Home/ 佐々木 勝浩 佐々木 勝浩 執筆者:佐々木 勝浩 幸福実現党 広報本部スタッフ いわゆる「従軍慰安婦」を検証し、今こそ日本は世界に発信せよ!(2) 2014.03.01 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆河野談話――政府検証チームを設置へ 28日、菅官房長官は衆院予算委員会で、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野談話」をめぐり、作成段階で韓国側とすり合わせを行った経緯を調査する「検証チーム」を政府内に設置することを明言しました。 ※2/28産経「政府検証チームを設置 官房長官が明言本人聴取も排除せず」 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140228/plc14022821370024-n1.htm 菅官房長官は、記者会見で、検証内容は「国会から要請があれば提出する」とし、検証過程で河野氏への聴取も排除しない考えも示しています。これはこれまでの政府の立場からすれば大きな前進と言えます。 ちなみに、弊党が取り組んでいる「『河野談話』の白紙撤回を求める署名」運動は、3月1日現在、党本部に到着している数は、約2万9000筆です。現在も全国で活動中ですが、皆様の精力的な活動にこの場をお借りし心より感謝申し上げます。 この活動は4月5日まで取り組み、内閣府を通して安倍首相宛に提出致します。 「『河野談話』の白紙撤回を求める署名」ご協力のお願い http://info.hr-party.jp/2013/2524/ 韓国は、いわゆる「従軍慰安婦」の嘘を世界に吹聴し日本包囲網を形成しようとしていますが、今回は、「従軍慰安婦」を広めたのは、実は日本人だった!――ということを明らかにします。 ◆「従軍慰安婦」――吉田清治著「私の戦争犯罪-朝鮮人連行」の捏造 「従軍慰安婦問題」がクローズアップされるきっかけとなったのは、1983年に発刊された吉田清治著『私の戦争犯罪-朝鮮人連行』(三一書房)です。 この中で吉田氏は「日本の軍人が韓国の済州島で、赤ん坊を抱いたお母さんや若い未婚の女性を狩り立て、あたりかまわずトラックで連行した」と「日本軍による慰安婦の強制連行」を記述し、日韓に衝撃を与えました。 ところが、これに疑問に思った1989年8月14日、韓国済州島の地元紙『済州新聞』が地元で取材した結果、「『私の戦争犯罪』は捏造」(強制連行の事実は無かった)と報じました。 更に1992年3月、現代史家の秦郁彦氏が、吉田氏の「慰安婦狩りを行った」という証言について済州島で現地調査を行いましたが、まったく裏付けは取れませんでした。 当時を知る島民は「この島(済州島)で人間狩りが起こったら大騒ぎになって誰でも知っているはずだが、そんな話は聞いたことすらない」との証言をした。 (文藝春秋『昭和史の謎を追う』1993年3月号)。 追い詰められた吉田氏は「本に真実を書いても何の利益もない」「人間狩りを行なった場所がどこであるかについては創作を交えた」と捏造を認めました。(『週刊新潮』1996年5月29日号)。 吉田氏の証言は、つじつまが合わなくなり、場所はわからないと誤魔化しましたが、その後どこの場所だったかの訂正もしていません。 ◆当時「慰安婦」はいたが、「従軍慰安婦」はいなかった 吉田氏が悪質な点は、事実を捏造したばかりではなく、いかにも軍が慰安所を経営していたように見せるため「従軍慰安婦」という言葉をつくり上げた点です。 当時「従軍記者」はいましたが、その「従軍」と「慰安婦」(民間業者が運営)を結び合わせて、あたかも日本軍が韓国人女性を慰安婦として強制連行し連れまわしていた印象を抱かせるイメージをつくり上げたのです。 もちろん、当時「慰安婦」はいましたが、当時「従軍慰安婦」という言葉はなく、戦後になって日本人が意図的につくり上げた言葉だったのです。 このように自国を貶める行為を日本人自身がやったというこの事実を見逃してはなりません。 次回は、「日本軍は、韓国人女性をセックス・スレイブ(性奴隷)にした」という認識について、実は「セックス・スレイブ(性奴隷)」という言葉をつくったのも、広めたのも、韓国人ではなく日本人だったという事実を明らかにします。 いわゆる「従軍慰安婦」を検証し、今こそ日本は世界に発信せよ!(1) 2014.02.26 ◆河野談話――韓国元慰安婦証言の裏付け調査なし 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野談話」について、2月20日の衆議院予算委員会で、当時事務方のトップであった石原信雄元官房副長官は、韓国元慰安婦16人の聞き取り調査について、裏付け調査をしなかったことを明らかにしました。(2/21産経) 普通は日本の警察でも、犯罪に対する証言を得れば、裏付け捜査をするものですが、言わば聞き取り証言のみで調査検証することなく日本の非を認め、日本政府は韓国に謝罪してしまったのです。 これは、当時を真面目に生きていた先人に汚名を着せ、また日本の国民の血税から韓国に賠償することでもあり、汗水を流して働いてきた私たち日本国民を本当にバカにしています。2月25日産経新聞の世論調査では、「河野談話を見直しすべきだ」との回答が58%に達しています。 ◆中韓が仕掛ける日本包囲網 また「慰安婦問題」と安倍首相の「靖国参拝」も絡めて中国と韓国は、日本の悪玉史観を世界に吹聴して日本包囲網を形成しようとしています。 2020年には、東京オリンピックもありますが、中韓が世界を巻き込んで東京オリンピックをボイコットという筋書きも否定はできません。 これまで日本は韓国に対しても反論してきませんでしたが、「否定しないことは認めたこと」になる国際社会で、「言挙げしない」ことが美徳とされてきた日本文化が、さらに日本の立場を悪化させています。 