Home/ 2014年 October 2014年 October 日本で初めて演奏された『交響曲第9番』 2014.10.31 文/幸福実現党熊本県本部副代表 木下 順子 ◆映画「バルトの楽園」 アンジェリーナ・ジョリーが、日本軍に虐待された捕虜を描いた反日映画「アンブロークン」を制作しましたが、みなさんは、映画「バルトの楽園」をご存知でしょうか? この映画は、2006年公開の日本映画。徳島県鳴門市の板東俘虜収容所を舞台とした、日本で初めて『交響曲第九番歓喜の歌』が演奏された真実の物語です。 1914年、第一次世界大戦で日本軍は3万人の大軍を送り込み、ドイツの極東根拠地、中国・青島(チンタオ)を攻略しました。 この戦いに敗れたドイツ兵4700人は、捕虜として日本に送還され日本各地に設けられた俘虜収容所に振り分けられました。捕虜達は、1919年(大正8年)ヴェルサイユ条約締結まで長期に渉り収容されました。 1917年、全国12カ所にあった収容所が6カ所に統合されました。環境が劣悪な収容所で過酷な2年を過ごした捕虜達は、「この先どんな地獄が待ち受けているのだろう」と不安を抱えながら渦潮の海を越え、徳島県鳴門市にある板東俘虜収容所に移送されます。 ◆捕虜たちに寛容な待遇をした松江豊寿大佐 しかし、この板東俘虜収容所の所長、松江豊寿大佐は、捕虜に対し人道的な扱いを心がけ、捕虜達全員に次のように訓示しました。 「諸君は祖国を遠く離れた孤立無援の青島で、最後まで勇敢に戦った。しかし、利あらず日本軍に降伏した、私は諸君の立場に同情を禁じえない。諸君は自らの名誉を汚すことなく、秩序ある行動をとってもらいたい。」 捕虜たちに寛容な待遇をし、地元民と捕虜との融和を図ろうとする松江所長の指導の下、硬く心を閉ざしていた捕虜達は、少しずつ心を開くようになるのです。 ドイツパンを焼き、新聞を発行し楽器を演奏すること、そしてビールを飲むことさえ許された収容所生活で、捕虜達は生きる喜びを見出していきました。まさに「楽園」だったのです。 松江大佐は、地元の青年たちが西洋音楽を習いたいという願いを聞き、エンゲル・オーケストラのリーダー、パウル・エンゲル(音楽教室で日本人を指導してオーケストラを作ったのはエンゲルのみ)を紹介し音楽教室を開くことになりました。 やがて解放され、自国に戻る事を許されたドイツ人達は、松江所長や地元民に対する感謝の思いを込めて、日本で初めてとなる『交響曲第九番 歓喜の歌』を演奏することになりました。 ムスターラーゲル(模範収容所)が存在した奇跡の2年10カ月は、なぜ生まれたのでしょうか。 それは、松江豊寿大佐の生い立ちにある、松江豊寿は旧会津藩士、松江久平の子として1872(明治5)年に現在の会津若松市で生まれました。 ◆松江豊寿大佐を育んだ会津の教育 明治維新直後の戊辰戦争で敗者となり廃藩、その後、藩は復活しましたが、下北半島の未開の地といえるような荒れた土地で、飢えと戦いながら生き延びました。このような苦労が、敗者に対するいたわりの心が生まれる基盤となったと思われます。 また、会津藩は朱子学を藩学として学問を奨励し、6歳になると「什(じゅう)」と呼ばれるグループに入り「什の掟」を訓示します。 日常の生活習慣などを始めとする教育から始まり、10歳になると「日新館」に入学し論語などの中国の古典を教科書として学んだり、「日新館の心得」をしっかり学習することで藩士の子弟としての心構えや誇りを身につけていました。 人間は教育によって徳ある人物へと育成することができ、さらに多くの人々を幸福にすることができるということを深く感じます。 ◆四方の海みな兄弟なり 最後、松江大佐の「命令遵守に感謝する」という言葉に対し、日本を去ることになったドイツ人で日本語教師を務めたクルート・マイスナーは、このように答えました。 「あなたが示された寛容と博愛と仁慈の精神を私たちは決して忘れません。そしてもし私たちより更に不幸な人々に会えば、あなたに示された精神で挑むことでしょう。『四方の海みな兄弟なり』という言葉を、私たちはあなたとともに思い出すでしょう」 「四方の海」は、明治天皇の御製(ぎょせい)です。 (※御製とは、天皇陛下の詩歌や絵画などの作品のことで、特に和歌を指して使われます) 四方の海 みな同朋(はらから)と 思ふ世に など波風の 立ちさわぐらむ 「四方の海はみな同胞(兄弟)と思うこの世になぜ波風が立ち、騒ぎが起こるのであろう。」欧米列強がアジアを侵略し、ロシアが日本を虎視眈々と狙っている頃に明治天皇はこのようにお詠みになられたのです。 来年は戦後70年を迎えます。神国日本を守るために命をかけて戦われた先人たちの思いに報いるため、そして未来の日本を受け継ぐまだ見ぬ青年たちのために、これからも日本の誇りを取り戻す活動に力を尽くしていく所存です。 失業対策から雇用創出へ――シュレーダー改革から学ぶ 2014.10.30 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆ドイツ経済、マイナス0.2%成長の衝撃 ヨーロッパ経済を牽引していたドイツ経済の経済成長率(GDP成長率)が-0.2%であったということは、前回も触れました。 ドイツはロシアから天然ガスの37%を輸入しており、貿易の取引額は全体の12.5%を占めています。ドイツ景気停滞の第一の原因はロシアへの経済制裁です。 ただ、ドイツ国内では、もう一つ原因があるのではないかといわれています。それが、メルケル首相の経済政策です。 実は、メルケル首相の前にドイツ首相をしていた社会民主党(SPD)のゲアハルト・シュレーダーはSPDの党首でありながら失業手当の削減、労働規制の緩和、社会保障改革、法人税減税を行ない、東西ドイツ統一以降「欧州の病人」といわれたドイツ経済を復活に導きました。 しかし、失業手当の削減と社会保障の縮小を断行したため、従来のSPD支持者を失い、05年の連邦議会選挙でメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)に僅差で破れ、政権を去りました。 ◆左派色の強い大連立政権 現在、問題とされていのは昨年12月に発足した大連立政権が立案した経済政策です。 