Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 現地報告!――アメリカ人の歴史認識と戦後70年談話に必要なこと【その3】 2015.04.29 幸福実現党・兵庫第12選挙区支部長 和田みな ◆ロサンゼルスでの日本人差別の実態 前々回の報告でも触れましたが、アメリカ第2位の大都市であるロサンゼルス近郊には、全米で最も多い9.7万人以上が暮らしています。その他にもハーフやクオーターなど多くの日系人も住んでおられます。 今回取材に応じてくださった12名の内5名の方が、アメリカにおいて日本人以外から「従軍慰安婦」について「何か言われた」経験を持っていることがわかりました。 その内容は、従軍慰安婦についての質問を受けたり、内容について聞かれたことがあるというものでしたが、そこから議論になり、非難されたり、バカにされた経験をお持ちの方は5名中4名でした。 さらに、アメリカでの生活に「従軍慰安婦像」の問題などが悪影響を及ぼしているかという質問には、2名の方が「感じる」と答えられました。 ◆日本人差別の内容 お話を伺ったある女性の体験では、韓国系の住民が多い地域のスーパーなどで買い物をしていると、レジに並んでいて自分の順番になっても「日本人は一番後ろに並べ!」と店員さんに嫌がらせを受けたり、商店でお魚をさばいてほしいとお願いしても、自分だけ「出来ない」と断られたりしたご経験をお話しくださいました。 また、聞こえているはずなのに無視されるという「いじめ」のようなことも体験されていました。 その女性は「そんなことは何とも思ってないけどね。そのお店にはもう行かないから!」とおっしゃられていました。 「そんなこと」とおっしゃられていたことでもわかるように、アメリカで暮らされている日本人は強い方が多いです。差別や偏見に負けずに、たくましく暮らされているのでしょう。 しかし、「従軍慰安婦」という無実の罪の影響で、日本人が少なからず差別にあっているということは非常に悔しいことです。 ◆現地の日本人アクテビィストの方の訴え 今回、現地の「従軍慰安婦像反対運動」をされている日本人アクテビィストの方に取材をさせていただきました その方はこのように言われていました。 「仕事でアメリカに暮らしていましたが、定年を迎えたら大好きな日本で余生を過ごしたかったんです。しかし、子供もアメリカで結婚し、孫もアメリカに暮らしています。このままでは、将来日本人がアメリカで住みにくくなってしまう。私がなんとかしなければいけない。」 「しかし、あっちで像が建つと言われれば反対し、こっちで建つと言われれば反論し・・・実際はもぐらたたき状態です。私たちの力ではどうしようもない。」 「日本政府がはっきりと世界に訴えてくれれば、解決する。そうすれば、今すぐにでも、大好きな日本に帰りたい。」 私は、この訴えを聞いて胸が詰まる想いでした。日本政府、政治家は、未来の日本人のために現地で活動してくださっている方々のこのような想いをもっと真剣に受け止め、行動すべきです。 同時に、日本に住む私たち一人一人も、このように苦労をされながら日本人の汚名返上のために戦ってくださっている同朋の方のためにも、これ以上、ただの無関心でいてはいけないのではないでしょうか。 ◆日系人青年の背負った「日本人」という名の十字架 前々回の報告で従軍慰安婦像の建つフラトン市での意識調査について報告しましたが、そこでアンケートに答えてくれた一人の20代の白人青年がいました。少女の慰安婦像が建つ公園に隣接している図書館で働いている白人の青年です。 彼にも他の方と同じようにいくつかの質問をしましたが、「従軍慰安婦は歴史的事実であると考えますか?」という質問になった時に、青年は急に悲しそうな顔をして黙ってしまいました。 詳しく話を聞くと、「実は」と言って話してくれました。彼は日系人とのクオーターでした。 見た目はわからないのですが、彼はこのように私に言ってくれました。「自分には日本人の血が流れています。従軍慰安婦は真実であってほしくないけど、事実ですよね。自分はそれを認めるのがとても辛く、苦しい。」 彼は慰安婦像の建つ公園を毎日通り、横で働き、誰にも言えない「日本人としての罪」を抱えて日々暮らしていたのです。 ◆日本人であることに誇りを持てる国にするために このような想いをしているのは、私が出会った彼だけでないはずです。世界中の日本人、日系人が無実の罪のせいで、日本人であることを罪に思って暮らしていることは想像に難くありません。 これは本当に本当に悔しいことです。 彼らを日々苦しめている、朝日新聞、河野談話、村山談話の罪の深さは計り知れません。 安倍首相には、多くの方を今も苦しめ続けている「偽りの歴史観」、過去の談話から脱却し、真に日本人と世界の人々を幸せにする談話を発表されることを強く強く望みます。 現在苦しんでいる皆さんが、「日本人として誇りを持てる」と言えるような日本にすることを誓います。 2016年、台湾総統選について考える 2015.04.28 文/幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆2016年 台湾総統選に向けての各党の動向 台湾総統選が来年2016年1月16日に実施されます。 昨年11月に行われた統一地方選挙では、新北市以外の主要都市で野党民進党候補が当選。最大都市の台北市においても、民進党が推す無所属候補が当選し、国民党は民進党に惨敗しました。 この責任をとって、馬英九総統は兼任していた国民党主席を辞任しています。 馬英九の後に主席を引き継いだのは、新北市の市長の朱立倫氏です。 