Home/ 2016年 January 2016年 January 今こそ「憲法改正」で、国民主権を守りぬけ! 2016.01.29 文/幸福実現党・山口県本部副代表 かわい美和子 ◆北朝鮮元工作員の証言 昨年11月29日、「特定失踪者を救う会中国地区大会」が山口県岩国市で行われ、北朝鮮元工作員の李相哲(イ・サンチョル)氏が来日し、日本人拉致の実態や工作活動について証言しました。 まず李氏は、「私は1982年6月、山口県長門市の海岸に上陸した」と告白を始めました。 「偽プレートを付けた工作船で沿岸まで近づき、他の場所では地域ごとにプレートを変える。周りには数十隻の漁船が漁をしていたが、誰にも不審に思われる事なく、いとも簡単に上陸できた。」 「大部分は、北朝鮮から『こういう人物が欲しい』という依頼に応え、日本国内の固定スパイが動き、ターゲットになった人物を誘引して海岸に連れ出す。任務途中バッタリ会った日本人も、痕跡を残さないため連れて行った。」 「韓国は、海岸線の警備が非常に厳しく鉄柵が張り巡らされ、入るのが難しい。だから、とりあえず日本に入る。日本は簡単で、上陸というより、みんな『ちょっと日本へ行ってくる』ぐらいの気持ちだった。」 「今も多くの固定スパイが、普通の日本人を装い潜んでいる。日本政府は(工作員一掃に)真剣に動くべきだ。上陸ポイントも同じ場所。警察も自衛隊も、その情報をしっかり集め、調べるべきだ。」 衝撃の激白と警鐘を聞きもらすまいと、場内は静まり返っていました。 ◆なぜ、主権は侵害され続けたのか 国民主権とは、国民の生命・安全・財産・領土・領海・領空が守られてこそ成り立つものです。 日本政府も、1988年に拉致問題を「主権侵害」と認めながらも、2002年の5人の拉致被害者帰国以降、何らの進展も、効果的な策もありません。 本来なら、戦争の火種になってもおかしくない「国家犯罪」に対し、自衛隊も動く事すらままならず、さらに、尖閣諸島周辺や竹島問題など、我が国の主権は侵されっぱなしです。 手も足も出す事ができない、やられっぱなしの日本の国体の在り方をこそ、変えなければなりません。 「主権侵害」の根底に横たわるもの――それが、「日本国憲法」の存在ではないでしょうか。 第9条2項には「陸・海・空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と明記してあります。 現憲法下では、自衛隊は軍隊ではなく「自衛隊法」で決められた以外の行動は制限され、実質「9条2項」の存在が、足かせになっていると言って過言ではありません。 一方、他国の軍隊は「してはいけない事」のみ定められた「軍法」により、緊急事態発生の場合、できる限り自由に判断し、国民の主権優先で動く事ができるのです。 国民を守る為の憲法が、周辺国の蛮行を促す事につながるとは言語道断、憲法の意味を為しません。 現在の日本の実情に合わない憲法は、早急に変えて然るべきです。「憲法守って、国滅ぶ」ような事があっては、断じてなりません。 ◆有事を想定し、自分の国は自分で守れ! 北朝鮮は1月6日「水爆実験が成功した」と発表し、世界の安保環境に大きな衝撃を与えました。少なくともこの実験で、核の小型化に成功した、とも言われています。 だとすれば、今後北朝鮮は、中・長距離ミサイルや潜水艦に核弾頭を搭載する事が可能となった事を意味します。 これまで我が国が国家として生存してこられたのは、日米同盟があったからです。 万が一、北朝鮮から核攻撃があったとしても「専守防衛」に徹する日本は、迎撃に頼るのみです。敵のミサイル基地を先制攻撃も、アメリカに頼る他ありません。 しかし「世界の警察ではない」と宣言し、内向きになっているアメリカが、自国に届くミサイルを持つ相手に、果たして戦ってくれるでしょうか。 「自分たちの問題は自分たちでやってね」と丸投げされたら、誰がどうやって国民の生命を守るのでしょうか。 今こそ「憲法改正」待ったなしです。 自衛隊を国防軍と明確に位置づけて、朝鮮半島の有事に対策を講じるべきです。 そして「自分の国は自分で守る」体制をつくる為、国民一人一人が「我が国をどうやって守るか」について本気で議論しなければなりません。 北朝鮮の脅威が現実的になった今、安倍政権は、今夏の参院選で、真正面から「憲法改正」を争点にかかげるべきです。 放射能アレルギーの払拭から福島の復興を! 2016.01.28 文/幸福実現党・広島県本部副代表 佐伯 知子 ◆根深い放射能アレルギー 広島県で活動をしている私は、原発の必要性や福島の安全についてをお話しすると、「たくさんの方が放射能被害に苦しんでいるのに!」という感情的な怒りや悲しみをぶつけられることがあります。 この背景には、根深い放射能アレルギーの存在があると感じます。 1895年、ドイツのレントゲン博士による「X線」の大発見の後、20世紀、放射線技術は医療や半導体など、広範囲に実用化が進められました。 ところが不幸なことに最初の実用化は大量破壊兵器としての使用、すなわち広島・長崎への核爆弾となってしまいました。 20万人もの罪無き民間人が命を奪われたことは、到底許されることではありません。 しかしこれによって、多くの日本人にとって「核」「原子力」「放射能」といった言葉が「悪魔」の代名詞のように、無条件に恐怖や怒りを抱いてしまうものとなったのです。 だからといって、現在における福島の強制的な避難状況や反原発運動が正しいとは言えません。 ◆必要な正しい知識 一般的に放射線が警戒される理由は、人間のDNAを傷つけガンなどの病気を引き起こす可能性が指摘されているからです。 しかし、そもそも人間は日常的に空気や土壌、食べ物などに含まれる自然界の放射線を浴びながら暮らしています。私たちは、放射線ゼロの世界で生きることはできないのです。 年間100ミリシーベルト以下の被爆であれば人体への影響は無く、ガンによる死亡が増えるという科学的な証拠も無いというのが国際的な常識です。 瞬間的に浴びる放射線も同じく100ミリシーベルト以下であれば人体への影響は確認されていません。 これは、信頼性の高い国際機関である国連科学委会(UNSCEAR)、世界保健機関(WHO)、国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)、及び、日本の放射線医学総合研究所により認められています。 ◆政府やマスコミの非科学的対応 広島・長崎での核爆発の瞬間被爆線量が4000ミリシーベルト、チェルノブイリ原発事故が100~900ミリシーベルトであったのに比べ、福島第一原発事故の瞬間被爆線量は2~10ミリシーベルトと、驚くほどの低線量であったというのが現実です。 ところが当時のメディアは福島第一原発の事故はチェルノブイリと同じかそれ以上と報道し、国民の不安を煽りました。広島の原爆投下よりも放射能が強いとまで報道したのです。 そして福島県ではいまだに放射能被害を防ぐという名目で14万人以上の人々が不必要な苦しい避難生活を強いられています。しかしこの強制避難に科学的根拠はありません。 更に当時の民主党政府は福島の除染目標を自然放射線よりも低い、年間1ミリシーベルト以下に設定しました。 これにより、「1ミリシーベルトでも危険だ!」という誤った情報が蔓延し、人々の恐怖心をさらに煽りました。 平時でも、世界の平均は年間2.4ミリシーベルト、日本でも平均1.5ミリシーベルトなのに、です。 ◆広島の人々と復興 私が住んでいる広島市には、原爆を目の当たりにされた先輩方が今も多くご健在です。 被爆直後に亡くなった方は別ですが、現在80~90代の彼らは「黒い雨を浴び、放射能を浴びた野菜を食べ、水を飲み、必死で生きぬいた」と話します。 驚くべきことに広島市の女性の平均寿命は86.33歳で政令指定都市中、第1位、死産率の低さも1位でした。(2005年調査) 高濃度の放射線を浴びた方は多いはずですが、実は広島・長崎の生存者を見ても極端に寿命が縮まっているという現象は見られません。 広島は原爆投下から3日後には市内電車が動き始め、水道や電気・ガスもすぐに復旧し、翌年には人口が倍以上の18万人にまで回復しました。4年後、国からの支援が始まると広島の復興は一気に進みました。 チェルノブイリ原発事故の被害を受けたウクライナ・スラブチッチ市も事故から2年足らずでニュータウンを建設し、国内有数の魅力的な都市に生まれ変わっています。 ◆福島は安全!放射能アレルギーの払拭を 現在の福島県は、原発事故から5年が経とうとしている今、最も危険視されている帰還困難区域であっても放射線量は年間20~35ミリシーベルトです。 健康被害は全く起きないレベルで今すぐにでも人が住める状況です。本当はすぐにでも復興に入れるのです。 それなのに、福島原発20キロ圏内はいまだに人口0人です。 安倍政権は、民主党政権時代の誤りを明らかにし、避難措置を早急に解除すべきです。 そして、必要の無い避難継続・除染に投じられる多額のお金を、建設的なインフラなど、福島の復興を後押しする方向で使うべきです。 また、日本は根深い放射能アレルギーを払拭し、正しい知識と冷静な判断のもと、経済問題、国防、宇宙や医療などの未来産業に関わる重要な「原子力技術」を世界の最先端に向けて益々、推し進めなければなりません。 人類の未来を拓き、幸福を実現するために。日本の使命がここにあると思います。 税収が増えた分は、国民にも「減税」で還元しよう! 2016.01.27 文/幸福実現党青年局部長 兼 HS政経塾部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆「国民への配当」という発想 「国民への配当」―。 生前、松下幸之助氏は、「無税国家論」の中で提唱されていました。 国の税収は2012年度から2016年度にかけて1.31倍になっており、早くも税収が増えた分を、歳出の増加に充てられないかという議論も出てきています。 しかし、ここで立ち止まって、この増えた税収を、国民に還元することを真剣に検討してはどうでしょうか? (参考):「税収増、はや歳出増?」(1/27朝日朝刊7面) ・2012年度の税収、43.9兆円 ・2016年度の税収、57.6兆円(当初予算案) ◆行政コストはバカにならない もちろん、還元する方法も大事です。 なぜなら、政策を実行するには行政コストがかかるからです。 例えば、軽減税率の導入を検討していますが、これには1兆円の財源が必要と議論していますが、本当は軽減税率の行政コストも計算されなければなりません。 ちなみに、個人情報の漏洩など、リスク満載のマイナンバー制度を推し進めていますが、導入コストは数千億円ともいわれています。 では、「安く」そして「平等」に還元する方法は何かというと「減税」なのです。 ◆財政赤字の解消に本気ですか? 日本政府の財政赤字の解消に向けての一里塚として、政策を実行するために必要な歳出(プライマリー・バランス)が、国の税収と均衡することを目標としています。 しかし、2020年度にプライマリー・バランス黒字化を掲げている割には、経済成長を前提としたシミュレーションでも、2020年は6.5兆円(GDP比1.1%)の赤字です。 26日に公表された平成18年度第1回目の経済財政諮問会議の議事録では、「子ども・子育て」関連の歳出増加の要因にも言及しており、2020年度のプライマリー・バランス黒字化は達成しなくても仕方ないという「言い訳」は、既に始まっています。 (参考)『平成 28 年第1回経済財政諮問会議 議事要旨』 http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/0121/gijiyoushi.pdf ◆そもそもの前提を変えてみては? 社会保障費への対応と財政の健全化を旗印に、消費税の増税を進めているにもかかわらず、財政の健全化目標の達成には、あまり熱心ではないようです。 本来であれば、目標に届かないならば、日本経済を成長させるためにさらに何が必要なのか?あの手この手を尽くすべきです。 それでも足りないのであれば、そもそもの前提を疑ってみるべきではないでしょうか。 見直すべきは、経済成長を妨げている「消費税の増税」です。 ◆消費税の「減税」を現実的な選択肢に ぜひ、税収の増加分を国民に還元するという減税シミュレーションもしていただきたいと思います。 政府が支出を増やすことだけが福祉ではありません。 「減税こそ、最大の福祉」という新しい発想が必要です。 手取りが増えたら、「できること」も増えます。そして、中国をはじめ新興国の経済成長が鈍化する中、日本経済を支える内需の拡大が鍵です。 経済成長戦略の決め手を欠いている今、「日本経済活性化のための投資」として、国民の「手取り」を増やす「減税」政策を真剣に考えるべきではないでしょうか。 日本は拉致問題を国際問題として提起し、国際世論を喚起せよ! 