メルケル首相が率いるCDUは三ヶ月の交渉を経てキリスト教社会同盟とSPDの三党で大連立政権を成立しました。 連立政権参加したSPDは8.5ユーロ(約1200円)の法廷最低賃金の導入や、条件を満たした高齢者に対し、年金の支給開始を二年間前倒しすることを認め、シュレーダー改革とは全く別の方向に舵を切りました。 その影響が出てドイツ経済が停滞しているのではないか、という見方が広がっているため、メルケル首相もシュレーダー改革の方向に針路を戻そうとしているとも伝えられています。 ◆シュレーダー改革-アジェンダ2010-の概要 それでは、再評価されつつあるシュレーダー改革「アジェンダ2010」について概要を見ていきます。 この改革の成果が現れるのが2010年頃になるという予測のもとつけられました。この「アジェンダ2010」はフォルクスワーゲンで労務担当役員をしていたペーター・ハルツを委員長とした委員会の報告をもとにつくられ、2003年から実施されました。 「アジェンダ2010」は改革の成果が出るのが2010年頃になる、ということでつけられたものです。シュレーダー元首相が最も重視したことは、「失業者の削減」です。 ▼2003年に施行された政策 ・失業者を派遣労働者として登録し、仕事を紹介する人材サービス機関を設置する ・起業を通じた自立プログラム ・所得税、社会保険料が部分的に免除される低賃金制度の導入 ▼2004年に施行された政策 ・ハローワーク機能の強化 ・失業手当の受給期間を短縮 ▼2005年に施行された政策 ・半永久的に給付していた失業扶助と社会扶助を統合し、新しい失業給付に統合 最後にあげた失業扶助の廃止によって、ドイツの失業率が2.8%低下したと、ドイツ連邦銀行のミヒャエル・クラウゼと米シカゴ大学のハラルド・ウーリッヒ教授は論文で述べています。 さらに、面白い政策が「労働時間貯蓄制度」の導入です。これは時間外労働に関して割増賃金を払うのではなく、貯蓄のようにためておいて、仕事が暇になったときに消化する制度です。 これによって景気の動向に雇用が左右されることなく、繁忙期には労働時間を貯めておき、閑散期には貯めた労働時間を使うので、仕事がなくなったからといって解雇される心配はありません。 ※会社は解雇する場合、貯蓄した労働時間に見合った割増賃金を払う必要がある。 参考『独の労働市場改革に学べ』鶴 光太郎 http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/tsuru/21.html ◆左翼思想は国を衰退させる 幸福の科学グループの大川隆法総裁の近著『国際政治を見る眼』には、「『左翼思想が流行ってくると、国が凋落する』ということを、もっと徹底的に知ったほうがよいでしょう。」(p.129)とあります。 『国際政治を見る眼――世界秩序[ワールド・オーダー]の新基準とは何か』大川隆法著 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1307 一つの国という大きなくくりから見ると、失業者が多いということは養わなければならない人が多い、ということです。家族であっても、扶養者が2人、3人、4人であれば養うことができても、10人、20人、30人であれば苦しくなってくるでしょう。 ですから、政府としては働く意欲のある人に仕事を紹介する、新しい仕事を創ることで働いてもらい、養わなくてはいけない人を必要最低限にすることが最優先課題です。 幸いなことに、日本には勤勉の美徳が文化として根付いています。この美徳の上に空前の繁栄を実現し、世界に拡げてゆきたいと思います。 平和を守るために憲法改正とワシントンを攻略せよ! 2014.10.29 文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ まず、始めに10月26日に鋭い戦略眼で国際関係を論じられ、日本を導いて下さった外交評論家・岡崎久彦先生が亡くなられました。心からの感謝を捧げると共にご冥福をお祈り致します。 ◆押し寄せる中国漁船 今月に入り、日本の領海で中国の不穏な動きが活発化しています。 尖閣諸島周辺では中国公船が4日連続で航行し、小笠原諸島の海域では中国漁船による珊瑚の密漁が相次いでおり、13日に46隻、24日には113隻の中国漁船が確認されています。 海上保安庁は「一獲千金を狙った違法操業で、尖閣諸島の活動とは別」との見方を示していますが、漁民に見せかけ、武装した「海上民兵」である場合も多く、中国が実行支配を強めている南シナ海では、中国軍に訓練された海上民兵が、紛争に動員されています。 尖閣諸島では領海侵犯の中国漁船と海上保安庁との間でトラブルが激増しています。その数は、今年1~9月だけで208件にものぼり、昨年一年間の2倍、2011年の26倍にもなります。 ◆小笠原海域で密漁を行う中国漁船の目的 不気味な動きを見せる中国漁船の目的は一体何でしょうか。 近現代史研究家・ジャーナリストである水間政憲氏によると、中国の集団行動の裏には必ず隠された中国政府の謀略が潜んでいるといいます。 小笠原海域の漁船団の目的は、珊瑚密漁だけではなく海上保安庁の巡視船の配備状況とその能力をテストしています。 それは、尖閣諸島を1000隻規模で襲ったとき、海保の対処の限界を探っており、尖閣諸島沖ではなく、小笠原海域で練習しているのです。 現在、中国がテストしているのは、小笠原海域で海保の5隻の巡視船では中国漁船100隻に対処できない現状を確認したことで、尖閣諸島の巡視船30隻では1000隻を取り締まることができないというデータをとっています。 (参照:「水間条項-国益最前線ジャーナリスト 水間政憲のブログ」) 日本は、一刻も早く、ミサイルを装備した巡視船を大量に緊急配備する必要があります。決して、集団的自衛権行使容認の閣議決定だけでは十分ではなく、防衛力を高めるための憲法改正に今すぐ取り組まなければなりません。戦争をするとかではなく、逆にそれが中国の横暴を食い止める抑止力となります。 ◆揺らぐ日米同盟 日本の安全保障の要である日米同盟も本当に機能するかどうか不安が拭えないのが現状です。 