Home/ 2017年 March 2017年 March 国民皆保険の未来 2017.03.12 文/幸福実現党・岡山県本部代表 たなべ雄治 ◆安心安全!?日本の医療 行かないに越したことがないのが病院ですが、皆さんは年に何回通院されますか? 日本人の医師受診回数の年平均は13.1回だそうで、OECD加盟国の中でトップです。 それもそのはず。日本にいると安心して、安くて優れた医療を受けられるからでしょう。 最先端の医療技術ながらも、「医療保険」のおかげで自己負担は3割に抑えられています。 ◆保険とは何か この「医療保険」は、政府が運営する「社会保険」の一つです。強制加入であり、国民皆保険とも呼ばれています。 また、社会保険とは別に、民間企業が運営する「生命保険」「自動車保険」「民間医療保険」などの多種多様な「民間保険」があります。 ところで保険とは、あるリスクに対して、その発生確率に見合う保険料を加入者が出し合って、万が一の時には積立金を支給してもらう相互扶助の制度です。 リスク発生時の支払いの総額を、徴収する保険料の総額で相殺できなければ、保険としては成り立ちません。 医療保険のように、たとえ強制加入であっても、たとえ社会的意義が大きいとしても、この原則には変わりはありません。 ◆日本の社会保険の現状 とても使いやすい「医療保険」ですが、収支はどうなっているのでしょうか。 まず社会保障全体で見てみましょう。 118兆円の社会保障給付費のうち、「年金」は約48%、「医療保険」が約32%、「介護保険+その他」で残りの約20%という比率です。社会保障支出の多くの割合を社会保険が占めます。 その財源にあたる保険料収入はというと、社会保障給付費のうちの60%にも満たない有様です。年金、医療保険ともに、同様の比率です。 そして残り40%の財源には、税金が投入されているのです。 バブル崩壊の1990年以降、概ね毎年15~50兆円の財政赤字が発生しています。 もし社会保障給付費が保険料で賄えていたとすると、この財政赤字は丸々発生していなかったことになります。 政府の借金が1,000兆円を超えたとも言われますが、その原因は社会保障支出であり、政府の保険制度設計の不備が原因だったということです。 ◆今後のトレンド 続いて、今後のトレンドを見てみましょう。 少子高齢化社会と言われて久しい日本ですが、2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳)となります。世に「2025年問題」と言われるものです。 その時には、人口比約30%が高齢者になります。 また、生涯医療費の49%が70歳以上の医療費にあてられるという推計もあります。 年金は言うに及ばず、医療保険にとっても、時間が経てば経つほど負担は大きくなってきます。 ◆政府の方針は? 社会保障費増大の予想に対して、政府は消費税の増税で対応しようとしています。 2019年には消費税の10%引き上げが予定されていますが、税収増の見込みは、5%からの換算でも年間13.5兆円に過ぎません。 ところが、社会保障費の不足は現時点でも44.8兆円もあります。消費税増税は解決策ではありません。 それどころか、逆に景気を悪化させ、持続可能な財政再建を阻む愚策です。 保険料を賄おうとするならば、GDPを増やすしかありません。 増税で政府にお金を集めて、GDPを稼がない官僚の人員を増やしても意味はありません。 逆に減税で、民間がお金を使えるようにして、GDPを生み出す民間に資本を集中させるべきです。 ◆どうすればよいのか 医療保険料が高くなるのは望ましくありません。診療報酬の自己負担が増えてしまうのは困ります。 しかし、自分にとって都合が悪くなるからと言って、現状維持で良いはずはありません。 医療保険が賄えるような適正な保険料が求められます。低所得者層には、医療バウチャーの導入も必要でしょう。 併せて、医療業界全体の改革に着手しなければならないでしょう。 今の医療業界は、参入の規制があり、診療報酬に規制があり、自由な競争状態にはありません。 診療報酬を監査する審査団体すら、厚生労働省の天下り先になり、不備も指摘されています。 そのような既得権益と戦いながら、国民の痛みを伴う改革を覚悟し、国民に対して正直に説明ができる政治が望まれます。 そのためにもまず私たち国民が、痛みを伴う改革を覚悟し、選択する必要があるのではないでしょうか。 次世代にツケを残さないために、今こそ、新しい選択を!幸福実現党は戦い続けます。 震災から6年を迎えて(党声明) 2017.03.11 ※3月11日、下記の党声明を発表致しましたのでお知らせいたします。 ■震災から6年を迎えて(党声明) https://info.hr-party.jp/press-release/2017/4244/ 本日、東日本大震災の発生から6年を迎えました。改めて犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。 被災地の復興はまだ道半ばであり、今なお12万人以上もの方々が長引く避難生活を余儀なくされています。被災された皆さまにお見舞いを申し上げますとともに、政府に対して、被災地の復興と被災者の生活再建に力を尽くすよう求めます。 原発事故が発生した福島県では、自治体の復興が遅れており、現在も約8万人の方々が避難生活を強いられています。避難住民の帰還を可能とすべく、安全性が確認された区域については、できるだけ早く避難指示を解除すべきです。その際、生活支援策を講じることはもとより、被災地の本格復興に向けて、今後、新産業の立地促進や、いわきを交通結節点とするリニア新幹線の整備を進めるべきというのが、わが党の考えです。 また、放射線による健康被害への不安は根強く、住民帰還や復興を妨げる要因となっているのが実情です。原発事故を受けて、当時の民主党政権が長期的な除染目標を「追加被ばく線量年間1ミリシーベルト以下」としましたが、そもそも年間100ミリシーベルト以下の被ばくによる健康への影響は疫学的には認められていません。そこで、政府に対し、長期的な除染目標を大幅に緩和するとともに、福島の放射線量は安全なレベルであることも含め、放射線に関する正しい情報を発信し、風評被害の解消に努めるよう求めるものです。 被災地の力強い復興が成し遂げられ、被災された皆さまの一日も早い生活再建がなされるよう、わが党としても努力してまいる決意です。 平成29年3月11日 幸福実現党 「保留児童ってなに」~保育所問題以前の国家社会主義への警鐘~ 2017.03.09 HS政経塾 担当チーフ 古川裕三 ◆あれから一年 春先のこの季節は、花粉との闘いだけではなく、復職希望のママたちが「認可保育所」に入るために必死の戦いを繰り広げます。 昨年の2月、保育所の選考に落ちた子供の親が「保育園落ちた」というタイトルの匿名ブログを投稿したことがきっかけで、保育所増設に関して国会でも議論され、待機児童問題が大きくクローズアップされました。 4年前の2013年、「待機児童ゼロ」を達成した自治体として大きく取り上げられた横浜市ですが、その後、「横浜市なら保育所に入れる!」と思った子育て世代が多く転入してきたこともあり、また待機児童が増えているといいます。 ただ、横浜市は、「待機児童」限りなくゼロに近いと説明します。なぜなら、「保留児童」という言葉を編み出したからです。 ◆「保留児童」ってなに 横浜市こども青年局によると、「保留児童」の定義は「市の認可施設に入所できなかった児童」のことで、「待機児童」は保留児童のなかで、さらに認可外保育所にも入れなかった人のことを指すそうです。( 1近所に通える施設があるのに特定の施設のみを希望した、2市の認可外施設に入った、3親が自宅で求職活動中、4親が育休取得中、という児童の数) 認可にも認可外の保育所にもどちらにも入れなかった人が「待機」という言葉で表し、認可保育所を申請し、入れなかった人を「保留」というわけです。 なんとも、ややこしい話ですが、要するに保留児童も「待機」しているわけですから、「待機児童」でしょう。 2013年以降、横浜市の待機児童数は20人(14年4月)、8人(15年4月)、7人(16年4月)と確かに少なく見えますが、 その一方で、保留児童数は16年4月の時点で3117人と、15年4月からおよそ600人も増加しています。 参考:横浜で増え続ける「保留児童」 保育所落選に「喧嘩売られているのか」(J-CAST 2/ 4) http://www.j-cast.com/2017/02/04289717.html?p=all ◆増え続ける「待機児童」 横浜市は全国に先駆けて市役所に「保育コンシェルジュ」なる職員を配置して、認可に落ちた母親にも丁寧に対応して認可外施設などを案内するなど、待機児童問題解消に積極的に取り組んできた自治体であることは事実ですが、ママ人気が殺到してまった結果、その後、「保留児童」が激増してしまいました。 子育て世代の転入増加に対し、保育所の数がまったく追いついていないのです。 ◆「許認可行政」をこそ排すべき そもそもの問題は、許認可行政にあります。認可保育所は、国から税制上優遇されていますし、補助金もたくさん出ています。 認可施設は園庭がなければなりませんし、保育士の数も基準があります。この国が設定する基準だと、人口過密地帯である首都圏では、認可施設をつくることがそもそも困難なのです。 