Home/ 伊藤 のぞみ 伊藤 のぞみ 執筆者:伊藤 のぞみ HS政経塾1期卒塾生 今こそ、社会保障制度を見直すとき!――「自助努力」が尊重される社会へ 2013.08.22 ◆社会保障制度改革の工程表が閣議決定 21日に社会保障制度改革の土台となる「プログラム法案」が閣議決定されました。(8/21 日経「社会保障改革へ プログラム法案骨子を閣議決定 高齢者の負担増求める」) 1年間で使われる社会保障給付にかかる費用が100兆円を超える中、改革は「待ったなし」の状況です。 今回決定された内容は大まかには次の通りです。 ・70歳から74歳の窓口負担を1割から2割へ ・介護サービスの利用負担増 ・国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に ・待機児童対策に7000億円を支出 市町村の赤字の原因となってきた国民保険の運営を都道府県に移管したり、待機児童対策をきちんと行うなど評価できる点もあります。 ◆抜本的改革は先送りへ しかし、社会保障費の半分を占める年金に関しては、「賦課方式から積立方式への移行」というような抜本的な改革は行われません。 そればかりか、物価の下落に合わせて年金の支給額を減額する「マクロ経済スライドの実施」や受給開始年齢の引き上げは、検討課題となったものの、先送りとなりました。 また、医療・介護に関しても、健康を維持・増進して医療費を削減するような試みは実施されず、大企業や高所得者への負担を増やすだけの施策にとどまりました。 「費用が増えるから、費用を賄うための負担を増やす(増税する)」などということは、誰にでもできる仕事であり、高給を払ってまで、政治家や官僚にしてもらう仕事ではないでしょう。 「安心」を確保しながら、負担を増やさないためには、現在の「常識」を一旦、白紙で見直すことが必要です。 ◆「福祉国家」の始まり 現在の社会保障制度は、1973年の「福祉元年」がベースになってできています。 この根底には、「高い税金を使って、国が国民の面倒を見る」という社会主義的思想があります。 1973年以前は、医療費の窓口負担は5割、国民年金の支給額は夫婦二人で1カ月2万円でした。それでも、日本人は普通に暮らしていました。 しかし、その後、「選挙対策」としての社会保障の給付拡大が続き、今では毎月の医療保険、年金保険を払うために、2万円から5万円、一家の大黒柱であれば、7万円から10万円の負担を強いられています。 これだけの負担をしていたら、医療サービスを受けなければ損だと考える人が出てきても不思議はありません。 残念ながら、現行制度は自立している人にとっては負担が重く、国に依存している人にとってはお得な制度となっています。 ◆「自助努力」が尊重される社会へ 話題は少しずれますが、法律や条例に違反して、居住スペースを狭くし、賃金を安くする脱法ハウスが摘発され、転居をしなければならない人をテレビが取材していました。 その方は、給与が少なく、他の場所に転居できず、行政に相談に行ったところ、生活保護の申請を勧められましたが、「どうしても自立した生活が送りたい」ということで、生活保護を受けない道を模索していました。 成人した人間であれば、誰でも「一個の人間として自立した生活をおくりたい」と考えるのは当然のことです。 しかし、手厚い社会保障が重い負担となり、本来であれば自立できる人の自立を妨げているのです。 社会保障が充実した結果、年収250万円台の人に対する社会保険料の負担は所得税よりも重くなっています。 仮に社会保障にかかる費用をすべて消費税でまかなおうとすれば、今世紀の半ばには、消費税率は60%を超えます。 今こそ、消費増税をストップし、日本は「自助努力」が尊重される社会を目指すべきです。 そして、「社会保障」の美名のもとに、負担を増加させ、人間の尊厳を奪うような仕組みは改めるべきです。 幸福実現党は、経済成長を実現し、豊かさを増進すると共に、社会保障の負担を軽くして、誰もが自立して「人としての尊厳」を持って生きていける社会を築いて参ります。(文責・HS政経塾1期生 伊藤希望) アメリカの孤立主義に備えよ! 2013.08.01 ◆安倍首相が「集団的自衛権の行使」容認表明を検討 安倍首相は27日、憲法解釈で禁じているとされてきた「集団的自衛権の行使」容認に向け、「検討を進めていく考えだ」と明言しました。(7/27 産経「首相、アジア首脳に集団的自衛権の検討伝達」) 「集団的自衛権」とは、日本がアメリカ等の同盟国と共同して防衛にあたる権利のことです。 国連に加盟している日本は、国連憲章第によって「集団的自衛の固有の権利」が保障されていますが、これまで政府の公式見解は、憲法9条に鑑み、「集団的自衛権を有しているが、行使は許されない」といういびつな解釈がなされて来ました。 そのため、在日米軍が攻撃されても、日本は米軍を助けることはできないのが現状です。これでは、日米同盟を妨げてしまいます。 幸福実現党は立党以来、日米同盟強化に向け、「集団的自衛権の行使」を認めるよう主張して参りました。安倍首相の勇気ある決断を期待したいと思います。 ◆幸福実現党の国防政策の背景 しかしながら、幸福実現党は日米同盟を基軸としつつも、「自分の国は自分で守る」という「自主防衛」強化も訴えております。 