Home/ 2014年 February 2014年 February 百田尚樹氏を「歴史修正主義者」と断罪するマスコミ報道を糺す! 2014.02.18 文/幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆NHKの取材に難色を示した米大使館 NHKがキャロライン・ケネディ駐日米大使のインタビュー取材を米大使館側から事実上拒否されていたことが14日、複数の関係者から明らかになりました。(2/14共同通信) その理由は、2月3日、NHK経営委員を務める作家の百田尚樹氏が都知事選に立候補した元航空幕僚長の田母神俊雄氏の応援演説をした際の「東京裁判や南京大虐殺をめぐる発言」にあります。 百田氏は、米軍による東京大空襲や原爆投下を「悲惨な大虐殺」と話し、東京裁判について、「これをごまかすための裁判だった」「1938年に蒋介石が日本が南京大虐殺をしたと、やたら宣伝したが世界の国は無視した。なぜか。そんなことはなかったからです」と訴えました。 ◆歴史修正主義者と報道した朝日 この応援演説の翌日4日、朝日新聞は英字版で「NHKの経営委員が都知事選において『歴史修正主義者(revisionist)』のために宣伝活動をした」という見出しで報道しています。(http://linkis.com/ajw.asahi.com/articl/IMSSy) 百田氏が田母神候補を応援したことを、氏が歴史修正主義者を応援したというのです。 日本語版でなく、丁寧にも英語版で「歴史修正主義者」という見出しで報道したことは、意図的に国際社会にシグナルを送ったといって間違いないでしょう。 しかも、記事の中で、歴史修正主義者たる田母神候補と百田氏の歴史観は同じであると記してありますので、百田氏も歴史修正主義者という扱いであります。 歴史修正主義者という言葉は日本においてはあまりピンとこないかもしれません。しかし特に西欧においては重大な意味を持ちます。 西欧において歴史修正主義者は、しばしばホロコースト(大量虐殺)否認論者を指すからであります。ナチスによるホロコーストはなかったとする立場です。 ◆刑事罰に処せられる歴史修正主義者 このようなホロコースト否認論者は、ドイツ・オーストリア・フランスでは刑事罰が適用される法律が制定されています。また人種差別禁止法によってホロコースト否定を取り締まる国もあります。 朝日新聞が田母神氏、百田氏を「歴史修正主義者」として英字版で告発した意味は、南京大虐殺をナチスのホロコーストになぞらえ、両氏をホロコースト否認論として糾弾するためでした。 幾多の歴史検証作業により、南京大虐殺はなかったとする説が有力であるにもかかわらず、ナチスのホロコーストの如く、南京大虐殺を歴史的事実と固定化しているのです。 実は、従軍慰安婦問題に関しても、欧米における韓国の国家事業としてのロビー活動の成果として歴史的事実として認定されつつあり、逆に従軍慰安婦はなかったとする立場が、「歴史修正主義」と断罪されつつあるのです。 ◆捏造された歴史を批判することが許されない日本 フランス、アングレームで開催された欧州最大規模の国際漫画祭で韓国政府がいわゆる「朝鮮人従軍慰安婦」問題をめぐる大規模な展示を行いましたが、韓国政府の展示は許され、それに反論する日本ブースは撤去されました。 それは、韓国政府が訴えるところの従軍慰安婦問題は、ナチスのホロコーストの如く歴史的事実であり、それを否認する立場は、ホロコースト否認と同じ立場であると見られたからであります。 従軍慰安婦制度とは、女性たちを組織的に強姦、強制堕胎、肢体の切断、そして、自殺に追い込むという、20世紀最大の人身売買と断定されているのです。 ◆現代のギロチンと化した日本のマスコミ 現在、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、テレ朝、TBSが百田尚樹氏のネガティブキャンペーンを実施しています。百田氏の失脚が目的です。 正しい主張をする者の言論が封殺され、捏造された歴史を「間違っている」と主張する者が「歴史修正主義者」として刑事罰に処せられるとしたら、もはや世も末であります。 賢明な日本国民は、そろそろマスコミが仕掛ける「現代のギロチン」に気がつかねばなりません。マスコミが仕掛けるワナはいつも同じです。 先日の籾井勝人NHK新会長の記者会見でもそうですが、同会長が、記者の執拗な「慰安婦問題」の質問に対し、個人的見解と前置きして答えたにも関わらず、朝日新聞や毎日新聞は、連日報道して袋叩きにしました。 「たたく材料」を韓国に提供して、国会まで引きずり出す環境をお膳立てし、公的場で謝罪させ、あわよくば辞任に追い込むというパターンです。これがマスコミがいつも言う「公平・公正・中立」な報道なのでしょうか。 幸福実現党は、言論の自由を守る砦として、マスコミの報道姿勢を糺すとともに、何が歴史の真実なのか、日本だけではなく国際社会にも訴えてまいります。 起業大国・日本の挑戦――シリコンバレーを超えるベンチャー創造国家へ 2014.02.17 文/HS政経塾二期生 鈴木純一郎 ◆日本復活の鍵は“ベンチャースピリット” 日本は90年代から「失われた20年」とも言われる長きにわたる経済低迷に襲われました。慢性的なデフレ状態の下、経済成長のない世界というものを経験したのです。 現在、アベノミクスという形でこの失われた20年にピリオドを打つ試みがなされていますが、今年来年と続く消費増税の悪影響が懸念されるなど、まだまだその行き先には不透明感が漂っています。 日本がこれから経済的に復活し、世界を牽引できる未来産業国家になるためには、大胆な金融緩和や財政政策などのマクロ政策が必要なことは言わずもがなですが、それ以上に大切なことは、日本人の内に眠るベンチャースピリット・起業家精神を呼び覚まし、新しい価値を創造する起業家を数多く輩出することではないでしょうか。 ◆シリコンバレー成功の秘密―スタンフォード大学 90年代、バブル崩壊に沈んでいた日本とは対照的に、当時のアメリカは80年代の経済的苦境を脱出して空前の繁栄を謳歌していました。 その大きな原動力となったのが、シリコンバレーに代表される地域から生まれた新進気鋭の起業家群、ベンチャー企業群の台頭です。 Google、Yahoo、マイクロソフト、インテルなど世界有数の企業の活躍が90年代以降のアメリカ経済の成長を牽引しました。90年代以降、日本における会社の廃業率は開業率を上回り続けていますが、その一方でアメリカからは次々と野心的な起業家が誕生したのです。 シリコンバレーはアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ南部のサンタクララ郡を中心とした地域の俗称です。なぜこの地域が上で挙げたような世界企業を生み出し、今も“イノベーションの聖地”と言われているのでしょうか。 軍需の存在、頭脳移民の力、フリーウェイなどの発達した交通インフラの存在など数多くの理由がありますが、ここで取り上げたいのは、シリコンバレーの中心に存在するスタンフォード大学の役割です。 このスタンフォード大学から数多くの優秀な起業家が輩出され、この大学の周辺地域に産業が集積し、シリコンバレーが形成されてきたという歴史があるからです。ヒューレット・パッカード、YahooやGoogle、ナイキなどの創始者もスタンフォード大学出身者で、皆在学中に起業しています。 アメリカには、シリコンバレー以外にも様々な産業クラスター(産業集積地)が存在しますが、その中心には、必ずスタンフォード大学のような「知識と技術と人材の創造の主体としての大学」の存在があります。 「新たな知と技術シーズ、優秀な起業家の創造の供給拠点としての大学が中心となって、その周辺地域に企業・産業が育成されていく」というセオリーがありました。 その下に、大学への研究開発資金の大胆な投下、大学から民間への技術移転の促進、ベンチャー企業育成のためのリスクマネーの供給システム(ベンチャーキャピタルなど)の整備などを行い、産学連携の成功モデルを創りだしたことがアメリカ経済の成功の秘訣でした。 日本においても大学改革こそが産業発展の道であると考えられます。 ◆起業大国・日本への道 昨年、安倍首相が打ち出した成長戦略においては、スタートアップを支援する方針が出され、現在5%程度の日本の開業率を英米並みの10%に引き上げることや、ベンチャーキャピタル投資への税制優遇、大学発ベンチャー支援なども打ち出されています。 しかし、開業率に関して言えば、経済成長率(実質GDP成長率)と正の相関関係があることがわかっており、二段階にわたる消費増税によって経済成長率が低下すれば、開業率にも悪影響であると考えられます。 ベンチャーキャピタル投資についても同じで、株式市場が活況を呈していなければ、本当の意味でベンチャー投資にお金は回らないでしょう。 増税ではない正しい金融財政政策でマクロ経済環境を安定的に発展させつつ、日本の大学改革を含めたイノベーション政策、産学官連携を押し進めることが重要です。 そして何より大事なことは、ホリエモン事件に見られるような資本主義精神への攻撃を是とするような風潮を脱却することです。シリコンバレーの成功の最大の理由は、「起業は偉いことであるという信仰」が存在することとも言われています。 新しい雇用と価値を創造し、国家社会を豊かにする起業家を尊敬し応援する価値観を広く共有することこそが、起業大国・日本への道ではないでしょうか。 【参考文献】 『改革の経済学』 若田部昌澄 『産業クラスター政策の展開』 西山太一郎 オスプレイ配備をめぐるテレビ報道の公平性について(1) 2014.02.16 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 NHKの籾井勝人会長の就任記者会見での発言が一部メディアの批判を浴び、「政府の立場に寄り添う発言」を繰り返し、公平性を定めた放送法に反するという批判が展開されています。 やや古い話にはなりますが、1年半ほど前に行われた山口でのオスプレイの報道について改めて振り返ることで、放送事業者による報道の公平性を考えてみたいと思います。 ◆放送法第4条 放送法第4条では、NHKを始めとする放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、以下に定めるところによらなければならないと定めております。 1.公安及び善良な風俗を害しないこと。 2.政治的に公平であること。 3.報道は事実をまげないですること。 4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。 テレビ放送は開局が規制されている許認可事業であるため、放送法によって「政治的公平」が義務づけられています。 とりわけ、放送受信料の徴収根拠として放送法第64条を挙げているNHKは、ほかの放送事業者よりも厳しく放送法第4条の順守が求められると言ってよいでしょう。 NHKは自局の放送倫理基本綱領でも、「放送は、意見の分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持しなければならない。」としています。 ◆2012年9月の岩国におけるオスプレイ駐機配備賛成集会 日本でのオスプレイの初配備が検討された2012年。同年9月16日に岩国市で「9.16 尖閣・沖縄を守れ!オスプレイ駐機配備賛成集会(主催者:尖閣・沖縄を守れ!9.16実行委員会)」が開催されました。 岩国史上最大となる約600人(ほぼ実数)が岩国市役所前に集い、うち約500人が岩国市街をデモ行進し、尖閣諸島や沖縄を含めた東シナ海の安全保障のため、オスプレイの配備が必要であることを訴えました。 私たち幸福実現党・山口県本部は、オスプレイ岩国基地一時駐機が報じられた同年6月より、岩国市においてオスプレイ配備の重要性を訴えてまいりました。 