Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 『香港革命』日本にできること 2019.09.12 皆様、おはようございます。 本日は、先日、香港を実際に訪問した際の様子について釈量子党首のお話を伺いましたので紹介致します。 【映像リンク】 「『香港革命』日本にできること」 https://www.youtube.com/watch?v=NO8_Kak5_uo ※本寄稿は上記映像のポイント部分を文字起こししたものです。詳しくは映像をご覧下さい。 ◆傘を掲げる香港市民、過激化する警察 皆さま、こんにちは。幸福実現党の釈量子でございます。 8月31日、香港に行ってまいりました。 前日には民主活動のリーダーたちが逮捕、デモや集会が禁止され、いったいどうなるのかということで、私も行ってきましたが、現地の様子は、私の予想を裏切るような展開となっていました。 お昼には、キリスト教の賛美歌「Sing to Hallelujah」を歌う宗教の集会があったり、小さな子供を連れたお父さん、お母さんたちがいたり、愛と平和を基調とした活動が繰り広げられていて、非常に心打たれるものがありました。 夜になると、報道でもあるような、全共闘的なヘルメット姿というのは確かに見られましたが、基本的に彼らには傘しかなく、フランスの記者は、倫理性の高さに非常に驚いておりました。 一方で、過激化しているのは、香港警察でした。 本来、市民を守るはずの警察が、地下鉄で民主派の議員を襲撃したり、市民に向け催涙弾を撃ったり、ゴム弾で若い女性の眼球が破裂して失明したり、あるいは実弾の発砲までしております。 そうした実態というものは、現地に赴かなければ分からないことがありました。 ◆反故にされた香港の「一国二制度」 さて、いま大変危惧されているのが、中国建国70周年の国慶節にあたる10月1日です。 この日に向けて、「第二の天安門」と言われる武力鎮圧の可能性が言われています。 しかし、香港返還時の英中共同声明においては、「言論・出版・集会・結社・学術研究・宗教信仰の諸権利と自由」等というものが認められ、50年間は規定を変えないという「一国二制度」の約束がありました。 それを20年あまりで約束を反故にし、銃を突き付けて、香港市民の自由を奪おうとしているのは、中国共産党政権であるのを忘れてはなりませんし、私たち日本人は、それに対し腹をくくって正邪を決しなければなりません。 私たちは、「自由・民主・信仰」が政治の基本原則として不可欠なものだと考えております。 香港市民はまさに、この三つの原則を守るために、いま、中国の専制から立ち上がっているのです。 ◆邦人救出のために自衛隊派遣は不可欠 もう一つ、香港には観光客や出張者など、2万人とも、2万5千人とも言われるたくさんの日本人がおりますが、もし人民解放軍が香港に入るということになれば、彼らを守るための自衛隊派遣の必要性こそ、香港で感じたことです。 振り返れば、アルジェリアで日本人が人質になり、そして無念にも日本の企業戦士10名が殺害されましたが、邦人救出をどうするかということは、安倍政権発足時の原点でもあったのではないかと思います。 自衛隊法の制限や、香港政府や中国が合意しないからといって、自国民を助けに行けないというのは、おかしなことではないでしょうか。アメリカやイギリス、他の近隣の国と協力しながら、可能なことはすべてやるべきだと思います。 いま、習近平主席が一番いやがるのは、日本が強くなることです。意見をはっきり言う国になって、万一の時には行動を起こす国になる。そうした気概のある国になることを、一番いやがっていると思います。 自分の国を守る意思を示すことが、いま大事なのではないでしょうか。 ◆香港革命はここからが正念場 いずれにしても、香港は今年の後半が正念場です。 今回、香港は、「香港革命」というような状況になっています。 単なる暴動がいい革命ではありません。自由の創設、自由が広がることが、いい革命です。 香港で起きているのは、破壊のための破壊、共産主義革命とはまったく違う、神を信じる人たちが愛と平和を基調とした「香港革命」です。 日本は、この「香港革命」から、自由と権利の尊さ、民主主義を命懸けで守るその気概を、真剣に学ばなければならないと感じました。 「今日の香港は明日の台湾であり、明後日の沖縄」と言われています。 日本は、東京五輪があろうとも、大阪万博があろうとも、中国から観光客やビジネスチャンスが来ようとも、それに振り回されずに中国に言うべきことははっきりと言える国、正義のために行動する国になろうではありませんか。 「香港革命」は、これから大きな山場を迎えます。日本からもしっかりと温かい応援の声を上げていきたいと思います。 【参考記事】 ◆【お知らせ】9/16(月・祝)新宿デモのご案内 #香港革命 ─自由のために、戦うべきは今!─ https://info.hr-party.jp/2019/9937/ ◆【幸福実現NEWS】日本は『香港革命』への支援を 「第二の天安門事件」の危機迫る 幸福実現NEWS vol.115 https://info.hr-party.jp/2019/9913/ ◆【活動関連】東京都本部が東京都知事と東京都議会に「日本政府に香港の『自由』と『民主主義』を守る行動を求める」要望書を提出 https://info.hr-party.jp/2019/9857/ ◆【幸福実現NEWS号外】自衛隊を派遣して香港の自由を守れ(改訂版)香港デモへの「弾圧」が激化 https://info.hr-party.jp/2019/9831/ ◆香港の民主活動家の逮捕について(党声明) https://info.hr-party.jp/press-release/2019/9790/ 「逃亡犯条例」改正案の「撤回」発言は真実か? 2019.09.04 「逃亡犯条例」改正案の「撤回」発言は真実か? 幸福実現党 政調会外交部会副部会長 彦川太志 9月4日、香港特別行政府のキャリー・ラム長官が「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を表明し、大きなニュースとなりました。 現状では香港の民主活動家勢力が掲げていた「五大要求」の一部が実現する形に見える事から、「これでデモは鎮静化するのでは」と期待する見方も出てきておりますが、それほど楽観的に捉えるべきではないと考えます。 ◆「『逃亡犯条例』改正案は生きている」南華早報が専門家の意見を引用(※1) 事実、「逃亡犯条例」改正案の撤回について報じたサウスチャイナ・モーニングポスト紙の記事には、政府筋や議会手続きに関する専門家の意見として、「(「逃亡犯条例」改正案は)技術的に生きており、理論的には政府から立法評議会議長への直接通知によって再導入できる」との指摘※が掲載されています。 ※香港立法議会(国会に相当)の任期である2020年7月までは立法議題として存続しているという内容。 つまり、香港政府にとって「逃亡犯条例」改正案はすでに7月上旬の段階で「死んだ」のであり、今回の撤回発言は10月1日の中国建国記念日に向けた「見せかけの譲歩」に過ぎず、本質は何も変化していない。と捉えることが出来ます。 私たちは引き続き、香港の自由を守るために声を上げ続ける必要があるのです。 ◆今後、中国はどう出る?――民主派「分断」工作の可能性(※2) 一方の中国政府はどのような動きに出るのでしょうか。