Home/ 経済 経済 「地方創生」をただの選挙対策で終わらせないために 2014.09.06 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆安倍政権が発信する「地方創生」は選挙対策か? 「政権の最大の課題は豊かで明るい地方をつくることだ。大切なのは現場主義で霞が関の常識を忘れて、地域にどんどん出てほしい」 安倍首相は5日、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」の看板掛けに立ち会い、このように職員たちに訓示し、地方創生相に就任した石破氏も「日本の消滅という事態を避けるための処方箋を出さないとこの国はなくなる」と危機感を露わにしました。 各省から出ている予算案を見ても、地域経済を支える企業の支援、地方部でのベンチャー企業の育成や若者の就職支援など、「地方の活性化」を現政権として最重要課題の一つとして取り組んでいく姿勢が見て取れます。 しかし一方で、来年春に全国で行われる統一地方選を見据えた「選挙対策」ではないかという声も根強く、「地方の味方であり、地域のことを誰よりも理解している。(高橋はるみ北海道知事)」と地方で大人気の石破元幹事長の地方創生相起用もその疑念をより一層強くさせます。 地方の活性化が日本を明るくすることは間違いありませんが、同時に地方部の過疎という問題は、今始まったことではなく、数十年といった長いスパンで継続しているトレンドであるということをまず受け止めることです。 その上で、メッセージ先行型や予算バラマキ型ではなく、長期的視点に立った実効性のある政策にじっくりととりくんでいく姿勢が必要であります。 ◆地方創生のためには「移民政策」から目を背けてはいけない 地方創生という視点に立って、行うべき必要な政策は多岐に渡りますが、最も重要だと考える2つに絞って述べると、まずは「人口自体を維持し、増やしていく」という視点が重要だということです。 いまの出生率1.4%前後では、2060年に日本の人口は現在の3分の2にあたる8700万人にまで減少し、2040年には私が住んでいる東北地方を筆頭に、全国で896の地方自治体が消滅すると言われています。(東北では青森35、岩手27、秋田24、山形28、宮城23の合計137が消滅) これに対し、政権側では「2060年に人口1億人維持」という目標を掲げていますが、そのためにはここ十数年で出生率が2%以上にまで回復しなければならず、今までの政策の実効性から見ると考え難い数値だと言えます。 こうした点から、地方創生のみならず、日本の未来を守っていくためにも、真剣に「移民導入」を検討すべき時期に来ていると考えますが、現政権の支持基盤である保守層からも「移民政策」への嫌悪感が根強いために腰が引けている状態でしょう。 確かに、今のシリア・イラクで勢力拡張を続ける「イスラム国」の中に、ヨーロッパで育ったイスラム教徒たちが多数参加しているという事実や、社会に溶け込めない移民が犯罪を犯しているという事例がヨーロッパでは多数あり、「移民は怖い」という先入観があることは否めません。 しかし逆を返せば、移民たちが社会に溶け込めない要因は「言葉や文化」と「仕事」の問題が大半であり、これらに対する教育支援を徹底して行っていくことで解決は可能であると考えるべきです。 指を咥えながら日本の人口崩壊をただ見届けるだけでなく、彼ら外国人たちが我々日本人と共に、先人たちから受け継がれた伝統や文化、言葉などをそれぞれの地域で「守り保ってくれる」パートナーになってもらう未来図を信じ、努力を行うことで、地方創生は動き始めていくと考えます。 ◆地方創生と消費増税はまさに「水と油」の関係 また、野党からは「消費増税内閣」と揶揄されているそうですが、もう一つの重要な点は、「地方創生と消費増税は全く両立しない」という点です。 それは消費税には、低所得者ほど負担比率が高くなる「逆進性」という特質があることから明らかです。 2012年の都道府県別の年収を見ると、1位の東京(582万円)と下位の沖縄、東北各県(350万円前後)のように、個人所得で200万以上もの開きがあります。 消費税が10%に更に上がるとなると、逆進性という性質上、まるで指先やつま先から冷えが始まっていくように、「地方創生」という掛け声むなしく、所得が低い地域から景気の冷え込みが始まっていくはずです。 このように国家の観点から、真に「地方創生」を成し遂げる前提条件として、今の政権が踏み込めずにいる「移民政策」と「消費増税の撤廃」に解がある気がしてなりません。 ◆地方創生にとって必要なマインドとは 最後に、地方創生にとって最も重要なことは、何より各地方自治体の自助努力でありましょう。 ケネディ大統領が就任演説で述べた「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何が出来るかを考えよ」という言葉こそ、地方側が持つべき必要なマインドなのではないでしょうか。 今の人口動態が続いていくならば、残念ながら限界集落化する自治体は後を絶たないでしょう。 しかしながら、自助努力の精神をしっかりと持った市民がおり、新しい価値を生み出そうとする若い起業家たちを惹きつけ、違った価値観を持つ外国人たちを受け入れる寛容さを持った自治体は、その個性を最大限に開花させ、未来を切り拓いていくはずです。 そうした面白い自治体が全国で名乗りを挙げ、百花繚乱の地方創生が成し遂げられていくことを心待ちにしたいと思います。 ※お知らせ Factで中東問題を扱う番組が始まりました。是非ともご覧下さい! 改造内閣も消費税増税内閣となるか 2014.09.04 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆改造内閣と自民党役員人事 9月3日、安倍晋三首相は新しい内閣の閣僚を発表しました。 女性閣僚が歴代最多の5人であったことや、経済産業大臣に歴代最年少の小渕優子氏の入閣が大きく報じられています。 