低迷する国民党支持率回復の責任を担っていますが、「2016年の総統選には出馬しない」と言っており、主席であっても総統選までの1年未満で党のイメージを回復させ、国民の支持を得ることは難しいと考えているようです。 現在二期目をつとめる馬英九氏は再再任が憲法において規制されているため、他に何人かの名前は上がっているものの最終的には朱氏が総統選候補になると考えられます。 総統選まで1年を切った今でも、候補者が決まっていないことからわかる通り、与党国民党の準備不足とリーダーの不在は深刻な問題です。 一方で、民進党は2012年の総統選で馬英九に負けた蔡英文氏が再度出馬することが決まっており、準備は整っているようです。 昨年の統一地方選での大勝利も祭氏の手腕によるものが大きく、党内での信任も集めています。 このままいけば、来年の1月には与野党がひっくり返り、民進党が8年ぶりに与党になる可能性があります。同時に、台湾における初の女性総統が誕生するかもしれません。 ◆民進党は政権与党に相応しいか しかし、民進党が与党になるためには、乗り越えなければならない問題が何点か存在します。 一つは反原発政策です。 四方を海に囲まれ、九州ほどの面積しかない台湾では、エネルギー安全保障は最重要課題です。 1987年には原発が電力の48%を占めていましたが、現在では18.4%にまで減少しています。 台湾では芸能人がテレビを通じて反原発の意思を表明。反原発デモの先頭に立っています。そして、民進党の蔡氏もその横に立って活動しています。 与党は原発推進ですが、高まる反原発運動に屈した形で、ほぼ完成している龍門一号機の密閉管理と同二号機の建設凍結を発表。と同時に、現在稼働している6基の原発を順次閉鎖していく予定をしています。 エネルギー自給率が1%以下の台湾においては原発こそが、他国の政治情勢に左右されない唯一の安定的な電力供給源であるはずですが、民進党はその選択肢を放棄してしまうのでしょうか。 二つ目は、中国の圧力による他国との関係悪化した場合の対応策についてです。 台湾独立を目指す民進党の陳水扁氏が総統をした8年間、台湾は中国共産党との関係悪化はもちろんのこと、中国からの圧力を受けた国々とも関係が悪化。 結果、外交に時間とお金を取られ、国内経済・政治に支障をきたしました。 現在、蔡氏は対中政策については「両岸(台中)の現状維持が原則だ」とし、独立運動を前面に出すことはありません。 ただ、現在の国民党と中国は「中国は一つ」とし、双方がその主体であると主張しつつも台湾は独立しない、という92年コンセンサスを基礎として交流を行っていますが、民進党はこの考え方を認めていません。 考え方の基礎を明示し、中国圧力に対する解決策を示すことが必要ですが、曖昧なまま与党不人気に乗じて総統選に突入していくでしょう。 ◆台湾にも必要な、新しい道 これら以外にも、所得の再配分や、過剰な人権擁護政策など、“反国民党”かつ寄せ集めた左寄りの政策が散見されます。 与党を目指すにあたり、見直すべき項目が多々あるはずです。 昨年、台湾で起きた立法院占拠と大規模なデモ活動「ひまわり運動」は、政治家や大人を頼らない若者たちによる、第三の道の模索運動でした。 彼らは、中国共産党に台湾が呑み込まれることも否定しつつ、民進党が提示する未来にも満足していませんでした。ここに未来への希望があります。 台湾はアジアの安全保障の第一です。台湾に対して、日本が重要視していることを伝え、連携を強化しなければなりません。 2016年の台湾総統選に注目しつつ、アジアの安全を共に守っていきたいと思います。 国防の気概をもって日米関係の深化と東アジアの繁栄を 2015.04.23 文/HS政経塾3期卒塾生 幸福実現党・新潟県本部副代表 横井もとゆき ◆期待される日本の防衛 この3月31日には、日本と米国の両国の艦隊司令官が横浜港の米海軍第7艦隊旗艦ブルーリッジの甲板にて記者会見を行い「世界で最も緊密なパートナー」として同盟の前進を約束しました。 ブルーリッジとは太平洋からインド洋中東までをカバーする第7艦隊の司令塔の役目をする唯一の艦船です。このような艦上で宣言するパートナーシップとは、新たな日米関係で世界の平和と安全をつくろうという宣言にほかなりません。 そもそも日本に駐留する米軍は、GHQによる戦後の日本の統治から始まり、朝鮮有事ににらみを利かせるとともに、冷戦構造の中で旧ソ連や中国などの共産主義・社会主義の広がりに対する軍事的な防波堤として機能してきました。 日本の防衛がすなわち世界の警察の役割のひとつであることから、自衛隊と日米安保による在日米軍により、日本の平和と安全は守られてきました。 しかし、沖縄問題を見る限り、この平和と安全はすでに表面的なものであると同時に、過去のものとなる可能性が非常に高くなっています。 今まで日本は守られてきました。これまでの恩に感謝し、これからは日本人も世界の平和をつくるため積極的に活動しなければなりません。 ◆2020年の世界はどうなっているのか この日米同盟は一体どこに向かって進んでいるのでしょうか。2020年、日本や東アジアはどうなっているかが一つの着地点になるのではないでしょうか。 中国共産党の計画によれば、中国は2020年までに太平洋に本格進出し、この時点で日本を中国の影響下に置こうとしています。最終的には、日本を自治区化しようとしているという内部情報がネット上に流れたこともあります。 ばかばかしい計画に見えますが、不法な南沙諸島での滑走路建設の他、アジアインフラ投資銀行を立ち上げて周辺国を開発し、各国に華僑の政治家を輩出し、海外旅行先での爆買い中国人観光客誘致を各国に行わせ、ルールにのっとった形で世界の中国依存体形をつくっています。 また、世界中の中国人を共産党の命令一つで一瞬にして兵士に変える「国防動員法」という法律のもと、世界中に共産党員を送り込み、虎視眈々と機会をうかがっています。 