Home/ 新着一覧 新着一覧 日本独自の有人宇宙計画を!政治家は夢を語れ! 2011.11.24 日本独自の有人宇宙計画を!政治家は夢を語れ! 22日、国際宇宙ステーションからソユーズで、日本人としては最も長い167日の滞在を終えて、古川飛行士が帰還しました。日本人の宇宙滞在は計615日となり、ドイツを抜き、世界第3位の実績となりました。 しかし、日本では宇宙滞在実績や医学実験で得られた知見をどのような形で継承していくのかという大方針が定まっていません。 政府の宇宙開発戦略本部が、これまで将来の有人宇宙開発のあり方を巡る議論を棚上げしてきてからです。 有人宇宙活動は米露中など主要国でも「宇宙戦略の柱」です。米国は火星有人探査を新たな宇宙開発の柱とし、中国は宇宙開発に意欲を示し、独自の宇宙ステーションの開発を目指しています。 そろそろ、日本政府は、明確に「日本独自の有人宇宙活動を目指す」と宣言すべきです。 今回、古川飛行士が帰還した、ISSを往復する唯一の足を握るソユーズは輸送力に限界があるといわれます。 また、最近ロシアの宇宙開発にトラブルが相次いでいます。そして米スペースシャトルは今年7月に引退してしまいました。 日本は、米露に頼るのではなく、独自で目標を持つべき時が来ていると考えます。 日本はこれまでISS計画に年間400億を投じてきたものの、「これといった成果が見えない」との批判もあり、宇宙開発本部は運用の効率化と経費圧縮の方針を打ち出しました。 しかし、巨大プロジェクトについては、目先の効果だけで成果を判断すべきではありません。 今、閉塞感が覆う日本に必要なことは国民が共有できる“夢”を掲げることです。 幸福実現党は、航空・宇宙産業・防衛産業・ロボット産業の創出、海洋開発、新エネルギー開発、食料増産など、新たな基幹産業、未来産業となり得る分野に政府として10年以内に100兆円投資する計画を掲げています。 資金調達としては、官民共同のファンドを立ち上げ、政府や日銀が出資するとともに、民間からも出資を募ります。同時に国家未来事業債を発行し、国内外から資金を集めます。 「国家プロジェクト」として巨大プロジェクトに積極的な投資をし、技術が確立すれば、この技術を元に民間が商業化し、新産業として展開することも可能です。 日本は、しばらく夢を語れる政治家を見ていません。 野田首相は22日、行政刷新会議の「提言型事業仕分け」を視察し、「予算編成で反映していくことを各閣僚に指示したい」と述べましたが、細かい無駄遣いのチェックは会計検査院に任せ、もっと国民を奮い立たせ、日本の停滞感を払拭するような構想をぶち上げるべきです。 野田首相が見学に行ったのは「無駄をチェックして、削れるところを削ったから、国民の皆様も負担をお願いします」と増税とセットで考えたパフォーマンスに過ぎません。 1961年、人類初の人工衛星の打ち上げ、初の有人宇宙飛行と、ことごとくソ連に遅れをとっていた中、アメリカのケネディ大統領は”We choose to go to the moon in this decade !”(10年以内に人間を月面に到達させる) と語り、アメリカ国民を鼓舞しました。 ケネディ大統領が構想を発表した当時、NASAを含め、誰も月面着陸の見込みは無かったのですが、米国民が一体となり、1969年7月21日、ケネディ宇宙センターを飛び立ったアポロ11号は、見事、月面に着陸し、長い間、人類が夢見てきた月面着陸に成功しました! 日本の政治家も「2050年には誰もが月旅行に行ける。そして21世紀中には火星にも都市を建設する!」――このような夢あふれる国家目標を持ってフロンティアを拓いていきたいものです。 私達の孫やひ孫の代には、週末には月へ保養に行き、夏休みは火星探検をする。このくらいの「国家百年の計」をもてば、国家の活力が湧いて来ます。 今、政治が掲げる目標は「増税」などではなく、国家としての大きな未来ビジョン、構想であり、その構想に基づく国家一丸となった「新高度経済成長戦略」です。そうすれば、不況など飛んでいき、景気もぐんぐんよくなっていくでしょう。(文責・竜の口法子) TPPは本当にデフレを加速するのか 2011.11.23 最近なにかと話題の多いTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。 野田首相のTPP参加表明に際しても、与党内でも賛成派と反対派に二分されるなど、党内の連携が困難を極めました。一方、経団連などの財界は概ね賛成を、農協や日本医師会などは明確に反対を表明しています。 保守系団体はほとんどが反対を表明しており、現在でも各地でデモや集会、インターネット番組を通じてTPPの反対の論陣を張っています。 中には、TPPは「亡国最終兵器」だと主張されている方や、アメリカ陰謀論、農業や公的医療制度の崩壊を懸念する声も出ています。議論をすることは結構ですが、いささか感情論に走っていると見えなくもありません。 さて、TPPが懸念されている最大の問題は、「例外なき自由化」にあります。 TPPは、世界貿易機構(WTO)や自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などの国際貿易の専門機関や貿易協定よりも強く自由化の促進を要求しています。 参加国内では、10年ほどの歳月をかけて関税を撤廃し、各国特有の商慣行や法律で貿易や投資の妨げとなる非関税障壁も見直すという意味では、「過激な自由化論」だという意見もあります。 