Home/ やない 筆勝 やない 筆勝 執筆者:やない 筆勝 幸福実現党総務会長兼出版局長 富士山噴火や大地震の予兆が続く――“天罰”を招く民主党政権は即刻、退陣せよ! 2012.02.02 「富士山の噴火が迫っている」――そうした懸念が高まっています。 先月28日午前7時、富士山から約30キロメートル、東京から約100キロメートル離れた山梨県東部地域でマグニチュード5.5、震度5弱の地震が発生しました。余震は、29日夕方までに18回続きました。 この期間に岩手県や大分県など、東北地方と九州地方でも震度3の地震が相次いだことから、不安に感じた方も多いでしょう。 昨年3月11日の東日本大震災以降、こうした地震は全国で頻発しています。 マグニチュード9クラスの地震の後には、必ず火山噴火が起こると言われており、3.11以後、地下活動が活発化、日本は火山と地震の両面で警戒するべき時期に入ったと言われています。 先日、東大地震研究所が「東京など首都圏で約70%の確率でマグニチュード7.0以上の直下型地震が4年以内起きる」と発表(1/23 読売)したばかりだけに、首都圏大地震だけでなく、「富士山の噴火が迫っているのではないか」という報道や情報が飛び交っています。 「富士宮市で原因不明の地下水が出水した」「富士山周辺の洞窟でのコウモリが異常発生」「中腹2か所から蒸気が勢いよく出ていた」「富士山の八合目に凶兆とされる鳥の模様が出現」――いずれにしても、富士山周辺と日本の地下のマグマに何らかの異変が起きているのは事実でしょう。 地震予知の第一人者である東海大学海洋研究所地震予知研究センター長の長尾年恭教授は「東海地震が起きた場合、かなりの高率で富士山が噴火するでしょう。日本における災害では、地震以上に火山の噴火が怖い」と警告しています。(「週刊現代」1/21号⇒http://bit.ly/A7TZIT) また、琵琶湖の最深部で、湖底から堆積物が噴き上がる現象が活発化しています。近畿地方を震源とした地震の予兆と指摘する専門家も出ています。(1/19 朝日) 元東京大学地震研究所准教授の佃為成氏は地殻変動の影響を指摘しています。この地域は「新潟―神戸ひずみ集中帯」の一部で、95年の阪神大震災や04年の新潟県中越地震などが同集中帯で起きています。 また、元北海道大学大学院付属・地震火山観測センター所長で、現武蔵野学院大学特任教授の島村英紀教授は「西日本も安心できるような状況ではない」と注意を呼びかけています。(「週刊現代」1/28号⇒http://bit.ly/AnDGlI) 古来、日本には地震や風水害といった天変地異、内乱・外寇で国が乱れるのは、国を治めるリーダーの悪政によるもの、という考え方があります。 黒船来航から安政の大獄にかけての幕府の崩壊と維新の志士に対する弾圧が行われた時期に「安政三大地震」が起こっています。 阪神淡路大震災は左翼政権である村山首相時代に起き、東日本大震災は同じく左翼活動家の菅首相時代に起きました。 左翼・寄せ集め政党の民主党が発生して以来、東日本大震災に象徴される未曾有の国難に日本は直面しています。 そうした悪政への「天罰」ともいえる東日本大震災が発生しても、民主党・野田政権は今度はその大災害を利用して復興増税を行ったばかりか、更には日本経済を瓦解させかねない消費税の大増税を目論んでいます。 そうした神仏をも恐れず、国家を民を苦しめ続ける政権に対し、日本という国を見守る神仏が、その天意を富士山噴火や大地震といった形で表象される可能性も予測されます。 野田・民主党政権は、この日本に更なる天罰を招く前に即刻、退陣すべきであり、私達国民は悪政を追放し、日本の政治を根本から変えなければならない時が近づいているのです。(文責・矢内筆勝) ホルムズ海峡波高し!――「日本の生命線」の危機に備えよ! 2012.01.26 イランの核開発問題を巡って、ホルムズ海峡は急速に「一触即発」の状況に近づいています。 既にアメリカはイラン周辺に空母2隻を配備。これまでのアメリカの対応などから、アメリカが本気でイランとの戦争を準備している可能性が強まっています。 ホルムズ海峡を巡って、欧米とイランが開戦する事態に至れば、中東に石油を依存する日本にとっては、決して対岸の火事では済まされません。 昨年末、アメリカは核開発を続けるイランへの経済制裁の動きを急激に強め、オバマ大統領はイラン中央銀行と取引を行う企業や金融機関への罰則を定める「2012会計年度国防権限法案」に署名しました。 同中銀はイランの原油取引の決済の大部分を担っているため、イランから原油などを取引している全ての国が対象となり、アメリカ主導の「経済封鎖」網が敷かれることになりました。 これに呼応して、EUは1月23日、イラン産原油の輸入禁止を決定。豪州もEUに同調しています。日本政府はイラン産原油の輸入削減を含む具体的な圧力強化策を米側に提示しています。 こうした動きに対して、イランは世界の海上石油貿易量の3分の1以上が通過するホルムズ海峡を封鎖すると警告。緊張状態が続いています。 この流れを見ると、同じような歴史を思い出す方もいるでしょう。 そうです。かつてアメリカが太平洋戦争開戦前の1941年、日本に対して行った「ABCD包囲網」です。当時日本は、この「包囲網」によって石油が輸入できなくなり、自滅的な「開戦」を余儀なくされました。 今回は逆に、イランが自国の経済収入の柱である石油輸出を止められる形で、「開戦」に追い詰められているようにも見えます。 この流れを見ると、アメリカは並々ならぬ決意でイランを追い込み、戦争をしようとしているようにも見えます。