Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 オバマ大統領の再選と日本の道筋~日本から陽を昇らせるのは今! 2012.11.08 2012年11月6日、世界が注目したアメリカ大統領選挙は、民主党オバマ陣営が共和党ロムニー候補を破りました。 両者が拮抗していた9つの州(バトルグランドステイツ)のうち7州をオバマ陣営が勝利し、大統領選挙人票303票を獲得して勝利しました(ロムニー氏は235票)⇒2012 Total Overall Votes 私は現在、ワシントンD.C.におりまして、オバマ大統領再選が確定した後、ホワイトハウスに行ったところ、多くのオバマ支持の若者が、集まって喜びを分かち合っていました。 オバマ大統領は若者に人気です。オバマ氏を強く支持する層として、黒人・ヒスパニック・女性・30歳以下の若者・労働組合・同性愛者・ユダヤ教が挙げられます。(11/ 7 ニューヨークタイムズP4) めまぐるしく変わった選挙情勢 10月に入るまではオバマ陣営が一貫してリードをしていましたが、10月3日の1回目の大統領候補ディベートで、ロムニー氏が大差でオバマ氏を破ったことを皮切りにロムニー陣営が盛り返し、一時は主要な世論調査の平均出しているRCP Average世論調査でもロムニーが僅差ながらリードした時期もありました。 しかし、10月29日アメリカ東海岸に上陸した大型ハリケーン・サンディが過ぎ去ってから、「Pew世論調査によれば、ハリケーン・サンディはオバマ氏への追い風にもなったようだ。69%の有権者がオバマ大統領の嵐への対応を評価している」(11/5 ワシントンポスA1)ともあるように、再びオバマ陣営が勢いを取り戻しました。 そして、オバマ陣営がロムニー陣営を僅かにリードしながら選挙当日を迎え、オバマ大統領は再選されました。 ◇これからアメリカは何をするのか――フィスカル・クリフ オバマ大統領の再選後のトピックはフィスカル・クリフ(財政の崖、Fiscal Cliff)をどうするかが話題となっています。 フィスカル・クリフというのは、文字通り、「財政赤字という厳しい崖をいかに乗り越えていくか」という比喩で使われる言葉です。 11月7日のワシントンポストでは「With Voting Over,‘fiscal cliff’ countdown begins(選挙は終わり、フィスカル・クリフのカウントダウンが始まる)」という見出しで、これからオバマ大統領、アメリカ議会が直面する財政問題について述べています。 ポイントを4つ紹介します。 1.再選したオバマ大統領は、アメリカを不況へ陥らせかねない、(何もしなければ)来年1月に自動的に発動する、約5000億ドル(40兆円)の増税と歳出カットに対していかに対処するかという問題に直面している。 2.フィスカル・クリフを回避する妥協点を見出せば、移民法・環境政策・教育投資・製造業の復興に力を注げる。 3.妥協点を見出すために、アメリカ議会に残された期間は、2012年末までの49日間。 4.オバマ大統領は、今後10年間で1.5兆ドル(120兆円)の新しい財源を求めている。そのために、年間25万ドル(2000万円)の高所得者への増税と税金控除の制限を課すことを提案している(富裕層への増税)。(11/7 ワシントンポストA27より) 現在のアメリカの財政赤字は、16.2兆ドル(約1,296兆円)です。財政赤字の上限16.4兆ドルを引き上げれば、自動的に発動する増税と歳出カットを回避できるので、この案も議論があるようですが、昨年末、この提案をしたことで、共和党の支持率が下がったこともあり、共和党は慎重姿勢のようです。 アメリカの今後 大統領選挙の主要争点は、議会運営にも大きな影響があります。今回の大統領選挙は、景気回復が一番の有権者の関心事でしたので、連邦議会も「経済の回復」を念頭に置いた動きになると考えられます。 これらを考えると、「中間層の味方」をアピールしたオバマ大統領ですから、全体的な大幅増税はしないと思われますが、富裕層への増税は行うと思われます。 それと同時に、2009年の就任時のように、大きな財政出動をすることが考えられます。 この財政出動も既存の産業をいかに守るか、雇用を創れるかという発想に留まっており、大川隆法・幸福実現党名誉総裁がアメリカに期待されている「フロンティアの創造」へのチャレンジには至っていないように思います。 そして、増税と財政出動は、幸福実現党がかねてから主張しているように、ブレーキとアクセルを同時に踏む政策ですので、アメリカ経済が劇的によくなるということはないと思われます。 ◇なぜ、アメリカ国防予算が削減の対象になるのか。 アメリカの予算には義務的支出(mandatory)と裁量的支出(discretionary)があります。社会保障費は義務的支出になります。 日本と同様に社会保障は増大傾向にあり、義務的支出をまかなうために、裁量的支出に削減圧力がかかっています。 アメリカの国防費は、裁量的支出に入っているために、今後10年間で、1兆ドル規模の削減をするといわれているわけです。 しかし、アメリカ財政赤字が大変だからといって、日本も同じようにしてはいけません。アメリカと日本では状況がまったく異なっています。 アメリカの財政赤字の海外政府・投資家の保有率が31%、日本の場合は7.4%です(大和総研「海外主体の日本国債保有増の背景と含意」) 日本には、実は、財政規模を拡大できる余力があるのです。したがって、金のなる木、新産業の育成をし、経済を拡大させる決断が必要なのです。 日本の道筋 日本は、日米同盟を深めながらも、いい意味でアメリカ頼みを脱却する必要があります。アメリカの動向だけで、耐え忍びの4年になるのでは、世界の大国・日本としてはあまりに主体性がありません。 日本自身がはっきりと方向性を示し、アメリカを追い抜いて世界一になる時間が短縮したと捉えるべきだと思います。 東京都知事選挙に立候補表明した、幸福実現党・青年局長トクマ氏が「国防や教育、暮らしなど東京から日本を変えたい。まだ陽は上ります。