Home/ 記事配信 記事配信 政調会ニューズレターNo.18「首相による消費増税表明について」【概要版・後編】 2018.11.09 政調会ニューズレターNo.18「首相による消費増税表明について」【概要版・後編】 幸福実現党 政務調査会 *ニューズレター全文は、党HP(https://info.hr-party.jp/2018/7564/#_No18)に掲載しております。 安倍首相は、先月月15日臨時閣議で2019年10月に消費税率を8%から10%へ引き上げることを改めて表明しました。 今回は、増税と連動して行われる経済対策について、ポイントを整理します。 ◆経済対策の罠 安倍首相は増税表明の際、「あらゆる政策を総動員し、経済に影響を及ぼさないように全力で対応する」と述べ、増税が個人消費に与える影響を抑えるための万全の対策を急ぐよう指示しました。 今回、経済対策として幼児教育・保育の無償化のほか、軽減税率の導入、中小店舗でキャッシュレス決裁を行った時のポイント還元、住宅購入時のポイント還元・住宅ローン減税の拡充などが検討されています。 このような一連の経済対策が行われるのであれば、「何のための増税なのか」というのが率直なところでしょう。 期間限定の経済対策については、駆け込み需要とその後の反動減を少しでも抑えようという狙いがあると思われますが、消費増税の影響は中長期に及ぶため、増税前後の短期的な現象が経済に与える影響を少しでも抑えようとするのは筋違いと言えます。 いずれにせよ、バラマキによる増税や複雑な税制の導入は、経済活動の自由の領域を狭めさせるほか、経済の歪みにもつながっていき、国の発展の阻害要因そのものとなります。 やはり、小さな政府・安い税金を心掛けるとともに、シンプルで公平な税制の構築を志向すべきです。 以下、補足点を列挙します。 ★軽減税率 増税で標準税率が10%になるのに対し、軽減税率は、酒類や外食を除く飲食料品、定期購読の新聞については税率を8%に据え置くとする制度です。 「スーパーやコンビニで買う食料品を持ち帰れば軽減税率が適用されるが、イートインコーナーなど店内で飲食する場合には適用されない」といった例があるように、どのような商品や消費形態が軽減税率の対象になるかが非常にわかりにくいと指摘されています。 そのほか、標準税率、軽減税率のどちらを適用するかを恣意的に判断できるようになるという意味で、政府は新しい権限を手にすることになり、この点にも非常に大きな問題を見出せます。政府による「恣意性」を排すには、消費税は一律5%に戻すのが得策と言えるのではないでしょうか。 また、消費税は事務手続き上、非常に複雑な税であると言われています(注2)。現在、軽減税率に対して準備を行っている中小企業は約8割に留まるとされていますが(注3)、来年、税率変更に加えて軽減税率が導入されることになると、企業は一層の負担を強いられることになります。 同様の制度を実施している欧州では、すでに課題が大きいとして制度を廃止すべきとの議論もあるようです。今、日本があえて軽減税率を導入する合理的な理由は見当たりません。 (注2)企業が行うすべての取引に消費税がかかるわけではないため、企業は消費税の納入に際しては、仕入れ、売上含めた全取引を「課税取引」「非課税取引」「不課税取引」に分類しなければならない。企業にとって多大な事務的負担を要している。 (注3)日本商工会議所「中小企業における消費税の価格転嫁および軽減税率の準備状況等に関する実態調査(第5回)」(2018年9月28日)より ★キャッシュレス決裁時のポイント還元 商店街の小売店など資本金の少ない中小店舗を対象に、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を行った際に、期間限定で2%のポイント還元を行うとする支援策も検討されています。 ここには「キャッシュレス経済」の普及促進の狙いも垣間見られますが、クレジットカードや電子マネーなどに対応するレジを導入するための企業側の費用負担は大きいものです。政府が設備投資を行う企業に補助を行うとしても、そこに血税を使う正当性はあると言えるでしょうか。 キャッシュレスになじみのない高齢者などを考慮して「プレミアム付き商品券」を発行すべきとの意見も政権与党にはありますが、これも本質的な議論とは言い難いものがあります。 ★防災・減災対策 増税による需要喚起策の一環として、防災・減災対策に向けたインフラ整備費用が、第2次補正予算案、2019年度当初予算案に計上される見込みとなっています(注4)。 わが国では、高度経済成長期に建設されたインフラが「使用期限」を迎えており、修繕・補修の必要に迫られていますが、これまで、社会保障の財政予算が拡大する中で公共投資に対する予算が削減される傾向にありました。 防災・減災対策などをはじめとするインフラ整備に対して積極的な姿勢がとられていることについては評価できますが、インフラは国の資産になるほか、経済成長にもつながるものであることから、その整備に向けては増税実施の有無にかかわらず、国債発行をためらうことなく積極的に実施すべきと考えます。 (注4)今月15日には、西日本豪雨への対応など、今年相次いだ災害からの復興関連の歳出を中心とした第一次補正予算(9,356億円)が閣議決定されている。 (終わり) 政調会ニューズレターNo.18「首相による消費増税表明について」【概要版・前編】 2018.11.07 政調会ニューズレターNo.18「首相による消費増税表明について」【概要版・前編】 幸福実現党 政務調査会 *ニューズレター全文は、党HP(https://info.hr-party.jp/2018/7564/#_No18)に掲載しております。 安倍首相は、先月15日臨時閣議で2019年10月に消費税率を8%から10%へ引き上げることを改めて表明しました。 このタイミングでの増税表明は、企業に軽減税率の導入に向けた準備を促すなどの狙いがあるとみられますが、そもそも、消費増税は経済に大きな打撃を与え、「健全財政」の観点からも実施すべきではありません。 以下、ポイントにまとめます。 ◆そもそも、国の債務1,100兆円は自民党政権により積み上げられてきたもの 消費増税に対する議論は「財政健全化や社会保障の充実に向けては増税が不可欠」との考え方が前提となって進められていますが、そもそも、国の債務が1,100兆円という天文学的な額に及んでいるのは、政府・自民党によるこれまでの失政、バラマキ政治によるものに他なりません。 