Home/ 外交・国際政治 外交・国際政治 トランプ革命後の日印外交を考える 2017.02.16 幸福実現党・岡山県本部代表たなべ雄治 ◆トランプ大統領の外交手腕 安倍総理がトランプ米大統領から破格の厚遇を受け、日米首脳会談は終わりました。 しかし、大統領選以降の流れの中で見えたのは、トランプ新政権のしたたかな外交手腕です。 昨年12月2日、トランプ氏は蔡英文台湾総統と電話会談を行ない、安全保障にまで踏み込んで話し合っています。 米台首脳の会談は、1979年以来となる異例の出来事でした。おりしも、習近平中国国家主席がキッシンジャー元米国務長官と会談をしているその日のことです。 「一つの中国」として台湾を認めていない中国は激しく反発しました。 その一方で、安部総理が米国に到着する1月9日には、トランプ大統領と習近平主席が電話会談を行なって、「1つの中国」政策の維持で合意しています。 台湾独立がシーレーン防衛の生命線である日本に、プレッシャーをかけた形です。 最終的には良好な日米関係を演出しましたが、関税・為替で交渉相手となる日中両国に十分な揺さぶりを掛けたという所でしょう。 ◆トランプ外交で中国はどうなるか 台湾問題では中国に妥協した形の米国ですが、これは対中の関税を引き上げる予兆ではないかと予想します。 公約では、中国製品に45%の関税をかけることになっています。 ところで中国はここ20年以上にわたり、毎年10%以上というすさまじい軍拡を続けています。 その軍拡を支えてきたのが、中国の経済成長です。 中国は、西側諸国と貿易をしながら、為替は元安にコントロールしてきました(管理変動相場制)。 さらに、採算度外視の安売りができる国有企業で構成されています。 そうして成り立つ安価な製品の輸出によって、中国経済は急成長を遂げました。 現在米国の貿易赤字の約半分は対中国であり、中国によるグローバリズムの悪用と言えます。 トランプ大統領が掲げる対中関税は、軍拡を支えてきた中国経済に打撃を与える政策です。 南シナ海のサンゴ礁の軍事基地化など、中国の軍拡に脅威を感じている東南アジア諸国とっては朗報でしょう。 しかし、その後の中国の動きは予断を許しません。 というのも、経済で行き詰った中国が戦争特需をつくり出すことが予想されるからです。 ◆アジアの安定に不可欠な日印関係 とは言え、中国の軍拡をこのまま放置するわけにはいきません。 やはり米国の対中国の関税政策には賛成です。 そのうえで、中国の暴発を前提とした対策が求められます。 そのために連携すべき国は、同盟国の米国の他に、中国を北と南から挟むロシアとインドでしょう。 ここでは、インドについて考察してみます。 ◆トランプ大統領と似ている!?モディ印首相 2014年、インドでは10年ぶりの政権交代が実現しました。そこで登場したのが、ナレンドラ・モディ首相です。 モディノミクスと呼ばれる自由主義経済政策や製造業振興政策「メーク・イン・インディア」により、就任前には5~6%だったGDP成長率は7%台をキープしています。 そんなモディ首相ですが、トランプ大統領やドゥテルテ比大統領と比肩される大胆さがあります。 昨年11月8日の夜、突如として高額紙幣の無効化を宣言しました。その目的は、GDP2割を占める地下経済の撲滅とデジタルマネー推進を狙ったものです。 発表からわずか4時間で、通貨発行額の86%が無効となりました。(年内は銀行で交換ができた。) 日本で例えると、財布の中の一万円札と五千円札が突如使えなくなるわけです。 しばらく経済の混乱は続きましたが、国民の少なからぬ人数がモディ首相の政策を理解していたようです。 地下経済と汚職に対する不公平感と不満が鬱積していたということでしょう。 また、昨年の夏には、GST(物品・サービス税)の導入に目途を立てました。 GSTとは、州ごとに独自だった間接税率を一律化し、複雑だった税制を簡素化するものです。 州をまたぐ商売の効率化や減税効果などで、GDP1%にあたる経済効果が見込まれると言われています。 そのために必要な憲法改正を、上下院で可決させたのです。 改革の遅さや高額紙幣無効化で批判もあるモディ政権ですが、3月11日開票のウッタルプラデシュ州を含む5州のインド州議会選挙で、その信任が問われると見られています。 ◆したたかなインド外交 インドは伝統的に「非同盟主義」、「全方位外交」を方針としていますが、モディ首相もこれを踏襲しています。 ISの問題でも、イスラム過激派のテロに悩まされてきたインドなのに、67カ国のIS対策有志国グループには加盟していません。 また、中国を仮想敵国としながらも、日中や米中を両てんびんにかけて経済的な利益を引き出すなど、「インド第一主義」外交を続けてきました。 インドにとって中国は、仮想敵国であると同時に最大の貿易相手国です。 複雑な印中関係があり、建て前として同盟を嫌うインドに対して、日本はどのような外交方針で臨むべきでしょうか。 ◆主軸は安全保障 トランプ外交によって米中貿易の先細りが予想されます。 その影響で印中貿易が膨らみ、両国の経済関係は強化されるでしょう。 経済に関しては、インドによる日中の両てんびん外交には目をつぶらざるを得ないでしょう。 反面、安全保障に関しては、中国の脅威を被る国同士として、要点を押さえた協力関係を構築すべきです。 欧米に同調してロシアの経済制裁に加わったばかりに露中の関係を強化してしまうような、外交の失敗を繰り返してはなりません。 昨年、2年越しで締結した日印原子力協定のように、インドにとって譲れないポイントでしっかりと信頼関係を築いていく必要があるでしょう。 