東京から上らせましょう」(リバティWeb:⇒http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5111)と訴えているように、今回のアメリカ大統領選挙の結果は、日本から世界に、国民の幸福はこうやって広げるんだと示す正念場のホイッスルといえるのではないでしょうか。(文責・吉井としみつHS政経塾・第1期生幸福実現党東京都第9選挙区支部長) オバマ大統領再選と今後の日米関係の行方 2012.11.07 米国大統領選挙は一進一退の攻防の末、バラク・オバマ大統領が再選しました。 開票前の予測では、ロムニー氏有利の記事も散見されていました。マサチューセッツ州知事時代に州の財政を黒字化した実績と経済成長を中心とする「アメリカン・ドリームの復活」を掲げていたことから、「保守復活の期待」が米国内にあったからです。 幸福実現党の広報本部長であり、全米共和党顧問のあえば直道氏によれば、米国内では、オバマ大統領の実績に疑問符がついていたことを指摘しています。前回の大統領選挙では、18歳から22歳の若年層の66%がオバマ大統領に流れましたが、若者の失業率が増大したことにより、支持率が低下したのは間違いありません。→11月2日夕刊フジhttp://bit.ly/VBGeud ただ、勝利したとはいえ、オバマ大統領は前回の「Change」「Yes we can」が世界中ではやった時期の当選とは違い、今回はインパクトが薄いのは否めません。明るいニュースとしては、就任時に10%あった失業率が8%台まで下がったくらいです。倍増した財政赤字や依然として高止まりしている失業率の回復など、経済問題一つとっても課題が山積みです。 日米関係の修復にどれだけ迫れるか 一方、日本政府が、オバマ大統領再選によって優先的に考えるべき論点は日米同盟の信頼回復です。 2008年のオバマ大統領の誕生、一年後には日本で政権交代が起こり、両国で民主党政権が誕生しました。ただし、両国間の信頼関係は著しく損なわれたことに目を向ける必要があります。 事の発端は、鳩山首相(当時)が沖縄の普天間飛行場を「最低でも県外移設」と口約束したことから始まります。自民党政権時代に締結した外交成果でしたが、沖縄県民の関心を引くために発言したことが後々足枷となりました。ご本人がいくらTrust meと言っても、これだけ事態の悪化を作った人物を信用することは至難の業です。 その結果、2010年の沖縄県知事選は、現職と左派の候補双方が「県外移設」を主張するという事態になり、日米同盟堅持と普天間飛行場を辺野古に移転することを主張したのは幸福実党の金城タツロー候補のみでした。 結果は、現職の仲井真知事が当選。以後、同知事は移設問題に加えてオスプレイ配備問題が加わりました。現時点でも、沖縄ではオスプレイ反対をはじめとした反米活動が展開されているさなか、米兵によるレイプ事件が火に油を注ぎました。 いずれにしても、日米間の喫緊の課題は、沖縄の基地移設問題の解決と日米間の信頼回復です。 国防上最も懸念されている尖閣諸島防衛に関して、ヒラリー・クリントン国務長官などの政府高官が日米安保の適用に言及しているのは事実ですが、本当に米軍が動くかは別問題です。また、今以上に反米感情を高めることは百害あって一利なしです。 オバマ大統領だと心配される論点 一連の大統領選挙報道で触れられていない点で、懸念されるトピックスがあります。 米国内では、在米韓国人や中国人による反日運動がさかんです。この問題にしては、オバマ大統領は全く関心を寄せていません。 ニュージャージー州の慰安婦碑問題は当ニュースファイルでも取り扱いましたが、未だに収まる気配がありません。日本政府から慰安婦碑撤去の申し入れと日本人有志による撤去に反対する署名を集めたことに対抗して、在米韓国人はニューヨークで韓国人が多く住む通りを「慰安婦通り」とする決議を提出。議会で可決されれば、米国内で一層反日感情が高まる恐れがあります。こちら→http://bit.ly/SszAkv 在米中国人は、南京大虐殺に関する捏造本を書いたアイリス・チャン女史の内容を信じている米国人も多く、いつなんどき日本政府を糾弾する決議が米国議会から提出されるか分かりません。→参照:慰安婦碑問題で在米韓国人が反論。政府は強固に撤去をすすめよ さらに、安全保障の話に戻るとすれば、前述のあえば顧問の指摘通り、オバマ大統領はシリアやアフガニスタン問題も解決していませんし、東アジアで軍事的威嚇行動を繰り返す北朝鮮や中国に対して厳しい態度が取れません。また、中国の次期国家主席の習近平氏は、わざわざ就任時期を米大統領選後にずらしました。おそらく、東アジア情勢に弱いオバマ再選を一番喜んでいるのは、習氏かもしれません。 米国の日本に対する関心低下。それでも日米同盟強化は不可避 1990年以降の経済的停滞と沖縄の基地移設やオスプレイ反対などの論調が高まりに合わせ、中国の経済力・軍事力の強化が注目されています。実際、米国内の議員や識者には米中関係に触れる言論が強く出ているのも事実です。この流れは、今に始まったことではありません。 例えば、90年代のクリントン政権時代にジャパン・パッシング(日本を素通りする)がありましたが、今ではジャパン・ナッシング(日本の存在意義はない)という風潮が出始めています。共和党のロムニー候補でさえ、「日本は1世紀にわたる衰退の国」と言及しているように、米国内での日本の重要性は低下しているのは否めません。 希望の原理として、あえば直道氏が全米共和党顧問に就任していること。そして、同氏は「日本の重要性を米国に印象付ける」ことをミッションにしていることです。民主党政権が招いた日米間の不信感を払拭することは、日本に対する関心が薄いオバマ大統領再選でも変わりありません。 幸福実現党としても、引き続き日米同盟重視の外交方針は貫いていきます。(文責:中野雄太) 今こそ、日本の核武装論議を! 2012.10.29 先日、10月27日(土)、早稲田大学において、「米国の新アジア戦略~アーミーテージ&ナイ白熱討論会」が開催されました。学生を中心に約800名が集まり、私も一般聴講者として参加しました。 