Home/ その他の時事問題 その他の時事問題 日本型教育の輸出が中東・アフリカの未来を拓く――カギは「理系教育」と「女性パワーの解放」 2014.01.13 文/HS政経塾第1期生 城取良太 ◆2014年のスタートは中東・アフリカ外交から始まる 安倍晋三首相は9日から約1週間の日程で中東のオマーン、アフリカ4カ国へと外遊を行っております。 出発前、記者団に対して「アフリカは日本外交にとってフロンティアであり、中東は日本にとって安全保障上も重要だ。今年も地球儀を俯瞰する戦略的な外交を展開していきたい」と抱負を語りました。 実際に、9日に訪れたオマーンでは、カブース国王と会談し、経済分野での協力や石油や天然ガスの安定供給と共に、「積極的平和主義」に基づき、ホルムズ海峡周辺のシーレーンの安全確保など、海上安全保障での協力を強化していくことで一致しています。 また、10日からはアフリカのコートジボワール、モザンビークを訪問し、モザンビークではODA700憶円の供与を表明し、資源関連の人材育成を約束しています。 この後、エチオピアへも訪問することになっておりますが、爆発的な人口増加と経済成長著しいアフリカへの本格的進出を目指し、経済界のトップたちを引き連れ、官民連携によるトップセールスを展開することになっています。 ◆中東・アフリカ圏を永続的に発展させる「理系教育」の必要性 もちろん短期的に見れば、天然資源の確保と新たな市場獲得を中東・アフリカ圏で目指すために、日本の経済力、技術力を活かしたインフラや原発の輸出、高い技術力を誇る農業や医療分野での「産業支援」が相互的発展に資すると言えるでしょう。 もっと言うのであれば、中・長期的視点に立った時に、中東・アフリカ圏において最も重要な要素は「教育」であり、この「人材育成」を重視する姿勢こそが、先行する欧米や中国との差別化を最大限に発揮することができると言えます。 アフリカと同じく若年人口が爆発的増加を遂げている中東・イスラム圏では、「産業発展による雇用創出」と「教育改革による人材育成」の両輪が上手く回っていかねば、若年層の受け皿を作ることが出来ず、極端なイスラム教育を無償で行っているような原理主義グループに身を投じてしまうというジレンマを抱えています。 学力的に、中東・アフリカにおける基礎学力を見てみると、世界水準からはまだまだ程遠く、特に中東・イスラム圏においては教科としての「理系教育」が脆弱であるという統計もあります。 国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)によると、48か国が参加した中学2年生の数学に関しては、中東・イスラム諸国が下位グループをほぼ独占している現状で、特に40位以下に経済的には恵まれ、教育レベルの高いはずの湾岸産油国が4か国もありました。 反面、「数学の勉強は楽しいか」という問いについては、逆に中東・イスラム諸国が上位を独占する傾向があり、これは理系への憧れが強く、優秀な子弟には無理をしてでも良質な理系教育を受けさせるというアラブ人の資質を強く表した指標だと言えます。 ◆女性パワーの解放は「なでしこモデル」にあり また、既に訪れているコートジボワールでは、内戦に関わった元兵士の社会復帰や女性の自立、警察能力の強化などに約770万ドルを支援することを公表しましたが、特に女性パワーの解放という点で日本が協力できる点が多いと考えます。 人口の大半がイスラム教徒の中東・イスラム圏はもちろん、今回訪問したアフリカ諸国でも、イスラム教徒の割合は少なくないこともあり(コートジボワール38.6%、モザンビーク17.8%、エチオピア30%)、総じて女性の社会進出や女性の人権が軽視されている傾向は否めません。 特に中東イスラム圏においては、近代以降、西洋文明との接近によって、西洋女性の慎みのなさ、不道徳等を垣間見たムスリムたちが、女性たちが「西洋化」することへの恐怖心を持ち、イスラムの伝統を厳格化させ、女性を更に閉じ込めたとも言われております。 反面で、ムスリム男性たちから日本人女性の姿は好感をもって捉えられることが多いのも事実です。 昨年「おしん」が映画化されましたが、ドラマ版の「おしん」は世界63カ国で放映され、忍耐しながら勤勉に生きる「おしん」を通して、日本女性の健気さとたくましさが大好評を受け、特にイランやエジプト、アフガニスタンなどでは驚異的な視聴率を記録しています。 また筆者自身、一昨年中東に留学していた際、ドバイ政府の女性高官と会食をする機会を得ましたが、「日本人女性は欧米女性と違って、キャリアウーマンでも自己主張が強くなく、優しくて、とても親近感を感じた」という話がとても印象的でした。 ◆自信を持って日本型教育の輸出を前進させよ 中東やアフリカ圏でも親日感情は非常に強く、日本が持つ歴史、技術力、ソフト力などが憧れの的となっておりますが、根底にはそれらを生み出す日本人自身への強い尊敬の念があります。 そうした「どのようにしたら日本人のような国民を生み出すことができるのか」という問いに対して、我々は国家をあげて答えを提示するべきだと考えます。 先日サッカーのACミランに入団した本田圭祐選手が入団会見でサムライ精神について聞かれ、「日本の男性はあきらめない。強い精神を持っていて、規律を大事にしている」と答えましたが、規律教育をベースにした初等教育から企業教育までをパッケージとした「日本型教育」を自信を持って輸出していくことです。 その中で柱となるのは、前述した「理系教育」と「女性パワーの解放」だと考えます。 既に、エジプトでは「エジプト日本科学技術大学(E-JUST)」と言われる産官学連携による理系大学が導入され、高い評価を受けております。 そうした日本型理系教育の輸出を本格的に行うことで、日本の技術を受け継ぎ、その地域において永続的に産業発展させていく人材の育成を行うことができます。 また、欧米型キャリアウーマンとは異なる「なでしこモデル」を提示し、中東・アフリカ圏の女性たちに勇気と希望を与えると同時に、今まで活用されていなかった半数の人的資源が国家の発展に寄与する道を創ることができます。 