Home/ 財政・税制 財政・税制 【財務省の乱】消費税増税による日本崩壊を止めよ!――幸福実現党、参院選に候補者を擁立! 2013.01.15 政府と日銀は21、22両日に開く金融政策決定会合で、デフレ脱却に向けて物価上昇率2%の政策目標を新たに掲げることを柱とする合意文書を結ぶ方針で、昨年12月の会合から2回連続となる追加金融緩和を検討する見通しです。(1/15 産經) 日銀は、安倍政権の金融政策の方針を受け入れているようです。 一方、財務省も戦時標語「欲しがりません勝つまでは(増税するまでは)」よろしく、本年秋の景気判断において消費税増税を何が何でも実施できるよう安倍政権の景気対策に協力することは間違いありません。 財務省が緊縮財政から一転、安倍政権に協力し積極財政に舵を切るのも、景気回復が目的でなく「悲願の増税」を実現することにあるとすれば、「アベノミクス」も空しく見えてまいります。 財務官僚が安倍首相を誑かし、2008年に「3年後に消費税増税」をぶち上げた消費税増税推進派の麻生太郎氏を財務大臣に据えさせたことからも、財務省の消費税増税に対する不退転の気持ちが伝わって来ます。 昨年の自公民三党合意による消費税増税の決定がいかに「国民不在の暴挙」であったかを今更ながら認識する次第です。 今回の増税がいかに用意周到に財務省により計画誘導されたものであったかを、経済評論家植草一秀氏の近著『消費税増税「乱」は終わらない』に見ることが出来ます。 氏は2008年当時、2009年の衆院選挙、2010年の参院選挙、解散がなければ2013年の衆参の国政選挙までの、この空白の3年間に、必ず財務省は増税決定を目論むと読みました。 実際、その布石を財務省は着々と打ち続けていたといいます。自民党麻生政権時代に行った所得税法の改正(附則104条、消費税増税の必要性を盛り込んだ規定)もその一つです。 特に菅・野田総理は財務省のシナリオ通りに増税路線をひた走りました。2009年末ギリシャに端を発した欧州の債務危機は、財務省にとっては願ってもない増税キャンペーンのチャンスでした。 日本も財政赤字を放置しておくとギリシャの二の舞になると国民を脅したのです。マスコミも一斉にギリシャを例にとり、財政再建のための増税の必要性を報道しました。 さらに財務省にとっては、「増税反対派」の経済学者等を籠絡させるのはいとも簡単だったと言います。増税反対の急先鋒の学者に対しては、「毒まんじゅう作戦」が展開されます。 財務省が政府税調や審議会の委員として対象の学者を招聘し取り込みます。財務省には強大な予算配分権があり、財務省をバックにつけた学者(教授)は、大学内で出世する、副学長や学長になれると言われています。 このような「毒まんじゅう作戦」により、財務省の言いなりに増税を主張する、魂を売り渡した経済学者が次々と誕生しました。 例えば、慶大のある教授はNHKの経済解説サイトで「消費税を上げるとそのぶん物価が上がり、これでデフレが緩和される」とデタラメを解説していたといいます。 また、東大の教授は「消費税を8%から10%と段階的に引き上げていけば、その都度、駆け込み需要が期待でき、最高の景気対策となる」と発言していたといいます。 このような発言が、一流の権威から飛び出す事に驚きを禁じ得ません。「学者としての良心」を財務省に売り払ったと言わざるを得ません。 マスコミ、学者が一斉に財務省の権力の軍門に下り、財務省は、事実2009~2012年の間に自民党、民主党両政権を通して「消費税増税法」を結実させました。 しかし、財務省にとって唯一の想定外が、幸福実現党の立党と、大川隆法党総裁による徹底した言論戦でした。 消費税増税の間違いもこの3年以上、徹底的に訴え、幸福実現党のみが、超然として利害の外に立ち、「何が正しいか」のみを焦点とし、政府、財務省、日銀等の政策の間違いを徹底的に糾弾して参りました。 財務省はついに、幸福実現党だけは籠絡することは出来なかったのです。 幸福実現党は7月の参院選に向け、自公政権による日本経済を壊滅させる消費税増税を断固阻止し、消費税増税法廃止すると共に、公約と異なり、国防政策を後退させている安倍首相に代わって、国防強化、自主防衛確立を訴えて参ります! 昨日1月15日、幸福実現党は以下の21名を次期参議院議員選挙の公認候補者(第一次)として擁立することを発表致しました。 ⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/33157.html また、幸福実現党は、4月28日投開票の参議院山口選挙区補欠選挙に、河井 美和子(かわいみわこ)を公認候補者として擁立することを発表致しました。 ⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/33154.html 超然として利害の外に立ち、日本を守るべく、正義を追求する幸福実現党の使命は決して終わりません!(文責・加納有輝彦) 富裕層課税強化は社会的正義なのか 2013.01.09 増税ラッシュ加速 自民党と公明党の税制調査会では、所得税の最高税率を40%から45%へ引き上げを検討しています。背景には「税と社会保障の一体改革」があります。簡単に言えば、富裕層への課税強化し、貧困層へ分配するというものです。自公政権は増税政権であることは何度も指摘してきましたが、今後も増税ラッシュは止むことがないだけに、暗澹たる気持ちになります。 一方、アメリカは日本以上の格差社会です。 こうした現状の中、第二次オバマ政権は、「財政の壁」危機を回避しブッシュ減税を恒久化することを決定しましたが、富裕層への課税はしっかりと強化されています。