Home/ 財政・税制 財政・税制 「健康は富を生み出す!」発想の転換による医療保険制度改革の必要性 2015.05.28 文/HS政経塾部長 兼 幸福実現党事務局部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆医療保険制度の改革関連法が参院本会議で成立 「医療費の抑制」――。社会保障改革の議論で多く出てくるワードです。 連日、衆議院での平和安全法特別委員会で、安全保障関連法案の議論に注目が集まっている中、医療保険制度の改革関連法が参院本会議で成立しました。 ポイントは、慢性的な赤字体質が続く、国民健康保険(国保)の立て直しです。 自営業者・年金生活者・非正規労働者が加入している国民健康保険(国保)の運営主体を2018年度から市区町村から都道府県に移して、運営規模を大きくして、財政基盤を少しでも安定させることです。 ただ、国保の運営を都道府県に移すだけで、問題点が解決するわけではなく、国保の赤字を埋め合わせるために、2017年度以降、毎年3,400億円の国費が投入されることになっています。 そのための財源確保として、大企業の健康保険組合(健保)や公務員の共済組合の負担を増やすことが盛り込まれています。 2018年度時点での健保組合の負担増は600億円(事業主負担含む)、共済組合は700億円という厚労省は試算しているようです(5/28朝日)。 <主な内容> 1.国民健康保険(国保)は2018年度から、運営主体を市区町村から都道府県に移す 2.大企業の会社員が加入している健康保険組合(健保)や公務員の加入する共済組合による75歳以上の後期高齢医療制度に出す負担金の増額 3.2016~18年度での入院時の食事代の段階的引き上げ(現在260円→460円) 4.かかりつけ医の紹介状を持たない患者が大病院を受診する場合の定額負担(5千円~1万円) 5.保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療の枠を広げる 6.「保険者努力支援制度」の創設:ジェネリック医薬品の使用割合を高め、生活習慣病の予防指導に取り組むなど、医療費の抑制に努める自治体に対して優先的に国費を配分 ([参照]5/28産経・読売・朝日・東京) ◆赤字同士の「国保」と「健保」が支え合っている現状 赤字が広がる国保の財政支援をするために、健保や共済組合への負担が増えるということですが、健保の組合全体の2015年度の経常赤字見込みは1,429億円の見込みで、8年連続赤字の状態で、既に全体の約2割の組合が保険料率を引き上げています(5/28産経)。 つまり、国保と健保は、両方とも赤字の状態ですが、程度の軽い健保が、重症の国保を支えているという状況です。 ただ、お互いに赤字同士で支えあっており、そのため、入院時の食事代等の利用者負担の引き上げもしてはいますが、根本的な解決にはまだまだ長い道のりが続きそうです。 ◆「健康でいることの価値」をもっと打ち出すべき 医療保険改革は、生活への影響も大きく、多様な意見があるため、どうしても対応が対処療法となってしまっています。 かかりつけ薬局など医薬品の使用を適正化などの議論が出ていますが、今後の方向性としては、「健康でいることの価値」をより実感できる改革を推し進めるべきだと思います。 健康ポイントの創設の議論も出ていますが、それが具体的にどのようなものになるか、はっきりとは見えてきません。 そこで、例えば、一定の健康要件を満たしていれば、「保険料率が下がる」、「減税措置が受けられる」など、明確なインセンティブを打ち出すべきではないでしょうか。 健康を維持する「値打ち」、「健康維持の努力は報われる」という認識が浸透することで、結果として医療費の抑制に繋げるという議論も積極的にしていくべきではないでしょうか。 このまま保険料率の引き上げ傾向が続けば、景気が上向いて賃金が上昇しても、使えるお金(可処分所得)が増えず、消費拡大も減速します。 その結果、そもそも保険料の原資となる、賃金そのものが減ってしまうことにもなりかねません。 健康であってこそ仕事ができて、活力ある経済の土台があって福祉も成り立っています。 「健康は富を生み出す」――、発想を転換しての医療保険制度改革の方向性も検討するべきです。 「大阪都構想」の是非を問う住民投票を振り返って 2015.05.25 文/HS政経塾四期生 西邑拓真(にしむら たくま) ◆大阪都構想を巡る住民投票を振り返って 5月17日、「大阪都構想」の是非を問う住民投票が実施されました。 結果は、反対が70万5585票、賛成が69万4844票と、1万票余りの僅差で「大阪都構想」が否決される形となりました。 「大阪都構想」は、東京都と23特別区をモデルに、大阪市を解体して特別区に再編しようとするものです。 この度の住民投票で、賛成が一票でも上回っていたならば、政令指定都市初の「廃止」が決定し、大阪市が五つの特別区に分割されることになっていました。 これまで、大阪では、府と市の間の「二重行政問題」が問題視されてきました。 それぞれの主張の食い違いから協力体制を十分にとることができない行政の姿から、府と市の関係は、「府市合わせ(不幸せ)」であると揶揄されてもきました。 そのような状況の中で、大阪維新の会は、「都構想によって知事と市長を一本化することで、二重行政問題を解消しよう」という主張を繰り広げてきました。 しかし、都構想を実現するには、莫大な費用がかかることが徐々に明らかとなります。 初期費用として、区役所建設やシステム改修など最大約680億円かかることが明らかとなると共に、新たに設けられる特別区において、議会、教育委員会などを新設するに伴って生じる、高いランニング・コストの存在も指摘されていました。 一方、大阪維新の会が主張してきた、都構想を実現することによる「大きな経済効果」は、昨年の大阪市の集計によると、わずか年1億円に過ぎないことが判明しています。 このように、都構想実現によって「莫大な費用がかかる」といったことや、大阪市民から「無駄と切り捨てられる公的サービスに病院なども含まれている。必要なサービスまで簡単に削られそう(2015年5月18日付 日本経済新聞電子版)」などいった声が聞かれたように、「政令指定都市である大阪市が、一般市以下の権限になり、行政サービスが低下する」という反対派の主張が、わずかながらも、大阪市民に届いた形になったと言えます。 ◆地方分権推進の危険性 この住民投票が行われた同日、沖縄県那覇市で、「米軍普天間基地の辺野古への移設に反対」するための集会が開かれていました。 もし、大阪が「都構想」の実現に向けた住民投票で、賛成多数という結果であったならば、地方の権限肥大化を招き、「国家としての外交・安全保障政策などの遂行に困難が生じかねない」とする動きが、今後、沖縄などでより活発になっていたであろうと予想されます。 やはり、地方が、国とは独立した外交戦略等を行えば、国家として一体感のある安全保障政策を施行することに困難が生じかねないことを指摘する必要があります。 日本は、「防衛力の構築は、発展のためのコストである」ということを、今一度再確認し、地方分権を進めることが、実は、防衛力の低下を招き、結果的には大きな代償を払わなければならない可能性があることを認識する必要があるでしょう。 ◆残された課題に対し、真摯に取り組む必要性がある 再度、話題を大阪都構想に戻しますと、今回の拮抗した住民投票の結果を見ると、「大阪のあり方を改善してほしい」という声も多数存在することを読み取ることができます。 都構想賛成派の中には「(市の第三セクター破綻など)ずっと大阪の失敗を見続けてきた。現状を変えてほしい(2015年5月18日付 日本経済新聞電子版)」との声が現に上がっています。 また、財政的には、大阪市は2.9兆円、大阪府は5.3兆円という多額の赤字が存在するなど、大阪には多くの課題が山積しています。 今後は、市民のこうした声を重く受け止めつつ、「二重行政問題」など様々な問題の解決に向け、府と市が全面的に協力し合う必要があると共に、大阪維新の会が十分に提示できなかったと言える、大阪のこれからの明確な「未来ビジョン」が提示される必要があると言えるでしょう。 ◆東京・大阪間のリニア新幹線の早期開通をはじめとして、各都市と国が一枚岩となった改革を では、具体的にどのような取り組みが必要になってくるのでしょうか。 今、必要な改革の方向性とは、地方分権ではなく、地方や各都市と国が一枚岩となって発展を実現するというものだと考えます。 その取り組みの一つが、リニア新幹線の早期開通です。2027年には、東京・名古屋間でリニア新幹線が開通し、両区間をわずか40分で結ばれることになります。 40分という「移動距離」というのは、一般的な通勤圏だと考えられますので、東京・名古屋が一つの都市圏になるわけです。 これに対し、東京・大阪間を1時間強で結ぶリニア新幹線が開通するのは、東京・名古屋間開通から18年後である、2045年が予定されています。 名古屋が発展を遂げる18年の間に、関西・大阪において相対的に経済の地盤沈下が起こることが懸念されるわけです。 藤井聡氏の試算によると、大阪・名古屋のリニア同時開通によって、2044年時点で、大阪府の人口は26万人、大阪府の経済規模は1.3兆円増加するとされています(藤井聡著『大阪都構想が日本を破壊する』参照)。 このような都市圏の「統合」が進むことで、人・物・金・情報の行き来が活発になり、結果として、大阪だけではなく、日本全体としても大きな経済成長を見込むことができるでしょう。 そこで、今、JR東海が負担することになっている、大阪・名古屋間開通に必要な金額である約3.5兆円を、日本政府や関西の地方政府による負担や、「リニア債」の発行など、早期開通を実現するための何らかの具体策が示される必要があります。 ◆今、実現すべきは、「地方分権」ではなく、「オール・ジャパン」体制での経済発展 日本は、アメリカのカリフォルニア州と同等の面積しか有しません。高速鉄道網の整備が進む今日では、日本をいくつもの州に分断して、それぞれ独立的に発展を遂げようとすることは、やはり得策とは言えません(大川隆法著『政治の理想について』参考)。 日本は、地方が道州制につながる動きを賛同するなどといった動きをとるべきではなく、経済面・国防面の両面から見ても、「オール・ジャパン体制」を前提とした経済発展を成すことが合理的であると考えられます。 保育所待機児童の現状と課題について 2015.05.21 文/幸福実現党・愛知県本部副代表(兼)青年局長 中根 ひろみ ◆待機児童の現状 厚生労働省のまとめによると、昨年10月の保育所入所待機児童数は、43,184人で、平成25年10月と比較し934人減少したものの、東京・神奈川・大阪などの都市部では、子どもを預ける先がなく、困り果てる保護者の姿が見受けられます。 保育施設の利用は、秋頃になると次年度の利用申し込みが始まり、2月に選考の結果が通知されます。 残念ながら入所が決まらなかった場合、次は小規模保育施設、その次は認可外保育施設と、預け先を確保するために懸命な施設探しが始まります。 このような地域では、途中入園は不可能に近く、新学期に入園出来なかった場合、次のチャンスは1年後ということになります。 しかし、園児は次のクラスに持ち上がるため、新入園児の受け入れ枠は大変狭くなります。 私が施設長を勤める園では、44名の募集に対し、107名の応募を頂き、1~3才の入所倍率は5倍超となりました。 入所の選考はポイント制で行われるのですが、例えば「フルタイムの共働き」等の加算がないと、入所して頂くのは難しい状況です。 以下に主たる課題と、その改善策について取り上げます。 ◆課題(1)――用地確保の難しさ 自治体では新たに認可保育所をつくろうと設置者の公募をしてはいますが、都市部では土地探しに大変苦労します。 地価も高いため園庭のない園がほとんどですし、認可保育所であってもビルの中にある施設も少なくありません。 マンションが建設された場合、居住者が増え、それに伴って待機児童は更に増えることになります。 例えば、マンションを建設する際、託児所を導入する場合、行政が一定の支援を行うという方法もあるかもしれません。 ◆課題(2)――規制と運営資金 認可保育施設の認定を受けるには、国や自治体の基準を満たす必要があります。認可を受ければ運営費や運営補助金が受けられるため、結果として利用者は保育料以上のサービスを受けられることになります。 しかし、認可保育施設でない場合は保育料が高額となり、施設を運営する側にとっても、全て実費となるため、厳しい運営を強いられます。 