Home/ 経済 経済 パンデミックをサバイバルする日本と世界、歴史の智慧【後編】 2021.03.03 https://youtu.be/A4bJjUEVCZo 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆「江戸の火消し」の知恵 今回のコロナパンデミックに対して我々はどう対処すべきなのでしょうか。それを日本の歴史から考えてみたいと思います。 「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉があるように、江戸では人口が多く木造の建物が密集していたため火事がなくなりませんでした。 しかし、江戸の火事をなくすために、街を閉鎖したり、営業を禁止したり、自粛させたりはしていません。 完全に火事をなくすことはできないので、基本は通常の生活をして街の閉鎖や自粛はせず、火が出たら、「江戸の火消し」が風下の建物を壊すことで延焼を防ぎました。 これが江戸の知恵であり、今回のパンデミックに応用できるのではないかと思うのです。 一律の自粛はしない。現代で言えば、東京都、神奈川県、千葉、埼玉も全部緊急事態宣言で一律に自粛し、夜8時で飲食店の営業を終わりにすることはしない。 そして、若者のように免疫力の高い人にはむしろ働いてもらうことです。 ◆神仏を信じる力が免疫力を高める また、天平時代には天然痘が広がり、当時の人口の25%から35%が死亡したと言われています。 当時の都は奈良の平城京です。国政を担っていた藤原四兄弟全員が疫病で亡くなり大変な事が起きた時代です。 聖武天皇は、二度とこのような疫病が広がらないように、それを願って奈良の大仏を建立しました。 天皇は、疫病によって多くの国民が亡くなったのは、自分も含めた国の指導者の心に問題があったからだと考え、自分たちの心を正すために大仏を建立したのです。 国民の信仰が大仏に集まれば、「神仏を信じる力が免疫力になる」という考えです。この宗教パワーは日本だけでなく世界でも言われていることです。 ◆免疫力を高める方法 大川隆法党総裁が、昨年出版された『コロナ不況下のサバイバル術』で、「免疫力を高める法」について重要な指摘をしています。 ウイルス感染症が人々に広がっていって感染者が増え犠牲者が増えていく。その前に広がっているものがある。先に人々の心の中に広がるのが「恐怖心」です。 「恐怖心は、恐れるものを引き寄せる癖がある。」 同じことを90年前の世界恐慌の時代にフランクリン・ルーズベルトが大統領就任式で述べています。 「我々が恐るべき唯一のものは、恐慌ではない。恐怖それ自体である。」 この言葉を言わしめたのが当時の大統領のスピーチライターだったナポレオン・ヒルです。 ナポレオン・ヒルは、「成功哲学」を体系化して世に残しましたが、本の中で強調したのも「恐怖心の克服」です。 恐怖心が恐怖そのものを引き寄せてしまう。では、恐怖心を克服するためにはどうしたらいいのでしょうか。 ◆恐怖心を克服するには デール・カーネギーが次のような言葉を残しています。 「恐怖心を克服したければ、自分のことばかり考えていてはダメだ。他人を助けるように心がければ恐怖は消え去る。」 自分を守ることばかりに「心のベクトル」を向けるのではなく、自分の心のベクトルを「他人を助けること」に向けることです。同じことを大川隆法党総裁は『コロナ不況下のサバイバル術』の中で言っています。 「世の人々に対して愛を与えていこうとする人、人々に良かれと思うことをしている人、心常に善念を持って生きている人からは、自家発電のようにポッポと光が出る感じがするのです。」 「恐怖心」や「自己保身」ではなく、他人の幸福実現に心を向けている人からオーラが出ています。 最初にご紹介した看護師がまさにそうです。コロナパンデミックの中で患者を救うために役割を果たし続けています。 コロナパンデミックの最中で、他人の幸福実現に心を向けることが自分自身のサバイバルにつながっていく。それがコロナパンデミックを克服していく力になる。 これを皆さんと共有させていただきたいと思います。 決して政府に頼ることだけでは、これを乗り越えることができません。私たちの「心の力」こそが一番頼りになる力です。 参考 『コロナ不況下のサバイバル術』幸福の科学出版/大川 隆法 著 http://ur0.work/SAzl ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 パンデミックをサバイバルする日本と世界、歴史の智慧【前編】 2021.03.02 https://youtu.be/A4bJjUEVCZo 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆看護師に対する社会の偏見 今、医療現場で働いている看護師がコロナパンデミックとの戦いの最前線にいます。 しかし、看護師の方々が、地域に戻ってくると感染を持ってきたような偏見の目で見られているそうです。 そんな中である看護師が次のような声明を発表しました。 「ナース(看護師)は感染患者の最後の砦です。」 感染した患者には家族ですら近づけません。感染者の近くにいるのは、まさにナースです。ナースの方々が最後の砦になってくださっています。 なぜ一番大事なことをやっている人たちが偏見の目で見られてしまうのでしょうか。まず、その理由を考えてみたいと思います。 ◆基本的人権の侵害、経済的自由の制限 2月初め、感染症に関する法律が改正され、入院を拒否したら過料(罰金)が課されることが決まりました。 インフルエンザに罹った場合は、入院を拒否しても罰金は取られません。入院するかは自由意志です。 しかし、コロナに感染した場合は、自由意志とは関係なく入院が義務化されます。これは憲法が保障している基本的人権が無視されているのではないでしょうか。 また、緊急事態宣言が行われている地域の飲食店は、夜8時になったら営業を止めなければいけません。夜8時で営業を止めたら補助金が出るとはいえ、ほとんど利益がでないでしょう。 それが何週間も続いており、まさに「経済的自由」を行使する権利も奪われています。 ◆自由が制限されている理由 なぜ、そこまで自由の制限が許されてしまうのか。その原因は、コロナ感染症をSARSと同じ扱いにしたからです。 SARSは非常に危険な指定感染症の「二類」にあたります。何類に当たるかは致死率の違いです。 「二類」のSARSの致死率は約10%で、インフルエンザも危険な感染症ですが、そこまで致死率が高いわけではなく「五類」にあたります。 昨年、政府はコロナをSARSと同じ「二類」に指定したため、指定感染症を扱える病院の数が限られています。 病院では医師も看護師も宇宙服のような完璧な防護服を着て患者さんに対応しなければいけません。病棟も封鎖しなければいけません。 しかし、インフルエンザはどうでしょうか。医師は防護服を着ません。病棟が封鎖されることもありません。患者と接したからといって濃厚接触という扱いにもなりません。 コロナの致死率は、SARSのように10%もないのです。アメリカでさえ亡くなった方が50万人を超えていますが、それでも10%もありません。 「コロナを二類に指定するのは行き過ぎではないか」という議論も国会であったにもかかわらず、今回の改正で「五類」に変更することはありませんでした。 ◆感染症の死亡率比較 実際に昨年の死因別ランキングを見てみると、インフルエンザで亡くなった方の人数は、ランキングで言うと31位です。 今回のコロナで亡くなった方は、昨年で言うと約4000人です。愛する家族を失った方々がたくさんいらっしゃるわけで、決して少ない数字でありません。 しかし4000人という数字はインフルエンザの31位よりももっと下の36位です。にもかかわらず、SARSと同じ扱いになっており、まるで国民の恐怖心を煽っているようにみえます。 ◆ワクチンパスポートで国民を管理する政府 国民の恐怖心を煽ることによって政府が強力に推し進めているのがワクチン接種です。 あくまでワクチン接種を受けるかは任意ですが、これを進めるためにワクチンパスポートをマイナンバーカードに紐付けるという話があります。 政府としてはマイナンバーカードに銀行口座を紐付けられていれば、補助金を出す場合にすぐ銀行口座に振り込めます。 しかし、入院を拒否した場合は過料(罰金)を銀行口座から自動的に引き落としもでき、さらに政府としては、いろんな税金がマイナンバーカードを通して銀行口座から取れるようになります。 国民の資産を政府が管理する体制をワクチン接種の機会を使ってつくろうとしているように見えます。 後編ではコロナパンデミックに対する対処法を考えてみましょう。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 RCEPのリスクとデジタル人民元の脅威、中国は通貨覇権を握るのか?【後編】 2021.02.19 https://youtu.be/HgS-GtklwjE 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆ドル支配体制を崩す中国の戦略 海外送金は、ベルギーに本社がある国際銀行間通信協会SWIFT(スイフト)という「国際銀行決済システム」を通じて決済されます。 世界の銀行が国際業務において、どの通貨で決済をしているのか、それが米ドルであるとSWIFTが世界中の銀行と結んでいます。これがアメリカのドルの支配体制です。 これには中国であろうと歯向かうことができません。 そこで中国はRCEPとCAIによってデジタル人民元を、東アジアとヨーロッパの地域限定の決済通貨にして米ドルの支配体制を終わらせようとしているわけです。 同時に、中国は人民元を中心に持って行っていくために、SWIFTと中国人民銀行と合弁会社をつくり、SWIFTにもアプローチしています。(2月4日、ロイター記事) これだけ見ても中国が人民元デジタル人民元を世界の基軸通貨に本気でしようとしていることが伝わってきます。 ◆デジタル人民元の目的 デジタル人民元という新たな通貨でアメリカの経済的覇権を奪おうとしているわけです。 デジタル人民元の目的は、それだけではありません。デジタル人民元は、元々は国民の個人データを政府が把握するというところに目的がありました。 中国14億の人民が行う経済学活動をすべてデジタル化してしまえば、誰がいつ何にお金を使ったかを全部把握できます。 すでにこれを中国の中でやっているのが、例えば「アリババ」です。 アリババは、「アリペイ」というデジタルの決済システムによって10億人くらいの人民のお金のやり取りを把握しています。 それに対して、「中国共産党がアリババを攻撃している」という記事(映像15:54)がありました。 アリババア創設者ジャック・マーは、去年の末から今年の1月まで音信不通で全く現れなくなり、ニュースになっていました。 他にも、中国共産党はアリババグループの新たな 企業上場にストップをかけたりしています。 要は民間企業にデジタル通貨の決済をやらせない。決済は、中国共産党がデジタル人民元で全部やることを言いたいようです。 ◆バイデン政権で中露接近 ここでアメリカがバイデン政権になりました。 バイデン政権の影響について、大川隆法党総裁が最近刊『ヤイドロンの本心』の中でバイデン政権の外交について重要なことを述べています。 ヤイドロンという存在については、幸福実現党言論チャンネルの中で一度取り上げていますのでそちらをご参照いただければと思います。 同書でこのバイデン外交について、「中国とロシアを近づけることになる」という指摘をしています。 バイデン大統領は先日、国務省に入って今後の外交方針についてのスピーチをしました。 その中で、ロシアに対しては厳しくいく。そして中国に対しても厳しく行く。しかし中国は競争相手であり、できたら強調していきたいと、トランプ政権とは真逆の方針を出しました。 同書では、まるでバイデンの発想は20世紀の米ソ冷戦時代の発想だ。ロシアが敵であって、逆に中国を引き込むという全く時代遅れの発想だ。 バイデン外交ではロシアが孤立し、間違いなく中国とロシアの距離が近づいていく。これは最もいけないシナリオだと指摘しています。 これは、もちろん軍事的にも、経済的にも最もまずい形になります。