Home/ 財政・税制 財政・税制 歴史的円高――ドジョウ首相が「増税・デフレ・円高」をもたらす 2011.10.23 21日、ニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時、1ドル=75円78銭まで上昇、8月19日のニューヨーク市場でつけた戦後最高値(75円95銭)を約2カ月ぶりに更新しました。今後、欧州債務危機などを背景に、歴史的円高が長期化することが予想されます。 「円高」とは、外国為替相場で、外国通貨に対して円の価値が高くなっている状態です。東日本大震災のように、大きな災害が起こった国の通貨は、経済不安から売られることが多く、通貨価値は下がるのが一般的です。 今回の円高は、欧州債務危機や米国の景気低迷を背景に、世界の投資家は「円」が比較的信用がおける通貨であると見ていることを意味しています。 円高のメリットとしては、輸入品が安くなるということもありますが、急激な円高が進めば、輸出産業を中心とした企業が打撃を受けることは避けられません。 円が最高値をつけた後、日銀による為替介入の警戒感などから、ドルを買い戻す動きで一時的に円が下がりましたが、現状を見る限り、政府や日銀が適切な円高対策を打っているとは言えません。 安住財務相は22日、戦後最高値を更新した円高について、「復興の足をすくいかねない。断固たる措置をとる時はとりたい」と、弱腰ながら市場介入も辞さない構えですが、財務の素人、安住財務大臣にどこまできるか疑問視されています。 野田首相も財務大臣時代に大規模な為替介入を実施しましたが、一時的な対症療法効果はあっても、日本単独での介入は結局、円高トレンドを変えることはできませんでした。 円高対策として対症療法だけで、「デフレ克服」という根本治療を怠って来た野田首相には全く期待することができません。 結局、金融危機後に米国では大胆な金融緩和が行われた一方で、日本ではデフレが放置され、結果的に円の価値が上がったことが現在の円高トレンドを作っています。 したがって、喫緊の円高対策としては、日銀による「量的金融緩和」によって市場に資金を供給し、深刻なデフレを克服し、急激な円高を食い止めることが先決です。 幸福実現党が提言しているように、復興財源として「復興債」を発行し、日銀が直接、20兆円規模の引き受けを行い、「国民負担の無い復興財源の確保」「デフレ克服」「急激な円高阻止」という「一石三鳥」を実現すべきです。 野田政権が11月上旬の成立を目指している「復興増税」は、より一層、内需を萎縮させ、デフレを深刻化させ、更なる円高をもたらします。 「泥沼」が大好きなドジョウ首相は「復興増税」は不況と円高をもたらし、日本全体を「泥沼化」するつもりなのでしょうか。 また、欧米経済の没落、日本経済の底堅さに鑑みるに、円高の長期化は避けられず、中長期的には「円高」を生かす形での成長を実現すべく、構造転換を進めていくべきです。 すなわち、円高で有利になった輸入を増やして「消費型経済」を盛り上げ、「内需主導型経済成長」を実現することが肝要です。 具体的には、金融緩和や規制緩和を図り、企業の経済活動をスムーズに行えるようにすること、また、新産業のインフラ整備、交通革命等の積極的な公共投資を進め、国内経済の発展を実現すべきです。 これによって日本国内の経済が活発化すれば、企業が潤い、雇用も生まれ、国民の所得も増え、結果的に税収も増えます。 「相場を注意深く見守る」だけで何の対策も打って来なかった民主党政権によって、日本経済が浮上することは全く期待できません。 それどころか、野田首相は「デフレ不況・震災・円高」の三重苦で国民が苦しんでいる時に、復興増税を足がかりに消費税増税を目論むなど、国民を苦しめ、企業を弱体化させる政策を実行しようとしています。 幸福実現党は、あらゆる増税に断固反対すると共に、大胆な経済政策によって、デフレ克服、そして所得倍増、新高度経済成長を実現してまいります。(文責・佐々木勝浩) インフレで財政再建は無理なのか? 2011.10.19 10月17日の新聞で「インフレで財政再建は無理=過大な税収増を否定」という記事が出ました。内閣府から発表された報告書を受けてのものです。 内閣府の経済社会構造に関する有識者会議(座長・岩田一政元日銀副総裁)がまとめた報告書では、名目成長率が1%高まると税収が何%増えるかを示す税収弾性値を詳細に分析しています。 注目に値するのが、一般には、2000年代以降の税収弾性値が4を計測されていますが、当該期間中に多くの税制改正が行われたことが大きく影響しているので、税制改正の影響を取り除く必要があるとしている点でしょう。 同報告書では、同期間の税収弾性値は3.13まで小さくなることが指摘するだけではなく、現在の税収弾性値は1.3を下回る可能性があるとしています。 