Home/ 2013年 March 2013年 March 「反米反基地」の報道被害に苦しむ町(下) 2013.03.21 昨日、お伝え致しましたように、米海軍兵士による暴行致傷事件3日後、昨年10月19日に在日米軍は、日本に滞在する全ての米軍兵士に、午後11時から午前5時までの夜間外出禁止令(オフリミッツ)を発令しました。 続いて12月1日には、基地外での飲酒禁止令(基地外でのアルコール類の購入も禁止)を発令しました。 米軍人の夜間外出禁止令や禁酒令がもたらす経済的影響は甚大で、基地に隣接する町は今、ゴーストタウンと化しつつあります。 さて、「その実態は如何に」ということなのですが、現場の驚く事情が見えてきました。 在日米軍は当初、基地外への外出を午後11時までとし、飲酒までは禁止していませんでした。 そのため、門限を超えて飲食をしてしまった米兵は、行くところがなく、以前付き合っていた女性宅に行くことがある、というのです。 言葉の違いからくる勘違いで、女性は別れたつもり、米兵はまだ付き合っているつもりで、女性の家に行ったら警察に通報された、という例があります。それが翌日には凶悪なストーカー事件のように報道されてしまいます。 家宅侵入罪で捕まった米兵の中には、女性宅の鍵をもっていたが、女性をかばってそのことを語らなかった者もいると聞きます。 その他、女性のほうから酔った米兵をトイレに誘い、一緒に入ったとたんに交番に走り通報した件など、明らかに女性の側からトラップを仕掛けているとしか思えない事例もあるそうです。そのようなことが重なり、米軍当局は禁酒例を発令しました。 それでも午前0時までは外出可能なのですが、今度は基地の外に出るのが怖くなって、多くの米兵や家族もあまり外出しなくなりました。 何をしても捕まってしまうのではないか、という不安があるためです。そのため、飲食店以外の商店も売上が落ちているのです。 また、沖縄市は米軍人が町に多くいることが町の情緒を醸し出してきたため、その雰囲気を味わいたいという人達が観光に訪れておりましたが、観光客のキャンセルも相次いでいるそうです。 ここまでこの町の人たちを苦しめている原因の一つは「米兵による事件や事故」を過大に取り上げる報道であり、外出禁止令の厳守を米軍に迫る威圧記事にあると言わざるを得ません。 また、米兵が定期的に町の清掃美化のボランティア活動を自発的に基地の外で行っていますが、そのことについて報道されたことはありません。 「日本を守るために米軍はいる。それなのに、一部の軍人の犯罪や不祥事を理由に全体責任を迫るのはおかしい」という声は街に住む多くの人々の偽らざる意見でもあります。 この苦境を脱するため、沖縄市や金武町、宜野湾市等社交飲食業組合の人たちが集まり、緊急に対策を錬ることとなりました。 実情を訴える署名活動を行なうと同時に、各市町村首長、議長、知事宛に要請を行なうことになり、各市町村でそれぞれに陳情活動を行い、2月19日には、連絡協議会代表各位が県庁まで出向き、県知事に要望書を出しております。 内容は、首長や議会の側から、米軍、外務省等関係機関に働きかけて、禁酒令や外出禁止令を緩和していただきたい、という趣旨のものです。 沖縄市の中心地の飲食店組合の活動には私も参加させていただいております。 3月1日に市民の広場に97名が集まり、一週間後に1000名以上の署名活動をして、市長や議長に陳情書を届ける目標を掲げ、一週間後の8日の集会では、1260名の署名が集まったのです。 やはり多くの市民は町の現状を憂いています。 更に3月21日には尖閣に上陸したロッカー、トクマのコンサートを開催し町の元気を取り戻そうと呼び掛けます。トクマは、支援のため2日間ライブハウスでも歌います。 その他、ただ陳情するだけではなく、陳情する側の誠意も表明するべく、ペイデイ(給料日)を中心として必要に応じ、安全・安心な明るい町づくりのパトロールを実施することも決定しました。 また、月一回の日米共同清掃作業を実施するとともに、日米親善を築き強めるためのあらゆることを考え、実行して参ります。 この運動を継続して行い、町の活気を取り戻すことだけでなく、沖縄の世論の正常化運動へと盛り上げていきたいと考えております。 日米同盟の下、県民と米軍との親睦を深め、協力しあう中で経済振興を図り、アジアの平和と安定にも貢献していきたいと思います。(文責・幸福実現党沖縄県参議院選挙区 金城竜郎) 「反米反基地」の報道被害に苦しむ町(上) 2013.03.20 昨年10月16日、沖縄県中部で2名の米海軍兵士による20代女性に対する暴行致傷事件が起きました。 在日米軍によりますと、二人の容疑者は補給業務を支援する通常業務のため、10月14日から米軍嘉手納基地(沖縄県)で従事しており、16日にグアムに移動する予定でした。 つまり、出張先の沖縄での、わずか3日間の滞在の間に起こした事件であったのです。 外務省はルース駐日大使に「強い遺憾の意」を表明し、再発防止と綱紀粛正を申し入れましたが、米国政府は誠実な対応を約束しています。 米国防総省も米海軍も「県警が捜査を遂行できるよう、協力し支援する。兵員による違法行為を含む事件を真剣に取り扱う」とコメントしています。 そのこと自体、かつて犯罪者が野放しにされていた本土復帰前とは状況が一変しているのではないかと思います。 暴行致傷事件については、今年3月1日の那覇地裁の裁判員裁判の判決で、米兵2名それぞれ懲役10年と懲役9年の判決が言い渡され、両被告が控訴しなかったため、3月18日には実刑が確定しました。 被害者に対しましては心からのお見舞いを申し上げます。また、二人の米兵に対しましては、被害者へ心からの謝罪をし、罪を償って人生をやり直していただきたい、と願ってやみません。 ちなみに、この事件については沖縄の二紙いずれも翌朝刊の一面で取り上げましたが、事件が起きた日は、中国の軍艦7隻が初めて与那国島と西表島の間の接続水域を航行した日でもありました。 翌10月17日の産経新聞朝刊は「中国軍艦七隻通過 対日示威米軍分散狙う」との見出しで一面に報じました。 