それを考えるに当たり、中国政府の香港・マカオ弁公室の楊光報道官の発言を紹介したいと思います。 楊光報道官は、「逃亡犯条例」改正案の撤回に先立つ9月3日、香港デモについて「一部の暴徒が正常なデモや集会を過激なものとした」と批判し、「彼らの目的は逃亡犯条例の改正とは全く無関係であり、外国勢力や反中国、香港の混乱を目的とする勢力の尖兵となることを厭わない」と主張しました。 さらに「一部の暴徒」の目的は、「一国二制度」に挑戦し、有名無実化することにあると指摘し、「暴力犯罪の背後で策動している者、主催者や指揮者は徹底して追求し、手を緩めてはならない」と述べているのです。 こうした論調を見れば、「逃亡犯条例」改正案の撤回で事態が鎮静化する、と言った見方をすることはできないでしょう。 今後、中国や香港政府は香港デモの中心的メンバーを「外国勢力と結託し、一国二制度に挑戦する暴徒」として扱い、民主活動グループの分断を図ってくる可能性があると考えられます。 「中国政府も譲歩したのだ。だからデモ隊も過激な抗議は控えたらどうか―」そのような見方に同調してしまったら、香港の自由を守ることはできません。 今立ち上がらなければ、手遅れになってしまう。そうした危機感があるからこそ、香港デモはあれだけの広がりを見せたのです。 ◆「一国二制度」は成立しない。中国に「自由・民主・信仰」の思想を打ち込もう そもそも、事の元凶は「返還以降、50年間は香港の高度な自治を守る」とした約束を中国政府が「反故」にし、民主活動家の弾圧を可能とするような条例改正を押し進めようとしたことにあります。 今回、香港の若者が立ち上がったことで、香港の「自由と民主主義」と中国政府の「全体主義」と両立することはできないと言う事が、誰の目にも明らかとなりました。 中国政府が全体主義の体制を続ける限り、「一国二制度」は成立不可能なのです。 たとえ一時期、譲歩したように見えても、中国政府は香港の自由を奪う野心を一ミリも後退させることはありません。 そうであるならば、中国政府が自由、民主、そして信仰の価値を認めるところまで、私たちは活動を進めるべきだと考えます。 香港のデモ活動を率いたアグネス・チョウ氏やジョシュア・ウォン氏も、「改正案の完全撤回」のほか、「警察と政府の、市民活動を『暴動』とする見解の撤回」「デモ参加者の逮捕、起訴の中止」「警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施」「林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現」の5つの要求が実現するまで戦い続ける覚悟を訴えています。 香港の自由を守り、台湾やアジア諸国の平和を守るためにも、幸福実現党は引き続き、「幸福実現NEWS特別版」(※3)の配布を始めとした活動を展開して参ります。 多くの皆様のご支援、ご賛同を賜りますことを心よりお願い申し上げます。 (※1)SCMP 2019/9/4 Hong Kong leader Carrie Lam announces formal withdrawal of the extradition bill and sets up a platform to look into key causes of protest crisis… 防衛予算倍増で同盟強化と自主防衛の推進を 2019.07.19 防衛予算倍増で同盟強化と自主防衛の推進を HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆対中抑止に前向きな米陸軍長官が次の国防長官代行に 7月中旬に入り、米国の安全保障について、2つほど重要なニュースが流れています。 その一つは、次期国防長官に指名されたマーク・エスパー氏(当時は陸軍長官)が、7月16日に上院で公聴会を行ったことです。 エスパー氏は1986年に陸軍士官学校を卒業した後、91年に空挺師団の一員として湾岸戦争に参加。 10年間の軍役を務め、国境警備隊等でも11年務めた後、2007年に陸軍から引退しました。 その後、米防衛大手レイセオン社で7年ほど、政府との交渉を担う重職を担っています。 同氏は、トランプ政権発足後、防衛長官を支えてきたのですが、前任者のシャナハン氏の辞任に伴い、後任に指名されました。 エスパー氏は、ロイター通信の取材で、90年代から中国の軍拡をウォッチングし続けてきたことを明かしています。 「中国との競争、中国の能力といったことは私にとって新しい話題ではない。私はこの進展を20年以上見続けてきた」 同氏は、上院の公聴会では、今後、米軍が中距離ミサイル等を配備することを明かしました。 8月2日には、米露間で「INF全廃条約」が失効しますが、トランプ政権は、米露が射程500~5500kmのミサイル開発と配備を禁止している間に短・中距離ミサイルを増やしてきた中国を抑止しようとしているのです。 こうした、中国の軍拡に対して強い警戒感を持ったリーダーが米軍を率いることは、日本の安全保障にとってはプラス要因になります。 ◆米国防予算案 民主党が下院を制しても7000億ドル台 2つ目の重要なニュースは、7月12日に、米下院で「国防権限法」が可決され、2020年度の軍事費が7300億ドル以上になることが決まったことです。 19年度は7160億ドルなので、民主党が下院を制しても、防衛費の増額は止まりませんでした。 上院では軍事費を7500億ドルにする法案が可決されているので、今後、両院の交渉で金額が決まる見込みです。 民主党が主導した下院でも軍事費が減らないのは、米国には「国防は大事」「国益を守るためには強い軍隊が必要」という共通認識があるからです。 中国の軍拡を見ても、防衛費をたいして増やさない自民党や、防衛費を下げようとする野党とは、大きな違いがあるようです。 (※トランプ大統領は、今後、「メキシコの壁」建設費も含めて、最終案の内容を上院案に近づけるべく、拒否権などを用いる可能性がある) ◆増え続ける中国の軍事費 20年で11倍 トランプ政権に入り、米国の軍事費は3年連続で増え続けています。 それは、中国の軍拡に対抗するために、米軍の再建が必要だからです。 中国の公表軍事費は、20年間で約11倍になりました。 1999年に1047億元だった軍事費は、2019年に1兆1899億元(=約20兆円)にまで増えたのです。 中国はGDP比1.3%しか軍事費を使っていないと主張していますが、米国防省は、その発表を信じていません。 そこには「研究開発や外国からの兵器調達などの重要な支出項目」が入っておらず、軍事支出は「公表国防費の1.25倍以上」あるとみているのです(※これは、米国防省議会報告書(2017年6月)をもとにした防衛省の見解) 中国の軍事費は透明性が低く、中国軍事研究家の平松茂雄氏は「国家財政支出のなかの国防費は、人件費、部隊の日常運用費、兵器・技術の取得費などの消耗性の支出であり、兵器・装備を研究・開発・生産する費用は含まれていない」(『中国の軍事力』)とも指摘していました。 これは、実額が公表値をはるかに上回る不透明な軍事費なのです。 ◆同盟国にも「防衛費増額」を求めるトランプ政権 そして、トランプ政権は、NATO(北大西洋条約機構)加盟国に「GDP比で2%の防衛費負担」を求めています。 これは、大統領だけではなく、閣僚が訪欧するたびに訴え続けてきた重要議題です。 今まで、日本はこれを他人事のように見てきましたが、米中対立が本格化する中では、日本にも、その程度の防衛費の拠出が求められるでしょう。 