反対の意見ももちろんありましたが、配布物の受取率は極めて高く、オスプレイへの関心の高さを感じるとともに、当時のオスプレイへの否定的なマスコミ報道とはかい離した「オスプレイは必要」とする意見が予想以上に多いことを肌で感じました。 実際、読売新聞地方版の報道でも岩国市を含む山口2区の住民の半数近くが、「条件付き容認」と報道しており、8月6日の産経新聞でも、岩国市は反対一色ではないと報じておりました。 オスプレイの安全性を危惧する声もありましたが、丁寧に配備の必要性を報じれば容認されるサイレント・マジョリティー(声なき多数派)が多いことを確信しました。 8月に入り、地元岩国市議のもとに、「賛成派の声をマスコミが取り上げないなら、行動をおこそう!」「日本を守ろう!」という声が集まり、保守の皆様とともに前述の岩国史上最大となる集会とデモを開催しました。 ◆反対集会は採り上げ、賛成集会は採り上げなかったNHK 本集会とデモについて、既出の岩国市議が岩国市役所の記者クラブを2度訪れ、趣旨説明をして取材の要請をいたしました。通常記者クラブでは幹事会社を通じて、加盟の報道各社に伝わります。 本集会の直後、読売、毎日、山口新聞は、地方版にカラーの写真入りで、中国新聞もベタで、地元TV局のKRYは看板番組のバンキシャの後のニュースにおいて、中国の脅威と絡めて本集会の模様を報道しました。 本集会の2日後、9月18日の読売新聞全国版の夕刊では、賛成の活動も取り上げた上で、オスプレイ安全宣言を報じました。 以上の通り多くのメディアが採り上げ、国の安全保障を左右し、国民の生命・財産の安全安心を左右しかねない重大な関心事にもあるにも関わらず、NHKは報道するどころか、当日の取材にすら来ませんでした。 ところが、本集会の後の9月30日に開催された反対集会の様子は、当日夕方と夜のNHK山口放送局のニュースで放送されました。 放送法第64条に基づく受信料によって運営され、ほかの放送事業者よりも厳しく放送法第4条の順守が求められる公共放送の報道の公平性に疑問を感じました。 さらに今回や一連の放送姿勢を調べていくと、いくつかの問題点や疑問も明らかとなりました。 (続く) 日本経済の本格的な冬到来は4月から 2014.02.15 HS政経塾1期生 城取良太 ◆盛り上がる「安倍春闘」と経営現場の実態 各業界の労働組合から久方ぶりとなるベースアップ(ベア)要求が経営陣に対して提出され、春季労使交渉が本格的にスタートしました。 13日には電機各社の労働組合は足並みを揃え、2014年の春季労使交渉の要求書を経営側に提出し、トヨタ自動車と同水準の月額4000円のベアを5年ぶりに要求しました。 また、年間一時金(賞与など)についても、業績連動方式の企業を除いて、「最低4か月分」が統一基準となっております。 その背景にあるのは、昨年初頭から繰り返し述べてきた安倍首相のデフレ脱却を名目とした強い賃上げ要請、経団連のベア容認発言であり、今年は「安倍春闘」とも揶揄される位、賃上げ機運は高まっております。 これに対するサラリーマンたちの反応は上々なようで、新聞社の新橋駅前の街頭インタビューなどでも「今年の春闘にかなり期待している」「最近覚えた単語は『ベア』」「給料が増えたら貯金して家を買いたい」などと賃上げに期待する声が多いようです。 しかし一方で、日本生産性本部系の団体が1月下旬に公表した経営者アンケートによると、今回「ベアを行う」と答えた経営者は200人弱の3割にとどまっております。 全体的に好調にみえても、個別にみるとばらつきがあり、リストラなどを続けて経営環境が厳しい企業も少なくなく、特に中小企業の多くでは、自社の経営状態を立て直すのに精一杯だというのが実際の経営の現場だと考えられます。 ◆国の経済政策を成功させるための賃上げ干渉はアリか? そうした経営の現場感覚を軽んじ、アベノミクスを成功させるために、国家が民間企業の賃上げに介入しようという現政権の姿勢には疑義を挟まざるを得ません。 なぜなら、従業員のベースアップによって内部留保を取り崩さなくてはならず、企業によっては新規工場建設などの設備投資、将来の飯の種を創造するような研究開発費を削減する必要が発生するからです。 企業の手元資金をどのように活用するかは、企業の経営戦略の中核部分であり、民間企業においては企業経営の自由を与えられているはずです。 しかしながら、昨年10月に経済産業省が個別企業の賃上げ状況を監視し、賃金アップにつなげていく方針を示している通り、現政権は企業に与えられた自由を明らかに制限しようとしているのです。 ◆政府の賃上げ干渉の「ツケ」は従業員に返ってくる また、アベノミクスの成否とは別に、この現政権による賃上げへの干渉は、サラリーマンへのバラマキ政策のように見えてなりません。 日本における平成24年度の雇用者(役員を除く)は5,154万人に上り(内訳は正規雇用が3340万人、非正規雇用が1,813万人)、日本の半数近くに達します。 彼らの期待感を高めることで政権の支持基盤の安定度を高める意図があるかどうかは分かりませんが、反面でベースアップを行えない企業に対する従業員たちの不信感や不満を政府が間接的に募らせてしまうという事実があることをキチンと見据えるべきです。 しかしながら、賃上げのツケは従業員に戻ってくるとも言えるでしょう。 実際に、銀行側がコスト上昇となる賃上げを含む事業資金には貸し渋りをする事例がでており、賃上げ企業が事業資金調達を行いづらくなることで、経営環境が悪化してしまうことも予測できます。 更に、賃上げを享受する従業員が出る一方、企業のリストラが更に進行し、失業率が上昇してしまうという矛盾も発生する可能性があるのです。 ◆同時に待ち受ける4月からの「消費税増税」 企業にとって4月に待ち受けるのは「ベア」だけでなく、「消費税増税」もあります。 