新型コロナウイルス、日本が感染国候補に。世界経済損失17兆円!?
https://www.youtube.com/watch?v=_FntO9Y2TS8
(2月4日収録)
幸福実現党党首 釈量子
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆「新型コロナウイルス」の感染予測
「中国発 新型コロナウイルス」の猛威が止まらず、現地の状況を見るにつけ、大変心が痛みます。
中国の隠蔽体質や初動の遅れなど、様々な問題が指摘されていますが、今日は、新型コロナウイルスが「世界経済に与える影響」について、お話ししたいと思います。
2月4日現時点ではっきり言えることは、私たちは「新型コロナウイルス」の問題を、単なる「医療問題」ではなく、国家の「危機管理案件」として扱うべきだということです。
「新型コロナウイルス」は、熱や咳などの症状が出なくとも感染が広がります。
専門家が口をそろえて「感染を封じ込めることが難しい」という理由は、まさにこの点にあります。
実際、「新型コロナウイルス」はたった一か月でSARSの感染者数を超えたので、感染力はSARSよりも遥かに強いことがわかります。
武漢に住んでいる若者は動画で、「公表数字の100倍感染者がいる」と言っています。
また、今後感染が広がる可能性の高い国として、タイ、日本、台湾、香港、韓国を上げています。中国人観光客の数に基づいています。日本は「感染国候補」の第2位です。
実は、昨年10月、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の科学者・エリック・トナー氏が、毒性の強いコロナウイルスが世界的流行した場合、「18か月以内に世界中で6500万人が感染により死亡する可能性がある」と衝撃のレポートを発表していました。
そのエリック・トナー氏が1月24日、アメリカのCNBCにテレビ出演し、WHOがすぐに「緊急事態宣言」を行わなかったことを強く批判し、「膨大な死者の予想は、パンデミックの結果、経済を含む2次災害を含めたもの」と話しています。
恐ろしい予測ですが、危機管理を行う上では、最悪の事態を想定するために知っておく必要があると思います。
WHOは、1月30日になってやっと「緊急事態宣言」を行ったのですが、「現時点で中国への渡航や貿易に関する制限などは勧めない」と中途半端な判断をしています。
テドロス事務局長は記者会見で「中国政府が卓越した対策を講じたことを称賛する」とほめたたえており疑問符がつきます。
各国は独自の判断で「水際対策」を強化し、すでに60か国以上が、中国滞在者の入国を拒否しています。
◆世界経済に与える影響は?
「新型コロナウイルス」が世界経済に与える影響も深刻です。
2003年のSARSの事例が参考になるのですが、決定的に違うのは、SARSの時とは中国の経済規模がまったく違うので、世界経済に与える影響は当時よりはるかに大きそうだということです。
2003年頃の中国は、2001年12月に世界貿易機構(WTO)に加盟し、やっと国際社会の一員になったばかりの頃でした。それから名目GDPは「約8倍」(約190兆円→約1480兆円)。
世界全体のGDPに占める割合も「4%」から「17%」に増え、世界第2位の経済大国になっています。
SARSが流行し2003年4月~6月のGDP年間成長率は11.1%から9.1%へと、マイナス2%の減速でした。
2003年7月のWHOによるSARS終息宣言の後、2004年にオーストラリアの大学の経済学者リー・ジョンファ氏とワーウィック・マッキビン氏が試算を出し、SARSによる経済的損失は「400億ドル(約4兆3600億円:1ドル109円)」と推計しています。
そして今回、マッキビン氏はメディアの取材で、「新型コロナウイルス」による経済的損失がSARSの3倍から4倍になる可能性があると言っています。
4倍だとすると、中国経済で「1600億ドル(17兆4400億円)」の取引量が減ることになります。
SARSの場合は、割と早く特効薬が開発されたこともあって、WHOの緊急事態宣言後、4か月あまりで終息宣言が出ています。終息宣言の時期が遅れるほど、中国経済へのダメージはもっと大きくなります。
日本経済への影響も甚大です。まず輸出ですが、日本から中国への輸出は、アメリカを超えて第1位、約16兆円です。
半導体や電子部品、工作機械など、中国への輸出依存度が高い企業は、業績に影響が出てくると思います。
また、日本のインバウンド消費も実害を被ります。観光庁によると2019年の速報値で、中国人観光客は年間約1.8兆円を日本に落としています。
インバウンド消費はアベノミクスの成長戦略の柱の一つですが、相当な実害が生じるのは間違いありません。
ホテル業界、旅行会社だけでなく、地方経済にもマイナスの影響が広がりそうです。
結論的には、日本人の命をしっかり守り、経済的な悪影響を抑えるためにも、まず「新型コロナウイルス」をしっかりと封じ込めることが大事です。
政治も、民間企業にリスクを押し付けるのではなく、減税や規制緩和など、さまざまな優遇措置で環境づくりに全力を挙げるべきです。