Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 集団的自衛権などの防衛強化は外交に直結する 2014.06.30 文/HS政経塾3期生 たなべ雄治 ◆中国の拡張主義がもたらす危機 尖閣諸島をめぐり、領海・接続海域への侵入や軍用機の異常接近など、中国の挑発はエスカレートしています。また、ベトナムやフィリピンなどは、日本以上に危機を感じていることでしょう。 中国の脅威にさらされるアジア各国にとって、頼みの綱はアメリカの軍事力です。しかし財政難と世論に引っ張られ、アメリカは世界の警察から降りようとしています。 将来を見すえるならば、アジア各国はアメリカ依存から脱却して、自分たちの力で平和を維持できるように変化・成長することが望まれます。 ◆外交による抑止 アジアの各国は、中国の侵略に協力して対処することが必要です。もしお互いに助け合うことなくバラバラのままであったら、中国に各個撃破されてしまうでしょう。 南シナ海のもめごとの原因は中国ですが、「二国間での交渉」を主張して、フィリピンが求める国際司法裁判所の仲裁にも応じようとはしません。力の差のある二国間協議に持ち込みたい中国に対抗するには、アジア諸国の協力関係が有効です。 ◆インドの重要性 アジア各国との協力関係の中でも、特にインドの重要性を強調したいと思います。以下にその理由を述べます。 インドは、中国と領土問題を抱えています。1962年には中国の奇襲を受け、敗北を喫しており、中国の拡張主義には危機感を持っています。 また、インドは民主主義国家です。中国のような全体主義を嫌い、日本やアジア、欧米の民主主義国家と共通する価値観を持ちます。 さらに、経済的な重要性もあります。軍事費はGDPに依存します。今後数十年のGDPの予測では、日本もインドも、単独では中国の経済力にかないません。しかし、日本とインドを足せば、中国と拮抗することが可能です。 加えて、日本とインドは、海上輸送路(シーレーン)の3分の2が重なっています。中東から東南アジアにかけて、航行の自由を協力して守ることは、相互利益につながります。 最後に、日本とインドには、領土問題が発生しません。安定した友好関係を築くことが可能です。 ◆インドの外交姿勢 ではインドと同盟を結べばよいかというと、そう簡単ではありません。 今年の五月には、インドで“世界最大の総選挙”が行われました。経済成長を政策の柱に掲げたナレンドラ・モディ氏率いるインド人民党が大勝し、10年ぶりの政権交代が起こりました。 経済停滞に悩むインドの有権者は、州知事時代に経済成長の実績があるモディ氏を選択したのでした。 ゆえに、モディ首相はインドの経済成長を最優先に考えるでしょう。それは、インドの対外貿易額1位である中国との敵対を避けることを意味します。 この選択は、インドにとってはごく当然のことなのです。インドは1947年の独立以来、「非同盟」を国家戦略の柱にしてきました。仮想敵を作ることをせず、徹底した全方位外交を行ってきました。 近年「非同盟」は建前化してきているとも言われていますが、中国と敵対する選択=「日印同盟」はあり得ないのが現実でしょう。 ◆一国主義では長期的に生き残れない 政治は国益を最優先に考えるのが当然です。インドの国益から考えると、経済成長のためには中国との良好な関係が重要です。 しかし、長期的に見るとどうでしょうか。 もしもインドが中国との経済協力を優先させ、日本や東南アジア諸国が中国の支配下に置かれることを黙認したとしましょう。中国は、西太平洋までの制海権を確保し、アメリカをアジアから追い払うことに成功します。 しかし、それだけでは止まりません。資源と食料が不足する中国は、次はインド洋のシーレーンを押さえに来るでしょう。 その時インドは、さらに強大になった中国に単独で対抗せねばならなくなります。これはインドにとって望ましい未来ではないはずです。 国益とは経済だけではありません。全体主義国家による危険性の排除、自由や人権といった価値の実現も含まれます。 インドの考え方を学びつつも、日本の考え方をインドの為政者や有権者に説明し、共有していくことも外交の仕事のひとつです。 現時点では、インドの対中関係に理解を示しつつも、戦略の相互理解を進め、軍事的な協力関係の準備を進めていくべきでしょう。 ◆最大のネックは日本にあり しかしながら、中国の拡張主義に対して日印が協力して対抗できるかというと、残念ながら道程は遠いと言わざるを得ません。 集団的自衛権が認められることは大きな前進です。友好関係にある国が攻撃された時に協力して反撃することは、同盟の最低条件だからです。 しかし、それでも不十分です。例えば専守防衛も同盟にとって大きな障害です。反撃しか許されないのであれば、第一撃が大量のミサイル攻撃だった場合、全滅する恐れもあります。 根本的には、憲法を改正し、世界の民主主義国家と同レベルのルールで運用される軍隊が必要です。 現状では、いかなる同盟も不可能です。アジアの平和を守るためには、憲法改正は絶対条件です。 「集団自衛権」を容認しないと日米同盟は持たない 2014.06.27 幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆正当防衛として戦える権利 集団的自衛権についてわかりやすく説明しましょう。 あるとき、Aさんと親友のBさんが、繁華街で暴力団にいちゃもんをつけられて、Aさんが暴力団にボコボコに殴られたとします。 警察が到着するまでの間、BさんはAさんと自分を守るために、正当防衛として戦えるという権利――それを集団的自衛権といいます。 