消費税増税によって家計が苦しくなるのは一目瞭然ですが、企業にとっても「売り上げを落としても今の利益率を守るためにサービス価格を引き上げるか」、または「売り上げ死守のため利益を圧縮してもサービス価格を据え置くか」といった苦しい判断を迫られることになります。 苦しくなる企業にとって唯一の朗報は「法人税減税」だと言えます。 現在の法人実効税率35%強を25%程度まで減税すると踏み込んでおりますが、現在行われている政府税調での議論の焦点は早くも「10%引き下げによる5兆円の税収減をどう補填するか」という内容に終始し、財務省主導の財政規律主義がまかり通っている現状で、先行きは暗いと言わざるを得ません。 ◆「企業の自由こそが富の源泉」という哲学が必要だ 安倍政権においては、「河野談話」を初めとする歴史認識についての踏み込みが足りないところがあるものの、外交・安全保障の領域においては安倍首相のリーダーシップによって大きな成果を挙げていると言えます。 しかし、反面で経済政策においては、過度な賃上げ干渉によって社会主義化への道を歩みながら、消費税増税によって更に企業と個人を苦しめようとしております。 皮肉なことに、春を迎える4月から日本の企業にとっては本格的な「冬」が到来するのです。 そして忘れてはならないのが、企業にとっての「冬」は、私たちにとってもいずれ「冬」になるという事実で、決して短期的利益のみを見て、賃上げを肯定するべきではありません。 幸福実現党は立党当初より、消費税増税に反対し、「安い税金」を党是として訴えて参りました。 また、国家のあるべき経済政策には、まず起業家精神の発揮を推奨し、企業の自由な行動こそが国を富ませ、強くするという哲学が必要です。 そして、企業経営にとって最適な環境を整え、企業の活力を引き出すことで、新しい価値の創造、雇用の増大、ひいては賃金の上昇につながっていくものだと確信します。 今の安倍政権は経済面において左翼政党と同じ穴のムジナだと言わざるを得ません。 是非とも、財務省の論理に負けず、企業の自由を死守して頂きたいと思います。 「海洋大国・日本」―新たな国家ビジョンと安全保障【連載第8回】 2014.02.14 文/幸福実現党総務会長兼出版局長 矢内筆勝 《海洋国家日本の国家戦略と安全保障》 ◆「報復的攻撃能力」の具体策 前回は、日本に向けられた中国のミサイルから、日本を守るために必要なものが「抑止力」であることを述べました。 その中でも最も確実なものは、中国が日本を攻撃すれば、それ以上の損害を与えることができる「報復的攻撃能力」であることを明らかにしましたが、今回は、その「報復的攻撃能力」について具体的に論じます。 前回ご紹介した社会科学者の北村淳氏は、中国のミサイルから日本を守るために必要なものは、「中国の戦略要地をピンポイント攻撃できる長射程ミサイル(中距離弾道ミサイル・長距離巡航ミサイル)の配備である」と提言しています。 「具体的には、アメリカから各種トマホーク巡航ミサイルを必要数購入すれば、それらを海上自衛隊艦艇に配備した瞬間から、強力な報復攻撃力すなわち抑止力を、自衛隊が独自に保有することになる」 日本がもし独自に巡航ミサイルを開発するには膨大な時間と予算がかかりますが、「トマホークミサイル」なら、現有の日本の艦船や潜水艦への装着が可能です。 すでにイギリス海軍がアメリカから輸入しているため、日本も調達は可能であり、国内外の理解も得やすいからです。 日本は中国の長射程ミサイルへの抑止力強化のため、まずトマホークを米国から数十基程度購入し、ミサイル駆逐艦や潜水艦に配備すべきです。 価格は一基200万ドル(約2億円)程度で、射程も1250キロから最大3000キロと、日本を狙う中国の基地を攻撃するのに十分です。 それによって、時間を稼ぎ、その後、国産の弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルを開発し、合わせて原子力潜水艦や空母の建造を進め、より強固な抑止力と防衛体制の強化を進めればよいのです。 特に、日本近海や東シナ海には、水深1万メートルもの深い海溝があります。 長期間、燃料補給なしで稼動できる原子力潜水艦を3隻程度所有し、そこにトマホークを積んで潜航させておくだけで、中国への強力な抑止力となります。原子力潜水艦だけなら一隻1500億円程度で配備できるのです。 ◆「核保有」の国民的議論を さらに日本が最も警戒しなければならないのは、中国が数百発から数千発保有しているとされる核兵器を背景に、日本を恫喝するシナリオです。 今の中国共産党や中国軍の幹部の中には、長年の反日教育によって、「日本に対する核攻撃を躊躇しない」という空気すら確実に存在しています。 日本は今、中国の核攻撃への抑止力を真剣に考えなければならない時を迎えていると言わざるを得ません。その選択肢の一つとして、私は、日本も「核保有」を真剣に議論すべきであると考えます。 日本が「核保有」に関する国民的議論を喚起するために、わが国が選択可能な核抑止力の選択肢を、3つ提示してみましょう。 (1)非核三原則の撤廃 この原則は日本の「国是」のように受け止められているが、そもそも国会答弁に基づく政策方針にすぎず、現行憲法も核保有を禁ずるものではありません。この非核三原則を撤廃すれば、日米同盟が強固であれば、それは自動的に、米軍による在日米軍基地への核持ち込みが「潜在化」します。 これは、日本への核攻撃がすなわち、米軍への核攻撃となり得るがために、アメリカとの全面核戦争を望んでいない中国にとって、大きな核抑止力として機能するでしょう。 (2)核(ニュークリア)シェアリング すでに北大西洋条約機構(NATO)加盟国のベルギー、ドイツ、イタリア、オランダが、アメリカとの間で行っているもので、平時はその国に駐留するアメリカ軍が保管している核兵器を、有事の際に必要に応じて配備国へ譲渡し、使用権限を与えるというものです。 (3)核の独自開発 国内世論に加え、国際的にも国連の核不拡散条約に加盟しているため、現在ではハードルが高いといわざるを得ません。