Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 北朝鮮のミサイルと中国の海洋戦略の関係 2013.04.11 エスカレートする北朝鮮の挑発 2月12日に三度目の核実験を成功させて以降、軍事的緊張をエスカレートさせる北朝鮮の動きが、日本に大きな脅威を与えています。 特に今月に入って以降、停止していた核開発施設の再稼働を2日に宣言。9日にはロックリア米太平洋軍司令官が、北が保有する「ノドン」や「スカッド」、そして最新型中距離弾道弾「ムスダン」等の各種弾道ミサイルが日本海側に移動されたことを明らかにしました。 11日には防衛省の情報として、北朝鮮東部で移動式の弾道ミサイルの発射台が、上空へ向けられたと報道されています。(4/11 FNN「北朝鮮東部で移動式弾道ミサイル発射台が上空向く」) さらには10日付の「労働新聞」で「日本全土が標的だ」「日本には米軍基地や原子力施設がある」と我が国への核攻撃を示唆したため、日本国内には「いつミサイルが飛んでくるともわからない」という不安感が広がりました。 特に、参院補選の告示日を迎えた山口県では、位置的にも朝鮮半島に近いという特性から、地元紙の山口新聞が1面、2面、5面、19面で大きく特集を組むほどに警戒が強まっています。 4月11日に告示となった参院山口補選では、オスプレイ配備推進運動等を展開されて来た幸福実現党公認候補のかわい美和子氏が選挙戦第一声で、北朝鮮のミサイルへの対応、自主防衛強化を強く呼びかけるなど、山口補選での大きな争点の一つとなっています。 中国海軍が軍事演習を活発化 まさに今、日本は北朝鮮の核・ミサイル危機の下にありますが、ここではあえて視点を変え、「ムスダン」ミサイルの配備を証言したロックリア米太平洋軍司令官が、中国海軍の活動に関して「もう一つの証言」を行っていた事実を指摘したいと思います。 4月11日付の山口新聞は、ロックリア司令官が公聴会において、中国海軍が太平洋やインド洋にまで活動を拡大していることに「強い警戒感」を表明したことを報道しています。 中国海軍の活動に関しては、習近平氏が国家主席に就任した全人代(3月)以降、中国海軍の活動は活性化する一方です。 一例をあげるならば、中国は今年に入ってから北海艦隊と南海艦隊にそれぞれ「遠海訓練」を実施させ、東シナ海、南シナ海、西太平洋における軍事演習を活発化させています。 特に全人代直後の3月19日から16日間に渡って実施された南海艦隊の遠海訓練では、海岸から陸地に直接侵攻が可能な大型ホバークラフトを使った演習が活発に実施された他、南シナ海のある環礁では漁政45001船と艦載ヘリを用いた共同巡視活動が行われた事が写真付きで紹介されています。(3/22 解放軍報「海上駿馬在大風浪中馳駆」、3/28 同「南海艦隊連合機動編隊巡邏未済礁」) 「金正恩の暴走」の陰で着々と海洋権益の強化を行う習近平 また、国務院改革の一環として、複数の部署に分かれた海洋管理機構を「国家海洋局」に統合し、中国の海洋発展に必要な「法執行能力」と「海上の主権を維持する能力」の強化が図られました。 しかし、実はこの「国家海洋局」自体が、「海上民兵、地方法執行機関、軍隊」の三者による「三線力量体系」の一部にしか過ぎません。 今後、習近平体制の五年間において、「海軍力の強化」「法執行能力(国家海洋局)の強化」「海上民兵の創設」といった形で、着々と海洋権益の強化を進めてくるものと推測されます。 次の全人代が行われる2018年には、西太平洋からインド洋までを闊歩する中国海軍と、第一列島線の内側を管理する巨大な国家海洋局、そして「現代の人民戦争」としての海上民兵が完成し、日本や台湾など第一列島線上に位置する国々の「独立の危機」が現実のものとなることが予想されます。(3/15 解放軍報「国務院機構改革和職能転換方案」、3/10 同「解放軍代表団第二次全体会議発言摘要」) 「北朝鮮の暴走」は、こうした習近平の野望にとって、誠に都合の良い「隠れ蓑」となっているのです。 北朝鮮、中国の脅威が迫る今、参院山口補選、そして参院本選において、政党名にとらわれることなく、候補者本人の「国を守る気概」や「真摯なる愛国心」をよく見極め、国の未来を託して頂きたいと存じます。(文責・彦川太志) 日本よ、主権国家たれ! 2013.04.06 「主権回復の日」の意義 政府は、1952年4月28日サンフランシスコ講和条約が発効した「主権回復の日」に当たるとして、4月28日に政府主催の式典を開くことを閣議決定しました。(3/12 産経「主権回復の日式典、4月28日開催を閣議決定」) 1945年8月14日、日本は「ポツダム宣言」の受諾を連合国に通告、8月15日「終戦の詔書」が玉音放送により国民に伝えられ、終戦を迎えました。 正式には9月2日、戦艦ミズーリ号の船上で連合国との間で降伏文書に調印し、連合国の占領下に入ることとなりました。 その後、7年に及ぶ占領を経て、サンフランシスコ講和条約(正式名:「日本国との平和条約」1951年9月8日)に調印し、1952年4月28日に発効され、日本国は正式に国家としての全権を回復しました。 アメリカ合衆国では、1776年7月4日に独立宣言が公布されたことを記念して、毎年7月4日を祝日として祝い、建国の志を新たに愛国心の発揚がなされています。 「主権回復の日」は、日本再建の原点にあった「国家の主権を取り戻す」という歴史的意義を振り返ると共に、日本国の主権を守り続けていく不断の努力を決意する大切な節目です。 しかし、「主権回復の日」式典に対して、沖縄県内では大きな反発が巻き起こっています。(3/29 琉球新報「主権回復の日、32首長『式典反対』本紙調査、開催賛成はゼロ」) 1952年4月28日サンフランシスコ講和条約が発効し、本土は主権回復して以降も、沖縄では20年間もアメリカの占領が続いたことから、沖縄にとっては「主権回復の日」ではなく、「屈辱の日」とされています。 