ですから国際法は、すべての主権国家が持つ「自衛権」(正当防衛)のひとつとして、集団的自衛権を認めています。 しかしこれまで日本だけが憲法9条を理由に「権利はあるが、行使はできない」と、集団的自衛権を否認し続けてきました。そんなおかしな議論をしている国は、国連加盟国では日本以外にはありません。 今回の憲法解釈の見直しによって、集団的自衛権を認めることは、日本が普通の主権国家になる一歩と言えるでしょう。 ◆日本は米国に「守ってもらっているだけ」 世界の国々は自分の国を守るために同盟を重視しています。たとえばNATO(北太平洋条約機構)は集団的自衛権で結びついています。 加盟国のどこかの国が攻撃された場合、他の国が守るという約束をしているのです。通常の同盟はこの考え方で成り立っているのですが、日米同盟だけが例外でした。 アメリカは有事の際には日本を守ると約束していますが、日本はアメリカを守らなくてもよかったのです。 これを「片務性」といいますが、なぜこの不平等な同盟が許されてきたかというと、冷戦時代、アメリカはソ連と対峙するために、日本に米軍を駐留させることを重視していました。 しかし冷戦が終結したいま、日本に米軍基地を置けるというメリットだけで日本と同盟を結んでいることに、アメリカにとってどれだけの利益があるのか疑問視され始めています。いわゆる「日本の安保ただ乗り論」です。 ◆集団自衛権を容認しないと日米同盟は持たない 現在、中国は軍事力を年々増強し、日本への領海・領空侵犯などをくり返しています。 オバマ大統領は、「日本の施政下にある領土は、尖閣諸島も含めて日米安全保障条約の第5条の適用対象となる」と、日米同盟に基づいて、尖閣諸島に何かあれば米軍が動くと明言していますが、これはアメリカが「集団的自衛権を行使する」と言っているのです。 にも関わらず、当事者である日本が逆に「集団的自衛権を行使できない」と言っていたのでは、「なぜそんな国の、人も住んでいない小島を、莫大な軍事費と米兵の命をかけて中国から守る必要があるのか」と考えるのも当然でしょう。 集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、日米を真の同盟関係にするために、どうしても必要な国家の選択です。 ◆同盟国・友好国を見殺しにする日本 このように、集団的自衛権を行使できるようにしなければ、今後、日米同盟そのものが危機に陥る可能性があります。たとえば北朝鮮がミサイルをアメリカに向けて発射した場合、日本は「集団的自衛権を行使できない」ため、撃ち落とすことができません。 そのままミサイルがアメリカに着弾した場合、「こっちは日本に何かあったら守るのに、なぜ日本はアメリカのピンチに何もしないんだ。同盟国じゃないのか」と、アメリカ世論は不満が噴出するでしょう。 さらに、日本に原油などを運ぶタンカーが通過するシーレーン(海上交通路)は、米軍の第七艦隊が常に守ってくれています。いま、中国は南シナ海で活発な石油採掘活動を行っており、ベトナムの排他的経済水域内でもお構いなしです。 発掘を止めようとしたベトナムの艦船に中国の艦船が衝突した事件もありましたが、もしも中国がシーレーンを封鎖しようとして、米軍の第七艦隊と軍事的に衝突した場合、自衛隊が動かないのは、同盟国としてはありえないことです。 もしものときに集団的自衛権を行使しなければ、アメリカは日米同盟破棄の方向に向かうでしょう。 以上、日米同盟の大切さを述べて参りました。 なお、この論考の続編として「中国の脅威から日本や世界をどのように守るか」について「Are You Happy? (アユハ)8月号」で記事を掲載いたします。 関連記事として「集団的自衛権」の基本的な知識についても、わかりやすく解説しております。 ◆是非!書店にてお求めください。 6月30日発売!「Are You Happy? (アユハ)8月号」 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1191 イラク情勢から垣間見る、とても慎重なアメリカ――日本は自主防衛の強化も淡々と進めるべき 2014.06.26 HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆山場が続く、集団的自衛権の行使容認の議論 これまで9回行われた「安全保障に関する与党協議会」を通じて、集団的自衛権行使容認に関する議論は深まるものの、公明党内の意見集約は週明けにずれこむ見通しです。 安倍政権としては、来週7月4日までの閣議決定を目指しており、与党内での議論は最終局面に入っています。閣議決定を急いでいるのは、秋の臨時国会において、集団的自衛権の行使を容認することで付随する自衛隊法・周辺事態法などの改正法案の作成をスムーズに行うためです。 改正法案の作成に向けて新しい動きも出ており、年末に改定予定の日米防衛協定の指針(ガイドライン)の骨格の中間報告を9月中旬にまとめることを検討しており、改正法案にガイドラインの中間報告を反映させて臨時国会に臨む方向のようです(6/26産経)。 7月の閣議決定、秋の臨時国会、年末の日米ガイドライン改訂と、日本の防衛における安全性を具体的に推し進める議論が進んでいます。しかし、一方で「自分の国は、自分で守る」日本の自主防衛の強化についても着々と進めることも忘れてはなりません。 ◆イラクで起きている内乱 イラクでは今、内乱が起きています。イスラム教スンニ派のアイシス(ISIS:イラク・シリアのイスラム国)という過激派組織が、6月10日イラク北部のモースルを占領し、さらにその勢力を拡大しています。 