よって、国内での職や市場シェアを外国勢に奪われることを懸念される方が声高に反対を表明しているのは一定の理解はできます。 さらに言えば、遺伝子組み換え食品や労働条件の悪化を懸念する声もあり、国民の生活を脅かす可能性があるとのことですが、いたずらに国民の不安を煽ることは賢明ではありません。 そのためには、参加国には約10年の時間があることや参加国全体で意見調整をして懸念を一つひとつつぶしていくことで対応するべきでしょう。 今やるべきは国民の不安を煽るのではなく、冷静な分析です。 このように、TPPの論点は多岐にわたっていますが、本日は貿易(自由化)がデフレを悪化させるのか否かについて絞って議論します。というのも、TPP反対派が盛んに主張しているのがこの論点だからです。 実は、貿易がデフレを悪化させるという論点は、最近も似た事例がありました。 現在、昇竜のごとく高成長を維持している中国からの輸入です。日本がデフレとなっているのは、中国からの安い商品が大量に入ってきているとする説です。 いわゆる「輸入デフレ説」です。貿易自由化とは異なりますが、参考までに取り上げてみましょう。 「輸入デフレ説」に従えば、全世界がデフレとなっているはずですが、現実はそうなっていません。 名目成長率を実質成長率で割ったGDPデフレター(インフレの程度を表す物価指数とも言える。これがプラスならばインフレ、マイナスならばデフレ)を見れば、日本は90年の「バブルつぶし」からずっと低下しています。 一方、アメリカ、イギリス、ドイツの先進国はずっと上昇トレンドを描いています。つまり、日本だけがデフレに陥っているのです。 デフレの原因は通貨供給量を絞っているからであって、輸入が原因ではないのです(IMFのデータ参照。1980年から2010年の期間の計測)。 実際、貿易自由化ならびに自由貿易を促進することによって国内価格よりも安い輸入財が入ってくることは事実です。 そうすれば、国内製品は輸入財と比較して割高となりますので、価格の引き下げをしなければなりません。場合によっては市場から撤退することもあります。いわゆる、貿易のデメリットです。 同時に、輸出価格と輸入価格の比率を示す交易条件も変化します。輸入財価格の低下は、交易条件を改善させます。 言い換えれば、より多くの製品を海外から購入できるとことを意味していますので、消費者にもメリットをもたらします。 加えて、消費者は安い輸入財が入ってきても、浮いたお金で他の製品を購入できるので、総需要は大きく変わることはありません。つまり、変化するのは相対価格であって一般物価ではありません。 最後に、景気との関連について述べておきましょう。 まず、輸入は国内の所得水準と密接に関連しています。現在の日本経済はデフレ不況です。国産品にせよ、輸入品にせよ、所得が低下している状況では消費は伸びません。 ましてや、日本の輸入依存度(輸入額対GDP比)を見ると、10.8%にしか過ぎません(総務省統計局2009年のデータ参照)。 つまり、日本人は、所得の中で輸入財に使う割合は、わずか1割程度だということです。貿易自由化によって多少増えるとしても、「デフレが深刻化する」というレベルでないことは明らかです。 一方、輸出にしても、現在のところ元気な国はありませんので、日本からの輸出が大きく伸びる可能性は低いと言えましょう。 貿易と景気は関連していますが、わが国では生活に影響を及ぼすほど大きなものではないのです。やはり、一般物価水準に影響を与えるのは金融政策です。 TPP反対派も認めているように、まずはデフレを脱却しなければなりません。デフレ対策は金融政策で対応するべきです。また、デフレ対策は円高対策にもなります。 国内の主要企業が輸出企業であることを考慮すれば、行き過ぎた円高ではTPPによる輸出増加というメリットを十分に活かすことはできません。 また、円高で交易条件が良くなっていても、国内が不況であれば、輸入すらも伸びません。その意味で、財政出動も行って景気回復を進めることも大事になります。 現政府は、復興増税や消費税増税を模索していますが、デフレ不況下の増税は景気悪化を招きます。政府が本気でTPPの効果を最大化したいならば、増税は引っ込め、金融緩和と財政出動を発動するべきです。 このように、TPP参加を表明したことで、かえってマクロ経済政策の重要性が高まったと言えます。だからこそ、政府は増税を急いではいけないのです。(文責・中野雄太) 普天間基地移設問題~解決への道(2)普天間移設が進まない理由 2011.11.22 昨日は普天間飛行場移設に向けての経緯について述べましたが、本日は、「なぜ、普天間飛行場移設が一歩も進まなかったのか」について考えてみたいと思います。 まず、第一は「民意を無視した日米合意」というマスコミによる批判です。 普天間飛行場の移設案の日米合意のプロセスにおいて「民意を無視した頭越しの合意」などという批判がマスコミ報道で繰り返されます。 「何をもって民意とするか」というと、マスコミが最大の拠り所とするのは市長選、知事選の選挙公約です。 私も選挙に出馬した際に、地元新聞社から普天間移設問題に関する選挙公約を問われましたが、「県内移設」と応えるだけでは済まず、必ず「現行案(V字型)」か、「浅瀬案」か、「沖合い案」かなどと聞いてきます。 「現実に脅威と化している対中国抑止を実効ならしめるために早期に移設を実現できればよい」というのが私の考えであるのですが、マスコミは、選挙で公約した時と工法が変わっただけで「民意に反している」と猛批判します。 