対する沖縄の二紙は、琉球新報7面(総合欄)にて「中国海軍7隻が与那国沖通過尖閣接続水域は入らず」、沖縄タイムス26面(社会欄)「中国艦7隻が与那国沖通過台風避けるため」と、わずかな内容で、まるで中国政府のスポークスマンを買って出ているような記事でした。 産経新聞には「中国国防相は『通常の訓練と航行であり、正当で合法だ』とコメントした」とありますが、今後とも中国海軍の軍事演習をこの海域を通過して行うということを通告したようなものです。 しかし、沖縄の二紙にはその記述が全くありませんでした。「県民に何を知らせるべきなのか」という視点で考えたときに、全くバランスを欠いた報道であると言わざるを得ません。 ところで暴行致傷事件の3日後、昨年10月19日に在日米軍は、日本に滞在する全ての米軍兵士に、午後11時から午前5時までの夜間外出禁止令(オフリミッツ)を発令し、続いて12月1日には、基地外での飲酒禁止令(基地外でのアルコール類の購入も禁止)を発令しました。 その後、2月13日に在日米軍司令部が発表した「勤務時間外行動指針(リバティー制度)」では、全ての米兵が階級に関係なく、基地外での飲酒を午前0時~午前5時まで禁止し、時間を制限して基地外での飲酒を認めましたが、沖縄県だけは、その後も基地外での禁酒令が継続中です。 米軍人のオフリミッツや禁酒令がもたらす経済的影響は甚大で、基地に隣接する町は今、ゴーストタウンと化しつつあります。 基地周辺に住む人々は、お互い助け合って米軍と共存共栄し繁栄する街を作り上げる努力をしてきただけに、今までの努力を一瞬にして無にしてしまう力が働いていると言っても過言ではないでしょう。 例えば、ある飲食店街では、44店舗中36店舗が休業状態になっており、営業している8店舗の内訳は、3店舗が1~2名の客がいる程度で、他の5店舗の客はゼロでありました。 私は現場を回り、店主の方々から、次のような悲痛な本音をお伺いしました。 「衣料品・お土産品・食堂・雑貨店等、昼夜問わず経営に行き詰っている。」 「ある店では休業に追い込まれ、その上、家賃や固定経費などが出るので、借金しないとやっていけない。」 「外出禁止令発令以来、配達が激減し、納品が大量に低下しました。このまま営業しないわけにはいかないが、休業も考えないといけない状況になっている。」 「外出禁止令が発令される前に何百万円もかけて店舗をオープンしたが、現在は店を閉めて家賃だけを払っている状態で苦しんでいる。」 「13店舗の飲食店を経営しているが、今では3店舗、しかも金・土しか営業出来ない。」 「沖縄市は、本当にゴーストタウンになっている。普通の日は歩く人もいない。ましてや観光団もいない。これでは、店が潰れるのを待つしかない。」 あくまでも、米軍人の外出や飲酒を許可するのは米軍当局ですが、米兵による民家のベランダへの侵入、酒気帯び運転、住宅侵入傷害、一方通行を逆走、民家・施設の敷地内の侵入等、どんな軽微な犯罪でも逃すまいと執拗に事件を追いかけているマスコミの過熱報道と、議会による「県民の生命と人権を守るためには、兵士の基地外への外出を禁止するしか方法はない」との抗議決議により、禁止令が解ける状況ではありません。 さて、「実態は如何に」ということですが、沖縄のマスコミからは伝わって来ない、驚くべき事情が見えてきました。(つづく) (文責・幸福実現党沖縄県参議院選挙区代表 金城竜郎) すべての道は増税に通ず――複雑化・肥大化する租税法体系を疑おう! 2013.03.19 消費増税に向けて、次々と手が打たれている 来春からの消費税増税に向けて、政府・与党・財務官僚が立て続けに対策を講じています。 「消費増税批判をかわし、消費増税を断行する」という、彼らの鉄の意志の表れが見て取れます。 関連する対策を列挙しますと、以下の通りです。 (1)自公両党は生活必需品の消費税率を低く抑える「軽減税率」導入に関する調査委員会の初会合を開催。(2/20) 軽減税率の導入については、早期導入をめざす公明党と慎重な自民党の間で議論中ですが、現段階では「消費税率の10%引き上げ時に軽減税率制度を導入することをめざす」としています。 (2)大企業の下請けの中小企業が、増税分を適切に価格転嫁できるようにする特別措置法案の素案をまとめ、増税分の製品価格への上乗せを取り決める「転嫁カルテル(転嫁協定)」を条件付きで容認。(2/22) (3)消費税の逆進性対策として給付付税額控除等を行うに際し、国民一人一人に番号を割り振って所得を正確に捕捉するため、共通番号「マイナンバー」制度の関連法案を閣議決定、国会に提出。(3/1) (4)中小零細企業が増税分を転嫁できないという批判をかわすため、大手スーパーなどによる「消費税還元セール」を禁止することを決定。(3/12) (5)政府は、本年秋に消費増税の最終判断することになっていますが、景気が低迷していれば、増税にストップがかかるため(「景気弾力条項」)、アベノミクスによる景気対策も「景気弾力条項」をクリアするために行っていると冷やかに見る向きもあります。 このように、政府・与党が次々と手を打っている政策は、消費税増税のためであって、決して「国民生活を豊かにする」という観点ではないと思います。 「高い税金は悪い税金」 とりわけ今回は、以前(消費税導入時、3%から5%への増税時)のように消費税増税分に見合った所得税減税等は一切なく、復興増税も絡み、全て増税です。 増税を断行するために、法律を増やし、複数税率を採用し事務作業を膨大に増やし、租税法体系を一層複雑化することは本当に正しいことなのでしょうか? もう一度、税金とは何なのか。原点に帰って考えてみる必要があるのではないでしょうか。 アダム・スミスは『諸国民の富』にこう書いています。 「国家を最下級の野蛮状態から最高位の富裕に到達させるには、平和と、軽易な租税と、正義の寛大な執行とのほかに不可欠なものはほとんど何もない。」 渡部昇一氏も一貫して「高い税金は悪い税金、安い税金がいい税金――これ以外の論理はない」と訴え続けておられます。