その背景には、中国の軍事的台頭のみならず、アメリカが「世界の警察」という使命を放棄しつつあることが指摘されます。 第二次世界対戦後、アメリカは朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、あらゆる地域紛争に介入して来ました。 こういったアメリカの戦争介入には、共産勢力から「帝国主義的」という批判もなされてきました。 しかしながら、アメリカが介入することによって、世界の平和と安定、日本をはじめとする米国の同盟国の平和が保たれてきたことは事実です。 ◆「孤立主義」を深めるアメリカ しかし、近年、アメリカは「自国が平和であれば、世界で紛争が起きたとしても介入しない」という「孤立主義」を強めてきています。 アメリカが「孤立主義」を強めてきた背景には、国内世論の変化があります。 米調査機関ピュー・リサーチ・センターのアンドリュー・コーチ氏が執筆した報告書の中で、最近の米国民は「国益を直接侵さないとみられる国際問題には責任や関心をほとんど抱かない」ことが指摘されています。 アメリカでは、ベトナム戦争時の1974年、ソ連崩壊後の92年と、周期的に「孤立主義」が強まってきましたが、2006年のイラク、アフガニスタンでの長引く戦争から始まった近年の「孤立主義」は過去のものとは違って、長期的であり、深刻であると言われています。 報告書では、米大使ら4人が殺害されたリビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件に関心を示した米国民はわずか25%でした。 また、ある調査では、6年前はほぼ同じ割合であった外交政策、国内政策に対する米国民の関心が、今では83%の米国民が「大統領は国内政策に集中すべきだ」と答える一方、外交はわずか6%しか関心がありませんでした。 シリアでは10万人以上の人が亡くなっているにも関わらず、アメリカ政府は介入を決定していません。その背景には、半数以上の国民がシリアへの介入を望んでいないということがあります。 アメリカ政府の外交政策は国内世論の影響を強く受けることを私たちは知らなくてはなりません。 ◆憲法9条を改正し、自主防衛強化を進めよ! 今後、アメリカ世論が国内政策を更に重視するようになれば、極東や東南アジアで有事が起きたとしてもアメリカが介入しないことも考えられます。 また、米国防総省は、今後10年で4870億ドル(約48兆円)の歳出削減が義務づけられており、在日米軍は日本から徐々に撤退する方向で動いています。 中国・北朝鮮が軍備拡張を進める中、米国の「孤立主義」が進めば、日本は窮地に立たされることは避けられません。 幸福実現党は日米同盟強化を訴えていますが、たとえアメリカからの助力が期待できない事態に至っても、自国で、自国民を守ることができる「自主防衛」体制を築くべきです。 そのためにも、安倍首相は集団的自衛権の行使を合法とするのみならず、早急に憲法9条改正に取り掛かる必要があります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) パウエル氏の「核、無用論」は責任ある発言か? 2013.07.11 ◆パウエル氏の「核、無用論」とは? 「核、軍事的には無用」というアメリカのコリン・パウエル元国務長官のインタビュー記事が、7月10日の朝日新聞の一面に掲載されました。(7/10 朝日「核兵器『軍事的には無用な存在』パウエル元米国務長官」) 11日の朝日新聞の15面には、インタビュー記事の詳細が掲載されています。 「なぜ核兵器が不必要だと思うのでしょうか」という記者の質問に対して、パウエル氏は「極めてむごい兵器だからだ。まともなリーダーならば、核兵器を使用するという最後の一線を踏み越えたいとは決して思わない。使わないのであれば、基本的には無用だ」と答えています。 英語の原文がないため、邦訳がどこまで正確か分かりませんが、「まともなリーダーならば、使いたいとは決して思わない」という一文と「使わないのであれば、基本的には無用だ」という一文の間には大きな飛躍があります。 ◆原爆投下は必要だったのか? 世界には核兵器を「使いたくない」けれど、「使った」国家が存在します。他ならぬ、パウエル氏がいるアメリカ合衆国です。 私は、「第二次世界大戦の終結のために、核の投下が必要だった」とは、決して思いませんが、アメリカ政府としては「やむなく使った」と言うことでしょう。 そうでなく、「使いたくて使った」ということであれば、当時のアメリカのリーダーは「まともではなかった」ということになります。 パウエル氏は、「核は無用である」と主張するのであれば、第二次世界大戦で、アメリカは日本に核を投下する必要はなかったということを論証し、アメリカ国民に広く伝えるか、「基本的には無用」という「基本」から外れる基準は何であるのか、当時の情勢は、どこが「基本」から外れていたのか、明確に示す必要があります。 どちらもできないということであれば、アメリカは原爆投下が間違っていたことを認め、日本に対して正式に謝罪すべきでしょう。 参照:『原爆投下は人類への罪か?