Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 対ロシア外交に必要な、対外発信と日本国内の理解 2014.06.04 文責/HS政経塾第2期卒塾生 曽我周作 ◆安倍首相の対中国発言 シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で安倍首相が「アジアと世界の平和を確かなものとするため、これまでにも増した積極的な役割を果たす」と発言、またアメリカのヘーゲル国防長官も中国を念頭に「米国は見て見ぬふりをしない」と明言するなど、中国に対して包囲網の形成が進みつつあります。 オバマ政権に対しては、アジアへのリバランスの本気度を懸念する声がありますが、この会議の成果はおおむね評価されているようです。 ◆日本とロシアの連携 日本としては、対中包囲網形成の際にロシアとの関係をいかに有効に保つかということは非常に重要であると考えられます。 しかし、特に現在はウクライナ問題もあり、日ロ友好推進をアメリカは快くは思わない状況にあります。また、日本国内においてもロシアとの連携強化が訴えられるのは極めて稀です しかし、情報筋によると「ここ数週、ロシアと中国との間の大規模な武器売却の話題が、にわかに注目を集めている」とのことで、ロシアの軍事技術が中国に流れることは非常に由々しき事態であるといえます。 中国にとって、ロシアの軍事技術はとても獲得したいものでしょう。 結局、孤立を深めた両国が接近しているわけですが、日本としては、この両国があまりに深く結びつくことは、日本のみならず国際社会にとって非常に憂慮すべき事態であることを訴え続ける必要があるでしょう。 ◆日本の対ロシア戦略 幾分トーンダウンしたとはいえ、アメリカの言論はロシアに対して厳しい意見であることは変わりありません。 できれば日本がアメリカとロシアの仲介にたち、両者の対話が実現するよう、G8の枠組みを利用するなど(G8の維持も含め)努力すべきではないでしょうか。 相互不信の中で状況がエスカレートすることが懸念されます。ただ、ロシアと中国は決して蜜月関係にあるわけではありません。 プーチン大統領の本音は日本との関係強化を望んでいるはずです。 「我々は話し合う準備が整っている。日本の用意ができているかどうかはまだ分からない」とプーチン大統領が5月24日発言したかと思えば、またプーチン大統領の側近であるロシアの下院議長が来日し、「北方領土問題を巡って日本側と協議する可能性を示唆」したと報じられています。 (テレビ朝日http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000028093.html) ロシアは今経済が非常に厳しく、ロシアの産業強化には日本の力が必要なのです。 日本にとっても、中ロ接近を防ぎたいということもありますし、ロシアからパイプラインを敷設するなどし、安い値段で天然ガスを輸入することができればとても大きなことであります。 ◆ロシアとの平和条約締結と対中抑止力 さて、ではロシアとの平和条約締結に必要な北方領土問題について、返還は4島同時になるのかというと、それは分かりません。 ロシアのプーチン大統領がいかなる提案をしてくるか予断を許しませんし、今政府はどのラインで妥協できるのかを探っているのかもしれません。 しかし、私は日本国内のロシアに対する理解度が不足しているのではないかと感じます。政府は、日本国民のロシアへの理解を高めるための発信を増やすことが必要です。 またロシアとの友好関係の重要性を政府がしっかりと国民に訴えておかなければ、北方領土問題の解決にあたる交渉において、両国が同意に至ることができないことを懸念します。 対外的に対ロシア関係の重要性を訴えるのと同時に、日本国内においても同様の努力を重ねておくことが、ロシアとの平和条約締結と対中抑止力の向上にとって非常に重要なことであると思います。 天安門事件から25年――記憶を風化させてはならない 2014.06.03 文/HS政経塾1期生 兵庫県本部副代表 湊 侑子 ◆6月4日を迎えるにあたって 香港での動き 1989年6月4日に北京市の天安門広場にて、数千人から1万人の学生や市民が無差別に殺されました。世界に衝撃を与えてから、今年で25年目を迎えます。 香港では、6月1日に3000人が中国当局に事件の責任追及と民主化、またノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏らの解放を訴えてデモを行いました。 この中には、地元高校生の民主派グループで、中国共産党の押付ける共産党礼賛教育に反対する活動を行う「学民思潮(Scholarism)」から約100名参加し、地元メディアの注目を集めています。 ◆世界初、常設の天安門記念館の果たす役割 天安門事件が25年経ち、人々の記憶から風化して忘れ去られることを恐れ、香港の繁華街の一角のビルのワンフロアに「六四紀念館」がオープンしています。 有志が寄付を集め、今年4月に開館。常設ということでは、世界初となります。 記念館のスタッフに聞いたところ、毎日数百人が記念館に訪れているそうです。香港人だけでなく中国人や日本人観光客に来てもらい、天安門事件のことを知ってもらうことも開設した目的の一つです。 実際にこの博物館を訪れた中国人の中には広東省からきた大学生で事件を大学内の小グループでひそかに研究しているような人も存在しています。(2014.6.1 産経「香港に常設記念館 中国本土から大学生」) 記念館でも天安門事件の映像や資料をDVDやUSBにまとめて頒布しています。これらを通じて中国内に真実を広めることができるでしょう。 私たちが訪問したときには中国人はいませんでしたが、高校生と引率の先生たちが授業の一環として博物館を訪れていました。 先生に来館の目的を尋ねると、「生徒たちに真実を知ってもらいたいため、ここに彼らを連れてきた」と語りました。 