このように様々な意見がありますが、「主権回復の日」は、主権の回復とは何なのか、日本は本当に独立国としての主権を回復しているのかを考える大切な機会であると思います。 日本は主権を守り抜くことができるのか? 2012年11月14日、中国・韓国・ロシアによる「東アジアにおける安全保障と協力」会議が開かれ、席上、中国外務省付属国際問題研究所のゴ・シャンガン副所長は「日本の領土は北海道、本州、四国、九州4島に限られており、北方領土、竹島、尖閣諸島にくわえて沖縄も放棄すべきだ」と公式に演説しました。 そのためには、中国、ロシア、韓国が「反日統一共同戦線」を組んで、サンフランシスコ講和条約に代わって日本の領土を縮小する新たな講和条約を制定しなければいけないと提案しています。(2012/11/15 ロシアの声「反日統一共同戦線を呼びかける中国」) 日本政府は即座に自国の領土を明確に実効支配して施政下に置かなければ、このまま領土を失うことになります。 日本よ、主権国家たれ! 「主権」とは、他国の意思に左右されず、自らの意思で国民および領土を統治する権利です。 日本のために命を捧げられた先人への感謝と敬意を表すべく、国家のトップである首相が靖国参拝することなくして、国民の間に、日本の主権を守る愛国心は育ちません。 また、教科書の近隣諸国条項により、中国・韓国の横槍により、日本人の教科書が書き換えられる状態にあることも異常です。 さらに、拉致問題を解決する軍事力を持たず外交は成り立ちません。自国民が拉致され、救出もせずに見殺し続けて、本当に「主権国家」と言えるのでしょうか。 このような日本の現状を見る限り、「独立国家」としての主権を回復しているとは言い難く、いまだ植民地支配が続く「半主権国家」「隷属国家」の様相を呈しています。 「主権国家」を存立させる観点から見れば、憲法9条の思想そのものが、占領軍の植民地思想を背景としています。 安倍首相は本当に主権回復を記念するのであれば、自主憲法の制定、自衛軍の創設、教科書近隣諸国条項の撤廃を断行し、真の意味で「日本独立宣言」を行うべきです。 そして、参院選において、各党は「憲法改正」を争点として、主権国家のあるべき姿を論じるべきです。(文責・三重県参議院選挙区代表 小川俊介) 北朝鮮「南北は戦時状況に入った」と特別声明――北朝鮮のミサイルに備えよ! 2013.03.31 朝鮮半島においては、第2次朝鮮戦争勃発の危機が日増しに高まっています。それについては、「第2次朝鮮戦争勃発の危機―米韓軍事演習と備えが不十分な日本」及び「北朝鮮でミサイル発射の動き――高まる朝鮮有事に日本はどう対処すべきか?」で指摘して来ました。 朝鮮半島有事を見据えた政府の対応が遅れる中、現在、幸福実現党の候補者が全国各地で声を嗄らして、「日本は朝鮮半島有事に備えよ!」と訴えています。 北朝鮮が「韓国と戦争状態に突入」、日本の米軍基地も照準に 今回は、朝鮮半島情勢の新たな情報を加えて整理し、今後の北朝鮮の動向を予測、日本の対応のあり方について述べます。 26日に北朝鮮は「反米全面対決の最終段階に突入する」と発表し、戦略ロケット軍部隊と長距離砲兵部隊を含むすべての野戦砲兵軍集団を「1号戦闘勤務態勢」に突入させると声明。(3/27産経「北、米本土の基地打撃」) 「1号戦闘勤務態勢」とは、「先制攻撃の意志であり全面的攻撃の予告」で、「(米軍基地のある)横須賀、三沢、沖縄、グアムはもちろん、米本土もわれわれの射撃圏内にある」と述べています。(3/31 時事「『1号戦闘態勢』は全面攻撃予告=横須賀、三沢、沖縄も射程内―北朝鮮機関紙」) 更に、最新の情報として30日、北朝鮮は韓国と「戦争状態」に突入するとの特別声明を発表。「今後、北南関係は戦争状態に突入、韓国の間のすべての問題は戦時に準じて処理される」と警告しています。(3/30 ロイター「北朝鮮が特別声明、『韓国と戦争状態に突入』=KCNA」) 北朝鮮の軍事行動分析 北朝鮮軍部の実際の動きとしては、朝鮮中央通信によると、25日には金正恩書記が日本海側の江原道・元山一帯で多数の多連装ロケット砲や牽引砲を投入した陸海軍による上陸・対上陸訓練を視察。 また、韓国軍消息筋の話として北朝鮮北西部・東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場で、26日車両の動きが活発化。「長距離ミサイル用と推定されるロケットエンジンの性能試験を行う準備とみられる」と分析しています。(3/29 読売) 米国メディアは29日、朝鮮人民軍の作戦会議室とされる写真の背景に「米本土攻撃計画」とされる図があり、米国の地図と重ねると首都ワシントン、テキサス州のオースティン付近を狙っているように見えると報じています。(3/30 産経) 圧倒的軍事力で北朝鮮を封じる米軍 そうした北の挑発に対し、米国は3月から4月末まで行われる米韓軍事演習「フォール・イーグル」にイージス駆逐艦2隻、F-22ステルス戦闘機、核兵器搭載可能なB-52爆撃機、原子力潜水艦「シャイアン(USS Cheyenne, SSN-773)」を参加させています。(3/22 読売) 加えて米軍は第5艦隊の原子力空母ジョン・C・ステニカが中東海域から任務を終え、帰還途中にアジア太平洋海域で第7艦隊の作戦に合流させ横須賀基地を母港とするジョージ・ワシントンと2隻の空母打撃群による「戦闘即応態勢」を展開しています。(3/31 産経「北『南北は戦時状況』」) このように米国が核兵器搭載可能な爆撃機、原子力潜水艦に空母2隻を東南アジアに集結させていることは、かつてなかった圧倒的な軍事力を投入し、北朝鮮の暴発を抑止することを企図したものと思われます。 日米軍事筋は29日、「長距離ミサイル発射の準備とみられる動きは確認されていない」と分析。