Home/ 経済 経済 次世代スパコン開発――「世界一」を目指す未来ビジョンを示せ! 2014.01.11 文/HS政経塾3期生 和田みな ◆世界のスパコン事情 日本のスーパーコンピュータ(スパコン)開発は、民主党政権下で2009年11月に行われた「行政刷新会議」による“事業仕分け”において、蓮舫議員から「2位じゃダメなんでしょうか?」と詰め寄られ、予算計上見送りに近い大幅な予算縮減をうけたことで、逆に注目を集めました。 その後、理化学研究所と富士通の共同開発によってスパコン「京」の開発が進められ、2011年6月にはスパコン処理能力ランキング「TOP500」で、ついに世界1位となり、日本の技術力の高さを世界中に示したのです。 最新の2013年11月に発表されたスパコン処理能力ランキングでは、1位は中国人民解放軍国防科学技術大学が開発した「天河2号」、2位は米のオークリッジ国立研究所の「Titan」、3位も米のローレンスリバモア国立研究所の「Sequoia」、そして4位が日本の「京」という順になっています。 ◆国の発展・防災・防衛に欠かせないスパコン スパコンを簡単に説明するならば「超大型の計算機」です。「京」は毎秒約1京(1兆の1万倍)回の計算能力があります。 このような計算能力を使用することで、実際には起こっていない、解明されていない未知のものをシミュレーションし、スピーディーに、より正確に予測・研究することが可能になります。 具体的には、生命科学・医療・新薬、化学・新物質・エネルギー、気象予報・防災・減災、宇宙・航空など、さまざまな分野の進歩発展に役立ちます。 近年の中国における目覚ましい宇宙開発にはスパコン「天河1・2号」も大きく影響しています。世界一のスパコンで目指すのは、世界一の研究によって、最先端の技術や素材を生みだすことにより、国を発展させることなのです。 また、各国政府がスパコン開発に力を入れているもう一つの理由は、国防・軍事においてスパコンが重要な役割を担っている点にあります。 軍事作戦に欠かせない気象予報、ミサイルや核兵器の予測・シミュレーション・管理、最新兵器や航空機の開発、宇宙技術、サイバー攻撃への防衛など、あらゆるところで使用されています。世界一のスパコンは国の安全を強力に守るのです。 ◆再び「世界一」を目指す日本の挑戦 昨年12月24日に閣議決定した平成26年度予算案には、新規事業として次世代スパコンの開発予算が12億円計上されました。2018年には製造を開始し、2020年の運転を目指す「ポスト京」は、約1000億円の予算で「エクサ(100京)」級の計算速度を目指します。 一方、米国や中国などライバル国も次世代のスパコン開発をすでに始めています。 現在1位の中国の「天河2号」は、「天河1号」の改良版で、米インテル社製のコアを使用しており、まだ純国産スパコンとはいえませんが、「天河1号」開発からわずか2年で、CPU、OS、ソフトウェアツールなどの大半の構成要素を中国製で独自開発してきたことは、日本や米国にとって大変な脅威です。 ◆トータルで「世界一」を目指す未来ビジョンを 世界No.1のスパコン大国アメリカは、処理速度1位の座は現在、中国に明け渡してはいるものの、「TOP500」入りしたスパコンを国内に265台持ち、各地で最新の研究が盛んに行われています。(2位は中国で63台、3位は日本で28台とその差は歴然としています) アメリカのコンピューター開発が成功している理由は、金田康正東大教授によると「コンピューター技術の周囲にカネとヒトが集まる環境づくりに成功している点」にあると言われています。 次世代スパコンで「No.1」を目指すことは重要です。しかし、これまでのような処理速度のみを追求するスパコン開発ではその効果は半減します。 米国のように、国家が開発プロジェクトを直轄管理せずに、支援する仕組みづくりで多くの企業がスパコン開発・使用に参加できること、スパコンを真に使える人材づくり(「それで何をしたいのか」「どのように社会に貢献するか」という視点を持った理系人材の育成)という環境も整えなければ、次世代スパコンで真に「世界一」を目指し続けることは不可能です。 そして何より、そのスパコンを使って、日本がどのような国を目指し、世界を発展させていきたいのかという政府の明確な「ビジョン」があって初めて、「志」を持った優秀な人材・企業がスパコン事業に参加し、開発事業が永続性を持ったものになるのだということを忘れてはいけません。 スパコンはあくまで道具です。私たちは世界一のスパコンを使って、世界に一番幸福を与えることができる日本を目指して参ります。 参考文献:金田康正著『スパコンとは何か?』(ウエッジ 2012) 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第1回】 2014.01.10 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第1回】 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 本日から連載で、「『海洋大国・日本』―新たな国家ビジョンと安全保障」 と題して、日本が今後、いかに中国の侵略から国家を守り、アジアのリーダー国家としてアジアと世界の平和と繁栄に貢献するか――そのための具体的国家ビジョンと安全保障政策について、提案します。 《総論》 日本は四方を海に囲まれ、6852という膨大な数の島によって構成される「海洋国家」です。その範囲は、北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで、東は南鳥島から西は与那国島まで、それぞれ約3000キロに及びます。 