Home/ 経済 経済 中国発コロナ、イタリア・アメリカでは別のウイルス?(釈量子)【後編】 2020.04.16 https://youtu.be/TD65LZ3Rwvw 幸福実現党党首 釈量子 ◆人工的に作られたウイルスである有力な証拠とは? ウイルスが人工的に作られたという指摘は、安全保障分野の学者が多かったのですが、ウイルスの専門家からも相次ぐようになりました。 中国出身のウイルス学者・董宇紅(トウ・ウコウ)氏は、 「ウイルスは、ヒトの細胞の「受容体」と呼ばれるタンパク質と結合して人に寄生するが、コロナウイルスのこの表面の「スパイク・タンパク質」と呼ばれるものは、ゲノム配列だけが自然のウイルスと70%しか一致せず、特に中間の4つの塩基配列が不自然だと言われている。」 「中国の、SARS遺伝子ワクチンタンパク質を生成した実験室が人工的に開発した「pShuttle-SN」というタンパク質に酷似していることを突き止めた。」と指摘しています。 以上を元にすれば、COVID-19は、中国の実験室によって、意図的に作られたウイルスである可能性が非常に高いのです。 ◆新型コロナウイルス製造の張本人 また中国中央電視台は「人民解放軍の陳薇(チェン・ウェイ)少将がコロナウイルスのワクチンを開発し、3月16日から臨床実験を開始した」と発表しました。 前述の通り、陳薇(チェン・ウェイ)少将は、中国の生物兵器研究の第一人者で、かつて武漢病毒研究所に在籍して炭疽菌などの研究をし、SARSのワクチンの開発を成功させており、今回「新型コロナウイルス製造の張本人」といううわさが流れたほどの人物です。 ワクチンというのは、そのウイルスを作った研究所が一番開発しやすいものであることから、この速さで有効なワクチンを開発できているということは、武漢病毒研究所が新型コロナウイルスの発生源だと言えるのではないでしょうか。 コウモリなどの野生生物は、本来、たくさんのウイルスを持っていますが、通常は、人間に簡単にうつるということではありません。ここまで致死性が高く伝染力の強いウイルスが、自然界から突然発生したと考える方が不自然です。 中国のウイルスが生物兵器であれば、国によって致死率が違うことについての説明がつきます。 自然発生したウイルスの場合、通常は感染が拡大するにつれて、人が免疫を獲得するなどして弱毒化していくのに対して、今回の場合、特定の国で強毒化しています。 ◆中国は本当に立ち直ったのか? このように考えると、中国以外の国々にコロナウイルスが広がり始めた時、中国が早期に、入国規制を設けた理由の辻褄も合います。 今、中国は、「真っ先に立ち直っている」というイメージづくりをしていますが、感染者数を大変少ないものに調整したことが虚偽ではないかと国際的に批判され、4月1日からは「無症状患者を公表していなかった」という姿勢を示しています。 一方、中国は3月25日から湖北省と他省との封鎖を一部解除し、3月28日からは武漢の封鎖を一部解除し、対外的には4月8日から全面的解除に踏み切りました。 更に、この対応からは、単なる「中国は立ち直った」というパフォーマンス以外のもう一つの可能性が見えてきます。 それは、中国国内ではもう、陳薇(チェン・ウェイ)少将らの作ったワクチンがもうすでに完成して使用可能になっているのではないか、という可能性です。 3月10日に、習近平主席がマスクをせずに武漢入りしたのは、強がりやパフォーマンスではなく、ウイルスが自国でコントロールできるので、余裕になってきていると言えるのではないでしょうか。 ◆欧州への支援から透けて見える中国の魂胆 恐らく中国は、当面はワクチン製造の事実を隠し続け、諸外国の感染被害が拡大するままに留め、様々な支援を行うことで優位に立つシナリオを描いているのではないでしょうか。 実際に、中国は、イタリアに医療専門チームと医療品30トンを送り、フランスにもマスク10億枚を送っています。また、ヨーロッパの他の国々やアメリカからも、マスクや人工呼吸器等を大量に受注しています。 そんな中、習近平主席は、イタリアのコンテ首相に対して、中国から欧州にわたる「健康シルクロード」の構想を発表したことが、3月24日に報道されています。 イタリアと言えば、ローマ・カトリックの総本山、バチカン市国がありますが、今回のコロナウイルス騒動で、欧米の先進国が軒並み国内問題に追われ、経済的に疲弊する中、中国が「支援」をすることによって、欧米のキリスト教圏に対して、支配していこうとしている意図も感じられます。 ◆トランプ政権は中国の巨悪を決して許さない! 米国は目下、猛烈な勢いでウイルスの解析とワクチン等の製造に取り組んでいます。 トランプ大統領は米国の国家安全保障局(NSA)が、中国発のコロナウイルスの情報収集をしているという報道もありました。CIAも同様に動いていると推測できます。 米国ではこれから4月中に、10万人~24万人もの死者が出ると言われており、もし本当に生物兵器であったことが明らかになった場合、戦争になる可能性すらあると言えます。 日本の世論は、このウイルスは天然由来という前提で動き、ウイルスの蔓延を「天災」のように仕方がないものとして受け止める見方が大多数です。 しかし、これが中国の生物兵器ということが明らかになれば、日本は、これまで通り、中国に対して「友愛外交」を続けるわけにはいきませんし、これほどの「巨悪」は未だかつて見たことがありません。 