また、自民党役員人事の発表も同日に行われ、谷垣禎一氏が幹事長に就任したことで、安部首相と政策的に距離のある勢力を取り込んだ形になったといわれています。 一説には、今回の内閣改造、役員人事は消費税を増税するために自民党内をかためる目的があって行われたという指摘もあります。 ◆8%への増税を決めたGDP速報値 前回の消費税増税では、都合のいいタイミングで、都合のいいGDP速報値が発表されました。 5%から8%の消費税増税の際は、安部首相は7‐9月期のGDPが2%増加に届かなかった場合には増税を見直すという発言もありましたが、1.9%という速報値が出たために、増税が確定しました。 しかし、その後確定値発表され、GDP成長率は実際にはたったの1.1%だったことが明らかになりました。目標の2%にまったく届かない数値です。 2%という目標を本気で気にかけていたのであれば、確定値が発表された12月にでも、増税をストップしていたはずです。 ◆増税の影響が現れた-6.8%の経済成長率 先月8月には、4‐7月期のGDP成長率が発表され、年率換算で-6.8%という衝撃的な数値が発表されました。 主な原因は家電製品や自動車、パソコンなどの耐久品や住宅の販売が大幅に減少したためで、予想通り消費税増税の影響が如実に出ています。 内閣官房参与である本田悦朗静岡県立大学教授は、景気後退は想定以上だとして、消費税増税は1年半先送りするべきだと主張しています。 参考:内閣参与「消費税10%は、1年半先送りを」http://toyokeizai.net/articles/-/46850 ◆政府支出でも調整できるGDP成長率 GDPは個人が使ったお金、企業が使ったお金、政府が使ったお金、さらに輸出から輸入を引いたお金の合計です。ですから、個人や企業が使ったお金が減っても、それ以上に政府がお金を使えばGDPは増えます。 4-7月期のGDPは個人と企業が使ったお金は減りましたが、政府が使ったお金は増えました。にもかかわらず、-6.8%という数値が出たのは、それだけ個人と企業の消費が冷え込んだからです。 先ほど、2013年にGDP速報値が実際よりも大きく出たことで、増税が確定したという話をしましたが、政府はその気になれば、「景気対策」と銘打って使うお金を増やしGDPを強引に増やすこともできるのです。 ◆景気対策は潜在的に民間需要のある範囲にとどめるべき すでに、消費税増税の景気後退を打ち消すために、大規模な景気対策をすべきであるという意見が出ています。 しかし、政府支出を増やし、GDP成長率を大きくし、消費税を増税して景気を悪化させるのであれば、本末転倒です。 さらに、企業の側からすると新しい顧客を獲得しながら、固定客を作っていくことが事業を継続するために必要であり、継続的な契約につながらない政府の景気対策は、事業の継続性という観点から考えると理想的ではありません。 実際、小泉内閣で公共事業を削ったために、建設業界、土木業界は現在人手不足に陥っています。だからといって、恒常的に政府がお金を出すようになれば、補助金漬けとなり、業界の競争力は落ち、財政の負担は増していきます。 景気対策は、景気後退で一時的に需要が落ち込んでいる分野にとどめるべきであり、景気が回復しても民間需要が戻ってこないようなボリュームを大きく超えて行うべきではありません。 ◆経済成長は民需主導で実現すべき 経済成長の目的は国民一人ひとりが豊かになることであり、経済成長そのものが目的ではありません。国家の財政は補助的なものであり、主役はあくまでも民間です。 せっかく民間主導の景気回復が実現しつつあったものを、消費税増税でつぶしてしまったことの影響はこれからさらに明らかになるでしょう。 景気対策で政府支出を増やし、高いGDP速報値を発表することで景気回復を演出し、消費税を10%にするという茶番だけは絶対にやめるべきです。 「自立した農業」実現へ――北海道・浜中町『高品質牛乳』の成功 2014.09.01 文/HS政経塾4期生・鹿児島県本部 副代表 松澤 力 ◆年末にかけ「農協改革の攻防激化」 政府は、年内に具体的な農協改革案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針となっています。 今回の農協改革の大きな狙いの一つとして、一律的な経営指導に批判の多いJA全中の影響力を弱め、全国約700の地域農協の創意工夫が引き出されることが期待されています。 ただ、JA全中の万歳会長は、政府の抜本的な農協改革の動きに対して、「改革案はJA自らが決めたい」と自己改革を訴えています。 先日、万歳会長が行った記者会見の中でも、「自己改革はスピード感を徹底した議論を進めていくとともに、国民のみなさまにご理解いただけるよう検討していく」と改めて強調しました。(8/8 SankeiBiz) 今後、あくまでも自己改革を目指すJA全中と、JA全中を頂点とする中央会制度の「廃止」も含めて検討する抜本改革を目指す安倍政権との攻防が、年末かけて激化していく可能性が高まっています。 ◆ハーゲンダッツも認めた「浜中町の高品質牛乳」 日本農業が再生するための一つのカギとなる、地域農協と農業者の方々の創意工夫によって「自立した農業」を実現しているのが、北海道の酪農の町『浜中町』です。 JA浜中は、酪農専門の農業地帯にある農協で、生産組合員戸数は184戸と小規模ながら、年間生産額が約100億円という高い生産性を実現しています。 浜中町の酪農によって生産されている牛乳は、乳脂肪分が4.0と高く、一般のスーパーでは手に入らない高級牛乳です。実は「乳脂肪分4.0」という濃厚牛乳を、一年通じて生産できているのは、現在 日本で浜中町だけです。 全国で生産されている牛乳の中でも、特に品質が高いとして、あの高級アイスクリームを製造するハーゲンダッツも、1984年に日本進出して以来30年間、浜中町の牛乳をアイスクリームの原料としています。 現在、JA浜中の成功に学ぼうと、多くの地域農協・農業関係者が浜中町へ視察に訪れています。