これまで日本人は、日本を国土面積世界第61位の狭い国であり、エネルギーや鉱物資源に乏しい資源小国と考えてきましたが、そうしたイメージを大きく転換させ、大国としての自覚を迫る時代が到来しました。 その契機が1982年に採択され、1994年に発効した、「国連海洋法条約」です。これによって、沿岸国の領海の12海里と排他的経済水域の200海里における生物・鉱物資源へ主権的権利が認められることになり、日本は世界で6番目の広さの海を持つ「大国」となりました。 この連載では、その海洋国家・日本の持つ、鉱物やエネルギーなど、海洋資源の可能性と、その富を奪取せんと拡大する中国の覇権主義と脅威を明らかにしつつ、その危機を乗り越え、日本が「海洋大国」としてアジアと世界をリードするための、あるべき安全保障政策と、海洋戦略を明らかにします。 ◆21世紀の「海洋大国・日本」 これまで日本は経済大国ではあっても、領土的には世界61番目、地球の陸地の0・25%(377930平方キロメートル)に過ぎない「狭く、小さな国」でした。 そうした日本に、大きな転機をもたらす国際的な法律の枠組みが、国連において誕生しました。それが1982年に採択され、1994年に発効した「国連海洋法条約」(日本は1996年批准)です。 この条約は、各国の主権が及ぶ領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚、深海底などの範囲と権益権利を定めたもので、「海の憲法」とも言われています。 特筆すべきは、同条約において、新しく各国の沿岸から200海里(約370キロメートル)までの範囲を、「排他的経済水域」と設定することが認められたことです(国連海洋法条約第56、57条)。 これによって日本は、その広大な排他的経済水域において、 (1) 石油や天然ガス、メタンハイドレートや海底熱水鉱床など、海底に眠る全ての資源を調査し開発する権利 (2)海中を調査し、海水中に浮遊する資源などを利用する権利 (3)漁業管轄権を有する権利 以上が、国際法において認められたのです。 領土面積において、世界で61番だった日本は、主権の及ぶ領海と排他的経済水域をあわせた海域の面積において、世界の6番目。 また、従来の海域の二次元的な「縦、横」に加えて、「深さ」という三次元的な観点を加えると、日本の「海の大きさ(=海水の体積)」は、約1580万立方キロメートルで、世界の4番目の「大国」になりました。 つまり、この国連海洋法条約の成立によって、日本は、広大な海域を持つ「海洋大国」としての権益を手にしたのです。 (第2回に続く) 富を増やすことが、国の繁栄の基である 2014.01.09 文/HS政経塾部長兼政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆経済成長による税収の増加を、政府は実績として声を上げるべき 今年6月に策定する新成長戦略の議論が始まります。景気を腰折れさせないためにも経済成長は確かに重要です。 一方で、政府の成果として、もっと宣伝していいのにしておらず、気になることがあります。 それは、2013年度の税収見込みが増えているということです。財務省は、当初見込んでいた税収が2.3兆円増加し、45兆4千億円と見込んでいるのです。この上振れの主な理由は、企業業績の回復による法人税の増収が挙げられます。 税収の上振れ分は、消費増税によって景気を腰折れさせないように経済対策として、昨年12月に補正予算に計上されています。 もっと、税収が上向いているということを政府の成果として強調してもいいのではないでしょうか。しかも、この2.3兆円の税収の上振れというのは、消費税の約1%分に相当します。 順調に経済が成長していけば、消費増税によって景気に悪影響を与えなくとも、税収を増やしていくことは可能なのです。 ◆税金を上げた分、そのまま税収が増えると思う財政再建派 しかし、財政再建派の議論の中では、経済成長についてはほとんど言及せず、消費税を上げた分、税収がそのまま増えるという考え方が問題です。 実際に2014年度の税収見込みは、上振れした税収見込み額(45.4兆円)に、消費増税3%分のうち国に入る分(約5兆円)を加えて、50兆円と見込んでいます。 しかし、それがその通りにいかなかったのが、幸福実現党が何度も主張している消費税を3%から5%に上げた1997年度です。消費税を2%上げたところ、法人税収が1兆円減少しました。さらに、翌1998年度には、税収全体で4.5兆円も減少したのです。 このように増税することで、税収全体が減ってしまうのです。経済成長については様々な要因を考えるのに、税金の話になると単純な足し算・引き算の世界に入ってしまうのは明らかにおかしいことです。 ◆経済成長でしか、安心の社会保障は成り立たない そもそも消費税を上げることは、社会保障を安心にさせるということですが、実は消費税を上げても景気が悪くなってしまっては、社会保障は安心になるどころか、ますます破綻が早まることになるのです。 国民年金と厚生年金には、積立金が約120兆円あります。GPIFという独立行政法人が運用しています。年金の積立金は、国内外の株式・国債の形で運用されています。 それが、株高を背景として、過去最高の18兆円(運用利回り約18%)の運用益が出ました(2014/1/9日経1面)。年金の積立金は、毎年3兆円~6兆円を取り崩していますので、運用益が出るということは、それだけ積立金が厚くなることを意味します。 当然、景気が悪いときは、運用損が出ます。ちなみに過去最大の運用損は2008年度の9.3兆円(運用利回り-7.6%)でした。 