今年8月、「第3次アーミーテージ・ナイレポート」(詳細は「人間グーグル」黒川政調会長の過去のニュース参照⇒「第3次アーミテージ報告」――今こそ、日米同盟を基軸として、世界の平和と繁栄を築く時!)を発表されたお二人ですが、今回は、オバマ大統領と、ヒラリー国務長官の特命を受けて、他の元高官らと共に日中両国を訪問しました。 まず、アーミーテージ氏らは22日に日本の首相官邸で野田総理と、外務省で玄葉外務大臣らと会談し、「大統領選の結果に関わらず、米国は超党派で日米同盟の重要さを認識している」旨を伝えました。 23日に訪中した一行ですが、そこで両氏は、李克強副首相を始めとする中国指導部に対し、尖閣問題における米国のスタンスについて、「主権に関する問題はタッチしないが、尖閣は日米安保5条の適用範囲であり、尖閣が攻撃された場合、米国は日本を守る」と伝えたことを明かしました。 ただし、アーミーテージ氏は、日本が尖閣を守るという姿勢を示すことが大前提であると釘を刺しました。 当たり前のことですが、主権を有する日本が尖閣防衛の姿勢を明確にしない限り、アメリカが防衛義務を果たすことはありません。 一方の中国側は米国に対して、日米安保の責任をあいまいにするよう求めてきたといいます。中国は日米分断をはっきりと意図しているのです。 翻って米国の国内情勢をみれば、「財政の崖」に直面しており、今年の末にはブッシュ減税の打ち切りによる「実質的な増税」と、来年の年初からは軍事費を中心に「強制的(自動的)な歳出削減」が始まるとされています。 米国内において軍事費削減圧力は待ったなしの課題であり、「世界の警察」としてのアメリカのプレゼンスは減退していかざるを得ない状況です。 接戦を繰り広げている大統領選ですが、もし、民主党のオバマ大統領が再選されることになれば、次なる4年間はさらに左傾化し、米国のジャパナイゼーション(日本化)が進むでしょう。 こうした米国内における情勢をみるにつけても、やはり日本は独自の防衛体制の構築を急がねばなりません。 また討論会では、学生から「米国の核の傘は本当に機能するのか」との質問や、「日本がNPT体制を離脱して独自に核武装に踏み切ったら日米関係はどうなるか」との質問も飛び出しました。 それらに対する両氏の答えは、「核の傘は機能する」、ゆえに「日本は核武装すべきではない」というものでした。 彼らの主張は「日本が核武装したら、近隣国家に脅威を与え、核が拡散して不安定要素が増すことになるからやめたほうがいい。そして、NPT体制も日本が離脱したら崩壊するだろう。日本が独自で核武装したからといって、必ずしも日米関係が悪化するとは言えないが、関係は変わるだろう」と。 いずれにせよ、両氏の回答を聞くと、「日米同盟のもとに米国の核の傘が機能している限り日本は安心。それよりも、日本も早く法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めよ」というのが基本的なスタンスでした。 確かに、現段階において、米国が公式な見解として日本の核武装を容認するということは難しいかもしれませんが、日本政府としては「最悪の事態を想定して備えを固める」必要がありますし、国益のために、主張すべきことはしていかねばなりません。 憲法九条同様、日本の手足を縛っている「非核三原則」は、ただの政府解釈ですから、これを撤廃するというだけでも抑止力になります。 まずは、核抑止力を含む国防の議論を活発化させることから始めるべきです。(文責・HS政経塾2期生(兼)幸福実現党千葉13区選挙区支部長古川裕三) 習近平氏への政権交代と中国経済の急速な減速――中国、終わりの始まり 2012.10.21 18日、中国政府は今年、第3・四半期の国内総生産(GDP)を発表。伸び率は前年同期比7.4%となり、7四半期連続で減速となりました。(10/19 サーチナ「中国の第3四半期の国内総生産は7.4%、7四半期連続で減速」) 中国経済は過去20年間の実質GDPの平均成長率が10.5%と「2桁成長」を維持して来ただけに、相当な落ち込みです。 銀行大手のクレディ・スイスは2012年の中国の成長率7.7%、2013年7.9%と厳しい予測を立てており、中国国内でも年間成長率が8%を割る(「破八」)ことに対して警戒感が強まっています。 中国の経済成長の減速は、欧州危機の影響や日本との貿易縮小によって輸出の減速が続いており、それが国内生産にも波及していることによります。 中国当局は国内の不安を解消するため、輸出の減速は一時的なものであると発表。公共投資によって景気の下支えをしているのが現状です。 これまで、中国政府は8%成長を堅持する「保八」政策を取り、雇用への影響から8%以上の成長維持を至上命題として来ました。 産経新聞編集委員の田村秀男氏は「保八」は「全国に配置される党幹部が8%を目安にフトコロを肥やすシステムである」と評しています。(9/21 夕刊フジ「中国の時代終わった!パナ&イオン標的」) 4年前の「リーマン・ショック」で成長率が急激に落ち込んだ際、胡政権は国有商業銀行と地方政府に大号令をかけて不動産開発など固定資産に集中投融資させ、「保八」を達成しています。(同上) そのために中国政府は2年間で4兆元(約50兆円)規模の財政支出のみならず、FRBによる量的緩和政策(QE)に乗じて紙幣を刷りまくり、金融緩和策として銀行に16兆元(約150兆円)も注入しています。 実に中国のGDPの35%に相当する額の大規模な財政金融政策が行われました。その結果、中国経済は持ち直したものの、ダブついた資金が不動産投資に流入し、不動産バブルを招きました。 中国問題に詳しい宮崎正弘氏によると、中国4大銀行(中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行)は中国国内の融資の82パーセントを占め、そのほとんどを国有企業へ融資しています。 しかしその半分は赤字で、ほとんどが不動産に投資しており、売れ残りだけで60兆円分あるとされています。(10/11 夕刊フジ「中国経済 反日で崩壊に拍車!不良債権240兆円も」) 現在、中国では、不動産投資の飽和や地価下落によって不良債権が増え、不動産バブルの崩壊が始まっています。 