まだ不明なことが多く、世界中で様々な調査・研究が進行中ですが、中国の意図を決して甘く見ない方がいいと思います。 成長戦略ナレッジ(4)「経済対策と持つべき財政的視点について」 2020.04.14 http://hrp-newsfile.jp/2020/3859/ (4月12日) 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 今月7日、新型コロナ感染症の感染拡大を受けて、政府は東京都などを対象に緊急事態を宣言しました。日本経済は今後一層、深刻度を増すことは否定できない状況にあり、国として万全の経済対策を実施すべきです。経済対策のあり方と持つべき財政的視点について、成長戦略部会としての考えを、下記の通りまとめております。 ◎概要 ・新型コロナウイルス感染症の感染拡大について、事態収拾まで長期に及ぶとの見方があります。政府として、的確な政策実施により、感染症の影響による経済損失を埋め合せるほか、これを“ジャパン・ファースト”で不確実性に耐える強靭な経済を作り、将来日本の明るい未来を到来させる好機と捉えるべきです。 ・コロナショックによる影響で長期のデフレスパイラルに陥ることがないよう、日本はまずもって、不安を払拭するに値する的確な政策を実施することが必要です。公共財としての性質を持つ公衆衛生を保持することは国の重要な役割であり、現在直面する状況に鑑み、万全な医療体制の確保と併せて、それらに対する財政投入は基本的には惜しむべきでないと考えます。 ・ 支援を要する人には、必要な分だけの迅速な支援を行い万全のセーフティネットを整備すべきなのは言うまでもありません。しかし、債務残高が1,100兆円超にのぼるわが国の財政状況にあって、歳出を無尽蔵に増加させる余力は残されていないのも事実です。歳出のあり方として、将来的な増税を余儀なくされるバラマキ一辺倒に陥ることなく、中小をはじめとした企業、事業者に対する支援強化策や、中長期的に日本経済の成長に資する分野に対し大胆投資を重点的に実施すべきです。 ・尚、政府は、基礎的財政収支(プライマリーバランス, PB)を2025年度に黒字化することを目標としていますが、危機的状況に対応するため一時的に歳出を拡大させることはやむをえない状況でもあるため、PBの早期黒字化は見直すべきと考えます。 ・そのほか、各論点についての基本的な考え方は、次の通りとなります。 ◯雇用の確保 ・現在、日本は消費増税とコロナショックによるダブルパンチに直面している状況ですが、まずは最低限のセーフティネットを整備し、企業や事業者への融資等によりまずもって雇用を確保することが重要となります。 ・仮に連鎖的な企業倒産等生じれば、今後一層、失業が大量に発生しかねません。コロナショックにより経営危機に直面する、中小など各企業の事業継続力の強化に向けては、迅速性を持った資金繰り支援を行うべきであり、政府系金融機関などによる実質的な無利子・無担保融資策等についても、状況に応じて柔軟に制度の拡充を進めるべきです。このほか、消費税や法人税をはじめとした納税の猶予措置拡大なども行うべきと考えます。 ◯消費の底上げ ・消費の大きな落ち込みを避けるためには、上記の通り雇用確保策を万全に進めるなど、社会に広がる経済的な不安を払拭するための確かな対策が必要となります。 ・また、コロナ収束後における景気のV字回復策として今後、期間限定のクーポン券などが配布されるとも言われていますが、バラマキ策の一つであることに変わりはなく、特定の業界を利して公平性を大きく欠如しかねません。 ・単なるバラマキは将来的な増税を想起させ、消費刺激策としては得策ではありません。コロナショックによる不安を払拭するに値する政策を実施するとともに、この際、将来的に日本経済の成長に資する分野に対する大胆投資を実行することが肝要です。 ・消費刺激策としては、インパクトが強く、すべての家計が恩恵を受けられる消費減税が望ましく、その税率は、安倍政権で2014年4月に実施された増税前の5%とすべきです。 ◯生産拠点の国内回帰 ・感染症拡大による多大な影響を受けているのが、製造業をはじめとした国内企業です。今回、中国からの部品供給が滞るなど、国境をまたぐサプライチェーンが寸断され、生産活動に支障をきたす事態に直面しています。 ・これまで、生産活動の面で中国に依存してきた各企業が、中国リスクを踏まえて体制を見直し、生産拠点の国内回帰を推し進められるよう、政府として強力に後押しすべきです。こうした動きは日本国内で新たな雇用を生み出し、経済成長や税収増に寄与することになります。 ・したがって、生産拠点を国内に移す際の設備投資については、大胆な投資促進策を実施すべきと考えます。 ◯成長分野への大胆投資 ・それ以外にも、経済対策としての歳出は、将来の税収増をもたらす成長分野に対して振り向けられるべきであり、製造業生産拠点の地方への誘致を進めることも念頭に、リニア新幹線網整備や高速道路網、自動運転車の普及促進などに向けたインフラ整備を進めるほか、経済上の国益確保の観点から、農業生産力向上のほか、次世代電力供給網の整備などエネルギー安全保障の拡大に向けた、大胆投資を実行すべきです。 経済対策108兆円解説――実は10.6兆円?【後編】 2020.04.13 https://youtu.be/NMD0_MVlH-s (4月8日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆今回の緊急経済対策の良い点 今回の緊急経済対策の良い点も見ていきたいと思います。 