いま、日本の汚名を払拭できなければ、東京オリンピックを起点とした2020年以降の「ゴールデン・エイジ(「日本の黄金時代」)の到来にも悪い影響を与えてしまいます。 日本の国際的信用を失えば、今後日本から発信される「発言」「思想」「宗教」までも信頼されなくなるでしょう。「河野談話の白紙撤回」は、まさに日本の国際社会での信用回復までつながっているのです。 そこで、この「慰安婦問題」について世界に説明する立場から論点を整理しておきます。(英訳し世界に発信することも考えています。) ◆韓国の言い分――「日本は韓国人女性を20万人強制連行した」 反日を国策とする韓国は、たとえば1997年に韓国で使用されている国定歴史教科書のうち中学校の教科書で、「女性までもが挺身隊という名でひいて行かれ日本軍の慰安婦として犠牲になった」と子供たちに教育しています。 さらに高校の韓国の教科書にも「女性たちまで挺身隊という名でひいて行かれ、日本軍の慰安婦として犠牲になった」と記載されています。(参考:平成9年3月12日参議院予算委員会答弁) こうして韓国は「従軍慰安婦問題」で日本を謝罪に追い込み賠償請求の「外交カード」として使うようになりました。 ◆工場で働く「女子挺身隊」を「強制連行し慰安婦にした」と捏造 しかし歴史的真実は、日本軍が「韓国人女性を20万人強制連行し慰安婦にした」事実はありません。 当時、男子が兵隊として戦場に行っているので、若い女性を動員して工場で働いてもらいましたが、それを「女子挺身隊」といいます。その「女子挺身隊」を、韓国は「強制連行して慰安婦にした」と教えているのです。 そもそも、海外に配置された日本軍はアジア・太平洋全て合わせて約355万人で、20万人もの慰安婦が「従軍」していたということはあり得ない数字です。 米国議会調査局の報告書でも2007年、「日本軍による女性の強制徴用」について以下のような趣旨の見解を示しています。 「日本軍はおそらくほとんどの徴募を直接に実行はしなかっただろう。とくに朝鮮半島ではそうだった」「日本軍による20万人女性の性の奴隷化という表現で非難する日本軍による組織的、政策的な強制徴用はなかった」(2007/4/12産経新聞) 以上が韓国の言い分で、「日本は韓国人女性を20万人強制連行した」は、韓国側の捏造であり、歴史的事実とは異なります。 実は、韓国が捏造し日本を追い込むことについても許せないことですが、実は、日本人自らが、韓国の言い分を勢いづかせる捏造をしています。 次回より、日本人が捏造した「従軍慰安婦」「セックス・スレイブ(性奴隷)だった」について反論を加えます。 「建国記念の日」特集(2)――「国歌・君が代」 2014.02.10 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆国歌とは何か 世界のどの国でも多くの人が集まる行事や重要な儀式、現在はソチオリンピックの最中ですが、必ず国の国歌を、演奏、斉唱します。 また外国の代表を迎えた場合には、相手国の国旗を揚げると共に国歌を演奏して敬意を表すのが国際的な慣例です。 世界中で国旗のない国が一つとして存在しないように、国歌がない国もありません。つまり前回説明した国旗と同じように国歌もその国のシンボルなのです。 また国歌もその国の歴史、建国や政治のあり方、文化の中で生まれたもので、国民の感情や共感を歌に表したものです。 ◆世界の国歌 世界の国歌は3つに分類できます。 (1)戦争の中で生まれた国歌 ●アメリカの国歌…1819英米戦争の際、米軍の勇敢さを讃えた歌 砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中 我等の旗は夜通し翻っていた ああ、星条旗はまだたなびいているか? 自由の地 勇者の故郷の上に ●中国 最大の危機に際し ひとりひとりが最後の鬨(とき)の声をあげるときだ 起て! 起て! 起て! 我ら万人心を一つにして 敵の砲火をついて前進しよう! 他にはフランスの国歌は、フランス革命時の対プロシア・オーストリア戦争のさなかの進軍可歌です。 (2)自然や神を歌った国歌 ●ロシア 南の海より極地の果てへと 広がりし,我等が森と草原よ 世界に唯一なる汝、真に唯一なる汝 神に守られた祖国の大地よ! 他には、スイスの国歌、大韓民国の国歌があります。 (3)王室の御代の永遠を歌った国歌 ●イギリス 神よ、我らが慈悲深き女王を守りたまえ 我らの気高き女王よ、長命であれ 神よ、女王を守りたまえ 他にはスウェーデン、デンマークの国歌も王室を讃える国歌です。 ◆世界で最も古い起源をもつ日本の国歌「君が代」 君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌(いわお)となりて 苔(こけ)のむすまで 日本の国歌「君が代」も天皇を中心としてきた日本の国がいつまでも栄えますようにと願った歌です。 「君が代」の歌詞は世界で最も古い起源を持ち、1000年前の平安時代の和歌が由来です。2番目の古い国歌は16世紀後半のオランダ国歌「ウィルヘルム」ですが、『君が代』はオランダ国歌よりも600年も古いものです。 その後鎌倉時代になって、「君が代」は神事や宴席の祝歌として身分に関係なく一般的に歌い継がれ、文明開化の1880年(明治13年)、宮中の雅楽で現在のメロディーがつけられ天長節に初めて演奏されました。 また『君が代』は、1903年(明治36年)にドイツで行われた「世界国歌コンクール」で一等を受賞したこともあり、そのメロディの美しさ、荘厳さが評価されたのです。 一部には、「君が代」の「君」とは、天皇であるので国歌としてのふさわしくないという批判もありますが、日本は古来から、「天皇のもとに家族」であるという伝統的な意識があり、「支配する側と支配される側」という立場とは異なっていたのです。 歴代の天皇は「国民」を『おおみたから』と呼んで、国民を宝として、その幸せをお祈りしてきた御存在です。 