また同日には、北朝鮮がミグ21戦闘機1機を朝鮮半島西部の南北軍事境界線近くまで南下させましたが、韓国空軍戦闘機が緊急発進すると引き返すという事態も起きています。(3/29産経) 今後の北朝鮮の動向に注視せよ 北朝鮮は核兵器開発に走った中国もそうであったように、通常兵力にかける費用、資源をすべて核ミサイル開発に投入しています。 そして、通常兵力開発の労力を核搭載の中距離・長距離ミサイル開発に全面投入すれば、米国をも威嚇できると考えているのです。 2007年に実戦配備された「ムスダン」(射程2500~4000キロ)や12年の軍事パレードで登場した新型大陸間弾道ミサイルとみられる「KN-08」の発射実験はこれから行われること推測され、危機はこれからも続くことは間違いありません。 ミサイルの発射時期は、米韓軍事演習が終わった4月末以降から7月27日の北朝鮮が戦勝記念日とする休戦協定が署名された日の前後で米軍が手薄になった時が危ないと予想されます。 また、北朝鮮の核ミサイル開発で注視すべきは、液体燃料から固体燃料への転換が可能となった場合、準備から発射までの時間が短縮されるため、日米韓が警戒態勢に入る前にミサイルが飛んでくる危険が高まります。 現在の迎撃ミサイルでは対応できなくなることは目に見えており、その対応策としてミサイル防衛、迎撃ミサイルの進化を早急に進めると同時に、日本はアジアの平和を維持すべく、自主防衛を強化すると共に、米国との協力体制の構築を早急に進めるべきです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 「防衛計画の大綱」を見直し、日本版トランスフォーメーションを構築せよ! 2013.03.30 迅速さを欠く「防衛計画の大綱」見直し作業 政府は1月25日の閣議で、民主党政権下で策定された防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」の見直しと、人員や装備品などの整備計画「中期防衛力整備計画」の廃止を決定しました。(1/25 産経「民主政権下の防衛大綱見直し 中期防衛力整備計画廃止を決定」) これを受けて、小野寺防衛大臣は省内に検討委員会を設けて具体的検討を進め、参院選前の6月に中間報告を公表し、年内の大綱改定を目指す予定です。 更に民主党政権下における「動的防衛力」の概念について、小野寺防衛大臣は計画を根本概念から再検討していく考えを示しています。 民主党政権が作成した大綱は問題があり、見直し自体は歓迎しますが、見直しのスピードは迅速さを欠いていると言わざるを得ません。 自民党は下野した期間が三年以上あったにもかかわらず、なぜ改正に一年もの時間がかかるのでしょうか。 2012年から2013年にかけての安全保障環境は非常に緊迫したものがあり、この間、なぜ自民党は政権奪回を見据えて、改定準備作業を進めてこなかったのでしょうか。 今回の記事では、現行の大綱にはどのような問題があるのか、そして、どう改めるべきかについて提言したいと思います。 「防衛計画の大綱」の問題点 民主党政権下において策定された「防衛計画の大綱」(http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2011/taikou.html)の問題点として、以下の3点が挙げられます。 (1)戦略性の欠如 そもそも日本の国益はどこにあるのか、日本の国益を守るために軍事力をどのように使うのか、安全保障政策をどのようにマネジメントするのか、ということについて考えが不足しています。 民主党政権下における数々の外交的失策や中国の軍事的行動と領空・領海侵犯を招いたこと自体、その事実を裏付けています。 (2)「動的防衛力」の概念を政策的に突き詰め、実行することができなかったこと、 「動的防衛力」の概念については、現行の大綱には「軍事科学技術の飛躍的な発展に伴い、兆候が表れてから各種事態が発生するまでの時間が短縮されていることから、事態に迅速かつシームレスに対応するためには、即応性を始めとする総合的な部隊運用能力が重要性を増してきている」とあります。 しかし、民主党政権が行ってきた南西諸島を巡る防衛を振り返ると、とても「即応性を始めとする総合的な部隊運用能力」が向上しているとは言い難いものがあります。 1982年の英国とアルゼンチンのフォークランド紛争の事例でも分かるように、有事における「時間」と「距離」を克服することができなければ、甚大な損害を受けることは避けられません。 (3)新たな安全保障上の脅威への対応の欠如 現行の大綱には、新たな安全保障上の脅威である「宇宙空間の防衛」や「サイバー空間の防衛」について、「情報収集及び情報通信機能の強化等の観点から、宇宙の開発及び利用を推進する。また、サイバー空間の安定利用のため、サイバー攻撃への対処態勢及び対応能力を総合的に強化する」と明記されています。 しかし、早期警戒衛星や偵察衛星などの開発は低調に推移し、サイバー空間を防衛するための実戦部隊の創設については民主党政権下では遂に行われることはありませんでした。 新しい「防衛計画の大綱」の提案 そもそも、安全保障戦略とは「国益」を達成するために、いかに軍事力を使うのかという計画と、国の資源をどのように使うのかという計画、それを実行する手順そのものです。 また、安全保障戦略は外交・対外政策と密接な関わりを持っています。すなわち、安全保障戦略は外交・対外政策の延長線上にあります。 例えば、中国・北朝鮮の脅威に立ち向かうために、どの国と結ぶのかを定めておく必要があります。 日本の場合は、中国の脅威に対応するためにロシアとの協商関係を構築したり、北朝鮮の脅威に対応するために韓国と結ぶなど、臨機応変に対処する必要があります。 