教育の力は絶大です。本格的な日本型教育の輸出によって、永遠に途切れることのない強い絆を中東・アフリカ圏と分かち合うことが出来るのです。 【参考文献】 「ネルソン・マンデラ ラスト・メッセージ」 大川隆法著 「イスラム世界はなぜ没落したか」 バーナード・ルイス著 2014年、中国の海洋進出と日本の対応(1) 2014.01.12 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆日本と中国のどちらが軍国主義か? 昨年末、安倍首相が靖国神社を参拝致しましたが、中国は米国やロシアまで巻き込んで日本に対して「軍国主義の復活の兆しだ」と批判しています。 首相の靖国参拝が「軍国主義の兆し」というなら、中国の近年の軍事拡大や海洋進出は「軍国主義そのもの」であり中国に日本を非難する資格はなく、日本は中国の覇権主義から防御する立場にあるだけのことです。 では、2014年新年早々から、日本を「軍国主義の兆し」と批判できない中国の海洋進出の事実を明らかにしてみましょう。 ◆新年早々から緊張が高まる尖閣海域 尖閣海域では中国は1月前半だけでも以下のような動きを取っています。 (1)6日、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で、中国海警局の船4隻が航行。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは、年末から9日連続。 (2)7日、中国国家海洋局の航空機1機が日本の防空識別圏に入り、尖閣諸島の領空から約140キロまで接近。空自がスクランブル。(1/7産経) (3)7日、尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で、中国海警局「海警2113」が付近の中国漁船に乗り移り、「立ち入り検査」をした可能性。(1/7産経) ※中国公船が日本の排他的経済水域において、中国漁船の立ち入り検査を行った意図は、「尖閣諸島周辺の海は中国の海である」という「既成事実」を積み上げるためである。 (4)12日午前、尖閣諸島沖で中国海警局の「海警」3隻が約2時間、日本の領海を航行。中国公船の領海侵入は今年初。(1/12時事通信) ◆南シナ海での中国の横暴 1月1日から中国は、南シナ海で「外国漁船に対する管理強化」を開始しました。これは、指定区域に進入する外国漁船に、中国側の許可を得るよう要求するものです。(1/10産経) 詳細を記すと、昨年11月末、「中華人民共和国漁業法」の実施規則を改訂し、同規則35条で「海南省の管轄水域に進入し、漁業生産や漁業資源調査を行う外国人、外国漁船は、国務院(政府)の関係部門の許可を得なければならない」と規定しました。 さらに漁業法46条で「違法」に管轄水域に進入した外国船舶の追放や、漁獲物・漁具の没収、50万元(約870万円)以下の罰金の徴収を認めています。 中国の英字紙、チャイナ・デーリーは、「警察当局が船内に乗り込み、航路の変更や航行の停止を命じることが可能になる」と報じています。 中国メディアによると、中国海軍は昨年、フリゲート艦など17隻を新たに配備し、外国船を取り締まるため南シナ海を管轄する南海艦隊には最も多い軍艦7隻を投入する予定です。 南シナ海は、ベトナムが領有を主張するパラセル諸島とフィリピンが領有を主張するスプラトリー諸島を含んでいますが、すでに中国は2007年一方的にこの海域に「三沙市」を設けています。 この海域は「200万平方キロメートルの海域で適用され南シナ海の大半を占めており(1/11朝日)、当然、南シナ海の領有を主張してきたベトナム、フィリピンは反発を強めています。 ◆今後、東シナ海で起こること 今後、尖閣諸島を含む東シナ海で起こることは、南シナ海で起こったことをみれば予測できます。 なぜなら中国は日本列島とフィリピンを結ぶ「第一列島線」の内側、つまり「東シナ海」と「南シナ海」を同様に位置づけ、支配の触手を伸ばそうとしており、その中国の戦略は「南シナ海」の方が先行しているからです。 上述の「南シナ海」で起きていることから今後、1年2年以内に東シナ海で起こることを予測してみましょう。その前にもう一度、中国が南シナ海で行ったプロセスを整理してみます。(参考2014.1/8産経) (1)南シナ海の領有を一方的に宣言(「三沙市」の設置) (2)領有の根拠となる国内法整備(「中華人民共和国漁業法」) (3)海洋調査の実施・中国漁船の出没 (4)公船による法の執行(立ち入り調査・漁獲物・漁具の没収、罰金の徴収) (5)軍艦の出動 (6)占領と実行支配の既成事実化 前述通り、尖閣海域で中国公船が中国漁船に対して「立ち入り調査」を行い、中国の海にしようと既成事実化しています。現在、東シナ海の尖閣海域においては、(4)の段階であると分析できます。 今後1~2年後には、日本漁船の拿捕や臨検など中国公船による管轄権執行、そして次の段階の(5)軍の出動に進むことは間違いありません。 次回は今年東シナ海、西太平洋で中国が計画している海洋軍事訓練を明らかにし、日本は如何に対処すべきかについて言及します。 次世代スパコン開発――「世界一」を目指す未来ビジョンを示せ! 2014.01.11 文/HS政経塾3期生 和田みな ◆世界のスパコン事情 日本のスーパーコンピュータ(スパコン)開発は、民主党政権下で2009年11月に行われた「行政刷新会議」による“事業仕分け”において、蓮舫議員から「2位じゃダメなんでしょうか?」と詰め寄られ、予算計上見送りに近い大幅な予算縮減をうけたことで、逆に注目を集めました。 その後、理化学研究所と富士通の共同開発によってスパコン「京」の開発が進められ、2011年6月にはスパコン処理能力ランキング「TOP500」で、ついに世界1位となり、日本の技術力の高さを世界中に示したのです。 