長期での平均運用利回りが大切なので、一喜一憂は控えるべきですが、大切なことは、安心の社会保障というのも、活発な経済という土台の上に成り立つということです。 今の日本政府の問題は、社会保障費を抑制するための代替案も十分に検討しておらず、景気に悪影響を与える増税は、社会保障を逆に破綻へと進めてしまっていることなのです。 アメリカも社会保障問題が解決せず、財政問題はいつ再燃するか分かりません。世界各国があるべき社会保障政策について探しあぐねているのです。 ◆健全な経済あっての、財政再建であり、安心の社会保障 大切な考え方として、元気な経済という土台の上に、財政再建という柱や、社会保障という柱が立っているのです。 この前提を忘れてはなりません。この前提を忘れてしまうと、土台そのものが壊れそうなのに、何故か柱の補修にばかり熱心に取り組んでしまうという状況になります。 今、消費税8%が4月1日と目前に迫り、その後2015年10月には、10%にまで上がることが「軽減税率の導入」という美名の下、既定路線化しようとしていますが、何とかこの流れにブレーキをかける必要があります。 日本政府は、日本国憲法29条で定められているように、国民の財産権を侵してはなりません。 日本から、経済成長によって社会保障問題・財政問題を解消する新潮流を創り出すべきです。そのための方向性は増税ではなく、経済成長です。勤勉に働き、国民が富を生み出す総量を増やすことにより、国の繁栄は磐石のものとなるのです。 2014年、輝く国日本へ ―日本の繁栄は絶対に揺るがない― 2014.01.05 文/HS政経塾1期生 湊 侑子 ◆日本を輝ける国にするため全力を尽くす 「日本を輝ける国にするため全力を尽くす」1月4日に安倍首相は父の故安倍晋太郎氏の墓参りを行い、そう誓ったそうです。 一度は自ら放棄した総理大臣の椅子でしたが、運命の巡り合わせで二度目のチャレンジが許された2013年。年末に「痛恨の極み」と心残りであった靖国神社参拝を果たしました。 また、辺野古の埋め立て許可を沖縄県知事から取りつけました。尊敬する吉田松陰先生や天照大神はじめ日本をお守り下さる神々からも、及第点をもらえたのではないでしょうか。 二度目のチャレンジが許された奇跡を無駄にしないために、日本を真なる“輝ける国”に導いていかなければなりません。 ◆東南アジアの盟主に向けて 安倍首相の靖国参拝に対しての、中・韓と台湾、シンガポール以外の東南アジア各国の反応はおおむね良好です。インドネシアのコンパス紙は、靖国問題で「自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解」「靖国には戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祀られている」と報道し、日本のマスコミよりも冷静です。 ベトナム外務省のルオン・タイン・ギ報道官は「日本が地域の平和と安定、協力のために、問題を適切に処理することを希望する」とコメントしました。 東南アジアは、大東亜戦争で日本が白人を相手に戦った姿に勇気づけられ、また実際に力を貸してもらい独立を果たした国が多くあります。今また、中国の覇権主義政策に危機を感じており、日本に期待する声は日に日に高まっています。 岸信介総理は戦後日本が生んだ最も偉大な総理の1人です。彼は総理就任後、「孤立した日本ということではなしに、アジアを代表する日本にならなければいけない」 と考え、東南アジアを回ってから訪米しました。 極東の安全を守る責務と自負を持ち、総理としてアメリカに渡った上で、政治生命を賭して、日米安保改定に取り組みました。実際に命を賭けて安保改定を成し遂げ、戦後70年の日本とアジアの平和を守り抜きました。 安倍首相も、その祖父の姿に倣い、就任一年でアジア太平洋15カ国を2回に分けて歴訪しています。アメリカが世界の警察官から辞退しようとしている中で、再度世界に引っ張り出すためには、東南アジアの総意をアメリカ国民の心を動かす形で伝えなければなりません。 ◆アメリカから明るいニュース 「テキサス親父」ことトニー・マラーノさんが米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去を求めた請願活動において、署名数が正式受理に必要な10万件を超えたのです。 1か月の期限内に集めきることは難しいと思われていましたが、日米だけでなく、欧州にも支持が広がったことで目標達成されました、 請願が受理されても、連邦政府が地方自治体の案件に介入する可能性はほとんどないそうですが、2月から慰安婦碑設置の可否を審議するカリフォルニア州クパチーノ市議会への牽制になります。 中・韓は国家予算をつぎ込み、国家戦略として「反日運動」を行っています。中国人事業家の陳光標氏によるによるNYタイムズ買収騒ぎも出ています。そのためにも今すぐにでも国家戦略として、先の大戦の意義を整理しなおし、トップ外交をはじめロビー活動など正しい形で世界に情報発信しなければなりません。 ◆世界のヒーローを目指して 新素材や新製品の開発により、近い将来「アイアンマン」や「スパイダーマン」のようなヒーローが、日本から登場するかもしれません。 パナソニックが世界初で量産化を決定したのは、「アイアンマン」で主人公が身につけていたパワードスーツです。身体に装着することで筋力の限界を引き出すことができるもので、短期的には災害救助や原発作業での使用、将来は宇宙服の下に着ることも検討されています。 「スパイダーマン」で使われていたクモの糸と全く同じ構造の人工繊維を量産する工場も世界初で稼働します。鋼鉄よりも強く、ナイロンよりもしなやかなこの素材は、将来的に石油化学製品を代替する素材となります。 