だとすると、なぜアメリカはイランと戦争を始めたいのでしょうか? これについて、国際関係研究家の北野幸伯氏は『RPE(ロシア政治経済ジャーナル)』で、アメリカは以下の五つの理由で、イランとの開戦を決意していると主張しています。 1.ドル体制防衛――石油のドル建て決済を中止したイランの現政権を倒し、傀儡政権を樹立させ、決済通貨をドルに戻したい。 2.石油、ガス利権――原油確認埋蔵量世界4位、天然ガス埋蔵量世界2位という世界有数の資源大国の利権を確保したい。 3.公共事業――アメリカは軍産複合体が経済を動かしているため、経済浮揚政策として開戦したい。 4.イスラエル防衛――大統領再選に向けて、イスラエルの宿敵イランを攻撃することで、国内ユダヤ人の支援を得たい。 5.中国封じ込め――米中関係悪化に備え、中東産油国を脅して中国に原油を売らせないようにするため、イランに親米政権を作りたい。 今回のイラン制裁強化に対しては、様々な見方・見解がありますが、弱肉強食の国際政治の現実と、アメリカの国益の観点から見た視点として、北野氏の分析も説得力があります。 危機管理の鉄則は「最悪の状態を想定して最善を尽くし、最悪の状況を抑止し、被害を最小限に抑えること」です。 日本政府は外交交渉によってイランと欧米諸国との仲立ちをし、核問題と海峡封鎖の問題に目途をつける努力は当然すべきですが、同時に、戦争が勃発した場合の対策も迅速に進めていく必要があります。 開戦によってホルムズ海峡が封鎖されれば、最もその影響を受けるのは日本です。 現在、日本の1次エネルギーの8割強を石化エネルギーが占めており、その内、原油は中東地域からの輸入が86.6%を占めており、中東原油の主要な原油の積出港は全てホルムズ海峡の内側にあります。 同地域が通過できなくなれば、原油価格の高騰と共に、「脱原発」によって電力各社が依存度を高めている液化天然ガス(LNG)価格も高騰し、電気料金が急騰し、国民生活と日本経済は壊滅的な打撃を被ります。 にも関わらず、民主党野田政権はエネルギー安全保障に対する対策や備えを行っているふしはありません。24日の野田首相の施政方針演説でも、今回のイラン危機に対しては「各国と連携して適切に対処します」と触れたのみです。 この事態に備え、日本独自の防衛行動も必要です。例えば、イランはホルムズ海峡封鎖に当たって機雷の敷設が予想されます。だとすれば、日本は事前に「訓練目的」と称して、自衛隊の掃海艇を現地に派遣しておくことも検討すべきです。 また、「エネルギー安全保障」強化も不可欠です。具体的には、福島原発事故で低下したままの原発の再稼働を迅速に進め、原油輸入が滞った際のエネルギー不足、電力危機に備えるべきです。 馬鹿げたことに野田政権はこの非常事態に「増税」に向けて全力を投入しています。鳩山・菅・野田政権と、民主党政権は「危機管理」を放棄し続けています。 しかし、幸福実現党が主張し続けているように、「国民の生命・安全・財産」の確保や「エネルギー安全保障」の強化こそが、政府が取り組むべき最大にして喫緊の課題であるのです。(文責・矢内筆勝) 激動の東アジア――中国に「政治的統一」の口実を与えた台湾総統選 2012.01.15 台湾の総統選が14日に行われ、現職の中国国民党(国民党)の馬英九総統が、対立する最大野党の民主進歩党(民進党)の蔡英文主席を破って再選されました。 対中融和政策によって経済的・政治的な関わりを深める国民党と、台湾の主権と独立を志向する民進党――その選挙結果は、東アジアと日本の未来に大きな影響を与える可能性があります。 私、矢内筆勝は12日から台湾に入って総統選挙を取材し、14日の投開票を見届け、帰国しました。 投開票日の天気こそ、現地は曇りと雨でしたが、選挙戦はまさに“熱い熱い闘い”でした。今回の投票率は実に74.38%。前回の選挙よりは下回ったとはいえ、文字通り、台湾を二分する激しい選挙戦が繰り広げられました。 台湾総統選は、有権者が国家元首(総統)を直接選ぶ選挙です。 台湾総統選は、中国大陸から外来して長らく独裁政治を敷いてきた「外省人」を中心とした「国民党」と、台湾出身の「本省人」を中心とした「民進党」が「台湾の統治権」そのものを争う選挙であります。 それだけに、その真剣さと激しさは、世界の選挙の中でも群を抜いています。選挙の詳しい背景や分析は、別途、ご報告させて頂きますが、本日はそのポイントを簡潔にお伝えさせて頂きます。 今回の総統選挙の争点を一言で表せば「『両岸関係』(台湾と中国との関係)をどうするか」の一点に尽きます。 これまで国民党が推し進めてきた中国との「経済的な一体化路線」を継続するのか、それとも、民進党が主張するように、台湾の「主権と独立を守る」べく、中国とは一定の距離を置くのか――まさに、台湾人自らが「台湾の未来」を選択する選挙でした。 結果、馬英九総統が勝利し、台湾は今後4年間は確実に、経済的な中国との連携を一層深めていくことになります。それは同時に、中国が台湾への経済的支配を一層強め、それをテコに将来、政治的な支配をも強めていく危険性の増大を意味します。 例えば、馬英九総統は2010年、中国とのECFT(経済強力枠組み協定)を結び、中国との経済交流を劇的に改善しました。 その結果、台湾の財閥や企業の多くが大陸(中国)に進出して合弁企業や工場を設立、現在は約100万人の台湾人ビジネスマンや家族が仕事で大陸で暮らしています。 それは確かに「台中経済交流」の深化ですが、見方を変えれば、2300万人の台湾人の20人に一人が、すでに中国の経済的「人質」にとられている、とも言えるでしょう。 そして、そうした「中台融和」の前提として存在するのが、「92年コンセンサス」(九二共識/一中各表)と言われる両岸関係に関する「政治的認識」です。 