Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 迫り来る「2012年問題」―自主防衛を急げ! 2012.01.03 2012年は日本を取り巻く主要国トップが一斉に交代する激動の一年になりそうです。日本としては、以下のような各国のトップ交代に関するリスクを認識し、外交・防衛の備えを強化すべきです。 【北朝鮮】金正日総書記の死去に伴い、金正恩氏への権力継承が進み、昨年12月30日、北朝鮮労働党は金正恩氏を人民軍最高司令官に任命。「金正日同志が示した先軍政治(注:軍事優先の国家方針)の道に沿って力強く歩む」と宣言しました。 国際人権擁護団体アムネスティは、金正恩体制強化のために数百人が粛清されていることを報告していますが、金正恩氏の傲慢で権力欲が強く、好戦的な性格は『北朝鮮―終わりの始まり―』の霊言や様々な証言等によって露見しています。 特に、日本が警戒すべきことは、北朝鮮は既に二度、核実験を強行し、「核保有」を自ら認めるに至っていることです。核の小型化に成功していれば、間違いなく、日本全土に届くノドンミサイルに核が搭載されます。 320発ものノドンミサイルが日本に同時に襲来した場合、日本のミサイル防衛(MD)では対応できません。一刻も早く北朝鮮の「先軍政治」を終わらせるべく、日本は日米同盟を基軸とした外交努力を展開すべきです。 【台湾】1月14日投開票の台湾総統選では、再選を目指す中国寄りの国民党・馬英九(ばえいきゅう)総統と民進党初の女性党首・蔡英文(さいえいぶん)主席とが互角の戦いを展開しています。 馬総統は、10年以内に中国との「平和協定」について交渉、締結する可能性を示唆しています。台湾では6割が「対中平和協定を支持」していると報道されていますが、これは民進党が批判しているように危険な協定です。 1951年、チベット政府が中国との間で「チベット平和解放協定」に署名し、中国軍のチベット入りを許可した結果、中国軍が易々とチベットに入り、武力鎮圧を行いました。 馬総統が勝利すれば、チベットと同じく、中国が戦わずして「台湾併合」を成し遂げる可能性が出て来ます。そうなれば台湾海峡は中国の「内海」となり、日本のシーレーンは分断され、日本の生命線が断たれる危険が高くなります。 【ロシア】3月4日にはロシアの大統領選が予定されており、プーチン首相の返り咲きが確実視されています。 プーチン氏は2001年に中国との間で「中露善隣友好協力基本条約」を締結するなど、「反米」を基軸として中国と連携するスタンスを有しています。 中露連携が強化されることは、日本としては、北と南西からの挟撃を受ける可能性が強まり、安全保障上の脅威がより一層強まります。 【アメリカ】アメリカ大統領選挙の焦点は、オバマ氏が再選されるか否かです。オバマ大統領の再選はかなり厳しい状況にあると言われていますが、対する共和党も候補者選びで混迷が続いています。 財政再建に伴う軍事費削減が迫られる中、米軍普天間飛行場の移設問題が契機となって、「在日米軍撤退」を公約に掲げる共和党候補者も出てきており、大統領選を通じて日米同盟のあり方がクローズアップされる可能性も高まっています。 【中国】秋には、第18回中国共産党大会において、胡錦濤国家主席の後継者として、対日強硬派の習近平国家副主席が党総書記に選出される見通しとなっています。 習近平氏は、反日・強硬路線を取った江沢民氏の「子飼い」であり、2009年7月のウイグル大弾圧・虐殺で陣頭指揮を取った猛悪な人物です。ノーベル平和賞をめぐる西側の中国批判に対しても強硬姿勢を示しており、日米との対立が強まる危険が高くなっています。 【韓国】12月19日、韓国大統領選挙が行われます。親米保守の与党ハンナラ党の次期大統領候補は女性の朴槿恵(パク・クネ)元代表でほぼ決まりと言われていますが、同党は李明博(イ・ミョンバク)政権の不人気により支持率が急降下しています。 その結果、親北・左派勢力が影響を持つ野党が政権奪還に成功すれば、北朝鮮が韓国に対して一定の影響力を持つことになり、朝鮮半島情勢が一層、不透明になることは避けられません。 周辺国の政情が不安定さを増す2012年、今こそ、幸福実現党が政権を担い、日本とアジアの平和を守ることが求められています。 幸福実現党は、国民の生命・財産・安全を守るために「日米同盟」を強化し、諸外国との連携により「中国包囲網」を形成しつつ、「自主防衛」体制を迅速に構築して参ります。(文責・黒川白雲) 朝鮮半島有事:在韓邦人救出に向け、早急に法改正や特措法の制定を進めよ! 2011.12.27 北朝鮮の最高指導者金正日総書記が12月17日に死去し、その後継者に金正恩氏が立てられました。金正恩氏はまだ若く、後継者として北朝鮮に浸透しているとは言い難く、その実績も非常に少ないものがあります。 このことから、金正恩氏が体制固めを強化すべく、規模の大小にかかわらず、何らかの軍事的行動に出て「実績づくり」に走ることが危惧されています。 そこで思い起こさなければならないのは「朝鮮戦争は未だ終わっていない」という事実です。朝鮮戦争は1953年7月27日発効の停戦協定によって「休戦」していますが、これは「戦争が終わっていない」ということを意味しています。 どちらかが協定を破棄するような事態になれば、再び戦争が開始されるリスクを常に伴っており、そのリスクが低くない以上、朝鮮半島に隣接する日本も万全の備えを整えていく必要があります。 朝鮮半島が有事に至った場合、日本にとって真っ先に問題になるのは、在韓邦人(韓国に住んでいる日本人)の救出です。在韓邦人は長期滞在者・永住者が約2万9000人、旅行者が毎日約9000人で、合わせて約3万8000人になります。 