公開霊言 トルーマン&F・ルーズベルトの新証言』(大川隆法著、幸福実現党発刊) ◆「核抑止」のための核保有を肯定するパウエル氏 さらに、核が無用であるのであれば、そもそも、なぜ米国は核を保有しているのか、パウエル氏の明確な説明がありません。 パウエル氏自身、アメリカに関しては「核の削減」という言葉を使い、「アメリカが保有する核をゼロにする」とは言っているわけではありません。 先ほどの発言に続いて、パウエル氏は「軍事的な意味で無用」であり、「政治的に見れば、核には抑止力がある」と発言しています。 軍事兵器としては「使えない」が、他国からの核攻撃を防ぐ「抑止力」にはなるという認識のようです。 アメリカが削減するべき核兵器の数に関しても、「危機に対応するための備えとして持つ抑止力としては、ずっと少ない核兵器数で十分なのだ」と発言しており、「抑止力として必要な数は確保しておきたい」という本音が見えます。 アメリカが単独で核を廃絶すれば、アメリカは他の核保有国の言いなりになるしかありません。万一、テログループの手に核兵器が渡った場合、アメリカがテログループの要求をすべて呑まなければならなくなります。 朝日新聞がセンセーショナルに報じている、「核不要論」とは裏腹に、パウエル氏は「核抑止のための核保有」を肯定しているのです。 現在、核を保有している国は「核の先制不使用」を原則としており、全ての核保有国は「兵器としての核」ではなく「抑止力のための核」の保有を前提としています。(今年4月に中国の国防白書から「核の先制不使用」の記述を削除したことが問題となりましたが、その後、中国国防省から「先制不使用」政策を堅持すると発表がありました。) したがって、パウエル氏の「核の不使用」発言は、(少なくとも建前上は)どの国も言っている当たり前のことに過ぎません。 朝日新聞が「反核」キャンペーンの一環として、パウエル氏の話を誇張して利用したのが実態といったところでしょう。また、アメリカとしては、北朝鮮の核ミサイル開発に伴い、日本国内で噴出しつつある「核武装論」を沈静化させる思惑があるのかもしれません。 ◆「北朝鮮の核」と「アメリカの核」は何が違うのかを説明すべき パウエル氏の話には、「抑止のための核保有」が認められているのであれば、なぜ、北朝鮮の核保有は許されないのか、説明がありません。 「北朝鮮の核」と「アメリカの核」の違いは、「独裁国家の核」と「民主国家の核」の違いです。 90年代を通じて、北朝鮮国内の餓死者は300万人を超えているといわれています。 自国民が数人でも亡くなれば問題になる民主主義国家と、100万人単位の死者が出ても何とも思わない「独裁国家」では、核保有の意味が全く違うのです。 自国の国民を餓死に追いやりながら、核開発を続ける北朝鮮に対し、対話路線だけでは、北朝鮮が核開発を止める日は永遠に来ないでしょう。 ◆「最悪の事態」に備えるのが政治家の使命 「中国が核兵器を使用しようとしたらどうするか」という質問に対し、パウエル氏は「そんなことは起きないだろうから、考えたこともない」と回答するなど、楽観的過ぎる部分が多く見られます。 常に最悪を想定し、最悪の事態が起こったとしても、被害を最小限に食い止める道筋を考え、実現していくことが政治家の仕事です。 「北朝鮮も、中国も『平和を愛する諸国民』であり、核兵器を使うことは絶対にない」という楽観的な予測に、1億2千万人の日本人の人命をゆだねるわけにはいきません。 幸福実現党は参院選の最大の争点として、「憲法9条改正」を中心とした早急な国防強化策を訴えていますが、それは国民の生命・安全・財産を守るという強い使命感ゆえであります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 長寿社会で輝く日本――「知識社会」で輝く高齢者の未来 2013.06.27 ◆社会保障の財源をどうするか 先日、街頭演説をしたところ、「消費税増税ストップを言うのなら、社会保障をどうするかを話すべきだ」と、ご指摘を受けました。 確かに、消費税率を上げてもトータルの税収は増えないので、消費増税は社会保障問題の解決策になりませんが、消費増税をストップしても、「増大する社会保障費をどうするのか」という問題は残ります。 これに対して、幸福実現党は「社会保障の問題を解決するためには『生涯現役社会』を目指すべきだ」と訴えています。 幸福実現党は、7月6日にHRPブックレットシリーズvol.5『生涯現役社会~豊かな長寿社会を目指して~』を発刊致します。ぜひ、ご高覧頂けましたら幸いです。 ◆高齢者の肉体的若返りが進む 年金制度の背景には「高齢者は体力も落ちて、運動能力も落ちるので、働かせるのはかわいそうである」という思想があります。 しかし、近年の研究では、高齢者は健康で、頭もシャープであることが明らかになっています。 「老齢学」では、年齢に比例して徐々に老化が進むのではなく、死の直前まで多くの能力が良い状態で維持されることが明らかになってきました。 特に、「概念で考えたり、価値判断を行う」能力といわれている「言語性能力」は、70代、80代になっても向上することが分かっています。 ◆10年で10歳ほど若返った高齢者層 現在の60代、70代の方の方々は、昔の同年代と違って、元気で、若々しい印象がありますが、これは科学的にも立証されています。 実際、高齢者の通常歩行速度を比較すると、高齢者の歩行速度が10年で10歳ほど若返っているという研究結果が出ています。