Home/ 新着一覧 新着一覧 「ザ・レイプ・オブ・南京」――「南京大虐殺」は、あったのか? 2014.06.14 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 今回は、中国系アメリカ人アイリス・チャン著『ザ・レイプ・オブ・南京』(1997年発刊)を中心に取り上げます。 南京虐殺に関しては、1980年前後あたりから日本でも保守派や左派からいろんな書籍が出版され話題になっていました。 『ザ・レイプ・オブ・南京』は、日本軍の30万人の虐殺と8万件のレイプ事件を告発したもので、世界でベストセラーになり「日本の南京大虐殺」を世界に広げた書籍です。 この書籍が世界的に日本を貶めることを意図して書かれているとしたら、これは大変なことです。同書が中国による南京大虐殺をユネスコの記憶遺産へ登録申請を後押しする結果になることは間違いありません。 そもそも著者のアイリス・チャン(1968~2004)は戦後アメリカ生まれで、同書は戦後50年以上たってから発刊されました。 「アイリス・チャンの本には、歴史学研究の方法的訓練を経験していないため資料批判の弱さや事実誤認の箇所も少なくない」(『南京事件と三光作戦』笠原十九司著・大月書房)という指摘もあります。 また秦郁彦氏は、アイリス・チャンは「日本語もドイツ語も読めず、チェックしてもらう一流の近現代史専門家との縁もない。」そんな状況で「この大テーマに取り組んだのだから惨憺たる出来栄えになっても不思議ではない」(『現代史争点』文芸春秋)と指摘しています。 ◆南京大虐殺の嘘を暴く「写真検証」「時間検証」 東中野氏は共著『南京事件「証拠写真」を検証する』(草思社)で『ザ・レイプ・オブ・南京』の証拠写真についても検証を加え捏造を暴いています。 たとえば、「影の方向が一致しない」「靴の方向が不自然」「刀を持っている足の出し方が反対」「南京戦は冬でありながら半袖」など「やらせ」「すりかえ」「合成」で南京周辺と推定できるものは一枚もなかったと分析しています。 「時間検証」としては、たとえば日本軍の南京入城は昭和12年ですが、写真に写っている97式装甲車は、昭和15年に熊本に初めて配備されたもので南京では当時生産されていませんでした。 「写真検証」「時間検証」という東中野氏らの検証は、アイリス・チャンに衝撃を与えたのか『ザ・レイプ・オブ・南京』の日本語版の発刊にも影響を与えています。 ◆霊言――新たな視点からの検証 もし亡くなったアイリス・チャン本人に聞くことが出来たらどうでしょうか。本人は今どう思っているのか、いま本人が証言することが出来たら、なんと言うのか聞きたいことはたくさんあります。 大川隆法総裁は、これまでも多数の偉人や聖人などの霊言をとおして、あの世があり人間の魂は永遠であることの証明しています。 そして6月12日、アイリス・チャン本人の霊を降ろしてインタビューしました。アイリス・チャン霊へのインタビューという新たなアプローチです。 【緊急発刊!】 『天に誓って『南京大虐殺』はあったのか』幸福の科学出版 「ザ・レイプ・オブ・南京」著者アイリス・チャンの霊言 http://info.happy-science.jp/2014/10750/ 謎の死から10年、日本人への涙の謝罪――「神よ、どうかお許し下さい」 私は「偽書」を書かされ、政治利用された――『ザ・レイプ・オブ・南京』発刊の背後にあった思惑 アイリス・チャンは本当に自殺だったのか!?――リアルに語られる死の真相 中国が南京大虐殺をユネスコの記憶遺産に登録申請 2014.06.13 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆中国が南京大虐殺をユネスコの記憶遺産に登録申請 中国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に南京大虐殺を登録申請するため慰安婦に関する資料とあわせ、今年3月にユネスコに申請書類を提出しました。 新華社は、南京大虐殺記念館などが当時の日記や写真、映画フィルム、旧日本軍の戦争犯罪を裁いた南京軍事法廷の記録文書など11組の資料を選んで申請し、ユネスコが7月に申請内容を公表すると報じています。(産経6/12) ユネスコの記憶遺産は、申請から決定までに通常約1年半かかり、文部科学省によると、登録申請の締め切りは西暦の各偶数年の3月末までで、中国が今年3月末までに申請していたとすれば、申請が認められるかどうかは来年の夏頃に決まる可能性が高いとのことです。 申請後はユネスコによる事務的な審査を経て、奇数年の5~8月に開かれる「ユネスコ記憶遺産国際諮問委員会」の審査を経て、最終的にユネスコ事務局長が可否を決定する。 (産経6/11) 中国外務省の華報道官はユネスコへの申請の目的について、「歴史を心に刻み、非人道的かつ人権を侵害する犯罪行為が、繰り返されることを防ぐためだ」と強調しています。(産経6/10) ◆日本を責める資格もない中国の蛮行 中国は、これまでも日本軍が南京市民30万人を虐殺したと主張してきました。しかし天安門事件でハンストを行い平和裏に民主化要求してきた学生や市民に発砲し戦車で蹂躙した中国に日本を非難する資格はありません。 