GDPを増やすとともに、GDP比に占める割合を2%台にまで上げなければ、とうてい、中国の軍拡には対処できないからです。 ◆世界では「GDP比2%」の防衛費を使う国は珍しくない 実際、GDP比で2%程度の防衛費を使っている国は、かなりあります。 (以下、ストックホルム国際平和研究所の調査〔2018年の比率〕) ・イギリス、台湾:1.8% ・豪州:1.9% ・フランスとベトナム:2.3% ・インド:2.4% ・韓国:2.6% ・シンガポール:3.1% ・アメリカ:3.2% ・ロシア:3.9% 世界で、GDP比2%の防衛費を用いる国は、珍しくありません。 ◆安倍政権でも、日本の防衛費はたいして伸びていない 左派陣営は安倍政権が防衛費を増やしていることを批判しますが、実際は微増にすぎません。 同時に物価も上がっているので、実質で見ると、年1%程度にすぎないからです。 2014年から2018年までの防衛関係費(米軍・SACO関連経費を含む)は、名目値で3063億円増(伸び率は約6.3%) しかし、同時期の物価は約2.1%上がっているので、実質伸び率は4年間で4.2%。 年間では1%程度になるからです。 ◆防衛予算が増えない中で、米国兵器を買い続ける日本 日本の防衛予算は、3分の2以上が維持費で消え、3分の1で研究開発や装備の更新、新兵器の導入等を行っています。… 「改憲」の中身を失った自民党 交戦権なき自衛隊は使命を果たせず 2019.07.17 「改憲」の中身を失った自民党 交戦権なき自衛隊は使命を果たせず HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆安倍首相は「改憲した首相」になりたいだけ? ジャーナリストの田原総一朗氏が、春頃から、安倍首相への批判を強めています。 6月下旬には、安倍首相は「『戦後初めて憲法改正した総理大臣』になりたい」だけで、改憲の「中身は関係ない!」とまで断じていました。 そう語気を強めるのは、安倍改憲案は「憲法と自衛隊の存在」が「明らかに矛盾している」ことを無視しているからです。 「交戦権」を否定した条文(9条2項)を残したまま、3項に「自衛隊」を足すと、自衛権を発動した時に、2つの条文が矛盾してしまいます。 「自衛隊はあっても交戦権はない」というおかしな憲法になるので、この案を「インチキだ」と批判しているのです。 (※田原氏は憲法改正そのものに反対しているわけではなく、内容を問題視している) ◆本音では、安倍首相は、もう改憲には関心がない? 田原氏は、安倍首相が、こんな案でも納得できるのは、「内容」への関心を失い、戦後初の「憲法改正した総理大臣」になりたいとしか思っていないからだ、と見ています。 その例として、前回(2016年)の参院選の後に、田原氏が「いよいよ憲法改正だね」と言った時、首相が言った言葉を取り上げていました。 ・「大きな声では言えないけれど、(略)憲法改正をする必要は全く無くなった」 ・「集団的自衛権の行使を認めるまでは、アメリカがやんややんやとうるさかった。『日米同盟はこのままでは続けられない』と言うまでうるさかった。集団的自衛権の行使を(安倍内閣で)認めたら、何も言わなくなった。だから憲法改正をする必要はない」 要するに、安倍改憲は「自分の国を自分で守る」ためではなく、米国の要望に答え、批判を封じるための条文改正にすぎないわけです。 防衛が強化されたように見えればよいので、実際の「内容のよしあし」はどうでもよいのです。 ◆「改憲」の中身を問えない自民党のイエスマン議員団 自民党で安倍案に異を唱えたのは石破茂氏ですが、他の議員は、同じように扱われるのを恐れて、今の改憲案に追随しています。 小選挙区制だと、執行部から公認をもらえるかどうかが死活問題になるため、議員はみなイエスマンになりました。 そして、憲法改正を真っ向から訴えても、国民から得られる票が少ないと見て、選挙で年金問題ばかりを語っています。 結局、「自民党議員はみんな憲法から逃げている」(田原氏)わけです。 ◆残念な改憲案で自民党が「終わる」までの経緯 憲法から逃げてきたのは、自民党の歴代政権も同じです。 田原氏は、自民党は「憲法を逆手にとってアメリカの戦争に一切巻き込まれず、平和や安全保障はアメリカに責任を持たせ」てきたと指摘しています。 その典型は、ベトナム戦争における佐藤栄作首相の外交です。 当時、米国に「ベトナムで一緒に戦おう」と言われた時、佐藤首相は「一緒に戦いたい。しかし、あなたの国がこんな難しい憲法を押し付けたから、戦いに行けないじゃないか」という論理で切り抜けたのでした。 また、田原氏が、自衛隊について「こんな戦えない軍隊でいいのか」と竹下登首相に聞いた時、竹下氏は「戦えないからいいんだ。戦っちゃうと大東亜戦争(太平洋戦争)だ、負けるに決まっている。戦わないから日本は平和なんだ」と言ったそうです。 まったく、安全保障の責任者とは思えない発言です。 結局、自民党政権は安全保障を米国に依存してきました。 主権国家・日本を取り戻そうとしたのは、岸信介ぐらいまでで、改憲の党是は、限りなく形骸化していきました。 その最終形が、今の自民党の改憲案だとも言えます。 ◆現場に行かない政治家は、不合理な改憲案でも、何も困らない 結局、政治家がいい加減な改憲案をつくった場合、その負担は、すべて自衛隊に押し付けられます。 今の自衛隊は「軍隊」ではありません。 自衛隊は、消防隊や徴税職員などと同じ行政機関の一つ(「執行機関」)なので、根拠法令のある範囲でしか動けません。 例えば、自衛隊は2000年代にインド洋で米軍への給油活動をしていましたが、その時も、日本のタンカーの防衛は多国籍軍に依存していました。 2007年にソマリア沖のアデン湾で日本企業が保有するタンカーが海賊に乗っ取られた時、救援にあたったのは米駆逐艦やドイツのフリゲート艦などです。 近海にあたる北部インド洋にいた日本の護衛艦は、法令の根拠がなかったので、タンカー防護に動けませんでした。 (※当時、「テロ特措法」に基づいて給油活動をしていたが、この法律には「海賊の追跡や監視、あるいは海賊被害を受けた日本船に対する救援活動は何も任務に含まれていない」ため、海自は動けなかった) そして、米軍がインド洋で自衛隊の給油活動を切望しても、2010年に法律が期限切れとなると、海自の艦艇は帰国するしかありませんでした。 結局、今の体制は、法令でがんじがらめなので、融通がききません。 さらに、憲法9条から生まれる「専守防衛」の原則は、自衛隊に後手に回ることを強いるので、ミサイルなどで先に攻撃された部隊が壊滅する危険性もあります。 九条1項や2項も含めて根本改正し、自衛隊を「軍隊」として認めないと、自衛隊は「国民の生命と安全と財産を守る」という使命を果たせません。 有事に日本の領土や領海を守れず、海外の活動では、諸外国の信頼を失う恐れがつきまといます。 自衛隊の根拠条文を追加するだけでは、こうした問題は解決できません。 ◆自民党案では、結局、何も変わらない 結局、自民党がいう「自衛隊を合憲化すること」と「自衛隊を軍隊と認めること」は、別の問題です。 この有名無実化した「改憲案」に替わるべきなのが、憲法9条の1項、2項を含めた全面改正です。 自衛隊を「軍隊」と認め、自衛のために交戦は起こり得るものだという現実を直視し、民主国にふさわしい軍のコントロールを確立しなければいけません。 