Home/ 新着一覧 新着一覧 コロナ関連法改正、コロナ時代の「自由論」とは? 2021.02.13 https://youtu.be/hUn3HD5Cgv0 (2月3日収録) 幸福実現党政務調査会長 里村英一 ◆基本的人権に反するコロナ関連法改正 2月3日、国会でコロナ関連法改正が成立いたしました。 改正の最大のポイントは、営業時間短縮に応じない事業者に対して「30万円以下の過料を科すこと」や「入院拒否をしたコロナ感染者に対して50万円以下の過料を科す」などの罰則規定が設けられたところです。 当初、刑事罰を科すなどの話もありましたが、さすがに刑事罰は行き過ぎだということで見送られました。 行政罰で罰金ならしょうがないという雰囲気はありますが、幸福実現党は今回の罰則規定を設けたことに関して基本的人権に反するもので、何よりもかけがえのない「自由を蝕むもの」であると考えています。 ◆幸福実現党が考える「自由」とは何か 幸福実現党は、「自由」は人間の幸福にとってかけがえのないものの1つであると考えています。 党大川隆法総裁の著書『自由・民主・信仰の世界』にも明らかなように、わが党は自由・民主・信仰という原則が貫かれる世界を理想としています。 歴史的に観ても、自由・民主・信仰という原則が「信教の自由」や「言論の自由」をはじめとする人権につながっていきました。 あるいは、法哲学の面から観ても、人権のカタログの第1ページにこそ、「信教の自由」が置かれるべきであると言われます。 人生哲学、人間の人生をどのように見るかは、政党がどんな政策をつくる場合に非常に関連している問題です。 人間とは、たまたま偶然この世に投げ出され、そして運命に翻弄され死んだら焼かれて灰になって終わる存在なのか。 そうではなく、人間は、各人が自分の理想やミッション、あるいは自分の課題を持ってこの世に生まれてきた存在です。 自分のミッションや人生の課題に取り組み、何かしら一歩でも前進して幸福を得、それが来世の幸福にもつながっていきます。 従って、自らがミッションや課題に取り組む以上、自由に取り組める保障がなければ人生は無意味なものになってしまいます。 このように自由というものは本当に大切なものです。 ◆「危害原理」とは何か 自由に関する政治哲学の最高峰の一つともいわれる、ジョン・スチュアート・ミルは『自由論』において、「人に危害を及ぼさない限り自由は束縛されない」という「危害原理」を言っています。 例えば、赤信号を自由に車で走り抜けたらどうか。飲酒運転でも構わず車に乗ったらどうなるか。当然、人に危害を加える可能性は高くなります。 こういう観点から、行為と結果の「相当因果関係」、つまり危害を加えることの相当性が高ければ高いほど、やはりその自由は抑えねばならないという考えです。 逆に言えば、それぐらい「自由を抑えることに関しては慎重にも慎重さが求められる」ということをジョン・スチュアート・ミルは言っているわけです。 今回のコロナも、果たして相当因果関係が高いのでしょうか。営業時間を短縮すれば感染はとまるのか。あるいは入院さえさせれば必ず感染がとまるのか、これはまだ何とも言えません。 インフルエンザにおいては、毎年1000万人が感染して1万人が亡くなっています。それでもインフルエンザに関しては罰則規定など存在しておらず、自由は侵害されていません。 心配しているのは、ワクチンが思ったほど効かない。あるいは変異株が増えたなどの理由によって、第4波が来た時に、さらに法律を改正して罰則規定を重くし、また刑事罰を導入して国民の自由を縛ろうという方向に行くのではないかという恐れです。 それは考えすぎだと言われるかもしれません。しかし自由というのは一箇所が破られるとたちまち全体にその穴が広がっていくことを歴史が証明しています。 もちろん私は感染拡大を止めたいと思います。あるいは入院はいけないというつもりはありません。 しかし、そうした命や健康を大義名分に掲げて、国家権力や政府が国民の自由を阻もうとするときはよほど気を付けなければなりません。 ◆政府が健康管理をする危険性 歴史的に言えば、20世紀において「ある政府」が健康体を大義に掲げて、ガン検診を国民に義務付けました。 検診を怠ると罰則がつき、さらに政府は無農薬栽培を進め、タバコやアルコールを禁止し、妊娠している女性の検診を強化するなどして国民の健康管理に努めました。 いい政府だと思われるかもわかりませんが、この政府はナチス・ドイツのことです。 ナチスの場合はアーリア民族の健全性、健康性をユダヤ人が蝕むと言って最終的にはユダヤ人虐殺までいきました。 つまり、国家の権力が健康体を大義にして自由を蝕み始めると、最終的には「強制収容所」、あるいは「ガス室」にまで行ってしまうということを歴史は教えてくれています。 ◆自由を守るために 私たちは、そのような歴史は絶対に繰り返してはならないと思います。 もちろん、今回法律改正を決めた政治家たちも健康を守りたいという善意からの判断であるということは信じたいと思います。 しかし、そこにはとんでもない反作用が含まれているということも言いたいわけです。 したがって、幸福実現党としては今後この改正された法律がどのように運用されるのか、あるいは適用されるのかをしっかりと見つつ、自由の大切をこれからも訴えて参りたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【後編】 2021.02.11 https://youtu.be/0b0qzYu3knY 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国への懸念が高まりつつあるフランス、ドイツ 前編では、対中面からアジア太平洋地域で深化する日英関係について述べましたが、英国以外のドイツやフランスも中国の牽制に動き出しています。 ドイツでは、昨秋に「インド太平洋ガイドライン」を閣議決定し、中国への懸念からドイツ海軍のアジア派遣を決めています。 