→参照:日本も「消費税増税」という「財政の崖」を全力で回避せよ! しかしながら、レーガン大統領の経済政策アドバイザーのA・ラッファー氏に加え、ウォール・ストリート・ジャーナルのシニアライターS・ムーア氏と投資会社の経営者であるP・タナウス氏との共著『増税が国を滅ぼす』(日経BP社)では、アメリカ経済史を題材に投資減税や株価上昇による利益にかかるキャピタルゲイン税の減税、相続税の減税が、株価の上昇と経済成長率に寄与していることを証明しています。そして、幸福実現党が主張するように、「税率を下げれば税収が増える」という法則を示しています。 現在、アメリカでは多くの経済学者が富裕層への増税を支持しているのですが、上記のような保守系の論陣も健在だということは特筆に値するでしょう。 フランスでは違憲判決 さて、2012年末にはフランスから興味深いニュースが飛び込んできました。 現職のサルコジ大統領を破り当選を果たしたオーランド大統領は、オバマ大統領と同じ左派の政治家です。同氏は、富裕層への課税強化を主張していたのですが、違憲審査を行うフランスの司法会議は、2012年12月29日、2013年予算に盛り込まれた年100万ユーロ(約1億4千万円)を超える所得への75%の課税は違憲であると判断しました。 日本で言えば、日本国憲法29条に「財産権は、これを侵してはならない」という既定があります。最高裁判所の裁判官や憲法学者が、現在の増税路線を違憲と見ることができるならば、情勢は大きく変わってきます。ぜひフランスの事例から教訓を得て欲しいものです。 真に弱者を救済するなら 欧米や日本での富裕層課税の問題を扱ってきましたが、増税以外の方法はないのでしょうか。もちろんあります。 第一に、経済成長によって中間層や貧困層の底上げができます。その結果、税収増へとつながります。 第二に、富裕層が果たしてきた社会的使命を学ぶべきです。 アメリカには、石油王のJ・ロックフェラー、鉄鋼王のA・カーネギーがいます。彼らは多額の富を図書館や学校に寄付しました。現在で言えば、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏が同じ仕事をしています。 富裕層への課税を強化すると、こうした社会に還元される資金が減少します。あるいは、政府や国に嫌気がさして、他国へ移住する方が続出する可能性が高くなることでしょう。 「富は、正しい使い方をすれば社会を繁栄させる」という考え方は、現在の学校教育では教えてくれません。上記のような偉人の伝記を学校教育の中で教えることができれば、国民の富に対する認識は変わります。あるいは、富裕層は必ずしも強欲な人ばかりではないと分かるでしょう。 さらに言えば、日本では自由主義に対して「市場原理主義」という考え方が強いため誤解が多く存在しますが、健全な自由主義には、秩序や責任が伴います。自由は無秩序と同義ではありません。この点、ハイエクやミーゼスが経済学で傍流に追いやられているのは残念でなりません。 第三に、富裕層が創設した財団を通して社会事業が充実した例があります。 インドの聖女と呼ばれたマザー・テレサは、貧しい子供達を支援するために生涯をスラム街で過ごしました。今でも世界から尊敬されているマザーですが、実はテンプルトン財団のJ・テンプルトン卿によるマザーの発掘と資金援助なしには語れません(1973年テンプルトン賞受賞)。その結果、マザーは全世界に知られる聖女となり、1979年にノーベル平和賞を受賞しています。 日本でも、こうした篤志家を輩出することは可能です。というのも、かつては二宮尊徳や岩崎弥太郎、安田善次郎のような方を輩出しているからです。 しかし、戦後は財閥解体と累進課税の強化、加えて税制が複雑で高いため、篤志家がますます輩出しにくい環境となっています。もちろん、独占や寡占による資源配分の歪みは避けるべきですが、民間が活性化して成功者や国富が増えることは正しいことです。 翻ってみれば、日本には既に国と地方を合わせて60種類以上の税金があります。社会保障やNHKの受信料などの「隠れた税金」として考えれば、日本の国民負担率はもっと高くなるでしょう。だからこそ、合法的略奪を働く政府に対しては Tax Enough Already(我々は十分に税金を払っている)! と言うべきです。 従って、格差是正とか財政再建などを名目に増税をしたがる政府や役人から自分を守る必要があります。言い換えれば、政府のプロパガンダを見抜く見識を得て「納税者としての目を開く」ことこそ、今最も大事なのです。 同時に、本気で減税を実現できる政党の出現が待たれます。幸福実現党は、その一翼を担えるように一層の努力研鑽を積んでいきたいと考えています。(文責:中野雄太) 誤った政策につける薬なし――消費税増税法案は破棄すべし 2012.10.30 10月26日、政府は消費増税に伴う中小企業向けの価格転嫁(てんか)対策の基本方針を決定しました。 「消費税の価格転嫁」問題とは、消費税が増税された場合、下請けの中小企業は納入先の大企業から値下げ圧力がかかるため、増税分を十分に価格に上乗せできない状況を言います。 すなわち、消費税が増税された場合、中小企業の利益が減少し、経営を圧迫する問題が生じるのです。 大企業が地位を悪用して違法に価格転嫁を拒否した場合(「下請けいじめ」)、公正取引委員会が企業に是正を勧告し、公表することが柱となっています。(10/25 日経「価格転嫁拒否なら公取委が是正勧告 消費増税で政府が対策」) 転嫁対策調査官(転嫁Gメン)を各省に置き、価格転嫁を拒否し下請けいじめをしている企業がないかの情報を集め、電話やメールで中小企業経営者らの相談を受け付ける窓口も内閣府に設置するとしています。 