そして、国民の生命と安全と財産を守るために、自衛隊が国際法に則って、機動的に動ける体制をつくります。 これを日本で今、訴えている政党は、幸福実現党だけです。 改憲の中身を見失った自民党ではなく、今こそ、根本的な九条改正を訴える勢力が必要とされているのです。 【参照】 ・ITmedia「田原総一朗が憲法9条で安倍首相を斬る――『“改憲した総理”になりたいだけ』」(服部良祐, 今野大一,2019.6.25)… 米国が台湾に新型戦車を売却 日本は何もしないのか 2019.07.12 米国が台湾に新型戦車を売却 日本は何もしないのか HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆議会での立法に基づいた台湾支援 トランプ政権は、7月8日に、戦車や地対空ミサイルなどを含む22億ドル(約2400億円)の兵器について、台湾への売却を承認しました。 主な兵器は、イラク戦争などで活躍したM1A2エイブラムス戦車108両と、携帯式地対空ミサイル(スティンガー)です。 これは、台湾への武器売却促進などを定めた「アジア再保証推進法」(18年末成立)に基づいた措置です。 ◆次は戦闘機の売却か 台湾は、中国の軍拡に対抗するために、米国から最新型のF16戦闘機(C/D)やエイブラムス戦車の導入を目指してきました。 戦車は中国軍の上陸を阻止するための装備ですが、空の守りを固める戦闘機がなければ、それを有効に使えません。 そのため、次は、戦闘機の売却が焦点となります。 オバマ政権はF16の売却を拒んだので、トランプ政権が戦闘機売却に踏み込むかどうかが注目されているのです。 ◆拡大する中国空軍との戦力差 中国と台湾の空軍力を比べる時は、普通、近代化された戦闘機(第四世代型以降の戦闘機)の数を比較します。 この基準でみると、852機を持つ中国軍に対して、台湾軍は327機しかないので、大幅な差がついています(※1)『平成30年度 防衛白書』の数値)。 中国軍は旧型機も含めると1500機の戦闘機を持っており、中国東部と南部には600機が配置されているので(※2)、327機の台湾空軍では応戦しきれません。 中台で戦争となれば、1000発以上の短距離弾道ミサイルで基地や空港等が狙われ、他の戦区の戦闘機も応援にかけつけるので、台湾軍は不利な戦いを強いられます。 (※米国防総省の報告書によれば、中国は750~1500発の短距離弾道ミサイルを保有。旧型機でも、複数機で一機を攻めたり、敵機のミサイルを消耗させたりできるので、軽視はできない) ◆中国空軍は次々と新型機を投入 台湾空軍の主力は、冷戦後期に運用が始まった戦闘機が中心です。 (具体的には、F16の旧型版(A/B)144機、と国産戦闘機「蒋経国」128機、フランス製の「ミラージュ2000」55機 ※1) しかし、中国軍は、ロシアからそれ以降の新型機(Su30やSu35)を大量に買い、国産戦闘機(J10やJ15、J16)も開発しています。 オバマ政権の頃から台湾軍は劣勢でしたが、中国との関係を重視し、米国は台湾に新型戦闘機を売りませんでした。 ◆戦車だけではダメ。どうしても新型戦闘機は必要 中国軍が台湾を攻める時には、「足が早い」ものから順に攻撃を開始します。 まず、サイバー攻撃が仕掛けられ、その後に、1000発以上の短距離弾道ミサイルを撃ち込みます。 レーダー等の通信機能を麻痺させ、空港から飛び立つ前に戦闘機の破壊を試みます。 そして、次に制空権を巡る戦いが起きます。 前述の新型戦闘機は、ここで台湾軍が持ちこたえるために、どうしても必要な装備です。 制空権がなければ、いくら戦車があっても、イラク戦争のように、空からの攻撃で破壊されることは避けられないからです。 (※中国軍が制空権を得た場合、「対地攻撃や制海権の確保」⇒「海上封鎖」⇒「上陸作戦」を展開する) ◆冷戦期から激変した台湾情勢 これから、トランプ政権が台湾支援に踏み込むかどうかは、我が国にとっても、重大な意味を持っています。 台湾が中国の支配下に落ちれば、日本の海上交通路(シーレーン)が脅かされるからです。 クリントン政権以来、中国の「巨大市場」を重視してきた米国が対中抑止に転じた今、日本も、今後の対策を考えなければなりません。 そのためには、米国や日本が中国と国交を結んだ頃とは、地域の情勢が大きく変わっていることをよく理解する必要があります。 当時、米国は、以下の条件のもとに「経済関係を促進しても大丈夫だ」と判断しましたが、それがもう成り立たなくなったからです。 (※3:以下、平松茂雄著『台湾問題』を参照) ①1970年代の中国軍は台湾を攻撃できず、台湾には中国軍の侵攻を阻止する力があった ⇒今は真逆 ②当時の中ソは軍事的に対立し、「北の脅威」があったため、台湾侵攻の余力はない ⇒今の中露関係は良好 ③中国近代化のために日本や欧米との関係強化が不可欠 ⇒今の中国は自国技術での発展が可能になりつつある 今の中台関係を維持するためには、むしろ、中国に強硬路線を取り、台湾を支援しなければいけなくなりました。 ◆日本版「台湾関係法」が必要 米国には、米中国交回復に対して、台湾を見捨てないために、議会が「台湾関係法」を制定しました。 これは、台湾軍を維持するための米国からの武器売却や、台湾有事での米軍出動の根拠となる法律です。 しかし、日本に、こうした法律は何もありません。 そのため、日本政府は「日本台湾交流協会」を通じてビザの発効を行い、人や船、飛行機の出入、経済関係の処理などを行っています。 しかし、これは民間機関であるため、安全保障に関わる案件は何もできません。 安全保障のために日台が情報を共有するなど、有事に必要な措置を取ることはできないのです。 そのため、幸福実現党は「日本版台湾関係法の制定」を訴えています。 日本と台湾が正式に外交を行うための根拠をつくり、そこには、FTA等で経済連携を強化することや、平和的ではない手段で台湾を支配しようとする試みに反対することを明記する必要があります。 そして、同盟国として米国の台湾支援に連携し、日本が自ら台湾との安全保障上の関係を強化することを盛り込むべきです。 米国は「一つの中国」を「認識」しながらも「台湾関係法」をつくったわけですから、日本がこうした法律をつくってはいけない理由はありません。… 【公明党の問題点(1)】外交・安保の本音は旧民主党とたいして変わらない 2019.07.07 【公明党の問題点(1)】外交・安保の本音は旧民主党とたいして変わらない HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆「改憲」に賛成する公明議員はわずか17% 7月3日、朝日新聞(朝刊)は、1面記事で、憲法改正に賛成する公明党議員は17%しかいないと報じました。 これは、朝日新聞社と東大の谷口将紀研究室の共同調査の結果です。 「賛成」と答えた割合を見ると、自民党が93%、日本維新の会が100%、全政党候補者の平均が45%なので、公明党の数字の低さが目立ちます。 公明党は「自民党の暴走を止めるブレーキ役になっている」と言うのかもしれませんが、それは野党で間に合っているので、むしろ、政策の違う政党が連立しているほうが問題だといえます。 立民党や国民民主党、共産党といった野党が政策の違いを無視して連携したことを、自民党は「野合だ」と批判しますが、結局、自分たちも同じ道に入り込んでいるわけです。 ◆各党の「改憲」への賛成・反対の比率は? 