これは中国側が提案し、1992年に中台の交渉機関が確認したとされるもので、「中国は一つだが、その解釈はそれぞれ違っていてもよい」という、極めて曖昧な相互認識のことです。 つまり、「中国も台湾も、まずは『中国』は一つであることを共通の認識としよう。しかし、中国が認める『中国』とは『中華人民共和国』であり、台湾が認める『中国』は『中華民国』でいい。とりあえず、そこから交渉や交流を始めよう」というコンセンサスです。 今回の選挙で、国民党は「92年コンセンサス」を前提に「経済的な中台融和」を一層推し進めるとし、一方、民進党は「92年コンセンサス」は「中国による統一(台湾併呑)につながる」として否定するスタンスで、今回の選挙を戦いました。 今回、国民党が勝利したということは、「『92年コンセンサス』が台湾人による信任投票で認められた」という解釈を中国に許すことになったことを意味します。 既に現地では、国民党を支持するテレビ局等が選挙結果をそのように解釈し、大々的に報道しています。 つまり、中国は将来、台湾を平和裏に統一するための恰好の口実、強力な政治的武器を今回の選挙で手中に収めたことになります。 特に、中国の新国家主席に内定している習近平氏は、台湾に近い福建省の省長を務めた経歴を持ち、さらに妻の母方の叔父は台湾に暮らしていると言われ、台湾の財閥とも深い繋がりがあると推測されます。 当然、その経済力・政治力を武器に、虎視眈々と自らの手で台湾統一を仕上げようとするはずです。 そうした中国に対して、果たして馬英九総統が経済的、政治的に対峙し、台湾の主権と独立を維持することができるのか―― 「民主国家」としての台湾の存在は、日本にとってまさに「生命線」です。もし、台湾が中国に併呑されるようなことがあれば、中国は台湾海峡を封鎖し、シーレーンを抑えて日本の資源を断つことができます。 そして中国は、台湾を太平洋進出のための軍事基地、「不沈空母」となし、尖閣諸島、沖縄侵攻を進めていくことが予測されます。その段階で、日本は中国の属国化を余儀なくされるでしょう。 すなわち、日本と台湾は「一心同体」の関係にあるのです。 私たち日本人は台湾に決して無関心であってはなりません。台湾の今後4年間を担う国民党・馬政権と中国の動きを注意深く見守り、日本は、かつての宗主国として、あらゆる経済的、政治的な支援と手段を講じ、台湾の自由と独立を支援していくべきです。 「天は自らを助くる者を助く」――その格言は国家においてもあてはまる、永遠の真理でもあるのです。(文責・矢内筆勝) 「琉球独立運動」の危険性――沖縄マスコミが描く、中国は「夢の国」 2012.01.12 2010年末頃から、中国語のブログや掲示板に「中華人民共和国琉球自治区成立」(沖縄を中国の自治区に!)といった記事が出回っています。(例:http://p.tl/zY-p、http://p.tl/zeNY) これらのブログは、元警視庁刑事北京語通訳捜査官の坂東忠信氏が日本語に翻訳して公開してくださっています。⇒http://p.tl/gvzz さて、2010年末から、こうした「琉球自治区」関連記事が中国のブログに転載され始め、時を同じくして、中国の新聞に「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会・設立公告」が掲載されました。 昨年2月15日、そうした中国国内の動きと呼応するかの如く、沖縄の新聞である『沖縄タイムス』が「[GDP日中逆転]豊かな共生を目指そう」と題し、下記ポイントのような社説を掲載しています。⇒http://p.tl/7eLd ・中国に10年遅れでインドも米国を抜き、中印が世界をリードするとの予測もある。新興国の勢いはすさまじく、近未来の世界経済は予想をはるかに超えた風景が広がっているかもしれない。経済のボリュームで順位争いをする時代でもなかろう。 ・一部で「中国脅威論」も台頭する。しかし購買力を増した人口13億人の巨大市場がお隣に出現することを、むしろチャンスとして生かしていきたい。 ・道路標識や案内板、観光パンフの中国語表記、各種通訳の養成など、環境整備を急ぎたい。 ・こんな未来図はどうだろう。中国の大都市で働き、正月や盆には帰省して沖縄を満喫する。上海―沖縄の距離は福岡までとほぼ同じ、広州は東京より近い。 ・1人当たりGDPはまだ日本の約10分の1だが、将来は沖縄で働くより生涯年収が多くなるかもしれない。生活圏が水平線を越える。 同紙の社説は「日本よりも、発展する中国の経済圏に入り、豊かになろう!」といった、何とも不可思議な記事ですが、沖縄県民に、そうした幻想を振りまく一方、沖縄のメディアが決して伝えない事実があります。 それは、中国が「琉球独立」運動の手助けをし、米軍が撤退したあとには人民解放軍が進駐して中国の「琉球自治区」として統治しようとしていることです。 この構想が単なる陰謀説ではない証拠に、昨年9月、香港に「琉球自治区」成立のための委員会が正式に設立され、中国系の新聞や雑誌に広告を掲載して発表しています。 2010年末に設立された「準備委員会」は「準備」がとれて、2011年9月、正式な「琉球特別自治区委員会」として発足しました。 この団体の運営資金は、中国人民解放軍の幹部から流れていると言われています。 今後、この団体を中心に「琉球解放」すなわち「沖縄侵略」に向けたさまざまな宣伝(プロパガンダ)活動が展開されていくでしょう。 そして、これに呼応して、日本の沖縄や本土の左翼マスコミや進歩的文化人、左翼政治家達等が、沖縄の米軍基地反対闘争の一環として「沖縄経済特別特区」、そして「沖縄独立運動」を展開していく可能性があります。 