幸福実現党は金正日氏の死去に際し、「幸福実現News号外」を配布致しておりますが、その中で、真っ先に「自衛隊による在韓邦人救出に向けた法整備を行う」ことを挙げています。⇒http://p.tl/MEqI 昨年12月、延坪(ヨンピョン)島砲撃事案を契機に、菅前首相は、半島有事の際、拉致被害者を含めて邦人の救出に自衛隊の輸送機を派遣する考えを表明しました。 しかし、韓国側から「日本軍に対する韓国人の感情を度外視した浅はかな発言だ」といった猛反発を受け、仙谷前官房長官が「頭の体操に過ぎない」と菅氏の発言を全面否定して、うやむやに終わっています。事態は何も進展していません。 先日の野田首相と李明博大統領との日韓首脳会談でも、報道を見る限り、在韓邦人の救出問題は話題にも上がっていません。 今年のリビア動乱の際も、大使館員は2月25日に脱出しましたが、現地に7人の日本人が取り残されました。この期に及んでも、民主党政権は航空自衛隊所属の政府専用機をリビアに飛ばすことを検討せず、結果、内6名は韓国企業の手配で出国し、全員が出国したのは3月5日でした。 こうした経緯を鑑みると、民主党政権は半島有事の際、国民の生命と財産を守る責任を放棄し、4万人近い在韓邦人を見殺しにするであろうことは容易に予測がつきます。 もし、朝鮮戦争が再び開戦という事態になれば、韓国の首都ソウルは軍事境界線(38度線)から約50kmしか離れておらず、北朝鮮が短距離弾道ミサイルで首都ソウルへを攻撃することが想像に難くありません。 北朝鮮が保有しているとされる短距離弾道ミサイルは「スカッド」と「ノドン」の2つですが、両者とも高性能火薬を詰めた弾頭、毒ガスを詰めた弾頭(化学兵器)、ボツリヌス菌などを詰めた弾頭(生物兵器)を取り付けることができます。 核ミサイルでなかったとしても、化学兵器弾頭や生物兵器弾頭が都市部に落下すれば甚大な被害が及びます。 その被害は砲撃によるものとは比較にならず、韓国軍の指揮統制が破壊されることにより、非武装地帯における韓国軍の作戦行動に大きな影響を与えます。 そうなれば、韓国政府は非常に大きな混乱に陥り、邦人救出の協力など望めるべくもありません。韓国政府は、まず自国民の保護を優先することが当然だからです。 日本政府にとっても、他国の領土における日本国民を保護・救出することは基本中の基本です。米国政府も、米軍を除いても約8万5,000人もいる在韓米国人の救出を優先させるでしょう。在韓邦人にとって、最後の頼みの綱は日本政府しかありません。 北朝鮮の韓国に対する攻撃が発生した場合、非武装地帯に近いソウル特別市にある金浦国際空港や仁川広域市にある仁川国際空港も同時に攻撃を受ける可能性が高いと言えます。 そこで、ソウルにいる日本人には安全な韓国中部や南部、例えば釜山広域市や大邱広域市に退避させ、そこから空路、若しくは海路で日本に向けて脱出するシナリオが最も現実的だと考えます。 日本に向けて脱出する場合、自衛隊機だけでは輸送キャパに限度があるため、政府は旅客機などの民間機をチャーターすることが必要です。 事態が韓国全土に拡大する可能性も十分に考慮する必要があるため、投入しうる最大限の輸送力を以って、極めて迅速に輸送することが必要です。 1999年に自衛隊法が改正され、海外の自国民を救出するために、自衛隊の艦艇や軍用機を使用できるようになりましたが、「当該輸送の安全について…確保されていると認めるとき」という条件が付いています(自衛隊法第八十四条の三)。 しかし、安全な状況であれば、民間機を利用すれば良いわけで、有事においても自衛隊が救出に参画できるよう、自衛隊法の改正や「朝鮮半島有事に係る在外邦人脱出に関する特別措置法」の制定、事前の韓国との取り決め等が急務です。 邦人救出はスピード勝負です。朝鮮半島有事における邦人救出については、日本政府は今から迅速に法改正等に取り組み、何度もシミュレーションを繰り返すべきです。 こればかりはアメリカや韓国などの他の国を頼りにするわけにはいきません。日本人の生命・安全・財産を守るのは、日本政府の最大の責務です。(文責・黒川白雲) 2012年は国家としての「危機管理能力」が厳しく問われる 2011.12.24 12月19日の金正日氏の死去から既に「激動の2012年」の幕が開きました。 2012年は、アメリカ、中国、韓国、台湾、ロシア等、日本を取り巻く各国首脳が交代・再選に直面しています。その中で、各国首脳が権力を掌握すべく、外圧を強め、有事を起こす事態も想定されています。 しかしながら、「激動の2012年」を目前に、様々な点から日本の危機管理意識の希薄さと危機管理能力の欠落が浮き彫りになっています。 19日昼。北朝鮮が「特別放送」を予告し、金正日総書記の死去も予測された中、野田首相は「遊説の約束は破れない。何かあれば、すぐに連絡してほしい」。こう言い残して街頭演説に向かいました。しかし、すぐに戻るはめになりました。 その後、閣僚を集めて緊急に開いた「安全保障会議」も、たったの10分で終わりました。議論の材料になる情報がなかったからです。 20日以降も各省庁から野田首相に報告が上げられましたが、「関係国による分析の内容などが多く、目立った情報は入っていない」(首相周辺)という始末です。(12/22日経) 金総書記の死期が近いことは分かっていたのに、政府は情報収集をろくにしておらず、死亡発表後の混乱もお粗末です。 高度情報化社会と言われて久しく、一企業活動においても情報こそが生命線となる現代社会において、国家の存亡と国益を守るための主体的な諜報活動がなく、諸外国の情報収集や分析能力に依存している現状では、国家の重要な意思決定をすることは出来ず、到底、自立した主権国家とは言えません。 