また先日は、テレビ番組「カンブリア宮殿(テレビ東京)」で特集されるなど、その取り組みには大きな注目が集まっています。 ◆奇跡を起こした「トップの信念」 これまでの浜中町 酪農の成功には欠かせない人物がいます。それが、浜中町農協の石橋組合長です。 全国トップクラスの高品質牛乳を支えているのが、30年以上も前から全国に先駆けて浜中町農協が造った「酪農技術センター」です。 酪農技術センターでは、2日に1回、浜中町の各牧場が生産する牛乳の成分や雑菌のチェックを行うほか、牧草の栄養や土壌の状態まで全てをデータ分析し、その結果を酪農に活用することで、牛乳の品質を徹底的に高めてきました。石橋組合長は、この技術センター建設を主導してきました。 ただ、今でこそ高品質牛乳の生産に欠かせない「酪農技術センター」も、建設当時は行政や農協上部組織が猛反対。反対理由は「農協がやる仕事ではない」というものでした。 しかし、石橋組合長には、農協の使命は「組合員である農家のサポートだ!」という信念があり、分析機械代だけで約2億7千万円の費用を投じ、酪農技術センター建設に踏み切りました。この決断が、現在の浜中町 酪農の成功の大きな礎となりました。 その後も、石橋組合長は、安い消毒液を海外から直接輸入することや1年中休みのない酪農家が休みを取れるようヘルパー制度の導入、新規就農者が3年で一人前の酪農家となれるように支援・指導する「就農者研修牧場」の設立など、行政や農協上部組織の反対を受けながらも、「組合員のため」と信じて様々な酪農改革を進めてきました。 様々な改革の結果、農家の後継者問題では、「後継者がいる」農家は全国で4割といわれる中、浜中町では7割に上る農家で後継者を確保しています。また、全国で年々増えている「耕作放棄地」も浜中町には存在せず、約15,000ヘクタールもの広大な農地が有効活用されています。 石橋組合長の信念と浜中町 酪農家の方々の絶え間の無い努力の積み重ねによって、浜中町では奇跡の酪農が実現しました。 ◆地域で「創意工夫」できる農協改革を! 農業は地域ごとに事情が異なり、全国一律の政策は取りづらいのが現実です。浜中町の成功事例からも、日本農業復活のカギは、各地域の事情に合わせたやる気ある農業者・地域農協の方々の主体的な「創意工夫」にあると思います。 その大きな一歩として、一律的な経営指導に批判の多いJA全中の影響力を弱め、全国約700の地域農協の創意工夫が引き出されることを目指す農協改革は非常に重要だと考えます。 補助金に頼る農業を終わらせ、各地域の新たな取り組みによる「自立した農業」を実現していくため、農業者・地域農協の方々の自由な発想を発揮できる制度が強く求められます。 消費税10%への増税はあり得ない選択 2014.08.24 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆1997年を超えた個人消費の落ち込み 今年4月から6月までのGDP=国内総生産が、前年の4月から6月と比べ、実質年率に換算してマイナス6.8%と大幅に落ち込んだことが内閣府より公表されました。 内閣府「2014(平成26)年4~6月期四半期別GDP速報」(8/13) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2014/qe142/pdf/gaiyou1421.pdf これは、東日本大震災の影響で年率マイナス6.9%だった2011年の1月から3月のGDP以来最大の落ち込みとなりました。 最大のGDP押し下げ要因は、前期比年率マイナス18.7%となった個人消費の落ち込みです。自動車から住宅まであらゆるモノに対する駆け込み需要の反動から、家計は支出を切り詰めました。(ウォール・ストリート・ジャーナル 8/13) 今回の個人消費の落ち込み年率マイナス18.7%は、消費税3%から5%に増税した1997年の4月から6月までの年率マイナス13.2%と比べても大変大きな落ち込みとなっています。 ◆消費増税の影響は軽微とみていた大マスコミ 今回の内閣府の発表以前の報道は、以下のようなものが主流でした。 「家計の7割が消費増税の影響を軽微と感じていることが、日本経済新聞社の読者モニターへの調査でわかった。増税について『生活への影響はない』『実感はない』とした人が合計43%。『節約で吸収できる』との回答を合わせ68%に達した」(日本経済新聞 「生活に『軽微』7割」6/10) 「主要上場企業の6割が4月の消費増税による業績への影響はない、とみていることが分かった。日本経済新聞社が最高財務責任者(CFO)250人に、収益環境などの見方を聞いた」(日本経済新聞 「消費増税『影響ない』6割」6/12) この一連の日本経済新聞の報道姿勢に対して、経済評論家近藤駿介氏は、自身のブログで以下のように厳しく批判しておられます。 「『消費増税の影響は軽微』『景気は夏以降回復』という根拠の乏しい『大本営発表』を何の検証も無しに提灯を付けて繰り返し報道して来た日本経済新聞。消費税率10%への引上げを判断する12月にも、国民生活への影響を顧みずに同じように『大本営発表』に提灯を付けた報道を繰り返すのか、それとも今回の反省を活かして気概のある主張をするのか、その報道姿勢が大いに注目されるところです。」 ◆消費増税集中点検会合の茶番? 政府は2015年10月に消費税率を予定通り8%から10%に引き上げるかどうかの判断に向け、有識者を集めた点検会合を11月下旬に開く方針です。 4月からの消費増税を決めた際も事前に点検会合を開いて意見を聞いており、今回はほぼ同じメンバーの約60人から聞く予定といいます。(日本経済新聞 8/23) 昨年8月末に開催された消費増税集中点検会合に出席された宍戸駿太郎筑波大名誉教授は、直後に幸福の科学グループ製作のインターネット番組「ザ・ファクト」に出演され、「消費税を10%に増税したら5年後には名目GDPがマイナス5~6%となる」と警告を発されました。 