(鈴木隆雄他「日本人高齢者における身体機能の縦断的・横断的変化に関する研究」(2006年4月 第53巻第4号「厚生の指標」)) 歩行速度は「若さと健康のバロメーター」とも言われており、現在は健康寿命が10歳程度伸びていると考えることができます。 その意味で、60~65歳定年制が導入された時期より肉体年齢が10歳若返っていることを考えると、幸福実現党が提唱する「75歳定年制」は妥当なラインであることが分かります。 実際、65~69歳の年齢層では、介護保険を受給している人は男性で2.4%、女性で2.0%に過ぎません。 さらに、75歳~79歳でも9割近くの方々は介護保険を利用していません。男性で介護給付を受けている人は8.8%、女性では11.8%に過ぎません。(厚生労働省「平成23年介護保険給付実態調査」より) 今後、少子化で労働人口の急減が懸念されていますが、今こそ、「体力が弱くなり、働けない高齢者」というイメージを払拭し、高齢者の方々が元気に働ける「生涯現役社会」を築くべきです。 ◆仕事の喪失は「生きがい」の喪失 政治活動を通じて、私が何よりも驚いたのは、60代で年金を受け取られている男性の方々に「自分の好きなことができる時間があっていいですね」というと、「いや、実は何もすることが無くて、退屈なんだ」という答えが沢山かえってくることでした。 仕事に追われている内は、仕事が無い生活に憧れますが、実際、仕事がなくなると、途方にくれてしまう方々は多いのです。 実際、高齢者の「いつまで働きたいか」という意識調査をみると、80%の人が70歳ぐらいまでは働きたいと考えています。(2011/6/22 経済産業省「長寿社会における成長戦略」) その意味で、「生涯現役社会」は社会保障費抑制策としてだけではなく、老後も「生きがい」を持って生きていくために非常に重要な政策であります。 ◆高齢者は若者に無い「財産」を持っている 高齢者の方々は、若者が持っていない「経験・知識・人脈」という財産を持っておられます。 P.F.ドラッカーは、現代社会は、「知識」が資源となる「知識社会」へと移行しつつあることを指摘しました。 「知識」ということに焦点に当てれば、高齢者の方々は若者よりも豊富な知識を有しています。実際、ドラッカー自身も95歳まで現役で活躍していました。 幸福実現党は、高齢者こそ「知識社会」で最も輝く人材であると考え、高齢者の方々が活躍し続ける「生涯現役社会」を築いて参ります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 深刻な少子化問題――多世代で子育てができる日本に! 2013.06.14 深刻な少子化問題 厚生労働省が5日に発表した統計によると、2012年の合計特殊出生率は1.41とやや回復しました。(6/5 厚生労働省「平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」) 「合計特殊出生率」とは「一人の女性が生涯に産むとされる子供の人数」であり、人口を維持するためには2.08必要と言われています。 合計特殊出生率が1.4台に回復したのは16年ぶりのことであり、歓迎すべきではありますが、依然として低水準であり、先進国の中でも低いレベルにあります。 出生数は103万7101人で、前年の105万806人より1万3705人も減少しています。2000年の出生数(119万人)と比べても1割以上も減少しています。 また、出生数と死亡数の差である「自然増減数」は21万9153人減で、43都道府県で出生数が死亡数を下回っています。 これは日本の繁栄の根幹を揺るがしかねない事態であり、人口の急減をストップするには、さらなる少子化対策の取り組みが急務です。 バラマキに陥りやすい少子化対策 今年5月には、少子化対策について、「女性手帳」問題で話題になった政府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」が提言をまとめています。(内閣府 少子化危機突破タスクフォース「『少子化危機突破』のための提案」) 提言の内容は「新婚世帯への住宅支援」「産後間もない母子へのケア」「子育て費用の負担軽減」「地域医療体制の整備」など、新たに財源が必要な対策が並んでいます。 これらの対策については、多くの財源が必要になりますが、税収が伸び悩む中、さらに財源支出を増やせば、国家財政はさらに厳しくなっていくことが予測されます。 少子化対策は、どうしても民主党の「子ども手当」のように「バラマキ」になりがちですが、その根底には「子どもは社会全体で育てるべきだ」という共産主義的発想があるのです。 「家族の価値」を重視した少子化対策を! 一方、幸福実現党は、子どもを育てる責任は「社会」ではなく、「親」にあると考えます。 だからこそ、幸福実現党は「家族」を重視し、「家族が子どもを愛し、健やかに育んでいくためにはどうすべきか」という観点から、家族支援や少子化対策に取り組んでいます。 私事ですが、妹が今年1月に第一子を出産しました。妹は髪を切りに行ったり、歯医者に行く用事ができる度に両親のところへ子どもを預けています。 妹の用事ができる度に、孫の顔が見れる両親は大喜びしており、二人とも楽しそうに孫をあやしています。 