交通やエネルギーなどのインフラ、防衛装備移転など、技術面での日印の関係強化も望まれます。 最優先は安全保障です。中国という脅威への対応を軸とした、日本独自のブレない判断が求められます。 安保法制――朝鮮有事時の邦人保護は可能か 2017.02.14 HS政経塾第6期生 山本慈 ◆「邦人保護」について 2015年に改正された安保法制で、海外にいる邦人を自衛隊が輸送、保護できるようになりました。改正時は、これは大変話題となったので、ご存知の方も多いと思います。 しかし実際のところ、自衛隊が邦人を保護することが不可能な場合があり、やはり未だ法整備すべき点、もしくは外交によって補う必要があります。 現法制では、自衛隊が邦人保護措置を実施するために、以下の3要件を満たしていなければなりません。 「邦人保護措置実施3要件(『平成27年版 防衛白書』)」 (1)保護措置を行う場所において、当該外国人の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われることがないと認められること。 (2)自衛隊が当該保護措置を行うことについて、当該外国等の同意があること。 (3)予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携および協力が確保されると見込まれること。 ここで注目したい点は、(2)の「当該外国等の同意があること」です。 もし当該外国、紛争に関わる国が同意しなかったなら、自衛隊は保護措置をとることはできません。 PKO活動として自衛隊が派遣される場合は、PKO活動の一環として邦人や難民の保護を行えますが、PKO活動が行えないところでは、当然、憲法や自衛隊法、安保法に基づいて自衛隊は活動しなければなりません。 つまり国家間同士の戦争の場合、当該外国が拒否すれば、自衛隊を派遣して邦人保護措置をとることはできません。 ◆朝鮮有事を想定した場合 現在、日本は北朝鮮対韓国の朝鮮有事を想定して、ガイドラインを調整しています。 また現在、韓国には38,060名の邦人が滞在しています。朝鮮有事が勃発した場合、韓国の同意を経て、在韓邦人の保護措置手続きが行われます。 しかし、2016年10月、韓国の韓(ハン)民(ミン)求(グ)国防相は、韓国在留邦人の救出に必要な空港や道路の状況、韓国軍の展開などの情報について「それは(日本側に)渡さない(『朝日新聞』10月28日付)」と語っており、保護措置実施要件(3)をクリアすることが難しいと分かりました。 また現韓国政府も朴(パク)大統領が弾劾裁判中で、次期大統領選候補者も左翼陣営が強く、反日を訴える候補者ばかりなことから、韓国政府との連携はさらに難しくなるでしょう。 ◆朝鮮有事時の邦人保護は不可能に近い 現在の邦人保護措置実施3要件では、日本と同盟関係にない国や日本と友好国でない場合、保護措置を実施することが大変困難だと分かります。 また朝鮮有事の際、自衛隊を邦人保護のために派遣できない場合は、民間機、船による邦人救出も必要であると政府関係者は述べています。 しかし、実際戦争が起きた場合、飛行場はミサイルを撃ち込まれる可能性が高く、また仁川(インチョン)国際空港、金浦(キンポ)国際空港は北朝鮮との国境近くに位置しているため、そこから邦人を保護することは不可能と言えるでしょう。 ◆幸福実現党からの提言 まず朝鮮有事において、ネックとなっているのは邦人保護措置実施3要件の(3)です。 「(3)予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携および協力が確保されると見込まれること。」を満たすためには、韓国側から、韓国在留邦人の救出に必要な空港や道路の状況、韓国軍の展開などの情報を引き出す必要があるでしょう。 現在、日韓の防衛情報を共有する基礎となる「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」が日韓で話し合っています。 話し合いの中では、韓国は日本の海上情報収集能力の高さを認め、その情報を欲しています。これを引き合いに、日本側は在韓邦人救出のための情報を韓国側から粘り強く引き出していくことが重要でしょう。 幸福実現党は、「朝鮮半島有事などの際の邦人救出を可能とする法整備を行うとともに、邦人保護プログラムを策定します。」という政策を掲げています。 現法制では、在韓邦人を守れないため、安保法制の更なる改正と在韓邦人保護措置がとれる策定プログラムを具体的かつ現実的なものを策定致します。 なぜ反日を繰り返す?――北朝鮮に飲み込まれる韓国の闇! 2017.02.12 HRPニュースファイル編集部 「幸福実現NEWS」(レギュラー版)より、なぜ反日を繰り返す?――北朝鮮に飲み込まれる韓国の闇! をお送りいたします。(https://info.hr-party.jp/files/2017/02/03142406/csgqo96l.pdf) ◆親北朝鮮勢力に飲み込まれ、反日・親中に傾く韓国 朴槿恵大統領が職務権限を停止されるなか、「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意を無視して、昨年12月に釜山に慰安婦像が設置され、反日に傾く韓国。 しかし、韓国国内の反日を、北朝鮮へ追従する「従北」勢力が煽っていることはあまり知られていません。 釜山慰安婦像設置や、朴槿恵退陣要求デモの中核となったのは「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」です。 