Home/ 財政・税制 財政・税制 リニア中央新幹線が今秋に着工――日本の経済成長を実現しよう! 2014.07.25 文/山梨県本部副代表 田辺丈太郎 ◆東海道新幹線開業から半世紀で、リニア中央新幹線が着工 いよいよ!ついに2014年秋、リニア中央新幹線が着工を迎えます。言わずと知れたリニア中央新幹線は、東京(品川)~大阪(新大阪)間を結ぶ高速鉄道であります。 1964年の東京オリンピックの時には、東海道新幹線が開通し、戦後の経済成長の象徴の一つにもなりました。 低迷を続けてきた日本経済は、ここへきて回復の兆しが見えてきたと言われています。今こそ、このリニア中央新幹線事業を早期開業し、日本の経済成長を加速度的に成長させていく必要があると考えます。 ◆リニアで「東京~名古屋」、そして「大阪」を結びメガロポリスに リニア中央新幹線の一番の魅力は所要時間の短さにあります。最高時速、約500kmといわれる速さによって、「東京~名古屋間は40分」、「東京~大阪間は67分」で移動できるようになります。 これは画期的なことで、現在の新幹線のぞみの半分以下の時間で移動できるようになります。さらに、現在であれば、「東京~八王子間の中央線」も45分かかるといわれているので、八王子に行くよりも名古屋の方が早いということもいえます。 運賃も、現在の新幹線のぞみ指定席に対して、東京~名古屋間+700円、東京~大阪間で+1000円といわれています。これで需要が増えないわけはありません。 また、住居においても、わざわざ都会に住む必要もなくなります。途中駅が予定されていますが、神奈川県、山梨県、長野県等、都会の喧騒から離れた場所に住み、仕事は通勤で都市圏に通えるようにもなります。 つまりは、東京、名古屋、大阪という三つの大都市の距離がなくなり、世界屈指のメガロポリスができるということを意味します。 これは日本に、かつてない交通革命を起こすことになり、日本にかつてない経済成長を生むことになるでしょう。 ◆地域においても、リニアを生かしたまちづくりの構想を それに対して、国民はどのようにとらえているでしょうか。現実的には、あまり良くわからず、賛成している人もいれば、騒音やその他の理由で反対している人も少なくありません。 しかしそれは、リニアに対する情報発信が十分ではなく、知らないからではないでしょうか。 現在、地方自治体によってはリニアを推進しています。しかし、地域の政治において、リニアの生かした「まちづくり」と謳いつつ、なかなか具体的なビジョンを示しきれていないというのが現状です。 実際にリニアを導入した経済効果として、試算では、東京~名古屋間の総便益は約10.7兆円、東京~大阪間では約16.8兆円と予測されています。それは、大きな経済効果をもたらします。 本来であれば、政府が国をあげて応援すべきプロジェクトであるし、地域においても、実際に着工が進む予定である以上、いかに地域を発展させるために取り組むかを考えるべきです。 新しいこと、未来が見えないことへの反対はつきものですが、未来を見据えて、必要な手を打ち、国民を説得するということも、政治家の仕事です。 もっと、リニアの導入された、明るい日本の未来ビジョンを共有し、実現に向けていくことが日本の発展につながっていくと考えます。 ◆2020東京オリンピックに向け、早期開通実現を! 2020年には、東京オリンピック開催が決定しています!オリンピックの来場者数は1000万人ほどだとも言われています。 日本が世界から注目される中で、リニアを開通させ、東京から名古屋を1つの大きな都市圏にし、その先には大阪まで開通させることの経済的インパクトははかり知れません。 安部首相も、オバマ大統領にリニアの導入を勧め、ケネディ駐日米大使には、山梨県のリニア実験線に試乗していただいてリニアの魅力を語っています。またJR東海の葛西名誉会長との親密な仲も知られています。 しかし、日本の未来のことを考えると、このリニア新幹線に関しては、さらなる国からの投資が必要なのではないでしょうか。リニア事業は、まさしく安部総理が掲げる三本の矢のうちの第3の矢、成長戦略にかかわる内容になるでしょう。 官民ファンドによる資金調達ができれば、10年以上かかるといわれている工期も短縮が可能ではないでしょうか。日本には、さまざまなトンネル工事の技術があるので、資金的な目処が立てば、実現可能なものとなります。このリニア事業には、それだけの大きな夢がつまっています。 2020年の東京オリンピックを一つの契機として、日本を繁栄させていくため、私たちも、リニアの可能性について十分知り、日本の明るい未来を共に考え、作り上げていくことが大切ではないかと考えます。 地方自治体は地域の強みを生かした産業振興で人口増加を 2014.07.21 文/HS政経塾第4期生 窪田真人 ◆全国知事会議における「少子化非常事態宣言」 先週15日、佐賀県唐津市で開かれた全国知事会議にて「少子化非常事態宣言」が採択され、国・地方を通じて、少子化対策に総力を挙げて取り組む姿勢が打ち出されました。 これまでも幾度にわたって、企業誘致や市町村合併による財政基盤強化などの対策がなされてきましたが、若年層を中心とした都市への流出と子供の減少が止まる兆しは見えず、より積極的に国と地方が一丸となって人口増加政策を進めています。 また地方から首都圏への人の流出を食い止める政策を実施していくというのが今回の「少子化非常事態宣言」の主旨です。 政府は人口減少を克服することを目的に、「地方創設本部」を立ち上げ各省の地域活性化事業を統合し積極的実施を進め、また少子化対策の総合計画作成のもと、地域の実情に応じた就労や結婚の支援、高齢者から若年世代への資産移転を促す税財政制度の創設などを進める予定です。 ◆懸念される人口減少による地方衰退 この「少子化非常事態宣言」の裏には、このまま地方の人口が減り続ければ、多くの自治体が消滅しかねないという強い懸念があります。 2040年には総人口が9000万人を割り込み、2.5人に1人が65歳以上になり、全国の市区町村の約半数に当たる896自治体が消滅すると言われています。