生徒たちは「あなたたちと同じ年齢の多くの学生たちは当時、民主のために死にました。しかし、その理想はいまだに実現していません。私たちはそのために、何かができるかを考えましょう」と語るスタッフの説明を熱心に聞き、展示物を見て回っていました。 広島や長崎、沖縄に修学旅行で生徒たちを連れて行き、「日本は悪いことをしたんだ」と自虐史観を植え込むくらいであれば、日本の修学旅行生も香港の天安門博物館に行って、世界の真実に目を向けてもらいたいと思います。 そこには、自由と民主主義を求める学生たちの、心からの叫びが今もまだ存在しているのです。 参考:THE FACT(ザ・ファクト)第10回 「天安門事件25年~中国最大のタブー”大虐殺”の真相~」 http://www.youtube.com/user/theFACTtvChannel ◆中国の香港化をおしすすめよう 香港には今、自由があり繁栄がありますが、これらは香港返還時に制定された香港基本法の第5条に、「香港特別行政区は社会主義の制度と政策を実施せず、従来の資本主義制度と生活様式を保持」すること、この状況を「50年間変えない」ことが制定されており、これらが守られるかどうかを、世界が注目しています。 中国共産党は、なんとか香港の自由や民主主義を奪いたいと考えています。ある意味では、彼らは自由や民主主義が持つ価値を、一番よく知っているのでしょう。 香港の民主化の先頭に立って戦って来られた元政党党首のマーティン・リー氏は、中国共産党と香港民主化との争いに関して、「どんな独裁者も続かないというのは歴史の教訓です。人々の力が必ず勝つと信じます。」とおっしゃっていました。 天安門事件から25年の2014年、今年は今までで行われたデモの中で、もっとも盛り上がるのではないかと言われています。人間の善なる力が悪に屈し続けることはありえません。 日本からも、香港の民主化を守るため、そして中国の民主化を進めるための声を上げ続けていきたいと思います。 ロシアよ、ともに中国包囲網を築こう 2014.06.02 文/HS政経塾 第3期生 兼 幸福実現党新潟県本部副代表 横井基至 ◆今が日本の外交の山場 ロシアがクリミア半島を編入したことに対し、日本と欧米諸国からロシアへの圧力が続いています。 ロシア国内ではプーチン大統領の支持率は依然高く、4月の調査時点では、82%を記録しており、現在も高い支持率を維持しているようです。 しかし欧米諸国また日本の報道の多くはロシア・プーチン大統領に対する警戒心を緩めるべきではないとして、対露圧力路線を強調しています。 4日と5日に行われる先進7カ国(G7)首脳会議においても対露圧力への「結束力」が焦点になるとみられています。 北方領土返還という日露間の問題や、尖閣諸島周辺で挑発行為を繰り返す中国に対する国防上の問題がある中で、世界から孤立したロシアと、ロシアに同調する中国との距離が近くなることは何としても避けなければなりません。 日本としては自身の首を絞めないよう、非常に難しい外交を行わなければいけません。 ◆足並みをそろえることだけが外交ではない また、このG7の場では、エネルギーの「脱ロシア依存」を再確認し共同声明に盛り込むものと見られています。 欧州各国がエネルギーをロシアに依存している実情を踏まえ、圧力に対する足並みの乱れを矯正するねらいがあると見られますが、欧州諸国のロシアに対する天然ガスの依存度は大変高いうえに、欧州では経済が減速している国が多いことから、「脱ロシア依存」の圧力がかえって各国自らの首を絞める可能性があります。 この中で、G7各国が先進国としてどれだけ具体的な方針を打ち出し、世界経済への貢献を打ち出せるかが見せ場となります。 先にも述べたように、日本はロシアとの関係改善が急務なことと、サハリンでの天然ガスの共同開発や、日本へのパイプラインプロジェクトがすでに事業化されており、ロシアからエネルギー輸入を拡大しようとする日本の国家戦略との間で齟齬が生じます。 よって、安倍首相はトーンダウンせざるをえません。 ◆日本は自信をもってロシア制裁を解除せよ 日本が正々堂々の外交をするためには、今一度、ロシアのクリミア編入に対する日本の立場を明確にする必要があります。 ウクライナ問題は、親露派のヤヌコビッチ大統領がEUとの調印を取りやめたことで、親欧米派の住民が暴徒化したことが発端です。 無政府状態となった国内ではロシア系住民への暴力が横行していたため、プーチン大統領はロシア系住民の保護のため軍隊を派遣しクリミヤ半島を制圧し、その後住民投票で97%の賛成票が投じられ、ロシアに編入しました。 この背景には、米国の国防費の削減による欧州からの撤退が大きくかかわっているとの見方もあります。 もしウクライナがEU入りをしたら、次に起こることはNATO(北大西洋条約機構)への加盟です。 NATOはアメリカを中心とした、ロシアに対する軍事的包囲網であり、ウクライナがNATOに加盟するということは、ロシアにとって軍事的脅威が迫ることであり、クリミヤ半島にあるロシア黒海艦隊の基地を守る必要も生じるのです。 ウクライナはいわば、アメリカ・NATOとロシアとの軍事的な緩衝地帯だったのです。この均衡を破ったのは、アメリカの財政難による米軍の撤退を目前にしたNATOの勢力拡大であり、アメリカが直接米軍基地を置くことができなくなったので、米軍の代わりにNATOの力を使いロシアを牽制しようとしたと考えられます。 ただでさえ財政的に厳しいEUが、赤字国のウクライナをEUに加盟させようとしたのは、NATO東欧拡大のシナリオの一つで、これに対抗したロシアはクリミアを編入し、防衛ラインを築き、昔の同朋であるロシア系住民の安全を守ったのです。 よって今回のロシアの行動は、領土拡張欲で行った軍事侵攻ではなく、「防衛」のための武力の行使だったのです。 これは、アジア諸国を欧米列強の植民地体制から解放し、防衛のため大東亜戦争に突入した日本と同じ状況といえます。 