具体的には、ロシアと結ぶことによって、北方シフトから南西諸島へのシフトを円滑に行い、南西諸島への侵略に対する備えを万全にすべきです。 更には、米軍海兵隊のような「即応兵力」を創設し、侵略行為を即座に叩き潰す体制を確保すべきですし、そのためには、自衛隊組織を改革し、必要な装備を整える必要があります。 新しい安全保障上の脅威については、幸福実現党が従来主張してきたとおり、早期警戒衛星や偵察衛星の生産と配備を進め、サイバー戦の実戦部隊を早急に創設すべきです。 そのためにも、具体的な安全保障政策の実施要領である「防衛計画の大綱」を早急に見直すべきです。(文責・黒川白雲) 北朝鮮でミサイル発射の動き――高まる朝鮮有事に日本はどう対処すべきか? 2013.03.29 北朝鮮でミサイル発射の動き 北朝鮮は3月11日、朝鮮戦争の休戦協定を破棄すると宣言し、北朝鮮とアメリカ・韓国との摩擦は米韓軍事演習を境に急激に緊張度を増しています。 更に3月29日、北朝鮮でミサイル発射の動きが強まっていると報道されています。 金正恩書記は29日、米本土と太平洋および韓国の米軍基地を標的として、ロケットを発射待機状態にする計画を承認し、「現在の状況に照らして、米帝国主義者との間で決着をつけるべき時が来た」との判断を示しました。(3/29 CNN「金第1書記、ロケット部隊に発射待機を指示 米軍基地など標的に」) そして韓国の聯合ニュースは29日、韓国軍消息筋の話として、北朝鮮の中長距離ミサイル部隊で、車両と人員の動きが激しくなっており、「実際に発射される可能性がある」としています。(3/29 読売「北ミサイル部隊・発射場、激しい動き…韓国報道」) 北朝鮮のねらいは? これまでアメリカは何度か六カ国協議で北朝鮮の核開発を阻止する交渉を行ってきました。しかしエネルギー支援や食料支援を受けながら北朝鮮は核開発を止めることはありませんでした。 今回、武力行使のカードをちらつかせることとをみれば、北朝鮮にどんな核廃絶へ向けた支援行ってもムダであることは明らかです。 なぜなら北朝鮮は、大量の餓死者が出ても核兵器開発に邁進して来た中国をモデルとして自らも核保有国を目指して核ミサイルを開発して来たからです。自国民が餓死しようが支援された食料やエネルギーは「金体制」を維持する軍に流れるだけです。 かつての中国の核実験を核弾頭を小型化できる濃縮ウランを開発当初から優先して行いました。北朝鮮の3回目の核実験も濃縮ウラン型であったことを考えると、小型化した核弾頭を搭載したミサイルの開発の見通しが立ったことは間違いありません。その自信が現在の北朝鮮の強行姿勢を支えています。 シナリオは二つ。現在進めているミサイルを発射訓練として実施し、韓国とアメリカに対して小型化した核弾頭を搭載すればいつでも韓国も、日本の米軍基地も火の海にできるぞと実際の威嚇をかけるというものです。 かつて中国の中国も核弾頭開発時点では、核実験とミサイル発射実験を交互に行ってきました。 しかしもう一つのシナリオとして最悪の場合、追いつめられた北朝鮮の最高指導部が最終的にソウルを狙う、日本の米軍基地を狙う最後の行動にでる可能性も否定はできません。それが北朝鮮の怖いところです。 これに対し、米韓は軍事演習を通じて戦争遂行能力を再点検すると共に、演習に参加した原子力潜水艦を朝鮮半島周辺に留め、戦略爆撃機を演習に参加するなど、事態の変化に対する準備を整えてきました。(参考:第2次朝鮮戦争勃発の危機―米韓軍事演習と備えが不十分な日本) 朝鮮半島有事に備えよ! 戦後間もない朝鮮動乱の際には、北朝鮮に日本を射程圏内に収めるミサイルは存在しなかったため、日本への飛び火はありませんでした。 しかし、今度、第二次朝鮮戦争が勃発した場合、北朝鮮から日本の米軍基地などにミサイルが飛んでくる可能性もあります。 ところが、朝鮮半島の隣に位置する日本は、そのような脅威が身近に迫っていることなど考えようともせずに、ただ無為に時間を過ごしています。 本来であれば、日本も朝鮮戦争が再び開戦した場合にどのように振る舞い、自国を防衛するのかという一連の計画を定め、行動しなければなりません。 アメリカは上記のような朝鮮戦争の再開戦を想定しているにもかかわらず、日本は朝鮮半島の再開戦は全く想定外であり、韓国在住の邦人脱出計画は言うに及ばず、再開した朝鮮戦争に日本が巻き込まれた場合の日本国防の行動計画すらないのが現状です。 日本は安全保障政策をどう遂行するのか。「最悪の状態」である朝鮮戦争が再び始まる可能性があるということを念頭に入れて早急に国防策を準備する必要があります。 日本政府、朝鮮戦争が始まった場合、どのような状況になるかシミュレートし、必要な計画を立てておき、装備や物資等を整えるべきです。 日本は早急にアメリカや韓国とも連携を固めた上で、「自分の国は自分で守る」という気概を持ち、行動しなくてはならない時が来ています。(文責・佐々木勝浩) 「アメリカVSイスラム圏を取り込んだ中国」の構図――日本の中東外交がカギを握る 2013.03.22 オバマ大統領のイスラエル訪問から分かること オバマ大統領は、就任後初めてイスラエルへ訪問しました。 第一次オバマ政権において、史上最も冷え込んだとされるアメリカ・イスラエル関係を修復し、混迷する中東外交の立て直しを図るためです。 今回の訪問はイスラエル国内では好意的に受け取られていますが、同時にパレスチナ側の反感を買うことになり、オバマ大統領が4年前から強い意欲を示してきた中東和平の困難さが浮き彫りになっています。 また、イスラエル側が最重要と考えるイランの核開発問題についても、具体的な提案などには踏み込まず、イラン攻撃の選択肢は排除しないイスラエル側に対して、あくまでも外交的解決を促す姿勢は崩していません。 そのオバマ大統領の慎重な姿勢に大きな影響を与えているのがイラク戦争です。 