(「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会発表資料参照) 特に今回の非常事態宣言の当初案には、「日本破滅に向けた壮大なシナリオができつつある」との表現で、人口減少により経済面における衰退が、地方から全国に波及すると強調した文言が使われ、政府に対応を求める姿勢が全面的に強く打ち出されました。 ◆地方自治体の強みに根付いた産業を興すことの重要性 確かに少子化問題を発端にした、高齢社会の進行、人口減少、地方経済の衰退の問題に対応するためには、税制面での整備や規制緩和など国が中心となり進めていくべき点もあると考えます。 しかし、それだけでは各地方自治体の人口増に繋がるとは考えられません。人を引きつけ、増やす為には、その土地にまず雇用がなくてはなりません。 さらにその雇用は、その土地の強みに根付いた産業であればある程、永続的になるでしょう。 よって最も重要なのは、各地方自治体において、自らの強みを最大限に活かした産業が興されることであると考えます。 ◆高知県馬路村の例 高知県馬路村は人口1300人、山間部に位置しており、林業の衰退とともに、産業の停滞、人口減、高齢化といった課題を抱えていました。 しかし近年村の資源である「柚子」を見直し、最大限活用した様々な商品の開発を進めた結果、年商25億円、顧客35万人まで広げ、新たな雇用の創造に成功しています。 「ごっくん馬路村」という印象的な商品名の柚子ドリンクでご存知の方も多いかと思います。 馬路村は、経済活動を行う環境として恵まれているとは正直言えません。県都の高知市からは車で約2時間掛かり、村の96%が森林、高齢化も進み労働力に恵まれている訳でもありません。 しかしそうした中でも、村の強みを見つけ産業を生み出し、雇用を創出することに成功したのです。なおこうした地域経済の活性化、雇用拡大によって、労働力の流入が起こり、地方における人口減少の食い止めに大きくプラスに働くことは明らかです。 ◆地方の強みによって日本を繁栄させるという姿勢 例として高知県馬路村を挙げましたが、日本には、数多くの魅力的な特色をもった地方都市、市町村が存在します。そうした魅力的特色を最大限活かした産業を興すことで、各地方自治体から日本の発展に貢献していくことができるはずです。 P.F.ドラッカー氏も著書「マネジメント」の中で、「成果をあげる為には自らの強みに集中し、最大限生かすことが重要である」と述べています。その強みが日本の地方都市、市町村にはそれぞれあります。 政府によって地方が助けられるのではなく、むしろ地方の強みを以て日本を繁栄させていく姿勢が今こそ重要ではないでしょうか。 参考 「地方から都市への戦略~馬路村:高付加価値農業による雇用創出~」 http://www.jica.go.jp/partner/ngo_meeting/ngo_jbic/2003/08_report/pdf/workshop3.pdf 「NHKニュース 全国知事会議「少子化非常事態宣言」」 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140715/k10013035951000.html アベノミクスは世界の模範に相応しい経済政策か? 2014.07.01 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆アベノミクスを国内外に浸透させる安倍政権 安倍政権は6月下旬、改めて成長戦略と、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を発表し、新しいアベノミクスの全容を公表しました。 イギリスのエコノミスト誌の最新号の表紙には、武士に扮した安倍首相が矢を射ようとする姿が掲載され、明治維新になぞらえながら、日本経済を変革しようとする安倍首相の取り組みを紹介しています。(6/29日経) 安倍首相も自らフィナンシャルタイムズ電子版に寄稿し、第三の矢としての成長戦略に真剣に取り組んでいることをアピールしており、世界中でアベノミクスが注目されていることが分かります。 また、新しい成長戦略の中に「ローカル・アベノミクス」という新語を登場させ、アベノミクスの地方部への波及や人口急減問題に積極的に取り組む姿勢を強調しています。 「成長戦略の最大の柱は、なんと言っても地方の活性化。成長の主役は地方だ」という首相の言葉は、地方でも好意的に受け入れられております。 来春の統一地方選を意識した「地方持ち上げ」的な印象は否めませんが、アベノミクスを国内外広く浸透させようという安倍政権の姿勢が伝わってきます。 ◆「枝葉」の多いアベノミクス・第三の矢への評価 アベノミクスの浮沈を握る第三の矢・成長戦略の中身としては、法人税の引き下げと、雇用や農業、健康・医療など諸分野に課せられてきた規制の緩和をはじめ、人口増や女性に関する政策など、実に多くの項目が並んでいます。 目玉政策と言える法人税引き下げの重要性と、これに対する安倍首相の本気さは支持することができる一方、取り組みの施策数が多すぎて、全体像が見えづらいという見方もできます。 実際に、フィナンシャルタイムズで東京支局長を務めた経験を持つピリング氏は「日本の首相はリンゴを射抜くウィリアム・テルではなく、1000本の針を患者に打つ『新米ハリ師』のようだ」と安倍政権の「第三の矢」を表現しています。 また、イギリスのガーディアン紙では、成長戦略に盛り込まれた230以上の提案が総花的で、産業界や官僚からの抵抗もみられるとして、「矢というより遊びの投げ矢」と批判されています。 国内でも、現政権を除く過去7回の成長戦略でも似たような政策が多く並び、てんこ盛りの目標をやり遂げられず、「言いっ放し」になることが多かったという冷静な見方も根強いのが事実です。(6/30日経) 効果の薄い「枝葉の部分」をしっかりと見極め、日本経済の成長に本当に資するような「根幹の部分」への絞り込みを行い、成長戦略を実質化させるような取り組みが求められるように思います。 ◆企業への不信が見え隠れする「企業統治(コーポレートガバナンス)の強化」の推進 今回の成長戦略への疑念として、もう一つ挙げられることは、「企業統治の強化」を推進する政府の姿勢の中に、「経営者への不信感」が見え隠れするという点です。 ここで言う企業統治の強化とは、社外取締役の選任を促進し、内向きになりがちな日本型経営に社外の声を積極的に反映させ、活性化させるという意味合いを含みます。 業種などによってバラつきはあるものの、企業の業績向上に繋がる手段のうちの一つであることは確かでしょう。 しかしながら、成長戦略の項目の並び順を見てみると、本来冒頭にくるべき法人税改革などの「国を変える」を差し置いて、企業統治の強化などが列挙された「企業が変わる」が筆頭であったことに「法人税を下げても内部留保に回るなら何の意味もない」という政権側の「国より先に企業が変われ」という強いメッセージ性を感じます。 (参考:6/27日経2面、首相官邸http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html) こうした少し強制的な「企業統治への強化」の推進に対して、大手企業の経営者たちも「企業統治の強化によって日本企業の次の成長に果たしてどれだけ影響するのか」「稼ぐ力の全てが企業統治などで実現できるとはバランスを欠く」と違和感を表明しております。 ◆国の率先垂範こそが求められる もちろん社外取締役の効果的な活用や、従業員の賃上げが日本経済の活性化に作用するのは確かだと考えますが、原則としては、それぞれの企業の選択の自由に委ねられるべきであり、政府による経営の自由への介入は許されることではありません。 あくまでも、成長戦略の一丁目一番地は「国を変える」ことであり、企業に責任を転嫁してはいけません。 まず、日本政府(特に財務省)に蔓延る財政規律主義と増税志向を変え、総花的な成長戦略を改めるべきです。 いま日本経済に一番求められていることは「減税志向」と「大胆な規制緩和」であり、企業の経営環境を劇的に改善させてあげることです。 300兆円にも上る企業の内部留保を未来への投資に向けさせたいならば、まず政府が肚を括って、いち早く法人税引き下げを進め、消費税10%への増税をストップし、減税路線を貫くことです。 また、ウォールストリートジャーナルが「安倍首相の努力が足りない」と厳しく評価している雇用規制のような、企業の活力を著しく奪っている規制から批判を恐れずに大胆に緩和していくことです。 企業の経営の自由を守り、経営環境を徹底的に整えてあげることが、結局は「万人の豊かさ」に繋がっていくという哲学を持つべきなのです。 安全保障面においてアジアの範たる国へと生まれ変わろうとしており、世界からも注目されている今、 経済面においても、日本が本当の意味で「自由からの繁栄」を目指し、世界中の模範となるような経済政策を打ち出していくことが求められています。 教育の原点――国は人を以て盛(さかん)なり 2014.06.29 文/幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆国家有為の人材を育てた明治人の心意気 郷里の偉人今井金三郎氏とその子孫の「手記」をこの度、読む機会がございました。 今井氏は、山深い郷里(岐阜県加茂郡白川町・旧佐見村)から苦学の末、大日本帝国海軍の軍医となり、大正10年から、第二次世界大戦前まで、日本海軍の象徴として国民に最も親しまれた連合艦隊戦艦「長門」の初代軍医長に任官され、大正14年には、海軍兵学校軍医長に就任、その後要職を歴任され永く活躍されました。 今井氏がご活躍されたのは大正・昭和時代ですが、教育を受けたのは明治時代です。明治18年地元の寺小屋式小学校に入学。4年の義務教育を修了した後は、進学する資金がなく家業の農業を6年手伝いました。 その後、祖父母の支援で隣村の小学校の高等部に入学、さらに高山市の斐太中学、岐阜市の岐阜中学、金沢の第四高等学校を経て東京帝国医科大学(現東大医学部)に進学、明治39年、同大学を卒業され、海軍軍医中尉となり、昭和4年海軍軍医少将に昇進し、退役するまで23年間奉職されました。 地方の山里の農家の子供が、当時最高の教育を受けることが出来た背景には親御さま始め一族の教育への熱意がございました。 今井氏のご尊父は昭和9年にお亡くなりになられましたが、「俺はなあ、今井家へ養子に来て、大切な山林田畑の大方を売ってしまった。先祖様に申し訳ないが、しかし国のため人のためになった『将軍様医者』をつくった。許してもらえるだろうな」と言ってこの世を去られたそうです。 このように明治人には、国家有為と思われる人材には、先祖が守ってきた山林田畑を全て失ってでも教育をつけ、国のため、国民のため捧げるという覚悟があったのだと思います。 今井氏は、中学、高等学校を一着の木綿袴で着通し、学費の節約を図り、その木綿袴は今井家の家宝として永く保管されていたといいます。 親御さまを始め一族が厳しい生活の中、教育費を捻出してくれた恩に応えるべく、今井氏は刻苦勉励し、国家国民のため使命を果たされました。 ◆現代の篤志家の心意気 現在、幸福の科学グループでは、来年春の幸福の科学大学開学に向けて設立準備を進めております。また既に幸福の科学学園中学校・高等学校が関東と関西に一校ずつ開校しております。 これら開学、開校に当たっては、多くの人々が尊い寄付をされておられます。すでに運営されている中学校、高等学校には一定の寄付をした篤志家のお名前が銘板に刻まれ、子供達がその名前を日々見て勉学に励んでいます。 ご自分の子供や孫が通学していなくとも、多くの方が寄付を行っておられます。 学園の生徒たちは、常にそれらの人々への感謝を口にします。その感謝の思いは、ちょうど明治時代の今井氏と同じように、いや、今井氏の場合は、親御さん、親族が対象者でしたが、学園生の場合は、血縁関係を超えた多くの人々への恩に報いたいという感謝の心がエネルギーとなり、刻苦勉励し、多くの実績を出しています。 