住宅の上空飛行を避け、環境を破壊しないようにと配慮するため、時々刻々に最善の移設方法が検討されるのですから、マスコミに固められてしまった杓子定規な選挙公約通りにはいかなくなるのは当然です。 第二は、反対運動に対する政府の及び腰です。 1996年に日米両政府が普天間基地返還をうたったSACO合意後に、当時の大田知事は「沖縄の求めてきたのは単純返還だ。新たな代替基地の建設が付いてくるのは承諾できない」と合意以前に戻すような発言をし、地元の反対運動がそれを後押ししました。 その後、保守の稲嶺知事が当選しましたが、積極的に取り組むことがなく四年の任期が過ぎました。 計画が頓挫する危機感を感じた政府は稲嶺知事の再選後、2004年に辺野古沖のボーリング地質調査を始めますが、反対住民の座り込みなどで延期される中、同年8月、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しました。 更に反対派が勢い付いて、9月に作業を再開するも、反対派の阻止に合い、一本のボーリングも設置されませんでした。 これは工事にとりかかる前提の調査ですら、反対派の妨害で実行不可能な状況になることを示しています。わずか数名の反対でも安保政策を妨害できるということなのです。 第三は、国民を騙してでも集票を優先しようとする政治家の言動です。 多くの皆様は鳩山元首相の2009年発言「最低でも県外」発言を覚えておられることでしょう。この言葉が沖縄を大混乱させることになります。 私は2009年の衆議院選挙に名護市を含む沖縄第3選挙区で出馬し、誰もが真っ先に聞いてくる「普天間問題」について「一切ぶれずに現行案。辺野古移設」という返答一本、街頭でも有権者に訴え続けて参りました。 その熱い夏。鳩山氏は私と同じ選挙区の民主党候補者の応援演説で駆けつけた際、「民主党が政権を担ったならば最低でも県外」と公言したのです。 自民党への不信と民主党のバラマキ政策への期待。その中で「本気でアメリカ政府と戦ってくれる政治家の出現」と歓喜する県民はたくさんおられました。 私が有権者にご意見を聞いて回っていたときは、民主党への期待は最高潮でした。長年自民党支持者だったある方は、「今まで自民党を応援してきたがもうやめた。鳩山さんはかならず県外を実行してくれるだろう。それが実現したならば鳩山さんはノーベル平和賞をとる」と期待値がものすごく高いのです。 私は、「お言葉ですが、どの政党が政権を握ろうとも、必ず日米合意に戻らざるを得なくなると思います。でなければ、日米安保条約そのものの危機になるでしょう」とお応えしましたが、逆に説教をされてしまいました。(つづく) (文責・沖縄県本部副代表 金城タツロー) ※金城タツロー氏の次回原稿「普天間基地移設問題~解決への道(3)」は、11月28日(月)に掲載させて頂きます。 普天間基地移設問題~解決への道(1)普天間飛行場移設に向けての経緯 2011.11.21 野田首相は12日、オバマ米大統領と会談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書を年内に提出することを報告しました。 着々と移設に向けて手を打とうとする政府に対して、14日、政府が環境影響評価書を断念するよう求める意見書を沖縄県議会が全会一致で可決するなど、先行きを危ぶむ声が上がっています。 しかし、10月26日に、名護市内で住民2,200人余りが参加した「北部振興推進・名護大会」では、「日米合意を踏まえた普天間飛行場移設の早期実現」など7項目が決議されました。 移設賛成派住民がこうした大会を開催して声を上げるのは初めてのことで、普天間基地移設に向けて、沖縄県民の間にも「着実な変化」が起こりつつあります。(産経10/27「普天間移設 早期実現へ決議 声を上げた賛成派」) ⇒http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111027/plc11102722520010-n1.htm そこで、普天間飛行場移設問題の経緯と沖縄県民の意識の変化、そして解決への道について、5回に分けてレポート致します。 (1)普天間飛行場移設に向けての経緯 普天間飛行場の移設問題が本格的に浮上したのは、今から16年前のことです。1995年に米兵による少女暴行事件が起きました。 その上、起訴に至らなければ関与が明らかでも米兵の身柄を日本側に引き渡すことができないという日米地位協定の問題もあり、「米兵の暴挙はこれ以上許さない」と県民の怒りに火がついて大規模な県民総決起大会が催されました。 当時、近所の女子高生が「もう我慢がならない。今こそアメリカを追い出すんだ」といきりたっていたのを覚えています。 大会を契機として、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の改定を強く求める訴えが強くなり、当時の大田知事も政府に対しその実行を強く迫りました。 その後、1996年に日本国政府および米国政府によって沖縄に関する日米行動委員会(SACO)が設置され、その最終報告を受けて沖縄県民に配慮した日米合意がもたらされました。 その中に盛り込まれた重要な一文が「今後5ないし7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する」というものでした。