Home/ その他の時事問題 その他の時事問題 社会保障費の増大をどうみるか 2013.12.23 ◆増大の一途を辿る社会保障費 先日21日、政府は、来年度一般会計の総額が95兆8800億円となる過去最大規模の予算案を固め、24日に閣議決定する予定です。 今年よりも増額となったのは、公共事業費5兆9600億円、防衛費4兆8800億円、文化、教育、科学技術関連費5兆4400億円などです。 日本の未来にとって必要な部門に対する予算増額は良としても、1.5兆円増加し、初めて総額30兆円を超える社会保障費については、根本から問い直すべきです。 安倍総理は本年10月に「税と社会保障の一体改革」として消費増税を決定しましたが、この根底にある思想は人間機械論、共産主義的なユートピア幻想です。 本来日本の社会が進むべきは、仏の子として人間を尊重し、自助努力によって繁栄を実現する真の資本主義精神を徹底させ、心身ともに豊かな人を増やしていくことです。 ◆地獄への道は「善意」で舗装されている 「増税して社会保障を手厚くする」には際限がありません。例えば戦費調達のための増税であれば、「終戦」がありますが、社会保障という「善意」に満ちた大義名分には、「持続的拡大」しかありません。 誰もが年をとり、将来において介護、医療、年金のお世話になると思えばこそ、抵抗することが難しいのです。 もちろん我が党は、セーフティネットそのものを否定しているわけではありませんが、あくまで「自助のすすめ」として「生涯現役思想」という、より積極的な考え方を打ち出し、国のあり方を根本的に変革しようとしているのです。 ◆ハイエク流の自由の哲学 膨張する社会保障費については、過剰部分を見極め、カットしていくことは不可欠ですが、他方において中長期的な視点の抜本策が必要です。 つまり、増税から減税路線へ転換し、徹底的なる経済成長路線に舵を切ることで、社会保障の原資たるGDPを増やすとともに、現役世代を増やすべく積極的な人口増加策を講ずることです。 『隷属への道』でハイエクは、「私有財産が自由の基礎である」と強調していますが、個人の経済的自由を確保することが、実は広い意味では社会保障にもつながります。 個人でできる自衛範囲を広げることになるからです。経済成長を続けることこそが、実は、社会保障を機能させるための条件でもあるのです。 なお、先般、大川隆法総裁が「ハイエク流自由の哲学を考える」と題し、ハイエクの霊言を収録されました。現在のハイエクの考えを伺い知ることができる本当に稀有なる機会です。ぜひ拝聴をお勧めいたします。 ハイエクの霊言「ハイエク流自由の哲学を考える」 (拝聴は全国各支部にて) http://info.happy-science.jp/lecture/2013/9055/ ◆まず景気回復ありき ところで、来年度の税収は、消費増税と、法人税などの自然増収で、今年度より7兆円ほど増加し、50兆円を見込んでいます。 ここで改めて特筆すべきは、年初からのアベノミクス効果により、3兆円程度の自然増収が見込まれることです。景気が回復すれば増税など必要なく、結果的には財政健全化への道筋も見えてくるのです。 しかし、足元を見れば、先日16日に発表された日銀短観でも、大企業の設備投資計画が減額修正されており、消費増税に備え、生産者も「忍耐」し始めています。 今年1年のアベノミクスを振り返ってみても、金融緩和によって円安・株高基調が続き、大企業の業績は回復したものの、中小企業は仕入れコスト高でむしろ減益しています。消費者も円安の影響で、生活必需品である小麦や燃料費も値上げされて打撃を受けました。 さらに来年からはこれに消費増税が重くのしかかります。政府は5兆円規模の経済対策を講ずるとしていますが、その効果はいかほどでしょうか。 ◆宗教政党として 我が党は、宗教政党として霊的人生観を背景とした社会保障の構築を含め、全ての人が「幸福」に生きられる社会の実現を目指し、これからも「正論」と「志」を武器に「闘魂の挑戦」を続けてまいります。 (HS政経塾 二期生 古川裕三) 海空で起きている米中の攻防(3) 2013.12.22 前回、「海空で起きている米中の攻防(2)では、中国の防空識別圏設定に対する米国の対応を説明いたしました。 今回は、その前後に起こっている南シナ海、西太平洋における日本・米国と中国の攻防劇を紹介します。 ◆南シナ海に中国空母が航行 先の「海空で起きている米中の攻防(1)」でも述べたように西太平洋で中国の3艦隊が合同軍事演習を実施したのは、10月末から11月初旬でした。 中国空母が中国近海で戦闘機の離発着訓練などを実施した報道はこれまでもありましたが、ついに中国空母「遼寧」が初めて遠洋へと動き出しました。 中国が防空識別圏を設定したのは、11月23日、その後の26日、青島港を出港した中国空母「遼寧」は、ミサイル駆逐艦2隻およびフリゲート艦2隻を伴い28日には台湾海峡を越えて南シナ海に入りました。 当然スプラトリー(中国名:南沙)諸島で紛争を抱えているフィリピンは中国に対して抗議をしています。 「遼寧」艦隊には、ヘリコプターZ8と、艦上戦闘機J-15が搭載されており、45日の訓練期間、つまり今年末から来年の年明けまで、空母艦上からの離着陸訓練などを含む、様々な軍事演習を現在ただ今も行っています。 ◆南シナ海で中国戦艦が米国艦船の航路を阻む 今回の中国初の空母「遼寧」の動きは米国も注目しており、12月13日に米国が報道したところでは、5日に南シナ海の公海上を航行していた米ミサイル巡洋艦カウペンスに対して空母「遼寧」の近くを航行していた中国の揚陸艦が警告を発し停船を求めてきました。 これに応じなかったカウペンスに対し中国艦は航路の前方を遮ると、カウペンスは、衝突を避け緊急回避行動をとらざるを得ませんでした。米国務省は「ハイレベルの問題として中国政府に問題提起」しています。 (12/14朝日) ◆日米合同軍事演習 今後注視すべきは、訓練を終えた「遼寧」空母艦隊が、南シナ海から西太平洋を回って沖縄近海を抜けて中国に戻る可能性、あるいは尖閣諸島近海に近づく可能性があることです。 日本政府は、年末年始の休み気分もそこそこに、中国空母の動向を注視しておかねばなりません。 中国空母が南シナ海で軍事演習を始めると、その一方で11月27・28日、日米両国は、合同軍事演習を沖縄本島東方の太平洋上で実施しました。 同演習には、FA18戦闘攻撃機を載せた米原子力空母「ジョージ・ワシントン」(GW)、海自の大型護衛艦「ひゅうが」など約20隻の艦船が参加し、敵と味方に分かれ、空や海上のほか潜水艦の襲来も想定して実戦さながらの訓練を行ったのです。 演習は中国が防空識別圏を設定するより前の16日に始まったもので、「今回の演習は定期的なもので、挑発的な行為ではない」と米海軍第7艦隊司令官のロバート・トーマス中将は説明しています。 しかし明らかに米国側には中国の西太平洋3艦隊軍事演習と今回の南シナ海での中国空母艦隊の軍事演習をけん制するねらいがあることは間違いありません。 沖縄の東側近海で米空母が参加した日米合同の軍事訓練を行っているところを装備も訓練も劣る中国艦隊が近づけるわけがありません。 逆に言えば、中国側は、日米合同演習を知っていた上で、日米の反応を見るために同時期に軍事演習を実施したとも言えます。 それを裏付けるかのように12月12日、中国外交部の洪磊報道官は定例記者会見で、「日本の軍事・安全保障戦略と関連政策の動向を中国側は緊密に注視している」と語っています。 以上のように日本を含めた米国と海洋覇権をねらう中国との攻防はすでに始まっているのです。 ◆日本が取るべき道 尖閣上空に防空識別圏を設定した中国のもくろみは、米軍のB52爆撃機の飛行によって無力化され、中国空軍の武装力は日米に追いつかない現実を露呈しました。しかし今後10年を見れば中国の空軍力も日本の技術に迫ることも考えられます。 また今回説明したように、中国の海軍力は、まだ空母「遼寧」が一番難しい軍機の離発着の訓練中とはいえ、早ければ来年、東シナ海、西太平洋で「遼寧」空母艦隊としての軍事演習を行うことは予想がつくことです。 戦闘機が離発着できる空母艦隊とは、「海を移動できる軍事基地」を保有することを意味します。つまり中国は海洋まで出て行って第三国を攻撃できる能力を持つことになります。 2020年には、中国は空母3隻体制の構築(昨年の第18期中央委員会第3回総会で決定)を目指しており、空海合わせてこの10年が日本の防衛を考える意味でも正念場となることは間違いありません。 安倍政権は、安全保障に関する3本の矢として、「国家安全保障戦略」、「防衛大綱」、「中期防衛力整備計画」を発表し、水陸両用車の導入、離島攻撃への対応など、中国へのけん制に舵を切った判断は大変評価されます。 しかしながら今回の中国の防空識別圏設定を無力化した米軍の軍事力に中国は全く歯が立たない現状が示すように、日米同盟の強化を図り、早期に「集団的自衛権」の確立を目指すべきです! (文責・政務調査会 佐々木勝浩) 祝!日本への観光客1000万人突破!! 2013.12.21 ◆初めての日本への観光客1000万人突破 12月20日、今年日本を訪れた外国人が前年比19%増の1000万人を突破しました。 国別でみれば、日韓関係の悪化にもかかわらず、韓国からの旅行者は同23%増の227万人で1位。続いては台湾からで、同52%増の206万人を突破しました。 ここ最近の特徴は、中国人観光客が減少するかわりに東南アジアからの旅行者が増えていることです。 2013年7月、タイとマレーシアから日本へのビザを免除、インドネシア人へは数次ビザの滞在期間を延期するなど、東南アジア5カ国のビザを緩和しました。 この結果、タイからの旅行者が前年比69%増の39万人など、東南アジアからの観光客が急増したようです。 ◆「おもてなし」を大切にする夢の国 日本 記念すべき1000万人目となったタイ人の実業家は「日本は世界で一番サービスが良い国だ。また来たい」と語っています。 また、台湾観光協会の江明清所長は台湾観光客の増加に関して「みなさんリピーターが多いんです。最初、ツアーに参加して、2回目、自分で子どもたちを呼んで、一緒に地方に足を伸ばしていると思います。日本はすごく親切、友好的、やっぱり『お・も・て・な・し』です。高級なものを忘れても、次の旅行先にすでに届けてると。これは素晴らしい」(FNN フジニュースネットワーク 12/20) と話しており、日本人の高度な精神性から生まれる「おもてなし」が、外国人観光客の心を捕える最大の要因であることが分かります。 最近では、訪日客の宗教に配慮した動きも始まっています。 ホテル日航大阪は、イスラム教徒向けに、礼拝用のマットやお祈りの方角を示すキブラコンパスの貸し出しを始めます。(産経 12/21 「訪日外国人 初の1000万人」) また、NINJA 赤坂では、食事制限がある人たちに配慮した「ベジタリアンコース」「豚肉・アルコール制限の方のコース」を提案し、食事と共に外国人が喜ぶ忍者パフォーマンスを披露しています。 これらに加え、日本中の街の清潔さ、世界遺産に登録された富士山をはじめとする豊かで美しい自然、京都や奈良にみられる東洋の伝統的な宗教文化、東京や大阪を中心としたショッピングの楽しみ、無形文化遺産に登録された和食、ミシュランの星を獲得したレストランなどなど、日本にはあらゆる楽しみがそろっています。 ◆観光客2000万人突破に向けて 現在、日本の外国人客受け入れ数は世界では33位・アジアでは8位です。 1位は年間8000万人以上受け入れる観光大国のフランスですが、持っている素材では日本は決してフランスには引けを取りません。 さらに日本には2020年の東京オリンピックという絶好の機会があります。これ契機に、再度高度成長時代を迎えることも可能です。