今のロシアの状況を一番理解してあげられるのは日本のはずです。日本は直ちにロシアへの制裁を解除すべきです。 ◆世界が求めるもう一段上の価値観外交を日本が示せ 現在の報道では真実が見えにくいのが現状ではあります。大勢だから正しく、大勢に協調することをもって正義とは言いません。 しかし今回の件で、欧米諸国を非難することも得策ではありません。 現に、2万1千人の在日米軍は、日本と東アジアの平和を守ってくださっています。 今世界の外交力を駆使して対処しなければいけないのは、中国の軍事拡大と北朝鮮の暴走、そしてそれらの国内で行われている人権の蹂躙です。 よって中国が示すロシアへの同調と、日本が示す理解とは全く意味の違う話であり、中国が行っているのは領土拡張欲による侵略行為です。 戦後レジームからの脱却は日本一国のみではなく、全世界同時に行わなければ意味がありません。 だからこそ「真実」の価値を知る日本が主導し、全世界をもう一段上の価値観へと導いてゆかねばなりません。 これが日本の使命であると強く信じるものです。 マナーばかりの集団的自衛権の議論~決断できる日本へ 2014.05.29 文/HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ 集団的自衛権について本格的な議論が27日から29日の3日間行われました。 これまでの経緯を整理して、今後の方向性を考えたいと思います。 ◆27日:安全保障法制整備に関する与党協議会 自民党と公明党の間で「安全保障法制整備に関する与党協議会」が開催され、政府は15事例と1参考事例を示しました。 示された事例は、大きく3つのカテゴリーに分かれます。 ・武力攻撃に至らない侵害への対処(3事例)←グレーゾーン事態に関わる事例 ・国連PKOを含む国際協力等(4事例) ・「武力の行使」に当たり得る活動(8事例)←集団的自衛権に関わる事例 与党会議の目的は、公明党側の理解を得て、6月22日の通常国会終了までに、集団的自衛権行使に関わる憲法解釈の見直しを含めた方向性を閣議決定することです。 そして、秋の臨時国会と来年の通常国会で、グレーゾーンに関わる事例と集団的自衛権の行使につながる法改正の準備を整えていきたいという希望が、政府にはあります。 今回の与党協議会では、公明党側の質問攻めで、15事例あるうちの1事例に時間が集中し(「離島等」の定義について)、議論が大きく進んだとはいえません。 次回の協議は、6月3日に行われ、集団的自衛権に関わる8事例の説明をすることになっていますが、与党協議は、今のところ週1回でおこなわれており、通常国会までの開催はあと3回で、公明党の慎重さにやきもきする状況が続きそうです。 ◆28日:衆院予算委員会での国会答弁 衆院予算委員会で、集団的自衛権の集中審議がおこなわれました。 邦人を輸送している米艦を防護は、現行の憲法解釈では行えず、集団的自衛権の行使が必要であるという立場を示しました。 邦人が乗船していない場合にも米艦が集団的自衛権の対象になるとして、「日本人の乗船の有無を前提に、(米軍と共同の)非難計画を立てるのは現実的ではない」(5/29毎日1面)と理由を挙げています。 ◆29日:参院防衛外交委員会での集中審議 安倍首相は、審議の中で、米国を攻撃した国に、武器を提供した船舶への臨検や、日本のシーレーンを守るためにも機雷除去を、集団的自衛権に基づいて対処する必要があること、年末の日米防衛協力のガイドライン改定に間に合うように、集団的自衛権の行使容認の議論が与党内で合意を目指す意向を示しました。 ◆本当に日本の防衛のことを考えての議論なのか? 「集団的自衛権の適用が拡大している」、「日本は戦争に巻き込まれる」といった理屈で、集団的自衛権の行使をするべきではないという批判があります。 しかし、ここ最近、東シナ海と南シナ海で起こっているトラブルと、集団的自衛権の議論が必ずしもリンクしておらず、本当に日本の防衛のことを考えての議論なのか疑問に感じます。 ・4月28日:フィリピンは、なぜわざわざ、アメリカと軍事協定に署名し、一度追い出した米軍に再び戻ってきてもらうことにしたのでしょうか? ・5月24日:日本の防空識別圏と中国が一方的に設定した防空識別圏の間で、中国軍機による自衛隊機への異常接近がありました。 ・5月26日:ベトナム漁船1隻が中国海南省東方市所属の漁船と衝突して沈没した事故がありました。ベトナムの抗議を聞かず、中国側は西沙諸島で石油の採掘を進めています。 この1ヶ月を振り返ってみても、日本は、もはや自国の安全のみならず、アジアにおけるリーダーシップを取るのか、取らないのかという判断を迫られています。 ◆アメリカを戦略的に出し抜く中国 こうした一連の中国の動きを、フィナンシャル・タイムズ紙では「China is stealing a strategic march on Washington(アメリカを戦略的に出し抜く中国)」と題した記事が出ており(2014/05/29 Financial Times Page.9)、シリア問題でもアメリカの毅然としない判断を読み込んで、東アジアで、紛争をいくつか演出することで、アメリカをアジアから手を引かせる戦略をとっているのではないかという主旨の分析をしています。 日本国内の集団的自衛権の議論は、国家防衛のマターの議論ではなく、マナーの議論に終始していますが、海外情勢を十分に勘案して、「日本人の生命・安全・財産」と「アジアの平和」のために、日本が何をなすべきかを決断するべき時がきています。 ―――――――― ◇お知らせ:You Tubeチャンネル「HS政経塾オピニオン」について HS政経塾生の研究をいかして、踏み込んだ視点でニュースの裏の裏を解説します。 