フランスは、英国離脱後の欧州連合(EU)で、外交・安全保障のリーダー役を狙っており、「我々もインド太平洋国家」とフランス外務省報道官は強調していますが、いま中国の覇権主義を見逃せば、点在するフランス領が寸断される危機感があります。 これらが実現すれば、日本と米国、オーストラリア、インドによる連携の枠組み「QUAD(クワッド)」の4カ国と、イギリスとフランス、ドイツの海軍が、沖縄から台湾、フィリピンを経由してマレーシアに至る第1列島線が「海の長城」と化し、中国包囲網を構築することが出来ます。 日本にとっても、世界屈指の海軍と日本の自衛隊が東シナ海に集結し、尖閣諸島の防衛力強化の役割が期待されます。 ◆バイデン政権下で「米中経済逆転」が早まる? では「肝心かなめの米国はどうか?」ということです。 2月4日、国務省でバイデン大統領が行った初めての外交政策演説の中で、中国を「最も手ごわい競争相手」と位置づけ、「米国の繁栄と安全、民主的価値観は中国の直接的な挑戦を受けている」と非難する一方、「米国の国益に沿うのであれば、一緒に取り組む用意がある」と、含みを持たせました。 翌日、中国の「環球時報」では、「トランプ政権の全面対決姿勢よりも、中国にとって対応の余地がある」「バイデン大統領は中国との協力関係から利益を得ることを考えている」と報じています。 更に、バイデン大統領が中国との協力関係について話した直後、気候変動を取り上げたことから「バイデン政権の最優先事項は環境問題であり、中国と米国の協力関係は環境問題から再スタートする可能性が高い」という見通しを示している。 中国は今後、環境問題を足掛かりに、中国包囲網の切り崩しにかかってきます。 英シンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は2020年12月26日、パンデミックが各国の経済に悪影響を与えたため、中国が当初予測よりも5年早く、2028年に米国を抜くことになると予測しています。 バイデン政権下で、「米中経済逆転」の流れが進んでいくと、アメリカによる中国牽制の力が弱まっていきます。 日本は米国の欠けた力を単に補完するだけでなく、日本自体が主体となって、自由や民主主義、法の支配の価値観を共有する国々と協力しながら、アジアの自由を守らなくてはなりません。 ◆新しい「日英同盟」で中国包囲網を構築せよ 最後に、日本はどうすべきかを考えてみます。 まず、米国に働きかけ、日米豪印の四か国の「クアッド」にイギリスを加え、「クインテット(5人組)」に拡大することを目指すべきですし、同時に「ファイブ・アイズ」への参加も、検討すべきです。 バイデン政権の対中政策が、親中路線に傾く懸念があるなか、国連安全保障理事会の常任理事国でもある英国としっかり手を結ぶことで、対中抑止の足並みを揃えることができます。 現在の準同盟関係から「日英同盟」に格上げすることも目指すべきではないでしょうか。 英国内の保守派からは、「台湾との関係を強化すべきだ」という声も根強く、日本と英国で、台湾のTPP参加や国際機関復帰を後押しすることも可能になります。 ◆武士道の国として「自分の国は自分で守る」覚悟を固める時 1月24日、岸防衛大臣とオースティン米国防長官の電話会談で、「尖閣諸島が日米安保第5条の適用対象になる」ことを確認しています。 しかし、日本は主権国家として「自分の国は自分で守る」という覚悟を固めることを忘れてはなりません。 尖閣諸島を守るためにも、日本としてやるべきことがあります。 海警局の大型船に対応できるような海上保安庁の警備体制強化や、中国の「グレーゾーン」戦略に対応する法整備、また尖閣諸島の実効支配強化を図るための公務員常駐、灯台や気象観測所の設置を考えるべきです。 そして何よりも、憲法9条改正を真正面から議論していく必要があります。 2021年は日本が立つべき年です。 20世紀初頭に結ばれた「日英同盟」が、当時の帝政ロシアと立ち向かう日本にとって、国難打破の大きな力となったのは紛れもない事実です。 日本が武士道の国として、英国と共にアジアの自由と平和を守る国として、しっかりと立ち上がっていきたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【前編】 2021.02.10 はじめに、2月11日は「建国記念の日」です。 日本という国が 2681年目を迎え、これまで日本の国を守ってくださった先人に対し心より感謝を申し上げます。また皆様と共に日本の建国をお祝いさせて頂きたいと思います。 ■新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【前編】 https://youtu.be/0b0qzYu3knY 幸福実現党党首 釈量子 ◆中国海警法の施行で尖閣や南シナ海の危機迫る 中国の習近平国家主席は、バイデン政権の対応能力を試しながら、着々と海洋進出の準備を進めています。 2月1日、中国の「海警法」が施行され、中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、あるいは個人に対して、海警局が「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取ることを、法律上認めました。 これにより、外国の軍艦や公船に対して、退去を命令したり、強制的な措置を取ったりすることができるようになり、例えば、海上保安庁の巡視船や海上自衛隊の艦船を、海警局の船が攻撃できるということも想定できます。 また、中国の主張する「管轄海域」で、外国が構造物を設置した場合、強制排除することもできます。かつて日本の政治団体が魚釣島に建てた灯台等が念頭に浮かびます。 ◆事実上の「第2海軍」となっている中国海警局 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道官は「海警法の制定は正常な立法活動であり、釣魚島(ちょうぎょとう:尖閣の中国名)は中国固有の領土だ。