2016.01.26 文/幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生 油井哲史(ゆい てつし) ◆拉致問題と核問題をともに解決するために 1月6日、北朝鮮は突如、核実験を行い、世界を騒がせました。世界各国の首脳は、一斉に非難声明を発表し、国連安全保障理事会で制裁決議案の作成を進めています。 今回の核実験を受けて、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会全国協議会)が政府に向けて緊急声明を出しました。 拉致問題と核問題をともに解決するために北朝鮮へ更なる圧力をかけるように求めています。 ◆全く進展がない日本人拉致問題 2002年、当時の小泉元首相が北朝鮮の平壌を訪問し、国防委員会委員長・金正日と日朝首脳会談を行い、北朝鮮は日本人を拉致したことを認めました。 そして、5人の拉致被害者が帰国しましたが、その後、進展がありません。現在、17名が政府によって拉致被害者として認定されていますが、救う会によると100名以上が拉致されていると想定されています。 2014年5月、北朝鮮と拉致被害者を含むすべての日本人を対象に全面的な調査を行うことを約束したストックホルム合意をしましたが、拉致問題解決に向けて動き出す気配は見られません。 逆に北朝鮮は、2014年12月に国連総会で採決された「北朝鮮人権非難決議」や朝鮮総連のビル売却に関わる「朝鮮総連問題」を上げて、「拉致を解決する意志がないのは日本当局である」と強く反発しています。 人さらいという国家的犯罪を行い、さらには核実験を行い、野放し状態になっている北朝鮮。その悪の拡散を押しとどめなければなりません。 これまで繰り返されてきた北朝鮮の悪行と制裁、北朝鮮の歩み寄りと制裁の緩和。今こそ、この連鎖を断ち切るべきです。 ◆拉致問題をどのように解決に導くか 拉致問題解決の条件には2つの方向性があります。(1)世論を背景に政府が全被害者を救うこと。(2)制裁と国際連携の圧力で北朝鮮を困らせ、日本に接近せざるを得ない状況をつくることです。 第一の世論を背景にするには、北朝鮮による拉致問題を国際的な問題として喚起をすることです。 北朝鮮による拉致被害者は日本のみならず、韓国では8万人以上、EU諸国(フランス人、イタリア人、オランダ人、ルーマニア人)には9名の拉致被害者がいます。 さらに、アメリカにおいても拉致の疑いが濃厚な人もいます。北朝鮮の拉致問題を国際問題として取り上げ、諸外国への広報活動を通じて国際世論を喚起することが北朝鮮へ強い圧力となります。 第二の制裁と国際連携の圧力に関しては、北朝鮮制裁に関して日本政府として、自民党拉致問題対策本部が昨年6月にまとめた提言を参考に検討を進める考えを示しています。 この内容は人的往来、送金や現金の持ち出し、交通や貿易に対する制裁の強化など13の具体策から成ります。 この内容は評価できるので、それを効果的に実行させるため、体制を整えることです。 国際連携として米国との協力が必要不可欠ですが、オバマ大統領は今月12日、任期最後の一般教書演説を行いましたが「北朝鮮」を名指ししての具体的な言及はありませんでした。 拉致や人権に関して問題意識を共有し、2008年に解除した北朝鮮への「テロ支援国家」の再指定へ働きかけを強化していくべきです。 国民の生命、財産、自由を守るという国家の責務を果たし、拉致問題で各国をリードしていくことを望みます。 冷戦時代、東西ドイツでも拉致問題がありました。西ドイツは、東ドイツによって拉致された被害者を救うために国内関係省を設置し、東ドイツ体制対策を講じて、一歩も譲歩しませんでした。 是非、日本政府もこれを見習い、絶対に拉致被害者を全員取り戻すということを言葉で、行動で、明確に示さなければなりません。そして、自分の国は自分で守れる現実的な対応を講じていくべきです。 「シーサー」から「龍」に変わりつつある沖縄のシンボル 2016.01.23 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆24日投票日の宜野湾市長選 19日から21日まで沖縄に行って参りました。現在、普天間基地のある宜野湾市では市長選の真っ只中です。 米軍基地の固定化にノーを唱える現職の佐喜間候補と普天間の米軍基地を閉鎖し返還求める志村候補が競っています。市内を車で走ると選挙カーと何度もすれ違いました。 しかし、選挙の争点が良く見えてこないのが正直な感想で、沖縄が置かれた国防面の主張が全く伝わってきません。 今年は参議院選挙もありますが、我が党は国防面もしっかりと訴えて参ります。 ◆24日お披露目の「龍柱」 さて宜野湾選挙の投票日は1月24日です。ちょうど同じ日の24日には、これまでも何度か訴えてきた「龍柱」がようやく完成し、そのお披露目の式典が行われるようです。 19日に沖縄に行った際に撮ってきた龍柱の写真をフェイスブックに載せておきました。 「龍柱」写真 平成28年1月19日撮影 https://www.facebook.com/katsuhiro.sasaki.71 この約15メートルの龍柱は、那覇市若狭の港近くにあります。この港にはフェリーでたくさんの中国人観光客が到着します。 最初にお出迎えするのがこの2本の龍柱です。沖縄の龍柱は指が4本で、中国の龍は指が5本あります。 中国は、唐や隋の帝国時代からアジアの諸国に朝貢をさせ、中国が上であることを示すため中国以外の国の龍の指は3本や4本しかありません。 つまり龍の指が4本以下は中国の属領地という意味です。中国から来た観光客は、「やっぱり沖縄は中国が支配していた」という刷り込みが入ります。 この龍柱は、翁長沖縄県知事が那覇市長時代に、中国に発注して造ったものです。 沖縄のシンボルであるシーサーを建設するため沖縄の業者に発注すれば、沖縄の経済効果もあったと思いますが、龍柱の発注のために多額の税金が中国に支払われました。 日本の税金を使ってわざわざ沖縄は中国の属領だと宣伝しているわけです。 ◆御成橋にも龍柱が建つ? 今回、新たに地元の方から聞いて分かったことがあります。 この2本の龍柱の間を車で直進すると10分ほどで沖縄県庁に着きますが、その県庁の手前に「御成橋(おなりばし)」があります。 「御成橋」は、昭和天皇が皇太子時代、沖縄を訪問され、その時に渡られたことにちなんで命名されたものです。 今上陛下(現在の天皇陛下)も沖縄を大切にされていますが、「御成橋」は、昭和天皇も、沖縄を大切にされていたことを示す大きな印でもあります。 