Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 安倍政権が今国会で「道州制基本法」を提出へ――「国家解体」の危険性 2013.02.01 自民党が今国会で「道州制基本法」を提出へ 安倍晋三首相は31日の衆院本会議で、道州制の導入を定める「道州制基本法」の早期制定を目指す考えを示すと共に、「早期制定を目指して議論を行う与党と連携を深めて取り組む」と明言しました。(1/31 東京「首相、道州制法の早期制定目指す」) 安倍首相は積極的な「道州制推進論者」として知られており、今通常国会に「道州制基本法案」を議員立法で提出する方針です。(1/11 産経「自民、道州制基本法案を来年度予算成立後に提出へ」) 「道州制基本法案」では、理念や手続きを規定し、30人以内の有識者らで構成する「道州制国民会議」を内閣府に設け、3年以内に区割りや市町村の役割などをまとめ、首相に答申することとなっています。 道州制は「琉球独立」への道 道州制とは、都道府県を廃止し、全国を10程度の道や州に再編するものです。 自民党の「道州制基本法(案)」には、その区割りは明記されていないものの、北海道、東北、北関東、東京、南関東、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄という区割りが想定されています。 東京を単独にするのか、中部を東海と北陸に分けるのか、中国と四国を統合するのか等、瑣末な議論はあるものの、沖縄が単独で州として設定されことは確実と見られています。 内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会が発表した答申では、「北海道及び沖縄県については、その地理的特性、歴史的事情等に鑑み、一の道県の区域のみをもって道州を設置することも考えられる」とあります。(2006/2/28 地方制度調査会「道州制のあり方に関する答申について」) 更に、2008年の自民党の道州制推進本部(谷垣禎一本部長)と道州制推進委員会(佐田玄一郎委員長)が合同で示した道州ブロックの区割り4案では、沖縄は4案いずれも単独州に設定されています。(2008/5/30 琉球新報「道州制、4案とも沖縄単独州」) 「地域主権」と「道州制」によって、沖縄州に「主権」が分譲されれば、沖縄州は強力な自治権限を獲得すると共に、「琉球独立」運動と一体となって、沖縄の日本からの独立に拍車をかけることになるでしょう。 そもそも、「沖縄独立」を最も強く願っているのは中国です。 矢内筆勝党首も、中国が「琉球独立」運動の手助けをし、米軍が撤退した後には人民解放軍が進駐し、中国の「琉球自治区」として統治しようと画策していることを指摘しています。(⇒「琉球独立運動」の危険性) 尖閣・沖縄に「国難」が迫る最中、こうした「国家解体」に繋がりかねない「道州制」は極めて危険性が高いと言えます。 地域間格差が激しくなる「道州制」 また、道州制は、地方への「課税自主権の付与」を掲げています。 一見、国から地方への大幅な税源移譲は、地方にとって「得」になりそうに見えます。 確かに、首都圏などの一部の大都市は「得」するでしょう。しかし、地方の多くの都市が「損」することは明らかです。 国家は国税の一定割合を「地方交付金」として、地方自治体の財政状況に応じて分配しています。これは、地方の財政状況を平準化し、「地域間格差」を調整するための機能を有しています。 普通交付税の交付を受けていない「不交付団体」は年々減少傾向にあり、平成24年度は1都54市町村に過ぎません。(総務省「平成24年度不交付団体の状況」) すなわち、多くの市町村が「地方交付金」によって財政が賄われているのですが、地方への税源移譲がなされてしまえば、「税の再分配機能」が失われ、「豊かな自治体はより豊かに、貧しい自治体はより貧しく」なります。 全国町村会も「道州制」導入反対に向け、反対攻勢を強める行動計画をまとめるなど、波紋が広がっています。(1/3 信濃毎日「全国町村会、『道州制』導入反対で行動計画」) 「国家解体」に繋がる「道州制」 また、「道州制」や「地域主権」の下では、国家レベルの外交・安全保障政策が遂行できなくなる危険性が非常に強くなります。 例えば、沖縄州が「米軍基地の退去」「自衛隊基地の退去」を決定すれば、日本の国防機能が弱体化することは避けられません。 また、国家の機能が分散されてしまえば、大規模災害があった際、単独の道州で対応せざるを得ず、迅速かつ大規模な救援活動が取れなくなることも懸念されています。 そもそも、「主権理論」を確立した中世フランスの政治思想家ボダン(Jean Bodin)は、「主権は最高にして唯一、国家の絶対的かつ恒久的、不可分にして不可譲という属性を持つ」と述べています。(堀江湛著『政治学・行政学の基礎知識』一藝社,2007) 安倍首相は「主権を分割する」という近代国家、明治維新に逆行する「道州制」「地域主権」の危険性を知り、「道州制基本法」提出を取り止めるべきです。(文責・黒川白雲) 安倍政権を蝕む寄生虫――自民は即刻、売国政党・公明党と連立を解消せよ! 2013.01.25 習近平氏との会談を熱望し、売国発言を繰り返す公明党・山口代表 公明党の山口那津男代表は25日、北京の人民大会堂で、中国共産党の習近平総書記(国家副主席)と会談しました。 山口氏は尖閣諸島をめぐって悪化した日中関係改善に向け、日中首脳会談の実現を呼びかけました。昨年11月に習近平氏が総書記に就任してから、日本の与党幹部と会談するのは初めてのことです。(1/25 毎日「公明・山口氏『尖閣、対話解決を』習総書記 北京で会談」) 今回、習近平氏が山口氏と会談を行うか否かについて、中国側は25日の山口氏の帰国直前まで回答を保留していました。 中国側は「山口氏の中国での発言を聞いてから(習近平氏が会うか)判断しようとしていた」(1/24 産経)と見られ、山口氏は習近平氏との会談を希望し、熱い「ラブコール」~親中・亡国発言~を送って来ました。 