Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 普天間基地移設問題~解決への道(2)普天間移設が進まない理由 2011.11.22 昨日は普天間飛行場移設に向けての経緯について述べましたが、本日は、「なぜ、普天間飛行場移設が一歩も進まなかったのか」について考えてみたいと思います。 まず、第一は「民意を無視した日米合意」というマスコミによる批判です。 普天間飛行場の移設案の日米合意のプロセスにおいて「民意を無視した頭越しの合意」などという批判がマスコミ報道で繰り返されます。 「何をもって民意とするか」というと、マスコミが最大の拠り所とするのは市長選、知事選の選挙公約です。 私も選挙に出馬した際に、地元新聞社から普天間移設問題に関する選挙公約を問われましたが、「県内移設」と応えるだけでは済まず、必ず「現行案(V字型)」か、「浅瀬案」か、「沖合い案」かなどと聞いてきます。 「現実に脅威と化している対中国抑止を実効ならしめるために早期に移設を実現できればよい」というのが私の考えであるのですが、マスコミは、選挙で公約した時と工法が変わっただけで「民意に反している」と猛批判します。 住宅の上空飛行を避け、環境を破壊しないようにと配慮するため、時々刻々に最善の移設方法が検討されるのですから、マスコミに固められてしまった杓子定規な選挙公約通りにはいかなくなるのは当然です。 第二は、反対運動に対する政府の及び腰です。 1996年に日米両政府が普天間基地返還をうたったSACO合意後に、当時の大田知事は「沖縄の求めてきたのは単純返還だ。新たな代替基地の建設が付いてくるのは承諾できない」と合意以前に戻すような発言をし、地元の反対運動がそれを後押ししました。 その後、保守の稲嶺知事が当選しましたが、積極的に取り組むことがなく四年の任期が過ぎました。 計画が頓挫する危機感を感じた政府は稲嶺知事の再選後、2004年に辺野古沖のボーリング地質調査を始めますが、反対住民の座り込みなどで延期される中、同年8月、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しました。 更に反対派が勢い付いて、9月に作業を再開するも、反対派の阻止に合い、一本のボーリングも設置されませんでした。 これは工事にとりかかる前提の調査ですら、反対派の妨害で実行不可能な状況になることを示しています。わずか数名の反対でも安保政策を妨害できるということなのです。 第三は、国民を騙してでも集票を優先しようとする政治家の言動です。 多くの皆様は鳩山元首相の2009年発言「最低でも県外」発言を覚えておられることでしょう。この言葉が沖縄を大混乱させることになります。 私は2009年の衆議院選挙に名護市を含む沖縄第3選挙区で出馬し、誰もが真っ先に聞いてくる「普天間問題」について「一切ぶれずに現行案。辺野古移設」という返答一本、街頭でも有権者に訴え続けて参りました。 その熱い夏。鳩山氏は私と同じ選挙区の民主党候補者の応援演説で駆けつけた際、「民主党が政権を担ったならば最低でも県外」と公言したのです。 自民党への不信と民主党のバラマキ政策への期待。その中で「本気でアメリカ政府と戦ってくれる政治家の出現」と歓喜する県民はたくさんおられました。 私が有権者にご意見を聞いて回っていたときは、民主党への期待は最高潮でした。長年自民党支持者だったある方は、「今まで自民党を応援してきたがもうやめた。鳩山さんはかならず県外を実行してくれるだろう。それが実現したならば鳩山さんはノーベル平和賞をとる」と期待値がものすごく高いのです。 私は、「お言葉ですが、どの政党が政権を握ろうとも、必ず日米合意に戻らざるを得なくなると思います。でなければ、日米安保条約そのものの危機になるでしょう」とお応えしましたが、逆に説教をされてしまいました。