日本がロボット・宇宙産業分野の最先端技術で大きな産業を立ち上げると共に、世界に広めることで貧困国を助けるヒーローになることができるのではないでしょうか。 「積極的平和主義の下、世界の平和と安定に貢献する。国民の生命・財産、美しい海と領土・領空、日本人の誇りを断固守る」 安倍首相の国防・安全保障に対する思いです。このたび政府は、領海の範囲を決める基点となる離島のうち、所有者がいない280を国有化する方針を決めました。 今年こそは、尖閣諸島の防衛確立、集団的自衛権の容認、そして安倍首相のライフワークである憲法9条改正にまで踏み込み、自分の国だけでなく世界に対して貢献できる強くて優しい国になりたいと切に願います。 この輝ける日の本の国から、世界の希望となる大きな太陽を昇らせるという大義のため、安倍首相の援護射撃をしつつ、今後も弊党は日本の繁栄をしっかり確立してまいります。 2014年 幸福実現党が目指すもの 2013.12.31 文/幸福実現党政調会長 江夏正敏 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 昨年は、紆余曲折を経ながらも、幸福実現党が立党以来、国民の皆様に訴えてきたことが、一部ではありますが徐々に実現していった年でありました。 ◆2013年の幸福実現党の成果 経済においては「アベノミクス」効果により、景気の上昇機運が高まりました。アベノミクスは、幸福実現党が4年半前の立党以来、訴えてきたことの一部分です。ただ、今年4月からの消費増税が決まり、経済の不安要因を抱えたことは残念でした。 国防においては、中国や北朝鮮の脅威が高まり、安全保障に対する国民の関心が広がって、改憲、集団的自衛権などの議論ができるようになりました。 また、オスプレイ賛成、日本版NSC、国家安全保障戦略の策定、特定秘密保護法の成立、基地辺野古移転、など、我党が立党時に警鐘を鳴らし続けたことが実現の方向に動いています。 まだまだ私たちの考える政策レベルまでは至っていませんので、今後もしっかりと国防を充実させていく必要があります。 その他、不十分ながらもいじめ防止対策推進法が成立、TPP参加表明、原発維持・推進、従軍慰安婦や南京大虐殺の虚構の暴露なども、我党の強力なアピールで世論を動かしてきました。 このように幸福実現党として、社会をリードしてきたという自負がありますが、社会保障や教育など、まだまだ政治の踏み込みが甘いところもあり、もっと頑張らねばならないと考えています。 ◆2014年「日本の誇りを取り戻す」キャンペーン そのような中で、2014年という年は、日本が今後、世界のリーダー国家として飛躍するための「忍耐」の年であると言えるかもしれません。 未だに日本では左翼や唯物論の影響が強く、「自由からの繁栄」を阻害する勢力は大きいと言えます。したがって、国民の間に「本当の正しさとは何か」を知らしめる、着実かつダイナミックな活動が必要です。 ゆえに、幸福実現党は年初から「日本の誇りを取り戻す」キャンペーンを開始します。虚構に満ちた「河野談話」の白紙撤回に向けて、署名活動を行い、日本に巣食う自虐史観を払拭してまいります。 「『河野談話』の白紙撤回を求める署名」 http://info.hr-party.jp/2013/2524/ 日本がリーダー国家となるためには、戦後「日本は悪い国だ」と国民に対して刷り込まれた自虐意識を払拭しなければなりません。この自虐意識が、日本の経済発展を阻害し、正当な国防まで否定してしまうのです。 日本人の潜在意識で「日本が発展することは、近隣諸国に申し訳がない」「日本は国防をしてはならない。近隣諸国に迷惑をかけたので、逆に占領してもらって罪滅ぼしをしたい」などと無意識で考えてしまう多くの人がいます。 まさかと思われる方が多いかもしれませんが、戦後GHQは、日本を占領した際、検閲や教育で「日本は悪い国だった。悪魔の国であった」と刷り込み、国際的に認定したかったのです。 なぜならば、米国は広島・長崎に原爆を投下し数十万人を一瞬にして虐殺しました。また、東京大空襲をはじめ主要な地方都市において焼夷弾を容赦なく落とし、子供からお年寄りまでの民間人を何十万単位で焼き殺しました。このホロコーストを正当化するために、日本を悪い国にする必要があったのです。 このようなGHQの策略によって始まった自虐史観が、近隣諸国に悪用され、いまだに日本を攻撃する材料とされています。この自虐史観を払拭しない限り、日本の繁栄はないと言えるでしょう。 ◆日本は世界のリーダー国家になる使命がある 日本は、自由主義、民主主義の素晴らしい国家です。思いやりがあり、おもてなしの精神にあふれた国民です。勤勉で、正直な国民性です。世界の模範となり得る国家です。 経済力があり、国民性が善良な日本が、世界のリーダー国家として振る舞うことは、世界の平和に貢献します。国力がありながら、世界に対して無関心というのは、無責任な国家としか言いようがありません。大国としての責任を全うしなければなりません。 私たち幸福実現党は、日本の精神的主柱として、未来を明るく照らし、繁栄を実現していくことを目指します。そして、この時代、この国に生まれてきて良かったと、心の底から喜べるような世界を創ってまいります。 日本や世界の平和と繁栄のために、今年も力を尽くして活動をしてまいります。 どうぞご支援のほど、よろしくお願いいたします。 大きな政府を志向する「自民党」を糺す! 2013.12.24 本年10月、消費税増税の実行を決定した自民、公明両党ですが、12月12日、平成26年度税制改正大綱を決定しました。減税メニューもありますが、結局減税を穴埋めすべく増税メニューもしっかり存在します。 自民党は、いつもアクセルとブレーキを同時に踏み込み、自らがデフレ脱却の最大阻害要因となっています。 ◆条件付き減税措置 中心は、10月1日に決定した「民間投資活性化等のための税制改正大綱(秋の大綱)」に盛り込まれていた企業減税となっています。 しかしいずれも企業が設備投資をしたら、給与を増額したらという条件付きの減税措置です。 政府は、企業に消費税増税という重荷を背負わせながら、投資をせよ、給与を増額せよとさらに重荷を背負わせようとするご都合主義です。 (1)生産性向上設備投資促進税制の創設 企業が平成27年度末までに、先端設備等を導入した場合、即時償却か5%の税額控除を認める。(それ以降平成28年度末までは4%となり、企業に早期の投資を促します) (2)所得拡大促進税制の要件緩和 企業が給与総額を2%(現行5%)増やした場合、増加分の10%を税額控除する。(適用条件を、平成25~26年 度は「2%以上」、27年度は「3%以上」、28年度までは「5%以上」とするなど、早期の適用が有利となる) ◆減税を相殺する増税 (1)自動車取得税廃止の代りに軽自動車税増税 車体課税の見直しについては、消費税率10%への引上げ時に自動車取得税の廃止が決まっていることから、軽自動車は、平成27年4月以後に新規取得される新車から、自家用車は1万800円(現行7,200円)に1.5倍に引き上げられます。自家用貨物車が4,000円から5,000円に引き上げられます。 (2)個人住民税は給与所得控除制度が見直され、上限額が適用される給与収入が現行の1500万円(給与所得控除の上限額245万円)から、平成29年度分が1,200万円(同230万円)に、30年度分からは1,000万円(同 220万円)になる。(事実上増税) (3)消費税の簡易課税制度のみなし仕入率について (a)金融業及び保険業を第5種事業とし、そのみなし仕入率を50%(現行60%)とする。 (b)不動産業を第6種事業とし、そのみなし仕入率を40% (同50%)とする。(事実上増税) ◆軽減税率の導入の条件は、消費税10%への増税 注目されていた生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入については、「税率10%時」に導入という文言で決着しました。公明党の公約の軽減税率の導入は、消費税10%増税とセットとなっています。 そもそも8%から10%への増税は、行ってはなりません。公明党は国民生活より自らの公約を優先させるのでしょうか。 ◆自民党は大きな政府・重税国家すなわち国家破綻へと導く これに先だつ平成25年度税制改正大綱においても、増税メニューが並んでいます。 主な増税項目として (1) 所得税の最高税率の見直し・・・現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得4,000万円超について45%の税率を創設。 (2)相続税・贈与税の見直し・・・相続税の基礎控除について、現行の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」を「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引下げ。相続税の最高税率を55%に引き上げる等、税率構造の見直し、増税をかけています。 ◆大川隆法 新・日本国憲法試案の意義 来年度一般会計の予算案の中で、初めて社会保障費が総額30兆円を超えました。このままですと社会保障費とそれを負担する税金は青天井となるでしょう。福祉国家は必然的に大きな政府となります。 民主主義の最大の欠点は、バラマキ政策(大きな政府)が集票活動(選挙活動)と一体化するという点にあります。 人類はこの克服にまだ成功していません。 幸福実現党大川隆法総裁によります「新・日本国憲法試案」の第11条「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保証しなくてはならない」この条文こそ、民主主義最大の欠点の克服を促すものです。 ※新・日本国憲法試案 http://special.hr-party.jp/policy2013/constitution/ 幸福実現党は、行き過ぎた福祉国家は、重税国家となり、国家破綻がその終着駅であることを認識しています。バラマキ政策=集票の誘惑を乗り越え、未来を間違わないために、正論を訴え続けてまいります。 (文責:幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦) 社会保障費の増大をどうみるか 2013.12.23 ◆増大の一途を辿る社会保障費 先日21日、政府は、来年度一般会計の総額が95兆8800億円となる過去最大規模の予算案を固め、24日に閣議決定する予定です。 今年よりも増額となったのは、公共事業費5兆9600億円、防衛費4兆8800億円、文化、教育、科学技術関連費5兆4400億円などです。 日本の未来にとって必要な部門に対する予算増額は良としても、1.5兆円増加し、初めて総額30兆円を超える社会保障費については、根本から問い直すべきです。 安倍総理は本年10月に「税と社会保障の一体改革」として消費増税を決定しましたが、この根底にある思想は人間機械論、共産主義的なユートピア幻想です。 本来日本の社会が進むべきは、仏の子として人間を尊重し、自助努力によって繁栄を実現する真の資本主義精神を徹底させ、心身ともに豊かな人を増やしていくことです。 ◆地獄への道は「善意」で舗装されている 「増税して社会保障を手厚くする」には際限がありません。例えば戦費調達のための増税であれば、「終戦」がありますが、社会保障という「善意」に満ちた大義名分には、「持続的拡大」しかありません。 