Home/ 2021年 May 2021年 May バイデン、台湾見殺しか?「日本版台湾関係法」で日米台の連携強化を!【後編】 2021.05.29 https://youtu.be/CHtr9G7-J2o (5月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆バイデン政権、米中対話路線に転換か? 前編では、米国議会では、中国の台湾侵攻を防ぐため、安全保障対話・合同軍事演習の枠組み構築、台湾との二国間貿易協定交渉などの議論が増えていることを指摘しました。 ところが、こうした議論が増える中で、5月4日の「フィナンシャルタイムズ」のオンラインイベントで、バイデン政権でアジア政策を統括する重要人物、インド太平洋調整官のキャンベル氏が、次のような気になる発言をしました。 「米国が中国の武力侵攻から台湾を守る立場を明確にすると、重大な不都合が生じる。中国は世界中で米国の国益を損なうような行動を取るだろう。従って、これまでの『戦略的曖昧さ』を維持すべきだ。」 オバマ政権時代に、米軍の「アジア回帰」を推進した人物でアジア通として知られていますが、中国が南シナ海の軍事拠点化を進めることを許してしまった張本人です。 キャンベル氏の本音は、トランプ政権のように、台湾の軍事支援を強化し、政府高官の交流を促すような政策をどんどん行えば、中国を刺激し、米中衝突のリスクが高くなるので、これまで通り、台湾の問題は曖昧なままでよいというわけです。 しかし、挑発的な発言を繰り返し、他国を刺激しているのは、中国であることを忘れてはいけなせん。巨大な軍事力を備えた中国の横暴を、事なかれ主義で止めることはできません。 また、キャンベル氏はオンライン会議で、米中の不測の事態に備えるために、「米中対話のホットライン」を作るべきだと主張しました。 中国共産党系のメディア「環球時報」は、この発言に対して、「ホットラインを作りたいならば、台湾問題に口を出すことを止めなくてはいけない」と答えています。 もしバイデン政権がオバマ時代のように中国との対話路線に戻っていくならば、台湾が危ない状況に置かれることになります。 ◆「日本版台湾関係法」制定を! 日本と台湾は運命共同体です。日本は米国と同じく、台湾政策を見直す時期に来ています。そして、日米同盟を基軸に、日米台の連携を主導すべきだと思います。 4月17日に行われた「日米共同声明」では、「台湾」が明記されました。1969年以来、52年ぶりで非常に画期的なことです。 しかし、喜んでいたのも束の間、菅首相は4月20日、衆議院本会議で共産党・赤嶺議員から、台湾問題に言及したことに関する質問を受け、「軍事的関与などを予断するものではない」と回答をしました。 また、公明党・佐藤議員から、台湾有事の対応について質問され、「いかなる事態が(米軍を後方支援できる)重要影響事態などに該当するか一概に述べることは困難だ」と答えました。 いかにも、自民党親中派や公明党に配慮し、中国を刺激しないように配慮した官僚答弁になっています。 重要影響事態とは、「日本以外の他国への攻撃であっても、放っておいたら日本が危ない場合は、自衛隊が米軍など他国軍の後方支援を行うことができる」というものです。 日本が米軍の後方支援を行うためには、台湾有事を「重要影響事態」と判断しなくてはなりませんが、日本への影響をどう見積もるかで解釈の余地のある政治的判断が必要です。 強い政治的リーダーシップが求められますが、菅首相の答弁を聞いていると心配になります。 5月11日~17日、陸上自衛隊とフランス陸軍は、離島への上陸や市街地戦を想定した共同軍事演習を行っています。 中国は台湾攻撃後、市街戦を行うので、台湾防衛のための共同訓練と言ってよいでしょう。 さらに、東シナ海で日米豪仏の共同軍事演習も行っています。しかし、台湾防衛と言いながら、これまで一度も日米台の共同軍事演習を行っていません。これを何とかしなくてはなりません。 その際、日本と台湾の間に正式な国交がないことがボトルネックになります。 日本も米国を見習って台湾との間に「日本版台湾関係法」をつくり、日米台の共同軍事演習や経済交流促進、首相の訪台などを盛り込んではどうでしょうか? 国会には、日米共同声明を具体化するために「日本版台湾関係法」制定の議論をしてほしいと願います。 日本の国益を守り、アジアの自由と平和を守るために、「日本版台湾関係法」の制定を強く訴えたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 バイデン、台湾見殺しか?