一つ目は、経済対策として「雇用調整助成金」の助成率を引き上げたことです。 「雇用調整助成金」とは、経済的な困難が訪れた時に従業員を解雇しないで雇用を保ってもらうように事業主に給付する助成金のことです。 賛否両論もありますが、ただこれがないと雇用維持するのは非常に難しく現実的には必要だと思います。 今回は、中小企業に対しては3分の2を助成していたものを5分の4にあげ、大企業は2分の1だったものを3分の2にあげます。 1人も解雇しないという企業であれば、さらにもっと助成率があがります。 また今までは正社員だけが対象でしたが、アルバイトや雇用保険に入っていない非正規も対象に含まれます。 支給限度日数はコロナ問題が起きている4月から6月の3ヶ月分が追加されることになりました。かなり緊急な経済対策になっていると思います。 さらに、二つ目は「規制緩和」です。その一つが「オンライン診療の初診解禁」です。 今まで日本医師会からの反対があり、初診でお医者さんがオンラインで診療することが許されなかったのです。 やっとこれが解禁になりました。こういう規制緩和は良いと思います。 ◆緊急経済政策のあるべき姿 最後に緊急経済政策のあるべき姿について述べたいと思います。 安倍総理は経済政策108兆円と言いますが、これは私の厳密な見方でいうと10分の1です。 本来、緊急経済対策ですから、本当に雇用を守るためのお金で構成されるべきです。 雇用を守るために使われるお金をGDPの少なくとも5%。できたら10%にすべきだということです。そうすると25兆円から50兆円ぐらいになると思います。 今回の経済対策は、補正予算が16.8兆円でした。その補正予算の中には緊急ではないものが結構入っているのです。 そのうち雇用維持と事業継続に関係するもので10.6兆円です。これが厳密な意味で緊急経済対策に使われるお金です。 つまり、雇用維持と事業継続に関係するものは、108兆円のうち10.6兆円ですから10分の1です。 この16.8兆円の補正予算の中に含まれているものとして、例えばワクチンなどの医療対策費が入っています。 医療対策は重要ですが、アメリカもヨーロッパも緊急経済対策と医療対策は分けています。 それを日本はなぜか経済対策の中に入れ、それが1.8兆円あります。 それからコロナショックが収束した後に、 V 字回復するための経済対策費が1.8兆円も入っています。これは緊急ではありません。 「その分をなぜ今出さないのだ」と苦しんでいる経営者は怒ると思います。 それらを全部入れて補正予算が16.8兆円なのです。本当は10.6兆円です。 10.6兆円で換算すると日本「真水」は GDPのわずか2%です。アメリカは220兆円分が100%「真水」でGDP の10%です。 つまり安倍総理は日本のGDP の20%って言っていますが、厳密に見ると20%じゃなくて2%です。 そんな中で、マスクを二枚だとか、給付金は限られた人だけで、国民の中には絶望感が広がっています。 twitter などSNSの中では「絶望感」がトレンドワードになったくらいです。 日本の国民はコロナウイルスに絶望しているのではなく、政府に絶望しているのです。 緊急経済対策108兆円は、世界のなかで最高級と言いたいのはわかりますが、それで問題は解決しません。問題は中身です。 今にも倒産しそうなところに対して「給付金」を出す。条件を緩めて「緊急融資」をする。そしてやっぱり減税を加えるべきだと思います。 緊急で1年間消費税を0%にするとしたら、20兆円分の消費税の部分を今回の補正予算の中に加えれば結構なものになります。 それぐらいないとこの危機を乗り越えるだけの経済対策にならないと思うのです。 さらに、オンライン診療がありましたが規制緩和をこういう時こそ思い切ってやるべきです。 中国発のコロナウイルスによる経済危機が起きている今だからこそ、「減税」や「規制緩和」を加えた上で理想的な緊急経済対策を望みます。 経済対策108兆円解説――実は10.6兆円?【前編】 2020.04.12 https://youtu.be/NMD0_MVlH-s (4月8日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆安倍総理が打ち出した「緊急経済対策108兆円」 安倍総理が、今回のコロナウイルスの大変な被害の中で経済対策を打ち出しました。それが「緊急経済対策108兆円」です。 「108兆円」と大きく出してきたので結構びっくりしたのですが、中身を見て考え方が変わりました。 結論から言うと、今回の「緊急経済対策108兆円」は嘘とは言いませんが、実態はそうではありません。私の個人的な見方で言うと「緊急経済対策」は108兆円の10分の1です。 なお、108兆円の経済対策の中にある「30万円の現金給付」については、前の動画の中で解説しています。ぜひ、こちらもチェックしてみてください。 30万給付解説――本当に大切なのは雇用を守ること https://youtu.be/aRPJLGxldFY (4月7日収録 ※4月10日に政府は給付金の新たな基準を発表していますが、考え方は同じです) 今回は、「緊急経済対策108兆円」の全体像について、以下の順で解説いたします。 (1)「緊急経済対策108兆円」のカラクリ (2)今回の緊急経済対策の良い点 (3)緊急経済対策のあるべき姿 ◆緊急経済対策108兆円のカラクリ 安倍総理は、今回の緊急経済対策「事業規模108兆円」は日本のGDP の20%にあたり世界的に最大級の予算だと誇らしげに言われていました。 アメリカやヨーロッパの緊急経済対策は、だいたいGDPの10%で、これは大きいと話題になっています。ですから日本がGDP の20%だとしたら本当にすごいことですが。 安倍総理が言う「GDP の20%」を嘘だとは言いませんが、ただ「事業規模が108兆円」の「事業規模」という言葉をしっかり見てみたいと思います。 まず、世界の国にはない日本独自の言い方で「真水」という言葉があります。 「事業規模108兆円」はわかりました。「では、真水はいくらですか」と必ずなるわけです。 「真水」には、いろんな定義がありますが、大きな意味で言うと、「国の財政出動、財政投融資」と「地方自治体の資金」がいわゆる「真水」と言われます。 しかし、安倍総理が「事業規模108兆円」と言っているのは、「国」や「自治体」が出すお金だけでなく、「民間企業の資金」や「金融機関の融資」含めて「事業規模」と言っています。 ちなみに、アメリカの「緊急救済法220兆円」は、大きく「補助金・給付金」と「融資」の2つに分かれていますが、これを日本の「真水」にあてはめるとざっくり言って「真水」は100%です。 では、日本の「事業規模108兆円」の「真水」はどのくらいでしょうか。 (1)一般会計という国家予算を補充する「補正予算」は、16.8兆円です。 (2)そこに「財政投融資」などの財政支出の部分を含めると、39兆円になります。 (3)さらに民間企業や民間の金融機関のお金までを含めて事業規模が108兆円になります。 「真水」は厳密にどこに当たるかというと(1)「補正予算」と(2)「財政支出」のところです。 財政支出の39兆円までを「真水」と定義する人もいます。 菅官房長官は記者会見で、記者からの「真水はいくらですか」と質問されて、財政支出の39兆円分」と言っていました。しかし、厳密に言えばそれは融資です。 本当の意味で政府としてお金を出しているのは、補正予算であり、「真水」は16.8兆円と言えます。 なぜ「真水」とか「事業規模」とか紛らわしい言葉を使い分けているのでしょうか。それは日本の独特のもので、「国民に経済政策を大きく見せる手法」だからです。 「補正予算」だけだったらわずか16.8兆円ですが、「事業規模」と言ったら108兆円に膨れ上がりPR効果があります。 これを国民は知っておいた方がいいと思います。 ここまでが「108兆円のカラクリ」です。 (つづく) 30万給付解説――本当に大切なのは雇用を守ること【後編】 2020.04.11 https://youtu.be/aRPJLGxldFY (4月の7日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆30万円給付の基準――世帯主の収入 前編で、一世帯当たり30万円給付の以下2つの条件を説明しました。 (1)「住民税非課税世帯」 (2)「月収半減以下で、かつ住民税の非課税レベルの2倍以下」 さらに、この給付金案の根本的な問題としてある基準が「世帯主の収入」です。 夫婦共働きの場合は世帯収入があるはずですが、あくまでも世帯主の収入だけを基準にしています。 例えば、奥さんが正規の仕事で収入が保障されていたとしても、世帯主のご主人が非正規やバイトで収入が低く、2つの条件を満たしていれば、給付金の対象になるという不思議なものです。 いったい一世帯あたり30万円給付の根本にある考え方が全くわかりません。 ◆アメリカの緊急支援策 ここで比較したいものがアメリカの緊急支援策です。 トランプ政権と米議会は、緊急で総額220兆円という超大型の緊急援助法案を3月末に決めました。アメリカの GDP10%規模です。 総額220兆円の中に日本と同じような給付金があります。その給付金は、世帯ではなく1人当たり1200ドルです。12万円か13万円くらいです。 夫婦の場合でしたら2400ドル、24万円か25万円ということになります。つまり一世帯あたりにすると、24万円か25万円です。 日本の一世帯あたり30万円給付より少ないですが、日本政府はこれを意識したのでしょう。アメリカの経済政策よりも日本の方が上だということを示したかったのだろうと思うのです。 ただ条件が日本とは全然違います。 給付の条件は、年収が7万5000ドル以下です。例えば一人だけの年収で800万円くらい、それから夫婦二人で共働きの場合は、年収は2倍ですが、それでも対象になります。 年収800万円のいわゆる中間層がみんな対象になるわけです。日本とは全く対象が違います。 さらに子供がいたら子供1人当たり500ドル。約5万円が加算されます。 この支給は、2月27日に法案が決まり、3週間以内に対象者全員に行うことになっています。日本とは全然スピード感が違います。 日本は今までいろいろと対策案を言っていながら、4月の後半までかかり、実際に支給は5月中旬くらいだと言っています。日本は全く緊急になっていません。 さらに、アメリカはこのウィルスの危機がその後6週間以上続いたら2回目の支給を同額で行うということも入っています。 しかし給付金があっても、会社から解雇されてしまったら給料がなくなってしまいます。そういう人たちはすぐに失業保険の申請をします。 