Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 主権国家「日本」の再建! 2014.08.22 文/香川県本部副代表 中西 利恵 ◆集団的自衛権 先般7月1日、安倍内閣による「集団的自衛権の行使容認」が閣議決定されました。 平和勢力を名乗る左派の反対活動ばかりが報道され、国民の不安を煽っていますが、そもそも集団的自衛権は国連憲章において定められた国家として当然の権利です。 ところが、我が国においては憲法9条という独自の国内理由によって「権利はあるけれども行使はしてはいけない」という政府解釈を維持してきたわけです。 今なぜ「集団的自衛権の行使容認」をする必要があるのでしょうか。 それは、明らかに侵略の意図をもって準備を進めている中国や北朝鮮という国があるからです。特に中国とフィリピン、ベトナム、台湾などはいつ紛争や戦争が起こってもおかしくない状況にあります。 中国とフィリピン、ベトナム、台湾との紛争や戦争が起こる場所は南シナ海や東シナ海の南側で、そこは日本のシーレーンであるため、日本の経済にも打撃を与える可能性が高まります。ですから日本にとって大きく国益を損なうことになります。 そうした意味で「集団的自衛権の行使」を容認すれば、米国や日本の周辺国との連携もスムーズになるため中国を牽制することにつながり、「集団的自衛権の行使容認」そのものが中国への抑止力となるからです。 ◆『自治基本条例』の危険性 また侵略は、外部からだけではありません。 先日のニュースファイル(http://hrp-newsfile.jp/2014/1641/)でも触れていましたが、市民参加・地方主権を謳い、選挙で託された人ではない、資格を問わず「誰でも市政に参加できる」条例が全国の6分の1の自治体で既に施行されています。 殆どの自治体でこの『自治基本条例』を「まちの憲法」すなわち最高規範性を有すると位置づけています。 例えば、神奈川県大和市の条例には、「市長及び市議会は…(在日米軍)厚木基地の移転が実現するよう努めるものとする」との規定があります。つまり、国法で誘致された自衛隊基地も条例次第で撤去できるということになります。 実際にいわゆる「市民」として共産系の個人やNPO団体が審議会に名前を連ねており、現時点では行政機関との緊密なパートナーシップ(協働)を重視しているようですが、やがては行政内部に深く浸透し、国の立法権・行政権から自立した「政府」となって地域社会を主導し支配していく目論みが見えてきています。(松下圭一著『政治・行政の考え方』参考) ◆幸福実現党が地方選挙に臨む意義 この条例の先駆的提唱者である松下氏の講演をきっかけとして最初にできたのが北海道ニセコ町の「ニセコ町づくり基本条例」です。 驚いたことに私の居住する高松市の大西市長は、総務省時代北海道に勤務、条例を成立させたニセコ町長との縁が以前からあり、この構想を市長選挙の公約として無投票当選を果たし、既に「自治基本条例」「子ども子育て条例」を施行させました。 「子ども子育て条例」については自民党香川県連から内容改善の提言があったにも関わらず、保守であるはずの市議の大半を占める自民党同志会は即日却下をするという疑問附の付くようなことが起こっています。 先般7月27日、小矢部市議選において初の幸福実現党市議が誕生しましたが、今後こうした内からの侵食を防ぎ、市政を護るためにも幸福実現党の地方への政治参加が急がれます。 ◆「十七条憲法」「教育勅語」に学ぶ憲法の根幹 1400年以上もの昔、聖徳太子によって定められた「十七条憲法」や明治天皇によって示された「教育勅語」は、今なお私たちの心に響く普遍的な真理を感じます。 「十七条憲法」第二条「篤く三宝(仏・法・僧)を敬え」とあるように、どちらもその中心には、仏神への尊崇の念があり、仏神から命を受けた指導者への尊敬、そして一人ひとりの精神的精進が国家を繁栄に導くものであることを示しています。 比べるに値しませんが、「自治基本条例」の大半は人間の権利主張であって仏神の心とは全くの対局にあり、その行く先は“破壊”です。 ◆自主憲法の制定によって主権国家へ 現憲法は、日本が二度と歯向かってこないように宗教と軍事を骨抜きにし、精神的にも軍事的にも叩きのめす、米国による弱体化政策でした。 日本は独立した国家でありながら占領下GHQから押し付けられた憲法をこれまで70年近く護り続けてきたわけです。主権国家の三要素といえば「領土」「国民」「主権」ですが、日本は国防主権を持っていませんので真の主権国家とは言えません。 来年、戦後70年を迎えます。今こそ、主権国家として自主憲法を制定し、当然の国防体制を整えるとともに抜き去られた宗教的精神と誇りを取り戻さなくてはなりません。その意味において祭政一致でなければ正しい政治も真の民主主義も成り立たないのだといえるでしょう。 終戦記念日を迎えるにあたり~日本の国防を考えよう~ 2014.08.13 文/千葉県本部 副代表 古川裕三 ◆ペマ・ギャルポ氏からの提言 先般、チベットから日本に帰化した国際政治学者のペマ・ギャルポ氏(桐蔭横浜大学大学院教授)の「これからの日本はいかにあるべきか」と題するセミナーを聴講する機会がありました。 ペマ・ギャルポ氏といえば、『最終目標は天皇の処刑 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』の著者として、中国が進める日本解放工作を明らかにしたことでも有名です。 本セミナーにおいてペマ氏は、日本の国連の常任理事国入りに向けて、他のアジア諸国から推薦される国家となるべく、特にインドとの関係強化に力を注ぐべきと主張されていました。 その論拠のひとつとして、先の大戦後、インドは、日本の主権が侵害されているという理由でサンフランシスコ講和会議にも出席せず、条約にも調印しませんでしたが、1951年の講和条約の調印後の翌年、インドは日本と単独で友好関係を築いたことをあげていました。 ◆インドの独立を支援した日本 周知の通り、日本の敗戦から2年後の1947年8月15日にインドはパキスタンとともに独立を果たしましたが、その原動力となったのは日本軍がインドの独立のために、決死のインパール作戦を決行し、多大な犠牲を払ったからにほかなりません。 このインパール作戦については、戦後、GHQの占領下において、自虐史観を植え込むために、惨敗だけが強調され「愚かな作戦」と言われてきました。 しかし、戦後、ロンドン大学のエリック・ホプスバウ教授が次のような言葉を残しています。 「インドの独立はガンジーやネールが率いた国民会議派が展開した非暴力の独立運動によるものではなく、日本軍とチャンドラ・ボースが率いるインド国民軍が協同してビルマを経由してインドへ進攻したインパール作戦によってもたらされたものである」 150年にわたるイギリスによるインドの植民地支配を解放したのは、日本の戦いがあったからなのです。幸福実現党はかねてより、日印同盟の必要性についても主張していますが、中国包囲網の形成のために、インドは要の国家であるといえます。 ◆中国に屈しないために また、ペマ氏は、中国についても、自国は核武装して軍拡を続けていながら日本にだけ憲法九条を守れというのは筋違いとしたうえで、「和を以て貴しとなす」聖徳太子の十七条憲法を例にしながら、日本人はもっと自国の歴史に誇りを持つべきであると激励してくださいました。 冒頭に紹介したペマ氏の著書『最終目標は天皇の処刑』のまえがきにおいても、「私は中国に侵略されたチベットの亡命難民として40年間この日本で過ごしました。それだけに、中国の悪意や謀略が手に取るようにわかります。 2005年、日本国籍を取得しましたが、第二の祖国がチベットのような悲劇に見舞われるのは何としても阻止したいという思いで一杯です。」と、執筆動機を著しています。特に本書から日本人が教訓とすべきは、侵略される前のチベットは、ちょうど今の日本と同じように「一国平和主義」で内向きだったことです。 チベットは高地にある国土のために、地政学的に侵略の危機が今まで少なかった分、帝国主義の怖さを実感できずに平和ボケに陥っていたというのです。 これは決して他人事ではありません。チベットやウイグルなど、中国に侵略された国家の悲劇を対岸の火事とすることなく、万全の備えを固めなければいけません。 日本の独立を守る国防強化の一環として、このたびの集団的自衛権の行使容認は必須でしたし、今後は、憲法9条の改正によって自衛隊を防衛軍とすることが急務なのです。 69回目の終戦記念日を迎えるにあたり、今一度、先の大東亜戦争で亡くなられた英霊たちに感謝を手向けるとともに、日本の国防にも思いを馳せるきっかけとしたいと思います。 ウイグルで死者2000人以上――真実を明らかにし、国際社会に正義を問える日本に 2014.08.08 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆「2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に殺害された」 ラマダン(断食)明けの7月28日、ウイグル自治区のカシュガルにおいて暴動が発生しました。 事件直後、中国の政府系メディア「天山網」は漢族35人、ウイグル族2人、犯行グループ59人が死亡したと報じました。 しかし、8月5日、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長は、「少なくとも2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に殺害された証拠を得ている」と米政府系メディア「ラジオ自由アジア(RFA)」の放送で発言しています。 ※参考;8月6日産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/news/140806/chn14080620590011-n1.htm ラビア・カーディル議長は、3日間程度かけて中国当局は遺体を片付けた、とも述べています。 国際ウイグル人権民主財団日本全権代表のトゥール・ムハメット氏は現地からの情報として女性や子供を含めて3000人が亡くなったと訴え、8月8日東京都港区で抗議活動を行いました。 事件が発生したカシュガルのヤルカンド県には、外国メディアの立ち入りが禁止され、中国政府に不都合な情報は完全に隠されている状況です。さらに、中国政府はこの件に関して中国版ツイッター「微博」に投稿された情報を削除しています。 政府によって情報統制がされているなか、中国系メディアの発表を信じることはできません。 ◆カシュガル暴動の背景 ウイグル自治区では5年前のウルムチ暴動以降、厳戒態勢がとられています。街の至るところに監視カメラが設置され、公安と武装警察が200メートルごとに立っていたそうです。 ※The Liberty web「中国・新疆ウイグル自治区の実態に迫る – 態勢のカシュガル潜入レポート」 http://the-liberty.com/article.php?item_id=7262 多くの人がイスラム教徒ですが、女性のスカーフの着用や、ひげを伸ばすことを禁止したり、モスクでの礼拝が制限されるなど、締め付けが強まっていました。 7月8日には、スカーフを着用している女性の取り締まりをしていた警察官が、7歳の少年を含む家族5人を射殺する事件も起きています。 2013年度の米国務省の信教の自由報告書には、中国治安部隊はテロリストと特定したウイグル族を自宅で銃撃しているという人権団体の話があります。また亡命を図ろうとしたウイグル族は投獄され、拷問が加えられているそうです。 こうした中国政府の弾圧とウイグルの文化・宗教に対する無理解が、今回の暴動につながったと考えられます。 ◆日本政府は中国政府に厳重に抗議すべき 思想、信教の自由は人間にとって最も基本的な人権です。