HS政経塾オピニオンはこちら →https://www.youtube.com/user/HSSeikeijukuOpinion 中国に「国連安保理常任理事国」の資格はあるのか 2014.05.25 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆世界中から批判を浴びる中国の覇権主義 幸福実現党は、立党以来一貫して、中国の軍事的な拡張に対して警鐘を鳴らし続けて参りました。 立党直後の総選挙では逆に、親中を掲げる民主党が圧倒的な支持を得ていましたが、2014年の現在、習近平体制に入り、中国の本心が明らかになるにつれ、私たちの訴えにご理解をいただくようになりました。 そして、日本だけでなく、中国はその周辺各国とも問題を引き起こし、非難を浴びています。最近報道されているところだけでも以下のとおりです。 (1)南沙諸島のフィリピン海域であるジョンソン南礁において、中国が突如周辺の埋め立てを始めた。 (2)ベトナム海域において、中国海洋石油が、大規模な掘削作業を開始。多くのベトナム市民が激昂し、ベトナム国内の中国系企業を襲撃。 (3)台湾では中国との「両岸サービス貿易協定」が実質的に中国の台湾支配へつながると主張した学生たちが国会を占拠し、その白紙撤回を求める。 (4)スペイン裁判所は、チベット虐殺の容疑で江沢民前国家主席らに対して逮捕状を出した。 これ以外にも、中国の覇権主義に対して、明確な批判が続々と行なわれています。 ◆集団的自衛権の容認は当然の事 安倍総理は、去る5月15日に記者会見を行い、集団的自衛権の容認を進めることを国民に対して発表しました。 これは戦後一貫して、東アジアの平和を維持してきた日米同盟をより一層深化させるものです。そして、アジア太平洋地域における中国の軍事的脅威が高まっている中、平和を守るために必要な判断であります。 最近のオバマ大統領の判断を見る限りアメリカは、「世界の警察官」としての役割を放棄し、東アジアからも徐々に撤退の方向が見える中、日本としてはどうしても日米同盟の絆を強める必要があります。 現在、日中間での問題となっている尖閣諸島についても、米国側からは「日米同盟の適用範囲」との明言がある以上、日本としても、相互の信頼感を深めていくことが必要です。 今回の安倍総理の判断は東アジアの平和のためには、当然のことであります。 ◆国連憲章に掲げる「正義」とは? さて現在、世界から大いに警戒され始めている中国は、国連の「安全保障理事会常任理事国」の地位を占めています。国連は、第2次大戦終結前後に設立された機関であり、その精神は「国連憲章」によって明らかにされています。その目的については、以下のように掲げられています。 第1章第1条 「国際の平和及び安全を維持すること。(中略)平和を破壊するに至るおそれのある国際的の紛争を平和的手段によってかつ、正義及び国際法の原則に従って実現すること」 第1章第3条 「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」 「国際連合」(United Nations)とは元々は第2次大戦の戦勝国による組織であり、依然として日本やドイツを敵国として定義しているものの、少なくとも現時点において、国際的な平和を維持することがその目的であることは間違いありません。 しかし、冒頭に掲げたように、数々の「平和を破壊するに至るおそれのある国際的な紛争」を引き起こしている中国という国家は、国連憲章の精神に全く反した行為を行なっています。これをこのまま容認してよいのでしょうか。 国連憲章に掲げている「正義」とは、一体どのようなものなのでしょうか。現時点において、中国に対してほとんど批判が聞かれないのは、なぜなのでしょうか。疑問が残ります。 ◆日本は多額な国連分担金を支払う必要はあるのか 残念ながら、我が日本も中国と「紛争」の可能性が出ております。しかも、その原因は中国側の覇権主義によって一方的に作られたものです。 中国は、国連加盟国の中でも「安保理常任理事国」として、最も中枢の立場に位置しています。国連とは、国際的な平和を希求し、その実現のために活動する機関である以上、尖閣諸島付近や、フィリピン、ベトナムの海域で中国が行っている「平和を破壊する活動」は、許されるものではありません。 本来ならば、これらの暴挙に対して、明確に国連内部で自浄作用を働かせなければなりません。 日本としても、国連の理想を是としているが故に、アメリカに次ぐ第2位の「国連分担金」約300億円を毎年支払い続けているのです。このまま、国連が中国の覇権主義を止められないのであれば、日本はその理由をはっきりと伝えつつ、分担金の支払いを中止してもよいのではないでしょうか。 ◆中国は、国連常任理事国の資格なし 国連憲章の掲げる理想と180度異なる中国の覇権主義は、国際社会が連携して食い止めなければなりません。そのためには、まず中国に対して、明確に自分たちが行っていることは間違っている、とメッセージを発さなければなりません。その一番分かりやすい手段が「国連安保理常任理事国の資格剥奪」です。 なぜ、中国が常任理事国となっているのでしょうか。それは第2次大戦において、アメリカの同盟国であったために当時の中華民国が「戦勝国」とされ、現在の中華人民共和国が、1971年にその資格を引き継いだ形になっているからです。 しかし、すでに戦後70年近い歳月が経とうとしており、ソ連が崩壊し、国際的な環境も大きな変化を遂げました。そして、中国自身が国際的な紛争の原因となる時代がやってきました。 そして、中国という国家は、基本的な人権が完全に保障されているわけではなく、共産主義社会を標榜する言論、思想信条の自由のない社会でもあります。そして、その勢力を今、日本にまで拡大しようとしているのです。 日本としても、自国の国防のさらなる強化を図るとともに、中国に対しては明確に「その行為は間違っている」とメッセージを発しつづける必要があります。幸福実現党は、そのためにも今後ともさらなる活動を展開してまいります。 集団的自衛権とは何か【後編】 2014.05.24 文/岐阜県本部副代表 河田成治 昨日に続き、集団的自衛権について、検討を加えてみたいと思います。 