(つづく) (文責・沖縄県本部副代表 金城タツロー) ※金城タツロー氏の次回原稿「普天間基地移設問題~解決への道(3)」は、11月28日(月)に掲載させて頂きます。 普天間基地移設問題~解決への道(1)普天間飛行場移設に向けての経緯 2011.11.21 野田首相は12日、オバマ米大統領と会談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書を年内に提出することを報告しました。 着々と移設に向けて手を打とうとする政府に対して、14日、政府が環境影響評価書を断念するよう求める意見書を沖縄県議会が全会一致で可決するなど、先行きを危ぶむ声が上がっています。 しかし、10月26日に、名護市内で住民2,200人余りが参加した「北部振興推進・名護大会」では、「日米合意を踏まえた普天間飛行場移設の早期実現」など7項目が決議されました。 移設賛成派住民がこうした大会を開催して声を上げるのは初めてのことで、普天間基地移設に向けて、沖縄県民の間にも「着実な変化」が起こりつつあります。(産経10/27「普天間移設 早期実現へ決議 声を上げた賛成派」) ⇒http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111027/plc11102722520010-n1.htm そこで、普天間飛行場移設問題の経緯と沖縄県民の意識の変化、そして解決への道について、5回に分けてレポート致します。 (1)普天間飛行場移設に向けての経緯 普天間飛行場の移設問題が本格的に浮上したのは、今から16年前のことです。1995年に米兵による少女暴行事件が起きました。 その上、起訴に至らなければ関与が明らかでも米兵の身柄を日本側に引き渡すことができないという日米地位協定の問題もあり、「米兵の暴挙はこれ以上許さない」と県民の怒りに火がついて大規模な県民総決起大会が催されました。 当時、近所の女子高生が「もう我慢がならない。今こそアメリカを追い出すんだ」といきりたっていたのを覚えています。 大会を契機として、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の改定を強く求める訴えが強くなり、当時の大田知事も政府に対しその実行を強く迫りました。 その後、1996年に日本国政府および米国政府によって沖縄に関する日米行動委員会(SACO)が設置され、その最終報告を受けて沖縄県民に配慮した日米合意がもたらされました。 その中に盛り込まれた重要な一文が「今後5ないし7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する」というものでした。更に嘉手納基地以南の大半の基地を返還するということも確認されました。 当時、普天間基地の返還業務を担当した政治家や官僚の方々は「先の戦争から復帰後も含めて、沖縄に多大な迷惑をかけてきた。だから、沖縄の労苦に報いなければいけない、負担軽減は絶対しないといけない」という気持ちをもって誠実に取り組んでおられたことと思います。 翌97年12月に基地受け入れの是非を問う名護市民投票が行われました。投票結果は僅差の52.8%が受け入れ反対。 しかし、比嘉名護市長が海上基地受け入れと辞任を表明、首相官邸ではその報告を受けた橋本首相が「ありがとう」と男泣きしたそうです。 その後の市長選挙で移設容認派の岸本氏が初当選を果たしましたが、病気のため、任期を全うすることができませんでした。 しかし、岸本市長も病気が重くなる中「次の市長選までに、人生最期の機会として普天間問題の後始末をしなければならない」という思いで取り組んでおられたそうです。 岸本氏は翌98年病気のため死去されますが、次期市長選で島袋氏が当選。後継の島袋市長は岸本氏の死去11日後に、防衛庁と滑走路二本のV字形案で基本合意しています。つまり、名護市は3期続けて移設容認派市長を誕生させたのです。 