前掲の調査によれば、「改憲」に対する各政党議員の賛成・反対の比率は以下の通りです。 (以下、政党別に「賛成/反対」の比率を表記。足して100%にならない場合、残りが「どちらでもない=中立」) 自民党:93%(残りは、ほぼ「中立」) 公明党:17%/9%(中立74%) 維新の会:100% 立憲民主党:8%/78%(中立14%) 国民民主党:25%/43%(中立32%) 共産党:全員反対 社民党:全員反対 れいわ新撰組:1人が反対、1人が中立 「賛成」と答えた公明党議員の比率は国民民主党よりも低くなっています。 「中立が7割」なので、公明党議員の多くは、世の中の風向きを見て、この問題について態度を決めようとしています。 調査に対する山口なつお代表の返答もブレており、13年は「どちらかと言えば賛成」と回答したのに、19年は「どちらかと言えば変える必要がない」に変わっていました。 結局、憲法に関して、公明党は確たる信念がないわけです。 ◆公明党の公約のなかで「外交・安保」は後回しの項目 本年の公明党公約でも、「外交・安保政策」のやる気のなさは際立っています。 日米同盟を基軸にする自民党に追随するのみで、自衛隊強化の具体策は何もありません。 42ページの冊子の中で、35ページまでは福祉と経済の項目が並び、わずか3ページが外交・安保政策(P36~38)。 そして、気候変動対策と国会・行財政改革で3ページを埋め、最後に憲法についての曖昧なコメントで終わりという構成です。 自民党の9条への加憲案について、「多くの国民は現在の自衛隊の活動を理解し、支持しており、違憲の存在とは考えていません」と書いています。 しかし、それならば、「現実と合わない条文は変えるべきだ」という主張も成り立つので、公明党のスタンスははっきりしません。 結局、この文章は「慎重に議論されるべき」という結論で終わっています。 これでは、憲法に関して、何を主張したいのかがわかりません。 ◆公明党は「日米同盟」と「日中関係」のどちらが大事なのか? そのほかにも、公明党の外交・安保政策には問題点があります。 「日米同盟の強化」をうたい、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、米国に協力すると書きながらも「日中関係は、最も重要な二国間関係の一つ」としています。 トランプ政権が打ち出した「インド太平洋戦略」は、米豪日印で連携し、中国の覇権拡大に対抗するプランなので、公明党が大好きな「日中友好」とは、両立しません。 しかし、公明党は日中関係を「最も重要な二国間関係の一つ」と位置付けているので、同党にとって、最も重要な二国間関係は「もう一つ」あることになります。 つまり、公明党は、日米関係と日中関係を「最も重要な二国間関係」として、同じレベルで並べているわけです。 この発想は、民主党が09年に政権交代する際に唱えた「日米中正三角形論」と変わりません。 それは、日本と米国、日本と中国が同じ距離を取れば「正三角形」になるという考え方です。 これに関しては、生前に岡崎久彦氏が厳しく批判していました(※岡崎研究所HPから引用)。 ———- 「米国とは同じ同盟関係にあり、中国とはそうではない」 「つまり現時点で日米中が等距離の『正三角形』になるなどあり得ない」 「『米国とも中国とも仲良くしましょうよ』と言いたいだけなら、そんなものは外交論ではない」 ———– 二つの大国を天秤にかける外交は、両者から「どちらを取るのか」と詰め寄られた時に、矛盾が露呈してしまいます。 これはその場しのぎの発想にすぎず、最後には、米国と中国の双方から見放されてしまうでしょう。 ◆公明党の外交・安保政策は自民党よりも野党に近い 結局、公明党は、改憲賛成の議員の割合が旧民主党系の政党と大差なく、外交論も旧民主党の「日米中正三角形論」と似たような主張です。 要するに、野党と大差ない外交・安保政策を掲げながら、自民党と連立を組んでいるわけです。 この政策を掲げるのなら、与党として政権に入るべきではありません。 公明党は「小さな声を、聴く力」という標語を掲げていますが、小さな声を聴きすぎて、大きな国策の判断を間違えてしまったのでしょう。 しかし、幸福実現党は、もっと大局観を大事にしています。 トランプ政権の対中抑止策に協力し、インドやオーストラリアなどの国々とともに中国包囲網をつくることを掲げています。… 中国が南シナ海でミサイル実験 日本は自主防衛の気概を 2019.07.06 中国が南シナ海でミサイル実験 日本は自主防衛の気概を HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆中国が南シナ海で対艦弾道ミサイルを発射 米国防総省は、7月2日に、中国が6月30日に南シナ海の南沙諸島で対艦弾道ミサイルの発射実験を行ったことを批判しました。 CNBCから、この件について問われた国防総省のイーストバーン報道官は、以下のように答えています。 「国防総省は、南沙諸島(スプラトリー諸島)近辺の人工島からのミサイル発射を知っていた」 「この行為は、2015年に習主席が米国やアジア太平洋諸国、世界に約束した『人工島を軍事基地化しない』という声明に反している」 G20で、米国が中国に追加関税をかけるのを延期し、貿易交渉が再開されることになった矢先にミサイル発射が行われたので、今後の展開が注目を集めています。 ◆「航行の自由作戦」への対抗措置 今回のミサイル発射は、中国が領有権を主張する南シナ海で米軍が駆逐艦等を航行させていること(「航行の自由作戦」)への対抗措置と見られます。 5月6日には駆逐艦2隻が南沙諸島のジョンソン南礁とガベン礁の12カイリ内を通り、19日にも駆逐艦1隻がスカボロー礁の12カイリ内を通過しました。 5月8日には米海軍のイージス駆逐艦と海上自衛隊、インド海軍、フィリピン海軍が国際海域で合同訓練を行っています。 また、19年に、米軍は毎月、台湾海峡で艦艇を通過させており、そこに英国やフランス、カナダなども参加するようになったので、中国は、この問題で妥協できないと判断したと思われます。 日本人的な感覚では「貿易交渉中に、なぜ?」と思いがちですが、中国の国家戦略では、南シナ海を中国の海とすることは死活的な国益に相当する重要課題とされています。 米国が交渉で一歩後ろに引き、大統領が訪朝時に対話路線を出したのを見て、中国は「どこまで自国の主張を米国に呑ませられるか」を読むために、際どい手を打つことを躊躇しませんでした。 これは、「貿易交渉がどうなろうが、南シナ海の覇権は譲ることができない」というメッセージだとも言えます。 ◆毎月のように続く、南シナ海での米中の応酬 6月1日にシャナハン米国防長官代行(当時)が「アジア安全保障会議」で「中国は他国の主権を侵害し、不信を抱かせる行動をやめるべきだ」と批判した後も、中国はミサイル発射実験を行っています。 米国側が容認できない活動として「紛争地域を軍事化し、先進兵器を配備すること」をあげた後に、「環球時報」が新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を報道していました(6/5英語版)。 つまり、毎月のように、米中の応酬が続いており、今回のミサイルは中国側の「7月の行事」だったのかもしれません。 ◆南シナ海が「中国の海」になったら、日本も台湾も危うい 既成政党の党首たちは、討論会でも第一声でも「米中の覇権競争が続く中で、日本はどう動くべきか」という重大な問題をまったく議論しませんでした。 