中国共産党が天安門事件の死者数は数千とも万を超えるとも言われていますが、天安門事件そのものがなかったとし、自国軍が殺害した数字も満足に数えられない国が、なぜ70年前の日本軍による30万人虐殺を数えられるのでしょうか? またチベット、南モンゴル、ウイグルを侵略、大量粛清し、ウイグルの独立を求めた抵抗をテロ呼ばわりするような国の蛮行こそ、ユネスコの記憶遺産に登録申請されるべきです。 「非人道的かつ人権を侵害する犯罪行為が、繰り返されることを防ぐ」との中国外務省の華報道官の発言を、そっくりお返ししたいところです。 ちなみに、「ユネスコへの記憶遺産登録申請」は、政府に加え、地方自治体や民間団体、個人でも可能だそうです。(産経6/11) ◆南京大虐殺は本当にあったのか? では、南京大虐殺は本当にあったのか? 適切な言葉を使うとすれば、「南京戦はありました。戦争ですからそれによって死者もでました。しかし日本軍が南京市民を30万人も大虐殺した事件はありませんでした」ということになるでしょう。 当時、日本が南京を攻めた当初は銃撃戦があったのですが、その後、国民党軍は逃げ惑い、兵士の一部は市民のなかに隠れて「安全区」に逃げ込んだり、市民に化けて日本兵を襲う者もおりました。 兵士が市民に化けて戦うことは国際法で禁じられています。兵士はヘルメットを被っているため、額が日に焼けていません。日本軍は市民から兵士を見分けて、時には戦わざるを得えませんでした。 こうしたことが市民を虐殺したことと誤解されているのです。 ◆人間離れした日本兵 中国の言い分が真実だとすれば、以下のようになります。 (1)当時南京市民は20万人、日本軍は30万人殺した。つまり「人口以上の市民を殺す能力」を日本軍は持っていた。ユネスコではなく、中国の推薦で「世界珍記録」として登録されるべきである。 (2)当時、南京戦を戦った日本兵は5万人。30万人の市民を大虐殺したとすれば、1人で6人を殺したことになる。しかし、市民は「安全区」に非難しており、市街に人がいないにもかかわらず「あらゆる通りで人々を手当たり次第に射殺」した。 (3)米軍が広島に落とした原爆の死者は10万人。日本軍は30万人を殺戮する原爆3個分に匹敵する秘密兵器を持っていたのか。そんな秘密兵器を持っていたら、そもそも日本は負けるわけがない。 (4)日本軍は戦うだけでなく30万の遺体を一夜の間に片付けることができる能力を持っていた。もしかしたら宇宙人に遺体の回収を頼んだ・・・ (5)日本軍が30万人を虐殺したとすれば南京市内には誰もいないはずであるが、城内の「安全区」には20万人の市民であふれていた。中国人は殺されても生き返るのだろうか? 以上、虐殺数は大きな論点ですが、常識的に考えても30万人の虐殺はあり得ないことです。 中国がどんな資料をユネスコに持ち込んだのか、7月に公表されるとのことですが、中国は世界を巻き込んで日本包囲網を形成しようとしています。しかし中国の嘘は、必ずばれる時がきます! 次回は、世界でベストセラーになり日本の南京大虐殺「ザ・レイプ・オブ・南京」(アイリス・チャン著)等を取り上げながら別の視点で「南京大虐殺問題」を論じてみましょう。 年金制度改革に取り組み、新しい国家モデルを提示する 2014.06.12 文/HS政経塾1期生 伊藤のぞみ ◆公共事業が支える日本経済 4月から始まった消費税増税の景気悪化を緩和するため、政府が公共事業を前倒ししています。 5月の公共事業請負金額は、1兆4602億円(季節調整値)。伸び率は3月の3%、4月の5%から、5月は11%と大きく伸びています。(6月12日付け 日経新聞5面) 政府は景気対策に5.5兆円の補正予算を組んでいますが、昨年の補正予算10兆円と比較すると、圧倒的に減少しています。今年度後半からは、公共事業はマイナスになる見通しで、個人消費が回復を見ながら、さらに補正予算を増やす必要性も出てきます。 しかし、補正予算の5.5兆円は、消費税増税によって増える税収6兆円に迫る規模であり、これ以上の補正予算を組んだ場合、財政赤字はさらに悪化します。 「社会保障」を人質にとり、増税を行ないながら、結果的に財政が悪化するのであれば、何のための増税か問い直す必要があります。 ◆際限なく負担を増やすのか、給付を抑制するのか 今月発表された公的年金の財政検証で明らかになったように、現在の年金制度は維持できないことが明らかになっています。年金制度を維持するために、さらに負担を増やすのか、そうではなく、年金給付を抑制し、負担はこれ以上増やさないのか、選択しなければなりません。 学習院大学の鈴木亘教授の試算によると、国民年金、厚生年金ともに、2030年代には積立金が枯渇します。10パーセントの消費税では、高齢者の年金を負担しきれません。 政府はこの「不都合な真実」を隠しながら、消費税を決定してしまいました。残念ながら、負担と給付の説明をきちんとしないまま、少しずつ負担を増やしていく手法は、損失を隠しながら、さらに投資資金を集める悪徳金融業者と変わりありません。 政府は現在の年金制度を維持するために、将来的にはどれだけの負担が発生するのか明示する責任があります。 ◆年金制度を見直すべきとき 年金に関しては負担を増やすのではなく、給付を抑制することを考えるべきです。財政的な観点からだけでなく、人間のあり方を考えた上でも、それが本来のあり方ではないでしょうか。 