更に嘉手納基地以南の大半の基地を返還するということも確認されました。 当時、普天間基地の返還業務を担当した政治家や官僚の方々は「先の戦争から復帰後も含めて、沖縄に多大な迷惑をかけてきた。だから、沖縄の労苦に報いなければいけない、負担軽減は絶対しないといけない」という気持ちをもって誠実に取り組んでおられたことと思います。 翌97年12月に基地受け入れの是非を問う名護市民投票が行われました。投票結果は僅差の52.8%が受け入れ反対。 しかし、比嘉名護市長が海上基地受け入れと辞任を表明、首相官邸ではその報告を受けた橋本首相が「ありがとう」と男泣きしたそうです。 その後の市長選挙で移設容認派の岸本氏が初当選を果たしましたが、病気のため、任期を全うすることができませんでした。 しかし、岸本市長も病気が重くなる中「次の市長選までに、人生最期の機会として普天間問題の後始末をしなければならない」という思いで取り組んでおられたそうです。 岸本氏は翌98年病気のため死去されますが、次期市長選で島袋氏が当選。後継の島袋市長は岸本氏の死去11日後に、防衛庁と滑走路二本のV字形案で基本合意しています。つまり、名護市は3期続けて移設容認派市長を誕生させたのです。 しかし、結果的に15年間、普天間飛行場は1センチも動くことはありませんでした。(つづく) (文責・沖縄県本部副代表 金城タツロー) 野田首相訪中と「東シナ海ガス田開発交渉」――日本は毅然とした態度を示せ! 2011.11.20 野田首相が12月12、13日に中国を訪問し、胡錦濤国家主席と会談する方向で調整に入りました。 会談では、来年の日中国交正常化40周年に向けた取り組みや東シナ海での「ガス田開発」の条約交渉の再開が話し合われると報じられています。 この点について政治家として知っておかなくてはならない重要なポイントを2点、指摘しておきます。 1点目は、「12月13日」がいかなる意味を持った日であるかということです。 昭和12年12月13日は、日本軍が「南京」に入城した日にあたります。 なぜこの日に会談が設定されたのか、日本政府は推して知るべきです。 日本の対中ODA(発展途上国への政府開発援助)は、1979年からこれまで過去20年間で6兆円にのぼります。 内訳は、円借款(有償資金協力)が約3兆2079億円、無償援助1472億円、技術協力が1505億円。さらには、すでに廃止された「資源開発ローン」が3兆円弱になっています。ちなみに外務省の中国ODAの数値は、関与する公的な援助だけで「資源開発ローン」をカウントされていません。(数値は『SAPIO』2010年11月10日号より) 「対中ODAは既に終了した」との誤解がありますが、終わったのは円借款(08年度で終了)であり、驚くべきことに、残りの無償援助と技術協力は、今なお続いているのです。 中国は、既に日本のGDPを追い抜き、世界第二位の経済大国となっています。とても「発展途上国」とは呼べません。その中国に、なぜ日本はODAを続けているのでしょうか? その糸口は、江沢民前国家主席の国家戦略にあります。 江沢民氏は在任中の1998年8月、在外大使ら外交当局者を一堂に集めた会議の席上でこのように述べています。「日本に対しては歴史問題を永遠に言い続けなければならない」(江沢民著『江沢民文選』より) つまり、江沢民氏は、お金を日本から引き出す外交圧力カードとして「歴史問題」を位置付けたのです。それは胡錦濤国家主席にも受け継がれています。 来月、野田首相が訪中した際、中国側から「今日は何の日か知っているか?」と恫喝され、「南京大虐殺」の謝罪を迫られることは間違いありません。その後に待っていることは、多額の補償です。 「事実に基づいた正しい歴史観」と、それを武器として中国に言い返せるだけの気概を日本の政治家が持っていないがために、今まで私たち国民の血税が中国にまんまと吸い取られてきたのです。 2点目として、首相の訪中の前後には、必ず中国は圧力をかけ来ます。これを指摘しておきます。 過去には、2007年12月、当時福田首相が、ガス田開発交渉の解決を中国に持ちかけようと訪中した最中、中国は軍機をガス田上空に2日間に渡って40回超、集中飛来させました。まさに「ガス田開発交渉を口に出したらタダではおかないぞ」という脅しをかけたのです。 また、2009年10月の北京での日中韓首脳会談に出席した当時鳩山首相は、胡錦涛国家主席に「東シナ海を友愛の海にしよう」と語りかけたことは記憶に新しいことです。 しかし、中国が行ったことは、翌12月、共同開発で合意した東シナ海のガス田 「白樺」で、中国は一方的に天然ガスの掘削施設を完成させたことでした。 中国にとっては、東シナ海は「友愛の海」でもなんでもなく「中国の海」でしかないのです。 また、昨年2010年9月には、菅首相の訪中は実現しませんでしたが、ガス田「白樺」で中国が洋上施設に掘削用と見られる機材を搬入したことを重視し、自制を求めていく方針を明らかに際にも、中国は海軍艦艇をガス田付近に展開させたことを付け加えておきます。 このように過去の経過を見ても、日中ガス田開発交渉の話が持ち上がった際、中国は何らかの圧力を加えていていることが分かります。 来月の野田首相訪中の際も中国は軍事的、外交的圧力を加えてくる可能性は高いということです。 野田首相には、日本の国益を預かる日本の代表として「日本の国益を守る気概はあるのか?」――自らに問いかけていただきたいと思います。 