健全財政に向けては、覚悟をもって取り組むべきなのは言うまでもありませんが、借金をこしらえた政府が国民にツケを支払わせようとしている事実については、見過ごすことはできません。 ◆消費増税の中止と、税率5%への引き下げを 本格的に成長軌道に乗っていない今増税を行えば、成長率を鈍化、あるいはマイナスに転じさせることにつながり、かえって財政状況を悪化させることにつながるでしょう。 日銀は、来年10月に予定されている消費税率10%への増税を行った場合、2020年度の家計負担の増分が2.2兆円になり、前回の増税時の4分の1程度になると試算していますが(注1)、消費増税のインパクトを決して過小評価すべきではありません。 政府はリーマン・ショック級の経済危機が起こらない限り増税を実施するという立場ですが、消費増税こそリーマン・ショック級の経済危機のトリガーになりかねないと言っても過言ではなく、早期のデフレ脱却、中長期の経済成長を実現するためには、消費増税の中止と、税率5%への引き下げこそ行うべきです。 また、政府は、増税による税収の一部を幼児教育・保育の無償化への財源に充てるとしていますが、増税・バラマキは日本を「大きな政府」へと向かわせ、国を一層の停滞に直面させることにつながりかねません。 消費減税こそ全ての家計に恩恵をもたらせ、最も望ましい福祉と言えるのです。 (注1) 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2018年4月)」より ◆「健全財政」に向けて 財政の健全化に向けては、国際標準として用いられている「累積債務残高/GDP(GDPに占める債務残高の割合)」をわが国も財政健全化の指標としながら、経済成長による自然増収を達成して中長期的な財政再建の達成を図るべきです。 成長に向けては、消費税増税の中止と税率5%への引き下げなどといった大胆な減税政策、徹底的な規制緩和を行うことはもとより、交通インフラ、新たな基幹産業など、経済成長に資する分野への大胆投資を実行する必要があります。 同時に、政府の「バラマキ」に当たる無駄な財政支出については削減を図り、「メリハリある財政」を行う必要があります。行政機関のスリム化に向けた組織・事務事業の抜本的な見直しなどを含め、今こそ「健全財政」向けて、議論を進めていくべきでしょう。 (後編に続く) 日中首脳会談――中国による「史上最悪の人権侵害」を問え 2018.10.25 日中首脳会談――中国による「史上最悪の人権侵害」を問え 幸福実現党 政調会外交部会副部会長 彦川太志(情報分析担当) ◆「米中新冷戦」の国際情勢 今月25日(木曜日)から27日にかけて、安倍首相は習近平国家主席との首脳会談のために中国・北京を訪問しています。 報道によれば、安倍首相は今年10月23日に「日中平和友好条約」の締結から40周年、中国の「改革開放」から40周年の節目を迎えることから、首脳会談によって「日中関係の改善」を演出するとともに、「日中第三国市場協力フォーラム」の開催を通じて中国の「一帯一路」構想に日本企業を参画させる道筋を作ろうとしています。 日中両国が、対話と経済協力を通じて平和的に発展していける未来がくることはとても良いことですし、わたしたちもそれを望んでおります。 しかしながら、中国軍機に対する自衛隊のスクランブルは増加する一方であり、尖閣諸島をめぐる主権侵害行為もエスカレートしていることからも、中国側は「関係改善」を真剣に考えていないことは明らかです。 また、中国は南シナ海の軍事拠点化や他国への選挙干渉、さらにはウイグル人などへの深刻な宗教弾圧・人権侵害によって、国際社会の秩序を大きく混乱させているのが実態です。 トランプ大統領はこうした中国の危険な振る舞いを深刻に受け止め、すでに「米中新冷戦」に舵を切っています。安倍首相はこうした国際情勢を踏まえた上で日中首脳会談に臨むべきだと考えます。 ◆中国共産党による史上最悪の人権侵害 特に、中国共産党による中国国内での宗教弾圧の問題は、国際社会で深刻に受け止められており、米国や欧州では制裁法案も準備されています。 8月に開催された国連人種差別撤廃員会での追及を皮切りに、中国共産党がウイグル自治区で数百万人に上るウイグル人を「再教育キャンプ」という事実上の強制収容所に収容していることが明らかとなりました。 中国共産党は、なんの罪もないウイグル人を、イスラム教徒であると言うだけで拘束し、拷問によって信仰を捨て、共産党に忠誠を誓うよう強制しているのです。 こうした中国共産党による宗教弾圧は、イスラム教徒だけでなく、法輪功や仏教、地下キリスト教会など、様々な宗教に及んでいます。 さらに、イギリスのメディアであるBBCは、中国共産党がこうした宗教弾圧で殺害された人々の臓器を違法に摘出し、臓器移植ビジネスに利用している実態を明らかにしました。 中国共産党による宗教弾圧と一体となった組織的な臓器ビジネスは、かつてのナチス・ドイツが行ったホロコーストをはるかに超える、「史上最悪の人権侵害」であることは明白です。 ◆首脳会談では中国の人権侵害を追及すべき 折しも、安倍首相と習近平国家主席の首脳会談が予定される10月26日には、亡命ウイグル人のラビア・カーディル氏が中心となり、中国共産党の弾圧に立ち向かう国際組織の結成大会が東京で行われます。 「中国国内の人権擁護の促進をするための署名」提出集会を開催 https://info.hr-party.jp/2018/7372/ 中国国内での人権侵害に対して国際社会の注目が集まる今、安倍首相が習近平国家主席とどのような会談を行うか、世界的にも注目が集まっています。 私たちは、安倍首相は習近平国家主席との会談において、新疆ウイグル自治区での強制収容施設や、違法な臓器ビジネスの実態公開を求めるとともに、中国国内での人権侵害の即時停止を要求するべきだと考えています。 さもなければ、日本政府は「中国の宗教弾圧や臓器ビジネスを黙認する」と言う誤ったメッセージを国際社会に発信することになってしまいます。 中国共産党の人権侵害はおとがめなしで、「一帯一路」への協力だけ進めて帰国するようなことにでもなれば、安倍政権は国際社会から「人権に無関心な拝金主義者」だと批判を受ける事となるでしょう。 ◆日本はアジアの守護神たれ 私たち幸福実現党は中国の人権侵害の問題について年初から啓蒙活動を行い、10月3日には「中国国内の人権擁護の促進をするための署名」(東京都本部、他)を内閣府に提出しました。 