60歳から年金が支給されるようになったのは、戦後からです。それまでは、徳川吉宗が江戸町奉行所の大岡忠相に命じて、小石川養成所などをつくっていますが、身寄りがなく、病気になった高齢者を対象としたものでした。すべての高齢者を対象としたものではありません。 また、上杉鷹山は老齢年金制度を始めていますが、年金を給付したのは90歳以上の高齢者に対してでした。江戸時代の平均余命は30代後半から40代前半であったと推計されていますので、90歳以上の高齢者の存在は、例外中の例外であり、年金というよりも報奨金に近いものであったことが分かります。 明治時代に入って、退職者に対し年金を支払う企業が出てきますが、平均余命が42歳であった時代、50歳以上の退職者に長年勤めてもらったことに報いるために、企業が年金を払うという状況でした。さらに、そういった企業は、国営企業を含めて数えられる程度でした。 企業でも藩でも、老齢年金を始めた団体は、責任がとれる範囲で年金を支給し、受け取る側は年金を受け取ることは想定しないで生きてきました。(平均余命よりも、年金を受け取れる年齢が高いため) 現在でも、年金だけでは生活できないご高齢の方は働かれているし、将来年金は支給されないだろうと考えている若者は、個人年金に加入しています。 第二次世界大戦が終わり、平和が続いた結果、先進国では財政的に余裕が出来て、年金制度が始まりましたが、平均余命が伸び、少子化が進んだ結果、想定しなかったリスクが年金財政に発生しています。 1973年の石油危機や景気停滞をきっかけに、多くの国々で社会保障改革が進んでいますが、日本を含め、ヨーロッパ各国も財政赤字の問題を抱えています。 日本が先陣をきって年金改革に取り組むことで、新しい国家のあり方を提示すべきです。 環太平洋合同演習「リムパック」に中国海軍参加、問われる日本 2014.06.11 文/HS政経塾2期生 服部まさみ ◆環太平洋合同演習「リムパック」とは何か 中国海軍が今月下旬からハワイ沖で始まる、米海軍主催の環太平洋合同演習「リムパック」に初めて参加することになりました。 「リムパック」とは、アメリカ太平洋艦隊第三艦隊が主催し、2年に1度、ハワイ周辺で実施される多国籍訓練です。 1971年に初めて実施され、80年には、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス海軍に加えて日本の海上自衛隊が始めて参加しました。90年以降は、参加国が20カ国以上に増え、2012年にはロシア海軍も初参加しています。 このように、最近の「リムパック」は中国海軍を除いた太平洋周辺諸国と米国の同盟国が加わった大規模な海洋軍事演習が行なわれ、「中国封じ込め」戦略の一環のようでした。 しかし、ここにきて中国海軍が参加することになりました。この気になる動きを日本はどのように捉えるべきなのでしょうか? ◆中国が「リムパック」に参加表明した背景 今年、中国が「リムパック」に初めて参加することになった背景には、米軍最高指導者層内部にも親中派的立場の勢力が力を持ち始めていることが理由としてあるようです。 北村 淳(アメリカ海軍アドバイザー・政治社会学博士)氏によると、2012年のリムパック終了後、当時のパネッタ国防長官が訪中する際に、ロックリア太平洋軍司令官が中国海軍をリムパックに招待するようにパネッタ長官に進言したといいます。 そして、その進言どおり、2013年4月に中国政府が正式に中国海軍の参加を表明し、多くの海軍関係者を驚かせました。 北村氏は、米軍といえども中国に対する大戦略の部分で決して一枚岩とは言えない状況であることを指摘しています。 米国には、「中国封じ込め政策派」と「関与政策派」の二つの立場があります。 「関与政策派」とは、簡単に述べると、中国海軍が巨大化していく、脅威を抑え込むのではなく、米中双方で対話を進めてしっかりとしたルールを作って協力しましょうという立場です。 前述したロックリア太平洋軍司令官や、ジョセフ・ナイ教授がその立場で政策を提言しています。 そして、「関与政策派」の提言どおりに「中国側にアメリカが封じ込めを意図していないことを理解させる」一環として、リムパックに中国海軍を招待し、米中軍事対話を積極的に押し進めています。 今、米国軍上層部には、親中派ともいえる「関与政策派」的勢力が力を強めていると考えられているのです。 ◆日本は集団的自衛権行使容認で米国との信頼関係を強化せよ 中国は、何年も前から積極的に米国政府、連邦議会、軍関係者、シンクタンクや大学の研究者などアメリカの中枢部に強力なロビー活動を行なってきました。 そうした国家戦略で情報戦やロビー活動を仕掛け、自国に都合の良い政策をアメリカに採らせようと必死になっている中国と、長期戦略がない日本とでは、すでに大きな差が開いてしまっています。 日本が中国に対抗できるようなロビー活動や情報戦を展開することはもちろんのことですが、もう一段、安全保障に関する信頼関係を米国と築いていかなければなりません。 そのためにも、現在、議論が続いている集団的自衛権の行使容認を早急に行ない、憲法改正まで進めていく必要があります。 「アメリカは日本と中国どちらを選ぶの?」「アメリカは尖閣諸島を守ってくれるの?」「北朝鮮の核ミサイルに対して、アメリカは何をしてくれるの?」