また、野田首相が気安く「増税」し、私たち国民の「血税」を惜しみなく中国に注ぐことを、日本国民は黙って見ていてはならないと思います。(文責・佐々木勝浩) 「国会版事業仕分け」の可能性~不要な法律を廃止する「廃法府」機能を拡充せよ~ 2011.11.19 11月16日~17日、「衆院決算行政監視委員会」において、4事業(スーパーコンピューター、レセプト審査事務、公務員宿舎建設費、原子力関連法人)について、「国会版事業仕分け」が行われました。 【行政刷新会議が行うパフォーマンス政治】 「事業仕分け」と言えば、民主党政権がスタートしてより、過去3回、「行政刷新会議」が行って来ました。 「行政刷新会議」は、民主党が掲げる「政治主導」を実現するために設置されましたが、法的根拠が無く、「朝霞公務員宿舎問題」に象徴されるように、廃止や見直しをして削減されたものが再び復活するなど、実効性を伴わないパフォーマンス政治に終始しています。 民主党は、2009年衆院選マニフェストにおいて公約した「バラマキ政策」の財源確保のために、事業仕分けにおいて、「2位じゃダメなんですか」「スーパー堤防はスーパー無駄遣いなので廃止にします」など、「廃止」「見直し」を連発しました。 このような一方的で強引な政治手法が、吊し上げや公開処刑のようだと、国民の不評を買うことになりました。 実際に、スーパーコンピューターが「世界一」の2連覇を達成したり、3.11を通してコンクリートや堤防の必要性が実証されることで、「経費としての無駄」と「未来への投資」を見極める政策上の価値判断が欠落した「事業仕分けの愚かさ」を突きつけることとなりました。 「行政刷新会議」は新たに「提言型政策仕分け」を11月20日~23日に行う予定ですが、政府関係者は「増税への国民の不満を和らげるため、歳出を見直していることをアピールすることが目的だ」と政策仕分けの真の狙いを明かしています(産経11/17)。 「政策仕分け」が増税を納得させるためのパフォーマンスであるならば、「行政刷新会議」とは名ばかりで、「増税推進会議」であることを見抜き、国民はパフォーマンス政治に騙されないようにしていく必要があります。 【国会こそが国家経営の意思決定を行い、イノベーションを主導するべき】 今回の「国会版事業仕分け」は、国会が行政を監視する機能を強化する試みとなります。 「衆院決算行政監視委員会」が行うことで、衆議院規則に基づく「決議」または「勧告」があり、明確な権限を有するもので、藤村官房長官も「評価結果が出た時は、十分に重く受け止めなければならない」とコメントしており、政府は仕分けの結論に従う姿勢を見せています。 法的な拘束力までは持たないため、実効性を疑問視する声もあります。しかし、国会における決議や勧告が実効性を持たないならば、唯一の立法機関であるとされる国会の存在理由が無いと言わざるを得ません。 国会は、立法府としての機能を果たすために、数多くの予算や法律を成立させて来ましたが、その予算や法律が、効果があったのかどうかを検証することは十分になされて来てはいません。 また、予算の単年度制により、年度末という時間的圧力から予算獲得・予算成立が最優先され、その後どうなったのかは十分な検証も無く、乱暴に言えばやりっ放し状態であります。 一つの政策には、予算が生じ、それが「利権」となり、「既得権益」を構築するとも言われます。決算行政監視委員会の役割が強化されて来た経緯はそこにあります。 通常の会社経営であれば、PLAN(構想・計画)⇒DO(実行)⇒CHECK(検査・確認)⇒ACION(改善・イノベーション)というプロセスは、一社員のレベルでも当然なされる仕事・実務の基本です。 政策や予算の効果実績を精査して、反省に立って教訓をつかみ、大胆に構想を練り直し、「イノベーション」(体系的廃棄)を行うことが、未来を創造する政治のダイナミズムです。 立法行為を続けて数多くの法律が山積して、時代に適合しない法律や規制が多く、行政の肥大化により、国民の自由を阻害され、経済活動の足枷となっています。 例えば、国家社会主義の政治体制である大政翼賛会によって、戦費調達するために導入された「源泉徴収」が現在の日本の国家財政の基盤であったり、戦時下の食糧調整を行った農業政策が今も基本となっています。 国会は、立法や予算に追われるだけではなく、ゼロベースで政治のあるべき姿を構想し、枝葉末節を捨て去る「廃法府」としての役割も重要です。 参議院の不要論も出ていますが、衆議院が立法の役割を果たすことで、中長期的な視点で検証出来ないのであれば、任期が6年ある参議院を「廃法府」として、一定期間の施行された法律を見直し、廃止していく役割を持てば、参議院の存在意義も出てくるのではないでしょうか。 国会こそが、国家経営の意思決定を行い、イノベーションを主導する場とならなければなりません。 TPPを基点とする新たな体制づくりや3.11を踏まえた危機管理対応など、より機能的で、機動力のある国会運営への改革が求められています。 衆院決算行政監視委員会における国会版事業仕分けを一時的な試みに終わらせず、「廃法府」としての機能拡充を行い、「新しい国づくり」を推し進めることが必要です。 (文責・小川俊介) 国際平和を脅かす中国とイランの不気味な連携 2011.11.18 今、核兵器開発が国際的に大きな問題となっているイランと中国との経済的・軍事的結びつきが国際的な問題となっています。 