税を「年貢」と読み替えれば一層明確にその事が認識されます。 「税と社会保障の一体改革」とか、いかに立派な名前がついていても、「高い税金は悪い税金」「安い税金が良い税金」という根底を見逃しているような議論であれば、それは間違っているということです。 税高くして、国滅ぶ パーキンソンの法則で有名なパーキンソンは「税金を高くすれば国が滅びる。それが歴史の鉄則だ」と述べています。 古来、一般に妥当だと認められた税金は、収入の十分の一あたりであると述べています。(C.N.パーキンソン著『金は入っただけでるーパーキンソンの第二法則』至誠堂,1962) 現在の日本では、「隠れた税金」と言われている社会保険料も含めれば、平均的日本人で収入の約40%近い税負担となっています。(日本税制改革協議会「納税者の日」) 民が富むことが、国を富ませる 幸福実現党は消費増税法廃止、法人税半減、相続税廃止等の増税反対・減税推進を訴えている「減税政党」であり、、政府ではなく国民の側に富を蓄積する必要性を訴えています。 なぜなら、国民の私有財産を認める国は繁栄し、国民の私有財産を没収する現在の日本のような国は没落するからです。これが歴史の鉄則です。 現代の日本人は、「私有財産」と聴けば、いかがわしいものというイメージがあるかもしれません。 しかし、国民個人に富が蓄積されると、明治期のような国士が現れるのです。 明治期には、福沢諭吉、渋沢栄一、高橋是清、中上川彦次郎、松永安左エ衛門……などの士魂商才が現れ、国を富ませました。 官僚ではなく、民間の「私」が立ち、地方が立ち、国が立つのです。(加藤寛・渡部昇一著『対論「所得税一律革命」―領収書も、税務署も、脱税もなくなる』光文社) 租税が複雑化肥大化する一方の現代において、幸福実現党はフラットタックスをはじめ、「簡単で公平な租税の実現」を目指して参ります。(文責・加納有輝彦) 日本は国家戦略としての宇宙産業創造を目指せ! 2013.03.18 「宇宙」というニュー・フロンティア 昨今、愛知県沖の深海で進めていた次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」から天然ガスを取り出す生産試験で、ガスの生産が確認されました。 海底からの試験成功は世界初であり、将来の国産天然ガス資源として期待されています。(3/12産経「メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功 海底からは世界初」) 今にわかにニュー・フロンティアとしての「海洋」への期待が国内で膨らみつつありますが、同時に、もう一つのフロンティアである「宇宙」への取り組みも忘れてはいけないのではないでしょうか。 宇宙(産業)は今や高速道路と同じように「インフラ」として私たちの日々の豊かな生活になくてはならない基盤となりつつあります。 例えば、自動車を運転する際に使われるカーナビゲーションシステム、位置情報確認サービス、WOWOWなどの衛星放送、天気予報を可能とする気象衛星システムなど、普段はさほど意識していなくとも、現代は宇宙産業の発展が我々の幸福と豊かさに直結している時代です。 現在の日本の宇宙産業全体の市場規模は約7兆円(宇宙機器産業、宇宙サービス産業、宇宙サービスを利用するための民生機器産業、ユーザー産業の合計)と言われています。 日本経済を現在支えている自動車産業が100兆円以上、建設業が約65兆円の市場規模を有していることを考えると、まだまだ宇宙産業は発展途上の段階であると言わざるをえないでしょう。 世界と比べてみても、日本の宇宙産業の市場規模は圧倒的に小さく、宇宙機器産業(ロケット、衛星、宇宙基地などを扱う)の市場規模を見ても、日本の約2700億円に対して、アメリカ約4兆円、EU約9000億円となっており、大きく水をあけられている状況です。 日本で宇宙産業が遅れている理由 日本が持つ宇宙技術は世界最高峰と言っても過言ではありません。 例えば、国際宇宙ステーションへ物資を補給するためのHTV(宇宙ステーション補給機)の技術や「はやぶさ」に代表される小惑星探査の技術は世界からも高く評価され、「日本のお家芸」とも言われています。 このように、世界に冠たる高度な宇宙技術力を有しながら、その技術が国家をリードする発展した産業へと成長しない理由は、政府・行政のリーダーシップと構想力の欠如、緊縮型の予算編成に負うところが大きいと言えます。 宇宙産業の未来性・重要性に対する政治家の認識の不足が宇宙産業の基幹産業化を遅らせているのです。 例えば、今年1月、内閣府の宇宙政策委員会は宇宙基本計画として、2020年度までに宇宙産業を14~15兆円まで拡大することを目標として設定しました(1/16日経「宇宙産業、20年度に15兆円目標宇宙政策委」)。 しかし、費用対効果の観点から、有人宇宙活動の縮小、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の経費の抑制、これまで20年ごろの実現を目指すとしてきたロボットによる月面探査の目標時期の取り下げ、などが方針とされています。 日本の政治家の先見性の欠如と「縮み思考」が露呈していると言わざるをえません。 「宇宙大航海時代」を見据えた戦略を 折しも、現在、中国は国家として有人宇宙船や独自の宇宙ステーションの開発を推し進め、宇宙軍拡・宇宙空間の征服に強力に乗り出してきております。(3/14「習近平氏、中国国家主席に選出――習近平政権で加速する中国の『宇宙軍拡』」) アメリカの防衛システムを無力化し、台湾の併合を手始めに太平洋覇権を狙う目的であると考えられます。 このような中国の脅威に対する安全保障上の観点に加えて、現在、新興国の成長に伴い、元気を失いつつある家電を中心とした日本の製造業をイノベーションし、高付加価値産業への転換を図っていくという経済的な観点からも、宇宙産業を国家を支える未来産業として戦略的に成長させていくことは不可欠です。 宇宙旅行、宇宙ホテル、はたまた宇宙結婚式など、宇宙を利用した様々な未来ビジネス・サービスがこれからの富の源泉となっていくはずです。 