と日本は何もしないで、アメリカの言動だけを頼りにし、国の行く末を決めてもらう。そんな状態をいつまで続けるのでしょうか? 日本が自分の国は自分で守るという確固とした姿勢をしっかりと示すことで、本当の意味での同盟国の信頼、国際的信用が得られるのではないでしょうか。 自分の国を守り抜く防衛能力を保つためには、それに見合った国防予算の見直しが必要不可欠です。 感情的な平和論や、政権の維持、選挙に勝つことだけを考えた意見に振り回されず、この国の平和と繁栄を築いていくために「今、本当に何が必要なのか」という問いに、国民ひとりひとりが真剣に向き合うべきときなのではないでしょうか。 幸福実現党はこの国と未来を守るために国防強化を訴え続けます。 これからの農政に必要な2つの踏み込み――日本の農業を成長産業にするために 2014.06.10 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆農業改革に本格的に動き出した自民党 安倍政権が農業改革に本腰を入れ、動き始めました。 具体的に、全国農業協同組合中央会(JA全中)の廃止・縮小や、農地の所有に関する審査を行う農業委員会の公選制、企業の農業生産法人への出資比率の大幅緩和など、政府の規制改革会議が5月にまとめていた改革案を大筋で容認し、農協法などの関連法の改正案を来年の通常国会に提出する方針となっております。 安倍政権は昨年、農業改革の手始めとして、2019年を目処にコメの減反政策の廃止を決定しましたが、今回は、農家の役に立っていないと批判されている農協の改革を中心に据え、農業における岩盤規制の本丸へメスを入れようとしています。 ◆踏み込みが足りない自民党の改革案 しかしながら、規制改革会議の素案に比べて、自民党の改革案の「踏み込み不足」は否めません。 一つ目は、「農協改革への踏み込み不足」です。 改革会議においては、JAグループの代表機能を持つJA全中や都道府県の中央会の「廃止」を打ち出していたにもかかわらず、自民党案では「現行の制度から自律的な新たな制度に移行する」とし、自己変革を促すという名目の玉虫色の文言に差し替わってしまいました。 JA全農の株式会社化については、改革会議での提言は「株式会社へ強制転換」でしたが、独占禁止法の適用除外がなくなる問題を精査する必要があるとし、前向きに検討するとはいえ、明言を避けています。 二つ目は、「企業の農地所有に関する踏み込み不足」が挙げられます。 確かに改革会議の提言通り、企業が農業生産法人に出資する際の比率を原則25%以下から50%未満に引き上げることを容認し、今までの厳しすぎる基準が大幅に緩和されました。 一方で事業を長期間続ける企業に対し、全額出資を認め、企業の農地所有を解禁するとした改革会議の案に関しては、5年後の検討課題として見送っています。 確かに2009年の農地法改正によって、農地貸し出しを自由化し、多くの法人が参入した実績はありますが、企業の農業への100%自由な参入に対しては、まだまだ壁が厚いことが示されたと言えます。 ◆「農家のための農協」という原点に戻れ 戦後GHQ主導による農地解放によって、地主制に代わり、戦後の農業・農村を主導したのは農協制でした。 確かに、農協の存在根拠となる農協法に定められた「農業生産力の増進」という立法趣旨は、食糧増産が必須だった終戦直後においては、短期的には守られたと言えます。 しかしそれ以降、「農業生産力の増進」や「農業従事者の経済的地位の向上」という当初の趣旨よりも、農協自体の発展が主眼に置かれてきました。 例えば、高米価を維持するために、減反政策を行ったことで、多くの兼業農家を誕生させ、農業だけで生きていこうとする農家ほど報われない不公平な仕組みを創り、逆に農業生産力を衰退させてしまった事例もあります。 そして今回、議論に上がっているJA全中は、全国の農協の頂点に立つ組織で、各農協への一律的な経営指導や監査を行う一方で、農協組織を集票マシーンと変え、戦後農政の発展を削いできた張本人と言えるでしょう。 改革会議案通り、JA全中の廃止を前提に、全国の農協組織をいったん株式会社化することで、農家が本当の意味で便益を得ることができる、農協の本来あるべき姿にまずは立ち返ることができるはずです。 ◆「農村の企業化」こそ、地方再生の切り札 また、日本の農業がホンモノの成長産業になるかどうかは、新しい担い手の登場が急務になっております。 それは、自由に農地を取得できる企業の出現をおいて他にありません。 日本のバイオ分野における技術力は世界的に見ても非常に高く、そうした智慧をマネジメントできるような企業を農業に参入させることで、世界的な農業企業を数多く生み出すことも期待されます。 農村の現場では、後継者問題や過疎化が深刻化されておりますが、本当にそうした問題を解決したいのならば、企業と対決してはいけません。 「農村の企業化」を促進していくことこそ、地域の雇用を創出し、若者を地方に呼び戻す力になるのです。 *YoutubeでWebチャンネル「中東熱風録」を配信中!中東の最新情報を分かりやすくお届けします!是非ブックマークにご登録ください! https://www.youtube.com/watch?v=tyO_ZupjhJg 「『中東熱風録・エジプト編②』 ~かつての親米国・エジプトは今・・・~」 日本繁栄の明暗を分ける教育改革!