Home/ その他の時事問題 その他の時事問題 都議選の結果をどう見るか?――参院選は争点の明確化を! 2013.06.26 ◆争点無き都議選 6月23日(日)、都議会議員選挙の投開票が行われました。 都議選は日程としては参議院選との同日選挙になっても良かったのですが、参院選に先行して行われ、莫大な無駄なコストが生じましたが、結果として現時点の国民の意識が判明しました。 今回の都議選では、猪瀬知事の下で進められている東京五輪招致活動や築地市場の移転問題、羽田空港、防災関係など、都政について、様々な争点になるべき課題があったにもかかわらず、争点化することなく、悪い意味で「粛々と」選挙戦が行われました。 2009年の総選挙では各党が「マニフェスト」を掲げ、有権者はその政策を信じて投票をしましたが、3年あまりの民主党政権の実績を見て、国民もマニフェストに対して懐疑的になっていました。 「マニフェスト不信」の張本人である民主党が支持を失うことは当然ですが、選挙において、政策が真剣に議論されないことは「民主主義の崩壊」を招きます。 投票率は、前回比11ポイント近くも低下しています。やはり都民にとっても、何を基準に判断すべきか、分からなかったのでしょう。 ◆民主党大敗は「都民の審判」 今回、自民党が国政での支持率と同様の議席を獲得し、59人立候補者全員が当選となりました。 一方、第一党であった民主党は都民から「ノー」を突きつけられ、54議席から15議席へと激減し、第四党に転落する惨敗を喫しました。 その他、都議選初参戦となった維新の会は34人を公認しましたが、橋下共同代表の失言で苦戦し、2議席にとどまりました。 しかし、私は獲得議席ほど自民党が支持されたとは考えておりません。 今回の選挙結果は「民主党に対する失望や怒り」が大きく現れた選挙だと言えます。 特に都議会では、大都市・東京のインフラ整備、産業振興、医療・福祉政策などの実務を堅実に進めることができる政治家が求められます。 4年前の都議選で「民主党ブーム」に乗って大量当選した民主党議員は「コンクリートから人へ」という方針で、東京都政において国政と同じ過ちを展開して来ました。 この4年間、民主党の都議会議員達が全く仕事をしていなかったことに対する「都民の審判」が下りたのです。 各自治体で、不況対策、震災対策、首都高・道路・橋梁・水道などの老朽化問題等のインフラ整備が求められている時期に、「コンクリートから人へ」と言っている政党には頼ることができないのは当然です。 ◆参院選では「争点の明確化」を! さて、今回の都議選は、都民が民主党にノーを突きつけた一方、結果として「消去法」的に自民党が勝ったのだと分析されます。 アベノミクスで経済の先行きが明るいという印象はあるものの、国民の率直な判断として、争点が不明確で、積極的な政党選択がなされなかったと言えます。 そのため、唯一、「反自民」という争点を明確に掲げた共産党が現有議席8から17に倍増し、予想外の躍進を果たしたのでしょう。 そうした中、参院選公示日(7月4日(木))まで、残すところ後一週間となりました。 幸福実現党は、参院選において、全国47都道府県の公認候補者を決定し、比例区においても、やない筆勝党首に加え、幸福実現党青年局長のトクマと、一般財団法人「いじめから子供を守ろうネットワーク」代表・いざわ一明を比例候補として擁立することを発表致しました。 ⇒http://info.hr-party.jp/press-release/2013/1370/ 日本の進路の分岐点となる参院選において、都議選のような「争点の喪失」はあってはならないことです。 安倍政権になって以降も、中国は尖閣をめぐって侵犯行為を重ねています。中国当局の船が領海侵入したのは、昨年9月に政府が尖閣諸島を国有化してから48回になります。(6/22 日経「尖閣領海に中国船侵入 国有化後48回目」) さらに、北朝鮮の核ミサイルの核開発も進んでおり、日本はもはや「国防待ったなし!」の状況に追い込まれていますが、安倍政権は当初標榜していた「憲法改正」を大幅にトーンダウンさせました。 また、鳩山由紀夫氏は元総理という責任ある立場でありながら、25日の香港の鳳凰(フェニックス)テレビのインタビューにおいて、沖縄県の尖閣諸島について、「中国側から見れば(日本が)盗んだと思われても仕方がない」と述べ、同諸島は「係争地である」との認識を示しました。(6/25 産経「鳩山氏、尖閣問題で「『日本が盗んだ』と思われても仕方ない」) 尖閣諸島は歴史的事実としても、国際法上も、明らかに日本の領土であり、決して係争地ではありません。鳩山元首相の発言は国益に反し、断じて許すことはできません。 国難迫る今、参院選の最大の争点は「国防強化」「憲法改正」であるべきです。 また、参院選は、経済政策としては「消費増税の是非」を問う選挙であります。 国民の方々の参院選における意思表示が、本年10月に行われる政府による消費増税の是非を決定します。 国家の盛衰をかけた今回の参院選は、各政党が争点を明確に掲げ、有権者が政策をしっかり確認し、判断すべきです。 多くの政党がありますが、「憲法9条改正」をはじめとする「国防強化」を訴え、「消費増税中止」を掲げているのは、私たち幸福実現党のみです。 是非とも各政党の政策をしっかりと見聞きして頂き、国民の皆さまにおかれましては賢明なる政党選択、候補者選択をなして頂きたいと存じます。(文責・こぶな将人) 深刻な少子化問題――多世代で子育てができる日本に! 2013.06.14 深刻な少子化問題 厚生労働省が5日に発表した統計によると、2012年の合計特殊出生率は1.41とやや回復しました。