私たちは、人間は皆、神の子・仏の子であり、基本的人権は国や地域にかかわらず尊重され、「信仰の自由」「理想の社会をつくるための政治活動の自由」を天賦のものとして与えられていると考えるものです。 幸福実現党は、今後も、中国共産党による人権侵害の即時停止に向けて働きかけを行うとともに、日本が民主主義国家のリーダーとして、アジアの人権擁護の促進と平和実現の守護神の役割を果たすことができるよう、活動を続けて行く所存です。 ※関連動画 【ザ・ファクト】「中国の人権侵害に対する日本政府の措置を求める署名」提出集会 https://www.youtube.com/watch?v=I6m5hQB_M6k 【ザ・ファクト】中国の人権弾圧を審査する国連人権理事会の会合に釈量子氏が参加 https://www.youtube.com/watch?v=yIh857IO40M 消費増税まで1年。それでも本当に増税しますか。 2018.10.11 消費増税まで1年。それでも本当に増税しますか。 HS政経塾 担当チーフ 古川裕三 ◆税制改正の議論が本格化 第四次安倍内閣が発足し、2019年度の税制改正に向けた議論が本格化しています。もちろん、その議論の焦点は、いまから1年後の10月に10%へ引き上げられる消費税についてです。 住宅、自動車を筆頭に、耐久消費財ほど消費税の負担も重いため、駆け込み需要と増税後の消費の冷え込みが予想されます。 そうした増税後の消費者の「買え控え」を防ぐため、政府はその対策に躍起になっています。 ◆政府の検討案 今回の税制改正の議論では、住宅については、現在の10年間で合計最大500万円軽くなる住宅ローン減税の減税幅の拡充や期限の延長が検討されているほか、一定の条件を満たした住宅購入者に最大50万円支給する「すまい給付金」の給付額引き上げなども議論されています。 また、自動車についても、自動車を取得した年にかかる燃費課税と自動車税を増税後は当面ゼロにするなどの案が出されています。 さらには、企業の設備投資を支援する優遇税制が終了期限を迎えるため、期限を延長するかどうかも焦点となります。 その他、低所得の年金生活者に毎月5000円を支給する制度の実施前倒しや、キャッシュレス決済をした消費者にポイントを付与すること、小売店の「消費税還元セール」の宣伝・広告を解禁することなども検討されています。 ◆軽減税率の導入に3000億円不足 来年の消費税引き上げ時には、食料品などには軽減税率が導入される予定ですが、その導入に必要な予算が約1兆円とされているなか、残り3000億円の財源の目途が立っていないといいます。 ただ、今回の軽減税率とセットでインボイス方式の導入が義務付けられていますが、これにより政府は、免税事業者となっている小規模事業者を狙い撃ちして納税額を増やし、それを財源の一つとしているわけです。 免税事業者を納税事業者に変えることによって納税者を増やそうという魂胆なわけですが、小規模事業者を消費税によって「いじめる」と、倒産件数は増え、日本経済を支えるプレイヤーがいなくなり、GDPは減少の一途をたどることになります。 ちなみにインボイス方式とは課税事業者が発行する税額表(インボイス)に記載された税額のみを控除することができる方式です。 インボイス導入後、免税事業者が仕入税額控除を受けられるようにするためにはインボイスを発行する必要が出てきます。 インボイスの発行は免税事業者ではできないため、今まで消費税を納めていなかった事業者は、「生き残る」ために消費税を納める課税事業者にならないといけません。 小規模事業者は、消費税を納めることで利益が圧迫されると共に、過大な事務負担を強いられることになるでしょう。 ◆そして、また、バラマキ 2014年4月に消費税が8%へ引き上げられた際、政府は5.5兆円の補正予算を組んで景気対策を打ちました。 具体的には、低所得の住民税非課税世帯に一人当たり1万~1万5千円の現金給付や児童手当を一人当たり1万円の上乗せをして「バラマキ」ました。 この効果は乏しく、実質GDP成長率は14年4月~6月は前期比マイナス1.8%と、駆け込み需要の反動減による景気の腰折れが鮮明となりました。 今回も数兆円規模の景気対策という名の「バラマキ」を実施するでしょうが、同じ轍を踏むことになるでしょう。 ◆一番の解決策は、「増税しない」こと 事業者を苦しめ、消費者を苦しめ、日本経済の活力を奪う消費税の増税には断固、反対です。 ばらまいても、一時しのぎにしかすぎません。ばらまくくらいなら最初から、増税しなければよいのです。 幸福実現党は、財政再建は増税によってではなく、名目GDP成長率を上げる事でなしていくのが筋であると兼ねてより訴え続けています。 増税によって消費を止めるのではなく、減税によって消費を促してGDPも増やし、税収も上げます。増税なき財政再建です。 前日銀副総裁の岩田規久男氏は、次のように指摘しています。 「日本は20年間デフレで名目成長率が上がらず、その間、インフレ目標政策を導入した諸外国は名目GDPの3~4%成長を達成し、財政も大幅に改善しました。もし日本が1990年代から量的・質的金融緩和を行っていたら、やはり名目3~4%成長となり、いまごろは1000兆円を超える規模の名目GDPになっていたはずです。」(『Voice』8月号寄稿「消費増税は再延期せよ」より) さらには、財政再建は、デフレ脱却が最優先であり、増税をカレンダー通りに行うことで果たせるものではないことを氏は強調しています。 日本の新聞は軽減税率の適用を受けているがために、政府から口止め料をもらっているようなものですから、正面を切って消費税の減税を主張することができません。 幸福実現党は今後とも「真なるマスコミ」の機能を果たし、国民の利益、国益を守るために、正々堂々の論陣で戦ってまいります。 参照 ・10/4日付 日本経済新聞、読売新聞 ・『Voice』8月号 ・財務省ホームページ ・消費税の納税を免除される「免税事業者」とは? https://keiei.freee.co.jp/2016/10/13/shohizei_menzeijigyosha/ ・『松下幸之助の未来経済リーディング』(大川隆法著) ・『未来への国家戦略』(大川隆法著) 崩れ去った信仰の優位――バチカンから中国共産党に売り渡された地下教会信者たち 2018.10.09 崩れ去った信仰の優位――バチカンから中国共産党に売り渡された地下教会信者たち 幸福実現党 HS政経塾1期卒塾生 湊 侑子 ◆悪魔と合意形成をしたバチカン(ローマ法王庁) 10月3日からキリスト教カトリックの総本山バチカンにて行われている「世界代表司教会議」ですが、1967年の第一回開催以来のトピックがあります。