宗教教育導入に待ったなし! 2014.06.09 文/幸福実現党神奈川県本部副代表 HS政経塾4期生 壹岐愛子 ◆戦前の教育勅語を見直し 人格教育の重要性を訴える超党派の「人格教育向上議員連盟(仮称)」が近日発足されます。これは、1890年に発布された教育勅語を参考として、教育のあり方を根本から見つめ直すものです。 教育勅語とは、明治天皇により日本の教育の根幹を示すものとして明治23年(1890年)に発布されたものです。 当時、文明開化の風潮により西洋学が流入し、日本伝統の倫理道徳に関する教育が軽視される傾向にありました。これを危惧した明治天皇が道徳教育の根本的な規範として位置づけました。 今回政府が着目するのは、父母への孝行や、勤勉の精神、人格の向上などが述べられた12の徳目です。 ◆宗教を否定した戦後の教育基本法 しかし日本が先の大戦で敗戦、GHQ(連合国軍総司令部)が、「天皇の権力を復活させる」と問題視し、昭和23年(1948年)に学校教育から教育勅語は排除されました。 教育勅語の中に「国に危機があった場合に、勇気をもって国のため真心を尽くしましょう」という徳目が含まれており、これが国家神道体制下において軍国主義教育を生んだと判断されています。 戦後制定された教育勅語にかわる教育基本法では、「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない(九条二項)」と規定して宗教教育を否定しています。 戦前の日本の道徳教育では、しっかりと「人間の生き方」を教えることが含まれていました。 教育勅語にも、「広く全ての人に慈愛の手を差し伸べましょう」など基本的な教えが含まれています。このような道徳教育の源泉は宗教であり、神の御心を知ることが道徳教育の根本にあることを知らなければなりません。 良い宗教か悪い宗教かを判断せずに、宗教を教育に盛り込んでいない、現在の教育はあきらかに、日本に宗教アレルギーをつくっている原因の一つです。 ◆教育から国力の源泉である宗教を復活させよう 日本の教育改革に、道徳が盛り込まれた「教育勅語」のような人間として必要な正しい善悪の価値判断を含んだ宗教教育が必要です。 世界で起きている紛争や、宗教間の問題を解決することができる視点をもった新しい宗教の教えを取り入れていくことこそ、これからの日本に必要な教育ではないでしょうか。 安倍首相は第一次政権の際に教育基本法を改正し、「宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。(十五条)」と盛り込みました。 しかし、導入後も政権が民主党に変わったこともあり、公教育の場において大きな変革は見られませんでした。 今回の改革も、お題目で終わらせるのではなく、公教育に、宗教の偏見を打ち砕く改革を期待します。宗教を認めた上で、道徳教育をしなければ道徳はルールでしかありません。 宗教教育の上にこそ、日本の未来は開かれていくのです。 【参考】 6/13発刊!「早稲田大学創立者・大隈重信『大学教育の意義』を語る」 大川隆法著 幸福の科学出版 (日本の学校教育が取り戻すべき、宗教教育の重要性がわかります) http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1176 日本の繁栄のために克服すべき事 ~「小保方論文」撤回を受けて~ 2014.06.08 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆今、必要なのは「起業家」「成功者」を多数輩出すること 4月の消費増税以来、日本経済は不透明な状況が続いています。 物価は、消費税分の負担増が現実のものとなっているものの、株価は1万4千円~5千円台を維持しており、先行きに希望がなくなったわけでもなく、全体的に「様子見」の状態となっています。 さて、このような不透明な経済見通しの中で必要なことは、一人でも多くの「起業家」の輩出です。しかも単なるチャレンジャーではなく、成功する起業家の輩出こそが今、日本には求められています。 ユニクロの柳井氏、楽天の三木谷氏などは、経営上の課題は指摘されているものの、「成功者」として認められつつあります。こうしたタイプの方が次々と出てくる事が日本のGDPを押し上げ、雇用を増やすのです。 そうした意味で、教育においても、今後の国家の繁栄のためには、横並びの一律の人材を求めるのではなく、「周囲とは異質な自らの考えや発想を大切にし、事業を成功・発展させる起業家を一人でも多く輩出する」という気概が必要です。 ◆チャレンジ精神を失わせた二つの事件 しかし、残念ながら、現在の日本を見てみると、若者から「チャレンジャー」が出てくる様子がほとんど伺えません。なぜ、このような状態になってしまったのでしょうか。それは、いわゆるバブル期以降の二つの事件が大きく影響していると思われます。 一つが1980年代のバブル期に起きた江副浩正氏「リクルート事件」です。そしてもう一つが2000年代の堀江貴文氏に関連した「ライブドア事件」です。 いずれも、当時、新進気鋭の経営者としてマスコミをにぎわしつつ、事業を拡大させた日本経済成長の象徴的な存在であり、時代の寵児といえるような存在でありました。 