天皇と国民は一つであり、「君が代」とは、日本の国が過去から未来のまで、末永く永遠でありますようにという祈りが込められた歌であるのです。 国歌「君が代」の歌詞については、幸福実現党・大門未来広報部長が詳しく解説しています。 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/watch?v=-qoQsannp0k&feature=youtu.be バックナンバーはこちらから ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/user/mikichannelTV 「建国記念の日」特集(1)――国旗「日の丸」 2014.02.05 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆国旗・国歌に敬意を表すこと 国旗が掲揚され、国歌が演奏される、そんな時、あなたはどうしますか? 国旗の掲揚、国歌の演奏の際には、国民は起立して姿勢を正し敬意を表します。これが世界の常識です。 もちろん自分の国の国旗・国歌だけではなく、外国の国旗・国歌にも同じように尊重し敬意を表すのが世界の常識なのです。 下記の話は神奈川県の某高校の校長先生にお聞きした話です。 アメリカに短期留学した日本の高校生が、米国の記念式典に参加した際、米国の国旗掲揚と国歌が流れた際、アメリカ国民は起立しました。しかし日本の高校生は座ったままでどうしていいかわからなかったのです。 日本では国旗・国歌に敬意を表す人はあまりいません。なぜなら戦後教育で、軍国主義の象徴であるとして国旗・国歌の本当の意味を教えてこなかったからです。 では、国旗や国歌にはどのような意味があるのでしょうか。今回は、「国旗」に焦点を当ててみましょう!(「国歌」は次回解説します。) ◆国旗は独立国家のシンボル 国旗とは、その国を象徴する旗、つまり国のシンボルです。国連に加盟している国は約180か国ありますが、独立国家として国旗がない国はありません。 国を代表して国際的な会議やオリンピックなどに参加する場合は、自国の国旗を掲げて参加の証としています。 国際法上でも外国で航行する船は、必ず自国の国旗を掲げることを義務づけされています。それによって安全に航行できるのです。 ◆国旗は国の成り立ちを表す 国旗は、その国の歴史、伝統、宗教、文化の中から生まれたもので、建国の理想や国民の願いが込められています。 例えば、国の成り立ちを表している国旗としては、アメリカの星条旗で、州が増えるごとに星の数を増やしてきました。 宗教的伝統を国旗に表現した国としては、例えば、ヨーロッパ諸国の国旗に多く見られる十字の印は、キリスト教を表しています。また中東の諸国の国旗に見られる三日月はイスラム教のシンボルです。 色にも意味があり、フランスの国旗は三色旗と呼ばれ青が自由、白が平等、赤が博愛を意味しています。このように国旗には、その国の宗教や伝統、文化、国民の願いなど深い意味が込められているのです。 国旗に敬意を払うということは、まさにその国そのものに敬意を払うことです。それは自国に対してだけではなく、外国の国旗に対しても同様です。 ◆日本の国旗「日の丸」の歴史 では日本の国旗「日の丸」はどのように生まれたのでしょうか。そこには、日本の国の成り立ち、日本の国の役割、使命が込められています。 日の丸は「日章旗」と呼ばれ、「太陽」を表しています。この日の丸のルーツは、いまから約1300年前、文武天皇の時代に朝廷の正月の行事で金色に輝いた太陽を描いた「日の丸」の旗を用いたところにあります。 日本人は古くから太陽の象徴でもある天照大神を信仰し、自らの国を「日出ずる国」、つまり「太陽の昇る国」と呼んでいました。そして八世紀には、「日本」という国名が使われるようになったのです。 豊臣秀吉の時代から徳川時代には、東南アジアと貿易をした際に朱印船にも「日の丸」が掲げられました。 幕末には、日本の船として初めてアメリカに渡った咸臨丸に「日の丸」が掲げられ、こうして明治以降、「日の丸」は日本の国旗として引き継がれてきました。 ◆「日の丸」に込められた日本の使命 アラビアの言い伝えに「世界が戦乱状態に陥るとき、星の国旗が武力で世界を統一し、月の国旗がそれに対抗し、最後に太陽の国旗が平和をもって統治する」という言葉があります。 日本は、「大和(やまと)の国」として世界を「丸く」まとめる役割があります。私たちの祖先は、太陽のように世界を照らしていく使命を「日の丸」の国旗に表したのです。 その理想を実現すべく日本を輝く太陽にして世界を照らす国をつくってまいりましょう! 【紹介】幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 幸福実現党・大門未来広報本部長が世界の国旗と比較しながら日本の国旗「日の丸」についてわかりやすく説明します。 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://youtu.be/QxwxOXdIjnA ※バックナンバーはこちらから 毎回3分間で、時事問題や政策などをわかりやすく解説 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/user/mikichannelTV 「河野談話」は、日本政府の公式見解と言えるのか! 2014.01.26 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆韓国が慰安婦像の根拠にした「河野談話」の欺瞞 昨年から、韓国系アメリカ人が米国でグレンデール市など、次々に「従軍慰安婦像」を建て、「旧日本軍は、韓国の女性20万人を強制連行し性奴隷にした。日本は悪い国だった」と喧伝しています。 弊党では昨年6月、及川外務局長が渡米しニューヨーク州の慰安婦像を建てた韓国系団体KAPAC代表のデビッド・リー氏と会談して、「日本政府による慰安婦の強制連行の証拠はない」と日本の立場から反論を行いました。 (参考)慰安婦問題のアメリカの現状と韓国側の戦略 http://hrp-newsfile.jp/2013/914/ これに対してリー氏は、「日本政府による強制連行があったかどうかの議論は既に終わっている。日本政府の罪を認めたのは、韓国でも中国でもなく、日本政府自身の『河野談話』ではないか」と述べたのです。 韓国側は、歴史が真実であるかどうかが問題ではなく、「河野談話」で日本政府自身が、韓国人女性を日本軍が強制連行したことを認めたではないか、それが慰安婦像を建てる根拠だ、と言っているわけです。 河野官房長官は、平成5年8月4日に「(韓国人女性は)本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、(日本の)官憲等が直接に荷担したこともあった」と発表しました。 しかし、その場ですかさず石原副長官が、「軍・官の強制連行の証拠は発見できなかった」と河野官房長官の内容を否定するような発言をしています。 近年になって石原副長官の発言を裏付けるように「河野談話」の根拠となった韓国人元慰安婦の聞き取り調査自体が、ずさんだったことが明らかになっています。 さらに今年1月1日の産経新聞の報道で、韓国が「河野談話」を作成する原案段階から関わっていたことも明らかになりました。 韓国側は、「河野談話」で「日本軍が韓国の女性を強制連行」したことがわかるように「日本軍の指示」と表現にするよう要求してきました。最終的には、「軍当局の要請」という「強制性」を思わせるような表現に修正されたのです。 ちなみに河野官房長官は、「河野談話」を発表した際、当時、朝日新聞のインタビューに答えて、談話は「韓国とすりあわせするような性格のものではない」(1/1産経)と述べていますが、これは嘘だったということになります。 すなわち「河野談話」とは、歴史の検証もすることなく「韓国とすりあわせ」でつくられた「日本の歴史を冒涜する談話」だったと言えます。 ◆「河野談話」は政府の公式見解なのか? また、別の角度から法的に追及してみましょう! 韓国側が慰安婦像を建てる根拠にしている「河野談話」は、本当に日本政府の公式な見解なのでしょうか?日本政府の公式見解でなければ、慰安婦像を建てる韓国の正当性を崩すことができます。 平成19年3月8日、辻元清美議員が提出した「安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問主意書(質問110号)」によると、いわゆる「従軍慰安婦問題」において「河野官房長官談話を閣議決定する意思はあるか」と問うています。 これに対し第一次安倍内閣の回答は(平成19年3月16日付の内閣衆質166第110号)、 「同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」とし、前述の石原副長官の見解を追認するものとなっています。 さらに「(河野)官房長官談話は、閣議決定はされていない。」と述べた上で、今後とも「(河野)官房長官談話を閣議決定することは考えていない」としています。 ◆「河野談話」は「独り言」に過ぎない つまり官房長官談話は、閣議決定もされていない単なる「官房長官の独り言」であり、政府の公式見解とは言えません。 さらに言えば、この回答書自体が、「閣議決定」された政府の公式見解であり、閣議決定されていない「河野官房長官談話」よりも上位に位置しています。 心ある国会議員がいれば、安倍首相に次のように質問すべきではないでしょうか。 「閣議決定された『内閣衆質166第110号』と『閣議決定されていない河野談話』と、いったいどちらが政府見解なのですか?」と。 もし、後者が政府の見解ならば、「河野談話は空文化しており、政府の公式見解ではない」ということが確定します。 安倍首相の靖国神社参拝で、国際社会に対して「歴史事実」を問い直す日本の姿が現れつつあります。 さらに一歩進めて、安倍首相には「河野談話は、歴代の内閣が継承しているものである」という曖昧模糊とした答弁ではなく、「閣議決定はされていない河野談話に正当性はない」と国会で表明していただいたいと考えます。 もちろん幸福実現党としても、「河野談話白紙撤回署名」を展開し国民の側から、今後も「日本の誇りを取りもどす啓蒙活動」に邁進してまいります! 「河野談話白紙撤回署名」にご協力ください。 http://info.hr-party.jp/2013/2524/ 2014年、中国の海洋進出と日本の対応(1) 2014.01.12 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆日本と中国のどちらが軍国主義か? 昨年末、安倍首相が靖国神社を参拝致しましたが、中国は米国やロシアまで巻き込んで日本に対して「軍国主義の復活の兆しだ」と批判しています。 首相の靖国参拝が「軍国主義の兆し」というなら、中国の近年の軍事拡大や海洋進出は「軍国主義そのもの」であり中国に日本を非難する資格はなく、日本は中国の覇権主義から防御する立場にあるだけのことです。 では、2014年新年早々から、日本を「軍国主義の兆し」と批判できない中国の海洋進出の事実を明らかにしてみましょう。 ◆新年早々から緊張が高まる尖閣海域 尖閣海域では中国は1月前半だけでも以下のような動きを取っています。 (1)6日、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で、中国海警局の船4隻が航行。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは、年末から9日連続。 (2)7日、中国国家海洋局の航空機1機が日本の防空識別圏に入り、尖閣諸島の領空から約140キロまで接近。空自がスクランブル。