中国の司教2人が初参加したことです。 フランシスコ法王は「今日初めて、中国から司教2人が出席している。温かくお迎えしたい」と歓迎の意を表したと言われています。 「世界代表司教会議」は数年に一度開かれ、信仰の重要性が話し合われます。 無神論を掲げる中国共産党は、1951年にバチカンと断交しました。その後、中国政府系の団体が独自に国内のキリスト教司教を任命してきました。 バチカンは、信仰の優位を訴え、司教の任命権はローマ法王が持つという考えの下、中国と対立していたのです。 しかしこの度、バチカンは中国が任命していた司教7名を追認する形で正当性を認め、司教の任命方法において中国と暫定合意したと言われています。 つまり、バチカンの上に中国共産党が立ち、共産党の意図の下に選ばれた司教をローマ法王に認めさせた、ということになります。 ◆バチカンと中国共産党の関係修繕は相互利益? 今回の動きには、それぞれに思惑があります。 まず、中国共産党は蔡英文政権になってから反発する台湾に対する揺さぶりです。 現在台湾と国交を持つ国は、過去最も少なくなっており、世界に17カ国のみです。台湾と国交を持つ国は、中国とは国交を持てません。 つまり、相手にとっては、中国をとるか台湾をとるかの選択になります。中国は、今年に入って3カ国を台湾と断交させました。 ヨーロッパで台湾と国交を持つのは唯一バチカンのみであり、ここに中国は揺さぶりをかけたいのです。 今回の動きに対し、台湾は警戒感を強めています。 70年以上続いたバチカンとの外交関係が近い将来、解消される懸念がでてきているからです。蔡英文総統の特使が、14日にバチカンに派遣されることになっています。 バチカンにとっても中国共産党の関係修繕は利点があります。 カトリック教会聖職者による児童への性的虐待が全世界から報告され、法王への批判が集まり求心力が落ちています。信者離れも進んでおり、組織運営に危機感が出ているのです。 中国13億人中、公認団体のカトリック信者は約600万人。このほか数倍の信徒が非公認の地下教会信者だと言われているため、一気に信者を増やすことができるのです。バチカンにとって中国市場は魅力的です。 こうしたお互いのwin‐winの関係の下、この度の関係修復と暫定合意につながったものだと考えられます。 ◆追い込まれる国内の地下教会信者 現在、中国には共産党が認めた公認教会と、認められていない地下教会が存在しています。 共産党は認められていない地下教会に対してはもちろん、公認施設に対しても統制を強めています。 複数の欧米メディアが最近、中国共産党が「7000以上の十字架を破壊し、数多くの聖書を燃やした」「インターネットやfacebook YouTubeでのキリスト教関連ページを表示禁止とした」と報道しています。 さらに、カトリック教会の破壊・礼拝中の信者への暴行なども報告されており、異常なほどの弾圧がエスカレートしています。 それは裏を返せば、宗教勢力を恐れているということです。 今回の合意により、共産党はバチカンのお墨付きを得た公認団体を通して、地下教会への管理を強化し、「服従」を迫るとみられています。 バチカンから中国へ地下教会信者のリストが手渡される可能性もあります。信仰者への弾圧や拷問がさらに広がることでしょう。 カトリック香港教区元司教の陳日君枢機卿は日本国内の新聞取材に対し、「中国はバチカンを利用して、信者を攻撃するだろう。ローマ法王庁は地下教会の信者を売り渡した。とても絶望している」「信仰に対する裏切りだ」と答えています。 ◆バチカンは営利団体になってはならない さらに陳日君枢機卿は「(バチカンに行った中国司教たちは)信仰がなく、外交官だ。外交が成功し、信者をだまして喜んでいる」と言います。 中国共産党にとって宗教・信仰とは単なる外交の手段です。それを分かった上での合意であれば、バチカンも根本は中国共産党とそう変わらないのではないでしょうか。 つまりローマ法王を頂点とする聖職者たちはイエスの声が聞こえない単なる組織の運営者なのだということです。 ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』の中に登場する「大審問官」は、復活したイエスに対し、「もしもお前が本物のイエスであり、現代に復活していたとしても、本物を偽物と称し、その事実を消すために火あぶりにする。そして民衆には一切知らせず、文句なく従える対象にし続ける」との旨を伝えました。 すでに1880年に教会批判として描かれている内容です。 残念ながらバチカンは長い歴史の中で教えも曲がり、現代人を救いきれていません。前述の陳枢機卿は「国家に隷属する教会など、もはやカトリック教会ではない」と言います。 既に信仰の優位は崩れ去っているのです。残念ながらこれが現代のバチカンです。 宗教の理念は国益を超えます。宗教が国家を導く指針となることはあっても、国家運営に利用されてはなりません。 まして信者の信仰心を見捨てる宗教などあっては相ならないのです。もしもそうなり下がっているのであれば、それはもう単なる営利団体なのです。 ◆宗教者の信仰心を護りたい 「われわれはどんな圧力も恐れない。良心を売り渡したりはしない」という陳日君枢機卿の言葉に象徴されるよう、信仰は命よりも重く、弾圧や拷問により捨てさせることはできません。 しかし、それを捨てさせようとするのが中国共産党であります。これは地下教会に限ったことではありません。 チベットでは、チベット仏教への大弾圧、ウイグルでもイスラム教の棄教を目的とした「再教育キャンプ」への収容を大々的に行っているのです。 私たちは宗教政党として、このような状況を黙って見ておくことはできません。 また自由と民主を愛する国民として、信じがたい人権弾圧・宗教弾圧を行う中国共産党を許すことはできません。 日本政府には民主主義国家のリーダーとし、中国における信教の自由の確立と人権擁護の促進実現のため、解決に向けた働きかけを行うことを強く望みます。 そして正しい信仰を持つ人々が、内心の自由・信教の自由を保障され、信仰者が中国において笑顔で生きていける時代を創りたいと心から願います。 