それでは認可外の施設はどうか、といえば、そこまで増えません。なぜなら、採算がとれないからです。 認可施設は、補助金が投入されているので赤字経営でも利用料が「安く」設定されているので、希望者が殺到しますが、認可外は利用料が「高い」ので、「保育料」を払うために働く、という話になってしまうこともあります。 足りない保育所問題に対して、昨年、大川隆法党総裁は、次のように述べたことがあります。 「資格にこだわったり、国が、保育士の給与の最低基準を決めて、給与を上げようとしたりすると、「予算が幾ら要る」という話になりますが、これは、「国家社会主義」といって、いちばん失敗するタイプのやり方なのです。 こんなことは、かつて旧ソ連がやっていたことです。国が、賃金体系から何から全部を決めるのは「計画経済」です。 ただ、これだと、市場のニーズが分からず、市場のニーズに合わせた仕事ができないので、失敗します。これと同じ方向に、どんどん向かっているのです。 民主党政権であろうとも、自民党政権であろうとも、やろうとしていることには国家社会主義的傾向があります。 言い換えれば、「中国や北朝鮮に似たことをやろうとしている」ということなのです。この考え方は変えたほうがよいと思います。 「許認可で全部が解決する」と思ったら、これは大きな間違いです。」 参考:『世界を導く日本の正義』大川隆法著より ◆補助すべきは頑張るママ 無駄な許認可行政を排して、もっと自由に保育所も増やせるようにすべきですし、国の基準を満たした認可保育所にのみ補助金をまくやり方は改めたほうがよいでしょう。 補助は、利用しようとしている「母親」に直接すべきです。 足りない保育士の問題についても、大川総裁は以下のように述べました。 「小さいお子さんの場合、「知育」、つまり知的教育をそれほどやっているわけではないので、親が仕事をする間、安心して子供を任せられるところがあればよいのです。実際、「どういうところだったら安心できるか」ということですが、子供を自分で育てた経験があり、信用のある方が何人かいて、面倒を見てくださるようになれば、別に、それほど心配はないと思うのです。」(参考:同書より) 子育てを終えたシニア層に一役買って出ていただいて、「足りない保育士」問題も解決する。もっと働きたい、というシニアの方にも雇用が生まれますし、預け先がない、と困っているママたちも安心して預けられる「場所」があり、「人」がいる、これが大切です。 ◆努力する一人ひとりに寄り添う幸福実現党 幸福実現党は、ママさんもシニアの皆様も、「希望の未来」そのものである子供たちも、心から応援します。 そして自民党「幕府」が、消費増税の失敗をごまかすために、飲めや歌えや遊べや金使えやと「プレミアムフライデー」令を出しても、まったく関係なく金曜日15時以降、勤勉に働くお父さんたちも、最大限に応援していきます。 私たちは、消費減税によって、お父さんの毎月の「おこずかい」を増やします。 国が丸抱えで全部決めていく「国家社会主義」ではなく、努力する国民一人ひとりが自由に「考え」、「選び取り」、「成功する」ことのできる社会の実現を目指します。 緊迫する北朝鮮情勢――日本はよりリアルな国防を 2017.03.07 HS政経塾 第5期生 表 なつこ ◆またしても北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射 先日3月6日朝、北朝鮮がまたも日本海に向け弾道ミサイルを発射しました。4発のうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に、残りの1発もEEZ付近に着弾しました。 安倍晋三首相は、今回の発射で北朝鮮が新たな段階の脅威になったと述べました。 今回のミサイル発射の理由は、(1)今月1日から行われている米韓合同軍事演習への対抗、(2)アメリカのティラーソン米国務長官が、北朝鮮の核・ミサイル問題を「差し迫った脅威」と認識し、日中韓との連携強化を目的として各国を訪問することに対するけん制、の二点があると言われています。 ◆北朝鮮の国際的環境は悪化 各国の北朝鮮への視線は厳しさを増しています。 北朝鮮は、先月12日の日米首脳会談直後にもミサイルを発射しました。日米をけん制する狙いだったと考えられますが、かえって両国の結束と対北朝鮮への強硬姿勢を強めました。 また、同13日には金正男氏暗殺の報せが世界に衝撃を与えました。暗殺の現場にされたマレーシア政府は北朝鮮との国交を断絶する動きも見せています。 ひいては、北朝鮮と比較的友好的関係にあった東南アジア諸国も北朝鮮の扱いを見直す議論を始めています。 