(6/5 厚生労働省「平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」) 「合計特殊出生率」とは「一人の女性が生涯に産むとされる子供の人数」であり、人口を維持するためには2.08必要と言われています。 合計特殊出生率が1.4台に回復したのは16年ぶりのことであり、歓迎すべきではありますが、依然として低水準であり、先進国の中でも低いレベルにあります。 出生数は103万7101人で、前年の105万806人より1万3705人も減少しています。2000年の出生数(119万人)と比べても1割以上も減少しています。 また、出生数と死亡数の差である「自然増減数」は21万9153人減で、43都道府県で出生数が死亡数を下回っています。 これは日本の繁栄の根幹を揺るがしかねない事態であり、人口の急減をストップするには、さらなる少子化対策の取り組みが急務です。 バラマキに陥りやすい少子化対策 今年5月には、少子化対策について、「女性手帳」問題で話題になった政府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」が提言をまとめています。(内閣府 少子化危機突破タスクフォース「『少子化危機突破』のための提案」) 提言の内容は「新婚世帯への住宅支援」「産後間もない母子へのケア」「子育て費用の負担軽減」「地域医療体制の整備」など、新たに財源が必要な対策が並んでいます。 これらの対策については、多くの財源が必要になりますが、税収が伸び悩む中、さらに財源支出を増やせば、国家財政はさらに厳しくなっていくことが予測されます。 少子化対策は、どうしても民主党の「子ども手当」のように「バラマキ」になりがちですが、その根底には「子どもは社会全体で育てるべきだ」という共産主義的発想があるのです。 「家族の価値」を重視した少子化対策を! 一方、幸福実現党は、子どもを育てる責任は「社会」ではなく、「親」にあると考えます。 だからこそ、幸福実現党は「家族」を重視し、「家族が子どもを愛し、健やかに育んでいくためにはどうすべきか」という観点から、家族支援や少子化対策に取り組んでいます。 私事ですが、妹が今年1月に第一子を出産しました。妹は髪を切りに行ったり、歯医者に行く用事ができる度に両親のところへ子どもを預けています。 妹の用事ができる度に、孫の顔が見れる両親は大喜びしており、二人とも楽しそうに孫をあやしています。 もちろん、保育所を増やしていくことも大切ですが、0歳児を預かってくれる保育所を増やすには、安全性を確保するためのハードルが高く、多くの費用もかかります。 また、夜中に目を覚ましてしまう乳幼児を育てている間は、母親にかかる心身の負担が大きいため、24時間支援をしてくれる家族の援助は、とても大きいといえます。 幸福実現党は「家族」で子育てをバックアップできるよう、三世代同居や二世帯住宅を規制緩和や税制面から後押しし、大家族で支え合える環境をつくります。 未婚化、少子化の背景には「家族の価値の喪失」があると言われていますが、幸福実現党は「家族の絆」を取り戻し、少子化を食い止めて参ります。 (幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ) 幸福実現党立党4周年を迎えて――限りなき幸福実現党の使命 2013.05.21 幸福実現党立党4周年を迎えて 幸福実現党は2009年5月に立党し、今月、立党4周年を迎えました。 残念ながら未だ議席を有するに至っておりませんが、この4年間、皆さまより温かいご指導ご支援を賜りましたことを衷心より感謝し、厚く御礼申し上げます。 先日5月19日には立党4周年を記念し、幸福の科学・東京正心館(東京都港区)を本会場に全国の数百会場を衛星で結び、「幸福実現党立党4周年記念大会」が開催され、約800名が詰めかけた本会場は熱気に包まれました。 立党大会では、矢内党首が、アメリカが東アジアの国防を中国に任せるという議論が出ていること、飯島勲・内閣官房参与が北朝鮮訪問から帰国した18日に北朝鮮がミサイルを3発発射したこと、中国が「琉球(沖縄)は中国のものだ」と主張し始めたことなど、国難の現状を指摘。 「国防はもはや待ったなし」であり、「憲法9条の改正が急務。しかし、安倍首相は歴史観の問題で攻めこまれている」と語り、改めて国難突破への決意を熱く語りました。(5/20 Liberty Web「幸福実現党が立党4周年大会 原点である『国難』への備えを訴える」) 離合集散を繰り返す政党政治 この4年間を振り返れば、数多くの政党、政治団体の激しい離合集散が繰り返された期間でもありました。 2010年4月に立党した「たちあがれ日本」は、その後、「太陽の党」と名称を変更し、すぐに日本維新の会に合流し、解党。「太陽の党」に至っては、たった5日間の命でした。 同じく2010年4月に立党した「日本創新党」は、2010年の参院選で敗れ、結局、日本維新の会に合流し、解党しました。 民主党は小沢一派が分裂し、昨年7月、「国民の生活が第一」が結党されましたが、すぐに「日本未来の党」に合流して解党されました。 国民新党も内部分裂の末、本年3月をもって解党、7年半の歴史に幕を閉じました。 昨年11月、「卒原発」を掲げて立党した「日本未来の党」は、総選挙の惨敗を受け、12月には「生活の党」に改称、政党としては消滅しました。 この4年間、国民の前に展開された政党の離合集散劇は、政治家の「サバイバルゲーム」に過ぎません。 「どの政党だったら当選できるか」――これこそが既存の政治家達の至上命題であり、行動原理なのです。 今や二大政党の一方の雄、民主党でさえ、来る参院選の候補者擁立すらままならない状況です。 31の一人区の選挙区で、未だ14選挙区で独自候補を擁立できていません。 その理由は簡単です。「勝てそうにないからです。」