21日の香港のフェニックステレビでは、山口氏は尖閣諸島の領有権について「容易に解決できないとすれば、将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」と述べ、「尖閣棚上げ論」に言及しました。(1/22 産経「公明・山口代表『尖閣棚上げ』言及 政府見解逸脱 」) また、山口氏は中国機による尖閣周辺の領空侵犯に対して、航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)が相次いでいることに対して、「両国の軍用機が島に近づき合うことは不足の事態を招きかねない」として、自衛隊出動の自重を促す発言も行いました。(同上) これに対して、自民党の石破幹事長は「日本政府として一度も棚上げを是認したことはない。尖閣は日本固有の領土であり、棚上げの理由はどこにもない」「わが国固有の領土にわが国の飛行機、軍用機が近づかないことは極めて難しい」と強く反論しました。(1/22 産経「公明・山口代表の『棚上げ』発言に石破氏が反論、またも与党間に溝」) また、アルジェリアの外国人人質事件を受け、海外で邦人が紛争などに巻き込まれたときに自衛隊による救出要件を緩和する自衛隊法改正問題が自民党内で強まっていますが、公明党は改正に慎重な姿勢を崩していません。(1/22 産経「邦人救出で自衛隊法改正焦点 公明慎重、自民と溝」) 安倍首相は11日、「尖閣諸島、領土を守る姿勢に変わりはない」と述べていますが、山口氏の発言は安倍政権の尖閣防衛の意思を打ち消しかねない失言です。 「尖閣棚上げ論」は中国の策略 そもそも、「尖閣棚上げ論」とは、1978年、当時の中国の最高実力者であるトウ小平氏が訪日した際、「(尖閣諸島の領有問題についての)問題は一時棚上げしても構わない、次の世代は我々より、もっと知恵があるだろう」と話した発言に端を発します。 日本政府の公式の立場としては、「領土問題が存在していない以上、棚上げの合意もない」として、「尖閣棚上げ論」は「鄧小平の一方的発言」という位置づけとなっています(ただし、日中間の「密約」があったとする見方は強い)。 要するに、「棚上げ論」とは、「日本が尖閣諸島の主権を主張しなければ、中国は尖閣諸島の領有を主張しない」とする主張です。 一見、平和的主張に見えますが、「棚上げ論」は中国の実効支配戦略の常套手段で、中国は南シナ海でも領有権をめぐって「棚上げ論」を持ち出しつつ、共同開発を進めるなど、ジワジワと実効支配を強めています。 しかし、そもそも尖閣諸島は南シナ海と違って、領有権の係争地でもなく、純粋に日本固有の領土であり、「棚上げ論」などもっての外です。 例えば、自宅の庭について、隣人がいきなり、「この庭は本当は自分の庭であるが、紛争は良くないので、所有権論争は棚上げして、お互い、庭に入らないようにしよう(若しくは、お互い、庭に入れるようにしよう)」と提案して来たようなものであり、冷静に考えれば、全く馬鹿げています。 また、仮に日中間の「密約」があったとしても、中国は1992年に尖閣を自国領とする領海法を制定し、一方的に領有権主張を強め始めており、この時点で「棚上げ論」は既に破綻しており、日本側が「棚上げ論」持ち出すことは「領有権を放棄するに等しい行為」です。(参考:1/23 産経「尖閣と山口氏 棚上げ論は国益に反する」) 与党の政党代表である山口氏の「尖閣棚上げ」発言は、日本の国益を損なう極めて問題が多い発言なのです。 「親中売国政党」公明党の罪 そもそも、公明党は「親中政党」としての姿勢を隠そうともしていません。 山口氏は24日、中国共産党・王家瑞中央対外連絡部長との会談で、「公明党の創立者である池田名誉会長が日中国交回復に大きな役割を果たした。その基本的な精神をわれわれも受け継がなければならない」と訴え、公明党の「親中ぶり」を懸命にアピールしています。(1/24 産経「公明代表、中国で『池田名誉会長の精神受け継ぐ』」) 習近平氏は間違いなく、中国共産党と古くから友好関係にある公明党は「くみしやすい相手」「日本侵略の橋頭堡」として見ていることでしょう。 今後、習近平氏は、公明党を使って、安倍政権を「内から切り崩していく」戦略を取っていくものと見られます。 また、安倍政権になり、太田昭宏氏(公明党・前代表)が国土交通大臣に就任しましたが、中国の侵攻から尖閣諸島を守っている海上保安庁の長は海上保安庁長官であり、国土交通大臣の指揮監督を受けます。 すなわち、海上保安庁職員が事実上、「親中売国政党」公明党の支配を受けているということであり、これも中国の策略の一環でありましょう。 公明党の存在自体が中国側につけ入る隙を与えおり、安倍政権の足元を崩しかねません。 民主党政権は党内の主張がバラバラで、何も決定できませんでしたが、憲法9条改正に強い慎重姿勢を示す公明党と連立していては、安倍政権は憲法改正の偉業を成し遂げることは不可能です。 自民党は先般の衆院選で単独過半数を得た以上、売国政党・公明党とは即刻、連立解消・訣別し、安倍政権は障害を除去した上で「国防強化」に取り組むべきです。(文責・黒川白雲) 世界から見て異常な安倍首相の反応―「テロは絶対に許さない!」―首相が正義を語れる日本に! 2013.01.24 今回のアルジェリアテロ事件は、事件発生から9日目で、安否不明だった日本人10人全員の死亡が確認されるという大変残念な結果となりました。(1/24 読売「日揮元副社長、最後に死亡確認…邦人犠牲10人」) 亡くなられた邦人の皆さまのご冥福を心からお祈り申し上げますと共に、ご遺族の皆さまにお悔やみ申し上げます また、犯行グループは日本人を狙うため、最初に日揮の居住区に進入し襲撃していたことが判明しました。 アルカイーダ組織傘下の武装グループが関与する地元企業がBPに出入りし、テログループに情報を流すなどしていたようです。 テロ事件を受けての各国首脳の発言 このテロ事件を受けて、日本と各国首脳の発言に大きな差があることに気づきます。 アルジェリアは現在発効している16のテロ防止関連の国際諸条約すべてを批准した世界数カ国のうちの1つであり、「反テロ」対策を積極的に推進してきた国です。 