そもそも、補助金に頼らなければ運営できない業態であることが、課題なのかもしれません。 ところで、託児施設の数を増やすためには、規制を緩和することがポイントになると考えます。 昨年、あるビルのフロアを認可保育施設として使えるか調べたところ、役所の判断は、保育室からトイレに行く際に共有スペース(廊下)を通る必要があるため認可は出来ないという結論でした。 しかし、なぜか「認可外保育施設にするなら大丈夫」ということでした。国から補助金をもらうのだから、条件も厳しくなると考えればよいのかもしれませんが、施設の区分は異なっても、子どもにとっての状況は同じはず。 子どもを守るための制度なのか、国や自治体が責任を回避するための制度なのか、疑問を抱いてしまいます。 「子どもの安全を守る」ための環境づくりという観点から、各種規制を緩和し、スリム化する必要があるのではないでしょうか。 ◆課題(3)――保育士不足 今年度を迎えるにあたり、都市部からも地方からも「例年になく保育士の確保が難しい」といった声が厚生労働省に届いたようです。そのための対応として厚労省は下記の内容を提示しました。 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項ただし書の規定により、『保育所一につき2人を下ることはできない』とされているところ、一定の条件の中で保育士の確保が特に難しい地域においては、『特例的に、平成27年度の間は、朝・夕の時間帯に児童が順次登所し、又は退所する過程で、当該保育所において保育する児童が少数である時間帯に、保育士1人に限り、当該保育士に代え、保育士でない者であって保育施設における十分な業務経験を有する者、家庭的保育者等適切な対応が可能なものを配置する取扱いもやむを得ないものと考えており、自治体においても配慮をお願いしたいこと。延長保育の場合についても、同様であること。』」 以上の内容が提示されています。 保育士不足を解消するためには、保育士資格がなくても子育ての経験がある方等に活躍の機会を提供することが大きなポイントになると考えます。 例えば「准看護士」同様に、「准保育士」制度を設け、多様な経験を持つ、より多くの方々に保育士になって頂く門戸を開くことで、新たな雇用の機会を提供することになり、保育士が増え、子どもにとっても、より良い保育環境を提供することができるのではないでしょうか。 以上、述べたように、現行制度の枠にとらわれることなく、保育の更なる質の向上を目指し、大胆な保育制度の改革に取り組むべきではないでしょうか。 固定資産税制について考える【その1】 2015.05.20 文/HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作 ◆土地税制を考える 2020年の東京オリンピックの開催まであと約5年。 新しい国立競技場の建設について屋根がつかないままの開催か?などというニュースも入ってきていますが、これからその2020年に向けて東京では様々な都市開発事業が行われていくことになるでしょう。 ただ、その開発について阻害要因の一つとなりそうなのが、固定資産税という税金を含む土地税制ではないかと思われます。 土地などの不動産に係る税金としては固定資産税の他、不動産取得税などいくつかの税金がありますが、今回は「固定資産税」について考えてみたいと思います。 ◆固定資産税の位置づけ 土地や建物の所有に対して課税される固定資産税は、平成24年度の決算でいえば、税収は8兆5,804億円で市町村税の42.2%にあたる税金であり、地方財政の財源としては極めて重要な位置づけにある税金だといえます。 この固定資産税について、その課税根拠は様々な指摘がありますが、「最も有力な考え方は、地域的な行政サービスの対価として固定資産税を課すというものである」(岩田規久男:『都市と土地の理論』より)という指摘のように、固定資産税は地方行政のサービスに対する「応益課税」であるという意見が多くみられるところです。 ただし、(昭和6年の地租法制定について)「不動産についての保有税が本質的に収益課税であることから、これに最も適切な課税標準として賃貸価格が選択された…本税制は、シャウプ税制により課税標準を資本価格とされたが、課税の本質からすれば、地租税制度が優れていたと考えざるを得ない。」(佐藤和男:『土地と課税』p73)という指摘のように、土地の保有に関する税金は「資産収益」に課されるべきものであるという考えもあります。 また、「固定資産税は、地方自治体のサービスへの「応益課税」とされているが、同時に、貴重な都市空間の効率的な活用を促すための「市場価格」としての役割をもっている。…固定資産税は貴重な都市空間の「使用料」としての意味を持っている」(八代尚宏:『規制改革で何が変わるのか』より)というような指摘もあります。 この指摘から考えると、固定資産税には、特に「土地」という国家にとって限られた資産を使用するための使用料とも考えられますし、また、その限りある資源を有効活用して付加価値の創造を促すという意味もあるものとも考えられます。 ◆建物固定資産税は応益課税として妥当? ただ、現行の固定資産税は土地と建物に対して課税がなされるわけですが、特に建物固定資産税については「再建築価格」を課税標準としていますが、これは応益課税としてふさわしいものなのでしょうか。 というのも、「再建築価格」を課税標準とすると、質の良い建物ほど高い税金が課せられます。しかし、質の良い建物を建てるとその分行政サービスの充実が図られるとは単純には言えないと考えられるのです。 たとえば、先日川崎市内で簡易宿泊施設の火災があり、耐火建築物になっていなかったことが問題視されていますが、鉄筋コンクリートの耐火建築物になっていたならば、そしてスプリンクラーなどの設備があれば、あれほどの被害が出ずにすんだ可能性があります。 そうすると、それはある意味で、耐火構造の建築物は、もしもの時に人的被害等を軽減させると同時に、行政側の消防におけるサービスへの負荷をも軽減させると捉えることも可能になるわけです。しかしながら、反面、建物に対する固定資産税は高くなります。 これは質の良い建物に対して、その分行政サービスが増すと単純に言うことはできない例の一つだと考えられます。 ◆建物固定資産税は投資を妨げる効果がある さらに言えば、土地の保有に対して税金が課せられることは、前の指摘のように土地の有効利用を促すものになり得るものと考えられますが、建物に係る固定資産税は、より質の高い建物を建てればそれだけ税額も高くなるということになりますので、建物に投資することが不利に働いてしまいます。 したがって、建物固定資産税は投資を妨げる税制であると考えられるわけです。 そして、投資を妨げるだけではなく、例えば耐火構造の建築物への建替えなどを阻害してしまっては、火災の発生時、また大規模な震災などの発生時に被害を大きくしてしまうことにもつながります。 これは建物固定資産税のあり方は、非常に望ましくない形での租税回避行動にもつながる可能性があることを意味するわけです。 よって、この建物固定資産税の制度を見直すべきではないかと考えますが、次回は、さらに建物固定資産税の問題点を見ていきたいと思います。(その2につづく) 間違った金融規制案を迎撃せよ!――日本から生まれる新しい世界秩序 2015.05.12 文/HS政経塾2期卒塾生 川辺 賢一 ◆間違ったグローバルスタンダード 「90年代には、アメリカ押し付け型の『グローバルスタンダード』というのが流行っていましたが、これによって、他の国の経済は、そうとう破壊されたところがありました。」 「少なくとも、日本の経済が、『グローバルスタンダード』によって破壊されたことは間違いないと思います。これによって、日本の金融機関は軒並み潰れました。」 幸福実現党・大川隆法総裁が『国際政治を見る眼』(2014)のなかで、こう指摘するように、世界経済、とりわけ90年代の日本経済は、グローバルスタンダードの名を借りた金融規制、いわゆるバーゼル規制によって、大変、苦しめられてきた経緯があります。 以前にも筆者が指摘したように、それは当時、躍進中だった日本経済を狙い撃ちしたような内容であるばかりか、結果的に世界経済の低迷をも促すものでした。 参照:http://hrp-newsfile.jp/2015/1994/ http://hrp-newsfile.jp/2014/1478/ しかしながら、主要国からなるバーゼル銀行監督委員会は再び、間違った金融規制案を各国に課そうとしております。 具体的な規制内容としてバーゼル委員会は2つの選択肢を示しています。 1つは、購入時より値下がりしていく国債を保有している銀行は、新しい共通ルールにもとづいて、その国債の一部を売却するか、新たに資本を増強する必要に迫られるというもの。 もう1つは、各国の金融監督局の権限に基づいて国債値下がり時の売却や資本増強が求められるという内容で、不合理な規制に関しては、事実上、各国の裁量で無視できる余地が残ります。 もしも、最初の案が導入されれば、国債の値下がり時に、銀行によって国債が売却され、それが国債の値崩れにつながり、また国債が売却される、悪循環に陥る可能性があります。 これに対して銀行の国債保有率の低い欧州は規制強化を主張し、対して長期国債を多く保有する銀行の多い日米は各国の裁量の余地が残された柔軟な仕組みを求めています。 80年代後半に発案された国際金融規制(バーゼルI)は米英の結託によってグローバルスタンダードとなりましたが、今回の規制案は、日米で結託し、戦略的に迎撃していくべきです。 ◆日本は国際金融に関する骨太の哲学を持て さて、世界共通のルールに対して、異議を唱え、新しいルールの発案をしていくには、金融や貨幣、国債に関する根本的な議論が必要です。 国際金融論の大家として知られるJ・M・ケインズは、かつて「現金には国債やその他の資産とは違って金利がつかないのに、なぜ人々は現金を持ちたがるのか」という問題提起をしました。 ケインズは、様々な資産や財・サービスと容易に即座に交換できる現金特有の性質(流動性)に着目し、国債やその他の資産に金利がつくのは、流動性を手放すことへの対価であると考えました。 しかし、現在、世界は超低金利時代に入り、特に日本の10年物国債の金利は、今年に入って史上初の0.1%台にまで低下しました。 国債の金利が最低水準にあるということは、ケインズの世界観からすれば、日本では今、現金と国債の境界がなくなりつつあることを意味します。 実際、幸福実現党・大川総裁は『もしケインズなら日本経済をどうするか』(2012)で、「ケインズの考えでいくと、日本のような大国になれば、『国債を発行する』ということは、『単に借金をする』ということではなく、『アメリカがドル紙幣を刷っているような感覚に近い』ということです」と述べています。 こうした世界観からすれば、「国債をリスク資産とみなして、国債の保有量に応じて資本(現金)を積み立てる」という発想自体、日本やアメリカではナンセンスなのです。 それに対して、欧州では一つの金融機関の不良債権問題で一国の政府が吹っ飛んでしまうような小国が数多くあります。 そうした小国が発行する国債と、現金と同等に近い性質(流動性)を持つ国債は区別されるべきです。 ◆日本が新しい世界秩序形成をリードせよ さて、中国主導のAIIB設立が世界を賑わせ、欧州や新興国と米国との間でも異なる見解や対立があるように、国際金融のアリーナでは次の世界秩序形成をリードしようと各国がそれぞれの思惑をぶつけ合っています。 例えば欧州連合(EU)も、見方によっては、かつてナポレオンもヒトラーも成し遂げられなかった欧州統一の夢・野望を、21世紀において、通貨と財政の統合という非軍事的な手法で静かに進めていると考えることもできます。 翻って日本はこれまでのように米国や欧州が発信する新しい秩序やルールに受身で従っているばかりであってはなりません。 世界一の債権国である日本は、新しい世界秩序の形成をリードするだけでの資力を持っているのです。その資力を生かして、日本から新しい提案や構想、世界秩序のあり方を発信していく必要があります。 中小企業にとって相続税は致命傷! 2015.05.11 文/HS政経塾4期生 幸福実現党・大阪本部副代表 数森圭吾(かずもり・けいご) ◆中小企業の永続経営を阻む壁 日本には中小企業が約390万社あり、これは全企業数の99.7%を占める数です。また、雇用の約7割を担い、日本企業の売上高の約半分を占めているのも中小企業です。 