この失業保険に関しても、今回の緊急支援法案の中では、週600ドルを追加で上乗せしています。月に2400ドルで約25万円ぐらいです。これが今の失業保険にプラスされるわけです。 そのようにアメリカは徹底的に中間層以下の生活を守ろうとしている考えが良く見えます。 ◆日本政府の給付金の考え方 2009年の時の定額給付金もそうですけども、日本政府が給付金の考え方は、辛辣な言い方ですが「国民の足元を見てニンジンや飴で釣れる」と思っているような考え方です。 日本のような1回限りの中途半端な給付金では、多くの人々は「生活保護」の方がいいと思うでしょう。 アメリカの支援策であれば、職を失った人たちは「失業保険」の方に行きます。 失業保険と生活保護はセーフティネットという意味では似ていますが、日本の支援策では多くの人は仕事ができなくなって、「生活保護」の方に走ります。 言わば福祉国家の方向に向くしかないと思います。 ◆給付金で大切なことは、「雇用を守ること」 現金給付も含めて、どういう考え方で政治をやるべきなのか。ここで大事な基本的な考え方があると思います。 二宮尊徳の「勤勉の精神」、日本的な「資本主義精神」です。 日本の国家のリーダーたるものは、国民に勤勉の精神、勤労の意欲を起こさせることが一番大事なことだと思います。 この国の国民が、この勤勉の精神、勤労の意欲を失ってしまったら国が滅びます。 国が滅びる方向に持っていくようなリーダーシップは間違った政治です。 そのために、今回の30万円給付で大切なことは、「雇用を守ること」です。 そういう意味で経済の原理には倫理が必要です。この倫理が経済政策の中にいなければ国が滅んでしまいます。 今まさに、日本はコロナによって滅ぼされるのではなくて、間違って政治のリーダーシップによって滅ぼされるかもしれない危機の中にあります。 30万給付解説――本当に大切なのは雇用を守ること【前編】 2020.04.10 https://youtu.be/aRPJLGxldFY (4月の7日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆108兆円の緊急経済対策案 4月6日に108兆円の緊急経済対策案の概要が発表されました。 108兆円の緊急経済対策ですが、これが実に日本のGDP の2割に当たると言われています。 アメリカ、イギリス、ドイツも同じように緊急経済対策をすでに決めていますが、だいたい GDPの1割です。 日本は2割で世界的に見ても最大級と安倍総理は言っていました。これについて私は異論があります。この点については次回、解説します。 今回は、とくに注目されている一世帯あたり30万円の現金給付です。この現金給付を解説したうえで、幸福実現党的な考え方についてお話したいと思います。 ◆2009年の定額給付金の問題点 ここで問題にしたいのは、「日本政府の給付金は、しっかりとした考え方があってやっているのか」というところです。 日本政府は過去にも給付金を何度かやっています。 思い出されるのはリーマンショックの後、2009年の定額給付金というものです。 これは自民党から民主党に政権が交代する直前の麻生政権下で、1人当たり1万2000円、総額2兆円規模でした。 この時、定額給付金の対象になったのは日本人だけでなく、なんと在日外国人も対象でした。 私はアメリカとイギリスに外国人として労働ビザを取って住んでいたことがありますが、その時はアメリカやイギリスに税金を払っていました。 税金は払っていましたが、経済対策でアメリカやイギリスが外国人にお金寄付してくれなんて全くあり得ません。 また、反社会的勢力にも給付されたり、別居している夫婦で、ご主人の方にお金が入って裁判になっていたり、定額給付金はいろんなケースがあり問題の多い政策です。 2009年の定額給付金は、総額2兆円規模だったわけですが、結果はどうだったのでしょうか。 麻生総理は、「2兆円を使ってください」と言っていましたが、実際に商品に使われたのは、僅か2割です。GDPに対する貢献度はプラス0.1%から0.2%でした。 ほとんど GDP を押し上げる効果はなかったわけです。 ◆30万円給付の2つの条件 今回は一世帯あたり30万円ですが、今回の問題は対象者がだれか、ものすごく複雑です。 低所得の人が対象者のように言われていますが、そうではありません。 給付条件には2つあります。 一つ目の条件は、「住民税非課税世帯」です。 国に納める所得税ではなく、住民税(地方税)が非課税になるような年収の低い世帯が対象です。住民税ですから、地方によって税金の金額は違います。 例えば、東京や大阪の人口の多いところの「住民税非課税世帯」の基準は次のようになります。 ・単身者の世帯で年収が100万円以下 ・夫婦のみで156万円以下 ・夫婦に子ども1人で205万7千円以下 ・夫婦に子供2人で255万7千円以下 以上の住民税非課税世帯は、住民税がかかりません。 しかし、この年収が基準以下の世帯に30万円を給付するという意味ではありません。 年収100万円は、1か月あたり約8万3000円ですが、給付の条件は、今年の2月から6月の間でどれか1か月が月収8万3000円以下になったら対象になるということです。 ということは、年収300万円の人であったとしても、2月から6月までの間でどれか1カ月だけで8万3000円以下だったら給付金の対象になります。 ものすごく複雑です。 