しかし、第一と、第二の方策を選択した上で、常に核の独自開発の可能性と選択肢を残しておくことが、国家戦略上有効です。 その意味で、2013年9月 国産ロケットは「イプシロン・ロケット」(宇宙航空研究開発機構が開発)の打ち上げ成功は、安全保障上も大きな成果と言えるでしょう。 衛星ロケットの打ち上げ技術と弾道ミサイルの技術は、ほぼ同じであり、これによって日本は一基わずか38億円のコストと一週間の時間で(イプシロンのコストと組み立て日数)打ち上げられる、いつでも弾道ミサイルに転用が可能な技術を手に入れたことになります。 以上、日本の国防面を論じましたが、次回は、外交面から海洋開発と「太平洋自由連合」構想について紹介します。 なぜ江沢民氏は国際手配されたのか 2014.02.13 文/HS政経塾スタッフ・遠藤明成 ◆闘牛の国からの挑戦状? 靖国参拝や慰安婦、先の大戦への謝罪要求など、中国・韓国のいわれなき反日キャンペーンが続いていますが、「過去の戦争」ではなく、「現代の大量虐殺」の容疑者として、江沢民氏ら5名の中国人が注目されています。 スペインの全国管区裁判所は11月19日に江沢民氏や李鵬氏、喬石氏ら5名を、80~90年代チベットでの大量虐殺に関わった容疑者と見なし、2月12日にICPO(国際刑事警察機構)加盟諸国へ逮捕を要請したからです。 この逮捕状は06年にチベット人の救済を求める人権団体からの刑事告発に対処したものです。(これ以外にも、10月9日には、同種の容疑で胡錦濤氏も告発されている) ◆告発と国際手配の背景にある「普遍的管轄権」という考え方 スペインでは、大量殺戮等の重大犯罪の当事国で裁判が行われない場合に、第三国が裁判をする権利を認める「普遍的管轄権」が定められているため、同国の裁判所は海外の事件に関しても人道的犯罪などの訴訟を受理しています。(※一定の条件はありますが) 98年には、スペインから大量虐殺の容疑で告発されたチリのピノチェト元大統領が、98年にロンドン滞在中に、同国からの要請を受けて逮捕されました。(その後、チリの抗議を受けて釈放) こうした告発は人権団体から評価されましたが、外交問題が増えるので、近年のスペイン政府は海外の人道的犯罪訴訟の条件の厳格化を進めています。今回はスペイン国籍を持つチベット僧がいたので、こうした告発が可能となったのです。 (※ICPO加盟諸国は普遍的管轄権に対して自国民を引き渡す義務を負わないので、前述の5人は中国国内にいる限り裁かれることはなく、この逮捕要請は政治的メッセージと見られる) ◆矛盾する正義と利害関係――普遍的管轄権の活用は可能か 今のスペインでは、法律家の正義と国家間の利害関係が矛盾しています。この状況を、2月12日付の毎日新聞朝刊(9面)が報道していました。(以下、要旨) ・中国はフランスに次ぐスペイン国債保有国であり、対中貿易を経済再建の切り札にしたい現政権は、司法と外交の間で板挟みとなっている。(スペインを訪れる中国人観光客も激増している) ・同国の国民党は、1月に虐殺などの人道的犯罪の訴追対象について、改正案を提出した。この案では訴追対象はスペイン人とスペイン定住外国人などに限られ、「犯罪発生時点」での被害者のスペイン国籍所持が条件化される。これが成立すれば、今後、96年に国籍を取得したチベット仏教僧らの告発は認められなくなる。 こうした「普遍的管轄権」の行使には現実の壁だけでなく、国際法における「内政不干渉の原則」との矛盾という課題もあります。これが多くの国で司法の原則として認められた場合は、自国裁判所における他国指導者の訴追が頻発し、多くの外交問題が発生するからです。 今回のスペインの司法判断には正当性がありますが、この考え方を悪用すれば、人権侵害や大量虐殺の事件を捏造し、他国の政治指導者を自国の裁判所で訴追することもできるでしょう。 そのため、最後は力関係がものを言う国際社会で、「普遍的管轄権」が有効に活用されるか否かは、今後、自由と民主主義の側に立つ国々の努力次第で決まると言えます。 ◆世界に北朝鮮、中国の人権侵害の実態を知らせるべき 今回のスペインの司法判断は、中国の軍拡と人権弾圧を放置してきた各国に対して、一石を投じる試みでした。拉致の事実を認めたにもかかわらず、金正日を訴追できなかった日本は、この毅然たる姿勢を見習うべきではないでしょうか。 人民を飢えさせながら、一年分の食糧費に相当する国費をミサイル実験に注ぎ込んできた金正恩も、「人道に反する罪」を犯しているからです。 09年に、幸福実現党・大川隆法総裁が「金正日を東京地裁で裁判にかけます」(『幸福維新』http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=107)と訴えたように、日本には悪を抑止し、東アジアに自由の領域を広げる力が必要なのです。 日本は、憲法九条改正(もしくは解釈変更)や日米同盟強化、自衛隊の強化を図るべきですが、これと並行して、「現代の大量虐殺」に抗議する外交活動の展開が必要です。今回のスペインの国際手配要請に関しては、同種の活動の命脈が絶えないよう、日本はICPO加盟国として支持すべきでしょう。 拉致問題に関して、ジェンキンス氏(拉致被害者である曽我ひとみさんの夫)は、76~77年頃に、北朝鮮の立石里(リプソクリ)招待所にて、巡回医師が「スペイン人の女性を治療した。とてもきれいな女性だった」と話していたことを明かしていますが(産経ネット版2013.2.10)、日本は、被害者に14カ国の外国人が含まれている事実を広く訴え、欧米諸国とも連携して、北朝鮮の包囲網を強化しなければなりません。 日本は、今こそ、防衛・外交政策を見直し、第二の冷戦を終わらせるための一歩を踏み出すべきなのです。 【ご案内】 2月15日(土)HS政経塾第3期生による政策研究発表会(http://hs-seikei.happy-science.jp/2014/4252/)が開催されます。 