また、同教授は「出席した有識者たちの意見が『増税賛成』に傾いているのは信じられず(7割が賛成派)、結局、政府が都合の良いメンバーを選んだに過ぎず、専門家の総意は反映されていない」と点検会合の在り方に苦言を呈されました。 今回、再び同じメンバーを招集することに関し、前出の近藤氏は、 「少なくとも『消費増税の影響は我々の想定を超えていた』と見苦しい弁解をしている有識者とは言えない人達はメンバーから除外すべき。それが『成果主義』ではないのか。同じ茶番を繰り返してはならない。それともこれが安倍総理の目指す『何度でもチャレンジできる社会』なのか。」 と皮肉たっぷりに単なる政府の提灯持ちであった参加メンバーに反省を求めています。 ◆消費税10%への増税はあり得ない! 幸福実現党は一貫して、「消費増税は景気後退をもたらし、結果、トータルの税収を減らす。」「増税ではなく経済成長による自然税収増を」と訴えてまいりました。 昨年9月には、加藤文康幹事長と黒川白雲政調会長(当時)が内閣府を訪れ「消費増税の中止を求める要請書」を安倍晋三首相宛てに提出しました。 残念ながら、8%への増税は阻止できませんでしたが、10%への増税を行わないために、引き続き活動を展開してまいります。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。 図太い神経と繁栄思考の発想を! 2014.08.21 文/HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆アルゼンチンの今 アルゼンチンといえば、サッカー選手のメッシを思い浮かべるかもしれませんが、最近は、アルゼンチン国債のデフォルトにまつわる報道が多くなされています。 デフォルトとは、債務を返済できなくなることです。アルゼンチンは2001年にデフォルトし、2005年と2010年にデフォルト国債の75%の元本カットと新しい債権への再編を提案し、約90%のデフォルト国債の債権者が応じていました。 しかし、一部には、アルゼンチン政府の提案に応じないアメリカのヘッジファンドを中心とした投資家が、全額返済を求めてアメリカの裁判所にアルゼンチン政府を訴えました。 今年6月に米連邦最高裁が「債務再編された新債券に利払いを行う場合、ホールドアウト債権者(債務の全額返済を求めている債権者)への支払いも行わなければならない」との判断が出ました。 アルゼンチン政府と全額償還を求める債権者との交渉が進まず、猶予期間も含めた期日であった7月30日を過ぎても、(お金はあったが)利払いができなかったため13年ぶりのデフォルトに陥ったという状況です。 「アルゼンチン国債のデフォルトについて」 http://www.mizuho-am.co.jp/report/pdfview/type/report/id/2442 今回のデフォルトは、2001年の財政的な悪化要因ではないことに留意する必要があります。ただ、アルゼンチン政府とホールドアウト債権者との交渉に進展がなければ、アルゼンチン国債の信用はさらに低下するでしょう。 ◆信頼されている日本国債 一方、日本の長期国債の利回りは世界で最も低水準です。 日本の10年国債は0.526%(アメリカは2.435%、イギリスは2.423%、ドイツは0.989%)です(8/21時点)。金利が低いということは、安心だと思われていることを意味します。 こうした状況にもかかわらず、増税派は「財政再建」を消費税引き上げの根拠として挙げています。増税なくして財政再建はできず、日本の国債の信用が損なわれ、金利が上がり、利払い費が予算を圧迫して、必要な分野に予算が組めなくなると警告しています。 しかし、アルゼンチン国債のように二度デフォルトしても、存続している事例を見ると、日本はもっと神経を図太くしていいのではないでしょうか。 日本の長期国債の金利は、EUを牽引しているドイツよりも低いのです。こうした客観的な事実に自信を持って、積極的な経済政策を実行するべきです。 ◆年金積立基金の運用方針の変更の捉え方 130兆円ともいわれる世界最大の年金ファンドが日本にあります。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がその運用を担っています。最近の大きなトピックとして、この巨大なファンドの運用方針として、国内外株式市場への投資を拡大することを発表しています。 簡単にいえば、株式に投資をして運用利回りを高くすることで、年金の積立金を増やし、社会保障の給付抑制と合わせて、何とか社会保障制度を長持ちさせようという発想です。 現行の年金制度自体にも改革が必要ですが、少なくとも、今の制度を維持するためには、投資した株式の価格が上がっていかねばなりません。景気が良いことが、安心の年金のための重要な解決策になるわけです 詳しくは、「消費増税をあおる報道――不可解な前提に基づく財務省の試算。」 http://hrp-newsfile.jp/2014/1427/ 年金積立金の運用を「国内外株式市場への投資を拡大する」という方針を出すなら、保険料を納める国民の側としては、納めた保険料を損しないためにも、繁栄思考の発想で、政府が経済成長に繋がる政策をしているかをとことんチェックするべきではないでしょうか。 4月-6月のGDPが年率で6.8%減という統計が出て、今年の日本の経済成長予測を下げる例も出ています。10%への消費増税は年末判断といわれていますが、社会保障の安定財源化を目指すのであれば、まずは景気を良くすることを考えるべきです。 ◆景気優先!財政再建は急ぐべからず 2015年度予算で、10%消費増税による景気の落ち込み対策として、1兆円確保を日本政府が検討しているようですが(8/21日経)、小出しと言わざるをえません。 財政再建を急ぐあまり、景気を腰折れさせては、年金制度も不安になりかねません。日本に様々な課題があるのは事実ですが、それでも世界で一番信任されているのが日本国債です。無理に財政再建を急ぐことに何のメリットがあるのでしょうか? アルゼンチンは二度デフォルトしても粘り強く交渉しています。