つまり、中小企業こそが日本経済の屋台骨であるといっても過言ではないでしょう。よって中小企業の成長を支えることは日本経済にとって非常に重要であると考えます。 一口に「中小企業」といっても様々な企業が存在し、多くの経営課題が存在しますが、多くの企業が共通して抱える課題の一つに「企業相続」があります。 「中小企業白書(2006)」によれば、中小企業は年間約27万社が廃業しており、この原因として企業相続問題が大きく影響していると言われています。 企業が永続的に発展するためには、経営者が交代する際などにスムーズに企業相続が行われる必要がありますが、ここで大きな壁となっているのが相続税なのです。 ◆中小企業相続と相続税 中小企業の社長やオーナーが死亡した場合、 その会社の株は残された家族などに引き継がれることになります。この際、この株が相続税の対象となります。 中小企業といっても、 資産評価すると数十億円の価値がある会社もあり、その場合の株に対する相続税は非常に高額となってしまいます。 ところが中小企業の非上場株式は、簡単に売却してお金に変えることができないため、 相続税支払いに必要となる資金繰りが非常に難しいというのが現状なのです。 ◆企業相続シミュレーション 会社の株価総額が20億円だとした場合、その会社の株式を息子に相続すると、息子には約10億円の相続税がかかるといいます。 ある税理士の試算では、会社を引き次ぐ以前に、この息子が30台半ばからその会社の役員となり、年間に役員報酬を毎年2000万円受取ったとした場合、生活費・所得税を支払って貯金できるのは年間700万円程度となります。 そして20年後、息子の年齢が50台半ばになって父親からの事業承継が必要となった場合、息子の預金は1.4億円程度で、株式にかかる相続税10億円には遠く及ばないことになります。 このように企業相続するにも相続税が払えず廃業するという企業が多数発生しているのです。企業相続において相続税は非常に大きな壁となってしまっているのです。 過去には銀座の一等地にある文具店の社長が、莫大な相続税負担を悲観して自殺するという痛ましい事件も起こっているほどです。 ◆相続税に関する要件緩和 このような状況の中で、15年1月から相続税に関する、中小企業の非上場株式を承継する際の税負担を軽減する「納税猶予制度」の要件が一部緩和されました。 緩和内容としては大きく以下の内容が挙げられます。 ・事前確認の廃止 ・親族外承継の対象化 ・雇用8割維持要件の緩和 ・納税猶予打ち切りリスクの緩和 ・役員退任要件の緩和 ・債務控除方式の変更 ※詳細・中小企業庁HP http://www.chubu.meti.go.jp/c71jigyousyoukei/syoukei_tirashi0329.pdf しかし、これらの制度がどれほど機能するかは極めて不透明です。 2008年にも企業相続にかかる相続税の納税猶予制度改善策が導入されましたが、この制度の対象として認定された件数はわずか258件でした。 企業相続の際に発生する相続税は、企業の永続経営に対する影響力の大きさから考えても、要件緩和という手段ではなく、税制の根本的な見直しが必要なのではないでしょうか。 ◆世の中に必要とされる中小企業が残っていくために そもそも企業とは世にサービスを提供し、社会を豊かにするものであり、個人の枠を越えた社会的な存在だといえるでしょう。 そして中小企業の経営者が保持する自社の株というものは、企業が社会に貢献するための経営資産でもあります。 社会から必要とされ、利益を上げている会社が税金によって廃業に追い込まれるという事態には違和感を感じざるを得ません。 相続税が肯定される根拠なかに「相続などで無償所得した財産には課税し、社会に還元すべき」という考え方がありますが、企業相続に関して課税対象となる財産は、「企業の社会性」の観点から考えても、個人財産と同様の扱いをすべきものではないと思われます。 これらの理由から、日本の中小企業がより発展していくためにも、企業相続において発生する相続税には今後「減税・撤廃」が必要であると考えます。 家族福祉としての消費減税――少子化対策 2015.05.06 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆我が国の子供の数 総務省が5日の「こどもの日」にあわせて発表した「我が国のこどもの数」によると、15歳未満の子供の今年4月1日現在の人口は、昨年より16万人少ない1.617万人で、34年連続の減少で、過去最少を更新しました。 また、子供の人口の割合は12.7%であるのに対し、65歳以上人口の割合は26.4%であり、高齢者人口に比べ、子供の人口の割合が半分以下であり、少子高齢化がより進行していることがわります。 ◆「子育て支援」から「結婚支援」へ ではどうしたら、この人口減少に歯止めをかけることができるのでしょうか。今までの政府の少子化対策の中心は「子育て支援」であり、「結婚支援」ではありませんでした。 このことについて、「婚活」(就職活動ならぬ結婚活動の略称)という言葉の生みの親、家族社会学者の山田昌弘氏は、著書『婚活時代』のあとがきのなかで、以下のように述べています。 「少子化の直接の要因が「未婚化」、つまり、結婚する人の減少にあるのにもかかわらず、少子化対策として打ち出されるものは、子育て支援(保育所整備や育児休業導入や児童手当)なのです。」 政府の少子化対策の力点は、結婚支援策という本丸ではなく、「仕事と子育ての両立支援」という側面支援に置かれてきたことは否めません。 ただようやく、政府も近年、少子化対策交付金を確保し、各自治体における結婚支援を後押しするようになってきました。 例えば、広島県では職場に狙いを定めて企業内婚活サポーター制度を始めています。 これは、企業の推薦者に結婚支援とセクハラ・パワハラのボーダーラインについて注意を促す内容の研修を施し、社内婚活のサポートを行うというものです。 そのほか、大分県のある自治体では婚活サポーター制度を導入し、サポーターが成婚まで導くと一組あたり10万円の成功報酬を支給し、さらに市外居住者を結婚させ、市内に移住させたら一人につき5万円を加算するなど、各自治体もあの手この手で結婚支援に乗り出し始めています。 ◆少子化問題の本質 しかし、少子化問題の本質は、未婚・晩婚化であり、その背景には不安定雇用という経済的理由が存在します。 内閣府「少子化社会対策白書」(2014年版)によると、理想の子供数を持たない理由として、「子育てにお金がかかりすぎるから」が多くなっています。 自らの選択で結婚しないという人が増えているというわけではなく、実際は低収入や雇用が不安定なために結婚できない人が増加しているというのが現実です。 総務省の就業構造基本調査(2012年)によると、非正規労働者は5年前に比べて153万増の2043万人となり、雇用者全体に占める割合では38.2%にも上っています。 また、先の「少子化社会対策白書」によると、2013年の30〜34歳の正規労働者の57.1%は結婚できていても、非正規になるとその半分も結婚できていないという実態も明らかとなりました。 ◆若者に雇用を その意味では、経済政策としてだけではなく、若者の結婚支援策としても、雇用の安定化が極めて重要な課題といえます。 本丸は、非正規雇用の増大に歯止めをかけ、正社員化の流れをつくることですが、しかし、だからといって、政府が企業の労使問題に口をはさみ、賃上げ要求などすべきではありません。 なぜなら、政府の要請に従って賃上げするには、企業は正規雇用の数を減らして、非正規を増やして対応するしかなくなります。 つまり、デフレ脱却を焦って企業に賃上げ要求をすると、かえって非正規雇用が増えて、また不安定な若者が増大し、結婚できない人がさらに増えるという、負のスパイラルに陥ることになるからです。 ◆ボトルネックは何か 結婚支援、子育て支援の拡充策もさることながら、まず政府がやるべきは、企業が正規雇用を増やすことができない「ボトルネック」をこそ解消することです。 そのボトルネックとは何でしょうか。 それは、2017年にやってくる2度目の消費増税です。3月31日、15年度税制改正関連法が参院本会議で可決、成立しましたが、15年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半先送りし、17年4月とすることが確定してしまいました。 しかも、今回は、「景気条項」は削除されました。つまり、17年4月の段階で景気が悪化していても容赦なく、問答無用で増税されるのです。 今から約2年後に待ち受ける増税という確定事項に、企業は「備え」ざるを得ません。 増税によってさらにお客さんが減る、売上が減ることが予測されるわけですから、設備投資や求人を易々と増やすことなどできません。その結果、このままいけば、未婚化はさらに進むでしょう。 逆に、消費減税の効果は、実質可処分所得の増加、消費の拡大、企業の売上増加、給与アップというサイクルを生み出し、好景気に向かっていきます。 そして、非正規社員が正規社員へと移行する道も開け、結果として結婚に踏み出せる若者も増えるはずです。 ◆家族福祉としての減税政策 幸福実現党は、その対策の一つとして、デフレ加速策にして、少子化進行政策である、まさしく「百害あって一利なし」の消費増税法の廃止と、まずは5%への減税を強く訴えていきます。 「国民が喜んで税金を納めたくなる国」をめざして 2015.04.22 文/幸福実現党・富山県本部副代表 吉田かをる ◆国民の思っていること どんな国だったら住みやすいですか?と質問すると、年代によってさまざまな答えが返ってきますが、現在の不満と未来への不安を多く聞きます。 高齢者の方は「安心して暮らせる老後、特に福祉と年金の充実」。 働き盛りの中年層の方は「子供の教育費もかかるし、老後のために貯蓄もしたいし、とにかくお給料が増えるといい。親の面倒を見るにはどうするか・・・」。 20代30代の青年層は「この仕事でほんとに自分はやっていけるのか。結婚したいけど資金がない。結婚してきちんと暮らしていけるか不安。将来の人生設計が立てにくい」。 子育て真っ最中のお母さんたちは「子育てしたいし、自分の小遣いも欲しい。子育てした後、また働きに出ることができるか不安。子供の学校ではいじめや不登校のことをよく耳にする。自分の子供がいじめられないかとても不安」。 これらの不安・不満を全部解決し、「この国に生まれ、この時代に生まれてよかったと、人々が心の底から喜べるような」国にするためにはどうしたらよいのでしょうか。 ◆幸福実現党の目指す「小さな政府」と「安い税金」 国家の運営は「税金」でなされています。 現在、約70種以上の国税と地方税を納税者は負担し、すでに十分な税金を払っています。税金を「取られている」感が強いのですが、国民の不安と不満は解消することなく、企業は「節税」対策に勤(いそ)しんでいます。 そして、「取られた」税金が有効に無駄なく正しく使われているのかは、複雑で分かりにくい仕組みになっています。 しかしながら、実感として未来がとても不安に思えるのですから、「取られた税金」は国民の幸福感増進になっているとは言いがたいでしょう。 そもそも、国の役割は「国民の安全と生命、財産を守る」ことです。 それに合わせて「小さな政府」にして、行政機関については抜本的に見直しスリム化を図り、国家の機能を安全保障や国防、外交、治安維持機能などの最小限にします。 国民には「チャンスの平等」と「個人の自由」を保証することにより、経済活動が活性化すれば、税収も結果的に上がるので、「安い税金」で政府は国としての仕事をやることができます。 ◆「予算の単年度制度」をやめましょう 日本国憲法第86条には「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」と書かれています。これは、「税 金が入ったら入っただけ、その年に使いましょう」という意味です。国家に「貯蓄をする」「万一の時に備えてとっておく」という発想がないのです。 普通の家庭や企業でも、不意の支出に備えて蓄えをし、内部留保をつくるのは当たり前でしょう。国家もこのような当たり前の考え方を取りいれると、財政赤字は将来に解消されます。 ◆税金は「消費税」「所得税」「法人税」の3種類にしましょう 消費税は、8%から5%にして将来はゼロにしましょう。そして、段階的に「所得税」「法人税」はフラット10%にします。 消費税を下げることにより日本のGDPの6割を占める「消費」が、増えます。 