ただそれだけの理由です。 民主党は元々、綱領もなく、選挙協力互助が目的の党であり、政治理念の紐帯で固く結ばれた党ではなかったのです。 安倍政権の存立基盤を突き崩す「村山談話」の継承 それでは、政権与党自民党はどうでしょうか?ここに来て、高支持率を謳歌してきた政権与党自民党の存立基盤を揺るがす事件が起こりました。 それは、安倍首相が15日の参院予算委員会で、村山談話を「全体として受け継ぐ」ことを表明したことです。 これは、安倍政権が「先の大戦は、いわゆるA級戦犯という悪党どもが行った侵略戦争である」という「東京裁判史観」を受け入れたことを意味します。 この出来事は「戦後レジームからの脱却」「自虐史観の払拭」を掲げて来た安倍政権のレゾンデートル(存在意義)を根底から覆す「後退」「堕落」だと言えます。 「悪党たる日本が再び侵略戦争を起こさないために軍備を放棄させる」という「刀狩り」こそ、日本国憲法の中心概念です。 憲法改正を目指すならば、まずは「日本性悪説」の源流となっている「自虐史観」を糺す必要があります。 安倍首相が村山談話を継承したということは、自民党の党是である「自主憲法制定」の理念と齟齬をきたすことになります。 目先の選挙の票を優先し、国家に最も大切な「歴史認識」で妥協したことは、日本の未来に大きな禍根を残すこととなるでしょう。 限りなき幸福実現党の使命 このように各政党の理念が揺らいでいる今、いや理念すらない政党が少なくない中で、幸福実現党は立党以来4年間、一貫して微塵もブレることなく、「正論」を訴え続けて参りました。 橋下発言を機に、左翼やマスコミ、中韓が「従軍慰安婦問題」を前面に出して狂奔していますが、こうした自虐史観の暴走を許さず、「真実の歴史認識」を掲げて戦っているのは幸福実現党のみです。 今や幸福実現党の言論が、既成政党に代わって事実上、日本の屋台骨を支えつつあります。 その重大な責務、神聖なる使命の負託に応えるべく、今夏の参院選において必ずや議席を有すべく全身全霊で戦って参ります! 今後とも、ご指導ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 (文責・岐阜県参議院選挙区代表 加納有輝彦) 福島の現場から――政府は統治能力を向上させよ! 2013.05.19 福島の人口減をどう見るか? 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、福島県の人口は2040年に148万5000人となり、2010年(202万9000人)より26.8%減るという推計結果が出ています。(4/23 読売「福島県人口推計、30年で3割減…震災など影響」) この30年間で人口が減る割合が高いのは、秋田県35.6%、青森県32.1%、高知県29.8%の順となっており、東北6県で見れば、福島県は宮城県(16.7%)に次いで減少幅が小さくなっています。 私、酒井秀光も福島県に在住しておりますが、現在、震災から3度目の春を迎え、福島県の大部分で田植えが終わり、夕方になると、うるさいぐらいのカエルの鳴き声が響き渡っています。 震災前と変わらない生活を送っている大部分の福島県民が、心の奥で「安全宣言」をし、福島に住み続けています。 ただ、福島県では原発事故の後、子育て世代を中心に県外への流出が続いています。 若い世代が県外に転出すると、生まれる子どもの数が大きく落ち込むため、人口減少に加速がかかってしまいます。 福島原発事故以降、マスコミが様々な有識者を使って「放射能の危険性」を喧伝したがために、福島県民の間に放射線の人体への影響について心配する声が広がり、特に若い世代の流出をもたらしています。 放射線量については、年間100ミリシーベルト未満では健康への影響はないという専門家の意見も多く、啓蒙を通じて、マスコミが流した風評被害を取り除くと共に、安全性の確かめられた地域から早急に避難指示を解除し、住民の自由な帰宅・往来を認めるべきです。 福島県民の被統治能力の高さ 国がうまく成り立っていくには、政治家と行政機関による統治能力と、それを支える国民の被統治能力の両方が必要とされます。 政治家が無能でも、国家がうまく成り立っている日本は「国民の統治能力が高い」と言われています。 実際、今回の大震災では、政治や行政が機能不全に陥る一方で、住民の中から雨後の竹の子のようにリーダーが現れ、リーダーと住民が一体となって、次々と問題を解決し、危機を乗り越えて来ました。 福島県民の統治能力の高さは、大部分の福島県民が生まれた場所で、日常の生活に戻り、生活を続けていることを見れば分かります。 未だ仮設住宅で不自由な暮らしを余儀なくされておられる方が万単位でおられ、避難地域について対応の遅さが問題になっていますが、ゆっくりとではありますが復旧の方向に動いています。 政府の統治能力の向上が急務 ただ、今後、震災直後から露呈した政府や行政の問題解決能力の低さ、統治能力の不足については、真摯に受け止め、改革していく必要があります。 震災後や原発事故発生後、政府の情報の錯綜が起こり、初動措置が遅れに遅れ、危機管理でやってはならない「オーダー・カウンターオーダー・ディスオーダー」(命令を出した後に、取り消したり、反対の命令を出すこと)が頻発し、現場は大混乱しました。 政府はこのような失態を二度と繰り返してはなりません! 近隣諸国による侵略の危機も含め、「国難」が迫る今だからこそ、政府には国民の負託に応え得る統治能力の向上、危機管理能力の向上が強く求められます。 国民の被統治能力の高さにあぐらをかいて、統治力をカバーできるほど、日本周辺の状況は安定していません。 また、安倍政権が進めている「道州制」は、政府のガバナンスを道州に分散し、国家の統治能力を低下させる「世紀の愚策」であり、絶対に行ってはなりません。 