EU内でも、定めている財政ルールに猶予を与えてもらうことを平気でやっています。 日本はもっと神経を図太く、繁栄思考で大胆な経済成長策を実行するべきです。 日本は未来を見据えた確たる成長戦略を 2014.08.19 文/HS政経塾2期卒塾生 川辺賢一 ◆FRBの「出口戦略」に備えよ 秋口から新年度が始まる米国では、8月初めに新年度以降の株式相場を予想する会合を開くのが毎年の恒例となっております。 そのなかで今月7日に開催された相場予想会合では、米連邦準備理事会(FRB)の政策短期金利引上げがリスク要因としてアナリストたちの共通認識とされ、昨年と比べると弱気材料を強調する向きが増えたとのことです。(参照:8/10産経新聞) 政策金利の引上げ時期を巡って様々な憶測がめぐらされておりますが、英イングランド銀行が年内にも金利引上げに動くことで、FRBの金利引上げも予想以上に早まるのではないかと指摘されております。 なぜイングランド銀行やFRBは金融緩和の出口戦略、すなわち利上げ時期を探っているのでしょうか。 その背景にあるのは住宅市場や株式市場等、金融市場の過熱です。例えば英国ではロンドンの不動産価格が1年間で17%も上昇しております。米国の株式市場も09年3月に底をついて以降、回復を続け、最高値を更新し続けております。 しかしその一方で経済全般の過熱度を示すインフレ率や長期金利は低いままです。こうした経済全体の過熱感を無視した利上げは非常に危険です。 金融危機後も果断な緩和策で最初に乗り越えたスウェーデンンにおいても、インフレ圧力が弱かったにもかかわらず、住宅価格の急上昇を懸念して、利上げを急いだ結果、デフレ不況に逆戻りしました。 米国発のサブプライム・ショックにおいても直接的な引き金となったのは経済全体が過熱していないなかでの金利引上げでした。04年FRBが金利を引上げた際、経済全体の過熱感を示す長期金利はむしろ低下しており、金融機関の利益は圧迫されていきました。 米国の利上げが日本経済に与える影響を考えて、日本も今から手を打っておかなければなりません。 ◆日本は追加緩和と大胆な法人税減税を打ち出せ まず第1に安倍政権はさらなる追加緩和を求め、黒田日銀に圧力をかけるべきです。 今月8日には米国によるイラク空爆承認が伝わり、8月第1週は地政学的リスクの高まりから世界的な株安局面となりましたが、日本だけが2カ月ぶりに15000円台を割り込む等、ひどく落ち込みました。 また内閣府が13日に発表した4~6月期のGDP速報値は実質6.8%減(年換算)となり、97年増税時の下げ幅(3.5%減)を大きく上回る景気の冷え込みを示しました。 こうした経済のマイナス材料を吹き消し、日本が成長軌道を取り戻していくためにも、まずは日銀による追加緩和が必要です。 と同時に緩和によって供給されるマネーを国内に引きとめ、さらに海外の余剰資金を日本に還流させるためにも、第2に法人税の大幅な減税が不可欠です。 世界の余剰資金は低金利国から高金利国へと流れて行きます。そのため追加緩和によって日本の実質金利が大幅に低下すると、日本で供給されたマネーは海外に流出します。 法人税の大幅減税を始め、日本の社債市場をいっそう整備する等、日本のビジネス環境の魅力を高めていくことで、海外の余剰資金を日本に還流させ、日銀の緩和政策によって生まれたマネーも上手く国内で回っていくことになります。 ◆安価なエネルギー供給確保を目指せ さて、60年代に高度成長を遂げた日本も70年代は安定成長に向かい、そのまま低成長の成熟国に向かうとの見方が強かったなかで、80年代に再び高成長を取り戻した要因は何だったのでしょうか。 80年代は円ドルレートが2倍に円高になる等、輸出企業の国際競争力という面で追い風が吹いていたわけではありません。 80年代日本の高成長を支えた要因として、いくつか挙げられるなかで、原油価格の大幅な下落がその一つとされます。 一方、近年は中東情勢の不安定化や新興国の需要増大によって原油価格が高騰し、資源の限界が世界経済の成長を規定する限界となり、紛争の要因にまでなりかねない現状があります。 日本としては幸福実現党が提唱してきた通り、安全な原発から早期再稼働を進めていくべきですし、米国のシェールガス採掘のための技術輸出を後押ししていく必要もあるでしょう。 また今世紀以降、地球温暖化によって北極圏の海氷が想定以上のスピードで溶け出している現実に着目すべきです。 温暖化による氷解で北極海の夏季航行が可能になれば、海底資源の探査が可能になるばかりか、新たな物流ルートの創出、ロシアを軸とした新しい経済圏の創出にもつながります。 私たちは北極海の氷解から世界地図が新しく描き直されることを想定し、ロシア外交の見直しや北極海の定期航路を計画する日本の海運業を政府として支援する等、日本のエネルギー戦略に新たな可能性を加えなければなりません。 日本は追加緩和と法人税減税で経済を活性化させつつも、長期の成長戦略として安価なエネルギー供給の方法を確立していくべきです。 「子ども・子育て支援新制度」のゆくえ 2014.08.17 文/愛知県本部副代表(兼)青年局長 中根 ひろみ ◆子ども・子育て支援新制度 平成24年8月、自公民3党合意を踏まえ、子ども・子育て関連3法(【1】子ども・子育て支援法 【2】認定子ども園法の一部改正法 【3】児童福祉法の一部改正等関係法律の整備法)が成立しました。 そして、いよいよ来年4月から、「子ども・子育て支援新制度」が本格的にスタートするということで、今年は全国各地で説明会が行なわれ、私も参加しました。 説明会に参加している理事長や園長は、まず何が変わるのかを理解することから始まりますが、正直なところ最たる関心事項は「公定価格はどうなるのか」ということです。 保育業界は、国からの予算なしには成り立たない業界になっていると、私自身、認可外保育施設の立ち上げに携わった後に、社会福祉法人の保育園園長を務める中で実感しているところです。 ◆公定価格と保育業界 「公定価格」とは、政府が経済統制を目的として決定する価格です。自園もこれにより決まった予算をもとに保育運営を行っています。 保育業界における公定価格の骨格に関しては、内容が複雑なためここでは触れませんが、公定価格は、社会主義国家の計画経済の下で行われるものが代表的です。 今の保育業界は、規制緩和により株式の参入が行われるなど「自由経済」の兆しが見えつつありますが、根本的には経済統制のもとに存在し、民間の自由な経済活動が制限されています。 ◆保育所の成り立ち 初めて児童福祉法が制定されたのは、戦後、昭和22年で、保育に欠ける児童を保育することを目的とした児童福祉施設である「保育所」が国の制度として誕生しました。 その後、ベビーブームによる出生数の増加に対応し、保育所の量的拡充が課題となったことに加え、高度経済成長の時代には、既婚女性の就業者数が増加したことから、保育所の整備促進が必要とされました。 しかし、現在はその逆で、不景気の影響で、子育てに専念したくても働かざるをえない既婚女性が増加したことから、保育にかける児童が増えている状況です。 待機児童の問題は、園を増やしたり、認定こども園など制度を複雑にしなくても、景気を悪化させる「消費税の増税」をやめ、経済を成長させることで、多くの保護者の悩みが解決します。 ◆新制度のための予算 ところで、「子ども・子育て支援制度」は、幼児期の学校教育、保育、地域の子ども・子育て支援の「質の向上」と「量の拡充」を図ることが目的ではありますが、この新制度を実施するための予算がどこからくるのか、ご存知でしょうか。 「社会全体による費用負担」つまり「消費税引き上げによる増収分から、毎年7,000億円程度が充てられる」ということになっています(実際には、0.7兆円程度を含めて、1兆円超程度の追加財源が必要)。 しかし、消費税率8%への引き上げの影響を受けた4~6月期の実質GDP(国内総生産)は、年率換算で6.8%のマイナスとなりました。 ◆子どもたちの未来のために 幸福実現党は、「社会保障と税の一体改革」の先にあるのは、国民の富を「税金」として大量に吸い上げ、「富の再配分」を行う「社会主義国家」であると、警鐘を鳴らし続けてきました。 「社会保障と税の一体改革」と称し、それが財政を圧迫し、更なる増税が要求され、経済が徐々に疲弊し、働かざるを得ない保護者で溢れ、家計も心もゆとりがなく、虐待にも繋がりかねません・・・これは国民にとっても、子ども達の未来にとっても幸福なこととはいえません。 「量の拡充」のためにできることは、前述の通り「消費税の増税」をやめ、待機児童を減らすことです。「質の向上」に関しては、規制を緩和し民間に委ねてゆけば、競争原理の中でより質の高い保育サービスを受けることができます。 「子ども・子育て支援新制度」は、「消費税の10%への増税」と共に、今後、見直しが必要であると考えます。 減税政策――自国の産業強化へ 2014.08.11 文/HS政経塾3期生 瀬戸優一 ◆国内航空会社の苦境 日本の航空会社としては国内3位であるスカイマークが、欧州の航空機メーカーであるエアバスとの間で航空機購入に関して問題となっていることが、最近多数報道されています。 エアバスの世界最大の航空機であるA380を6機購入する契約をしていたスカイマークが、業績悪化に伴い、納入の延長を申し出たところ、エアバス側から契約解除を通告されたとされる問題です。 その際、エアバス側から違約金として7億ドル(約700億円)の支払いを通告されたということですが、スカイマーク側の無期限納入延長の交渉虚しく、「6機すべての購入を断念する見通しとなった」ことが分かりました。(8/9 SankeiBiz) ◆ニュース等で指摘される問題点 確かにこの問題には、様々なニュースでも指摘されている通り、円安による燃料費高騰や相次ぎ参入した格安航空会社(LCC)との競争激化などの環境変化に対する見通しが甘かったということは、社長自身も述べていますし、専門家等も指摘しています。 契約を結んだのが2011年でしたが、翌年には日本にもLCCが参入するなど、競争環境が厳しくなってきた面もあります。逆に言えば、それを見越してのプレミアム戦略への舵切りだったと言えるのかもしれません。 LCCや大手と競争するため、プレミアムと格安の部分の両方を持っておくということだったのかもしれませんが、競争環境が厳しくなってきたときこそ、選択と集中が大切であるとも言えるのかもしれません。 ◆報道されていない問題点 しかし、こうしたニュースの中であまり触れられていないことがあります。それは今年4月に施行された消費税の増税についてです。 特にスカイマークのように格安運賃で運航している企業にとっては、消費税の増税は大きくのしかかってきていたことは想像に難くありません。燃料費高騰や競争環境の激化があったにせよ、そこに消費税増税が追い打ちをかけてしまったと言えるでしょう。 1個100円のものであれば3円程度の違いにしか感じられないかもしれません。しかしながら、航空運賃のように10000円前後、時期や路線によってはもっと高くなりますが、こうしたものの場合負担はより大きくなります。 燃料や機材、設備など様々な仕入れにも影響が出てきますし、そもそも航空機の場合には公租公課と呼ばれる種々の税金がかかってきているため、日本は特に割高になりがちです。 ◆求められる減税政策 こうした消費税増税の影響も、航空利用者の減少及び業績悪化につながった面があると言えるのではないでしょうか。 特に観光目的での航空利用の場合は、消費税増税は家計の負担及び心理的負担がかかるため消費に影響してくると言えます。もちろんそれだけではなく、物流面でも影響が生じると言えます。 人・物の移動速度の速さは、経済の成長にもつながってくるものである以上、国家としても航空の利用促進のために政策を考えていく必要があります。 しかし、消費税の増税など“重石”になるようなものを載せてしまっては飛べなくなってしまいます。