ものが売れると企業が売り上げを伸ばし、給料も上がりまた買い物をするというように先行きの展望が開け「景気回復の善の循環」がはじまります。 景気が良くなると、現在7割の会社が赤字と言われていますが、これらが黒字に転じ、所得税法人税の税収が増えます。また、雇用を生み、失業対策になり、日本企業の国際競争力を強くします。 また、消費税は所得の低い層にも均一にかかるので、これを安くしゼロにすると、自由に使えるお金が増えるのですから「最大の福祉政策」といえます。 相続税贈与税を廃止しますので、世界から大富豪が日本に集まります。 ◆許認可行政を廃止しましょう 特に国家百年の計の教育を自由化し、未来をクリエイトする人材を育てます。 新規事業の立ち上げのスピードが早くなり、柔軟な対応ができるので、企業の国際競争力を高めます。 ◆「人生の設計図」の引き方をきちんと教えましょう 正社員の生涯賃金は2億8千万、フリーターのそれは6千万と言われています。自分の人生を「自助努力の精神」を下地に、きちんと設計できるように教育します。 平均ぐらいの人を平均以上の仕事ができるようにし、平均以下の人を、平均ぐらいの仕事ができるところまで持ち上げると、全体のレベルが上がります。 これが「自助努力の精神」で、国民の富の総量を上げる大切な考えかたです。 ◆主権国家として、きちんとした国防計画を立案実施します 好景気になっても、国そのものが滅ぶことがあってはどうしようもありません。日本に対して邪悪なことを企てている国は見過ごすことはできません。 ◆幸せな人が増える 以上のような政策を実行すると、私たちの生活はどう変わるのでしょうか。 自由に選べる選択肢が増え、また、自由な発想によって創造される選択肢もどんどん増えます。個人の所得が増え自由の裁量も増えるので、経済的にも老後までの人生設計を引くことができます。 自立した快適な老後のための4原則「お金」「健康」「生きがい」「近隣との友好な関係」を満たし、行政がセーフティネットを確実に用意すれば、年金のみに頼らない老後となるでしょう。 若い子育て家庭でも、お手伝いさんを雇う経済力ができますので、どのような生活をするかの選択肢が増えます。 教育が自由化され、子供一人一人に適した教育環境が選べますので、個人の持っている能力を最大限に引き出す教育を受けることができます。 ◆将来、目指すは無税国家! 小さな政府と安い税金で国を経営していくと、無税国家も夢ではありません。 その時の国の経営資金は、豊かで幸せに生活できることを感謝する国民の、崇高な「ノーブレスオブリージ」による「寄附」で賄われることになります。 これが「国民が喜んで税金を納めたくなる国」のあるべき国家の姿と言えます。 どうなる中国経済!?――日本は中国危機に備えた対策を 2015.04.21 文/HS政経塾2期卒塾生 川辺賢一 ◆世界経済のリスク、中国 中国は15日、今年1-3月期の成長率が7.0%であることを明らかにし、2009年1-3月期以来の低い伸び率であったことがわかりました。 中国の成長鈍化はいまや欧州での経済危機と並び、世界の経済成長を阻害する最大のリスク要因となりつつあります。 果たして、一部のエコノミストや評論家たちによって久しく喧伝されてきた「中国バブル崩壊」論は現実になるのでしょうか。本稿では中国経済の動きを分析し、日本に求められる対策について論じます。 ◆外貨資産を売却し始めた中国 さて15日は中国経済に関してもう一つ注目すべきニュースがありました。 昨今、中国が米国債保有額を大きく減少させたことにより、米国債保有額で日本が中国を抜いて、約6年半ぶりに首位に立ったのです。 これまで中国は輸出拡大を図って為替相場を元安に誘導するため、外為市場で「元売り・ドル買い」介入を続けて来ました。また、そこで得たドル資産を米国債で運用していました。 そのため、中国のドル準備や米国債の保有額は急激に膨張し、2008年8月以来、中国は世界最大の米国債保有国となっていたのです。 ところが昨今の景気後退と米国の利上げ観測により、海外から中国に流入していたマネーが反転し、低リスクかつ高利回りが期待される米国に、流出し始めたのです。 その結果、今年3月、中国は元相場の急落を防ぐため、米国債で運用していたドル準備の一部を売却し、外為市場で元を買い支える「元買い介入」を実施したのです。 つまり、中国は輸出拡大を目的とした「元売り・ドル買い」介入から、元急落を防ぐための「元買い・ドル売り」介入へと為替政策を切り替えたのです。 実際、李首相は15日、「一段の元安望まず」と発言しているように、元安による中国の成長モデルは今、限界に直面しているのかもしれません。 ◆矛盾に直面する中国の経済政策運営 15日の発表が明らかにしたように、不動産市況の不振や相次ぐシャドウバンキングの倒産により、企業の生産や投資が伸び悩み、中国は内需も外需もいまいちです。 そのため、中国担当のエコノミストやアナリストには、中国人民銀行に「さらなる利下げ」を求める声もあり、実際、人民銀の周小川総裁も先月、デフレリスクに警戒する必要があるとし、「一段の緩和余地」があることを示唆しています。(人民銀は19日、預金準備率引下げを決断) しかし、片方で元相場の急落を防ぐべく元買い介入を行いながら、もう片方で内需刺激のために利下げを行うのは、政策運営として混乱していると言えるでしょう。 なぜなら、人民銀による利下げは、国際金融の観点からは、元安要因となるからです。中国の利下げと米国の利上げによって、中国からのマネー流出はさらに加速するでしょう。 さて、これまで「中国バブル崩壊論」は一部のエコノミストや評論家によって喧伝されて来ましたが、共産主義国家ということもあって、実際の中国経済の実情を知るのは困難でした。 ところが、このように矛盾に直面する中国の政策運営から、中国経済の苦境を伺うことができます。 ◆日本の対策――「中国バブル崩壊」対策と「AIIB吸収」構想 さて、私たちは中国クライシスを警戒し、政府は対策を打ち出すべきです。 まず第1に政府は「中国バブル崩壊」対策を打ち出すべきです。 具体的には90年代00年代の過度な円高で中国に進出せざるを得なかった日本企業の中国撤退あるいは親日アジア地域への移転を、国際協力銀行やそのための基金を設立し、金融的に支援することです。 かつて1920・30年代も日本は通貨政策の誤りによりデフレに陥り、経済的に大陸へ活路を見出さざるを得なくなりました。