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大増税で“野田不況”到来か?

ようやく、日本解体を進めてきた菅直人氏が退陣しました。6月2日に開かれた民主党の代議士会で、菅直人氏は「(退陣したら)私にはお遍路を続ける約束も残っている」と語っていましたが、菅氏は弘法大師・空海より四国巡礼を禁じられていることを念押しでお伝えしておきたいと思います。 (幸福実現党発行『もし空海が民主党政権を見たら何というか』参照)

さて、菅直人氏退陣を受け、本日29日、親小沢派vs反小沢派といった怨念と派閥の駆け引きだけで、民意は全く無視して、両院議員総会で民主党の新代表、次期首相が決定されました。

民主党の新代表に就任した野田佳彦氏は、復興増税や消費増税を強く主張して来ており、首相就任後は増税路線を歩むことが予測されます。

野田氏は民主党代表選の間は、増税慎重派が目立つ党内で支持拡大につなげたい思惑から「いろんな意見を踏まえて対応する」と増税をトーンダウンしたかのように装っていました。

しかし、代表選が終わった直後の記者会見では、野田氏は、東日本大震災からの復興費用の財源については、増税で賄う従来の方針を堅持するとの考えを発表しました。

さらに、野田氏は2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げるとした「税と社会保障の一体改革」を推進する姿勢を堅持しており、自民党を巻き込んだ大連立、大増税路線に向かい、“野田不況”が到来する危険性が出てきました。

野田氏は、松下幸之助氏から直接薫陶を受けた松下政経塾第1期生で、松下政経塾出身としては初の総理大臣となりますが、もはや「無税国家論」を掲げた松下幸之助氏の信条を捨て去っており、「増税路線を突っ走る財務省公認候補だ」と批判されています。

米国をはじめとする世界景気減速の懸念が和らいだこともあって、本日29日の東京株式市場は一時、上げ幅は120円を超えましたが、民主党の新代表に復興増税に最も積極姿勢を示している野田氏が選出されたことで、景気への影響を懸念する売りが出て、53円高で終わりました。

これは投資家が増税を主張している野田氏に対して一定の警戒感を表したものと言えるでしょう。

外交・安全保障政策については、憲法改正や日米同盟重視を持論とする野田氏は保守的立場と言えますが、今後、自らの信念を民主党政権内でどこまで貫けるかは不明です。

例えば、野田氏は「A級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」と公言していても、野田氏は昨年に続いて、今年も靖国参拝をしておらず、どこまで保守的信条を貫き通せるか疑問を感じます。

中国や韓国は野田氏を「右派」と認識しており、既に警戒感が高まりつつあり、経済運営と同様、外交・安全保障においても野田氏の信念と実力がすぐさま試されることとなるでしょう。

(文責・黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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