またこの事件を受けて、トランプ大統領は北朝鮮をテロ支援国家に改めて指定する検討を始めていました。 ◆北朝鮮内部も情勢悪化 一方で北朝鮮内部も混乱していると見られます。 金正男氏殺害の容疑者と見られる複数の人物が所属している、北朝鮮の国家保衛省(政治警察)において、5人以上の幹部が高射銃で処刑されたと、先月27日に韓国の国家情報院が明らかにしました。 人民は金正恩氏に忠誠心を持っておらず、体制に不満を持つ高官の脱北が相次いでいます。末端の地方保衛部員らは、現政権崩壊後に自分たちが人民にリンチされることを恐れている、といいます。(参照:西岡力 http://ironna.jp/article/3960) ◆トランプ政権の対北政策 トランプ大統領は2月23日、ロイター通信のインタビューで、大統領就任後初めて核戦力について明言し、「私は核のない世界を誰よりも見たいと思っている。しかし核保有国があるなら、核について他国に劣るつもりは決してない」と、核戦力増強の意向を示しました。 このインタビューの中で北朝鮮については「非常に怒っている」、金正恩委員長との直接会談の可能性については「遅すぎる」と語りました。 アメリカは、北朝鮮のミサイルから韓国を防衛するために、年内に地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を在韓米軍に配備する予定ですが、THAADの迎撃の精度は不透明であるため、北朝鮮がミサイル発射実験をしようとした際に軍事施設を攻撃するほうが確実性は高いと考えています(3月4日付日本経済新聞)。 また、アメリカは金正恩委員長を別の指導者にすげ替える構想も検討しています。 ◆日本はどうするか アメリカは現在の北朝鮮の混乱状態から、核実験や弾道ミサイルの発射を一段と予測しにくくなったと認識しています。 この度(3月6日)のミサイル発射も、事前予告もなく日本の排他的経済水域に着弾しており、「漁船等が操業している可能性もあり、きわめて危険な行為」(3月6日安倍首相発言)です。 日本では現在、この北朝鮮情勢の悪化を受け、危機が差し迫った際には相手国のミサイル攻撃基地を先制攻撃できる「敵基地攻撃能力」の保有を検討しています。 これは国際法上も認められている能力であり、先に紹介した「THAADよりも軍事施設攻撃の方が精度は高い」というアメリカ側の考えにも一致するものです。 ただ、憲法9条の解釈から、国防のあり方を「専守防衛」と規定してきた日本はこの能力を持たずにきたため、実現には5~10年かかるとされています。 したがって北朝鮮の暴走から確実に日本を防衛するためには、アメリカの核を日本に配備し抑止力にするニュークリアシェアリング(核共有)などについても、同時並行的に議論し交渉していくことが求められていると言えます。 日本は、緊迫している周辺の国際環境を受け、より現実的に安全保障を考える必要があるでしょう。 ツイッターで世論を変える?!デジタル化で広がる新たな広報戦略 2017.03.05 HS政経塾2期卒塾生服部まさみ ◆アメリカ大使館も踊った!「恋ダンス」が爆発的話題に 昨年、TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(通称:逃げ恥)で爆発的人気となった「恋ダンス」。 全国の老若男女がこの「恋ダンス」を踊り、インターネット上に動画をアップすることが流行りました。 ちょうどドラマが最終回を迎えるころ、アメリカ大使館のケネディ元大使やスッタフたちが踊っている動画がYoutubeにアップされ、700万回以上再生されるという爆発的なヒットを生み出し、話題になりました。 アメリカ大使館の広報は、この爆発的なヒットを「ただのブーム」、「流行にのっただけ」とするのではなく、真面目に、専門的に分析しています。 その視点が非常に参考になるので、ご紹介させて頂きます。 ◆テレビ×SNS=大きな反響! アメリカ大使館が動画をyoutubeにアップしただけではそれほど大きな反響はなかったようですが、ニュース番組で「アメリカ大使館も踊った!」と取り上げられ、そこからフェイスブックやツイッタ―などで拡散され、一気に大きな話題になりました。 大きな反響が出るためには、テレビで取り上げられただけでは、若者の間で話題にならず、反対に、ツイッタ―などインターネット上で話題になっただけでは、世間に知られることはありません。 特に、日本では、テレビの影響力が大きいので、テレビとSNS(フェイスブックやツイッターなど)の両方で取り上げられることで大きな反響が出てきます。 ◆ツイッターから生まれるトレンド 最近は、テレビや新聞で話題になることより、ツイッタ―などインターネット上で話題になったものをテレビや新聞などが取り上げ、ひとつのトレンドを作っていくというケースが増えてきているといいます。 それでは、具体的にどのようなプロセスでトレンドが生まれるのでしょうか。 若者の意見をもとに商品開発を行い、様々なヒット商品を生み出しているマーケティング会社の調査によると、以下のプロセスでトレンドが生まれるといいます。 (1)ツイッタラーがコンテンツに目をつける 「ツイッタラー」という3万人以上のフォロワーを持っている人たちがいます。このツイッタラーたちは、おもしろい内容(コンテンツ)を見つけることが仕事なので、常におもしろいコンテンツを探しています。 (2)ツイッタラーが拡散する このツイッタラーたちに目をつけられると、拡散(RT)が始まります。 (3)一般のアカウント上でツイッタ―がまわり出す。 そして、拡散されたものが一般のアカウント上でもまわり始め、多くの人が拡散し始めます。 (4)ニュースやテレビで取り上げられる ニュースやテレビでも取り上げられ、ツイッタ―を知らない世代にも広まり、トレンドになり、世論が形成されていきます。 ◆ツイッタ―がもつ影響力 ツイッタ―は日本語との相性が良く、特に、日本においては、ツイッタ―が持つ影響力が大きいと言われています。 それぞれの国よって影響力をもつ媒体が違うようで、アメリカの場合、若者の間では「スナップチャット」という媒体が主流で、「フェイスブック」は35歳以上の年齢層で、年配の方がお孫さんの写真を見せ合って交流するツールとして人気があります。 また、「ツイッタ―」は少し、ブームが去っていましたが、トランプ大統領が使ったことで、再び、注目されています。このように世代によっても違いがあります。 「PPAP」という世界中で話題になった動画がありましたが、これもYoutubeの動画を日本のツイッタラーたちが拡散し始め、ジャスティン・ビーバーという歌手がこの動画を見つけて、話題にしたところ、世界中に広がりました。 一方で、世界では話題になっても、日本では全く知られていないケースもあります。 「ソルト・ベイ」という1か月で950万回も見られて海外ですごく流行った動画がありますが、これはインスタグラムという媒体から拡散され、日本では、ツイッタ―に乗らなかったので、ほとんど知られていません。 このように日本ではツイッタ―の要素が足りないと影響力が出ないといわれています。 ◆爆発的な話題になる動画の共通点 話題になる動画にはいくつかの共通点があるようです。 爆発的に話題になる動画の3大要素として次のように考えられています。 (1)ギャップ要素:真面目な人がふざける。ふざけている人が真面目にしているなど内容のギャップがあるもの。 (2)リズム(音)要素:トレンドの曲や頭に残る曲を使っている。 (3)動き(ダンス)要素:インパクトがあったり、真似しやすい動きがあるもの。 この3大要素が含まれているものは、爆発的な話題を生みやすいと言われています。前述したアメリカ大使館の恋ダンスビデオもこの3大要素を含んでいます。 一つ目のギャップ要素では、大使など真面目なイメージのある人たちが、学生や若者が面白がってやる「踊ってみた」をやっている点や、雪の中や大使館の中など、ロケーションが新鮮で斬新であること。 二つ目のリズム要素は、話題のドラマ、流行の曲を使っていること。 三つ目のダンス要素も、いろんな人が真似して踊っている、流行りの「恋ダンス」をしていることなどです。 ◆広報外交の重要性 以上のように、インターネットの新しい媒体を使いながら話題性をもって世論をつくりあげていく事例を紹介してきました。 なぜ、このような事例にアメリカ大使館は注目するのでしょうか。 外交戦略のひとつに、「パブリック・ディプロマシー」があります。 「広報外交」、「広報文化外交」と言われていますが、伝統的な「政府対政府」が行う外交とは異なり、広報や文化交流を通じて、国際社会の中で自国の存在感やイメージを高め、相手国の国民や世論に直接働きかける外交のことです。 インターネットなど情報化社会が進んだ現代では、個人が様々な情報を受け取り、発信できる時代になりました。 そのため、政府を相手に政治家や外交官が交渉を行う外交だけでは十分ではなく、国民や世論に働きかける「パブリック・ディプロマシー」がますます重要になってきています。 トランプ大統領を見てもわかるように、外交官やメディアを使わず、大統領自らがツイッタ―で、世界中に直接メッセージを発信しています。 アメリカは特にこの広報外交に力を入れている国ですが、今までは「アメリカの価値観を押し付ける」というイメージが定着していました。 