政府は、年末までに価格転嫁対策の詳細を決め、来年の通常国会に関連法案を提出する方針です。 これらの対策は、消費税率を8%に引き上げる2014年4月の半年前にあたる13年10月から16年3月末までの時限措置としています。 また、複数の企業で増税分の製品価格への上乗せを取り決める「転嫁カルテル」や、表示方法を取り決める「表示カルテル」に対しては、公取委に事前に届け出た場合は独禁法の適用除外として認める方針です。(10/26産経「消費税増税時の価格転嫁中小企業の不安払拭へ『調査官』」) 中小企業が消費増税分を価格に転嫁できない問題は、当HRPニュースでも度々取り上げてまいりました。 中小企業庁が2002年に実施した調査によりますと、売り上げ規模が小さくなればなるほど、「価格に消費税を転嫁できない」と答える事業者の比率が高いことが分かります。 売上3000万円以下の事業者の、なんと52%の事業者が「完全な転嫁はできない」と答えています。そして30%の事業者が「ほとんど転嫁できない」と答えています。 この問題一つとっても、消費増税が中小企業にとって大打撃となることは必須で、未だデフレを脱却できていない現時点で消費増税は断じて行ってはならないと考えるのが常識的判断であります。 しかし、民主党政府は、消費増税ありきで、増税するためには、価格転嫁対策を新たに税金を投入してでも行うというのです。 経済評論家の近藤駿介氏は、今回の政府の対策で、大企業が「増税に乗じた下請けいじめ」を止め、下請け企業の正当な価格転嫁を認めるということは、「立場の弱い一般消費者」への販売価格が上昇するということに他ならないと指摘しています。(10/25「<ahref=’http://opinion21c.blog49.fc2.com/blog-entry-501.html’title=’消費増税に伴う中小企業向け価格転嫁対策~誤った政策につける薬はない’target=’_blank’>消費増税に伴う中小企業向け価格転嫁対策~誤った政策につける薬はない」) そして、立場の弱い一般消費者が出来ることは、より安いものを買うか、購入量、購入回数を減らすかしかないとして、政府の「消費増税ありき」の姿勢を批判しています。 さらに、同氏は、企業側の「抜け道」として「税額」ではなく、「製品単価」を下げさせる形で消費増税分を下請けにかぶせることができると指摘しています。 政府は「製品単価」を引下げさせ、満額「税額」を支払う行為も、「増税に乗じた下請けいじめ」と認定するつもりなのでしょうか。 自由主義経済のなかで、大企業が下請け企業に対して、消費増税によっても税込購入単価が変わらないように「製品単価」引下げを要求することを、新たに制定する法律で規制できるのでしょうか。 政府は正義の味方となって中小企業救済を謳っても、一方で消費者負担が強いられ、さらに日本の自由主義経済を統制下におくような「大きな政府」が敷かれ、新たな行政コストに税金が投入されます。消費税増税には、もはやつける薬はないということです。 野田首相は、臨時国会召集日の29日、衆院のみで所信方針演説を行いました。 所信表明演説の中で首相は、日本経済の再生こそが、野田内閣が取り組むべき現下の最大の課題と強調しましたが、これは景気弾力条項をクリアし、晴れて消費税を予定通り増税したいという本音が聞こえてしまうのは私だけではないでしょう。 幸福実現党は、消費増税ありきの考えの間違いを指摘し、あくまで消費税増税法案の破棄を求めてまいります。 最後に、前述近藤氏の言葉で締めくくります。 「誤った政策に効果のある薬を用意するよりも、誤った政策を撤回する方が、社会的コストが安いことは明らかである。誤った政策につける薬はない。」(文責・加納有輝彦) 党首会談決裂・長引く「政治空白」は許されない!――民主党政権の早期退陣こそ、最大の景気対策 2012.10.20 10月19日、解散時期を巡る駆け引きの中、臨時国会に向けて党首会談が行われましたが、首相から解散時期の明示はなく、特例公債法案などの処理について決裂しました。(10/19 ロイター「3党首会談が決裂、解散時期の明示なく自公反発」) 野田首相は「近いうち解散」について、「私を信じてほしい」と言い張るのみでした。まるで「トラスト・ミー」と言い放って、オバマ大統領を裏切ったルーピー鳩山氏を思い起こさせます。 自民党の安倍総裁は、野田首相の回答には「失望した」「怒りを覚える」と強い不快感をあらわにしています。 このまま特例公債法案が成立しなければ、平成24年度予算の約4割の財源に目処が立たず、政府の予算執行が止まり、GDP低下等、日本経済に甚大な悪影響をもたらします。(参考:「財政枯渇」放置は重大な責任放棄) たとえ、年末や年初に特例公債法が成立したとしても、もはや残り数ヶ月では38兆円分の予算執行は未達に終わるでしょうし、また、数ヶ月で38兆円の赤字公債を売り切ることは難しく、国債の札割れ(売れ残り)という深刻な事態が懸念されます。 そもそも現状は、月例経済報告で景気判断が3カ月連続で下方修正されるなど、日本経済の先行き懸念が強まっています。 17日、景気の下振れを踏まえ、野田首相は臨時閣議で、景気のテコ入れのための「経済対策」を11月中に取りまとめるように指示しました。(10/17 毎日「野田首相:経済対策を指示」) しかし、野田首相は10月1日に改造内閣を行った時点で、臨時国会開会までに準備を終えるべき重要課題を、11月中に取りまとめるよう指示するとは悠長な話です。「解散先送り」のための小細工と言わざるを得ません。 しかも緊急性の高い対策については国会の議決がいらない予備費を活用して今月中に実施するとの方針も、臨時国会の回避や選挙対策のバラマキに過ぎません。 