推計結果がどうであれ、税収弾性値が低いという結果をどう考えるべきでしょうか。 実は、背景事情を知ると、同報告書の背後に見え隠れする財務省と日銀の思惑が滲み出てきます。 論点は、大きくわけて三点です。 一点目は、名目成長率とインフレによる自然税収を過小評価しています。その一方、税収弾性値が低いので、増税してもGDPに与える影響は小さいということをほのめかしています。 その証拠に、同時に発表された資料の中には、過去の税率引き上げが必ずしも景気後退の主犯だとしていない点やドイツやイギリスの付加価値税増税が、景気に及ぼす効果は限定的だとしています。 第二点目は、物価の上昇が財政収支を悪化させるとしている点です。同報告書では、少子高齢化社会を迎える我が国では、財政支出増は不可避だとします。そのためには、社会保障の効率化をはじめとした歳出削減が大事であることを主張しているのは正論です。 ただ、問題だと思われるのが、名目成長率が高まれば物価だけではなく金利も上昇して、国債の利払い費が膨らんで財政収支が悪化するという視点です。これは、典型的な財務省の見解です。 確かに、金利上昇による利払い費の上昇はありえるでしょう。しかしながら、金利の上昇がいったん国債などの債券に盛り込まれれば、固定金利が多い国債ではそれ以上の利払い費の増加は起こりません。 2年ないし3年のスパンを経ますが、確実に所得税や法人税の自然増収があとを追いかけてきます。利払増を過大評価する必要はありません。 そして、同報告書で特徴的なのは、名目成長率よりも実質成長率を重視していることです。実質成長率とは、名目成長率から物価上昇率を引いた値です(厳密には予想物価上昇率)。例えば、現在が1%前後の成長率ですから、物価上昇率は0%から1%以下であればよいということになります。 ただ、日本経済は、90年以降のトレンドはデフレです。技術的な話として、消費者物価上昇率は2%ほどの上昇バイアスがあるという指摘が経済学者から出されており、日銀の金融政策は「デフレ目標政策」であるとの批判があるくらいです。 例えば、物価上昇率が0%を達成されたとしても、実際はマイナス2%ということです。裏返せば、実質成長率を重視する限り、デフレの脱却は極めて難しいでしょう。 これは、インフレを警戒する日銀の姿勢と見事に一致しています(同報告書の別資料には、インフレを招く日銀の国債直接引受も断固否定している)。 そして、三点目は新しい増税を主張していることです。有識者会議には増税論者として有名な井堀利宏教授がいます。同教授は、消費税を15%まで徐々に引き上げていくことを主張しています。同教授の著書を紐解けば、報告書と同じ結論が出てきます。低い税収弾性値税の見積もりから、増税による景気悪化効果と成長による自然増収効果を過小評価している点には疑問符がつきます。 このニュースファイルで何度も指摘している通り、デフレ不況下の増税は許されるものではありません(増税のタイミングには慎重論を入れているが、増税路線には変わりない)。 適度なインフレと成長を肯定し、日本を繁栄させる! 要するに、同報告書は、財務省と日銀の御用学者が書いた「日本経済衰退宣言」なのです。デフレ不況と震災で苦しむ日本経済において、増税と金融引き締めを正当化し、成長とインフレを否定してどうやって日本経済を繁栄させるのでしょうか。私には、彼らの指摘からは、明るい未来は見えてきません。 幸福実現党は、『日本経済再建宣言』に明記した通り、成長と適度なインフレを肯定しています。特に、国際標準では、3%から4%程度のインフレは、経済に対する悪影響を及ぼさず、経済成長に寄与します。 これは、ノーベル経済学者が主張していますので、それほどおそれることではないはずです。むしろ、成長とインフレを肯定し、日本の繁栄を復活させることの方がよほど健全ではないでしょうか。(文責:中野雄太) 欧米経済危機――減税による内需型成長モデルへの転換を急げ 2011.10.14 国際通貨基金(IMF)は13日、アジア太平洋地域の経済見通しを発表しました。欧州の政府債務問題や米国経済の原則の影響を受け、アジア経済は「明らかに下振れリスクが高い」としています。 また、ニッセイ基礎研究所は14日、来年度から10年間の日本のGDPの平均成長率を実質1.3%とする見通しを発表。 欧州の債務危機や米国の内需の低下による世界経済の減速を見込むと、消費税率を1%引き上げた初年度の実質GDPは0.24%低下するとしています。 消費税増税の前年に想定される駆け込み需要を考慮しても、今後10年間の平均成長率は1.3%に低迷するとしています。 同研究所の櫨浩一・研究理事チーフエコノミストは「深刻な景気後退リスクが増大しており、各国で協調するしかない。日本は内需主導の経済成長を目指す転換が必要だ」と述べています。 