しかし、恋ダンスの動画に見られるように、日本で流行っているもの、日本人が好きなもの、日本の文化的要素に合わせながら、アメリカらしいメッセージを含んでいる点など、相手の文化を尊重しながら友情をはぐくもうとする姿勢が新しく、参考になる点です。 また、動画や音楽など非言語の要素を活用したコンテンツは言葉が通じない相手や、政治に興味がない人にもアプローチできるという点で大きなポテンシャルがあり、様々な垣根を越えてリーチできるツールとして注目されています。 インターネットの媒体を上手に使いながら、私たち一人一人が日本の素晴らしさを世界にアピールしていくチャンスでもあります。 幸福実現党は正しい方向に国論を引っ張りながら、積極的な外交を展開して参ります。 混迷する「小池ファースト」の東京都政 ~豊洲市場に即刻移転を。 2017.03.04 東京都第10選挙区支部長 幸福実現党青年局部長(兼)HS政経塾部長 吉井としみつ ◆混迷する築地市場の移転問題 東京都議会は、百条委員会を設置して、築地市場の豊洲への移転についての経緯を明らかにするべく動いています。 一方、3月3日、元都知事の石原慎太郎氏が記者会見を開きました。 これに対して、様々な報道が出ていますが、会見内容を見る限り、豊洲移転については議論を重ねた結果、都庁全体でコンセンサスがあったということは間違いないと思います。 いまだに「犯人探し」をするような過熱報道がほとんどですが、一番大事なことは、築地市場と豊洲市場を比べて、どちらが安全なのかを冷静に比較する。 そして、それを有権者に責任転嫁するのではなくて、政治家が責任を持って決断することが、「本当の都民ファースト」ではないでしょうか。 まずは、築地市場と豊洲市場の安全性について、あらためて考えてみたいと思います。 ◆豊洲の地下水に適用している基準は妥当なのか? 豊洲の地下水に適用されている基準は、環境省が定めている「環境基準」です。「環境基準」とは、飲用を前提にして達成することが望ましいとされている基準です。 では、検査されている豊洲の地下水は、飲用なのでしょうか? 実は、飲用ではありません。 「飲用ではない地下水に、飲用を前提にした環境基準を適用している」ということを押さえる必要があります。 そもそも地下水は、管理システムで浄化して排出することになっており、安全性に重大な懸念が出るわけではないと専門家会議での見解も出ています。 しかも、環境基準を上回る地下水が検出された場所は、敷地内ではありますが、豊洲市場の建物外です。 3月中に豊洲の地下水の検査結果が公表となりますが、豊洲の地下水は「飲料に使わない水」ということを押さえて、結果を受け止めるべきです。 ◆「盛り土」ではなく「コンクリート」で対応できる 豊洲市場への移転が延期になったのは、2016年11月7日の判断でした。 豊洲の土壌から出る汚染物質が、地表に出ないようにするための「盛り土」がされていない、ということが主な趣旨でした。 これにより、報道が過熱し、盛り土をしていないことが、あたかも豊洲の安全性にとって致命的ではないか?という雰囲気ができてしまいました。 しかし、事実は異なります。 豊洲は、35センチメートル以上のコンクリートを敷設しており、土壌汚染対策法に則って処置されています。 法令では、地表面から50センチメートル以上の盛土をするか、3センチメートルのアスファルトまたは、10センチメートル以上のコンクリートであれば良く、念入りに対策がされています。 さらに、豊洲の土壌は、汚染物質の除去作業が行われており、汚染土が舞うことはありえません。 また、汚染された地下水が気化することで安全性に問題あるのではないかという指摘も、実際に観測した結果、十分に環境基準に適合することが分かっており、そうした懸念が払拭されるデータがとれています。 ◆むしろ、築地市場の方が危ない 現在の築地市場は、80年以上大きな役割を果たしてきました。その功績は素晴らしいものがあります。 しかし、その一方で、建物の老朽化、建材に使用されているアスベストの飛散、さらにはトラック、ターレ(運搬車)、観光客が入り乱れる非効率な物流状況で年間300件以上の交通事故が発生しています。 また、トラックやターレ(運搬車)による高濃度のベンゼンを含む排出ガスが、食品に触れてしまう状態でもあり、衛生面でも懸念があります。 しかも、2016年8月の東京都の調査では、環境基準面では問題はないものの、空気中のベンゼン濃度は、築地市場の方が豊洲よりも高いのです。 安全面・衛生面でも懸念があったからこそ、市場の移転をせざるを得ず、6000億円もの都税を使って豊洲市場が建設されたのです。 ◆豊洲の風評被害の発信源は誰なのか? 