もう一つの対象条件は、「月収半減以下で、かつ住民税の非課税レベルの2倍以下」です。 例えば、月収が50万円の場合、収入が減って月30万円になったとします。 でも、これでは月収が半分になってないので給付の対象外です。 しかし、月収が50万円で25万円だったとしたら、「月収が半減」しています。かつ、住んでいる市町村の「住民税の非課税レベルの2倍以下」の条件に入っていたら、この場合は対象になります。 月収が50万円で30万円だったら給付対象外です。家賃光熱費、子供の学費も払うのが大変でしょう。 しかし、50万円の月収が半分の25万円以下で住民税非課税レベルの2倍以下という複雑な条件に入っていたら30万円の給付金がもらえます。 この給付条件は、どういう発想なのかよくわかりません。 (つづく) 政府は108兆円の緊急コロナ経済対策案――新発想で中小企業を守れ【後編】 2020.04.08 https://youtu.be/3C7Ri9r7jZY (4月3日収録) 前半の続きで「経済対策の提言」の3つ目と4つ目を紹介します。 幸福実現党外務局長 及川幸久 (3)中小企業の既往債務の返済延期、一時凍結 中小企業は、すでにお金を借りており、売上が立たない中でも返済は毎月あるわけです。これが中小企業の経営者の方々の一番の悩みだと思います。 この返済の延期、あるいは一時凍結。これが中小企業の経営者の方々が一番求めているところではないでしょうか。 これは基本的にはやったほうがいいと思いますが、ただ慎重に考えるべきところがあります。 過去に「中小企業金融円滑法」というモラトリアム法とかと言われる中小企業を支援する法律がありました。 リーマンショックの翌2009年に民主党政権下で成立していますが、銀行が中小企業の貸し出しの条件の変更にできるだけ応じなさい」という特別措置法でした。 つまり、すでに中小企業の借金をリスケジュールしてあげる。金利を下げるとか、返済を一時凍結してあげることです。これは2013年に終了しています。 この法案は確かに当時必要だったかもしれませんが副作用もあるのです。それは、いわゆるゾンビ企業が増加するということです。 本来だったらもう経営が成り立たず倒産せざるを得ない企業が、借金返済を延期し倒産しない。これは決して経済全体にとって良いことではありません。 当時、この金融円滑法に基づいて、リスケを申し出た中小企業の約90%が受け入れられています。 リスケを勝ち取るために企業の粉飾というのが横行するわけです。これが大きな副作用です。 そうなると困るのは銀行です。銀行の収益は悪化して銀行が倒産する可能性が出てきます。銀行不況になりかねません。 リーマンショックがあったときのその後の副作用を教訓として考えると、貸す側の銀行は与信判断を厳しくやるべきだと思います。 銀行は、一定の粉飾をきっちり見抜く「与信判断」をきっちりやらなければいけません。 もうひとつは借りる側の経営者も銀行に対して「事業計画書」を新たに出さなければいけません。 「事業計画書」をあとで出すことになっていましたが、これが前回は出してなかったところがたくさんあったわけです。 「事業計画書」をしっかり出すというのは条件として入るべきと思います。そうしないと銀行と経営者、お互いがよくないと思います。 (4)海外に出た日本企業を日本に帰す政策 なぜ海外に出た日本企業を帰す政策が必要かというと、新型コロナウイルスが収束した後に、経済は反転攻勢に出なければいけないからです。 ウイルスが収束したからと言って、すぐに V字回復とはなかなかいきません。 何が必要かというと、もともとこの日本経済にあった根本的な問題解決が必要だと思います。特に中小企業にとっての根本的な問題解決は「日本国内のビジネス量を増やす」ことです。 根本的には仕事がなかったら、いくら資金資金繰りなどの支援をしたとしても問題は解決しません。 そのため、日本でものをつくってくれる企業には特別の減税をする、特別の措置をするということによって海外から、特に中国から日本に帰ってくるように促す政策を今から検討すべきだと思います。 以上、今回は改めて中国ウイルスに対して、中小企業の雇用を守るという観点でいくつか提案をさせていただきました。 政府は108兆円のコロナ緊急経済対策案――新発想で中小企業を守れ【前編】 2020.04.07 https://youtu.be/3C7Ri9r7jZY (4月3日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※4月6日、政府は108兆円(GDPの約2割)の緊急経済対策案を発表しました。今回は、4月3日収録した内容の要約したものです。 ◆コロナ経済対策は新発想で 今、中国ウイルス、新型コロナウイルスの対策で世界中の政府がいろんな案を出し合っているところです。 日本政府も今頑張っているところですが、今回は「緊急提言:経済対策は新発想で中小企業を守れ」のパート2となります。 緊急提言:経済対策は新発想で中小企業を守れ https://www.youtube.com/watch?v=0xv6VgviiSM&t=16s (3月28日収録) 基本的に幸福実現党は減税政党です。特に消費減税をずいぶん前から言い続けています。 コロナウイルスの問題で日本経済が大変な状態になっている今こそ、消費税を5%に減税、場合によっては、消費税0%を訴えてきました。 しかし、それを日本政府はやらないようです。