ちなみに数年前に今上陛下が沖縄を訪問された際は、私も参加しましたが、数千人もの沖縄県民が今上陛下をお迎えする大々的な提灯パレードを行っています。その際も御成橋がパレードコースに入っていました。 私もパレードに参加して実感しましたが、天皇陛下の奉祝パレードは全国でも行わていますが、沖縄県民の今上陛下をお迎えするパレードは他県をはるかにしのぐ熱気を感じました。 天皇をお迎えする沖縄県民の熱気は、日本人だからこそ湧き上がってくるものです。しかし、この天皇と沖縄県民の絆を沖縄のマスコミは報道することはありませんでした。 そして今回、昭和天皇にちなんだ「御成橋」を改修し欄干にメートルの龍柱を建てる計画があり、その際には「御成橋」も改名される可能性があるという話を聞きました。 沖縄に今まで刻まれてきた「天皇との絆」を「龍柱」に変えてしまおうとする動きは、どういう意味があるのでしょうか。 「天皇との絆」は沖縄が日本であることの証明ですが、それを「龍柱」に変えてしまうことは、沖縄は日本ではなく中国のものであることを表明するようなものです。 ◆シーサーではなく龍がお出迎えする沖縄県 那覇の港に着くと若狭に建った15メートルの龍柱が中国人を出迎え、県庁の手前でも橋の欄干に建つ龍柱が出迎えます。観光に来た中国人は沖縄は中国ものだったと思い始めます。 他にも沖縄では、この数年で龍を施したオブジェが増えています。国際通りの「爬竜船」、那覇市ぶんかテンブス館の大スクリーン両脇にも「龍柱」があります。 また、別ルートでは、那覇空港から国道を北上すると県庁手前の明治橋にはすでに橋の欄干に龍柱が建っています。さらに北上すると今回の沖縄訪問で発見したのですが、北谷の美浜にも1,5メートル龍柱が2つ立っています。 極めつけは、那覇空港でお土産を買うと、そのお土産袋まで2つの龍柱の絵柄でした。ここまで浸透しているのかと驚きましたが、笑いごとではありません。 沖縄はシーサーがシンボルですが、ここまで龍がシーサーを駆逐しはじめ浸透しているのです。 ◆龍が示唆する沖縄の未来 沖縄県民や日本国民も、まだ「龍柱」の意味が分からないかもしれませんが、中国が沖縄を奪還しようとした際に、中国共産党は、「沖縄解放」の大義名分を立てやすくなります。 もともと沖縄は中国だったのだから中国が沖縄を自分のものにする事は正義であると中国共産党も人民を洗脳しやすくなります。ですから沖縄には龍柱や龍を施したオブジェが増えているのです。 これが、以前からニュースファイルでも指摘してきた中国の「超限戦(ちょうげんせん)」です。 弾丸が飛びかうことだけが戦争ではなく、「超限戦」とは、文化交流や日常生活まで入り込んできます。そして気が付いた時には、沖縄が中国のものになっているということです。 まずは、そうした中国の「超限戦」に気が付かなければ戦うことはできません。これを読んで気が付いた方は是非、沖縄県民の皆さんに中国の沖縄侵食は始まっていることをお伝えください。 それが中国から沖縄を守る最初の第一歩になるからです。 参考:沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ) https://vpoint.jp/column/57095.html 参考:中国が沖縄に仕掛ける「超限戦」の正体 http://hrp-newsfile.jp/2013/939/ 日米同盟に不可欠な日本の努力【後編】 2016.01.22 文/HS政経塾3期卒塾生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき 今回は、「日米同盟に不可欠な日本の努力【前編】」の後編をお送りいたします。 日米同盟に不可欠な日本の努力【前編】 http://hrp-newsfile.jp/2016/2586/ ◆南西諸島の防衛ラインを盤石にするために (1)先進ミサイル防衛 中国からの大量のミサイルを撃ち落とすため、現存するミサイルの量を増やすことが急務で、そして先進技術のレーザーやマイクロウェーブ、レールガン(超電磁砲)の開発を急ぎ配備することが必要です。 (2)地方空港の官民共同利用 12ある沖縄の地方空港をいつでも自衛隊と米軍が使用できるようにしておき、普段の訓練から日米の作戦機が地方空港を分散して転々とすることで、攻撃を受けた時全滅することを防げます。 中国はまず初めに地方空港を占拠するために上陸してきますので、上陸を阻止し空港を守るうえでも必要です。 (3)上陸させないための島の守り 陸上自衛隊に新編された水陸機動旅団は、引き続き増強が必要です。 更に今の沖縄で必要なのは、中国側が島に上陸しようとした時、すでに自衛隊の精鋭特殊部隊が島の守りを固め、相手を一歩も上陸させないという、先回りの機動展開力と継戦能力の向上です。 平時から地方自治体の協力も得て警備や訓練体制をつくることで、住民避難の迅速性も向上します。 (4)長距離攻撃力保有で更なる抑止 日本も長距離巡航ミサイルや対艦弾道ミサイルを配備することも必要です。 長距離のミサイルについては、現時点で日本が中国本土への攻撃可能な体制をつくることに対し、米国も日本政府自身も許していないという問題があります。 これは多方面で言えることですが、米国には今後の取り組み姿勢と連携強化で信頼してもらうことが大切です。 同時に、「自衛のための戦争は悪ではない」のですから、日本が存続するための自由裁量を世界に認めてもらうことと、日本人自身が、専守防衛という言葉の中身を改めていく必要があります。 相手への攻撃力を持たない防衛力など、無しに等しいのが軍事の常識です。 あえて相手より短い槍を持つことが、専守防衛ではありません。日本人が長い槍を持っても、いたずらに振り回したり、無実の人を脅したりはしません。 (5)防衛ネットワークの構築 今後は台湾、フィリピン、マレーシア、ベトナムその他の周辺国とも防衛ネットワークをつくってゆかねばなりません。 (6)米国の拡大抑止について協議を詰める 米国内では、「米日同盟、ガイドライン調査」という報告書の中で「拡大核抑止が揺らぎ、中国や北朝鮮の核とミサイルの日本への威嚇や攻撃に、米国が報復しないという拡大抑止の分離を中朝側が信じるようになった」と言われています。 その中で、中国と北朝鮮だけが核開発を進めており、我々周辺国だけ一方的に危険性が増しています。 要するに、日本に対し核が使われようとしたときに、米国が変わりに核ミサイルを撃ってくれるのかがさらに不透明になっており、これは日本から米国に対し厳しく追及しなければならない問題です。 