シャープに象徴される深刻な日本企業の低迷、中国との貿易減少、円高や電気料金値上げによる産業の空洞化など、日本経済の現状を踏まえれば、本格的な景気対策を行うことは急務であり、9月以降続いている「政治空白」は許されません。 また、反捕鯨団体への対策や国立競技場の補修、沖縄の国道整備等、震災復興との関連が無い事業に復興予算が流用されている事実が次々と明るみに出ています。 復興予算審議では、蓮舫議員が「仕分けの女王」当時さながらに高圧的に追及し、注目を集めていますが、復興予算は民主党政権下で執行されたものであり、「自作自演」に過ぎません。 復興予算流用について謝罪もせず、開き直る民主党閣僚の面々には、与党としての責任感が一切感じられません。 復興増税は所得税額の2.1%が2013年1月から25年間、法人税率の2.4%が2012年4月から3年間、個人住民税上乗せが2014年6月から10年間という「長期に及ぶ大増税」ですが、このように復興予算が無駄に使われ、被災地の復興は進まない現状は大問題です。 幸福実現党は復興増税に強く反対して参りましたが、復興予算が政治家や官僚利権に堕している現況を踏まえ、復興増税は廃止すべきです。 また、「経済対策」は安全保障の側面からも重要です。 韓国の李明博大統領は、竹島上陸に際し、「国際社会での日本の影響力も以前とは違う」と述べているように、日本の威信低下が外交・安全保障の危機を招いています。 日本経済の衰退を見て、中国や韓国が日本を見下し、主権侵害の隙を与えたことを踏まえれば、その場しのぎの経済対策では、更なる国防の危機を招きかねません。 中国は経済成長が2桁成長を続けている間、軍事費も常に2桁成長を続けて来ました。「経済力こそ国防の基」です。 野田政権は「増税」を断行しただけで、今年度予算の財源さえ目処が立たず、復興予算は官僚の食い物にされている始末です。 次期総選挙で下野が決定している民主党政権が「来年度の予算編成」をするなど噴飯物です。 野田政権は国会運営さえ出来ないのであれば、「近いうちに解散する」という約束通り、潔く下野すべきです。民主党政権の早期退陣こそ、最大の景気対策です。 幸福実現党は野田政権の即刻退陣を迫ると共に、震災復興から日本経済再建の活力を生み出し、安全保障を踏まえた国際戦略を持って、日本再建を果たして参ります。(文責・小川俊介) 緊縮財政ではなく、未来への投資が繁栄をもたらす 2012.10.12 9日からIMF(国際通貨基金)・世界銀行の年次総会が48年ぶりに東京で開かれています。 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁と謝旭人財政相の2人が欠席したという報道が注目を集めていますが、今回の総会の重要なテーマは欧州の債務問題です。 IMFはこれまで緊縮財政による財政再建を求めてきました。つまり、政府が使うお金を減らして、政府の借金を減らすように提言してきました。 しかし、ヨーロッパだけでなく、アジアや発展途上国にも景気後退の気配がでるなかで、緊縮財政一本やりではなく、景気回復の重要性を指摘することが増えてきています。 各国の要人が集まる9日の経済見通しでは、財政健全化と弱い金融システムが先進国の成長を引き下げているとブランシャール調査局長が指摘。コレッタリ財政局長は「緩やかなペースでの財政調整がより望ましい」と発言しました。 特に、アメリカは年末以降に大型減税の停止や強制的な歳出削減でGDPの4%の緊縮が行われる「財政の崖」がやってきます。 コレッタリ財政局長は「財政の崖」について「1947年以降、これほどの緊縮は起きたことがない」と警鐘を鳴らしました。(10/9 日経「財政緊縮『拙速避けよ』 IMF、成長下振れ懸念」) しかし、アメリカのガイトナー長官は11日、早くも「財政の崖は乗り越えられる。財政再建を先延ばしにすべきではない」と発言しています。(10/11 日経「米財務長官『財政の崖乗り越えられる』」) 日本でも中尾武彦財務官が10日、「財政再建を先延ばしするわけにはいかない」と、IMFの警告にも関わらず、両国とも財政再建を重視しています。 理由は、IMFが「短期的には緊縮財政は避けるべきだが、中長期的には財政再建すべき」というメッセージを発信しているからです。 政治家にとってはケインズ政策で景気の回復を図るより、緊縮財政によって財政再建を行うほうが楽です。借金をしてケインズ政策を行って失敗した場合、借金を増やしてムダ金を使ったと責任を問われます。しかし、緊縮財政であればそういった心配はありません。 さらに、緊縮財政の対象になるのは国民から不満が出る年金や医療費などの社会保障費ではなく、将来大きなリターンを生むと思われる投資です。 10月9日のHRPニュースでも触れられていた通り、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中教授に対する支援も事業仕分けにより、2700億円から1000億円に減額されていました。(祝・山中伸弥京都大教授・ノーベル医学生理学賞受賞――政府は臓器移植から再生医療への転換を目指せ!) 将来大きな実りを生む投資を削減し財政緊縮を行うのは、将来の成長の芽をつぶし、景気を後退させる愚策です。 各国が一斉に緊縮財政に踏み切れば、各国のGDPが一気に減少し、1929年の大恐慌が再現されます。それはなんとしても避けたい事態です。 幸福実現党は、300兆円市場と言われる航空産業の育成、海洋資源の開発、宇宙産業への投資、さらに老朽化しているインフラへの投資を提言しています。 今、行き詰まりを見せている各国政府に対し、21世紀型の経済政策を発信し繁栄の世紀を創るために、これからもご支援をよろしくお願いいたします。