それが突然、「犯罪者」として扱われたのですから、彼らに憧れを抱き、彼らのような起業家として立ち上がりたい、と思っていた多くの若者の希望を打ち砕く結果となってしまいました。 ◆STAP細胞を発見した小保方さんの業績をはっきりと認めよう さて、去る6月5日に「STAP細胞」を発見したことで、イギリスの科学誌「ネイチャー」に論文を発表した小保方晴子氏が、その論文の取り下げに同意したとの報道がありました。 今回の騒動となっているのは、論文の中にある「データや画像の処理」についての指摘であり、肝心な「STAP細胞が存在するのか否か」という事についての議論がほとんどなされていないことは、実に奇妙な現象でありました。 この発見は、生物学上では実に重大なはずなのですが、小保方氏が30歳代の女性である事、私学(早稲田大学)の出身であること、実験の時に「かっぽう着」を着用する事などが、大きな話題となりました。 以上指摘したことが、「異質」な事であり、しかも、今回の発見が従来の科学者たちの業績をゼロにする可能性があることから、日本での科学者の「ムラ社会」の中にいることは許されなくなったのかも知れません。 理研の見解として、論文が「捏造」されたものである、と結論付けていますが、かといって「STAP細胞」が存在していない、というところまで話は及んでおらず、小保方さんの業績を評価しようとしていないようです。 現在の日本では様々な形で「ムラ社会の中での嫉妬・イジメ」はよく聞く話ではありますが、トップクラスの科学研究所においても行なわれていたことは、実に衝撃的であります。 このままでは、日本で新たな分野にチャレンジする有望な人材が育つことはなく、海外へ流出する事になります。 優秀であり、かつ、国家へ貢献する人材を育成するには、業績は業績としてはっきりと認定しつつ、足りないところは「今後の課題」とするような寛容さが必要ではないかと思います。 ◆政治が繁栄ビジョンを掲げることが必要 さて、政治においても繁栄を創出する人材輩出のために、必要な課題があります。それは、次の時代に向けて、希望に満ちた、明るいビジョンを打ち出すことであります。 よく街中でお話を伺うと、「あまり贅沢をしてはいけない」「日本はこのままがよいのだ」というような、現状維持をよしとするような「清貧の思想」に近い考えを聞くことがありますが、残念ながらこのような現状維持を是とする考えが、経済発展を押しとどめる大きな力となっているのです。 1980年台のバブル期が単なる「バブル」で終わってしまったのは、当時の日本政府が、アメリカを超えても大丈夫なビジョンを打ち出すことができなかったことも大きく影響しています。 今後日本が、より大きな繁栄を実現するためには、国家としての繁栄のビジョンが必要なのです。それは日本が、世界のリーダーとなり、いわば人口が100億に達そうとしている中、人類を危機から救おうとする明確な役割を自覚する中でのビジョンでもあるのです。 そうした力強い国家の展望を私たち幸福実現党は持っています。目の前の一日を過すための政策もおろそかにしてはなりません。 しかし、それだけでは、国家としての進歩はないのです。90年代以降の「失われた20年」とは、いわば国家ビジョンがなかった日本が、漂流していく流れであったともいえるのです。 これからの日本を牽引していくのは、幸福実現党の繁栄のビジョンです。これによって、一人でも多くの起業家の輩出を願う社会つくり、教育が行なわれ、そして、そのビジョンが現実のものとなっていくのです。 【後編】「集団的自衛権」行使容認が必要な理由 2014.06.06 文/茨城県本部副代表 中村幸樹 『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点 ◆「集団的自衛権」に関連する4つのシミュレーション 『抑止力』は、完全に100%働くとは言いきれない面があります。 なぜなら、例えば中国がベトナムやフィリピンに侵略する場合、対処する側(ベトナム、フィリピン、アメリカ、日本等)に、撃退する「能力」と「意思」があっても、侵略を意志決定する中国指導者側の、情報不足、分析や判断のミス、自己保身、性格上の欠陥等により、「認知」が正しく行われないことがあるからです。 では、抑止が破れた場合、即ち、中国が、ベトナムやフィリピンと戦争状態になった場合、その後どのような展開になるのか、対処とその影響を含め、「集団的自衛権」との関連で、4通りのシミュレーションを考察してみます。 (1)日本が「集団的自衛権」を行使できる場合で、米軍が介入するシナリオ 米軍が介入した場合、兵器性能の圧倒的な差で、中国軍は撃退され、中国の侵略は頓挫します。日本の自衛隊は、米軍に積極的に協力し、日米関係はより緊密になり、日米同盟は強化されます。 その後の日本や他のアジア諸国への帝国主義的侵略にも、『抑止力』が強く働くようになります。国民の生命、安全、財産が護られ、投資基盤が安定することで、経済的発展にもつながります。 ASEAN諸国はもちろん、中東、アフリカなど、世界中で中国の横暴を嫌悪していた国々の、日本への信頼感は増し、正義の国家、徳あるリーダーとして、良き影響力を発揮できるようになります。 (2)日本が「集団的自衛権」を行使できる場合で、米軍が介入しないシナリオ 日本は、国際正義実現のために、米国に対し介入を説得し続けなければなりません。