もちろん、保育所を増やしていくことも大切ですが、0歳児を預かってくれる保育所を増やすには、安全性を確保するためのハードルが高く、多くの費用もかかります。 また、夜中に目を覚ましてしまう乳幼児を育てている間は、母親にかかる心身の負担が大きいため、24時間支援をしてくれる家族の援助は、とても大きいといえます。 幸福実現党は「家族」で子育てをバックアップできるよう、三世代同居や二世帯住宅を規制緩和や税制面から後押しし、大家族で支え合える環境をつくります。 未婚化、少子化の背景には「家族の価値の喪失」があると言われていますが、幸福実現党は「家族の絆」を取り戻し、少子化を食い止めて参ります。 (幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 消費税増税中止で設備投資に火を点けろ! 2013.05.16 1~3月期GDP、実質で年率3.5%増 内閣府は16日、1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値を発表しました。物価の変動を除いた実質成長率は年率換算で3.5%。項目別に見ると、個人消費が0.9%、輸出は3.8%増加しました。(5/16 読売「1~3月期GDP、実質で年率3.5%増」) 甘利経済再生担当大臣は16日の会見で「安倍政権の経済政策の効果が表れ始めている」として、「消費税増税への環境が整ってきた」という見解を示しています。 しかし、日本経済は消費税増税に耐えられるほど、回復しているわけではありません。 物価変動の程度を表すGDPデフレーターは、国内総生産が-0.5%と、前年同期(-0.1%)よりもマイナス幅が拡大しており、デフレ脱却は予断を許さない状況にあります。(5/16 ブルームバーグ「日本の13年1-3月期GDPデフレーター」) 3.5%という実質成長率が出た要因としては、金融緩和効果というよりも、「円安」効果によって自動車産業など、アメリカ向けの輸出が伸びたことが大きく貢献していたことが分かっています。 住宅投資は1.9%増と4四半期連続の増加となり、堅調ですが、復興需要や消費増税を意識した「駆け込み需要」等の特殊要因が貢献したものと見られています。 企業の設備投資は減少 特に問題なことは、企業による設備投資が0.7%減少と5四半期連続でマイナスとなっている点です。 アベノミクスは輸出増と個人消費増をもたらしましたが、中長期の経済成長に繋がる「設備投資」にはまだ表れていません。 本来であれば、円安が進んでいるので、海外に移転した企業が日本に戻ってくる動きがあってもおかしくありませんが、日経新聞が実施したアンケートによると62.7%の企業が「生産の現地化、海外生産の流れは変えない」と回答しています。(5/11 日経「円安でも海外生産『拡大』 経営者アンケート」) 企業の設備投資は家計支出に次いで、民間経済の大部分を占めています。家計消費が経済のメインエンジンであるとすれば、設備投資は補助エンジンであると言えます。 経済を牽引する「設備投資」が増加していかない状況では、景気回復が本物であると言うことはできません。 企業は予想収益率と金利を比較して、予想収益率が高ければ投資を行うと考えられています。 予想収益率が低くなれば、企業は投資を控えるので、投資が減っているということは「予想収益率が低い」ことを意味しています。 消費増税が企業の設備投資を鈍らせる 個人消費が伸びているにもかかわらず、企業が低い収益を予想している理由の一つに「消費税増税」があります。 本欄の「英国の増税失敗に学べ!――消費増税はアベノミクス失敗を招く」でも触れたように、英国は2011年に付加価値税の税率を上げたことによって、景気後退が起こり、リーマン・ショック後に行われた3.7倍の量的緩和でも景気を回復することが出来ませんでした。 消費税が増税されれば、消費が落ち込み、収益率が下がると企業が予想するのは当然のことです。 また、イギリスの付加価値税の増税からは「増税しても税収が伸びない」ことも実証されています。 イギリスの付加価値税増税は2011年の1月に行われましたが、その前年、付加価値税は前年比で30%増えましたが、増税後の2011年7月には前年比マイナス30%まで、付加価値税の税収は減少しました。 これは幸福実現党が「増税しても税収が増えない」と訴えていることの実証です。 減少している設備投資を増やすためには、消費税増税の中止が不可欠です。 幸福実現党は今回の参院選で消費税増税の是非を問い、国民の皆さまの支持を得て消費増税を中止に追い込み、「本物の景気回復」を実現して参ります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 金融緩和と経済成長戦略でフロンティアの開拓を! 2013.04.04 市場の予想を上回る黒田新総裁の金融緩和 黒田総裁が就任されてから初の日銀政策決定会合が開かれました。 市場関係者の予想を上回る「量的・質的金融緩和」が発表され、日経平均は前日より272円34銭高の1万2634円54銭、長期金利の指標となっている10年物国債の金利は0.425%となり過去最低を更新しました。