セラル首相は「武力行使は勇敢で、高度にプロフェッショナルだった」と述べ、武装勢力がガスプラント爆破を狙って配管に爆弾を仕掛けたのを受けて、最後の攻撃を行い、武装勢力を壊滅させたと述べました。 仏オラルド首相:「最も適切なやり方だった」「人質を殺すことも辞さない冷徹なテロリストと対峙していたアルジェリアに交渉の余地などなかった」 英キャメロン首相:「アルジェリア当局の責任を問う声も出るだろうが、人質が死亡した責任は残虐非道なテロリストにある」 米クリントン国務長官:「これがテロ行為であることを忘れないでほしい。犯罪者たちはテロリストなのだ」 このように、欧米の政治指導者は人質側に多数の死者を出す結果となったアルジェリア政府の対応について、テロ行為を許さない政府判断を支持する立場を示し、人命よりも正義を優先するとはっきり表明しています。 正義を優先することが人命を守ることにつながると知っているからです。 一方で、日本の安倍首相は17日深夜タイからアルジェリア首相のセラル首相に「人命優先を要請したはずだが、攻撃するとは一体どういうことか」と、声を荒げて抗議の電話をし、人命を失ったことに対しては、「誠に残念」として、暗にアルジェリア政府を批判する姿勢を示しています。 各国世論・マスコミの報道 今回の事件に関して、欧米メディアのマスコミでは、「西洋の価値観と生き方の破壊を目ざしているテロリストと交渉する余地などない」(英サンデー・タイムズ)といった反応が少なくありません。(1/22 読売) しかし、日本のマスコミでは「強行突入し、人質の命を犠牲にしたアルジェリア政府が悪い」となりかねません。 そのため、安倍首相はまずアルジェリア首相に抗議し、人命を第一に考えている印象をマスコミを通じて国民に知らせました。 そうしなければ、今回の事件を通して支持率の低下、失言による引責問題になりかねないからです。 米国で収監中のイスラム原理主義指導者ら2人の釈放を求められたアメリカは、「米国はテロリストと交渉しない」(国務省のヌランド報道官)と述べましたが、日本であればどのように対応するでしょうか。 一国のトップが日本の首相のような発言をしたならば、身代金や犯罪者釈放目的での国民狙いのテロが頻発し、海外にいる自国民の命が逆に危なくなるということを知らなければなりません。 世界平和への貢献 現在、フランスは2000人以上の兵力を投入してマリでの武装勢力掃討作戦を行っており、イスラム過激派が制圧していた中南部の拠点の2拠点を奪回することに成功しました。(1/23 読売) オラルド首相は「アルジェリアで起きていることは、マリに介入を行う私の決断が正当化されることを示す一段の証拠となった」と言い、国民もマリ介入を支持、欧州も後押ししています。 イギリスは今回の事件を受け、アルジェリアのほか、リビア、ナイジェリア、マリなどの政府に対するテロ政策での支援を強化する方針を示すと共に、マリでの仏軍の支援の拡大を検討してます。(1/23 読売) 果たして日本はどうでしょうか。 世界平和への貢献どころか、今回のように邦人が海外でテロの人質になっていても、自衛隊は「安全が確保されているとき」にしか動けず、人員の輸送は「航空機か船舶で」しか行えず、「武器使用は正当防衛」の場合しか許されません。 そもそも自衛隊は軍隊ではありません。テロ事件を教訓に、自衛隊法改正が議題に上がっています。 もちろん、改正は絶対に行わなければならないことですが、世界から見てあまりに遅れた対応であると言わざるを得ません。 日本の取るべき態度 安倍首相は、テログループが悪の根源であるにも関わらず、人命を優先しなかったアルジェリア政府批判に議論をすり替えました。 「正義」を語り、「正義」という価値観を国民を啓蒙することができませんでした。 これは、福島第一原発事故の本当の原因が津波だったにも関わらず、真実を隠した上に責任を東電にかぶせ、原発反対旋風を巻き起こした民主党によく似ています。 個別の現象に感情的に反応するだけは、いつまでたっても原因を解明し、根本的な解決につなげることはできません。 これでは安倍体制の下では「戦後レジーム」から脱却することなど永遠に不可能です。 マリ南部のバマコでは現在、仏軍介入を歓迎し、至る所で仏国旗が売られているそうです。 市民は「仏軍はマリ軍の10倍強い。ずっと介入を祈っていた。仏軍が介入しなければ、武装勢力は今頃、ここに入っていた」と話しています。(1/19 朝日) 日本も世界に対して、責任を果たすべきです。世界の平和について、国民が考えなければならない時期です。 ここまで大国になっておきながら、首相が正義さえ語れないような国であれば、日本はこの世界に存在する意味はないと言っても過言ではありません。 安倍首相は今こそ勇気を出して、自国民を守るために必要な自衛隊法の改正の断行を行うべきです。 そして世界平和に日本は貢献すべきであると国民を啓蒙し、憲法9条の改正を訴え、参院選のテーマを「国防とテロの撲滅、世界平和への貢献」にすると決断すべきです。(文責・HS政経塾1期生 兵庫県参議院選挙区支部長 湊侑子) 今こそ行動のとき――自分の国は自分で守れ! 2013.01.21 【4月28日投開票の参議院山口補選に立候補表明した、幸福実現党山口県参議院選挙区代表 かわい美和子氏投稿】 ⇒http://www.hr-party.jp/new/yamaguchi 1月19日、日米外相会談後の記者会見でクリントン長官は、尖閣諸島問題について「日本の施政権を一方的に侵害しようとするいかなる行為にも反対する」と強調し、中国政府に強く自制を求めました。 この声明直後、中国の海洋監視船3隻が尖閣沖に領海侵犯しました。戦闘機による尖閣諸島領空への接近行為も繰り返されています。 中国外務省は20日、クリントン米国務長官の発言に対し、「強い不満と断固とした反対」を表明、「米国は言行を慎むように」などとする談話を発表しました。(1/21 産経) 尖閣諸島をめぐる日中間の緊張はますます高まっています。 