「安い労働力による輸出拡大」と「大規模な公共投資」という二大エンジンによる中国の経済成長モデルは完全に限界に達しています。 今後、共産党幹部の利権を支える「八保」政策、つまり8パーセントの経済成長を維持することは極めて難しい状況にあります。 これまで、中国共産党政府は高度経済成長を維持することで、自らの正統性(legitimacy)として国民の求心力を保っていましたが、高度経済成長が維持できなくなれば、「反日運動」や「領土侵略」で求心力を保とうとしてくるはずです。 11月8日から北京で開かれる中国共産党大会では、習近平氏が最高権力者である党総書記に選ばれることが確実視されていますが、習近平氏は毛沢東型の「先軍政治」を志向しており、ますます反日運動、尖閣侵攻圧力を高めてくることでしょう。 習近平氏は「反日デモ・略奪を強行し、日本との貿易関係が切れても中国に影響はない」と思っているぐらい経済に疎く、中国経済の失速は更に加速し、対外強硬路線で求心力を保とうとするはずです。 実際、日本の尖閣諸島国有化に端を発した「反日暴動」は習近平氏自ら主導したことが、大川隆法党名誉総裁の霊査によって判明しています。(参考:『中国と習近平に未来はあるか』幸福実現党発行) 日本政府は尖閣諸島・沖縄を中心とした国防をより一層強化すると共に、様々なネットワークや諜報活動によって、中国国民に経済失速や共産党幹部の汚職・利権問題、深刻な環境問題等の情報を積極的にリークしていくべきです。 中国人民にこうした情報が拡散されれば、不満を抱いた人民の暴動の矛先は、中国共産党政府に向かい、中国の民主化・自由化を促すことができます。 また、国際社会と協力して、チベット・東トルキスタン、南モンゴル等の弾圧されている少数民族の分離・独立運動を強力に支援すべきです。 それが中国民主化の道筋を見出すきっかけとなるでしょう。今が平和裡に中国の覇権主義を挫くチャンスでもあります。(文責・佐々木勝浩) 果たして「維新」は「愛国」を語る資格ありや?――歴史から学ぶ現代の軽佻浮薄 2012.10.16 中国・上海中心部の日本料理店で11日夜、日系企業の現地法人に勤務する日本人と中国人の社員数人が食事をしていたところ、中国人4~5人に言いがかりをつけられ、暴行を受けて負傷していたことが15日、明らかになりました。(10/15 読売「上海の料理店で邦人数人、殴るける暴行受け軽傷」) 日本人数人が軽傷を負ったほか、中国人社員1人は刃物で手を切られました。中国では日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、反日感情が強まっており、上海では9月中旬にも日本人が中国人に暴行を受ける事例が報告されています。 法治国家・日本であれば、傷害罪・暴行罪の刑法に問われる事件であります。特に日本人というだけの理由で、一方的に暴行を加えるという事は言語道断です。 万一、「愛国無罪」という暗黙の了解の下で、彼らの暴力が許容され行政処分程度で済まされるとしたら、中国は、法治国家を目指しているという建前が完全に崩壊し、まさしく本音は、恣意的な「人治国家」であることを天下に晒すことになります。(現実は既に中国の文明国としての信頼は反日暴動で失墜した。) 大川隆法党名誉総裁は新刊『国を守る宗教の力―この国に正論と正義を』(幸福実現党発行)のまえがきで、「日本人が上海ラーメンを頭にかぶせられているその時に、東京の銀座では、中国人が中国語をしゃべりながらショッピングを楽しんでいる。日本と中国との文明落差は、まだ七十年はある。彼らに、宗教心と道徳心を教えてやらねばなるまい」と指摘されています。 まさしく、一国が「文明国」として尊敬されるのは国家の柱に宗教心、道徳心、倫理観があることによるのではないでしょうか。 吉田松陰、橋本左内等維新の志士たちは全員「愛国有罪」でありました。 しかし、維新の志士達と、反日デモでお世話になった日系企業の財産を略奪して、私腹を肥やしている卑劣な民族とは雲泥の差があります。 彼らは、有罪を覚悟で、それでも「やむにやまれぬ大和魂」で国禁を犯したのであります(当時、「国禁を犯す」とは「死罪」を意味しました)。 先日も、沖縄県警がTOKMAら日本人による尖閣上陸事案で書類送検を行いました。しかし、日本人の上陸を禁じ、罰すること自体、日本政府が尖閣の管理を中国政府から委託されているかのような間違った措置です。 尖閣を巡って日中の対立が先鋭化するなか、「亡国無罪、愛国有罪」とする日本の姿勢では、「愛国無罪」とする中国にまともに対抗することは不可能です。 日本政府は日系企業への破壊デモへの損害賠償を請求するとともに、日本を「盗っ人」扱いした中国外務省現大臣の罷免要求、国連からの中国常任理事国追放等を強く要求すべきです。 私たち日本人は今一度、先人たちの命を賭した「愛国」の歴史を知る必要があると思います。 現在、私達は「維新ブーム」の中にいます。「維新の会」には、早くも9人の国会議員が集まっていますが、彼ら9人の思想・信条はバラバラで、唯一の共通点は「維新ブームに便乗すること」しか無い「烏合の衆」です。 風に乗ることしか考えていない政治家に、果たして「維新」を語る資格があるのでしょうか? かつて人気TV番組『行列のできる法律相談所』の弁護士軍団として橋下日本維新の会代表と同僚だった自民丸山和也参院議員は、雑誌のインタビューで橋下維新ブームを批判しています。 「彼ら(幕末維新の志士たち)のほとんどは30歳前後で斬首されたり、命を落としている。幕末には、多くの若者が理想を達成するために命を捧げたが、『維新バブル』になびく現代の政治家にはその覚悟があるのか。」 私たちは一時の「維新の会」ブームに乗って、三年前の民主党への政権交代ブームと同じ失敗を繰り返してはなりません! 幸福実現党はマスコミが報道しない問題をしっかり国民の皆様にお伝えし、愛国政党として責任を果たして参ります。(文責:加納有輝彦) デフレ脱却・インフレ創出で毅然たる対中外交を! 2012.10.15 9月に米国・欧州に続いて日銀も新たな金融緩和を発表しました。 実は先進国の大規模協調緩和を嫌がっているのが中国です。