【参考】 日経新聞 「バチカンの司教会議 中国人司教が初参加」 2018年10月4日 東京新聞 バチカン 中国合意 香港教区元トップが批判「法王庁は信者を売った」 2018年9月25日 産経ニュース 中国が「地下教会の信者らに『服従』迫るのでは」 香港枢機卿、バチカンとの合意で危惧表明 2018年9月23日… 北海道大停電は人災!?――求められる原子力規制行政の適正化と審査の迅速化【後編】 2018.10.01 幸福実現党 宮城県本部統括支部長 HS政経塾第5期卒塾生 油井哲史(ゆいてつし) ◆原発が必要な理由を改めて考える 政府はエネルギー政策の基本的な方向性を示すためにエネルギー基本計画を策定しています。その中で、個々の電源を国や地域の状況に応じて、適切なバランスを組み合わせ、エネルギーミックスの確実な実現へ向けた取り組みを強化していくことを示しています。 2030年に実現を目指すエネルギーミックス水準として、原発の電源構成比率は、20~22%。安全最優先の再稼働や使用済燃料対策など必要な対応を着実に進めると宣言しています。 改めて、原発を推進すべき理由を3つにまとめました。 一つ目に、原発停止により火力発電所がフル稼働しており、これに伴う震災後の燃料費増加の累計は15.5兆円に達しています。燃料費が増加すれば電気料金に跳ね返り、家計負担の増加、企業のコスト競争力が低下。国富の流出は避けられません。安価で安定的な電力供給のためには原発は必要です。 二つ目に、今回のブラックアウトの教訓として、再生可能エネルギーでは出力が不安定であり、電力に必要な需給バランスをとるのが困難であるとわかりました。太陽光や風力発電の変動を補うための火力発電などの安定電源が必要で、再生可能エネルギーのみではベースロード電源にはなり得ません。また、昨今の自然災害で、太陽光や風力の発電施設で被害が続出していることもあり、再生可能エネルギー依存には警戒すべきです。 三つ目に、日本は化石燃料の大部分を中東からの輸入に頼っています。世界第4位のエネルギー消費国である日本のエネルギー自給率は、先進国の中でも極めて低く、8%しかありません。国際情勢によって原油や天然ガスの価格や供給も左右されます。もし、中東有事となれば、価格は高騰し、輸入が途絶えるリスクもあり、火力発電に依存しすぎると、エネルギー供給自体が危うくなります。原子力はエネルギー安全保障の要です。 イギリスを代表する政治家チャーチルもエネルギー安全保障の要諦は「多様性が安全を確保する」と述べており、エネルギーの多様性を強調しています。安定的な国民生活と経済活動を維持していくうえで、持続可能なエネルギー供給を確保するために、しっかりと原発を選択肢に入れるべきです。 ◆大地震にも耐えてきた日本の原発 これまで世界最高水準を誇る日本の原発は大地震にも耐えて抜いてきました。 東日本大震災では、震源地に最も近い女川原発は震度6弱の揺れにも安全に自動停止し、13mの津波にも耐えました。さらに、発電所へ避難者を最大で364名を受け入れています。IAEAの現地調査でも「女川原子力発電所は、震源からの距離、地震動の大きさ、継続時間などの厳しい状況下にあったが驚くほど損傷を受けていない」と評価しています。また、2009年の静岡県を中心に発生した駿河湾地震において震度6弱だった浜岡原発も安全に自動停止しています。 そもそも、福島第一原発は震度6強の揺れにも耐えて、自動停止していました。しかし、津波で発電機が故障し、電力を原子炉に供給できなくなった結果、原子炉の冷却機能が働かなくなり、事故につながってしまった。 福島原発は、もともと高さ35mの高台に設置する予定でしたが、最終的に25mも削り、10mの高さに設置されました。もし、35mの高台であれば、津波の影響もなく、事故も起こらなかったでしょう。 ◆原子力規制委員会は審査の迅速化を! 原子力規制委員会の審査の長期化は電力の安定供給を阻害し、莫大な経済損失を招く恐れがあります。道民の生活や経済活動を守り、少しでも停電のリスクを下げるために、泊発電所の再稼働を求めます。そのため、幸福実現党は原子力規制委員会に適正化並びに審査の迅速化を求める要望書を提出しました。 【政務調査会】原子力規制委員会宛てに「原子力規制行政の適正化及び新規制基準適合性に係る審査の迅速化を求める要望書」を提出 https://info.hr-party.jp/2018/7199/ 原子力規制委員会は、大局観をもって国家の根幹にかかわるエネルギー問題を担っていかねばなりません。原発の最高水準の安全を求めながらも、どこに合理的な着地点を求めるかという姿勢が必要です。安価で安定的な電力供給を確保し、日本の経済成長とエネルギー安全保障を支える立脚点に立った適切な規制行政を求めるものです。 (完) 【参考】 奈良林直 「全道停電は泊発電の停止も一因」 2018年9月12日 国家基本問題研究所 遠田晋次 「「地震活動と地震動の予測」-研究の最前線と今後の展開-」 損害保険料率算出機構 2010年3月 資源エネルギー庁 「火力発電に係る昨今の現状」 2017年10月10日 資源エネルギー庁 「新しくなった「エネルギー基本計画」、2050年に向けたエネルギー政策とは?」 2018年7月3日 東北電力株式会社 「女川原子力発電所の概要および東日本大震災時の対応状況」 2014年11月11日 産経新聞 「【原発最前線】とっくに再稼働していたはず… 審査難航の北海道電力泊原発、通称は「最後のP」」 2018年9月26日 産経新聞 「【原発最前線】火山層否定の火山灰が見つからない! 再稼働へ苦難続く北海道・泊原発」 2017年12月12日 日本経済新聞 「活断層地震の確率、九州は30年内に30~42% 政務が評価」 2013年2月1日 The Liberty Web 「福島原発事故、「国と東電に責任あり」の判決 政府は「原発は安全」と宣言すべき」 2017年3月18日 The Liberty 「次は富士山!?なぜ地震・噴火が続くのか?天変地異は神々の警告」 2015年8月号 幸福実現NEWS 51号 「「原発即ゼロ」は無責任 幸福実現党は、未来を見据え原発推進」 2013年12月7日 北海道大停電は人災!?――求められる原子力規制行政の適正化と審査の迅速化【前編】 2018.09.29 北海道大停電は人災!?――求められる原子力規制行政の適正化と審査の迅速化【前編】 幸福実現党 宮城県本部統括支部長 HS政経塾第5期卒塾生 油井哲史(ゆいてつし) ◆史上初のブラックアウト 北海道を襲った最大震度7の地震によって、ほぼ全域で停電となる史上初のブラックアウトが発生し、住民生活や物流、北海道の経済に深刻な影響を与えました。 