10年という節目を迎えての世論調査では、国民の過半数(53%)がイラク戦争は「過ち」だったと答え(アメリカ・ギャラップ社調べ)、シンクタンクなどの専門家筋でも「開戦はアメリカ史上最大の戦略的誤り」という論調が少なくありません。 その大きな理由は、戦死者約4500人、退役軍人への補償を含めた戦費209兆円(米・ブラウン大学調べ)といった甚大な損害であり、国内の厭戦気分を一層強めているからです。 アメリカの対話路線と不介入主義が世界を混乱に陥れている イラク戦争を反省材料とした「対話路線」と「軍事的な不介入」を旨としたオバマ大統領の中東外交は、「正義の実現」よりも「平和と安定」を優先しましたが、終わらないシリア内戦、止まらないイランの核開発、イスラム原理主義の台頭による反米勢力の増長などを引き起こし、結局中東の混迷は深くなっていく一方です。 これに対して、アメリカ国内でも「弱いアメリカが世界の混乱を招いている(アメリカ共和党綱領)」との懸念が広がっていますが、 「アメリカは賢明な方法で世界に関与する」と第2次オバマ政権のヘーゲル国防長官は、更なるアメリカの負担軽減と同盟国への役割分担を進める考えを強調しています。(3/20 毎日新聞) このようにアメリカの中東外交を見ると、一歩ずつ世界の警察官の座から降りていこうとするアメリカの姿が見えてきます。 覇権を狙う中国の中東外交、日本の「油乞い外交」 一方、世界第2の経済大国・中国は世界を視野に置いた中東外交を展開し、存在感を高めています。 ここ20年間の資源を中心とした経済外交は目覚ましく、湾岸産油国との貿易規模は2003年70億ドルから2008年には800億ドル超と、わずか5年で10倍以上増えています。 また、イラン、パキスタンなど反米国への武器移転、一部明らかになりつつあるイスラム過激派への武器供与など、「反欧米」を旗印とした中国とイスラム諸国の繋がりが強くなってきており、故サミュエル・ハンチントン教授が「文明の衝突」の中で述べた「儒教-イスラム・ネットワーク」が現実化しています。 このような中東をめぐる世界的な潮流の中で、日本の中東外交はどうあるべきなのでしょうか? 約83%(2012年1月~5月)という世界的にも高すぎる石油依存度が示す通り、中東=石油外交という見方がまだ根強く、アメリカ、中国と比較すると、日本の中東外交のスケールは小さすぎます。 日米同盟に足りない「世界的視野」と「双務性」 日本は、世界規模で本格的に外交戦略を考えるべき時が来ています。 中東を舞台にした「アメリカVSイスラム圏を取り込んだ中国」という構図を考えた時に、日本がまず取るべきは「日米同盟を基軸にした中東外交」です。 「日米はアジア地域のみならず、地球規模の課題で多くの利益を共有しており、引き続き協力的かつ建設的関係を追求する。」(2012/12 ベントレル報道部長) これは、第二次安倍内閣が発足した際に、アメリカ政府から出されたコメントで、アジアに限定されがちな日米同盟を中東などでの協力を呼びかけるものであるとも受け取れます。 実際に2001年の世界同時テロ以降、イラクやインド洋への自衛隊派遣がなされ、一時的に日米同盟がアジアから中東を含めたグローバルな地域へと拡大しましたが(「日米同盟再考」)、結局憲法9条が足かせとなり終了した経緯があります。 また、同盟が同じ義務を負う「双務的」な関係と定義するなら、日米同盟は「片務性」が強く、不完全なものです。 NATO条約、米韓条約、米比条約、米豪条約などはすべて双務条約であり、同盟国として求められる義務を果たしている点を見ると、日米同盟は物足りないと言わざるを得ないのです。 日本の強みを活かした中東外交で新しい日米同盟の姿を! あるべき日米同盟を実現していくためにも、憲法解釈による集団的自衛権、自衛隊法改正、そして憲法9条改正への一早いステップを考えるべきです。 そして国防費削減が迫られるアメリカをペルシャ湾やインド洋でのシーレーン防衛や紛争地域での治安維持などで自衛隊を積極的に運用できる体制を築くことです。 またイラクの先行きに関しても、経済支援や治安維持活動によって、健全な民主国家となるよう引き続きサポートをし、悲観的な見方が強まるアメリカに対して、「フセインの不正と圧政を終わらせ、多くの国民を解放したことは正義に適う」というイラク戦争への見解を、同盟国として示すことです。 日本はアメリカにはない中東での二つの強みがあります。 第一に、中東・イスラム圏の人々から歴史的にも、文化的にも尊敬され、「好かれている」という点です。 第二に、歴史的に「失点」がないという点です。 この二つの強みをフルに活かし、中東・イスラム諸国との関係強化によって、中国の影響力を薄め、「嫌われている」アメリカとの仲立ちしてあげることです。これは日本にしか出来ない役割です。 そして日本への信頼感、緊密性を飛躍的に高め、極東における防衛強化、円滑な自主防衛、更には核保有への道を拓く「外交カード」とすることです。 中東でアメリカが苦しんでいるいまこそ、日本にとっては新しい日米同盟の姿を提案する絶好のチャンスだと積極的に考えるべきです。(文責・HS政経塾第1期生、幸福実現党山形県参議院選挙区代表城取良太) 米国が対北朝鮮弾道ミサイル防衛強化――日本も北朝鮮の核ミサイル攻撃への対抗措置を構築せよ! 2013.03.17 核ミサイル発射準備を進める北朝鮮 北朝鮮は国連制裁決議や米韓合同軍事訓練への反発から、「精密な核による打撃手段で、ワシントンやソウルをはじめとする侵略の牙城を敵の墓場にすべきだ」と訴え、核兵器の保有を誇示し「核の先制攻撃」を宣言しました。(3/7産経「『核の打撃』で威嚇北朝鮮党機関紙」) そのような中、アメリカ軍と韓国軍は15日、11日から朝鮮半島有事を想定した両国軍が指揮系統や後方支援の運用能力を高める図上訓練「キー・リゾルブ」を実施しました。