(HS政経塾1期生、幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤希望) 「財政枯渇」放置は重大な責任放棄――野田首相は即刻、臨時国会を招集し、解散すべし! 2012.10.06 民主党代表選で野田首相が再選されて半月が経ちましたが、依然、民自両党の党首会談や臨時国会の召集日程は定まっていません。 自公両党が年内の衆議院の解散を強く求めているのに対し、政府・民主党は解散・総選挙を来年に先延ばししたいと考えており、その妥協点・落とし所が両党間で全く折り合いがついていないことが理由です。 実際、自公明両党は、野田首相が衆議院の早期解散を確約しないかぎり、赤字国債発行法案などの成立には協力できないとしているのに対し、野田首相は「私から解散の時期に言及することはない」としており、野党の協力が得られる見通しは全く立っていません。(10/3 NHK「首相 臨時国会召集は慎重判断」) 自民党の総裁が大連立志向派の石原伸晃になっていれば、野田首相の寝技でズルズルと解散・総選挙の先延ばしをしたでありましょうが、安倍総裁は一向に妥協する様子を見せておらず、強硬に「近いうち」の衆院解散・総選挙という首相の約束の履行を迫っています。(10/5 時事「3党首会談めど立たず=自公、解散で強硬姿勢」) 一方、民主党は支持率低迷の中、少しでも解散・総選挙を先送りしたいというのが本音であり、また、国会を開会すれば田中法相外国人企業から献金を受けていた問題や樽床総務相が有罪判決の男性から献金を受けていた問題などが追及され、「炎上」することを恐れています。 更に、民主党の離党者が相次いでおり、民主党の衆院過半数割れまであと5人、国民新党と合わせた与党の過半数割れまであと8人と迫っており、衆議院不信任案が可決する可能性さえあります。 こうした事情から、政府・民主党は党首会談や臨時国会を先送り、若しくは見送りするのではないかという見方が強まっています。(10/6 産経「民主、臨時国会見送り論 法相献金など餌食」) 野田首相は「決められない政治から決別する」と大見得を切っておりながら、党首会談や臨時国会の日程さえ決められないのが実態です。 自民党の石破茂幹事長も党首会談や臨時国会開催について「幹事長レベルにおいても(民主党から)電話1本頂いたことはない」と語っています。(10/4 テレビ朝日「特例公債…重要法案残すも臨時国会開会めど立たず」) しかし、臨時国会を開催して、赤字国債を発行するための「特例公債法案」を通過させなければ、11月末には財政が枯渇し、国の予算執行ができなくなります。 そもそも、政府は「平成24年度一般会計」において、90.3兆円の歳入の内、38.3兆円を赤字国債発行で見込んでいますが、赤字国債の発行には「特例公債法」が必要です。(平成24年度一般会計予算 予算総則第6条2) 臨時国会が開催されず、「特例公債法」が成立しなければ、2012年度一般会計の歳入の4割以上を占める赤字国債が発行できず、国の財政は火の車になります。 政府が9月7日に閣議決定した「9月以降の一般会計の執行について」には、「財源の枯渇を少しでも遅らせる」ため、一部の例外(安全保障、治安、外交、災害対策、医療、福祉等)を除いて、全面的に「予算執行の抑制を図る」とあります。 例えば、庁費・旅費など行政経費は原則、毎月、予算額を12で除した額の50%以下に支払いを抑制する他、独立行政法人運営交付金や国立大学法人運営交付金、私学助成金などは原則、3ヶ月毎に予算額を4で除した額の50%に相当する額以上の交付を留保するとしています。 実際、既に各省庁や地方自治体の予算執行に様々な支障や遅れが出ており、民間にも影響が出始めている他、景気に対する悪影響が懸念されています。 同閣議決定は「上記の対応によっても、特例公債法案の成立が見込めない限り、早晩、一般会計の財源は枯渇する」という、もはや投げやりな情けない言葉で締めくくられています。 政府・民主党が臨時国会開催を先送り、見送りし、財政枯渇を深刻化することは重大な責任放棄であり、断じて許されない事態です。 日本の国難や不況が深刻化する中、財源の枯渇などあってはならないことであり、野田首相に対し、早急に臨時国会を開催し、特例公債法案成立後、即刻、解散・総選挙を行うことを求めます。(文責・黒川白雲) 財務省の絶対権力化を許してはならない 2012.08.29 増税の悪影響を直視しよう 8月10日に消費税増税関連法案が成立し、税と社会保障の一体改革の流れは加速していくことになります。 消費税だけではなく、所得税の最高税率の引き上げや相続税の強化も検討されています。加えて、毎年1.3兆円のペースで増加する社会保障問題があります。 本来ならば、「社会保障の選択と集中」と呼ばれるリストラがされてこそ、一体改革としての意味をなすわけですが、政府は社会保障関連の見直しを先送りし、増税だけが先行しました。 仮に今後も増税だけが先行したらどのようになるのでしょうか。 社会保障が専門の学習院大学の鈴木亘教授の見解によると、2025年には消費税率は25%程度、50年には40%近くになると主張。加えて、年金保険料の上昇が加わり、国民生活に多大な負担がかかる点を指摘しています。(4/13 産経「金曜討論」) ※ただし、鈴木教授は、消費税増税と社会保障への目的税化に反対はしているが、相続税や固定資産税と金融資産への課税強化を主張していることには注意。 大和総研の試算によれば、年収500万円の世帯では4年後には年間34万超の負担となることも明記されています。 過去の消費税増税の際には所得税減税などの軽減措置がありましたが、今年から始まった復興増税や社会保険料の上昇、そして子育て世代に重くのしかかる住民税の年少扶養控除も廃止されました。