信教の自由、価値観の多様性が認められなければ、人間に許されるのは無目的に生きるだけの「家畜の自由」でしかありません。 思想、信教の自由は、人間がいかに生きるか、理想とする人生とは何か、という人間を人間たらしめるために必要な条件です。 内心の自由、信教の自由を捨て、ただ生きるために与えられた環境のなかで生きていくというのは、あまりにも人間として悲しいあり方ではないでしょうか。 現在、ヤルカンド県は中国政府の完全な統制下におかれています。もし、ラビア・カーディル議長が主張するように、わずか2日間で女性も子供も含めて2000人以上のウイグル人が犠牲になったとすれば、中東のガザ地区より遥かに問題は深刻です。 日本政府はこの問題を重要視し、ウイグル自治区で何が起こっているのか真相を究明すべきです。真実を白日のもとにさらし、正義とは何かを国際社会に問う覚悟が必要です。 日本は今こそ国連常任理事国入りを目指せ! 2014.08.06 文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ ◆問題だらけの国連常任理事国 8月6日、人類史上初めて原爆が投下された広島は、69回目の「原爆の日」を迎えました。 はじめに原爆により尊い命を奪われた数多くの方々の御霊に対し、謹んで哀悼の意を捧げると共に、被爆後遺症に苦しんでおられる皆様に心よりお見舞い申し上げます。 もう一つ私たちが思いを致すべきは、「この国のために命をかけて戦った英霊は今の日本を見て、何を思うのでしょうか。戦後の未来を生きてきた私たちは『立派な国になりました』と胸をはって言えるのでしょうか。」――ということです。 国際平和の維持と国際協力を目的とした組織である国連は、公平中立なものではなく、第二次世界大戦の戦勝国による「戦勝チーム」を永遠に維持する仕組みになっています。 今の常任理事国は、すべて、連合国、勝った側の国々です。戦勝国側の利害があるため、戦後69年目を迎え今も敗戦国である日本とドイツは常任理事国になれないでいます。 日本とドイツはGDP世界第3位と4位の経済大国です。又、日本はアメリカに次いで2番目に多い国連分担金を負担しています。 [分担金(米ドル)](外務省HP参照) 1.米国 6億2120万 2.日本 2億7650万 3.ドイツ 1億8220万 4.フランス 1億4270万 5.イギリス 1億3220万 6.中国 1億3140万 7.イタリア 8.カナダ 9.スペイン 10.ブラジル 日本は中国の約2倍の分担金を払っています。しかし、お金だけ負担して敗戦国扱いするのであれば、戦後69年経っても、賠償金を払い続けているのと同じことではないでしょうか。 世界で起こっている紛争の解決に常任理事国のどこかの国が反対し国連は全く機能していません。 現在もウイグル、チベットで人権弾圧を行なっている中国、世界の警察官を辞めると宣言したアメリカ、日本やドイツより経済規模が小さいイギリス、フランスの5カ国、こうした国々だけが果たして、国際平和の維持を目的とする国連の常任理事国としてふさわしいのでしょうか。 ◆国連の常任理事国入りを目指す安倍外交 現在、積極的な外交を続ける安倍首相は、各国首脳に国連の非常任理事国選挙での支援や安保理改革などの協力を要請しています。(7/29 産経) しかも、安倍首相は来年10月にある非常任理事国入りの選挙当選の先に常任理事国入りも見据えているようです。安倍首相は、カリブ共同体加盟国(14か国)との首脳会合で常任理事国拡大を含めた安保理改革への意欲を表明しています。 同じく、常任理事国を目指すドイツのメルケル首相とは今年4月の会談で安保理改革を推進する考えで一致しました。 又、今月、ブラジルのルセフ大統領とも連携して常任理事国入りを目指すことで一致しました。さらに、9月上旬のインドのモディ首相との会談でも常任理事国拡大に向けた協力を確認する予定です。 日本は4か国と連携を強化し、国際世論を味方につけていくことが今後の鍵を握ります。 ◆日本の常任理事国入りを阻む壁 安倍首相の積極的な外交が功を奏していますが、日本の常任理事国入りには、これまで以上に中国が反対運動を展開する可能性が高いと考えられています。2005年にも日本の常任理事国入りに反対して中国で大規模な反日デモが起きました。 当時のマスコミは、小泉元首相の靖国参拝が反日デモの原因だと報じましたが、その本質は、日本の常任理事国入りを辞めさせるために、南京大虐殺や従軍慰安婦などの歴史問題を持ち出して「日本人がいかに非人道的な人種であるか」を宣伝し、国際社会からの信用を失くすように工作したことにあります。 その手法は今も同じです。中国は、2020年までには、アジアの覇権を握るという国家戦略の下に動いているため、日本がアジアのリーダーとして、国際社会で発言力を得ることは何としても阻止したいのです。 また、国際平和の維持と国際協力を目的とした国連の常任理事国の条件として、基本的に、(1)防衛力、(2)核保有、(3)経済力が必要だと考えられています。 日本が世界の経済大国でありながら、常任理事国に入れない最大の理由は、軍事力の行使ができないことにあります。軍事力は、外交を行う担保であり、自分の国を自分で守ることは大国として当たり前のことです。 これができない日本は、他国からみて、「大国としての条件を満たしていない」ことになります。 安倍首相が安保理改革と常任理事国入りを本気で目指すのであれば、集団的自衛権の行使容認だけではなく、「憲法9条の改正」、そしてもう一段踏み込んだ「核保有」の検討までしっかりと視野に入れる必要があります。 ◆戦後体制を脱却し世界のリーダー国家へ 日本国内だけでなく、戦勝国中心の国連にも戦後体制が残ったままです。 国連という国際組織そのものが機能するかどうかという課題はまた別にありますが、戦後体制を脱却するためにも、ドイツ、インド、ブラジルと連携して国連改革を進めていく必要があります。 常任理事国入りは日本が大国に相応しい外交力と防衛力を持つための環境整備でもあります。 