挺対協は、北朝鮮系団体の「「朝鮮日本軍性的奴隷および強制連行被害者補償対策委員会(朝対委)」と共にソウル大使館前の慰安婦像設置に動いた「従北」団体です。(1/8産経) 「従北」団体は、北朝鮮による朝鮮半島の統一を目的として、主に反米・反日、親北・親中を唱えています。現在、韓国では、「従北」団体による反日や政府転覆運動と、保守派による愛国運動が戦っている状態なのです。 ◆北朝鮮が朝鮮半島を統一すれば、日本が危機に! 韓国の政治的不安定を利用して、反日・親北の政権が韓国に誕生すれば、日韓合意の破棄や THAAD(終末高高度防衛ミサイル)の撤去を訴え、在韓米軍の撤退をも唱えかねません。 それによって、万一、朝鮮半島が北朝鮮によって統一されることとなれば、日本のすぐとなりに、核兵器を持つ、巨大な軍事覇権国家が誕生することになります。 これは安全保障上の一大問題であり、もはや、韓国の政治的混乱は「韓国の国内問題」では済まされません。 日本としては、韓国国内の親日派など保守勢力を応援し、「従北」勢力の追い出しに協力するとともに、自主防衛を整備し、北朝鮮の軍事的脅威を日本の手で止められる程度の防衛体制を整備しなければなりません。 以上。 ※関連動画――韓国現地取材 【オルタナリポートvol.1】 韓国激震! これが赤化の恐怖で勢いを増す 保守派の太極旗デモだ! https://www.youtube.com/watch?v=lcVVc1TxlGg マスコミが報じない韓国デモの裏事情 釜山慰安婦像、朴槿恵退陣要求デモの仕掛け人は北朝鮮!? 「トランプ革命」で世界はこう動く 2017.02.02 先日行われた、幸福実現党・及川幸久外務局長による党出版局セミナーの概要をご紹介します。 幸福実現党外務局長 及川幸久 講演抜粋 ※党出版局セミナー「法戦の時は来たれり」―『トランプ革命』で世界はこう動く―より https://info.hr-party.jp/2017/4148/ (動画あり) ◆トランプの政策は一体何なのか トランプ氏のアメリカ大統領当選を、大川隆法総裁は「革命」と呼ばれました。 「革命」ということはどういうことかというと、今までなかったことが起きるということです。 今まで不可能だったことが、可能になるという、そういう意味であります。 この「革命」の中味を理解するためには、ドナルド・トランプ氏の掲げている政策を正確に知らなければなりません。 今回のアメリカ大統領選挙で非常に特徴的だったことは、ゴシップばかりが報道され、政策論争がほぼ何もなかった。 特にマスコミは、いわゆる「暴言」と呼ばれる発言ばかりに焦点を当て、「トランプの政策は一体何なのか」ということが、ほとんど論じられませんでした。 ◆大統領選の勝敗を分けたものは、何だったのか? なぜトランプ氏が勝ったのか。 それは、「グローバリズムの崩壊」です。「国民国家の復活」であります。 世界各国には、それぞれ異なる歴史や文化、宗教がありますが、グローバリズムというのは、それをすべて同じようにしようという政策であり、共産主義の発想なのです。 トランプ大統領は、この「グローバリズム」と「大きな政府」を終わらせようとしています。 これはオバマ政治の敗北なのです。オバマがやってきたことを、トランプ氏は否定し、アメリカ国民は、そのトランプを選んだわけです。 ということは、今回の選挙で負けたのはヒラリーではなくて、オバマなのです。これが、新しい時代の流れです。「トランプ革命」の実体は、こういうものなのです。 今までとはまったく違う、そういう流れが起きようとしているのだということを、ここで知っていただきたいと思います。 これまでのアメリカは、日本の首相が靖国神社に行こうと思ったら、「行くな」と止めていました。 北方領土の交渉をソ連とやって、北方領土が返ってくるようになろうとすると、アメリカが必ず止めました。アメリカが介入していなければ、北方領土の少なくとも二島は、とっくに返ってきています。 いまだに返ってきていない。なぜか。アメリカの介入主義です。北方領土問題の最大の障害は、アメリカだったわけです。それをやめるというのが、実はトランプ氏の外交政策です。 ◆「ISIS」の創設者は、実はオバマでありヒラリー トランプ氏は、こう言っています。「サダム・フセインやカダフィが権力者でいた時のほうが、世界にとってよかった。」そのとおり。イラクもそうだし、リビアもそうです。 この人たちを殺すのはいいけれど、そのあともっとひどくなっています。それに対して、アメリカは何もしない。 トランプ氏は大統領選挙中での演説で、「イスラム国(ISIS)の『創設者』は、実はオバマ大統領だ。そしてヒラリー・クリントンは『共同創設者』だ」と、再三にわたり指摘しました。 これを聞いたアメリカのマスコミや国民たちは、「またトランプが馬鹿なことを言い始めた」と一斉に批判しましたが、この内容は正しいです。ISISの創設者は、実はオバマであり、ヒラリーでありました。 このことを、幸福実現党の大川隆法総裁は、書籍『トランプ新大統領で世界はこう動く』の中でこう述べています。 「オバマやヒラリーでなかったら、ISは存在していなかったでしょう。」 そのとおりです。さんざんイラクやリビアにアメリカが介入し、権力者を殺して、そのあと民主化してくれるのだったらいいですが、アメリカは何もせずに帰ってきた。その結果、現れたのがISISです。 それを大転換するというのが「トランプ革命」です。 トランプ革命というのは、アメリカだけで起こるのではありません。