中国に自治区にされ、地元住民の弾圧や虐殺が今でも続いているチベット(チベット自治区)、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)、南モンゴル(内蒙古自治区)においても、中国が手初めに行ったことは「中国の領土である」と世界に喧伝することでした。 次には大量の漢民族が流入し、弾圧や粛清、民族浄化が起こりました。中国の自治区となった国々の悲惨な運命に、目をそむけてはなりません。 そこにあるのは、「沖縄タイムス」紙が描くようなパラダイス──夢の楽園──ではありません。 今から半世紀ほど前、左翼メディアによる「地上の楽園」という大量の宣伝に乗せられて、多くの日本人や日本人妻が、北朝鮮に渡りました。 例えば、朝日新聞は昭和34年12月25日、「『ばく進する馬』北朝鮮」と題し、「北朝鮮の経済建設のテンポはものすごい。…千里の馬がばく進する姿はありありと感じられる。…千里の馬のけん引者はもちろん金日成首相」といった北朝鮮を持ち上げる提灯記事を書き続けました。⇒http://p.tl/pVBr しかし、北朝鮮の「地上の楽園」は、現実には「この世の地獄」でありました。 北朝鮮の広報機関とも言える朝日新聞に騙され、「帰国事業」と騙されて北朝鮮に連れて行かれた日本人やその子孫達は、今も助けを待っています。 日本の左翼偏向マスコミは過去の失敗から何も学ぶことなく、再び、沖縄で大きな過ちを繰り返そうとしています。 マスコミは、もうこれ以上、日本国民の運命を狂わせてはなりません。 米軍が撤退した後に、沖縄が待っている運命は「豊かで平和なパラダイス」などではないことを、私たち幸福実現党は、繰り返し、声を嗄らして訴えて参ります。(文責・矢内筆勝) 共和党候補が在日米軍撤退を公約!? 2012.01.05 「共和党候補が在日米軍撤退を公約」――そんなショッキングなニュースが年明けの3日、一部のメディアを通して全国を駆け巡りました。 一瞬目を疑った方も多かったのではないでしょうか。 報道は事実で、3日に行われたアメリカ大統領選挙の共和党候補者を選ぶアイオワ州党員大会の前日、トップ争いを繰り広げていたテキサス州下院議員のロン・ポール候補(76)が「私は中東だけでなく、日本や韓国からも部隊を引き揚げる。(軍は)自国の人々のことを考えろ」と発言したことが、報じられたものです。 ポール氏は、保守政党である共和党の中でも右寄りで知られ、徹底した「小さな政府」が持論です。 外交政策に関しては「不介入主義者」であり、アメリカの財政赤字削減のために、在日米軍を含めたすべての在外駐留米軍を撤退させ、「小さな政府」実現のために、中央情報局(CIA)や国土安全保障省(DHS)など多くの政府機関の廃止を求める等、過激な主張で知られている候補者です。 アイオワ州の党員集会の投票の結果は、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)の得票数は3万0015票、リック・サントラム元上院議員(53)は3万0007票で、得票率はともに25%。そしてポール下院議員が21%で3位という結果となっています。 選挙戦はまさに始まったばかりであり、結果について明言はできませんが、そのあまりに極端な発言から、ポール氏がアメリカ大統領になる可能性は、一般的に極めて少ないと見られています。 ですから、米軍が日本から撤退するというポール氏の政策がそのまま実行されることは、まずないと言えるでしょう。 しかし、重要なことは、そのような政策をはっきりと明言し、「公約」として掲げる大統領候補が、アメリカに登場したという事実です。 そして、その候補者が、民主党よりも日米同盟を重視し、「海外に米軍を展開し、強力な軍事力を維持するとすることがアメリカの国益に叶う」と考えがちな共和党員の中で20%もの支持を獲得したという事実です。 米軍の日本からの撤退、すなわち「日米同盟破棄」は、実質的に日米同盟に国防を委ねている日本にとっては重大な事態です。 もし今、「日米同盟」が破棄されたなら、日本は単独で自国を防衛せざるを得ず、憲法9条の制約と軍事力の不備から、日本はウサギが飢えたオオカミの群れに放り出されるように、中国などの周辺諸国の侵食を受け、遠からず植民地にされることは間違いありません。 「日米同盟」による「核の傘」や米軍の強大な軍事力の存在が、現状の日本にとって死活的に重要な安全保障の要となっているのは事実です。 しかし、日本にとっては「死活的に重要」な日米同盟も、莫大な財政赤字と長期不況にあえぐアメリカでは、大統領候補の一人が「国益にとってマイナスである」と主張し、アイオワ州の党員選挙で20%の共和党員がそれを支持した――これが、今アメリカで起きている紛れも無い事実です。 いよいよ世界の激動の年といわれる2012年が始まりました。中でも、日本が位置する東アジアは今、世界の中でも最も不安定で、危険な地域の一つになっています。 金正日総書記の後継者として、核を保有し、いつ暴発するともわからない金正恩氏体制。 そして、新しい指導体制の下、いよいよその強大な軍事力で、日本を含めたアジアの実効支配に向けた動きを活発化させるであろう中国。 これまで当たり前であった「日米同盟」すら、当たり前でなくなる可能すら浮上してきている日米関係の脆弱化。 幸福実現党は、立党当初から「日米同盟強化」を訴え、米軍普天間基地の県内移設やインド洋での海上自衛隊による給油活動の継続、そして集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の見直し等、日本側の具体的で積極的な努力が必要であることを訴えて来ました。 