Home/ 新着一覧 新着一覧 東京大空襲を計画・実行した米空軍司令官の罪は許されるのか 2015.02.20 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆「南京大虐殺」「従軍慰安婦」登録審査が迫っている 今年2015年は、戦後70周年という区切りの年です。世界各国で、様々なイベントが予定されていますが、中国は習近平国家主席を中心として、さらなる反日キャンペーンを広げようとしています。 その大きな柱が、ユネスコの世界記憶遺産への、いわゆる「南京大虐殺」「従軍慰安婦」問題の登録です。現時点の情報によると、ユネスコ内部での議論を通じて、今年の7月までに最終的な登録の判断がなされます。 私たち幸福実現党は、元々「南京大虐殺」「従軍慰安婦」なる存在はなかった事を訴えつつ、ユネスコ世界記憶遺産登録についても断固阻止するための署名活動も行っています。 ◆「南京大虐殺」で松井石根大将が問われた罪とは 「南京大虐殺」は、戦後の東京裁判において、日本軍の司令官であった松井石根大将を被告として裁かれましたが、その罪はA級戦犯「平和に対する罪」ではなく、B級「人道に対する罪」として有罪とされたものです。 これは「罪のない一般市民や捕虜などに対して、残虐な行為をした」という事で、松井大将は、現場で直接関わったわけではありませんが、部下の残虐な行為を止めなかったという事が罪とされています。 以前もお伝えいたしましたが、当時の日本軍は、元々武士道精神の行き届いた軍律の厳しい軍隊であった事や、国際社会からの孤立を防ぐために、南京占領下での軍政についても、現地の一般市民に対して最大の配慮を行っており、このような歴史のねつ造を受け入れるわけにはいきません。 HRPニュース「南京大虐殺」首謀者として裁かれた松井石根大将 http://hrp-newsfile.jp/2014/1591/ 松井大将は、戦後、「裁判」という一見正当性のあるような価値判断の中で、「人道に反する行為」として裁かれましたが、このような形で、米国など連合国側は「日本人性悪説」を徹底的に植えつけ、戦後の日本人に悪い影響を与え続けました。 ◆東京大空襲を計画した司令長官ルメイ氏 さて、戦後の東京裁判で「南京大虐殺」が「人道に反する行為」であったとの判断で極刑の判決が下ったのですが、ならば、大東亜戦争の中で明確な統計として、一夜で10万人もの死者を出した「東京大空襲」について「人道に反する行為」に該当するのではないか、という疑問が出てきます。 元は、米空軍のみならず世界的にも「昼間精密爆撃」と言う視野の明瞭な昼間の時間対に特定の軍需工場など「ピンポイント」での爆撃が常識とされていました。人道的な観点からすれば当たり前の考えでありますが、大東亜戦争末期、米軍の方針変更により「地域爆撃」(いわゆる絨毯爆撃)に切り替わりました。 米軍は、日本には木造の家が多いために、火災が起きやすい「焼夷弾」が有効であることを理解しており、昭和18年の米軍内部のリポートでは『住宅密集地域に焼夷弾を投下して火災をおこし、住宅と工場も一緒に焼き尽くすのが最適の爆撃方法』であるとの見解を得ていました。 さらに、空爆目標の日本全国20都市を選定し、東京、川崎、横浜など10都市については焼夷弾爆撃の有効度により地域を区分していたのです。 当初、空軍の司令官は「精密爆撃」のエキスパートとして知られていたハンセル准将でしたが、上記米政府の「無差別爆撃」への方針変更と時期を一にするかのように、昭和20年1月21日、カーチス・ルメイ氏への司令官交代が発令されました。 ◆B29での爆撃、統計として10万人が虐殺された ルメイ氏は、米軍の重要な作戦として東京大空襲を企画、実行しました。明確に「東京を焼野原にする」という目的を持って、昭和20年3月10日、325機のB29を投入し、約2千メートルという極めて低い高度から38万発、1,783トンという大量の焼夷弾を投下しました。この焼夷弾も日本家屋が燃えやすくなるように「改良」されたものでした。 一般市民の被害が出ることを明確に意図したもので、冒頭に掲げた「南京大虐殺」が、「人道的な観点」からの犯罪という事であれば、東京裁判において、「東京大空襲」に関わったルメイ氏がなぜ告発されなかったのか、おかしくはないでしょうか。 東京裁判が「勝者が敗者を裁く」という事を掲げたのであれば理解できますが、「平和を壊した」「人道的に許されない行為を行った」という大義名分を掲げる以上、ルメイ氏は、松井大将の如く告発されるべきであります。 少なくとも、南京大虐殺とは異なり、東京大空襲はその作戦の目的及び経過、さらにその死者についてもはっきりと約10万人という事が記録されているのです。 現代、日本の安全保障は、米国との同盟に大きくゆだねられておりかつ、欧米の自由・繁栄の考えを受け入れたことが結果として、繁栄という形になったのは事実で、今後もその外交政策を変える必要はありません。 しかし、今後の日本が進めるべき国家のビジョン、「世界のリーダー」となるべき将来像を考えると、もうそろそろ東京大空襲についての「総括」も必要ではないか、と感じるものです。 ◆日本の誇りを取り戻すための署名活動にご理解を そうした中、私たち幸福実現党は、一昨年より「日本の誇りを取り戻す」ための活動を展開してまいりました。その影響で、政府は河野談話の見直し、今年は安倍新談話の発表など、大きく前進しています。 そして、昨年より中国によるユネスコ世界記憶遺産登録への反対の署名活動を展開しています。先ほどまでお伝えした通り、事実無根でねつ造された歴史を国際的な常識とされる事には、断固反対の声をあげなければなりません。 これは、国家の長期的な戦略からも大切な事だと考えます。ぜひ、一人でも多くの方の署名活動へのご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。 中国による「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し日本政府に万全の措置を求める署名 http://info.hr-party.jp/2014/3159/ 先の大戦で情報戦に敗北した日本 2015.02.19 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆日本とアメリカを戦わせようとした中国の工作 今年で戦後70年を迎え、日本は二度と戦争をしないために、戦争に巻き込まれたいために昭和という時代を総括する必要があるのではないでしょうか。 