しかし、結果的に15年間、普天間飛行場は1センチも動くことはありませんでした。(つづく) (文責・沖縄県本部副代表 金城タツロー) 米海兵隊のオーストラリア駐留と日米同盟の未来 2011.11.17 11月16日、オバマ米大統領が就任後初めてオーストラリアを訪問。オーストラリアとの軍事協力関係を拡大すると共に、アジア太平洋地域において米国のプレゼンスを高める方針を発表しました。 今回の訪問によって、米海兵隊をダーウィンとオーストラリア北部地域に駐留させ、軍事演習や訓練を実施することが決まりました。 海兵隊の規模は当初最大250人程度を予定し、今後数年間で2500人の駐留を目指すということです。 最前線で戦闘任務を受け持つ海兵隊を置くことで、南シナ海で海洋権益拡大を狙う中国を牽制する狙いがあるとされています。 これに伴って、日本政府内では「アジア・太平洋地域における米軍の配置が抜本的に見直される可能性もあるのではないか」という懸念も出ており、新聞各紙とも、在沖縄海兵隊の移転計画について関心が集中しています。 毎日新聞(11/14)は「<在日米軍再編>米海兵隊、『司令』と『戦闘』分散 一極集中の危険を回避」と題し、以下のように述べています。 「欧州などに比べ、アジア太平洋には政治的に不安定な地域が多い。クリントン米国務長官は外交誌『フォーリン・ポリシー』(11月号)で、アジア太平洋の米軍が今後、 (1)地理的に配置を分散する (2)作戦面での弾力性を高める (3)駐留国などの『政治的な持続可能性』に配慮する の3原則に基づいて再編されるとの見通しを示している。 背景には、中国軍が弾道ミサイルの精度を高め、海軍力、空軍力を増強している事情がある。グアムに海兵隊の一大拠点を設けて『一極集中』すれば、弾道ミサイルの格好の標的となる。海兵隊の司令部や拠点を分散すれば、攻撃される危険性を減じ、万が一、攻撃された場合にも反撃能力を温存できる。」(引用終わり) このように、米海兵隊が中国のA2/AD戦略の影響下にある日本から、影響外にあるオーストラリアに分散、若しくは移設され、日米同盟は破棄されるとする見方(例:JBpress「日米安保破棄を真剣に検討し始めた米国」⇒http://goo.gl/VBPhF)も出ていますが、現状では、日本から海兵隊がすぐに撤退することは考えられません。 なぜなら、地理的に見て、オーストラリアは海兵隊の作戦基地としては遠過ぎるからです。 オーストラリアから南シナ海に展開するには距離的に有利ですが、想定される中国の台湾侵攻や朝鮮半島有事に即応するためには、余りにも距離が遠過ぎます。 また、オーストラリアは、地理的に大規模な部隊を動かすにはあまり適しておらず、1万数千人と言われる在沖海兵隊を代替するには規模も施設・設備も違い過ぎます。 したがって、現在想定される米軍の対中国戦略から見て、オーストラリアが日本に代わって、アジア太平洋における米海兵隊の中核の拠点となることは考えにくいと言えます。 今回のオーストラリアへのアメリカ海兵隊駐留は、締結六十周年を迎えた「太平洋安全保障条約」(オーストラリア・ニュージーランド・合衆国の間で結ばれた軍事同盟)の同盟強化が目的であると考える方が自然でしょう。 今のところ、海兵隊にとって最も必要な条件は「良好な環境にある部隊集結地」です。海兵隊の航空・海上・地上部隊を集結させ、戦闘能力維持のために訓練を施す、そのための良好な環境としては、現状では「沖縄」が最適な地です。 普天間基地の移設予定先である辺野古のキャンプ・シュワブは、海兵隊の戦闘強襲大隊や訓練場、弾薬庫などが集中しており、「海兵隊の足」の役割を担う普天間飛行場の海兵隊航空部隊が移設されれば集結効果は高まります。 しかし、普天間基地の移設問題がこじれ、沖縄の左翼勢力や仲井真知事が強く主張している「普天間基地の県外移設」に追い込まれれば、海兵隊部隊が分散・離散され、「沖縄が最適の地」とは言えなくなります。 