すでにロシアがデジタル人民元決済体制に参加するような空気が漂っています。 1月6日の「日経アジア」の記事ですが、ロシアが資源エネルギーの輸出で中国への輸出を拡大しているという記事(映像20:59)です。 ロシアが石炭を中国に輸出する量を倍ぐらいにしようとしています。中国はこれまでオーストラリアから石炭を輸入していましたが、オーストラリアとの関係が悪化していました。 ロシアとしては願ってもないことです。ロシアと中国との貿易量が増え、その時の決済通貨はどうなるのかです。 去年8月6日の「日経アジア」の記事ですが、ロシアが米ドルに代わって人民元を増やし始めています。 ロシアもそうですが、中国との貿易に依存する国は中国のペースで人民元によって決済を迫られる方向に動いているわけです。 そこに日本を含むRCEPやCAIや日本も入ってきます。 ◆デジタル庁設置で懸念すること 日本に関係する部分として懸念せざるをえないのが、2月9日に閣議決定した「デジタル庁の設置」です。9月に発足させることです。 同庁は、菅政権の看板政策ですが、9月に発足予定で菅首相をトップに500人規模になるということです。 気になるのがRCEPに日本が入っていって、そのステップの中でデジタル人民元というのが使われる流れに日本が簡単に入ってしまわないだろうかという点です。 入ってしまったとしたら、日本は中国の経済覇権の領地になってしまうのではないか。そんな懸念を持たざるを得ません。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 RCEPのリスクとデジタル人民元の脅威、中国は通貨覇権を握るのか?【前編】 2021.02.18 https://youtu.be/HgS-GtklwjE 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆RCEPとは 今回は、「RCEPのリスクとデジタル人民元の脅威」と題し、中国の新たな経済的な脅威についてお送りします。 RCEP(アールセップ)とは、「東アジア地域包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership)」のことで、英語の頭文字 をとって RCEPと呼びます。 まず、2月10日、RCEP協定案が自民党の対策本部内で了承されました。 これによってRCEPという自由貿易協定がこれから日本の国会の中で批准される見込みになりました。 ◆RCEP合意までの経過 どこからRCEPの話が出てきたかというと、実は日本からでした。 2006年、現在の自民党二階幹事長から「二階イニシアチブ」と呼ばれる、「東アジアEPA提唱」案が出されました。東アジアの中で自由な貿易をやるという提案です。 そこから数年かけて議論がなされ、昨年2020年にRCEPとして、ASEAN(東南アジア諸国連合)の10カ国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア)に、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドも入って合計15カ国が合意しました。 15カ国によってなされる自由貿易は、世界最大の自由貿易協定になります。世界の人口、世界のGDP、それから世界の貿易総額の約3割を占めるのがこの地域です。 しかし、この中にインドは入りませんでした。 インドが離脱した理由は、RCEPに入ってしまうと安い中国製品が入ってきて国内に多くの失業者が出てしまう点と、中国と国境紛争中で自由貿易協定を結ぶわけにいかないという判断があります。 そしてアメリカも入っていません。 日本政府は、わが国企業活動、経済成長に寄与し、日本が自由貿易推進の力強いメッセージを発信すると言っています。 ◆RCEPの中身 RCEPの中身を見てみましょう。 (1)関税の自由化、9割ぐらいが自由化になると言われています。 (2)サービス分野の規制緩和や投資障壁の除外ですが、中国はサービスにおける規制や投資障壁はたくさんあり、本当にできるのでしょうか。 (3)国を跨いだ広域的なサプライチェーンの実現、製造業にとってはメリットが大きいのだろうと思われます。 (4)通関コストの大幅な低減 (5)コンテンツやデータなどのデジタル情報に関し、国境を超えた自由な流通ですが、中国が「デジタル人民元」を基軸通貨にしようとしている点で問題です。 ◆RCEPとCAIを主導する中国の狙い 中国は主導して東アジアでRCEPを進めましたが、ヨーロッパではCAI(中国 EU 投資協定)を進めています。 CAIは、英語でcomprehensive agreement of investment という包括的投資協定という意味で、 投資協定になっていますが、実質上の自由貿易協定です。 CAI はEUが入っており、イギリスは入っていません。アメリカも入っていません。 1月22日、アメリカの保守系メディア「THE DIPLOMAT」が、中国 とEUの投資協定CAIに関して、アメリカとインドの政府が懸念を持っているという記事を出しています。 要は、中国から見るとアメリカを抜きにして、アジアのRCEPと欧州のCAIの自由貿易協定で広いテリトリーを獲得したことになります。 自由貿易協定で広いテリトリーを獲得すれば、投資であろうと貿易だろうと全部お金が絡みます。 自由貿易において常に世界の基軸通貨は米ドルであったはずですが、中国主導でアメリカ抜きということになると、必ずしもドルを使う必要がありません。 ここに、米ドルに代わって人民元を基軸通貨に持っていきたいという習近平政権の狙いがあります。 ◆「デジタル人民元」が「米ドル」に挑戦 アメリカのメディアに、「デジタル人民元」が「米ドル」に挑戦するという記事(※動画の9:25)が出ています。 紙の「人民元」は世界で影響力がない弱い通貨です。現時点では中国も経済においてドルの世界で生きており、ドルを稼がなければなりません。 ドルを稼ぐためには2つあります。貿易で稼ぐか、海外から中国に投資してもらうかです。 中国が持っているドルの量を外貨準備高と言い、どれだけドルを持っているかによって、紙の「人民元」の発行量は決まります。 