そして何より、かつて1960年代のアメリカにおいて、当時のケネディ大統領の「Go to the moon」という掛け声の下に行われたアポロ計画に見られるように、宇宙へのロマンと挑戦は国民を勇気づけ、人々の心を一つにする力があります。 日本が国家としての誇りと威信を取り戻し、新しい世界観を世界に向けて発信できる国になるためにも宇宙への取り組みは必要不可欠なのです。 そのためにも、日本は財源不足という縮小均衡の考え方に囚われず、世界一の債権国家であり、個人金融資産1500兆円という潜在力を利用して、官民ファンドの創設や宇宙開発事業債の発行などによって莫大なマネーを国内外から集め、宇宙という未来産業の還流させていくべきです。 また同時に、省庁ごとに縦割り型で行われて足並みの揃わない宇宙行政を組織的に一括化する工夫も必要でしょう。 日本は今こそ、「宇宙大航海時代」を見据えた戦略を持たなければなりません。(文責・HS政経塾2期生 鈴木純一郎) 米国が対北朝鮮弾道ミサイル防衛強化――日本も北朝鮮の核ミサイル攻撃への対抗措置を構築せよ! 2013.03.17 核ミサイル発射準備を進める北朝鮮 北朝鮮は国連制裁決議や米韓合同軍事訓練への反発から、「精密な核による打撃手段で、ワシントンやソウルをはじめとする侵略の牙城を敵の墓場にすべきだ」と訴え、核兵器の保有を誇示し「核の先制攻撃」を宣言しました。(3/7産経「『核の打撃』で威嚇北朝鮮党機関紙」) そのような中、アメリカ軍と韓国軍は15日、11日から朝鮮半島有事を想定した両国軍が指揮系統や後方支援の運用能力を高める図上訓練「キー・リゾルブ」を実施しました。(3/15NHK「米韓有事対応の図上訓練施設公開」) 同演習を開始した11日、韓国政府筋は北朝鮮の朝鮮人民軍航空機の出撃回数が急増、1日で700回余りに上ったことを伝え、米韓軍事演習に対して航空機を飛ばすことで警戒しているのではないかと分析しています。(3/13産経「北朝鮮軍機の出撃急増米韓演習初日、700回」) 15日(※金日成の誕生日)午後には、韓国軍消息筋の話として、短距離弾道ミサイル「KN02」と見られるミサイル2発を日本海側の公海へ向け発射しました。 2月10日にも同型と見られるミサイルを発射、今回はエンジンに改良を加え、移動式であるため軍事境界線から発射すれば、韓国の中部までが射程圏内に入ります。(3/16 日経) すでに北朝鮮は「核ミサイルの発射準備を終えた」とする軍将官の言葉を労働党機関紙・労働新聞に紹介。「一触即発だ」と米韓軍事衝突の危機を4日連続で掲載しています。 また、北朝鮮の軍民大会で、軍代表将官が「攻撃目標を定めた大陸間弾道ミサイルをはじめ各種ミサイルは核弾頭を装備し、待機状態にある」と演説したと伝えています。(3/9東京新聞「北『核ミサイル待機』」) 米国が対北朝鮮ミサイル防衛システムを強化 米国は、北朝鮮の核ミサイルが米国本土に到達する脅威が現実のものとなる数年後を見据えて迎撃用ミサイルの増強に乗り出しました。 ヘーゲル米国防長官は15日、北朝鮮の核・ミサイルの脅威が増しているとして、米本土を守る弾道ミサイル防衛(BMD)システムを増強すると発表。 アラスカに14基を追加配備し、地上配備型の迎撃ミサイル(GBI)を現在より5割多い44基に増やす計画が実施に移されます。(3/17朝日「米、迎撃ミサイル14基増強 北朝鮮の脅威でアラスカに」) 日本を標的にした北朝鮮の核ミサイル 米国議会調査局で朝鮮半島研究を専門とし、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)研究員のラリー・ニクシュ氏は、北朝鮮は核弾頭を小型化して「ノドン」の弾頭として装着することを目的としており、米国よりも日本を標的にしているという実態が確実との見解を示しています。(3/9産経「北の核の小型化『日本標的』」) 韓国は米軍との軍事演習を行い、米国は先手を打って「迎撃用ミサイルを増強」を行っています。 もはや、「平和憲法」の前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」日本を守る時代ではなくなりました。 朝鮮動乱が起こったとき、また北朝鮮が直接核ミサイル攻撃で脅して来たとき、日本はどうするのか、現実的な防衛策を早急に考えておかなければなりません。 日本政府は憲法9条改正、自衛隊法改正、非核三原則の見直し等を急ぐと共に、現行の憲法で許容されるものから可及的速やかに手を打つべきです。 例えば、敵基地攻撃に関する政府統一見解は「法理的には自衛の範囲に含まれ可能」とされており、遠隔地からでも敵基地を攻撃できる、精密攻撃能力の高い巡航ミサイル配備を進めるべきです。(2/20 産経「敵基地攻撃能力保有へ 北朝鮮の核ミサイルに対抗」) そして例えば、位置を特定できない巡航ミサイルを搭載した潜水艦を北朝鮮の平壌を攻撃できる日本海海底に展開させておき、日米同盟を緊密にした上でいつでも攻撃できるようにしておくべきです。 もし、日本の主要都市攻撃の脅しがあっても、北朝鮮はそれ以上の被害を受けることが予想されれば、簡単に日本を攻撃できなくなります。 後は外交上の駆け引きの問題になりますが、明日からでもすぐに準備に入れることです。安倍政権は朝鮮半島の情報分析に力を注ぐと共に、対北朝鮮ミサイル防衛策を早急に練り込むべきです。(文責・佐々木勝浩) 福島県における放射能「除染基準の緩和」を求める 2013.03.16 厳しすぎる除染基準 戦後最大の被害をもたらした東日本大震災から二年あまり。大きな爪痕を残した天災でありましたが、時間を経るに従って、人災の側面も大きかったのが明らかになってきています。 原発事故の起きた福島では、今も数多くの被災者が避難生活を強いられています。 住民の帰還と、地域の復興を妨げている大きな要因に、「年間1ミリシーベルト」という、放射能の厳し過ぎる除染基準がありますので、本日はこの点に絞って言及いたします。 