その意味で、国内の米軍基地問題にも決着をつけることができない日本政府の失態が、アメリカ政府当局の判断に影響を与えていることも事実です。 今回のオーストラリアの海兵隊駐留は、即座に米海兵隊の日本撤退を意味するものではありませんが、このまま、何も決められない民主党政権が続き、普天間基地問題が暗礁に乗り上げれば、日米同盟の先行きが不透明になることは明らかです。 中国の脅威が日に日に迫る今こそ、「日米同盟」を基軸としつつ、「自分の国は自分で守る」自主防衛体制を構築する、そうした外交・国防の鉄則を掲げる幸福実現党の政策実現が求められているのです。(文責・黒川白雲) 高性能で安全な次世代原子力発電の開発を! 2011.11.14 12日、福島第一原子力発電所の敷地内が事故後、初めて報道陣に公開され、各紙がカラーの写真を大きく掲載しました。 激しく崩れ落ちた原子炉建屋、大津波で破損した設備など、8か月が経過した今も、生々しい爪痕をさらけだしました。事故の完全な収束と廃炉作業は、原発の信頼回復に欠かせません。 収束に向けて確実な遂行を目指すべきですが、息を飲む光景を写真公開することで、人々の恐怖心だけが増大するようなことがあってはなりません。 廃炉作業が最終工程まで「30年以上」の長丁場だとすると、継続して担う人材の質と規模が作業の成否の鍵を握ります。 そのためにも、菅前首相の場当たり的な「脱原発」とはキッパリと決別し、高性能で安全な次世代原発の研究に取り組むべきです。 経産省前では「9条改憲阻止の会」という左翼団体が経産省前の公共領域にテントを設置し、2ヶ月以上に渡って違法な座り込み活動を続け、「原発廃止運動」を起こしています。 しかし、これまで幸福実現党が主張して来た通り、ヨーロッパと違い、日本の地理的条件や地政学的リスクに鑑みるに、化石燃料にのみ頼るエネルギー政策は危険であります。 現時点で、日本が原子力エネルギーを捨てる選択をすることは、国家の安全保障を揺るがします。 反原発団体は「今夏、原発が減っても、計画停電は起こらなかった」「原発が無くてもやっていけるじゃないか」と主張しています。 しかし、計画停電を回避することができたのは、企業や家庭の献身的な節電の協力があってこそです。 この影響で、復興が遅れたことは否めません。東京電力と東北電力の管内大口需要家に対する「電力使用制限令」(前年比15%節電)が実施された7月以降、生産の回復は突然失速しています。 対象となった工場では稼働時間を短縮したり、休日を変更して、土日に生産をするなど、必死の努力が行われました。 経産省が発表している鉱工業指数(対前月比)を見てみると、3月に-15.3%と落ち込みますが、4月に1.0%、5月に5.7%、6月に3.9%と3ヶ月連続の急回復が見られましたが、7月は0.6%、8月は0.8%と急に回復が頭打ちになっています。 また、今夏の電力危機を乗り越えた背景には、火力発電所を猛烈なスピードで復旧・稼働させた電力会社やメーカーの努力がありました。 しかし、今夏は老朽化した火力発電所を無理矢理、動かしてきたため、故障やトラブルが相次いでおり、今冬も供給不安は続いています。 原子力エネルギーは、恐怖心を拡大する方向ではなく、防災対策を強化すべきです。 すなわち、「もう一段、大きな震災や、外部からの攻撃に対してどれだけの安全性を高められるか」についての研究が必要です。 今回、福島第一原子力発電所の吉田所長は「事故一週間は『死ぬだろう』と思うことが数度あった」と語っていますが、「原発そのものが悪い」のではなく、問題は「地震も津波も規模の小さなものしか想定していなかった」という甘さです。 原子炉の技術自体というよりも、地震や津波の想定が低すぎたという、「低い想定」の設定自体に問題があったのです。 原子炉自体は安全であっても、原子力発電所全体での災害対策強化は不可欠です。