中国は領土主権と海洋権益を守る」と強調し、関連付けています。 既に2018年、海警局は、中国国内の治安維持を担う「人民武装警察部隊(武警)」に編入され、人民解放軍の最高指導機関である「中央軍事委員会」の指揮下に入り、軍との一体化が進んでいます。 昨年の米国防総省の年次報告書によりますと、海警局の排水量1千トン以上の船舶は、2010年以降、約60隻から130隻以上に急増し、新造艦の多くは1万トン級の大型船舶で、ヘリコプターの発着が可能で、30~76ミリの機関砲等の武器を搭載しています。 ちなみに、年次報告書は、中国海警局を、世界で圧倒的に最大の「沿岸警備部隊」になっていると分析しており、事実上の「第2海軍」となっていると言っても過言ではありません。 今回の海警法制定によって、日本の領土である尖閣諸島の危機は、最大級に高まっています。 ◆イギリスのアジア回帰戦略 こうした中国の海洋進出を牽制するために、注目したいのが英国です。 近年、英国は1968年以来の「スエズ以東からの撤退」という戦略を見直し、「アジア回帰戦略」に大転換し、50年ぶりに、安全保障と経済・貿易の両面でアジアへの関与を強めようとしています。 英国の路線変更を決定づけたのは、中国の新型コロナウイルスへの対応、そして昨年6月「国家安全法」を施行し、中国政府が香港を弾圧したことがあります。 2月3日には、日英の外務・防衛担当閣僚のテレビ会議(日英2プラス2)を開き、中国の海洋進出を念頭に、英国はインド太平洋地域に最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を含む空母打撃軍を派遣、自衛隊との共同訓練に合意しています。 更に、中国海警法の施行について意見交換を行い、ウイグルの人権状況についても、重大な懸念を共有しています。 ◆アジア撤退後も残された英連邦の防衛協定 ここで「スエズ以東からの撤退」後の、英国とアジアの関係を振り返ります。 まず英国が引き上げた後のマレーシアとシンガポールの防衛、安全強化のために、1971年に「五か国防衛取極(FDPA)」が締結されました。 英連邦の5か国(イギリス、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド)による防衛協定です。 地道に役割を拡大し、1997年香港返還もあって見直され、中国の南シナ海への進出が世界の懸念となる中、安全保障面での役割を大きくしてきました。 また2019年、ウィリアムソン英国防相が「EU離脱後、アジアに新たな軍事基地を検討している」と明かし、シンガポールが候補ではないかと言われています。 そうすると、南シナ海からインド洋に抜けるマラッカ海峡の守りが強化されることになります。 ◆アジア太平洋地域で深化する日英関係 2020年12月、「五か国防衛取極(FDPA)」の外相で共同声明を発表し、通常戦争の抑止に注力することを確認しています。 英国は現在、機密情報を共有する「ファイブ・アイズ(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)」と「五か国防衛取極(FDPA)」の2つの枠組みを通じて、インド太平洋全域に影響を与える立場にあります。 また、日英関係についても、英国が2015年に策定した「国家安全保障戦略」の中で、オーストラリアやニュージーランドと同じく自由や民主主義の価値観を共有する「アジアで最も緊密な安全保障パートナー」と明記しています。 貿易面では、2020年10月「日英包括的経済連携協定(EPA)」が締結され、2021年1月に発効されており、世界のGDP3位の日本と6位のイギリスが自由貿易でつながることの意義は非常に大きいと言えるでしょう。 ボリス・ジョンソン首相は1月30日、「英国民に莫大な利益をもたらす経済連携を築く」「自由貿易の旗手となる野心を表している」という声明を発表し、翌日には「環太平洋経済連携協定(TPP)」への参加を正式に申請しています。 英国にとって、アジアの経済成長を取り込むことができるメリットは非常に大きいと思われます。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 記録的寒波、逼迫する電力不足の真相とは。 2021.02.05 https://youtu.be/p4oW03YhCME (1月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆電力の需給逼迫の原因 昨年12月、記録的な寒波の到来で北陸地方では電力不足で停電が起き、暖房をはじめ電化製品が全く使えない状況が起きました。 今回の電力の需給逼迫の原因は、記録的寒波とコロナの影響で「巣ごもり」が増え、暖房需要が急増したこと、さらに大量に導入された太陽光発電が、悪天候でほとんど発電できなかったことです。 しかし、今回の直接的な電力の需給が逼迫した原因は、火力発電の主な燃料となっているLNG(液化天然ガス)の供給が、次のような原因で滞ったからです。 (1)中国・韓国など東アジアにおけるLNG需要の急増 (2)カタール等、LNGの供給国における設備の故障 (3)コロナの影響によってパナマ運河で渋滞が発生しており、LNG船の運航の遅れにより、米国産LNGが入ってこない状況 全国の電力会社は、今回のLNG不足を石炭火力発電所のフル稼働、高価な石油火力のフル稼働、さらに災害時などに応援のために使う「非常用電源車」も駆けつけて、辛うじて電力需要を支えているのです。 政府が進める「脱石炭火力」がもし実現していたら、すでに停電が起きていた可能性もあります。 日本のLNGの調達はオーストラリアや中東、東南アジアなどからの輸入に頼っています。 もし今後、中国にシーレーンを抑えられ、LNGや石油が日本に入ってこなくなった場合には、今以上に危機的な状況が起こります。 ◆燃料の補給が追い付かない状況 今回の電力需給の逼迫は、これまでのピーク時に発電所の能力が足りなくなるという問題ではなく、燃料の補給が追い付かず、発電量が足りなくなるという点で、より深刻だと言えるのです。 つまり、発電所が足りているのに、燃料の輸入が追い付かないという、いわば「兵糧攻め」の状態です。 日本でこうした状況を、まさに大東亜戦争で経験したため、戦後のエネルギー政策では、化石燃料への依存を減らし、原子力発電などで自給率を高めることを目指してきました。 しかし、2011年3月の福島第一原子力発電所の事故以降、全国のほとんどの原子力発電所が停止し、火力発電、特にLNGによる火力発電に大きく偏った供給体制となりました。 とりわけ、最近は地球温暖化対策を理由として石炭火力の段階的廃止が求められ、ますますLNGへの依存が高まっています。 また、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の導入で太陽光発電が爆発的に増加し、電力自由化の影響もあって、経営が難しくなった火力発電所が撤退することも非常時の電源の確保を難しくしています。 ◆バランスの良い電源構成の構築が必要 東日本大震災前、2010年度の電源別発電電力量の割合は、LNGが29%、石炭が28%、原子力が25%、石油等が9%、水力が7%、地熱および新エネルギーが2%となっていました。 2017年度には、LNGが40%、石炭が32%、原子力が3%、石油等が9%、水力が8%、地熱および新エネルギーが8%となっています。 LNGの割合は現在、約40%にまで高まっていますが、LNGは石油や石炭のような長期の備蓄ができず、今回のようにサプライチェーンに支障があれば、供給不足に直結します。 これは、エネルギーの安定供給が、コロナの影響や国際情勢によって大きく影響を受けることを意味しています。 ◆政府はエネルギー政策の見直しを 寒さが続く1~2月、LNGの供給が追い付かなければ発電ができなくなりかねません。 こうした事態を受け、電力会社や電気事業連合会が「電気の効率的な使用のお願い」を必死に呼びかけていますが、政府は「現時点で節電は想定していない」と言っています。 しかし、エネルギーが逼迫しているのは、脱原発や脱炭素など今までの政府のエネルギー政策が招いた結果にほかなりません。 突然の停電が起きれば、非常用の発電機が動かず、人工呼吸器や人工心肺装置などの運用に支障が出るのではないか、との指摘も出ています。 こうした危機的な状況を招いたのは、これまでの「エネルギー政策」の失敗にほかなりません。 日本は今後の不測の事態において、エネルギーの自給体制構築を進め、安定的に電力を供給できる体制をつくるべく、バランスの良い電源構成を構築する必要があります。 同時に、真冬に「計画停電」が起きないよう最悪の事態を回避するために政府には責任を持った対応を求めたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 コロナ対策の特措法・感染症法の改正、入院拒否への罰則は基本的人権の侵害!【後編】 2021.01.31 https://youtu.be/xcqNGEn3ZwE 幸福実現党党首 釈量子 ◆ワクチン接種を管理することの危険性 さらに、河野太郎ワクチン担当大臣は、1月25日、ワクチンの接種状況を把握するために、ワクチンの接種状況とマイナンバーを紐づけする計画を明らかにしました。 これによって、国民は、ワクチンを接種しているのか、していなのいかを、政府によって一元管理されてしまうことになります。強制的にワクチンを接種しなければならなくなる可能性もあります。 しかし、ワクチンには副反応の懸念があります。 本来、ワクチン開発には4~5年程度かかるものです。今回はあくまで例外措置として各国で使用されているにすぎず、これから続々と副反応が報告される可能性があります。 コロナに感染して亡くなる方もいれば、亡くならなくても、ワクチンの副反応で亡くなる場合もあるということです。 また、ワクチンは、すでに流行しているウィルスの型を元に作られているので、イギリスから始まった「変異株」が流行すれば、当然ワクチンが聞かなくなることがありえます。 このように、「恐怖による支配」をまず考える菅内閣は、中国政府に似てきています。 それは、国民をデジタル庁で管理し、ジョージ・オウエルの『1984年』状態にしようとする傾向は許しがたいものがあります。 私たちが、「重要だ」と提唱する「自由」は、「人間が、人間として生きていくための、基本的な人権」は守られなければならない、ということです。 冷静に考えれば、日本の死者数などを見ると、インフルエンザと同じような危険度のものを、恐怖心によって巨像化されている状況です。 ◆恐怖感をあおるマスコミ テレビの影響も大きく、家に「巣ごもり」することによって、テレビは視聴率が上がっています。 ビデオリサーチの調査によると、2021年の正月三が日の総世帯視聴率は、過去10年で最高を記録しました。 マスコミが、コロナに対して恐怖感をあおることによって、必要以上に、「コロナは怖いもの」「とにかく家にいることが大事」という価値観が広がってしまいました。 アメリカの世論調査会社によれば、日本は、コロナ感染症への恐怖心が、他国に比べて特に強い傾向にあります。 政府の悩乱策と恐怖を煽りがちなマスコミ報道の行きつく先に、国民に、「巨大借財」が残されようとしています。 ◆財政出動は未曽有の規模、ツケは国民に 2020年度には、「コロナ対策」の名目で、巨額の予算が投下されました。 新規国債発行は100兆円を超え、3次にわたる補正予算が組まれた結果、2020年度一般会計予算は175.6兆円に膨れ上がりました。 2020年度の当初予算が過去最高の102.6兆円だったことを考えると、とてつもない膨張です。今回の財政出動は未曽有の規模に達し、「コロナ対策」の名目でさまざまな予算が増えました。 日本のコロナ対策費は、GDP比42%と、世界主要7か国で最高となっています。例えば、アメリカは約15%、イギリス・フランスは約20%、ドイツは約30%です。 