「日本版台湾関係法」で日米台の連携強化を!【前編】 2021.05.28 https://youtu.be/CHtr9G7-J2o (5月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆米国の台湾政策「戦略的曖昧さ」とは? 今日は「台湾防衛」をテーマにお話ししたいと思います。 5月初め、イギリスの雑誌「エコノミスト」では、中国が軍事的圧力を強化していることを受け、台湾のことを「地球上で最も危険な場所」と指摘しました。 蔡英文総統は不安を打ち消そうとすぐに反応し、「考えられるリスクを管理し、必ず台湾の安全を守れる」とコメントしました。 もし台湾が中国の侵略を受けた場合、米国は台湾を守るために本当に軍事行動に出るのでしょうか? 現在、米国ではこの問題に関する議論が増えています。キーワードは「戦略的曖昧さ」です。 「戦略的曖昧さ」とは何かというと、これまでの米国の台湾政策である、中国が台湾に侵攻した場合の米国の対応を明確にしないことを意味します。 1972年にニクソン大統領が中国を訪問し、冷戦時代のソ連に対抗するために中国と国交を結び、台湾との国交を断絶しました。 しかし、当時の親台湾派の議員が、「このままだと台湾が中国に飲み込まれてしまう」という危機感を感じて、1979年に「台湾関係法」という法律を作りました。 これによって、米国は台湾との正式な国交は無いものの、台湾を中国の侵略から防衛するための武器を輸出できるようになりました。 こうした状況の中、米国は「戦略的曖昧さ」によって、中国の台湾侵攻を抑止するとともに、台湾の独立宣言を阻止し、アジアの安定に寄与してきました。 例えば、1995年、中国がクリントン政権に対して「もし中国が台湾を侵攻したら、米国はどのように対処するか?」と聞いたら、「それはわからない。状況次第だ」と答えました。 これが、米国の台湾政策における「戦略的曖昧さ」です。米国は数十年間に渡り、ずっとこのスタンスを維持してきました。 ◆米国で高まる台湾政策見直し論 しかし、中国はこの間、台湾奪取を狙って虎視眈々と軍事力を増強してきました。 これに対して、トランプ大統領は、ニクソン以降の対中政策を見直すことを表明し、台湾に対して最新鋭の武器輸出や政府高官を派遣するなど、米台関係の強化に貢献しました。 今年に入ってからはさらに進んで、米国の台湾政策「戦略的曖昧さ」を見直すべきではないかという意見が出てくるようになりました。 これまでの曖昧さこそが、中国の横暴を助長させているのだから、「中国が台湾を攻撃した場合、米国は台湾を必ず守ること」を明確にするものです。 今年1月、前インド太平洋長官のデービッドソン氏は上院軍事委員会で、「現在の中国の軍事展開を見れば6年以内に台湾侵攻の可能性がある」と警告を発して、日本でもかなり報道されました。 その際、「米国はこれまで『戦略的曖昧さ』の政策により恩恵を受けてきたが、中国との軍事バランスが変わった今、定期的に見直す必要がある」という意見も述べています。 デービッドソンの後任となった、現在のインド太平洋長官アキリーノ氏も、「『戦略的曖昧さ』の台湾政策を変更することで、どんなリスクや代償が生まれるのか、ぜひとも議論したい」と話しています。 インド太平洋軍のトップがここまで突っ込んだ話をしているのを見ると、軍人の間では、台湾が香港のようになってしまうという危機感を共有しているのではないかと思います。 こうした意見を持つ人は、共和党議員やシンクタンクに根強くいます。 例えば、トランプ政権で大統領補佐官を務めたボルトン氏は昨年7月、「選挙で選ばれた政府を有する台湾のような国を承認しようとしないのであれば、国家承認の意義とは一体何か」と述べ、台湾を国家として全面的に認めるよう訴えました。 また、米共和党のリック・スコット上院議員とガイ・レッシェンサラー下院議員は今年2月、中国の台湾侵攻を防ぐため、大統領に一定の武力を行使する権限を付与すべきとする「台湾侵略未然防止法案」(Taiwan Invasion Prevention Act)を上下両院に再提出しました。 法案の内容は、米台と理念の近いパートナーを交えた安全保障対話・合同軍事演習の枠組み構築、台湾との二国間貿易協定交渉の推進、大統領や国務長官の訪台、台湾総統の米議会での演説などです。 (後編につづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 米国で再燃「武漢研究所コロナ起源説」!人民解放軍の関与を示唆する「爆弾文書」とは?【後編】 2021.05.26 https://youtu.be/LM78qTAeuRU 幸福実現党党首 釈量子 ◆米英科学界からも噴出する「WHO調査結果」への疑念の声 共和党議員による厳しい追及が続く中、5月14日には、英ケンブリッジ大学や米スタンフォード大学などの科学者18人が、科学誌『サイエンス』への書簡で、「パンデミックの起源を判断するにはさらなる調査が必要だ」と主張しました。 書簡では、「武漢研究所から偶然漏えいした可能性と、動物から人へと感染した可能性は、理論上両方ともあり得る」との見解を示しました。 WHOの調査団が作成した最終報告書では、「コウモリから別の動物を介して人に感染した可能性が高い」との見解を示し、研究所からウイルスが漏えいした可能性は「極めて低い」と結論付けました。 しかし、科学者らは報告書が漏えい説について「バランスの取れた検討」がされていないと厳しい指摘をしています。 5月19日には、下院情報委員会の共和党議員が中間報告書「新型コロナウイルスと武漢研究所」を発表しました。 これによると、「新型コロナの起源が武漢研究所であることを示す重要な状況証拠が次々と明らかになっているが、中国が主張する自然発生説を示す証拠はほとんどない。二度とパンデミックが起きないように、政府は中国に対して情報開示するよう圧力をかけるべきである」と主張しています。 ◆「爆弾文書」が明らかにする中国人民解放軍の関与 新型コロナ起源の状況証拠の一つとして注目したいのが「中国人民解放軍の関与」です。 前述の中間報告書では、「中国人民解放軍は生物兵器開発プログラムを持っており、武漢研究所の研究にも関与していた」ということを挙げています。 これに関連して、5月上旬、豪メディア『ザ・オーストラリアン』で、ある「爆弾文書」がリークされました。 どんな文書かと言うと、2015年に人民解放軍科学者、除徳忠らによって書かれたもので、米国務省が新型コロナの起源を調査する過程で入手したものです。 ◆新型コロナウイルスは「生物戦争」を戦う中国の兵器 「爆弾文書」の注目ポイントは、以下2点となります。 第一に「第三次世界大戦は『生物戦争』になる」という記述です。 文書には、「中国人民解放軍の科学者は、第一次世界大戦は『化学戦争』であり、第二次世界大戦は『核戦争』、第三次世界大戦は『生物戦争』になる。第三次世界大戦に備えて、2015年から新型コロナウイルスを含むウイルスを“生物兵器”として研究開発する」と書かれています。 新型コロナ感染拡大による被害の大きさは戦争被害と比較されますが、見事に予言していたかのように感じます。 例えば、アメリカの第二次大戦の死亡者は約40万人ですが、すでに現時点で超えています。 ◆事前に考え抜かれていた「ウイルス攻撃」の理想的条件とは? 第二に、「生物兵器の使用方法を計画していた」ということです。 文書には、「戦争で勝利するために生物兵器が重要になることを踏まえ、生物兵器を使用し、最大限の損害を与えるための理想的な条件を示す。具体的には、強烈な太陽光はウイルスにダメージを与えるので、晴れた日の日中に持ち運ぶべきではない。また、雨や雪は空気感染の影響を弱まらせる。従って、夜や明け方、もしくは、曇りの日で、適度な風が吹いている日に、ウイルスをばら撒くべきだ。そうすれば、ウイルスは対象エリアに広がっていくはずだ。その結果、ウイルス攻撃によって、入院治療を必要とする患者が溢れ返り、敵国の医療システムを崩壊させることができる」と書かれています。 これは、まるで各国で問題になっている「医療崩壊」を予言していたかのような、リアルな描写です。 中国は早速、この書類は「中国を貶めるためのでっち上げだ」と反論していますが、米国や豪州、カナダの政府機関での経験を持つデジタル科学捜査の専門家、ロバート・ポッター氏によれば、「この書類は作り物ではなく、事実である」と言っています。 このように、米国では、新型コロナウイルスは武漢研究所から漏れたのではないか、という議論が再燃しています。 日本ではなかなか、こうした報道を見かけることもありませんが、全世界を地獄に引きずり込んだ新型コロナ起源の追及を決して忘れてはならないと思います。 米国で再燃「武漢研究所コロナ起源説」!人民解放軍の関与を示唆する「爆弾文書」とは?