気軽にご参加ください。 ●HS政経塾第3期生による政策研究発表会 【日 時】日時 2月15日(土) 14:00~16:00 【場 所】ユートピア活動推進館 3階大会議室/東京都港区赤坂2-10-8 東京メトロ 溜池山王駅9番出口・徒歩3分 TEL 03-6277-6937 (受付時間:10:00~18:00) 【参加費】 一般1000円、学生500円 【発表者】田部雄治、和田美奈、横井基至、瀬戸優一、森國英和 価値観外交を考える――民主主義と核不拡散条約 2014.02.12 文/HS政経塾 三期生 田部雄治 ◆中国の脅威 現在、アジアにおいて最も大きな不安定要因の一つは、間違いなく中国の軍事的な拡張でしょう。 急激な軍拡を進め、南シナ海の島々の実効支配を進めています。尖閣諸島の領有権を主張し、防空識別圏を設定し、南シナ海の漁業を一方的に制限するなど、日本をはじめ、フィリピンやベトナムなどに脅威を与えています。 先日フィリピンのアキノ大統領は、中国をナチスになぞらえて批判をしました。 またアメリカも、防空識別圏の設定や尖閣諸島の領有権主張に対し、国際ルールを順守するよう、中国を非難する声明を出しております。 南シナ海は、日本の原油の90%が通過する重要なシーレーンであり、中国に支配されることは日本にとって致命的です。 ◆日印外交 日本とインドは、民主主義国家であり、歴史的にも大変友好的な関係にあります。 またインドは、インド洋にも進出を図る中国に対しとても脅威を感じており、中国の侵略を食い止めたいという点でも利害が一致します。 先月26日から、安倍首相は訪印してインドのシン首相と首脳会談を行いましたが、日本とインドで、様々な協力関係の構築について話し合われ、大きな成果が得られました。 ところが一点、インドの抑止力としての核実験を認めるかどうかで、折り合いが付きませんでした。 ◆インドの安全保障 1962年、インドは中国から一方的に侵略を受けました。この通常兵器による戦争において、インドは大敗北を喫しました。 しかもその2年後に中国は原爆実験を成功させ、さらに3年後には水爆実験も成功させました。 以上のような背景から、インドが核武装をせざるを得ないと判断したのも無理もないことでしょう。 核実験の実施後、インドは一時経済制裁も受けましたが、核実験を自主制限し核拡散も行わないという宣言をして、国際社会に復帰しました。 インドの核実験は自主規制であり、中国に対して一定の核抑止力が認められた形となりました。アメリカもこの前提で、米印原子力協力協定を結んでいます。 ところが上記の日印首脳会談では、日本がインドの核実験を認めなかったために、日印原子力協力協定は結べませんでした。 慢性的な電力不足に悩むインドに、原発の輸出が出来ないということを意味します。インド経済にとってはマイナスです。 ◆核不拡散条約(NPT)の矛盾 インドの経済の発展は、インドの軍事力を支えます。インドの軍事力は、インド洋の安定のための大きな要因であり、インドと日本のシーレーンにとっても重要です。 核不拡散条約によって、世界最大の民主主義国家であるインドが損をして、世界最大の専制国家である中国が得をすることになります。 核不拡散条約を厳格に守ることが自由と民主主義を危機に陥れる、という矛盾が発生しているのです。 ◆核不拡散条約を疑え 核不拡散条約は、核兵器が広がることを防ぐことに一定の役割は果たしてきました。しかしここにきて、限界が現れてきました。 そもそも核不拡散条約は、大変不平等な条約です。1967年1月1日までに核兵器を保有した米・露・英・仏・中の5か国にのみに核兵器保有と核実験の権利を認め、その他の国には認めないという条約なのです。 このうち米・露・英・仏の4か国は核実験の自主制限をしていますが、中国はしていません。また、中国がインドに隣接するパキスタンに核技術を供与したことは、公然の事実と言って良いでしょう。 核不拡散条約は、核兵器を作り続ける中国を止めることが出来ません。しかもその中国によって危機にさらされている民主主義国家・インドの安全保障にとって障害となっているのです。 国際ルールを守らず、自国の都合で好き放題する専制国家・中国をのさばらせるだけの核不拡散条約であるならば、改めなければなりません。 日本としては、アメリカ同等の条件でインドと日印原子力協力協定を結び、互いの経済発展を実現させるべきです。そのうえで、シーレーンの共同防衛を図るべきでしょう。 自由と民主主義という価値観を広げることを目的として、積極的に国際社会に働きかける外交をするべき時が来たのです。 零戦と日本人――特攻の精神~特攻に散華した英霊に畏敬の念を込めて(3) 2014.02.11 文/岐阜県本部副代表 河田成治 【特攻と「大和魂」】 ◆なぜ特攻隊が生まれたのか 1回目、2回目と、ご紹介してきたように、まさに胸が引き裂かれるような時代が70年前にありました。では、なぜ、特攻が生まれたのでしょうか。 特攻の生みの親といわれる大西瀧治郎中将は、自ら「特攻は統率の外道である」といっています。しかしなぜ特攻作戦が実行されたのか。大西中将は次のように語っています。 「これは、九分九厘成功の見込みはない、これが成功すると思うほど大西は馬鹿ではない。では何故見込みのないのにこのような強行をするのか、ここに信じてよいことがある」 「それは、いかなる形の講和になろうとも、日本民族がまさに亡びんとする時に当たって、身をもってこれを防いだ若者たちがいた、という事実・歴史の残る限り、五百年後、千年後の世に、必ずや日本民族は再興するであろう、ということである」(角田和男氏著「修羅の翼」) ◆吉田松陰先生の辞世の句 明治維新の偉人、吉田松陰先生は、次の辞世の句を残しておられます。 「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」 吉田松陰先生は、自ら江戸幕府の重鎮(老中)暗殺計画を告白するなどして、わざわざ自ら死罪となって、この世を去りました。