飛行機を“飛ばす”ためにも、航空機に関する工業の活性化の支援などとも合わせて国家として積極的に航空産業を促進していかねばなりません。 今後消費税の増税等の影響が様々なところで出てくることが予想されますが、政府は自国の産業を強化し、国際競争力をつけさせ、その上で国家の財政を豊かにしていくためにも、来年の10%への増税は絶対に阻止し、その上で減税政策を採っていくべきであると言えます。 脅かされる安全と資源――日本の海と島を守れ! 2014.08.05 文/兵庫本部副代表 湊 侑子 ◆押し寄せる中国・韓国と、追い出される日本 2013年12月10日に放送された朝のニュース番組、TBS「朝ズバッ!」の中で、「長崎・五島列島―中国との国境に近い島の名称を『岩』から『島』に変更する動き」特集が組まれていました。 その中で使われていたNASAが撮った夜の衛星写真を見て、唖然としました。ある一本の線を隔てて、日本側と中国側の海の様子が全く違うのです。 日本側の海が真っ暗なのとは対照的に、水産省が取締り可能な領域ぎりぎりから中国側は大変な電気の使用量です。日本の大都市・博多と変わらないかそれ以上に明るく、範囲はかなりの広範囲です。 これらの光は中国が行う虎網漁と呼ばれる漁法で使う強力な集魚灯の光で、これで集めた魚を長さ1キロほどの網で集め、一気に引き上げていきます。 この漁によって魚が乱獲されるだけでなく、日本漁船が近づくと石を投げてくるため、日本側は追いやられているというのが現状です。 同じようなことは、ズワイガニ漁に関して韓国との間でも起こっています。 日本は中韓との間で、日韓新漁業協定(1999年発効)、日中漁業協定(2000年発効)を締結し、それぞれの暫定措置水域を設定しています。 日中間の水域において2013年8月の協議では、この水域で操業できる漁船数を日本側が年間800隻に対して中国側は1万8089隻、漁獲量の上限は日本が約11万トンに対して中国側は約170万トンと設定しました。水産庁によれば、この差は過去の実績に基づくものだそうです。(2014.7.22 産経新聞 「島が危ない 第三部 五島列島」) 日本側のあまりの政治力の弱さにはあきれますが、一番被害を受けているのは地元の漁師たちです。 日中漁業協定により、両国の漁船が自由に操業できる中間水域においても、取り締まることができるのは自国の漁船だけであり、違法行為があったとしても摘発することはできません。 実際、尖閣付近など国境近くで漁をする漁船は海上保安庁に代わって、中国の漁船や公艦の見張りをしています。中国が違法漁業や領海侵犯をしたのを発見しては、海上保安庁に報告していますが、その海と大切な資源を守ることができないでいるのが日本政府なのです。 ◆島に名前を付けることの重要性 長崎県五島列島から西に60キロ離れた無人島、肥前鳥島を形成する3島(北岩・中岩・南岩)の名称をめぐっても中韓との争いがありました。 これらの島の周辺は豊かな漁場であり、周辺200海里(370㎞)のEEZ(排他的経済水域)設定、そして日本の領海の基点となっています。 ここで取ることができる高級魚や豊富な漁場資源を狙って違法操業を行うのが韓国・中国です。 これら3島は、島でありながら“岩”という名前がつけられておりややこしく、さらに両国が「これらは岩であり、EEZの起点とならない」と主張をするため、地元の要請として名称を変更するよう声が上がっていました。 「朝ズバッ!」番組内で五島市の野口市長は、「わが国のしっかりした領土であることを示し、水産資源を守りたい」と発言し、3島(北岩・中岩・南岩)の名称を北小島・中小島・南小島に変更すると、国土地理院に申請しました。 島の名称変更は、関係市町村が申請書を出せば可能であり、ようやくここにきて行政が動いた形になります。 東海大学教授 山田吉彦氏は櫻井よしこ氏との対談において、「中国が東シナ海で最も関心を持つ資源が魚である」といいます。鳥インフルエンザの流行などがあるため、安心して食べられる貴重なタンパク源が魚であるからです。 さらに中国漁船は台風からの緊急避難を理由に、五島列島の玉之浦湾をわがもののように使っており、一時は3000人もの中国人が港に押し寄せていたそうです。(月刊Voice 2013.6 『日米資源同盟で中国と対峙せよ(1)』) 中国に日本の漁港を勝手に使われるなどという事態をこのままにしておいてよいはずがありません。 政府は、8月1日、領海の範囲を定める基点となる離島の内、尖閣諸島の一部を含む名称のない158の島に名前を付け、総合海洋政策本部のHP上で発表しました。 国が島の一つ一つにきちんと目を光らせている、ということを国内外に明らかにするために、この動きを更に加速させる必要があります。 ◆神々によってつくられた島と、国境を守る人たちを護れ 日本の領土は、すべて島から成り立っています。 日本にある島は6852、そのうち421島を除いては無人島です。無人島に人を住まわせたり施設を建設し、海洋管理をしていると世界にアピールすることが重要です。 加えて、現在の島の定義には海岸線が100m以上のものしか含まれていません。100m以下のものを加えると更に島数は増えます。ただ、これらに関しては名前がついていなかったり、把握できていないことが現状です。 100m以下の島で、領有権でもめる海域に近いものは人がほとんどいかないようなところに存在します。きちんとした海図がないことも多く、存在してもシミや虫食いなどがあり作業に時間がかかるようです。国家戦略としてこの仕事を進めていかなければなりません。 古事記によれば、日本の島々は神々の共同作業によって誕生しました。韓国が主張する対馬も、神々が生んだ島として古事記に書かれているのです。神々から与えられたものを、私たちはもっと大切にしなければなりません。 さらに日本には“国境離島”と呼ばれる島がたくさん存在します。その島に住む人々、もしくは島の海域で操業する漁師たちが日本の国境を守ってくれている、このことも忘れてはなりません。 日本が彼らの生命・安全・財産をきちんと守り、正邪を判断する自信を持つためには、やはり自主防衛ができる普通の国になることが必要だと改めて感じます。 