(3/15NHK「米韓有事対応の図上訓練施設公開」) 同演習を開始した11日、韓国政府筋は北朝鮮の朝鮮人民軍航空機の出撃回数が急増、1日で700回余りに上ったことを伝え、米韓軍事演習に対して航空機を飛ばすことで警戒しているのではないかと分析しています。(3/13産経「北朝鮮軍機の出撃急増米韓演習初日、700回」) 15日(※金日成の誕生日)午後には、韓国軍消息筋の話として、短距離弾道ミサイル「KN02」と見られるミサイル2発を日本海側の公海へ向け発射しました。 2月10日にも同型と見られるミサイルを発射、今回はエンジンに改良を加え、移動式であるため軍事境界線から発射すれば、韓国の中部までが射程圏内に入ります。(3/16 日経) すでに北朝鮮は「核ミサイルの発射準備を終えた」とする軍将官の言葉を労働党機関紙・労働新聞に紹介。「一触即発だ」と米韓軍事衝突の危機を4日連続で掲載しています。 また、北朝鮮の軍民大会で、軍代表将官が「攻撃目標を定めた大陸間弾道ミサイルをはじめ各種ミサイルは核弾頭を装備し、待機状態にある」と演説したと伝えています。(3/9東京新聞「北『核ミサイル待機』」) 米国が対北朝鮮ミサイル防衛システムを強化 米国は、北朝鮮の核ミサイルが米国本土に到達する脅威が現実のものとなる数年後を見据えて迎撃用ミサイルの増強に乗り出しました。 ヘーゲル米国防長官は15日、北朝鮮の核・ミサイルの脅威が増しているとして、米本土を守る弾道ミサイル防衛(BMD)システムを増強すると発表。 アラスカに14基を追加配備し、地上配備型の迎撃ミサイル(GBI)を現在より5割多い44基に増やす計画が実施に移されます。(3/17朝日「米、迎撃ミサイル14基増強 北朝鮮の脅威でアラスカに」) 日本を標的にした北朝鮮の核ミサイル 米国議会調査局で朝鮮半島研究を専門とし、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)研究員のラリー・ニクシュ氏は、北朝鮮は核弾頭を小型化して「ノドン」の弾頭として装着することを目的としており、米国よりも日本を標的にしているという実態が確実との見解を示しています。(3/9産経「北の核の小型化『日本標的』」) 韓国は米軍との軍事演習を行い、米国は先手を打って「迎撃用ミサイルを増強」を行っています。 もはや、「平和憲法」の前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」日本を守る時代ではなくなりました。 朝鮮動乱が起こったとき、また北朝鮮が直接核ミサイル攻撃で脅して来たとき、日本はどうするのか、現実的な防衛策を早急に考えておかなければなりません。 日本政府は憲法9条改正、自衛隊法改正、非核三原則の見直し等を急ぐと共に、現行の憲法で許容されるものから可及的速やかに手を打つべきです。 例えば、敵基地攻撃に関する政府統一見解は「法理的には自衛の範囲に含まれ可能」とされており、遠隔地からでも敵基地を攻撃できる、精密攻撃能力の高い巡航ミサイル配備を進めるべきです。(2/20 産経「敵基地攻撃能力保有へ 北朝鮮の核ミサイルに対抗」) そして例えば、位置を特定できない巡航ミサイルを搭載した潜水艦を北朝鮮の平壌を攻撃できる日本海海底に展開させておき、日米同盟を緊密にした上でいつでも攻撃できるようにしておくべきです。 もし、日本の主要都市攻撃の脅しがあっても、北朝鮮はそれ以上の被害を受けることが予想されれば、簡単に日本を攻撃できなくなります。 後は外交上の駆け引きの問題になりますが、明日からでもすぐに準備に入れることです。安倍政権は朝鮮半島の情報分析に力を注ぐと共に、対北朝鮮ミサイル防衛策を早急に練り込むべきです。(文責・佐々木勝浩) 北朝鮮が朝鮮戦争の休戦協定を白紙化――朝鮮半島紛争勃発の危機と北の核武装から日本を守れ! 2013.03.07 北朝鮮軍の最高司令部は5日、「朝鮮戦争の休戦協定を白紙化する」「我々は休戦協定の拘束を受けず、任意の時期、任意の対象に、思い通りに精密な打撃を加える」と発表しました。(3/6 日テレ「北朝鮮『朝鮮戦争の休戦協定を白紙化』」) 韓国と北朝鮮は、南北分断状態のまま休戦協定が結ばれ、現在に至っていますが、今回、北朝鮮は60年前に結ばれた朝鮮戦争の休戦協定を取りやめると警告した形です。 これは朝鮮半島での紛争勃発の危機が一躍高まったことを意味します。 また、北朝鮮はアメリカの敵対行為に対し、「多様化された核の攻撃手段で受けて立つ」などと警告しています。 今回の北朝鮮が休戦協定の白紙化、軍事挑発の示唆は、アメリカに加え、国連安全保障理事会の制裁決議に向けた動きをけん制する狙いがあります。 国連安保理は7日午前(日本時間8日未明)、緊急の公式会合を開き、3度目の核実験を2月12日に強行した北朝鮮に対する制裁決議案を全会一致で採択しました。(3/8 朝日「北朝鮮制裁決議を採択 国連安保理、3度目核実験受け」) 決議は核兵器・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、過去3度の制裁決議に基づく制裁を大幅に強化し、大量破壊兵器を輸送できる船舶などへの貨物検査「義務付け」と、核・ミサイル開発に関わる全金融取引の凍結を盛り込んだ内容になっています。 特に、船舶などへの検査に関しては、各国政府に対し「要請」をしていたものが、法的拘束力のある国連憲章第7章41条(非軍事措置)に基づき、今回の制裁では「義務」に格上げされました。 具体的には、核兵器・弾道ミサイル開発につながるあらゆる金融取引の凍結・停止を義務化し、船舶などの貨物検査も違反の疑いがある場合は実施を義務づけています。 国連憲章第7章には平和を脅かすような行動を行った国に対し、(1)暫定措置(第40条)、(2)経済制裁などの非軍事的措置(第41条)、(3)軍事的措置(第42条)を国連が行うことを定めています。 