これからも幸福実現党は、この国が世界に責任をもつリーダー国家になるために自虐史観を払拭し、日本の誇りと自信を取り戻す活動を行って参ります。 日本の安全保障と集団的自衛権【後篇】 2014.08.02 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆「双務性」による日米同盟の強化 日米同盟は日本の安全保障の要です。自衛隊は未だ国内法上は軍隊ではなく、核も敵地への攻撃力も持っていません。 また情報分野もほとんど米国頼りであり、海洋貿易立国でありながら生命線であるシーレーンも、実質上、その安全をアメリカ軍の第7艦隊に委ねるなど、残念ながら、日米同盟抜きに、独自の安全保障を維持することは困難な状態にあります。 その意味で、今回の集団的自衛権の行使容認は、その日米同盟をより強固にし、さらにアメリカをアジアにつなぎとめるという意味で、日本の安全保障上、極めて重要な意味を持っています。 その最大の理由が、今回の集団的自衛権の行使容認によって、日米同盟の脆弱性の1つであった「片務性」が解消され、「双務性」に向かうことです。 国家間の軍事同盟は一般的に、NATOがそうであるように同盟国同士の集団的自衛権によって成り立っています。しかし、現在の日米同盟は、日本に米軍を駐留させる代わりに、アメリカに日本の防衛する義務を付加するという「片務性」に基づいているのです。 それは、東西冷戦という“特殊な環境”下においては機能したものの、冷戦体制が終結するに至って、その「片務性」に対して、アメリカ国内からも、「日本に米軍基地を置けるというメリットだけで日本と同盟を結んでいることに、どれだけの利益があるのか」という「日本の安保ただ乗り」論が、萌出するに至っていました。 例えば、アメリカでも最大手の外交研究機関「外交問題評議会」が1997年にまとめた報告書は、日本の集団的自衛権禁止を「日米同盟全体に潜む危険な崩壊要因」と定義づけ、「有事の際にそうした回避が露わになれば、アメリカ国民は衝撃的に失望し、日米同盟自体が危機に瀕する」と警告し、日本に政策修正を求めました。 さらに2001年にも、ヘリテージ財団が、「日米同盟の重要性が高まったからこそ、日本と米国の有事の効率的な協力や、国連平和維持活動への参加を拒む、集団的自衛権行使の解除」を求める政策提言報告書を出しました。 同財団は、2005年にも、日米同盟強化を提言。その最大の障害が、集団的自衛権の行使禁止だと強調しています。(『日本を悪魔化する朝日新聞』古森義久WILL 2014年7月号より) 現在、日本が直面する中国との尖閣問題に関して、アメリカはオバマ大統領を始め、「日本の施政下にある領土は、尖閣諸島も含めて日米安全保障条約の第5条の適用対象となる」と、明言しています。 これは、アメリカが日米同盟に基づいて、「集団的自衛権を行使する」と言っていることに他なりません。もし、日本が従来のように集団的自衛権を行使できないまま、尖閣有事や朝鮮半島有事が勃発した場合、その「片務性」に対してアメリカ世論が沸騰し、日米同盟が崩壊する危険性すら存在していたのです。 その意味で、集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、日米を真の同盟関係にするために、どうしても必要な国家の選択であったと言えます。 ◆憲法改正への嚆矢として さらにこの日米同盟が今、アメリカの国内問題によって大きく変化しつつあります。 2013年3月から始まった政府の歳出強制削減によって、アメリカは向こう10年間で3兆9000億ドル、日本円にして390兆円の歳出削減を迫られ、それに伴って国防予算は大きく削減されることになります。 その額は実に10年間で約5000億ドル(約50兆円)、一年間で日本の防衛予算(平成25年度4・68兆円)に匹敵する規模です。これによって、アメリカは「世界の警察」であることを放棄し、アジア太平洋地域における戦力や運用も、縮小せざるを得ない事態に追い込まれているのです。 ゆえに日本は、日米同盟のさらなる深化に向けて不断の努力を払う一方で、いつ何時、日米同盟が機能しなくなるような事態も想定し、今後、自らの力で中国や北朝鮮の軍事的脅威と対峙できる安全保障政策を構築しなければなりません。 すなわち「自分の国は自分で守る」――「自主防衛体制」の確立です。それは明治維新以降、日本が一貫して歩んできた道でもあり、独立国家としては当然の姿勢です。 そのためにどうしても避けて通れないのが憲法9条の改正です。今回の集団的自衛権の行使容認をめぐる国会での議論やマスコミ報道に見られるように、国際法で認められている自衛権の行使であっても、憲法解釈の変更の是非を巡って、日本の国論は分裂しました。 国家の根幹でもある安全保障政策をめぐる、こうした混乱と不毛な論議を避け、暴走する中国や北朝鮮の軍事的脅威から国民の生命、安全、財産を守るために、わが国は遠からず憲法9条の改正を実現する必要に迫られています。 なぜなら、現在の自衛隊は憲法上軍隊とは認められず、おのずと防衛行動に大きな制約が課せられているからです。 憲法改正に当たっては、自衛隊を国家防衛の軍事組織と位置づけ、従来のポジィティブ方式による法規定ではなく、諸外国の軍隊が採用しているネガティブ方式による規定化が望まれます。 当然のことながら、軍刑法の制定と特別裁判所設置も視野に入れるべきです。そのためには、憲法の解釈変更ではなく、憲法改正に踏み込まざるを得ません。 その意味で今回、集団的自衛権行使容認の是非をめぐって、国民的議論が喚起され、憲法改正への道筋を拓いたことは、実質的な抑止力向上と加えて、わが国の安全保障政策上、画期的な出来事であったと言えるのです。 日本の安全保障と集団的自衛権【前篇】 2014.08.01 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆総論 本年7月、政府は臨時閣議で、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を限定容認することを決定しました。 