中国人民銀総裁の周小川氏は「大規模な金融緩和は将来のインフレ、人民元高につがる」(9/20 日経)と抗議しています。 なぜ中国は日米欧の同時緩和を嫌がるのでしょうか? その理由は、中国が採っている途上国型の為替政策にあります。 中国は人民元を実勢より安く誘導し、輸出で稼いできました。しかしながら、日本や米国が巨大な金融緩和を行えば、市場では元高圧力がかかります。 元安を維持しようとすれば、人民銀は外為市場で元売り介入を行い、元の通貨供給を増やさざるを得ず、中国にはインフレ圧力として跳ね返ってきます。 中国は安価な労働供給による輸出拡大によって「世界の工場」へと成長しました。一方で中国は、共産主義の表看板とは裏腹に、今や「世界の格差大国」です。 もしも、中国政府が元高や労働者の賃上げ要求を容認すれば、輸出競争力が低下し、中国のさらなる景気の失速は免れません。 一方、中国が元高阻止に動けば、インフレ率が上昇し、インフレ率の上昇は安価な賃金労働を強いられる中国人民を直撃します。 つまり、日本の巨大な金融緩和は中国の政情不安を増長させ、中国人民を反政府デモへとどやしつける効果を持つということです。 さて、帝国データバンクによると、中国に進出している日本企業は1万4392社、今後減少が予想されるものの、毎年2000社が新たに進出しています。 日系企業の中国進出は日中対立が激化した今、事実上の「人質」です。 もちろん「人質」を言い訳に領土・主権に関する問題で妥協的交渉をすることは許されません。 しかしながら、人質をとられた状態は毅然たる外交を展開する上でマイナスに働くことも事実でしょう。 では、そもそもなぜ日本企業の海外進出が増えたのでしょうか? 90年代以降の海外生産移転比率は、米国がほぼ横ばいの中で日本は10ポイント以上、上昇しています。 つまり、デフレによる内需の縮小と急激な円高が日本企業の海外進出を駆り立てたと言えるでしょう。 ゆえに、対中国で毅然たる外交を行うためにも、早急にデフレ脱却・インフレ創出に向けたさらなる金融緩和、あるいは法人税減税・高速道路無料化・原発再稼働など日本の生産・流通コストを低下させる人質奪還のための政策が不可欠です。 ところで、インフレ創出は日本経済に対してどのような影響を与えるのでしょうか? インフレ期待の上昇は、短期的には実質金利を低下させ、景気回復・産出拡大をもたらします。一方、長期的には金利上昇をもたらします。 かつて90年代アメリカの繁栄は、クリントン政権・ルービン財務長官主導のもと高金利誘導政策が採られ、世界の余剰資金をアメリカに集め、投資と革新が進展したことでもたらされたと言われます。 金融機関が低利でお金を集め、高利で運用して利益を稼ぐように、グローバル経済では世界の余剰資金は低金利通貨国から高金利通貨国へと移動します。 8・90年代のアメリカの高金利政策が、しばしば中南米諸国の巨大な資本流出・債務危機の引き金を引いたように、日本の持続的インフレとそれに伴う高金利は、対中直接投資に向かっていた日本の余剰資金の進路を反転させ、中国の資本流出・バブル崩壊の引き金を引くことにもなるでしょう。 幸福実現党が主張する3%程度のインフレを目標とした各種経済政策は、日本の経済不振という内政問題に対してだけでなく、膨張する中国に向けた対抗措置としても有効に働きます。(HS政経塾2期生 川辺賢一) 今こそ、行動の時――力を合わせて、日本のマスコミ改革を!! 2012.10.13 尖閣を巡る、軍事的な緊迫が高まっています――そう言っても、多くの日本人は、ピンと来ないのではないでしょうか? なぜなら、産経新聞以外のマスコミは、今、尖閣諸島周辺で起きている軍事的緊張について多くを伝えていないからです。 例えば、産経は10月13日付の一面で「沖縄離島で奪還訓練 自衛隊と米軍、来月実施」という記事を掲載。日米が尖閣諸島に中国軍が上陸してくることを想定した訓練を那覇から60キロの入砂島で行うことを報道しています。 訓練は、島が敵に占拠されたとのシナリオで、国内の離島での日米の共同奪還訓練は初めてです。この記事一つをみても、中国による尖閣への武力侵攻の脅威が高まっているのは明らかです。 また、産経は10月4日、中国の人民解放軍を念頭に、米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35を米空軍嘉手納基地に配備する方針を表明したと伝えています。 さらに、10月6日の産経の記事では、米海軍が「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」を中心とする2つの空母部隊が、異例な合同任務で、西太平洋で警戒監視にあたっていることを報道しています。 また、空軍が嘉手納基地に7月末から半年間の予定で、アメリカのステルス戦闘機F22Aラプター12機を一時配備。9月にはさらに10機飛来、嘉手納では初めて実弾を搭載して飛行したことも伝えています。 それに先立って、中国の衛星テレビ局などは、中国の東海艦隊が多数の攻撃型原子力潜水艦を尖閣諸島海域に配備していることを報道。 更に香港のメディアは、中国の原子力潜水艦を、米国の偵察衛星が尖閣諸島海域の近くでレーダーで捕捉したと伝えています。 こうした情報に接すれば、尖閣諸島周辺では、既に日米と中国が「一触即発」の状況にあることが分かり、日本人の多くが、どれほど「平和ボケした情報空間」の中で置かれているかが分かるでしょう。 そうした「平和ボケした情報空間」を、意図的に作り出しているのが、日本の朝日新聞やNHKを中心とした左翼系マスコミです。 すべての実例を挙げるわけにもいきませんので、象徴的な直近の事例だけを紹介致します。 朝日新聞は、中国外相が国連総会で「尖閣は日本が中国から盗んだ」と攻撃した翌日の9月28日、作家の村上春樹氏の、尖閣諸島での領有権の日中の言い争いを「安酒の酔い」とし、暗に、尖閣問題で日本が尖閣の主権に固執することを批判する論文を、朝刊一面に掲載しました。 村上春樹氏の書籍は中国でも大人気だったのですが、尖閣国有化以降、中国の書店の売り場から姿を消す事態になりました。