なぜむざむざと死んで逝かれたのか。 それは、完全なる無私の心のとは何か、私人としての命よりも公を取ること、そういった激烈な真の心を、維新の志士に残すためであったと考えています。 松陰先生は「大和魂」とは何かを示されました。この松陰先生の激誠の志に発憤した志士たちが、明治維新を成し遂げていくことになります。 ◆大和魂の発露としての特攻 日本人が尊敬して止まない松陰先生の無私なる心、高い志をもった溢れるばかりの情熱が、明治維新さらには近代国家日本建設の大きな原動力となりました。 そして松陰先生の「大和魂」と同じく、特攻に散っていった英霊もまさしく「大和魂」を発揮されたのではないでしょうか。 明治期に日本が世界の五大強国になった如く、残された家族や、後世の日本人の繁栄の為に命を捧げた、特攻隊員の「大和魂」があったからこそ、戦後の日本に空前の繁栄が創られていったのだと思います。 ◆戦争で命を捧げるということ 私は自衛隊のパイロット時代、3回ほど死ぬかと思った経験をしています。 恥ずかしい話ですが、1回目は、マニューバ(アクロバット訓練)で、ループ(宙返り)に入ったとき、ループの頂点で失速して錐もみ状態で堕ちていったのです。眼下に山並みがクルクル回りながら迫りましたが、観念して操縦桿から手を離すと、奇跡的に回転が止まりました。 また夜間の雲中、計器飛行で着陸進入中、上下感覚を喪失するバーティゴ(空感覚失調症)に陥ったときは、高度を500フィート(約150m)も落としてしまい、あわや山中に激突というミスもしました。 当時、私の先輩や操縦訓練生の時の顔見知りなどが、1年で5名も亡くなるという航空事故の当たり年で、私にとっても墜落はけっして他人事ではない日々をすごしていました。 私はいつもフライト前、もしかしたら次は自分かもしれない、飛び立てば戻ってこないかもしれない。せめて恥ずかしくないようにと、机上をキチンと整理整頓をしてから出発したことを思い出します。 しかし日々の飛行訓練は、墜落の危険はあっても、撃墜されたり戦死する恐怖とは無縁のものでした。果たして私は、自分が特攻隊員だったら冷静でいられたか?と自問自答することがよくあります。 わずか数十年まえの諸先輩は、生きる望みの100%ない、十死零生の特攻作戦と知りながら、何か月間も飛行訓練を繰り返したのです。心からの畏敬の念を感じずにはおれません。 次回は、いま話題の映画「永遠のゼロ」の感想も踏まえながら、いまの日本には何が必要なのかについて述べたいと考えます。 「建国記念の日」特集(2)――「国歌・君が代」 2014.02.10 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆国歌とは何か 世界のどの国でも多くの人が集まる行事や重要な儀式、現在はソチオリンピックの最中ですが、必ず国の国歌を、演奏、斉唱します。 また外国の代表を迎えた場合には、相手国の国旗を揚げると共に国歌を演奏して敬意を表すのが国際的な慣例です。 世界中で国旗のない国が一つとして存在しないように、国歌がない国もありません。つまり前回説明した国旗と同じように国歌もその国のシンボルなのです。 また国歌もその国の歴史、建国や政治のあり方、文化の中で生まれたもので、国民の感情や共感を歌に表したものです。 ◆世界の国歌 世界の国歌は3つに分類できます。 (1)戦争の中で生まれた国歌 ●アメリカの国歌…1819英米戦争の際、米軍の勇敢さを讃えた歌 砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中 我等の旗は夜通し翻っていた ああ、星条旗はまだたなびいているか? 自由の地 勇者の故郷の上に ●中国 最大の危機に際し ひとりひとりが最後の鬨(とき)の声をあげるときだ 起て! 起て! 起て! 我ら万人心を一つにして 敵の砲火をついて前進しよう! 他にはフランスの国歌は、フランス革命時の対プロシア・オーストリア戦争のさなかの進軍可歌です。 (2)自然や神を歌った国歌 ●ロシア 南の海より極地の果てへと 広がりし,我等が森と草原よ 世界に唯一なる汝、真に唯一なる汝 神に守られた祖国の大地よ! 他には、スイスの国歌、大韓民国の国歌があります。 (3)王室の御代の永遠を歌った国歌 ●イギリス 神よ、我らが慈悲深き女王を守りたまえ 我らの気高き女王よ、長命であれ 神よ、女王を守りたまえ 他にはスウェーデン、デンマークの国歌も王室を讃える国歌です。 ◆世界で最も古い起源をもつ日本の国歌「君が代」 君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌(いわお)となりて 苔(こけ)のむすまで 日本の国歌「君が代」も天皇を中心としてきた日本の国がいつまでも栄えますようにと願った歌です。 「君が代」の歌詞は世界で最も古い起源を持ち、1000年前の平安時代の和歌が由来です。2番目の古い国歌は16世紀後半のオランダ国歌「ウィルヘルム」ですが、『君が代』はオランダ国歌よりも600年も古いものです。 その後鎌倉時代になって、「君が代」は神事や宴席の祝歌として身分に関係なく一般的に歌い継がれ、文明開化の1880年(明治13年)、宮中の雅楽で現在のメロディーがつけられ天長節に初めて演奏されました。 また『君が代』は、1903年(明治36年)にドイツで行われた「世界国歌コンクール」で一等を受賞したこともあり、そのメロディの美しさ、荘厳さが評価されたのです。 一部には、「君が代」の「君」とは、天皇であるので国歌としてのふさわしくないという批判もありますが、日本は古来から、「天皇のもとに家族」であるという伝統的な意識があり、「支配する側と支配される側」という立場とは異なっていたのです。 歴代の天皇は「国民」を『おおみたから』と呼んで、国民を宝として、その幸せをお祈りしてきた御存在です。 