このような緊張状態の中、わが国の領海や主権を守り、国民の生命と安全を守るためにも、日米同盟をますます強固なものにしなければなりません。 民主党政権下では、普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げた事を契機に、日米同盟はかつてないほど冷え込みました。 昨年6月、MV22オスプレイの配備をめぐり、安全性への懸念が取りざたされ、沖縄の反対運動がマスコミにより大きく報道されました。 もし、オスプレイの配備も頓挫するようなことがあった場合、今度こそ日米同盟に致命的な影響を与えます。 「待ったなし」の状況の中、岩国米軍基地を地元に抱える幸福実現党 山口県徳山後援会の有志たちは、止むに止まれぬ気持ちで、オスプレイ配備一時駐機賛成の運動を始めました。 そしてマスコミがほとんど報じない「なぜオスプレイが必要なのか」「なぜ配備を急ぐのか」――オスプレイの有能性・有用性について、私たちは街頭で懸命に訴え続けました。 尖閣諸島など滑走路のない島々の多い沖縄県では、垂直に離着陸でき、水平飛行もできるオスプレイの配備により、有事の際、米海兵隊の迅速な展開範囲が可能になり、尖閣諸島侵攻を企図する中国にとって大きな脅威となり、抑止力となるのです。 山口県2紙の偏向報道で、正しい情報が県民に伝わりにくく、「沖縄へのオスプレイ配備を後押ししたい」「尖閣・沖縄を守りたい」「日本を中国の侵略から守りたい」――その必死の思いで始めた行動でした。 思った以上にオスプレイへの関心は高く、チラシの受け取り率も7、8割。「オスプレイは必要だよ!」「応援します。頑張って!」と賛同の声をたくさん頂き、現場では容認派が多いことに驚かされました。 マスコミが、国民の声を反映せず、国益を損なう報道をしていることも実感いたしました。 そうした中、私達の街宣活動やチラシを通じて、保守系の団体の方々も次々に立ち上がり、保守合同して、昨年9月16日、岩国市役所前にて、「尖閣・沖縄を守れ!オスプレイ駐機配備賛成集会&デモ」を行いました。 当日は、集会600名、デモ500名という岩国史上最大のデモ行進で、反対派(実数300名、主催者発表1200名)を大きく上回る大規模なものとなりました。 多くの県民が勇気を持ってオスプレイ駐機配備賛成の声を上げたことで、デモの3日後、日本政府は「安全性は十分に確認された。国内の飛行運用を開始させる」とし、安全宣言を行いました。(9/19 読売) 勇気を持って「正しい事は正しい」と訴え続け、行動していく事が世論を変え、国をも正しい方向に導くのだ、ということを改めて確信いたしました。 今、日本が平和なのは日米同盟があるからです。米軍基地があるからです。日本は感謝こそすれ、沖縄から米軍を撤退させるなど持ってのほかです。 撤退させればたちまちに沖縄の島々は中国に実効支配されてしまうでしょう。日本は今後もより一層日米同盟を堅固なものにしていかなければなりません。 と同時に、日本はアメリカに「おんぶにだっこ」ではなりません。 大人の国として、「自分の国は自分で守る」自主防衛体制の確立を早急に整える必要があります。 中国が国防費を毎年10%以上伸ばし続けているのに対し、アメリカ側は、国内財政赤字の問題で毎年軍事費の削減をせざるを得ません。 世界のパワーバランスが変わりつつある今、もし明日にでも有事がおきたとしたら、どうやって領土を守るのか、国民の生命を守るのか、日本の政治家は決然と指針を示すべきです。 「遺憾」の連発ばかりではなく、今こそ政治家は、その言葉と勇気と行動力で日本を守る気概を見せる時です。 私も国防の要の地である山口県から日本のあるべき姿を発信し、愛する日本を必ず守り、日本を世界のリーダーへと導いて参ります!(文責・幸福実現党 山口県参議院選挙区代表 河井美和子) 「超法規的措置」で、アルジェリア邦人救出に向け、即刻、自衛隊を派遣せよ! 2013.01.20 アルジェリア人質事件では、「日本人9人殺害」との報道もなされていますが(1/20 産経)、同証言の真偽も含めて情報が錯綜しており、事態は混迷を極めています。一日も早く無事に生存が確認されることを心より願っております。 テロ事件に対する態度を明確にできない安倍首相 昨日の[アルジェリア人質事件における「正義」とは何か――日本は「正義を貫く国家」たれ!]では、「正義は何処にあるのか」を見極める視点として、事件が起きたアルジェリアの歴史から紐解いてみました。 もう一つは、事件を起こした当事者の「動機」と「手段」です。今回の人質事件の犯人は、身の代金目的で過去にも事件を起こしています。 また、犯人は「フランス軍によるマリへの軍事介入を阻止しようとした」とも報じられていますが、フランスとは関係の無い日本も含めた第三国の国民を人質に取ったことは、他国への宣戦布告にも等しく、大義はどこにもありません。 「正義がどこにあるのか」を見極めた上で、日本の立場を世界に発信する必要があります。 ちなみに、北アフリカに対して日本の10倍の投資をしてきた中国は全く沈黙したままで、他国に問題解決を委ねています。一方、欧米は事件を受けて、テロ対策の後方支援に乗り出しました。(1/20 日経) 安倍首相は米国・欧州の首脳と「緊密に連携すると」としながらも(1/20 朝日・日経)、今のところ日本がアフリカのテロ解決に対して、後方支援する等、具体的な言及はありません。 海外の邦人救出はいかにあるべきか 今回の事件を受けて、邦人救出は如何にあるべきでしょうか? 政情が不安定で紛争やテロなど危険が伴う国への渡航の安全判断は、外務省が4段階の「海外危険情報」を出して注意喚起や渡航延期を呼びかけています。 ちなみにアルジェリアで「退避勧告」が出ていたのは、リマの国境の紛争地域で、今回の事件地域は、4段階で最も危険度が低い「十分注意」でした。事件後、「退避勧告」に上がっています。(1/20 毎日) 経済のグローバル化の中で、企業も国際社会で戦っていく上で海外に進出は不可欠で、今後同様の事件が起こる可能性は否定できません。早急に対処できる対応策を考えておかねばなりません。 