集団的自衛権は、国際連盟憲章51条に基づいて、国連に加盟する全ての主権国家が保有を認められている自衛のための自然権です。 にもかかわらず、戦後、わが国は70年近くにわたって、憲法9条と日米安保条約をワンセットにして維持されてきた枠組み(いわゆる『戦後レジューム』)に基づいて、内閣法制局の「集団的自衛権の行使は認められない」との解釈を踏襲してきました。 その意味で、今回の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は、“平和憲法”によって自らの手足を縛ってきたわが国の安全保障政策上、極めて画期的な「パラダイムシフト」(思考の変更)であると言えます。 また、北朝鮮の核ミサイル開発や軍事大国化した中国の海洋進出など、わが国の安全保障環境は激変し、日々厳しさを増しています。 そうした中での今回の決定は、日本の安全保障の要である日米同盟を強化すると共に、財政問題を抱えて内向きになりがちなアメリカをアジアにつなぎ止め、アジア・オセアニア諸国とも連携して幅広い外交・安全保障政策が可能となるという意味で、わが国の抑止力強化に大きく資すると言えるでしょう。 ◆普通の主権国家への第一歩 集団的自衛権とは、密接な関係にある国が武力攻撃を受けた時、自国に対する攻撃とみなして、その攻撃を阻止する権利のことを言う。そしてこの集団的自衛権は、「国際連合憲章」(第51条)で、個別的自衛権とともに、加盟各国が持つ「固有の権利」であると明記されています。(※1) (※1)国連憲章第51条 「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国債の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使にあたって加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。」 しかも、この自衛権は「正当防衛権」であり自己及び他に及び、また仏語の語原では「自然権」(au droit naturel de legitime defense)で、成文の憲法を越える存在であるとされています。 日本は、戦後主権を回復し、サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約を締結、さらに国連憲章を批准して晴れて独立国家として国連に加盟しています。 それゆえ、本来なら、政府による従来の「国際法上は保有しているけれども、憲法上、行使することができない」との解釈や、集団的自衛権が憲法上許されるか否か等の、今回の集団的自衛権の行使容認に反対する議論の多くが、国際法に基づく「国際社会の常識」からすれば、日本の国内にしか通用しない「非常識」な議論といえます。 現在の国際世界の秩序は、国際連合憲章に基づく、国連加盟国による「集団安全保障システム」によって維持されています。 それは、多国間条約において全加盟国がほかの加盟国に対する武力の不行使を約束し、違反した場合には、違反国を除くすべての加盟国が違反国に対して共同して鎮圧、被害国の主権を回復させるというものであり、国連安保理がその主要な責任を負っています。 個別的自衛権と集団的自衛権は、その安保理が「国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」認められているものです。 このように世界は、(安保理の拒否権行使による機能不全など、さまざまな問題を抱えているとしても、)国連憲章という国際法に依拠した集団安全保障で成り立っており、日本も国連加盟国の一員である以上、当然それに依拠した行動を求められているのです。 しかしながら、日本はこれまで、憲法9条と日米同盟という枠組みに拘泥するあまり、世界基準である国際法ではなく、国内法の枠組みの中での安全保障政策を踏襲し、大きな失敗を重ね、国家の威信を損なってきました。 その一例が、1992年の湾岸戦争での国際協力をめぐる日本の対応です。当時クウェートに侵攻したイラクのフセインに対して、国連の承認のもとアメリカ主導の多国籍軍が結成され、世界30カ国が参加しました。 日本は自衛隊による人的貢献 を「海外派兵となる」と見送り、代わりに約130億ドル(約1兆7000億円)もの巨額の資金を拠出しました。 しかし、国際社会からは”too little, too late(少なすぎ、遅すぎ)”と非難され、クウェート政府が米国の主要英字紙に掲載した感謝国30カ国の中から、日本の国名が除外されるなど、わが国は屈辱的な扱いを受けました。 その意味で、今回の集団的自衛権の行使容認によって、わが国はようやく、憲法9条という国内法に縛られた枠組みから、国際法に依拠する枠組へと踏み出すことになり、安全保障政策上ようやく、「普通の主権国家」に近づいたと言えます。 中南米をめぐる日中の資源外交のゆくえ 2014.07.31 文/HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆中南米訪問に力を入れる安倍首相 7月25日から中南米訪問を開始した安倍首相は、メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリを訪問し、8月1日にはブラジルのルセフ大統領と会談します。 日本の首相の訪問は、メキシコ、ブラジル、チリが10年ぶり、トリニダード・トバゴとコロンビアが初となりますが、今回の訪問には、日本のエネルギー安全保障を確保すると同時に、中南米に浸透する中国の影響力に対抗する狙いがあります。 安倍首相は、25日に「メキシコの石油増産やシェールガス開発が、世界のエネルギー市場の安定にとって重要だ。