冷戦時代のヨーロッパでも同じ問題が起こり、英国やフランスなどは自衛のため自前で核兵器を装備しました。 日本に核が使われた時、米国が変わりに核を使ってくれることを宣言してもらい、できない場合は核シェアリングなど日本独自の核抑止の議論を本格的に始めなければなりません。 (7)米陸軍の存在 米陸軍に南西諸島のどこかに駐留してもらうことも検討が必要ではないでしょうか。 というのは、核ミサイルの話に戻りますが、核は落とす他に、上空で爆発させて大量の電磁パルスを放出させ、電子機器を破壊する効果(EMP効果)もあります。 中国が西太平洋上で核を空中爆発させた場合、自衛隊をはじめ、太平洋に所在する米軍の電子機器は一挙に使用不能に陥ってしまうとみられています。 当然生活に必要なインフラやパソコン、携帯電話も使用不可能になります。こんな時に、大量の民兵が上陸して来たら、どうやって戦うのでしょうか。 中国は、1個師団(6000人~1万人程度)を漁船約200隻使い、1日のうちに沖縄県内のどこにでも上陸させることができるとしています。 そんな時は、やはり陸上自衛隊の存在が必要です。しかしそれに対応するには、隊員の数が足りません。 そこで米国陸軍の駐留が望まれるところであり、世界共通の利益である南西諸島防衛を、日米が断固たる決意を持って守るとするメッセージは、強力な抑止力となります。 ◆政府は防衛予算倍増という、平和への決断を 自主防衛は、日米同盟を堅持していくために、日本として必要不可欠な努力であり、日本の責務です。 しかしこれらを進めていくには、今の防衛予算では足りません。人員も装備も補給物品も全く足りません。 だから防衛予算を現在の2倍、約10兆円にしてゆかねばなりません。 日本にとっては、憲法や予算、地方自治体等、難しい政治課題が数多く突きつけられていますが、自主防衛体制は将来必ず必要になるものであり、本来、国家として持たなければならないものです。 1年2年で出来るものではありませんので、今から本腰を入れて行かねば間に合いません。 幸福実現党は、「自分の国は自分で守る」気概のもと、自主防衛への道と日米同盟の強化すすめ、迫りくる中国の脅威から日本と東アジアを守ってゆきます。 ◆米国軍人アリガトウ 中国海軍の西太平洋への海洋進出を第1列島線で食い止められるかどうかは、米国にとっての対中戦略で死活的な意味を持ち、さらには世界の警察の責務でもあります。 とは言うものの、沖縄の地に、米国軍人の若者が、さらに軍人の中には家族全員を沖縄に住まわせ、世界の紛争の火種となる中国の覇権主義を制していることに、日本人は真っ先に、敬意を表さねばなりません。 今の日本の状況において、本当に平和を願うならば、米軍の存在に感謝し歓迎せねばならないと思います。 参考: JBPress 日米同盟を一変させる新ガイドラインを総点検 日本の積極性が消極的だった米国をついに動かした (2015.5.11) JBPress 米国が方針大転換、防衛費倍増は国を守る最低線に 米国の軍事戦略中枢部門を訪問して見えた新事実(2015.7.3) 坂本龍馬に学ぶ財源確保策 2016.01.21 文/兵庫第12選挙区支部長 和田みな ◆政府の財政問題 年明けから国会では来年度の予算案をめぐって与野党の激しい論戦が行われています。その論戦の中でも「財源」の問題や「税金」の問題は大きなテーマとなっています。 また、22日に衆参両院本会議で予定されている安倍首相の施政方針演説でも、来年4月の消費税の増税や社会保障や復興再生のための財源確保や財政の健全化などの方針が盛り込まれる予定になっています。 そもそも、アベノミクスの「三本の矢」の成長戦略や「新三本の矢」の実現に向けてもその財源をどうするのかは大きな課題です。 ◆財源確保策は増税だけではない 財源を確保する策は増税だけではありません。 経済学者の丹羽春喜氏は「第三の財政財源」に「政府貨幣の発行権を必要な金額ぶんだけ日銀に売却すればよい」ということを提唱しています。(『経済倶楽部講演録』2014.8参照) 昭和62年に成立した「通貨の単位および貨幣の発行に関する法律」では「政府貨幣」の発行権が無限大に国にあることが定められています。 これを日銀法第4条、第43条、第38条に基づいて日銀に売却するだけで、政府の負債を増やすことなく、成長のために必要な潤沢な財源を確保することが可能になるというのです。 ◆「第三の財政財源」の着想は坂本龍馬 丹羽氏がこのような着想を得たのは、明治維新の時の維新政府の財源確保策を調べた時だといいます。 慶応3年の10月に、坂本龍馬の発案による「大政奉還」が成り、徳川幕府は瓦解しました。 しかし、その時には後の「明治政府」はまだ存在しておらず、新政府を立ち上げるにしても、何かをするにしても「財源をどうするのか」ということが大きな課題となりました。 「明治政府」のいきなりのピンチに、再び坂本龍馬が奔走します。 龍馬は当時、財政について最も学識のある福井藩士「三岡八郎」のちの「由利公正」を訪ねて福井へと向かいます。そこで二人が夜を徹して出した答えが「政府紙幣の発行」だったのです。 ◆龍馬から木戸孝允へと引き継がれた「政府紙幣発行案」 龍馬は由利公正と話した約2週間後に京都で暗殺されます。 しかし、この「政府紙幣の発行」という着想は、龍馬から桂小五郎(のちの木戸孝允)に伝わっており、桂はこの提言が「実行可能な唯一の方策」だとして賛成、実行のための準備を始めていたのでした。 このようにして慶応4年から13年間発行された政府紙幣が「太政官札」です。 明治政府がまともに税金を徴取できるようになるのは明治6年の地租改正からだと言われています。 もちろん大規模な国債の発行もまだできない時期に、長州や薩摩の寄付や豪商からの寄付だけでは、あの鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争を戦い抜き、近代国家の礎をつくるための数々の政策を実行することは不可能だったでしょう。 福井で坂本龍馬と由利公正が導き出した中央政府の特権としての「政府紙幣の発行」という知恵が、日本の近代化を支えたと言っても過言ではありません。 ◆日本の近代化を担った「政府紙幣」の発行 当時、明治政府の立ち上げから戊辰戦争の終結する明治2年の夏までのわずか1年半で明治政府が使った財政支出額は、5,130万両といわれています。