誰もが年をとり、将来において介護、医療、年金のお世話になると思えばこそ、抵抗することが難しいのです。 もちろん我が党は、セーフティネットそのものを否定しているわけではありませんが、あくまで「自助のすすめ」として「生涯現役思想」という、より積極的な考え方を打ち出し、国のあり方を根本的に変革しようとしているのです。 ◆ハイエク流の自由の哲学 膨張する社会保障費については、過剰部分を見極め、カットしていくことは不可欠ですが、他方において中長期的な視点の抜本策が必要です。 つまり、増税から減税路線へ転換し、徹底的なる経済成長路線に舵を切ることで、社会保障の原資たるGDPを増やすとともに、現役世代を増やすべく積極的な人口増加策を講ずることです。 『隷属への道』でハイエクは、「私有財産が自由の基礎である」と強調していますが、個人の経済的自由を確保することが、実は広い意味では社会保障にもつながります。 個人でできる自衛範囲を広げることになるからです。経済成長を続けることこそが、実は、社会保障を機能させるための条件でもあるのです。 なお、先般、大川隆法総裁が「ハイエク流自由の哲学を考える」と題し、ハイエクの霊言を収録されました。現在のハイエクの考えを伺い知ることができる本当に稀有なる機会です。ぜひ拝聴をお勧めいたします。 ハイエクの霊言「ハイエク流自由の哲学を考える」 (拝聴は全国各支部にて) http://info.happy-science.jp/lecture/2013/9055/ ◆まず景気回復ありき ところで、来年度の税収は、消費増税と、法人税などの自然増収で、今年度より7兆円ほど増加し、50兆円を見込んでいます。 ここで改めて特筆すべきは、年初からのアベノミクス効果により、3兆円程度の自然増収が見込まれることです。景気が回復すれば増税など必要なく、結果的には財政健全化への道筋も見えてくるのです。 しかし、足元を見れば、先日16日に発表された日銀短観でも、大企業の設備投資計画が減額修正されており、消費増税に備え、生産者も「忍耐」し始めています。 今年1年のアベノミクスを振り返ってみても、金融緩和によって円安・株高基調が続き、大企業の業績は回復したものの、中小企業は仕入れコスト高でむしろ減益しています。消費者も円安の影響で、生活必需品である小麦や燃料費も値上げされて打撃を受けました。 さらに来年からはこれに消費増税が重くのしかかります。政府は5兆円規模の経済対策を講ずるとしていますが、その効果はいかほどでしょうか。 ◆宗教政党として 我が党は、宗教政党として霊的人生観を背景とした社会保障の構築を含め、全ての人が「幸福」に生きられる社会の実現を目指し、これからも「正論」と「志」を武器に「闘魂の挑戦」を続けてまいります。 (HS政経塾 二期生 古川裕三) 経済停滞を打破するために、官民あげてフロンティアに挑戦しよう 2013.12.20 ◆FRBが量的緩和縮小、ダウ平均は最高値に アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小を決定しました。 FRBは5年前のリーマンショック以降、米国債や住宅ローン関連の証券などの金融資産を買い入れる量的緩和政策と、ゼロ金利政策を実施してきました。 その結果、リーマンショック後、10%を越えていた失業率が7%にまで改善したため、金融資産を買い入れる規模を月間850億ドルから750億ドルに減らすことを決定しました。 ただし、もう一つの金融政策であるゼロ金利政策は引き続き行い、インフレ率が多少上がったとしても、失業率が6.5%を下回ったあとも継続するそうです。 この量的緩和縮小の発表を受けて、ダウ工業株平均の終値は1万6167.97ドルと最高値を更新しました。 量的緩和はリーマンショックの原因になったサブプライムローン問題を解決するための対応策であったので、縮小は「金融市場が正常に戻った」という宣言になります。 そのため、株価が上昇したのです。 ◆楽観できないアメリカ経済 ただし、FRBのバーナンキ議長が、「景気の回復はまだ完全とはとても言えず、失業率はなお高止まりしている」と発言している通り、アメリカ経済は予断を許さない状況です。 失業率は改善していますが、アメリカの労働参加率は34年ぶりの低水準にあります。労働参加率とは、就労しているか就職活動をしている現役世代の割合です。 つまり、労働参加率が減少しているのに、失業率が改善しているということは、現役世代が就労をあきらめているということなのです。 FRBがインフレ率よりも、失業率に対し神経をつかっている背景にはこのようなことがあります。 ◆景気回復には政府の力が必要 金融市場が正常に戻ったとはいえ、100%回復とは言えないのがアメリカ経済の現状です。ただ、景気回復をすべてFRBの責任にすることは酷な話です。 いくらお金が流れていたとしても、起業家が出てこなければ、新しい雇用はつくられません。そして、新しい雇用を作る鍵は、政府の経済政策、さらにいえば未来ビジョンにかかっているのです。 現在、残念ながらアメリカでは財政赤字の解決が政府の主な関心事になっており、景気回復まで頭が回っていません。 そのため、FRBが金融政策を長い間続けているのに、なかなか景気が回復しない状況が続いています。これはアメリカだけに限らず、先進各国に共通する問題です。 日本においても、日銀は金融緩和を行なっていますが、政府は経済成長戦略を掲げながら、消費税の増税を決定しています。 ◆挑戦する政府が現状を打開する 現在ある経済活動の延長線上では、経済成長が限られたものになることは目に見えています。 製造業では、OEM(ブランド力を持った企業の製品を製造すること)を手がけてきた企業が自社で販売を行おうとし、またBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の利用により、欧米ではビジネスの一部を労働力の安い発展途上国に委託するようになってきています。 