天皇と国民は一つであり、「君が代」とは、日本の国が過去から未来のまで、末永く永遠でありますようにという祈りが込められた歌であるのです。 国歌「君が代」の歌詞については、幸福実現党・大門未来広報部長が詳しく解説しています。 ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/watch?v=-qoQsannp0k&feature=youtu.be バックナンバーはこちらから ◎幸福実現党広報本部長・大門未来「ミキチャンネル」 http://www.youtube.com/user/mikichannelTV NHK籾井新会長はマスコミ改革の旗手 2014.02.09 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆籾井会長の主張は正しい 去る1月25日(土)の記者会見における「従軍慰安婦」についての発言の後、籾井勝人(もみいかつと)NHK新会長へのバッシングが強まっています。 衆院予算委員会でも参考人として呼ばれ、特に朝日新聞や毎日新聞は、会長の歴史観が誤っているかのような印象を与える報道をしています。 しかしながら、詳細な事実認定には修正が必要であるものの「慰安婦問題を含めた戦時徴用については『日韓基本条約』で解決済み」という籾井会長の主張は間違っていません。 日韓基本条約は、1965年に日本政府が朴槿惠(パク・クネ)現大統領の父にあたる朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(当時)が締結したもので、日本による総額8億ドルの援助資金と引きかえに、「戦時中の徴用」について韓国側が請求権を放棄しています。 仮に「強制的に徴用された」慰安婦がいたとしてもこの条約で放棄された請求権に含まれており、籾井会長の主張は正しいのです。 一方、この会見では「安倍総理の靖国参拝は、総理自身の信念で行かれた事」「竹島・尖閣問題について明確に日本の領土だと主張することは当然だ」など、日本の国益をはっきりと認識した発言がありました。 ところがこちらについては、ほとんど報道されず、籾井会長の主張する「公平中立」にはほど遠いマスコミの実態が改めて明らかになりました。 ◆マスコミの使命とは何か 現代の情報化社会の中で、マスコミの持っている使命は大きなものがあります。個人においては、一人ひとりの幸福を増進させることがその目的であり、国家においては国益にそった報道を行なうことが求められます。 現在、誤った自虐史観のもとで、政治・経済・科学などあらゆる分野で日本の国力が低下しはじめていますが、NHKをはじめ大手のマスコミこそが、この自虐史観を形成してきた主な原因なのです。 そして残念ながら、この考え方がアメリカなど海外でも「慰安婦像」の設置など反日の動きとなって広まっています。本来はマスコミ自身がその使命に基づき、国益にそった報道を行なっていくのが望ましいのです。 ◆NHKの「公共放送」とは国益を目指さない言い訳 多くの方はNHKについて「国営放送」と認識しているのですが、NHK自身は「公共放送」だと主張しています。この違いは一体どこにあるのでしょうか。NHKのウェブサイトには次のように記載されています。 「公共放送は営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行なう放送」 この言葉から類推すると、「国益」を無視してもかまわない、という言い訳に聞こえます。 国家の税金や、国民から徴収する受信料から収入を得ても、放送する内容はどのような形でもかまわない。はっきり言って、国益に反する内容でもかまわない、という言い訳になっています。 その中で注目すべき事として、中国の「国営放送」であるCCTVの日本支局がNHKの渋谷放送センターの一角に所在しているということが挙げられます。 実態としてどこまでの影響があるのかはわかりませんが、少なくとも両者の友好関係を維持するためにNHKが中国関係の報道に一定の配慮をしてきた可能性は高いと思われます。 これが「公共放送」という名前の下に公然と行なわれてきたことこそ、NHKは謝罪すべきであり、大手マスコミは批判すべきことであります。 また、「耳の聞こえない音楽家」として知られていた佐村河内(さむらごうち)守氏について、実は耳が聞こえており、作曲も別の人物が行なっていたというショッキングな報道がありました。 実は、この方が世に知られたのは、昨年の3月にNHK特集「魂の旋律~音を失った作曲家」として取り上げられたことがきっかけとなっています。 この番組の取材の中で長期にわたり佐村河内氏と接触していたにも関わらず、彼の聴力があったのを気づかなかったことに対して批判の声が寄せられています。 NHKは、すでにウェブサイトで謝罪の文面は出しているものの、佐村河内氏が広島出身の被曝2世であったことなどから、視聴者の共感を呼びやすい題材として取り上げたと思いますが、こうした報道姿勢こそ、マスコミが批判すべきではないのでしょうか。 ◆マスコミ改革を進める籾井会長への期待は高い 現在のNHKは、以上のとおり日本の国益を損ねた放送を行っているにも関わらず、国家の税金が投入され、国民からは受信料を徴収しています。 冒頭に述べたとおり、これまでの籾井新会長の発言は国益に沿ったもので、この方はマスコミの本来の使命を果たすために必要な人材、マスコミ改革の旗手であります。そして、籾井新会長を選出したNHK経営委員会は正しい判断をしたのです。 読売新聞では社主である渡邉恒雄氏が主筆として、折々にその意見を社の方針として公表しています。マスコミ改革の旗手として、籾井会長には、ぜひNHK版の「時事放談」に出演し、新しいNHKをアピールし、本来のマスコミの姿を掲げていただきたいと強く願うものです。 すべてを表示する « Previous 1 2 3 Next »