幕末における江戸幕府の平均歳出額は700万両ですので、その額がいかに莫大であったかがわかります。 このうち4,800万両が政府紙幣でまかなわれ、これは政府の負債にもなっておらず、「悪性インフレ」現象も起こらなかったというのですから驚きです。 「太政官札」に関しては、全てが順調であったというわけではありません。 当時の国民が紙幣に慣れていなかったことや、まだ政府の信用が高くはなかったため、当初の流通は困難をきわめ、「太政官札100両を以て金貨40両に交換するほどであった」とも言われています。 しかし、様々な困難に直面しても、明治政府の人々は知恵と勇気でこれを切り抜け、大胆な近代化政策を行い、日本を欧米列強の植民地化から救ったのです。 ◆増税しか策のない政治家は退陣を 幸福実現党はこれまで一貫して、安易な増税には反対してきました。 それは「増税しても税収は増えない」ということが大きな理由ですが、私はそもそも「財源が足りないから増税するしかない」という政府や役人の考え方には反対です。 もし増税するのであれば、増税で得た財源をどのようにして経済を成長させることに使い、日本のGDPを上げていくかという明確な説明が必要だと思いますが、アベノミクス「新三本の矢」ではそれが見えないのが現状です。 わが党はこれまで、東日本大震災に際しては「速やかに復興債を」と訴え、デフレ脱却のために「大胆な金融緩和を」とアベノミクスより以前から訴えてきました。 そして、今も「消費増税ありき」で進んでいる財政再建、社会保障に対して、「まずは経済成長こそが大切」であると立党以来一貫して訴えています。 現在の日本で、龍馬が考えたような「政府紙幣」の発行は現実的ではないかもしれませんが、明確な成長戦略を立てて、そのための資金調達のために、丹羽氏の「政府貨幣」の発行権を日銀に売却する案や、メガバンク通貨の発行など考えられる手は打つべきです。 丹羽氏は私に「なぜ政府や国会議員は国民が本当に幸せになるための政策を打たないのか?」と質問されました。「経済学者はそのためであれば、様々な協力を惜しまないのに」と。 増税しか策のない政治家や役人にこれ以上任せていても新しい時代は開けません。国民は第二の龍馬の出現を待ち望んでいます。 台湾人の不安と希望に満ちた新たなる船出 2016.01.20 文/幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆2016年 最初の革命 台湾にて 台湾において総統選挙が1月16日に行われました。 民進党の蔡英文氏が大勝し、国民党から民進党への8年ぶりの政権交代が決まりました。蔡氏は5月の政権交代時に、台湾初の女性総統となる予定です。 ◆「台湾人」としての意思決定 この度の民進党の勝利には、台湾人意識の高まりがあると言われています。 台湾の政治大学選挙研究センターによれば、台湾住民の自己認識調査において、「自分は台湾人である」と考える人間が年々増えており、現在は全体の59%になっています。 「自分は台湾人であり中国人である」と考える人は34%、「自分は中国人である」と考える人は3%しかいません。 民進党はこの台湾人意識を前面に打ち出し、「我是台湾人(私は台湾人です)」のキャッチコピーを何度も使いました。中国にすり寄る国民党を批判する言葉が台湾人なのです。 特に若い世代は、2014年におきた「ひまわり運動」を通し、中国の意図がよく分かっていました。 台中サービス貿易協定を結べば、出版や印刷に関わる分野に中国企業が進出可能になります。そうなると検閲や偏向がおきて台湾の言論の自由がなくなってしまう。 これは経済的な問題だけでなく、台湾という国の存続に関わる重要な問題なんだ、と大学生が答えてくれたのです。 事実、香港においては、中国共産党を批判する書籍や新聞を発刊する出版社社長や作家・ジャーナリストらが数年前から暴漢に襲われたり、行方不明になる事件が起きています。 2015年10月以降5名以上が行方不明になっており、ここ最近また締め付けがひどくなっているようです。 また、昨年香港で起きた雨傘革命も、台湾人に大きく影響を与えました。 以前であれば、「いくら中国であっても同じ民族に手は出さないだろう」と考えていた台湾の若者たちでしたが、香港警察を使っての若者に対する仕打ちを見て、台湾の中国接近に恐怖を覚えたといいます。 台湾は今後、香港を注視せざるをえないでしょう。 ◆「中国は一つ」なのか 蔡英文氏は92年コンセンサスに対して、この考え方を受け入れるとは言っていません。 92年コンセンサスとは、「中国は一つ」という認識です。中国には、「中華人民共和国」と「中華民国(台湾)」の二つの意味が含まれています。 即ち、「それぞれに考え方は違いますが、中国は一つ」ということを習近平と馬英九は確認しあっていました。 この考えに則れば、中国にとって自国の中に台湾が含まれているので、他国が台湾に関して意見したとしても内政干渉として退ければよかったわけです。 蔡氏は現在、併合でも独立でもない、現状維持を訴えています。台湾人の9割が現状維持を望んでいるからです。 もしも台湾側が「中国と台湾は国と国との関係である」、とする二国論を出してきた場合、台中関係はややこしくなります。 こうなった場合、中国は台湾と国交を認める国々に対して、チャイナマネーを使ってアプローチをかけるはずです。現在台湾を国と認めるのは22か国ありますが、南米やアフリカ、オセアニアの小さな国ばかりです。 ひっくり返すことはそう大変ではなく、中国共産党機関紙の環球時報はすでに、「台湾と国交のある一部の国はすでに、台湾と断交し中国と国交を結びたがっている」と報道しています。 この流れが始まれば、台湾が世界のほとんどから国として認められてない状況をまざまざと見せつけ、誰も手出しするなよと日米を脅し、まずは一国二制度に、そしてゆくゆくは併合していくと予想されます。台湾の運命は中国の掌の上にある現状は、現在も変わりありません。 ◆台湾は生き残るためのパートナー選びを間違えるな 台湾はどのような道をとればよいのでしょか。 台湾が国際社会で生き残っていくために、日米の力添えは不可欠です。特に日本との関係が台湾の命運を担うといっても言い過ぎではありません。 現在、中国に進出した企業家は60~100万人。台湾と中国を行き来している台湾ビジネスマンは200万人以上と言われています。人口2300万人の台湾で、約10人に1人が中国と深く関わっているのです。 現在、台湾の経済は中国に依存しきっています。 