戦争というものは、銃弾が飛んでくる前に、各国の様々な思惑があり水面下ではそれぞれの国が諜報活動や工作活動が行われています。 それが目に見える形で外交交渉としてニュースで報道されるわけです。しかしその外交交渉が決裂すればそれが戦争になる場合もあります。 先の大戦も、日本の突然の真珠湾攻撃から戦争が始まったわけではありません。 戦争が始まる前に、日本はABCD包囲網を築かれ、つまりアメリカを中心に、イギリス、オランダ、中国が日本への石油を止めたという背景があったことを知る必要があります。 日本はアメリカとの戦争を避けるため外交交渉を行いましたが、それが決裂して日本は戦争をせざるを得ない状況に追い込まれたのです。これは近年多くの識者が指摘してきたことです。 実は、そのアメリカとの外交交渉が決裂する前に、水面下では中国が日本とアメリカを戦わせようとする工作活動が行われていました。 ◆中国の日本叩きを指摘した若杉要ニューヨーク総領事 先の大戦で日本とアメリカとの戦争が始まる前、日本と中国国民党政府の衝突の渦中にあった昭和13年7月20日、若杉要ニューヨーク総領事が外務大臣宛に『当地方ニ於ケル支那側宣伝ニ関スル件』という報告書を出しています。 その報告では、中国擁護の反日宣伝の核になっている組織は「中国国民党系」、それから「米国共産党」だと指摘し適し、その後、アメリカは、若杉ニューヨーク総領事が懸念したように日米通商条約の破棄を通告してきました。 そして、その「反日工作はあなどりがたいほど成功を収めている」と結論づけています。 若杉ニューヨーク総領事は、個人的にアメリカで行われている中国の工作活動をつかみ、当時の日本政府に報告書を出して警告したのです。 中国の蒋介石政権の軍事援助を表明しました。さらに昭和15年1月25日にも若杉ニューヨーク総領事は、第2次近衛内閣の松岡外務大臣に対して、米国内の反日運動について報告をしています。しかし日本政府は適切な対応を取ることはありませんでした。 この時に当時のルーズベルト大統領へ中国の「日本と米国の関係を分断する工作」を明らかにしそれに踊らされて日米の関係を悪化させないよう適切な対応をしておけば、戦争にはならなかった可能性もあります。 結局、こうした反日工作が、日本をアメリカとの戦争に巻き込んでいったのです。これは日本の「情報戦の敗北」と言えます。 ◆戦争を避けるために必要な「情報組織」 日本とアメリカを戦争に巻き込む工作は当時、ソ連やイギリスも行っていましたが、若杉ニューヨーク総領事が、反日運動は「アメリカ共産党」がもたらしたものであるという指摘は、昭和の歴史を総括する上で大変重要なことです。 実は、このアメリカにおける反日運動は今でも続いているのです。「慰安婦像」が次々とアメリカにできていますが、韓国系だけではなく、これも裏では中国の反日団体が裏で糸を引いています。 ですから、この戦後70年たった今でも、日本は国際的な反日運動にどう対処するのか正念場を迎えているという認識を持つ必要があります。 そういた意味でも「情報組織」を持つことは、戦争をするのではなく、戦争を避けるために必要なことなのです。 「日本版CIA」の創設に向けた第1歩を! 2015.02.18 文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ ◆主要国に存在し、日本に欠けているもの 日本人二人が「イスラム国」に殺害された事件を受けて、今国会の中で安倍首相は、日本版CIAのような情報機関の必要性を訴えています。 2年前のアルジェリア人質事件と同様に、今回も日本政府の危機管理に対する様々な問題点が浮き彫りになりました。 特に、現地の情報収集については外国政府や海外の情報機関を頼るしかありませんでした。本来なら主要国が必ず持っているCIA(米中央情報局)のような独立した情報機関が日本には存在しません。 なぜなら、GHQの占領政策においてマッカーサーは、日本に情報機関だけは絶対に作らせようとしなかったからです。 日本が二度と大国として立ち上がれないようにするために、情報機関を奪うことによって、いくら「軍隊」を持っても目と耳の部分を米国に完全に依存させ、自立できないようにしたのです。 また、日本国民の間にも「情報機関=国民を弾圧・監視する組織、スパイや暗殺を行う裏の組織」というイメージが根強くあり、タブー視されていました。 そのため、日本版CIAの必要性は何度も議論されながらも未だ設置されていません。 ◆日本の現状と欧米との比較 日本の情報活動は、内閣情報調査室が情報収集衛星による画像を収集し、防衛省は通信傍受やレーダーなど軍事的な情報収集で、外務省は在外公館などから外国の情報を集め、警察や公安が主に国内の情報を収集しています。 主要国の情報機関には情報収集を専門に行う組織が存在し、日々、世界中で情報収集活動を行っています。欧米の情報機関は、その国の軍隊のおよそ5~15%の人員と予算が割かれています。 米国では20万人の人員と800億ドル(約7兆円)もの予算が投入され、イギリスでは1.6万人、約2800億円の予算が割り当てられているのです。 それに比べて日本は、5000人、1500億円ぐらいが情報活動の予算に割かれていると考えられていますが、これは自衛隊の約2%の規模であり、欧米に比べてもかなり小さいのが現状です。 ◆日本版CIA創設に向けて日本が行うべきこと 例え、莫大な予算をつぎ込み、日本版CIAが創設されたとしても、それが機能するようになるまでに10年単位の時間がかかると言われています。だからこそ、早急に議論し、日本に合った情報機関を作り始める必要があります。 そのためにまず、日本が行うべきことは以下の三点であると考えます。 (1)情報分析能力の強化 日本がいきなりCIA(米国中央情報局)やMI6(英国秘密情報部)のような機関を設置するのは不可能に近いので、まずは情報分析の能力を強化することです。これは、集めた情報を正しく分析し、質の高い情報を持つことです。 「情報機関」というと「007」やスパイもの、宣伝工作など裏側の恐ろしい世界だというイメージが強いですが、決してそのような活動ばかりではありません。 情報機関の役割とは、情報を収集し、質の高い情報を持つことで各国の情報機関と世界中の情報を交換することにあります。 例えば、外交官は外交官同士で情報をやり取りし、警察官は警察官同士、軍人は軍人同士でやり取りします。CIAのような情報機関は情報機関同士でやり取りするのです。 