(1/7産経) (3)7日、尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で、中国海警局「海警2113」が付近の中国漁船に乗り移り、「立ち入り検査」をした可能性。(1/7産経) ※中国公船が日本の排他的経済水域において、中国漁船の立ち入り検査を行った意図は、「尖閣諸島周辺の海は中国の海である」という「既成事実」を積み上げるためである。 (4)12日午前、尖閣諸島沖で中国海警局の「海警」3隻が約2時間、日本の領海を航行。中国公船の領海侵入は今年初。(1/12時事通信) ◆南シナ海での中国の横暴 1月1日から中国は、南シナ海で「外国漁船に対する管理強化」を開始しました。これは、指定区域に進入する外国漁船に、中国側の許可を得るよう要求するものです。(1/10産経) 詳細を記すと、昨年11月末、「中華人民共和国漁業法」の実施規則を改訂し、同規則35条で「海南省の管轄水域に進入し、漁業生産や漁業資源調査を行う外国人、外国漁船は、国務院(政府)の関係部門の許可を得なければならない」と規定しました。 さらに漁業法46条で「違法」に管轄水域に進入した外国船舶の追放や、漁獲物・漁具の没収、50万元(約870万円)以下の罰金の徴収を認めています。 中国の英字紙、チャイナ・デーリーは、「警察当局が船内に乗り込み、航路の変更や航行の停止を命じることが可能になる」と報じています。 中国メディアによると、中国海軍は昨年、フリゲート艦など17隻を新たに配備し、外国船を取り締まるため南シナ海を管轄する南海艦隊には最も多い軍艦7隻を投入する予定です。 南シナ海は、ベトナムが領有を主張するパラセル諸島とフィリピンが領有を主張するスプラトリー諸島を含んでいますが、すでに中国は2007年一方的にこの海域に「三沙市」を設けています。 この海域は「200万平方キロメートルの海域で適用され南シナ海の大半を占めており(1/11朝日)、当然、南シナ海の領有を主張してきたベトナム、フィリピンは反発を強めています。 ◆今後、東シナ海で起こること 今後、尖閣諸島を含む東シナ海で起こることは、南シナ海で起こったことをみれば予測できます。 なぜなら中国は日本列島とフィリピンを結ぶ「第一列島線」の内側、つまり「東シナ海」と「南シナ海」を同様に位置づけ、支配の触手を伸ばそうとしており、その中国の戦略は「南シナ海」の方が先行しているからです。 上述の「南シナ海」で起きていることから今後、1年2年以内に東シナ海で起こることを予測してみましょう。その前にもう一度、中国が南シナ海で行ったプロセスを整理してみます。(参考2014.1/8産経) (1)南シナ海の領有を一方的に宣言(「三沙市」の設置) (2)領有の根拠となる国内法整備(「中華人民共和国漁業法」) (3)海洋調査の実施・中国漁船の出没 (4)公船による法の執行(立ち入り調査・漁獲物・漁具の没収、罰金の徴収) (5)軍艦の出動 (6)占領と実行支配の既成事実化 前述通り、尖閣海域で中国公船が中国漁船に対して「立ち入り調査」を行い、中国の海にしようと既成事実化しています。現在、東シナ海の尖閣海域においては、(4)の段階であると分析できます。 今後1~2年後には、日本漁船の拿捕や臨検など中国公船による管轄権執行、そして次の段階の(5)軍の出動に進むことは間違いありません。 次回は今年東シナ海、西太平洋で中国が計画している海洋軍事訓練を明らかにし、日本は如何に対処すべきかについて言及します。 日本を「戦争」に追い込んだのは誰か? 2013.12.29 ◆戦没者の慰霊は世界の常識 安倍首相は、政権発足から1年となる12月26日、靖国神社を参拝、中国と韓国は日本に対して反発を強めています。 日本のマスコミも「外交孤立の恐れ」(毎日)、「靖国参拝がもたらす無用なあつれき」(日経)など、そのほとんどは、まるで中韓を擁護するような立場から安倍首相を批判しています。 靖国神社は、幕末から明治維新にかけて功のあった志士をはじめとして、1853年のペリー来航以降の日本の国内外の戦争における将兵、軍属などの戦没者を「英霊」として祀っている神社です。 国際社会では、それぞれの国家において「信教の自由」が尊重され、日本の首相が外国から靖国参拝を干渉される筋合いはありません。 靖国神社にあたる施設がアメリカでは「アーリントン墓地」ですが、歴代大統領も訪問し、戦没者への慰霊を行なっています。それに対する批判は世界から何もありません。 米ジョージタウン大学のケビン・ドーク教授は、「民主主義的な選挙で選ばれた政治指導者が、戦死者の霊を追悼することは、平和への脅威や軍国主義への前進になるはずがない」と述べています。(12/27産経) ◆日本を裁いた「東京裁判」 中韓が首相の靖国参拝を非難する理由は「東條英機をはじめとするアジアを侵略した軍国主義の象徴である『A級戦犯』を祀っている」というものです。 日経新聞「社説」でも、「日本を無謀な戦争に駆り立てた東條英機元首相ら政府や軍部の判断を是認することはできない」と論じています。(12/27日経) 戦後の教育でも、東條英機をはじめとする「A級戦犯」が一方的に「無謀な戦争」に導いたと教えてきました。その背景には、「東京裁判」がつくり上げた「歴史観」があります。 「勝てば官軍」で、勝った側は、負けた側にすべての汚名を着せて自己を正当化するのが歴史の常です。その勝った側のアメリカ側が日本を一方的に裁いたのが「東京裁判」で、裁判で日本は弁明すら許されませんでした。 先の大戦を日本は「アジアを西欧の植民地から解放する理想」を込めて「大東亜戦争」と名付けました。これを正しく検証するためには、「日本がやった行為のみを見るのではなく、アメリカはどのような動きをしていたのか」を合わせて見なければ「歴史の真実」は浮かび上がってきません。 ◆日本を開戦へ追い込んだアメリカ 「ルーズベルトは真珠湾攻撃を事前に知っていた」との立場から日米開戦の舞台裏を描いた『OPERATION SNOW』(ジョン・コスター著) が全米で話題になりました。 