最新の2013年11月に発表されたスパコン処理能力ランキングでは、1位は中国人民解放軍国防科学技術大学が開発した「天河2号」、2位は米のオークリッジ国立研究所の「Titan」、3位も米のローレンスリバモア国立研究所の「Sequoia」、そして4位が日本の「京」という順になっています。 ◆国の発展・防災・防衛に欠かせないスパコン スパコンを簡単に説明するならば「超大型の計算機」です。「京」は毎秒約1京(1兆の1万倍)回の計算能力があります。 このような計算能力を使用することで、実際には起こっていない、解明されていない未知のものをシミュレーションし、スピーディーに、より正確に予測・研究することが可能になります。 具体的には、生命科学・医療・新薬、化学・新物質・エネルギー、気象予報・防災・減災、宇宙・航空など、さまざまな分野の進歩発展に役立ちます。 近年の中国における目覚ましい宇宙開発にはスパコン「天河1・2号」も大きく影響しています。世界一のスパコンで目指すのは、世界一の研究によって、最先端の技術や素材を生みだすことにより、国を発展させることなのです。 また、各国政府がスパコン開発に力を入れているもう一つの理由は、国防・軍事においてスパコンが重要な役割を担っている点にあります。 軍事作戦に欠かせない気象予報、ミサイルや核兵器の予測・シミュレーション・管理、最新兵器や航空機の開発、宇宙技術、サイバー攻撃への防衛など、あらゆるところで使用されています。世界一のスパコンは国の安全を強力に守るのです。 ◆再び「世界一」を目指す日本の挑戦 昨年12月24日に閣議決定した平成26年度予算案には、新規事業として次世代スパコンの開発予算が12億円計上されました。2018年には製造を開始し、2020年の運転を目指す「ポスト京」は、約1000億円の予算で「エクサ(100京)」級の計算速度を目指します。 一方、米国や中国などライバル国も次世代のスパコン開発をすでに始めています。 現在1位の中国の「天河2号」は、「天河1号」の改良版で、米インテル社製のコアを使用しており、まだ純国産スパコンとはいえませんが、「天河1号」開発からわずか2年で、CPU、OS、ソフトウェアツールなどの大半の構成要素を中国製で独自開発してきたことは、日本や米国にとって大変な脅威です。 ◆トータルで「世界一」を目指す未来ビジョンを 世界No.1のスパコン大国アメリカは、処理速度1位の座は現在、中国に明け渡してはいるものの、「TOP500」入りしたスパコンを国内に265台持ち、各地で最新の研究が盛んに行われています。(2位は中国で63台、3位は日本で28台とその差は歴然としています) アメリカのコンピューター開発が成功している理由は、金田康正東大教授によると「コンピューター技術の周囲にカネとヒトが集まる環境づくりに成功している点」にあると言われています。 次世代スパコンで「No.1」を目指すことは重要です。しかし、これまでのような処理速度のみを追求するスパコン開発ではその効果は半減します。 米国のように、国家が開発プロジェクトを直轄管理せずに、支援する仕組みづくりで多くの企業がスパコン開発・使用に参加できること、スパコンを真に使える人材づくり(「それで何をしたいのか」「どのように社会に貢献するか」という視点を持った理系人材の育成)という環境も整えなければ、次世代スパコンで真に「世界一」を目指し続けることは不可能です。 そして何より、そのスパコンを使って、日本がどのような国を目指し、世界を発展させていきたいのかという政府の明確な「ビジョン」があって初めて、「志」を持った優秀な人材・企業がスパコン事業に参加し、開発事業が永続性を持ったものになるのだということを忘れてはいけません。 スパコンはあくまで道具です。私たちは世界一のスパコンを使って、世界に一番幸福を与えることができる日本を目指して参ります。 参考文献:金田康正著『スパコンとは何か?』(ウエッジ 2012) 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第1回】 2014.01.10 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第1回】 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 本日から連載で、「『海洋大国・日本』―新たな国家ビジョンと安全保障」 と題して、日本が今後、いかに中国の侵略から国家を守り、アジアのリーダー国家としてアジアと世界の平和と繁栄に貢献するか――そのための具体的国家ビジョンと安全保障政策について、提案します。 《総論》 日本は四方を海に囲まれ、6852という膨大な数の島によって構成される「海洋国家」です。その範囲は、北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで、東は南鳥島から西は与那国島まで、それぞれ約3000キロに及びます。 これまで日本人は、日本を国土面積世界第61位の狭い国であり、エネルギーや鉱物資源に乏しい資源小国と考えてきましたが、そうしたイメージを大きく転換させ、大国としての自覚を迫る時代が到来しました。 その契機が1982年に採択され、1994年に発効した、「国連海洋法条約」です。これによって、沿岸国の領海の12海里と排他的経済水域の200海里における生物・鉱物資源へ主権的権利が認められることになり、日本は世界で6番目の広さの海を持つ「大国」となりました。 この連載では、その海洋国家・日本の持つ、鉱物やエネルギーなど、海洋資源の可能性と、その富を奪取せんと拡大する中国の覇権主義と脅威を明らかにしつつ、その危機を乗り越え、日本が「海洋大国」としてアジアと世界をリードするための、あるべき安全保障政策と、海洋戦略を明らかにします。 ◆21世紀の「海洋大国・日本」 これまで日本は経済大国ではあっても、領土的には世界61番目、地球の陸地の0・25%(377930平方キロメートル)に過ぎない「狭く、小さな国」でした。 そうした日本に、大きな転機をもたらす国際的な法律の枠組みが、国連において誕生しました。