ヨーロッパ各国、つまり、世界で起きようとしているわけです。 世界で起きるということは、日本でも起こります。 これは、新しい世界の潮流なのです。 グローバリズムが崩壊し、「大きな政府」がもう崩壊し、「小さな政府」に向かう。 日本で、その受け皿になるのは誰なのか。私は幸福実現党の人間だから言うわけではありませんが、日本をずっと客観的に見渡してみて、彼らと同じ志を持っているのは幸福実現党しかありません。ここしかない。 ここが、来年以降、「トランプ革命」の世界の潮流の日本版を担うはずです。 これからこの「トランプ革命」の流れが起きたら、この同じ志、同じ考え方を持ったところが、必ずこの「トランプ革命」の流れに乗ってきます。 ヨーロッパの保守的な新しい指導者たち、ドナルド・トランプ――そして日本は、「幸福実現党」です。 世界秩序の大転換――米国に続き大国となれ日本 2017.01.26 HS政経塾5期生 水野善丈 ◆グローバル化の盟主を気取る中国 「米国第一主義」を掲げたトランプ新米大統領が誕生する3日前、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、中国の習近平国家主席が基調講演を行いました。 そこで習近平氏は、「自由貿易の発展の堅持」と「保護主義への明確な反対」を訴え、中国の輸出品に高関税をかける政策を考えているトランプ大統領に牽制した格好となりました。 また翌日の国連欧州本部での演説では、「核兵器のない世界を実現するため、核兵器は完全に禁止され、時間をかけて破壊されるべきだ」と、核兵器を量産する国とは思えない発言もしました。 こうした一連の様子から、強い米国を再び取り戻す政策へとシフトしたトランプ政権へ警戒する中国がうかがえます。 ◆グローバリズムで成長した覇権国家中国 日本のマスコミ各紙では、今までの自由貿易のグローバリズムの流れを否定し、孤立主義へと向かっているように見えるトランプ政権の政策に対して、批判的な記事が連なっています。 しかし、今までのグローバリズムの流れによって、東南アジアや中国などの発展途上国は、経済発展し恩恵を受けてきた反面、日本や米国などの先進国は、途上国が優位な条件下で税金を払う企業が国外を出て、税収や雇用が途上国へ奪われてきたのも事実です。 特に中国は、2001年に世界貿易機構に加盟を承認され、補助金や通貨安誘導で対米輸出を不当に膨らませ、自由貿易システムであらゆる機会を捉えて利益を最大化し自国の経済を発展させてきました。 そして、同時に軍事拡張を推し進め、中国の覇権を強める原動力ともなりました。 ◆「戦わずに勝つ」戦略 そのため、トランプ大統領は「Make America Great Again」とスローガンを掲げ、まず強いアメリカを取り戻し、外交面で覇権を握ろうと考えています。 法人税の大幅な引き下げによる企業誘致を促し、米国の実体経済を強めながらも、中国などに対しては関税自主権を武器に公平な貿易を推し進めます。 また、外交においても、ロシアのプーチン大統領との関係を改善し、中国包囲網やイスラム国掃討作戦を考えるのと同時に、台湾と近づく姿勢を見せることで、中国の「一国二制度」の体制に亀裂をいれて、中国との交渉を優位に進める布石を打っています。 ◆新しい世界秩序の構築に向けて動き出した米国 現在の国際社会の常識から見ればトランプ大統領の米国は、「孤立主義」の方向へ進んでいるように見えます。 しかし、今までの常識を変えていくことで、秩序のある国際社会を構築しようと考えているように思えます。 ノーベル平和賞を受賞したオバマ前大統領の下の8年間では、ISISが誕生し、イランとは核合意、北朝鮮は水爆実験も成功させ、核弾頭の小型化に向けた開発を進め脅威が増しています。 また、中国は南シナ海にミサイル基地を設置するまで覇権を広げるに至りました。 オバマ氏の正義なき宥和政策が、米国のプレゼンツを弱め、世界のパワーバランスを歪め、結果、脅威が絶えない世界へとなっているのも事実です。 トランプ大統領が「意見をいうだけで、行動を起さない政治家にはもう容赦しない。文句をいい続け、それが仕事になっているような政治家たちだ。中身のない対話の時代の終わりだ。行動を起すときが来た。」と、大統領就任演説で訴えかけたように、正義のなき、中身のない政治は終わりを告げて、新しい世界秩序の構築に向けて動き出しそうです。 ◆変革のチャンスにかかる日本 一方で、日本では、米国のTPPの離脱を受けて、安倍首相は国際社会に呼びかけこの流れを変えようとしているのが現状です。 しかし、今なすべきは「国際社会の呼びかけ」よりも自国を変革していくことです。 米国に国防も経済も依存してきた日本に変化が問われているのではないでしょうか。 その方向は、社会保障中心の「大きな政府」ではなく、国際競争力に負けず、国民の経済活力を取り戻す、減税と規制緩和を中心とした「小さな政府」への移行であり、憲法9条の改正をはじめ、自主防衛体制を整えていく方向であると考えます。 続・日露国交回復60周年フォーラム「大転換時代の日本」 モスクワ現地レポート(2) 2017.01.25 ■「THE FACT」放映 里村英一専務理事 × 神武桜子副党首 「幸福実現党 神武桜子副党首がロシアでスピーチ」 https://info.hr-party.jp/2017/4082/ ◆ロシアのテーマは『孤立からの脱却』 「ロシアにとっては『孤立からの脱却』というテーマがあります」とも語っていました。 里村: ロシアにとっては一番痛いところは孤立化ですからね。経済も天然資源以外になかなか決定打がありません。 