【前編】 2021.05.25 https://youtu.be/LM78qTAeuRU 幸福実現党党首 釈量子 ◆再び注目を集める「武漢研究所コロナ起源説」 かつては「陰謀論」として無視されていましたが、いま米国では「武漢研究所から新型コロナが流出した」という見方が再び注目を集めています。 本年1月、トランプ政権の時に国務省が発表したファクト・シートには「武漢研究所が中国人民解放軍と共同研究していたことや、2019年秋の段階で何人かの研究者が新型コロナと同じような症状で倒れていた、という事実を隠蔽している」という指摘がありました。 バイデン政権はトランプ前政権のこうした見解を認めており、世界保健機関(WHO)による中国武漢の調査結果が3月に発表されましたが、ブリンケン国務長官は「中国寄りだ」と不満を述べ、「コロナ発生源を明らかにする必要がある」とも語っています。 また、米国の情報機関を統括する、アブリル・ヘインズ国家情報長官は「自然発生か、武漢研究所から漏れたのか、両方の可能性を調査している」と話しています。 ◆真相究明に立ち上がった米・共和党議員たち こうした言葉とは裏腹に、バイデン政権は武漢研究所を本気で追及する気があるとは言えない状況が続いている一方、共和党議員たちが独自に真相究明に乗り出しています。 今年3月、エネルギー・商業委員会の共和党議員は「国立衛生研究所(NIH)」のフランシス・コリンズ所長宛てに、また、4月には「エコヘルス・アライアンス」のピーター・ダスザック氏宛てに、武漢研究所と行った共同研究に関する記録を全て提出するよう求めました。 共和党議員の厳しい追及を受けている渦中の一人が「コロナ研究の第一人者」として知られるピーター・ダスザック氏で、2005年以降、コロナに関する研究論文を21本発表、中国のコロナ研究者と長年、直接仕事をしてきた人物です。 2019年には、数百万匹のコウモリが住む中国の洞穴で、ダスザック氏が見慣れぬ防護服を着ていたため、洞穴を見に来た観光客からの「何をしているのか」という問いに対し、「SARSのようなウイルスを探している」と答えた、というエピソードが残っています。 トランプ前大統領は昨年4月、この話を引き合いに出し、エコヘルス・アライアンスへのコロナウイルス研究の助成金をストップしています。 ◆米中のコロナ共同研究に米政府からも多額の資金提供が…? 5月5日、共和党のマイク・ギャラガ―議員は「国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)」のアンソニー・ファウチ所長宛てに書簡を送り、「今回のような悲惨な感染症の起源について、これまでのような浅い理解のままでは許されない」と指摘し、詳しい情報提供を求めています。 この「国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)」と、その母体である「国立衛生研究所(NIH)」によって、米国の科学者と武漢研究所の間で行われた共同研究に多額の資金が提供されていたことが分かっており、この中には、コウモリのコロナウイルス研究も含まれていました。 ギャラガ―議員は、ファウチ氏が「武漢研究所コロナ起源説」に対して、これまで何度も冷や水を浴びせてきたことを問題視し、武漢研究所に対する米国政府の資金提供や支援がいかに行われたかを、洗いざらい開示するよう要求しています。 ◆人工的に作れる致死率の高いコロナウイルス また「コロナ遺伝子変異に関する研究」について明らかにすることが大事だと強調しています。 なぜなら、意図的に遺伝子配列を変えることによって、自然界に存在するコロナウイルスよりも感染力が強く、致死性の高いコロナウイルスを作ることが可能になるからです。 ノーベル生理学・医学賞を受賞された、北里大学特別栄誉教授の大村智氏が雑誌『到知』(2020年12月号)の中で、「新型コロナウイルスの遺伝子は遺伝子配列の四か所がエイズウイルスと同じであり、人工的に作られたフシがいっぱいある」と言っておられました。 今回の情報開示によって、新型コロナウイルスと同じようなウイルスを実験で作っていたことがわかれば、「武漢研究所コロナ起源説」を裏付けることになります。 今のところ、これらの情報開示請求に対して、ファウチ氏、コリンズ氏、ダスザック氏からの回答は得られていないようです。 更に、5月6日、共和党のキャシー・マクモリス・ロジャース議員らはブリンケン国務長官宛てに書簡を送り、国務省が機密文書扱いにしている新型コロナウイルスに関する機密研究調査報告書に関して「機密解除」するよう求めています。 (後編につづく) 日本国憲法改正へ、今がその時 2021.05.11 https://youtu.be/5vPRzx2pqOs (4月30日収録) 幸福実現党政調会長 里村英一 ◆進まない憲法論議 今年で日本国憲法が施行されてから74年目を迎えました。コロナ問題で前面に出にくい昨今ですが、国際情勢が大きく変わる中で日本国憲法はこのままでいいのでしょうか。 隣国の中国あるいは北朝鮮の核武装が進んでいる時、憲法改正について議論しないのはあまりも無責任であると思わざるを得ません。 最近のある世論調査によると国民は憲法改正に53%が賛成です。政治もマスコミも日本国民の生命、安全、財産に関わる問題があるのだという観点からしっかりと憲法問題を取り上げ報道していただきたいと思います。 例えば、尖閣諸島では中国公船が頻繁に接近あるいは領海侵犯するようになっています。また、台湾の防空識別圏に対して中国軍機の進入が増えています。 先日の日米首脳会談でも「台湾」という言葉が入りましたが、アメリカはこの問題で動くかもしれません。 しかし日本は何ができるのか、そうした法整備が日本では進んでいません。憲法9条によって日本の手足が縛られた状態では心もとないと思います。 日本をこうした不安定な状態に置いているのは、政治やメディアの責任放棄であると言わざるを得ません。 ◆憲法改正の必要性 2点目として、「世代間の責任」についてです。 憲法改正が進まない理由には、日本国憲法の原点に先の「戦争における反省」があります。私たち日本人は、もう武器を取らないと決めたのだと。 百歩譲って終戦直後はそのような認識が正しいと言えるような状態もあったかも分かりません。しかし、今の若い達には何の関係もない話です。 ある意味で戦後を経験した私たち世代が責任を持って憲法改正すると必要はあると思います。 憲法前文もあるように、「平和を愛する諸国」を信頼して日本の安全を委ねるようなことは、はっきり言っても矛盾しています。 ですから「平和を愛する諸国」でない国に対しては「憲法前文の適用を除外」する。あるいは「憲法9条を改正」する。さらに一歩進んで21世紀にふさわしい「新しい日本国憲法」を制定するべきだと思います。 ◆憲法改正の政治思想的な必要性 3点目として、「政治思想的な必要性」について触れておきたいと思います。政治思想家のハンナ・アレントは次のような学説を述べていました。 「フランス革命は失敗した。しかしアメリカの独立革命は成功した。その理由はアメリカの独立革命が自由の創設に成功したからだ」と。 なぜアメリカの独立革命が自由を創設できたのか、それはアメリカの建国の祖たちが国民の議論によってあるべき憲法というものを決めたからです。 その憲法がアメリカ国民の自由を保障することになったとハンナ・アレントは評価しました。しかし、フランス革命は恐怖政治を生み出し、多くの方をギロチンに送り出しました。 その意味でフランス革命は、「自由・平等・博愛」を掲げながら全く逆のものを生み出したのです。 このハンナ・アレントの意見に照らし合わせた時に今の日本も考えなければならないと思います。 実際、日本の憲法は、GHQ(占領軍)に押し付けられたものです。今国民がゼロから議論し自分たちで制定したわけではありません。 その意味において、憲法の権威というものがありません。さらに言えば自分たちの議論によってつくった憲法によってこそ権威が生まれるのであれば、私たち日本人は自由をも生み出してないことになります。 つまり、今のこの日本国憲法というものは実は日本がまだ独立してない、自由もない、その証であるというようなことになるわけです。 これは非常に民主主義国家日本にとって不幸なことだと思います。今こそ私たち日本人は互いに議論し、そして自分たちで制定した憲法を生み出す時に来ていると思います。 最後に、この点において日本国憲法の議論すらこれを否定する一部の政党、メディアがあります。「反省してない」とか「憲法対する冒涜だ」という意見があります。 やはり議論をし、その上で自分たちの新しい法律あるいは方針を公的領域において決めていくということ。これそのものが民主主義にとって大切なあり方です。 つまり、憲法議論の否定は民主主義を否定するということのなにものでもありません。 「憲法改正は、今がその時である」と言わせていただきます。