それが1982年に採択され、1994年に発効した「国連海洋法条約」(日本は1996年批准)です。 この条約は、各国の主権が及ぶ領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚、深海底などの範囲と権益権利を定めたもので、「海の憲法」とも言われています。 特筆すべきは、同条約において、新しく各国の沿岸から200海里(約370キロメートル)までの範囲を、「排他的経済水域」と設定することが認められたことです(国連海洋法条約第56、57条)。 これによって日本は、その広大な排他的経済水域において、 (1) 石油や天然ガス、メタンハイドレートや海底熱水鉱床など、海底に眠る全ての資源を調査し開発する権利 (2)海中を調査し、海水中に浮遊する資源などを利用する権利 (3)漁業管轄権を有する権利 以上が、国際法において認められたのです。 領土面積において、世界で61番だった日本は、主権の及ぶ領海と排他的経済水域をあわせた海域の面積において、世界の6番目。 また、従来の海域の二次元的な「縦、横」に加えて、「深さ」という三次元的な観点を加えると、日本の「海の大きさ(=海水の体積)」は、約1580万立方キロメートルで、世界の4番目の「大国」になりました。 つまり、この国連海洋法条約の成立によって、日本は、広大な海域を持つ「海洋大国」としての権益を手にしたのです。 (第2回に続く) 富を増やすことが、国の繁栄の基である 2014.01.09 文/HS政経塾部長兼政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆経済成長による税収の増加を、政府は実績として声を上げるべき 今年6月に策定する新成長戦略の議論が始まります。景気を腰折れさせないためにも経済成長は確かに重要です。 一方で、政府の成果として、もっと宣伝していいのにしておらず、気になることがあります。 それは、2013年度の税収見込みが増えているということです。財務省は、当初見込んでいた税収が2.3兆円増加し、45兆4千億円と見込んでいるのです。この上振れの主な理由は、企業業績の回復による法人税の増収が挙げられます。 税収の上振れ分は、消費増税によって景気を腰折れさせないように経済対策として、昨年12月に補正予算に計上されています。 もっと、税収が上向いているということを政府の成果として強調してもいいのではないでしょうか。しかも、この2.3兆円の税収の上振れというのは、消費税の約1%分に相当します。 順調に経済が成長していけば、消費増税によって景気に悪影響を与えなくとも、税収を増やしていくことは可能なのです。 ◆税金を上げた分、そのまま税収が増えると思う財政再建派 しかし、財政再建派の議論の中では、経済成長についてはほとんど言及せず、消費税を上げた分、税収がそのまま増えるという考え方が問題です。 実際に2014年度の税収見込みは、上振れした税収見込み額(45.4兆円)に、消費増税3%分のうち国に入る分(約5兆円)を加えて、50兆円と見込んでいます。 しかし、それがその通りにいかなかったのが、幸福実現党が何度も主張している消費税を3%から5%に上げた1997年度です。消費税を2%上げたところ、法人税収が1兆円減少しました。さらに、翌1998年度には、税収全体で4.5兆円も減少したのです。 このように増税することで、税収全体が減ってしまうのです。経済成長については様々な要因を考えるのに、税金の話になると単純な足し算・引き算の世界に入ってしまうのは明らかにおかしいことです。 ◆経済成長でしか、安心の社会保障は成り立たない そもそも消費税を上げることは、社会保障を安心にさせるということですが、実は消費税を上げても景気が悪くなってしまっては、社会保障は安心になるどころか、ますます破綻が早まることになるのです。 国民年金と厚生年金には、積立金が約120兆円あります。GPIFという独立行政法人が運用しています。年金の積立金は、国内外の株式・国債の形で運用されています。 それが、株高を背景として、過去最高の18兆円(運用利回り約18%)の運用益が出ました(2014/1/9日経1面)。年金の積立金は、毎年3兆円~6兆円を取り崩していますので、運用益が出るということは、それだけ積立金が厚くなることを意味します。 当然、景気が悪いときは、運用損が出ます。ちなみに過去最大の運用損は2008年度の9.3兆円(運用利回り-7.6%)でした。 長期での平均運用利回りが大切なので、一喜一憂は控えるべきですが、大切なことは、安心の社会保障というのも、活発な経済という土台の上に成り立つということです。 今の日本政府の問題は、社会保障費を抑制するための代替案も十分に検討しておらず、景気に悪影響を与える増税は、社会保障を逆に破綻へと進めてしまっていることなのです。 アメリカも社会保障問題が解決せず、財政問題はいつ再燃するか分かりません。世界各国があるべき社会保障政策について探しあぐねているのです。 ◆健全な経済あっての、財政再建であり、安心の社会保障 大切な考え方として、元気な経済という土台の上に、財政再建という柱や、社会保障という柱が立っているのです。 この前提を忘れてはなりません。この前提を忘れてしまうと、土台そのものが壊れそうなのに、何故か柱の補修にばかり熱心に取り組んでしまうという状況になります。 今、消費税8%が4月1日と目前に迫り、その後2015年10月には、10%にまで上がることが「軽減税率の導入」という美名の下、既定路線化しようとしていますが、何とかこの流れにブレーキをかける必要があります。 日本政府は、日本国憲法29条で定められているように、国民の財産権を侵してはなりません。 日本から、経済成長によって社会保障問題・財政問題を解消する新潮流を創り出すべきです。そのための方向性は増税ではなく、経済成長です。勤勉に働き、国民が富を生み出す総量を増やすことにより、国の繁栄は磐石のものとなるのです。 