同時に、米国の国力衰退に伴い、中長期的には米軍の後退傾向は避けられないため、憲法9条改正、空母や原子力潜水艦、核抑止力等の保有、非核三原則の見直し等の「自主防衛」政策も早急に検討していく必要があります。 2012年という危機の時代の到来は、そうした幸福実現党の先見性と実効性のある国防政策に、多くの国民が注目し、期待を寄せる時代の幕開けとも言えるでしょう。 日本の未来の希望は、まさにここにあるのです。(文責・矢内筆勝) 残虐を極めた金正日・独裁体制の実態――政府は一刻も早く拉致被害者を救出せよ! 2011.12.29 平壌で金正日総書記の葬儀が行われた12月28日、東京・文京区で「金正日の犠牲者に思いを寄せる12/28東京集会」が開かれました。 「この日は金正日を追悼する日であってはならず、金正日による犠牲者に思いを寄せる日であるべきだ」として、「救う会」や北朝鮮による拉致被害者家族連絡会、特定失踪者問題調査会等が企画したもので(実行委員長=「救う会」の西岡力氏)、横田滋・早紀江さんご夫婦らもパネリストとして参加され、会場には約200人の支援者らが詰めかけました。 集いでは、普段から日本のマスコミが一切報じない、北朝鮮国内での強制収容所や虐殺や虐待など、金正日・独裁体制の人権侵害の実態が、下記のように次々と報告されました。 ・強制収容所にはこれまで100万もの人が収容され、その多くが死んで行った。現在も20万人が収容されている。300万人が餓死し、合計700万人の自国民が殺された。 ・北朝鮮では、独裁政権打倒に立ち上がった若者たちもいたが、そうした若者は家族全員が連座制で収容所に入れられた。その結果、そうした動きは完全に封じられてしまった。 ・日本のマスコミは、金正日死去に関して多くを報道しているが、大部分はどうでもいい報道ばかりで、強制収容所の実態などについては一切報道しない。その結果、日本国民、国会議員も、金正日の犯した悪行に関する認識が極めて低い。 ・識者やマスコミは、「北朝鮮の安定化が必要」と訴えているが、それは北朝鮮の国民や拉致被害者にとっては、「地獄の安定」。 ・独裁政権の悪行を許すことは、悪に加担すること。北朝鮮の安定化を望むということは、悪魔の手先と同じ――。 改めて語られる金正日・独裁体制下の想像を超えた人権侵害の実態に、多くの参加者は驚きを隠せませんでした。 そして檀上には、特定失踪者(政府が認定した北朝鮮による拉致被害者とは別に、北朝鮮による拉致の疑いが否定できない特定失踪者。その数は250人以上に及びます)の家族や親戚10人が立ちました。 そして、「私の娘は自宅近くから20歳で失踪し、来年40歳になります。今も一切情報はありません」「40年前に子供が失踪し、私も70歳になった。私が生きている間にいい話を聞きたい。なんとかお力を頂きたい」と、切々と訴えました。 また、家族会(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会)の事務局長・増元照明さんは、「なぜ、日本の政府も有識者も『被害者を保護せよ』という発信をしないのか。今ある危機を、拉致被害者への危機に対して、もっと言わなければならない。 野田総理は北朝鮮に対し、もっと発信してほしい。国会議員も、政局をやっている場合ではない。北朝鮮の危機に真剣に向き合って欲しい。あまりに危機意識が足りない」と訴えました。 この集いで、いみじくも多くの発言者が共通して訴えていたことがあります。 それは、野田首相を始めとした日本の政治家とマスコミに、北朝鮮・金正日総書記が行ってきた虐殺と虐待、拉致など、国内外で犯してきたすさまじい犯罪行為への認識が欠如していること。 そして、そうした悪を糾弾し、その上で正義を実現しようとする意思と言葉が欠落していることへの指摘でした。 確かに、連日の日本のマスコミ報道は、総じて今回の金正日総書記の死去を、あたかも普通の国の元首の死去と同じように報じています。 それゆえに、内容がどうしても、後継者の動向や、権力継承の分析に終始しがちです。 しかし、死去した当の金正日総書記は、数多くの日本人の拉致実行命令を発し、今も拉致被害者やその家族を塗炭の苦しみに陥れている張本人であります。 そして、数百万の自国民を強制収容所や飢餓で殺害した、ヒトラーと並ぶ残虐な、文字通り極悪非道の独裁者であり、犯罪者です。 そうした隣国の「悪行」に対して、「善悪を分ける」視点を持たず、「正邪」の価値判断を意図的(もしくは無意識)に避け続ける日本の政治家やマスコミの在り方に、現在の日本の宿痾(しゅくあ)が見えてきます。 すなわち、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持する」と決意させられた憲法前文と憲法9条によって、国家の主権を守る決意と意思を奪われて久しい日本の姿です――。 拉致問題の本質は、犯罪国家・北朝鮮の加害と同時に、それを許し、さらにその後、被害者の救出すらままならない日本という国家の「主権意識と正義の欠陥」にあると言えるでしょう。 日本の国家再生への道は、そうした国家の主権意識と、主権を侵す「悪」に対しては交戦権も辞さないという、当たり前の国家としての「気概の回復」にこそあります。 幸福実現党が主張する、「憲法9条の改正」であり、「憲法解釈の変更」(前文に謳われた『平和を愛する諸国民』とは言いがたい中国、北朝鮮に対しては、憲法解釈を変更し、9条の適用対象外とする)という政策の意味と目的は、まさにここにあるのです。(文責・矢内筆勝) 金正日氏死去で、中国が情報と言論統制強化――日本のマスコミは機能しているか? 2011.12.23 今回の北朝鮮の金正日総書記の死去に関して、中国で厳重な報道規制が行われていると、12月20日付の産経が報じています。