「国の方針」で上下するようなものではありません。指導力の源泉とは、教師自身の教育に対する使命感と、日々自己研鑽に励む姿勢にこそあるのではないでしょうか。 学校教育の実情を、家庭や社会がチェックするためには、「顧客第一」マインドのもと、学校教育の公開度を上げていく必要があります。 ◆宗教系私立学校にならい、公教育でも「宗教」を積極的に教えるべき 道徳の「特別な教科」化の出発点にあった問題とは、年少者による凶悪犯罪の多発という社会問題でした。 「子供達の「心」を悪事から遠ざからせ、善なる方向に開花させるにはどうすればよいか―。」それを教える真の「道徳」の授業が成立するには、あの世の存在や神仏の愛、天国・地獄の存在という「宗教的教養」をバックボーンとした教育体系が必要不可欠だといえますが、今回の「道徳の教科化」の答申では、宗教的教養の重要性についての検討が十分に行われた形跡は見られません。 しかし、文科省は私立の宗教系学校において、「宗教」の時間をもって「道徳」に変えることを容認しているのですから、思い切って世界の「宗教的教養」を「道徳」の授業で扱う。というぐらいのイノベーションをかけるべきだと考えます。 そうであってこそ、子どもたちを国際感覚に優れる真の「教養人」を育てることにつながるのではないでしょうか。 すべてを表示する « Previous 1 … 135 136 137 138 139 … 253 Next »