国連では過去2回の北朝鮮の核実験に対し、国連憲章第7章第41条に準じた経済制裁を課してきました。 軍事的措置を定めた第42条では「第41条に定める措置では不十分」である場合に軍事的措置に踏み切ることができると定めています。 つまり、今回の核実験に踏み切った北朝鮮に対し、「経済制裁では北朝鮮の核武装を止めることができない」と安全保障理事会が認めれば第42条に基づいて軍事的措置をとることが可能です。 そのため、北朝鮮に対する軍事介入を好まない中国は国連憲章第7章への言及を削るよう反対していたと考えられます。 第41条に基づいた制裁決議になることで、法的根拠をもった制裁決議にはなりましたが、問題は制裁決議に違反をした国に対する罰則規定がないことです。 早くも、アメリカ政府や国連安全保障理事会のなかで「北朝鮮の後ろ盾となってきた中国が本気で制裁に取り組まなければ効果は薄い(3/6 日経朝刊7面)」「制裁の効果は中国がどこまで検査を実施するかにかかっている(同日、日経夕刊2面)」という声が上がっています。 事実、北朝鮮からイランへ武器を積んだ船舶がアラブ首長国連邦で拿捕されましたが、その前に寄港した中国では積荷の検査が行われていなかったとみられています。 今回の制裁決議の内容は貨物検査の「義務」付け、金融制裁の強化、国連憲章第7章への言及など、ほぼアメリカ側の主張が通った制裁決議の内容になったというようにみえます。 しかし、いくら貨物検査、金融制裁を強化したとしても、北朝鮮と国境を接した中国が支援を続ければ全く意味がありません。 制裁決議の内容を実のあるものとするためには、制裁決議に違反した国に対する罰則規定を盛り込み、中国が北朝鮮の支援を行えないよう監視を行う必要があります。 国連で監視団を組織し中国と北朝鮮の国境沿いに派遣するということも視野に入れるべきではないでしょうか。 恐らく、このような行動を取れば、中国側は内政干渉だというクレームをつけてくるでしょうが、それにより、中国が安全保障理事会の常任理事国としてふさわしくないことが明らかになります。 このような事実の積み重ねを背景に、中国を常任理事国から追放する運動を起こしていくことが重要です。 つきつめて考えると、北朝鮮への制裁は北朝鮮を背後から支援している中国への締め付けにつながります。 しかし、世界第二位の経済大国になった中国との関係悪化を覚悟してまで、北朝鮮に対し強硬策をとれないというのがアメリカを中心とした先進諸国の実状ではないでしょうか。 残念ながら現状では、北朝鮮は中国からの支援を受けて核開発、ミサイル開発を続けていくと考えられます。 日本は国連に過度な期待を抱かず、独自で国民を守れるように手を打つべきです。 幸福実現党は北朝鮮の暴挙に対し、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈の見直し、先制的な自衛権の行使、核武装の検討を通じ、日本を北朝鮮の核兵器から守り抜きます。(HS政経塾1期生、幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 安倍政権は米軍普天間基地の辺野古移転の早期実現を! 2013.03.03 米普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、防衛省は地元の漁業権を持つ名護漁業協同組合に対し、文書で埋め立てへの同意を要請しました。(2/27 産経「名護漁協に同意要請 防衛省、辺野古埋め立て」) 3年半前の民主党政権が成立するまで、日本政府は十数年の歳月をかけて沖縄と米軍との交渉を重ね、米軍普天間基地を名護市辺野古に移設を進めていました。 ところが、鳩山首相は米軍普天間基地の移設は「最低でも沖縄県外」と発言。これが後押しとなって国内の左翼反米勢力が息を吹き返しました。 沖縄の反米の声は本当か? 今年1月末には、米軍辺野古移設反対を唱え、沖縄県内の全41市町村の首長らが「沖縄自治体の総意」であるとして、「オスプレイ配備撤回」を求め、東京・日比谷公園で集会を開き、銀座などでデモを行い、安倍首相への誓願活動を展開しています。 しかし、「オスプレイ配備歓迎」の声は中国の脅威が迫る沖縄では増えており、オスプレイ配備反対の声は決して「沖縄県民の総意」ではありません。 事実、昨年8月4日、那覇市内で開催された「中国の脅威から尖閣・沖縄を守ろう!県民集会」には、尖閣・沖縄を守るためのオスプレイ配備を求めて700人を超える沖縄県民が参加しています。⇒沖縄県民が「尖閣危機とオスプレイ配備賛成」県民集会を開催!! 実際には、沖縄の左翼新聞や沖縄県外からも入り込んだ反米活動家によって、「オスプレイ賛成を言えない空気」がつくりあげられ、地元沖縄県民の「オスプレイ配備賛成」や「米軍の辺野古移設賛成」の声を封殺しているに過ぎません。 オスプレイ配備反対から米軍撤退、日米同盟破棄を目論む左翼勢力 40数年前、左翼は沖縄返還の際に「米軍全面撤去しなければ、沖縄の本土復帰はありえない」という運動を沖縄県民の声として展開しました。 その「日米同盟破棄の運動」が、「オスプレイ反対」運動を機縁として、また息を吹き返しているのです。 しかし、「オスプレイ配備撤回」の運動の先には「普天間米軍基地閉鎖」「日米同盟破棄」を狙った一貫した運動の流れがあることを見抜かねばなりません。 日米同盟が破棄されて喜ぶ国がどこかは言うまでもありません。 私たちは沖縄を真に守るために虎視眈々と沖縄を自治区化しようとしている中国の動きがあることを忘れてはならないのです。 米軍の辺野古移設を受け入れる地元の声 反米活動家たちが「オスプレイが都市部上空を低空飛行するのが危ない」というのであれば、普天間基地を海上滑走路型の辺野古に移設するのが筋です。 先月21日、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設促進を求める市民大会」が名護市内で開かれたことはほとんど報道されていません。