(8/11 夕刊フジ「消費税増税で年34万円の負担増!年収500万円の4人家族」) 要するに、今回は軽減措置もない純粋な増税だということであり、増税の悪影響が出るということです(これまでの動きを見る限り、日銀の金融政策が増税の緩和措置になることはあまり期待できない)。 もちろん、税金は公共サービスを運営するための必要経費です。税率が低く、経済活動に目立った悪影響を及ぼさなければ租税は適切だと言えますが、必要以上に税率が高くなると生産と消費は縮小します。極端なケースは100%の課税です。 いずれにしても、限度を超えた租税は市場経済の破壊手段になりかねません(ミーゼス『ヒューマン・アクション』748p参照)。 新聞紙上では、ようやく増税の悪影響が報道され始めましたが、まだまだ「増税やむなし」だと考えている国民はたくさんいます。法案が可決されたとはいえ、事実を伝える努力はやめるべきではありません。 財務省の絶対権力化に警戒せよ 現在、野田首相の問責決議に血道をあげている野党の自民党と公明党は増税政党です。次の選挙で政権交代が起きても、増税に反対する勢力が多数を占めない限り増税路線は踏襲、財務省の思うつぼとなります。 換言すれば、財務省は霞が関と永田町で絶大な権力を持ち始めたということです。 財務省が絶対権力を持つと、更なる重税国家となることは自明です。 そして、政治家は彼らの傀儡にしか過ぎません。既に、このような傾向は出ています。 野田政権は「直勝内閣」とも呼ばれ、勝栄次郎顧問の操り人形だと揶揄されるほどです。今後も、財務省寄りの人材=増税論者が総理となり続ければ、財務省の絶対権力化は一層強化されることになります。 政府には課税権がありますが、実質上の実務を握っているのは財務省です。財務省は選挙によって選ばれた代表者ではないため、権力が集中することは危険です。 リバタリアンの最高に位置するノーベル経済学者のハイエクは、「単一計画に役立てるように権力を集中すると、権力は単に移転するのではなく、限りなく強大になる」とも指摘します(『隷従への道』184p 東京創元社)。 また、イギリスの歴史家でもあり政治家でもあったアクトン卿は「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」という格言を残しています。 これを現代に当てはめると、財務省と政治家の癒着構造ということになるでしょう。 さらに言えば、増税で調達された資金を補助金として拠出される業界との既得権益が強化されます。永田町と霞が関、そして関連業界の「鉄のトライアングル」が形成されるわけです。 その結果、ますます政府は肥大化し、日本経済には競争力のない産業が温存されることになります。 減税路線=小さな政府への転換を 逆説的ではありますが、現在の日本の肥大化する政府を転換するには減税路線しかありません。 幸福実現党が主張する本格的な減税路線には、不要な税金を排除する「廃税」を含みます。(参照:日本で減税路線は可能か) 複雑で重い税金から、簡素で安い税金へと変えていかない限り、「財務省栄えて国滅ぶ」というシナリオが現実化してしまいます。 その意味で、「財務省からの自由」「重税からの自由」を実現するためにも、増税に反対する議員や経済に強く経営感覚のある議員ならびに候補者が国会に行かなければなりません。 幸福実現党は、その一翼を担うべく、今後も努力精進していく次第です。(文責・中野雄太) 勝栄次郎氏が財務省顧問に就任した意味とは 2012.08.22 消費税増税関連法案が8月10日に成立しました。いよいよ、我が国では復興増税と消費税増税のダブルパンチが現実化します。 増税法案の背後に財務省がいるのは明らかですが、「影の内閣」として君臨したのは勝栄次郎財務事務次官でした。 8月17日付で退任となった後は財務省顧問に就任しています。不思議なことに、勝氏の財務省顧問就任の記事や報道はほとんどありませんでした。これには何か裏があると思わざるを得ません。 容易に想像できるのは、勝氏が財務省顧問として「次なる増税」を目論んでいるということです。実際、政府側も2020年までには消費税を20%かそれ以上に引き上げたいと考えており、今回の増税は第一歩にしかすぎません。 そして、財務省はあらゆる手口を使って増税を正当化する理論武装をしています。 例えば、国民負担率という概念(租税負担率と社会保障負担率が国民所得に占める割合のこと)があります。 日本では40%(財務省のデーより、2012年度版で39.9%)です。これは、OECD(経済協力開発機構)諸国では低い部類に入ります(09年データで、32カ国中27位)。こちらを参照→財務省の「日本の国民負担率が低い」は統計のトリックである。 そもそも、国民負担率は経済学的にあまり意味がなく、増税を正当化したい財務省が好んで使用する統計の一つにすぎません。その他、国の債務水準の高さなどを理由に財政が「火の車」だと言う印象操作も同じです(拙著『日本経済再建宣言』第三章も参照)。 財務省に限らず、霞が関全般が自分たちに不都合なデータは公表しません。公表しても、公式HP上で見つけにく場所にリンクが張られています。実に狡猾なやり方で国民の知る権利を邪魔しています。 千葉商科大学大学院の吉田寛教授は、「税は略奪である」と喝破していますが、同じく略奪者が行う四つの方法を提示しています(『増税亡国論』『吉田きょう授の「公会計と均衡財政」』参照)。 第一:主権者が何者であるかを忘れさせる 第二:主権者に情報を提供しない 第三:主権者に選択肢を提供しない 第四:税制度を複雑にする 第一の論点から見てみましょう。 