日本の技術と資金が今後有効に活用されることを期待する」と述べ、「トリニダード・トバゴで天然ガス、チリでは銅、リチウムなどの開発で日本の技術支援や投資を」(産経ネット版7/30)活発化させる方針を示してきました。 ◆中南米に浸透する中国の影響力 安倍首相は、中南米にてインフラ輸出、資源・エネルギー面での連携、国連での地位向上を図るための味方づくりなどを進めていますが、すでに習近平氏は7月中旬に中南米四か国を訪問しているため、今回は、東アジアでの日中の対抗関係が地球の裏側にまで持ちこされています。 8月1日に安倍首相はブラジル入りしますが、習近平氏とルセフ大統領との首脳会談では、ブラジルの鉱山開発企業に約5千億円規模の融資、アマゾン流域で建設中のダム開発支援、ブラジルのエンブラエル社製の航空機60機の購入等が決まっています(産経ネット版 7/18)。 習氏は、「中南米30カ国以上が加盟するラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の首脳会議にも出席し「2024年までに中南米との貿易総額を現在の約2倍の5千億ドル(約50兆円)以上にする」(産経ネット版 7/25)と豪語しました。 現在、長年の積み重ねもあって、中国の資源外交や貿易拡大のための世界戦略は中南米にまで浸透しています。(習氏は就任以来、二回目の中南米訪問を行なっており、前主席である胡錦濤氏も中南米を訪問している) 筆者である私も、ペルーに住む知人から「日本語を学ぶ人が減り、ビジネスで有利な中国語を学びたがる人が増えている」という話を聞いたことがありますが、今後、日本はGDP第二位奪還計画を立てるとともに、もっと国際広報に力を入れていかなければならないでしょう。 日本の首相が訪問できたのは10年ぶりであることを考えると、今後、日本にとって大切なのは、世界規模で「敵を減らし、味方を増やす」外交戦略を展開することです。 そのためには、「常に地球儀を見ながら考えていた」とも言われる毛沢東以上の戦略眼を持った大政治家が、日本から出て来なければならないでしょう。 ◆中南米最大の親日国ブラジルとのさらなる関係強化を 中国に比べると、なかなか外遊できない日本の首相は後手後手になっていますが、習氏の中南米訪問にはベネズエラやキューバなどの反米国も含まれているため、日本としては、ブラジルなどの国々に「自由主義、民主主義国の連携」を訴えることで、中国との差別化を図ることができるでしょう。 1日に安倍首相が赴くブラジルは150万人の日系移民が住む南米最大の親日国であり、日本とは歴史的にも文化的にも経済的にも深いつながりを持っています。(日本からのブラジル移民には100年以上の歴史がある) そして、2016年のリオデジャネイロ・オリンピック、2020年の東京オリンピックにおける相互の協力、ブラジル人移民の受入れ、南大西洋の深海油田開発への協力、ブラジルからの石油、鉄鉱石の輸入など、日本とブラジルの間で進めるべき取組みも数多くあるのです。 ブラジル側には、「中国の軍事的脅威は地球の裏側にある自国にまで及ばないので、確執が続く日中両国とうまく付き合い、日中両国からブラジルに有利な融資や支援などを引き出したい」という考えもあるでしょうが、日本としては自由主義、民主主義国としての価値観の共通性や日系移民を通じた交流の歴史などを強調し、単なる経済関係以上の、深い協力関係を目指していかなければなりません。 ウクライナ問題と日本の役割 2014.07.30 文/HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党世田谷区代表 曽我周作 ◆マレーシア航空撃墜事件 ウクライナの上空でマレーシア航空が撃墜された事件から約2週間が経過し、ウクライナ問題がさらに出口の見えないものになってまいりました。 今回の撃墜事件は、事件発生直後からロシア製の地対空ミサイルのBUKが、新ロシア派によって使用されて発生したという見方が出ています。 しかし、そもそも「新ロシア派」というものの、親ロシア派の「ドネツク人民共和国」の実態として、それを率いているのはロシアの諜報機関であるGRUの関係者であると指摘されています。 したがって、この長く続くウクライナ問題は、単なるウクライナの内政問題であるわけではありません。 現状としては事故から2週間がたちますが、事故現場の捜索活動も親ロシア派の抵抗で十分に行えていない状況であるといわれています。 事故の後からの当面の争点としては、 (1) この撃墜は誰が行ったのか (2) この撃墜は何の兵器によってなされたのか、その調達はどのようになされたのか これらの2点がまず挙げられるかと思います。 ◆親ロシア派の誤射 『エコノミスト』では「ミサイルはロシアから供給され、要員もロシアで訓練された」と主張しています。 また、このような撃墜は高度な兵器と訓練がなければできないことだといわれており、ロシア側の関与が疑われています。 そして、当初から親ロシア派の誤射であるだろうといわれています。 これら西側諸国の主張する内容が全て真実であると仮定しても、エコノミストのいうように「西側諸国が厳しい制裁をロシアに課して、プーチン大統領とその仲間を国際社会の協議の場から追放すること」が事の解決につながるのかといえば、それは大いに疑問があります。 ただし、同じく西側諸国の主張する内容が全て真実であると仮定して、ロシアのプーチン大統領も、西側諸国が主張するとおりのことが事実であることを知っている、つまり、ロシアが供与した地対空ミサイルBUKで、親ロシア派がマレーシア機を誤射したということを知っている可能性も当然あります。 クリミア編入など、ロシアの思惑が貫かれた部分も多分にあったと考えられる一連のウクライナ問題ですが、このマレーシア機撃墜はプーチン大統領にとって大誤算であった可能性もあるでしょう。 ◆日本の役割 西側諸国の主張する内容が真実であると証明された場合、プーチン大統領は更なる窮地に立たされるかもしれません。 EUに続き日本もロシアに対して追加制裁を決定しましたが、今後日本国政府としては米国追随型で制裁に進むだけなのかどうかが試されているでしょう。 