無能な政治家達はもはや必要ありません! 「国難」の中にあって、私たち幸福実現党は国家の統治能力を向上させ、日本を「国民の生命・安全・財産を守る」ことができる国家へと生まれ変わらせてみせます。 (文責・幸福実現党福島県参議院選挙区支部長 酒井秀光) 参院選に向け、本格化する憲法96条改正の動き 2013.05.11 参議院選の争点となった憲法96条 憲法96条は、憲法改正の手続きについて、衆参両院の総議員の「3分の2以上」の賛成で発議され、国民投票で過半数の賛成が必要と定めています。 安倍首相はこの発議要件を「3分の2以上」から「過半数」に引き下げる方向で動いており、今夏の参院選では、馴染みの薄かった憲法96条が、にわかに大きな争点の一つとなっています。 では、なぜ今、憲法96条の改正なのでしょうか? それは「3分の2以上」というハードルが高過ぎ、我が国では昭和22年の憲法施行以来、一度も憲法が改正されていない現実があるからです。 ちなみに、第二次大戦後、ドイツは59回、フランスは27回、アメリカ合衆国は6回、韓国は9回の憲法改正を行っています。 時代に合わせて法律が変わるように、当然ながら憲法も適宜、改めていく必要があります。 例えば、憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という憲法の前提は、中国や北朝鮮などの軍事的脅威が迫る現状に全く反しています。 改憲のためには、健全な憲法改正を阻害する「高すぎるハードル」を引き下げ、将来の憲法9条等改正への一里塚にしようというのが、今回の96条改正の動きの本質です。 憲法96条改正についての各党のスタンス 今月9日には衆議院で憲法審査会が開催され、初めて96条改正についての討論がなされました。 微妙なニュアンスの違いはありますが、大まかに言って、自民・日本維新・みんなの3党が改正に賛成、民主・公明・共産・生活・社民の各党が反対か慎重姿勢を表明しました。 その結果、日本の政界は、「改憲派」と「護憲派」の大きく二つに色分けされる形となりました。 「いったん改正のためのハードルを下げてしまうと、時の政権によって憲法が恣意的に捻じ曲げられる」という護憲派の危惧もなくはありません。 しかし、憲法96条が改正され、衆参両院の総議員の「3分の2以上」の賛成で憲法改正が発議されるようになったとしても、最終的に「国民投票」によって主権者である国民の意思が反映されるため、一定の歯止めは担保されます。 ちなみに幸福実現党は、憲法9条改正への一里塚としての96条改正先行はやむなしと考えております。⇒【詳細】5/9 【プレスリリース】憲法96条改正についての幸福実現党の考え方 幸福実現党は立党以来、一貫して自主憲法の制定、特に中国や北朝鮮の軍事的脅威に対処するための憲法9条改正の必要性を訴えてきたため、その一里塚となる96条改正も(取り組みが遅すぎる感は否めませんが)、歓迎するものであります。 「滅亡」か、「新たな希望」か 自民党は7月の参院選公約の柱の一つに「憲法改正」を掲げ、96条の先行改正を前面に出すと報道されています。 敢えて述べるとするならば、憲法9条改正という本来の目的と大義を、国民に真正面から語ることなく、曖昧なままで参院選を乗り切ろうとする安倍政権の姿勢はあまりに「政治的」であり、個人的に物足りなさを感じるのも事実です。 仮に夏の参院選で、幸福実現党を含む「改憲勢力」が「3分の2以上」を獲得し、1~2年以内に96条改正が実現したとしても、肝心の9条改正は、そこからさらに数年の歳月を要することでしょう。 我が国は今、中国・北朝鮮の軍事的脅威の前に、国家存亡の危機に瀕しています。幸福実現党は、これまで以上に憲法9条改正の運動を力強く推し進めて参ります。 また、憲法前文にある「平和を愛する諸国民」とは言えない国家(中国・北朝鮮)に対しては、9条を適用すべきではないという憲法解釈の変更で、大胆な国防力の強化に取り組んで参ります。 幸福実現党は96条改正のための一翼を担いつつも、もっと真正面から信念をもって、中国・北朝鮮の暴走を食い止め、地球規模の新たな平和と繁栄を築くための自主憲法の制定を訴え、夏の参院選において信を問う所存です。 (文責・総務会長 加藤文康) 幸福実現党にみる「アントレプレナーシップ(起業家精神)」 2013.05.07 「ネット選挙解禁」で若者世代の政治参加が高まるか インターネットを使った選挙運動を解禁する改正公職選挙法が、4月19日の参院本会議で全会一致で可決され成立しました。 今夏の参議院選挙より、一般有権者を含め、ブログやtwitter、facebookなどのSNS、youtubeなどの動画サイト、lineなどの無料通話アプリ等を利用したネットでの投票の呼び掛けが可能になります。 電子メールを使った投票依頼については当面、政党と候補者に限り、参院選後に検討されることとなりました。 「ネット選挙解禁」で期待されていることは、若者世代の政治参加や投票率の向上です。 昨年末の総選挙の年代別投票率を見ると、60代をピークに年齢層が若くなればなる程、投票率も下がっています。 年代別投票率は、20代38%、30代50%、40代60%、50代68%、60代75%、70代63%となっており、20代の投票率は60代の約半分しかありません。 平成2年までは20代の投票率は60%前後、30代は70%前後ありましたが、以後、若者の投票率は低下の一途を辿り、約20年で約20ポイントも投票率が下がっています。 若者の政治参加が低い原因 今の60代は「団塊の世代」といわれ、若い頃に「政治の季節」を経験し、2009年の総選挙の「政権交代」の原動力となった世代とも言われています。 