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 ワクチンパスポートは国家による国民管理を助長し、自由を奪う 2021.05.08 ワクチンパスポートは国家による国民管理を助長し、自由を奪う 幸福実現党政務調査会長代理 小川佳世子 ◆ワクチンパスポート導入に向けた議論 新型コロナウィルスのワクチン接種が世界で進むなか、ワクチン接種を済ませたことを公的に証明する「ワクチンパスポート」の議論が進んでいます。 国民の約半数が2回の接種を終えたというイスラエルは、ワクチンパスポートを持っている人に、レストランの店内利用、スポーツジム、イベントなどへの参加を認めています。 EUではパスポートを持っている人は加盟国内を自由に移動できるようにする方針を固め、夏までの導入を進めています。 アメリカ政府は連邦レベルでは導入しないと発表しましたが、州によっては発行を進めています。 こうした流れを受け、日本でも導入するべきではないかという意見が出てきています。 今のところ政府は否定的ですが、3月15日の参院予算委員会では、河野太郎ワクチン接種担当大臣が「国際的にワクチンパスポートの議論が進んでいくということになれば、日本も検討せざるを得ない」と述べました。 海外渡航の際、相手国から求められる場合にはやむを得ないケースもあるでしょう。しかし、このワクチンパスポートを国内で導入することには反対します。 ◆安全性の検証が不十分 反対の理由の一つ目は、ワクチンの安全性の検証が十分になされていないという点です。 優れたワクチンの開発は感染症抑制の有効な手段であり、研究者たちの努力によって、感染症で亡くなる人を減らしてきたことは確かです。 通常、ワクチン開発には感染症が発見されてから、5年以上かかるとされます。麻疹のワクチンも10年かかっています。しかし、今回のワクチンは1年あまりのスピードで接種が開始されました。 しかも今回、各国で承認されているコロナワクチンの多くは「遺伝子ワクチン」と呼ばれ、今まで実用化されたことのないタイプのものです。 基礎研究は重ねてきたものですが、長期的に人体にどのような影響が出るかの検証はまだ不十分です。 また4月末時点で、日本でワクチンを接種した228万人のうち、接種後に19人の方が亡くなりました。 厚生労働省は、いずれのケースもワクチンとの因果関係は「評価できない」としていますが、うち15人は接種後一週間以内に亡くなっていますので、何らかの関係を疑ってしまいます。 もちろん100%安全なワクチンはありませんので、ワクチンを推進すべきか否かは、感染抑止効果とワクチンによる副反応リスクを冷静に比較して判断する必要はあります。 ただ、現在の日本の感染状況を考えれば、ワクチン接種はリスクが高いと感じる人も少なからずいるでしょう。 こうした観点から見ても、ワクチン接種はあくまでも自由意志に任せるべきです。 ワクチンパスポートを導入し、これによって利用できる施設や行動範囲が限られるとすれば、事実上、ワクチンの強制になります。 ワクチンを打たないと決めた人の自由を制限することはあってはなりません。 ◆ワクチンは万能ではない 二つ目の理由は、ワクチンは万能ではなく、接種すれば感染が防げる保証はないということです。 実際、ワクチン接種後に感染が確認された方が出ています。 韓国では、1回目のワクチン接種を受けた約230万人のうち、278人がコロナに感染したとのことです。 また、一定以上の効果が認められるワクチンができても、変異したウィルスには効果が薄いということは以前から指摘されていました。 ゆえに、ワクチンを打った人だけが自由に行動してもよいというのは、合理的な施策とは言えません。 ワクチン接種をしたからといって基本的な感染対策を怠れば、かえって他の人に感染を広げてしまう可能性も高まるといえます。 ◆国家による国民管理につながる ワクチンパスポートに反対する三つ目の理由は、国家による国民の健康管理につながりかねないということです。 ワクチンパスポートの発行により、国家が、国民の誰がワクチンを接種していて、誰がしていないかという健康にかかわる情報を把握することになります。 かつて、ナチス・ドイツは国民の健康診断を実施して、一人ひとりの健康状態を把握し、健康な国民だけを残そうとしました。 自由主義国である日本で、政府が健康情報を悪用することは考えたくありませんが、「感染症予防のためなら、私権の制限は仕方がない」という空気が高まる今、ワクチン接種をしていない人への風当たりが強くなり、差別を助長することは十分に考えられます。 