日本政府が消費減税をやらないならば、それ以外の対策を「新しい発想」で提案したいと思います。 ◆緊急経済対策 今日の内容は4点あります (1)雇用を守る減税 まず、雇用を守る減税。特に「タックスクレジット」です。日本語では、「税額控除」という言い方もされます。 今、日本政府では、企業の納税、法人税などの延期、それから消費税の延期や固定資産税の大幅な減免がすでに検討されています。 これについては、ある種広い意味での減税にあたるのかもしれないので、個人的に非常に賛成です。 (2)中小企業への給付金 アメリカのトランプ政権と連邦議会は3月の末に日本円で220兆円規模(2兆ドル)規模の超大型の緊急援助法を決めました。 これは、アメリカの GDPの10%にあたる、とてつもない大型援助法案です。 220兆円うち110兆円にあたるものが企業を支援する資金です。何としてでも雇用を守るというアメリカ政界の思いが表れています。 そのうち企業の給与、家賃、光熱費にあたる部分は実質給付金です。かなりの部分が特に中小企業に向けての給付になっています。 特徴的なのが、従業員を解雇しないで頑張っている企業であれば、従業員の社会保険料も含めて給与の50%にあたる部分を税額控除するというものです。3カ月で約1人当たり1万ドルまでタックスクレジットする内容です。 こういう形の減税を日本でも検討できるのではないかと思います。 ドイツでは3月末に14兆円規模の補正予算を決めました。その中で中小企業への給付金は、なんと5兆8000億円分です。これは融資でありません。 イギリスも史上初めて政府が労働者の賃金を肩代わりします。 苦しい中で従業員を解雇しない企業には、従業員の給料の最高80%まで、最大月33万円相当まで、さらに2月まで遡って政府が払うというものです。 すでに解雇した従業員を再雇用した分まで政府が肩代わりをします。これも新発想です。 それ以外にオランダとか欧州の他の国々も同じように、貸付だけではなくて給付というふうにしているのです。 こうした「新たな支援策」を日本も導入を考えた方がいいのではないかと考えます。 小さな政府ということを主張している幸福実現党の立場として、企業に対する給付金はある意味、大きな政府の発想です。 それが正しいのかどうなのかは非常に微妙なところだと思いますが、ただこの緊急事態の中で期間限定で検討する価値はあると思います。 (つづく) 高輪ゲートウェイ駅にかけられた日本経済再生の命運 2020.04.04 https://youtu.be/KwW0WH_eMM4 (収録3月10日) 幸福実現党党首 釈量子 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆今、大注目の品川地域 3月14日、山手線に30番目の新駅として「高輪ゲートウェイ」駅が開業しました。現在の品川駅と田町駅の間にできる駅です。 今回の新駅開業は、「東京全体の再開発」とも言えるような、大きな経済効果を生むプロジェクトとなる可能性があります。 品川地域は、東京の中で、これから最も発展する可能性が高い地域と言われています。その理由は、交通の利便性が抜群によいことです。 品川は、東海道新幹線の停車駅であり、名古屋や大阪方面にスムーズにアクセスができます。リニア中央新幹線の駅は、現在のJR品川駅港南口あたりにできます。 さらに品川は、京急線を通して羽田空港に直結しており、空のアクセスも非常に良い地域です。また東京湾に面しており、海へのアクセスも期待できます。 中部・関西エリアへの抜群のアクセス、空にも、海にも門戸を開き、海外へのアクセスがよい、という大変有望な土地が品川エリアです。 ◆都市再開発の可能性 さて、この高輪ゲートウェイ駅周辺では、一体どのような再開発プロジェクトが進行中なのでしょうか。 第一期工事として、2024年の完成を目指し、高輪ゲートウェイ駅の西側(泉岳寺駅側)に、30階~45階建てとなる4棟の巨大超高層ビルと、1棟の大型低層ビルの、計5棟の建設が計画されています。 第二期は、2030年以降の完成を目指し、駅の東側に位置する車両基地跡地エリアの開発プロジェクトが予定されております。 こうしたダイナミックな開発を可能としたのは、規制緩和です。 1990年初頭のバブル崩壊後、都心部の地価は下がり、人口が都心に回帰するようになりました。金利も安く、地価も安いという状況で、都心の再開発の機運が高まりました。 そこで、2000年代に小泉純一郎内閣が民間事業者の力を活用した都市開発を進めました。その象徴的な法律が、2002年に成立した「都市再生特別措置法」です。 この法律にもとづいて、「都市再生緊急整備地域」に定められると、容積率や高さ制限といった建築規制が大幅に緩和されるほか、都市再生事業者からの都市計画提案について、行政が6か月以内に応答するよう義務付けられました。 それまで、開発申請は2年8か月もかかっていたので、この期間短縮は画期的なことといえます。 こうした規制緩和によって、東京の「丸の内エリア」「六本木エリア」「汐留エリア」などの再開発が一気に進みました。 今回の「高輪ゲートウェイ駅」周辺の土地開発、街づくり事業も、この「都市再生特別措置法」を活用して行われています。 ◆さらなる規制緩和の必要性 一方で、高輪ゲートウェイ駅の東側、国道15号線を挟んだ道路の反対側には、まだまだ低層の建物が並んでいます。 