日本もまずは小規模でも独立した情報機関を設置し、質の高い情報を持つことで、十分に世界の情報機関とのやり取りが可能になります。 情報収集もスパイや盗聴をイメージしがちですが、実は各国の情報機関が集める情報の90~95%は、新聞やインターネットなどから得られる公開情報なのです。 世界中の公開情報をベースにして、そこからより質の高い情報を得るための選別や分析の技術に各国は莫大な予算や優秀な人材をつぎ込んでいるのです。 しかし、日本は内閣情報調査室で6人ほどの分析官が細々と国の情報を分析しているのが現状です。ここに、各省庁や民間の研究機関などから有益な情報を生み出す智慧を持った人材を集め、分析能力を高めていく組織を作ることが先決です。 (2)専門家の育成 また、組織やシステムを機能させるためには、優秀な人材が必要です。分析官に必要な人材は、語学や地域情勢に明るく、統計解析の技術に長けている者が望ましいとされ、欧米の情報機関では歴史家や国際政治学者が名分析官となっている例が多いようです。 主要国には情報機関が必要な専門家を育成する研究機関や大学が多いが日本には存在しないため、早急に対応していく必要があります。 (3)対日工作の防衛 日本の国家機密や最先端技術が簡単に外国のスパイに流れたり、日本のマスコミを使った宣伝工作など「スパイ天国」として対日工作を世界中から仕掛けられています。このままでは、いずれ日本の国を丸ごと失ってしまうことになりかねません。 日本の国益を守るために、「スパイ防止法」や「特定秘密保護法」などの更なる法整備が不可欠です。そして、何よりもこの国の政治家、マスコミ、国民一人一人がインテリジェンス分野に対する健全な理解を持つことが最重要課題なのです。 日本は「元」襲来に備えた戦略と「円」国際化構想を持て 2015.02.17 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆人民元が狙う国際通貨の地位 今から約1年半前、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立構想を発表しました。本部は北京、総裁は中国人、最大の出資国は中国政府となり、2015年中の運営開始が予定されております。 2020年までに8兆ドルとも言われるアジアのインフラ需要に応えるべく、GDP世界第2位の中国が主導で、世界銀行やアジア開発銀行を補完する長期の信用供与機関が設立されます。 その他にもBRICsの5か国の共同出資による新開発銀行や上海協力機構開発銀行、また「中国版マーシャルプラン」とも言われる400億ドルの「シルクロード基金」の設立など、中国は対外的な経済政策に躍起になっております。 こうした対外経済政策を進める中国の狙いは経済援助を通じて、親中派の国を増やしていくことばかりではありません。 2008年のリーマン・ショック以降、中国はアジアやラテンアメリカ諸国と、そして2011年にはイギリスと人民元建ての通貨スワップ協定を結びました。 中国の狙いはGDP第2位の経済力を使って、人民元の国際化を推し進めることなのです。 世界で人民元建ての資産を持つ企業や金融機関が増えれば、元建てを隠れ蓑にした米国発の金融制裁回避ルートができ、また「元建て資産の凍結」という強力なカードを中国は手にすることになるため、人民元の国際化は中国の覇権戦略の重要な一角であると考えられます。 むろん現在、人民元の為替レートは政府・中銀に管理され、資本取引は厳しく規制されているため、人民元が即座に国際通貨となることは考えられません。 しかし、元建ての貿易決済額は、円のそれを2013年に抜き、2014年にはその差が倍に開いています。さらに2013年に0.63%だった国際銀行間の決済通貨としての人民元のシェアは2014年10月時点で1.69%となり、すでに国際通貨である円の2.91%に迫る勢いをみせております(ドルは43.5%)。 ◆日本は円の国際化戦略を復活させよ 現在、各国の外貨準備やIMFを構成する資産として使われている国際通貨はドル、ユーロ、ポンド、円の4種ですが、円の各種国際シェアはドルやユーロと比べると、低い地位に甘んじております。 90年代、かつて日本にも円の国際化が活発に議論されていた時期もありましたが、バブル崩壊後の不良債権処理に予想以上に長く悩まされ、またBIS規制等、米英発のグローバル・スタンダードに必要以上に屈したため、いまやほとんど円国際化の議論が聞かれることはありません。 しかし、2008年のリーマン・ショック以降、米国市場、米ドル一極支配の国際金融秩序は各国からの疑念に晒され、その間隙を突いて中国が新たな金融秩序を形成しようとしているのです。 日本は国益追求の観点からだけでなく、アジアや世界の安定の観点から、改めて円国際化の構想を復活させるべきです。 ◆日本がやるべきこと ではそのために日本として政策的に何を推し進めれば良いのでしょうか。 ここでは一点に絞り、政策投資銀行や国際協力銀行といった政府系金融機関の資本を強化し、長期の信用供与を担う金融機関として、円国際化のためにフル活用していくことを提言いたします。 各種民営化政策が推進された小泉政権下では、2012年~14年を目途に政策投資銀行も完全民営化することが決まりましたが、現在、諸般の事情があって、その時期は5~7年程、延期されました。 しかし、これは時代の逆行ではなく、むしろ民営化は見送りとし、民間では出来ない長期の信用供与、国家プロジェクト的な案件を担っていくことを政府系金融機関のミッションとして改めて定め、資本増強を図っていくべきだと筆者は考えます。 実際、政投銀はメタンハイドレードの探査のために三井海洋開発(株)に1兆円の融資枠を設けるなど、民間の金融機関では負えないリスクを引受けております。 同じく円の国際化推進や「元」襲来を防ぐために、政府系金融機関が果たすべき公的な役割は大きいと考えます。 例えば円国際化のためには、東京市場でアジア通貨建ての債券や証券、金融商品が活発に取引されている状況をつくっていく必要がありますが、政府系金融機関を先導役とすることで、そうした金融市場の整備を需要面から支えていくことができます。 また「中国バブル崩壊対策」を打ち出して、中国から日本国内や東南アジアへ工場や営業所の撤退を考えている日本企業を資金面から支援していくこともできるでしょう。 日本にはアジアや世界の金融秩序を安定化させる使命があります。こうした政策を打ち出すことで、日本は「元」襲来、そして円国際化の進展を推し進めていくべきです。 