その意味でも、個人の情報を国家が把握・管理する道を開くべきではありません。 ◆自由の確保と感染抑止の両立のために ワクチンパスポートの導入が経済活動再開につながると期待する向きもありますが、ワクチンに期待していたほどの効果がないことが分かったら、また活動にブレーキがかかることになりかねません。 「ワクチンを打ったら自由に行動してよい」といった条件付きの自由は、条件が変われば、簡単に奪われてしまうからです。 では、各自の自由を守りながら感染抑止をしていくために何が大事かといえば、一人ひとりの免疫力を高めることしかありません。 恐怖心から自由になり、明るく積極的な心を忘れず、健康生活を送ることが、免疫力アップの一番の近道といえます。 各自が免疫力を高め、感染対策をすることは、自由を守る道でもあるのです。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本外交と企業【後編】 2021.05.02 https://youtu.be/bbWJoSzrZus 幸福実現党党首 釈量子 ◆北京冬季五輪ボイコット、3つの方法 「ユーラシアグループ」が提唱する「北京冬季五輪ボイコットの3つの方法」の一つ目は、外交的ボイコットと呼ばれるもので、可能性が60%あると見ています。 これは、政府高官を北京に派遣させないことで、オリンピック開催国としての立場を外交面から批判するものです。 参加国は、米国、カナダ、英国、オーストラリアに加え、EUの数か国と予想し、日本やインド、韓国は中国との経済的なつながりが大きく、参加しないと見ています。 二つ目は、アスリートのボイコットで、可能性が30%あると見ています。 アスリートのボイコットは、米国内の政治圧力により、オリンピック選手が競技に参加することを中止させることです。 また、米国民が観客として北京に行かない、米国内でテレビ放映も行わない、スポンサーにならないことによって中国に利益を与えない、という経済的ボイコットもあります。 アスリートのボイコットや経済的ボイコットは、外交的ボイコットよりも厳しい対応になるので、米中関係は冷戦状態に入り、中国政府は欧米ブランドのボイコットを指示するだろうと予想しています。 三つめは、当たり障りのない中国非難声明を出すものです。これは、公式のボイコットではありませんが、一番可能性が低く10%と見ています。 米上院議員(ロムニー)の中には、外交的ボイコットと経済的ボイコットの併用が最善の策だと主張しています。 なぜなら、米国民が観光客として北京に行かないので、中国はホテルや食事、チケットで儲けることができない。 一方で、人生をかけて練習してきたアスリートの舞台を用意することができるからです。 今後も、米国やヨーロッパで北京オリンピックのボイコットについて議論されると思います。 米国務省は、「ボイコットを公式に決めてはいないが、今後大いに議論したい」と、ボイコットに含みを持たせています。 ◆ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本企業 日本はウイグル人権弾圧に対する制裁と同じく、新たな外交姿勢が問われることになります。これまでの加藤官房長官や公明党・山口代表の発言を見ると、これからも「中国忖度政治」が続くような気がしてなりません。 民間企業にも影響が出ています。衣料品ブランドは批判リスクを負って、新疆綿を使い続けるか、取引を止めて中国の不買運動を受けるか、難しい対応を迫られています。 スウェーデンのH&Mは強制労働の疑いがあるので、新疆綿を使用しないと発表しましたが、中国の不買運動に直面しています。 ナイキも、同様の理由で、新疆綿の使用を停止しました。 しかし、無印良品の良品企画は新疆綿の使用を継続し、問題があれば取引を停止すると発表しました。ユニクロの柳井会長は「政治問題なのでノーコメント」と答えました。 日本企業は歯切れの悪い対応となりました。そんな中、カゴメが新疆産のトマトペーストの使用を中止すると発表しました。 総じて、H&Mやナイキなどの欧米の企業は、ウイグルで人権弾圧の疑いが残っている限りは、取引しない。日本の良品企画は、確かな証拠がないので、取引を継続する。このように判断が分かれています。 日本政府や日本の企業は新たな対応を迫られています。日本が中国との経済的関係が深いのは確かですが、現在、経済原理を超える価値判断が求められています。 日本人の意識も変わりつつあります。