ベトナムとフィリピンは、戦力的に中国には勝てず、見過ごすままでは、ASEAN諸国は、次々と中国の手に堕ちていくからです。 日本は、米国の核抑止力(核の傘)が有効であると判断できる範囲で、多くの国々との連携も密にすべきです。通常戦力で日本が介入すれば、米国も介入せざるをえなくなります。さすれば、事態は収拾できます。 米国の核抑止力が有効でないと判断される場合は、早急に日本独自で核抑止力を持たねばなりません。(この核抑止力も含めた「自主防衛力」の考え方に関しては、別途、詳しく説明させていただきます。) 日本が愛と正義の立場を貫き、智慧でもって世界をリードしていく中に、世界の未来はあるのです。 (3)日本が「集団的自衛権」を行使できない場合で、米軍が介入するシナリオ ベトナム、フィリピンは救われ、アメリカは称賛されますが、日本に対するASEANのリーダーとしての信頼感は大きく失われます。 米国の国民が激昂するようなことになった場合は、「日米同盟」を破棄される原因にもなりえます。 かつて日本は「日英同盟」を結んでいましたが、第一次世界大戦での協力が不十分だったことが破棄の原因になり、それ以降、アメリカの排日政策は激化し、日米開戦につながっていったことを教訓にするべきです。 「日米同盟」が解消された場合には、核抑止力を持たない日本は、中国に飲み込まれ、チベットやウイグルのように、日本国は消滅し、日本国民の自由、人権、幸福は失われます。 核兵器の脅しと使用に対しては、米軍なくしては抑止が効かず、降伏するしかないからです。 そうならない場合でも、中国の覇権を嫌う米国が日本を再占領するか、日本を戦場として米中が戦うか、米中ソで日本を分けるか、といったシナリオになります。 (4)日本が「集団的自衛権」を行使できない場合で、米軍が介入しないシナリオ アメリカの「神の正義、世界正義」の信頼は失われます。 アメリカが途中で回心しない限り、ベトナム、フィリピンはもちろん、アジア諸国から世界全体に至るまで、次々と中国の傘下に入っていき、粛清、強制収容所、侵略主義的覇権主義が世界にはびこることになります。 日本はシーレーンを中国に押さえられ、石油や各種資源の確保は、中国の支配下に置かれ、経済的に搾取される中、アメリカからは、弱って頼りにならない日本は見捨てよう、ということになり、日本国は消滅、中国の圧政下に置かれます。 ◆「集団的自衛権」行使容認が、日本と世界の生き筋 結局、日本は、「帝国主義的侵略を目差している無神論・唯物論の国家に対しては、毅然として対処すべし」ということです。 「集団的自衛権」を行使可能とすることが、不当な侵略主義を許さず(勝つべくして勝つ)、様々な攻撃や謀略への適切な対処を可能とし(不敗の地に立つ)、日本が「平和と正義の守護神」として「世界の恒久平和のために尽くす」リーダー国家になる(勢いに乗じる)道を開きます。 この「積極的平和」の道が、日本の生き筋であり、世界の生き筋だということです。 【前篇】「集団的自衛権」行使容認が必要な理由 2014.06.05 文/茨城県本部副代表 中村幸樹 『抑止力』の観点 ◆戦争と善悪の智慧 現在の日本にとって、安全保障上、最も脅威となっている国は中国です。 まず前提として、自国民にさえ信教や言論の自由を許さず、人権蹂躙、弾圧を繰り広げる中国が他国をも不幸に陥れる侵略戦争は悪であり、その横暴を防ぎ、人々の幸福を護ることは善であることを押さえたいと思います。 「侵略戦争に対する防衛の戦いも悪」であれば、「善悪を判断する智慧がない」「神仏の心がわからない」ということであり、悪への屈従や隷属、奴隷の平和になりかねないものです。 ◆具体的シミュレーションによる「集団的自衛権」の考察 パラセル諸島やスプラトリー諸島に、威嚇、強制、実力行使を重ねる中国は、ベトナム、フィリピンに、本格的な侵略戦争を起こす可能性も考えられます。 この情勢を例にとって、なぜ、「集団的自衛権」の行使容認が必要なのかを説明いたします。 第一に『抑止力』の観点から、第二に『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点から、確認していきます。 『抑止力』とは、「達成が困難、又は許容できない代償(結果への恐怖)を予見させ、侵略を思い止まらせる力」です。 『抑止力』は、三つの要因、即ち、①「能力」、②その能力を行使する「意思」、③その能力と意思が相手に伝わり「認知」されること、で達成が可能となります。 ◆日本が「集団的自衛権」を行使できる場合の『抑止力』 日本は、アメリカに対して、「ベトナムやフィリピンへの安全保障の使命と責任を果たして下さい。日本もアメリカと共にその正義の使命を遂行します。」と、アメリカの「意思」に対して、強い影響を与えることができるようになります。 中国は、アメリカの介入の「意思」を高く見積もり、日本の介入の「意思」も、「認知」せざるをえなくなります。 中国軍は、現時点では、米軍に対して、通常戦力も核戦力も全く歯が立たず、対自衛隊でも、通常戦力だけでは勝てません。量は多くとも、兵器と訓練の質が劣るからです。この「能力」差は、中国軍はかなり「認知」しています。 中国は、米軍と自衛隊の介入を想定することで、侵略意欲が大きく削がれることになります。 