TPPと畜産業の発展について――牛肉編 2015.02.16 文/HS政経塾4期生・鹿児島県本部 副代表 松澤 力 ◆TPP交渉 最終局面へ 2月12日、甘利経済再生担当相は衆参両院本会議の経済演説で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関して「交渉の終局が明確になりつつある」とし、TPP交渉が最終局面に入ったとの認識を示しました。 日本の畜産品関税を巡るTPP交渉は、牛肉の関税を10年以上かけて現在の38.5%から9%程度に下げる方向になりつつあります。 また豚肉は、最も安い価格帯にかける1キロ当たり482円の関税を50円程度にする調整が続いています。いずれも、輸入が急増した際には、一定水準まで関税を戻す「緊急輸入制限(セーフガード)」を導入する方針です。(2/4 毎日新聞) 政府は、輸入制限を発動する基準となる輸入量について、米国などの国別ではなく、参加国全体で定める案を検討しています。 牛肉は近年、年間50万トン程度を輸入しており、そのうちオーストラリアからは約30万トン、米国からは約10万トンなど、ほとんどの牛肉の輸入をTPP交渉参加国が占めています。 輸入制限の基準輸入量は、近年の輸入実績を一定程度上回る、全体で50万トン程度が目安となる見込みです。 TPPについて、日本政府は様々な交渉を進めてきました。また今年1月15日には、日本とオーストラリアでEPA(経済連携協定)が発効され、オーストラリア産牛肉を輸入するときの関税が下がるなど、牛肉の貿易自由化の流れが前進している状況です。 ◆冷静に考えるべき、国産牛肉へのTPP影響 農林水産省の試算では、関税撤廃により輸入牛肉と国産牛肉の価格競争で、国産牛肉の生産減少額は、肉質3等級以下が約3,700億円、品質の高い肉質4等・5等級が約800億円で、国産牛肉減少額を合計約4,500億円と試算しています。 国産牛肉生産額の約4,600億円のほとんどが、非常に大きな影響を受ける試算です。 ただ、キャノングローバル戦略研究所の山下研究主幹は、異なる試算をしています。 注目しているのは、1991年に輸入牛肉関税を70%から、ほぼ半分の38.5%に削減したときのデータです。実は、輸入牛肉の関税削減後も、和牛生産量は拡大しています。(2003年度 137千トン⇒ 2012年度 171千トン)牛肉を自由化して以降も、日本の牛肉業界の方々は肉質を良くする努力・工夫を続けてこられました。 そのため、品質の高い和牛や交雑種は、輸入牛肉とは競合しないとみられています。品質の低い国産牛肉の一部は影響があるとみられていますが、TPP影響は限定的に考えられています。 山下研究主幹は、TPPによる国産牛肉の減少額を約500億円と試算しています。また、混合飼料関連の関税撤廃が実現すれば、国産牛肉の飼料コストが10%ほど削減される見込みです。 TPPの影響については非常に感情的な議論となるケースもありますが、やはり冷静に考え、過去のデータやTPPのメリットについても、しっかりと目を向ける必要があると考えます。 ◆極上和牛の大量生産に成功「農業生産法人のざき」 国産牛肉へのTPP影響額の試算に大小はありますが、牛肉の貿易自由化の流れの中で、やはり畜産業へ高い国際競争力が求められていく方向は避けられない状況です。 そのような状況の中で、極上和牛の大量生産に成功している企業があります。その企業とは、先日のカンブリア宮殿(テレビ東京)でも紹介された「農業生産法人のざき」という会社です。私の地元、鹿児島県薩摩川内市にある企業です。 この企業では、日本で初めて「のざき牛」という個人の名前をブランド名にした牛肉を売り出し、東京・恵比寿の外資系高級ホテル・ウェスティンの最上階にある鉄板焼店で絶大な人気を得るなど、国内外の小売店や飲食店で幅広い支持を得ています。 東京食肉市場 牛肉コンテストでも、最高賞を史上初の3回受賞しています。それだけ品質の高い牛肉を、「のざき」では、わずか15人で一般的な肥育会社の100倍近い4,800頭もの和牛を生産しています。 この企業の非常に優れた取り組みは、大きく3点あります。 1点目は、徹底的に効率化された肥育法です。牛の飼料作りや糞の清掃など、日々の負担の重い作業には、専門業者を積極的に導入して従業員の負担を軽減しています。また、牛舎を工夫し、飼料を牛舎内で運ぶ必要の無いつくりにしています。 2点目は、牛にストレスを与えない肥育法です。従業員は、飼料や清掃などの作業が軽減した分、担当の牛の変化を見逃さない仕事に力を入れています。 体調の悪い牛を早期発見したり、他の牛に攻撃されて餌を十分に食べれていない牛を発見して牛舎を入れ替えるなど、できる限り牛のストレスを軽減して品質の高い牛を育てています。 3点目は人材育成です。社員の平均年齢が25歳と、大変若い社員が多い会社です。それにも関わらず「のざき」では、社員一人当たりに牛400頭(3億円相当)の肥育を任せています。 任せられた社員は、担当の牛を立派に育て上げるため、互いに日々切磋琢磨して育て方の工夫を続けています。その日々の仕事の中で人材育成が着実に進み、品質の高い牛肉生産の体制が維持されています。 このような取り組みにより「のざき」では、高品質の牛肉を安く生産し、海外への輸出も加速させています。香港への輸出量は年間約100トンに上り、和牛の販売量は「のざき牛」が1位となっています。 今後は、輸出のさらなる拡大に向けた世界戦略を検討しています。 ◆日本の畜産業 さらなる発展へ 日本の牛肉生産は、後継者不足とも言われていますが、まだまだ可能性は眠っていると思います。御紹介した「農業生産法人のざき」のように、企業・組織の創意工夫で大きな発展が可能な産業です。 これからの日本の畜産業が、国際競争を勝ち抜いていくには、やはり企業参入や経営規模の拡大推進は避けて通れない部分であると考えます。 畜産業に携わっていらっしゃる方の収入の不足分を、補助金で補填する発想だけではなく、政治と民間の方々との知恵を結集し、強い輸出産業として、畜産業に従事される方々の収入を上げていく方向で政策を進化させていくことが強く求められます。 これ以上の増税を許していいのか――2015年税制改正の注目点 2015.02.15 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆増税は国民の自由を奪う 私たち幸福実現党は立党以来、一貫して「自由」の大切さを訴えてきました。