これら残りの主要国よりも、感染者数・死者数がはるかに少ないにも関わらず、日本は巨額の予算を投下しています。 1月26日に可決された第三次補正予算では、「Go To トラベル」の追加分約1兆円が計上されています。しかし、1次補正予算で計上された約1.1兆円のうち、執行されているのは4842億円であり、まだ半分以上の金額が、未消化のまま残っています。 今回のコロナの感染拡大も、国民の自由を奪っておきながら、一方で「Go To 〇〇」と称して、税金を使って矛盾したキャンペーンを行った罪であると言えます。 当然出てくるのが、増税です。無限に国債を発行し続けることはできないので、国民に「増税」となって返って来ることになります。 すでに言われているように「消費税の増税」や、戦後まもなく行われたように、貯金や株、金融資産などの財産に課税する「財産税」が導入される可能性があります。 菅政権は、そのツケを国民に回し、「恐怖によって国民の自由を抑圧し、感染症対策で大幅に増えた予算を国民への増税で賄う」という結果をもたらそうとしています。 ナチスの「全体主義」をつくったのは、民衆でした。民衆のムーブメントによって、自分たちが民主主義的に当然のことをしていると思ってやっているうちに、独裁的な恐怖支配がなされました。今、冷静に考えなければならないのではないでしょうか。 コロナ対策の特措法・感染症法の改正、入院拒否への罰則は基本的人権の侵害!【前編】 2021.01.30 https://youtu.be/xcqNGEn3ZwE 幸福実現党党首 釈量子 はじめに、コロナでお亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方には心よりお悔やみ申し上げます。 ◆入院拒否への罰則を導入 1月22日、政府は新型コロナウィルスへの対応策として、特別措置法(特措法)や感染症法の改正案を閣議決定しました。 その後、与野党の修正協議が続き、1月28日現在、前科のつく「刑事罰」についてはさすがに見送られる方向ではあります。 しかし、改正案では、コロナ患者が知事等による入院勧告を拒否した場合や、入院先から抜け出したりした際の罰則を導入し、2月上旬にも成立するものと見込まれています。 一時期、「懲役刑」を閣議決定したという政権の発想自体、とても恐ろしいものがありますし、罰則が科されること自体、国民の心理や経済活動をものすごく萎縮させることは間違いありません。 しかし、この政府の対応には、あまりにも大局的な判断を失っていると言わざるを得ません。 まず政府の本音としては、「東京オリンピックを強行したい」ということではないでしょうか。ワクチンの接種と合わせて、感染の拡大を強力に抑え込むことで、諸外国から見て東京五輪を開催できる環境を整えなければと焦りって悩乱しているとしか思えません。 ◆コロナ感染の冷静な分析を 日本の状況を見ると、新型コロナの感染は、1月28日現在で32万人、死者数は5000人を超えた程度です。 一方、季節性インフルエンザに、年間1000万人の人が感染し、関連死を含めて、約1万人が亡くなっているとされます。肺炎でも、毎年10万人の人が亡くなっています。 コロナ感染対策の結果なのか、今シーズンはインフルエンザによる死者数が激減し、そのほか、風邪や肺炎患者による死者も含め、トータルの死者数は減少しているのです。 日本ではむしろ例年よりも死者数が減少していることを考えると、罰則を科すことは、バランスを欠いているのではないでしょうか。 PCR検査で陽性となっても、それで他の人が感染するかどうかは確実ではありません。 濃厚接触者でも感染する人としない人がいるように、その人から必ず感染すると決まっているわけではありません。にもかかわらず、罰則を導入しようとしています。 ◆罰則は「基本的人権」の侵害 はっきりいって、今回の菅政権の方針は、 国民の「基本的人権」を侵害しているものです。 「基本的人権」は、日本国憲法の三原則(「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」)のうちの一つです。 そのうちの最大のものが「自由権」です。 日本国憲法は、第十三条で「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を定めています。 また、「経済的自由権」として、第二十二条で、「居住、移転及び職業選択の自由」、第二十三条で「財産権」を認めています。 菅政権は、国民の「健康を守る」という名目で、国民に様々な規制をかける傾向があります。しかしこれは、国民の「基本的人権」を侵害する、非常に危険な傾向性なのです。 「国民の健康を守る」という、一見、誰も反論できないような、素晴らしい大義名分を掲げて、政府が国民を管理していくというのは、これは恐ろしい「全体主義」の特徴です。 ナチス・ドイツは、「優れた遺伝子を残し劣っている遺伝子を残さないことで、人類が進歩する」という「優生学」の考え方に基づいて、1933年に、遺伝的で矯正不能のアルコール依存症患者、性犯罪者、精神障害者、そして子孫に遺伝する治療不能の疾病に苦しむ患者を、強制的に断種することを可能とする法律を立法化しました。 これによって、36万件から40万件に上る強制的な不妊手術が行われました。 そして、1939年からは、「T4作戦」(テーフィアさくせん)と呼ばれる、精神的な障害および肉体的な障害を負っている人への安楽死政策が行われ、7万人から数十万人が殺害されたと言われています。 ナチスの話を持ち出すのは、極論に見えるかもしれません。 しかし、1月15日、コロナに感染した東京都内の家族で、30代のお母さんが「自分が周りの人にうつしたかもしれない」「娘の居場所がなくなるかも」というメモを残して自殺するという痛ましい事件がありました。 先に陽性になった夫も濃厚接触者で、小学生の娘さんと同時に陽性判定が出たということです。 