実際、ヨーロッパの債務危機はアジア経済に深刻な影響を与えつつあり、13日、中国の9月貿易統計発表された後、中国の税関当局幹部は「輸出に対する多くの不安定要素がある。主な要因は欧州などからきている」と語っています。 アメリカも雇用回復の鈍化と住宅市場の低迷が続き、かつてのように世界経済を牽引する力を失っています。 こうした状況を鑑みると、円高が続くことはトレンドとして避けられず、日本経済は「加工貿易」「外需依存」という、これまで成功して来た成長モデルから脱却し、新しい「内需拡大成長モデル」を確立することが求められます。 実際、09年の日本の輸出依存度は11.4%と、主要国では米国に次いで低く、今後は本格的な「内需拡大」に力点を移していくべきです。 世界経済危機の中で成長していくためには、円高で有利になった資源輸入を最大限に活かし、内需拡大に向けた「消費型経済」を盛り上げていくことが不可欠です。 そのためには、復興増税や、社会保障と税の一体改革に関連した消費税引き上げは断じて行うべきではありません。 ニッセイ基礎研究所の見通しからも明らかなように、増税によって、国民の可処分所得が減少すれば、GDPの約6割を占める個人消費を冷え込ませ、景気回復の足を引っ張ります。 週刊ポスト10/21号は「『増税で税収減』が世界の常識」として、「97年に税率を3%から5%からに引き上げた際には、それまで4年連続で成長を続けていたGDPが翌年からすぐさまマイナスに転じ、その後の経済縮小トレンドを招いた」として、幸福実現党が主張しているように「増税が税収減」を招くと警告しています。 消費税のみならず、所得税や法人税の増税も深刻な影響を及ぼします。日本の所得税・住民税を合わせた最高税率は50%で、高福祉・高負担といわれるデンマーク、スウェーデンなどに次ぎ、世界で4番目に高い水準にあります。 また、10日、米経済誌『フォーブス』がまとめた「世界の法人税の税率ランキング」によると、法人税率40%の日本は世界で法人税が最も高い国であることが指摘されています。 世界ではこの数年、法人税の引き下げ競争が進んでいますが、日本だけは潮流に乗り遅れて断トツに高いままで、法人税を半分程度に減税しなければ、企業は海外に逃げ出し、外資も日本への投資を避けていきます。内需拡大に必要な企業家精神も冷え切ります。 内需型成長モデルに転換していくためには、絶対に増税してはなりません。むしろ、減税により、法人や個人の可処分所得を増やしていくことが何よりも先決です。 増税を回避し、内需型経済への転換に成功すれば、世界経済が低迷しようとも、超円高が続こうとも、自立して成長路線を歩むことができます。 減税や規制緩和、民営化等で多くの企業家が自由で活躍しやすい経済空間を造り出し、日本経済を高度経済成長路線に乗せることこそ、喫緊に必要な最重要の経済政策であります。(文責・黒川白雲) 小手先の復興増税が、日本を滅ぼす 2011.09.30 政府・民主党が提出した「復興増税案」が迷走しています。 例えば、「政府・民主党は27日に増税以外の財源を2兆円上積みして7兆円とし、増税額を9.2兆円に圧縮する方針で合意したが、28日に政府内から増税圧縮に慎重な発言が出たため混乱。 野田佳彦首相と民主党の輿石東幹事長らが同日急きょ会談し、最終的な増税額は9.2兆円とする方針を確認したが、増税以外の財源を2兆円上積みできる保証はない」(毎日新聞9/29)と報道されています。 要するに、税外収入2兆円の上積みは、あくまでも「目標」であり、実現する保証はないということです。 「税外収入」とは、端的に言えば、増税への批判をかわす為の“煙幕”であり、政府の復興増税を行うために、政府も努力しているところを見せる口実だということです。事業仕分けと同じくパフォーマンスだと言わざるを得ません。 更に問題なのは、その中身です。急きょ盛り込まれた「税外収入2兆円」の中身は、政府保有株式(日本たばこ産業(JT)1.7兆円とエネルギー関連企業7000億円)の売却です。 「エネルギー関連企業」とは、国際石油開発帝石や石油資源開発などで、海外の石油・天然ガスの鉱区を取得し、開発・生産を行い、日本のエネルギー政策の一翼を担っています。 世界的に資源獲得競争が激しくなる中、エネルギー関連会社の株式の売却は、“国家の生命線”となるエネルギー安全保障に大きな損失を与えかねません。 しかも、原子力発電による発電が削減され、石油やガス等の資源確保の必要性が強くなる日本において、エネルギー関連企業の果たす役割は大きくなっています。 特に、来夏までに行われるエネルギー基本計画の見直しに向けて、エネルギー政策の戦略が未確定の中、こうした判断は拙速に過ぎます。 思いつきのパフォーマンスで、国家のエネルギー安全保障の舵取りを簡単に売り渡して良いのでしょうか? 