本来、公立の小・中・高等学校も市町村民や、県民の税金で支えられているわけですから、子供達にこのような素直な感謝の心が生まれてしかるべきだと思います。しかし、税金という形では、一人一人の納税者の期待の思いは全く子供達に届かなくなってしまいます。 ましてや、現行の高校授業料無償体制の中では、ますます納税者一人一人の思いは消されてしまい、「親が苦労して授業料を工面してくれた」という親御さんへの感謝さえも忘れ去られてしまうのではないかと危惧します。 高額納税者公示制度も2006年から廃止され、個人名、法人名、そういった個々人の努力、地域への貢献というものが全く見えなくなってしまった事は残念であります。 昨今の「公共が、社会が子供を育てる」という理屈はよしとしても、全く具体的な顔が見えない制度は、血が通うことがないと考えます。 幸福実現党は、小さな政府を目指し、減税を進め民間企業人が自由に使えるお金を増やして、寄付文化を育て、個々人の思いが例えば子供達に伝わるような制度設計を進めることも重要視しています。 ちなみに、幸福の科学学園、大学に寄付をされている篤志家は、同時に国民として納税の義務をりっぱに果たしておられる人々であることを付記しておきます。 日本の経済成長のカギは「科学技術」への投資 2014.06.22 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆伸び悩む「成長戦略」 昨年、アベノミクスの第一の矢である「金融緩和」(日本銀行が市場にお金を大量に流す)によって景気回復の期待が膨らみ株価は急上昇しました。しかし今年に入って株価は下がっています。 原因は、昨年出されたアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」に投資家が魅力を感じなかったことと、もう一つは「金融緩和」を続けても大手銀行にお金が滞留し、企業への貸し出しが伸び悩んでいるからです。(5/15朝日「大手六行、リーマン後最高益、貸し出しは伸び悩み」) そこで安倍政権は、昨年に続いて2回目の「成長戦略」の骨格をまとめ、6月末までに正式発表しようとしています。内容は法人税率の引き下げ、労働時間規制の緩和、混合診療の拡大、農業の活性化、年金資金の運用改革などです。 果たしてこの「成長戦略」が、投資家の期待を集め、銀行の貸し出しを増やして日本の経済を押し上げるものになるのか、今後注目されるところです。 大胆な経済成長のうねりを起こすためには、大量のお金が投資され、お金が回りだし、企業の業績が伸びて雇用を生むものでなければなりません。 ◆成長戦略のガキは科学技術への投資 かつてイギリスは紡績機や織機などの機械の発明で大量生産を可能とし産業革命を起こしました。そして「蒸気機関車」で大量生産した物資を流通させたことで経済が発展しました。 またアメリカの経済発展の象徴は「自動車」の発明にあったと言えます。 日本の政治家の中には「今後日本は成熟期を迎えて、もう経済成長なんかしない」と決めつけていますが、それでは新たな経済発展の発想は生まれないでしょう。 そうではなく未来産業を生み出す気概や夢を国民に持たせ、そのための牽引役になることこそが政治家の使命ではないでしょうか。 一般的に科学技術には「軍事技術」と「民間技術」があります。「軍事技術」はアメリカが一番ですが「民間技術」は日本が世界の最先端を走っています。 しかし、日本は「科学技術」に重きを置いていないのかもしれません。「文部省」と「科学技術庁」を一緒にして「文部科学省」として統合してしまったことがそれを象徴しています。 できれば数十ある科学技術系の独立法人を統合し文科省の科学技術部門と統合し「科学技術省」として独立させるか、文科省の科学技術部門にもっと光を当てる必要があります。 今の日本は、スタップ細胞の小保方氏もそうですが、理系の大学や大学院を卒業した優秀な科学技術者や研究者が一年契約やアルバイトで生活しなければならない状況にあります。つまり優秀な科学者の卵を人材として生かし切れていないのです。 ◆一つの科学技術は10年あれば完成する 米国では、予算に限りがある民間ではなく「国防省」が科学技術の基礎研究をしています。 兵器の開発は国家の威信がかかっているため最先端の研究が行われ、その基礎研究の成果を民間企業に譲渡することによって企業の発展、経済の発展に貢献しています。今は車で当たり前になっているGPSの技術がそうです。 日本で言えば「リニア新幹線」や「ロボット産業」、これから期待される「宇宙開発」に焦点を当てるべきでしょう。こうした「科学技術」を育て新たな基幹産業を生み出すことは可能です。 新たな技術開発は10年もあれば可能です。たとえばアメリカは、原爆が4年、コンピューターは6年、アポロ計画は8年、GPSも8年です。 問題の資金は官民ファンドを設立し科学技術開発に投資してもらう形にします。国民も国が関わる事業であれば、株式投資よりリスクが低く安心して投資できます。投資であれば国もバラマキではなく回収することもできます。 また開発した技術を民間に売れば、それまでアルバイトであった科学技術者や研究者の雇用も促進され、次の研究費も生み出すことができます。企業も研究開発費を安くでき商品化することで新たな事業を展開できます。 ◆ミサイル攻撃を無力化する技術 安倍政権は、「積極的平和主義」を謳っていますが、例えば日本にあるレーザー技術を生かして「レーザー砲」を発射できる「宇宙船」を開発するのです。 これが出来れば日本を照準に合わせた中国の核ミサイルを無力化できます。他国にも売れば世界平和にも貢献できます。 アメリカには1980年代にレーガン大統領の「スターウォーズ計画」がありましたが、これを日本の「宇宙戦艦ヤマト計画」と名付けてもよいでしょう。 発射するのは、「波動砲」ではなく、「レーザー砲」ですが、「宇宙戦艦ヤマト」のように地球を救います。 「トンデモ発想」と言われるかもしれませんが、100年前、鉄の塊が海に浮かび、鉄の塊が空を飛ぶと誰が予想したでしょう。