日本は、聖徳太子が「十七条憲法」において「和を以って尊しとなす」等と記しているように、古代から民主主義、自由の価値観を持ってきました。 こうした現状が当たり前なので、多くの日本人にとって、中国など社会主義国家の国民たちが自由が奪われ、苦しんでいる現状について、ほとんど理解がされていないようです。しかし同様に、我が国にも、残念ながら国民の自由が徐々に失われ始めているのです。 その象徴的な政策が「増税」です。「日本は財政危機で、今後の高齢化社会に対応する社会保障費の財源が必要」だとの大義名分のもとに、政府は消費増税を中心とした「税制改革」を進めています。多くの国民は「増税やむなし」との考えで、総意として明確な反対にまで至っていないのが現状です。 しかしながら、昨年4月に施行された消費増税の影響は、当初予想された以上の大きな反動で、「景気後退」といわれてもおかしくない状態に陥り、目的である財源確保とはほど遠い結果となってしまいました。 ウォールストリート・ジャーナル紙、ワシントン・ポスト紙などの海外メディアは、国内以上にはっきり「アベノミクス失敗」と報道しています。この状況を受けて昨年11月、安倍総理は更なる増税の期日を1年半先送りする事を決断しました。 ◆相続税増税のポイント 消費税については、先延ばしという結論になったものの、2015年からは、相続税の「改正」が実施されました。そのポイントは、以下のとおり相続税基礎控除の減額によって、課税対象者が大幅に増えるという事です。 改正前は、5000万円+1000万円×法定相続人の数 ↓ 改正後は、3000万円+600万円×法定相続人の数 となります。 この結果、相続税の課税対象者が、国民の4%程度から、一気に10%程度まで拡大される可能性が出てきたのです。 専門家の試算では、特に東京・大阪など大都市圏の土地の相続を受ける方が課税対象者になる可能性が高く、東京23区では25%程度が対象者になるとの試算もあるそうです。 今後は、こうした相続税増税の対策として、子・孫に対して非課税の範囲で贈与するという事や、また「どうせ税金で取られるならば、自分の意志でお金を使った方がマシ」という事で各種慈善団体などに寄付したり、あるいは消費行動につながる可能性も考えられます。 このような判断が結果として、日本全体の景気刺激策になるという捕らえ方も出来るかも知れませんが、政府の増税路線が着々と進められている事に間違いありません。 ◆マイナンバー法施行の衝撃 また、10月からすべての国民・中長期在留者・特別永住者に対して「マイナンバー」の通知が行われる事も注目されます。 政府(内閣官房)のウェブサイトでは「マイナンバー」について以下のように説明しています。http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/gaiyou.html 『マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。』 この制度が実際に施行されるのは、2016年1月1日です。表むきには、行政の事務手続きを簡素化するための制度と謳っています。 しかしさらに重要な事として、2018年からは、任意であるものの、金融機関にもマイナンバー適用が始まるのです。 この理由として、政府は、「脱税や生活保護の不正受給などの防止に役立てる」と説明していますが、個人のお金の流れが政府によって合法的に把握されることは、個人の財産権の侵害につながり、さらには国民の自由を脅かす大きな問題でもあると考えられます。 少なくとも、自由主義国・日本における政治の目的の一つとして「国民の生命と財産を守る」事がある中、こうした国家社会主義への道を開く政策が進められている事に対し、私は、強く異議を唱えるものです。 ◆国家の繁栄を築く幸福実現党の政策 先ほど述べた通り「税収を増やす」という大義名分のもとに行われた増税の結果、税収は大きく減る事となりました。 本来は、この結果に対して政府の担当者は国民に対して反省・謝罪し、消費増税を中止する事が必要だったにも関わらず、なんらの総括も行いませんでした。 また、消費増税を推進した多くの知識人、大手新聞紙も現在の厳しい状況に対して、何らの弁解も行う事なく知らんぷりを決め込んでいます。そして、次々と財産権を侵害する政策が現実化していく事になります。 もうそろそろ、国民は、自らの危機を自らの手で改めなければいけない時期に入ってきたのではないでしょうか。政府の増税路線には、はっきりとNOを突き付け、まずはGDP成長のための政策を真剣に討議する必要があります。 そうした意味では、私たち幸福実現党が立党以来訴え続けてきた政策が、必要となる時代がやってきたとも言えます。 まずは、消費税・相続税に対する減税路線の推進、マイナンバー法の廃止など、個人の自由を奪う方針の転換であります。そして、その他にも「成長戦略」として、様々な未来産業を構築する政策を訴えてきました。 私たち幸福実現党は、政府が進める国民の自由の制限から脱し、逆にさらなる自由を拡大する事で、GDP成長率及び税収増加を推し進め、その結果として国家の繁栄につながるものと確信しています。 どうか、一人でも多くの国民の皆さまのご理解をお願いする次第です。 日本の海上防衛を考える(6)――「中国の海」になりつつある東シナ海 2015.02.14 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆中国の海洋支配プロセス8段階 前回、南シナ海がいかに「中国の海」になっていったかについて述べました。 日本の海上防衛を考える(5)――中国に支配された南シナ海 日本の海上防衛を考える(5)――中国に支配された南シナ海 これまでを整理し中国が南シナ海をどのように支配していったか、そのプロセスを分析してみましょう。 第1段階 漁船(軍事訓練を受けた「海上民兵」)を相手の海域で操業させる。 第2段階 相手国が抗議船を出せば漁船をぶつけて紛争を起こす。 第3段階 漁民を守るという名目で警備の公船を出す。 第4段階 1~3段階で、一方的に相手国海域の領有を国内法で宣言(「海洋法」や「三沙市」)。 第5段階 近海の島を占領し(岩礁の場合は埋め立てて人工島化)、排他的経済水域を主張することで戦争をせずに自国の領海を拡大する。 第6段階 公船だけでなく軍艦を出す。 第7段階 漁船・公船・軍艦を頻繁に出没させ領海侵犯をして実効支配を行う。 第8段階 島に上陸し住民が住み始め、インフラを整備し軍事基地化する。 中国は決して最初から軍艦を出すような愚かなことはしません。