日本のエネルギー自給率は17.6%(原子力を除くと4%)。アメリカ71%、中国93%、ロシア183%、ブラジル92%、オーストラリア233%などと比較すると、非常に低く、原油の輸入依存度も99.86%と世界第4位で、エネルギー安全保障上、非常に脆弱な状況にあります。(IEA2009年統計) 加えて、国連は世界の人口が来月末に70億人を突破することが発表しました。「国連人口基金」東京事務所の池上清子所長は「70億人の世界には世界中の協力がなければ対応できない」と述べ、今後、途上国では食糧や資源の確保がこれまで以上に深刻化する見通しを語っています。(NHK9/28) 食糧と資源エネルギーの枯渇は世界的な課題として迫っており、各国とも国策として官民一体となって食糧や資源獲得に必死に乗り出しています。 このような厳しい世界情勢を前にして、日本は小手先の財源確保のために国益を売り渡して良いのでしょうか。 幸福実現党は、復興財源としては「復興債」を発行し、日銀の直接引き受けにより、迅速かつ大規模な復興支援を行うべきことを提言しています。事実上、必要な財源分のお札を刷るということです。 国債の日銀引き受けのデメリットとして、インフレ懸念を指摘する向きもありますが、深刻なデフレが続く現状においては、絶好のデフレ脱却策ともなります。 復興増税により景気悪化が進めば、税収が減少し、更なる財源不足に陥り、復興事業が困難になることは火を見るより明らかです。 野田首相は、小手先の財源確保ではなく、厳しい国内経済情勢と国際状況を見据えた上で「日本再建」に向けた政策判断をなすべきです。(文責・小川俊介) 復興増税は子供にツケをまわす愚策 2011.09.24 政府による復興増税の内容が明らかとなりましたので、今回は今までに紹介してこなかった批判を試みています。 明らかとなった復興増税 東日本大震災の復興に向けて、政府税制改正調査会は16日、臨時増税3案をまとめました。 (1)国税では法人税を3年間、所得税を5年から10年間引き上げる。地方税に関しては、個人住民税を5年から10年引き上げる (2)たばこや酒税などを増税 (3)消費税を1年半増税 なお、2011年税制改正案に盛り込まれた所得税の控除見直しも復興財源に充てることも合わせて発表されています。 これを受けて、民主党税制調査会(藤井裕久会長)でも同様の議論が行われており、増税規模は総額11兆2000億円程度を見込んでいる発表が出されました。 22日には、相続税も課税対象となることが検討され、さらなる課税範囲が拡大する可能性も指摘されています。 野田佳彦首相は、就任早々「ミスター増税」と揶揄されましたが、実は民主党で最も強固に増税路線をけん引し、理論的支柱になっているのが藤井裕久氏です。藤井裕久会長は旧大蔵省出身であり、政権交代後は財務大臣も経験しています。 民主党税調では、政府の増税案を具体的に詰める会合でもあるため、藤井氏の手腕によっては、増税はさらに拡大することも想像されます。 増税=税収増とは限らない 幸福実現党は、かねてから復興増税は間違いであることを指摘してきました。今月は、日経新聞と 産経の二紙に「復興支援とは、『増税』ではなく、『景気をよくすること』」という内容で全面意見広告を打ちました。 その中では、「増税=税収増ではない」ことを明記していますが、実際に1989年以降の税収は落ち込む一方です。 消費税は、毎年平均して10兆円規模の収入が見込める安定財源ですが、その分所得税と法人税が減りました。トータルの一般会計税収で見ても、最大時で60兆円もあった税収は、現在は40兆円程度です。 それだけ、納税できる個人と法人が減ったことを意味します。 特に、法人税を納税できない欠損法人は7割にも達しました。景気が悪くなると、儲かる企業が少なくなることを見事に証明しているデータです。 政府税調と民主党税調には、経済成長を通じて所得税や法人税の自然増収をはかる政策は皆無であり、デフレと円高対策も後手に回っています。 前述の藤井会長は、幸福実現党が主張している国債の日銀引受を断固拒否しており、白川方明総裁と歩調を合わせています。 与党は、増税の負担を緩和させるために、事業仕訳を通じた歳出削減をする姿勢やいわゆる「埋蔵金」にあたる税外収入によって増税規模を圧縮させる方針を出してはいますが、いかせんマクロ経済政策が出ていません(マクロ経済政策に関しては、『日本経済再建宣言』と全面意見広告を参照)。 このままでは子供にツケをまわすことに ポイントは、デフレ不況下では増税は絶対にしてはいけないことです。ただでさえ、増税は経済に対してマイナスの効果をもたらせます。消費を冷え込ませ、企業活動の投資行動を停滞させます。 その結果、来年度以降の税収と成長率は低下することでしょう。 