ドルを稼いでドルの量が増えなければ、中国国内の内需拡大すらできないわけです。 結局、ドルというアメリカの世界の中に中国も入っているだけで、これでは中国がアメリカを超えることはできません。 しかし、ドルを持っている量に左右されずに自由に使える「デジタル人民元」を導入して世界の基軸通貨である米ドルに挑戦し、取って代わろうとしているのです。 これはRCEPとCAIによってアジアとヨーロッパでアメリカ抜きにして「デジタル人民元」を決済通貨にするという壮大な中国共産党の戦略なのです。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 コロナ関連法改正、コロナ時代の「自由論」とは? 2021.02.13 https://youtu.be/hUn3HD5Cgv0 (2月3日収録) 幸福実現党政務調査会長 里村英一 ◆基本的人権に反するコロナ関連法改正 2月3日、国会でコロナ関連法改正が成立いたしました。 改正の最大のポイントは、営業時間短縮に応じない事業者に対して「30万円以下の過料を科すこと」や「入院拒否をしたコロナ感染者に対して50万円以下の過料を科す」などの罰則規定が設けられたところです。 当初、刑事罰を科すなどの話もありましたが、さすがに刑事罰は行き過ぎだということで見送られました。 行政罰で罰金ならしょうがないという雰囲気はありますが、幸福実現党は今回の罰則規定を設けたことに関して基本的人権に反するもので、何よりもかけがえのない「自由を蝕むもの」であると考えています。 ◆幸福実現党が考える「自由」とは何か 幸福実現党は、「自由」は人間の幸福にとってかけがえのないものの1つであると考えています。 党大川隆法総裁の著書『自由・民主・信仰の世界』にも明らかなように、わが党は自由・民主・信仰という原則が貫かれる世界を理想としています。 歴史的に観ても、自由・民主・信仰という原則が「信教の自由」や「言論の自由」をはじめとする人権につながっていきました。 あるいは、法哲学の面から観ても、人権のカタログの第1ページにこそ、「信教の自由」が置かれるべきであると言われます。 人生哲学、人間の人生をどのように見るかは、政党がどんな政策をつくる場合に非常に関連している問題です。 人間とは、たまたま偶然この世に投げ出され、そして運命に翻弄され死んだら焼かれて灰になって終わる存在なのか。 そうではなく、人間は、各人が自分の理想やミッション、あるいは自分の課題を持ってこの世に生まれてきた存在です。 自分のミッションや人生の課題に取り組み、何かしら一歩でも前進して幸福を得、それが来世の幸福にもつながっていきます。 従って、自らがミッションや課題に取り組む以上、自由に取り組める保障がなければ人生は無意味なものになってしまいます。 このように自由というものは本当に大切なものです。 ◆「危害原理」とは何か 自由に関する政治哲学の最高峰の一つともいわれる、ジョン・スチュアート・ミルは『自由論』において、「人に危害を及ぼさない限り自由は束縛されない」という「危害原理」を言っています。 例えば、赤信号を自由に車で走り抜けたらどうか。飲酒運転でも構わず車に乗ったらどうなるか。当然、人に危害を加える可能性は高くなります。 こういう観点から、行為と結果の「相当因果関係」、つまり危害を加えることの相当性が高ければ高いほど、やはりその自由は抑えねばならないという考えです。 逆に言えば、それぐらい「自由を抑えることに関しては慎重にも慎重さが求められる」ということをジョン・スチュアート・ミルは言っているわけです。 今回のコロナも、果たして相当因果関係が高いのでしょうか。営業時間を短縮すれば感染はとまるのか。あるいは入院さえさせれば必ず感染がとまるのか、これはまだ何とも言えません。 インフルエンザにおいては、毎年1000万人が感染して1万人が亡くなっています。それでもインフルエンザに関しては罰則規定など存在しておらず、自由は侵害されていません。 心配しているのは、ワクチンが思ったほど効かない。あるいは変異株が増えたなどの理由によって、第4波が来た時に、さらに法律を改正して罰則規定を重くし、また刑事罰を導入して国民の自由を縛ろうという方向に行くのではないかという恐れです。 それは考えすぎだと言われるかもしれません。しかし自由というのは一箇所が破られるとたちまち全体にその穴が広がっていくことを歴史が証明しています。 もちろん私は感染拡大を止めたいと思います。あるいは入院はいけないというつもりはありません。 しかし、そうした命や健康を大義名分に掲げて、国家権力や政府が国民の自由を阻もうとするときはよほど気を付けなければなりません。 ◆政府が健康管理をする危険性 歴史的に言えば、20世紀において「ある政府」が健康体を大義に掲げて、ガン検診を国民に義務付けました。 検診を怠ると罰則がつき、さらに政府は無農薬栽培を進め、タバコやアルコールを禁止し、妊娠している女性の検診を強化するなどして国民の健康管理に努めました。 いい政府だと思われるかもわかりませんが、この政府はナチス・ドイツのことです。 ナチスの場合はアーリア民族の健全性、健康性をユダヤ人が蝕むと言って最終的にはユダヤ人虐殺までいきました。 つまり、国家の権力が健康体を大義にして自由を蝕み始めると、最終的には「強制収容所」、あるいは「ガス室」にまで行ってしまうということを歴史は教えてくれています。 ◆自由を守るために 私たちは、そのような歴史は絶対に繰り返してはならないと思います。 もちろん、今回法律改正を決めた政治家たちも健康を守りたいという善意からの判断であるということは信じたいと思います。 しかし、そこにはとんでもない反作用が含まれているということも言いたいわけです。 したがって、幸福実現党としては今後この改正された法律がどのように運用されるのか、あるいは適用されるのかをしっかりと見つつ、自由の大切をこれからも訴えて参りたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【後編】 2021.02.11 https://youtu.be/0b0qzYu3knY 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国への懸念が高まりつつあるフランス、ドイツ 前編では、対中面からアジア太平洋地域で深化する日英関係について述べましたが、英国以外のドイツやフランスも中国の牽制に動き出しています。 