安全性が確保されているにもかかわらず、仲卸をはじめとする市場関係者の方々も移転に二の足を踏んでいます。その最大の理由とは何か。 それは、悪化した「風評被害」です。 3日の石原氏の会見を受けて、小池都知事は「仲卸の方々も今のままでは豊洲に移れないと明確に言っている」という趣旨の発言をなされています。 しかし、その最大の原因である、豊洲の風評被害をつくりだしたのは、小池都知事ご自身です。 また、「都民ファーストの会」の勢いは強まっていますが、そもそも都議会議員も、豊洲移転については容認してきたわけです。 青島都知事(1995年~1999年)時代から、豊洲移転の話が出ているわけですから、関係ないはずありません。 それが、ここに来て豊洲移転に二の足を踏んで、百条委員会を招致して「あたかも都民のために、熱心に議論する」ことは、政治パフォーマンスに他なりません。 こうした百条委員会での、政治パフォーマンスがなされている間には、使われない豊洲市場の維持費だけで、毎日500万円以上もの税金が使われていることは、何故かあまり報道されません。 東京都は世界を代表する都市ですが、残念ながら都政のコスト感覚やマネジメントは、世界の模範となるには程遠い状況のようです。 ◆「有権者への責任転嫁」が民主主義? ここまで見ると、「都民ファースト」と謳いながらも、その実態は「小池ファースト」の東京都政になっているのではないでしょうか? 豊洲移転の判断については、「都民の意見を参考に総合的に判断する」、さらには「東京都議選の争点にする」という話もありますが、政治家が責任を持って判断するべき問題を、有権者に責任転嫁することはやめていただきたいと思います。 政治家が責任を持って決断するべき問題を、選挙の争点にするという名目で、都民に丸投げする。そして、「その選挙結果を行政に反映して、都民の声を聞きました」というのでは、そもそも、政治家は要らないと宣言しているのに等しいのではないでしょうか。 政治家が決断するべき問題を、有権者に問うという名目で責任転嫁をすることが常態化しています。2016年の参議院選挙でも、消費税の問題を国民に判断させるという責任転嫁の争点づくりがなされました。 無責任・民主主義政治で、税金を浪費し続けてはなりません。 豊洲市場への移転は、一刻も早く進めるべきです。 それと同時に、例えば「豊洲安全宣言」を小池都知事が発表するなど、自らつくりだした風評被害の払拭に責任を持って取り組むことこそ、本当の「都民ファースト」ではないでしょうか。 トランプ革命の行方と日本の外交戦略【3】 クリミア危機の伏線を敷いた「EUの野心」と「脆弱なウクライナ経済」 2017.03.02 幸福実現党政調会・外交部会 彦川太志 前回のニュースファイルでは、米トランプ政権がロシアとの関係改善を実現するためには、シリア問題とウクライナ問題を巡る対立にどのような着地を見出すかが試金石になると紹介させて頂きました。 トランプ革命の行方と日本の外交戦略【2】トランプ政権下で進展する、米露関係の修復 http://hrp-newsfile.jp/2017/3085/ 今回は、ロシアとウクライナ、EUの関係について触れつつ、ウクライナ問題の解決に向けて、日本が持つべき考え方を提言させて頂きます。 ◆ロシアを追い詰めたEUの「野心」 一般的に、ウクライナ内戦はクリミア半島やドネツク・ルハンスクなどの二州に対するロシアの領土的野心から引き起こされたと考えられていますが、軍事的な観点からみると、逆にNATOがロシアを挑発した、という構図がある事が見えてきます。 ウクライナは91年のソ連邦崩壊と共に独立を果たし、EU諸国の「東方拡大」政策を背景とした欧米からの資金供給をテコに、ロシアからの経済的・政治的独立を志向してきました。 EUの東方拡大政策とは、旧ソ連邦の同盟国を形成していた旧東側諸国を西側諸国の一員として取り込んでいく政策であり、NATOによる対ロシア軍事包囲網の形成をも含んでいました。 そうした流れの延長として、ウクライナのEU加盟と経済統合が推進されておりましたが、ウクライナ領内にはソ連時代に形成されたロシアの重要な軍事産業が今も複数所在していることから、ウクライナ経済のEUへの統合は、経済問題のみならず国防上の問題とも絡んだ深刻な政治的対立に発展していました。 ウクライナに所在するロシアの軍事産業の例を紹介すると、軍用機や艦艇のエンジン生産工場をはじめ、対空ミサイルの誘導装置やICBMの部品を生産する工場が所在していることが知られています。 