基本的には現在ある商品やサービスをいかに安く提供するかというところで、競争が起きているのです。その結果、雇用は新興国に奪われやすく、賃金は低くなり、経済が縮小しやすくなっています。 個別の企業においては、新しいサービス、商品を開発することで、価格競争に陥らないようにしようと努力がなされています。こういった取り組みは、企業レベルだけでなく、国家レベルにおいても必要です。 クリントン政権時に、アメリカの膨大な財政赤字が黒字に転換しましたが、これは冷戦時にアメリカが研究・開発していた軍事技術が民生に利用され、IT産業が立ち上がったためでした。 ◆官民一体となってフロンティアを開拓しよう 幸いなことに、日本国内ではアメリカと違い多くの資金が塩漬けにされています。1600兆円の眠れる個人資産を投資してもいいと思える計画を立て、資金を集めるべきです。 メタンハイドレードやレアアースなどの海洋資源の開発、宇宙産業の育成といった項目ごとにファンドを立ち上げ、民間からも資金を募り、資金面・技術面で官民一体となってフロンティアを開拓することを、改めて提言いたします。 (HS政経塾1期生 伊藤のぞみ) 安倍内閣、この1年間の通信簿 2013.12.16 2012年の衆院選からちょうど1年が過ぎるに当たり、各メディアでは、「第2次安倍内閣への通信簿」がつけられていました。 ◆アベノミクスは成功するのか まずは、「アベノミクス」が、ユーキャンの新語・流行語大賞は受賞しなかったものの、世間を賑わせました。 日経平均株価は、野田内閣解散前2012年11月14日の8600円台半ばから、2013年12月現在、15000円超にまで回復しています。 今年の9月25日には、ニューヨーク証券取引所において、「バイ・マイ・アベノミクス(Buy My Abenomics)」の3単語を含めた演説をし、取引所のクロージング・ベルを鳴らしましたが、その姿には、第2次政権の経済政策への自信と確信が漂っていました。 ◆アベノミクスと同時に、増税も しかし、その後10月に入り、幸福実現党の13万6147名にも及ぶ署名活動や、全国各地でのデモ活動にもかかわらず、2012年6月になされた自民・公明・民主の三党合意の通り、消費税を増税する決断をしてしまいました。 景気対策として5.4兆円の補正予算案が組まれていますが、これまでの景気回復が腰折れしないかが非常に懸念されます。 この1年を見る限り、減税反対・増税志向の財務省が、アベノミクスの阻害要因になっています。 来年の1月からは、株式譲渡益(キャピタルゲイン)課税の税率が、現在の10%から、2倍の20%に引き上げられます。 また、12月6日の与党自民党の税制調査会では、国家戦略特区内の、法人税減税や固定資産税免除を含む優遇税制の来年度実施を見送ることとなりましたが、このままでは国家戦略特区法案などを柱とする成長戦略を空回りさせる可能性もあります。 もし首相の意志で、財務省等の圧力を抑え、減税路線・規制緩和路線に転じることができていたならば、その成長性が評価されて株価がさらに上がり、5番目の流行語大賞を受賞していたかもしれません。 ◆外交・国防では着々とした布石 この秋、特定秘密保護法案や日本版NSCの設置が話題となりましたが、それらも含め、これまでの日本の制度の欠陥・不足部分を補おうとしています。 特に特定秘密保護法案の衆参可決に当たっては、非常に激しい批判が朝日・毎日・東京新聞などから加えられましたが、集団的自衛権の行使容認のための憲法解釈変更の際にも、大きな国民的議論がなされるでありましょう。 国家の安全のために必要な制度変更は、これからも着々と進めてほしいものです。 また、12月14日、東京にて、日本ASEAN特別首脳会議が開かれました。 安倍外交は、キャロライン・ケネディ駐日米大使の赴任にも象徴される「日米同盟の深化」のみならず、ASEAN諸国との親密な関係構築にも評価されるところはあると思います。 首相や外相自らが足を運び、直接会談し、インフラ輸出や円借款を含む経済支援を約束することで、日本と中国を天秤にかける東南アジア諸国に、日本の存在感を示すことができたのではないでしょうか。 ASEAN諸国との親密化を進め、特に、フィリピンやベトナムなど、中国と南シナ海で領土問題を抱える国々とは、国益を共有しているので、対中共同戦線にまで高めていくべきです。 ◆日本政治の不甲斐なさを全く克服できていない しかしながら、戦後日本の不甲斐なさは克服されず、戦略的思考、勇気が欠けたままです。 まず、首相はいつ靖国神社に参拝するのでしょうか。 「首相になったら…」「終戦の日には…」「秋の例大祭には…」と言っていた安倍首相の「約束の日」は霧の先のようです。 河野談話・村山談話の見直しについても、同じことが言えます。 対日姿勢を強める中国・韓国、日中韓の関係悪化を懸念するアメリカへの配慮があるのだとは思いますが、平身低頭の外交を続けることが、先週末、ASEAN首脳陣を前にして話した「和(WA)の精神」だとするなら、間違っています。 それではASEAN諸国の期待にも応えられません。 「現在の日中関係は、第1次大戦前の欧州に似ている」というような論考も、しばしば海外メディアで書かれています(英雑誌エコノミスト11月30日版やFinancial Times 11月28日)が、「現代中国は、軍事•領土政策を見る限り、第2次大戦前のドイツに似ている」のではないかとも思われます。 空と海で、日本の領域が侵されようとしているが、今年改正された自衛隊法の条文は、アルジェリアのテロのような場合に、車両を使った輸送ができるようになっただけです。 