イスラム教シーア派のマリキ首相は、アイシスを鎮圧しようとしていますが、横行する汚職や排他主義的政策で、スンニ派とクルド人勢力に加えて、自身の属するグループでもあるシーア派内からも辞任要求が出ています。 マリキ首相は辞任を拒んでいますが、所属する「法治国家連合」の国民議会の議席数は過半数を大きく割り込んでおり(328議席中92議席)、で連立を組めないことから、現状の方針をそのまま貫くのであれば、辞任は避けられない状況です。 ◆アメリカのイラク情勢へのスタンス アメリカのケリー国務長官は、7月1日までにイラク新政府の立ち上げを始めるように求めていますが、イラクは新たな連立政権を築けるかどうか、依然として不透明な状況です。 オバマ大統領は、イラク政府軍の側面支援のために最大300人規模の軍事顧問団を派遣する方針を示しており、既に第1陣の130人が活動を始めていますが、これ以上の関与はしないでしょう。 アメリカ軍は2011年にイラクから完全撤退しており、2016年末にはアフガニスタンからも撤退する方針です。イラクの事態収拾のために積極的に関与することは、撤退の流れに逆行することにもなるからです。 ◆イラン、シリアとのアメリカの微妙な関係 さらに、現在アメリカは、6カ国協議の一員として、イランの核開発問題についての交渉を継続していますが、なかなか交渉の妥結点が見えない状況です。多数がシーア派のイランは、イラクのマリキ政権(シーア派)を支援していることから、イランを刺激しすぎることも得策ではありません。 アイシスは、シリアのアサド大統領(シーア派のアラウィ派)に反抗しており、アイシスを撃退するということは、まわり回ってアサド大統領のサポートにもなりかねません。 ◆アメリカは複雑な事情をいくつも抱えている イラク情勢ひとつ見ても、各国の国益が複雑に入り組んでおり、そうした状況にアメリカは今も対応しているわけです。こうした複雑な事情をアメリカは抱えていることを認識しておくことが大切です。 確かに4月24日の日米首脳会談の際に、オバマ大統領は尖閣諸島など、日本の施政下のすべての領域は、「日米安全保障条約の適用範囲内にある」と歴代大統領として初めて明言しましたし、日本の集団的自衛権の容認を支持しています。 そして、今集団的自衛権の容認の方向で、日本の政治日程は動いています。しかし、イラクの事例でも述べたように、アメリカも複雑な事情を抱えており、日本が有事の際にどこまでアメリカが動くかは、必ずしも日本の望むものではないかもしれないことは、頭の片隅にいつも置いておくべきではないでしょうか。 今、東アジア情勢も予断を許さない状況です。集団的自衛権の行使容認の議論が進みつつあるとはいえ、日本の防衛議論はまだ始まったばかりであり、ここで満足することなく「自分の国は、自分で守る」自主防衛の強化をさらに進めるべきです。 ―――――――― ◇お知らせ:You Tubeチャンネル「HS政経塾オピニオン」について HS政経塾生の研究をいかして、踏み込んだ視点でニュースの裏の裏を解説します。 HS政経塾オピニオンはこちら→ https://www.youtube.com/user/HSSeikeijukuOpinion 香港は、自由と民主主義を守るアジアの砦 ――権力で人々から自由を奪うことはできない 2014.06.24 文/兵庫県本部副代表 湊 侑子 ◆普通選挙が実施されていない香港の現状 現在、香港では普通選挙が実施されていません。 1997年にイギリスから中国に返還された香港は、香港特別行政区基本法(ミニ憲法ともよばれる)において、2007年からは普通選挙が行われることが定められていました。 しかし、中国共産党の全人代による解釈の変更により、普通選挙は2014年の今に至っても実行されていません。 現在の香港のトップである香港特別行政区長官は、3代目の梁振英(りょうしんえい)氏。彼は中国共産党員ではないかとも噂される人物です。 行政長官になるためには、親中派でなければ立候補することも選ばれることもできない状態であり、北京政府に選ばれている状態です。 また、香港の国会議員(定数70名)も、半分は直接選挙で選ばれますが、残りの半分は職能団体から選ばれるようになっています。親中派が民主派(反中派)に数で勝っている状態です。 このような中、先日釈量子党首は香港に行き、香港民主派リーダーたちと対談を行い、香港において完全な民主化が成し遂げられることが、中国大陸の民主化を後押しすることを確認。アジアの自由と平和を守ることを約束し合いました。 参考:THE FACT 第11回 「中国が香港・台湾を呑み込む日~シリーズ天安門事件25年(2)~」 http://www.youtube.com/watch?v=gCsOLxhcCGk ◆普通選挙を求める香港市民たち またこのような現状を打開したい普通選挙導入を訴える民主派の民間団体「オキュパイ・セントラル」による、2017年の香港特別区行政長官選挙での選挙案を選択する全住民投票が行われました。(6/22 「中国の香港支配にノー!普通選挙導入を!市民団体主催の“選挙”投票」 Record China) 次回の行政長官の選挙は2017年に予定されており、この選挙において普通選挙を実施することが民主派の人々の合言葉となっているのです。 今回の投票の設問には、2017年の普通選挙の3つの実施案以外は棄権しかなく、中国政府拒絶を示す民意調査の側面が強く表れています。 6月20日から電子投票、22日からは投票所が開設され、22日の夕方時点で、香港700万人のうち、1割近くの65万人の投票が集まったと報道されています。同時に、電子投票はハッカー攻撃にあったことが分かりました。