「そんなことは票にならない」というのが本音なのでしょう。 しかし、この問題に対して、日本は「他人事」のような態度を取ることはできません。 なぜならば、南シナ海は日本に資源を運ぶシーレーンだからです。 中国の潜水艦が遠浅の東シナ海を航行する際には、浮き上がった時に発見されやすいのですが、台湾の東側には世界で最も深い海域があるので、ここを潜水艦が押さえれば、日本に物資を運ぶタンカーや輸送船などをいくらでも脅せるようになります。 また、中国が南シナ海を制すれば、台湾を中国軍が海から包囲できるようになります。そうなれば、台湾が中国の支配下に落ちるのは、時間の問題になるのです。 もう、南シナ海は、我が国の「専守防衛」の範囲を越えているとは言っていられません。 ◆潜水艦発射の核ミサイルで中国が米国を威嚇したら・・・ さらに、米国本土に届く核ミサイルを積んだ原子力潜水艦を、南シナ海に展開すれば、米国を核兵器で威嚇する時の「威力」が増します。 現在、中国がもつ4隻の原子力潜水艦(「普」級)は、中国近海からアラスカにまで届く核ミサイルを12発(射程7200km)ほど搭載しています。 これを南シナ海から太平洋へと展開すれば、計48発の核ミサイルで米国全土を狙えるようになるからです。 このミサイルは3個の核弾頭を積めるので、144発の核弾頭で米国全土を威嚇できます。 発見が困難な潜水艦に載せた長距離の核ミサイルは、先制攻撃にも反撃にも有利な最強兵器です。 中国は、これで米国全土を脅せる体制をつくり、アジアから米軍を追い出そうとしているのです。 (※この潜水艦搭載の長距離弾道ミサイルは「巨浪2」〔JL-2〕と呼ばれる) ◆中国は20世紀から覇権確立を構想していた 中国は、アジア支配の野望を抱き、20世紀から計画を実行してきました。 南シナ海の西沙諸島を軍事支配したのは1974年。 1980年には南太平洋のフィジー諸島沖合に向けて大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功しました。 この時、弾頭を回収するために駆逐艦を含む18隻の船団が航行し、80年代以降に中国海軍が外洋に進出していきました。 この核実験から39年を経て、南シナ海を我が物にする構想を具体化してきています。 ◆中国の野心に対抗できるだけの「国家戦略」が必要 しかし、今の日本は、米国に依存する以外に、中国に対抗する策がありません。 中国の核には、米軍の核抑止力で対応することになっています。 しかし、中国が潜水艦からの核で米国全土を狙えるようになれば、米国にとって「日本を守るリスク」は大幅に上がります。 弱気な大統領であれば、「日米同盟を放棄して、中国と話し合ったほうがよい」という発想が出てきかねないわけです。 中国が核抑止力を完成させた時、もはや、米国の核に頼るだけでは不十分になります。 冷戦期の欧州は、ソ連の巨大な核に対して「英仏の核」(+NATO軍の核)と米国の核という二段構えで自衛する戦略を固め、安全を保障してきました。 英国とフランスに核ミサイルがあれば、ソ連が欧州に核攻撃した場合、英仏の反撃でソ連の戦力も破壊されます。この場合、同盟で参戦する米国と次の核戦争はできないので、ソ連は攻撃を思いとどまり、「核による抑止」が成り立つのです。 (NATO軍の核は実質的に米軍の統制下にある。これは独自核ではなく、核シェアリング) 幸福実現党が、日米同盟だけに頼る体制が不十分だと主張しているのは、今後の東アジアは、同じようなプランが必要になるぐらい厳しくなると見ているからです。 7月2日の産経(6面)の公約比較では、他政党が福祉や消費税についての訴えを並べる中で、幸福実現党だけが「自衛目的の核装備推進」を訴えていました。 これをみて驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、「核装備」は、どうしても必要な「国家戦略」なのです。 幸福実現党は、世に媚びず、責任政党として正論を貫き、日本を守るために力を尽くしてまいります。… 【トランプ訪朝】米国任せではノドンミサイルから日本を守れない 2019.07.03 ttp://hrp-newsfile.jp/2019/3632/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆米大統領が初めて北朝鮮に足を踏み入れた トランプ大統領は、6月30日に南北朝鮮の軍事境界線上にある非武装地域を訪問し、板門店で金正恩委員長と会談しました。 朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた板門店で握手し、共に北朝鮮側に入った後に韓国に戻る映像がニュースに流れ、トランプ大統領が金委員長をホワイトハウスに招待したことなどが報道されました。 物別れに終わった2月の会談後の関係修復がはかられたのですが、この時に、トランプ大統領が、日本にとって注目を要する発言をしています。 ◆「我々は長距離弾道ミサイルについて議論をしている」 記者会見の終わり際に、最近、北朝鮮が行ったミサイル発射をついての見解を問われ、トランプ大統領は、(それは)「とても小さい。それらのミサイル実験はどの国もやっている」と答えていました。 「我々は、それらをミサイル実験とは見なしていない」 「我々は長距離弾道ミサイルについて議論をしている。彼らは今、それを発射していない」 「最も重要なのは、核実験が行われていないことだ」 そして、北朝鮮への「制裁を外せる日を楽しみにしている」とも述べていたのです。 ◆米朝交渉の中心は「米国にとっての脅威の除去」とみられる 今回の訪朝で、トランプ氏は「長距離弾道ミサイル」と「核」に焦点を絞ってきています。 つまり、核開発を止めさせ、米国の脅威となる長距離弾道ミサイルを廃棄させることを優先しているのです。 韓国にとっては「短距離」のミサイルが大きな問題を占めるのですが、それは問題には挙げられませんでした。 日本の脅威となるのは、九州や中国地方に届くスカッドR(短距離弾道ミサイル)や全国に届くノドン(準中距離弾道ミサイル)ですが、これらの扱いも不明なままです。 ◆日本を守るのは、やはり、日本自身の力 もし、北朝鮮の核兵器の全てが除去されるのなら、それをノドンやスカッドに積めなくなるので、日本の安全につながります。 しかし、北朝鮮の全域を捜索し、核兵器の全てを破棄させるのは、簡単なことではありません。 米国が1年交渉しても、いまだ核兵器を一つも廃棄できず、大統領が「核実験が止まった」ことを成果とせざるをえないのが現状です。 米朝交渉で、短距離や中距離のミサイルも廃棄対象になることを期待する方もいますが、今回、それは、主な議題ではないことが明らかになりました。 結局、日本は防衛力を強化し、「ミサイルを撃たせない体制」をつくらなければならないわけです。 ◆「ミサイルを撃たせない」ための二つの道 日本には「ミサイル防衛システム」がありますが、北朝鮮は100発以上の弾道ミサイルで日本を狙えるため、これで落とせるのは一部に限られます。 北朝鮮のミサイルに対抗するには、核兵器を持った米軍の部隊を日本に展開させるか、攻撃を踏みとどまらせる「抑止力」を持つかしかありません 前者は、非核三原則の「持ち込ませず」をなくし、米軍の核部隊や核搭載の艦艇などが公然と日本に滞在できる体制をつくることです。 しかし、オスプレイだけで大騒ぎになる日本で、これを実現するのは、困難をきわめます。 