来年は、領空侵犯や領域警備を含めた自衛隊法改正を最優先に、できるだけ早く9条を改正すべきです。 (HS政経塾3期生 森國英和) アメリカの財政議論から日本が学ぶべき教訓 2013.12.12 ◆ひとつ越えた、アメリカ積年の課題 12月10日、アメリカ財政問題を協議する超党派委員会において、今後2年間(2015年9月末まで)の予算編成の枠組みで合意に至りました。当面は、アメリカ政府機関が閉鎖(シャットダウン)することはなくなりそうです。 <合意案の主なポイント> ・裁量的経費の予算規模を約1兆ドル(103兆円)とすること。 ・歳出の強制削減を2年で約600億ドル緩和 ・年金の掛け金の引き上げ、連邦職員退職手上げの削減、空港利用料の増額 ・社会保障制度や税制の抜本改革は見送り (12/11朝日夕刊1面・12/12日経朝刊3面を参照) ちなみに、裁量的経費というのは、教育、農林水産業、軍事など、毎年の予算審議を経て歳出予算法によって割り当てられる経費のことを意味します。裁量的経費と、義務的経費(年金や公的医療保険を含める)でアメリカ連邦予算は構成されています。 今回の合意案は、あくまで裁量的経費についての合意であり、今後膨れ上がる社会保障費を含めた義務的経費(連邦予算の約6割)については、議論されておりません。 したがって今年3月から始まった歳出の強制削減も緩和されるなど、アメリカが本来意図していた財政健全化はなし崩しとなっており、アメリカの財政緊縮路線そのものに疑問を感じざるを得ません。 ◆アメリカ財政が抱えるもうひとつの課題:債務上限問題 今回の合意案で、アメリカの財政問題は一安心かといえば、残念ながらそうとは言い切れません。 懸念として残るのが、アメリカ連邦債務の上限問題です。アメリカ連邦政府はお金を借りる限度額として、16.7兆ドルと決められています。債務上限額以上に、国債を発行してお金を借りることができないのです。 既に上限額を超過しており、今は、暫定的に国債の発行が認められている状況ですが、その期限は来年2月7日です。この時までに債務上限幅を、共和党と民主党で合意する必要があります。 ここで合意しなければ、いわゆるテクニカル・デフォルトという、本来は支払う能力はあるにもかかわらず、自国の法律によって、国債を発行できず返済が滞るという状況に陥ってしまうのです。 ◆今回の合意案の背景にある、2014年中間選挙 今まで、予算案の議論における、共和党と民主党の対立の溝は大きかったにもかかわらず、なぜ今回合意に至ったのでしょうか。そこには、来年2014年に控える中間選挙が背景に挙げられます。 中間選挙とは、大統領選挙の中間にあたる年に行われる、アメリカ連邦議会選挙のことで、上院議員の3分の1、下院議員の全員を改選されます。民主党と共和党とも、ここで議席を伸ばすことで、議会の主導権を握りたいという思惑があります。 今年10月1日から16日にかけて、政府機関の閉鎖(シャットダウン)と、債務上限の引き上げを決断しないことで、アメリカ国債のデフォルト懸念を金融マーケットに広げたことは、記憶に新しいことですが、これが大きな原因となって、共和党も民主党も支持率を下げました。 アメリカ国民の議会に対する不信の高まりが挙げられます。大手調査会社ギャロップ社によると、アメリカ連邦議会に対するアメリカ国民の支持率はわずか14%と1974年からの同社による調査開始以来、最低水準となっていることからも、議会に対する厳しい風当たりを伺い知ることができます(12/12朝日朝刊12面)。 ◆日本が採るべき政策とは? FRBの予想によると、2014年のアメリカの経済成長率は3%としており、確かに経済成長はしますが、あくまで想定の範囲内です。今後、中間選挙を気にしながら、共和党と民主党は妥協案にとどまり、財政緊縮路線の流れの中、大胆な財政政策を打ち出しにくいことからも、今後数年は大胆な成長戦略をアメリカが表明する可能性は低いと考えられます。 日本が置かれた環境は、2020年の東京オリンピックをひとつの節目とするなど、さらなる好景気を迎えられる環境にあることは間違いありません。しかし、残念ながら、日本はこの状況を活かしているとは言えません。 中小企業の景況感が未だ回復していないのです。中小企業は420万社あり、日本企業の99.7%を占め、従業者数の7割を雇用しています。円安で回復しつつある製造業の景況感を、中小企業と大企業で比較しても、20ポイント近く離れており、中小企業の景況感は回復傾向にありつつもまだマイナスの状況が続いています。 回復途上にもかかわらず、中小企業向けの融資100%保証の対象を2014年から縮小する方針も出されている状況で(2013/12/12 日経朝刊5面)、さらに来年4月1日には、消費税が8%ともなります。原発再稼動が遅れれば、エネルギーコストものしかかります。 さらに、軽減税率を消費税10%に導入することを出して、消費増税10%を既定路線化しようという動きも出てきています。まるで、リハビリ中のけが人に、重い荷物を持たせる政策がおこなわれているのです。 今回のアメリカの事例からも分かるように、緊縮財政路線では経済は持ちません。経済成長による財政健全化へと考え方を切り替える必要があります。今、日本がそれをできれば、他国の成長をも牽引できる可能性も十分にあるのです。 アメリカで起きている財政問題を教訓として、日本は増税ではなく、経済成長路線へ転換する絶好のタイミングを活かすべきです。 (HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) すべてを表示する « Previous 1 … 59 60 61 62 63 … 78 Next »