その辺で日本から大技を掛けていって、その流れで領土問題等も解決されていくべきだと、私なんかは思っていますが。 神武: そのとおりですね。最近では、中国とロシアが接近しているという報道が出ています。ですが、パノフ氏は、「それはアメリカへのシグナルなのだ」と。 ロシア側の軍事専門家の方も、「別に中国と信頼関係があるわけではなくて、信頼関係を作っていく段階の一つとして、軍事演習があるのだ」と、「これは他のところへのメッセージなのだ」と言っていました。 里村: そのメッセージを、やはり日本は重く受け止めなきゃいけないですね。ロシアと中国の間に信頼関係ができて、軍事同盟まで結ばれてしまったら、もう日本は勝てませんから。アメリカが一緒にいたとしても危ない。 だから、何としてもロシアと中国の間の関係に、くさびを打ち込まなくてはいけないと思います。 幸福実現党としては、これから特にロシア関係は、どのようにしていこうと。 神武: 安全保障として日米同盟を重視するのは変わらないのですが、トランプ革命が起きて、世界秩序が変わろうとするなか、日本としてはロシアも新しい安全保障のパートナーとしても見ていこうと。 というのも、北朝鮮の核問題について、ロシア側の発表で「簡単に解決できる」ということを示唆していました。 里村: できる感じがしますね。このプーチン大統領であれば、できると思います。 ◆新幹線を通してシベリアからモスクワへ ただ、そこまで持っていくには、神武さんがおっしゃったように、例えば、新幹線でシベリアからモスクワ、そしてパリ、フランスに行くという大動脈を日本から作るとか、それぐらいの技を仕掛けないと。 そうすると、日本からヨーロッパまで船便と鉄道で3週間近くかかるところを、3日で行けますから。 神武: そうですね。滞在中、ロシアのお野菜にトマトとキュウリが多くて。美味しいのですが、物流がよくなれば、日本の高級な果物や野菜を新鮮な状態で届けられると思うと、夢が広がりますね。 里村: 北海道に行って、鉄道や新幹線の大動脈を作ると言うと、非常に喜ばれます。今、JR北海道で不祥事が続いていて、廃線に次ぐ廃線です。 JR東海1社でリニアモーターカーを通すために20兆円のお金を出してやっています。この規模になると、JR北海道だけではもちろん無理なので、国もやるべきです。 それはロシアに対する日本のシグナルになるわけです。「ロシアを大事な国と見ているから、ここまで日本はやりますよ」というところがないと、なかなか信頼関係は難しいですね。 神武: そうですね。 ◆信仰深いロシア 神武: また、現地に行って思ったことですが、予想以上に宗教の復活が起きていて、ロシアの方と話しても、とても信仰深い方が多いようでした。 ロシア正教では1月7日がクリスマスなのですが、一緒に話したロシア人で、その時期に断食をするという人がいました。断食といっても、肉やお酒をとらず、お野菜とかを食べるのですが、ストイックに生きて自分の信仰を確かめるのだそうです。宗教的な生活を誰に強制されるわけでもなくやっているのです。 また、クレムリン宮殿近くのお土産さんで、「ホーリー・ロシア(聖なるロシア)」というDVDを売っていました。ロシア正教の歴史についてのDVDなのですが、お土産屋さんのおばさんが、これを指して片言の英語で「Very good」と言っていました。 DVDを見ましたら、「タタールのくびき」と言って、モンゴルがロシアまで支配して時代のことが描かれていました。それを打ち返すときに、モスクワ大公のドミトリー・ドンスコイが、聖人扱いされているロシアの修道士セルギイから力を授かって、モンゴルを打ち返すことができた、国を守るために信仰の力があったと表現されていました。 今後、ロシアと信頼関係を作るためには、ロシアの宗教に対する理解は大切だと思いました。 里村: 先の戦争でのソ連の行いのため、日本ではロシアの人気が今一つなのですが、そうした宗教的な話を聞くと、これからの国家戦略として、日本人がロシアの宗教も含めたいろいろな部分を理解して、そして何か日本から仕掛けていくということが必要だと思います。 神武: クレムリンのすぐそばに、高さ18メートルの大きな十字架を持ったウラジミール大公の像が昨年11月4日にできました。988年にこの方が洗礼を受けてキリスト教の信者となり、キエフ大公国をキリスト教国としたことが、ロシアの始まりとされています。 プーチン氏は、この方がロシアの精神的基盤を築いたと発言しているので、ここからも宗教を基盤に国を整えていくところが見えます。 里村: ぜひ安倍首相や自民党も、ロシアとの外交の重要性をきちんと理解していただきたいですね。幸福実現党にも、ロシア外交を担えるよう、ぜひお願いしたいと思います。 神武: はい。力をつけてまいります。ありがとうございます。 (完) 続・日露国交回復60周年フォーラム「大転換時代の日本」 モスクワ現地レポート(1) 2017.01.24 前回、神武副党首がモスクワで開かれた「大転換時代の日本」をテーマとした「日露国交回復60周年フォーラム」に参加し、スピーチした内容をお送りいたしました。 今回は、その様子について、別角度から、ネット番組「THE FACT」で、里村英一 幸福の科学専務理事と神武桜子副党首が対談した様子を2回に分けてお届けします。 ■「THE FACT」放映 里村英一専務理事 × 神武桜子副党首 「幸福実現党 神武桜子副党首がロシアでスピーチ」 https://info.hr-party.jp/2017/4082/ ◆日本がロシアとの関係を大事にしなければならない理由 里村: 12月22日、23日で、神武さんは、モスクワ国際関係大学で開かれた「日露国交回復60周年フォーラム」でスピーチをされました。