停電の室内で発電機を使用していた2人が一酸化中毒で死亡。札幌市内の病院に入院していた0歳の女の子が停電のため、酸素呼吸器が止まり、重症となりました。電気によって、人命が失われ、生命や生活が危機にさらされたことは、非常に残念です。 ◆脱原発のリスクが表面化した 今回のブラックアウトの原因は、電力供給を苫東厚真火力発電所に一極集中していたことによります。地震発生当時、北海道の全電力需要の半分を発電していた苫東厚真発電所が停止したことにより、他の発電所も発電機の故障を防ぐために、次々に自動停止していきました。 「現在も運転休止状態に置かれている泊原発が稼働していたならば、こうした事態は避けられた可能性が大きい。」と東京工業大学の奈良林直教授は指摘し、今回のブラックアウトは泊原発の停止も一因であるとしています。 国民生活や産業、雇用を守るために、安定的な電力供給が不可欠ですが、国家の根幹にかかわるエネルギー問題を放置してきた結果が表面化してしまいました。 ◆泊原発再稼働に立ちはだかる原子力規制委員会 北海道の電力が苫東厚真火力発電所に依存度を高めていたのは、原子力規制委員会による泊原発の安全審査があまりにも長引き、再稼働に向けた安全審査が5年を過ぎても、いまだに続いているからです。 新規制基準では、12~13万年前以降に動いた可能性が否定できない断層を活断層と定義し、原発の重要施設の直下にあれば運転は認められず、近くにあっても新たな耐震補強工事が求められます。 当初、安全審査の最大のハードルである耐震設計の目安「基準値震動」がおおむね了承されており、審査は比較的順調に進んでいました。しかしながら、28年7月に規制委員会が行った現地調査で、「聞いていた説明と若干一致しない事実がいくつかある」として新たな調査の必要性を主張しました。規制委員会は、積丹半島西岸に地震性隆起の特徴がみられるとし、一転して活断層が存在する可能性を指摘。北海道電力は活断層を否定する調査結果を示したものの、規制委員会はそれを受け入れず、沖合に活断層があると仮定して地震動を算出する方針に転換しました。これにより順調に推移していた審査にブレーキがかかりました。 また、審査を送らせているのは、北海道電力が活断層を否定する根拠にしていた火山灰が建設時にほとんど取り去っていたため、活断層でないことの立証として、それを示せない事態になったことも影響しました。 火山灰以外で立証が求められた北海道電力は試行錯誤をくり返し、2018年8月末の規制委員会の審査会合で、ようやく評価されました。再度の現地視察を要望し、再稼働に向けた審査が動き出そうとしていた矢先に、北海道でブラックアウトが起きてしまいました。 規制委員会の更田委員長は、地震発生後の9月12日の定例会見で、「今回の地震を受けて、泊発電所の許可を急がなければならないとは毛頭考えていない」と述べています。 原子力規制委員会における審査の現場では朝令暮改や約10万ページにも上るとも言われる過剰な書類のやり取りによって、審査の流れが非常に遅いことが指摘されています。これが苫東厚真火力発電に道内の電力供給の過半が集中する状況をつくり、ブラックアウトを招いたことにもつながっています。この状況を見定めて、しっかりと反省したうえで効率的で効果のある合理的な審査体制を求めます。 ◆活断層探しの審議は議論のための議論 「活断層の存在を否定できない」という規制委員会は、北海道電力に「活断層がないことを証明してみよ」と迫っています。規制委員会は規制権限を盾に事業者に強いており、事業者はその対応に苦慮し、多大な労力と時間を費やすことで過重な負担がかかっています。 実際、地震発生のメカニズムは依然として謎のところが多いと東北大学の遠田晋次教授は指摘しています。「実際、まるで何かに見透かされているかのように、地震の発生を予測している地域や、過去地震が集中的に発生した地域以外で、地震が起きることは珍しくありません。例えば、東海地震の可能性が言われていた時期に、ノーマークだった阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)が起きました。また、東日本大震災も想定を超える大きさでした。」と未知の部分が多い自然現象について、人間は謙虚に向き合うべきだと思うと促しています。 九州大学の松本聡准教授は「地表に現れない活断層の評価や発生確率の算出など、すべての仮定が必ずしも正しいかはわからない。知見を総動員しても地震は予知できない」といいます。 2005年の福岡沖地震や07年の新潟県中越沖地震など、ここ10年間の内陸被害地震は主要活断層から離れた比較的確率の低い地域に続発しており、ほとんどが地表に地震断層(地震によって地表に出現した断層)を残していません。 今回、規制委員会は12~13年前以降の活動を否定する証拠を求め、その有無について、時間と労力を費やしていますが、将来の断層などの活動可能性を予測することは科学的根拠に乏しく、地震の発生などの相関も必ずしも説明できてはいません。この議論の内容は、技術専門家による議論のための議論となってしまい、国民生活や経済活動を支えるエネルギー分野において、国家としての大局観を欠いているといわざるを得ません。 (つづく) 「私たちの命や暮らしを支える」原発の大切さ――北海道大停電から学ぶエネルギーのあり方 2018.09.26 「私たちの命や暮らしを支える」原発の大切さ――北海道大停電から学ぶエネルギーのあり方 幸福実現党 東京都本部江東地区代表 HS政経塾第5期卒塾生 おもてなつこ ◆北海道地震に伴う大停電 9月6日の「平成30年北海道胆振東部地震」で、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 また、現地の皆様や、復旧に尽力しておられるすべての方の安全をお祈り申し上げます。 今回のテーマは、地震当日に起きた北海道の大停電についてです。 地震の影響で道内全域が一時停電(ブラックアウト)する、日本初の由々しき事態となりました。 なぜこのようなことが起きたのでしょうか? 原発を止めて火力発電のみに頼っていたことが、大きな理由です。 ◆今回の停電の仕組み 今回の停電の仕組みを説明します。 道内全域の電力需要量(約310万キロワット)のうち、約半分を担っていた苫東厚真火力発電所の近くで、震度7の地震が発生。揺れを検知し同発電所は緊急停止。北海道全体で電気の供給能力は半分になりました。 