一方、現代の日本の青年(18歳~24歳)も、決して政治への関心が低いわけではありません。 実際、意識調査で「政治に関心がある」と答えた青年は1998年37%→2003年47%→2007年58%と増え続けています。(内閣府 第8回「世界青年意識調査報告書」) しかし、若者の政治への関心の高まりが、投票率を高めるには至っていません。この原因について、マスコミの責任を指摘する向きも少なくありません。 選挙報道と言えば、もっぱら、「政策」より「政局」が注目され、選挙を実施する前に、あたかも全ての結果が確定されているかのような予測報道が垂れ流されています。 また、政治家に関する報道は、もっぱらスキャンダル等のマイナス報道が主であり、実績を正当に評価するような報道はほとんど見られません。 その結果、若者が政治家を尊敬できない風潮が蔓延し、それが投票行動の低下に繋がっているとの指摘も見られます。 若者の政治参加が低調であるが故に、若者の政界参入が減り、世襲議員は増える一方です。 今こそ、「政治的アントレプレナーシップ(起業家精神)」を! 「政治的アントレプレナーシップ」、すなわち、「新しい政治」の創造に燃え、高いリスクに果敢に挑戦する若者がいなくなって久しいと言われています。 情勢が不利になれば、途端に候補者の擁立さえ避けたがる既成政党の姿に、若者達はますます失望しています。 しかし、ここに政治的「アントレプレナーシップ」を発揮し、予測報道による「退場勧告」をもろともせず、「正論」を掲げ、戦い続けている幸福実現党が現代の日本に現れたのです。 「ネット選挙解禁」により、若者の政治への関心が高まるでしょうが、本質的に若者を政治に駆り立てる原動力は「政治的アントレプレナーシップ」に他なりません。 ネット選挙の要諦は、コンテンツそのもの、内容そのものに帰着するでありましょう。その点、幸福実現党の大川隆法総裁の法話や政策、政治霊言は、質・量ともに世界最大・最高・最強のコンテンツ(知的生産物)であります。 我々の志、そして最高のコンテンツを有する幸福実現党の存在こそ、若者の政治参加を最も促すものと自負しています。 コンテンツを持たず、「選挙協力互助団体」として存在している既成政党には、国難を克服し、未来を切り拓く力はありません。 幸福実現党の「政治的アントレプレナーシップ」こそが未来を拓く力であることを高らかに宣言し、今夏の参議院選を全国47都道府県で戦うことを表明致します。 (文責・岐阜県参議院選挙区代表 加納有輝彦) 憲法記念日に考える「日本の国家ビジョン」 2013.05.02 昭和22年(1947年)5月3日に日本国憲法が施行され、本年で66回目の憲法記念日を迎えます。 憲法記念日は、今後の「日本の国家ビジョン」を考える大切な一日です。参院選を控え、今年は例年にも増して、憲法改正の論議が高まっています。 その議論の焦点は「憲法96条の改正」です。憲法96条は、日本国憲法の第9章「改正」にある唯一の条文で、憲法の改正手続を以下の通り、規定しています。 「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」 現在、安倍首相は、衆参各院の「3分の2以上」の賛成を必要とする96条の発議を「過半数」の賛成で発議できるように改正の必要性を訴えています。 憲法改正に向けた各政党のスタンス 読売新聞が、国会議員に対して実施した「憲法に関するアンケート調査」によると、憲法96条を改正すべきだと答えたのは、自民党96%、日本維新の会98%、みんなの党96%でした。(5/2 読売) 一方、民主党25%、公明党11%は留まり、憲法改正への姿勢の違いが、政党間で鮮明になりました。 政権与党でもある公明党の「護憲」姿勢は際立っており、「政権内のねじれ」が生じています。 改憲に慎重な政党からは「憲法改正の中身を考えずに、96条のみを先行して改正するのはおかしい」という意見も出ています。 しかし、憲法改正の中身が先と言いながら、憲法9条に対する見識を何ら示してこなかったのは、何故なのでしょうか。これでは「反対のための反対」と言わざるをえません。 憲法96条改正の先にあるべき国家ビジョン こうした批判に応えるためにも、安倍首相には、憲法96条の改正を通じて、日本が向かうべき国家ビジョンを力強く示して頂きたいと思います。 憲法学の権威でもある芦部信喜・東京大学名誉教授は、近代憲法について次のように述べています。 「近代憲法は、何よりもまず、自由の基礎法である。それは、自由の法秩序であり、自由主義の所産である。・・・このような自由の観念は、自然権の思想に基づく。この自然権を実定化した人権規定は、憲法の中核を構成する「根本規範」であり、この根本規範を支える核心的価値が人間の人格不可侵の原則(個人の尊厳の原理)である。」(『憲法』新版 芦部信喜 岩波書店) 憲法は「個人の尊厳」に寄与するもの、国民の幸福に奉仕するべきものです。 だからこそ、憲法改正を通じて、国民の幸福をどのように増進していくのか、総理大臣はそのビジョンを示すべきではないでしょうか。 道州制の危険性 また、日本維新の会は、地方自治について規定している憲法第8章を改正し、「道州制」を憲法に明記するとしています。(4/26 読売「維新の会、憲法改正素案に道州制を明記」) しかし、「道州制」は日本を危うくします。国家の外交・安全保障の根幹に関わる沖縄県の米軍基地の辺野古移設を反対している仲井真知事はその最たる例です。 また、与那国島に陸上自衛隊「沿岸監視部隊」を配備する計画に対して、外間町長が市町村協力費として10億円を求めて、用地取得が暗礁に乗り上げ、自衛隊の配備計画が白紙に戻ろうとしている現状もあります。 獲得票数619票で選出された町長が、日本の安全保障の根幹に大きな影響を与えているのが現状です。 