【国際的な集団的自衛権の経緯】 昨日は、日本だけが集団的自衛権をことさら難しくしていると述べました。 では、国際的な集団的自衛権の経緯はどうなっているのかを見てみましょう。 ◆国連憲章の中の集団的自衛権 集団的自衛権は、国連憲章において、国際法としては世界で初めて確立したものです。 しかし、この条文の原型(1944年ダンバートン・オークス提案)には、集団的自衛権は明記されていませんでした。 その理由は、「国際平和と安全は、国連による集団安全保障を主たる手段として維持していく」という方針をとっていたからです。 ところがこの方針は、常任理事国に拒否権が与えられたことにより、無意味になりました。つまり拒否権によって、国連の安全保障が機能しないことが予期されたのです。 そのため、国連に頼らず、多国間での集団的自衛権を固有の権利として認めることになりました。 ◆頼れない国連とアメリカ つまり、理想的には国連の平和維持活動が期待され、実際には、湾岸戦争のように、国連の承認を受けた米国主体の多国籍軍か、もしくは米軍主体の平和維持活動が行われてきました。 今そこにある危機としては、台湾有事やベトナム、フィリピンの権益が中国に侵された場合、国連軍を組織できるのか、またはアメリカがそれを代行できるのかという問題です。 しかし、前記のごとく、拒否権を持つ常任理事国により、国連による集団安全保障は機能せず、また頼みのアメリカも、2014年5月20日現在、南シナ海での中国とベトナム・フィリピンとの紛争に具体的行動の気配すらありません。 【集団的自衛権は、責任ある国家の姿】 ◆無作為の罪にあたる平和主義 もしもアジアの紛争解決のために、国連軍や米軍が派遣できたとして、その兵士の流れる血は、国際的正義のために戦った英雄という尊敬の二文字に変わるでしょう。 加えて我が国周辺でアジアの平和のために戦うことは、地域全体の安定や、日本のシーレーン確保という日本の利益に直結します。 国連の兵士の血が流れるのはかまわないが、集団的自衛権によって我が国の自衛隊員の血が流れることは認めないという論理は、エゴ以外のなにものでもなく、我が国のみが傍観を決め、無責任でいていいはずがありません。 憲法9条を盾にとり、「無作為を平和主義と言っていいのかどうか」。それがこの度の集団的自衛権問題の本質です。 日本は憲法9条で武力の行使を永久に放棄するという、特殊な道を歩んできましたが、それを言い訳に、「国際的道義」を“永久に放棄”していいとは思えません。 「日本は武士道の国ではなかったのか」「日本は、すでに一国の事だけを考えればいい時代は終わったのだ」と訴えたいと思います。 集団的自衛権反対派の不毛な議論をなくすために、憲法9条は一刻も早く改正すべきでしたが、事は急を要します。硝煙の匂いが立ちこめてきた今、憲法改正を待って、事態が起きるわけではありません。 「人間の幸福のために法があり、法のために人間があるのではない」ことを知り、日本は、世界に責任を感じ、神仏の正義を実現する、世界のリーダー国への第一歩を踏み出すべき時だと考えます。 《参考》 「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」 「TREATY OF MUTUAL COOPERATION AND SECURITY BETWEEN JAPAN AND THE UNITED STATES OF AMERICA」 昭和三十五年六月二十三日、条約第六号 1960(昭35)1.19 ワシントンで署名 1960.6.23 批准書交換、発効 日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よって、次のとおり協定する。 集団的自衛権とは何か【前篇】 2014.05.23 文/岐阜県本部副代表 河田成治 集団的自衛権について、多角的な視点から、前篇・後編、2回に分けて検討を加えてみたいと思います。 ◆集団的自衛権の定義 まず「集団的自衛権」の定義を一言でいえば、「攻撃を受けた国家への、他国からの援助」となります。従って、個別的自衛権とは明確に区別されるものであり、両者を混同する政党の発言には違和感を覚えます。 さらには、個別的自衛権とならんで独立国が持つ固有の自然権が、集団的自衛権です。 ◆集団的自衛権の目的 日本の立場での集団的自衛権の行使には、以下の目的があります。 (1)日米同盟の維持――米軍を見殺しにすれば、日米同盟破棄につながる。 (2)日米共同作戦の具現化――そもそも日本の防衛力は、米軍とセットでつくられている。 (3)周辺事態への対応――シーレーンの確保や朝鮮半島の安定など、国際的な安全保障問題も日本の安全保障と不可分。 (4)国際的責任――正義に基づいた国際協力。厳密には自衛権とは区別される。 ◆集団的自衛権の歴史的経緯 以上のように、日本にとって重要な意味を持つ集団的自衛権ですが、歴史的経緯を確認しておきたいと思います。 【日本の集団的自衛権の歴史】 ◆はじめは日本も認めていた! 日本の集団的自衛権は、1951年のサン・フランシスコ平和条約で、連合国によりその保有が承認されました。 ※サンフランシスコ平和条約 第五条(c) 「連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することができることを承認する。」 また、1960年(昭和35年)に締結された現行の日米安全保障条約(前文)において、「両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、…」とあります。 当初は日本もその保有を確認しており、この規定が特に問題視されることはありませんでした。これは重要なポイントです。 ◆変遷する政府解釈 しかし、その後の政府見解によって変質し、1972年に至って「国際法上保有するが、その行使は憲法上許されない」との現行解釈に行きつきました。 