中国の軍議動向として海洋進出は加速し、太平洋・インド洋へ遠洋航海、島嶼占領訓練をはじめ、空母運用、DF-21ミサイルなどの空母キラーと言われる弾道ミサイルの量産、高性能化を進めていることから、核の恫喝を後ろ盾とした局地戦勃発の可能性を確実に準備し、その矛先は米軍にも向けられています。 今の日本の延長線上では2020年に我々は平和を享受することは叶いそうにもありません。 ◆防衛費増額、自衛官増員で国防の気概を示せ この状況の中で、米海軍が海上自衛隊をアジア太平洋地域の平和と安定を支えるための世界で最も緊密なパートナーとしたのが日本です。 これは日本の横須賀に駐留しているがゆえのリップサービスではなく、米国の国益のみならず、世界の警察としての米海軍の役割を忘れていないという意志の表れと受け取れるでしょう。 海上自衛隊、さらに日本政府はパートナーとして、この声に応えてゆく責任があります。 27日には日米両政府間で18年ぶりの改定となる日米防衛協力の指針(ガイドライン)が合意される見通しです。 新ガイドラインで新設または強化される協力項目に相応の防衛予算が必要となります。防衛予算も隊員数も今必要とされる防衛力の整備には到底足りません。 ちなみに幸福実現党は防衛予算の倍増を政策として掲げています。 http://hr-party.jp/policy/national-defense/ また任務遂行のための部隊や隊員の練度向上には5~10年単位の月日が必要です。中期防衛力整備計画のような中長期の計画の見直しも必要です。 現実を直視し、新たな米軍との役割や協力のあり方を見直し、新たなガイドラインにおいて、日本人の平和を愛する気概を示してゆかねばなりません。 同盟国の米国と共にアジアの平和と安定を保ち、経済成長を導き、自国の繁栄のみならず、協力国の国益を増大させることをもって、日本人の願う平和としなければなりません。 他者への愛の気持ちで、中国の共産党一党独裁に基づく危険な軍事拡張主義を押しとどめてゆきたいと思います。 参考:読売新聞2015.4.20-22朝刊 どうなる中国経済!?――日本は中国危機に備えた対策を 2015.04.21 文/HS政経塾2期卒塾生 川辺賢一 ◆世界経済のリスク、中国 中国は15日、今年1-3月期の成長率が7.0%であることを明らかにし、2009年1-3月期以来の低い伸び率であったことがわかりました。 中国の成長鈍化はいまや欧州での経済危機と並び、世界の経済成長を阻害する最大のリスク要因となりつつあります。 果たして、一部のエコノミストや評論家たちによって久しく喧伝されてきた「中国バブル崩壊」論は現実になるのでしょうか。本稿では中国経済の動きを分析し、日本に求められる対策について論じます。 ◆外貨資産を売却し始めた中国 さて15日は中国経済に関してもう一つ注目すべきニュースがありました。 昨今、中国が米国債保有額を大きく減少させたことにより、米国債保有額で日本が中国を抜いて、約6年半ぶりに首位に立ったのです。 これまで中国は輸出拡大を図って為替相場を元安に誘導するため、外為市場で「元売り・ドル買い」介入を続けて来ました。また、そこで得たドル資産を米国債で運用していました。 そのため、中国のドル準備や米国債の保有額は急激に膨張し、2008年8月以来、中国は世界最大の米国債保有国となっていたのです。 ところが昨今の景気後退と米国の利上げ観測により、海外から中国に流入していたマネーが反転し、低リスクかつ高利回りが期待される米国に、流出し始めたのです。 その結果、今年3月、中国は元相場の急落を防ぐため、米国債で運用していたドル準備の一部を売却し、外為市場で元を買い支える「元買い介入」を実施したのです。 つまり、中国は輸出拡大を目的とした「元売り・ドル買い」介入から、元急落を防ぐための「元買い・ドル売り」介入へと為替政策を切り替えたのです。 実際、李首相は15日、「一段の元安望まず」と発言しているように、元安による中国の成長モデルは今、限界に直面しているのかもしれません。 ◆矛盾に直面する中国の経済政策運営 15日の発表が明らかにしたように、不動産市況の不振や相次ぐシャドウバンキングの倒産により、企業の生産や投資が伸び悩み、中国は内需も外需もいまいちです。 そのため、中国担当のエコノミストやアナリストには、中国人民銀行に「さらなる利下げ」を求める声もあり、実際、人民銀の周小川総裁も先月、デフレリスクに警戒する必要があるとし、「一段の緩和余地」があることを示唆しています。(人民銀は19日、預金準備率引下げを決断) しかし、片方で元相場の急落を防ぐべく元買い介入を行いながら、もう片方で内需刺激のために利下げを行うのは、政策運営として混乱していると言えるでしょう。 なぜなら、人民銀による利下げは、国際金融の観点からは、元安要因となるからです。中国の利下げと米国の利上げによって、中国からのマネー流出はさらに加速するでしょう。 さて、これまで「中国バブル崩壊論」は一部のエコノミストや評論家によって喧伝されて来ましたが、共産主義国家ということもあって、実際の中国経済の実情を知るのは困難でした。 ところが、このように矛盾に直面する中国の政策運営から、中国経済の苦境を伺うことができます。 ◆日本の対策――「中国バブル崩壊」対策と「AIIB吸収」構想 さて、私たちは中国クライシスを警戒し、政府は対策を打ち出すべきです。 まず第1に政府は「中国バブル崩壊」対策を打ち出すべきです。 具体的には90年代00年代の過度な円高で中国に進出せざるを得なかった日本企業の中国撤退あるいは親日アジア地域への移転を、国際協力銀行やそのための基金を設立し、金融的に支援することです。 