危機管理体制のあり方については、北朝鮮ミサイル発射実験などを受けて、安倍政権時に、形骸化して機能不全であると指摘された「安全保障会議」を強化すべく、「日本版NSC(国家安全保障会議)」が提起されましたが、実現には至りませんでした。 今回、日本版「国家安全保障会議」(NSC)創設を目指す民主党の作業チームは13日、既存の「安全保障会議」が形骸化しているとして、廃止を含めて在り方を見直す方針を固めました。 今後、民主党内での結論がどうなるかはまだ不明ですが、国家戦略室と国家戦略会議のように、曖昧で重複する数多くの審議会や組織をつくりながら、何ら機能していない現状を見ると、官僚組織の肥大化が進んでいくことが危惧されます。 危機管理に対応できる国家を築くには、まずは危機管理に対処する官僚組織を掌握する政治家の見識こそが問われています。 また、特にインテリジェンス(情報活動)や周辺有事への即応体制のあり方が問われており、機能強化と再構築が急がれています。 「2012年は予測不能の年」だと言われおり、危機管理能力の欠如は「国家存亡の危機」を招きかねません。 政府は様々な「想定外」の事態に対し、機動力を持って臨機応変な対応を実現できる危機管理体制の構築を急ぐべきです。(文責・小川俊介) 朝鮮半島の激動に備えよ――「国防軽視」の野田・民主党政権は即刻下野せよ! 2011.12.22 北朝鮮の国営メディアは、金正日氏の死去発表後、後継者の金正恩氏を「最高指導者」だった金日成主席、金総書記と同一視し、正恩氏を奉ることが金総書記の「遺訓」と強調しています。 金正恩氏は、将来的には、党トップの「総書記」に選出され、国家指導者としての体裁を整えるものと見られます。 しかし、金正恩氏の本格的な権力の掌握はこれからであり、金正日氏という強力なカリスマ亡き後、政権移行期に混乱が生じることも予想されます。 権力の継承に失敗すれば、北朝鮮国内で権力闘争が勃発し、内乱状態に陥る可能性があります。 北朝鮮の経済状態は悪く、慢性的な食糧不足のため、国民の不満が募っており、難民の流入や、体制の移行に伴う権力空白をついてのクーデター勃発も考えられます。 また、金正恩氏の軍事的暴走の危険性について、元公安調査庁・調査第2部部長の菅沼光弘氏は、下記のように指摘しています。(12/21夕刊フジ「“後継者”金正恩の狂気…戦争いとわぬ激情家の恐怖」http://p.tl/wDOY) ・「芸術的素養があった父と違うのは正恩氏が早くから軍事の道に入ったこと。大学でミサイルの弾道計算について研究し、日本海に向けてのミサイル発射実験の際には自ら立ち会って現場指導に当たった。北の国内では『戦争に踏み切る胆力がある』と評価されている」 ・「軍事力による恫喝が北にとっての唯一最大の外交手段。北の国内では『正恩氏なら日韓に対して大胆な挑発ができる』という期待感が高まっている。この意を受けて、正恩氏が過激な軍事行動を主導する可能性は否定できない」 既に、金正恩体制は17、19日に日本海に向けて、短距離弾道ミサイルを発射しています。 また、来年2012年は金日成生誕100年、金正日生誕70年、金正恩生誕30年の記念の年として「強盛大国の大門を開く」とのスローガンを掲げて来ただけに、軍事的な国威発揚の可能性が予測されます。 日本政府は不測の事態を想定し、日米韓の緊密な連携で認識を共有し、不測の事態への対応を万全にすべきです。 幸福実現党はかねてより、中国の覇権主義の動きや北朝鮮の暴発リスクを踏まえ、日米同盟の強化や、憲法9条の適用除外(憲法前文にいう「平和を愛する国」とは言えない国家に対し、憲法9条を適用されないことを明確にし、国際法上認められる自衛権を確立)等を訴えて来ました。 また、朝鮮半島有事も見据え、3万人といわれる在韓邦人の安全確保や、今も日本海を隔てて救出を待つ拉致被害者の保護を可能とする法制度は急務です。 しかしながら、野田首相は、19日正午に行われた金正日氏死去の特別放送に先立って、内閣情報調査室から放送情報を得ていたにもかかわらず、特別放送を待たずに街頭演説に向かうなど、危機管理能力を著しく欠いています。 また、金総書記の死去を受け、19日午後に開催された安全保障会議には、山岡国家公安委員長が遅刻、同氏は「事務方が出るべき」と釈明するなど、危機意識の欠如は甚だしい状況です。 そもそも、こうした国家の有事が予想される時期に、防衛大臣に「防衛問題の素人」を自認する一川保夫氏を据えるなど、野田首相の「安全保障軽視」は明確であり、「危機の時代」の国家指導者としては失格です。 日本を取り巻く安全保障情勢が不透明感を増す中、もはや野田政権に国民の生命・財産・安全を守ることを期待することはできません。 幸福実現党は、国家を守る気概なき野田首相の即時退陣、並びに、国防弱体化を進めて来た民主党政権の即刻下野・解散を強く求めて参ります。(文責・黒川白雲) 「若き独裁者」金正恩氏の「先軍政治」に備えよ! 2011.12.20 今、世界中の関心は、金正日氏の死去に伴い、「次期北朝鮮の指導者となる金正恩体制はいかなる政治体制となるのか」、また「若い金正恩氏が北朝鮮を統治できるのか」という点に集まっています。 北朝鮮から漏れてくる情報が限られている中、日本としても、北朝鮮の動きを注視し、金正恩体制の未来を予測していくことが不可欠です。 複数の日本政府高官によると、北朝鮮は19日午前、弾道ミサイルを少なくとも2度、日本海に向けて発射しました。 日本政府は、短距離弾道ミサイル「スカッド」の可能性が高いとしていますが、中距離弾道ミサイル「ノドン」だった可能性もあるとして分析を急いでいます。 政府高官は「以前から計画されていたものではないか」と指摘し、金正日総書記の死去とは直接関係ないとの分析をしています。(12/20産経) しかし、今回の報道については、二つの不審な点があります。 