放射線の専門家から見た福島の現状 2014.01.08 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆原発再稼動への議論はつづく 猪瀬知事の辞職に伴い、東京都知事選挙が1月23日告示、2月9日投開票で行なわれることが決まりました。 すでに、日弁連前会長の宇都宮健児氏が立候補の表明を行なっています。宇都宮氏は、都知事選挙の争点として「脱原発」を標榜しており、今回の選挙の争点となることになりそうです。 東日本大震災以降、原発については様々な議論がありますが、今回は現時点の状況について、放射線防護学の観点からお伝えいたします。 ◆100ミリシーベルトという「しきい値」が存在する 専門家の間では、どのレベルの放射線量が健康に影響を与えるのかが明らかになっており、「100ミリシーベルト」という線量が一つの目安になっています。 現時点で言えることは、「100ミリシーベルトを超える線量を浴びた場合、発がんリスクが高まる」と言うことです。逆にいうと「100ミリシーベルト以下では、発がんリスクが現時点では確認されていない」と言えます。 ラドン温泉では、放射線を浴びることで、健康によい影響を与えるケースがあることが報告されています。これは、ミズーリ大学のラッキー名誉教授が主張しており、「ホルミシス効果」と言われています。 実際のデータとして通常の200倍の放射線のデータが確認されている鳥取県の三朝温泉(ラドン温泉)では、胃がん・肺がんでは死亡率が30%以下、大腸がんになると、死亡率が20%以下に低下すると言われています。 また、意外なことなのですが、原爆の被害者である広島市の女性の平均寿命は、日本の政令指定都市の中では比較的高いことが明らかになっています。 以上のとおり、現時点で確認されている数値を見る限り、塩のように、一定の量を摂取する限りでは人体には良い影響を及ぼすものの、「しきい値」を超えると発ガンの可能性が高まることが確認されています。 一部「国際基準」として取り上げられるのが、イギリスの非営利団体「ICRP」による勧告であります。それによると「平時は1ミリシーベルト、事故などの緊急時は20ミリシーベルト」としていますが、上記に掲げる「100ミリシーベルト」という基準から考えると明らかに過剰なレベルであると言えます。 そもそも、なぜ「平時」と「緊急時」との区分けが必要なのか、説得力があるようには思えません。この「国際基準」なる数字に政府が過剰反応したことが、今回の福島での事故の混乱の原因になったのです。 ◆チェルノブイリと福島との比較 今回の福島の事故と比較されるのが、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故です。このチェルノブイリの事故について、日本からも科学者が放射線による影響について詳細に検証しています。その結果は、書籍『放射線医が語る被ばくと発がんの真実』(中川恵一 東大医学部准教授・著)に分かりやすく記載されています。 それによると、以下のようなことが分かりました。チェルノブイリ原発事故当日、原発に駆けつけ消火活動など行なった決死隊が134名いました。彼らは、1000~8000ミリシーベルトの放射線を大量に浴び、この内28名が事故から3ヶ月以内に亡くなっています。 残りの108名のうち、22名が25年以内に亡くなっています。死因が直接事故に関係していたかどうかは定かではありませんが、決死隊総数134名中、50名が死亡したことになります。 そのほか、事故処理の作業者50万人のうち、被ばくが原因と思われる白血病で亡なくなった方は80名。そして、子供たちに関しては唯一、甲状腺がんだけが、増加の報告があります。 チェルノブイリ付近の子供たちで甲状腺がんを発症した例は5000件にのぼり、そのうち9名が亡くなりました。甲状腺がんは、治療から5年以内の生存率が95%と極めて高く、治りやすいガンの代表例でもあります。 なぜ、子供たちに甲状腺がんが増加したのか、これは当時のソ連当局が事故直後の食品の規制が遅れ、多量の放射線(よう素)を含んだ牛乳を飲んだからという結論に至っています。今回の福島の事故では、いち早く食品の規制が行なわれており、このような事態にはなっておりません。 ◆放射線に対しての過剰な反応は控えるべき 福島原発は、マグニチュード9.0という世界最大級の地震であっても、装置が起動し安全に停止しました。今回の事故はあくまでも、非常用電源が水没したために停電し、原子炉の冷却装置が動かなくなったことが原因なのです。 そして、放射線については、上記のとおり、最悪の事故であったチェルノブイリの事故であっても、多くの方がイメージしているよりもはるかに少ない被害であることが明らかになっています。 今回お伝えいたしましたとおり、福島県内での放射線の状況はすでに人体への悪影響があるレベルではなく、避難は一刻も早く解除すべきです。 放射線の専門的なデータから見ても、福島の状況は安全であると言え、危険性をことさら強調することは差し控える段階にきていると思います。 現時点で放射線の危険性から、脱原発を主張される方が多いかと思いますが、データを見る限り東日本大震災という、史上最大規模の災害があっても、すでに安全な状態になっているのです。 そして、日本の原子力発電は世界一安全であるということがいえると思います。その証拠に、トルコは日本の原発の購入を決定しています。 幸福実現党は、経済的な問題、安全保障の問題など総合的な見地から、原発再稼動の必要性を訴えておりますが、一つの参考として、放射線の科学的なデータについてお伝えし、今後も「原発の早期稼働」、「原発の推進」を主張してまいります。 靖国問題―A級戦犯は存在しない 2014.01.07 文/幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆パール判事の予言 先の日本の戦争について日本無罪論を主張したインドのパール判事は、以下のような趣旨の発言も残しています。 「『悪魔の侵略戦争』と断罪した東京裁判は、国際法に違反するのみか、法治社会の鉄則である法の不遡及まで犯し、罪刑法定主義を踏みにじった復讐裁判に過ぎない。