いったい、どんなスピーチをされたのですか? 神武: 日本にとって、ロシアとの関係を強めていくのがとても大事だ、という趣旨の話をさせていただきました。 里村: 具体的なポイントは、どういうところになるでしょう。 神武: 2014年にクリミア危機が起きて、日本は欧米諸国のロシア制裁に同調していたのですけれども、それがよくありませんでした。 むしろ、日本がホストであった伊勢志摩サミットにロシアを呼び、ロシアがG8に復帰できるように協力すべきでした。 あと、近隣国の軍事拡大に備えて、安全保障と経済の面で日露の関係を強くして、日露平和条約を早く結び、シベリアと日本を鉄道で結んで物流革命を起こしましょう、と話しました。 里村: こういう場なので「近隣国」と表現したと思いますが、要するに中国、もちろん北朝鮮のことですね。 神武: そうです。「近隣国」と、ストレートには言いませんでした。 ですが、ロシア側から「中国や北朝鮮の軍事拡大は、日本とっては脅威ではないのか」という発表もあり、かなりストレートに「中国」「北朝鮮」と名指ししていました。 ◆ロシアの反応 里村: 会議には日本の駐ロ大使や、ロシア研究では日本の第一人者と言われる方々も参加していましたね。参加者の反応はどうでしたか? 神武: 特にロシア側の反応が良くて、「おもしろかった。日本では珍しい考え方だね」とか、「日本で若い人が政治をやっているのにびっくりした」と言われました。 里村: なるほど。トランプ大統領やプーチン大統領と日本がこれから付き合っていくときに、「何を考えているか」「何を目標にしているか」を明確にしないと、交渉相手と認識されない時代になってきています。 やはり、はっきりと主張を打ち出すことは大事ですね。 神武: そうですね。 ◆衝撃的だった元日本大使のパノフ氏の発言 里村: 他の方の発言は、どんな感じでしたか? 神武: ロシア側の元日本大使のパノフ氏の発言は、おもしろかったというか、衝撃的でした。 12月15日、16日の日露首脳会談への見解として、「安倍首相としては何も手柄がなかったのではないか」「日露関係に信頼関係がないから、平和条約が結べないのだ」と話していました。 「安倍政権では日露平和条約は結べないと思っている」とも言っていました。 驚いたことに、この方の発言がNHKのネットニュースに出ていました。そのネットニュースでは、パノフ氏の「他に選択肢はなかったから、正しいアプローチだったのだ」という発言だけを取り上げて、まるで安倍首相を評価しているというニュースになっていたのです。 里村: 全く違ったニュアンスで紹介されていたと。 安倍首相はプーチン氏が帰ったあと、とにかくテレビに出演し続けて、「会談は大成功だった」と言い続けました。 神武: そうですね。共同開発が大成功だと(笑)。 里村: そして、日露首脳会談で、どんなことが話し合われたか分析や検証がなされる前に、見事に真珠湾訪問へ飛んでいますね。 神武: そうですね。 里村: 日本のメディアは、まさに「馬の鼻っ面にニンジン」状態でそっちへ向かったので分からないのですが、ロシア側の事情通から、「安倍政権では日露平和条約は結べない」という話が出ていたというのは、結構衝撃ですね。 神武: そうですね。他にも、パノフ氏は、「北方領土をお金で買いたいという、日本の意向も我々は知っている」「しかし、もし二島返還したら、三島、四島と取られていくから、プーチンはお金で北方領土を売ることはない」と発言をしていました。 (つづく) 「日露国交回復60周年フォーラム」 モスクワ現地レポート 2017.01.22 幸福実現党・神武桜子副党首 兼 広報本部長レポート 「大転換時代の日本」をテーマとした「日露国交回復60周年フォーラム」で話し合われた内容など詳しい状況をレポートいたします。 ◆「日露国交60周年フォーラム」に出席 昨年12月、安倍首相がプーチン氏と会談し、北方領土に関して外交的失敗を喫した1週間後、私はモスクワでの「日露国交60周年フォーラム」に出席いたしました。 その場で、私は「日露関係を大切にすべき」という主旨で、「伊勢志摩サミットで、日本はロシアをG8へ復帰させるきっかけを作るべきだった」「極東近隣国の軍事拡大に備えて、安全保障・経済両面での関係強化と平和条約締結を実現するべき」「「幸福実現党はシベリア鉄道を日本の北海道にまで伸ばし、物流革命を起こして、日露を豊かな経済圏にしたい」と、述べました。 スピーチ後、ロシアの方から、「日本では珍しい意見で面白い。もっと知りたい」「幸福実現党は初日終了後話題になった。日本人で若い人が政治に興味を持って活動しているのを知って驚いた。日本では政治に興味があるのは50代あたりからだと思っていた。日本人らしくない」という話をお聞きしました。 また、注目すべきはロシア側の発表です。日露関係に関して、元駐日ロシア大使のパノフ氏の発言が興味深かったので、少し長いのですが重要な点をお伝えさせていただきます。 ◆モスクワ国際関係大学教授、元駐日ロシア大使 パノフ氏の主張 「日本が北方領土を買いたいと思っていることは知っている。しかし、プーチンは売らない。2島返還したら、3島目、4島目と領土を取られてしまうことを懸念しているからだ。私見だが、戦略的な解決策や最後の道筋が見えるまで、交渉において日露のどちらかが一方的に上の立場になることはない。日本にとって、ロシアは極東における経済的に理想的なパートナーではないだろうか。」 