つまり、日本は当初から集団的自衛権を否定していたとは考えにくいのです。 世間には、法解釈だけで容認するのは、憲法に対する冒涜であるとの意見も散見されますが、歴史的経緯から見れば逆で、法解釈により制限してきたことがお分かりかと思います。 従って「解釈改憲は憲法ハイジャック:慶応大学の小林節名誉教授」(日刊ゲンダイ)というような発言は、正しくありません。 例えば、防衛大学校安全保障学研究会は、集団的自衛権について、以下のようにと述べています。(「安全保障学入門」より) 「もし仮に、当初から憲法上行使できないのであったとすれば、憲法上行使できない権利をなぜ国際条約類(サン・フランシスコ平和条約や日米安全保障条約)でうたったのかとの疑問に、説得力のある答えを見いだせない」 さらに「個別的自衛権と集団的自衛権の差は、国際的には直接的な「自衛」か「他衛」かの差(河田注:単なる防衛手段の違い)とみなされているのに対して、わが国では、自国防衛のための「必要最小限度の範囲」を超えるか超えないかの差 (量的な差)と理解されている。この点も、解釈として特異である」 以上が、「日本の集団的自衛権の歴史」ですが、日本だけが集団的自衛権を、ことさら難しくしているのです。 後編では、「国際的な集団的自衛権の経緯」から見てみましょう。 集団的自衛権とロシア外交で、「アジア安保」のイニシアチブ獲得を! 2014.05.22 文/HS経塾一期生 彦川太志 ◆集団的自衛権の行使容認が、「戦争の危機」を遠ざける 5月21日付けの産経新聞で、安倍政権の安保政策「安倍ドクトリン」の骨子が固まったことが報道されました。 その内容としては、ASEANの防衛体制を「日米共同で支援する」するものと報道されており、集団的自衛権の行使容認によって開かれる「アジア安保」安定化の第一歩といえます。 中国と緊張の続くベトナムやフィリピンなど、日本企業も数多く進出している東南アジア諸国を「戦火の危機」から守る努力は、わが国にとって決して無意味なものとはならないでしょう。 ◆中国が進める、独自の「アジア安保構想」に備えよ このように、安倍政権が日米同盟を機軸として新しい「アジア安保」を進める一方、中国も独自の「アジア安保」構想を進めています。 「安倍ドクトリン」発表とほぼ時を同じくして公表された、「アジア新安保観」です。これは21日まで開催されていた、「アジア信頼醸成措置会議(CICA)」で発表されました。 参照→HRPニュースファイル1007「中国のアジア新安全保障観」からアジアを救え http://hrp-newsfile.jp/2014/1460/ この「アジア新安保観」は1991年より約10年ごとの発展段階を経て、現在では第三段階にある※ようですが、本質的には「米国中心の軍事同盟の解体」を目的としており、米国を排除した中国中心の軍事的支配を確立する試みに他なりません。 ※(『解放軍報』2014年5月22日「亜州安全観助推命運共同体建設」) 習主席は、この「新安保観」を発表する中で、「中国は国家の領土主権と海洋権益の争いについて、平和的方式による処理を一貫している」と主張していますが、5月8日に世界的ニュースとなった「油田掘削作業に警告するベトナム船への体当たり」のように、「武器を使わない実力行使」がその実態です。 「力による現状変更を許さない」とする日米の立場をしっかりと堅持するためにも、国会にて集団的自衛権の行使容認を速やかに進めていくべきです。 ◆中ロ接近をどう観るか 中国の「新安保観」に加えてもう一つ、わが国の大きな懸念となっているのが、同じくCICAで見られた中ロ接近です。 巨額のガス供給契約や海軍の合同演習、さらには第二次世界大戦の「歴史認識」に対する共闘姿勢の表明など、プーチン大統領は習近平主席の要求に対して“満額回答”で応えていることが報道されています。 特に海軍の合同演習は、尖閣諸島に近い海域で行われることが報じられています。歴史認識を軸とした「中ロ共闘」は、果たして現実のものとなるのでしょうか。 ◆同床異夢の中ロ関係 しかし、中ロ両国のメディアを読み比べると、両国の報道に微妙なズレを感じる点があります。 中国側は今回の中ロ接近について、戦略的パートナーシップの進化について中心的に成果を報じる(※1)一方、ロシア国内の主要紙「プラウダ」(※2)では、今回のプーチン・習会談の「中心的テーマ」は、大型航空機の開発と、中国国内でのMi-26大型輸送ヘリの生産・改良といった航空分野の契約に関する点にあったと報じています。 ※1(新華社通信、2014年5月19日「中露関係再顕“頂層設計”作用」) ※2(『Pravda(英語版)』2014年5月19日「In China, Putin to sign a package of ‘fantastic agreements’」) そうしてみると、プーチン大統領は中国寄りの姿勢をみせることで米国に「牽制球」を投げ、中国に対しては「ロシアがサポートしなければ、国際社会で影響力を発揮できない」ことを露呈させ、存在感を示したと見ることもできそうです。わが国に対しては「反応を伺っている」とみるべきでしょう。 ◆防衛体制の確立と共に、ロシアとの関係強化を そのような見方に立てば、わが国の取るべき外交方針は明確となります。「中ロ関係を“経済”で切り放す」ことです。 報道によれば、今回中ロ間で最も大きな取引となる天然ガスの供給契約については、「30年間で4000億ドル(約40兆円)」と指摘されていますから、年間に直せば約1.3兆円です。この額は、本年2月に日本郵政グループが表明した、今後3年間の投資規模と合致します。 外交戦略を背景とした政府投資であるならば、1.3兆円の投資は決して「雲を掴む話」ではありません。極東ロシアの開発について中国の年間投資を上回る規模の投資プロジェクトを打診し、日露ウィン-ウィンの関係構築を目指していくべきでしょう。