要は、夢を実現する気概とそれを実現するために挑戦することです。 この「宇宙戦艦ヤマト計画」の研究過程では、コンピューターやGPS以上の民間の企業が欲しがる技術や製品が数多く開発されるでしょう。これが日本を再び経済成長へ導き国防も強くします! 参考:『ニュー・フロンティア戦略』杉山徹宗著(幸福の科学出版) 減税から始まる経済再生 2014.06.17 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆法人税の大幅減税こそ、成長戦略の本丸 政府が月内に打ち出す新しい成長戦略として、安倍首相は13日、法人実効税率を2015年から数年間で20%台に下げることを明言しました。 「民間投資を喚起する成長戦略」と言われながら今まで看板倒れの感が強かったアベノミクス3本目の矢ですが、「20%台への法人税減税」は、経済効果・期待感・分かりやすさ、どの点からみても成長戦略の本丸というべき政策です。 日本の法人実効税率はアメリカに次いで先進国最高の35.64%です。 欧州最高のドイツ(30.18%)や2015年には20%にまで引き下げられるイギリス、あるいは中国(25%)や韓国(24.2%)、シンガポール(17%)といったアジアの国々と比べても日本の法人税率は現在、非常に高い水準にあります。 アベノミクス第1の矢「大胆な金融緩和」による株高・円安で少しはましになったとは言え、日本企業はいまだ税制上のハンディを背負って、いわば重い鉄鎖につながれたまま外国企業と競争している状況です。 景気回復を目的とした第1の矢や第2の矢は政府が主体でしたが、経済成長を目的とした第3の矢は民間企業が主体です。ゆえに成長戦略で必要とされるのは、規制緩和や関税障壁の撤廃など、民間企業の自由の領域を増やしていくことです。 なかでも法人税の減税は個別の産業に限った各種自由化政策とも異なり、あらゆる産業、企業の経済活動に自由を与えるものです。よって法人税の大幅減税こそ、本来、成長戦略の一丁目一番地と位置づけられるものだといえます。 法人税の減税は日本企業の設備投資を活性化させるうえでも、海外から直接投資を呼び込み、世界の余剰資金を日本の成長に生かしていくうえでも、有効な政策です。 ◆本当は財源を気にする必要がない日本 さて、こうした減税の議論について回るのは「財源はどうするのか」という財政再建を重視する人たち声です。 それに対して減税と経済成長を優先する人たちは、中小企業等に優遇的に適応されている政策減税をやめ、課税ベースを広げることで、財源を確保できるとしています。 しかし本当に法人税減税による財政赤字の拡大はそこまで懸念すべき問題なのでしょうか。 財務省は先月27日、2013年末の日本の対外純資産の残高が325兆70億円の過去最高・世界最大額に達していることを発表しております。 つまり日本から海外へ投融資している額(対外資産)から日本が海外から投融資されている額(対外負債)を差し引いた額(対外純資産)が過去最高・世界最高であるということで、日本は財政赤字を恐れる必要のない国家であるといえます。 もちろん世界最大の債権国であっても、社会保障のような所得再分配政策や生産性の低い産業を保護するために赤字国債が増刷されるのは経済にとって良いことではありません。 また公共事業拡大による国債の増刷はそれ自体、経済に不可欠な面もありますが、政府・官僚の恣意的な意向に支配されやすく、政官業の癒着につながりかねない面もあります。 それに対して法人税の減税による国債の増刷は、企業に成長マネーとして公平に分配されるという意味で、最もポジティブな国債の増刷だといえるでしょう。 ◆企業の内部留保は悪なのか また法人税減税に対する左派側からの批判としては「たまりにたまっている企業の内部留保」(浜矩子 6/14 朝日新聞朝刊)に矢を向けて、大手企業の利益優先で弱者をふり落とす政策であるというのが典型的です。 しかし内部留保がなければ企業は新しい設備投資・開発投資を行えませんし、不況に耐えていくこともできません。特に大手銀行から資金を借り入れられない中小企業やベンチャーにとっては、企業の内部留保や社長自身の所得・資金ストックが開発投資や不況撃退のための原資になります。 また企業が内部留保を積み上げるのは、利益を設備投資に回したり、給与や配当として分配したりするよりも、内部留保として積み上げた方が、企業の利益につながる環境(デフレ)がこの十数年間、長引いたからです。 こうした状況を打破するために必要なのは、むしろ減税によって企業に成長マネーを導入しつつ、日銀の追加緩和によって企業が自然に設備投資や人件費引上げをしていった方が良い環境(インフレ)をつくっていくことです。 幸福実現党は立党以来、自由からの繁栄を掲げ、法人税の大幅減税を訴えて来ました。 安倍首相は法人税20%台などと言わず、最低でも韓国の24%以下、段階的にシンガポール並みの17%あたりを目標に大幅減税を断行していただきたいと思います。 年金制度改革に取り組み、新しい国家モデルを提示する 2014.06.12 文/HS政経塾1期生 伊藤のぞみ ◆公共事業が支える日本経済 4月から始まった消費税増税の景気悪化を緩和するため、政府が公共事業を前倒ししています。 5月の公共事業請負金額は、1兆4602億円(季節調整値)。伸び率は3月の3%、4月の5%から、5月は11%と大きく伸びています。(6月12日付け 日経新聞5面) 政府は景気対策に5.5兆円の補正予算を組んでいますが、昨年の補正予算10兆円と比較すると、圧倒的に減少しています。今年度後半からは、公共事業はマイナスになる見通しで、個人消費が回復を見ながら、さらに補正予算を増やす必要性も出てきます。 しかし、補正予算の5.5兆円は、消費税増税によって増える税収6兆円に迫る規模であり、これ以上の補正予算を組んだ場合、財政赤字はさらに悪化します。 「社会保障」を人質にとり、増税を行ないながら、結果的に財政が悪化するのであれば、何のための増税か問い直す必要があります。 ◆際限なく負担を増やすのか、給付を抑制するのか 今月発表された公的年金の財政検証で明らかになったように、現在の年金制度は維持できないことが明らかになっています。年金制度を維持するために、さらに負担を増やすのか、そうではなく、年金給付を抑制し、負担はこれ以上増やさないのか、選択しなければなりません。 学習院大学の鈴木亘教授の試算によると、国民年金、厚生年金ともに、2030年代には積立金が枯渇します。10パーセントの消費税では、高齢者の年金を負担しきれません。 政府はこの「不都合な真実」を隠しながら、消費税を決定してしまいました。残念ながら、負担と給付の説明をきちんとしないまま、少しずつ負担を増やしていく手法は、損失を隠しながら、さらに投資資金を集める悪徳金融業者と変わりありません。 政府は現在の年金制度を維持するために、将来的にはどれだけの負担が発生するのか明示する責任があります。 ◆年金制度を見直すべきとき 年金に関しては負担を増やすのではなく、給付を抑制することを考えるべきです。財政的な観点からだけでなく、人間のあり方を考えた上でも、それが本来のあり方ではないでしょうか。 60歳から年金が支給されるようになったのは、戦後からです。それまでは、徳川吉宗が江戸町奉行所の大岡忠相に命じて、小石川養成所などをつくっていますが、身寄りがなく、病気になった高齢者を対象としたものでした。すべての高齢者を対象としたものではありません。 また、上杉鷹山は老齢年金制度を始めていますが、年金を給付したのは90歳以上の高齢者に対してでした。江戸時代の平均余命は30代後半から40代前半であったと推計されていますので、90歳以上の高齢者の存在は、例外中の例外であり、年金というよりも報奨金に近いものであったことが分かります。 明治時代に入って、退職者に対し年金を支払う企業が出てきますが、平均余命が42歳であった時代、50歳以上の退職者に長年勤めてもらったことに報いるために、企業が年金を払うという状況でした。さらに、そういった企業は、国営企業を含めて数えられる程度でした。 企業でも藩でも、老齢年金を始めた団体は、責任がとれる範囲で年金を支給し、受け取る側は年金を受け取ることは想定しないで生きてきました。(平均余命よりも、年金を受け取れる年齢が高いため) 現在でも、年金だけでは生活できないご高齢の方は働かれているし、将来年金は支給されないだろうと考えている若者は、個人年金に加入しています。 第二次世界大戦が終わり、平和が続いた結果、先進国では財政的に余裕が出来て、年金制度が始まりましたが、平均余命が伸び、少子化が進んだ結果、想定しなかったリスクが年金財政に発生しています。 1973年の石油危機や景気停滞をきっかけに、多くの国々で社会保障改革が進んでいますが、日本を含め、ヨーロッパ各国も財政赤字の問題を抱えています。 日本が先陣をきって年金改革に取り組むことで、新しい国家のあり方を提示すべきです。 欧米主導のさらなる金融規制に歯止めを!――新しい経済モデルの創造こそ、日本の使命 2014.05.27 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆動き始めた新しい金融規制案 「融資の削減政策は良くありません。それは、10年、あるいは20年以上にわたる不況を作るでしょう。」 幸福実現党・大川隆法総裁は2012年10月“Power to the Future”(質疑応答)でこのように警告しております。 しかしながら世界は今、国際的な金融機関の投融資が制限されていく方向に流れております。リーマン・ショック以降、金融危機の再発防止を企図して議論されてきた新規制(バーゼルⅢ)が2014年、各国で適用され始めたからです。 そればかりではありません。国際的な金融機関を監督規制するバーゼル委員会では、新たに2020年ごろをメドに導入される国際金融規制として、自国政府の国債を保有する銀行に自己資本を積むよう求める規制案が議論されております。(5/19日経朝刊) バーゼル委員会は90年代初め以降、金融危機の発生を事前に防ぐことを目的とし、国際業務を行う金融機関の信用創造(預金など借りてきたお金で投融資すること)に厳しい規制を課してきました。 こうしたバーゼル規制は、金融機関が保有する資産のリスク量に応じて一定の自己資本を積ませることで、リスクの高い投融資やバブル発生に歯止めを掛けること、また、たとえ金融危機が起こっても政府・中央銀行やIMF等の公的資本に頼らずに、民間の金融機関が自己資本で自力回復できるようすることを目的としております。 そして新規制案においては、今まで「リスクなしの安全資産」とみなされた国債もリスク資産とみなして、保有量に応じて一定の自己資本を積むべきだと議論されております。 あるメガ銀行の試算によれば、現状の自己資本比率を維持するには3メガ銀合わせて4.4兆~11兆円の資本増強が必要とされます。(5/19日経朝刊)こうした資本増強が世界各国の銀行に課せられると、企業への資金供給が減り、経済成長の足かせとなります。 銀行の資本増強は一面、金融システムを安定させますが、その反面、企業や個人から資金が引き上げられ、金融機関の投融資が減っていくことを意味します。これは良いことではありません。 ◆資本主義経済の二律背反 さて「金融危機が起こっても民間資本が自力で回復できるようにする」というバーゼル規制の目的は簡単に否定できるものではありません。 政府機関やIMF等、公的機関による事後的な対策、救済措置は、市場競争による自浄作用を歪める面もありますし、経営状態の悪い金融機関は事後的な救済を期待して博打的な投融資を拡大させる傾向があるからです。 しかし金融危機を未然に防ぐべく規制を強化すればバブルも発生しづらくなりますが、経済成長も鈍化してしまいます。 一方でバブル発生を許容して成長を優先すれば、バブルが崩壊したときの事後的な救済、すなわち公的資金頼みのモルヒネ漬け経済になりかねません。資本主義経済はこの二律背反に悩まされ続けて来ました。 では私たちはこの問題をいかに解決していくべきでしょうか。 