(4/4 ロイター「市場も驚いた異次元緩和、黒田日銀の『バズーカ砲』炸裂」) 今回決定した金融政策は主に5つです。 1.日銀が保有する長期国債の残高を銀行券の発行残高までとする「銀行券ルール」の適用を一時停止。 2.金融市場調節の方針を「金利」(無担保コール翌日物金利)から「資金供給量」(マネタリーベース)に変更。 3.マネタリーベースを2012年末の138兆円から、2013年末に200兆円、14年末に270兆円にまで増やす。 4.長期国債、株価指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)など資産の買い入れ額を増やす。(長期国債は2年間で89兆円から190兆円、ETFは年1兆円、REITは年300億円) 5.購入する長期国債の対象を拡大。(40年物国債を含む全ゾーンを対象、残存期間を3年弱から7年程度に延長) 白川前総裁が導入した「資産買い入れ基金」は廃止され、通常の国債購入枠と一本化されました。 白川総裁時代には、「資産買い入れ基金」の資金を増やすことで、実際にはそれほど資産が増えていない、ということが多くありました。 それに対して、黒田新総裁は「どんな資産を」「いつまでに」「どれだけ」購入するかを明確にしており、金融緩和に対する真剣味が全く違います。 問題は企業や家計が借入を増やし、お金が流れ始めるか その中で興味深いのは、金融市場調節の方針を「金利」から「資金供給量」(マネタリーベース)に変えた点です。 「金利」はお金を借り入れる負担なので、金利を低くすることは、お金を借りる負担を減らすことですが、既に金利レベルは限界まで下がっています。 それに対して、「資金供給を増やす」ということは、借りられるお金の量を増やすことになります。 民間の金融機関が保有している法定準備金(日銀当座預金)を増やすことで、民間の金融機関が企業や家計にお金を貸し出せるようになります。 企業が新しく工場を建てるためにお金を借りたり、個人が住宅を購入するためにローンを組むと、工場を建てる企業にお金が入り、住宅を販売する企業にお金が入り、お金がどんどん流れるようになり、景気が回復します。 問題は、投資をしたり資産を購入する企業や家計がどれだけ増えるかです。 特に、「投資が投資を呼ぶ」というような好循環をつくっていくためには、企業が投資に乗り出したくなるような経済環境の改善が必要です。 規制緩和、海洋・宇宙開発によってフロンティアの開拓を! すなわち、景気を回復させるには「借金環境」の改善のみならず、企業が積極的に投資に踏み切る意欲を高めていく「規制環境」の積極的改善が必要です。 幸福実現党は大胆な規制緩和・撤廃や特区制度の拡大、海洋・宇宙開発によって新しい市場を開拓し、企業が投資できるようなビジネスチャンスを増やして参ります。 また、都市部でさらに高いビルが建設できるように建築・土地関係規制の緩和を行ったり、メタンハイドレードやレアアースなど日本近海に眠る資源を開発し、宇宙開発を進めることにより、情報産業、航空産業、素材産業等における新技術の開発に梃子入れを行って参ります。 企業が積極的に投資に踏み切れる環境を創ってこそ、果敢な金融緩和が実を結ぶのです。 幸福実現党の金融緩和政策と経済成長戦略の融合政策こそが、日本、そして世界のフロンティアを開拓していくのです。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 北朝鮮が朝鮮戦争の休戦協定を白紙化――朝鮮半島紛争勃発の危機と北の核武装から日本を守れ! 2013.03.07 北朝鮮軍の最高司令部は5日、「朝鮮戦争の休戦協定を白紙化する」「我々は休戦協定の拘束を受けず、任意の時期、任意の対象に、思い通りに精密な打撃を加える」と発表しました。(3/6 日テレ「北朝鮮『朝鮮戦争の休戦協定を白紙化』」) 韓国と北朝鮮は、南北分断状態のまま休戦協定が結ばれ、現在に至っていますが、今回、北朝鮮は60年前に結ばれた朝鮮戦争の休戦協定を取りやめると警告した形です。 これは朝鮮半島での紛争勃発の危機が一躍高まったことを意味します。 また、北朝鮮はアメリカの敵対行為に対し、「多様化された核の攻撃手段で受けて立つ」などと警告しています。 今回の北朝鮮が休戦協定の白紙化、軍事挑発の示唆は、アメリカに加え、国連安全保障理事会の制裁決議に向けた動きをけん制する狙いがあります。 国連安保理は7日午前(日本時間8日未明)、緊急の公式会合を開き、3度目の核実験を2月12日に強行した北朝鮮に対する制裁決議案を全会一致で採択しました。(3/8 朝日「北朝鮮制裁決議を採択 国連安保理、3度目核実験受け」) 決議は核兵器・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、過去3度の制裁決議に基づく制裁を大幅に強化し、大量破壊兵器を輸送できる船舶などへの貨物検査「義務付け」と、核・ミサイル開発に関わる全金融取引の凍結を盛り込んだ内容になっています。 特に、船舶などへの検査に関しては、各国政府に対し「要請」をしていたものが、法的拘束力のある国連憲章第7章41条(非軍事措置)に基づき、今回の制裁では「義務」に格上げされました。 