一つ目は、これが本当に「弾道ミサイル」であるのかという点です。その証拠に、弾道ミサイルの発射兆候が見られた場合に必ず動くアメリカ海軍のイージス艦が動いたという情報はありません。 韓国軍は、これまで北朝鮮が最大射程120kmの「地対空ミサイルKN-02」の射程距離を伸ばす発射実験を繰り返していたことから、今回のミサイルは「KN-02」を2発発射したと見ています。(12/20韓国聯合) これが「地対空ミサイル」であったとすれば、日本まで届く飛行距離はありませんが、韓国空軍にとっては十分に脅威となり得ます。 二つ目は、日本の政府高官は、今回のミサイル発射は「金正日総書記の死去とは直接関係ない」と断言している点です。 金正日氏死去報道の直前のミサイル発射は、世界中から注目を浴びることは分かりきっており、そこに意図が込められていると解する方が自然です。 実際、今回の北朝鮮のミサイル発射について、ロシア戦略技術分析センターのマキエンコ副所長は19日、「金総書記の死亡と明らかに関係がある」と語り、北朝鮮の目的は、「国際社会や周辺国に北朝鮮軍が十分な戦闘態勢を維持しており、いかなる状況にも対応可能だと示すこと」だと分析しています。(12/20韓国聯合) 今回のミサイル発射は、後継者の金正恩氏が軍を掌握しており、首領が代わっても、「強い兵器を保持し、戦闘態勢を維持する」という北朝鮮の強いメッセージが込められていると見て間違いないと考えます。 また、国際的な人権団体「アムネスティ」が最近受けた報告によりますと、金正恩氏の継承に脅威と見なされた「数百人の政府関係者」が粛清され、処刑されたり、政治囚収容所に収監されているとのことです。(12/19アムネスティ発表国際ニュース⇒http://p.tl/81My) 過去1年に渡ってアムネスティが収集した情報によれば、金正恩氏とその支持者は、抑圧を強化し、体制批判の可能性を徹底的に押しつぶすことによって、新たな支配体制を強固なものにして来ました。 金正恩氏は、これまで後継者としての地位を固めるために、祖父や父と同じく、反抗者や敵対勢力に対して「血の粛清」を繰り返し、「恐怖政治」によって、北朝鮮の権力を掌握して来た冷酷な人物です。 こうしたことからも、後継者の金正恩氏は、父親の金正日氏と同じく、独裁体制を堅持し、「先軍政治」を引き継ごうとしているは明らかです。 北朝鮮の政治体制の中核は「主体(チュチェ)思想」と「先軍政治」です。 「主体思想」とは、首領は頭であり、党は胴体であり、人民大衆は手足であるとして、首領の絶対的な権威を打ち立て、独裁体制の支柱となっている独自の政治思想です。 「先軍政治」とは、社会主義の推進役は領導者が率いる軍であり、軍が全てにおいて優先されるという考え方です。 北朝鮮のメディアは19日、金正恩氏を「チュチェ思想の革命的理念の偉大なる後継者であり、我が党と軍、人民の傑出した指導者」であり、「金正恩氏の統率力により、チュチェ思想の革命を実現する保証がもたらされる」と報道しています。 こうしたことからも、日本としては、金正恩氏が「主体思想」「先軍政治」を堅持すると見て、有事に備え、日米同盟を強化し、安全保障を強化すると共に、早急に韓国やロシアなどの周辺国とも連携して万全な対策を講じていくべきです。(文責・黒川白雲) 金正日総書記死去~混沌(カオス)化する朝鮮半島情勢に備えよ!~ 2011.12.19 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が死亡したことが19日、判明しました。北朝鮮の発表によると、17日に現地指導に向かう列車内で重症の急性心筋梗塞に見舞われ、心原性ショックを併発したとしています。 後継者には、三男の金正恩(キム・ジョンウン)中央軍事委員会副委員長に確定しており、軍部を中心にした集団指導体制が当面、図られると見られています。 金正日氏は拉致行為、日本に向けたミサイル訓練、核開発など、日本の安全保障を大きく揺るがしました。日本国内でも、金正日氏の死去により、北朝鮮の軟化を期待する評論も出ていますが、状況は決して甘いものではありません。 後継となる金正恩氏は、金正日氏の三人の息子の中で最も権力欲が強く、闘争的で、狡猾な父親の性格を受け継いでおり、今後、金正恩氏が権力を掌握すれば、強硬路線を引き継ぎ、「金王朝」を強化する方向性は確実です。 また、圧倒的な統率力で独裁体制を維持した金正日総書記からの正式な権力継承が完成していない段階での金正日氏の死去は、中国、アメリカ、韓国、ロシア等、周辺諸国の様々な思惑と利害の衝突によって、極東の政治状況の一層の混沌(カオス)に拍車をかけることは必至です。 北朝鮮の今後のシナリオとしては、以下のような事態が想定されます。 (1)金正恩氏が軍を掌握して体制を維持し、強権を発動して「若き独裁者」として、「先軍政治」を掲げる従来の北朝鮮の路線を継承する。 この場合、来年2012年は金日成生誕100年、金正日生誕70年、金正恩生誕30年となる「記念の年」として、「強盛大国の大門を開く」とのスローガンを掲げて来ただけに、金正恩体制への移行に伴い、権力を誇示するための軍事行動に走る可能性は高いと考えられます。 2010年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件は、「砲撃戦術の専門家」と称する金正恩氏の「権力継承に向けた実績づくり」であると言われています。 そして既に、金正日総書記死亡直後に、北朝鮮は射程およそ100kmほどの短距離ミサイルを日本海側に発射しており、強硬路線は既に始まっています。 ※参照:12/19FNN「北朝鮮、金正日総書記の死後の19日朝に短距離ミサイルを日本海に向け発射」⇒http://p.tl/n4OG (2)20代後半という年齢と力量不足から、金正恩氏が権力の継承に失敗し、内部で権力闘争が発生し、内乱状態に突入する。 (3)その場合、反権力勢力がクーデターを起こして中国に介入を要請。中国が「権益保護」を名目に介入し、北朝鮮に中国傀儡政権を誕生させる可能性も。その後、その中国傀儡政権による半島統一(「赤化統一」)を図る。 (4)北朝鮮の政権が不安定化、内乱が発生した場合、アメリカが中国より先にリーダーシップをとって国連軍の介入を行う。 特に(3)の場合、すでに中国は北朝鮮と2007年、北朝鮮の最北部の不凍港・羅津(ラジン)港の50年間の租借権を結んでいます。それは港の借受だけでなく、その地に中国が行政権を執行するという、紛れも無い現代の「植民地政策」です。 中国は既に、この港の近くの羅先(ラゾン)の国境線に人民解放軍を進駐させ、北朝鮮での突発事項の際に介入する準備を完了させていると言われています。 また、これまでの金正日総書記と中国の関係は、決して「蜜月」と言えるものではなく、金正日総書記は中国を嫌い、中国も総書記を信用しておらず、その操縦に手を焼いていたと言われています。 この機に乗じて、中国が内部分裂工作を仕掛け、一気に北朝鮮を属国化する可能性も否定できません。 いずれにしても、今後の北朝鮮の行方の鍵を握っているのは、エネルギーや食糧援助で北朝鮮の生殺与奪権を握っている中国です。 そして金正恩氏がスムーズに政権を継承しても、そうでなくても、今回の事態を契機に、中国は、かつての明や清の時代のように、北朝鮮の属国化を進め、虎視眈々と韓国も含めた朝鮮半島全体の併呑を狙ってくるのは間違いないでしょう。 そうした中国の野心を踏まえつつ、日本は今後、難民対策やテロ、核ミサイル発射を含め、あらゆる有事を想定した安全保障上の対策を講じていく必要があります。 何よりも、北朝鮮は、既に核ミサイルを数発から最大20発保有していると見られている「核保有国」であり、露骨な「反日国家」です。 今回の金正日総書記死去が、今後、アジア全体の戦乱と動乱の危険性の引き金となり、日本の安全保障の危機が高まる可能性は低くはありません。 そうした中、日本政府は、藤村官房長官が、拉致実行の最高責任者である金正日氏に対して「哀悼の意」を表明するなど、「平和ボケ」していると言わざるを得ません。 日本政府としては、早急に日米同盟・日米連携を強化し、日米韓で北朝鮮に関する内部情報を収集し、認識を共有すると共に、この機会に、国際社会に働きかけ、あらゆる手段を使って拉致被害者救出のチャンスを探っていくべきです。 また、朝鮮半島有事など、最悪の事態を想定し、「憲法9条改正」を含めた有事における国防体制を構築していくことが急務です。(文責・矢内筆勝) 西太平洋に中国空母が現れる日~「沖ノ鳥島」の戦略的重要性~ 2011.12.18 12月11日、中国の空母ワリャーグが2回目となる試験航海を終え、大連に帰港したことを、中国の「法制晩報」が伝えています。 今回の訓練では、ワリャーグの飛行甲板にエレベーター位置や発艦前の艦載機準備位置を示す塗装が施され、艦載機に予定されている戦闘機J-15が空母に接近、「親密な接触」を行ったと報じられています。 「親密な接触」とは、空母への着艦なのか明らかにされていませんが、空母の本格運用に向けた訓練であることは間違いなく、予想以上に速いペースで中国の空母運用が進んでいます。 先月11月に、中国艦船の西太平洋(沖ノ鳥島沖)で軍事演習が行われていますが、艦隊の編成や訓練内容を見れば、空母展開を見越した訓練であることは明らかです。 中国の西太平洋での活動をまとめると下記のようになります。 まず、中国は海洋調査船による沖ノ鳥島近海の海洋調査を行っています。02年2月に沖ノ鳥島の東北東約250kmの海域で、03年10~12月には同じく沖ノ鳥島周辺で、04年12月には、沖ノ鳥島南方の排他的経済水域内の海洋調査を実施しています。 海洋調査船の目的は、西太平洋の米空母艦隊の攻撃を目的とした潜水艦を展開するために必要な海底地図をつくるための調査であると推測されます。 国際海洋法条約によって、日本の排他的経済的水域(以下、「EEZ」)内での海洋調査の際には、日本への事前通告が義務づけられていますが、日本は簡単に許可を与えています。 その後、中国海軍は西太平洋での軍事演習を開始しました。まず、08年10月、中国海軍司令員が日本を友好訪問している最中に中国海軍艦隊4隻が対馬海峡から津軽海峡を通って日本を一周しています。 銃口で取り囲んで交渉のテーブルでは「友好」という握手を交わす。これが中国の外交のやり方です。 こうして中国海軍の日本近海航行を既成事実した後、西太平洋の沖ノ鳥島沖での中国海軍の軍事演習が本格化していきます。 09年6月、中国海軍艦艇計5隻、10年4月には中国海軍艦艇計10隻(ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦など)の艦隊が沖ノ鳥島海域で軍事演習を行いました。 今年6月には、中国海軍の艦艇計11隻(射撃訓練や、無人航空機、艦載ヘリの飛行、洋上補給の訓練など)、さらに先月11月、中国艦艇8隻が沖ノ鳥島海域で軍事演習を実施しています。 恐らく、来年2012年は、軍事演習の規模も回数もさらに増し、近い将来、中国空母艦隊が西太平洋を航行することは間違いありません。 また、艦船の中には、旧ソ連から購入した「ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦」が加わっています。「ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦」は空母を標的にできる対艦ミサイルを持ち、冷戦時代、米軍空母が最も恐れた旧ソ連の駆逐艦です。 