電源システムや配管の強化など、大きな地震や津波に耐えうる設計にすることは現在の技術でも十分対応可能であり、費用を惜しむべきではありません。 また、万一、日本が軍事的な攻撃を受ける場合、原発は最初に狙われる可能性が高く、ミサイルなどの攻撃を受けても問題が生じないように対策すべきです。 例えば、緊急時のシェルター構造をもう一回り外側につくり、少なくとも半径数百メートル以内で完全にシャットアウトするなど、考えれば作れるはずであり、こうした研究に政府はお金を惜しむべきではありません。 防災と安全保障は大きく連動しております。「最悪の事態」を想定し、事前に対策しておくことが一番です。「備えあれば憂いなし」です。 今後、原発事故の解明が進んでいきますが、それでもって「脱原発」「反原発」に向かうのではなく、「世界一安全な原発をつくろう」という発展・繁栄の方向を目指してまいりましょう! 人類の文明の進化は、「プロメテウスの火」の神話にあるように、自然災害との戦いの歴史でもあり、また、それを克服、コントロールして来た歴史でもあります。 私たちは決して江戸時代の生活へと「昔帰り」するのではなく、「今まで以上の繁栄を取り戻す!」という決意と覚悟で、新たな道を切り拓いていきたいと思います。 11月25日、幸福実現党発行のブックレット『これが真実(ホント)の放射能の話』(放射能問題研究会著)が発刊されます。是非、合わせてお読みください。 ⇒http://www.irhpress.co.jp/detail/html/P7002.html (文責・竜の口法子) アメリカの国防戦略の変化を見極めよ! 2011.11.11 昨日のHRPニュースファイルに、矢内筆勝局長の「『日米安保破棄」の危機!?」が掲載されました。極めて重要な問題提起です。 では、果たして、実際に日米同盟は破棄される危険があるのでしょうか?この件について、もう少し考察してみたいと思います。 そもそも、なぜ、今、アメリカはアジア太平洋政策を見直そうとしてるのでしょうか? その理由は「米国防費大幅削減の危機―迫られる日本の『自主防衛』強化」にも書きましたが、米国の財政問題に起因して国防予算が大幅削減される危険があり、その中で、米軍は国家安全保障政策全体を見直さざるを得なくなっているのが主な原因です。 では、国防予算の大幅削減が現実となった場合、日米安保は破棄され、米軍は撤退していくのでしょうか? まず、短期的には日米安全保障条約が破棄されることは無いと考えます。 アメリカのアジア太平洋政策は、海洋戦略上は日本とフィリピンに大きく依存して来ました。これは大型空母が着岸できる整備された良港であり、保有が確立された海軍拠点が横須賀海軍基地とスービック海軍基地の2ヶ所しかないためです。 特に、1991年にフィリピンのスービック海軍基地から米海軍が撤退した後は、アジア太平洋の海軍拠点は日本の横須賀海軍基地のみとなりました。 21世紀初頭から本格的に開始された米軍再編(トランスフォーメーション)に際しても、普天間基地の返還等は予定されていても、基本的な日本の位置付けは変わっていません。 現在、原子力空母は太平洋両岸、つまり日本の横須賀とアメリカのノーフォークを中心として常時2隻以上が配置についています。 太平洋上の危機に対して、横須賀の空母ジョージ・ワシントンが初動を行い、ノーフォークの空母が増援にかかるというのが当面の戦略であり、日米安保が運用の基軸となっています。 では、昨日のHRPニュースファイルにありましたように、アメリカ海軍の基地をオーストラリアに移すべきとする見解はどこから生まれているのでしょうか? これは「撤退」というより、アメリカ軍の対中新戦略である「統合エアシーバトル構想(空海戦闘)」の一環であると考えられます。 この構想は、2010年2月に公表された「4年ごとの国防計画見直し(QDR2010)」に掲げられた取り組みの具体化であり、中国の「接近阻止/領域拒否(A2/AD戦略)」に対抗した戦略です。 