11月16日、『大紀元日本』が「中国、イランを中東の軍事基地へと構築=米外交誌が警告」と題し、「中国政府はイランを中東における軍事基地として構築し、米国との対立陣営の重要なパートナーとして位置づけている。14日付の米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」(電子版)が指摘し、米政府の警戒を呼びかけた」と報じています。 ⇒http://www.epochtimes.jp/jp/2011/11/html/d42930.html 記事では、イランと中国の協力関係は石油や天然ガスといったエネルギー面だけに止まらず、中国政府はあらゆるルートでイランへの戦略・軍備的支援を行い、イランの核関連開発に助力し、巡航ミサイルと弾道ミサイルの技術も提供していたことが指摘されています。 中国がイランとの軍事的結びつきを深めている理由として、以下の3点を挙げたいと思います。 (1)中国の「シーレーン防衛」のため 中国は13億人という莫大な人口と急成長を遂げる経済活動を支えるため、エネルギー確保に必死になっています。 中国が尖閣諸島周辺のイラク並の石油埋蔵量を誇る油田を狙っているのも、このためです。 そのため、中国にとっても「シーレーン」(国々の経済活動を維持する大動脈である海上交通路)を守ることが国家の生命線になっています。 中国の「シーレーン」は日本と同様、ペルシャ湾とホルムズ海峡が重要な戦略拠点となっています。 特に、ホルムズ海峡は、中国にとってはイランの原油を中国本土に運ぶため、日本にとってはアラビア原油を日本本土に運び出すために必ず通らなければならない「チョークポイント」(関所)の一つです。 シーレーンとチョークポイントを守るために、中国はペルシャ湾に面する国であるイランとの関係強化を図っていることは明らかです。 (2)中国のエネルギー拠点としてのイランを守るため 中国はイランから石油を輸入し、自国の膨大な需要の一部を賄っています。 英紙フィナンシャル・タイムズ紙によると、イランから中国への石油輸入は増加の一方にあり、昨年1年間の輸入総量は293億ドルに達しており、2009年度比40%増となっており、イランとの蜜月関係がうかがわれます。 米国によるイランへの金融制裁により、ドルなどの通貨で石油購入代金の決済ができないため、中国とイラン両国は物々交換の貿易システムを編み出し、国際的制裁の網をくぐり抜けています。 中国は人権や倫理感を行動理念の基盤においておらず、石油資源を確保するためなら独裁国家や独裁者との付き合いも辞さないのが常です。 このことは、中国がカダフィ政権と良好な関係を築いてきたことからも明白です。(カダフィ大佐死亡後は、中国外務省の盧沙野アフリカ局長が「(カダフィ大佐は)中国の友人ではない」と語り、露骨な変わり身に国際的批判を浴びています。) 同記事には、米有力上院議員チャールズ・シューマー氏の言葉として、「彼らは常に自分の利益を一番に考えている。たとえそれが世界危機につながることを意味しても、まったくおかまいなしだ」という言葉を紹介しています。 イスラエルとの対立から、世界最終戦争に繋がりかねないイランの核開発に密かに肩入れをする中国に対して、世界から批判が高まっています。 (3)中東に展開するアメリカ軍を牽制するため ペルシャ湾、アラビア海周辺にはアメリカ海軍の第5艦隊が展開しており、中東の有事に対して原子力空母と空母艦載機を即座に展開できる能力を有しています。 中国がイランに軍事拠点を作ることは、アメリカを牽制することに繋がります。 しかし、おおっぴらに軍事的な協力関係を結ぶことはアメリカの疑念を呼ぶため、秘密裏に行われています。 中国が、アメリカとの対決姿勢を強めようとしていることは、中東でも太平洋・南シナ海・東シナ海にいても同様です。 米海兵隊が豪北部への駐留が決定したことからも明白なように、アメリカは、すでに中国との対決姿勢をアジア・太平洋において強めようとしています。 日本は、自国だけの平和に浸ることなく、自国の発展と繁栄を守るために、世界情勢の構図をいち早く理解し、日米同盟を基軸としつつ、中国の覇権主義に備えていく必要があります。(文責・矢内筆勝) 米海兵隊のオーストラリア駐留と日米同盟の未来 2011.11.17 11月16日、オバマ米大統領が就任後初めてオーストラリアを訪問。オーストラリアとの軍事協力関係を拡大すると共に、アジア太平洋地域において米国のプレゼンスを高める方針を発表しました。 今回の訪問によって、米海兵隊をダーウィンとオーストラリア北部地域に駐留させ、軍事演習や訓練を実施することが決まりました。 海兵隊の規模は当初最大250人程度を予定し、今後数年間で2500人の駐留を目指すということです。 最前線で戦闘任務を受け持つ海兵隊を置くことで、南シナ海で海洋権益拡大を狙う中国を牽制する狙いがあるとされています。 これに伴って、日本政府内では「アジア・太平洋地域における米軍の配置が抜本的に見直される可能性もあるのではないか」という懸念も出ており、新聞各紙とも、在沖縄海兵隊の移転計画について関心が集中しています。 毎日新聞(11/14)は「<在日米軍再編>米海兵隊、『司令』と『戦闘』分散 一極集中の危険を回避」と題し、以下のように述べています。 「欧州などに比べ、アジア太平洋には政治的に不安定な地域が多い。