野田首相は「子供にツケをまわさない」ためにも増税が必要だと説いていますが、実際はデフレと不況が深刻化する方が、よほど将来世代にツケを残すことになります。 なぜなら、政府にマクロ経済政策がないため、デフレ不況が慢性化するからです。 さらに、税収が減っている反面、社会保障支出が毎年平均1兆円規模で増えています。国民年金に関しても、税金による国庫負担が50%となりました。 民主党は、北欧型の福祉国家を目指しているのは明らかで、このままでは国民負担率(国民所得に占める税金と社会保障負担の割合)は高くなる一方です。 ⇒http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/019.htm 民主党政権の本質は「大きな政府」です。国民の負担は増え続けるわけですから、子供へのツケは確実に大きくなっていきます。 ただ、少子高齢化社会と言っても、きちんとした政策を打てば経済成長することは可能です。成長を否定し、税金の分配ばかりを考えているならば、税金はいくらあっても足りません。 震災がなくとも、構造的に税金をたくさん使用する社会を想定している以上、野田首相は子供にツケを残す政策を行っています。 加えて、震災や原発事故によって疲弊している日本経済に対して増税をしたらどなるかは自明の理であると言えましょう。 必要以上の税金は合法的強盗 そうではなく、本当に子供にツケをまわさないためには、減税と成長を可能にすることです。 減税とは、単に税率を下げることではなく、いらない税金を廃止することも含みます。 現在、日本では、国と地方あわせて50種類程度の税金がありますこれだけの税金が本当に必要なのでしょうか。いったい、どれだけの成果を上げているのでしょうか。 納税は、国民の義務ではありますが、これだけの税金に対して国民はどれだけ承認しているでしょうか。 実は、増税は大部分が選挙のないときに国会で制定されています。増税を公約に選挙で勝つのは難しいため、大部分の政治家は選挙がないときに増税を口にします。 当然、裏で糸を引いているのは財務省であることは間違いありません。 ただ、現在は国民自体が「増税やむなし」という風潮を受け入れているので、大変危険な状態です。 このままだと、政府の復興増税に承認を与えるメッセージを送ることになり、以後「負担を分かち合う」「子供にツケをまわさない」という名目で次々と増税が可能となってしまいます。 千葉商科大学大学院の吉田寛教授は、増税は「私有財産の合法的収奪」だと説明をしています。 また、吉田教授は、アメリカの第30代大統領のカルビン・クーリッジが残した「必要以上に税を集めるのは合法的強盗である」だという名言をよく引用されています。 翻ってみれば、現在の政府が実施している復興増税は、震災を理由とした火事場泥棒的増税であり、クーリッジ大統領が指摘した「合法的強盗」を実践していると言えるでしょう。 やはり、復興支援だけではなく、将来のことまで見据えても、子供にツケをまわさないためには成長と減税を実現する豊かな社会を目指すことが大事です。(文責・中野雄太) 【尖閣諸島防衛】日本政府は行動で「領有の意思」を示せ! 2011.09.23 尖閣諸島漁船衝突事件から間もなく1年を迎えようとしていた8月24日の早朝、尖閣諸島の周辺海域で中国の漁業監視船2隻が日本の領海に侵入したことは記憶に新しい。危機管理対応が鈍くなる政権移行期の政治空白を突かれた形です。 そして野田政権発足後も、中国は野田政権は「どうせ何も出来ないだろう」と見くびり、試すが如く、尖閣諸島に対するアプローチをエスカレートさせています。 昨日22日、中国の程永華駐日大使が都内で講演し、尖閣諸島は「もとより中国の領土で、中国の関係機関がいろいろと活動している」と演説。漁業監視船の活動は「正当だ」と力説しました。 その上で、程大使は「なるべく早い時期に野田総理大臣の訪中が実現することを望む」と述べています。 中国大使の発言は、野田首相がオバマ大統領と初会談し、「日米同盟が日本外交の基軸だ」と語った直後のタイミングであり、中国としては野田首相に踏み絵を迫る意図もあるのでしょう。 現在、野田首相の年内訪中に向けて具体的日程を調整中とのことですが、野田首相がこのまま中国大使の発言に何ら抗議もせず、訪中するのであれば、野田首相の訪中は「朝貢外交」そのものであります。 同じく22日の日中外相会談においても、中国の楊外相が沖縄県・尖閣諸島について「中国領土である」と主張しました。これに対して、玄葉外相が「歴史的にも国際法上も、わが国固有の領土であることは明確」と応酬したことは評価されます。 尖閣諸島は終戦直後に締結されたサンフランシスコ平和条約第3条に基づき、アメリカの施政下に置かれていましたが、71年の沖縄返還協定に基づき、施政権が日本に返還されています。 尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも、国際法上も何ら疑いようのない事実であり、中国が尖閣諸島の領有を主張する正当性は歴史的にも、国際法的にも全くありません。 しかし、1968年に日本、中華民国、大韓民国の海洋専門家が国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の協力の下に東シナ海一帯の海底を学術調査した結果、東シナ海の大陸棚に大量の石油資源が埋蔵されている可能性が指摘されると、中国は急に尖閣諸島の領有権を主張し始め、領有に向けて着々と行動を始めています。 日本が尖閣諸島の領有を主張するのであれば、中国と同じように具体的行動で「領有の意思」を示し、中国が抗議して来たら堂々と外交交渉するべきです。 中国大使が「中国の領土だ」と表現したことは、中国の尖閣諸島に対する「領土的野心」を剥き出しにしたことを意味します。当然、日本としては尖閣防衛を強化すべきです。 日本は尖閣諸島海域に海上保安庁の巡視船を進出させると共に、南西諸島の防衛強化に向けて、海上自衛隊の護衛艦を配備し、海保の巡視船と密接に連携させることも重要です。 尖閣諸島の領海パトロール・防衛強化は、中国の海洋覇権の動きを牽制する上でも大きな効果をもたらすでしょう。(文責・黒川白雲) 温暖化対策税は焼け石に水 2011.09.13 民主党政府は、本年度導入を予定している「温暖化対策税」を復興財源に充てることを検討し始めました。 いつものことながら、時限付で復興財源に回すという方向性で議論が進められています。政府としては、税収を約6000億円程度見込んでおり、所得税や法人税増税を圧縮する狙いがあります。 まず、本来の趣旨は企業の二酸化炭素排出を抑制し、地球温暖化の財源とするものでした。 ところが、菅前首相の判断により、わが国は脱原発に急遽舵を切ることになりました。現在、原子力に代替されるエネルギーは火力発電以外にはありません。 石炭や石油を使う以上、二酸化炭素排出が必至の火力発電では、地球温暖化対策は難しいと言えましょう。鳩山政権時代に約束した1990年比で25%削減という目標は、一層困難となったとみるべきです。 夏場の電力不足はなんとか回避されつつあるとはいえ、まだまだ予断を許さない状況であることは変わりません。なぜなら、原発のストレステストや定期点検を続けることで、来年の春先には全ての原発がストップする可能性があるからです。 そうなれば、これまで発電量の3割を賄っていた電力が失われ、一層火力発電によるシェアが高くなります。必然的に、二酸化炭素排出量が増えてしまい、地球温暖化対策は無効となります。 企業側の必死の節電と生産調整がなされている中、温暖化対策税を導入することは、生産活動をやめろといっているようなものです。 今検討すべきは、温暖化目標を棚上げしてでも、企業の生産活動を促進する政策です。 さすがに、この時期の増税には与党内においても反対が強く、国会でも継続審議となっています。税制改革法案を急ぎ、付け刃的な増税を行うよりも、復興のための財政金融政策が優先されるべきです。 日銀による国債引受という手段を通じて、容易に財源が確保できることに懸念を持つ方多数いますが、デフレギャップを解消する20兆ないし30兆円程度であればインフレを怖れる必要はありません。 国債直接引受を行う肝心の日銀は、デフレと円高対策としての金融緩和の姿勢は示していますが、相変わらず様子見を続けており、抜本的なデフレ脱却の目処がたっていません。 温暖化対策税のように新しい税を導入しても、税収が確定するのは来年度です。これは他の税金に関しても同じです。 今は一日も早く財源が必要な時期です。そのために、幸福実現党は東日本復興債の発行と日銀の直接引受を行い、東北地方へのインフラ整備と防災大国化に向けての投資を提言していますが、それは本気になれば一週間で財源が確保できるからです。 ※[参考]【ついき秀学のMirai Vision】増税ではなく国債の日銀引き受け必要⇒http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110603/mca1106030501001-n1.htm さらに、「復興から日本再建」を合言葉にして、「新・所得倍増計画」を打ち出し、国防産業や新エネルギー産業などの未来産業育成にも力を入れています。名目経済成長を高め、所得税や法人税の自然増を実現するほうが、よほど国家財政と家計にも優しい政策です。 野田政権は「いかにして足りない財源を補充するか」という発想しかありません。 しかしながら、本来の政治家としての使命は「いかにして国民を豊かにするか」が大事です。