政府は成長戦略のなかで訪日客数を2000万人に増やす目標を掲げていますが、オリンピックまでの7年間をいかに過ごすかによって、日本の将来は大きく変わってくるでしょう。 受け入れ態勢の強化策として、観光地などの案内標識の多言語化やビザ緩和の対象拡大などを更に進めなければなりません。 併せて、羽田、成田両空港の国際ハブ空港化を国家目標として推し進めます。両空港の一体化利用と発着枠拡大、24時間発着も必須です。 空港格付け世界一であるシンガポールのチャンギ国際空港は、年間5200万人が利用する国際ハブ空港です。空港内には映画館や水泳プール、庭園、ショッピングモールを備え、乗り継ぎ時間を退屈にさせない工夫が随所に見られ、常に高い評価を得ています。 日本の空港は、シンガポールや韓国の仁川国際空港に大きく後れを取っています。空港の利便性を高めると共に、都心へのアクセスを更に便利にしなければならないでしょう。 日本が世界の中継地点となることで、日本の魅力を広めると共に、世界を繋ぎ合わせることができるようになります。日本の持つ寛容性で、より多くの人々の幸せを創り出すことができるようになるに違いありません。 (文責:HS政経塾1期生 湊 侑子) 経済停滞を打破するために、官民あげてフロンティアに挑戦しよう 2013.12.20 ◆FRBが量的緩和縮小、ダウ平均は最高値に アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小を決定しました。 FRBは5年前のリーマンショック以降、米国債や住宅ローン関連の証券などの金融資産を買い入れる量的緩和政策と、ゼロ金利政策を実施してきました。 その結果、リーマンショック後、10%を越えていた失業率が7%にまで改善したため、金融資産を買い入れる規模を月間850億ドルから750億ドルに減らすことを決定しました。 ただし、もう一つの金融政策であるゼロ金利政策は引き続き行い、インフレ率が多少上がったとしても、失業率が6.5%を下回ったあとも継続するそうです。 この量的緩和縮小の発表を受けて、ダウ工業株平均の終値は1万6167.97ドルと最高値を更新しました。 量的緩和はリーマンショックの原因になったサブプライムローン問題を解決するための対応策であったので、縮小は「金融市場が正常に戻った」という宣言になります。 そのため、株価が上昇したのです。 ◆楽観できないアメリカ経済 ただし、FRBのバーナンキ議長が、「景気の回復はまだ完全とはとても言えず、失業率はなお高止まりしている」と発言している通り、アメリカ経済は予断を許さない状況です。 失業率は改善していますが、アメリカの労働参加率は34年ぶりの低水準にあります。労働参加率とは、就労しているか就職活動をしている現役世代の割合です。 つまり、労働参加率が減少しているのに、失業率が改善しているということは、現役世代が就労をあきらめているということなのです。 FRBがインフレ率よりも、失業率に対し神経をつかっている背景にはこのようなことがあります。 ◆景気回復には政府の力が必要 金融市場が正常に戻ったとはいえ、100%回復とは言えないのがアメリカ経済の現状です。ただ、景気回復をすべてFRBの責任にすることは酷な話です。 いくらお金が流れていたとしても、起業家が出てこなければ、新しい雇用はつくられません。そして、新しい雇用を作る鍵は、政府の経済政策、さらにいえば未来ビジョンにかかっているのです。 現在、残念ながらアメリカでは財政赤字の解決が政府の主な関心事になっており、景気回復まで頭が回っていません。 そのため、FRBが金融政策を長い間続けているのに、なかなか景気が回復しない状況が続いています。これはアメリカだけに限らず、先進各国に共通する問題です。 日本においても、日銀は金融緩和を行なっていますが、政府は経済成長戦略を掲げながら、消費税の増税を決定しています。 ◆挑戦する政府が現状を打開する 現在ある経済活動の延長線上では、経済成長が限られたものになることは目に見えています。 製造業では、OEM(ブランド力を持った企業の製品を製造すること)を手がけてきた企業が自社で販売を行おうとし、またBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の利用により、欧米ではビジネスの一部を労働力の安い発展途上国に委託するようになってきています。 基本的には現在ある商品やサービスをいかに安く提供するかというところで、競争が起きているのです。その結果、雇用は新興国に奪われやすく、賃金は低くなり、経済が縮小しやすくなっています。 個別の企業においては、新しいサービス、商品を開発することで、価格競争に陥らないようにしようと努力がなされています。こういった取り組みは、企業レベルだけでなく、国家レベルにおいても必要です。 クリントン政権時に、アメリカの膨大な財政赤字が黒字に転換しましたが、これは冷戦時にアメリカが研究・開発していた軍事技術が民生に利用され、IT産業が立ち上がったためでした。 ◆官民一体となってフロンティアを開拓しよう 幸いなことに、日本国内ではアメリカと違い多くの資金が塩漬けにされています。1600兆円の眠れる個人資産を投資してもいいと思える計画を立て、資金を集めるべきです。 メタンハイドレードやレアアースなどの海洋資源の開発、宇宙産業の育成といった項目ごとにファンドを立ち上げ、民間からも資金を募り、資金面・技術面で官民一体となってフロンティアを開拓することを、改めて提言いたします。 (HS政経塾1期生 伊藤のぞみ) 国家レベルでの許しを説く「国師」大川隆法総裁(1) 2013.12.18 ◆注目されたエル・カンターレ祭での大講演会 去る12月14日(土)、千葉県幕張メッセを本会場とする幸福の科学『エル・カンターレ祭』が開催され、大川隆法総裁より「智慧の挑戦」と題する講演会が開催されました。 