現状の自衛隊法では、憲法で海外での武力行為を禁じているため、海外での緊急事態が発生した場合、現地の安全が確保されなければ自衛隊は派遣できません。邦人警護の規定もなく、武器使用の範囲にも制約があります。(1/19 朝日) 自民党の石破茂幹事長は20日、アルジェリアでの人質事件を踏まえ、海外での動乱などに在外邦人が巻き込まれた場合、自衛隊による救出を可能にするための自衛隊法改正を検討する考えを示しました。(1/20 時事) しかし、法制定へのハードルは高く、小野寺防衛相は、19日のテレビ東京の番組で憲法上の制限や乗り越えなければやらない壁があると述べています。 法律は国民を守るためにある 確かに、邦人救出のための自衛隊派遣については、法律的には様々な制約があるのは事実です。 しかし、法律の上にある日本国憲法18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない。(略)その意に反する苦役に服さない」とあります。 現在只今、テロリストによって日本人が「奴隷的拘束」を受けているのに、「邦人救出に自衛隊を派遣できる法律が無いので、これから国会を開いて法律をつくりますから待っていてください」では話になりません。 安倍首相は「超法規的措置」として、憲法18条を根拠として、即刻、邦人救出の命令を出し、自衛隊の特殊部隊を派遣すべきです。そして、事後に、可及的速やかに法律を制定すれば良いのです。 これが国民の生命を預かる国家の最高責任者の覚悟と言うべきであり、幸福実現党政権なら即断即決で行っています。 安倍首相は「人命優先」と言うならば、瑣末な法律論議にこだわらず、邦人救出に向け、具体的な救出行動をなすべきです。それが「国家のリーダー」としてのあるべき姿です。(文責・佐々木勝浩) アルジェリア人質事件における「正義」とは何か――日本は「正義を貫く国家」たれ! 2013.01.19 アルジェリア南東部イナメナスで起きたイスラム武装勢力による襲撃・人質事件で、アルジェリア軍は19日午前(日本時間同日午後)、イスラム武装勢力に対する作戦を終了したと伝えられています。(1/19 朝日「アルジェリア軍 作戦終了」) こうしたアルジェリアの対応をどう見るか、そして、安倍首相はどのような対応を取るべきであったか、考えて参りたいと思います。 アルジェリア人質事件について、「人命最優先」として軍事行動の中止を要請した安倍首相の対応を受けて、1月18日、矢内筆勝より「テロに屈しない姿勢」を求める緊急声明が発表されました。⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/33900.html アルジェリアの「テロ撲滅の決意」 確かに、「一国平和主義」で考えれば、安倍首相の邦人の「人命優先」は当然の発言かもしれません。 しかし、アルジェリアの国内状況は、残念ながら、日本の要求を容易く受け入れられない現実があるのことも知らなくてはなりません。 日本は国際社会での役割も視野に入れた発言と行動がなければ、国際社会での信用も失うことになります。 アルジェリアは、北アフリカに位置し、人口の8割がアラブ人で9割がイスラム教徒です。 1500年代からオスマン帝国の治下にあり、1847年にフランスが支配しましたが、先の大戦後、独立の気運が高まり、1962年独立を果たしています。その間、内乱で100万人が犠牲になりました。 88年から民主化が進みましたが、91年の総選挙でイスラム政党が圧勝。急激なイスラム化を恐れた軍部がクーデターで政権を奪取、その後テロによる内乱で10万人とも20万人とも言われる犠牲を出しました。 同国の歴史は国際社会も関与できない「無差別テロによる内戦」で、旧宗主国のフランスも沈黙せざるを得ませんでした。 しかし、99年に文民のブーテフリカ大統領が就任し、国民和解を推進してテロ活動が沈静化したのです。 2001年「9・11米国同時多発テロ」が起こってから、実はテロの最初の標的は、アルジェリアであったと国際社会が認識するようになりました。 「国家」対「テロリスト」の戦争 このように今の「アルジェリアの平和」は「同胞の多数の犠牲」と「テロを絶対に許さない決意」の上に築かれているのです。 今回も「国家」対「テロリスト」の戦争であり、同国カブリア内相の「テロリストの要求には、応じない。如何なる交渉も拒否する」(1/17 読売)との発言が象徴しています。 日本だけでなく、米政府までもが「人質の安全が第一」として慎重な対応を求めていたにも関わらず(ただしパネッタ米国防長官は、「解決に必要なあらゆる処置を取る」とも言及)、今回アルジェリアが事前通告しないまま軍事作戦を行った背景には、「断固、テロを許さない」歴史的事情があることも理解すべきです。 正義は何処にあるのか? こうしたアルジェリア自身の努力があって、平和を維持し、国際社会もアルジェリアの平和を維持するための大義名分が立つようになったと言えます。 国連安保理は、昨年末、イスラム過激派の温床にあったアルジェリアの隣国マリ政府の要請で周辺諸国に軍事介入を認める決議を採択。旧宗主国のフランスがこれを受けて同国への介入に踏み切りました。(1/18 産経) 今回の犯行声明を出したイスラム過激派組織「イスラム聖戦士血盟団」は、「人質事件」をマリに対するフランスの軍事介入への報復で人質の安全と引き換えに作戦停止を要求したものとしています。 しかし、「イスラム聖戦士血盟団」の首謀者は、2003年頃から身代金目的の誘拐事件に関与しています。 したがって、たとえ身代金を払って人質を救出しても、それに味を占めたテロ組織は、更なる人質事件を次々と起こしていくことは間違いありません。 また、日本は2010年、アルジェリアから液化石油ガス(LPG)や原油等、410億円を輸入しており、昨年より我が党が指摘してきた脱原発よる火力発電所稼動で石油資源が政情不安で入らなくなるリスクが勃発したと言っても過言ではありません。 