具体的には、核兵器・弾道ミサイル開発につながるあらゆる金融取引の凍結・停止を義務化し、船舶などの貨物検査も違反の疑いがある場合は実施を義務づけています。 国連憲章第7章には平和を脅かすような行動を行った国に対し、(1)暫定措置(第40条)、(2)経済制裁などの非軍事的措置(第41条)、(3)軍事的措置(第42条)を国連が行うことを定めています。 国連では過去2回の北朝鮮の核実験に対し、国連憲章第7章第41条に準じた経済制裁を課してきました。 軍事的措置を定めた第42条では「第41条に定める措置では不十分」である場合に軍事的措置に踏み切ることができると定めています。 つまり、今回の核実験に踏み切った北朝鮮に対し、「経済制裁では北朝鮮の核武装を止めることができない」と安全保障理事会が認めれば第42条に基づいて軍事的措置をとることが可能です。 そのため、北朝鮮に対する軍事介入を好まない中国は国連憲章第7章への言及を削るよう反対していたと考えられます。 第41条に基づいた制裁決議になることで、法的根拠をもった制裁決議にはなりましたが、問題は制裁決議に違反をした国に対する罰則規定がないことです。 早くも、アメリカ政府や国連安全保障理事会のなかで「北朝鮮の後ろ盾となってきた中国が本気で制裁に取り組まなければ効果は薄い(3/6 日経朝刊7面)」「制裁の効果は中国がどこまで検査を実施するかにかかっている(同日、日経夕刊2面)」という声が上がっています。 事実、北朝鮮からイランへ武器を積んだ船舶がアラブ首長国連邦で拿捕されましたが、その前に寄港した中国では積荷の検査が行われていなかったとみられています。 今回の制裁決議の内容は貨物検査の「義務」付け、金融制裁の強化、国連憲章第7章への言及など、ほぼアメリカ側の主張が通った制裁決議の内容になったというようにみえます。 しかし、いくら貨物検査、金融制裁を強化したとしても、北朝鮮と国境を接した中国が支援を続ければ全く意味がありません。 制裁決議の内容を実のあるものとするためには、制裁決議に違反した国に対する罰則規定を盛り込み、中国が北朝鮮の支援を行えないよう監視を行う必要があります。 国連で監視団を組織し中国と北朝鮮の国境沿いに派遣するということも視野に入れるべきではないでしょうか。 恐らく、このような行動を取れば、中国側は内政干渉だというクレームをつけてくるでしょうが、それにより、中国が安全保障理事会の常任理事国としてふさわしくないことが明らかになります。 このような事実の積み重ねを背景に、中国を常任理事国から追放する運動を起こしていくことが重要です。 つきつめて考えると、北朝鮮への制裁は北朝鮮を背後から支援している中国への締め付けにつながります。 しかし、世界第二位の経済大国になった中国との関係悪化を覚悟してまで、北朝鮮に対し強硬策をとれないというのがアメリカを中心とした先進諸国の実状ではないでしょうか。 残念ながら現状では、北朝鮮は中国からの支援を受けて核開発、ミサイル開発を続けていくと考えられます。 日本は国連に過度な期待を抱かず、独自で国民を守れるように手を打つべきです。 幸福実現党は北朝鮮の暴挙に対し、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈の見直し、先制的な自衛権の行使、核武装の検討を通じ、日本を北朝鮮の核兵器から守り抜きます。(HS政経塾1期生、幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 「パイを奪い合う」のではなく、協力して「大きなパイを作る」日本に! 2013.01.31 1月29日、安倍晋三政権の経済政策の具現化である平成25年度予算案が閣議決定されました。 公共事業による投資を増やし景気を刺激すると共に、生活保護の支給にメスを入れるなど、民主党政権の「分配型予算」から「成長に投資をする予算」に転換したことが大きな特徴です。 朝日、毎日系の新聞は「弱者切り捨て」と批判をしていますが、生活保護を受ける人が増加したため、生活保護費は2兆8224億円と過去最大になっています。 さらに生活保護費削減の内容も、一人ぐらしの高齢者に対する給付は必要最低限に抑えられ、ケースによっては支給額が増える場合もあります。例えば町村部に住んでいる一人暮らしの60歳代の方の場合は1000円の増額となっています。 今回、削減の対象となっているのは夫婦と子供2人といったような、人数の多い世帯です。 生活扶助は世帯の人数が増えればそれだけ多く支給されますが、働いて収入を得ている人は、子どもの人数によって収入が増える訳ではありません。 景気の後退が続くなか、子育て世帯の収入は1年間で39万2000円も減少しています。(2012/7/5 日経「世帯所得、昭和に逆戻り…10年平均538万円」) 汗を流して働いている子育て世帯の収入が減少したことを踏まえ、支給額が修正されたことは当然のことだと言えます。 ただし、給付水準の見直しだけでは、増え続ける生活保護費を減らすことは不可能です。 生活保護費が増える原因は長期の景気後退による失業者の増大です。2008年のリーマンショック以降の景気の悪化で、働くことができる「その他の世帯」の受給者が増えています。 増え続ける生活保護の費用を減らしてゆくためには、景気回復により雇用を創出していくことが大切です。 