オバマ政権は、アジア・リバランス(再均衡)という日米韓の枠組みを軸にアジア諸国と協調し、中国の拡張主義を阻止する外交政策をとっています。そのため、日本の集団的自衛権行使容認を歓迎する一方で、安倍政権はナショナリズム的要素が強いとして警戒感があることも事実です。 実際に、バイデン副大統領やライス大統領補佐官などの側近や政府高官、民主党を支えるシンクタンクには親中派が多いと言われています。 中国は、2020年までにアジアの覇権を握ることを国家戦略とし、その目標を達成するために日米同盟に揺さぶりをかけていますが、 米国の政治の中枢で親中派を増やし、米国が中国に対抗することは「国益に反する」と考えるようになったことは、すでに中国の情報戦が勝利していると言えるのかもしれません。 まさに、「戦わずして勝つ」孫子の兵法そのものです。 ◆日本はワシントンを攻略せよ このような状況において、日本が為すべきことは、憲法改正を進めると共に、ワシントンにおいて日本の存在を早急に強める努力が必要です。 ワシントンは米国の政策決定の場であり、世界銀行やIMFなど強力な国際機関や世界的に影響力があるマスメディア、大学、シンクタンク、NGOがひしめき合っています。 「世界の権力の要」であるワシントンで存在感を示すことは、同時に世界に影響を与えることになります。そのため、ワシントンを舞台に各国の競争が年々、激しくなっています。 特に、中韓の存在が大きくなっていますが、彼らは早くからワシントンが外交政策の要の場所であることを認識し、莫大な予算と人材を投入し、活動拠点を増やしてきました。 反対に日本は、伝統的にニューヨークでの活動に重点を置き、特に90年代以降はワシントンでの予算を減らし、活動拠点を閉鎖してきました。 その結果、米国における「アジアのリーダー」としての日本の立場が揺らいでいます。しかし、その状況をただ傍観していては、日米同盟がワシントンで生き残り、繁栄し続けることはありません。 ワシントンを攻略するためには、従来の外交やロビイストを雇い、米政府にだけ働きかけるのではなく、草の根的に、法律事務所、大学、シンクタンク、メディア、国際機関などと結びついた人的ネットワークやコミュニティを網の目のように張り巡らせる努力が必要です。 日本は古い認識力を変え、もっとスピーディな対応と、ワシントンに資源を振り分けることが大きな課題です。 言論を武器として、アジアの平和と繁栄のために日本の存在が不可欠であることを真剣に世界に訴えていく必要があるのです。国際世論を味方にすることは、国内世論を作る後押しにもなるのです。 参考文献:ケント・カルダー著『ワシントンの中のアジア』中央公論新社 日本中の地方議会から自虐史観の払拭を行い、国を動かそう! 2014.10.28 文/兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆全国の市町村議会において採択されている「慰安婦意見書」の存在 河野談話が日韓の合作であったこと、また吉田清治証言を基にした記事を誤報と認めた朝日新聞の謝罪をきっかけに、歴史認識の見直しが始まっていることはご存知のとおりです。 実は2008年以降、河野談話を受けて「日本軍『慰安婦』問題に対して、政府の誠実な対応を求める意見書」を決議している地方議会が、全国の県市区町村に42か所存在します。 意見書の内容は、いわゆる慰安婦に対して日本政府が謝罪と賠償を行うことを求めているものです。意見書を決議している県市区町村の一覧は以下の通りです。 ・北海道(4市)札幌市、士別市、小樽市、函館市 ・岩手県(1市)一関市 ・埼玉県(1市1町)ふじみ野市、南埼玉郡宮代町 ・千葉県(2市)我孫子市、船橋市 ・東京都(6市)国分寺市、国立市、三鷹市、小金井市、清瀬市、西東京市 ・京都府(1府8市)京都府、京田辺市、長岡京市、日向市、八幡市、木津川市、宇治市、城陽市、宮津市 ・奈良県(1市1町)生駒市、広陵町 ・大阪府(6市)大阪市、高槻市、堺市、吹田市、泉南市、箕面市 ・兵庫県(1市)宝塚市 ・島根県(1県)島根県 ・鳥取県(1市)東伯群北栄市 ・岡山県(1市)岡山市 ・福岡県(2市)福岡市、田川市 ・沖縄県(2市3村)南城市、豊見城市、今帰仁村、多良間村、読谷村 意見書を採択している自治体は、一般的に左翼勢力が強い地域であります。この事実を知っている住民は少なく、議会における反日的な議員を中心に提案・決議され、現在に至っています。 このような意見書を採択している県市区町村の住民がまず事実を知り、それがどれほど自分たちを害しているかということを訴えていくことが必要です。 ◆兵庫県宝塚市において「慰安婦意見書の無効化」が可決! 兵庫県宝塚市議会は、2008年3月に「慰安婦意見書」を可決し、全国の先駆けとなった地域です。 2013年にこの事実を知った著者は何とかしたいと考え、市議会議員にも相談しました。しかし、河野談話が有効である今、自分の力だけではどうすることもできないとの返答でしたので、幸福実現党の「河野談話の白紙撤回を求める署名」活動や、地域の保守系グループとの交流などを通じて、草の根活動を地域の方々と一緒に行ってまいりました。 その後、全国で13万筆を集めた署名やデモ活動などにより、世論が変わってきました。 これらに後押しされるかたちで2014年10月8日 宝塚市議会の本会議 決議第15号において、 (1)吉田証言の虚偽と朝日新聞の謝罪 (2)日本軍が組織的に強制連行した証拠はない これを根拠にして、「宝塚市議会が平成20年3月26日付けで政府に提出した意見書が決定的な根拠を失ったことを確認する」決議案(http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/gikai/0302-2014-04-ketugi15.pdf)が賛成多数で可決しました。 全国初で「慰安婦意見書」を決議した宝塚市が、全国初で「意見書の無効化」決議したのです。この流れを全国に広め、残りの41自治体の議会においても、同じように「意見書の無効化」を進めていきたいと思います。 ◆一人ひとりの声を地方議会へ届け、国を動かそう! 今回の宝塚市の決議案は、発議者が市議会議員3名によるものでした。しかし、市民一人からでも国や地方自治体の機関に意見や希望を述べることができます。国民に認められた権利である、陳情活動です。紹介議員がついてくれた場合は、請願となります。 宝塚市の例を見る限り、2008年の「慰安婦意見書」に賛成したにもかかわらず、2014年の「意見書の無効化」にも賛成している議員が、賛成の14名中7名も存在しています。 世論に合わせて意見を変えている議員が半数以上存在しているということは、市民の声に敏感にならざるを得ません。積極的に知り合いの地方議員に働きかけていきましょう。 陳情・請願活動においてはマイナスを0に戻すだけでなく、プラスの活動をすることも可能です。すでに鹿児島県議会、北九州市議会、大阪市議会などが、河野談話の見直しや国会での検証、新談話の発表を要望する意見書を採択しました。 河野洋平氏の国会招致や新しい談話の発表、捏造歴史の見直しと左翼教科書の撤廃など、行うべきことは山積みです。 一人ひとりの声は小さくとも、その声を集めると大きな運動になります。日本中の地方議会からまずは自虐史観の払拭を行ってまいりましょう。 武器輸出外交で日本は安全保障のパートナーを目指せ! 2014.10.27 文/幸福実現党 神奈川県本部副代表・HS政経塾4期生 壹岐愛子 ◆新三原則により鎖国が解かれた日本 2014年4月1日、武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則が閣議決定されました。日本はこれまで戦争当事国のみならず、全ての国に対して原則的に武器輸出禁止していました。 今回の新三原則により、国際協同開発など日本の安全保障に基づいた場合において、武器輸出が可能になり、世界は今、鎖国が解かれた日本の防衛技術への関心が高まっております。 初の本格的な自国の武器輸出として注目されているのが、オーストラリアへの潜水艦輸出です。今月16日に行われた日豪防衛相会談において、潜水艦の共同開発に向けた協議を開始することで合意をとっております。(10月17日読売新聞) 潜水艦の更新を決定していたオーストラリアは以前から日本の潜水艦技術に注目しておりました。日本の潜水艦技術は世界トップレベルであり、今回共同開発される予定の「そうりゅう型」はスターリングエンジンを搭載し、非常に静かなことが特徴的です。 また、原子力潜水艦とは違い、通常型の潜水艦は数日で充電切れになり浮上しますが、「そうりゅう型」は2週間も潜伏することができます。 ◆技術はそのまま国家の抑止力になる 今回、留意しなければならないのが、「どこまで日本の防衛技術を共有するか」という点です。 国際共同開発で忘れてはならないことは、優れた技術力はそれだけで国家の抑止力になるため、鍵となる技術や兵器の開発力は国内に保持する必要があります。 例えば、日米の戦闘機共同開発においても、重要な部分はブラックボックス化されており、情報共有されておりません。 今回も全ての最新技術を盛り込んだ潜水艦ではなく、設計や能力を一部変更した改造艦で共同開発することが大切です。 ◆潜水艦の需要高まる東南アジア 潜水艦のニーズがあるのはオーストラリアだけではありません。今、東南アジアを中心に潜水艦の輸出は急増しています。 例えば、ベトナムはロシアから潜水艦6隻を購入決定しており、2016年までに引き渡す予定です。また、インドネシアも、韓国に潜水艦3隻を依頼し、さらに2020年までに12隻増強する予定です。シンガポールもドイツから2隻購入する契約がとれています。 こうした背景にあるのは、中国の南シナ海への進出です。 自国の領有権を拡大しようとする中国に対して、隠れているだけで抑止力につながる潜水艦の需要は今後ますます高まっていくでしょう。日本はこうした友好国に対して積極的に武器輸出を行うべきです。 しかし日本は武器輸出に関しては他国よりも遅れをとっています。すでに競合が数か国進出している中において、日本の取るべき戦略はソフト面を含めた複合提案です。 潜水艦の運転能力は早くても5年かかると言われるほど難易度の高い操縦技術です。日本は友好国の操舵員候補生を日本に留学させ、永続的に日本とのパイプをつくることも必要でしょう。 また、日本は哨戒機をはじめとした対潜技術関連の情報を他国より多くもっております。人材育成力、対潜知識を活かし、ただの販売に終わらず、相手国との堅実な同盟を見据えた提案をすべきです。 ◆同盟国・友好国への武器輸出は抑止力になる 今後、日本の防衛技術を東南アジアに武器輸出することが新たな外交手段になることは間違いありません。防衛技術を共有し、武器輸出をすることそれ自体が中国への抑止力となります。 新三原則による武器輸出は、世界の平和維持貢献に消極的な体制から、積極的な働きかけができる体制作りです!それは、日本が安全保障のパートナーになるチャンスでもあります! アジアに責任をもち、外交手腕を発揮していくことがこれからの日本のあるべき姿です。 「いじめ防止対策推進法」で子どもたちを守る事ができるのか 2014.10.26 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆平成25年国会で「いじめ防止対策推進法」が成立 平成23年、滋賀県大津市でいじめを苦にした自殺事件が発生しました。当初、事件の当事者となった中学校及び、教育委員会は、この事件について「いじめ」が原因でない、と主張していました。 ところが、以下のような実態が明らかになり、国民に大きなショックを与えました。 ○ 「自殺の訓練」をさせていた ○ 実家のキャッシュカードで40万円を恐喝 ○ 万引きを強要された ○ 死んだハチを食べさせられていた ○ ズボンを下ろして笑いものに ○ 睡眠薬を飲ませて公園に放置された これらの事を知っていたにも関わらず、学校側、大津市教育委員会は「いじめはなかった」と、隠ぺいを行っており、大津市には連日、国民からの抗議が続きました。 このような実態を受けて、政府は昨年、「いじめ防止対策推進法」を成立させました。 ◆幸福実現党が進める「いじめ対策」とは 幸福実現党は、2009年の立党当初から「いじめ対策の必要性」を主張し、現時点は、主要政策の柱の一つとして「いじめ禁止法」の推進を入れています。 その中で、私たちは、二つの論点について訴えてきました。 一つには、現場の教師が「いじめは悪い」をはっきり言わず、曖昧な決着をつけようとしている事。 いじめの事例を調べてみると、解決のため、教師が加害者と被害者の間で「民主的に」話し合いを持たせて解決としている事が多いのですが、これは「いじめが悪い」という事が全く伝わっていないので、加害者も、悪いことをした、という意識が起きません。 もう一つは、教師、学校、教育委員会による「いじめ隠ぺい」に走るケースが非常に多い、という事です。 先般、文科省の統計で、「小学校のいじめ件数が過去最高」を記録した、という報道がありました。 一見、いじめが深刻化しているかのような印象を与えますが、私は、こうした報道に対して、逆に「隠ぺい」が減少し、表面化させることで、学校としても真剣にいじめ撲滅に取り組むことができるという意味で、評価するものです。 しかし、数年おきに「いじめによる自殺」の報道に接するにつけて、教師や学校がいじめ隠ぺいに走るケースはまだまだ存在している事が分かります。 残念ながら、子供たちが最後、自殺という手段を選択する過程で、現場の教師がいじめに隠ぺいし、ひどいケースになると、いじめに加担している事もあり、本来あってはならない現実に子供たちが絶望を感じている事が大きな原因と見られています。 幸福実現党は、子供たちの将来を守るためにも、いじめを決して許してはいけない、そのためには上記に掲げたような二つの論点を外すことができないと考えています。 ◆「いじめ防止対策推進法」に欠けているもの 「いじめ防止対策推進法」そのものについては、私としても、まずは国が「いじめ対策」を進めていく、という決意を表明したものとして評価すべきかと思います。 ところが、この法案には、先に掲げました大切な二つの論点について、ほとんど考慮されていないのです。 大津の事件に限らず、子供たちが最後、自らの生命を断つにいたるのは、現場の教師がいじめの事実を知っていながら、子供たちを守ろうとしていない事が大きな原因であったのです。 そのためには、法案に教師や教育委員会の隠ぺいに対する処罰を記載するべきでありましたが、残念ながら結果としては、実現されませんでした。 この事については、すでに昨年7月、当HPRニュースでもお伝えしたところです。 連続する「いじめ自殺」~いじめを止める唯一の方法とは?~ HRPニュースファイル 2013.7.19 連続する「いじめ自殺」――いじめを止める唯一の方法とは? ◆現在、自治体で議論されている「いじめ防止」に関する条例 国会での「いじめ防止対策推進法」の成立を受けて、各自治体で「いじめ防止」を目的とした条例の制定作業が行われています。 私の地元である東京都青梅市でも「いじめ防止に関する条例」の議論が進んでいます。私も、住民の一人として、このような取り組みが行われている事に対して、大きな評価をするものです。 しかし、内容を見る限り、「いじめ防止対策推進法」同様に 1、いじめ加害者に対しての処罰規定が非常にあいまい。 2、隠ぺいを行った教師、校長、教育委員会については、厳重な処分を行う事。 の規定が全くない。 という事が明らかでした。 私自身、「地域の子供たちをいじめから守りたい」との思いから、パブリックコメントで青梅市あてにメール送信し、上記について明確に対応することを求めました。 残念ながら、青梅市からパブコメが届いたのかについて返事が全くなく、本気で「いじめ防止」に取り組もうとしているのか、大きな疑問が残りますが、私としては、今後ともこの条例についての議論の行方をしっかりと見守っていく所存です。 ◆「いじめは犯罪」だと言い切る勇気が必要 戦後の、左翼的な考え方によって、教師は生徒と同じ立場であり、「民主主義的な解決」という大義名分を隠れ蓑にして、善悪をはっきり伝えることを避けてきたツケが、この「いじめ」という問題に現れてきたものだと思います。 学校側として、先ず求められる事は、勇気をもってはっきりと「いじめは悪い事」「いじめは犯罪」と子供たちに伝えることです。 子供たちも善悪をはっきりさせることで、「悪い事」はしていけない、という気持ちが出てきます。 現在、行政で進められている「いじめ防止」の動きについては、大きな前進ではありますが、まだまだ善悪をはっきりとすることを拒否している印象を受けます。 未来を担う子供たちを悪から守るためにも、大切な論点が骨抜きにならないよう、お住まいの自治体での議論に注目して頂きたいと思います。 「南京大虐殺」の虚構――「崇善堂」の埋葬記録の検証(2) 2014.10.25 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆不可解な「崇善堂」の遺体埋葬記録 前回も説明したように東京裁判は、「偽証罪」(裁判でウソを証言した罪)が問われず、始めから日本を貶める作意のある裁判でした。ですから証言や出された資料が真実かどうかの検証もされていません。 日本軍が南京に入城したのは昭和12年12月ですが、昭和21年から始まった「東京裁判」のために作成されたのが「崇善堂」(すうぜんどう)の遺体埋葬記録です。これは当時の記録ではなく9年経ってから作成された記録です。 「崇善堂」の埋葬記録は、別の慈善団体である「紅卍会」(こうまんじかい)が遺体埋葬を終えてから、数か月後に同じ場所で遺体埋葬作業が行われ、つじつまの合わない不可解な点があることは、前回のニュースファイルで指摘したとおりです。 では、この「崇善堂」とはどのような団体だったのでしょうか? ◆「崇善堂」は埋葬活動をしていない? 昭和12年末~昭和13年始めに埋葬活動を行っていた「紅卍会」の埋葬活動は、当時も目撃されています。私も当時の記録フィルムで「紅卍会」の活動の映像を見たことがあります。 「紅卍会」は4万余体を埋葬しているので、その倍以上11万余体の埋葬活動をした「崇善堂」が目撃されていてもおかしくないのですが、当時南京にいた日本兵の間でも「崇善堂」という存在は知られていませんでした。 