この期に及んでもなお、ロシア政府側から、この秋に日ロ首脳会談が行われることに期待感を示す意見が出されるのは、もちろんロシア経済にとって対日関係が極めて重要であることも一因でありますが、やはり同時に、日本に西側諸国とロシアとの仲立ちを期待する意味合いも含まれているでしょう。 日本までもがアメリカを中心とする西側諸国の激しい「怒り」の波に乗りすぎると、追い詰められたロシアが中国と接近し、中ロが組んで日本に本格的な脅威を与えるようになる危険性があり、それは日本として最悪のものであります。 今回のマレーシア航空の撃墜事件は、プーチン大統領としてもかじ取りを一気に困難なものにした「不測の事態」であった可能性があります。 安倍首相率いる日本政府としても非常に対応の難しい問題であるかもしれません。 ロシアのプーチン大統領にとっても国際社会の責任ある国家の一つとして、この問題の解決に向けたプロセスに進めるよう、西側諸国とロシアの中で泥沼化しつつある問題の解決に向けて、我が日本国政府が国際社会の舞台で重要な調停役を見事に果たされることを切に期待するところであります。 (参考)『Economist』より Russia’s president is implicated in their crime twice over. First, it looks as if the missile was supplied by Russia, its crew was trained by Russia, and after… 左派とのディベート――集団的自衛権 2014.07.26 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆左派の「集団的自衛権」反対の動き 安倍政権が、集団的自衛権行使容認の閣議決定を決めようとしていた6月末、渋谷駅を歩いていると、左派団体が「あなたは集団的自衛権に賛成ですか?反対ですか?」というアンケートを行っていた。 私の方が「アンケート取ってくれ」という念を発していたのか、たくさんの大衆が歩いているにもかかわらず、迷わず私の前に50代の女性と男性、それに20代の女性が寄ってきて私に質問をしてきました。 「ボードに集団的自衛権に賛成なら『Yes』、反対なら『No』にシールを貼ってください。」 私は、もちろん「Yes」にシールを貼りました。ボードは「Yes」と「No」が半々でほとんどもう貼るスペースもない程でした。つまり日本国民の半分は「集団的自衛権を認めている」のです。 ちなみに、某新聞社の国会を取りかこむ集団的自衛権反対集会の記事に同じ「集団的自衛権Yes・Noボード」が写っていました。その集会の中で取ったアンケートだったのか、すべてシールは、「No」でした。 こうしてあたかもすべての国民が「集団的自衛権反対」であるかのように世論操作が行われているのです。 ◆集団的自衛権は戦争に日本を導く? さて私がシールを「Yes」に貼ると、50代の女性は私に「なぜ集団的自衛権に賛成するんですか?」と質問してきました。 「私は集団的自衛権に賛成です!なぜなら集団的自衛権を行使できるということは、軍事的台頭がすさまじい中国の軍事的野心を抑止することができるからです。」 すると「日本が戦争の道に進むことに賛成なんですか」と、いつも左派が主張する反論が返ってきました。 「戦争を考えているのは日本ではなく中国ですよ。習近平は、昨年2月、軍隊を視察した際に戦争準備しろと指示していることを知ってますか。知らないでしょう!?」 【注】習近平は、昨年2013年2月、甘粛省・蘭州軍区を視察の際に、「部隊は『招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利する』よう確保しろ」と指示した。 (2013年2月7日『解放軍報』) 「中国はベトナムの近海で勝手に資源を採掘しておきながら、ベトナムが抗議すると自国の領有だと主張し、ベトナムが抗議船を出すと船をぶつけてくるような国ですよ。」 さらに私は続けて言いました。「中国はベトナムでぶつかる前、4月に日本の久米島で海洋資源の調査を行ったのを知ってますか?」 「日本は中国に抗議の声明は出しましたが、中国の海洋調査を止めさせることは出来なかったんです。もし海保がそれを止めに入ったらベトナムの事件より先に日本で中国との衝突事件が起きてもおかしくなかったんです。」 そばにいた20代の女性は、そんな話は初めて聞いたというように目を丸くして聞いていました。しかし続けて50代女性は、私に反論してきました。 「そんな人が住んでいない島、どうでもいいじゃないですか?」(おそらく久米島を尖閣諸島と勘違いしている) 「え!、何を言ってるんですか!久米島は人が住んでいますよ。漁民の皆さんは、中国の船が大量に出てきて怖くで漁にも出られないことを、知らないでしょう。」 ◆個別的自衛権と集団的自衛権 それまで黙って横で聞いていた50代の男性が私に言いました。 「それは、個別自衛権ですよね。」 「個別自衛権も集団的自衛権も分けて考える問題ではなく、本来はつながっている問題じゃないですか。」と私。 「中国側の側から考えてみてください。日本に手を出したらそのあとに米軍が出てくるかもしれない。そう思ったら、中国は日本に簡単に手は出せなくなるんです。」 「これが集団的自衛権のもたらす抑止力です。集団的自衛権は、戦争をやるためのものではなく、逆に中国の軍事的野心を止める効果があるんです。」 「集団的自衛権がなければ、日本は個別的自衛権で対処しなければなりません。つまり日本のみで中国と対峙しなければなりませんよね。一国で弱ければ、中国は手を出してきます。」 「これが今回のベトナムへ中国がとった船をぶつける横暴な対応ですよ。だから中国は個別的自衛権しかない国で自分より弱ければ手を出します。しかし日本が集団的自衛権を認めれば、日本に手を出せば米国も相手にしなければなりません。