通常、私達が病院で受けるCTスキャン1回あたりの被ばく線量は「10ミリシーベルト」前後と言われています。 この線量が人体に与える影響は一概には判りかねますが、そのせいで病気になったという話は聞きません。 また、「年間100ミリシーベルト」までは特に人体に影響はないとする専門家も多く、実際、インドやイランには高自然放射線量地域がありますが、そこの住民のがん発生率が、他の地域と比較して特に高いという報告もありません。 要は、「年間1ミリシーベルト」で健康被害が発生することはまずあり得ないのですが、いつしか、この厳し過ぎる数値が除染の目標数値になっていたのです。 厳し過ぎる除染基準は「人災」をもたらす そこには、「故郷の美しい山河と、従来の生活を取り戻したい」という地元自治体の強い意向がありましたが(地元としては当然の要求であったと思います)、もっと根深い問題として、正確な科学的知識を提供するのではなく、やたらと放射能の恐怖を煽って視聴率や部数を伸ばそうとしたマスコミの報道姿勢や、根っからの原発反対論者であった菅直人元首相をはじめとする、当時の民主党首脳の意向がありました。 CTスキャン1回分に遠く及ばない、「1ミリシーベルト」という微量の放射線を除染の目標としたことで、必要以上に広大な区域が、放射能による危険な区域となりました。 その結果、(1)緊急ではない過剰な除染作業が税金によって延々と行われ、(2)被災者の帰還がさらに遅れ、(3)福島産の農産物に対する風評被害もいっそう強まることになったのです。まさに、「人災」であります。 「除染基準の緩和」を求める ここはせめて、国際基準に照らし復旧時の許容範囲である「20ミリシーベルト」に、除染基準を変更すべきではないでしょうか。 実際、2011年12月に、福島原発の原子炉が安定状態を達成し、発電所の事故そのものは収束に至ったことから、原子力災害対策本部は「警戒区域」および「避難指示区域」の見直しについて、下記方針を発表しています。(2011/12/16 原子力災害対策本部「ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について」) ・原子力安全委員会は、本年8月4日に示した解除に関する考え方において、解除日以降年間20ミリシーベルト以下となることが確実であることを、避難指示を解除するための必須の要件であるとの考えを示した。 ・年間20ミリシーベルトは、除染や食品の安全管理の継続的な実施など適切な放射線防護措置を講ずることにより十分リスクを回避出来る水準であることから、今後より一層の線量低減を目指すに当たってのスタートとして用いることが適当であるとの評価が得られた。 ・こうした議論も経て、政府は、今回の区域の見直しに当たっても、年間20ミリシーベルト基準を用いることが適当であるとの結論に達した。 すなわち、原子力安全委員会は「年間20ミリシーベルト」以下は安全であると宣言しているのであり、今のまま「1ミリシーベルト」を除染の目標値とし続けることは、避難住民の帰還を遅らせるばかりか、除染作業にかかる人員・費用の浪費にもなりかねません。 また、先に述べたとおり、そもそも100ミリシーベルト未満では健康への影響はないという専門家の意見も多いことから、年間20ミリシーベルトを超える地域であっても、住民の皆様の帰還が可能かどうかについて、改めて冷静な議論が行われてしかるべきです。 「被災者の方は、つらいでしょうが、広島・長崎は、その後、きちんと復興していますので、“将来的な心配はない。実は、もっと被害は少ないのだ”と思っていただいて結構です。」(大川隆法党総裁著『されど光はここにある』第5章より抜粋) 被災地の一日も早い復興を祈念しつつ、福島県における「除染基準の緩和」を自民党政権に求める次第です。(文責・加藤文康 党総務会長) 政府「消費税還元セール禁止」の愚――消費増税による景気後退は避けられない! 2013.03.15 日銀新総裁に期待する 国会は15日午前、次期日銀総裁に黒田東彦アジア開発銀行総裁を起用する人事案を正式に承認しました。 黒田氏は「15年もデフレが続いており、中央銀行としての責任が果たされてこなかった」として、これまでの日銀の金融政策を批判。(3/11 読売「黒田氏、2%インフレ『必ず果たす』…参院聴取」) 日銀が導入した2%のインフレ目標について、「できるだけ早期に実現することが最大の使命であり、必ず果たす」と述べ、目標実現に強い決意を示しました。 新総裁の誕生を市場も好感を持って受け止めており、15日の東京株式市場は大幅続伸し、日経平均株価の終値は、4年半ぶりとなる1万2500円台への回復を果たしています。 昨年年初より、幸福実現党は『日銀総裁とのスピリチュアル対話―「通貨の番人」の正体―』を発刊し、日銀批判、白川総裁批判を展開して参りました。 幸福実現党の活動が発火点となり、世間でも日銀批判、白川総裁批判が活発になされるようになり、黒田新総裁誕生に結実したと言えます。新総裁の活躍を期待する次第です。 アベノミクスの家計への影響は? アベノミクスは株高・円安をもたらしましたが、これが国内の景気回復につながるか否かについては、様々な議論が沸き起こっています。 景気回復は、企業の業績回復→労働者の賃金上昇→消費拡大→物価上昇というサイクルを生み出すことができるかどうかにかかっています。 今年の春闘では、一部大手企業が一時金を満額回答する動きが相次ぎ、大きく報道されていますが、実際には、今年の賃金全体を押し上げる効果はわずか0.5%程度に過ぎません。(3/14 ロイター「焦点:輸入インフレに追い付かない賃金上昇、円安との兼ね合い難しく」) むしろ、賃金上昇よりも、エネルギーや食料品など、円安による輸入物価の上昇分の負担の方が大きく、実質所得が減少する可能性の方が高いのです。 実際、スーパーマーケット業界の1月の売上高は4.7%減で、スーパーの大手各社が1000品目単位で値下げを実施しても、今年に入っても値下げ競争は加速しているのが現状です。(3/9 東洋経済「株高は消費につながるのか? 