かつて1920・30年代も日本は通貨政策の誤りによりデフレに陥り、経済的に大陸へ活路を見出さざるを得なくなりました。そして、それが日中戦争の遠因となったのです。 これを教訓とするならば、政府は日中友好のためにも、日本企業の中国流出を金融的に支援すべきです。 第2に「アジアインフラ投資銀行(AIIB)吸収」構想です。 先に述べたように、中国経済は現在、下降軌道にあります。そうした中国主導のAIIBに日本が参加を見送ったのは、経済的に正しい判断であったと言えるでしょう。 ただし、幸福実現党が日本の世界戦略として、リニア新幹線や民生化スペースシャトルにより、全世界を一つに結ぶ構想を掲げるように、日本としても、中国政府が提唱する「新シルクロード」構想自体には共感を寄せるべきでしょう。 しかし、下降軌道にある中国主導で進められるのは心もとない限りであり、また本来、こうした構想は一国の主導ではなく、環境や人権にも配慮する複数の国によって、民主的・平和的に進められるべきです。 よって、日本としては時期を見極め、米国の資本を巻き込みつつ、アジア開銀によってAIIBを吸収合弁・子会社化していく道を構想すべきです。 私たち幸福実現党は日本と地球、全ての平和と発展繁栄に全力で尽くします。 現地報告!――アメリカ人の歴史認識と戦後70年談話に必要なこと【その2】 2015.04.19 幸福実現党・兵庫第12選挙区支部長 和田みな ◆フラトン市民の意識調査 ロサンゼルスの中心部から南東に約40kmのところに位置するフラトン市は、グレンデール市よりも素朴で緑豊かな美しい学術都市です。 フラトン駅から歩いて5分ほどの学校と住宅に囲まれた小さな市立博物館の敷地に従軍慰安婦像が建てられる可能性が出てきたのは昨夏で、その後、在米邦人の方々の反対運動と韓国側の対立が続いています。 このフラトンでも住民の方に駅前で意識調査を行いました。日本でもこれだけ話題に上っているフラトン市の問題なので、多くの方からご意見が聞けるかと思いましたが、私が聞いた方々の中で、まともに「従軍慰安婦」を知っている方は「ゼロ」でした。 また、数人の方は「私はアジア系移民ではないので、その問題には答えない。」と言われました。慰安婦像が建ってしまったグレンデールと、まだ建っていないフラトンの違いを目の当たりにし、改めて慰安婦像が建つことの影響力の大きさを実感しました。 ◆戦後70年談話に必要な「未来志向」の内容 今回の調査中、意見を下さったフラトン市のある男性が次のように教えてくださいました。 「アメリカは多くの民族が暮らす社会。お互いの祖国の批判や意見の違いを超えて、未来の事に対して考え、まとまっていく国だ。」 この話を聞き、アメリカで見た従軍慰安婦像に対する何とも言えない違和感の謎が解けるようでした。 アメリカの方々は決して過去に対して知識がないわけではないと思いますが、思考的に過去にこだわるのではなく、「これからどうするのか」に興味がある方が多いのです。 日本人は、単に相手を批判するのではなく、歴史的問題に対しても自分たちの立場で意見をはっきり述べた上で、未来に対して「どのようなビジョンを持ち、どのように責任を持ち、どのように実行していくのか」という具体的な未来ビジョンを世界に示し、実行していくことが必要であると感じました。 幸福実現党の大川隆法総裁が昨年発表した「大川談話―私案―」は正に、自らの国の見解、未来への強い決意、具体的内容が込められている談話です。安倍首相は今夏、「未来志向の戦後70年の談話をだす」と言っています。 その内容が、聞こえのいいお題目で終わることなく、上記のようなことをしっかりと踏まえて、日本の立場を明確に示し、世界に対して、日本の進むべき具体的な道を示せるだけの決意と内容が込められたものになることを切に願います。 次回、アメリカ現地報告【その3】では、現地に暮らされている日本人の皆さんの生の声をお伝えします。 ■参考「大川談話―私案―」 村山談話・河野談話は遡って無効である http://special.hr-party.jp/policy2013/okawa-danwa/ わが国は、かつて「河野談話」(一九九三年)「村山談話」(一九九五年)を日本国政府の見解として発表したが、これは歴史的事実として証拠のない風評を公式見解としたものである。 その結果、先の大東亜戦争で亡くなられた約三百万人の英霊とその遺族に対し、由々しき罪悪感と戦後に生きたわが国、国民に対して、いわれなき自虐史観を押しつけ、この国の歴史認識を大きく誤らせたことを、政府としてここに公式に反省する。 先の大東亜戦争は、欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたものである。 政府として今一歩力及ばず、原爆を使用したアメリカ合衆国に敗れはしたものの、アジアの同胞を解放するための聖戦として、日本の神々の熱き思いの一部を実現せしものと考える。 日本は今後、いかなる国であれ、不当な侵略主義により、他国を侵略・植民地化させないための平和と正義の守護神となることをここに誓う。 国防軍を創設して、ひとり自国の平和のみならず、世界の恒久平和のために尽くすことを希望する。なお、本談話により、先の「河野談話」「村山談話」は、遡って無効であることを宣言する。 平成二十五年 八月十五日 現地報告!――アメリカ人の歴史認識と戦後70年談話に必要なこと【その1】 2015.04.18 現地報告!――アメリカ人の歴史認識と戦後70年談話に必要なこと【その1】 幸福実現党・兵庫第12選挙区支部長 和田みな ◆ロサンゼルスでの現地調査 アメリカに暮らす日本人が、「従軍慰安婦」の影響で深刻ないじめに合っているということが最近明らかになりました。