これはシンプルに言えば、今までの直接的な戦いから、遠距離での撃ち合いに変化していく構想であり、米軍がトランスフォーメーションにより、部隊編成や基地の配置を変えている一環でもあります。 「QDR2010」にも明記されているように、アメリカが本戦略を展開をしていくためには、有力な同盟国の助けを必要としています。 米国にとって西太平洋は最も重要な戦略地域であり、この地域の覇権争いに中国が台頭している現在、米国にとっては日本は重要なパートナーであり続けます。 むしろ、日米同盟が破綻する可能性があるとすれば、民主党政権による普天間基地移設問題の白紙撤回など、日本政治や外交の迷走が原因となって破裂する可能性を危惧すべきです。 政府には今、日本が置かれている国際的戦略環境を正しく認識して、国防戦略を立案し、強固な日米同盟を構築していく構想力と実行力が求められているのです。(文責・黒川白雲) 中国漁船の船長逮捕――度重なる中国漁船の領海侵犯に毅然とした対応を! 2011.11.07 11月6日、長崎県五島列島の領海上で、停船命令に従わず、逃走したとして、中国漁船「浙岱漁(せったいりょう)04188」の船長、張天雄容疑者を漁業法違反の疑いで現行犯逮捕しました。 同日午前10時半ごろ、二隻の中国漁船が航行しているのを長崎海上保安部の巡視船「ほうおう」が発見しました。領海内だったため、中国語で停止船を命じると、二隻は無視し、その場から逃走を始めました。 巡視船はこのうちの1隻を追跡、漁船は約4時間半にわたって逃走し、鳥島の西約60キロの排他的経済水域で停船させました。残る1隻は逃走したといいます。 昨年、尖閣諸島の近海で海上保安庁の巡視船に体当たりした中国船の様子を録画したビデオが流出したのが11月4日。ちょうど1年前、私たちは衝撃的映像に、中国の脅威と危機感を募らせました。 しかし、当時、逮捕された船長に対し、菅首相と仙谷官房長官は「沖縄の那覇地検の裁量に委ねる」という言い方で釈放してしまいました。 これは「政治が外交判断から逃げた」ということで、海外からも、日本政府の場当たり的対応に、不安の声が上がりました。 外交問題は国のトップの責任です。 民主党が主張する「地域主権」を「政府の責任逃れ」に使われたらどうなるでしょう。沖縄で軍事的紛争が起きても「地域主権の問題なので沖縄県単独で解決して下さい」ということになってしまいます。 政府の責任の下、尖閣諸島周辺をはじめとする度重なる中国船の領海侵犯に対し、断固とした行動を取るべきです。 領海・領土拡張意欲満々の中国への対処を過てば、「日本の主権は守り切れない」と心得るべきです。 中国は今年、航空母艦の試験航行で成功を収め、初の国産技術による空母建設に取りかかりました。 米国防総省は、中国の軍事力に関する2011年版の年次報告書を発表し、中国初の国産航空母艦が早ければ15年にも航行可能になると分析しています。 そして、10年以内には随伴艦を伴った複数の空母を保有する体制になるとの見通しも示し、「中国軍は近代的な兵力で米軍との技術的な格差を確実に縮めつつある」と分析しています。 日本は「隙あらば狙う」中国にとって、格好のターゲットです。万が一にも、日米同盟が際断され、日本独自で国の防衛を固めるだけの自覚も能力も無い政治家によって政治が行われたなら、日本の運命は「風前の灯」です。 日米同盟を基軸としつつ、大国らしく「外交の鉄則」を貫き、毅然とした対応をとり、外交的に国際的信頼と支持を勝ち得ていくことが大事です。 戦争は、それに先立って外交の問題があり、戦争は外交の失敗の延長上にあることを知るべきです。 野田首相は「国防なくして繁栄なし」という信念の下、覇権主義を推し進めようとする中国に対して筋を通した外交姿勢で臨み、「この国を守り抜く覚悟」を示すべきです。(文責・竜の口法子) 日本海、波高し!――北朝鮮の港に南下する中国とロシア 2011.11.06 11月6日の朝日新聞には、日本の安全保障に関する二つの興味深い記事が掲載されています。