」) イオンの横尾博・専務執行役グループ商品最高責任者は「一般の消費者は、向こう半年や10カ月ぐらいは電気代やガソリン代など生活インフラの価格が上昇し、可処分所得は厳しくなるだろう」と話しています。(同上) 更に可処分所得を大幅に減らす消費増税 物価上昇と賃金上昇の遅れにより、国民の実質可処分所得(実質的に自分が使えるお金)が減少する中、来年4月から消費増税が強行されれば、私たち国民の可処分所得が更に減少します。 大和総研は消費税増税後の2015年の実質可処分所得は、2011年と比較して4~9%減少するという試算を出しています。(2011/12/30 毎日「『社会保障と税の一体改革』に伴い、家計にどの程度の影響が出るのか」) また、政府が消費税率10%に引き上げた場合の家計負担を試算した結果、年収500万円の4人家族では、増税や社会保険料引き上げ等により、年間33万8千円の負担増が家計にのしかかります。(2012/9/28 朝日「消費税10%で家計負担は…内閣が初試算」) 「消費税還元セール」禁止の愚 こうした可処分所得の減少は、消費を萎縮させ、物販を中心とする小売業を直撃します。 私の知り合いの流通業経営者も「流通業界では熾烈な競争があり、1円単位の安売りのしのぎを削っている中、消費増税分を上乗せしたら売れなくなる」と懸念を表明しており、消費増税分を消費者に転嫁できない現状を語っていました。 しかし、そうした中、政府・自民党は12日、消費増税の際に大手スーパーなどによる「消費税還元セール」を禁止することを決定しました。(3/15 日経「消費増税還元セール禁止 政府・自民が価格転嫁対策」) スーパー側が増税分の値上げをせず、中小の納入業者に消費増税分が転嫁される(消費増税分の値引きが強要される)ことを防ぐ措置ですが、こうした「セール禁止令」に小売業界からは反発が出ています。 消費増税による売上減少を防ぐために、値引きセールを行うこと自体は小売業にとっての最大の自衛手段です。 にもかかわらず、値引きを規制することは「統制経済」「社会主義」に繋がります。(参考:3/13 Liberty web「『消費税還元セール禁止』 安倍政権は『統制経済』への道を開くつもり?」) 自由主義経済の「政府は価格統制を行わない」という原則を壊してまで、小売業者に消費税増税を強要したとしても、その結果、消費者は「買わない」という選択肢を選ぶだけです。そうなれば、ますます景気は悪くなります。 実際、ある大手スーパーは「消費者の重税感を減らすことにもつながる『還元』をセールでうたえないのはいかがなものか」と不満をあらわにしています。(3/13 Business Journal「消費税還元セール禁止へ 反発する小売り業界」) 政府がいかなる小細工をしようとも、消費増税による景気後退や中小企業への転嫁は避けられません。 幸福実現党は消費増税廃止をお約束します。次期参院選で「消費増税廃止」の声を私達に託して頂きたいと存じます。(文責・黒川白雲) 習近平氏、中国国家主席に選出――習近平政権で加速する中国の「宇宙軍拡」 2013.03.14 北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)で14日、中国の新しい国家主席に胡錦濤氏に代わって習近平・党総書記が選出されました。(3/14 朝日「習近平氏、中国国家主席に選出 名実ともに最高指導者」) 本日15日に閉会を迎える「全人代」は日本の国会に相当し、向こう5年間に関わる中国の国家戦略が明らかとなる極めて重要なイベントです。 さらに今年は習近平氏が国家主席に選出されるという権力の移行期ということもあり、内外のメディアの注目が集まっていました。 今回も「解放軍報」などの中国側の官報をベースに、全人代後の中国の動きを読み解いてみたいと思います。 そもそも「全人代」とは? 日本人になじみのない「全人代」について、はじめに簡単に解説させていただきます。 「全人代」とは、毎年一回、北京で開催される、全国の省・直轄市・自治区・特別行政区・軍の代表からなる一院制の立法議会です。 12回目を数える今回は全体で2987人が参加し、解放軍からは268名が参加しました。 国防費を含む軍事予算が決定されるだけでなく、権力移行期には、国家主席・国家中央軍事委員会などが選挙によって選出されます。 昨年の党大会で党総書記と党中央軍事委員会主席のポストを受け継いだ習氏は、今回、国家中央軍事委員会主席に選出されたため、「党・軍・国」のすべてのポストを掌握したことになります。 全人代開催直後、胡錦濤氏の名前が消えた 国家主席のポストは、形式的には14日の選挙で決定する事になっていましたが、実際はそれより以前から権力闘争には決着がついており、大会が開催するころには習氏が主導権を握っていたと思われます。 というのも、「人民日報」「解放軍報」共に全人代開会を告げる3月6日付のトップ記事までは、胡錦濤氏を先頭に習近平、呉邦国…と名前が列挙されておりましたが、早くも3月7日付の「人民日報」「解放軍報」では、全人代の記事から胡氏の名前が消え、習近平・李克強らの次期権力者の名前に入れ替わっていたのです。 1面に最も大きく掲載されるトップ写真も、7日の時点で習近平を中央に置くものが使われ、すでに大会の主役が習氏らのグループに移行したことを示していると言えます。(解放軍報:3/6「十二届全国人大一次会議在京開幕」、3/7「習近平李克強兪正声分別参加全国両会一些団組審議討論」) 軍のトップも習近平を指示している また、「習近平は軍隊を掌握しきれていない、弱いリーダーだ」という見方もされていましたが、実際は中国軍のナンバー2である中央軍事委院会副主席の支持を受けており、そのような見方が誤りであることが明らかとなっています。 具体例を挙げると、習氏らが主役として取り上げられ始めた3月7日の解放軍報の一面には、范長龍、許其亮の二名の中央軍事委員会副主席が、それぞれ「党中央、中央軍事委院は習主席の指揮に従い、国防強化を進めていく」と、代表団の分科会で発言したことが記事として取り上げられました。