知事のみならず、町長までも日本の安全保障政策が影響を受けてしまう現状において、主権を道州に移譲する「道州制」「地域主権」を導入して果たして日本は大丈夫なのでしょうか? この「国難」の時期に、道州制を推進するのは、無責任で不見識と言わざるを得ません。 憲法守って国滅ぶ 「最大多数の最大幸福」を実現するためにも、政府は「国民の生命・安全・財産」は守らなくてはなりません。 北朝鮮は、長距離ミサイルと核兵器をチラつかせて、虎視眈々とアメリカと韓国の腰砕けを狙っています。 中国は4月23日、尖閣諸島周辺の中国の海洋監視船「海監」8隻の侵入と共に、中国軍の戦闘機など40機以上を尖閣周辺に飛来させました。 さらに、4月26日の中国外務省の定例会見では「尖閣諸島を核心的利益」と発言しています。 日本国憲法の前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とありますが、今の日本を取り巻くアジア情勢を考えれば、憲法の前提が当てはまらないことは明白です。 このまま、GHQの日本占領政策として作成された「自分の国を自分で守る」ことを禁じる憲法9条を把持し続けるならば、日本という国家は間違いなく消えて無くなるでしょう。 今こそ、日本は「自分の国を自分で守る」普通の国へと脱却すべきです。 明確な国家ビジョンと打つ手を示してきた幸福実現党 幸福実現党は2009年の立党以来、憲法9条の改正を柱として「自分の国を自分で守る」防衛を訴えてきました。また同年、「日本のグランド・デザイン」として、「新・日本国憲法試案」を発表しました。 さらに、2010年からは、憲法改正では間に合わないからこそ、即応力ある日本の国防を実現するために、日本に対して危害を与える国に対しては、憲法9条の適用除外宣言をするべきであると訴えて来ました。 憲法改正をはじめ、日本の国難を突破するための政策をブレずに提言し続けて来ました。 今、日本の政治に必要なのは「見識」です。幸福実現党は「確かな見識」で、日本に必要な正論を断固貫いて参ります。(HS政経塾部長兼、政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) 政治に経営力を!公会計改革で政治の経営判断を高めよ! 2013.04.20 4月16日、衆議院本会議において、92兆6115億円となる平成25年度予算が可決され、参議院に送付されました。 予算成立の目処は立ったものの、国の借金が1000兆円に迫る中、財政健全化が大きな課題となっており、毎年の予算編成は単なる税金の垂れ流しなのか、経営判断に基づくものなのかが問われています。 「予算単年度制」の問題点 憲法86条には「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」と明記され、財政は「予算の単年度制」を原則としています。 しかし、「予算の単年度制」には、目先の予算獲得による行政コストの肥大化や、年度末に余った予算を無理に使い切る予算消化など大きな欠陥があります。 このような税金の無駄づかいを払拭するために、幸福実現党は立党以来、「予算の単年度制」廃止を提言して来ました。 大規模な国家プロジェクトに対しては複数年度にわたって予算を編成することや、好況で税収が増えた際には積み立てていく「ダム経営」など、政治にもっと「経営力」を導入すべきです。 貸借対照表(バランスシート)に基づく経営判断など、企業で行われている努力が、政治においても当然に行われるべきです。 実際、衆議院憲法審査会は4月18日、憲法第7章「財政」について審議し、複数年度にまたがる予算編成を可能とすることに前向きな姿勢を示しています。(4/18 読売) 「単式簿記・現金主義」の問題点 同審議では、会計制度についても議論されました。現在の会計制度は「単式簿記・現金主義」に基づいており、単に現預金の出納だけ記帳する方式で、予算を「使ったか」「使わなかったか」しか分かりません。 その結果、「予算=決算」という民間企業では信じられない「予算消化」が繰り返されてきました。 新会計制度と言われる「複式簿記・発生主義」では、経済資源の増減について取引の発生ごとに記帳され、「資産(ストック情報)」「支出(コスト情報)」「費用対効果(コストパフォーマンス)」「経営評価(経済性・効率性)」など、マネジメントの視点を重視し、予算の執行だけでなく、決算という評価を行うものです。 これは企業経営では当然のことで、予算以上に決算が重視され、経営の改善・イノベーションを不断に重ねています。 東京都は平成18年度から会計に複式簿記・発生主義会計を取り入れた新公会計制度を導入。本年度からは愛知県をはじめ、財政難となっている地方自治体に新公会計制度が広がり始めています。(2012/12/20 愛知県「愛知県における公会計改革の取組」) 石原慎太郎氏は17日の党首討論後、記者団に対して「公会計制度は、あなた方メディアの不勉強で、日経新聞なんか1行も書かないし、こんな馬鹿な無駄を放置している国はないよ。単式簿記とかやってる国は日本の他にないんだから、本当に。こんなものがはびこっているから、役人が勝手なことをして、国民が馬鹿みるんだよ。こんなことやってる国なんて、北朝鮮とパプアニューギニアとフィリピンだけだよ。先進国では日本ぐらいだ」(4/18 朝日)と、公会計改革の必要性を訴えています。 早急に公会計改革を進めよ! サッチャー首相の死去により、サッチャーの政治手腕が再考されていますが、「イギリス病」から復活を遂げた背景にも公会計の導入がありました。 サッチャー首相とも親交のあった公会計研究所・所長の吉田寛教授は「会計の基本的な機能は、帳簿を作ったり、財務諸表を作ったりすることではありません。