(『正論3月号』髙橋史朗氏の報告参照) その調査報告を受けて、私もカリフォルニア州のロサンゼルス近郊へ現地調査に行かせていただきました。 アメリカ第2位の大都市であるロサンゼルス近郊には、全米で最も多い9.7万人以上の日本人が暮らし、600以上の日系企業の拠点もあります。 今回の調査目的は主に以下の2つです。 (1) 従軍慰安婦の像が建っている町(もしくは建つ可能性のある町)の住民の方々がどのような認識を持っているのか。(本稿 調査報告・その1、その2) (2) 現地で暮らす日本人の方々が、どのような「いじめ」や「差別」に受け、この問題をどのように感じているのか。(調査報告・その3にて) 本稿では、現地住民の皆さんの認識と、そこから見えてきたこれからの日本に必要なものをまとめました。 ◆グレンデール市の少女の慰安婦像 グレンデール市はロサンゼルスのダウンタウンから北へ約15kmに位置する郊外の静かで美しい街です。ここに少女の慰安婦像が建立されたのは2013年7月で、アメリカ西海岸では最初の建立でした。 慰安婦像が建っている公園は、市の中心部や商業施設、図書館、高齢者施設などに隣接する場所で、朝はヨガや体操、お昼にはランチ、夕方には散歩をする方々で賑わう美しい公園になっています。 この少女の慰安婦像は、悲しい顔をしてイスに座る少女として有名です。 その横の碑文には、歴史的事実とは異なる「アジア各国の20万人以上の女性を、旧日本軍が強制連行をし、性奴隷にしたこと」が切々と書かれ、最後には、「日本政府にこの犯罪を受け入れ責任を取ること」を促す内容となっています。 ◆グレンデール市民の意識調査 私はこの慰安婦像の建つ公園に隣接している市立図書館の前で慰安婦に対する意識調査アンケートを試みました。アンケートに答えていただいた方の半数以上が「従軍慰安婦」のことをご存じで、何らかの意見をお持ちでした。 その内容は、「20万人以上の女性か日本政府によって強制連行された。」「日本政府は反省と謝罪をすべきだ。」「とにかく日本政府が悪い。」「女性の人権問題だ。」といったステレオタイプの意見ばかりで、これらの意見は全て碑文に記されているそのままの内容でした。 私はある方に「では、日本政府は何をしたらよいですか?安倍さんは何をすべきでしょうか?」と質問しました。するとその方は「安倍って誰だ?」と言われたのです。 その後も、何人かご意見をお持ちの方に同じ質問をしてみました。すると誰も安倍首相の事を知る方はおられませんでした。それでもみなさん「日本政府が悪い。謝罪しろ。」と口を揃えて言われていました。 このことは、住民の皆さんは、もともと日本政府や従軍慰安婦に詳しいわけではなく、碑文の文言のままに「洗脳」されてしまっていることを物語っています。 私が出会った全ての方が「従軍慰安婦は事実として『あった』と思いますか?」という質問に対して、「Yes」と答えられました。残念ながら、多くの日本人が行っている「誤解」を解く活動はまだまだ伝わっていません。 慰安婦像ができて、まだ2年も経っていないこの町で、このような認識が広がっていること、これが10年、20年、70年と経ったときのことを考え、全米に慰安婦像が建てられることの恐ろしさを改めて感じるとともに、日本政府による対応が早急に必要であると感じました。 次回、ロサンゼルスの中心部から南東に約40kmのところに位置するフラトン市でも意識調査を行いましので、その様子については次回紹介致します。 幸福実現党は、「国粋主義」か?【後編】 2015.04.12 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆インドネシアの独立を支援した日本の軍人 ポストに投函された【幸福実現ニュース第67号】「日本の誇りを取り戻せ「ぺリリュー島の戦い」の真実」(http://info.hr-party.jp/newspaper/2015/4090/)を見て電話をくださった方とのその後の会話を紹介します。 先方の方は、「仕事でインドネシアに行ったことがある」ことを話し出しました。それで私は次のように質問しました。 「インドネシアに行ったことがあるなら、日本に対してインドネシアの方はどのように言っていましたか?」 「インドネシアでは、日本人はまじめで、実直で、ウソを言わず、約束を守るので非常に信用がありますよ。植民地としてオランダ人がいたときは、オランダは1年かけて橋を建設していましたが、日本は3ケ月くらいで橋をつくり、しかも現在でもその橋が使われています。」 逆に私も知らないインドネシア事情を聞くことができ私の方が勉強になりました。 「そうですか。それはすごいですね。昔から日本人は信用があるんですね。」と相槌を打つと、相手の方との距離がぐっと縮まっていきました。そして以下のような話をしたのです。 「日本が敗戦し、本当は日本に帰ってもいいのに、『自分たちは、インドネシアの独立を支援するために来たのだ、日本には帰らずインドネシア人と一緒に戦う』と言って、1000人を超える日本軍兵士が、再度インドネシアを占領しに来たオランダ軍と戦いました。インドネシアはそれで独立できたのです。」 ◆西欧の植民地政策とは違う日本の統治 相手の方はそのことは知っているようであったので、であるなら話は早いと思い、投函されていた【幸福実現ニュース】の「日本の誇りを取り戻せ「ぺリリュー島の戦い」の真実」の内容をもう一回伝えたのです。 「ぺリリュー島を含むパラオは、以前はスペインが資源を奪うため植民地にしていました。人口も激減したんです。奪う資源がなくなるとスペインはドイツにパラオを安く売りました。」 「その後、第一世界大戦でパラオにいたドイツ軍を日本軍が破りました。