(6/23 「65万人 中国案“拒否”」 産経) この報道からも、香港において、民主派と現状維持派(親中派)が大きく対立し合っていることが分かります。 ◆天安門 25周年記念式典に参加して 天安門事件から25周年であった今年、香港のヴィクトリアパークには、過去最大人数の18万人が集合しました。私もその中の1人として、参加しました。若者が大変多く、その中でも中高生の参加者が目を引きました。 天安門事件で亡くなった大学生たちの名前が呼ばれる中、皆で黙とうを捧げます。中には涙を流して彼らの冥福を祈っている若者もいました。 そして、会場全体で天安門事件のテーマソング「自由花」を歌います。 「覚えておきなさい、たった一つの死なない夢を。 たとえ豪雨に打たれても、自由の花は咲くのだ」 「一つの真理、理想を永遠に求め続ける」 このように歌う彼らを、中国共産党政府は権力で押さえつけ続けることはできないでしょう。 彼らは、自由から生まれる幸福というものを知っているのです。自由を守るためには、命を賭けてでも戦い抜く。これが人間の底力なのだと感じました。 香港民主化のリーダー、マーティン・リー氏は釈量子党首との対談でこのようにおっしゃいました。 「どんな独裁者も続かないというのは歴史の教訓です。人々の力が必ず勝つと信じます。」 神から与えられた自由を行使することにより、幸福が生まれることを信じる者として、何としても香港の真なる民主化を応援し、中国13億人にも民主化の風を吹かせたいと心に誓いました。 日本の経済成長のカギは「科学技術」への投資 2014.06.22 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆伸び悩む「成長戦略」 昨年、アベノミクスの第一の矢である「金融緩和」(日本銀行が市場にお金を大量に流す)によって景気回復の期待が膨らみ株価は急上昇しました。しかし今年に入って株価は下がっています。 原因は、昨年出されたアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」に投資家が魅力を感じなかったことと、もう一つは「金融緩和」を続けても大手銀行にお金が滞留し、企業への貸し出しが伸び悩んでいるからです。(5/15朝日「大手六行、リーマン後最高益、貸し出しは伸び悩み」) そこで安倍政権は、昨年に続いて2回目の「成長戦略」の骨格をまとめ、6月末までに正式発表しようとしています。内容は法人税率の引き下げ、労働時間規制の緩和、混合診療の拡大、農業の活性化、年金資金の運用改革などです。 果たしてこの「成長戦略」が、投資家の期待を集め、銀行の貸し出しを増やして日本の経済を押し上げるものになるのか、今後注目されるところです。 大胆な経済成長のうねりを起こすためには、大量のお金が投資され、お金が回りだし、企業の業績が伸びて雇用を生むものでなければなりません。 ◆成長戦略のガキは科学技術への投資 かつてイギリスは紡績機や織機などの機械の発明で大量生産を可能とし産業革命を起こしました。そして「蒸気機関車」で大量生産した物資を流通させたことで経済が発展しました。 またアメリカの経済発展の象徴は「自動車」の発明にあったと言えます。 日本の政治家の中には「今後日本は成熟期を迎えて、もう経済成長なんかしない」と決めつけていますが、それでは新たな経済発展の発想は生まれないでしょう。 そうではなく未来産業を生み出す気概や夢を国民に持たせ、そのための牽引役になることこそが政治家の使命ではないでしょうか。 一般的に科学技術には「軍事技術」と「民間技術」があります。「軍事技術」はアメリカが一番ですが「民間技術」は日本が世界の最先端を走っています。 しかし、日本は「科学技術」に重きを置いていないのかもしれません。「文部省」と「科学技術庁」を一緒にして「文部科学省」として統合してしまったことがそれを象徴しています。 できれば数十ある科学技術系の独立法人を統合し文科省の科学技術部門と統合し「科学技術省」として独立させるか、文科省の科学技術部門にもっと光を当てる必要があります。 今の日本は、スタップ細胞の小保方氏もそうですが、理系の大学や大学院を卒業した優秀な科学技術者や研究者が一年契約やアルバイトで生活しなければならない状況にあります。つまり優秀な科学者の卵を人材として生かし切れていないのです。 ◆一つの科学技術は10年あれば完成する 米国では、予算に限りがある民間ではなく「国防省」が科学技術の基礎研究をしています。 兵器の開発は国家の威信がかかっているため最先端の研究が行われ、その基礎研究の成果を民間企業に譲渡することによって企業の発展、経済の発展に貢献しています。今は車で当たり前になっているGPSの技術がそうです。 日本で言えば「リニア新幹線」や「ロボット産業」、これから期待される「宇宙開発」に焦点を当てるべきでしょう。こうした「科学技術」を育て新たな基幹産業を生み出すことは可能です。 新たな技術開発は10年もあれば可能です。たとえばアメリカは、原爆が4年、コンピューターは6年、アポロ計画は8年、GPSも8年です。 問題の資金は官民ファンドを設立し科学技術開発に投資してもらう形にします。国民も国が関わる事業であれば、株式投資よりリスクが低く安心して投資できます。投資であれば国もバラマキではなく回収することもできます。 また開発した技術を民間に売れば、それまでアルバイトであった科学技術者や研究者の雇用も促進され、次の研究費も生み出すことができます。企業も研究開発費を安くでき商品化することで新たな事業を展開できます。 ◆ミサイル攻撃を無力化する技術 安倍政権は、「積極的平和主義」を謳っていますが、例えば日本にあるレーザー技術を生かして「レーザー砲」を発射できる「宇宙船」を開発するのです。 これが出来れば日本を照準に合わせた中国の核ミサイルを無力化できます。他国にも売れば世界平和にも貢献できます。 アメリカには1980年代にレーガン大統領の「スターウォーズ計画」がありましたが、これを日本の「宇宙戦艦ヤマト計画」と名付けてもよいでしょう。 発射するのは、「波動砲」ではなく、「レーザー砲」ですが、「宇宙戦艦ヤマト」のように地球を救います。 「トンデモ発想」と言われるかもしれませんが、100年前、鉄の塊が海に浮かび、鉄の塊が空を飛ぶと誰が予想したでしょう。要は、夢を実現する気概とそれを実現するために挑戦することです。 この「宇宙戦艦ヤマト計画」の研究過程では、コンピューターやGPS以上の民間の企業が欲しがる技術や製品が数多く開発されるでしょう。これが日本を再び経済成長へ導き国防も強くします! 参考:『ニュー・フロンティア戦略』杉山徹宗著(幸福の科学出版) 映画「アナと雪の女王」と「自由の価値」について 2014.06.20 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆「自由」の歓びを歌いあげた主人公、アナ 今、日本だけでなく、全世界的にディズニー映画「アナと雪の女王」が大ヒットしています。映画は見ていない方でも街中で、松たか子や神田沙也加が歌う劇中歌はお聞きになったことと思います。 私も、映画を観る機会がありました。内容に深く触れることは避けますが、主人公の一人、エルザは、ある王国の王女として生まれますが、幼少時に自分の「超能力」をコントロールすることができず、妹であるもう一人の主人公、アナを傷つけてしまいます。 その結果、両親である国王夫妻は、王国の門を閉ざし、王女と外部との接触を避けることを決めます。 エルザを守るための親心からの判断でありますが、事情を知らない周辺の諸国には突然門を閉じてしまった事が不思議でありました。 やがて、長じたエルザが女王になることを機会に王国は、ようやく門戸を開く事となるのです。この時、アナにも「自由」が与えられることとなり、歓びの歌「生まれて初めて」を歌うのです。 この歌を聞くと、いかにアナが自由を求めていたのかが分かります。そして、ディズニー映画を生み出したアメリカも「自由」の価値をよく理解していると思いました。 ◆「自由」に危機を抱く香港の民主化リーダーたち 先日、幸福実現党の釈量子党首は、去る6月4日、5日に香港を訪れ、二人の民主化リーダーと会談を行いました。 中国は、民主化を求める多数の学生たちを軍隊が一方的に弾圧した「天安門事件」から25年目を迎えました。 中国は先日、「従軍慰安婦」と「南京大虐殺」に関する資料をユネスコの「記憶遺産」に登録申請を行った事が明らかになりました。私たち幸福実現党は、これらの事件がねつ造であることを明らかにし、全世界に向けてその真実を訴える活動を始めております。 中国側はありもしない事実について、どのような資料を「記憶遺産」として提出したのでしょうか。ユネスコとしては、資料を7月に公開する可能性が高いとのことですが、いっその事、「天安門事件」そのものを「記憶遺産」に登録して、世界中にその自由を抑圧した出来事を共有してもよいのではないでしょうか。 以上のとおり、中国は日本に対して、いわば思想戦を仕掛けている状況でありますが、今回、釈党首と会談を行った香港の方々は、中国の民主化を進めていこう、とする世界的な基準からまっとうな主張を行っているのです。 彼らは、釈党首に対して「北京政府は世界的に信頼を失っている。」「香港では真の民主化が行われることが必要。」と真摯に訴えています。実際の映像は、パソコンのユーチューブ動画「THE FACT」の以下のアドレスでご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=gCsOLxhcCGk 映画「アナと雪の女王」は中国でも大ヒットしていると思いますが、この映画のテーマをしっかりと受け止め、中国の指導者の方々には「自由」の大切さ、民主化への理解を深めていただきたいと思います。 ◆一方、日本にも「真の自由」はあるのか さて、かといって、私たち日本も「自由を尊んでいる国」であるかというと、TPPをめぐる動き、小保方氏についての一連の騒動を見る限り、大変怪しい、というのが印象だと思います。 特に小保方氏について、その主張は「STAP細胞は存在する」というもので、現時点に至るまでその訴えはまったく変わる事がありません。 しかしながら、マスコミ、関係者の視点は論文の形式的なところに集中しており、小保方氏の業績については、まったく触れていない事に大きな違和感を持ちます。 そして、世界的な業績を上げるはずだった論文は「ねつ造」の烙印を押され、いったん取り下げという形になってしまいました。 今回の一連の事件を見る限り、やはりムラ社会的な嫉妬が合理化されているのではないでしょうか。 そして、有能な若手の方々にとって「日本で業績を上げることは難しいのではないか」と大きな失望を与える結果となってしまいました。 こうしたことが本当に「自由の国」において許されてよいのでしょうか。 ◆日本がリーダー国家になるために必要なもの 私たち幸福実現党は、明確に「繁栄」を目指しています。しかし、それは単なる繁栄ではなく「精神的な支柱」が必要だと主張しています。 映画「アナと雪の女王」の中でも、閉ざされた国家が門戸を解放し、繁栄に至るために必要なものが最後に示されることになりますが、私たちも同様に精神的な支柱が必要だと訴えてきました。 