こうしたことを踏まえ、村上氏は「本が売れなくなるから、領土を主張するな」と言いたかったのでしょう。 その後、村上氏のエッセーに「感動した」「領土で争うことは間違っている」といった中国の作家や読者の声を連載で掲載し、意図的に「中国による日本への侵略」の事実を、隠し、論点をすり替えるようなヤラセ記事を展開しています。(10/7 朝日「村上春樹さん寄稿に共感 中国の作家『役に立つ時だ』」) また、中国が財政・金融のトップを欠席させるという非礼な態度を示したIMF総会が閉会した13日の夜、NHKは総合テレビの夜9時というゴールデンタイムに「関口知宏と高校生の旅 中国縦断2500キロ」という、恒例のお手盛り親中番組を放送しています。 このように、中国が尖閣諸島侵略に向けて動き出し、日本の領土が侵略されようとしている国難の最中にあって、朝日やNHKといった日本を代表するマスコミは親中報道を展開し、日本の世論をミスリードしている事実は決して看過できません。 今こそ、日本のマスコミの改革が必要です!そのための行動を起こして参りましょう! その先頭に立つべく、私、矢内筆勝は幸福実現党の役員として、また市民団体「中国の脅威から子供の未来を守る会」の代表として、両社の本社前で街宣活動とチラシ配布、書面による申入れ活動を行っていく活動を9月から展開しています。 その活動は、いたずらに両マスコミを頭越しに批判するのではなく、両社が真実の中国の脅威に気付き、一党独裁国家・中国の真実の姿を報道することで、日本の国民の「生命・財産・安全」を守るための正しい報道に立ち返ってもらうよう、善導することを目的としています。 すなわち、両社の従来の「親中報道」を、「国益重視の報道」に転換して頂くよう啓蒙するための活動です。 朝日とNHK――この日本を代表する2つのマスコミの報道姿勢が変われば、日本の全てのマスコミの報道姿勢が変わり、その結果、日本人全体の意識は変わっていくでしょう。 私は「迫りくる中国の脅威から日本を守る」活動の柱の一つとして、この活動を今後、一つの国民運動にしていきたいと考えています。 時間は毎週水曜に午後3時から、東京・渋谷のNHK前。そして午後5時半から東京・築地の朝日新聞本社前にて活動を行っています。ぜひとも、一人でも多くの方のご参加ご支援をお願い申し上げます。 「何もしなければ、何も変わらない」――いよいよ「行動の秋(とき)」です! 時代が変わる時は、いつも一群の勇気ある、向こう見ずな行動から始まります。 私達が行動をしなければ、国難は避けられません!しかし、私達が行動すれば、必ずや日本は救うことができます! あとは行動あるのみです。頑張りましょう!(文責・矢内筆勝) 中国の尖閣侵攻に向けた「持久戦」に対抗するには? 2012.10.07 尖閣諸島周辺の海域では6日も中国公船が確認され、計8隻が日本の接続水域に出入りしました。(10/6産経「中国公船8隻が接続水域に出入り海保警告に『正当な任務』」) 尖閣諸島周辺海域にとどまっている中国の監視船は7日も、同諸島周辺の日本の接続水域へ出入りし、午後3時現在、同水域には国家海洋局の監視船4隻と漁業局の監視船1隻が留まっています。(10/7 時事「中国公船、なお尖閣沖に=接続水域に5隻―海保が監視」) 中国は、南シナ海でフィリピンが領有を宣言していた岩礁を実効支配した際も、長期戦、持久戦に持ち込み、中国漁船や公船、時には軍艦を海域に常態化させ、フィリピンを根負けさせる手法を取って来ました。 そして、小さな岩礁も自国のものとし、そこを起点に200海里を主張すれば、一発の弾丸を撃つことなく自国の領海を拡大し、海域に眠る資源まで奪って来ました。これが中国の「持久戦」を使った「戦わずして勝つ」戦略です。 中国は同じ手法を今度は東シナ海で実行しようとしているのです。 米国は、尖閣での中国の動きを牽制するため、9月中旬以降、西太平洋に2隻の空母「ジョージ・ワシントン」「ジョン・C・ステニス」を展開させました。(10/5読売「米空母2隻が西太平洋に、尖閣緊迫で中国けん制」) 米国が西太平洋に空母2隻を展開させることは特別な事態を意味します。例えば、米軍は1996年の台湾総統選の際、中国軍が台湾海峡で軍事演習により威嚇したのに対し、空母2隻を現地に急派し、中国軍を牽制しています。 中国は10月4日、米空母を牽制するため、艦隊7隻が沖縄本島と宮古島の間の海域を抜け、西太平洋に向かいました。(10/7 産経「中国艦艇7隻が通過 沖縄本島-宮古島間」) 中国海軍は9月23日、初の空母「遼寧」を就役させましたが、近い内に西太平洋上で中国空母艦隊の軍事演習が行われることになるでしょう。 空母艦隊による東シナ海も含めた西太平洋上での米中覇権の衝突は、もうそこまで来ているのです。 中国が尖閣を占領し、次に台湾を占領すれば、中国は事実上、「日本のシーレーン封鎖」というカードを持つことになります。 そうなれば、映画『神秘の法』(http://shinpi2012.com/)で描かれているような、日本が属国化する未来が待ち受けています。 それだけ、尖閣諸島は戦略的に重要な位置にあるのです。そのためには、日本政府は今から戦略的に手を打っていくべきです。 まず、今回の反日暴動で問題が明らかになりましたが、日本企業は「中国リスク」を鑑み、製造工場は人件費も安いインドネシア、タイ、ベトナム等の親日国に移すべきです。そのために日本政府は支援を惜しむべきではありません、そして「反日暴動」カードを使えなくすべきです。 また、中国は尖閣の領有を米主要紙に全面広告を出すなど派手に展開する一方、日本政府による尖閣PRは極めて不十分です。(10/7 朝日「尖閣、日中が広報戦 派手な中国と地道な日本」) 日本政府は中国以上の広報戦略を展開し、「尖閣は日本固有の領土」という認識を全世界に広げるべきです。 そうすれば、中国が尖閣侵攻した際、国際世論を味方に付け、中国包囲網を形成し、中国を孤立させることができます。 また、中国は持久戦に持ち込み、「戦わずして勝つ」戦略を志向しているため、初めから軍を発動させません。しばらくは海洋監視船、漁業監視船、時には軍艦を尖閣海域に常態化させる戦法を続けるはずです。 