それでパラオは日本に統治してもらうのが妥当だろうということになり、それが国際的に承認されたのです。」 ここまでの経過を見れば「日本はアジアを侵略した」という私たちが戦後の教育で教わってきた認識は違うことがわかります。さらに私はこう伝えました。 「ぺリリュー島を含むパラオの日本の統治は、経済発展を支えるインフラの整備だけではなく、学校をつくり教育も施しました。西欧の植民地政策は独立されると困るので知識層がでてこないように教育などはしません。それどころか独立を扇動されると困るので殺してしまいます。」 「しかし日本はパラオの人々が自立できるように日本と平等に学校をつくり教育もしたのです。こうしてパラオは人口も増えていきました。」 戦後の教育で教わってきたような「日本が侵略戦争を仕掛けアジアに多大な迷惑をかけた」という事実はありません。 迷惑どころか、パラオの人々は今でも日本人を尊敬し感謝しています。この統治は、他のアジア諸国、台湾、韓国、満州でも同じです。 「先の大戦で日本がアジアに多大な迷惑をかけた」と言っているのは、中国・韓国・北朝鮮だけです。この三国は、日本を謝罪させ経済支援を引き出すため「反日政策を国策として行い、歴史観を歪めている」のです。 日本は「国粋主義」¬(自国民および自国の文化・伝統を他国より優れたものとして,排外的にそれを守り広げようとする考え方)ではなかったということがわかります。 確かにパラオでは、日本語で学問を教えましたが、それは文字の普及していないパラオの事情をみて、日本語で教えた方が、効果があったからです。 決して日本語を押し付けたり排他的な考えかあったからではありません。排他的だったらパラオは日本に感謝しないでしょう。 ◆愛を持って戦った日本軍 そして米軍がペリリュー島を占領に来ることを知った現地のパラオ・ペリリュー島の人々は、日本軍と一緒に戦うと懇願しました。しかし日本軍は、現地の人々を船で避難させ一人も死なせなかったのです。 そして日本軍だけで米軍と戦いました。まさに防衛戦であり、侵略戦争ではありません。 日本軍は、なぜ戦わなければならなかったのか、日本軍はどんな気持ちで戦ったのか、その歴史を知ったならば、「日本は無謀な戦争をやった」「戦争は犬死だ」「戦争を美化してはいけない」と言う批判がいかに薄っぺらな考えであるかがわかると思います。 私もかつては電話をかけてこられた方と同じ考えを持っていました。しかしマスコミなどからの受け身ではなく、「本当にそうなのか」を自分で勉強するようになってから真実が見えてくるようになったのです。 そして強烈に「立派に生きた英霊に恥じない生き方をしたい」と思うようになったのです。この考えから「軍国主義」の考えは出てきません。 特に若い人たちへ「日本人は素晴らしかった。もっと誇りを持って先人たちのように多くの人々のためにお役に立てる人になろう」と伝えたいと思います。これが本当の教育ではないでしょうか。 電話を頂いた方とは、このような教育の話もしたのですが、最後に、「幸福実現のため頑張ってください!」との言葉を頂いて受話器を置いたのです。 このように幸福実現党が目指す正しい「歴史認識」は、「国粋主義」や「軍国主義」では断じてないということを申し上げて終わります。 日本に誇りを取り戻し、国防強化の国の予算執行を! 2015.04.10 文/幸福実現党・群馬県本部副代表 安永 陽(やすなが あきら) 平成27年度の予算案が4月9日成立しました。 年度内成立は予算案外の政治と金の問題(下村大臣等の後援会と政治資金、補助金問題など)で野党の攻勢にあい大幅に遅れました。 一般会計で史上初めて96兆円という莫大な予算です。バラマキにつながる予算の執行には慎重でありたいものです。 ◆中韓反日プロパガンダを放置すべきではない 今回の予算では、わが国の国会議員は国難に鈍感で防衛予算は微増したのみです。 中国は、国防費を毎年2桁の伸び率を維持、南シナ海では、軍事的力を誇示してフィリピンやベトナムと領有権争いを繰り返してきました。 中国は、我が国の尖閣諸島でも、海保の警告にもかかわらず領海で度重なる侵犯をし続けています。北朝鮮は拉致被害者など実態調査を放置し、ミサイル発射を繰り返しています。 我が国はこれまでの弱腰外交を止め、毅然として対抗処置を行うべきです。 こうした国難迫る時に日米同盟強化、集団的自衛権の法制化などの整備も急がなければなりません。 ◆安部総理談話は、過去の自虐的な「河野・村山談話」に捉われてはならない 歴史観においては、中国がありもしない南京30万人大虐殺を国際社会に喧伝しています。韓国も軍強制連行による慰安婦などデマ宣伝を繰り返しています。 日本の戦後70年という節目の年に、安部総理の談話は史実に基づいて出すべきで、河野元官房長官談話は継承すべきではありません。 世界が固唾を呑みながら日本外交・防衛の「積極的平和主義」の建て直しが求められるなかでの予算です。 大きな政府、バラマキ型の予算には賛同できませんが、「積極的平和主義」の外交・防衛予算に関し自主防衛の観点から防衛産業の育成、防衛技術力の向上を図ってもらいたいものです。 ◆平成27年度、防衛省予算 一部引用しますが、「平成27年度航空自衛隊予算の概要(案)」には、以下のように示されています。 平成27年度航空自衛隊予算の概要(案) http://www.mod.go.jp/asdf/news/release/2014/jasdf_budget_draft.pdf 1 「平成26年度以降に係わる防衛計画の大綱」(平成25年12月17日閣議決定)及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」(平成25年12月17日閣議決定)に基づき、新たに導入することとされた装備品の取得も含め、統合機動防衛力の構築に向け、引き続き防衛力整備を着実に実施。 