今こそ「未来創造」のためのイノベーション促進を! 2014.08.04 文/HS政経塾四期生 西邑拓真 ◆なぜ、経済に「イノベーション」が求められるのか 安倍首相は5月、科学技術・イノベーション政策の推進を行う「総合科学技術会議」の名称を「総合科学技術・イノベーション会議」に改めました。 それにより、研究の振興と共に、新産業を生み出す政策づくりにまで守備範囲を広げ、同会議が予算配分権を持つ新たな研究事業も開始しました。このことより、安倍政権の「イノベーション立国の実現」に対する強い意気込みを感じることができます。 では、そもそもなぜ、経済に「イノベーション」が必要なのでしょうか。 日本は、バブル崩壊以降、「失われた20年」によってGDPの水準がほぼ横ばいで推移しており、中国にGDP第2位の立場を明け渡しています。日本には、国家として今一度立ち上がり、高度経済成長を実現していくための「起爆剤」が必要となっています。 経済学では、長期の経済成長の重要な決定要因は、技術進歩と労働生産性であるとされています。ドラッカーは『断絶の時代』の中で、「生産性の向上をもたらした新産業や新技術は、知識に基盤を置いていた」と述べています。 すなわち、新結合により生まれる、「未来創造の種」とも言える「知識」や「智慧」が、技術進歩そのものや、生産性の拡大を促し、長期の経済成長に、大きな影響を与えるわけです。 長期にわたる停滞の打破、経済大国としての立場の回復、さらにはGDP世界一の実現を可能にさせる要素こそ、イノベーションです。日本は、イノベーションを通じ、長期の経済成長を実現することができるわけです。 ◆イノベーションを行うプレイヤーは誰か それでは、イノベーションを行うプレイヤーとは誰でしょうか。 シュンペーターは、『経済発展の理論』において、「企業者と呼ぶものは、新結合の遂行をみずからの機能とし、その遂行に当って能動的要素となるような経済主体のことである」と述べています。 つまり、「企業家」が、新結合によるイノベーションを通じ、世の中に新しい価値を創造する主体なのです。日本がイノベーション立国化していく際には、この「企業家」が多数輩出される必要があるわけです。 ◆イノベーション促進のための国の役割とは何か イノベーション促進のための、国の役割について、二点取り上げることができます。 一つは、「国民に企業家精神を醸成させるための企業家教育を、国として積極的に推進すること」、もう一つは、「企業家がイノベーションしやすい環境を整備すること」です。ここでは、紙幅の関係により、後者のみ取り上げます。 イノベーションの一つである研究開発は、基礎研究、応用研究、開発研究の三段階に分けることができます。企業は、研究開発コストを回収しやすい応用・開発研究を重点的に行う傾向にあります。 一方、公益性が高く、応用・開発の土台となる基礎研究への投資は、民間企業のみに委ねた場合、社会的にみて過小なレベルに留まります。 したがって、国が重点的に基礎研究への投資を行う必要があるわけです。そして、国による基礎研究の充実が、民間レベルでの研究開発を促進させると考えることができます。 このように、国の積極的な基礎研究への関与を通じ、国・民間部門間の研究開発に関する「社会的分業体制」が構築されることは、イノベーション立国の推進のためには、必要不可欠と言えます。 ◆ナショナル・イノベーション・システム 現在、経済の国際化が進む中、イノベーションに関する競争が激しさを増しています。それに従い、競争を勝ち抜くために企業が負担するイノベーション費用も、増加の一途を辿っています。 そこで、近年、「企業の研究開発資源を企業内部のみに求める」とする「クローズド・イノベーション(closed innovation)」から「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造するための体系」である「オープン・イノベーション(open innovation)」への移行の重要性が指摘されています(Chesbrough, 2004, “Open Innovation”参照)。 つまり民間企業同士、あるいは民間と政府・大学部門とのイノベーションに関する連携が望ましいというわけです。 国におけるイノベーションの産・官・学により形成される体系は、「ナショナル・イノベーション・システム(NSI; national systems of innovation)」と言われています。2月の「総合科学技術会議」の場でも、その重要性が指摘されたように、NSIの最適な構築は、日本の喫緊の課題の一つとなっています。 ◆新産業の創出と国の役割 NSIの方向性、つまり、「国がどのような方向でイノベーション立国を推進していくのか」ということについては、市場の中で自生的に選択されていく「自生的選択」と、公的部門による「制度的選択」があります(Dosi, 1982, “Technological paradigms and technological trajectories” 参照)。 後者については、公的研究機関が担う基礎研究が、NSIのベースとなることから、国が主導的に行う基礎研究が、NSIの方向性を決定づけると述べることができます(OECD, 1997, “National Innovation System”参照)。 それを踏まえ、国は、どのような方向性を持ったNSIを構築すべきなのでしょうか。 「国家経営」の観点からも、それは「日本の国益に適うもの」であり、未来における日本の経済繁栄を「創造」するものであることを前提条件とする必要があります。それを考慮すれば、日本は、宇宙産業・防衛産業・ロボット産業を推進することが望ましいと考えます。 今こそ、日本は、超経済大国の実現を可能とする、「未来創造」のためのイノベーション政策の推進を考えるときです。 すべてを表示する « Previous 1 … 50 51 52 53 54 … 78 Next »