今回の講演会には宗教的な見地から、様々な論点がありましたが、政治的な論点として一つあげるとすれば「韓国への許し」でした。今回は、この国家レベルでの許しを訴えることが、いかにすごいことかをお伝えさせていただきます。 この講演会は、生中継として、全国・全世界3,500ヵ所で衛星中継されましたが、今後は、その映像が全国のテレビ・ラジオで放送されるほか、幸福の科学の精舎、支部、拠点、布教所などでご覧いただくことが可能です。 ◆韓国に対して「正しい歴史認識」を促す衝撃の霊言 私たち幸福実現党は、昨年の李明博大統領(当時)による竹島上陸をきっかけとして、徹底した韓国政府の「歴史認識」に対する批判を繰り広げてまいりました。 最近では朴大統領が、習近平国家主席に対して安重根氏の銅像建設を依頼した際に、「安重根の霊言」(http://info.hr-party.jp/2013/1605/)を収録いたしました。 韓国だけでなく、この人物は立派な人物だと思われ、日本においても尊敬されてきた所もありましたが、霊言を聞く限り、深い思想があるわけでなく、単なるテロリストであることが分かりました。 しかし残念ながら、現時点での韓国側の反日の動きはとどまるところがなく、ハルビン駅頭に安重根の銅像の建設が推進されています。 一方、現在の朴大統領のお父さんにあたる「朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の霊言」(http://info.hr-party.jp/2013/2496/)が収録され、日本との同盟関係を強化してきたことが、韓国の国益にも関わってきたことが分かると同時に、朴槿恵(パク・ウネ)大統領の方針が危険な状態であるとの意見が表明されました。 さらに、従軍慰安婦問題では、金福童氏など、元従軍慰安婦を名乗る2人の守護霊インタビューを敢行し、その証言に嘘があったことや、「河野談話」を発表した河野洋平氏の守護霊より、実態はなくても謝ることが大切だ、と考えており、日本の国益を考えていなかったことが白日の下に晒されました。 ◆幸福実現党が繰り広げてきたのは「日本の誇りを取り戻す運動」 こうした「霊言」などの情報発信と同時に、幸福実現党では現在、「日本の誇りを取り戻す運動」として、韓国が主張する従軍慰安婦問題に関連して「河野談話」の白紙撤回を求めている署名活動も展開しています。 従軍慰安婦については、上記に掲げた数々の霊言だけでなく、多くの評論家の研究結果により、歴史的事実として証拠のない風評を公式見解としたものであることが明らかになっています。こうした事に関して、去る10月16日付産経新聞でもこのことが報道されています。(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131016/plc13101608380010-n1.htm) 私たち幸福実現党は、河野談話を白紙撤回することが日本の誇りを取り戻し、世界へのリーダーになるために大切なことだと強く認識し、署名活動を展開しています。詳しくは下記ウェブサイトにてご覧いただけます。(http://info.hr-party.jp/2013/2524/) これらの動きを単純に見ると、「アンチ・韓国」にも見られるかもしれませんが、単に韓国を攻撃するための動きではなく、日本人自身が自虐史観を払拭し、日本が世界のリーダーとして繁栄の未来を創るための動きであったわけです。 こうした私たちの真意を踏まえた上で、次回では、今回の大川総裁の講演会での発言が、いかに韓国にとって救いとなったのかについてお伝えさせていただきます。 (文責・政務調査会チーフ 小鮒将人) 海空で起きている米中の攻防(2) 2013.12.17 前回の「海空で起きている米中の攻防(1)」では、西太平洋で中国三艦隊が合同軍事演習を実施し、また中国が日本固有の領土である尖閣上空に防空識別圏を設定したところまで述べました。 今回は、それに対する日本の自衛隊の反応と米国の中国に対する胸のすくような行動を紹介します。 ◆航空自衛隊の緊急会議 中国が尖閣諸島空域の防空識別圏を設定したことが伝わった直後、航空自衛隊の中枢トップが緊急テレビ会議を開きました。(12/5産経「[新帝国時代 第7部・際限なき挑戦]」) 中国側の早期警戒管制機能の能力は低いのですが、空自幹部は、「今後10年で数と能力を向上させれば逆転される恐れがある」(空自幹部)と指摘しています。 今後、中国の防空識別圏設定は尖閣上空が中国の「領空」との主張を強め、近づく航空機に対し「防御的措置」として撃墜も辞さない姿勢を示す可能性が想定されるわけです。 つまり空自F15がスクランブルした場合、中国は「領空」を侵犯したとしてF15に射撃管制用レーダーを照射し緊張は高まります。しかし空自パイロットに与えられた権限は、相手に対する警告射撃と強制着陸命令しかありません。 中国側は、「防空識別圏を飛ぶ航空機は飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務を負う」と規定し、指令に従わない場合は、「中国の武装力が防衛的な緊急措置を講じる」と明記しています。 「武装力が防衛的な緊急措置を講じる」ということは、中国の防空識別圏に航空機が進入した場合は「撃ち落とすことも辞さない」ということになります。 中国が今回設定した「防空識別圏」は、中国語では、「防空識別区」となっており、中国語の意味としては「区」とは「エリア」のことです。 実質的には「防空識別圏」に入ったら警告を与えるという国際的な認識でなく、中国は今回の「防空識別区」を領空として認識しており、そのエリアに少しでも入ったら「撃ち落とすぞ」とも取れる表現です。 日本側の航空機が中国側の設定した防空識別圏を通過する際に、中国当局に報告した場合は、日本が尖閣島は中国の領土と認めたことになります。