日本国憲法前文には、主権在民が記述されています。文字通り解釈すれば、主(あるじ)は国民であり、政治家や公務員は国民への奉仕者です。にもかかわらず、政府は国民の承諾なしに増税を決定してしまいました。 確かに、日本国憲法30条には納税の義務が明記されています。また、行政サービスは国民の税金によって運営されており、税金がなければ私たちの生活が不便になるのも事実です。 しかしながら、主権在民というのなら、課税の有無は国民の承諾を経るのが筋でしょう。国民が選挙を通じて承諾すればこそ、政府は課税が許されたことを意味します。 これが「代表なければ課税なし」の意味です。逆に言えば、国民の承諾なしの増税は「合法的略奪」だと言えます。 第二と第三は、上記で紹介した「洗脳の手口」です。 例えば、『日本経済再建宣言』にも明記したものをあげてみましょう。 バランスシートの負債ばかりを強調して資産の部を公表しない。日本が対外純資産250兆円を超える資産大国であることや、国家全体が黒字であることを公表しないことがこれに当たります。 第三は、「増税やむなし」の世論誘導です。これにマスコミが加担しているのは言うまでもありません。 第四は、公認会計士か税理士しか知らない知識です。国税は22種類、地方税は45種類です。実に67種類もの税金が存在するのですが、覚えるのも「酷」で、いちいち数えていたら「痴呆」になりそうな多さだと言えましょう。 こうしてみると、財務省は四つの原理を忠実に実行していることが分かります。また、勝氏が財務省顧問に就任したということは、今後もあらゆる巧妙な手口を使って増税を正当化する策を打ってくることでしょう。 ここでは、自由主義思想の大家の意見を参考に、反論を考えてみましょう。 ノーベル経済学者のハイエクの師でもあったL・ミーゼスは『ヒューマン・アクション』(村田稔雄訳)の中で、「租税が増大すればするほど、市場経済を危うくし、それとともに課税制度自体も危うくする。(中略) ある税率の高さを超えると、あらゆる特定税のみならず、一国の税制全体が自滅するようになるのである」(第28章p.749)とし、重税国家への警鐘を鳴らしています。実に正鵠を得た見解です。 幸福実現党は、主権在民の根本原則に戻って経済成長とスリムで簡素な税制と減税の実現を目指します。 増税しか選択肢が存在しないならば、日本経済の二流国への転落は必至です。税を預かる者にコスト意識がなく、有効な投資や行政サービスの向上を目指すならば、ある程度民間に権限を戻すべきです。 現在は公会計やPPP(公民連携)などの手法が発達しており、減税路線は決して絵空事ではありません。 勝氏の財務省顧問への就任は「増税バトル第二ラウンド」の幕開けです。増税法案可決に落胆している暇はないのです。(文責:中野雄太) 消費税法案可決――8月10日、日本の民主主義が死んだ日 2012.08.10 消費税増税法案が10日夕の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立しました。 現行5%の消費税率は2014年4月に8%、15年10月には10%と2段階で引き上げられます。 消費税5%分の引き上げで国民の負担は13.5兆円増えます。単純計算で、国民一人当たり年間10万円以上の負担増、4人家族で年間40万円以上の負担増となります。国民にとっては大変重い負担となります。 今回、野田首相、及び民主党議員は国民の「信」を徹底的に裏切りました。まさしく、「日本の民主主義は8月10日に死んだ」と言えます。 民主党は「消費税増税をしない」ことを公約に掲げて大勝し、政権を取りましたが、政権を取るや一転して「政治生命を懸けて」消費税増税を行うなど、あってはならない事態です。この点、小沢氏の言い分が正しいと言えましょう。 野田首相は10日夜、消費税増税法案が成立したことを受け、首相官邸で記者会見を行い、冒頭、「消費税を引き上げること、国民の皆様に負担をお願いすることは2009年の総選挙で民主党は勝利したが、マニフェスト(政権公約)には記載していなかった。この機会に深くおわびしたい」と述べました。(8/10 読売⇒http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120810-OYT1T01097.htm) 消費税増税してからお詫びの姿勢を示すなど、よくも白々しい茶番が言えたものです。国民を愚弄するのもいい加減にすべきです。 「お詫びの姿勢」を示すのであれば、野田首相をはじめ、消費税増税に賛成した民主党議員達は、マニフェスト違反を認め、日本の民主主義を踏みにじった罪で即刻、議員辞任すべきです。 また、今回、2014年、2015年と2段階の消費税増税が決定されました。これは「増税後の増税」まで決定したことを意味します。 2段階増税は企業や小売店、消費者等に煩瑣な手間と労力、資金負担をかける上、3年後の経済状況がどうなっているかも全く読めない中で増税することを決めるなど、一種の「恐怖政治」と言わざるを得ません。 本来であれば、こうした国政の暴走状態に対してブレーキをかけるのが参議院の役割ですが、「早期解散」という民主・自民の党利党略の駆け引きによって、深い議論がなされないまま、法案の早期成立を認めた参議院は存在価値が無いに等しいと言えます。 幸福実現党が主張して来た「参議院不要論」の正しさが証明された形です。 また、国政の暴走に対して警鐘を鳴らす役割を持ったマスコミは、「社会の木鐸」と言われる責任を微塵も果たしておらず、ひたすら民主党政権や財務官僚に尻尾を振り、財務省の広報紙に成り下がりました。「言論の自由は死んだ」と言えましょう。 