デフレ不況時に増税しか対策がないような政権では、わが国の財政は一層厳しくなる可能性があります。 もういい加減に、増税で税収増を図るという政策を捨てるべきです。増税は、必ずしも税収増になっていないことは、1990年以降の歴史を見れば一目瞭然です。 温暖化対策税は焼け石に水であり、日本経済にとって百害あって一利なしといえる愚作です。増税路線を強める野田首相に「Noだ!」と訴えていかなくてはなりません。 (文責:中野雄太) 増税路線に対する中小企業の思惑 2011.09.06 野田佳彦首相が積極的に進めている増税路線は、中小企業にも懸念が広がっています。 東北地方の甚大な被害を復興させる必要性は誰もが実感しています。 問題は、復興の方法論です。 今回のような「千年に一度」とも呼ばれる大震災と福島原子力発電事故が重なったケースは、かなり特別なケースです。 道路や橋などの損壊、津波による家屋や工場の損失、塩害による農作物や農地への被害など、被害額は拡大する一途にあります。 当然、復興には費用がかかるわけですが、野田首相をはじめとする政府や大部分の主要マスコミは復興財源として増税を主張。 債券市場では、財政再建を掲げる野田首相を高く評価していますが、外国為替市場では警戒が拡がっており、株価も低迷したままです。要するに、デフレと震災不況時に増税をかければ、財政再建はおろか、税収の悪化にもつながりかねないと見る専門家もいるわけです。よって、被害の分散化するためにも、増税ではなくて国債の発行によって財源を賄うのが財政学の基本です。 1000年国債というのは大げさであるにもしても、復興に10年の歳月を要するならば、10年国債を発行すると考えるべきでしょう。幸福実現党は、東日本復興債を提言していますが、裏にはこうした経済学的論理があるのです。 さて、話は中小企業に戻します。 ここで問題となっているのは、中小零細企業のことを主に指します。 消費税増税、復興財源としての所得税や法人税の増税が決まるとなると一体どうなるのでしょうか。 まずは、消費税。私たちは、毎日の買い物で消費税を払っています。ただ、消費税は間接税と呼ばれ、実際に納税するのは事業主です。 法人税なら、赤字企業の場合は欠損法人として免除されますが、消費税の場合には基本的に免税措置がありません。そのため、商店街などで細々と経営されているケースでは、個人の金融資産を取り崩して消費税を納税するケースもあるほどです。 特に、小売店ではデフレ経済下では安易に値上げができないという事情があります。仮に消費税が5%から10%に増税された場合、そのまま5%ポイント分を値上げできるわけではありません。物価が下がっているので、消費者の商品に対する選別も厳しくなっています。つまり、10円、100円単位で勝負している中小零細企業にとって、消費税増税はそのまま事業主の負担となってしまうのです。 増税分を自己負担していながら、金融資産や内部留保を取り崩しているならば、一層経営が厳しくなることは必至です。このままでは、全国にシャッター街をつくるようなものです。そうなれば、倒産する企業が多発することも避けられません。 さらに、所得税にも課税されるとなれば、一体国民はどのようにして生活をしていけばよいのでしょうか。 増税の前に国会議員が身を切る覚悟もなければ、公務員改革も成果が上がっていません。国は、財政再建の努力をせずに国民に負担を押し付けています。本当に増税が必要ならば、堂々と選挙の公約に掲げて、逃げずに主張を貫くべきです。 政府は、財政再建の前に現場の状況をしっかりと把握することが先決です。そして、今やるべきは増税ではなく、復興を促進する財政出動だということに気がつくべきです。財政赤字が気になるでしょうが、景気が回復すれば税収も自然増となります。 野田首相が人情派を自称するならば、商店街に行って中小零細企業の意見に耳を傾けるべきです。さすれば、増税がいかに庶民を苦しめる悪政かが理解できます。ぜひ、実践して頂きたい。 (文責:中野雄太) 民主党=財務省=マスコミの「増税密約」に騙されるな! 2011.09.06 民主党は5日、党の政策調査会に税制調査会を新たに設置し、増税の必要性を強く主張する藤井裕久元財務相を会長に起用。今年度第3次補正予算案の財源となる「復興増税」や、社会保障と税の一体改革に伴う「消費増税」などを論議することとしました。 いよいよ、増税推進派の野田首相が先頭に立って、党を挙げた本格的大増税に舵を切りました。 そうした動きを強力に後押ししているのが、朝日新聞をはじめとした大手新聞です。産経新聞を除いて、各紙共にほぼ増税賛成か容認で、野田政権の増税路線を後押しするかのような論調を張っています。 例えば、朝日新聞は9月1日の社説で「復興増税は来年度から実施するのが合理的だろう」と述べ、日経新聞は9月3日の1面社説で「新政権が取り組むべき経済政策の課題は、はっきりしている。