輸出に関しては、香港を含める中国が40%近くになり、第一の貿易相手国です。GDPの6割が輸出によって成り立っている輸出立国ですが、中国経済の不調を受けてGDP成長は1%を切っています。 今後は国内消費の拡大と、リスク分散が欠かせません。 この中国依存を脱却するために、台湾は以前よりTPP加盟、そして遅れている日本との自由貿易協定(FTA)締結も望んでいます。日本側も台湾のTPP参加の橋渡し役になることも検討しています。 一朝一夕には解決できない経済問題ですが、確実に手を打っていかねばなりません。 日台連携を強化するために、蔡氏は馬英九総統のように、首相の靖国参拝批判や、台湾におけるいわゆる従軍慰安婦問題などを出してはなりません。 中国の戦略に乗り、日本との絆を断ち切ってはいけないのです。 日本統治下、日本は台湾に後藤新平や新渡戸稲造をはじめとした当時国家の一級の人物を多く送り込みました。 台湾で流行っていたアヘンを段階的に取り除き、平均寿命が30歳であったところから衛生・医療・教育に力を注ぎました。 台湾総督府庁舎を始め、日本統治時代の遺産はいまも台湾を支えています。日本統治時代につくられた烏山頭ダムは当時アジア一の規模を誇り、今も変わらず台湾の大地を潤しています。 新しい船出に際し、台湾の皆さまにはいま一度本当に大切なパートナーは誰なのかをしっかりと考えていただき、長期的視点で国と守ることを心からお願いしたいと思います。 ドイツ発の衝撃!!「インダストリー4.0」 2016.01.19 文/HS政経塾5期生 水野善丈 ◆時代を新たなステージへ引き上げる「IoT」 「IoT」、昨年より雑誌やTVなどでも聞くことが多くなったこの言葉。みなさんは意味をご存知でしょうか。 「IoT」とは、「Internet of Things」の略で、身の回りにあるモノにセンサーが組み込まれて直接インターネットにつながる世界のことを言います。 具体的な事例としては、昨年販売された、米テスラ・モーターズの電気自動車「Model S」があります。 この車の特徴は、車とインターネットが繋がっていることで、パソコンのようにソフトウェアアップデートされ、常にテスラが開発した最新の機能(急ブレーキや車線変更など)が車に更新されるようになりました。 「IoT」により車という「ハード」が「ソフト」化してしまったのです。 このようにあらゆるモノがインターネットと繋がることにより、私達のライフスタイルが変わるだけでなく、ビジネスの幅も一段と広がり、「IoT」を駆使した産業が現れてきています。 そして、この「IoT」を国家戦略として取り入れ「インダストリー4.0」プロジェクトを進めている国が「ものづくり大国」ドイツです。 ◆ドイツ発「第4次産業革命」 「インダストリー4.0」とはドイツ政府が産官学共同で進めている国家プロジェクトで、ドイツの主要産業である製造業の競争力強化を狙い2011年に構想を打ち出されました。 そして、その中核となっているのが「スマート工場=考える工場」です。生産に関わるあらゆるデータをネットワークにつなぐことで、工場が自律的に動き、顧客の要望に合わせ必要なものを必要なだけ生産するということが可能になりました。 また、その経済効果は、ドイツ国内だけで2025年までに11兆円、経済成長を1.7%押し上げるということまで言われています。 ドイツは、国家戦略としてこの「スマート工場」を世界で標準化させることを狙っており、中国の進めるAIIB(アジアインフラ投資銀行)にもいち早く参加し、世界の製造業を手中に収めようと躍進しています。 ◆世界で起きる「IoT」覇権争い また、それにアメリカも黙ってはいません。GE、IBM、インテル、シスコシステムズなどシリコンバレーのトップ企業180社が集まり、インダストリアル・インターネット・コンソーシアムを発足し、世界の産業全体を広くネットワークでつないでいこうとしています。 今後、世界中で、モノづくり企業や産業界がインターネットで繋がることが予想されます。 そして、デジタル通信やデータ分析などの手法をどこがいち早く国際標準化するかということが急がれ、「IoT」の世界では、各国による激しい覇権争いが熾烈化していくでしょう。 ◆ライフスタイルの変化 こうした「IoT」化の流れの中で私たちの社会環境や働き方も一段と変化してきます。 たとえば、ドイツの「スマート工場」では、多品種少数生産、究極にはそれぞれの消費者の好みにあった“オーダーメイドビジネス”が実現されるようになります。 また、仕事現場では、「IoT」化が進みセンサーが吸い上げた膨大なデータにより、故障に繋がる異常を発見し、自動ですべて改善されるようになります。 また、現代社会問題でもある少子高齢化により先進国でも働き手が不足していく中で、「IoT」を駆使したロボットや人工知能など普及により、労働負担も削減され熟練工の定年も延ばせるようになることも期待されます。 ◆技術の進歩と人間の係わり しかし、一方で「IoT」化が進み「人の仕事がなくなるのでは?」という声もあります。 これには「インダストリー4.0」を進めるドイツのメルケル首相が「人の仕事は、なくならない。より創造的な仕事に従事するようになる。求められる仕事も変化していく。社会が新しい仕事をつくっていく必要がある。」と言っています。 これに関しては私もそう思います。「IoT」を「目的」ではなく「手段」として使い、より新しい付加価値・仕事を作り上げていくことができれば更なる発展へと向かえるものだと考えます。 ◆求められる「ジョブクリエーション」 いくら技術革新が進んだとしても、人間の判断は必ず求められます。 P・F・ドラッカーが著書『断絶の時代』で「知識社会においては最も重要な問題が、知識に関わる意思決定である。」と言っています。 「IoT」化により集められたデータや情報が集約されたとしても、それを次なる付加価値へ繋げていくのは、人間の意思決定である点は何も変わらないのです。 つまり、こうした技術革新が進めば進むほど、人間にはより創造的なことが求められ、新しい仕事をつくっていくこと「ジョブクリエーション」が重要になってくるのです。 ◆「ジョブクリエーション」を促進する経済政策 しかし、そんな中で後れを取っているのが日本の現状でもあります。 日本は、高度経済成長以降、急速に産業が発展し、世界にも引けを取らない技術力もあります。その一方で、90年代より長年続いたデフレ不況により設備投資が抑制され、設備の老朽化が著しくなっています。 