07年8月17日、米紙ワシントン・タイムズは、キーティング米太平洋軍司令官が訪中、中国軍事当局者と会談した際、中国側から「太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案」したことを報じています。 つまり、中国の意図は米国に米空母を標的にできる旧ソ連の駆逐艦を西太平洋に派遣することによって西太平洋の支配を本気で実現するというメッセージを送ったのです。 中国海軍が軍事展開する「沖ノ鳥島」近海は、米軍空母艦隊を封じ込めるための重要な位置にあります。 沖ノ鳥島の海域は、中国の海洋戦略である沖縄~台湾を結ぶ「第一列島線」と、グアム~サイパンとを結ぶ「第二列島線」との間の海域の中心海域を占めており、台湾侵攻の際、グアムから救援に向かう米軍を、この海域で阻止する必要があるからです。 中国は「沖ノ鳥島」を「島」ではなく、EEZを設定できない単なる「岩」だと主張し、国際社会にアピールしています。 実は、沖ノ鳥島を中心とする半径200海里のEEZは約40万平方kmという広大なもので、日本の全国土の面積を上回ります。 中国にしてみれば、「沖ノ鳥島」が単なる「岩」であるという国際的合意を形成できれば、「沖ノ鳥島」近海は「公海」ということになり、中国海軍が自由に支配できる海になります。 ちなみに、中国が南シナ海でEEZ設定しているほとんどは、岩(サンゴ礁)であり、中には軍事施設化しています。元々はベトナムやフィリピンが領有を主張してきた海域です。 つまり、日本政府は、中国に対して「沖ノ鳥島」を単なる「岩」と主張する資格はないことを毅然として主張すべきです。 中国の喫緊の目的は「台湾併合」ですが、米軍空母を西太平洋で阻止できれば、台湾併合は容易になります。そして、台湾を併合すれば、沖縄侵略も目前です。 「台湾併合」がなされれば、台湾海峡は中国の「内海」となり、日本のシーレーンは分断され、「脱原発」を進める日本のエネルギー供給が断たれ、日本は生命線を断たれます。 中国は、海洋法に関する国際連合条約第121条第3項「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない」を根拠に、沖ノ鳥島が岩であることを国際社会に訴えています。 日本政府は、そうした主張に対抗すべく、早急に岸壁や泊地、道路などの港湾施設を整備すると共に、海底資源開発に向けた構築物造成等の「経済的生活」の実態を構成することが不可欠です。 沖ノ鳥島周辺の海底にはメタンハイドレードやレアメタル(希少金属)等の資源が豊富に埋蔵されており、海産資源も豊富な海域で、日本は国益上も沖ノ鳥島のEEZを主張していくことは重要です。 沖ノ鳥島は日本の国防においても、アジアの安定のためにも非常に重要な位置にあることを忘れてはなりません。 その認識を持って、日本政府は中国に対して、「沖ノ鳥島」は「島」であり、強い領有の意思を持っていることを毅然とした態度で示すべきです。(文責・佐々木勝浩) 沖縄マスコミと田中前防衛局長更迭事件 2011.12.05 民主党政権は発足当初、「対等な日米関係」を目指すため、核持ち込みをめぐる日米間の「密約」を国民に暴露し、かつ親密な日中関係を築き、「友愛精神」に基づいた「東アジア共同体」構想を掲げ、「日米中の正三角形」等距離外交を展開しようと試みました。 この動きは、米国の「核の傘」から離脱し、かつ中国に対しても核兵器削減を要請することによって、日本主導で「アジア・環太平洋の平和を演出する」という夢想がもたらしたものだったのではないでしょうか。 当然、中国は我が国の要求に応じるはずがありません。12/5の産経は「中国の核弾頭は3000発?学生暴く 推計大きく上回る可能性」という記事を掲載し、中国が従来の推計(400発)を大幅に上回る数の核ミサイルを開発していることを明るみにしています。⇒http://p.tl/oZ5P そして昨年5月、民主党政権は現実に立ち戻らざるを得なくなりました。鳩山元首相は「学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍全体の中で海兵隊は抑止力を維持できるという思いに至った。(認識が)甘かったと言われればその通りかもしれない」と自らの誤りを完全に認めました。 その時、米国から我が国につきつけられたのは「あなた方は本当に約束を守る気はあるのか?」ということでありました。 その約束とは2006年の「在日米軍再編合意」であり、その後、民主党政権がまた振り出しに戻した後に、再度合意に戻った2010年5月の「日米共同宣言」にある普天間飛行場の辺野古移設の履行を指します。 法律的には、「日米合意」に基づいて辺野古沿岸部の埋め立てを申請する前提として、年内に環境影響評価書を県知事宛て提出しなければなりません。 さて、県議会の米軍基地関係特別委員会が11月9日に開かれ、翌日の沖縄の新聞は「(県議会は)政府への環境影響評価書提出の断念を求める意見書案を決めた」と報じました。驚くことに、議決されるのは11月14日であるにかかわらず「全会一致で採択される見通し」となっておりました。 とても異様に感じたのは、一面トップを飾った新聞の見出し。大きく「評価書断念県議会要求へ」という文字でした。 11月14日に開かれる臨時県議会に提案される議案の採択がなぜ事前に分かり、しかも全会一致などと報じることができるのでしょうか。大変不思議でなりませんでした。 これが本当に民主主義なのだろうか?私には、今では名護市民の半数以上が「辺野古移設容認」だという肌感覚があります。 それなのに、県議会議員は全員が(民意を代表して)評価書提出に反対するといいます。 