約束を守れる人か、守れない人なのかを伝えることが重要な機能です」と、主権者である納税者への説明責任がなされ、信認すべき政治であるか、政権選択を行えるところまで行くことが公会計の使命であると啓発活動を展開されています。 「公会計研究所」方式では、借金が増えているのか、減っているのか、というマネジメントの側面のみならず、さらに踏み込んで、納税者である主権者がどれだけの負担をしているの、本当に必要な施策なのかを主権者が判断できるところまで明示する公会計を提唱しています。 幸福実現党は「新日本国憲法試案」第十一条で「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない」と国のあるべき姿を示しております。 今こそ、新たな公会計の導入を推し進め、税金の無駄をなくし、主権者である国民が正しく政治参加できる本物の民主主義政治を実現すべきです。(幸福実現党 三重県本部参議院選挙区代表・小川俊介) 日本の繁栄のために、今こそ、人口増加政策を! 2013.04.15 全都道府県で少子化が加速 「2020年全都道府県で人口減、都市部も高齢化加速」――これは3月28日付の日経新聞に掲載された記事の見出しです。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表した推計によると、全ての都道府県で2020年から人口が減り、2040年には7割の市区町村で人口減少率が20%以上となり、総人口に占める65歳以上の割合も36%を超えるとされています。 少子化は国力の著しい衰退を招きます。日本にとって少子化問題の対策は文字通り「待ったなし」です。 民間参入を拒む保育業界 子育てと仕事を両立させたい女性にとって、出産をためらう原因の一つが「待機児童問題」であり、全国で約2万5千人の待機児童がいると言われています。 これまで、例えば小泉政権下では構造改革の一環として「待機児童ゼロ作戦」が計られ、認可保育所の設置用件の緩和を通して民間の参入を促す試みがなされましたが、規制緩和は限定的なものとなっています。 規制緩和以降も、自治体によっては条例によって独自の基準を作り、事実上、認可保育所を社会福祉法人に限定しているところが多く、まだまだ民間参入が進んでいません。 また、社会福祉法人が運営する認可保育所は、国からの補助や税制優遇によって利用料が安いのに対し、認可外になると認可保育園の3倍の額になります。(認可保育所の平均保育料は月額2万円強、無認可保育所は月額約6万円) ちなみに横浜市では、社会福祉法人と民間の垣根をなくし、民間であっても自治体から施設整備費の補助金を出すようにした結果、企業の参入が促進され、待機児童が今年でほぼ解消されたという事例はあります。 しかし、いずれにしても、国からの補助金を当てにしないと成り立たないという基本構造は変わりません。 また、税制上でも株式会社には大きなハンディがあります。社会福祉法人は法人税、事業税、住民税、固定資産税、消費税が非課税ですが、株式会社やNPO法人は、法人税、事業税、住民税は課税されます。 ゆえに、株式会社の保育事業に対しては減税や課税免除を行い、不公平な参入障壁を排除し、民間の保育事業参入を促すべきです。 もちろん、保育の質を担保するために、監査の強化も同時に進めることは必要ですが、喫緊に必要なことは保育所の定員の増大です。 保育所増大に民間の力を活用せよ! 昨夏に可決した「社会保障と税の一体改革」では、消費増税分によって7千億円分の財源を投じ、認可保育所の整備をすることになっていますが、そもそも増税によって認可保育所を増やすという考えは間違っています。 必要なことは、保育業への民間の参入障壁を排除することであり、その流れの中で企業内保育所の設置を推奨すべきです。 復職を願うママさんたちの声を聞くと、最も多い答えは「職場に保育所があることが一番安心」というものです。 企業内保育所は、大企業を中心に近年増え始めていますが、全体の割合からすればまだまだ足りていません。 現実に、女性が働きやすい環境を整備している企業の多くは、生産性も高く、業績好調な企業が多いという点も見逃せません。 企業内保育所を設置する企業の法人税を優遇するなど、民間の力を有効に使えば、消費税を増税せずとも待機児童問題の解決は可能なのです。 人口増大で「世界のリーダー国家」を目指せ! 2007年の第一次安倍政権で初めて内閣府特命担当で少子化担当大臣が任命されましたが、この5年間で担当大臣は14人も代わっています(内、民主党政権下では9人も交代)。 その間、少子化対策に対する長期的なビジョン、目標に基づいて、腰を据えた政策が実施されて来ませんでした。 その背景には、戦後の左翼史観・自虐史観により、「政府が人口政策に関与することは戦前・戦中における『産めよ殖やせよ』政策の復活だ」として、政府が人口・家族政策に介入することに対して、日本国民が抵抗感を持っていることがあります。 確かに、政府が個人に対して出産を強要すべきではありませんが、政府が出産・子育てをしやすい環境を築いていくことは急務です。 幸福実現党は、国家目標として、人口増加策と外国人受け入れを進め、将来的に「3億人国家」を目指しています。 これは「世界のリーダー国家を目指す」という国家目標の提示であり、単なる民族主義やナショナリズムとは違います。 人口増加による国家の繁栄は、同時に「国防力」ともなり、世界に「正義を発信するための力」ともなります。 過去を振り返って現状復帰を是とするのが自民党であるならば、未来をさらに発展させ、「日本人のみならず、世界人類の幸福に責任を負わん」とする気概を有しているのが幸福実現党なのです。