ここからもイスラム過激派組織「イスラム聖戦士血盟団」が国際社会から理解を得る立場にないことは明白であり、国際社会は一致団結してアルジェリアの「テロリストを許さない姿勢」を支持すべきです。 日本邦人の生命を守り抜くためにできることは全てなすべきですが、同時に、日本政府はアルジェリアの特殊事情を知り、「正義」の観点から、アルジェリアの「断固、テロを許さない姿勢」に理解を示すべきです。 日本はこれまでの「一国平和主義」から、世界の未来にも責任を持ち、「正義を貫く」国家として脱皮しなければならない時代を迎えているのです。(文責・佐々木勝浩) 日本政府は「テロに屈しない決意」を示せ──安倍首相は「一国平和主義」から脱皮せよ! 2013.01.18 アルジェリア東部で天然ガスの関連施設がイスラム武装勢力によって襲撃され、日本のプラント建設大手の「日揮」の日本人関係者を含む外国人が拘束された事件で、17日からアルジェリア軍が人質の救出作戦に乗り出しました。 情報が錯綜していますが、最新情報では、アルジェリア軍はこれまでに人質となっていた外国人132人のうち100人近くとアルジェリア人573人を解放したということです。(1/19 NHK「アルジェリア軍 外国人約100人解放」) しかしなお、施設の一部には武装勢力が立てこもり、依然として日本人1人を含む7人が人質に取られているとも報じられています。(1/19 時事「邦人1人が依然人質か=犯人側、施設の一部爆破し抵抗-アルジェリア」) こうした事態に際し、安倍首相は18日未明、アルジェリアのセラル首相と電話会談し、アルジェリア政府による軍事作戦について、「人質の生命を危険にさらす行動を強く懸念しており、厳に控えていただきたい」として軍事作戦の即時中止を要請しました。(1/18 FNN「安倍首相、アルジェリア首相と電話会談 軍事作戦の即時中止要請」) 今回の邦人を含む人質事件は、新生安倍政権にとって初めての「有事」ですが、その対応は「タカ派」と呼ばれている安倍首相にして、従来の自民党政権と変わらず、国際的には顰蹙を買いかねない言動です。 こうした安倍首相の対応を受けて、昨日1月18日、矢内筆勝より「テロに屈しない決意」を求める緊急声明【アルジェリア人質事件への政府対応を受けて】が発表されました。⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/33900.html 安倍首相の人命尊重の立場については理解できますが、世界のリーダー国家・日本の宰相として、国際社会の平和・安全のために「テロの拡散を防ぐ」という視点が欠けていることは大きな問題です。 欧米では「テロに屈しない」「テロリストの要求は絶対に飲まない」「『人命優先』でテロの要求を飲めば、更なるテロ被害を誘発する」というのが常識であり、「テロの人質になったら、死ぬ覚悟を持て」と教育している国さえあります。 テロ行為は単なる「犯罪行為」ではなく、「戦争行為」です。日本はこうしたテロ行為に対して、国家として「善悪正邪の判断」を明確に示すべきです。 こうした単純な善悪正邪について、勇気を持って毅然たる判断ができないのであれば、中国や北朝鮮が侵略して来た際、安倍首相は果たして毅然たる正義の判断ができるのか疑問です。 国民やマスコミからの非難を怖れて、あいまいな言動をすることを「政治」と考える平和ボケの政治家達はもはや去るべきです。 1977年に発生した日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件において、当時の福田赳夫首相は「人命は地球より重い」として、犯人に譲歩。「超法規的措置」で過激派メンバーを釈放、多額の身代金を支払い、日本は欧米各国から猛烈な批判を受けました。 今回の安倍首相の対応は「古い自民党的思考」「戦後レジーム」「一国平和主義」から一歩も抜け出していません。 今回の日本政府のテロに対する弱腰姿勢を見て、世界のテロ組織が「日本人は脅せば屈する」と考えたならば、今後、さらなる日本人のテロ被害を招くばかりか、テロ組織を勢いづかせるだけです。 テロ行為が世界で横行する中、日本政府も、海外に赴く日本人も、国内の日本人も「侍の精神」を持って「テロに屈しない決意」と覚悟を持ち、日本は世界のリーダー国家として、世界に「正義の秩序」を打ち立てるべきです。(文責・黒川白雲) 自由主義と国防強化は両立するのか 2013.01.16 幸福実現党は2009年の立党以来、国防の強化を主張しています。その一方で徹底した減税路線を実現し、日本を自由からの繁栄に導く政策提言を行っています。今回は、自由主義と国防強化は両立するのか否かについて論じていきます。 第一に、国を守るということは、生命・財産・安全を守ることと同義です。 仮に、中国や北朝鮮からのミサイル攻撃や侵略をされたらどのようになるか想像をしてみたらわかります。チベットや新疆ウイグルの例からは、言論の自由、表現の自由が奪われていることが見て取れます。最終的には、言語や国旗・国歌まで奪われているのが現実です。そして、仏教やイスラム教が国教となっていた国から信教の自由すら奪っているのです。 軍事的な覇権を握ろうとする中国が、実際に戦争や侵略行為を行えば、当然統制経済と全体主義へと突き進むことでしょう。その際、侵略を受けた側には営業の自由や財産権は一方的に略奪され、最後は全く自由が許されない暗黒社会となります。 現在、東アジアには社会主義や共産主義の名のもとに覇権主義・軍拡主義を続けている中国と北朝鮮があり、現時点では彼らが民主化を受け入れる様子はありません。むしろ逆に、一層軍事力を拡大して東アジアの制空権と制海権を掌握し、日本を締め出す方向に動いています。最近は、フィリピンやベトナムまでもが防衛に力を入れていることからもわかる通り、中国が平和を愛する国ではないことは明らかです。さらに言えば、国際社会のルールを無視してミサイルを発射し、核実験を強行する北朝鮮も、まともな国とは言えません。 安全保障全体に言えることですが、地味で何事もなければ国民はそのありがたさを実感することができないのは事実です。