「ロシアには、『孤立からの脱却』というテーマがある。日本がロシアと平和条約締結を目指しているのは、増大する中国の脅威に対抗するためだと理解している。日本は中国市場に依存するのをやめて、ロシアにも新しい市場の可能性があると知るべきだ。日本のエネルギーは限られており、農業は伸び悩んでいる。」 「追い込まれた状況の中、日本の最良のパートナーとなるのが、ロシアだ。極東地域では日露が農業分野で協力するという計画も始まっている。ロシアが中国と組んでいるのは、あくまでも経済的な利益のためである。日本の新市場開拓は極東での日露共同開発が端緒になるだろう。」 「安倍政権下での平和条約締結は難しいと思っている。安倍首相は北方領土の共同管理・開発を提案して、今の膠着状態を改善すると言っているが、共同管理についてロシアの国内世論は反対だ。」 「平和条約が締結できないのは、根本的には信頼がないから。信頼があれば、ロシアは北朝鮮の水爆実験の問題解決にも貢献できる。ロシアは日本に対して軍事的脅威を感じていない。長期的に見れば、日露間に壁(前線)を作るべきではない。ロシアの日本研究家はネガティブな情報を強調する傾向があるが、積極的な方向を見出すことが大事だと思う。」 参考:The Liberty Web URL:http://the-liberty.com/article.php?item_id=12388 また、そのほかにも、ロシア側の方々の発言として、「北方領土を最終的に日本に取られるのではないかというのが、ロシア国民の意見」「露中で軍事演習をしていて、日本ではすごいニュースになるが、中国と信頼関係があってやっている訳ではない。信頼関係醸成の途中段階として軍事演習をしている」「北朝鮮の核について、露日は一緒に仕事できる」という話がありました。 ロシア側は極めて率直にリアリスティックな観点から、「中国、北朝鮮問題を考えたとき、日露関係は重要だ」と考えています。 日本側にロシアに対する理解がないために、日露関係は進展せず、北方領土問題も座礁していますが、ロシア側の本音を理解すれば、友好な日露関係を構築することは可能なのです。 特に、今のロシア人は、驚くほど宗教を大切にしています。「信仰の大切さを知っている幸福実現党は、ロシアへの理解を深め、ロシアと共に世界の平和・安定に貢献していきたい」──そう決意を新たにしました。 【参考】12月30日放送「THE FACT」 里村英一専務理事 × 神武桜子副党首 「幸福実現党 神武桜子副党首がロシアでスピーチ」 https://info.hr-party.jp/2017/4082/ トランプ米新大統領の誕生を受けて(党声明) 2017.01.21 昨日、下記、党声明を発表しましたのでお知らせいたします。 ■トランプ米新大統領の誕生を受けて(党声明) https://info.hr-party.jp/press-release/2017/4138/ 幸福実現党は、ドナルド・トランプ氏の米新大統領への就任を歓迎します。 「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏に対し、世界や日本の先行きを不安視する向きもありますが、米新政権の発足は、「トランプ革命」とも言うべき時代潮流の変化をもたらし、世界秩序の大きな転換点となるとともに、わが国に対しては、自立を促すものとなるはずです。 安全保障面では、中国や北朝鮮による軍事的脅威への備えが急務であり、米国の対日政策の変化も見据え、日米同盟の双務性を高めることで同盟強化を図りつつ、憲法9条の改正をはじめ、自主防衛体制を整えるべきというのが、わが党の考えです。 トランプ新政権は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を正式表明しましたが、中国の台頭を招いたグローバリズムの「反転」が起きているなか、日本も情勢変化に即応すべきです。中国抑止の姿勢を鮮明にする米新政権と歩調を合わせ、通商戦略の見直しを図るとともに、対中牽制を強めるべきです。 また、トランプ氏は就任演説で、貿易や税制、移民、外交のあらゆる決定に関して、「米国の労働者と家族に利益をもたらすようにする」と言明しましたが、メキシコ国境の壁建設をはじめ、米国の繁栄に向けて、同氏がこれまで示してきた政策方針は極めて明確です。 言葉が躍るばかりで具体論に乏しい既存の政治家との違いは明らかであり、政策実行に責任を持つ政治が行われるものと期待します。 翻って、日本経済に停滞感が漂うなか、安倍首相は「アベノミクスは道半ば」などと強弁していますが、その経済財政運営の失敗は明白です。増税路線や経済界への賃上げ要請など、現政権が進める国家社会主義的な政治手法では、経済成長の原動力である民間活力を弱め、国力低下をもたらすばかりです。 消費税の5%への減税や法人実効税率の大幅な引き下げをはじめ、大胆な減税や規制緩和により民間の自由を拡大することで、経済成長と雇用拡大を図るべきだと考えます。 日本を覆う閉塞感の打開には、確かな国家ビジョン、責任ある政治の確立が必要です。わが党は、国益の確保に向けて「日本ファースト」の政策を掲げるとともに、この国を世界の平和と繁栄、正義の実現に貢献できる国家へと新生させるべく、力を尽くす所存です。 平成29年1月21日 幸福実現党 アメリカで北朝鮮への軍事攻撃が議論に 2017.01.19 幸福実現党・政務調査会 都市計画・インフラ部会長 HS政経塾第2期卒塾生 曽我周作 ◆今、アメリカで北朝鮮への軍事攻撃が検討されている 今年に入り、外交関連の情報筋のレポートを見ていると、北朝鮮関連のレポートが増えたように感じています。 