中国はこうして脅しをかけて「口先だけで」、日本の領土を奪おうとしているのです。 弊党が行った中国の「防空識別圏設定」に対する警告の街宣に対して「中国と戦争をする気か。中国を刺激するな」と批判をした方には、あらためてこのように申し上げておきましょう。 「中国の方が日本に戦争を仕掛けているのであり、日本が中国に刺激を与えることは悪いことだからと言って黙っていたら、日本は何もせず中国に尖閣諸島を明け渡すことになるのです」 「その中国は、『沖縄県は日本帰属しない、沖縄は中国のものだった』と主張し始めており、その軍事的な触手は沖縄を超えて西太平洋まで伸ばしているのです。あなたは沖縄県の県民まで黙って中国の軍事力の危険の中にさらしておくのですか?」と。 ◆中国の防空識別圏を無効にした米軍爆撃機 さて空自が緊迫した会議を開いた後の11月26日、米国は、B52爆撃機2機を中国が設定した防空識別圏内を中国当局に事前通報なしで飛行させました。 国防総省当局は、「今回の飛行は以前から計画されていた訓練の一環」と、いつもは中国が日本を脅す際に使う「決まり文句」を、今回は米国が中国に対して使いました。 これに対して中国は、警告やスクランブルをかけることもできず、国内向けには「スクランブルをかけた」と報道しましたが、しかし日本のレーダーでも中国の飛行は確認されていません。(米軍爆撃機が去ってから形だけ中国はスクランブルをかけたとの情報もあり) これは中国が米軍の軍事力の前に屈したのであり、実質的に「米国は爆撃機を飛行させることで一瞬のうちに中国の防空識別圏を無効にした」ということなのです。現在の日本政府にはできないことです。 中国は、日本に軍事的恫喝を加えれば「口だけで」で尖閣諸島を取れると考えていたでしょうが、まさか米軍の爆撃機が出てくるとは予想もしていなかったのでしょう。 ただし前述の自衛隊幹部が指摘したように、今後10年の間に中国が装備でも逆転し緊張感は高まる可能性があることを忘れてはなりません。 今回の中国軍に対する米国の対応を見ても、現実的には米国の軍事力が中国に対する「抑止力」になっていることが理解できるでしょう。 ◆フィリピンの教訓 沖縄では米軍の県外、国外移設の活動を続ける左派の活動が活発化していますが、1980年代、フィリピンでも中国系住民が反米基地活動を盛り上げ、米軍をフィリピンから追い出した後に、フィリピンが領有していた南シナ海の島々を中国が軍事基地化していった教訓を忘れてはいけません。 沖縄の米軍基地を県外、国外に追い出すことは、「どうぞ沖縄を中国に明け渡す準備が整いましたのでいつでも占領してください」と中国へメッセージを送ることに等しいのです。 来年1月には、米軍移設先の候補にあがっている名護市の市長選、11月には沖縄知事選がありますが、沖縄だけの問題ではなく、日本を守る重要な選挙として日本中が関心を持ち、「米軍の沖縄県内移設」を応援する必要があります。 日本が独自に国を守る体制を固めることを推進しながらも現時点では、日米の同盟関係を強化することの重要性は本稿で理解いただけるのではないかと考えます。 次回は、いよいよ南シナ海に動き出した中国空母艦隊と米軍軍艦との間で何が起きたのか、それは近年中に東シナ海や西太平洋でも起こりえる大変な事件であることを紹介します。 (文責・政務調査会 佐々木勝浩) 安倍内閣、この1年間の通信簿 2013.12.16 2012年の衆院選からちょうど1年が過ぎるに当たり、各メディアでは、「第2次安倍内閣への通信簿」がつけられていました。 ◆アベノミクスは成功するのか まずは、「アベノミクス」が、ユーキャンの新語・流行語大賞は受賞しなかったものの、世間を賑わせました。 日経平均株価は、野田内閣解散前2012年11月14日の8600円台半ばから、2013年12月現在、15000円超にまで回復しています。 今年の9月25日には、ニューヨーク証券取引所において、「バイ・マイ・アベノミクス(Buy My Abenomics)」の3単語を含めた演説をし、取引所のクロージング・ベルを鳴らしましたが、その姿には、第2次政権の経済政策への自信と確信が漂っていました。 ◆アベノミクスと同時に、増税も しかし、その後10月に入り、幸福実現党の13万6147名にも及ぶ署名活動や、全国各地でのデモ活動にもかかわらず、2012年6月になされた自民・公明・民主の三党合意の通り、消費税を増税する決断をしてしまいました。 景気対策として5.4兆円の補正予算案が組まれていますが、これまでの景気回復が腰折れしないかが非常に懸念されます。 この1年を見る限り、減税反対・増税志向の財務省が、アベノミクスの阻害要因になっています。 来年の1月からは、株式譲渡益(キャピタルゲイン)課税の税率が、現在の10%から、2倍の20%に引き上げられます。 また、12月6日の与党自民党の税制調査会では、国家戦略特区内の、法人税減税や固定資産税免除を含む優遇税制の来年度実施を見送ることとなりましたが、このままでは国家戦略特区法案などを柱とする成長戦略を空回りさせる可能性もあります。 もし首相の意志で、財務省等の圧力を抑え、減税路線・規制緩和路線に転じることができていたならば、その成長性が評価されて株価がさらに上がり、5番目の流行語大賞を受賞していたかもしれません。 ◆外交・国防では着々とした布石 この秋、特定秘密保護法案や日本版NSCの設置が話題となりましたが、それらも含め、これまでの日本の制度の欠陥・不足部分を補おうとしています。 特に特定秘密保護法案の衆参可決に当たっては、非常に激しい批判が朝日・毎日・東京新聞などから加えられましたが、集団的自衛権の行使容認のための憲法解釈変更の際にも、大きな国民的議論がなされるでありましょう。 国家の安全のために必要な制度変更は、これからも着々と進めてほしいものです。 また、12月14日、東京にて、日本ASEAN特別首脳会議が開かれました。 