ドイツでは、昨秋に「インド太平洋ガイドライン」を閣議決定し、中国への懸念からドイツ海軍のアジア派遣を決めています。 フランスは、英国離脱後の欧州連合(EU)で、外交・安全保障のリーダー役を狙っており、「我々もインド太平洋国家」とフランス外務省報道官は強調していますが、いま中国の覇権主義を見逃せば、点在するフランス領が寸断される危機感があります。 これらが実現すれば、日本と米国、オーストラリア、インドによる連携の枠組み「QUAD(クワッド)」の4カ国と、イギリスとフランス、ドイツの海軍が、沖縄から台湾、フィリピンを経由してマレーシアに至る第1列島線が「海の長城」と化し、中国包囲網を構築することが出来ます。 日本にとっても、世界屈指の海軍と日本の自衛隊が東シナ海に集結し、尖閣諸島の防衛力強化の役割が期待されます。 ◆バイデン政権下で「米中経済逆転」が早まる? では「肝心かなめの米国はどうか?」ということです。 2月4日、国務省でバイデン大統領が行った初めての外交政策演説の中で、中国を「最も手ごわい競争相手」と位置づけ、「米国の繁栄と安全、民主的価値観は中国の直接的な挑戦を受けている」と非難する一方、「米国の国益に沿うのであれば、一緒に取り組む用意がある」と、含みを持たせました。 翌日、中国の「環球時報」では、「トランプ政権の全面対決姿勢よりも、中国にとって対応の余地がある」「バイデン大統領は中国との協力関係から利益を得ることを考えている」と報じています。 更に、バイデン大統領が中国との協力関係について話した直後、気候変動を取り上げたことから「バイデン政権の最優先事項は環境問題であり、中国と米国の協力関係は環境問題から再スタートする可能性が高い」という見通しを示している。 中国は今後、環境問題を足掛かりに、中国包囲網の切り崩しにかかってきます。 英シンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は2020年12月26日、パンデミックが各国の経済に悪影響を与えたため、中国が当初予測よりも5年早く、2028年に米国を抜くことになると予測しています。 バイデン政権下で、「米中経済逆転」の流れが進んでいくと、アメリカによる中国牽制の力が弱まっていきます。 日本は米国の欠けた力を単に補完するだけでなく、日本自体が主体となって、自由や民主主義、法の支配の価値観を共有する国々と協力しながら、アジアの自由を守らなくてはなりません。 ◆新しい「日英同盟」で中国包囲網を構築せよ 最後に、日本はどうすべきかを考えてみます。 まず、米国に働きかけ、日米豪印の四か国の「クアッド」にイギリスを加え、「クインテット(5人組)」に拡大することを目指すべきですし、同時に「ファイブ・アイズ」への参加も、検討すべきです。 バイデン政権の対中政策が、親中路線に傾く懸念があるなか、国連安全保障理事会の常任理事国でもある英国としっかり手を結ぶことで、対中抑止の足並みを揃えることができます。 現在の準同盟関係から「日英同盟」に格上げすることも目指すべきではないでしょうか。 英国内の保守派からは、「台湾との関係を強化すべきだ」という声も根強く、日本と英国で、台湾のTPP参加や国際機関復帰を後押しすることも可能になります。 ◆武士道の国として「自分の国は自分で守る」覚悟を固める時 1月24日、岸防衛大臣とオースティン米国防長官の電話会談で、「尖閣諸島が日米安保第5条の適用対象になる」ことを確認しています。 しかし、日本は主権国家として「自分の国は自分で守る」という覚悟を固めることを忘れてはなりません。 尖閣諸島を守るためにも、日本としてやるべきことがあります。 海警局の大型船に対応できるような海上保安庁の警備体制強化や、中国の「グレーゾーン」戦略に対応する法整備、また尖閣諸島の実効支配強化を図るための公務員常駐、灯台や気象観測所の設置を考えるべきです。 そして何よりも、憲法9条改正を真正面から議論していく必要があります。 2021年は日本が立つべき年です。 20世紀初頭に結ばれた「日英同盟」が、当時の帝政ロシアと立ち向かう日本にとって、国難打破の大きな力となったのは紛れもない事実です。 日本が武士道の国として、英国と共にアジアの自由と平和を守る国として、しっかりと立ち上がっていきたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【前編】 2021.02.10 はじめに、2月11日は「建国記念の日」です。 日本という国が 2681年目を迎え、これまで日本の国を守ってくださった先人に対し心より感謝を申し上げます。また皆様と共に日本の建国をお祝いさせて頂きたいと思います。 ■新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【前編】 https://youtu.be/0b0qzYu3knY 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国海警法の施行で尖閣や南シナ海の危機迫る 中国の習近平国家主席は、バイデン政権の対応能力を試しながら、着々と海洋進出の準備を進めています。 2月1日、中国の「海警法」が施行され、中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、あるいは個人に対して、海警局が「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取ることを、法律上認めました。 これにより、外国の軍艦や公船に対して、退去を命令したり、強制的な措置を取ったりすることができるようになり、例えば、海上保安庁の巡視船や海上自衛隊の艦船を、海警局の船が攻撃できるということも想定できます。 