私には、この裏には「県議に対するマスコミの脅しがあるのではないか?」という疑念が湧いて仕方ありませんでした。 報道関係者は「報道」を通して「公共の福祉に資する」と言いますが、本当にそれが「公共の福祉」なのでしょうか? 「全会一致とあらかじめ報道したのだから、反対票を投じれば次期選挙で落選するぞ、新聞の読者が監視しているぞ」という脅しなのではないでしょうか。沖縄のマスコミは「民意」よりも上位に立つ「第一権力」と化しています。 そのように思っていた矢先の11月29日、「田中防衛局長更迭」という号外新聞(『琉球新報』)が配布されたのです。東日本大震災が起きた翌日でさえ、号外は発行していないと聞いています。 事の発端は、11月28日夜の田中聡前局長と記者団との懇親会でした。田中前局長は、完全にオフレコという約束で、10社の報道記者と居酒屋で飲んでいました。 酒も進んだ前局長は、記者からの「評価書提出はいつごろでしょうか」という問いに、「(女性を)犯す前に犯しますよと言うか」と暴言を吐いたと報道されています。 しかし、防衛省が公表した内容によりますと、評価書をいつ提出するのか、に関する話題の際、前局長は「私から『やる』前に『やる』とか、いつ頃『やる』とかいうことは言えない」「(略)乱暴にすれば、男女関係で言えば、犯罪になりますから」という趣旨の発言をした記憶があるとしています。 更に、「少なくとも『犯す』というような言葉を使った記憶はない」とのことです。 前局長の発言を擁護する気はありませんが、完全なオフレコの約束であるに関わらず、お互いの会話が聞き取れなくなることもあり得る、にぎやかな居酒屋という場所で、しかも酒に酔ってなされた発言を、号外を配布するほどの大事件として報道しているのです。 その記者はその場では田中局長に抗議をせず、こっそり帰って沖縄紙にとって都合良い形で記事にする。はっきり言って、これは道義にもとる行為であります。 さらに、県議会が全会一致で評価書提出断念を政府に要求したことを「県民の総意」だとして、女性や県民を侮辱した役人が評価書を無理やり提出しようとしていたことを批判し、「民主主義が泣いている」として、自作自演で「民意の代表」たる立場を騙っております。 田中前局長は米軍基地問題に精通し、普天間移設をめぐる環境影響評価(アセスメント)の評価書提出に向け、準備作業を指揮していた中心人物です。同氏の更迭により、辺野古移設が更に遅れる可能性が出て来ました。 今は、沖縄のローカルメディアに振り回されている時ではありません。沖縄の新聞社が「日本やアジアの安全保障」の責任を取れるはずがありません。 米豪両政府は、米海兵隊をオーストラリア北部に駐留させることで合意しました。来年半ばをめどに200~250人の海兵隊員を配置し、将来的には2500人規模まで拡大する予定です。 この件について、クリントン大統領時代に日米同盟の大切さを強調し、アジアの安全保障体制に深く関与したジョセフ・ナイ元国防次官補は、県民が受け入れがたい現行の移設計画ではなく、制約の多い沖縄と比べ訓練や演習が自由にできる豪州に海兵隊が移ることは「賢明なことだ」とエッセーを寄稿しています。 この意見は、「国の安全保障政策は政府の専権事項である」という認識すらない日本政府に対する「あきらめ」とも取れます。 沖縄県という一自治体が、アジアの平和に関することまでを決定する権限を有しないのは当然のことです。 その意味で、辺野古移設の環境影響評価書の提出という政府方針は、国民を守る責務の上で決定されることでなければなりません。 野田首相は「沖縄県民を守るためにこその辺野古移設」という当たり前のことを粛々と推し進めて頂きたいと思います。(文責・沖縄県本部副代表 金城タツロー) 野田首相は日本の国益を守る気概はあるのか――「日中の戦略的互恵関係」の裏にある中国の意図 2011.12.04 11月末から12月にかけての中国の直近の動きを三つ取り上げ、12月中旬の野田首相訪中に向けた中国の計略を推察してみたいと思います。 (1)中国海軍艦艇6隻が宮古島沖を通過 11月22~23日にかけて、中国海軍艦艇6隻が宮古島沖を通過、西太平洋上での軍事訓練を行いました。 同23日、玄葉外相は温首相らと会談、来年が国交正常化40周年となるのを契機に、両国の「戦略的互恵関係」を深化させる方針を確認しています。しかし、一連の会談で、玄葉外相から中国海軍の宮古島通過問題は一言も取り上げられませんでした。(11/24産経) (2)軍事訓練を終えた中国海軍の艦艇4隻が古島沖を通過 西太平洋で軍事訓練を終えた中国海軍の艦艇6隻にうち4隻が宮古島沖を通過しました。(12/1朝日) 実は、前日の11月30日に、東京で第5回「日中関係シンポジウム」(中国人民外交学会と日本世界平和研究所が共催)が開催されています。 ここで両国の政治界、財界、学界の代表が、日中の「戦略的互恵関係」の進展、相互理解を深めた日中関係発展の政策提言が行われています。 その翌日12月1日、中国海軍艦艇が宮古島を通過していたその日に、シンポジウム参加のために訪日していた中国全国政協外事委員会主任、趙啓正氏が首相官邸を訪れています。(12/3中国網) しかし、野田首相の口からは「中国海軍艦艇の宮古島沖通過」に対する抗議は一言もなく、「できるだけ早期の訪中を実現したい」との感謝の意を表しただけでした。 (3)中国が「日中境界画定に関する協議」の再開を提案 野田首相の12月中旬の中国訪問に向け、中国政府が2003年末を最後に中断していた国連海洋法条約に基づく東シナ海の「日中境界画定に関する協議」の再開を提案していることが明らかになりました。