戦争をしないことを公約に大統領になった当時のルーズベルトは、日本の方から戦争を始めさせようと考え、まず日本の在米資金を凍結し、次に鉄鉱石の輸出を止め、さらには石油供給を禁止しました。 石油供給を止められることは、日本にとって致命的です。それでも日本はなんとか戦争を避けるため、アメリカと外交交渉を続けました。外交評論家の加瀬英明氏は、こう述べています。 「当時、日本は石油をアメリカの輸出に頼っていたんです。今、ちょうどペルシャ湾に頼っているのと同じように。石油を売らないと言い始めたアメリカに対して、誠意を尽くして交渉を行うも、アメリカはどんどん日本を締め上げました」 しかしアメリカは、日本に「ハルノート」を突きつけ、「日本は満州から90日以内に撤退すること」を要求しました。 日露戦争の戦勝時、日本が満州の権益を得たことについては国際社会も認めており、日本は、「五族協和と王道楽土」の理想を掲げ「満州国」を建設しようとしていました。しかしアメリカの要求は「日本は満州を放棄し、戦争せずに降伏せよ」と言っているようなものです。 ルーズベルトは、日本が敵対する蒋介石政権に軍事援助もおこない、植民地の触手を中国大陸まで伸ばそうとしていたのです。 それまであらゆる外交努力で戦争を避けようとしてきた日本でしたが、ついに「座して死を待つ」ことが出来なくなった日本は、昭和16年12月8日に真珠湾を攻撃したのです。 ルーズベルト大統領は、真珠湾攻撃の12時間前に、日本の暗号文を読み終え、「暗号は戦争という意味だ」と知っていましたが、真珠湾には知らせなかったのです。 真珠湾攻撃をアメリカでは「スニークアタック(卑怯な騙し討ち)」と言われますが、ルーズベルトが日本を開戦せざるを得ない状況に追い込んだのが真実です。 以上のことからも解るように、日本が最初から「無謀な戦争」を企てていたわけではないのです。 このように「歴史の実像」は、当事国両方の動向を検証しなければ、浮かび上がってきません。戦勝国がつくり上げた歴史ではなく「日本としての歴史」を取り戻すこと、そこに「日本の誇り」を取り戻す鍵があるのです。 (文責・政務調査会 佐々木勝浩) 【参考】「ザ・ファクト」(第5回)「【大東亜戦争】韓国・中国の「日本悪玉論」は大ウソ! http://info.happy-science.jp/2013/9107/?utm_source=newsJpn&utm_medium=email 海空で起きている米中の攻防(3) 2013.12.22 前回、「海空で起きている米中の攻防(2)では、中国の防空識別圏設定に対する米国の対応を説明いたしました。 今回は、その前後に起こっている南シナ海、西太平洋における日本・米国と中国の攻防劇を紹介します。 ◆南シナ海に中国空母が航行 先の「海空で起きている米中の攻防(1)」でも述べたように西太平洋で中国の3艦隊が合同軍事演習を実施したのは、10月末から11月初旬でした。 中国空母が中国近海で戦闘機の離発着訓練などを実施した報道はこれまでもありましたが、ついに中国空母「遼寧」が初めて遠洋へと動き出しました。 中国が防空識別圏を設定したのは、11月23日、その後の26日、青島港を出港した中国空母「遼寧」は、ミサイル駆逐艦2隻およびフリゲート艦2隻を伴い28日には台湾海峡を越えて南シナ海に入りました。 当然スプラトリー(中国名:南沙)諸島で紛争を抱えているフィリピンは中国に対して抗議をしています。 「遼寧」艦隊には、ヘリコプターZ8と、艦上戦闘機J-15が搭載されており、45日の訓練期間、つまり今年末から来年の年明けまで、空母艦上からの離着陸訓練などを含む、様々な軍事演習を現在ただ今も行っています。 ◆南シナ海で中国戦艦が米国艦船の航路を阻む 今回の中国初の空母「遼寧」の動きは米国も注目しており、12月13日に米国が報道したところでは、5日に南シナ海の公海上を航行していた米ミサイル巡洋艦カウペンスに対して空母「遼寧」の近くを航行していた中国の揚陸艦が警告を発し停船を求めてきました。 これに応じなかったカウペンスに対し中国艦は航路の前方を遮ると、カウペンスは、衝突を避け緊急回避行動をとらざるを得ませんでした。米国務省は「ハイレベルの問題として中国政府に問題提起」しています。 (12/14朝日) ◆日米合同軍事演習 今後注視すべきは、訓練を終えた「遼寧」空母艦隊が、南シナ海から西太平洋を回って沖縄近海を抜けて中国に戻る可能性、あるいは尖閣諸島近海に近づく可能性があることです。 日本政府は、年末年始の休み気分もそこそこに、中国空母の動向を注視しておかねばなりません。 中国空母が南シナ海で軍事演習を始めると、その一方で11月27・28日、日米両国は、合同軍事演習を沖縄本島東方の太平洋上で実施しました。 同演習には、FA18戦闘攻撃機を載せた米原子力空母「ジョージ・ワシントン」(GW)、海自の大型護衛艦「ひゅうが」など約20隻の艦船が参加し、敵と味方に分かれ、空や海上のほか潜水艦の襲来も想定して実戦さながらの訓練を行ったのです。 演習は中国が防空識別圏を設定するより前の16日に始まったもので、「今回の演習は定期的なもので、挑発的な行為ではない」と米海軍第7艦隊司令官のロバート・トーマス中将は説明しています。 しかし明らかに米国側には中国の西太平洋3艦隊軍事演習と今回の南シナ海での中国空母艦隊の軍事演習をけん制するねらいがあることは間違いありません。 沖縄の東側近海で米空母が参加した日米合同の軍事訓練を行っているところを装備も訓練も劣る中国艦隊が近づけるわけがありません。 逆に言えば、中国側は、日米合同演習を知っていた上で、日米の反応を見るために同時期に軍事演習を実施したとも言えます。 それを裏付けるかのように12月12日、中国外交部の洪磊報道官は定例記者会見で、「日本の軍事・安全保障戦略と関連政策の動向を中国側は緊密に注視している」と語っています。 以上のように日本を含めた米国と海洋覇権をねらう中国との攻防はすでに始まっているのです。 ◆日本が取るべき道 尖閣上空に防空識別圏を設定した中国のもくろみは、米軍のB52爆撃機の飛行によって無力化され、中国空軍の武装力は日米に追いつかない現実を露呈しました。しかし今後10年を見れば中国の空軍力も日本の技術に迫ることも考えられます。 また今回説明したように、中国の海軍力は、まだ空母「遼寧」が一番難しい軍機の離発着の訓練中とはいえ、早ければ来年、東シナ海、西太平洋で「遼寧」空母艦隊としての軍事演習を行うことは予想がつくことです。 戦闘機が離発着できる空母艦隊とは、「海を移動できる軍事基地」を保有することを意味します。つまり中国は海洋まで出て行って第三国を攻撃できる能力を持つことになります。 2020年には、中国は空母3隻体制の構築(昨年の第18期中央委員会第3回総会で決定)を目指しており、空海合わせてこの10年が日本の防衛を考える意味でも正念場となることは間違いありません。 安倍政権は、安全保障に関する3本の矢として、「国家安全保障戦略」、「防衛大綱」、「中期防衛力整備計画」を発表し、水陸両用車の導入、離島攻撃への対応など、中国へのけん制に舵を切った判断は大変評価されます。 しかしながら今回の中国の防空識別圏設定を無力化した米軍の軍事力に中国は全く歯が立たない現状が示すように、日米同盟の強化を図り、早期に「集団的自衛権」の確立を目指すべきです! (文責・政務調査会 佐々木勝浩) 海空で起きている米中の攻防(2) 2013.12.17 前回の「海空で起きている米中の攻防(1)」では、西太平洋で中国三艦隊が合同軍事演習を実施し、また中国が日本固有の領土である尖閣上空に防空識別圏を設定したところまで述べました。 今回は、それに対する日本の自衛隊の反応と米国の中国に対する胸のすくような行動を紹介します。 ◆航空自衛隊の緊急会議 中国が尖閣諸島空域の防空識別圏を設定したことが伝わった直後、航空自衛隊の中枢トップが緊急テレビ会議を開きました。(12/5産経「[新帝国時代 第7部・際限なき挑戦]」) 中国側の早期警戒管制機能の能力は低いのですが、空自幹部は、「今後10年で数と能力を向上させれば逆転される恐れがある」(空自幹部)と指摘しています。 今後、中国の防空識別圏設定は尖閣上空が中国の「領空」との主張を強め、近づく航空機に対し「防御的措置」として撃墜も辞さない姿勢を示す可能性が想定されるわけです。 つまり空自F15がスクランブルした場合、中国は「領空」を侵犯したとしてF15に射撃管制用レーダーを照射し緊張は高まります。しかし空自パイロットに与えられた権限は、相手に対する警告射撃と強制着陸命令しかありません。 中国側は、「防空識別圏を飛ぶ航空機は飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務を負う」と規定し、指令に従わない場合は、「中国の武装力が防衛的な緊急措置を講じる」と明記しています。 「武装力が防衛的な緊急措置を講じる」ということは、中国の防空識別圏に航空機が進入した場合は「撃ち落とすことも辞さない」ということになります。 中国が今回設定した「防空識別圏」は、中国語では、「防空識別区」となっており、中国語の意味としては「区」とは「エリア」のことです。 実質的には「防空識別圏」に入ったら警告を与えるという国際的な認識でなく、中国は今回の「防空識別区」を領空として認識しており、そのエリアに少しでも入ったら「撃ち落とすぞ」とも取れる表現です。 日本側の航空機が中国側の設定した防空識別圏を通過する際に、中国当局に報告した場合は、日本が尖閣島は中国の領土と認めたことになります。中国はこうして脅しをかけて「口先だけで」、日本の領土を奪おうとしているのです。 弊党が行った中国の「防空識別圏設定」に対する警告の街宣に対して「中国と戦争をする気か。中国を刺激するな」と批判をした方には、あらためてこのように申し上げておきましょう。 「中国の方が日本に戦争を仕掛けているのであり、日本が中国に刺激を与えることは悪いことだからと言って黙っていたら、日本は何もせず中国に尖閣諸島を明け渡すことになるのです」 「その中国は、『沖縄県は日本帰属しない、沖縄は中国のものだった』と主張し始めており、その軍事的な触手は沖縄を超えて西太平洋まで伸ばしているのです。あなたは沖縄県の県民まで黙って中国の軍事力の危険の中にさらしておくのですか?」と。 ◆中国の防空識別圏を無効にした米軍爆撃機 さて空自が緊迫した会議を開いた後の11月26日、米国は、B52爆撃機2機を中国が設定した防空識別圏内を中国当局に事前通報なしで飛行させました。 国防総省当局は、「今回の飛行は以前から計画されていた訓練の一環」と、いつもは中国が日本を脅す際に使う「決まり文句」を、今回は米国が中国に対して使いました。 これに対して中国は、警告やスクランブルをかけることもできず、国内向けには「スクランブルをかけた」と報道しましたが、しかし日本のレーダーでも中国の飛行は確認されていません。(米軍爆撃機が去ってから形だけ中国はスクランブルをかけたとの情報もあり) これは中国が米軍の軍事力の前に屈したのであり、実質的に「米国は爆撃機を飛行させることで一瞬のうちに中国の防空識別圏を無効にした」ということなのです。現在の日本政府にはできないことです。 中国は、日本に軍事的恫喝を加えれば「口だけで」で尖閣諸島を取れると考えていたでしょうが、まさか米軍の爆撃機が出てくるとは予想もしていなかったのでしょう。 ただし前述の自衛隊幹部が指摘したように、今後10年の間に中国が装備でも逆転し緊張感は高まる可能性があることを忘れてはなりません。 今回の中国軍に対する米国の対応を見ても、現実的には米国の軍事力が中国に対する「抑止力」になっていることが理解できるでしょう。 ◆フィリピンの教訓 沖縄では米軍の県外、国外移設の活動を続ける左派の活動が活発化していますが、1980年代、フィリピンでも中国系住民が反米基地活動を盛り上げ、米軍をフィリピンから追い出した後に、フィリピンが領有していた南シナ海の島々を中国が軍事基地化していった教訓を忘れてはいけません。 