(ロイター2014年 02月 26日「訂正:日本郵政3年で1.3兆円投資」) 集団的自衛権の行使容認によって防衛体制を強化し、そのうえでコンテイニング・チャイナを考えていくべきです。 中国の「アジア新安全保障観」からアジアを救え 2014.05.19 文/HS政経塾 第3期生 和田みな ◆中国が提唱する「新安全保障観」 今月20、21日の両日、アジア信頼醸成措置会議(CICA) が中国・上海で開催されます。 この会議には、ロシアのプーチン大統領をはじめ、15ヶ国の首脳や国連の潘基文事務総長も出席し、議長国である習近平国家主席との首脳会談も予定されています。このCICAで習近平が提唱しようとしているのが「アジア新安全保障観」です。 中国による「新安全保障観」は1997年に初めて提唱されたものです。それが、先月開かれた「中国・中央国家安全委員会」の第1回会議において、「中国の特色ある国家安全保障を提示し、それに向かって歩み出す」と習近平国家主席が述べたことで、再び注目を集めています。習氏のこの発言は、オバマ大統領の来日直前のことでした。 ◆「新安全保障観」の内容 中国が提唱する「新安全保障観」を簡単に要約すると以下のような要旨になります。 ・中国の安全の夢は、世界の安全の夢と同義である ・米国型の第三国を排斥し、仮想敵に的を合わせるような、二国間同盟体制を乗り越えるものである ・「アジアの安全保障・経済は米国頼み」というパラドックスを乗り越えるものである 中国はこの「新安全保障観」をアジア各国に広めることで、「アジアのことはアジアで十分解決できる。アメリカに代わって、アジアを支配するのは中国で、それがアジアの安全を守るものだ」ということを示すとともに、アメリカ・日本の日米同盟を軸としたこれまでのアジアの安全保障体制を牽制する意図があるのです。 ◆全世界に影響を与える中国の新安全保障観 中国共産党の機関紙「人民日報」の日本語版サイトは4月17日付けで「全世界に影響を与える中国の新安全保障観」と題する論説を掲載しました。この「新安全保障観」がどのように世界に影響を与えるというのでしょうか。 前述したCICAにおいて中国は2016年まで議長国を務めます。また、今年の秋にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が北京で開催される予定です。中国は、この2つのアジア会議を最大限に活用し、中国主導の「新安全保障観」をアジアに広めるつもりなのです。 中国の外交部は、3月16日の記者会見でも「CICAの最大の大義は『アジアの問題はアジア主導で解決すべきであり、アジアの安全保障もまずアジア諸国自身の協力強化を通じて実現するべきだし、それは完全に可能だ』との声を共同で世界に発することを望んでいるということだ」と述べました。 中国は自身の「新安全保障観」をまず示すことで、各国にも「新安全保障観」の確立を推進し、「アジアの安全保障の協力と新しいメカニズムを積極的に検討することを望んでいる」と発信しています。 この「新安全保障観」は、アメリカのリバランス政策の一環である日米によるTPP推進、安全保障での協力強化などの、対中圧力に対抗するものです。 中国は、アメリカ型の安全保障観の欠点を指摘し、アジアの安全保障は中国主導で行うという強い意思表示を示しました。これからアジア各国は、地域の安全保障について中国主導か日米主導かを迫られることになるでしょう。 ◆中国主導の安全保障体制の危険 今月、南シナ海で起きた中国の公船とベトナム船の衝突は、この中国の「新安全保障観」の危険性を露わにしました。アジアにおいて、中国主導の安全保障体制が強まれば強まるほど、中国による強硬な領土・領海侵略が行われる可能性が高まることを世界に示すことになったのです。 このような中、東南アジア諸国連合(ASEAN)は11日、ミャンマーの首都ネピドーで首脳会議を開き、南シナ海情勢などについて協議し、関係国に自制と武力の不使用を求めることを盛り込んだ「ネピドー宣言」を採択しました。 しかし、ここでも中国を直接非難することは出来ず、議長国のミャンマーを含め、中国と緊密な関係を持つ多くの加盟国に配慮したものになってしまいました。 ◆日本に求められるリーダー国家としての「公の精神」と具体的な行動 このように、国際社会は中国の野望に対して有効な手を打てないでいます。これまで実質的にアジアの盟主であったアメリカも財政難から国防予算を減らさざるを得ない状況が続き、中国がこれに代わろうと具体的に行動を始めているのです。 昨年10月、ASEAN首脳と安倍首相との会談で安倍首相が、中国の強引な海洋進出を批判しつつ、日本として集団的自衛権の政府解釈見直しや国家安全保障会議(日本版NSC)の創設などの取り組みを紹介したところ、参加国から「日本が世界の平和のために貢献することを支持し、期待する」との声が上がりました。 アジア各国は中国に対抗するために、日本に対して具体的な行動を期待しているのです。 日本には、日米同盟を堅持しながらも、責任を持って地域の安全を守れるだけの早急な法整備や外交戦略が求められていますが、日本の政治家やマスコミの多くには、「世界の平和に貢献しよう」というリーダー国家としての「公の精神」が全くありません。 しかし、私たちは、国際社会の状況や要請を踏まえて、一国平和主義、利己的平和主義で満足するのではなく、集団的自衛権の行使、憲法9条の改正の問題に取り組むべきです。 また、中国の軍事力の脅威からアジアの平和を守ることなしに、日本一国の平和を守ることなどできないことを一人ひとりが自覚しなければなりません。 ◆日本の行動が世界を救う 更に日本には、中国の「新安全保障観」に対して、「より多くの国々の自由を守り、共に発展できるアジアをつくる安全保障観」のビジョンをアジア各国に提示していく必要もあるでしょう。 私たち幸福実現党は宗教政党です。「国民を護り、世界の平和に寄与する」という精神を大切にし、「悪を押しとどめ、善を推し進める」という宗教的正義において、国防強化の重要性を訴えています。 