資本主義経済はバブルの歴史でもあり、バブル発生とその崩壊を繰り返しながら、成長を続けてきました。ゆえに事前に規制を強化してバブルの発生そのものを否定するのではなく、金融危機が起こっても公的資金に頼らずに、民間資本の力で自力回復できるシステムを創造するべきです。 ◆日本から新たな経済モデルの創造を! かつて1907年、J・P・モルガンのモルガン商会が巨大な資金を出して金融恐慌から米国を救った事例があります。 ところがその後、一つの巨大な民間銀行の存在に左右される経済の不安定性やモルガンの独占に近い体制が批判されたこともあって、米国においても金融恐慌に対して民間資本が自力で対処する体制は定着しませんでした。 しかし資本主義経済がこの二律背反で混乱し、規制強化の方向に流れている今、改めて民間資本が金融危機に自力で対処していく体制を考え直してみるべきです。 そのためのアイディアはすでに幸福実現党・大川隆法総裁より出されております。 まず日本銀行が新たに株式を発行し、民間優位の資本構成にすることです。つまり金融危機の救済のための基金を民間金融機関から出資させ、民間資本の力を合わせます。 さらに同じ論理を世界に広げるならば、IMF等の国際的な救済機関も各国の財務当局で資本を構成するのではなく、民間から出資を募って民間優位で資本を構成させます。公的資金や官僚に頼るのではなく、民間の資本と手法で世界の金融危機に対処していく体制を創ります。 さて、こうした民間資本で世界の金融危機に対処していく体制をつくっていくためには、平時に競争関係にある民間の金融機関同士の「共助の精神」が必要です。 規制を強化するのでもなければ、公的資金に頼るのでもない、新しい経済モデルは「和を以て貴しとなす」日本にこそ発信していく使命があります。 法人税減税を機に、日本は経済の飛躍的進歩を目指せ! 2014.05.26 文/HS政経塾四期生 西邑拓真 ◆法人税減税議論 法人税減税について政府内の議論が今、大詰めを迎えています。 先日行われた経済財政諮問会議での安倍首相の指示により、6月に取りまとめる、経済政策の基本指針である「骨太の方針」に、法人税減税が明記されることになっています。 日本の法人税は35.64%(東京都の場合)と、欧州(ドイツ 29.59%, イギリス 23.00%)や、アジア(韓国 24.20%, シンガポール 17.00%)などに比べて高い水準となっています。 高い法人税が、日本の経済の空洞化を促進しかねないとして、法人税率の引き下げを行うべきだとする意見がほとんどである一方、法人税の具体的な引き下げ方などに関しては意見が分かれており、この議論では「総論賛成、各論反対」となっています。 ◆法人税減税による経済効果 今、各企業が、その活動領域を自国に留めず他国にまで広げ、経済のボーダーレス化が進んでいることは言うまでもありません。 その中で、日本は、雇用の拡大や、経済成長の促進のため、国内外企業の立地選択や投資を日本に喚起させるための、より望ましい環境の整備を行うことが必要となっています。 しかし、日本の高い法人税が、企業の立地や投資選択の障壁になっているのが現状です。 経済産業省の外資企業に対するアンケート調査(「外資系企業動向調査」(2012年))によると、「日本のビジネスコストによる阻害要因」の一つを「税負担」と考える企業が60.9%にのぼることが明らかとなっています(3つまでの複数回答によるもの)。 また、日本経済研究センター(『成長を呼び込む税制改革提言』参照)によると、法人税率を引き下げると、対内直接投資が促されるなどして市場開放が進み、それが企業の生産性を向上させ、経済成長に貢献するとしています。 実際に、OECDの2008年の論文(『税と経済成長』)は、法人税率の35%から30%への引き下げで、企業の全要素生産性(企業の生産要素をその重要性に応じて加重平均して算出された、企業の生産性の指標)が0.4%向上するとしています。 このように、法人税の減税は、国内外企業による日本への立地選択や、投資の促進、あるいは、生産性の向上などといった効果を期待することができるわけです。 ◆課税ベースの拡大議論 法人税減税を行うメリットが明らかな一方、どのように引き下げるべきかが問題となります。 現在の法人税体系では、「特定の政策目標を実現するための政策手段(森信茂樹『日本の税制』参照)」については、優遇措置として、課税ベースからの除外が認められています。 その中で、法人税収の引き下げによる法人税収の低下分を穴埋めするために、課税ベースの拡大を行うべきだという意見があります。 確かに、日本の経済発展の目的にそぐわないものに対する優遇を取りやめ、それが租税の中立性に寄与する点で、課税ベース拡大論に対し、一定の評価を与えることはできるでしょう。 しかし、現在の議論では、企業の研究開発や設備投資などを、課税ベースの拡大対象にすべきとする意見もありますが、それは日本の経済成長にとっては、必ずしも好ましいものでないでしょう。 ◆法人税のパラドックス 法人税減税のもう一つの効果が、法人税率の引き下げによる税収の向上、いわゆる「法人税のパラドックス」です。 1998年から2007年にかけて、欧州主要15か国の法人税率の平均が36.9%から28.7%に引き下げられた一方、名目GDPに占める法人税収が2.9%から3.2%へ増えており、法人税のパラドックスの発生が、実際に確認されています。 また、嘉悦大学の真鍋雅史准教授は、2014年3月に行ったシミュレーション分析(『法人課税、設備投資と財政収支』)で、日本では、「法人減税1円あたりの設備投資誘発額が6.01円となり、それを通じ、税収が1.85円増加する」としています。 欧州での事例が、「課税ベースの拡大」をパラドックスが生じた一つの根拠としているのに対し、真鍋氏の研究では、出発点として、課税ベース拡大議論が行われていないということは注目に値します。 つまり、仮に課税ベースを拡大しなくても、法人減税による投資の促進により、GDPが押し上げられ、それが税収増につながりうるというわけです。 ◆法人税減税の基本的なあり方とは 以上から、法人税減税は基本的に、国内への投資の促進、経済の活性化、及び経済の拡大による税収増を目指すべきものであると考えます。 ここで、法人税減税が、単に企業の内部留保の拡大につながることを避けるために、法人税減税と一体で規制緩和を促進するなど、投資環境の整備が同時に行われるべきでしょう。 一方で、社会保障費など、国の財政の歳入部門の増大を賄うために、消費税は上げるべきだとする意見が多数を占めています。 やはり、税収の向上は、経済の拡大を通じて実現するべきです。法人税減税については歓迎しつつも、経済のパイを縮小させる消費税のさらなる増税は、弊党が一貫して主張してきたように決して行うべきではありません。 「経常収支」に一喜一憂せず、世界規模での富の創造を! 2014.05.15 文/HS政経塾1期生 伊藤のぞみ ◆比較できるなかで最少の経常黒字 財務省は12日、2013年度の国際収支を発表しました。そのなかで、2013年度の経常収支が7899億円となり、比較できる1985年度以降で過去最少となりました。 経常収支とは、海外と国内の取引で海外にどれだけお金を払ったか、海外からどれだけお金が入ってきたかを表す指標です。 海外からお金が多く入ってくると経常収支は黒字になり、国内からお金が多く出て行くと経常収支は赤字になります。 海外に物を売ってお金が入ってきたり、買ってお金が出て行った場合は「貿易収支」、海外に投資したり、海外の子会社から配当金が入ってきた場合は「所得収支」、発展途上国に援助をした場合は「経常(資本)移転収支」、海外旅行でお金を使ったりする場合は「サービス収支」として集計されます。 経常収支は、東日本大震災後の2011年度から、7.6兆円(2011年度)、4.3兆円(2012年度)と連続して減少しており、昨年度はとうとう1兆円の大台を割り込みました。 最大の要因は貿易収支の赤字です。原発停止により液化天然ガス(LNG)など燃料の輸入が増大していることに加え、消費税増税前の駆け込み需要が発生したことにより、貿易赤字は10兆円に達しました。 ただ、海外の子会からの配当は増え、所得収支の黒字は16兆円と最大となったため、経常収支は黒字になったのです。 ◆海外旅行に行ったり、iPhoneを購入することは悪いこと? 2013年度は辛うじて経常収支は黒字になりましたが、経常収支が赤字になったらどうなるのか、不安に思う方もいるかもしれません。 ただ、経常収支がどういった原因で起こるのか、具体的に考えると「経常赤字は良くない」とはいえません。 私たちが海外旅行にいくと、そのお金は「サービス収支」で日本から出て行くお金と集計されます。また、iPhoneを購入した場合も、「貿易収支」のマイナスとしてカウントされます。 物やサービスを購入するときには、お金を支払わなければいけません。その対価が海外に出て行くか、国内にとどまるかは二次的な問題で、ほとんどの人は自分にとって必要だから、大切だから、好きだから、その商品を購入したり、サービスを受けるのではないでしょうか。 最近では、発展途上国の支援をするために、アフリカなどで生産されたコーヒー豆を購入する人もいます。逆に、日本企業を応援するために、国内で縫製されたジーンズを購入する人もいるでしょう。 どちらも尊重すべき判断であり、「経常収支が赤字になるから悪い」「黒字になるからいい」ということはできません。 ◆「あなたの所得」は「誰かの消費 」 経済取引は一面から議論できるわけでなく、一つの面があれば、もう一つの面が存在します。商品を購入する人がいれば、その商品を販売してお金を受け取った人がいます。 つまり、「あなたの所得」は「誰かの消費」であり、「あなたの負債」は「誰かの貯蓄」です。これを国際収支で考えると、日本の経常黒字は、他国の経常赤字になります。 少し話はずれますが、経済取引で大切なことは、お金を支払う側も受け取る側も双方が満足できるかどうかです。 「経済における正義とは等価交換である」。これは経済における示唆に富む言葉です。 物・サービスを売る側も買う側も、差し出したものと同等の、あるいはそれ以上のメリットを得ることができるから経済取引は成立するのです。この原理に反する企業は自然と淘汰されていきます。 ディズニーランドへ行って6000円取られたといって怒り出す人はいません。ディナーに行って5000円を払って損をしたと思った人が多ければ、そのお店が経営を続けるのは難しくなってくるでしょう。 経常収支の黒字が続いているとことは、日本企業が良いサービス、良い製品を提供し続けているということであり、経常赤字が発生しているということは、良いサービス、良い製品を海外から輸入しているということなのです。 ただ、日本は他国から購入するより、提供することのほうが多いというだけです。アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、デンマークなどでは、経常収支はよく赤字になっていますが、それで何か問題が起こっているわけではありません。 ◆「経常収支」に一喜一憂せず、世界規模での富の創造を 前述したように、海外旅行へ行く人が増え、海外に対する投資が増えれば経常黒字は縮小します。しかし、それは企業や個人の判断を集計した結果であって、一喜一憂する問題ではありません。むしろ、経常収支が赤字になったとしても、発展途上国へ投資を増やし、製品の輸入を増やすことは、世界から貧困を駆逐していく大きな力です。 また、日本にとっても、海外子会社から配当がもたらされるだけでなく、発展途上国がアメリカやヨーロッパの国々と同じように経済成長することで、日本の製品を多く買ってくれるようになります。 そういった企業を後押しするには、海外子会社からの配当にかかる税金を低く抑えるということも有効でしょう。 これからも、一つの経済指標に振り回されるのではなく、日本と世界の繁栄を目指した経済政策を提案して参ります。 すべてを表示する « Previous 1 … 13 14 15 16 17 … 33 Next »