安倍外交は、キャロライン・ケネディ駐日米大使の赴任にも象徴される「日米同盟の深化」のみならず、ASEAN諸国との親密な関係構築にも評価されるところはあると思います。 首相や外相自らが足を運び、直接会談し、インフラ輸出や円借款を含む経済支援を約束することで、日本と中国を天秤にかける東南アジア諸国に、日本の存在感を示すことができたのではないでしょうか。 ASEAN諸国との親密化を進め、特に、フィリピンやベトナムなど、中国と南シナ海で領土問題を抱える国々とは、国益を共有しているので、対中共同戦線にまで高めていくべきです。 ◆日本政治の不甲斐なさを全く克服できていない しかしながら、戦後日本の不甲斐なさは克服されず、戦略的思考、勇気が欠けたままです。 まず、首相はいつ靖国神社に参拝するのでしょうか。 「首相になったら…」「終戦の日には…」「秋の例大祭には…」と言っていた安倍首相の「約束の日」は霧の先のようです。 河野談話・村山談話の見直しについても、同じことが言えます。 対日姿勢を強める中国・韓国、日中韓の関係悪化を懸念するアメリカへの配慮があるのだとは思いますが、平身低頭の外交を続けることが、先週末、ASEAN首脳陣を前にして話した「和(WA)の精神」だとするなら、間違っています。 それではASEAN諸国の期待にも応えられません。 「現在の日中関係は、第1次大戦前の欧州に似ている」というような論考も、しばしば海外メディアで書かれています(英雑誌エコノミスト11月30日版やFinancial Times 11月28日)が、「現代中国は、軍事•領土政策を見る限り、第2次大戦前のドイツに似ている」のではないかとも思われます。 空と海で、日本の領域が侵されようとしているが、今年改正された自衛隊法の条文は、アルジェリアのテロのような場合に、車両を使った輸送ができるようになっただけです。 来年は、領空侵犯や領域警備を含めた自衛隊法改正を最優先に、できるだけ早く9条を改正すべきです。 (HS政経塾3期生 森國英和) 海空で起きている米中の攻防(1) 2013.12.15 ◆「中国を刺激するな」 先日、弊党が都内で中国の「防空識別圏」設定に対する抗議の街宣を実施した際、「中国と戦争をする気か。中国を刺激するな」とのご意見をいただきました。 しかし、中国という国は、日本が刺激しなければ、何もしてこない国なのかと言えば、そうではありません。逆に日本が中国を刺激しているのではなく「中国こそが、日本を刺激している!」と申し上げたいと思います。 この機会にもっと視野を大きくし、今この国が置かれている環境をもう一度、しっかり見て認識して、日本の平和が如何に成り立っているのかを知っていただきたいと考えます。 ◆日本に伸びる中国の触手 2007年、中共海軍総司令官は、キーティング米国太平洋軍司令官が訪中した際、アメリカ側に「将来、中国と米国がハワイで太平洋を2分割して管理しよう」と提案しました。 その言葉通り中国は2009年より、西太平洋上の沖ノ鳥島周辺海域で海軍の軍事演習を実施、その規模は毎年大きくなり回数も増えています。中国は今後、同海域での軍事演習を定例化すると発表しています。 そして今年2013年、習近平はオバマ米国大統領との会談で「太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間がある」と主張し、中国にも太平洋の海域を支配する権利があることをほのめかしたのです。 当然、西太平洋を中国が支配することになれば、日本は米国から中国の傘下に入ることになります。これは日本が実質的に中国の属国になることを意味します。 中国の一貫した主張は、日本列島からグアムを結ぶ第二列島線、つまり「西太平洋の海域の支配」を2020年まで完了させる――1987年に発表された「海軍発展戦略」に基づいたものです。 ◆西太平洋で中国三艦隊が合同軍事演習 さて今年、中国海軍は、10月末から11月初旬にかけて西太平洋海域で「北海艦隊」「東海艦隊」「南海艦隊」の中国海軍三艦隊が、初めて西太平洋で大規模な合同軍事演習「機動5号」を実施しました。 空では10月25日から3日連続して、爆撃機2機、早期警戒機型2機の計4機が沖縄県の沖縄本島-宮古島間の上空を通過、太平洋との間を往復飛行しています。 中国国営「新華社」によれば、この軍事演習にミサイル駆逐艦フリゲート艦3隻をはじめ10隻超の軍艦などが参加。赤軍、青軍に分かれた実戦に近い形の対抗戦などを繰り返し、敵潜水艦への攻撃を想定した対潜水艦演習も実施しています。 これは赤軍を中国で、青軍を日米軍と想定したものです。これを知れば「日本が中国を刺激しているのではなく、中国こそが、日本・米国を刺激している」ということが理解できるでしょう。 この時、日本では国会で「日本版NSC(国家安全保障会議)」が話し合われている最中でした。国会の最中に軍事訓練をぶつけてくるのは、いつもの中国のやり方です。 ◆中国の防空識別圏設定の背景 そして今度は、国会で「特定秘密保護法案」が話し合われている最中に日本の固有の領土である尖閣諸島上空に防空識別圏を設定しました。 中国は以下のように用意周到に順を追って防空識別圏を設定したことがわかります。 まず昨年12月、「軍の所属ではない国家海洋局所属の航空機」を初めて尖閣上空で領空侵犯をさせました。軍事ではない航空機を飛ばしたのは、日本の反応を見るためです。 もっと踏み込めると判断した中国は、今年9月に尖閣上空に「軍所属の無人機」を飛来させた上で、日本側から攻撃された場合は、「戦争行為とみなす」とすべては日本が悪いといわんばかりの脅しをかけました。 そして11月23日、中国の「情報収集機など2機」が日本の防空識別圏に侵入。中国の新華社によると大型偵察機2機を「哨戒機と戦闘機」が援護していました。(11/24毎日) こうして中国は、尖閣上空に「軍機でない国家海洋局の航空機」→「軍所属の無人機」→「哨戒機と戦闘機」を飛ばし段階的に軍事的圧力を高めて最終的に11月23日、尖閣上空に防空圏を設定したのです。 