そのためには、「愛国心」がまず必要です。そして、成功者をどんどん輩出するために、国家が「繁栄のビジョン」を示す事、そして実際に業績を上げる方に対して嫉妬せず、素直に「祝福するマインド」が必要であります。 幸福実現党には、これらの条件を満たす事ができる様々な政策があります。当面は、中国との思想戦に勝利する活動が柱となりますが、日本が世界のリーダーとなるための努力を続けていく所存です。 世論をミスリードする大手新聞社に「正義」はあるのか-集団的自衛権- 2014.06.19 文/HS経塾一期生 彦川太志 ◆集団的自衛権問題でネガティブキャンペーンを張る大手新聞社 19日付けの新聞各紙で、集団的自衛権の行使容認について7/4に閣議決定実施される方向で調整されていることが報道されました。日本とアジアの平和を守るため、大きな一歩を踏み出すことになりそうです。 ところが、閣議決定に向けて着々と準備が進められる一方、大手新聞社の記事で「『機雷除去』薄い現実味」(6/17朝日新聞)「『米艦で邦人救出』過去には拒否」(6/16朝日新聞)など、議論をミスリードしようとする試みが目に付きます。 ◆「ペルシャ湾の機雷封鎖はありえない」と断言できるのか 例えば6/17付けの朝日新聞では、「『機雷除去』薄い現実味」と題して、政府が集団的自衛権の行使対象とした「ペルシャ湾での戦時の機雷除去」は発生する可能性そのものが低いと論じています。 確かに、イランのロハニ政権は、今のところアフマディネジャド前政権のような強硬姿勢を表明しておりませんが、高濃縮ウランの開発も放棄しておりません。 そうであれば、欧米に対する“交渉カード”として「機雷によるペルシャ湾の封鎖」をいつイランが持ち出してきてもおかしくない、と考えるべきではないでしょうか。 つまり、政府が集団的自衛権の行使容認事例として、「ペルシャ湾での戦時の機雷除去」を掲げることは、イランが核開発の放棄を表明していない以上、シーレーン防衛のための「抑止」の観点から妥当だと言うことです。 さらに言えば、わが国にとって「機雷封鎖」の危機からシーレーンの安全を確保しなければならない地域は、ペルシャ湾以外にマラッカ海峡などが考えられるわけですから、海上自衛隊に十分な機雷除去能力を持たせることはきわめて重要です。 ◆「米軍は邦人を助けない」は本当か もう一つは、6/16付けで朝日新聞に掲載された「『米艦で邦人救出』過去には拒否」という記事です。記事では、朝鮮半島有事を想定した過去の日米交渉で、米軍による日本人保護が断られていた、という内容が掲載されています。 しかし、実際には日米ガイドラインでも避難民の救出について規定があるほか、日米合同の邦人避難訓練も実施されています。さらには、実際に米軍が紛争地や危険地帯から邦人を避難させているといった事例もあるのです。 (6/19産経新聞「『米艦で邦人救出、米拒む』朝日報道は事実無根」) 日本を代表する大手メディアが「事実を隠蔽し、うそをついてでも自分達の主張を通せればよい」と考えているのであれば、それはむしろ「言論の自由」を踏みにじる行為であり、民主主義の基盤を自ら破壊する行為だといえるのではないでしょうか。 ◆枝葉ではなく、幹の議論を 本日紹介した朝日新聞の記事は、終始「日本が米国の戦争に協力する」「米軍は日本を助けてくれない」といった日本が「受け身」になる世界観で議論が行われている点に特徴があります。 いま、日本に求められている立ち位置は、「米国に助けてもらうこと」でも「米国にただついていくこと」でもありません。それは、覇権主義の野心をもつ中国に対して、「アジアの平和と秩序を守る意思を明らかにすること」です。 マスメディアにおいては、集団的自衛権の問題がいまなぜ必要になっているのか、その本質を明らかにするべきです。そのためには、はっきりと「中国の脅威があるからだ」と主張するべきでしょう。 事実に基づいて、正々堂々の主張をする。そうであって始めて、「民主主義の基盤」だと言えるのではないでしょうか。 環太平洋合同演習「リムパック」に中国海軍参加、問われる日本 2014.06.11 文/HS政経塾2期生 服部まさみ ◆環太平洋合同演習「リムパック」とは何か 中国海軍が今月下旬からハワイ沖で始まる、米海軍主催の環太平洋合同演習「リムパック」に初めて参加することになりました。 「リムパック」とは、アメリカ太平洋艦隊第三艦隊が主催し、2年に1度、ハワイ周辺で実施される多国籍訓練です。 1971年に初めて実施され、80年には、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス海軍に加えて日本の海上自衛隊が始めて参加しました。90年以降は、参加国が20カ国以上に増え、2012年にはロシア海軍も初参加しています。 このように、最近の「リムパック」は中国海軍を除いた太平洋周辺諸国と米国の同盟国が加わった大規模な海洋軍事演習が行なわれ、「中国封じ込め」戦略の一環のようでした。 しかし、ここにきて中国海軍が参加することになりました。この気になる動きを日本はどのように捉えるべきなのでしょうか? ◆中国が「リムパック」に参加表明した背景 今年、中国が「リムパック」に初めて参加することになった背景には、米軍最高指導者層内部にも親中派的立場の勢力が力を持ち始めていることが理由としてあるようです。 北村 淳(アメリカ海軍アドバイザー・政治社会学博士)氏によると、2012年のリムパック終了後、当時のパネッタ国防長官が訪中する際に、ロックリア太平洋軍司令官が中国海軍をリムパックに招待するようにパネッタ長官に進言したといいます。 