小池都知事は「心のケアが必要」と仰っていましたが、政治が「ゆるみ」だとか、買い物に至るまで外出を制限したり、家にいることがほかの人を守るだとか、感染者を「バイキンマン」扱いするかのようなメッセージを発信した責任もあるのではないでしょうか。 もし「インフルエンザの患者に罰則を科す」というならば、なんて冷たい政治なのか。自分は犯罪者なのかと。人々は暴動を起こし、「革命」だって起こしたくなるでしょう。 これは、ナチス・ドイツと同じ傾向性が出てきていると言えます。 (つづく) 「罰則強化」で刑事罰も――緊急事態宣言で懸念される「倒産・失業・自殺」【後編】 2021.01.25 https://youtu.be/y1vvDUm6Tjg (1月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆患者を受け入れられない病院の理由 厚生労働省の調査によると、国内の病院約8400機関のうちコロナ患者を受け入れ可能な医療機関は1700機関あります。 そのうち1度でも新型コロナ患者を受け入れた病院は約8割弱と結構あります。 しかし重症患者を受け入れている医療機関は307で受け入れ可能な医療機関の約18%に過ぎません。 対応可能な病院でも、患者を受け入れない理由は、病院の経営的危機につながるからだとの指摘があります。 コロナ患者を受け入れる場合、完全隔離措置、部屋の配置転換や人員の重点配置、さらに検査や感染予防のコストがかさみます。 一方で、ほかの病気で診察を受ける人を減らしたり、手術件数を減らしたりしなくてはならず、収入が減るのです。 さらに怖いのが院内感染で、発生すれば病院の機能は止まり、多額の損失が発生します。マスコミが騒げば、「報道被害」でたちゆかなくなります。 対策としては国が民間病院を動かすための財政支援です。現在、国は重傷者ベッド一床あたり1500万円の支給(緊急事態宣言地域は、1950万円)をして病院経営をサポートする方針です。 本来であれば、病院の損失補てんのために税金を投じるということは望ましくありません。ただ緊急事態宣言で連鎖的に多額の損失を生むくらいなら理にかない、国民の不安を取り除く観点からも有効かもしれません。 ◆日本のコロナ感染はインフルエンザと同じレベル さらに過剰な対策を止めるということがあると思います。 現在ではコロナは「指定感染症」と分類され致死率が30%から40%のサーズ、マーズのレベル、場合によっては致死率が50%のエボラ出血熱レベルの措置を取っています。 これについて「指定感染症」を外して、季節性インフルエンザと同じレベルの対応をとるべきだと主張する医師は少なからずいます。 日本の場合、今のところ新型コロナの致死率は欧米と大きく違って0.4%程度です。 季節性インフルは0.03%から0.1%の致死率で、今のまま一部の病院に過度な負担をかけて国民全体の経済を止めるということは多くの人を苦しめることになります。 ここまで感染が広がった以上、ウイルスを完全に制圧することは現実的ではありません。つまり季節性インフルエンザ並みの対処を可能として多くの病院で治療ができる体制を整えていく方が国民全体のメリットが大きいと思われます。 こうした声は当然政府にも入っており、感染症法を改正して現在の指定感染症から新型インフルエンザ等感染症に分類を検討するという動きがあります。 医療体制を強化するための具体的な対策を講じることなく、緊急事態宣言をさらに延長し、繰り返しだしていくことには断固反対の声をあげたいと思います。 ◆ぜひとも全体を俯瞰した判断を 「コロナ感染、イコール犯罪者」というような扱いが差別を助長するような可能性もあります。 そしてコロナで生活環境が変化することにより、精神疾患が今増えています。昨年民間企業が緊急事態宣言下において全国の医師に尋ねた結果、回答したうち4割が「精神疾患が増えた」ことを挙げています。 教職員でもうつ病など精神的な病気で休職する人の数は昨年度過去最多でした。そして緊急事態では里帰り出産もできにくく産後鬱のリスクも約3倍になったという研究結果もあります。 さらに財政状況もこの1年間で110兆円も政府の借金が増えています。国がすべての企業を支えて国民全体を養うことはできません。 さらに「補償を増やせ」という声に応えるようなことになれば、今後大増税につながることは確実で、なんでも政府にやってもらうというな「大きな政府」に向かっています。 「小さな政府」、つまり政府は社員の雇用を守るために民間の自助努力の邪魔をせずに規制を緩和することに徹することが大事なのではないでしょうか。 ぜひとも全体を俯瞰した判断をお願いしたいと思います。 「罰則強化」で刑事罰も――緊急事態宣言で懸念される「倒産・失業・自殺」【前編】 2021.01.24 https://youtu.be/y1vvDUm6Tjg (1月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆関連法の改正、罰則の導入 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅政権は、1都3県を対象に緊急事態宣言の発出を行いました。(その後、緊急事態宣言は11都府県まで拡大。) 対象の地域は知事による具体的な要請として20時以降の不要不急の外出の自粛、テレワーク出勤で7割削減、大規模イベントは上限5000人、かつ収容率50%以下等が求められました。 さらに政府の方も18日に召集される通常国会で関連法の改正を行う予定です。ポイントは罰則の導入です。(22日、政府は新型コロナウイルスへの対応策として、新型コロナ特別措置法や感染症法の改正案を閣議決定。) 菅首相は、「強制力を付与することによって、より実効的な対策を可能にしたい」と言っています。 事業者が都道府県知事の休業要請に従うなら補償を行い、休業の命令に従わない事業者には「行政罰」を課す方向です。刑事罰なら前科がつきますが、それは見送られて行政罰になりました。 