また、中国の主張する「管轄海域」で、外国が構造物を設置した場合、強制排除することもできます。かつて日本の政治団体が魚釣島に建てた灯台等が念頭に浮かびます。 ◆事実上の「第2海軍」となっている中国海警局 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道官は「海警法の制定は正常な立法活動であり、釣魚島(ちょうぎょとう:尖閣の中国名)は中国固有の領土だ。中国は領土主権と海洋権益を守る」と強調し、関連付けています。 既に2018年、海警局は、中国国内の治安維持を担う「人民武装警察部隊(武警)」に編入され、人民解放軍の最高指導機関である「中央軍事委員会」の指揮下に入り、軍との一体化が進んでいます。 昨年の米国防総省の年次報告書によりますと、海警局の排水量1千トン以上の船舶は、2010年以降、約60隻から130隻以上に急増し、新造艦の多くは1万トン級の大型船舶で、ヘリコプターの発着が可能で、30~76ミリの機関砲等の武器を搭載しています。 ちなみに、年次報告書は、中国海警局を、世界で圧倒的に最大の「沿岸警備部隊」になっていると分析しており、事実上の「第2海軍」となっていると言っても過言ではありません。 今回の海警法制定によって、日本の領土である尖閣諸島の危機は、最大級に高まっています。 ◆イギリスのアジア回帰戦略 こうした中国の海洋進出を牽制するために、注目したいのが英国です。 近年、英国は1968年以来の「スエズ以東からの撤退」という戦略を見直し、「アジア回帰戦略」に大転換し、50年ぶりに、安全保障と経済・貿易の両面でアジアへの関与を強めようとしています。 英国の路線変更を決定づけたのは、中国の新型コロナウイルスへの対応、そして昨年6月「国家安全法」を施行し、中国政府が香港を弾圧したことがあります。 2月3日には、日英の外務・防衛担当閣僚のテレビ会議(日英2プラス2)を開き、中国の海洋進出を念頭に、英国はインド太平洋地域に最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃軍を派遣、自衛隊との共同訓練に合意しています。 更に、中国海警法の施行について意見交換を行い、ウイグルの人権状況についても、重大な懸念を共有しています。 ◆アジア撤退後も残された英連邦の防衛協定 ここで「スエズ以東からの撤退」後の、英国とアジアの関係を振り返ります。 まず英国が引き上げた後のマレーシアとシンガポールの防衛、安全強化のために、1971年に「五か国防衛取極(FDPA)」が締結されました。 英連邦の5か国(イギリス、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)による防衛協定です。 地道に役割を拡大し、1997年香港返還もあって見直され、中国の南シナ海への進出が世界の懸念となる中、安全保障面での役割を大きくしてきました。 また2019年、ウィリアムソン英国防相が「EU離脱後、アジアに新たな軍事基地を検討している」と明かし、シンガポールが候補ではないかと言われています。 そうすると、南シナ海からインド洋に抜けるマラッカ海峡の守りが強化されることになります。 ◆アジア太平洋地域で深化する日英関係 2020年12月、「五か国防衛取極(FDPA)」の外相で共同声明を発表し、通常戦争の抑止に注力することを確認しています。 英国は現在、機密情報を共有する「ファイブ・アイズ(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)」と「五か国防衛取極(FDPA)」の2つの枠組みを通じて、インド太平洋全域に影響を与える立場にあります。 また、日英関係についても、英国が2015年に策定した「国家安全保障戦略」の中で、オーストラリアやニュージーランドと同じく自由や民主主義の価値観を共有する「アジアで最も緊密な安全保障パートナー」と明記しています。 貿易面では、2020年10月「日英包括的経済連携協定(EPA)」が締結され、2021年1月に発効されており、世界のGDP3位の日本と6位のイギリスが自由貿易でつながることの意義は非常に大きいと言えるでしょう。 ボリス・ジョンソン首相は1月30日、「英国民に莫大な利益をもたらす経済連携を築く」「自由貿易の旗手となる野心を表している」という声明を発表し、翌日には「環太平洋経済連携協定(TPP)」への参加を正式に申請しています。 英国にとって、アジアの経済成長を取り込むことができるメリットは非常に大きいと思われます。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 コロナ対策の特措法・感染症法の改正、入院拒否への罰則は基本的人権の侵害!【後編】 2021.01.31 https://youtu.be/xcqNGEn3ZwE 幸福実現党党首 釈量子 ◆ワクチン接種を管理することの危険性 さらに、河野太郎ワクチン担当大臣は、1月25日、ワクチンの接種状況を把握するために、ワクチンの接種状況とマイナンバーを紐づけする計画を明らかにしました。 これによって、国民は、ワクチンを接種しているのか、していなのいかを、政府によって一元管理されてしまうことになります。強制的にワクチンを接種しなければならなくなる可能性もあります。 しかし、ワクチンには副反応の懸念があります。 本来、ワクチン開発には4~5年程度かかるものです。今回はあくまで例外措置として各国で使用されているにすぎず、これから続々と副反応が報告される可能性があります。 コロナに感染して亡くなる方もいれば、亡くならなくても、ワクチンの副反応で亡くなる場合もあるということです。 また、ワクチンは、すでに流行しているウィルスの型を元に作られているので、イギリスから始まった「変異株」が流行すれば、当然ワクチンが聞かなくなることがありえます。 このように、「恐怖による支配」をまず考える菅内閣は、中国政府に似てきています。 それは、国民をデジタル庁で管理し、ジョージ・オウエルの『1984年』状態にしようとする傾向は許しがたいものがあります。 