クリントン米国務長官は外交誌『フォーリン・ポリシー』(11月号)で、アジア太平洋の米軍が今後、 (1)地理的に配置を分散する (2)作戦面での弾力性を高める (3)駐留国などの『政治的な持続可能性』に配慮する の3原則に基づいて再編されるとの見通しを示している。 背景には、中国軍が弾道ミサイルの精度を高め、海軍力、空軍力を増強している事情がある。グアムに海兵隊の一大拠点を設けて『一極集中』すれば、弾道ミサイルの格好の標的となる。海兵隊の司令部や拠点を分散すれば、攻撃される危険性を減じ、万が一、攻撃された場合にも反撃能力を温存できる。」(引用終わり) このように、米海兵隊が中国のA2/AD戦略の影響下にある日本から、影響外にあるオーストラリアに分散、若しくは移設され、日米同盟は破棄されるとする見方(例:JBpress「日米安保破棄を真剣に検討し始めた米国」⇒http://goo.gl/VBPhF)も出ていますが、現状では、日本から海兵隊がすぐに撤退することは考えられません。 なぜなら、地理的に見て、オーストラリアは海兵隊の作戦基地としては遠過ぎるからです。 オーストラリアから南シナ海に展開するには距離的に有利ですが、想定される中国の台湾侵攻や朝鮮半島有事に即応するためには、余りにも距離が遠過ぎます。 また、オーストラリアは、地理的に大規模な部隊を動かすにはあまり適しておらず、1万数千人と言われる在沖海兵隊を代替するには規模も施設・設備も違い過ぎます。 したがって、現在想定される米軍の対中国戦略から見て、オーストラリアが日本に代わって、アジア太平洋における米海兵隊の中核の拠点となることは考えにくいと言えます。 今回のオーストラリアへのアメリカ海兵隊駐留は、締結六十周年を迎えた「太平洋安全保障条約」(オーストラリア・ニュージーランド・合衆国の間で結ばれた軍事同盟)の同盟強化が目的であると考える方が自然でしょう。 今のところ、海兵隊にとって最も必要な条件は「良好な環境にある部隊集結地」です。海兵隊の航空・海上・地上部隊を集結させ、戦闘能力維持のために訓練を施す、そのための良好な環境としては、現状では「沖縄」が最適な地です。 普天間基地の移設予定先である辺野古のキャンプ・シュワブは、海兵隊の戦闘強襲大隊や訓練場、弾薬庫などが集中しており、「海兵隊の足」の役割を担う普天間飛行場の海兵隊航空部隊が移設されれば集結効果は高まります。 しかし、普天間基地の移設問題がこじれ、沖縄の左翼勢力や仲井真知事が強く主張している「普天間基地の県外移設」に追い込まれれば、海兵隊部隊が分散・離散され、「沖縄が最適の地」とは言えなくなります。 その意味で、国内の米軍基地問題にも決着をつけることができない日本政府の失態が、アメリカ政府当局の判断に影響を与えていることも事実です。 今回のオーストラリアの海兵隊駐留は、即座に米海兵隊の日本撤退を意味するものではありませんが、このまま、何も決められない民主党政権が続き、普天間基地問題が暗礁に乗り上げれば、日米同盟の先行きが不透明になることは明らかです。 中国の脅威が日に日に迫る今こそ、「日米同盟」を基軸としつつ、「自分の国は自分で守る」自主防衛体制を構築する、そうした外交・国防の鉄則を掲げる幸福実現党の政策実現が求められているのです。(文責・黒川白雲) 改めて問う!成長なくして財政再建はできない 2011.11.16 政府与党は、相変わらず増税路線を崩していません。 野田佳彦首相は、消費税増税は来年の通常国会で審議して通過させる意図を表明しています。 G20では、ギリシャ発の財政危機をいかに回避するかが主要テーマであるにも関わらず、あえて増税を公約した意図はどこにあるのでしょうか。 おそらく、野田首相は財政規律を重視したと考えられます。言い換えれば、「日本が増税をすることによって財政再建に本格的に取り組む」という意思表示をしたということです。 野田首相の国際公約を振付けていたのは財務省であることは間違いありません。財務省は「増税や緊縮財政によって財政再建は世界的トレンドである」ということを主張し、財政再建が国際的信用につながると考ればつじつまが合います。 世界を見渡せば、ギリシャに続いてイタリアまでも財政危機が表面化。今後は、ポルトガルやスペインも財政危機の噂があります。 ユーロを維持するための収斂条件として、財政赤字対GDP比3%以内、長期債務残高対GDP比60%以内が課せられているユーロ圏では、景気悪化をとめるための財政出動が、収斂条件によって制約されています。 金融政策は、欧州中央銀行(ECB)の判断にかかっており、各国で金融緩和を実施することはできません。その意味では、欧州には制度的な制約があるため、今後も財政危機が一層表面化する可能性は高いと言えましょう。 アメリカでは、デフォルト危機直前までいき、ティーパーティーをはじめとした共和党が政府の歳出削減を主張しています。増税は主張されていませんが、オバマ政権が進める公的医療制度によって政府が肥大化し、財政赤字が悪化することをけん制しているわけです。 さらに、FRBのバーナンキ議長が金融緩和第三弾(QE3)を実施できないのは、共和党からの反対が強いことも原因です。また、連邦銀行理事の中にもさらなる金融緩和を疑問視する意見も出ていることも輪をかけています。 もし、アメリカで歳出削減圧力が高まり、金融緩和が不十分だった場合、景気停滞から不況となる可能性があります。 このように見ると、確かに債務が大きい主要国が増税や緊縮財政をしているのはトレンドのように見えなくもありません。 