(解放軍報:3/7「范長龍代表在分組会上発言強調」「許其亮代表在分組会上発言強調」) 習近平政権で「天軍」開発が加速する それでは、軍を掌握した習近平氏は、この5年間でどのような軍事拡張を行うつもりなのでしょうか? 解放軍報を読み解いていくと、その重点は「海洋」と共に「宇宙」にあることが分かります。 今回は、日本のメディアが全く取り上げない「宇宙軍拡」について取り上げたいと思います。 習氏への権力移行を印象付けた7日付の解放軍報では、有人宇宙船「神舟10号」と、宇宙ステーション「天宮2号」の大きな記事が掲載されていました。 記事は、全人代に参加した総装備部・某基地政治委員の王兆宇氏へのインタビューと言う形を取り、今年の6月から8月にかけて、有人宇宙船「神舟10号」の打ち上げを実施する事を明かしています。(解放軍報:3/7「神舟十号将実現新跨越」) また中国の有人宇宙ステーションである「天宮2号」設計部門責任者である周建平氏は、「天宮2号の主要目標は、空間戦の部分となる新技術を検証する事だ」と取材に応えています。 この「空間戦」については、同日、解放軍代表団が「空・宇宙・インターネットに及ぶ安全保障に注意を払う」と発言している事から、宇宙とインターネットを利用した「米軍型の戦闘様式」であることは間違いないと言えるでしょう。(解放軍報:3/7「両座中国“天宮”或将併存太空」「解放軍代表団挙行第一次全体会議」) 野心に満ち満ちている中国の宇宙軍拡 さらに別の記事では、中国軍が「1隻の中心船と、2隻の実験船からなるT字型の宇宙ステーション」の建設に取り掛かっており、それらのステーションを打ち上げるための新たな宇宙ロケット発射センターが、二年後の完成を目指して海南島に建設中であると明らかにされています。 ここからは貨物船と宇宙ステーションの打ち上げ能力を有する、長征五、長征七号などのロケット打ち上げが可能で、中国最大の打ち上げステーションとなることが予想できます。(解放軍報:3/13「中国(之に萬)向空間戦時代」) 同記事の最後で、設計部門責任者の周建平氏は「地球は人類の揺りかごであるが、人類が永遠に揺りかごの中で生活するということはありえず、絶え間なく新しい天体と空間を探求する。大気圏の突破を果たしたら、太陽系の空間を征服する」という驚くべきビジョンを語っています。 中国の軍拡が、すでに尖閣はおろか太平洋をも超え、宇宙空間の征服に向けて進行していることは明らかです。 日本は宇宙開発の高いポテンシャルを有していますが、産業化していくビジョンと政治家の決断がないため、宇宙開発に踏み出せずにいれば、中国の後手に回る可能性があります。 日本政府は尖閣や集団的自衛権問題で思考を停止することなく、中国の軍拡の実態を見据えたうえで、宇宙開発も視野に入れた日本の国家戦略を考えるべきではないでしょうか。(文責・HS政経塾一期生・神奈川四区支部長 彦川太志) 成長戦略はどうあるべきか。 2013.03.13 政府の経済政策を立案する際に必ず出てくるのが「成長戦略」という言葉です。 一般的には、今後の成長が見込まれる分野に資源を配分することを指します。近年では、環境や医療、福祉が代表選手です。過去には、「鉄は国家なり」と呼ばれたように、鉄鋼業に重点的に資金や人材が投入された時代がありました。このように、成長戦略は「傾斜生産方式」と呼ばれた産業政策のイメージに近く、政府主導の政策であることは間違いありません。 最近では、城山三郎氏の『官僚たちの夏』(新潮社文庫)がTVドラマ化されたこともあり、熱血官僚の奮闘記が記されています。この本には通産省(現経済産業省)がモデルとなっており、城山氏は官僚の優秀性と国家のために命懸けで働く男の姿を表現しようとしたのでしょう。 とまれ、安倍政権の経済政策にも入り込んでいる成長戦略について様々な角度から検証する必要はあると思います。 第一に、成長戦略とは官僚主導が多いということ。 実際には官僚が法案作成原案や事務処理を行っています。また、官僚主導になると非常に面倒な手続きや規制が多くなることも事実です。 例えば、エコカー減税や電化製品のエコポイント。 これらの制度は定額給付金や子ども手当などのような減税措置と違い、納税者が実際に消費をしてこそ効果がでます。面倒な書類の提出をガマンできれば、企業や関連業界の活性化にはなっているでしょう。ただし、当該商品に興味を持たない方にとっては意味をなさないのも事実です。ある意味、政府による強制的な消費促進が本当に良いのかどうかの検討は必要です。 次に、「成長戦略そのものを政府が決めることが本当にできるのか?」という根源的な問題があります。ケインズ経済学には政府の市場介入を正当化する論理が含まれていますが、自他共に優秀性を自負する官僚にはケインズモデルとの親和性が高いようです。 上記の『官僚たちの夏』のモデルとなった通産省は、海外ではMITI(Ministry of International trade and Industry )と呼ばれたほど有名でした。日本の高度成長は、MITIの存在があったからだと考える海外の学者もいますが実際はどうだったのでしょうか。 東京大学の三輪芳朗教授とハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授との共同研究書である『産業政策の誤解』(東洋経済新報社)では、明確に産業政策を否定する結論を導いています(P・クルーグマン著の教科書『国際経済学』のコラムでも同じ結論を紹介している)。 なぜなら、産業政策を実施しようとした官庁には、民間経済に影響を及ぼす有効な政策手段が欠落していたこと。例外的にも有効な手段を有する場合にもその行使には慎重であったこと等が触れられています。両教授の見解に従えば、産業政策を実施しなかった産業の方が発展しているということです。 早稲田大学の若田部昌澄教授の著書『もうダマされないための経済学講座』を使い、もう少し詳細を見ていきましょう。 例えば、通産省が作成した特定産業振興臨時措置法案があります。