(⇒http://p.tl/gWMs) 同紙によると、金正日総書記の死去を受け、中国当局が19日午後4時半、国内各メディアに対し、北朝鮮に関して独自報道をしないよう規制する緊急通達を行ったとのことです。 その結果、中国各地で予定されていた金正日氏死去に関するテレビやラジオの特番が相次いで取り消されたほか、中国の動画サイトからも、金正日氏死去に関する海外メディアの画像や情報が次々と削除されているということです。 中国共産党の意図がどこにあるのかは書かれていませんが、中国当局は、各メディアや言論が金正日氏批判にかこつけた「独裁制批判」「国家社会主義批判」を行うことを強く警戒していることは明らかです。 「ジャスミン革命」以降、中国は民主化・自由化の波及を恐れて、言論と情報統制を強化する動きを一段と強めています。 例えば、最近、中国国営の中国中央テレビ(CCTV)のトップに新しく就任した、中国メディアのトップエリート・胡占凡局長の発言が、中国のネット社会に波紋を広がっています。 胡局長は就任直後、中国版ツイッターなどで「一部のメディア人は自分の仕事が党の宣伝ではなく、ジャーナリストだと考えている。これは根本的に間違った位置づけである」 「一部のものは党性や党の喉舌(代弁者)としての役割を強調すると、報道の客観性や報道ルールに影響すると考えている。これは大きな間違いで、非常に偏った認識である」と発言しました。 つまり「マスコミの仕事は党の宣伝機関だ」というのです。 今年7月に浙江省で起きた中国の新幹線事故で、政府のあまりの人権無視の対応に、複数の中国メディアが政府を批判したことが、日本でも大きな話題を呼びました。 今回の胡局長の発言には、改めて、そうした国内メディアへの締め付けを強め、「言論統制を徹底していく」という、中国共産党の強権的なメッセージが読み取れます。まさに「党の喉舌(代弁者)」としてのマスコミと言えるでしょう。 いずれにしても、私たち日本人が知っておくべきことは、欧米のマスコミとは違って、中国主要メディアは中国共産党政権に運営される国営メディアであり、「党のプロパガンダのための機関として存在している」という事実です。 ここに、表面上は経済を発展させ、先進国に追いついたかのように見せてはいても、北朝鮮と何ら変わらない独裁国家・中国の本質があります。 いみじくも、こうした近隣国における国家社会主義体制の存在は、「言論の自由」「表現の自由」「思想・良心の自由」「信教の自由」といった「自由」のない国には人間の幸福が無いことを、私達に教えてくれています。 「自由」こそが、人間の幸福にとって最も大切な価値であり、自由を奪われた社会は「牢獄に入れられることと同じである」という真理、価値観を、私たちは片時も忘れてはなりません。 今日の日本においても、大手マスコミが野田・増税政権に追随し、野田政権の「喉舌(代弁者)」となっていることは明らかです。 特に、12/4に政府が「社会保障費と税の一体改革について」と題する政府広報を全国紙や地方紙に全面広告を掲載して以降、増税に関して「独自報道」しないよう自主規制が見られ、異口同音に野田氏の増税路線礼讃の提灯記事が連日、各紙で見られるようになりました。 例えば、「首相は『私が先頭に立って政府・与党内の議論を引っ張る』と強調した。不退転の決意で取り組んでほしい」(12/5朝日社説)、「野田首相と民主党幹部は、断固とした姿勢で消費税増税への反対派を説得し、公約通り、年内に結論を出さねばならない」(12/17読売社説)など、本来、政治スタンスが違うはずの大新聞の社説が不気味な程、同一口調に統一されています。 もはや、日本のマスコミは「権力の番人」ではなく、いつの間にか「権力の喉舌(代弁者)」と成り果てていることを、国民は賢明に見抜かねばなりません。 私たち幸福実現党は、こうした日本の「国家社会主義化」から国民の「自由」を守り、「自由の大国」「自由からの繁栄」を実現するために戦って参ります! ぜひ、一人でも多くの方のご理解とご賛同、そしてご支援をお願い申し上げます。(文責・矢内筆勝) 金正日総書記死去~混沌(カオス)化する朝鮮半島情勢に備えよ!~ 2011.12.19 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が死亡したことが19日、判明しました。北朝鮮の発表によると、17日に現地指導に向かう列車内で重症の急性心筋梗塞に見舞われ、心原性ショックを併発したとしています。 後継者には、三男の金正恩(キム・ジョンウン)中央軍事委員会副委員長に確定しており、軍部を中心にした集団指導体制が当面、図られると見られています。 金正日氏は拉致行為、日本に向けたミサイル訓練、核開発など、日本の安全保障を大きく揺るがしました。日本国内でも、金正日氏の死去により、北朝鮮の軟化を期待する評論も出ていますが、状況は決して甘いものではありません。 後継となる金正恩氏は、金正日氏の三人の息子の中で最も権力欲が強く、闘争的で、狡猾な父親の性格を受け継いでおり、今後、金正恩氏が権力を掌握すれば、強硬路線を引き継ぎ、「金王朝」を強化する方向性は確実です。 また、圧倒的な統率力で独裁体制を維持した金正日総書記からの正式な権力継承が完成していない段階での金正日氏の死去は、中国、アメリカ、韓国、ロシア等、周辺諸国の様々な思惑と利害の衝突によって、極東の政治状況の一層の混沌(カオス)に拍車をかけることは必至です。 北朝鮮の今後のシナリオとしては、以下のような事態が想定されます。 (1)金正恩氏が軍を掌握して体制を維持し、強権を発動して「若き独裁者」として、「先軍政治」を掲げる従来の北朝鮮の路線を継承する。 