まるで空気や水道の水のように平和があると錯覚しているのが現代の日本人ですが、これは非常に甘い認識だと言わざるを得ません。国の安全はタダでは獲得できないのです。経済学では、フリーランチ(タダ飯)はないということが原則となっていますが、安全保障においても全く同じです。日本は立派な独立国である以上、相応の防衛力を持つのは当たり前であり、自衛隊を明確に軍隊に位置づけるべきでしょう。これは軍国主義でもなんでもなく、世界標準の考え方です。 だからといって、左翼が主張するように、自衛隊員が「暴力装置」にはなりません。むしろ逆で、戦争をいかに回避するかに全神経を使っているのです。どんなに勇気がある幕僚長がいても、部下が死ぬ可能性がある紛争や戦争を積極的進める人はいないのです。自衛隊は、国の安全を守っているだけではなく、自由をも守っているということは忘れるべきではありません。 国防と自由に関連して、古典的名作を紐解いてみましょう。この論考で何度も登場するL・V・ミーゼスの『ヒューマン・アクション』には、次のような記述があります。 自由を保持したいのであれば、独立を守る備えをしなければならない。(中略)ためらわずに侵略し奴隷化する者たちが満ちている世界では、完全な無条件平和主義は最も冷酷な侵略者に無条件降伏するに等しい。自由でいたい者は、自由を奪う意図を持った者たちに対して、最後まで戦わなければならない。(307p) 自由主義思想の最高峰に位置するミーゼスは無政府主義者でないことは、この文章を見ればよく分かります。ミーゼスは、国防に対する支出は市場経済と両立する旨を同書において展開しております。 同じく、1979年から1990年までイギリスの首相を務め、「鉄の女Iron Lady」とも呼ばれたサッチャー首相は、国防の充実を第一に上げていました。サッチャー首相は、1974年にノーベル経済学賞を受賞したハイエク教授の考え方を政策に応用したことで知られていますが、国防の重要性を誰よりも強固に主張していたのです(ハイエクも国防の重要性を認めていた)*参考文献 The Iron Lady John Campbell著(2009) 第二に、国防のような公共財と呼ばれる分野にも自由主義哲学は必要です。 いくら国の専権事項だからといって、税金を垂れ流して技術やサービスの向上を怠ることは許されません。世界一の軍事大国であるアメリカでさえ、「財政の壁」の影響もあり、軍隊の効率化を進めています。その意味では、今後は自衛隊の装備や兵器購入にあたって増税や国債の乱発が当たり前だと考えてはならないのです。安易に国債発行に頼らないためにも、今後は防衛産業を活性化させて国の負担減少を両立させる道筋はつけるべきです。 経済成長による税収増と防衛産業の発展は、今後の日本経済再生とも密接に関わっています。言い換えれば、幸福実現党が主張する「防衛力」と「経済力」の主張は、現代版の「富国強兵」「殖産興業」策だということです。当然のことですが、防衛産業は国家の主導ではなく民間主導で技術力と競争力を高め、将来的には技術を民間にスピンオフさせていくことまで考えるべきです。この流れは、科学立国とも連動しています。 今回は、主に思想面から自由主義と国防強化は両立できることを見ました。そして、国防強化と経済成長は密接に関係しており、安易な増税や国債発行に頼らないことを述べました。日本が独立国にふさわしい強国となるためにも、経済と軍事力の関連性について今後も研究を続け、政策提言していく予定です。(文責:中野雄太) 安倍政権の安全保障政策は本物か?―「統合防衛戦略」を検証する― 2013.01.11 安倍政権は昨年12月26日の発足から矢継ぎ早に政策を打ち出してきました。今回は安倍政権の安全保障政策について検証してみたいと思います。 安倍政権の安全保障政策でのキーワードは「統合防衛戦略」です。(1/1 産経「陸海空一元化『統合防衛戦略』に着手 対中国有事など想定」) 2006年に統合幕僚会議が統合幕僚監部に改編され、2007年に当時の防衛庁が防衛省に格上げしてより後、「統合運用」が一貫して追及されて来ました。 「統合運用」とは、陸・海・空の各自衛隊をバラバラに運用するのではなく、それぞれの強みを生かしつつも一体の組織体として運用するという考え方です。 この「統合運用」の考え方は、1946年に大規模な兵力を一元的に指揮できるとしてアメリカで考案されたものです。 1991年の湾岸戦争では統合軍の一つである「アメリカ中央軍」を中心とする多国籍軍がイラク軍を敗北させた例は記憶に新しいところです。 安倍政権の統合防衛戦略は、統合運用を用いて、どのように日本を防衛するかが課題となっています。 その内容は10~20年後の有事シナリオを練り、そのシナリオに基づき、各自衛隊の防衛力を一元的に整備するということです。 そのシナリオは主に対中国、対北朝鮮を想定しており、対中シナリオは、(1)尖閣への侵攻、(2)尖閣と石垣・宮古両島への侵攻、(3)それらに加え台湾への侵攻の3種類、北朝鮮シナリオは弾道ミサイル攻撃と、原子力発電所などへのゲリラ攻撃を想定するとなっています。 シナリオで想定されているこれらの脅威は比較的対処が容易であり、目立つために予算が付けやすいという一面があります。 その証拠に、防衛省は2012年度補正予算案でミサイル購入や戦闘機改修など約1805億円を要求し、更に政府・自民党は、2013年度予算の防衛関係費について、11年ぶりに対前年度比で増額する方針を固めています。(1/8 読売「防衛費11年ぶり増額へ…中国の領海侵犯受け」) しかし、これらのシナリオは中国や北朝鮮の脅威のほんの一部分にしか過ぎません。安易な想定に基づく防衛費の増額は、本当の脅威に対処するための時間と力を失わせる結果になりかねません。 今、世界中で注目されているのは、サイバースペースがどのように世界の安全保障環境に影響を与えるのかということです。 「統合防衛戦略」では、サイバースペースをどのように使って日本を防衛するのかという考えは記されていませんが、世界中で急がれているのは「サイバースペースを軍事的な攻撃からどのようにして守るのか」という観点からのシナリオの想定とその対策です。 