私たちが、「重要だ」と提唱する「自由」は、「人間が、人間として生きていくための、基本的な人権」は守られなければならない、ということです。 冷静に考えれば、日本の死者数などを見ると、インフルエンザと同じような危険度のものを、恐怖心によって巨像化されている状況です。 ◆恐怖感をあおるマスコミ テレビの影響も大きく、家に「巣ごもり」することによって、テレビは視聴率が上がっています。 ビデオリサーチの調査によると、2021年の正月三が日の総世帯視聴率は、過去10年で最高を記録しました。 マスコミが、コロナに対して恐怖感をあおることによって、必要以上に、「コロナは怖いもの」「とにかく家にいることが大事」という価値観が広がってしまいました。 アメリカの世論調査会社によれば、日本は、コロナ感染症への恐怖心が、他国に比べて特に強い傾向にあります。 政府の悩乱策と恐怖を煽りがちなマスコミ報道の行きつく先に、国民に、「巨大借財」が残されようとしています。 ◆財政出動は未曽有の規模、ツケは国民に 2020年度には、「コロナ対策」の名目で、巨額の予算が投下されました。 新規国債発行は100兆円を超え、3次にわたる補正予算が組まれた結果、2020年度一般会計予算は175.6兆円に膨れ上がりました。 2020年度の当初予算が過去最高の102.6兆円だったことを考えると、とてつもない膨張です。今回の財政出動は未曽有の規模に達し、「コロナ対策」の名目でさまざまな予算が増えました。 日本のコロナ対策費は、GDP比42%と、世界主要7か国で最高となっています。例えば、アメリカは約15%、イギリス・フランスは約20%、ドイツは約30%です。 これら残りの主要国よりも、感染者数・死者数がはるかに少ないにも関わらず、日本は巨額の予算を投下しています。 1月26日に可決された第三次補正予算では、「Go To トラベル」の追加分約1兆円が計上されています。しかし、1次補正予算で計上された約1.1兆円のうち、執行されているのは4842億円であり、まだ半分以上の金額が、未消化のまま残っています。 今回のコロナの感染拡大も、国民の自由を奪っておきながら、一方で「Go To 〇〇」と称して、税金を使って矛盾したキャンペーンを行った罪であると言えます。 当然出てくるのが、増税です。無限に国債を発行し続けることはできないので、国民に「増税」となって返って来ることになります。 すでに言われているように「消費税の増税」や、戦後まもなく行われたように、貯金や株、金融資産などの財産に課税する「財産税」が導入される可能性があります。 菅政権は、そのツケを国民に回し、「恐怖によって国民の自由を抑圧し、感染症対策で大幅に増えた予算を国民への増税で賄う」という結果をもたらそうとしています。 ナチスの「全体主義」をつくったのは、民衆でした。民衆のムーブメントによって、自分たちが民主主義的に当然のことをしていると思ってやっているうちに、独裁的な恐怖支配がなされました。今、冷静に考えなければならないのではないでしょうか。 コロナ対策の特措法・感染症法の改正、入院拒否への罰則は基本的人権の侵害!【前編】 2021.01.30 https://youtu.be/xcqNGEn3ZwE 幸福実現党党首 釈量子 はじめに、コロナでお亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方には心よりお悔やみ申し上げます。 ◆入院拒否への罰則を導入 1月22日、政府は新型コロナウィルスへの対応策として、特別措置法(特措法)や感染症法の改正案を閣議決定しました。 その後、与野党の修正協議が続き、1月28日現在、前科のつく「刑事罰」についてはさすがに見送られる方向ではあります。 しかし、改正案では、コロナ患者が知事等による入院勧告を拒否した場合や、入院先から抜け出したりした際の罰則を導入し、2月上旬にも成立するものと見込まれています。 一時期、「懲役刑」を閣議決定したという政権の発想自体、とても恐ろしいものがありますし、罰則が科されること自体、国民の心理や経済活動をものすごく萎縮させることは間違いありません。 しかし、この政府の対応には、あまりにも大局的な判断を失っていると言わざるを得ません。 まず政府の本音としては、「東京オリンピックを強行したい」ということではないでしょうか。ワクチンの接種と合わせて、感染の拡大を強力に抑え込むことで、諸外国から見て東京五輪を開催できる環境を整えなければと焦りって悩乱しているとしか思えません。 ◆コロナ感染の冷静な分析を 日本の状況を見ると、新型コロナの感染は、1月28日現在で32万人、死者数は5000人を超えた程度です。 一方、季節性インフルエンザに、年間1000万人の人が感染し、関連死を含めて、約1万人が亡くなっているとされます。肺炎でも、毎年10万人の人が亡くなっています。 コロナ感染対策の結果なのか、今シーズンはインフルエンザによる死者数が激減し、そのほか、風邪や肺炎患者による死者も含め、トータルの死者数は減少しているのです。 日本ではむしろ例年よりも死者数が減少していることを考えると、罰則を科すことは、バランスを欠いているのではないでしょうか。 PCR検査で陽性となっても、それで他の人が感染するかどうかは確実ではありません。 濃厚接触者でも感染する人としない人がいるように、その人から必ず感染すると決まっているわけではありません。にもかかわらず、罰則を導入しようとしています。 ◆罰則は「基本的人権」の侵害 はっきりいって、今回の菅政権の方針は、 国民の「基本的人権」を侵害しているものです。 「基本的人権」は、日本国憲法の三原則(「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」)のうちの一つです。 そのうちの最大のものが「自由権」です。 日本国憲法は、第十三条で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を定めています。 また、「経済的自由権」として、第二十二条で、「居住、移転及び職業選択の自由」、第二十三条で「財産権」を認めています。 菅政権は、国民の「健康を守る」という名目で、国民に様々な規制をかける傾向があります。