以上を見ても、日本が中国を日本を刺激しているのではなく、刺激しているのは中国の方であることがわかります。 それでも日本が中国を刺激していると認識するなら、それは中国がこれまで日本に対してしてきたことを何も知らないとしか言いようがありません。 もしくは、中国は何もしない善良な国家と誤認しているだけのことです。中国が善良な国家ではないことは、中国に侵略され自治区になったチベット、ウイグルの悲劇を見れば明らかです。その弾圧は今でも続いているのです。 中国の行動が、いかに危険かを国民に知らせ、啓蒙することは国民の生命・財産を守ろうとする政治家としての当然の努めであり、弊党の街宣は、それを行動に表したものです! 以上、次回は、中国の防空識別圏設定に対する日本の自衛隊の反応と米軍の対応を紹介し、日本の平和を脅かす中国の行動を更に明らかにします。 (文責・政務調査会 佐々木勝浩) 保育業界に市場原理を 2013.12.13 子どもがいれば必ず利用する保育園や幼稚園。しかし、保護者も保育士も、意外に知らないことが多いようです。 それもそのはず、保育業界の始まりは今から約140年前といわれていますが、時代の変化とともに子育てスタイルも様々になり、国として対策を講じるうちに複雑になってきました。 ◆保育園の種類 保育形態は大きく「施設保育(特定の場所に施設を設けて保育をする)」と「在宅保育(保護者や保育者の自宅で保育をする)」に分類できます。 [施設保育]の中には、国の認可制度に基づいて設置する「認可保育所」と、認可していない「認可外保育所」があります。 [認可保育所]の運営形式は、主に「公立(公設)」と「私立(民設)」に分類されます。(その他「21世紀事業団による事業所内託児施設」や、「都道府県による認定こども園」等もある)。 更に、[公立]は「公設公営」と「公設民営」に分類され、[私立]は「民設民営」で、その多くは「社会福祉法人」、その他(「宗教法人」「株式会社」「NPO法人」など)の運営があります。 国以外の制度としては、東京都の「認証保育所」や、横浜市の「横浜保育室」、「保育ママ」など自治体独自の制度があり、基準を満たし認証を受ければ補助金も受けられます。 ◆認可外保育所の現状 「認可外保育所」は、2001年までは設置届けの提出義務がなく「環境が悪い」というイメージが強かったと思いますが、現在は都道府県や市町村の監査を受け、認可外保育施設指導監督基準(※)に則った運営が行われています。 特徴としては、認可保育所に比べ自由度が高く、24時間型の託児所や、教育に特化した教育型、習い事機能を兼ね備えた保育園など様々な事業モデルがあります。 「ベビーホテル」「事業所内保育所」など、認可保育所に入所できなかったお子様や、認可保育所では対応できない時間帯・曜日に仕事をしている保護者のお子様を預かるなど、近年はその役割も増えていますが、多くの施設が経営的に厳しいのが実情です。 ◆保育市場の新規参入が難しい 厚生労働省が発表した「認可外保育施設の現状取りまとめ」によると、2012年の廃園件数は全国で523ケ所(全体の7%)、新設園は758ケ所です。 全体的には増加しているため需要が高まっているように感じますが、保育収入だけで売上が構成され、人件費が60~100%を占めている園が多く、人件費しか賄えない、人件費すらも賄えないという園も少なくありません。 私自身、認可外保育施設の立ち上げから携わっておりますが、認可保育所に比べ保育料を高額にせざるを得ない認可外保育所は、園児を集めるにも一苦労。 入園するお子様の多くは、認可保育所に入れなかった0~2歳児となり、「認可外保育施設指導監督基準」における人員配置基準が、認可保育所同様に1人の保育士につき「0歳で3人まで」「1~2歳児で6人まで」と決まっています。 ですから採算が合わず、3歳以上が集まらないと事業として成立しません。 更に、園庭がなく小規模の託児所では幼児になると転園し、4月になると園児が減少するため、「園児が安定的にいない」という状況になり、とてもリスクが高く、新規参入が難しいのが実情です。 もちろん「経営努力」や「マーケティング」が重要なのは当然のことです。 中には、保育料が10万円にも関わらず、「英語や運動教育」「施設規模」などの面で人気が高く、定員100名程の園に1,000人以上の希望者が集まるという認可外保育所もあるそうです。 しかし、認可を受ければ自治体から多額の補助金を受けられる認可保育所と比べると、経営状態に天と地ほどの差が出ています。 ◆市場原理を導入し、「質の高い」保育園へ 待機児童の問題を解決するためにも、規制緩和と共に、補助金で守られてきた保育業界への、「市場原理の導入」が必要だと考えます。補助金がなくてはやっていけない事業に、発展は期待できません。 今、子ども・子育て関連3法による新たな制度が始まろうとしており、消費税引き上げによる財源として認定こども園等への新たな給付も盛り込まれていますが、消費税増税により財源が増えるという保障はなく、消費増税により迎えるであろう不況の中、市場原理を導入せずに、国が責任を持ってサポートし続けるというのも、不可能だといえます。 「保育もまたサービスである」と考え、優れたサービスを提供し、納得できる料金設定がなされていれば、あとはすべて市場が決めてくれる、つまり、よい保育園は残り、そうでなければ淘汰される。それは必ず「保育の質」の向上にもつながります。 利権に振り回されることなく、子ども達の未来のために、保育業界における大きな変革が必要だと考えます。 (幸福実現党 愛知県本部副代表(兼)青年局長 中根ひろみ) ※認可外保育施設指導監督基準(一部抜粋) 1 保育に従事する者の数及び資格 (1) 保育に従事する者の数は、主たる開所時間である11時間(施設の開所時間が11時間を下回る場合にあっては、当該時間)については、概ね児童福祉施設最低基準(以下「最低基準」という。)