また、もともと沖縄返還時に、そこにいた核部隊を引き揚げた米国に、いまさらこのプランを求めることにも、政策的な矛盾があります。 「『核抜き・本土並み』の返還を求めたのは、日本ではないか」と言われることは避けられないでしょう。 (冷戦期には核抑止力が必要だったが、非核三原則があるので、日本は、結局、ながらく核持ち込みを容認する「密約」を結んでいた) ◆ミサイルを撃たせないための「ミサイル導入」 こうした事情を踏まえ、日本でも実現可能な策として、米国からの「巡航ミサイル」の導入を提言する人もいます。 米シンクタンクで海軍アドバイザー等を務める北村淳氏は、約1000億円で自衛隊艦艇には800発程度のトマホークミサイルを搭載可能だとも指摘しています。 (今のミサイル防衛システムを拡大し、北朝鮮のミサイル群への迎撃体制を完備させる場合は、新装備も含めて約2兆円が必要になると試算。なお、トマホークは、トランプ大統領が習主席を初めて米国に招いた時に、シリアに撃って見せた巡航ミサイル) 安倍首相も、2018年にやっと北朝鮮が数百基のノドンミサイルを配備していることを公の場で語りましたが(18/2/14衆院予算委)、結局、これを「撃たせない」ためには、日本も反撃できる体制をつくり、攻撃を思いとどまらせるしかありません。 前防衛大臣の小野田氏はこの政策に前向きだったので、政府も「巡航ミサイル導入」の議論を進めようとしていました。 しかし、現在は、もはや忘れ去られています。 今のままでは、安倍首相の「脅威の認識」と日本に必要な抑止力のレベルがつりあわないのですが、自民党の議員は、その矛盾に口をつぐんでいるようです。 (※18年防衛白書も北朝鮮が「スカッド用のTEL(移動式発射台)を最大100両、ノドン用のTELを最大50両、IRBM(ムスダン)用のTELを最大50両」もっているとの米軍の分析を紹介しているが、その対策は不明) ◆日本を攻撃させないためにも「自衛隊の強化」が必要 生前、渡部昇一氏は、武の語源は、矛をもって矛を止めることだと言っていました。 つまり、ミサイルを持つことで、北朝鮮にミサイルを撃たせなくすることが大事です。 幸福実現党が、立党以来、北朝鮮への「抑止力」強化を訴えてきたのは、戦争がしたいからではなく、戦争が起きるのを防ぐためです。 巡航ミサイルの導入に関しては、自民党よりも前から必要だと主張しています。 (※「巡航ミサイルを備えた潜水艦隊を充実(2010主要政策)」「巡航ミサイルなどの敵基地攻撃能力を保有(2013主要政策)」など) 2017年に北朝鮮危機が本格化してから「巡航ミサイルの保有」を検討した国会議員は、18年に米朝交渉が始まったのをいいことに、全てを米国任せにし、この問題に口をつぐんでしまいました。 しかし、このたびのトランプ訪朝で、短距離・中距離弾道ミサイルに対しては、日本自らが「撃たせない」だけの抑止力を持つべきことがはっきりしたのです。 幸福実現党は、今後も、日本を攻撃させないためにも、平和を守る「抑止力」の必要性を、訴え続けてまいります。 【参照】 ・ARIRANG NEWS(アリランテレビ):LIVE: [S.Korea-U.S. Summit] MOON,… トランプの「同盟不平等」論に安倍政権は答えられるのか 2019.07.02 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆日本政府を揺さぶった、トランプの「同盟不平等」発言 G20に出かける前に、トランプ大統領は、日米同盟が不平等だと指摘し、日本政府にゆさぶりをかけました。 (※以下の発言は6月26日のFOX BUSINESSのインタビューでのコメント) 「我々は日本と同盟を結んでいる」 「もし、日本が攻撃されたら、我々は第三次世界大戦を戦うことになる」 「我々はそこに行き、彼らを守る。我々の生命と予算を費やして戦う。我々はどんな犠牲を払ってでも戦うのだ」 「しかし、我々が攻撃された時、日本は我々のために戦う必要はない」 (その時)「彼らは、その攻撃をソニーのテレビで見ているだけだ」 政府関係者やマスコミは、トランプ氏がG20を前にして、急に大統領選の頃のような同盟否定論を語ったことに驚きました。 大統領になった後は、持論と現実との落差を知り、トランプ氏も「丸く」なったのではなかったのか――。 この発言は、そうした想定に「揺らぎ」を与える一撃だったからです。 ◆トランプの本音は変わらない こうした発言は、大統領選の頃から、トランプ氏が繰り返し語ってきた持論ではあります。 しかし、トランプ氏は、大統領になった後は、日米首脳会談などで同盟堅持を表明し、歴代政権に近い立場を取ってきました。 2018年までは、マティス国防長官(当時)のように、同盟を重視する軍人閣僚が外交・安保政策を支えていたので、トランプ氏はこの種の発言を減らしていましたが、最近は、安全保障に不熱心な日本への不満がたまり、また本音を語り始めています。 その不満の典型は「中国や日本は、ホルムズ海峡を通る自国のタンカーを自国で守るべきだ」という主張です。 24日のツイッターでは「中国が輸入する石油の91%はホルムズ海峡を通る。日本の石油の62%もそうだ。どうして米国は、こうした国々のために代償ゼロでシーレーンを守る必要があるのか」と書き、「米国は世界最大のエネルギー生産国なのだから、(この海峡に)とどまる必要さえない」とまで述べています。 日本は、米国に安全保障を依存しすぎていると考えているわけです。 ◆日米同盟は「かつてないほど強固」ではなかったのか? ただ、こうした本音トークがなされても、トランプ大統領が、すぐに日米同盟破棄に動く可能性は低いでしょう。 現在、対決姿勢を打ち出している中国が最も嫌がっているのは「日米同盟の抑止力」です。 北朝鮮にとっても、同盟を根拠に日本に展開する在日米軍は、大きな脅威になっています。 ここで同盟を解消すれば、中国と北朝鮮が手を叩いて大喜びするだけだからです。 5月の訪日時に、トランプ大統領は、米国の強襲揚陸艦「ワスプ」の上で「同盟はかつてないほど強固だ」と述べています。 訪問した横須賀基地は「鉄壁の日米協力関係のあかしだ」とも語りました。 結局、トランプ大統領は「同盟は必要」という現実を認めながらも、本音を語ることで、同盟国に、安全保障への「本気の取組み」を求めています。 また、こうした威嚇をちらつかせることで、日米通商交渉を有利に進めようとしています。 ◆「日米同盟は不公平」と主張するのはトランプ氏だけではない ただ、こうした「日米同盟は不公平だ」という主張は、トランプ氏だけが言っているわけではありません。 古森義久氏(産経新聞ワシントン駐在客員特派員)は、議会からもそうした声が出ていることに注意を喚起しています。 JBプレスの記事では、「日米同盟は不公正であり、日本は憲法を改正して集団自衛権の完全行使を可能にし、米国を支援すべきだ」と主張してきたブラッド・シャーマン議員(民主党)が米下院の外交委員会で要職についたことを紹介しています。 この人がアジア太平洋を扱う「アジア太平洋・核不拡散小委員会」の委員長に就いたので、日本にもう一段の防衛努力が要求される可能性が出てきたと指摘しているのです。 ◆「集団的自衛権の限定容認」の限界 しかし、安倍政権は「集団的自衛権」の限定容認がなされたので、有事に米国を支援できると考えているのかもしれません。 ただ、その要件をみると、実際は、米国が攻撃されただけでは、集団的自衛権を使えないようになっています。 