しかしこれは、国民の「基本的人権」を侵害する、非常に危険な傾向性なのです。 「国民の健康を守る」という、一見、誰も反論できないような、素晴らしい大義名分を掲げて、政府が国民を管理していくというのは、これは恐ろしい「全体主義」の特徴です。 ナチス・ドイツは、「優れた遺伝子を残し劣っている遺伝子を残さないことで、人類が進歩する」という「優生学」の考え方に基づいて、1933年に、遺伝的で矯正不能のアルコール依存症患者、性犯罪者、精神障害者、そして子孫に遺伝する治療不能の疾病に苦しむ患者を、強制的に断種することを可能とする法律を立法化しました。 これによって、36万件から40万件に上る強制的な不妊手術が行われました。 そして、1939年からは、「T4作戦」(テーフィアさくせん)と呼ばれる、精神的な障害および肉体的な障害を負っている人への安楽死政策が行われ、7万人から数十万人が殺害されたと言われています。 ナチスの話を持ち出すのは、極論に見えるかもしれません。 しかし、1月15日、コロナに感染した東京都内の家族で、30代のお母さんが「自分が周りの人にうつしたかもしれない」「娘の居場所がなくなるかも」というメモを残して自殺するという痛ましい事件がありました。 先に陽性になった夫も濃厚接触者で、小学生の娘さんと同時に陽性判定が出たということです。 小池都知事は「心のケアが必要」と仰っていましたが、政治が「ゆるみ」だとか、買い物に至るまで外出を制限したり、家にいることがほかの人を守るだとか、感染者を「バイキンマン」扱いするかのようなメッセージを発信した責任もあるのではないでしょうか。 もし「インフルエンザの患者に罰則を科す」というならば、なんて冷たい政治なのか。自分は犯罪者なのかと。人々は暴動を起こし、「革命」だって起こしたくなるでしょう。 これは、ナチス・ドイツと同じ傾向性が出てきていると言えます。 (つづく) 「罰則強化」で刑事罰も――緊急事態宣言で懸念される「倒産・失業・自殺」【後編】 2021.01.25 https://youtu.be/y1vvDUm6Tjg (1月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆患者を受け入れられない病院の理由 厚生労働省の調査によると、国内の病院約8400機関のうちコロナ患者を受け入れ可能な医療機関は1700機関あります。 そのうち1度でも新型コロナ患者を受け入れた病院は約8割弱と結構あります。 しかし重症患者を受け入れている医療機関は307で受け入れ可能な医療機関の約18%に過ぎません。 対応可能な病院でも、患者を受け入れない理由は、病院の経営的危機につながるからだとの指摘があります。 コロナ患者を受け入れる場合、完全隔離措置、部屋の配置転換や人員の重点配置、さらに検査や感染予防のコストがかさみます。 一方で、ほかの病気で診察を受ける人を減らしたり、手術件数を減らしたりしなくてはならず、収入が減るのです。 さらに怖いのが院内感染で、発生すれば病院の機能は止まり、多額の損失が発生します。マスコミが騒げば、「報道被害」でたちゆかなくなります。 対策としては国が民間病院を動かすための財政支援です。現在、国は重傷者ベッド一床あたり1500万円の支給(緊急事態宣言地域は、1950万円)をして病院経営をサポートする方針です。 本来であれば、病院の損失補てんのために税金を投じるということは望ましくありません。ただ緊急事態宣言で連鎖的に多額の損失を生むくらいなら理にかない、国民の不安を取り除く観点からも有効かもしれません。 ◆日本のコロナ感染はインフルエンザと同じレベル さらに過剰な対策を止めるということがあると思います。 現在ではコロナは「指定感染症」と分類され致死率が30%から40%のサーズ、マーズのレベル、場合によっては致死率が50%のエボラ出血熱レベルの措置を取っています。 これについて「指定感染症」を外して、季節性インフルエンザと同じレベルの対応をとるべきだと主張する医師は少なからずいます。 日本の場合、今のところ新型コロナの致死率は欧米と大きく違って0.4%程度です。 季節性インフルは0.03%から0.1%の致死率で、今のまま一部の病院に過度な負担をかけて国民全体の経済を止めるということは多くの人を苦しめることになります。 ここまで感染が広がった以上、ウイルスを完全に制圧することは現実的ではありません。つまり季節性インフルエンザ並みの対処を可能として多くの病院で治療ができる体制を整えていく方が国民全体のメリットが大きいと思われます。 こうした声は当然政府にも入っており、感染症法を改正して現在の指定感染症から新型インフルエンザ等感染症に分類を検討するという動きがあります。 医療体制を強化するための具体的な対策を講じることなく、緊急事態宣言をさらに延長し、繰り返しだしていくことには断固反対の声をあげたいと思います。 ◆ぜひとも全体を俯瞰した判断を 「コロナ感染、イコール犯罪者」というような扱いが差別を助長するような可能性もあります。 そしてコロナで生活環境が変化することにより、精神疾患が今増えています。昨年民間企業が緊急事態宣言下において全国の医師に尋ねた結果、回答したうち4割が「精神疾患が増えた」ことを挙げています。 教職員でもうつ病など精神的な病気で休職する人の数は昨年度過去最多でした。そして緊急事態では里帰り出産もできにくく産後鬱のリスクも約3倍になったという研究結果もあります。 さらに財政状況もこの1年間で110兆円も政府の借金が増えています。国がすべての企業を支えて国民全体を養うことはできません。 さらに「補償を増やせ」という声に応えるようなことになれば、今後大増税につながることは確実で、なんでも政府にやってもらうというな「大きな政府」に向かっています。 「小さな政府」、つまり政府は社員の雇用を守るために民間の自助努力の邪魔をせずに規制を緩和することに徹することが大事なのではないでしょうか。 ぜひとも全体を俯瞰した判断をお願いしたいと思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 8 9 10 11 12 … 78 Next »