こうした地域の開発が進まないのは、土地利用に対するさまざまなルールがあることが一因です。 まず、「用途地域」の制限があります。用途地域とは、「都市計画法」によるもので、地域によって建築できる建物の種類や用途が決められています。 大きく分けると、住居系、商業系、工業系の3種類があり、おおむね5年に1度、全国一斉に見直されることになっています。 もちろん、学校や住居の近くに工場があれば、住みにくさや環境の問題もあります。好き勝手に建物を建てれば、街の統一感や美観が損なわれるという問題も生じます。 ただ、こうした規制は必ずしも合理的といえないこともあります。 高輪ゲートウェイ駅周辺のような都市計画の対象地域は、こうしたルールが大幅に緩和されて地価が上がりますが、その他の地域は開発から取り残されてしまうという不公平を生んでいます。 合理的な規制もありますが、用途地域や建築に関する細かいルールは定期的に見直し、不要なものは緩和していかなくてはいけません。 そうすることで、都心部の開発が進み、経済的な活気も出てきますし、若者や子育て世代が、もっと安くて広い家に住むことが出来ます。 しかも規制緩和は新たな税金がかからない、有効な景気刺激策と言えます。 日本経済を元気にするために幸福実現党は、より都市開発が進みやすい環境づくりに力を入れていきたいと思います。 緊急提言:経済対策は新発想で中小企業を守れ【後編】 2020.04.01 https://www.youtube.com/watch?v=0xv6VgviiSM&t=16s (3月28日収録) 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 【前編】からの続きをお送りいたします。 ◆米国と比べ、規模の小ささは否めない援助予算 3点目に言えるのが、こうした資金繰り対策は非常にいい対策で、政府も頑張ってくれているとは思いますが、何とっても総額1兆6,000億円と規模が小さいところは否めません。 例えば、前述した米国の220兆円の緊急援助のうち、なんと半分の110兆円が企業の資金援助のために用いられます。 これは米国が企業規模にかかわらず、何としても米国人の雇用を守るという強い意志の表れでしょう。 一概に単純な比較は禁物かもしれませんが、日本の1.6兆円に対して米国は110兆円で、日本はせめてもう一桁増やせないものだろうかという感じはあります。 米国の220兆円の内容ですが、例えば中小企業への貸付だけでも約37兆円に上ります。 その中でも特に、この貸付を受けることが出来た場合、従業員の給与、家賃、光熱費等の固定費については貸付ではなく、給付にするという位まで米国は踏み込んでいます。 納税の延期については約24兆円、また新たに約49兆円もの規模の企業貸付基金が用意されています。 ◆中小企業の雇用と給与を保障する英国の判断 更に米国は、先ほどの何とか雇用を維持してくれる企業に対して、従業員の給与の50%分をタックスクレジット、すなわち給与の50%分は無税にするという対応をしています。 ここまでして米国政府は企業の雇用を守るために対応していますが、英国政府についても、企業の従業員の約32万円/月に当たる賃金の肩代わりを政府が行うということになっています。 これは英国政治史上初めてのことであり、米国のみならず、英国も中小企業の雇用を守ることを特に重点に置いているのが現状です。 そういう意味では、繰り返しとなりますが日本の1.6兆円という支援額の規模は非常に小さく、これを何とかもう一桁上げられないのかというのが、本日の緊急提言の中心となります。 では財源をどうするのかという議論にもなるでしょう。 結局、国債をあの新たに発行していくしかないとは思いますが、当面は財源の議論は置いておいても、中小企業に対しての支援は何を置いてでもやるべきだと思います。 ◆期間限定でもやるべき消費減税 最後のポイントとして、「給付金より消費減税すべきではないか」ということです。 いま自民党の若手議員のグループやマスコミからも「今こそ消費税をゼロにすべきだ」といった消費減税の議論が出ております。 一方で、財界からは社会保障に大きなダメージがあるから「消費減税は筋が悪い」という声もあります。 しかし、放っておいたら黒字倒産、連鎖倒産によって、沢山の中小企業が倒産し、大量の失業者が溢れるような危機的な経済状況において、そんな悠長なことを言っていられないのではないでしょうか。 1年間など期間限定であっても、消費減税をやるべきだと思います。 例えば、1年間は軽減税率を全項目に適用するということによって、消費税を5%に下げる、もしくは10%の消費税を1年間だけゼロにするということもありだと思います。 ◆商品券に見え隠れする大企業とのつながり まとめると、救済の最優先は中小企業であり、今すでに政府がやっている資金繰りの対策についてはすぐに活用すべきです。 しかし、この資金繰り対策の規模が残念ながら小さく、もっと大きな支援を行うために発想を大きく変える必要があると思います。 また、和牛などの商品券に象徴される給付金といった発想にこそ、背後には大企業がいて、儲かるように出来ていて、大企業と政界とのつながりが象徴的に表れているわけです。 そんなことよりも中小企業や一般の国民のために、一刻も早く消費減税をすべきであるというのが、今回の提言です。 すべてを表示する « Previous 1 … 12 13 14 15 16 … 78 Next »