この法案が通ると、新規参入ができなくなります。この時、後に世界のHondaの礎を作った本田宗一郎氏は、四輪車の生産に踏み切ります。さもなければ、本田技研工業は今後自動車産業へ参入できなくなります。現実は道路上でのテスト走行までは成功したものの、量産体制まではできないというのが現状でした。幸いなことに、この法案は廃案となり、以後、本田技研工業は腰を据えて自動車生産をすることができるようになったわけです。 要するに、成長戦略と称する産業政策を行うと新規参入が阻害されるため、技術やビジョンをもった中小企業の芽を摘む可能性があるわけです。 また、当時の本田技研工業が世界のHondaへと成長できると、誰が想像できたでしょうか。このように、成長産業は官僚でなくとも見極めることは極めて難しいのです。ましてや、最近は新規有望産業のブームが過ぎると消えることが多く、有望産業の見極めはますます困難になりつつあります。 さらに、R・ビーソンとD・ワインシュタイン教授の研究によれば、補助金、関税、税控除、政府金融の四つに関して、支援度が低いほど産業の成長率が高いことが示されています。言い換えれば、政府が支援すれば成長産業が育つわけではないと読むことができるのです。 このように、長年の経済学の実証研究によれば、産業政策は極めて分が悪い結論が出ています。要するに、政府が成長戦略を採用する必要はないということです。もし実行するならば、民間企業が活動しやすいように規制緩和や減税などを行い、民間の自由な発想と創意工夫を邪魔しないことです。発明や発見は現場で起きており、イノベーションは現場で起きている以上、政府が市場に介入する必要性はありません。 シカゴ大学教授であり、ノーベル経済学者でもあるG・ベッカー教授は「最良の産業政策とは、何もしないことである」(上記の三輪教授の著作に引用あり)と述べています。まさに言い得て妙だと言えましょう。(文責:中野雄太) TPP参加で、農業後継者を地方に呼び込むチャンスとしよう! 2013.03.12 全国農業協同組合中央会(JA全中)などの農林漁業、消費者関連の8団体(4千人規模を動員)は12日、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に反対する緊急集会を東京都内で開きました。 JA全中は、2月のTPPに関する日米共同声明で「全ての物品が交渉の対象とされる」「最終的な結果は交渉の中で決まる」などとされたことを問題視。 政府が早期に交渉参加を表明することになれば「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」とした自民党の政権公約に反すると怒りを露わにしました。(3/12 産經) 昨年12月の総選挙で当選した自民党議員295人(復党議員含む)のうち、205人が選挙公約でTPP参加に「反対」を表明していました。これは、全体の約70%を占めています。(3/4 赤旗) 「これでは公約違反だ」「自民党は政権公約を守れ」の怒りの声が全国各地であがっています。 「国益を考えたらTPPには参加すべきだが、総選挙で農家、医療関係の票はほしいので、例外品目を勝ち取るべくTPPに参加します」というのが自民党の本音(公約)でした。 それを「例外なき関税撤廃が前提ならば、TPP反対」という選挙公約を掲げたことにより、今、そのツケがまわってきたといえましょう。 選挙で論点をぼやかし、先送りすることが、「人気の秘訣」なのか、「不誠実の象徴」なのかは、議論の分かれるところでしょう。 幸福実現党は、TPPに参加すべきとはっきり主張しています。(3/8 サンケイビジネスアイ 矢内筆勝党首コラム「TPP参加で日本を強く、豊かに 」) 農業従事者の平均年齢は66歳です。放っておけば10年後には後継者難から自然崩壊するのは火を見るより明らかであり、TPPを日本農業変革の好機とすべきであることは衆目の一致するところと思います。 規制緩和により、農地の集約化、大規模化、あるいは工場生産化によって国際競争力をつけ、日本の優秀な農業技術によって付加価値の高い農産物を輸出し、農業を輸出産業に育てることも可能であると訴えています。 しかし、一方で高低差の激しい日本の地形から大規模化にそぐわない農地が多いのも日本の現状です。美しい日本の風景として後世に残したい棚田などはその典型でしょう。 農地法第3条は、北海道では2ヘクタール、都府県では50アール以上でないと農地を購入することが出来ないとされています。(実際は、市町村ごとに別途条件を定めている) 私の知人(会社員)の配偶者は、約10アールの耕作放棄地でブルーベリーの生産を行い、収益を上げています。 しかし、50アール未満なので農地を購入することが出来ず、農家と認定されません。借地で小作農としての立場に甘んじ続けなければならないのです。 この事例は兼業農家の形になりますが、耕作放棄地が有効に活用されています。 兼業農家の存在が、保護農政の悪しき果実と批判される向きもありますが、大規模化にそぐわない高低差のある山間部においては、農地法3条の規制などを緩和し、逆に兼業農家を呼び込むことで耕作放棄地の増大、山間地の荒廃を防ぐことが可能です。 さらに、補助金農政の代りに農家の所得税を減税・フラット化し、大きな収益をあげても累進課税されないことで、後継者育成の大きなインセンティブとなります。 要するに、規制緩和により、大規模集約化も推し進め、大規模化のそぐわない山間地は兼業農家を後継者として呼び込む施策を考え、荒廃を防ぐことも十分可能であるのです。 前述の知人は「狭い農地でも収益をあげる自信はある。それが規制で足かせをはめられている。余計なお世話だ」と規制に不満を漏らしています。 TPP参加を機に、規制緩和を推し進め、国際競争力をつけると同時に、山間地域の環境保全も実現するWIN-WINの道が存在するのです。(文責・加納有輝彦) すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 Next »