地震に遭われた住民の方々は、照明やテレビをつけ地震情報を確認しようとし、普段よりも電力需要が増しました。 電気は、需要に対して同じ量を同時に発電しなくては、送電することができません。 半減した供給能力では、増加した需要の負荷に耐えられず、ブラックアウトを起こしてしまったのです。 一方、苫東厚真火力発電所より供給量の大きい、北海道の泊原子力発電所(現在停止中)は、強固な岩盤に直付けされた、耐震性の強固なつくりです。(原子力発電所には、一般の建築物より厳しい耐震性が課せられています。) 「今回の地震では泊原発も外部電源を失った」と報じたメディアもありますが、外部電源が途絶えたのはブラックアウトによるものです。それも、すぐに非常用電源が立ち上がっており、安全性に問題はありませんでした。(※1) 東日本大震災後、国内の原子力発電所は、そのほとんどが運転を停止していますが、泊原発が稼働していれば、苫東厚真の火力発電所が停止しても、原発の出力で補えていた可能性が高いのです。(※2) ◆必要な視点「エネルギーミックス」と「バックアップ電源」 電力は、社会の基盤中の基盤です。 様々な発電方法やバックアップの発電所で、供給が滞らないよう調整されています。 たとえば太陽光などの再生可能エネルギーは、季節や天候によって発電量が左右され、需要に対する供給の調整ができないので、バックアップとして、出力調整が可能な火力発電所などが準備されなくてはなりません。(※3) これまでは、出力の大きい原発が稼働し、もし原発が止まった場合にも、古くなって引退した火力発電所などがすぐさま稼働して不足分を補う、という形になっていました。 「3.11以降、全国のほとんどの原発が停止した後は、上記の『非常時の体制』がずっと続いていた」と言えるでしょう。 ◆原発がない体制の危険性は、ずっと指摘されていた 反原発の根拠として、「原子力発電なしでも電気は足りているではないか」という主張があります。 それに対して、心ある電力関係者各位は、次のように訴えてきました。 「それは、本来バックアップだった電源が代わりに稼働しているからだ。もし電力需要が増えれば、出力が足りなくなる危険性がある。供給能力には常に余分なゆとりが必要なのだ。『原発なしでも電気は足りる』と、安易に考えるのは危険だ。」(※4) 彼らが訴えていたことの意味が、今回のブラックアウトで理解できたのではないでしょうか。 ◆原発のデメリットを克服する様々な施策 原発反対の方からは、原子力廃棄物の処理を問題視する声もありますが、廃棄の技術は年々向上しています。 ロシアなどでは、廃棄物の有害度を下げる期間が100万年から300年と、1/330に短縮され、廃棄物量も1/7に減る「高速炉」の研究が進められています。(※5) また、万一の事故時でも放射能漏れを防ぐ「フィルタベント」の開発も進められています。 原子力エネルギーは密度が高く、原子炉に燃料を入れたら4~5年程度は発電し続けますし、大量の電気を作れます。 エネルギーを作り出す資源が極端に少ない日本(エネルギー自給率4%)にとっては、ありがたい存在なのです。 関係者の方々は、原子力にもデメリットがあることを認め、それでも日本にこの能力が必要だと考えるからこそ、技術を向上させデメリットの縮小に努めています。 「地震を起こす活断層が近くにないことを証明せよ」と、電力会社に無理難題を求める原子力規制委員会や、「原発の放射能で人の命を危険にさらすな」と反原発を訴える方々は、「原発が動いていないことで、生命や生活を危険にさらされる人がいること」に対し、責任を持つべきです。 幸福実現党は、適正に安全性の確認された原子力発電所の再稼働は、我が国の人々が幸福に暮らしていくために必要だと、これからも訴えてまいります。 【幸福実現党】 ・平成30年北海道胆振東部地震 被災者支援募金開始のお知らせ https://info.hr-party.jp/2018/7132/ ・幸福実現党政務調査会エネルギー部会 原子力規制員会に「原子力規制行政の適正化を求める要望書」を提出 https://info.hr-party.jp/2018/7189/ ※1 奈良林直(東京工業大学特任教授)2018.9.12「全道停電は泊原発の停止も一因」 国家基本問題研究所. https://jinf.jp/feedback/archives/23439 ※2澤田哲生2018.09.07「北海道地震、未曽有の大停電は菅直人にも責任がある」 IRONNA. https://ironna.jp/article/10652?p=1 ※3 日本のエネルギー‐2017年度版‐ 経済産業省・資源エネルギー庁 http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf ※4 澤昭裕(2012)『知らないではすまされない、エネルギーの話』WAC. ※5… 「日露平和条約の早期締結を求める」(党声明) 2018.09.25 https://info.hr-party.jp/press-release/2018/7272/ 本日は、幸福実現党より下記の声明を発信したしましたのでお送りいたします。 ■「日露平和条約の早期締結を求める」(党声明) 今月12日、日露平和条約を巡って、ロシアのプーチン大統領が安倍晋三首相に、無条件での年内締結を提案しました。北方四島の帰属問題の解決が前提というのが日本政府の立場ですが、わが党は最近の中国の覇権的外交姿勢に鑑み、年内の日露平和条約の締結を強く求めるものです。 もとより、北方四島はわが国固有の領土であり、領土交渉の進展を図るべきは言うまでもありません。しかしながら、一帯一路構想など、中国が新たな国際秩序形成を進めるなか、日本として米国との絆を強固にするとともに、安保・経済両面で、ロシアをはじめ関係国との連携を強めることで、中国の野心を挫くべきだというのが、わが党の考えです。 地域の安全保障上、最大の不安定要因である中国を牽制するには、日露関係の強化が不可欠です。そのため、領土問題をいったん棚上げしてでも、まずは平和条約を締結し、その後、領土返還を目指すべきだと考えます。対ロシア制裁はロシアの中国傾斜を促すだけであり、一層の中露接近を招けば、日本を危機に陥れる事態を引き起こしかねないことにも注意を払うべきです。 また、対外膨張を強める中国は台湾の併合を目論んでいるとみられますが、中国による台湾併合は台湾に自由の危機をもたらすばかりか、日本の安全保障にも直結します。そこで、日台関係を強化するとともに、日本として台湾防衛に関与するよう求めます。 