つまり簡単に中国を手は出せなくなります。」 私もずいぶん勢い余って話してしまったが、ここで3人は、「わかりました。集団的自衛権には賛成、ありがとうございました。」と、引き下がりました。 ◆行動する保守を目指せ! 私に反論した50代の女性と男性は、もう思想的に変わらないと思いましたが、20代の女性の目は、何か心の中で「科学変化」が起きているようにも見えました。 どちらにしても、左派はこうして啓蒙活動を展開し国会を取り囲むほどの感化力と行動力があるのです。 ところが、左派とは反対で保守の行動は、全く足りない、これが現実です。私たちはこうした左派の行動量に負けるわけにはいきません。 もっと圧倒的な「言論による啓蒙」を行う「行動する保守」にならなければ、真に世の中を変革することはでないのです。 国際正義を語れる国へ――責任ある大国、日本の復活を世界が待っている 2014.07.24 文/HS政経塾1期卒塾生 彦川太志 ◆集団的自衛権容認で何が変わるのか 7月14日と15日の二日間にわたり、衆院予算委員会で集団的自衛権の行使容認に関する審議が行われました。 今後は自衛隊法等の具体的な「法改正」に向けた準備が行われることになりますが、自民党は来春に控えた統一地方選への影響を考慮し、2015年春まで「先送り」されることが予想されています。 このように法案提出までは相当の時間がありますが、今回の閣議決定によって、今後自衛隊の行動にどんな変化が出るのか。また、わが国の外交にどのような展望が開けるのか、マスコミの報道だけでは分かりにくい面がありますので、外交評論家の岡崎久彦氏の発言を中心にまとめてみたいと思います。 ◆米海軍と共同でシーレーン防衛ができるようになった 外交評論家の岡崎久彦氏は、政府解釈の変更が閣議決定された当日7月1日の報道ステーション(テレビ朝日)のインタビューで、「これで日本の生命線たるシーレーンのすべてを自衛隊がパトロールできるようになる」と具体的な変化を指摘しています。 岡崎氏は法整備を待たずして、解釈変更だけで米海軍との共同パトロールが可能と指摘しており、日米同盟の抑止力が高まることはもとより、同盟国として「ともに汗を流すこと」が同盟の絆を固める効果があるとしています。 ◆国連常任理事国入りの現実味が増してきた さらに岡崎氏は、集団的自衛権に関する解釈変更によって、米軍やASEAN諸国の軍隊に自衛隊の「顔が見える」ようになることは、日本の国連常任理事国入りにとってプラスに働くことを指摘しています。 9年前、日本やドイツ・インド・ブラジルが国連安保理常任理事国の議席を増やす提案を行いましたが、中国の顔色を伺うASEAN諸国の支持を取り付けることができませんでした。 その原因として、国際正義を守るための軍事力行使について後ろ向きな日本政府に、信頼が集まらなかったという点が挙げられています。 日本海軍の伝統を受け継ぐ海上自衛隊の規律・能力を目の当たりにすることで、わが国にたいする国際的信頼が高まると共に、中国に必要以上におもねる国も減ると想定されています。 折りしも9月から国連総会議長に就任するサム・カハンバ・クテサ氏(ウガンダ外相)が、朝日新聞のインタビューに応じて「国連は来年で70歳。常任理事国を増やすなどの改革が必要。」と発言しており、国連改革の機運も高まりつつあるといえます。 こうした国連安保理改革をも視野に入れた場合、安倍首相の「積極的平和主義」をさらに具体化し、憲法において「自国の防衛」と共に、「国際正義を守る」ための自衛隊、という定義を明確にしていくことが重要と考えられます。 そういった観点からも、自民党は集団的自衛権の解釈変更にとどまることなく、きちんと憲法9条改正をも訴えていくべきではないでしょうか。 ◆内閣支持率の引き下げに躍起となる大手報道機関 ところで、集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定がなされた後も、容認反対派の攻勢が続いています。 特に7/14の東京新聞記事「滋賀知事選 自公敗れる 集団的自衛権・やじ影響」という記事では、「集団的自衛権の行使容認が内閣支持率の低下に繋がった」とする印象を植え付ける意図が感じられます。 しかし、議論の「幹」である国防強化のそもそもの必要性よりも、「議員の資質問題」や「開票不正操作問題」など、全く別の論点と引っ掛けて※内閣支持率を引きずり下ろそうと考える意図が見え見えです。 (※高松市の開票不正操作など、明確に違法性がある案件については当然、法に則って処罰されるべきです。) ◆あまりにも感情的な社民党のポスター そのような反対派の活動の中でも、ここ数日注目を集めるのが社民党のポスターです。「あの日から、パパは帰ってこなかった」というキャッチで、路頭に迷った戦災孤児を思わせる印象操作が行われています。 確かに現実に戦闘が始まれば、死傷者は必ず発生します。しかし、「全体主義国家による侵略を抑止する」という使命に従事する自衛官の皆様は、「一身の安全に換えてでも、一億数千万の国民の安寧を守る」という高次の精神に奉仕しているのであり、中国・北朝鮮に対して「侵略戦争は許さない」という国際正義の防波堤としての役目を担ってくださっているのです。 もし、そのような「武士道精神」を発揮する人たちがいなければ、社民党風に言って、「あの日から、国は戻ってこなかった」と書き換えられる事態を呼び込むことは間違いありません。 参考記事 7月2日 産経 「正論」岡崎久彦氏 7月5日 朝日 「集団的自衛権容認 『よくなかった』50%」 7月12日 朝日 「常任理事国増やす改革を」 次期国連総会議長クテサ氏 7月14日 東京 「滋賀知事選 自公敗れる 集団的自衛権・やじ影響」 7月14日 NHK 「世論調査 内閣支持は47% 不支持は38%」 7月17日 朝日 「社民ポスター「パパは帰ってこなかった」 集団的自衛権」 すべてを表示する « Previous 1 … 60 61 62 63 64 … 98 Next »