この分野で一番進んでいるのは、アメリカです。アメリカはサイバー軍を持っていますが、特に注目するべきは、アメリカはサイバースペースが軍事攻撃に使われるシナリオを想定した軍事演習を10年以上も前から行っているということです。 この軍事演習は軍だけではなく、政府機関、民間企業、他国の軍などが集まって行われる非常に大規模なものです。(参考:http://www.afspc.af.mil/news/story.asp?id=123300199) この演習では、サイバー攻撃で戦争の火蓋が切られた場合、軍が正常に機能することが難しくなること、それは従来のような国家対国家の戦争、そして対テロ戦争に代表される国家対テロ組織の戦争でも有効であることが分かっています。 安倍政権の防衛政策が本物であるか否かは、統合防衛戦略を見れば分かります。幸福実現党は「サイバー防衛」の必要性を強く訴えて参りましたが、この点からも、安倍首相の防衛政策を是々非々で評価して参ります。 安倍政権はサイバー防衛も含め、日本に迫り来る脅威について、いかに考え、いかに対処するのかを国民に示すべきです。(文責・黒川白雲) 今こそ、真なる主権国家として立ち上がろう! 2013.01.05 安倍首相は第二次安倍内閣を「危機突破内閣」と名付けました。これまで幸福実現党が打ち出して来た、デフレからの脱却、外交立て直し、震災復興、原発政策の再構築等について、そのまま内閣の政策課題としています。 安倍首相は「安全運転」を心がけているとも言われていますが、現在は経済・金融政策的側面の打ち出しが強く、国防・安全保障についての打ち出しが明確には見えて来ません。 しかし、日本を取り巻く安全保障環境は急を要しており、安倍首相は十分には「国難」の正体についての認識をお持ちではないように見受けられます。 「国難」の正体とは何か 今、日本は過去に経験したことのない「国難」、すなわち、国家存亡の危機に直面しています。 それは経済の低迷や国政の混乱といったことがかすむような、「国家そのものが地上から消滅してしまうかもしれない危機」であります。 あえてこの国難に匹敵する危機を挙げるとすれば、幕末でありましょう。 当時、大航海時代以来の西洋列強の帝国主義によって世界の植民地化が進んでいました。 イギリス、フランス、スペイン、アメリカ、ロシア、そうした列強によって、アジア、アフリカ、南米の国々は植民地にされ、人々は収奪され、奴隷にされ、殺されていきました。 そうした西洋列強の侵略から日本を守り、西洋諸国に負けない新しい独立国家をつくろうとしたのが、明治維新であり、その主役となったのが、坂本龍馬や吉田松陰、西郷隆盛、勝海舟といった志士達でした。 現代の日本は、その幕末以上の危機に直面しています。どこからの危機か――一衣帯水の隣国「中国」です。 「大中華帝国」の再興を狙う中国 中国は1978年の鄧小平による改革開放路線によって、それまでの社会主義経済を捨て、市場経済体制に移行しました。 その経済成長は目覚ましく、この二十年のGDPの成長率は実に10%前後で、GDPはすでにドイツ、日本を抜いて世界第二位の経済大国になっています。 そして中国はその経済力をバックに、驚異的なスピードで軍事力を強大化させ続け、国防費はすでに日本の防衛費の二倍から三倍となり、アジア最大の軍事大国へと変貌しました。 その目的は何か――それは、かつての「大中華帝国の再興」であり、日本併呑まで視野に入れた、アジアの覇権国家の実現です。 「中華」とは、中国(中華)が世界の中心であり、漢民族以外の異民族は漢民族帝国に膝を屈するものとする思想です。 そこから歴史的な「羈縻(きび)政策(羈は馬の手綱、縻は牛の鼻綱。羈縻とは、手綱・鼻綱で周辺諸国を中国から離反しないように、つなぎ留めておく意味)」や「冊封体制(中国の皇帝が周辺諸国の君主と名目的な君臣関係を結ぶこと)」が生まれました。 「帝国」とは、一人の権力者がその強大な権力によって、自国民のみならず、異民族をも支配する状態を言います。 「覇権」とは、天下に向かい号令をかける権利のこと、あるいはその権利がある状態を指します。 かつて中国史上において、秦、漢、隋、唐、明、清などの王朝が、漢民族居住地域を越えた領域を支配し、アジア全域に影響を及ぼしたように、中国は今、その経済力と軍事力をバックに、再び周辺諸国を支配し、アジアの覇者にならんとの誘惑に駆かられているのです。 今こそ、真なる主権国家として立ち上がろう! 私は中国をいたずらに敵視したり、戦争を煽りたいわけでは全くありません。私個人としては、孔子や孟子など多くの思想家を輩出した中国文明には一定の尊敬の念を持っており、中国人の友人も数多くいます。 しかし、ここまで露骨な軍備拡張を行われては、「専守防衛」の立場から考えても、問題視せざるを得ません。 日本もまた国家として、国民と国土を守らなければならないのです。 私達は、そうした中国の「わがままな」拡大主義の前に膝を屈するわけにはいきません。 「自分の国を他国の植民地にはさせない」という、強い意志と気概を持たなければならない時を迎えているのです。 なぜなら、中国は共産党の一党独裁国家であり、マルクスの共産主義思想を核にした唯物論国家です。 その属国となることは、日本がチベットやウイグルと同じ運命をたどる――宗教も、言葉も、歴史も、自由も、思想も、土地も、資源も、全て奪われ、民族全体が奴隷のように扱われ、虐殺され、支配される――ことを意味します。 何よりも今、私たち日本人に求められていることは、自分たちが置かれている状況を理解することです。 つまり、2250年前に始皇帝が興した「秦」にも似た覇権主義の帝国・中国が台頭している現実を直視することです。 私たち日本国民は、このままであれば、十年後、二十年後には日本という国は、中国に呑み込まれて滅びる可能性が極めて高いという事実を知り、今こそ、真なる主権国家として立ち上がるべきであります。(文責・矢内筆勝) すべてを表示する « Previous 1 … 81 82 83 84 85 … 101 Next »