そして、その進言どおり、2013年4月に中国政府が正式に中国海軍の参加を表明し、多くの海軍関係者を驚かせました。 北村氏は、米軍といえども中国に対する大戦略の部分で決して一枚岩とは言えない状況であることを指摘しています。 米国には、「中国封じ込め政策派」と「関与政策派」の二つの立場があります。 「関与政策派」とは、簡単に述べると、中国海軍が巨大化していく、脅威を抑え込むのではなく、米中双方で対話を進めてしっかりとしたルールを作って協力しましょうという立場です。 前述したロックリア太平洋軍司令官や、ジョセフ・ナイ教授がその立場で政策を提言しています。 そして、「関与政策派」の提言どおりに「中国側にアメリカが封じ込めを意図していないことを理解させる」一環として、リムパックに中国海軍を招待し、米中軍事対話を積極的に押し進めています。 今、米国軍上層部には、親中派ともいえる「関与政策派」的勢力が力を強めていると考えられているのです。 ◆日本は集団的自衛権行使容認で米国との信頼関係を強化せよ 中国は、何年も前から積極的に米国政府、連邦議会、軍関係者、シンクタンクや大学の研究者などアメリカの中枢部に強力なロビー活動を行なってきました。 そうした国家戦略で情報戦やロビー活動を仕掛け、自国に都合の良い政策をアメリカに採らせようと必死になっている中国と、長期戦略がない日本とでは、すでに大きな差が開いてしまっています。 日本が中国に対抗できるようなロビー活動や情報戦を展開することはもちろんのことですが、もう一段、安全保障に関する信頼関係を米国と築いていかなければなりません。 そのためにも、現在、議論が続いている集団的自衛権の行使容認を早急に行ない、憲法改正まで進めていく必要があります。 「アメリカは日本と中国どちらを選ぶの?」「アメリカは尖閣諸島を守ってくれるの?」「北朝鮮の核ミサイルに対して、アメリカは何をしてくれるの?」と日本は何もしないで、アメリカの言動だけを頼りにし、国の行く末を決めてもらう。そんな状態をいつまで続けるのでしょうか? 日本が自分の国は自分で守るという確固とした姿勢をしっかりと示すことで、本当の意味での同盟国の信頼、国際的信用が得られるのではないでしょうか。 自分の国を守り抜く防衛能力を保つためには、それに見合った国防予算の見直しが必要不可欠です。 感情的な平和論や、政権の維持、選挙に勝つことだけを考えた意見に振り回されず、この国の平和と繁栄を築いていくために「今、本当に何が必要なのか」という問いに、国民ひとりひとりが真剣に向き合うべきときなのではないでしょうか。 幸福実現党はこの国と未来を守るために国防強化を訴え続けます。 【後編】「集団的自衛権」行使容認が必要な理由 2014.06.06 文/茨城県本部副代表 中村幸樹 『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点 ◆「集団的自衛権」に関連する4つのシミュレーション 『抑止力』は、完全に100%働くとは言いきれない面があります。 なぜなら、例えば中国がベトナムやフィリピンに侵略する場合、対処する側(ベトナム、フィリピン、アメリカ、日本等)に、撃退する「能力」と「意思」があっても、侵略を意志決定する中国指導者側の、情報不足、分析や判断のミス、自己保身、性格上の欠陥等により、「認知」が正しく行われないことがあるからです。 では、抑止が破れた場合、即ち、中国が、ベトナムやフィリピンと戦争状態になった場合、その後どのような展開になるのか、対処とその影響を含め、「集団的自衛権」との関連で、4通りのシミュレーションを考察してみます。 (1)日本が「集団的自衛権」を行使できる場合で、米軍が介入するシナリオ 米軍が介入した場合、兵器性能の圧倒的な差で、中国軍は撃退され、中国の侵略は頓挫します。日本の自衛隊は、米軍に積極的に協力し、日米関係はより緊密になり、日米同盟は強化されます。 その後の日本や他のアジア諸国への帝国主義的侵略にも、『抑止力』が強く働くようになります。国民の生命、安全、財産が護られ、投資基盤が安定することで、経済的発展にもつながります。 ASEAN諸国はもちろん、中東、アフリカなど、世界中で中国の横暴を嫌悪していた国々の、日本への信頼感は増し、正義の国家、徳あるリーダーとして、良き影響力を発揮できるようになります。 (2)日本が「集団的自衛権」を行使できる場合で、米軍が介入しないシナリオ 日本は、国際正義実現のために、米国に対し介入を説得し続けなければなりません。ベトナムとフィリピンは、戦力的に中国には勝てず、見過ごすままでは、ASEAN諸国は、次々と中国の手に堕ちていくからです。 日本は、米国の核抑止力(核の傘)が有効であると判断できる範囲で、多くの国々との連携も密にすべきです。通常戦力で日本が介入すれば、米国も介入せざるをえなくなります。さすれば、事態は収拾できます。 米国の核抑止力が有効でないと判断される場合は、早急に日本独自で核抑止力を持たねばなりません。(この核抑止力も含めた「自主防衛力」の考え方に関しては、別途、詳しく説明させていただきます。) 日本が愛と正義の立場を貫き、智慧でもって世界をリードしていく中に、世界の未来はあるのです。 (3)日本が「集団的自衛権」を行使できない場合で、米軍が介入するシナリオ ベトナム、フィリピンは救われ、アメリカは称賛されますが、日本に対するASEANのリーダーとしての信頼感は大きく失われます。 米国の国民が激昂するようなことになった場合は、「日米同盟」を破棄される原因にもなりえます。 かつて日本は「日英同盟」を結んでいましたが、第一次世界大戦での協力が不十分だったことが破棄の原因になり、それ以降、アメリカの排日政策は激化し、日米開戦につながっていったことを教訓にするべきです。 