いきなり軍艦を出せば国際的非難を浴びるからです。少しずつ段階的に一手一手を打って南シナ海を「中国の海」に変えていったのです。 ◆中国の尖閣海域の支配 前回述べたように、中国の海軍戦略の第一段階は、第一列島線(日本列島から沖縄フィリピンを結んだ線)の内側、つまり「南シナ海」と「東シナ海」の支配です。 中国の海洋支配は、東シナ海より南シナ海が先行しているので、上記の「中国の海洋支配プロセス8段階」から今後を東シナ海で起きることが予測できます。 この「中国の海洋支配プロセス8段階」を東シナ海に当てはめてみましょう。 第1段階 胡錦濤国家主席と福田康夫総理が会談中に中国公船が尖閣海域を徘徊(2008年5月)。 第2段階 尖閣諸島海域で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突(2010年9月)。 第3段階 中国海警局公船が尖閣諸島の領海を侵犯(2010年9月~現在)。 第4段階 中国が「領海法」を制定し尖閣諸島を自国の領土と主張(1992年2月)。 第5段階 ガス田「白樺」採掘(2004年)。2005年ガス田「樫」掘削 (東シナ海には島がない海域はガス田の採掘基地を建設して中国の海域であることを主張)。 そして昨年末、中国軍が東シナ海の沖縄県・尖閣諸島から約300キロ北西にある浙江省の「南麂(なんき)列島」で軍事拠点の整備に着手、すでにレーダーが設置されヘリポート、軍用機の滑走路の建設計画も浮上しています(2014/12/22東京新聞)。 「南麂(なんき)列島」は中国に帰属しますが、同島は自衛隊や米軍基地がある沖縄本島より尖閣諸島に約100キロ近くに位置し日本にとっては尖閣諸島の防衛に大きな影響を与えることは必至です。 第6段階 2014年12月中旬、中国軍艦2隻が尖閣諸島の接続水域約70キロに接近、昨年8月から島から北に200キロ海域に常駐(12/30朝日)。 現在、中国漁船による領海内での違法操業が急増、2014年1月~9月は208件、2013年1年間の2・4倍、2011年の26倍になっています(2014/10/10日経)。 第7段階 2014年12月30日、中国公船3隻が領海侵入、2014年の中国公船による領海侵入は32回目(12/31産経) このように東シナ海では、現在第7段階の「漁船・公船・軍艦が頻繁に出没し領海侵犯などの実効支配を行う」ところまできています。おそらく今年以降、軍艦がさらに尖閣諸島に近づいてくるでしょう。 そして日本が何にもしないと分かればさらに軍艦が尖閣諸島に近づけるでしょう。 この第7段階目の実効支配が進んで軍艦がなんの気兼ねもなく尖閣海域を航行できるようになれば、最終的に中国は尖閣諸島に上陸するでしょう。 そして最後の総仕上げとして、第8段階の「尖閣諸島の魚釣島を軍事基地化」する、これが中国のシナリオです。 ◆尖閣の防衛は急務 中国は尖閣支配の一環として、安倍政権下ではじめて実現する見通しとなった尖閣諸島の合意文書で、内外に日本が「間接的に尖閣諸島をめぐる争いがあることを認めた」と強調しました(2014/11/8朝日)。 こうした心理戦、情報戦を仕掛けて日本を追い込んでいます。現在、日本の海洋防衛は急務の段階にまできているのです。 次回、中国の海軍戦略の第2段階である第二列島線(日本列島とグアムを結んだ線)、つまり西太平洋の支配について紹介し、日本の海洋防衛のあり方を考えて参りたいと思います。 緊急報告――今沖縄で何が起きているのか?!(拡散希望) 2015.02.13 文/幸福実現党・総務会長兼出版局長 矢内 筆勝 ◆翁長知事誕生で活発化する、沖縄の左翼活動家 「今、沖縄の辺野古で大変な事が起きています!!ぜひ見に来て下さい!」--。 沖縄県のある防衛関係者からそんな連絡を受け、私・矢内筆勝は今月7日と8日、幸福実現党の釈量子党首と共に、沖縄県名護市の辺野古にある米軍キャンプ・シュワブ沿岸の新基地建設現場を視察してきました。 キャンプ・シュワブは、宜野湾市にある米軍海兵隊・普天間基地の代替施設として、日米両政府が合意して建設を進めています。 しかしながら、昨年12月の県知事選で、辺野古新基地建設の中止を公約に掲げた翁長雄志・元那覇市長が当選。それに伴って、左翼活動家ら基地反対派の活動が過激化しているのです。 特に沖縄防衛局が、基地建設のための海上作業を先月15日から再開すると、地元や全国から集結した左翼活動家ら数十人が激しく抵抗、工事車両の通行を妨害し、罵声を浴びせ、警官ともみ合うなどの騒ぎを基地前で頻発させています。 動画:キャンプ・シュワブのゲート前で抗議する左翼活動家ら https://www.youtube.com/watch?v=-YDrneSiWS8 また左翼活動家らは20隻ものカヌー部隊を編成し、海からの基地侵入を企て、パトロールする海上保安庁と衝突を繰り返しています。 写真:カヌー隊、大型クレーン船に近づき抗議、琉球新報2月7日付より http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238542-storytopic-271.html ◆無法地帯と化した辺野古のキャンプ・シュワブ周辺 私たちが実際に辺野古のキャンプ・シュワブに行くと、そこは完全な“無法地帯”と化していました。 基地のゲート前の道路には、工事車両の通行や工事物資を抗議活動によって阻止するために、米軍基地のフェンス沿いに左翼活動家らが寝泊りする「テント村」が建てられ、常時数十人が鍋などを持ち込んで自炊し、寝泊りしています。 しかも、そのテントの骨組みとして使われている塩ビのパイプが、1~1.5メートルも基地のフェンスに突き刺さり、基地側に大きく飛び出した状態になっているのです。 基地ゲート前の「テント村」=矢内撮影 http://yanai-hissho.hr-party.jp/files/2015/02/10402810_764374376986659_1429195724486500242_n.jpg 基地のフェンスに付きこまれたパイプ=矢内撮影 http://yanai-hissho.hr-party.jp/files/2015/02/68928_762664113824352_5052373915604385336_n.jpg こうした行為が、国内法のみならず、米軍の基地管理に関する法律に違反しているのは間違いありません。ましてや、日米同盟を結ぶ同盟国の基地に対して断じて許してはならない「異常な行為」です。 