2 各種事態における実効的な抑止及び対処並びにアジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善といった防衛力の役割にシームレスかつ機動的に対応し得るよう、統合機能の更なる充実に留意しつつ、特に、警戒監視能力、情報機能、輸送能力及び指揮統制・情報通信能力のほか、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応、宇宙空間及びサイバー空間における対応、大規模災害等への対応並びに国際平和協力活動等への対応を重視し、防衛力を整備。 3 格段に厳しさを増す財政事情を勘案し、我が国の他の諸施策との調和を図りつつ、一層の効率化・合理化を徹底。 こうした航空自衛隊の装備を充実させるために、本当に国防費は足りているのか、疑問に思うところがないわけではありません。 ◆自分の国は自分で守る防衛予算の執行を 幸福実現党は選挙のたびに他党が防衛問題をタブー視する中で、「自分の国は自分で守ろう!」と訴え続けてきました。 先が読める政党だからこそ抑止力を高め、国民の生命と財産を守るにふさわしい防衛予算にすべきと訴えて参りました。 戦後は、愛国心・道徳心・宗教心を奪う戦勝国の押し付け、左翼陣営等による改ざんされた歪曲された歴史でした。 我が党は、国民の生命と財産を守る隙間のない防衛省予算の考え方を理解し、日米同盟を重視、小さな政府を目指し安心して子供を育てられる国の予算執行を望みます。 日米同盟の強化を阻む「壁」を破るために 2015.04.09 文/HS政経塾 スタッフ 遠藤明成 ◆2015年は日本の安保政策を固めるための「正念場」 中谷防衛大臣とカーター米国防長官は4月8日に会談し、新しい安保法制の内容が日米防衛協力の指針(日米ガイドライン)に反映されることが決まりました。 具体的には、安倍政権は、集団的自衛権の解釈変更などを反映した安保法制を7月末までに成立させ、その後に日米ガイドラインを改定することを目指しています。 今月末には安倍首相の訪米が予定されていますが、そこでも未来の日米関係のあるべき姿が議論されるでしょう。 本年はまさに、日本の安全保障にとって、正念場となる一年です。 ◆日米両国民の「世論」の比較 こうした重要な時期に、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが日米両国の1000人の国民を対象にした世論調査の結果(実施は本年2月)を公開し、以下の事実が明らかになりました。 ・歴史認識について米国民に聞いたところ、日本の謝罪を「十分」(37%)、「不要」(24%)と答えた人の合計は61%。「不十分」(29%)を大きく上回った。 ・「中国の台頭は、アメリカにとって日米関係がより重要になることを意味する」と考える米国民は60%。 ・アジアにおいて日本が果たす軍事的な役割が「拡大されるべき」と答えたのは、日本国民は23%、米国民は47%。「制限されるべき」と答えたのは、日本国民が68%、米国民が43%だった。 ・「日本を信頼できる」と答えた米国民は68%。「米国を信頼できる」と答えた日本国民は75%。「中国を信用できる」と答えたのは、米国民で30%、日本国民は7%でしかなかった。 ・米国民に経済的な結びつきについて日中のどちらが重要か聞いたところ、43%が「中国」を挙げ、「日本」の36%を上回った。 ・米国民の安倍首相の好感度は11%だが、73%は「彼について聞いたことがない」と答えており、アジアに関心の薄い人々が多いことが伺える。(小泉元首相の評価も同レベルの結果であり、慰安婦についても57%が、「全く聞いたことがない」と答えている) この調査を見ると、アジアに強い関心を持っていなかった米国民にも、野心を露わにした中国を牽制する国として日本が意識されていることが分かります。 ◆集団的自衛権行使の「限定容認」に潜む落とし穴 日米防衛相会議では自衛隊と米軍の協力範囲の拡大が合意されました。 そして、新しい安保法制で自衛隊が動ける範囲が広がる見込みですが、現在の自公政権の安保政策には未解決の問題点も数多く残っています。 まず、集団的自衛権の行使に関しては、「自衛の措置としての武力の行使」の要件の厳しさが挙げられます。 これが発動できるのは、日本が「存立を脅かされる明白な危険がある場合」ですが、この要件だと「9.11」後のアフガン戦争のようなケースに自衛隊が参加することは困難です。 NATO軍は集団的自衛権に基づいてアフガン戦争で米軍とともに戦いましたが、このケースは朝鮮有事や台湾有事とは違って日本の安全保障との直接的な関係が薄いからです。 今の日本が行使できる集団的自衛権は、「海外派兵は一般に許されない」という原則の下に、「限定的に容認」されたレベルであり、国際標準とはかけ離れています。 同盟国は本来、双務的にお互いの国が攻撃された際に防衛し合うものですが、今の限定容認の体制だと、米国の危機に際して、大統領に「同盟国なのに自衛隊を動かせないのか」と批判される可能性が残ります。 「我が国は集団的自衛権を使える国になった」と言いながら、結局、同盟国としての役割を十分に果たせなかった場合は、国家としての信用を失う危険性もあるわけです。 ◆本来、目指すべきは、防衛法制の「ネガティブリスト化」 また、新しい安保法制では、他国軍が「現に戦闘行為を行っている現場」以外の場所でしか後方支援は認めない方針なので、支援活動を行う地域で戦闘が始まれば、自衛隊は撤退しなければなりません。 