……社会保障と税の一体改革を核に財政再建に道筋をつけ……」と述べています。 大手新聞は、増税論者の学者を登場させては「増税がなくては日本の財政は立ち行かなくなる」という論陣を張り、世論調査でも、国民を「増税やむなし」という方向へ世論誘導しています。 例えば、9月3日の朝日新聞では「野田首相は震災復興増税や社会保障にあてる消費税引き上げに積極的だと説明した上で、その姿勢を聞くと、『評価する』57%が『評価しない』32%を上回った」との調査結果を掲載しています。 こうした「姿勢を評価する」といった曖昧な表現を駆使し、焦点をぼかすことで、世論調査はいくらでも誘導が可能です。 まるで民主党政権とマスコミ界が手を組んで、「大増税路線」を積極的に敷こうとしているかのようです。 しかし、その一方で 大手新聞社など130社以上が加盟する「日本新聞協会」は、消費税について「軽減税率の適用」を国(経済産業省)に求めています。 毎日のように「増税、増税」と紙面で煽るその一方、「日本新聞協会」に加盟する法人は消費税率を低くしてほしいという要望を行なっているのです。これは「信義則」に反する行為です。 そして、その要望を政府は内諾し、その代わりとして民主党や財務省が進める増税路線に協力するよう「裏取引」がなされているとも言われています。 もしそれが事実なら、「軽減税率」と「増税キャンペーン」を取り引きするという、日本を沈ませる「悪魔の密約」そのものです。 このように、野田政権が強力に推進し始めた「大増税路線」は、民主党、財務省、マスコミが裏で結託し、国民を洗脳、扇動していることは明らかです。 国民は決して、そのカラクリに騙されてはなりません。 (文責・矢内筆勝) 大増税で“野田不況”到来か? 2011.08.29 ようやく、日本解体を進めてきた菅直人氏が退陣しました。6月2日に開かれた民主党の代議士会で、菅直人氏は「(退陣したら)私にはお遍路を続ける約束も残っている」と語っていましたが、菅氏は弘法大師・空海より四国巡礼を禁じられていることを念押しでお伝えしておきたいと思います。 (幸福実現党発行『もし空海が民主党政権を見たら何というか』参照) さて、菅直人氏退陣を受け、本日29日、親小沢派vs反小沢派といった怨念と派閥の駆け引きだけで、民意は全く無視して、両院議員総会で民主党の新代表、次期首相が決定されました。 民主党の新代表に就任した野田佳彦氏は、復興増税や消費増税を強く主張して来ており、首相就任後は増税路線を歩むことが予測されます。 野田氏は民主党代表選の間は、増税慎重派が目立つ党内で支持拡大につなげたい思惑から「いろんな意見を踏まえて対応する」と増税をトーンダウンしたかのように装っていました。 しかし、代表選が終わった直後の記者会見では、野田氏は、東日本大震災からの復興費用の財源については、増税で賄う従来の方針を堅持するとの考えを発表しました。 さらに、野田氏は2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げるとした「税と社会保障の一体改革」を推進する姿勢を堅持しており、自民党を巻き込んだ大連立、大増税路線に向かい、“野田不況”が到来する危険性が出てきました。 野田氏は、松下幸之助氏から直接薫陶を受けた松下政経塾第1期生で、松下政経塾出身としては初の総理大臣となりますが、もはや「無税国家論」を掲げた松下幸之助氏の信条を捨て去っており、「増税路線を突っ走る財務省公認候補だ」と批判されています。 米国をはじめとする世界景気減速の懸念が和らいだこともあって、本日29日の東京株式市場は一時、上げ幅は120円を超えましたが、民主党の新代表に復興増税に最も積極姿勢を示している野田氏が選出されたことで、景気への影響を懸念する売りが出て、53円高で終わりました。 これは投資家が増税を主張している野田氏に対して一定の警戒感を表したものと言えるでしょう。 外交・安全保障政策については、憲法改正や日米同盟重視を持論とする野田氏は保守的立場と言えますが、今後、自らの信念を民主党政権内でどこまで貫けるかは不明です。 例えば、野田氏は「A級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」と公言していても、野田氏は昨年に続いて、今年も靖国参拝をしておらず、どこまで保守的信条を貫き通せるか疑問を感じます。 中国や韓国は野田氏を「右派」と認識しており、既に警戒感が高まりつつあり、経済運営と同様、外交・安全保障においても野田氏の信念と実力がすぐさま試されることとなるでしょう。 (文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 30 31 32 33 Next »