安倍総理は今回、「(民主党政権では)分配ばかりを重視し、経済全体のパイをどう大きくしていくかの発想が十分でなかった」と発言し、公共投資による景気回復を行おうとしています。 第二次世界大戦後、西ドイツを高度経済成長に導いたルートヴィヒ・エアハルトも「小さな菓子を奪い合うよりも、協力して大きな菓子をつくっていくほうが、福祉の向上につながる」と言っています。(ルートヴィヒ・エアハルト『ドイツの経済政策』p.7) 多くの収入を得ている人からどれだけ税金をとることができるかということを考えるのではなく、生活保護をやむを得ず受けている人も、再度チャレンジして豊かになれる機会を提供することが大切です。 安倍首相が掲げている金融緩和と、公共投資は日本の景気回復に大きな役割を果たすと考えられます。 しかし、金融緩和は時としてバブルを生成すると言われています。 金融緩和によってもたらされた資金が、事業の投資などに回らず、株式や不動産に対する投資にばかり回り、株や不動産の価格が実体経済とかけ離れたものになれば、バブルが発生します。 金融緩和によってもたらされた資金が実体経済の回復につながるためには、金融緩和によって消費の活性化がなされなければいけません。 消費が活発になることで、企業の投資が活発になり、さらにその企業の取引先も投資を行っていくという、経済の好循環をつくらなくてはいけませんが、2014年、2015年の消費税増税は、消費の活性化に水をさします。 実体経済の景気回復をともなわない金融緩和はバブルを生成するだけです。 安倍首相には、今回の金融緩和と公共投資を無駄にしないためにも、2014年、2015年の消費税増税を中止するよう、強く求めます。 所得格差を強調し国民の間に亀裂をいれるのではなく、幸福実現党は「オールジャパン」で日本経済の復活を実現し、生活保護を受けなければいけない世帯を減らす「社会保障」を行ってまいります。(文責・HS政経塾1期生 伊藤のぞみ) 中国の領海・領空侵犯を止めるには 2012.12.27 12月24日、中国の国家海洋局のプロペラ機が尖閣諸島領空に再び接近しました。 同日付の「環球時報」(人民日報傘下の国際情報紙)は「中国の飛行機が墜落するようなことがあれば、日本は必ず報復されるだろう」という題の社説で、中国の飛行機に対し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したことを「危険なゲーム」と批判しています。(12/25 産経「【尖閣国有化】中国側、共同支配を提案 安倍氏に圧力)」 しかし、実際に起きたことを見ると、スクランブルは「危険なゲーム」ではなく、「領空を守るために必要な措置」であることが分かります。 中国のプロペラ機の接近に対し、航空自衛隊がスクランブルをかけたことで、中国機は北側に針路を変え中国に帰っていきました。(参考:12/25 読売「中国機また尖閣接近、領空侵犯はせず」) 領海侵犯を繰り返し、さらなる領空侵犯を狙っている中国に対しては、巡視船や空中警戒官制機の巡回回数を増やすことで、中国の領海侵犯、領空侵犯を未然に防いでいくことが大切です。 帝京大学の志方俊之教授は予算制約によって空中警戒管制機(AWACS)の巡回頻度が減らされていることが、尖閣諸島の領空侵犯をまねいた一因になっていると指摘しています。(12/25 産経【正論】「新政権は空からの脅威に備えよ」) 今年、中国がフィリピンに行ってきたことをみても、日本が警戒・監視を怠れば、それに乗じて尖閣諸島の実行支配をたくらむことは明白です。 これまでスカボロー礁は、フィリピンに駐留していた米軍が爆撃や射撃の訓練に利用、フィリピンが灯台を建設するなど実行支配をしてきました。 しかし、今年の4月、フィリピン海軍が中国の漁船を取り締まろうとしたところ、中国の海洋監視船が阻止し、台風の接近でフィリピンの沿岸警備隊が撤収したため、スカボロー礁周辺の海域に中国の海洋監視船が居座る状況が続いています。 現在は中国の監視船がいるため、フィリピンの漁船はスカボロー礁に近づくことは出来ません。漁師の方の収入は三分の一以下に減っていて廃業せざるを得ない状態です。 中国と領土問題を抱えている国はフィリピンだけにとどまりません。昨年、2011年はベトナムとの間で緊張関係が続きました。 2011年の6月には、中国軍艦艇がベトナムの漁船を銃撃し、海洋監視船はベトナムの石油探査船の調査用ケーブルを切断しています。 自国よりも軍事力が弱い国を力で威嚇し、国際社会の非難をよそに、中国は次々と既成事実を積み上げています。 このような状況に対し、フィリピンのデルロサリオ外相は、日本の憲法9条改正を「強く歓迎する」と語っています。(12/10 フィナンシャル・タイムズ) 「力が正義である」と考える中国に対し、日本が防衛軍を持つことは、日本の発言力が増すことを意味しています。 幸福実現党は中国の恐喝に屈せず、日本の防衛力を強化し、中国に国際ルールの順守を求めて参ります。(文責・HS政経塾1期生、幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤希望) すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 Next »