また感染症法の改正としては、都道府県知事による入院の勧告に応じない場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科そうとしています。 こちらは、前科のつく刑事罰となっています。 ◆狙い撃ちされた飲食業 今回厳しい措置がとられるのが飲食店で、死刑宣告にも等しいという声も挙がっています。 協力金の上限は1日6万円。1ヶ月最大186万円が給付されますが、家賃や従業員の人件費等、それに加えて社会保険料負担を考えればまさに雀の涙です。 飲食店が感染源であるという証拠もありません。経路不明が6割。飲食店の会食は8%。そもそも騒いで感染が広がることに飲食店が責任を負うべきなのかは大いに疑問です。 緊急事態宣言の期間は2月の7日までですが、コロナ感染の状況を見ると通常の季節性のインフルエンザが流行する季節と重なっており、解消できる見通しはありません。 東京都の飲食店数は、2016年の数字で約7万9000軒あるとされ、事業者の12.8%を占めています。 東京都の雇用の8%、就業する男性の6.7%。そして女性の9.8%が飲食店というデータもあります。つまり大変多くの雇用を支えている業界を狙い撃ちにしています。 心配は倒産、失業、自殺です。 ◆倒産、廃業、失業、自殺者の増加 新型コロナ関連倒産の件数は、帝国データバンクによりますと1月14日までに全国で887件が確認されています。 そのうちの飲食店は最大の139件で、次に多いのがホテル旅館の72件です。 また、東京商工リサーチによると政府の資金繰り支援で倒産件数はバブル期以来の低い水準ではあったものの昨年、自主廃業や解散した事業所の数は5万件前後で過去最多でした。 コロナ関連の失業は、8日の時点で80836人とされています。 そして失業と関連性がある自殺者も、昨年の10月には前年度比40%も増加し、特に女性は倍増しました。 ◆「医療崩壊」の実態 では、なぜ政府は、倒産や失業の危機を知りつつ、緊急事態宣言を発出し、罰則を伴う法改正などを行うのか。その理由として、「医療崩壊」を挙げています。 OECD(経済協力開発機構)によると1000人あたりの急性期病床所、いわゆるベッドの数は、日本は世界一を誇る数字です。 しかも日本は、コロナ感染状況、死者数、重症者の数は欧米に比べて桁違いに少ない状況です。 季節性インフルエンザで日本は毎年1000万人程度の患者が発生しており、関連死を含めると1万人が亡くなりますが、医療崩壊が起きたという話は聞きません。 特に今医療崩壊が叫ばれているのが東京都ですが、東京都のベッドの数は10万6240床あるとされ、医師の数は4万人以上、看護師は10万人以上いるとされます。 しかし東京都が用意している重症者用のベッドの数は250しかありません。1月15日現在、重症者の数は135人です。 重症者135人の段階で、東京都1400万人の自由を制限して経済活動を止めることは明らかにバランスを欠いています。 つまり医療崩壊と言っているのは一部の病院に重症患者が集中しているからです。 (つづく) 日本の自動車産業を潰す、炭素税導入【後編】 2021.01.23 https://youtu.be/JXqnJ-1vZ_A (12月23日収録) ◆日本の自動車メーカー存亡の危機 前編で述べた炭素税や早急なガソリン車の廃止の流れは、日本の自動車産業にとっては非常に大きな危機です。 もともと、トヨタやホンダが得意とする「HV(ハイブリッド)」車は、最も現実的な環境にやさしい車でした。 しかし、他のメーカーが追随できず、そのため、欧州での規制では、HVを「ガソリン車の一種」と位置づけ、締め出されることが決まっています。 トヨタは、このEV化の流れについて、EVのみに拘らず、HV(ハイブリッド)、PEHV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)などにも投資を行っていく「全方位戦略」をとっています。 「王者の戦略」ではありますが、その分、開発コストがかかり、日系メーカーにとって、EV化は強みを失うことになります。 もっとも3万点と言われるエンジン等の部品の多くを、数多くの下請け企業との緊密な連携によって生産する技術システムが日本の強みでした。ところがEVは、構造が簡単で、部品の数がエンジン車の3分の2で済みます。 日本の自動車関連産業の就業人口は546万人、全就業人口6,664万人のうちの、8.2%を占めます。自動車産業を失うことは、日本の雇用の面で大きな衝撃となることは間違いありません。 ◆中国やEUの政策は、「日本潰し」 中国やEUはメーカーにとって巨大なマーケットですが、異常な補助金と規制で市場を著しく歪めています。 主要メーカーのEVの開発が追い付いていないにもかかわらず、大きな規制を設定することは、市場を歪め、企業に大きな負担を掛けることになります。 中国やEUの政策は、明らかに「日本潰し」であり、この方向に追随することは、中国車が日本中を走りまわるような状況になります。 政治がなすべきは、拙速なEV化ではなく、少なくとも、HV(ハイブリッド)車を世界標準にするための外交努力をすることでした。 単に「世界の潮流だから」というだけで判断し、ましてや小池都知事のように、単に「政府より先を走る」というPRのために、「東京都では2030年にガソリン車廃止」などと言い出すのは、きわめてナンセンスです。 さらに日本は、欧州並みにEVの普及を進めるために、補助金を現在の40万円の2倍である80万円とする案が浮上していると報道されています。 無理にEV化を進めるために、さらに財政赤字が増え、それが炭素税となって庶民に戻ってくるだけで、本当に不毛です。 ◆EVの動力のリチウムイオン電池の弱点 更に、EV化には多くの懸念があります。 昨年の12月16日以降、日本列島を大雪が襲い、関越自動車道で2日以上にもわたって多数の車が閉じ込められました。 EVの動力であるリチウムイオン電池は、極端な寒さや暑さに弱く、雪の中で充電がなくなった場合には充電器がない限りどうしようもありません。