そして時を待って大量の民間漁船を使って尖閣上陸を狙ってくるはずです。そこには漁船を模した軍の工作船も含まれています。 中国漁船に対しては、米軍も自衛隊も手を出すことは出来ません。その際、矢面に立つのは海上保安庁ですが、数百隻という大量の漁船で上陸された場合、対応は不可能です。 政府は、尖閣を国有化したにも関わらず、中国の反発を恐れて、国民の上陸を決して許さず、構造物の建築も認めていません。 中国に実効支配される前に、政府は早急に魚釣島に灯台や避難港などの構造物を建設したり、自衛隊を尖閣諸島に常駐させることによって実効支配を強化すべきです。 以上、述べましたように、企業の「中国リスク」を回避させた上で、世界に「尖閣は日本の領土」と大々的に広報活動を行い、同時に実効支配強化を図ることが中国の「持久戦」に対抗する戦略となるのです。(文責・佐々木勝浩) 野田政権が進める「地域主権」は「地獄の一丁目一番地」――有事は中央集権を強化せよ! 2012.10.05 10月1日に第3次野田改造内閣が発足し、論功行賞や選挙対策の肩書き作りなど、民主党の延命だけが最優先された不毛な閣僚人事が発表されました。 改造内閣発足の記者会見において、野田首相は「樽床さんに、民主党の一丁目一番地の政策である地域主権改革をリードする役割を託すことといたしました」と発表しました。(10/1 首相官邸「野田内閣総理大臣記者会見」) 確かに、樽床氏は一昨年の代表選に出馬した際に「地域主権」を訴えていましたが、「地域主権改革」が民主党の一丁目一番地の政策であるとは驚きです。 何を隠そう、野田首相本人は2009年衆院選の街頭演説で「税金の無駄を無くすことが一丁目一番地」「そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしい」と渾身の力を込めて訴えていました。(野田首相公約「マニフェスト 書いてあることは命懸けで実行」) 民主党が「地域主権改革」を「一丁目一番地」と言い出したのは、失政続きの鳩山氏が2009年11月の全国知事会議で「地域があって国があるという考えで行動を進めたい。地域主権の実現は『1丁目1番地』だ」とリップ・サービスで挨拶しただけのことです。 実際に、2009年衆院選の民主党マニフェストの一番の目玉は「税金のムダづかいと天下りを根絶」でした。二番目に「国民への税金のバラマキ(子供手当てや高校無償化)」、3番目に「年金・医療改革」、4番目に「地域主権」、最後に「景気対策」でした。(※いずれの公約も実行できず) また、2010年参院選のマニフェストに至っては、「地域主権」の優先順位は9番目でした。 「地域主権」を「民主党の一丁目一番地」と言う本心は「日本維新の会」へのラブコールであり、ポピュリズムに媚びへつらう選挙対策に他なりません。 民主党がや日本維新の会が掲げる「地域主権」「地方分権」は、耳障りが良く、一見素晴らしく聞こえますが、左翼的価値観に基づく、大変危険な国会解体思想です。 特に、軍事的衝突にもつながりかねない領土問題が国難として迫っている中においては、地域主権とは逆に、中央集権を強化すべきです。 「地域主権」の流れは、列強による日本侵略の危機にあたって、幕藩体制を終わらせ、中央集権国家を築き、「富国強兵」を進めた明治維新と全く逆行しており、「日本維新の会」など「維新」を名乗る資格すらありません! 尖閣諸島における領海侵犯、軍事的緊張が連日報道されているにもかかわらず、仲井真・沖縄県知事は「地域主権」を盾にとって、尖閣防衛の切り札であるオスプレイ配備を阻止し、日米同盟を破棄しようとしています。 地域主権が進めば、有事において、こうした売国首長や革新首長の反乱を抑えることができなくなります。 また、エネルギー問題においても、「脱原発」が叫ばれ、瓦礫の処理ですら地方自治体の反対を受けて進んでおりません。その根底には、地域主権の問題があります。 ドイツ連邦共和国では「脱原発」が進んでいますが、その背景には環境運動だけではなく、ドイツの「連邦制」という複雑な統治機構の問題があります。 ドイツでは16の州から構成される連邦国家であり、各州それぞれが主権を持ち、独自の州憲法、州議会、州政府および州裁判所を有するため、連邦国家として「エネルギー安全保障」強化を進めることができず、結果的にフランスの原発に依存する事態に至っています。 逆に、フランスが「原発大国」となったのは、強力な中央集権国家としての意思決定が出来たからです。 フランスでは、直接選挙で選ばれる大統領に「首相の任免権」や「議会の解散権」など強力な権限が与えられ、立法府である議会より行政権の方が強い体制が敷かれているからです。 日本も有事に対応するためには、今こそ、大統領制を導入し、中央集権を強化し、迅速かつ的確な判断ができる強力なリーダーシップをもった統治機構を確立すべきです。 10月6日(土)から始まる近未来予言映画『神秘の法』(http://shinpi2012.com/)では、近隣の軍事大国が日本に侵略する場面が描かれていますが、そこで首相は憲法9条を改正することができずに降伏、日本が「極東自治区」になる場面が描かれています。 日本は今、有事体制に入っています。もはや、何も「決められない政治」では許されません。今、必要な「日本の一丁目一番地」は、安全保障の強化であり、憲法改正、自衛隊法改正です。 そのためには「地域主権」ではなく、政治の強力なリーダーシップを実現する「大統領制」も含めた強力な中央集権国家体制を確立すべきです。(文責・小川俊介) 日本は台湾と協調し、アジアの希望の星となれ!~人々の自由と繁栄を守るために~ 2012.10.04 尖閣諸島を日本政府が国有化したことに反発した台湾の漁民団や巡視船が日本の領海に侵入し、海上保安庁の巡視船と放水し合ったことは記憶に新しい。 馬永九総統は漁民や巡視船乗組員の代表らを台北の総統府に招き、「釣魚台がわれわれの漁場だと世界に平和裏に知らしめた」と讃えました。国内では「主権問題で弱腰」と批判される馬英九政権が、強気な態度をアピールしたものと考えられます。