そして、それが日中戦争の遠因となったのです。 これを教訓とするならば、政府は日中友好のためにも、日本企業の中国流出を金融的に支援すべきです。 第2に「アジアインフラ投資銀行(AIIB)吸収」構想です。 先に述べたように、中国経済は現在、下降軌道にあります。そうした中国主導のAIIBに日本が参加を見送ったのは、経済的に正しい判断であったと言えるでしょう。 ただし、幸福実現党が日本の世界戦略として、リニア新幹線や民生化スペースシャトルにより、全世界を一つに結ぶ構想を掲げるように、日本としても、中国政府が提唱する「新シルクロード」構想自体には共感を寄せるべきでしょう。 しかし、下降軌道にある中国主導で進められるのは心もとない限りであり、また本来、こうした構想は一国の主導ではなく、環境や人権にも配慮する複数の国によって、民主的・平和的に進められるべきです。 よって、日本としては時期を見極め、米国の資本を巻き込みつつ、アジア開銀によってAIIBを吸収合弁・子会社化していく道を構想すべきです。 私たち幸福実現党は日本と地球、全ての平和と発展繁栄に全力で尽くします。 実体経済を伴った株価上昇を目指せ! 2015.04.20 文/幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生 油井哲史(ゆい てつし) 「景気のバロメーター」といわれる日経平均株価が高値で推移しています。4月10日には、「ITバブル」に沸いていた2000年4月以来、約15年ぶりに2万円に届きました。 うれしいニュースではありますが、これは今の日本の経済状況を正しく反映しているのでしょうか? ◆株価上昇の要因とは? この株価の上昇にはいくつか要因があります。 第一に外国人投資家の存在があります。外国人の株式保有比率は2013年度に初めて3割超になっており、アベノミクスによる株価上昇を受けて、海外投資家が積極的に日本株を買い増しています。 第二に円安や景気の回復傾向によって、大手企業を中心に業績が回復していることです。自動車などの主力輸出企業は円安傾向を受けて、追い風を受けています。 第三に積極的に量的緩和政策を取ったことです。金融市場に大量に資金供給を行ったことで、日銀が供給する潤沢な資金の一部が株式市場に流れ込み、株価を押し上げることになりました。 第四に公的資金によって多額の株式を購入したことです。公的年金資産を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)や郵便貯金や簡易保険の多額の資金が株式投資に向かっています。 主にこれらの要因によって株価が上昇したと言われています。 ◆「人工的」な株価上昇 しかし、国民や中小企業、地方からは依然として、景気回復の実感がしないという声が聞こえてきます。 この株価上昇は実体経済の成長を反映しているよりは、政府主導による「人工的」なものが作用しているといえます。このような状況に「お上が株式市場をコントロールしているようで官制相場の様相だ」という声も出ているようです。 金融相場で金余りによって株価上昇の期待が先行気味であることを示しており、このリスクを抱えながら、株式市場が推移することになります。その期待に実際の企業業績が追い付けない場合は、株価を下押しする可能性が高いです。 この状態を是正するためにも、日本経済を再生させ、一般国民にそれが広く波及するよう経済全体の底上げを図る、実体を伴うものにしなければなりません。 ◆日本はそれほど豊かな国とは言えない! 日本国内で年間に新しく生み出された生産物やサービスの金額の総和を国民の人数で割った一人あたりのGDPはOECD加盟国の34カ国中、日本は19位です。 失われた20年によって日本経済は長期低迷しており、ほとんどGDPの成長が止まっていました。その間、中国に抜かれて、世界第3位の経済国となりました。 もともと日本の一人あたりのGDPは世界のトップレベルでしたが、日本の低成長とその他の国の安定成長によって、日本は相対的にそれほど豊かな国でなくなったといえます。 しかし、日本は未来を切り拓き、再び高度経済成長を実現するポテンシャルを多分に秘めています。 ◆日本が秘めている未来を拓く力 「JFEがミャンマーで水道施設の建設事業に参入」「カンボジアの高速道・鉄道を日本の支援で整備」「川崎重工、米国で地下鉄車両を受注」など日本企業による社会基盤(インフラ)技術の海外展開についてのトピックがあります。 日本のインフラ技術は世界一の技術ポテンシャルを持っており、世界から高い評価を得ています。 また、航空機産業においては、航空各社が経営の効率化を急ぎ、燃費向上につながる航空機の軽量化や耐久性などを実現するために、先端技術を持つ日本企業の活躍が期待されています。 ボーイング社最新鋭機「787型機」では日本企業の製造分担比率は35%となっています。このように日本の資産である世界に誇る技術力を生かし、経済成長を図ることができます。 さらに幸福実現党では交通インフラ整備を進め、ヒトとモノの移動をさらに活発化させる「交通革命」を提言していますが、北陸新幹線の開業で早速、効果が表れているようです。 乗客が2.7倍に増え、観光地の入場者も増えるなど観光を後押ししており、沿線は新幹線効果でにぎわっています。 また、宇宙分野では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が日本発の月面着陸機を2018年に打ち上げる方針を固めました。このように経済成長を実現させる施策が、身の回りには多数溢れていることがわかります。 官制相場が息切れする前に、実体経済を改善していくことが必要不可欠です。そのために政府が打ち出す成長戦略を効果的なものとしなければなりません。 政府の縛りを緩め、規制緩和を促進し、民間にもっと自由を与えること、そして国民の自助努力、企業家精神の発揮を促すこと、未来産業への大胆な投資をすることによって日本の力を最大限に発揮させることができ、実体経済を伴った株価上昇を果たすことができると考えます。 すべてを表示する « Previous 1 … 6 7 8 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