加えて、日本の外交・安全保障上の課題としては、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題がありますが、わが国および地域の安全の確保のため、北朝鮮の非核化に最優先で取り組むべきです。懸案の拉致問題に関しては、米国と連携しつつ、北朝鮮の「開国」を進める過程で、その全面解決を図るべきと考えるものです。 中国が軍事的覇権を強めるなかにあって、国家国民を守り抜くべく、わが党は一貫して国防強化の必要性を訴えてきました。日米同盟を強化しつつ、「自分の国は自分で守る」体制構築を急ぐべきというのが、わが党の安全保障政策の基本方針であり、政府及び国会に対しては、憲法9条改正をはじめ、防衛力強化に向け、装備の増強、防衛費の大幅増額などに踏み切るよう要請します。 日本を地域の平和構築に貢献し、自由や民主、信仰といった価値が広く守られる世界実現に寄与する国家とすべく、わが党は力を尽くしてまいる決意です。 平成30年9月24日 幸福実現党 いつまで私たちの血税を垂れ流すんですか?――遺棄化学兵器廃棄事業の闇 2018.09.18 いつまで私たちの血税を垂れ流すんですか?――遺棄化学兵器廃棄事業の闇 HS政経塾 第7期生 高橋 侑希(たかはし ゆき) ◆「遺棄化学兵器廃棄事業」とは 遺棄化学兵器廃棄事業という言葉をご存じでしょうか。 これは、旧日本軍が敗戦時に中国に「遺棄」したとされる化学兵器を、国費を用いて廃棄・回収する事業です。その数は200万発以上(日本政府は30万~40万発と推定)とされています。 当初取り決められていた廃棄期限は2007年でしたが、2018年現在でもこの事業は行われています。昨年は約360億円拠出されました。2000年から始まった「巨大事業」は現在3600億円を越え、全て執行されれば3兆円規模になることが懸念されています。(※1) しかし、旧日本軍が化学兵器を「遺棄」した事実はない―という衝撃の真実があります。また、日本が廃棄する義務もないのです。 ◆遺棄化学兵器廃棄事業の経緯 日本が廃棄の義務を負ったとされるのは、1997年に発行された化学兵器禁止条約と、それに伴い1999年に締結された日中間の「覚書」によってです。 化学兵器禁止条約は、「サリンなどの化学兵器の開発、生産、保有などを包括的に禁止し、(中略)化学兵器を一定期間内(原則として10年以内)に全廃することを定めたものです。 もともと「自国が所有し若しくは占有する化学兵器」の廃棄を義務づけたものでしたが、中国がこだわって「他の締約国の領域内に遺棄した化学兵器」の廃棄義務が条文に盛り込まれました。 これにより、日本は、同条約に基づき中国の遺棄化学兵器を廃棄する義務を負うことになったのです。 また、99年の「日中覚書」の第一項で、中国国内に大量の旧日本軍の遺棄化学兵器が存在していることを確認したとしています。日本は検証することなく中国の要求を丸呑みし、終わりのない地獄がはじまったのです。 これと、さらに後押ししたのが河野洋平・外務大臣と村山富市・首相(いずれも当時)の国会答弁(※2)で、現政権は今なおその方針を踏襲し続けています。 ◆この事業の問題点 まず、中国は日本に対する日中共同声明で「戦争賠償」を放棄しています。(昭和47年日中共同声明「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」。) 賠償の放棄とは、戦争に関わる被害に対して一切の請求権を放棄するということです。 たとえば日本はサンフランシスコ条約において請求権を放棄しているので、不発弾を発見したらその都度日本の責任において処理しています。 中国は自らの宣言を放棄し、日本に請求しているのです。本来ならば中国が責任を持って取り組む問題なのです。 次に、武装解除・旧日本軍の兵器の引き渡しが行われた詳細が約600冊の引き継ぎ書と関連文書で残っています。 武装解除されるとは、化学兵器の所有権は日本ではなく中国(あるいはソ連)に移ったということです。つまり、決して「遺棄」したものではないのです。 そして、旧日本軍が「遺棄」していない化学兵器にまで国費が垂れ流されています。2000年に黒竜江省で5万発を回収、3.7万発が処理されていますが、その9割は発煙筒や通常砲弾の類で、有害兵器ではないものでした。 また、日中合同で発掘回収した「遺棄化学兵器」は、2006年7月10日までに695発を発掘・回収しましたが、そのうち496発は日本以外の国の兵器でした。それを日本が指摘すると、中国は直後の発掘・回収を中国側だけですることに方針転換したのです。その結果、699発中697発が旧日本軍製だったといいます。 ◆今後日本のあるべき対応 約600冊の「旧日本軍兵器引継書」には、すべての兵器は中国に引き継がれたことを弾薬、発煙筒など事細かに記載されています。 なかには、電気スタンドやケント紙1枚まで記されているものもあり、旧日本軍の律義さが窺えます。そしてすべての引継書には日付、場所、授者と受者の署名がされています。 2000年から始まった「遺棄化学兵器廃棄事業」は、中国側に対して、「遺棄ではない」と主張できるだけの状況証拠はあったにも関わらず、中国の言いなりになってしまったのです。 年300億円以上国費を投じていますが、中国側の要請により内訳の詳細は非公表だといいます。 国民の大切な血税を、このような不透明な事業にいつまでも投じ続ける日本であってはなりません。 日本が化学兵器を遺棄したのか検証し、その事実がないなら「遺棄化学兵器廃棄事業」は中止すべきです。 ※1内閣府「遺棄化学兵器処理事業に関する有識者会議」 http://wwwa.cao.go.jp/acw/kaigi.html ※2「(化学兵器が)旧軍のものであるということがはっきりすれば、当然わが国がそれを処理する義務、責任があるというふうに思います」(河野答弁=95年4月11日) 「遺棄した方の国にその処理の責任がある(中略)の誠実に実行しなきゃならぬということは当然であります」(村山答弁=95年12月28日) 【参考書籍】水間政憲(2010)「いまこそ日本人が知っておくべき「領土問題」の真実」PHP研究所 日本政策研究センター(2006)「遺棄化学兵器問題 化学兵器は誰が「遺棄」したのか」「遺棄化学兵器問題 これが果たして「遺棄」なのか」 すべてを表示する « Previous 1 … 58 59 60 61 62 … 252 Next »