この場合、来年2012年は金日成生誕100年、金正日生誕70年、金正恩生誕30年となる「記念の年」として、「強盛大国の大門を開く」とのスローガンを掲げて来ただけに、金正恩体制への移行に伴い、権力を誇示するための軍事行動に走る可能性は高いと考えられます。 2010年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件は、「砲撃戦術の専門家」と称する金正恩氏の「権力継承に向けた実績づくり」であると言われています。 そして既に、金正日総書記死亡直後に、北朝鮮は射程およそ100kmほどの短距離ミサイルを日本海側に発射しており、強硬路線は既に始まっています。 ※参照:12/19FNN「北朝鮮、金正日総書記の死後の19日朝に短距離ミサイルを日本海に向け発射」⇒http://p.tl/n4OG (2)20代後半という年齢と力量不足から、金正恩氏が権力の継承に失敗し、内部で権力闘争が発生し、内乱状態に突入する。 (3)その場合、反権力勢力がクーデターを起こして中国に介入を要請。中国が「権益保護」を名目に介入し、北朝鮮に中国傀儡政権を誕生させる可能性も。その後、その中国傀儡政権による半島統一(「赤化統一」)を図る。 (4)北朝鮮の政権が不安定化、内乱が発生した場合、アメリカが中国より先にリーダーシップをとって国連軍の介入を行う。 特に(3)の場合、すでに中国は北朝鮮と2007年、北朝鮮の最北部の不凍港・羅津(ラジン)港の50年間の租借権を結んでいます。それは港の借受だけでなく、その地に中国が行政権を執行するという、紛れも無い現代の「植民地政策」です。 中国は既に、この港の近くの羅先(ラゾン)の国境線に人民解放軍を進駐させ、北朝鮮での突発事項の際に介入する準備を完了させていると言われています。 また、これまでの金正日総書記と中国の関係は、決して「蜜月」と言えるものではなく、金正日総書記は中国を嫌い、中国も総書記を信用しておらず、その操縦に手を焼いていたと言われています。 この機に乗じて、中国が内部分裂工作を仕掛け、一気に北朝鮮を属国化する可能性も否定できません。 いずれにしても、今後の北朝鮮の行方の鍵を握っているのは、エネルギーや食糧援助で北朝鮮の生殺与奪権を握っている中国です。 そして金正恩氏がスムーズに政権を継承しても、そうでなくても、今回の事態を契機に、中国は、かつての明や清の時代のように、北朝鮮の属国化を進め、虎視眈々と韓国も含めた朝鮮半島全体の併呑を狙ってくるのは間違いないでしょう。 そうした中国の野心を踏まえつつ、日本は今後、難民対策やテロ、核ミサイル発射を含め、あらゆる有事を想定した安全保障上の対策を講じていく必要があります。 何よりも、北朝鮮は、既に核ミサイルを数発から最大20発保有していると見られている「核保有国」であり、露骨な「反日国家」です。 今回の金正日総書記死去が、今後、アジア全体の戦乱と動乱の危険性の引き金となり、日本の安全保障の危機が高まる可能性は低くはありません。 そうした中、日本政府は、藤村官房長官が、拉致実行の最高責任者である金正日氏に対して「哀悼の意」を表明するなど、「平和ボケ」していると言わざるを得ません。 日本政府としては、早急に日米同盟・日米連携を強化し、日米韓で北朝鮮に関する内部情報を収集し、認識を共有すると共に、この機会に、国際社会に働きかけ、あらゆる手段を使って拉致被害者救出のチャンスを探っていくべきです。 また、朝鮮半島有事など、最悪の事態を想定し、「憲法9条改正」を含めた有事における国防体制を構築していくことが急務です。(文責・矢内筆勝) “大政翼賛会”化する日本のマスコミ 2011.12.15 「すべての国民の皆さまへ――社会保障と税の一体化について」――政府は12月4日、全国紙と地方紙すべてに、日本の社会保障制度を維持するために消費税が必要だとする政府広報(全面広告)を掲載しました。(PDF⇒http://p.tl/hfJ3) その主旨は「社会保障費は毎年1兆円以上も増えていく。社会保障を維持するためには、税制の抜本改革(消費税増税)が必要。消費税は公平感のある税金であり、一番景気に左右されない。政治家として覚悟を決めて決断する」という内容です。 「国民の血税を大量に使って、国民に増税の必要性を訴える」という、全く不届きで“オカシイ”広告ですが、もっと“オカシイ”のが、翌5日に掲載された「社会保障と税の改革―消費増税は避けられない」と題する朝日新聞の社説です。 その主旨は「社会保障費は毎年1兆円ほど膨らんでいく。制度が破綻しないよう、見直していかねばならない。社会保障費をまかなう税には、すべての世代が負担し、税収も安定している消費税がふさわしい。野田首相は『私が先頭に立って政府・与党内の議論を引っ張る』と強調した。不退転の決意で取り組んでほしい」という内容です。 論理や文脈まで政府広報とそっくりな、見事な「提灯(ちょうちん)記事」です。 なぜ、朝日新聞がここまで、政府・民主党に迎合して、“大政翼賛会”的に政府の「消費税増税」政策を後押ししているのでしょうか? 日本BS放送報道局長の核心リポート「“影の首相”おぞましい増税“裏工作”…広告会社にも強烈圧力」に以下のように記載されています。(夕刊フジのWEBニュースサイト「ZAKZAK」⇒http://p.tl/OYH6) ・「増税反対」の世論が高まるなか、焦燥感を強める財務省は必死の裏工作を展開。 ・11月半ば過ぎ、複数の大手広告代理店に、財務省の勝栄二郎事務次官からFAXが届いた。代理店社員がいう。「税と社会保障の一体改革が大詰めを迎えている。PRしたくよろしく、という趣旨でした」一見、何の変哲もない文章だが、強烈なプレッシャーだという。 ・「広告代理店にとって、政府広報は大きな収入源であり、政府は最重要クライアントの1つ。その元締めである財務省トップからのFAXは『何をしている。消費税増税キャンペーンで知恵を絞れ』という暗黙の圧力です」(代理店幹部) 「政府広報が大きな収入源」であるのは、新聞社も同じです。財務省が広告代理店を使って、アメとムチによってマスコミを巧みに操る――そんな構図が見えてきます。 さらに、以前から幸福実現党が指摘してきたように、朝日新聞をはじめとした大手新聞は、毎日紙面で「増税増税」「増税やむなし」と扇動する一方で、その裏でちゃっかりと「日本新聞協会」を通して、消費税の「軽減税率の適用」を政府に求めています。(日本新聞協会HP「税制改正で経産省に要望」⇒http://p.tl/Mfoz) つまり、新聞業界だけ「軽減税率」によって消費税を軽減してしてもらう代わりに、紙面で「増税キャンペーン」を張り、政府の増税路線に協力するという、新聞業界と政府の「裏取引」がなされている可能性が「大」なのです。 このように、官僚に操られ、マスコミと“連立政権”を組んだ、民主党・野田政権が推し進めているもの――それは、政府・官僚・マスコミが一枚岩となった「国家社会主義」に他なりません。 中国共産党政権や北朝鮮にも似た、左翼政権による日本版・一党独裁政権の出現であり、鳩山、菅に続く、「国難」の到来と言えるでしょう。 幸福実現党の大川隆法名誉総裁は12月10日、幸福実現党・ついき秀学党首と「国家社会主義への警鐘」と題する公開対談を行い、民主党政権下で混迷を極める現代日本の進むべき方途を指し示しました。 ぜひ、多くの方に、日本に迫り来る危機の本質を知って頂き、共に日本を国難から救う運動に参画頂きたいと思います。(文責・矢内筆勝) 日本・モンゴルの連携を強化して中国包囲網を! 2011.12.08 モンゴルが「経済侵略」を強める中国に対して、「独立」の姿勢を見せ始めています。 モンゴルは、あのチンギス・ハーンの末裔の国。 元帝国以降、清の支配下にありましたが、清が崩壊して後、南部の内蒙古(南モンゴル)は中国に組み込まれて「内モンゴル自治区」となり、外蒙古はロシアを後ろ盾にして独立して現在の「モンゴル国」となっています。今回は、そのモンゴル国の話です。 モンゴルは1990年に社会主義国から脱却し、複数政党制を導入して民主化しています。 JBPressに掲載された姫田小夏氏(ジャーナリスト/チャイナ・ビズ・フォーラム代表)執筆による「モンゴルでますます高まる嫌中ムード~『やりたい放題』に資源を獲得し、土地の不法占拠も」(http://p.tl/mNwc)によれば、モンゴルの経済は、2000年以降大幅に拡大し、一人当たりGDPは2004年からの3年間で約2倍に急増しました。 経済成長を支えているのは金、銅、石炭、レアアースなどの豊富な地下資源です。その主要な輸出相手国は中国で、全輸出の実に8割以上を占め(ちなみに日本は2010年で第11位)、2009年の銅と石炭の輸出は実に100%が中国に振り向けられたと言われています。 また、モンゴルへの投資累計額(2010年末)でも、中国が断トツの1位で、後続のカナダ、オランダ、韓国を大きく引き離しています。 さらに、モンゴルでの主要国資本の企業数は、2010年が中国が実に5,303社、それに韓国の1,973社、ロシアの769社、日本の451社が続いているという現状です。 これだけ見ても、モンゴルがどれほど中国の経済力に依存していることがわかります。 しかし、こうした現状をモンゴル国民は決して歓迎しているわけではなく、「モンゴルでは空前の反中ムードが高まっている」と同記事は報告しています。 産業法規を無視するような「やりたい放題」の中国資本、後を絶たない不法入国、衛生観念の欠落、地元女性をほしいままにする素行の悪さ、続々となだれ込んでくる中国人に職を奪われるのではないかという不安。こうした脅威にさらされ、最近のモンゴル人の感情は「穏やかではない」ということです。 そうした国民世論を反映するように、モンゴル政府は今年4月、モンゴルを横断してロシア極東の港湾まで結ぶ、大規模な鉄道網整備計画を打ち出しました。 輸出の75%以上を占める中国市場への依存度低下と経済開発の推進を図る計画の一環で、完成すれば鉄道を介して日本や韓国向けにレアアース(希土類)など、多くの資源が供給され、中国の世界的なレアアース支配に風穴を開けるとみられています。(4/25サンケイビジネスアイ)。 モンゴルのエルベクドルジ大統領も、この鉄道整備について「私達は資源を多くの国に供給することを希望している。それに、一国だけに依存する状態も望んでいない」と発言しています。(10/27News.mn) 明らかに、モンゴルは「中国一国による経済支配」から脱して、欧米や日本を含めた自由主義国との連携を望んでいるのです。 モンゴルは人口約270万人、2010年のGDPが約4000億円で、日本の鳥取県の4分の一程度の経済規模の国家です。 日本が積極的に投資や技術供与、資源の共同開発などを進めれば、その経済的なインパクトは絶大なものとなるはずです。 幸福実現党はマニフェストに、インドやロシア、韓国、オーストラリア、モンゴルなどとの連携強化を掲げ、覇権主義を強める「対中国包囲網」の戦略的構築を目指しています。 中国への経済依存(支配)から「脱中国」を目指し、「独立自尊」を求めるモンゴルの気概を受け止め、日本は今こそ、モンゴルとの経済・政治の戦略的な提携関係を深めていくべきです。 それが日本の安全保障だけでなく、迫りくる中国の覇権主義からモンゴルの国民をも守る道となるはずです。(文責・矢内筆勝) すべてを表示する « Previous 1 … 4 5 6 7 8 Next »