また国際委員会の記録の中にも、ティンパーリーのように国民党の中央宣伝部の依頼で、世界に日本の虐殺を告発するために出版した「戦争とは何か -中国における日本軍の暴虐」にも「崇善堂」の名はどこにも出てきていません。 もし「崇善堂」が、埋葬活動をしていないとしたら、「南京大虐殺」の根拠になっている埋葬数11万余体が架空の数字だったということになります。当時中国の文献で検証できれば、中国が主張する日本の「南京大虐殺」は完全に崩壊します。 ◆当時の中国文献から「崇善堂」を検証 1945年11月、中国側は東京裁判に提出する資料を作成するため「南京地方法院検察処敵人罪行調査委員会」を設けました。 同委員会は、官民合同の14の政府機関や民間団体を網羅し「紅卍会」まで加わっていますが、どうしたわけかここにも「崇善堂」は名を連ねていません。「紅卍会」の倍以上の11万余体もの遺体埋葬をしているにも関わらず、当時の中国側の文献にも「崇善堂」の名前さえないのです。 その実態が明らかになったのは、昭和60年8月10日付け「産経新聞」のスクープ記事からです。国立国会図書館にあった「中華民国27年度版(昭和13年)南京市政概況」などの当時の南京市の史料で、ここには当時の慈善団体とその活動が記されていました。 ちなみに「紅卍会」の活動は、「収容」「埋葬」という活動が記されています。ところが「崇善堂」の活動欄には、「乳呑児を育てる」の文字はありますが「埋葬」は記されていません。 さらに決定的なことは、日本軍の南京入城後に中国で編集された「南京市政概況」には、「紅卍会」は、「工作進行」(活動が続いている)と記されていますが、「崇善堂」は、「工作進行範囲狭小」(活動は続いているが規模が縮小)しています。同文献の遺体埋葬の団体の中にも「紅卍会」はあっても「崇善堂」の名前はないのです。 また「南京商工会議所編」の「南京」には、「崇善堂」が本格的に活動したのは、南京戦後の8か月も経った「昭和13年9月から」と記されています。 つまり東京裁判に報告された「崇善堂」の埋葬活動が、「昭和13年4月9日から5月1日まで」(『日中戦争史』)であることが明らかになっていますが「崇善堂」は、その時期、南京では活動していなかったと中国の文献自体が記しているのです。 「崇善堂」の人員構成がはじめて出てくるのは、戦後しばらく経った中国の文献である『証言・南京大虐殺』(中国/南京市文史資料研究会・1984年「青木書店」)です。同書によると「崇善堂」は、主任1人、隊員1人、人夫10人、計12人で構成されています。 これが真実であるとしたら「崇善堂」は、 1か月弱の間に12人で11万体、一日で多い日は数千体を埋葬したということになります。ショベルカーもブルトーザーもない時代に手作業でやったというのは常識的に考えてもあり得ないことです。 中国側に下記のように質問してみたいものです。 「当時、南京で活動していなかった『崇善堂』が、11万余体の遺体をどうやって埋葬したのですか?また『紅卍会』が埋葬を完了した同じ場所から数か月経ってどうして遺体がでてきたのですか?その時の状況を説明してください。また『崇善堂』は12人で、1日で数千体を埋葬したことになっていますが、どんな方法で埋葬したのですか?」 以上、二回にわたって「崇善堂」の埋葬記録を検証しましたが、いかにずさんなものだったことが分かります。ですから日本が検証もせず、中国から言われるままに「南京大虐殺」を謝罪し、そのたびに経済支援を要求されるとしたら、まったく愚かなことであると言わざるを終えません。 しかし、これまで日本の政治家は中国に対して謝罪を繰り返してきたのです。 【参考図書】 「南京事件の総括」田中正明著/小学館文庫 「南京の実相―国際連盟は『南京2万人虐殺』すら認めなかった」日本の前途と歴史教育を考える議員の会(監修)/日新報道 広島から真の世界平和運動を! 2014.10.24 文/幸福実現党広島県本部副代表 佐伯 知子 ◆8月6日の広島 今年8月6日、広島市では67回目となる平和記念式典が執り行われました。43年ぶりの本格的な雨の中、式典で松井一美広島市長は次のような″平和宣言″をしました。 「『絶対悪』である核兵器の廃絶へ、武力ではなく、人と人とのつながりを大切に未来志向の対話ができる世界の構築が不可欠。」 「日本国憲法の崇高な平和主義の下で戦争をしなかった事実を重く受け止め、名実ともに平和国家の道を歩み続けるよう、政府に求める。」(2014年8月7日中国新聞朝刊より) 核保有や武力を「絶対悪」とし、戦後日本を守ってきた憲法9条は決して改正してはならないとする立場での宣言でした。 この日、式典会場の外側では、全国から集まった「平和勢力」と称される運動員らも大きな垂れ幕を掲げ、マイクを握り、憲法改正や集団的自衛権を激しく非難していました。 同日に開催された広島市主催の「被爆者代表から要望を聞く会」では被爆者側が安倍総理に集団的自衛権の閣議決定の撤回を要望し、原水爆禁止世界大会・広島大会においても「集団的自衛権行使容認に反対する特別決議」がなされました。 いずれにしても憲法9条への強い信仰を感じた8月6日でした。 ◆原動力は「自虐史観」 彼らが憲法9条死守!を言い続ける原動力となっているのは何でしょうか。その根源にある思想が東京裁判史観、すなわち「自虐史観」です。つまりこういうことです。 ☆日本はかつて侵略戦争を行い、南京大虐殺や従軍慰安婦に言われるように、アジアの人々を数多く犠牲にし、多大な迷惑をかけた。 ☆日本がそのような犯罪国家であるので、正義の国アメリカはやむをえず日本を空爆し、原爆を落とさざるをえず、結果として多大な犠牲者を出すに至った。 ☆こうした多くの犠牲と引きかえに、日本は憲法9条を手に入れたのであり、憲法9条があるからこそ、その後日本は悪事を犯すことなく今日まで平和を享受できたのである。この教訓と反省のために犠牲となった多くの人々の為にも、なんとしても憲法9条は死守しなければならない。 ◆明かされる不都合な「真実」 ところが、今年に入って彼らが平和運動の原動力としていたこれらの論拠が大きく崩れ始めました。 