(9/27 産経「馬総統、漁民を称賛 尖閣問題『日本は反省を』」) 一方で、馬総統は「日本と対抗することが目的ではない」(同上)と発言するなど、日本と本気で対立することを望んではいないものと考えられます。 「台湾と日本は運命共同体」であると言えます。その理由の一つはシーレーン問題です。中国が台湾を併合した場合、中国は世界で一番深い台湾の東側の海に潜水艦を潜伏させ、台湾に基地をつくり、南シナ海を中国の内海にするものと見られます。 食料自給率が低く、エネルギー自給率に至っては4%の日本(今後、更に脱原発を進め、石油に依存する予定)にとって、台湾が併合された際のシーレーンに与える影響は尋常ならざるものがあります。日本人の生命は台湾の南と東を通るシーレーンにかかっているのです。 しかし、もう一面、見逃してはならないことがあります。 タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ブルネイは南シナ海以外に海洋への出口を持たず、マレーシアの港も半分は南シナ海に面しています。 既に中国は南シナ海の西沙諸島、南沙諸島を含む地域を自治体の三沙市として勝手に制定し、ベトナム・フィリピンが強く抗議していますが、台湾が中国に併合され、シンガポールの華僑が同民族ということで中国になびいた場合、北の台湾と南のシンガポールの間の海は自動的に中国のものとなり、東南アジアの沿岸諸国は中国に従わざるを得ない運命に陥ります。 元駐タイ大使の岡崎久彦氏は『台湾問題は日本問題』の中で、このようなことが起きた場合、「1965年前の状態への復帰を意味する」と言います。 それは中国がチベットを制圧し、インド国境まで進出し、その影響力を東南アジアに及ぼしていた時期を指しています。 当時、共産国である北ベトナムのラオス、南ベトナムへの浸透は著しく、カンボジアのシハヌークは親中国の旗を掲げ、インドネシアは共産化寸前であり、北京、プノンペン、ジャカルタ枢軸が出現。東南アジアの指導者たちは共産主義の進出の前に敗北主義に陥り、アジアは共産主義思想に染まろうとしていました。 この流れを変えたのがアメリカ海兵隊でした。65年3月にアメリカ海兵隊がベトナムのダナンに上陸した直後から、東南アジアの雰囲気は変わります。 保守系指導者は堂々と反共を口にするようになり、67年にはASEAN(東南アジア諸国連合)を結成。表向きは経済協力という目的でしたが、実質は反共連合であった、と岡崎氏は述べています。 アメリカのベトナム介入はベトナムにおいては失敗しましたが、中共に対抗するための東南アジア指導者たちの精神的支柱となりました。 現在の東南アジアの独立と繁栄は、アメリカの建国以来の自由と民主主義と正義を愛する精神、他国のために血を流して戦ったアメリカ兵たちが支えています。 そのアメリカも財政赤字のために軍事力を削減し、世界の警察官を辞めようとしています。従来のアメリカ外交を推し進めるヒラリー国務長官が引退を表明していることに加え、中東問題に手を取られ、今後のアジアにアメリカがどこまで関わるかは未知数です。 今こそ、アメリカに代わり、日本が台湾と協調しながら、共通の価値観である「自由と民主主義」でもってアジアをはじめとする地域の平和と安定、そして中共の覇権主義を打ち破るため立ちあがるべき時です。 そのためにまず行うべきことは、2009年に中断した日台漁業交渉を再開し、台湾との間で漁民共同提携を結ぶことです。 台湾人の主張は、尖閣の領有ではなく、尖閣付近海域で漁をする権利を認めてもらうことにあります。現在、日本と台湾が設定した排他的経済水域(EEZ)が重なっており、台湾の漁民は漁業権を主張して抗議行動を起こしています。尖閣付近は日本統治下で日台漁民が代々共に漁を行なっていた海域です。 櫻井よしこ氏は「尖閣周辺の日本の排他的経済水域内での漁を許す枠組みを早急に作り、乱獲防止の協定を整え、日台共栄の漁場を造ることが、日本の漁業の発展にもつながる。」と指摘しています。(8/9 産経「日本の自画像を描け」) 台湾は非常に親日的な国であります。台湾から日本への東日本大震災の義援金は、200億円以上で世界一。大半が一般市民からのものです。 その台湾に対して、特に民主党政権になってからの日本政府は誠意ある態度を取っていません。 その原因は、1972年に日中共同声明を発表し、中華人民共和国と国交を結び、中華民国(今の台湾政府)との国交を断行したことにあります。 現在の台湾を国として承認しているのは世界で23か国のみ、中南米の小国が中心で欧米・アジアではバチカン市国だけである。台湾は国際的に非常に不安定な地位にあります。 台湾の国際的地位を上げるために日本ができることは多い。台湾のWHO加盟、諸種の国際機関への加盟やオブザーバー参加への後押し、日台の経済連携協定(EPA)の提携、そして台湾の国連加盟の応援です。 その後、民間交流を含めながら日台間の関係を強固にし、台湾の国家承認に向けて一歩ずつ進めていくべきです。 台湾の人々も、一党独裁国家で覇権主義を唱えて周辺諸国を恫喝し、チベットや東トルキスタン、内モンゴルの人々を弾圧するのみならず、漢民族をも弾圧・洗脳し、自由を許さない中華人民共和国の一部となる未来を選ぶのか、自由と民主主義という価値観を同じくするアメリカ・日本の側を選ぶのか、自国民の未来についてよく考え選択頂きたいと思います。 日本が台湾を併合した際、日本は総理大臣級の人々を台湾に送り、台湾の衛生面を大きく改善し、インフラを整備して人々の生活を豊かにし、教育を通じて台湾の人たちに夢を与えました。 日本のリーダーたちは自国民として、台湾の人々を心から愛していました。そしてその気持ちは今も変わりません。幸福実現党は、台湾の人々を決して見捨てはしません。 私達は日本を守り、台湾を守り、アジアの自由と平和を守り、中国で苦しんでいる人々をも救うために立ち上がった政党です。 幸福実現党の存在こそが日本と台湾を繋ぎ、日本がアジアの希望の星となるための唯一の鍵であると固く信じる次第です。(文責:HS政経塾1期生・兵庫第11区選挙区支部長 湊 侑子) すべてを表示する « Previous 1 … 88 89 90 91 92 … 98 Next »