(HS政経塾2期生 古川裕三) サッチャー革命を推し進めた思想とシンクタンクの存在 2013.04.10 4月8日、英国元首相のサッチャー女史が亡くなられました。 主要な業績は「宗教立国を目指したサッチャー元首相への追悼」でも触れられていますが、今回の論考で論点を補足します。 彼女はIron Lady「鉄の女」と呼ばれたほど信念のある政治家でした。J・キャンベルのThe Iron Ladyはベストセラーとなり、フィリダ・ロイド監督制作の映画は「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」という題で2012年の3月に日本でも上映されました。 福祉政策や企業の国有化によって経済が停滞した「英国病」を救い、フォークランド紛争に勝利して一時は世界的に有名になったマーガレット・サッチャーは、なぜあれほどまでに自由主義の信念を貫き通すことができたのでしょうか。天性のものなのか。それとも振付師がいたのか。あるいはその両方なのか。もちろん、一概に語ることができません。 ただ、日本語以外の情報を見ることによって、ある二人の人物とシンクタンクの存在が見えてきます。 一人目は、世界的にも有名で1974年にノーベル経済学賞を受賞したF・ハイエク。 サッチャー氏が首相就任演説で「これが我々の信じるものである」と取り出したのが、ハイエクの「自由の条件」でした。ハイエクは、ケインズとの経済論争ばかりが目立ちますが、実は法学や哲学など幅広い分野に関心が及んでいた天才学者です。 そして、サッチャー氏が紹介した「自由の条件」は世界中のリバタリアンと呼ばれる自由主義者が今でも愛読する自由主義哲学の名著です。そして、強い英国を取り戻すためには、増税や規制、福祉国家に傾く社会主義的な政策から以下の4つの自由主義政策への転換(注:ハイエクは、個別ではなく同時に徹底的に進めることが大事だと主張していた)が必要だと訴えます。 ①減税 ②規制緩和 ③適度な金融政策 ④政府支出の削減 実は、上記の政策をサッチャーよりも早くアドバイスを受けていた人物がいます。世界でも指折りの自由主義的なシンクタンクInstitute for Economic Affairs (経済問題研究所 以後IEAと表記)の創設者であるA・フィッシャー氏です。 フィッシャー氏は、今では誰もが鶏肉を食べることができるように事業化して大成功した実業家としても有名です。政治家になることを志していたフィッシャー氏は、ハイエクに相談に行きます。ところが、ハイエクの答えは意外なものでした。というのは、政治家になることよりも「社会のムードを変える」ことに使命があることをフィッシャーに伝えたからです。このハイエクとの出会いと言葉が、後のフィッシャー氏のIEAの創設に至ったとされています。 フィッシャーの考え方やIEAでの政策提言は、まさにハイエクから出ていたのです。なぜなら、IEAの初代所長はハイエクだったからです。こちらも参照→http://bit.ly/16M0EDL(JTRのHP) 日本では、銀行か証券会社系のシンクタンクが多くあります。彼らの仕事は景気の予測が主な仕事だといっても過言ではないでしょう。メディアでよく登場するエコノミストとは、こうしたシンクタンクの研究員です(もちろん、単なる予測屋とは違い、立派な経済分析を行っている方もいる)。 シンクタンクのエコノミスト達は、独自のマクロ計量モデルでアベノミクスなどの効果を推計しているのですが、現実問題としてどこまで政府の経済政策に影響を与えているかは微妙です。 また、気になるのは、財務省や金融庁とのつながりが強い証券会社系のシンクタンクからは増税を肯定する論者が割合に多くいることです。おそらく、経済成長で名目金利が上昇して国債の価格が下がることを恐れているのが原因でしょう。この背景には、社債や国債を大量に保有していることと大いに関連があります。 しかしながら、本来のシンクタンクとは、政府からの資金提供を一切受けずに独立採算を原則としています。筆者は2月のインド出張で世界中の自由主義者が集まるアジア・リバティーフォーラムへの出席と併せてシンクタンクの研修を受けてきました。その観点からすると、日本にはシンクタンクと呼べるものは殆ど存在しないということです。むしろ、政府の御用組織になっているものが多いと感じるくらいです。 とまれ、サッチャー元首相が労働党や国民の反発も覚悟で自由主義路線を貫徹できた背景には、彼女自身の政治哲学への継続的な研究があったこと。そして、彼女に強い影響を与えたIEAなどのシンクタンクの存在があったことが挙げられます(J・Campbell著 The Iron Lady 参照)。 サッチャー氏の死が報道されたことによって、世界中の自由主義系シンクタンクが敬意を込めてRest in Peace(安らかにお眠りください)という表現を使っている記事が多数配信されました。また、彼女の人生と業績をドキュメンタリー動画もありました。 左派からみれば、サッチャー政権は市場原理主義や弱者切り捨てだとして批判されることも多いでしょう。 ただし、英国病を克服して経済成長をもたらしたこと。フォークランド紛争に勝利し、英国民を勇気づけたこと。最後まで自由主義者としての政策を実現しようと鉄の意志を貫いた政治家であったことは否定しようがありません。 「決められない政治」といった情けない言葉がはやる昨今ですが、サッチャー氏のような強いリーダーシップと信念(あるいは信仰心)を持った政治家の登場が待たれるのは言うまでもありません。 幸福実現党は、サッチャー氏の意志を引き継ぎ、20年間ゼロ成長という「日本病」から「自由からの繁栄」が実現できるよう、戦い続けて参ります。(文責:中野雄太) すべてを表示する « Previous 1 … 50 51 52 53 54 … 64 Next »