だから全員無罪である」 さらには「東京裁判の害は、原爆より永く日本を害するだろう」とも述べています。戦後70年にもなろうとする今、ますますパール判事の言葉が真実性を帯びてくるのを感じます。 特に、昨年末の安倍首相の靖国参拝以降のマスコミの喧騒を見るにつけ、その感を深くいたします。パール判事が憂えた通り、戦後日本のマスコミの論調は、基本的に「侵略戦争を起こした日本が全て悪かった」という東京裁判史観に支配されてきました。 靖国問題もその淵源は28人のいわゆるA級戦犯を裁き、7人を絞首刑にした東京裁判史観にあると言ってもいいでしょう。 ◆いわゆるA級戦犯合祀問題 靖国問題の主要論点は二つに絞られます。 (1)先の大戦を指導した「いわゆる」A級戦犯が合祀されていること。(中日新聞は、昨年12月27日の朝刊紙面で「いわゆる」を付けず「先の大戦を指導したA級戦犯が合祀されている」と表現しています。 (2)首相参拝は、憲法が定める政教分離に違反する恐れがある。 政教分離については、昨日の、小松ゆか氏がこのHRPニュースでも考察していますが、私はA級戦犯合祀について事実関係を振り返り整理したいと思います。 勝者による敗者へのリンチという喩えもあるほど、徹底的な復讐裁判であった東京裁判が終わってから二年もたたない1950年(昭和25年)に、朝鮮戦争が勃発しました。 すると突如として講和条約締結の話が持ちあがり朝鮮戦争が継続する中、1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約は発効されました。 ◆異例の条項:サンフランシスコ講和条約第11条 この講話条約は非常に特殊なものでした。通常の場合、講和条約締結後は、国家間におけるそれ以前の問題は全てなかったことになります。 しかし、このサンフランシスコ条約には第11条において「東京裁判において下された判決を、日本政府は講和条約締結後も継続する(28人に対する法廷が課した刑を執行する)」という異例の条項が付きました。 この条項は当時の国際常識に反する異例なことでしたので、それを無効とする条件も同時に記されています。 「日本政府が発議して、裁判に関係した過半数の国が同意すれば判決を変えてもいい」という趣旨の一節が11条に加えられたのです。 ◆戦犯の名誉回復 そして1952年6月9日の参議院本会議に「戦犯在所者の釈放等に関する決議」が提出されなんと社会党代議士の賛成弁論もあり全員一致で可決されたのです。 その後1955年7月19日の衆議院本会議で「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」がなされました。国民からも4千万もの署名が集まりました。 これを受けて戦争犯罪人の釈放要求が日本政府から提出され、関係諸国(11か国)の過半数の賛成を得て、1956年に収監されていたA級戦犯が全員釈放されました。(7人は絞首刑によりすでに他界) このようにサンフランシスコ講和条約の第11条を忠実に解釈して、A級戦犯の名誉が回復されたのであります。対外的にも対内的にも正式な手続きを経て、A級戦犯なる存在は合法的に無くなったのであります。 よって、現段階で存在しないA級戦犯に言及する際は、「いわゆる」を付しているのです。「いわゆる」を付していない中日新聞の報道は、歴史的事実に不誠実と思います。 ◆正しき歴史認識の探求 「『いわゆる』A級戦犯が合祀されている靖国神社に参拝することは、悪魔・日本の侵略戦争を正当化する行為であり断固として認められない」とする中国や韓国に対しては、サンフランシスコ講和条約を忠実に履行して戦犯の名誉を回復した歴史的事実を、政府は説明すべきではないでしょうか。 東京裁判史観に立脚する左翼言論は、日本だけが悪さをしなければ平和が実現するという平和主義(戦後体制)を一貫して守ろうとしています。 幸福実現党は、今まさに左翼の牙城を無血開城する時期が来ていると確信し、個々人・人間の正しき心の探求の文脈の中で、正しき歴史認識を探求し、日本の誇りを取り戻すべく活動してまいります。 参考文献:『「東京裁判」を裁判する』渡部昇一・著 日米共に、正しい政教一致政策により、現代の鎮護国家を 2014.01.06 文/HS政経塾2期生 小松 由佳 ◆国家による宗教活動の必要性 安倍首相の靖国参拝への中韓の非難が続き、国会でも野党からの批判が予想されますが、これは国家としての「信教の自由」への脅威だと言えます。 この問題の原因は、誤った歴史認識と、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」という、憲法20条の厳格な政教分離原則です。 01年に小泉元首相が参拝した際も、「精神的苦痛を受けた」などと政教分離を盾に8件の訴訟が起きました。最高裁は、「人が神社に参拝する行為自体は、他人の信仰生活に対して圧迫、干渉を加えるような性質のものではない」として退けましたが、賢明な判断でした。 個人の信教の自由を濫用して、他者の信教の自由を侵害してはなりませんし、そもそも国家の宗教活動を禁止していること自体、異常です。確かに近代国家は、国家から個人の権利を守ることを目指してきましたが、個人と国家は必ずしも敵対するものではありません。 経済や防衛の分野では、個人に財産権や正当防衛権があると共に、国家も経済・防衛政策を行います。宗教分野でも、個人の信教の自由を保障しつつ、国家が積極的になすべき政策があるはずです。 ◆政教分離で試行錯誤してきた米国 特に今回、米国政府からも参拝への批判がありましたが、米国自身、政教分離について試行錯誤が続いています。 米国がキリスト教精神に基づいて建国されたことは明らかですが、建国の父たちには宗教弾圧への警戒心もあり、1791年、合衆国憲法修正第1条として、「合衆国議会は、国教を樹立することに関する法律、または宗教上の行為を自由に行うことを禁止する法律を制定してはならない」と定められました。 