河野談話が日韓の合作であったことを報じた1月1日の産経新聞に始まり、2月の石原元官房副長官の河野談話作成過程に関する国会証言、そして8月には「慰安婦問題」について朝日新聞が自らの報道についに誤報を認めました。 続いて、いわゆる「南京大虐殺」の問題も、証拠として上げられた「婦女子を駆り集めて連れて行く日本人兵たち」と解説された写真について、それを取り上げた本多勝一氏が「誤用」を認めました。(週刊新潮9月25日号) この写真は、当時「アサヒグラフ」(朝日新聞社)に取り上げられた「我が兵に護られて野良仕事より部落へ帰る日の丸部落の女子供の群」であり、歴史の捏造であったということが明かされ始めました。 歴史の捏造でつくられた「自虐史観」が間違いであったのなら、憲法9条を死守しなければならないという根拠が崩れます。 ◆真実に基づいた平和運動を 日本が軍事力を持つと、再び侵略国家になるというのが平和勢力の言い分ですが、今、実際にアジアの平和を脅かしているのは日本ではなく、中国や北朝鮮であるということは国際的にも明らかです。 そんな中での現状の反核・平和運動は、これらの国の覇権欲を増徴させ、結果的に戦争を招き寄せてしまうのだということを知らねばなりません。 先の大戦で日本が戦ったことには、欧米列強の植民地支配からアジアの人々を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くという大義がありました。 敗戦し、大きな犠牲を払いましたが、結果としてアジアの多くの国々は独立を果たし、大義は遂げられました。世界中の有色人種にも勇気を与え、アフリカ諸国の独立にも影響を与えました。 この真実を、日本国民に、世界に、そして先の大戦で亡くなられた方々にも伝えなければなりません。日本が悪かったから戦争が起こったのではありません。日本が悪かったから犠牲になったのではないのです。 日本はこの真実に基づき、かつての日本がそうであったように、真の世界平和に貢献するという公的な義務を果たさなければなりません。そのために、誤った自虐史観に基づく「河野談話」「村山談話」を白紙撤回し、政府の公式見解として新たな談話を発表するべきです。 また、憲法9条を改正し、正当な防衛力・軍事力を持つことで、覇権主義国家の暴走を止めなければなりません。戦後70年、自虐史観に終止符を打つ時が来ています。 歴史認識を改め広島の平和運動も、真の世界平和に向けてのリーダーシップをとれる、強く、豊かで精神的高みを有する国づくりへの運動へと変わらなければなりません。 EUでの財政バトルから日本が考えるべきお金の使い方 2014.10.23 文/HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ 日本のメディアではあまり紹介されていませんが、今、EUにおいて「財政ルールを遵守するべきか否か」が大きなトピックになっています。対立構図の中心は、「ドイツvsフランス・イタリア」です。 ◆ドイツの主張:財政ルールは守るべき ドイツのメルケル首相は、財政ルールをしっかりと守ることが、ユーロ圏の信用を保つために非常に重要であるとしています。ドイツ国内でも景気を回復させるために、構造改革をはじめ支出カットをおこない、財政赤字を減らすことを明言しています。 ◆フランス・イタリアの主張:景気回復のために今は政府支出が必要 フランスは、欧州委員会から財政改善のための緊縮の要請を拒否して、2015年予算を計上しています。この予算を組むためには、GDP比4.3%分の財政赤字が発生し、EUの財政ルールである3%を大きく超えています。 また、イタリアのレンツィ首相は、2015年予算では大幅減税と投資促進に向けた景気刺激策を提案しており、EU財政ルールぎりぎりのGDP比2.9%の財政赤字を見込んでいます(当初はGDP比2.2%の財政赤字を見込んでいたが、さらに増えている)。 要するに、フランスとイタリアは、景気の見通しが暗い状況で緊縮政策をすると、さらに景気が悪くなるので、「政府歳出の削減を今はやらない」と主張しているわけです。 ◆EU参加国に義務付けられる財政ルール ちなみに、EU参加国に対しては、以下の財政ルールが適用されています。 ・年間の一般政府財政赤字をGDP比3%以内 ・一般政府債務残高(政府の累計債務)をGDP比60%以内 このルールは、1993年に発効したマーストリヒト条約の中で、EU参加の条件として定めらましたが、2008年9月のリーマンショック以来、EU参加国のほとんどの国において、このルールを遵守できていません。 ◆日本は財政規律に固執して増税していいのか? 残念ながら、こうしたEU圏内の財政ルールを取り巻く議論については、あまり日本のメディアでは紹介されていません。しかし「ドイツvsフランス・イタリア」で繰り広げられる財政ルールについての議論は、日本としても重要な教訓があるといえます。 ドイツがこのまま財政均衡への政策スタンスを取り続ける限り、EU圏内の景気回復は難しいと考えられます。欧州委員会としても財政ルールに固執するのではなく、どうすれば景気を回復して、経済成長するのかを考えていくべきでしょう。 日本も同様です。消費税を8%から10%へと引き上げる判断を、首相が12月に行うとされていますが、景気が悪化しつつある中、増税した結果、税収が増えることもなく長期不況を招いた1997年の消費増税と同じ過ちを繰り返すことになりかねません。 ◆借り入れコストが安いからできることをやろう! ドイツが財政ルールを重視する姿勢を批判しているフィナンシャルタイムズの論説では、以下のポイントが主張されています。 ・利率に注目せずに、財政赤字と債務残高だけを考えるのは意味がない。 ・借り入れコストが安い今、財政赤字のコストに関する考え方を変えなければならない。 ・低利率の今だからこそ、追加の公共投資をするためにお金を借りるべきだ。 ・マーケットは叫んでいる。「借りろと」。 (Financial Times 2014/10/22 Page.9 “Reform Alone is no Solution for the eurozone”) 同じことを日本に置き換えるとどうでしょうか。