特にソフトウェアの後進を怠った工場が多く、古いシステムがそのまま稼働している例も少なくありません。(平成25年度経済財政白書「設備年齢の国際比較」参照) こうした現状を打破するためにも、デフレ脱却からの経済成長を目指さなければいけません。現在、安倍政権下で「消費税増税」がなされようとしています。 しかし、そうではなく「減税政策」により民間の活力を取戻し、設備投資ができる下地を作ることが今の政府には求められると思います。そうしてこそ、これからの日本の未来産業を構築していくスタートが切れるのではないでしょうか。 ◆ドイツのリーダーシップに習う「未来産業促進」 またドイツでは、旧東ドイツ出身の物理学者であったメルケル首相ならではのリーダーシップが取られ「インダストリー4.0」プロジェクトが政府主導で行われていますが、政治家がやはり国に対して未来ビジョンを指し示していくことも重要な役割です。 日本も世界に突出した未来産業を構築すべく、民間では進めることが困難なリニアモーターカーや航空・宇宙産業などに政府がリーダーシップをとり推し進めていくことも必要だと考えます。 やはり未来は志すところから拓かれていくのです。 参考文献 ・「正義の法」大川隆法 ・「断絶の時代」P・F・ドラッカー ・週刊ダイヤモンド「いまさら聞けないIoTの全貌」 ・「決定版 インダストリー4.0」 尾木蔵人 ・平成25年度経済財政白書 日米同盟に不可欠な日本の努力【前編】 2016.01.16 文/HS政経塾3期卒塾生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき ◆日米同盟にとって本当に必要なものとは何か 2015年に改訂された日米新ガイドラインでは、中国を名指ししてはいないものの、中国の覇権主義による海洋進出に対しいかに日米共同で対処するかが明記されていました。 このガイドラインによって、いざという時のアメリカは実に頼もしいと思える半面、日本への大きな宿題も示されました。 新ガイドラインの中で、繰り返し出てくる言葉があります。 「日本が防衛作戦を主体的に実施し、米軍は自衛隊の作戦を支援し、補完する」という文言です。 これが、日米力を合わせて中国と戦う時はもちろんのこと、平時からの大ルールとなります。この文言に大変重要な意味があることに、どれだけの日本人が気付いているでしょうか。 ◆中国の侵略方法とは 中国の日本や台湾、フィリピン、マレーシアなど第1列島線上に位置する国への軍事侵攻のやり方は、一度にものすごい数の戦闘機や艦船からの大量のミサイル攻撃や、中国本土海岸に1200発配備されている弾道ミサイルで一気に攻撃して、すぐに白旗を上げさせる短期決戦型の戦い方と言われています。 また見た目は漁師の「民兵」などを上陸させ、気付いた時には、武器を持って占拠すると予想されています。 現在日本は、中国が降らせると予想される大量のミサイルの雨に対応ができない状態であり、航空自衛隊は那覇基地1ケ所に沖縄の部隊の戦闘機を全て置いているので、狙い撃ちされたら一巻の終わりです。 また法律の隙間を狙ったグレーゾーン事態に対応できません。 それは尖閣諸島の国有化以来、140回 (1/8 現在)中国の公船が領海侵犯しており、最近は、軍艦を改良し機関砲を搭載した巡視船も来ています。 ◆米国には中国を封じ込める作戦があるが・・・ 米国は当然ながら中国との戦争には勝ち筋が見えています。 米国や第1列島線の国々が中国と戦争になった場合、米国がとる作戦は戦争を長引かせ中国を疲弊させ、戦争を終わらせる作戦です。 ここで大きな問題なのは、先述したように、第1列島線の国々に対して中国は大量のミサイルで短期決戦(4~6週間が想定されている)を仕掛けてきますから、第1列島線の国々はこの間の攻撃に耐え、持ちこたえねばなりません。 米国の空母や艦船は、中国の第1撃目ミサイル発射の徴候があった時、対艦弾道弾を避けるため、グアム以東に退避し、中国が疲弊するのを待つことが方針として決定されています。 長期戦を念頭に置いている米国と、短期戦を強いられる第1列島線の国々の間には、戦い方に大きな違いがあります。 ◆試されている日本 しかしこの戦い方の差を埋めるために、厳しいですが、米国は役割分担を決めています。 それは、第1列島線の国々が国家として「自分の国は自分で守る」という気概をもち努力しているかです。 さらに中国の覇権主義による海洋進出に蓋をする形で存在している国々という地理的な重要性を認識し、日米同盟のもと、互いの国が連携して東アジアの平和を守ろうと努力しているかということです。 日本にとっては憲法から変えていかなければならない、大きな課題です。 また、第1列島線の国々は数々ありますが、この問題に対してリーダーシップを発揮できるのは、日本しかありません。 この点を確認するかのように、新ガイドラインは作成されています。あくまでも、国防の主体は自衛隊であり、米軍は自衛隊の補完と支援です。 まずは日本が自主防衛ができるのか、その努力をしているかが問われています。 ◆今、日本人ができる最大の努力を 日本が憲法上できないことは米国の力を借りることになっています。 安倍首相は、15日の参院予算委員会で、敵基地攻撃は米軍の役割と言いました。 米国では敵基地先制攻撃は核攻撃と同様に大統領の承認がいるとのことです。 日本への攻撃を未然に防ぐために、米国がタイミングよくミサイル発射前に先制攻撃をしてくれるのでしょうか。 また日本への攻撃の際に、中国が「米軍基地には攻撃しない」という日米を分断しようとする声明を出しても、約束どおり先制攻撃をしてくれるのでしょうか? これは米国を疑っているのではなく、やはり同盟とは「自分の国は自分で守る」という大前提のもと、強者同士の信頼関係において取り交わされるべきもので、日本自身がやるべきことをやらなければならないということです。 沖縄にミサイルが打たれれば、有事となり、自衛隊も米軍も動きやすくはなります。しかしそれは犠牲者が出て初めて可能となることです。 また米国の認識では、中国の弾道ミサイルに対して、弾道ミサイル防衛(BMD)で迎撃することは容易ではないという認識です。 飛んでくるミサイルは1発2発ではありません。数百発のミサイルが沖縄本島に向かって飛んで来たら、民間人の犠牲者も必ず出ます。 国民の命を政治利用させることは絶対にさせません。犠牲者が出る前に日本人で出来ることはやるべきでしょう。 (つづく) すべてを表示する 1 2 3 Next »