日本人がこの精神を理解し、世界の平和と発展のために具体的に行動を開始した時、戦後失ってしまった「日本の誇り」を取り戻すことができるでしょう。そのような日本人の行動が世界を救うことになるのです。 集団的自衛権行使の本質を問う 2014.05.18 岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆20年前の警告が今現実に 今を遡ること20年前、朝鮮民主主義人民共和国を建国した金日成の死去(1994.7.8)より4日後の7.12に東京ドームで開催された講演会「異次元旅行~仏法真理のもとに地球を一つに~」にて幸福の科学グループ・大川隆法総裁は、北朝鮮の核保有疑惑に関し、「これは疑惑ではなく、北朝鮮はすでに核兵器を保有しております。」と警鐘を鳴らされました。 また、中国の軍事的拡張主義、覇権主義の脅威にも言及され「このあとに来る軍事的拡張主義が恐ろしい。」「ベトナム沖の油田、その他、経済的利権になる所に対し、触手をのばすことが危険である。」と同じく警鐘を鳴らされました。 今、その警鐘が現実のものとなりました。 大川総裁より警鐘が鳴らされた20年前より我が国が対北朝鮮、中国の軍事的拡張主義に対し、しっかり対応していれば、「集団的自衛権」に関し議論が紛糾して喧々諤々たる現在の国内状況はなかったのではないかと悔やまれます。 事実は、当時の村山政権から時代が逆回転をし、阪神大震災、オウム事件、民主党政権の迷走、東日本大震災、自虐史観の蔓延等々、20年の停滞を経験し、未だ脱出していない状況が続いています。 ◆南シナ海の危機的状況 ここにきて南シナ海における中国とベトナム、フィリピンの衝突がにわかに頻発し、ベトナムでは反中デモが開かれ、中国人の死者が出るなど事態は緊迫しています。 中国のベトナム、フィリピンへの挑発行動は、先月4月のオバマ大統領の日本を含めたアジア4か国訪問の直後に起こっています。 オバマ大統領は、同盟・友好国にアジア重視の政策は不変であり、安心して欲しいと保障するためアジア4か国を訪れました。 しかし、行く先々で「我々の目標は中国に対抗することではない。中国を包囲することでもない。」と中国を気遣う姿は、尋常なものでなかったと田久保忠衛氏(杏林大学名誉教授)が産經新聞の正論(5/16)で述べておられます。 大川総裁は5月17日、静岡県浜松市にある中部正心館で行った法話「愛が時代を動かす」の中で、中国はアメリカが何もできないところを世界に見せて、この海域を実効支配できるところをPRしていると分析しました。 月刊ザ・リバティ 大川隆法総裁 法話レポート http://the-liberty.com/article.php?item_id=7844 そして中国とベトナム、中国とフィリピンの戦争が差し迫っている、いつ戦争が始まっても不思議でないと警告を発されました。 ◆戦争勃発の危機 これに関しては、同日夜のTBS「新・情報7daysニュースキャスター」に出演した藤原帰一東大教授も、中国とベトナム、フィリピンの間に戦争の危険が高まっているとコメントしていました。現役東大教授のコメントとしては踏み込んだもので、それだけ危機的状況にあることが分かります。 また、15日に官邸で行われた安倍首相の集団的自衛権行使に関する記者会見を受け、翌日の東京新聞が朝刊で『「戦地に国民」へ道 』と赤旗新聞顔負けの大見出しを一面に打ちました。 しかし行使反対を鮮明にした東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹も、18日に関西の人気民放番組に出演し、集団的自衛権に関して、日米同盟それ自体が集団的自衛権の発動であると、その必要性を認識していると発言し、東京新聞の論説と一定の距離を示していました。 このように中国とベトナム、中国とフィリピンの戦争の危機が現実となった今、個別的自衛権では対処できない集団的自衛権の必要性が認識されてきます。15日の安倍首相の記者会見の説明は、邦人保護の説明が中心であり、必ずしも集団的自衛権の必要性を説明できていないと容認派、反対派双方から批判が出ています。 ◆集団的自衛権問題の本質 問題の本質は、例えば、中国とベトナムが戦争状態になった時、日系企業も多いベトナムの「助けて下さい」という要請を全く無視し、アメリカまかせで済むかという事です。 植民地を解放してくれたと未だにアジアの人々から尊敬されている日本が、果たして「無視」「見殺し」にできるのか。私たちの先輩が命をかけて勝ち得た「尊敬」を、私たち子孫が反故にしてしまってもよいのでしょうか。 17日の講演で大川総裁は「全体主義とは、人々を愛する神仏の心を無視した国家の暴走」と定義付けられました。 さすれば、集団的自衛権を戦争に巻き込まれると忌避し、己の安全のみを考え、第三国の紛争に知らぬ存ぜぬを貫くことは、これまた人々を愛する神仏の心を無視した利己主義という横暴に他ならないのではないでしょうか。 時の政権の解釈で憲法が変わってしまうとすれば、「立憲主義」を破壊するものであると手続き論でいろいろ批判されていますが、こうした批判について、大川総裁は「法律のために人間があるのではなく、人間のために法律がある」と指摘されました。 憲法の遵守や、その改正手続きにこだわって、日本人の生命、安全やアジアの平和を危機に陥れてしまえば、元も子もありません。現状は、憲法改正の手続きを踏んでいては間に合わないほど緊迫した状況にあります。 大川総裁は、結語として「『国民を護り、世界の平和に寄与する』という一点を貫くべき」であり、「愛の行為が、同時に神仏の願う正義とも一致していくよう、努力すべき」と主張しました。 厳格な法律論・手続き論に拘泥し、国民の生命を危機に陥れることのないよう幸福実現党は、引続き、安倍首相が公明党に遠慮して言えない正論を訴え続けてまいります。 すべてを表示する « Previous 1 … 63 64 65 66 67 … 98 Next »