国内でも、他人の土地や敷地に勝手にパイプを突き刺し、その所有権を侵害すれば、当然強制的に排除されてしかるべきです。もし皆さんの家の塀の外側に誰かがテントを張って暮らし始め、そこから1.5メートルもパイプを自宅の庭に突き刺されたら、どうするでしょうか? しかも、相手は日本と同盟を結び駐留する外国の軍事施設で、断じて許してはならない行為です。しかし現実は、パイプは基地のフェンスに突き刺さったまま放置され、勢いに乗って左翼活動家が全国から集まり、「テント村」は拡大し続けているのです。 ◆左翼の不法行為を放置する沖縄県と、左翼に慎重すぎる日本政府 地元沖縄の保守活動家によれば、米軍はこの左翼の行為に激怒し、いつでも強制排除する意志があるものの、日本政府が「左翼を刺激したくない」との理由で、米軍の強制排除を抑えていると言います。 事実とすれば、日本政府の「慎重姿勢」が、左翼の不法行為を是認し、放置しているわけです。 私はこの状態を見て、「破れ窓理論」(Broken Windows Theory)を思い出しました。建物の窓ガラスが割れたまま放置されていると、管理人がいないと思われ、凶悪な犯罪が増えるという理論です。 かつて犯罪都市と言われたニューヨーク市で元検事のジュリアーノ市長が、この理論に基づき、ニューヨーク市では地下鉄の無賃乗車や落書きを「割れ窓」に見立て、徹底的に取り締まった結果、劇的に犯罪が減った話は有名です。 ◆不法行為に対して、政府は毅然とした対応をとるべき まさに、沖縄の左翼活動家らの不法行為は、この「破れ窓理論」によって、拡大し続けていると言えるのではないでしょうか。 つまり、沖縄県の県警や行政のみならず、それを監督する日本政府や行政機関が、沖縄における左翼活動家とその背後に存在する左翼マスコミに遠慮し、一種の「事なかれ主義」に陥って小さな不法行為を放置した結果、今や日米同盟の絆すら毀損されかねない重大な事態を招いていると思えるのです。 今回のキャンプ・シュワブにおける「テント村」にしても、最初の不法なテントが一つでも作られ、不法なパイプが一本でも基地のフェンスに突き刺された段階で、沖縄県警や沖縄防衛局は法に基づいて、毅然と、そして強制的に排除すべきであったのです。 民主主義の根幹は法治です。民主政治によってつくられた法律を守り、毅然とした法の執行があってこそ、民主主義と国民の自由と権利、そして安全が守られるのです。 そんな法治国家として当然であるべき法の執行(違反者の摘発や取り締まり)を怠り、左翼活動家による違法な反米・反基地運動や選挙運動(沖縄の左翼陣営は選挙の度に確信犯的に選挙違反を行い、議席を伸ばしてきました)を是認し、放置してきた結果が、今の沖縄の姿であるのです。 ですから、今でも決して遅くありません。日本政府は、一刻も早く、辺野古のキャンプ・シュワブの左翼の違法な「テント村」を即刻、強制排除すべきです! 動画:辺野古のキャンプ・シュワブレポート、矢内筆勝 http://youtu.be/cYXCogh0pyk 「イスラム国」の問題を通じて中東に、世界に、そして宗教に目を向けよう 2015.02.11 文/幸福実現党世田谷区代表・HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作 ◆複雑な中東の歴史 先日のISIS(通称「イスラム国」)によって日本人人質が殺害されたとみられる事件について日本中に衝撃が走りましたが、私たち日本人にとっては中東問題の本質についてはなかなか理解が難しいのが現実ではないでしょうか。 2月3日付の当ニュースファイルでは、幸福実現党山形県本部副代表の城取氏が「今まで大半の日本人からすると、中東は『遠くて縁の薄い地域』」だと指摘しいています。また外交評論家の加瀬英明氏も指摘するように、中東の歴史は複雑を極めるといわれます。 私たち日本人は永く単一民族で海に囲まれた国家として和を尊び生きてきたため理解が難しいものの、まずその多民族と宗教の入り乱れる中東の歴史を学ばなければ、現在起きている中東での問題も結局のところ本質が見えず、理解ができないまま翻弄されることになるのではないでしょうか。 ◆キリスト教国によって引かれた中東の国境線 それ以前、オスマン・トルコ帝国が支配していた広大な地域に対して、サイクス・ピコ協定といわれるものをもとにして引かれた、定規で引いたような不自然で直線的な国境線は、そこで暮らしている住民の宗教や民族の実態を無視しています。 それを進めたのはキリスト教国であるのイギリスとフランスというヨーロッパの強国であり、植民地支配を進めていた第一次世界大戦後に行なったものです。 自分たちの住む場所に、実態を無視した国境線を引かれたらどう思うでしょうか。 それも、他の国の植民地支配を受け、植民地支配をする国同士で勝手に決めて押し付けられた国境線です。不満が募るのは当然の結果だと言えます。 この国境線の存在と、そこでの分断された民族の問題という一つをとっても、私たち日本人にとってはなかなか理解するに難しい問題です。 ◆宗教を教えない戦後教育 イスラム教という宗教についても日本では十分な宗教教育が行われていないため、いったいどのような宗教であるのかについて、それぞれの個々人が自発的に学ぼうとしない限り、ほとんど理解も進まないのが現実です。 そしてそれはキリスト教やユダヤ教についても同様です。敗戦後「宗教」そのものをタブーにして教育の場から追放してしまった結果、日本人は宗教の問題についてとても疎くなっているのではないでしょうか。 宗教を信じない人が戦後増加し、宗教について学ばないゆえに、世界での宗教対立の歴史や現在ただいまの問題についても適切な理解が進まないのではないでしょうか。 ◆宗教教育の大切さ 私も知人と話す中で「宗教というものがあるから対立が起こる。宗教がなければいいのだ」というようなことを言われたこともあります。 しかし、それは人間の内心の自由を侵すものであり、単なる「無神論のススメ」であり、何の解決をもたらすものではありません。内心の自由を否定されたならば人間はその自由と尊厳を完全に失うことになります。 また、神や仏の存在を否定した無神論国家の中国や北朝鮮の行っている激しい人権弾圧やその蛮行をみても、神や仏や信仰を否定するとことが人間の目指すべき道ではないと思います。 今私たち日本人は、なぜキリスト教・ユダヤ教文明国とイスラム教文明国との間で対立が起こるのか、戦争はなぜ起きているのか、テロはなぜ起きているのか、イスラム教国内でも内戦が起きているのはなぜなのかについてもっと関心を持たなければなりません。 