産経新聞とFNNの世論調査によると、ウイグルや香港の人権問題について、日本も国会決議や制裁で関与すべきかどうか聞いたところ、8割が「関与すべき」と答えています。 中国の人権弾圧に対して、日本は宗教観や政治哲学に基づいて、価値判断すべき時が来ているのではないでしょうか。 今後は欧米に足並みを揃えるという消極的姿勢ではなく、アジアのリーダー国として日本が率先して人権擁護に動くべきだと思います。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本外交と企業【前編】 2021.05.01 https://youtu.be/bbWJoSzrZus 幸福実現党党首 釈量子 ◆二股外交の元凶、親中派と公明党 4月16日、菅首相とバイデン大統領が会談し、共同声明を発表しました。 共同声明では約半世紀ぶりに「台湾」を明記しました。「香港」や「ウイグル」の人権も問題視し、中国を牽制しました。 欧米は中国の人権問題について制裁に動いており、「人権中国包囲網」が出来つつあります。 まず、今年1月、トランプ政権のポンぺオ国務長官がウイグルの人権弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に認定しました。同月、ウイグル産の綿やトマトの輸入を停止しました。 国連の「ジェノサイド条約」では、殺人のほか、集団構成員に重大な肉体的または精神的な危害を与えることや、意図的に出生を妨げることなどが含まれています。 最近、ウイグルから逃げ出した女性たちの勇気ある証言が出てきていますが、レイプや拷問に加え、不妊手術があったと証言しています。 日本はそもそも「ジェノサイド条約」を批准していません。加藤官房長官は、米国のジェノサイド認定を受けて、「懸念を持って注視している」という懸念表明を行いました。会見の中で「ジェノサイド」という言葉も使用しませんでした。 3月には、EUがウイグルの人権弾圧に関わった当局者に対する制裁を発動しました。天安門以来初の制裁です。 その後、米国、英国、カナダはEUに足並みを揃えて、制裁を課しました。 これで、G7(アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、フランス、イタリア、カナダ)の中で、制裁に参加していないのは、日本だけになりました。 公明党の山口代表は、「欧米に足並みを揃えるべきか」と質問を受け、「人権侵害の根拠がないのに、制裁を課せば、外交問題を引き起こす」と答えました。 こうした状況なので、日本の国会はウイグル人権侵害を非難する「国会決議」も行っていません。 そんな中、4月6日には「人権外交を超党派で考える議員連盟」が発足しました。自民党の中谷元・元防衛相と国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員が発起人代表です。 発起人の一覧を見ると、共産党議員も参加し、まさに超党派です。しかし、なぜか公明党議員の名前が見当たりません。 共産党の志位委員長は、「毛沢東を一番礼賛したのは公明党」と皮肉を述べましたが、言い得て妙です。 このように日本の二股外交の元凶は自民党の親中派や公明党にあると言わざる得ないわけですが、これが欧米の不信感を生んでいます。 米国はウイグルの人権弾圧に加担した企業をブラックリストに載せ、米国企業の輸出先を失いました。米国は身を切って、中国の人権弾圧に対峙しようとしています。 しかし、米国は今、同様の覚悟が、日本政府にあるのかを問うています。 ◆世界に広がりつつある北京冬季五輪ボイコット 日本政府が躊躇っている間に、2022年2月に開催予定の北京冬季五輪をボイコットすべきかどうか、米国で議論が始まっています。そして、世界に広がりつつあります。 ボイコットの支持者は、ウイグルやチベット、香港の民主活動家弾圧、台湾への軍事的威圧を許してはいけない。北京五輪をボイコットし、中国を罰する必要があると考えています。 中国にとっては、北京五輪は国内支持を固め、世界中にプラスのイメージを広めるまたとないチャンスです。各国政府が難しい対応を迫られるのは間違いありません。 イアン・ブレマー氏が創業した米国のコンサルタント会社「ユーラシアグループ」は、ボイコットの方法を3つに分類し、どれほどの可能性があるか、算出しました。 (後編につづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 すべてを表示する