特に年頭に「ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験が最終段階に達した」と金正恩氏が述べ、トランプ氏がツイッターでそれを批判する投稿を行う中、ワシントンポスト紙でペリー元米国防長官が北朝鮮への爆撃について反対するなど、米軍による北朝鮮への軍事攻撃に関する論説が注目されます。 ◆機能しない韓国政府 現在、韓国では朴大統領の弾劾審判が行われ、完全にレームダック状況にあり、政府がまともに機能していない状況にあります。財界も含めたスキャンダル疑惑の中、韓国は混乱の最中にあります。 また、釜山にある日本の総領事館前に、ウィーン条約に反して、違法に慰安婦像が設置され、日韓関係が悪化。日本は駐韓大使を「一時帰国」させるなど、報復措置をとる事態に発展しています。 さらには、1月17日の産経新聞で報じられているように韓国の京畿道の議員団が、こともあろうに我が国の領土である竹島に、慰安婦像を年内に設置することを目指して16日から募金活動を始めたようです。 この挑発的な韓国政界の態度に強い怒りを感じるものですし、日本側が外交的な報復措置をとったのは支持できるものであります。 ◆安倍政権の行った日韓合意そのものが日本の先人に対する冒涜 しかし、そもそも日本国民としては、いわゆる「慰安婦問題」でいわれるような、「20万人もの朝鮮半島の少女を強制連行して、『従軍』の慰安婦として『性奴隷』とされた」などというでっち上げのストーリーに対して、それを否定し、国際社会にむけた発信を行うことこそ、祖国への誇りを取り戻す上で熱望してやまないことです。 日本の政府はこれまで全く十分な努力をしてきませんでした。その間に慰安婦像は世界中にばら撒かれ、世界中の人々が「虚偽の歴史」を信じてしまっています。 さらに、もしもユネスコに登録などされてしまうと、半永久的に「ありもしないこと」で祖国が辱められ続けることになります。 その意味で、一昨年末の日韓合意を行ったことそのものが間違いであり、さらには岸田外相が「軍の関与」を認めたことなどは、我が国の先人への冒涜以外何ものでもありません。 ◆日本は毅然とした態度を維持すべき 日本側が、ある意味で「誠実に」履行している以上、日本側から日韓合意を破棄することはないでしょう。 しかし、次の韓国大統領候補筆頭とも目される「共に民主党」の文在寅氏などは日韓合意を認めない方針の発言を行うなど、韓国側からの一方的な「合意破棄」は考えられなくはありません。 しかし、本来、日本側がそれを過度に恐れる必要は無く、国際社会に対して真実の歴史を明らかにし、積極的にアピールすべきです。 ◆裏に潜む、北朝鮮の工作 冒頭述べたように、今アメリカでは北朝鮮に対する軍事攻撃の検討が行われるなど、いつ有事になってもおかしくありません。 ちょうど今トランプ政権が誕生する直前になりますが、トランプ政権で国防長官に指名されているマティス氏は、12日の議会承認公聴会において北朝鮮のICBM開発はアメリカにとって深刻な脅威であり、軍事的対応も選択の一つだとしています。 アメリカ大統領選の前は、北朝鮮はトランプ氏を歓迎するかのような発信をしていましたが、トランプ大統領を甘く見ていたことに今気づき始めているのではないでしょうか。 しかし今、韓国政府がまともに機能しない中、慰安婦像設置に動いている市民団体の裏には北朝鮮の工作があることが報道でも明らかになっています。 (参考:「慰安婦像をソウルと釜山の日本公館前に設置した団体は北朝鮮と連携し、日韓関係を悪化させることを目的としている」1月17日産経新聞『政論 慰安婦像の撤去が先だ』) ◆韓国国民に課された責任 これに対して韓国の政治家が同調し、韓国政府も像の撤去を行わず、それを韓国国民が支持している状況です。 仮にも民主主義国家に住む韓国国民は、自らが選んだ政府や政治家に対して責任を取らなければなりません。 日本としても朝鮮半島有事の際に、日韓政府間連携がまともにできないと、在韓邦人の救出などに不安を残します。 しかし、我が国にも譲れない一線があってしかるべきです。結局、日本に見放されて一番困るのは、韓国のはずです。 すくなくとも日本政府としては、「慰安婦像の撤去をしない限り、駐韓大使の帰任はさせない」という意志を示すべきではないでしょうか。 ◆日本は目も前の危機から目をそらさず、自国を護る防衛力向上を 韓国は政府もまともに機能しておらず、今後政府間の信頼関係が築けるのはいつの日になるかわかりません。しかし、朝鮮半島有事はいつ起きるかわからない状況です。 日本国民自身、政府やメディアを通じて、北朝鮮の核開発がどれほど危険で、自分たちがどれほどの脅威にさらされているのか知る必要があります。 余談ですが、金正恩氏が年頭の辞で「いつも気持ちだけで、能力が追いつかないもどかしさと自責の念にかられながら・・・」などと述べたのも何とも不気味な状況です。 日本は、次期トランプ政権と一刻も早く信頼関係を醸成すると同時に、我が党がかねてより主張しているように、北方領土問題を一旦棚上げしてでも日ロ関係を前進させ、アメリカ・ロシア両国と連携して北朝鮮と中国に睨みを利かせることが重要です。 そして何よりも日本国内において、真剣に我が国の安全を護る議論を進め、防衛力強化と有事にむけた法整備を、全力で、そして全速で取り組む必要があると思います。 すべてを表示する « Previous 1 … 35 36 37 38 39 … 98 Next »