日本の10年国債の利率は世界一低い0.49%です(10/22時点)。つまり、借り入れるコストが極めて安いのです。だとすれば、今にしかできないお金の使い方を考えるべき時なのではないでしょうか。 例えば、リニア・モーターカーの建設が開始しましたが、東京-名古屋-大阪の同時開通を支援するために、日本政府が超低金利で融資することも検討できるはずです。 ◆マスコミが果たすべき国民への責任 国家財政は税金と密接に関係があり、国民の財産に関わる重要なことです。朝日新聞の従軍慰安婦報道の訂正や吉田調書での誤報をきっかけに、マスコミの役割が見直されています。国民が税について幅広く考えるためにも、EUでの財政ルールについての議論も積極的に報道していただきたいと思います。これもマスコミが果たすべき国民への大切な責任だと思います。 ◆試される日本の構想力 日本は、EUで起きている財政ルールをめぐる攻防を教訓とし、現状の財政再建目標(2020年までのプライマリーバランス黒字化)を見直し、消費増税は見送る。 そして、経済成長への「投資としての減税」という発想で、過度な代替財源探しは控えて、法人税の減税を断行することも一案ではないでしょうか。 お金が行き場を探している「今」にしかできないことを構想し、実行するべきです。 朝鮮半島有事の際、日本に備えはあるのか? 2014.10.22 文/HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党世田谷区代表 曽我周作 ◆日本が訪朝団を派遣 菅官房長官は22日の会見で、拉致問題に関して北朝鮮の特別調査委員会と日本側の担当者が28日、29日に平壌で協議することを発表しました。 今回日本側から北朝鮮に向けて担当者が派遣されるわけですが、これまで第三国での協議が重ねられてきました。 どうして今回、日本側から北朝鮮に行くように、北朝鮮側が求めてくるのでしょうか。 また、「今回は拉致被害者の安否などを示す1回目の通報とはならない」と菅官房長官が述べていますが、何のために、「今このタイミングで」北朝鮮に日本側から行かなければならないのかという事に強い疑問が残ります。 拉致被害者家族の方々も非常に複雑な思いの中にあるでしょう。 ◆きな臭い朝鮮半島情勢 一方このタイミングを見計らったかのように、北朝鮮で今年5月から拘束されていた米国人男性のジェフリー・ファウル氏が解放されました。 これは北朝鮮側が対話姿勢を演出する目的があるのかもしれません。あまりにもタイミングが合いすぎているように感じざるを得ません。 しかも、韓国で産経新聞の前支局長が在宅起訴され、韓国からの出国をできない状況を延長される中で、日本だけではなく、世界の各国から韓国政府への懸念が寄せられる中でのことでもあります。まさに、「あてつけ」の如きです。 さらに、「ロシア政府は、日本円で2兆6000億円余りをかけて北朝鮮の鉄道網の近代化を進めることで北朝鮮と合意」したと伝えられ、ロシアとの関係強化を伺わせています。 また、金第一書記の動静が伝えられない中、10月初めインチョンで行われたアジア大会の閉会式に合わせて北朝鮮の政権幹部3人が、突然韓国を訪問し政府高官と会談、しかも移動は金第一書記の専用機であったことも、なんとなく「演出過剰」な感じがします。 その後19日には、北朝鮮と韓国の軍事境界線付近で互いに銃撃を行っています。どうも朝鮮半島情勢は、非常にきな臭い状況です。 ◆朝鮮半島有事の際、日本に備えはあるのか 北朝鮮は、日本との協議に対してどのような「演出」を考えているのでしょうか。 金第一書記の動静が北朝鮮メディアで伝えられないなか、様々な憶測が飛び交っていました。一部には、金氏失脚の噂まで出ていることが報道でもなされるほどでした。 金正恩氏失脚の懸念と、それについてどのような事態が想定されるか、ということが様々な言説でも見られるところでありました。 しかし、金氏はいまも北朝鮮の政権の座に君臨しており、金氏失脚どころか、もしも近い将来、金正恩第一書記率いる北朝鮮と、朴大統領率いる韓国との間で有事が起きた時、日本をはじめ、世界はいかに対応するのでしょうか。 特にアメリカは、国内でのエボラウイルス感染に揺れており、さらにISISへの対応を含め、最近ではアジアシフトというよりも、むしろ中東やアフリカ方面に関心が移っているなかで、迅速な対応が取れるのか非常に懸念されます。 アメリカでは11月4日に中間選挙が行われますし、その後ますますオバマ政権がレームダック化する懸念もあります。 さらに、今韓国は、反日姿勢を強めて、媚中姿勢に終始しており、日韓関係が悪化しています。同時に、韓国はアメリカからの信頼も揺らいでいるのではないでしょうか。日米韓の関係は一枚岩とは程遠い状況です。 また、北朝鮮と中国との関係悪化も指摘され続けています。逆に、拉致問題の進展次第ですが、日朝関係にも今後改善の可能性もあり、そこにロシアも入り乱れております。 もし、今、朝鮮半島有事が発生したらどうなるのでしょう。近隣各国はどう動くのでしょうか。我が国はどうすべきなのでしょう。 北朝鮮の本当の実情は分かりかねるものがありますが、ここのところの動きが非常に「派手」に見えるので、逆に油断できないのではないかという気が致します。 ◆拉致被害者救出への国民の思い結集を 先月は拉致被害者救出に向けては、国民の想いの、もう一段の結集が必要ではないかと書きました。 北朝鮮の姿勢がこれまでのものから変化し、拉致被害者の方々とその家族を、即座に一人残らず日本に帰国させるように望みます。しかし、これまでの北朝鮮の姿勢を見るにつけて、過度な期待もできませんし、信用もできません。 今後、私達日本国民には、まだ集団的自衛権の行使容認を具体的に定める法改正は行われてはいませんが、万一朝鮮半島有事が発生した時に、在韓邦人の救出に加え、「自衛隊を送り込んででも」拉致被害者の方々の救出をするのか。それとも、結局はアメリカ任せになるのか。そういうことが突きつけられるのかもしれません。 一日も早く、どのような状況下でも我が国の国民を守るため、有事にも備えて法改正を急ぐべきだと思います。 すべてを表示する 1 2 3 Next »