しかしながら、日本は欧米諸国のように制度や法律によって債務が規制されているわけではありません。 金融政策は、日本銀行の意思によっていくらでも実施できます。政府の債務が大きいといっても、政府資産は650兆円もあります。対外純資産は250兆円を超えており、世界一の金貸し国です。 あと足りないのは、適切なマクロ経済政策です。 幸福実現党は、震災前後でも財政出動と金融緩和をはじめとしたマクロ経済政策を実施して、デフレの脱却と景気回復、震災復興を主張し続けてきました。「千年に一度の大震災」とも呼ばれる非常事態なので、国債の日銀引受という切り札まで提言しています。 成長率を高めていくことにより、政府債務残高対GDP比を圧縮することができます。 国債の利払い費などを除いた基礎的財政収支を見ても、名目GDPが上昇すれば改善しています。嘉悦大学の高橋洋一教授や学習院大学の岩田規久男教授の研究でも、名目GDPが上昇で基礎的財政収支の改善は大部分説明ができるとされています。 こうした一連の条件を一つにまとめたのが「ドーマー条件」です。詳細は、拙著『日本経済再建宣言』第三章の190pから192pに譲りますが、要点は、長期金利を上回る名目成長率であること。そして、名目成長率が高まれば、基礎的財政収支と債務残高の対GDPが小さくなります。 その結果、債務は発散しないということです。ドーマー条件は、国家の債務管理の目安としては極めて有用です。 幸福実現党が示している通り、名目成長率を高める方法論を様々にありますが、政治家が真剣に政策を実践する勇気と気概がなければ絵に描いた餅にしかすぎません。 内閣総理大臣をはじめ、経済政策を担当する大臣には、いかにして日本が震災復興を成し遂げ、再び成長を実現できるかを追求するのが最低限必要です。増税しか提言できない政治家は、悪徳役人の域を出ません。 やはり、デフレ不況時の財政再建は、成長なくしてはあり得ません。(文責:中野雄太) 1位でなければ意味がない!――スパコン「京」が世界最速!日本は「科学技術立国」を目指せ! 2011.11.15 「理化学研究所」と「富士通」が共同開発を進めてきたスーパーコンピューター「京(けい)」が、スーパーコンピューターの最新の世界ランキングで1位に輝き、世界最速の座を守りました。 スパコン「京」は、6月の発表に続いて1位になり、2期連続で世界一に輝きました。 1秒間に1京(1兆の1万倍)回を超える計算速度が評価されたもので、この速度は2位の中国のスーパーコンピューターの約4倍で、ダントツの性能を誇っています。 スパコン「京」のプロジェクトについては、2009年の「事業仕分け」で蓮舫(れんほう)参議院議員が、鬼の首をとったかのように真顔で「2位じゃダメなんですか!」と追及、国民の間でも大変な注目を浴びました。 スパコン「京」のプロジェクトの関係者は、この蓮舫参議院議員の「発言」がバネになったと語っています。 早速、富士通は11月14日、東京大学情報基盤センターの新たなスーパーコンピュータシステムとして、商用スパコン「PRIMEHPC FX10」が採用されたと発表しました。「PRIMEHPC FX10」は、スパコン「京」の技術を応用した製品です。 このように、スパコンなど科学技術が「1位でないと意味がない」理由はここにあります。 日本のプロジェクトであるから日本の技術を採用したとも言えるかもしれませんが、もし、今回中国が1位であったら、中国の技術が採用される可能もあります。 今回、ダントツの1位に輝いたことで、スパコン「京」は、世界で注目され、採用されるでしょう。それが「2位ではダメな理由」です。 今回、日本技術者の優秀さが証明されたわけですが、このように優秀な技術者の育成と、それによって開発された技術は世界の発展繁栄を促進します。そしてそれによって多くの雇用も生まれるのです。 蓮舫氏等が中心になって進めて来た民主党の「事業仕分け」は、国の財政のムダを削減する目的で行われました。 しかし、事業仕分けの欠陥は、「浪費」と「投資」の違いが全く分かっていないことにあります。 民主党は、科学技術開発を削ったお金で「子ども手当」などのバラマキを行いました。しかし、本当に、科学技術投資を削って、「子ども手当」に配分することが、子供たちの未来のためになるのでしょうか? 科学技術への「投資」は、世界最先端の産業技術に結実し、世界に貢献すると共に、未来産業と新たな雇用を生み出します。 「理化学研究所」と「富士通」が共同開発を進めてきた技術者の気概は、大変すばらしいものがあります。 今回の「世界一」をきっかけに、こうした優秀な人材を育成するための投資の重要性を、政府は認めるべきです。未来への投資を削るべきではありません。 東日本大震災もありましたが、今なお世界は、日本の原子力技術を欲しがっています。その理由は、日本の技術が世界で一番信用があるからです。 日本は唯一の被爆国でありながら、科学者の努力によってそれを乗り越え、世界一の原子力技術を開発してきました。 他にも新幹線やリニアモーターカー技術、小惑星探査機「はやぶさ」等、優秀な技術者によって日本の発展は支えられているのです。 「日本よ!科学技術立国を目指せ!」――日本の最大の財産は「人材」です。日本はバラマキ予算を削ってでも、より一層の科学技術投資を推し進め、未来産業創出へのイノベーションを果たすべきです。(文責・佐々木勝浩) すべてを表示する « 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