中国や北朝鮮が、後方支援が行われている地域に多数のミサイルを撃ち込み、米軍などがミサイルを迎撃した場合、そこは「戦闘行為」が行われた地域に変わってしまうので、自衛隊は支援活動を放棄せざるをえなくなるのではないでしょうか。 今回の安保法制改革は防衛の立直しの第一歩ですが、まだ大きな問題が残っているので、課題は山積みです。 日米同盟の強化を阻む「壁」を破るためには、やはり、幸福実現党が訴えてきた、国際標準の集団的自衛権の容認と防衛法制の「ネガティブリスト化」(法律で禁じられたこと以外は、国際法に則って機動的に動ける自衛隊をつくること)が必要なのです。 アジアインフラ銀行への注目を逆手に、積極的「繁栄」主義を目指そう! 2015.04.02 文/HS政経塾部長 兼 幸福実現党事務局部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆各国から熱い視線が注がれる、ある国際金融機関 アジアインフラ投資銀行(AIIB)という国際金融機関に注目が集まっています。 中国が主導して2015年内の設立を目指しており、アジア諸国の鉄道・道路・発電所などのインフラ整備の資金提供を主な目的としています。 3月31日時点で、51カ国・地域が参加申請をしており、日本側の予想を上回る活況を見せています。 ちなみに、インフラ整備の資金提供を主な目的とする国際金融機関は、既に存在しており、日米が主導しているアジア開発銀行(ADB)には67の国と地域が参加しています。 日米が主導するアジア開発銀行は、融資枠を現状の1.5倍に広げて、2017年に200億ドル(約2.4兆円)へと拡大する計画もありますが、アジア各国のインフラ需要は、毎年7000億ドル(約84兆円)超という試算もあり、現状ではインフラ投資への資金が大きく不足しています(4/1毎日)。 アジアにおけるインフラ投資への資金不足を解消するという点で、中国主導のアジアインフラ投資銀行への期待が高まっているのです。 ◆当面の判断の節目となる6月 今後の議論の行方として、アジアインフラ銀行の出資期限となる6月末までに、日本として参加するか否か判断することになり、今後の議論の深まりが注目されます。 <アジアインフラ銀行の主な日程> ・2013年10月:習近平国家主席が設立を提唱 ・2014年10月:中国や東南アジアなど21カ国が設立合意 ・2015年 -3月31日:創設メンバーとなるための参加申請期限 -4月15日前後:創設メンバーの確定 -6月末:出資期限、参加国の出資比率等の決定 -12月末までに:運営開始を目指す。 (4/2日経、4/1毎日を参照) ◆変化しつつある日米のスタンス 日本としては、アジアインフラ投資銀行に対して、運営体制・融資基準・既存の国際機関との関係が曖昧であり、相手国の債務返済能力を超えた融資をしてしまう可能性や、環境破壊を招きかねないという点で、慎重な姿勢をとっていました。 しかし、アジアのインフラ需要を取り込むチャンスを逃すべきではないという産業界からの根強い意見もあり、将来的な参加の可能性もあります。 また、アメリカのルー財務長官は、アジアインフラ銀行が、既存の金融機関を補完するものであれば「歓迎する」というスタンスを示しています(4/2産経)。 ◆中国との経済的結びつきに伴う恩恵への期待 当初、日本政府はアジアインフラ投資銀行に参加する国は限定的だと見ており、「G7諸国からの参加はない」旨の報告が、財務省から首相官邸に入っていました。(4/1日経) しかし、3月12日のイギリスの参加表明を皮切りに、ドイツ、フランス、イタリアといったG7諸国も、参加を表明しました。各国とも、停滞する世界経済の中で、経済面で中国との関係を強めることで生じる恩恵への期待が垣間見えます。 イギリスでは、外務省側はアメリカとの関係悪化を懸念して、アジアインフラ銀行への参加に反対していたようですが、オズボーン財務相が経済的な利益を重視するべきとして、参加を決断しました(March 26, Financial Times, “Sound and fury over UK’s AIIB membership signifies very little”)。 ◆日本に求められる構想力 日本の判断にかかわらず、中国主導のアジアインフラ投資銀行への各国の期待は高まることが予想されます。 インフラの受注競争の遅れを取らないために、アジアインフラ投資銀行に参加するという商業面のみの判断ではなく、日本がアジアや世界に対していかなる貢献ができるのかという構想の下に、進むべき道を決めるべきではないでしょうか。 ここで、日本側の対応として、以下2つの提案をします。 1)アジア開発銀行の融資基準を見直す 日米主導のアジア開発銀行は、「融資基準が厳しすぎる」とASEANから不満が出ていたことが、中国主導のアジアインフラ投資銀行への期待が高まった遠因ともなっているので、アジア開発銀行の役割を再定義する中で、融資基準の緩和について検討するべきです。 2)TPP交渉への追い風とする 中国のアジアインフラ投資銀行の構想は、環太平洋経済連携協定(TPP)への対抗という側面もあります。TPP交渉は大詰めを迎えつつあるので、締結に向けての材料として、アメリカに働きかけるべきです。 世界的な低金利の中、マネーは魅力的な投資先を求めています。リニアモーターカーの建設など、インフラ投資の質を高める方向で、日本ならではの提案も必要でしょう。 積極的平和と共に、アジアや世界に対する「積極的繁栄」のために、日本がなすべきことを構想することが求められています。中国主導のアジアインフラ投資銀行の動向に左右されるのではなく、日本にしか通れない道を、堂々と進むべきです。 すべてを表示する « Previous 1 … 52 53 54 55 56 … 98 Next »