「日米同盟」が解消された場合には、核抑止力を持たない日本は、中国に飲み込まれ、チベットやウイグルのように、日本国は消滅し、日本国民の自由、人権、幸福は失われます。 核兵器の脅しと使用に対しては、米軍なくしては抑止が効かず、降伏するしかないからです。 そうならない場合でも、中国の覇権を嫌う米国が日本を再占領するか、日本を戦場として米中が戦うか、米中ソで日本を分けるか、といったシナリオになります。 (4)日本が「集団的自衛権」を行使できない場合で、米軍が介入しないシナリオ アメリカの「神の正義、世界正義」の信頼は失われます。 アメリカが途中で回心しない限り、ベトナム、フィリピンはもちろん、アジア諸国から世界全体に至るまで、次々と中国の傘下に入っていき、粛清、強制収容所、侵略主義的覇権主義が世界にはびこることになります。 日本はシーレーンを中国に押さえられ、石油や各種資源の確保は、中国の支配下に置かれ、経済的に搾取される中、アメリカからは、弱って頼りにならない日本は見捨てよう、ということになり、日本国は消滅、中国の圧政下に置かれます。 ◆「集団的自衛権」行使容認が、日本と世界の生き筋 結局、日本は、「帝国主義的侵略を目差している無神論・唯物論の国家に対しては、毅然として対処すべし」ということです。 「集団的自衛権」を行使可能とすることが、不当な侵略主義を許さず(勝つべくして勝つ)、様々な攻撃や謀略への適切な対処を可能とし(不敗の地に立つ)、日本が「平和と正義の守護神」として「世界の恒久平和のために尽くす」リーダー国家になる(勢いに乗じる)道を開きます。 この「積極的平和」の道が、日本の生き筋であり、世界の生き筋だということです。 【前篇】「集団的自衛権」行使容認が必要な理由 2014.06.05 文/茨城県本部副代表 中村幸樹 『抑止力』の観点 ◆戦争と善悪の智慧 現在の日本にとって、安全保障上、最も脅威となっている国は中国です。 まず前提として、自国民にさえ信教や言論の自由を許さず、人権蹂躙、弾圧を繰り広げる中国が他国をも不幸に陥れる侵略戦争は悪であり、その横暴を防ぎ、人々の幸福を護ることは善であることを押さえたいと思います。 「侵略戦争に対する防衛の戦いも悪」であれば、「善悪を判断する智慧がない」「神仏の心がわからない」ということであり、悪への屈従や隷属、奴隷の平和になりかねないものです。 ◆具体的シミュレーションによる「集団的自衛権」の考察 パラセル諸島やスプラトリー諸島に、威嚇、強制、実力行使を重ねる中国は、ベトナム、フィリピンに、本格的な侵略戦争を起こす可能性も考えられます。 この情勢を例にとって、なぜ、「集団的自衛権」の行使容認が必要なのかを説明いたします。 第一に『抑止力』の観点から、第二に『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点から、確認していきます。 『抑止力』とは、「達成が困難、又は許容できない代償(結果への恐怖)を予見させ、侵略を思い止まらせる力」です。 『抑止力』は、三つの要因、即ち、①「能力」、②その能力を行使する「意思」、③その能力と意思が相手に伝わり「認知」されること、で達成が可能となります。 ◆日本が「集団的自衛権」を行使できる場合の『抑止力』 日本は、アメリカに対して、「ベトナムやフィリピンへの安全保障の使命と責任を果たして下さい。日本もアメリカと共にその正義の使命を遂行します。」と、アメリカの「意思」に対して、強い影響を与えることができるようになります。 中国は、アメリカの介入の「意思」を高く見積もり、日本の介入の「意思」も、「認知」せざるをえなくなります。 中国軍は、現時点では、米軍に対して、通常戦力も核戦力も全く歯が立たず、対自衛隊でも、通常戦力だけでは勝てません。量は多くとも、兵器と訓練の質が劣るからです。この「能力」差は、中国軍はかなり「認知」しています。 中国は、米軍と自衛隊の介入を想定することで、侵略意欲が大きく削がれることになります。 「集団的自衛権」の行使容認は、『抑止力』を格段に増大させ、中国の侵略を未然に防ぐ大きな力になるということです。 ◆日本が「集団的自衛権」を行使できない場合の『抑止力』 世界の警察官から引きつつあるアメリカに対して、「日本は協力しないが、アメリカは他国への国際責任を果たしてほしい」では、説得力がありません。 日本の「集団的自衛権」行使不可は、アメリカの正義の介入「意思」を弱める方向に働きます。 中国は、日本の「能力」と「意思」は無視していいことになり、アメリカの介入「意思」が弱まる方向に、三戦(世論戦、心理戦、法律戦)を駆使し、機を見て侵略することを狙います。 「優位戦」とは、こちらが主導権を握って“戦場”を選び、攻めることも守ることも自在、戦いの手段、ルールから、勝利や敗北の定義まで決められる立場から仕掛ける戦いで、「劣後戦」はそれらのイニシアティブがない立場からの戦いを言います。 中国が「優位戦」をしやすく、日本と米国が「劣位戦」に陥りやすいため、『抑止力』が弱まる選択が、「集団的自衛権」行使不可です。 逆に、日本と米国が「優位戦」を展開しやすいため、中国が「劣後戦」に甘んじやすく、『抑止力』が強く働く選択が、「集団的自衛権」行使容認なのです。 次回は、『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点から述べてみたいと思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 59 60 61 62 63 … 101 Next »