(2/21 大分合同新聞社「普天間、一日も早く名護へ」) これは「オスプレイ配備反対集会」のように沖縄県外から動員によって「つくられた沖縄県民の総意」ではなく、沖縄本島北部地域の企業などで構成する「北部地域振興協議会」が主催し、地元市民が約1000人参集した集会です。 参加した約千人(主催者発表)の市民らは「危険な普天間飛行場を固定化させず、一日も早く移してもらいたい」と訴えています。 島袋吉和名護前市長は「辺野古移設がないと地域経済は成り立たない。北朝鮮、中国の脅威からも基地機能を低下させてはいけない」と強調しています。 また、名護漁協の古波蔵廣組合長は、防衛省からの埋め立てへの同意書の要請に対して「99%同意が出ると思う」語っており、沖縄県民が米軍普天間基地の辺野古移設に関して「移設反対一色」でないことを表しています。(3/3産経「【主張】県は普天埋設の容認を」) 政府も辺野古への移設に向けて、仲井真知事に対する移設先の海面埋め立て許可申請を3月末で調整しています。(3/2 産経「辺野古埋め立て申請 3月末で調整」) 安倍政権は米軍普天間基地移設の早期実現を! 安倍首相が日米首脳会談でオバマ大統領に「移設の早期推進」を約束したことは評価されますが、対中国、対北朝鮮防衛を考える上で、日米同盟の堅持・強化は不可欠であり、早急な実現が必要です。 米国は歳出強制削減が発動され、国防費が大幅に削減される中、オスプレイの安全運用のためにも、米軍普天間基地の辺野古への移設は早急に推進すべきです。 安倍政権は、民主党政権のように反米左翼に意図的につくられた「普天間基地閉鎖」の沖縄県の世論操作に惑わされることなく、日本の国防を第一に考え、沖縄県民の「真の声」を受け入れ、米軍辺野古移設を早急に断行すべきです。(文責・佐々木勝浩) 米、財政支出の強制削減発動、国防費大幅削減へ――日本は自主防衛を急げ! 2013.03.01 米オバマ大統領は3月1日(日本時間2日未明)、ホワイトハウスで会見し、「馬鹿げた恣意的な歳出削減が今日始まる」と述べ、政府支出の強制削減の発動が不可避になったことを表明しました。(3/2 朝日「米、財政支出の強制削減発動へ 回避策協議は平行線に」) 米議会予算局の試算では、強制削減発動により、今年末までに官民で75万人の雇用が失われ、米GDPに0.6%のマイナスの影響が出るとされています。 「強制削減」とは「sequestration(差し押さえ)」の訳で、米国の財政再建に向け、毎年度、強制的に歳出がカットされる仕組みのことです。 これは2011年8月にアメリカ議会を通過した「予算制限法(Budget Control Act)」で設けられた「効果的な財政再建策が与野党間で合意に至らない場合、連邦予算を一律10%削減する」という「トリガー条項」に基づく措置です。 削減額は毎年1100億ドル(約10兆2000億円)で、総額で1兆2000億ドル(約111兆円)にものぼります。 削減額の半分(550億ドル、約5兆1000億円)は国防費の歳出カットで賄われ、米国防総省は約80万人の職員を一時帰休させ、西太平洋の海軍活動も縮小するとしています。(2/28 日経「米歳出強制削減、発動あすに迫る」) 今回の米国の財政支出の強制削減によって、日本の国防にいかなる影響が出るのでしょうか? 米国防総省は国防予算削減の動きを受け、既にアメリカ陸軍やアメリカ海兵隊の人員削減のシミュレーションを行なっています。 更に装備の調達などを効率化する動きもあり、アメリカ軍を支える「ヒト」や「モノ」が次々と削減され、将来、動乱が起きた場合に柔軟に対処できない可能性も出てきます。 特に、日本と関係があるのは、在日米軍の主要部分を構成する米海軍や米空軍の動きです。 強制削減が開始されれば、米海軍が持つ10個の空母航空団(航空母艦に搭載される艦載機部隊)のうち、4個が活動停止に至ります。(2/28 産経「迫る歳出強制削減 米空母4隻、停止の危機」) 現在、米海軍は9隻の原子力空母と10個の空母航空団を運用していますが、その全てが活動しているわけではありません。 常に2~3隻の空母は定期整備や長期整備などで戦列を離れ、空母航空団も部隊をローテーションさせることによって隊員を休ませたり、機材を整備したりしています。 しかし、このうちの4つが活動を停止すると、全世界に展開する原子力空母のローテーションに深刻な影響を与えることになります。 現在、米海軍の原子力空母はペルシャ湾と太平洋に重点的に配備されていますが、これは、イランなどの中東の危機に対処するためと、中国の台頭を牽制するための措置です。 この抑止力が無くなってしまうと、中東や東アジアで戦争勃発の危機が高まる恐れがあります。 アメリカの戦略は、危機が起きる恐れのある地域に部隊を配備する「前方配備」を次第にやめていき、同盟国の軍隊を強化するために支援をしていく「同盟国強化」の流れに切り替わりつつあります。 更に、米軍は上陸作戦を得意とし海軍、海兵隊などで構成する両用即応部隊の出動も見合わせる方針で、米軍の即応能力に「深刻な影響が出る」のは避けられない状況です。(同上) こうした流れの中で、中国・北朝鮮の脅威が迫る日本は、米軍のみを頼りにしていては、国家と国民を守り抜くことができません。 今回の米予算の強制削減を機に、「自分の国は自分で守る」という自主防衛の確立に向け、日本政府は早急に防衛戦略を練り直すべきです。 幸福実現党は7月の参院選で、他のいかなる政党も掲げていない、「自分の国は自分で守る」という「自主防衛」体制の確立を強く訴え、戦って参ります。(文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 83 84 85 86 87 … 98 Next »