そして、「イスラム国」などと名乗る過激な集団はなぜ生まれたのか、彼らの掲げる大義は何なのか、ということについて考える中で、中東の問題、宗教に対して理解を深めるべき時が来たのかもしれません。それは必ず世界への理解を深めるものにもつながるはずです。 ◆「和をもって尊し」としてきた日本の使命 今回、ISISによる痛ましい人質殺害によって失われたお二人の尊い命の犠牲を無駄にしないためにも、国民の安全を守るための法整備を進めることは当然です。 さらに日本が世界の中で国や宗教や文明間の紛争や対立の調停役を果たせるような国家へと一歩でも歩みを進めるべきです。 平和を愛する国家として、「和をもって尊し」としてきた国家として、その使命を果たすためにも、私たち日本人は今回の事件を契機とし、中東から世界に目を向け、そして宗教というものに目を向ける必要があるのではないでしょうか。 参考:『加瀬英明のイスラム・ノート はじめての中東入門』 『日本は中東から決して退いてはいけない!』HRPニュースファイル2月3日 http://hrp-newsfile.jp/2015/2009/ 生涯現役人生のモデル、ここにあり!――徳島県上勝町視察を通して 2015.02.10 文/幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆「夢は100歳まで現役でこの仕事をすること!」 メディアでよく取り上げられる徳島県上勝町。 おばあちゃんたちが“葉っぱ(つまもの)”を全国に出荷し、それらが高級料亭で使われていることで大変有名です。 今では、日本の「つまもの」のうちの8割が上勝町産となっており、立派なブランドです。 今回、視察に伺い、実際にいろどり事業に従事していらっしゃる方にお話を伺うことができました。その中で、メディアでは感じ取れなかったことを多く学ぶことができました。 上勝町の現在の人口は1749人で841戸。 四国で最も人口が少なく、高齢化率は51.34%で徳島県下一です。 どこにでもある普通のいなかだった上勝町が、男尊女卑、補助金頼み、村社会特有の嫉妬や噂話から抜け出し、一人一人がいろどり事業を通して輝く今に至るまで、30年の年月がかかりました。 いろどり事業に従事していらっしゃるのは、70代、80代の方々ですが、町営の老人ホームは行く人が減ったためにつぶれ、老人一人当たりの医療費は県内最下位になりました。 それだけでなく、最高で1000万円、平均年収が約130万円であるため、税金を納める側にも立たれるようになりました。 一人一人が自分の足で立って生きている、何歳になっても世の中に貢献できる。 「この喜びはね、言葉に表せないよ」 そう目を輝かせておっしゃるおばあちゃん。働くことができる喜びは、お年を取られた方こそ強く感じていらっしゃいます。 ◆おばあちゃんたちは好奇心旺盛で研究熱心、そしてとっても負けず嫌い 皆さん、大変研修熱心です。料理人に来てもらっての勉強会、北新地や京都まで出て料亭で懐石を食べ、自分たちの商品がどのように使われているのかを研究します。 笹の葉でも、そのまま出すのではなく、笹船にするなどひと手間加えることで付加価値がつきます。 それだけでなく、お正月飾りなどは、それぞれのおばあちゃんのセンスが発揮され、自分の名前がついた商品があることにびっくりしました。お互いに作り方を教えあうこともあるそうです。 一方で、一人一人が大変負けず嫌いでもあります。 毎朝8時、10時、11時にそれぞれ農協から送られてくる注文に対して、受注するためにはパソコンを使わなければなりません。 私が訪問したお宅のおばあちゃんは、スマホとパソコンを使いこなした上に、パソコン画面上に黒いマジックでマークをつけておく(受注画面になったときに受注ボタンをすぐに押せるよう、カーソルを早めに移動させるため)という裏技まで使っていらっしゃり、大変驚かされました。 (ただその裏技も、一年前にテレビ取材が入った際に公開されて皆が知ってしまったため、今では受注がなかなか取れないそうです) ご自身が出荷した商品がいくらの値がついたのか、昨日の売り上げはいくらで、今月はいくらだったのか、という数字はすべてパソコンで見ることができます。 同じ商品を出荷したとしても、自分のものが他の人の商品よりも高かったか、安かったかということもわかります。そこでまた、反省からの創意工夫が生まれるようです。 さらに、いろどり従事者内での月別・商品別の順位もパソコンで確認でき、これらがさらに負けず嫌い魂に火をつけています。 この負けん気、向上心こそが若さの秘訣であり、刺激を受けながら生きることが大切なのだと改めて感じました。 ◆いろどり事業を通して得た時間とお金は人生の“いろどり” 今回お伺いしたおばあちゃんにいろどりで稼いだお金の使い道を尋ねたところ、脳こうそくで倒れた旦那様のため、家じゅうをバリアフリーでリフォームされたとおっしゃいました。 ご主人がお元気な間は、北海道から九州までお二人で旅行されたそうです。 まさにいろどり事業によって、人生にいろどりを添えるための時間とお金を手に入れられたのです。 皆さんのお金の使い方は、自分のためよりも家のため、子孫のため。 家の中で最も稼ぎがいいのがおばあちゃん、この家はおばあちゃんのお金で建てた、という家もあるそうです。 子孫に尊敬のまなざしを向けられて毎日働けるなんて、なんて素晴らしいことだろうと思います。 いろどりのおばあちゃんたちはみな生き生きとされています。 上勝町をモデルにつくった映画「人生、いろどり」において、80歳になって映画デビューされた方もいらっしゃいます。 心に目標があり夢があり希望があり、生きがいがあるから輝いているのだと心底感動しました。 政府が今なすべきは、薄っぺらな「地方創生」の掛け声の下で補助金をばらまくのではなく、各地域を活性化させたいと頑張っている企業家を後押しすることだと思います。 上勝町がここまで有名になったのも、横石さんという一人の男性が強い志を持たれ、長い忍耐の時期を経て、いろどり事業を守り育ててこられたからでした。 貴重な知恵と経験をお持ちの方々に更に生きがいを持っていただけるような仕事を作り出すこと、生み出すことこそが、高齢化社会に対して今なすべき最大の福祉であると共に、日本が世界に打って出るための戦略であると強く感じています。 参考書籍:「そうだ、葉っぱを売ろう!」横石 知二著 すべてを表示する « Previous 1 … 126 127 128 129 130 … 253 Next »