現状では、日本にとって「国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」がない限り、米国が攻撃を受けても、集団的自衛権を使う条件は整わないのです。 世界最強の米国が被害を受けても、日本に前掲の「明白な危険」が生じないことは十分に起こりえます。 この場合は、米国大統領が参戦を求めても、集団的自衛権を使えない事態が発生しうるわけです。 (例えば、2001年にワールド・トレード・センターが崩落しましたが、この出来事で「日本の存立が脅かされた」と言えるかどうかは疑問です。どこかの反米国が工作員を用いて米国の重要施設にテロ攻撃をした程度では、前掲の「集団的自衛権を行使する要件」が満たされない可能性があります) こうした仕組みができているのは、日本の政治家が「米国の戦争に巻き込まれる」ことを避けようとしたからです。 たしかに「無駄な戦争に巻き込まれたくない」というのは、もっともな話ではありますが、その反面として、日本は、米国にとって「当てにならない同盟国」になっているのも事実なのです。 ◆安倍政権でも、日本の防衛費はたいして伸びていない 米国から見た時のもう一つの不満は、日本の防衛費の負担が少ないと言うことです。 トランプ政権は、NATO(北大西洋条約機構)加盟国に「GDP比で2%の防衛費負担」を求めているので、GDP比1%程度の防衛費は、とても小さく見えているはずです。 安倍政権は、防衛費を増やしましたが、規模が小さく、物価も上がっているので、実際は、たいして変わっていません。 2014年から2018年までの防衛関係費の増額は3063億円。 伸び率は約6.3%です。 しかし、同時期の物価は約2.1%上がっているので、実質で見た防衛費の伸び率は4年間で4.2%。 年間伸び率は1%程度にすぎません。 自民党の「ゆるぎない防衛力を整備する」という公約は、看板倒れで終わっています。 ※上記計算 ・5兆1911億円 -4兆8848億円=3063億円。3063億÷4兆8848億で6.27%)… 共産党と立民党が目指す「文在寅」的な賃上げは、経済を崩壊させる 2019.06.30 共産党と立民党が目指す「文在寅」的な賃上げは、経済を崩壊させる HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆立憲民主党が「5年で最低賃金1300円」を公約 6月24日に、立憲民主党は公約を発表し、「5年以内に最低賃金を1300円に引き上げる」ことをうたいました。 そのため、6/25時点の「賃上げ」をめぐる主要政党の政策比較は、以下の内容になります。 ——- ・自民党:1000円を目指す(年率3%程度。全国加重平均) ・公明党:1000円超を目指す(2020年代前半を目途〔全国加重平均〕/2020年代半ばに半分以上の都道府県で達成) ・立憲民主党:5年以内に最低賃金を1300円に引き上げる ・国民民主党:全国どこでも時給1000円以上を早期に実現(中小企業の正規雇用分の社会保障負担を助成) ・共産党:時給1500円を目指す(いますぐ、全国どこでも1000円。中小企業への賃上げ支援を1000倍に) ※維新の会は「最低賃金」という制度に否定的で、生活難には給付金で対応すべきという発想。 ——– 自公政権は5年程度での目標達成を目指していますが、共産党と立民党は「即時引き上げ」というカラーが濃厚です。 共産党だけでなく、立民党も17年発表の「基本政策」で「全国どこでも誰でも時給1000円以上に」と述べていたからです。 ◆立民党、共産党のいう「すぐに1000円」が意味するもの 厚生労働省によれば、2018年の我が国の最低賃金は全国平均で「874円」です(加重平均額)。 そのため、共産党や立民党のように、これを法律で強制的に「全国どこでも」1000円にした場合は、平均値で14.4%増となります。 これだけでも猛烈な増加率ですが、最低賃金に関しては、都道府県によって大きなばらつきがあることに注意しなければなりません。 その賃金を金額別にみると、全国の都道府県は、以下のグループに分かれます。 ・900円以上:3県 ・850~899円:6県 ・800~850円:19県 ・761~799円:19県 東京は985円、神奈川は983円、大阪は936円でベスト3ですが、760円台の県は16県もあります。 ・766円:徳島 ・764円:島根、愛媛 ・763円:山形 ・762円:青森、岩手、秋田、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、沖縄 ・761円:鹿児島 これらの県を時給1000円にした場合は、31%増という途方もない数字になります。 しかし、問題になるのは、そんなに急に引き上げた時、何が起きるのかということです。 ◆文政権は2年で3割の賃上げ 韓国経済は崩壊 急激な賃上げが経済を低迷させることは、すでに韓国の文在寅政権が実証済です。 韓国は、2018年に16.4%、19年に10.9%の引上げを決めましたが、その結果は悲惨なものでした。 中央日報日本語版(2019/6/13)によれば、5月の失業者は114万人を超え、例年の5月の中で最多記録を更新しています。 そのうち、40代の雇用は17万7000人減り、43カ月連続で減少。 製造業就業者数は7万3000人減り、18年4月から14カ月連続でマイナスが続きました。 さらには、18年2月以降は、従業員のいる自営業者が減り、従業員のいない自営業者の増加が続いています。 「最低賃金引き上げなどで人件費が増えたことで従業員を手放して『従業員のいる自営業者』から『従業員のいない自営業者』に変わった」(タングク大学経済学科のキム・テギ教授) 一人あたりの賃金を無理やり増やせば、企業が雇える人の総数が減るのは当たり前です。 同紙は、6月18日に韓国の中小企業15団体が緊急会見をひらき、「最低賃金、来年は据え置きを」と要望したことを報じています。 (深刻な経営難で)「窮地に追い込まれた人たちはやむを得ず職員数を減らし、勤労時間を短縮している」 「現場の副作用と諸条件を考慮し、来年の最低賃金は少なくとも据え置くべき」 中小企業中央会の調査(全国の中小企業357社を対象)によれば、60.8%が「経営状況が厳しい」と答えています。 来年も最低賃金が上がる場合、半分以上が雇用を減らすと返答しています。 「新規採用を縮小」(28.9%)、「従来の人員を削減」(23.2%)などと、厳しい見通しを明かしているのです。 ◆立民党、共産党の「賃上げ」プランは文政権とそっくり こうした韓国の不景気は、2年間で3割という急激な賃上げによってもたらされました。 我々は、立民党と共産党の政策が、この文政権の政策とよく似ていることに注意すべきです。 まず、最低賃金を「いますぐ、全国どこでも1000円」に引き上げた場合、平均値で14.4%、地域によっては3割前後の増加率になります。 立民党のプランが発動されたと仮定すると、その翌年には最低賃金は1075円にまで上がります。 (※5年間で1300円なので、初年に1000円に上げ、残り4年で300円を上げると想定) 2年目の賃上げ率は、7.5%です。 そうなれば、2年間の平均値で賃上げ率は23%、地域によっては3割から4割の賃上げ率となります。… すべてを表示する « Previous 1 … 23 24 25 26 27 … 98 Next »