「集団的自衛権」の行使容認は、『抑止力』を格段に増大させ、中国の侵略を未然に防ぐ大きな力になるということです。 ◆日本が「集団的自衛権」を行使できない場合の『抑止力』 世界の警察官から引きつつあるアメリカに対して、「日本は協力しないが、アメリカは他国への国際責任を果たしてほしい」では、説得力がありません。 日本の「集団的自衛権」行使不可は、アメリカの正義の介入「意思」を弱める方向に働きます。 中国は、日本の「能力」と「意思」は無視していいことになり、アメリカの介入「意思」が弱まる方向に、三戦(世論戦、心理戦、法律戦)を駆使し、機を見て侵略することを狙います。 「優位戦」とは、こちらが主導権を握って“戦場”を選び、攻めることも守ることも自在、戦いの手段、ルールから、勝利や敗北の定義まで決められる立場から仕掛ける戦いで、「劣後戦」はそれらのイニシアティブがない立場からの戦いを言います。 中国が「優位戦」をしやすく、日本と米国が「劣位戦」に陥りやすいため、『抑止力』が弱まる選択が、「集団的自衛権」行使不可です。 逆に、日本と米国が「優位戦」を展開しやすいため、中国が「劣後戦」に甘んじやすく、『抑止力』が強く働く選択が、「集団的自衛権」行使容認なのです。 次回は、『抑止が破れた場合の対処とその影響』の観点から述べてみたいと思います。 対ロシア外交に必要な、対外発信と日本国内の理解 2014.06.04 文責/HS政経塾第2期卒塾生 曽我周作 ◆安倍首相の対中国発言 シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で安倍首相が「アジアと世界の平和を確かなものとするため、これまでにも増した積極的な役割を果たす」と発言、またアメリカのヘーゲル国防長官も中国を念頭に「米国は見て見ぬふりをしない」と明言するなど、中国に対して包囲網の形成が進みつつあります。 オバマ政権に対しては、アジアへのリバランスの本気度を懸念する声がありますが、この会議の成果はおおむね評価されているようです。 ◆日本とロシアの連携 日本としては、対中包囲網形成の際にロシアとの関係をいかに有効に保つかということは非常に重要であると考えられます。 しかし、特に現在はウクライナ問題もあり、日ロ友好推進をアメリカは快くは思わない状況にあります。また、日本国内においてもロシアとの連携強化が訴えられるのは極めて稀です しかし、情報筋によると「ここ数週、ロシアと中国との間の大規模な武器売却の話題が、にわかに注目を集めている」とのことで、ロシアの軍事技術が中国に流れることは非常に由々しき事態であるといえます。 中国にとって、ロシアの軍事技術はとても獲得したいものでしょう。 結局、孤立を深めた両国が接近しているわけですが、日本としては、この両国があまりに深く結びつくことは、日本のみならず国際社会にとって非常に憂慮すべき事態であることを訴え続ける必要があるでしょう。 ◆日本の対ロシア戦略 幾分トーンダウンしたとはいえ、アメリカの言論はロシアに対して厳しい意見であることは変わりありません。 できれば日本がアメリカとロシアの仲介にたち、両者の対話が実現するよう、G8の枠組みを利用するなど(G8の維持も含め)努力すべきではないでしょうか。 相互不信の中で状況がエスカレートすることが懸念されます。ただ、ロシアと中国は決して蜜月関係にあるわけではありません。 プーチン大統領の本音は日本との関係強化を望んでいるはずです。 「我々は話し合う準備が整っている。日本の用意ができているかどうかはまだ分からない」とプーチン大統領が5月24日発言したかと思えば、またプーチン大統領の側近であるロシアの下院議長が来日し、「北方領土問題を巡って日本側と協議する可能性を示唆」したと報じられています。 (テレビ朝日http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000028093.html) ロシアは今経済が非常に厳しく、ロシアの産業強化には日本の力が必要なのです。 日本にとっても、中ロ接近を防ぎたいということもありますし、ロシアからパイプラインを敷設するなどし、安い値段で天然ガスを輸入することができればとても大きなことであります。 ◆ロシアとの平和条約締結と対中抑止力 さて、ではロシアとの平和条約締結に必要な北方領土問題について、返還は4島同時になるのかというと、それは分かりません。 ロシアのプーチン大統領がいかなる提案をしてくるか予断を許しませんし、今政府はどのラインで妥協できるのかを探っているのかもしれません。 しかし、私は日本国内のロシアに対する理解度が不足しているのではないかと感じます。政府は、日本国民のロシアへの理解を高めるための発信を増やすことが必要です。 またロシアとの友好関係の重要性を政府がしっかりと国民に訴えておかなければ、北方領土問題の解決にあたる交渉において、両国が同意に至ることができないことを懸念します。 対外的に対ロシア関係の重要性を訴えるのと同時に、日本国内においても同様の努力を重ねておくことが、ロシアとの平和条約締結と対中抑止力の向上にとって非常に重要なことであると思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 150 151 152 153 154 … 253 Next »