また、デフレ期に増税をすることの悪影響を十分に理解しているはずの経済学者や財政学者達も、一部を除いて、ほとんどが「黙して語らず」を貫きました。たかが「御用学者」になりたいために、最も大切な「学問の良心」を捨て去って良いのでしょうか。 この国は「増税批判」を一切許さない、事実上の「国家総動員法」が敷かれているかのようです。 今回、明らかになったように、税金のあり方は「民主主義の成熟の度合いを示すバロメーター」です。 民主主義の発展の歴史は、課税権を専制君主から市民の手に戻す歴史でありました。 民主主義の最も大きな成果の一つは「代表なければ課税なし」という原則を確立し、国民が税をコントロールする地位を確保したことにあります。(参照:吉田寛著『公会計の理論』東洋経済新報社) どの世論調査を見ても、6割前後の国民が反対している消費税増税について、国民に「信」を問うことなく、増税を強行した野田政権は、日本の民主主義を明治時代まで引き戻したと言っても過言ではありません。 こうした異常事態を受け、幸福実現党の立木秀学党首は声明「消費増税法の成立を受けて」を発表し、マスコミにリリース致しました。⇒http://www.hr-party.jp/new/2012/27600.html 日本に「真の民主主義」を取り戻すべき時は今です! 衆議院の解散は近づきましたが、幸福実現党は次期衆議院選を全力で戦い、国民の負託を受け、消費税増税を凍結に追い込んで参ります。皆様の更なるご指導ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。(文責・黒川白雲) 消費税は「不安定財源」――「欠陥」消費税増税法案を廃案にせよ! 2012.08.03 野田首相は8月3日、消費増税法案について10日の参院採決を目指すよう指示しました。お盆前採決を求める自民党側に配慮した形です。(8/3 読売「消費増税:参院採決10日を指示 首相、輿石幹事長と会談」) 政局の都合によって、参議院での十分な審議もなされないまま、国家の衰退をもたらす消費税増税を早期採決することは言語道断です。 そもそも、消費税増税法案の正式名称は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」ですが、本当に消費税は「安定財源」と言えるのでしょうか? 財務省や財務省と一体となったマスコミが「安定財源」と称賛してやまない消費税がいかに「不安定財源」であるか。あるデータが発表されました。 7月30日、今年3月までの1年間で、国税の滞納額は6073億円となったことを国税庁が発表しましたが、内、消費税は3220億円と全体の53%を占め、これまでで最高の割合になりました。(7/30 NHK「国税滞納 消費税が50%超に」) 消費税の国税に占める割合は23.0%(平成24年度予算)にもかかわらず、新規滞納額が国税全体の半分を超えており、極めて異常です。 なぜ、他の税金と比べて、消費税の滞納が、これ程までも突出しているのでしょうか? それは「消費税」という納税システム自体に根本的な欠陥があるからです。 消費税は、商品を販売した業者が、商品の代金と一緒に消費税をいったん預かり、年度末にまとめて国に納める仕組みです。 国税庁は、経営の苦しい業者が結果として預かった消費税を運転資金に回すなどして、滞納するケースが増えたためではないかと分析しています(同上)。しかし、それだけが原因ではありません。 立場の弱い中小・零細小売店が、厳しい価格競争にさらされ、消費税分を売値に上乗せできない場合が多くあります。その場合、中小・零細小売店は「もらってもいない消費税」が課され、自腹を割いて納税しています。 東京・新橋のある居酒屋経営者は、大手チェーンとの激しい競争にさらされ、消費税分を価格に反映できず、「毎回かろうじて消費税を払っている状況で、今後、税率が引き上げられるようなことがあっても価格に上乗せできず、経営が続けられないかもしれない。厳しいのひと言だ」と苦悩を語っています。(同上) 中小企業庁が2002年に実施した調査によると、売上げ規模が小さくなればなるほど、「価格に消費税を転嫁できない」と答える事業者の比率が高くなっています(売上高1000万円以下で「完全な転嫁はできない」57.3%)。 その結果、消費税分を自らの資金から補填すべく、資金繰りに苦しんだり、泣く泣く滞納する業者が増えています。実際、東京商工リサーチによると、消費税率の引き上げ時期に、倒産件数が目立って増えています。 1996年に14,834件だった倒産が、消費税を増税した1997年には16,464件、1998年には歴代5位の18,988件に急増しており、現在、「消費税増税倒産」の増加が懸念されています。(6/27 東京新聞「消費税は取りはぐれないか?延滞額は不動の1位」) また、倒産の増加は失業者の増大、そして自殺者の増大を招きます。消費税増税後の1998年の自殺者数は31,755人となり、前年の23,494人の35.2%も増加し、史上初めて3万人を上回りました。 わずか2%の消費増税でも、日本社会はこれだけのダメージを受けたのです。ましてや消費税5%アップの暴挙は壊滅的ダメージをもたらします。 消費税を増税しても、結果として滞納が増えるのみであり、その結果、倒産、失業、自殺者を激増させ、「不幸の拡大総生産」を生み出すことを野田首相は知るべきです。 幸福実現党は、国民を不幸にする「消費税増税法案」成立を断固阻止すべく、全国各地で正論を訴え続けております!皆さまのご指導ご支援、何卒よろしくお願い申し上げます。(文責・黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 23 24 25 26 27 … 33 Next »