第33条第2項に定める数以上であること。ただし、2人を下回ってはならないこと。また、11時間を超える時間帯については、現に保育されている児童が1人である場合を除き、常時2人以上配置すること。 アメリカの財政議論から日本が学ぶべき教訓 2013.12.12 ◆ひとつ越えた、アメリカ積年の課題 12月10日、アメリカ財政問題を協議する超党派委員会において、今後2年間(2015年9月末まで)の予算編成の枠組みで合意に至りました。当面は、アメリカ政府機関が閉鎖(シャットダウン)することはなくなりそうです。 <合意案の主なポイント> ・裁量的経費の予算規模を約1兆ドル(103兆円)とすること。 ・歳出の強制削減を2年で約600億ドル緩和 ・年金の掛け金の引き上げ、連邦職員退職手上げの削減、空港利用料の増額 ・社会保障制度や税制の抜本改革は見送り (12/11朝日夕刊1面・12/12日経朝刊3面を参照) ちなみに、裁量的経費というのは、教育、農林水産業、軍事など、毎年の予算審議を経て歳出予算法によって割り当てられる経費のことを意味します。裁量的経費と、義務的経費(年金や公的医療保険を含める)でアメリカ連邦予算は構成されています。 今回の合意案は、あくまで裁量的経費についての合意であり、今後膨れ上がる社会保障費を含めた義務的経費(連邦予算の約6割)については、議論されておりません。 したがって今年3月から始まった歳出の強制削減も緩和されるなど、アメリカが本来意図していた財政健全化はなし崩しとなっており、アメリカの財政緊縮路線そのものに疑問を感じざるを得ません。 ◆アメリカ財政が抱えるもうひとつの課題:債務上限問題 今回の合意案で、アメリカの財政問題は一安心かといえば、残念ながらそうとは言い切れません。 懸念として残るのが、アメリカ連邦債務の上限問題です。アメリカ連邦政府はお金を借りる限度額として、16.7兆ドルと決められています。債務上限額以上に、国債を発行してお金を借りることができないのです。 既に上限額を超過しており、今は、暫定的に国債の発行が認められている状況ですが、その期限は来年2月7日です。この時までに債務上限幅を、共和党と民主党で合意する必要があります。 ここで合意しなければ、いわゆるテクニカル・デフォルトという、本来は支払う能力はあるにもかかわらず、自国の法律によって、国債を発行できず返済が滞るという状況に陥ってしまうのです。 ◆今回の合意案の背景にある、2014年中間選挙 今まで、予算案の議論における、共和党と民主党の対立の溝は大きかったにもかかわらず、なぜ今回合意に至ったのでしょうか。そこには、来年2014年に控える中間選挙が背景に挙げられます。 中間選挙とは、大統領選挙の中間にあたる年に行われる、アメリカ連邦議会選挙のことで、上院議員の3分の1、下院議員の全員を改選されます。民主党と共和党とも、ここで議席を伸ばすことで、議会の主導権を握りたいという思惑があります。 今年10月1日から16日にかけて、政府機関の閉鎖(シャットダウン)と、債務上限の引き上げを決断しないことで、アメリカ国債のデフォルト懸念を金融マーケットに広げたことは、記憶に新しいことですが、これが大きな原因となって、共和党も民主党も支持率を下げました。 アメリカ国民の議会に対する不信の高まりが挙げられます。大手調査会社ギャロップ社によると、アメリカ連邦議会に対するアメリカ国民の支持率はわずか14%と1974年からの同社による調査開始以来、最低水準となっていることからも、議会に対する厳しい風当たりを伺い知ることができます(12/12朝日朝刊12面)。 ◆日本が採るべき政策とは? FRBの予想によると、2014年のアメリカの経済成長率は3%としており、確かに経済成長はしますが、あくまで想定の範囲内です。今後、中間選挙を気にしながら、共和党と民主党は妥協案にとどまり、財政緊縮路線の流れの中、大胆な財政政策を打ち出しにくいことからも、今後数年は大胆な成長戦略をアメリカが表明する可能性は低いと考えられます。 日本が置かれた環境は、2020年の東京オリンピックをひとつの節目とするなど、さらなる好景気を迎えられる環境にあることは間違いありません。しかし、残念ながら、日本はこの状況を活かしているとは言えません。 中小企業の景況感が未だ回復していないのです。中小企業は420万社あり、日本企業の99.7%を占め、従業者数の7割を雇用しています。円安で回復しつつある製造業の景況感を、中小企業と大企業で比較しても、20ポイント近く離れており、中小企業の景況感は回復傾向にありつつもまだマイナスの状況が続いています。 回復途上にもかかわらず、中小企業向けの融資100%保証の対象を2014年から縮小する方針も出されている状況で(2013/12/12 日経朝刊5面)、さらに来年4月1日には、消費税が8%ともなります。原発再稼動が遅れれば、エネルギーコストものしかかります。 さらに、軽減税率を消費税10%に導入することを出して、消費増税10%を既定路線化しようという動きも出てきています。まるで、リハビリ中のけが人に、重い荷物を持たせる政策がおこなわれているのです。 今回のアメリカの事例からも分かるように、緊縮財政路線では経済は持ちません。経済成長による財政健全化へと考え方を切り替える必要があります。今、日本がそれをできれば、他国の成長をも牽引できる可能性も十分にあるのです。 アメリカで起きている財政問題を教訓として、日本は増税ではなく、経済成長路線へ転換する絶好のタイミングを活かすべきです。 (HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) すべてを表示する « Previous 1 … 44 45 46 47 48 … 64 Next »