ロシア政府は、このような軍事力の中枢にかかわる産業の情報がEUとの経済統合によって第三国に流出する可能性を警戒していたのであり、ウクライナのEU加盟によって、軍事力の基幹に関わる産業を喪失した上に、ロシアに対するミサイル防衛網がモスクワの目と鼻の先に展開されるという危機に直面することを危惧していたのです。 カーネギー国際平和財団・モスクワセンターのドミトリー・トレーニン氏は、「ウクライナ危機とそれに先行する西洋との関係悪化」により、ロシアは中国との「協商関係」の拡大を選択せざるを得なかったと指摘しています。 ロシアを中国との実質的な「協商関係」に追い込んだEUの東方拡大政策について、その妥当性を検証する必要性があると言えます。 ◆外国資本に左右される脆弱なウクライナ経済にこそ問題の核心がある 一方で、ウクライナ経済の在り方にも注意を払う必要があります。 ウクライナは独立以来、IMFなどの西側資本を呼び込みつつ経済改革を進めてきましたが、26年に渡る歴史の中でGDPがプラス成長となったのはわずか4年間のみ。 しかもヤヌコヴィッチ大統領が追放された2014年初頭時点でのウクライナ財政は、GDP約1783億ドルに対して、対外債務残高1421億ドル、外貨準備高204億ドルという財政リスクを抱える状態でした。 確かに、軍需中心のソ連経済はウクライナを豊かにすることはありませんでしたし、ソ連崩壊後のロシアもウクライナを救済する力を持ち合わせていませんでした。 しかし、それと同様に、欧米諸国が十年以上に渡って資金援助や経済改革を指導してきたにもかかわらず、ウクライナ経済が行き着いた所はデフォルト間近の「外資依存経済」であり、国営企業民営化の努力も一部のオリガルヒ(新興財閥)を育てただけで、国内に厚い中産階級層を形成する事ができなかったという現実があります。 外資に依存せざるを得ない経済状況それ自体が、ウクライナ国内に混乱の火種を点している事は明らかです。 結局、「ロシアの資金」と「欧米の資金」のどちらを利用して経済を維持するのかという経済的・政治的選択肢の間を揺れ動いた結果、民族衝突に火が点く寸前までいったのがウクライナ問題であり、「ウクライナ国民の自立と幸福を真に実現する」という観点が完全に抜け落ちている点、同国の政治指導者に反省を求めるべきだと言えるでしょう。 むしろ経済制裁による深刻なリセッションの最中、「武器輸出額」以上の「農業輸出額」を達成し、新たな輸出の主力産業を育てるという経済改革を「自力で」行ったロシアに、ウクライナも少しは見習った方がよいと思います。 ◆ODA政策を見直し、ウクライナに「自助からの繁栄」の精神を育てるべき 以上の点を踏まえると、結局ウクライナ問題と言っても、旧ソ連時代の重工業産業からの産業転換に苦戦し、自立した経済を構築できていないウクライナを、欧米が救済するのか、ロシアが救済するのかと言うだけの問題であることが見えてきます。 また、経済を外資に依存している状況が変わらない限り、資金提供を行う国や集団の利害に常に内政が影響されますので、外交にも重大な影響が及びます。 このことから、ウクライナ問題の解決に向けて、日本は同国国内の健全な中産階級育成を支援することで、「内政の安定」と「外交関係の安定」を達成できるように取り計らうべきだと言えるでしょう。 その政策的手段としては、これまで日本が行ってきたODAを見直し、新たな基準で実施して行く事が考えられます。 日本はクリミア危機以降、ウクライナに対して2000億円以上のODAを実施していますが、下水処理場の修復や日本企業製品の無償提供などの場当たり的施策に終始しており、ODAを通じてウクライナ問題にどうコミットしていくのかと言う「哲学」が感じられません。 これは私見に基づく提案ではございますが、ODAを「商道徳」育成に特化し、「石門心学」(江戸時代中期の思想家・石田梅岩を開祖とする倫理学で、正直 倹約 勤勉の「三徳」を説いた)をウクライナに輸出するようなイメージで、「ウクライナ経済の安定と発展」、「紛争の抑止」に貢献する気概を見せてはいかがでしょうか。 日本は「資源大国」ではありませんが、世界有数の「老舗大国」でもあり、「ファミリービジネス」大国でもあります。 その核心は宗教的信条に裏打ちされた「自助努力」と「利他の精神」に基づく「ジョブ・クリエーション」の経済思想に他なりません。 もちろん、テクニカルな法改正や制度改革は別途必要となるでしょうが、「日本の繁栄にあやかりたい」という親日国を増やしながら、欧州とロシア間の対立を経済面から解消していく哲学を一本打ち込んでいく事も、外交の使命であると考えます。 次回、最新情勢を踏まえつつ、「ミンスク合意」の履行を果たし、米露関係を修復に導くための日本の具体的行動について提言し、ウクライナ問題の最終回としたいと思います。 すべてを表示する « Previous 1 2