内燃エンジンが命を守ったと言えるかもしれません。 さらに、電気代です。日本の経済の足を引っ張っている問題の一つは、高すぎる電気料金です。EV化が進んだとしても電気料金が高いままなら、家計の負担が大きくなります。 安く、大量の電力を供給することがまず大事であり、そのためには、原子力発電所の再稼働や、燃料を繰り返し使える高速増殖炉の実用化が必要です。 最後に、地球温暖化は、人為的な温室効果ガスによるものではないとする気象学者がたくさんいます。 「地球温暖化対策」の名のもとに、科学的に確定していない「CO2犯人説」をもとに経済を縛れば、日本の産業の競争力を失わせ、多くの人を路頭に迷わせることになります。 このままでは、「炭素全体主義」によって、日本経済崩壊の引き金を引くことになってしまうのではないでしょうか。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 日本の自動車産業を潰す、炭素税導入【前編】 2021.01.22 https://youtu.be/JXqnJ-1vZ_A (12月23日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆「カーボンプライシング」とは 昨年末、菅総理大臣は、「カーボンプライシング」の導入の検討を、小泉進次郎環境大臣と、梶山経済産業大臣に指示しました。 「カーボンプライシング」とは、二酸化炭素(CO2)に価格を付けて、排出量に応じて、企業や消費者に経済的な負担を求める制度のことで、いよいよ「炭素税」が始まります。 (※菅首相は、1月19日の施政方針演説で、「グリーン社会の実現」に向けて「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、世界に先駆けて、「脱炭素社会」を実現していくと発表。) また、菅政権は、ヨーロッパ諸国に追随して、「2030年代半ばまでにガソリン車の新車販売を禁止」すると発表しています。しかも、軽自動車も含まれるということです。 この動きは、「世界の潮流に乗った決断」どころか、日本の基幹産業である自動車産業を弱め、日本経済崩壊につながる可能性があります。 ◆国内の炭素税制の流れ 日本では1978年から石油税が導入され、2003年に、石炭に課税対象を拡大した「石油石炭税」が存在しています。 さらに2012年から、石油石炭税に上乗せする形で、3段階で「地球温暖化対策のための税」が導入され、燃料の種類に限らずCO2・1トン当たり289円の税をかけられています。 しかし、今回の「カーボンプライシング」では、CO2、1トン当たり数千円から1万円程度の、ヨーロッパ並みの高税率の炭素税を検討していると言われます。北欧並みなら35リットル満タンで1200円です。 政府は、「CO2を排出する燃料に課税していけば、化石燃料の使用量が減り、太陽光発電や風直発電といった再生エネルギーによる発電が増えるだろう」と考えているわけです。 しかし、製造コスト、輸送コスト、電気代などありとあらゆるものにかかってくるので、コロナ禍の中、かなりの負担増になります。 さらに政府は、「2030年代半ばまでにガソリン車の販売を禁止する」方針を固めています。 あと15年で、全ての自動車を「EV(電気自動車)、HV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)」にするということです。 日本でいま走っている車の内、EVは0.7%なので相当な無理を強いることになります。 ◆カーボンニュートラルに対する各国の施策 これはヨーロッパを中心にした世界的な潮流でもあり、ドイツは、EV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車に対する補助金を最大9000ユーロ(約113万円)出しています。 イギリスは、2030年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止し、2035年までにハイブリッド車の販売をも禁止、他にも、フランスとカナダが2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止すると発表しています。 アメリカでは、カリフォルニア州が、2035年までにプラグインハイブリッド車も含めたガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止すると発表しました。 インドも、2030年には全ての新車販売をEV化すると発表しています。 ◆EV先進国「中国」の施策 しかし、そのEVの先進国は、「中国」です。中国は、世界最大の自動車市場で、2019年で約2500万台の自動車を販売しています。 アメリカが約1700万台、日本が約520万台なので、いかに中国市場が大きいかが分かります。 そして中国は電気自動車でも世界最大の販売国で、2019年には97万2000台のEVを販売しています。 EVは、ガソリンエンジンに比べて、構造が簡単なので、中国政府は、EVを製造する国内メーカーに補助金をつけ、メーカーの生産規模に応じて一定比率の新エネ車の生産を義務付けるなどして、自動車産業を育てました。 この背景には、きわめて深刻な大気汚染もあります。 北京・上海・広州などの大都市では、自動車のナンバープレートの取得自体が制限されていたり、北京市内においては、車のナンバー別で、曜日ごとに走行規制が行われています。 しかしEVの場合は、そうした規制はありません。 このように中国では、政府の保護政策で、たくさんの電気自動車メーカーが生まれることになりました。 (つづく) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 すべてを表示する « Previous 1 … 28 29 30 31 32 … 253 Next »