(11/28共同) 「日中境界画定協議」は、日中ガス田共同開発交渉にも影響を与えるばかりではなく、尖閣諸島の領有権をめぐる重要な問題です。 国連海洋法条約の関連規定では、双方の200海里までの排他的経済水域及び大陸棚が重なり合う部分について、双方の合意により境界を画定する必要があります。 ちなみに、「国連海洋法条約」の関連規定及び国際判例に照らせば、境界を「日中中間線」を基に画定することが国際的に常識な解決の道筋です。 しかし、中国側は「日中中間線」による境界画定は認められないとした上で、「中国大陸棚の自然延長」と言い張る「沖縄トラフ」(沖縄の近海)までを主張しています。 ここで問題となるのが2008年の「東シナ海ガス田の日中合意」です。これは、中間線より日本側海域のガス田も中国も参加して共同開発するというものです。 中国が主張する「沖縄トラフ」までを日中の境界とする交渉を日本が飲めば、尖閣諸島はもちろんのこと、共同開発した東シナ海のガス田も共同開発が終われば、最終的には全て中国のものとして接収されることになるでしょう。 それを狙って、野田首相訪中のタイミングに合わせて東シナ海に軍艦を航行させ、無言の圧力を加えているものと見られます。しかし、野田首相は、これに対して何ら抗議をしていません。 表向きは「戦略的互恵関係」を強調しておきながら、日本を中国の利益ために奉仕させる、これが中国の「戦略的互恵関係」の隠れた意図です。 この「東シナ海ガス田開発」の解決策は、「日中中間線」より日本側の海域で日本単独のガス田開発を一日も早く行い、「日中中間線」を既成事実化してしまうことです。これは「海域の実効支配」を行うことを意味しています。 野田首相が訪中を検討している12月13日は、日本軍が南京に入城した日にあたり、中国では「南京大屠殺同胞遭難記念日」として、「南京大虐殺記念館」を中心に関連行事が集中しています。 その渦中に訪中した野田首相は中国の前に大謝罪させられ、更なる経済支援と、ガス田共同開発交渉の譲歩を迫られることは目に見えています。 野田首相に日本の国益を守る気概はあるのか、その覚悟が試される訪中となることは間違いありません。(文責・佐々木勝浩) 朝鮮半島版《2012年問題》とは何か? 2011.12.02 12/1の産経新聞は「来年、北朝鮮が奇襲攻撃 韓国国防相が可能性を指摘」という記事を掲載しています。(http://p.tl/WtAi) 同記事によれば、韓国の金国防相は1日、北朝鮮が来年、金正日総書記の後継者、金正恩氏への権力継承作業に伴う政治的な不安定さや経済難などのため、北朝鮮が韓国に武力挑発を行う可能性があるとして警戒を表明しています。 金国防相は、北朝鮮が故金日成主席の生誕100周年の来年を「強盛大国の大門を開く年」と位置付けていると分析し、国内の行き詰まりを打開する「突破口」を開こうと考え、韓国の隙を突いて「奇襲攻撃」をかけてくる恐れがあると指摘しています。 来年2012年は世界やアジアの主要国の指導者が変わる「特異年」であり、世界の激動や紛争の勃発が懸念されています。 北朝鮮では、2012年は「金日成生誕100周年、金正日70周年、金正恩30周年」となる記念の年であり、「強盛大国の大門」を開く年として、「核武装」などによる軍事大国化を進めており、韓国に対して朝鮮統一の軍事行動に出る事態も予測されています。 更に、韓国も来年2012年に大統領選が予定されており、現在の親米保守の李明博大統領から革新系の大統領に変わる可能性もあり、朝鮮半島の緊張感が一気に高まっています。 また、最近、韓国紙では、北朝鮮の情報管制の隙をついて、北朝鮮に関するリアルで重要なニュースが頻繁に報道されています。 例えば、11/14の韓国紙『中央日報』は「自殺者多い北朝鮮、毒薬を幸福薬として販売」という記事を通じて、悲惨な極貧状況に追いやられている北朝鮮の一般民衆の実態を報じ、以下のようなインタビューが紹介されています。(http://p.tl/MBdK) 「現在、北朝鮮では食糧配給がきちんと行われていない。韓国が送ったコメ・生活必需品などは金正日(キム・ジョンイル)の妹・金敬姫(キム・ギョンヒ)労働党軽工業部長が流用している。生活が苦しいため自殺する人たちが多い。毒薬が‘幸福薬’という名前で取引されている」(平壌居住40代女性) 「病院で薬が出るケースはほとんどない。普通の人たちは薬を買うのが難しい。万能薬と知られている麻薬を手に入れて使う。お金さえあれば誰でも簡単に手に入る」(平壌近隣居住50代男性)」 日々の生活の苦しさから逃れるために自殺する人が後を絶たず、毒薬が「幸福薬」という名で売られ、本物の薬は手に入らず、麻薬を薬代わりに使用する。 そして半分以上の国民が国外脱出を望んでいる――何という惨(むご)く、悲しい現状でしょうか。まさに「生き地獄」そのものです。 そうした国民の苦しみをよそに、金正日総書記、そして、その後継者である金正恩は、自分達の独裁権力維持のための核兵器の開発に狂奔しています。しかも、そのミサイルの照準が向けられているのは、紛れもなく、この日本です。 日本のマスコミは、サッカーの北朝鮮戦だけでなく、そうした「狂気の隣国」の実態を、もっとしっかりと報道すべきです。 幸福実現党は、まさにそうした迫りくる国難から、国民の生命と安全を守りために、「毅然とした国家」を取り戻すために、立党しました。 そして、「惨たらしい」までの圧制の下で呻吟する北朝鮮の人々を、一日も早く救わなければなりません。 そうした「正義と気概ある国家・日本」の再建こそ、私たち日本人のみならず、アジアと世界の人々の「大いなる希望」であることも知らなくてはなりません。(文責・矢内筆勝) すべてを表示する « 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