沖縄の米軍基地を県外、国外に追い出すことは、「どうぞ沖縄を中国に明け渡す準備が整いましたのでいつでも占領してください」と中国へメッセージを送ることに等しいのです。 来年1月には、米軍移設先の候補にあがっている名護市の市長選、11月には沖縄知事選がありますが、沖縄だけの問題ではなく、日本を守る重要な選挙として日本中が関心を持ち、「米軍の沖縄県内移設」を応援する必要があります。 日本が独自に国を守る体制を固めることを推進しながらも現時点では、日米の同盟関係を強化することの重要性は本稿で理解いただけるのではないかと考えます。 次回は、いよいよ南シナ海に動き出した中国空母艦隊と米軍軍艦との間で何が起きたのか、それは近年中に東シナ海や西太平洋でも起こりえる大変な事件であることを紹介します。 (文責・政務調査会 佐々木勝浩) 海空で起きている米中の攻防(1) 2013.12.15 ◆「中国を刺激するな」 先日、弊党が都内で中国の「防空識別圏」設定に対する抗議の街宣を実施した際、「中国と戦争をする気か。中国を刺激するな」とのご意見をいただきました。 しかし、中国という国は、日本が刺激しなければ、何もしてこない国なのかと言えば、そうではありません。逆に日本が中国を刺激しているのではなく「中国こそが、日本を刺激している!」と申し上げたいと思います。 この機会にもっと視野を大きくし、今この国が置かれている環境をもう一度、しっかり見て認識して、日本の平和が如何に成り立っているのかを知っていただきたいと考えます。 ◆日本に伸びる中国の触手 2007年、中共海軍総司令官は、キーティング米国太平洋軍司令官が訪中した際、アメリカ側に「将来、中国と米国がハワイで太平洋を2分割して管理しよう」と提案しました。 その言葉通り中国は2009年より、西太平洋上の沖ノ鳥島周辺海域で海軍の軍事演習を実施、その規模は毎年大きくなり回数も増えています。中国は今後、同海域での軍事演習を定例化すると発表しています。 そして今年2013年、習近平はオバマ米国大統領との会談で「太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間がある」と主張し、中国にも太平洋の海域を支配する権利があることをほのめかしたのです。 当然、西太平洋を中国が支配することになれば、日本は米国から中国の傘下に入ることになります。これは日本が実質的に中国の属国になることを意味します。 中国の一貫した主張は、日本列島からグアムを結ぶ第二列島線、つまり「西太平洋の海域の支配」を2020年まで完了させる――1987年に発表された「海軍発展戦略」に基づいたものです。 ◆西太平洋で中国三艦隊が合同軍事演習 さて今年、中国海軍は、10月末から11月初旬にかけて西太平洋海域で「北海艦隊」「東海艦隊」「南海艦隊」の中国海軍三艦隊が、初めて西太平洋で大規模な合同軍事演習「機動5号」を実施しました。 空では10月25日から3日連続して、爆撃機2機、早期警戒機型2機の計4機が沖縄県の沖縄本島-宮古島間の上空を通過、太平洋との間を往復飛行しています。 中国国営「新華社」によれば、この軍事演習にミサイル駆逐艦フリゲート艦3隻をはじめ10隻超の軍艦などが参加。赤軍、青軍に分かれた実戦に近い形の対抗戦などを繰り返し、敵潜水艦への攻撃を想定した対潜水艦演習も実施しています。 これは赤軍を中国で、青軍を日米軍と想定したものです。これを知れば「日本が中国を刺激しているのではなく、中国こそが、日本・米国を刺激している」ということが理解できるでしょう。 この時、日本では国会で「日本版NSC(国家安全保障会議)」が話し合われている最中でした。国会の最中に軍事訓練をぶつけてくるのは、いつもの中国のやり方です。 ◆中国の防空識別圏設定の背景 そして今度は、国会で「特定秘密保護法案」が話し合われている最中に日本の固有の領土である尖閣諸島上空に防空識別圏を設定しました。 中国は以下のように用意周到に順を追って防空識別圏を設定したことがわかります。 まず昨年12月、「軍の所属ではない国家海洋局所属の航空機」を初めて尖閣上空で領空侵犯をさせました。軍事ではない航空機を飛ばしたのは、日本の反応を見るためです。 もっと踏み込めると判断した中国は、今年9月に尖閣上空に「軍所属の無人機」を飛来させた上で、日本側から攻撃された場合は、「戦争行為とみなす」とすべては日本が悪いといわんばかりの脅しをかけました。 そして11月23日、中国の「情報収集機など2機」が日本の防空識別圏に侵入。中国の新華社によると大型偵察機2機を「哨戒機と戦闘機」が援護していました。(11/24毎日) こうして中国は、尖閣上空に「軍機でない国家海洋局の航空機」→「軍所属の無人機」→「哨戒機と戦闘機」を飛ばし段階的に軍事的圧力を高めて最終的に11月23日、尖閣上空に防空圏を設定したのです。 以上を見ても、日本が中国を日本を刺激しているのではなく、刺激しているのは中国の方であることがわかります。 それでも日本が中国を刺激していると認識するなら、それは中国がこれまで日本に対してしてきたことを何も知らないとしか言いようがありません。 もしくは、中国は何もしない善良な国家と誤認しているだけのことです。中国が善良な国家ではないことは、中国に侵略され自治区になったチベット、ウイグルの悲劇を見れば明らかです。その弾圧は今でも続いているのです。 中国の行動が、いかに危険かを国民に知らせ、啓蒙することは国民の生命・財産を守ろうとする政治家としての当然の努めであり、弊党の街宣は、それを行動に表したものです! 以上、次回は、中国の防空識別圏設定に対する日本の自衛隊の反応と米軍の対応を紹介し、日本の平和を脅かす中国の行動を更に明らかにします。 (文責・政務調査会 佐々木勝浩) すべてを表示する « Previous 1 … 9 10 11 12 13 … 22 Next »