それでも、この条項は「キリスト教を全体として議会の保護から取り除くことを目的としたものではない」との解釈が通説でしたが、F・ルーズベルトやトルーマンの民主党政権下で、保守派の裁判官が退職すると、多くの厳格な政教分離主義者が判事に指名されました。 そして47年、修正第1条の適用が州にも拡大され、「修正第1条は教会と国家の間に分離の壁を打ち立てたのである。その壁は高く、しかも堅固に保たれなければならない。我々は僅かな裂け目すら黙認することは許されない」という「分離の壁原則」が示されました。 これ以降、公立学校での宗教の授業、祈祷文の斉唱、聖書朗読、都庁舎内での宗教画展示などへの違憲判決が続きました。これに対しては、「アメリカ人の伝統を根本的に破壊する」との批判も相次ぎ、議員による憲法改正への動きも活発化しました。 80年代になって共和党政権で任命された裁判官が増えると、合憲判断が増え、落ち着きを取り戻しました。厳格な政教分離は、むしろ国民の信教の自由を脅かしてきたのです。 ◆無理に政教分離を取り入れた日本 しかし、神仏習合の政教一致が伝統であった日本も、明治以来、政教分離を取り入れようと試行錯誤してきました。 明治政府は、信教の自由に「安寧秩序を妨げず、臣民としての義務に背かない限り」という限定をつけた上で、政教分離を無理に取り入れようと、「神道は宗教にあらず」とし、“宗教ではない”「国家神道」を創り出し、他の宗教を従わせ、一部の宗教を弾圧しました。 問題の原因は、「神道を国教化しようとした」ことではなく、むしろ「国教を否定し、“宗教ではないもの”を国是とし、信教の自由を制限し、宗教を弾圧したこと」だったのです。神仏習合的な国教を掲げ、信教の自由をも保障していれば、問題は起きなかったはずです。 しかし、戦後、GHQは神道指令により、日本の政治から宗教を排除しようとしました。これについては、政策担当者であったW・ウッダードも、自著『天皇と神道』で「宗教と国家の余りにも極端な分離、及び国家神道という語の使用法の混乱」があったと認めています。 ◆信教の自由を守り、唯物論国家に対抗せよ 日米両国は、国民にとって最も自然な信仰を考えた上で、世界レベルで信教の自由を拡大するため、さらなる寛容性を持った宗教を、一種の国教として掲げることが望まれます。緩やかな政教一致の下、信教の自由を保障することが、最も国の安定に寄与するのです。 そして、両国が協力して、唯物論によってあらゆる人権を弾圧している中国共産党に対抗し、神仏の名の下に、平和裡に思想・言論戦に勝利することが望まれているのです。 2014年、輝く国日本へ ―日本の繁栄は絶対に揺るがない― 2014.01.05 文/HS政経塾1期生 湊 侑子 ◆日本を輝ける国にするため全力を尽くす 「日本を輝ける国にするため全力を尽くす」1月4日に安倍首相は父の故安倍晋太郎氏の墓参りを行い、そう誓ったそうです。 一度は自ら放棄した総理大臣の椅子でしたが、運命の巡り合わせで二度目のチャレンジが許された2013年。年末に「痛恨の極み」と心残りであった靖国神社参拝を果たしました。 また、辺野古の埋め立て許可を沖縄県知事から取りつけました。尊敬する吉田松陰先生や天照大神はじめ日本をお守り下さる神々からも、及第点をもらえたのではないでしょうか。 二度目のチャレンジが許された奇跡を無駄にしないために、日本を真なる“輝ける国”に導いていかなければなりません。 ◆東南アジアの盟主に向けて 安倍首相の靖国参拝に対しての、中・韓と台湾、シンガポール以外の東南アジア各国の反応はおおむね良好です。インドネシアのコンパス紙は、靖国問題で「自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解」「靖国には戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祀られている」と報道し、日本のマスコミよりも冷静です。 ベトナム外務省のルオン・タイン・ギ報道官は「日本が地域の平和と安定、協力のために、問題を適切に処理することを希望する」とコメントしました。 東南アジアは、大東亜戦争で日本が白人を相手に戦った姿に勇気づけられ、また実際に力を貸してもらい独立を果たした国が多くあります。今また、中国の覇権主義政策に危機を感じており、日本に期待する声は日に日に高まっています。 岸信介総理は戦後日本が生んだ最も偉大な総理の1人です。彼は総理就任後、「孤立した日本ということではなしに、アジアを代表する日本にならなければいけない」 と考え、東南アジアを回ってから訪米しました。 極東の安全を守る責務と自負を持ち、総理としてアメリカに渡った上で、政治生命を賭して、日米安保改定に取り組みました。実際に命を賭けて安保改定を成し遂げ、戦後70年の日本とアジアの平和を守り抜きました。 安倍首相も、その祖父の姿に倣い、就任一年でアジア太平洋15カ国を2回に分けて歴訪しています。アメリカが世界の警察官から辞退しようとしている中で、再度世界に引っ張り出すためには、東南アジアの総意をアメリカ国民の心を動かす形で伝えなければなりません。 ◆アメリカから明るいニュース 「テキサス親父」ことトニー・マラーノさんが米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求めた請願活動において、署名数が正式受理に必要な10万件を超えたのです。 1か月の期限内に集めきることは難しいと思われていましたが、日米だけでなく、欧州にも支持が広がったことで目標達成されました、 請願が受理されても、連邦政府が地方自治体の案件に介入する可能性はほとんどないそうですが、2月から慰安婦碑設置の可否を審議するカリフォルニア州クパチーノ市議会への牽制になります。 中・韓は国家予算をつぎ込み、国家戦略として「反日運動」を行っています。中国人事業家の陳光標氏によるによるNYタイムズ買収騒ぎも出ています。そのためにも今すぐにでも国家戦略として、先の大戦の意義を整理しなおし、トップ外交をはじめロビー活動など正しい形で世界に情報発信しなければなりません。 ◆世界のヒーローを目指して 新素材や新製品の開発により、近い将来「アイアンマン」や「スパイダーマン」のようなヒーローが、日本から登場するかもしれません。 パナソニックが世界初で量産化を決定したのは、「アイアンマン」で主人公が身につけていたパワードスーツです。身体に装着することで筋力の限界を引き出すことができるもので、短期的には災害救助や原発作業での使用、将来は宇宙服の下に着ることも検討されています。 「スパイダーマン」で使われていたクモの糸と全く同じ構造の人工繊維を量産する工場も世界初で稼働します。鋼鉄よりも強く、ナイロンよりもしなやかなこの素材は、将来的に石油化学製品を代替する素材となります。 日本がロボット・宇宙産業分野の最先端技術で大きな産業を立ち上げると共に、世界に広めることで貧困国を助けるヒーローになることができるのではないでしょうか。 「積極的平和主義の下、世界の平和と安定に貢献する。国民の生命・財産、美しい海と領土・領空、日本人の誇りを断固守る」 安倍首相の国防・安全保障に対する思いです。このたび政府は、領海の範囲を決める基点となる離島のうち、所有者がいない280を国有化する方針を決めました。 今年こそは、尖閣諸島の防衛確立、集団的自衛権の容認、そして安倍首相のライフワークである憲法9条改正にまで踏み込み、自分の国だけでなく世界に対して貢献できる強くて優しい国になりたいと切に願います。 この輝ける日の本の国から、世界の希望となる大きな太陽を昇らせるという大義のため、安倍首相の援護射撃をしつつ、今後も弊党は日本の繁栄をしっかり確立してまいります。 最新鋭輸送機MV-22オスプレイの配備の重要性を問う(2) 2014.01.04 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 前回に続き、オスプレイの性能やオスプレイが安全保障に果たす重要な役割について述べてまいります。 ◆懸念に過ぎないオスプレイ配備の不安 昨年、オスプレイ配備について左派マスコミは、様々な憶測を報じましたが、結局は「最初からオスプレイ反対ありき」の報道で騒音や事故率など不安を煽るだけのものでした。 まず騒音については、水平飛行ができるオスプレイはヘリコプター特有のブレードスラップ音が少なく原理的に従来のヘリコプターよりも静かです。 昨年8月に普天間基地に配備するためオスプレイ12機が岩国に一時駐機いたしましたが、そのとき岩国市に寄せられた苦情10件のうち9件はオスプレイではなく報道のヘリコプターへの苦情でした。 安全性についても、10万飛行時間あたりの事故件数を示す事故率についてMV-22オスプレイは1.93にとどまり、海兵隊所属のヘリを含む航空機の平均事故率2.54より低いと報じられています。 昨年8月には、オスプレイによる大統領補佐官、シークレット・サービスおよび記者の輸送が行われました。安全性には格段の配慮が要求されるホワイトハウスのスタッフの移動で運用されたのは初めてのことです。 オスプレイの配備にあたっては、地元沖縄の反対により普天間基地への直接配備が難しかったため、岩国基地に一時駐機させた後に普天間基地に移動させるという配慮が取られました。 配備の経緯は、当時の防衛大臣であった森本 敏氏が著書「オスプレイの謎。その真実」(海竜社刊)のなかで詳しく述べられております。 岩国市の福田市長も「オスプレイの一時駐機は基地機能強化に当たらない」と述べ、駐機を事実上認めておりますし、岩国市議会も先般議会に上程された「オスプレイの低空飛行訓練に反対する議案」を21対10の大差で否決しております。 いま岩国には、普天間基地にある空中給油機能をもった輸送機KC-130を岩国基地に移設すべく交渉が進められております。 既述の通り空中給油により、オスプレイの展開半径が朝鮮半島まで及ぶ性能を考えた場合、岩国市に企案された本計画は安全保障上きわめて妥当です。 ◆認められつつあるオスプレイの重要性 オスプレイの初の配備から一年ほど経過しましたが、沖縄の基地負担の軽減のため、オスプレイの訓練の一部が本土でも行われるようになり、昨年10月には滋賀県高島市の饗庭野演習場での訓練が行われました。訓練にあたって高島市長も特に大きな異議を唱えませんでした。 また台風のため中止にこそなりましたが、高知県での日米共同の防災訓練でも、南海トラフ巨大地震による津波被害を想定し、オスプレイが山口県の岩国基地と高知県内の自衛隊施設との間で物資輸送などをする予定でした。 オスプレイ配備の話が出た当初は配備に疑問を呈する報道も多かったものの、結局一年ほどが経過し、最新鋭輸送機MV-22オスプレイの重要性が着実に認識されつつあると感じております。 先般起きたフィリピンでの未曾有の台風被害の救援活動にあたっても、オスプレイが救援活動のため派遣されました。 ◆日米同盟のいっそうの深化を 2011年の東日本大震災の被災地では、大規模な救援活動が展開されました。自衛隊は10万人を動員し、人命救助や物資の輸送、炊き出しなど幅広い支援活動にあたりました。 米軍も支援活動を「トモダチ作戦」と名づけ、1万8千人を派遣。日米同盟の真価が発揮されました。先般のフィリピンでの台風被害の救援活動にあたっても、米軍や自衛隊が活躍しております。 当時の民主党政権下で普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げたことにより、日米同盟は冷え込みましたが、もしオスプレイの配備までも頓挫するようなことがあったとしたら、日米同盟に致命的な亀裂を与えるところでした。 中国による不法侵入がエスカレートしている今、また朝鮮半島情勢の緊張が高まるなか、子どもたちの未来を守るため、我が国の領海や主権を守るため、東アジアの平和を守るためにも日米同盟の深化が不可欠です。 集団的自衛権の行使容認など自衛隊関連法案の見直しも含めて、いっそうの日米同盟の深化を図るべきです。 すべてを表示する « Previous 1 … 42 43 44 45 46 … 64 Next »