それは、8面の「北朝鮮の港に中ロ進出」と4面の「日中攻防南シナ海」の記事です。 あたかも別個の記事のように取り扱われていますが、日本の安全保障上、大変重要な意味を持っています。 まず、「北朝鮮の港に中ロ進出」という記事は、要約すると次のようになります。 最近、中国は北朝鮮北東部にある清津港の第5、6埠頭に対する50年間の使用権を取得、中国の資金で港の改修も進み、完成すれば、年間400万トンの物資を扱うことができるようになります。また中朝国境から清津までの鉄道改修にも意欲を示しています。 それに対して、ロシアは同港第1~4埠頭の使用権を取得。中国とロシアは日本海での物資網の拡大を目指して北朝鮮北東端の清津港のある羅先(らそん)経済貿易地帯への投資を競い合っているのです。 中国とロシアの北朝鮮の日本海側の港への進出には意図はどこにあるのでしょうか? 中国は既に海軍の練習艦隊を今年8月、北朝鮮東部の元山港に寄港させています。中国艦隊が北朝鮮の日本海側の港に入るのは30年ぶりのことです。 一方でロシアは、来年の8月に日本海側でロ朝軍事演習を計画しています。 この状況は、日露戦争の原因となった当時のロシアの南下政策と極めて似ており、現在の状況は、ロシアに加えて中国も南下していることが日本海の緊張を高めています。 ロシアが日露戦争時に満州鉄道を敷いて日本海に海路を求めたように、中国は今、日本海側に軍事物資も運べる鉄道と港を確保しようとしているのです。 今後、北朝鮮北東の港が中国とロシアの軍港となるのは時間の問題です。 もう一つの朝日の4面記事「日中攻防南シナ海」では、中国の横暴な南シナ海進出を巡って、日本が11月中旬の東アジアサミット(EAS)に照準を合わせて、海洋安全保障のルールづくりを東南アジア各国やインドに働きかけようとしていることが報じられています。 一川防衛相は「日本とインドが防衛協力を深めることが、アジア太平洋地域の平和と安定につながる」と、インドのアントニー国防相との2日の会談で呼びかけています。 海上自衛隊とインド海軍の共同訓練実施や艦艇の相互訪問も決定しました。 日本側は東南アジア諸国、インドと連携して日本のシーレーンでもあるに南シナ海の安全を確保しようとしています。 幸福実現党は立党当初より、日米同盟を強化しつつ、中国と牽制し合っているインドとの日印軍事同盟の締結を提言してまいりました。 遅きに失したとは言え、政府が南シナ海で横暴を極める中国に対して、東南アジアやインドと協力して中国包囲網を築く重要性を認めたことは評価したいところです。 しかし、事態は緊迫しており、尖閣諸島近海には中国船の接近が急増しており、中国による尖閣諸島の実効支配は秒読みの段階に入っていると言えます。 来年には、日本海で中国海軍、そしてロシア海軍の北朝鮮との合同軍事演習が活発化することは間違いありません。 日本としては、ロシアとの通商関係を強化するなどして、ロシアと中国・北朝鮮の急接近に楔を打ちつつ、インドや東南アジア諸国との連携を強化し、「バランス・オブ・パワー(勢力均衡)」を維持する国家戦略が求められます。 また、日本は円資金をギリシャに直接貸し付けなどして、欧州債務危機に貢献し、EUと中国との急接近を牽制しつつ、EUとの連携を深め、中国の脅威に対する包囲網を形成すべきです。 いずれにしても、国防戦略においては、グローバルな視野と臨機応変な外交展開が不可欠であり、これらを民主党政権に期待することは全くできません。(文責・佐々木勝浩) サイバー攻撃には、国家の防衛戦略として早急に取り組め。 2011.10.25 9/22HRPニュースファイルでは、「防衛省はサイバー担当戦略部隊を創設せよ!」で、サイバー攻撃に警鐘を鳴らすと共に、積極的な対策を提案しました。 日本では、衆議院のサーバーがサイバー攻撃にあってコンピューターウイルスに感染する事件が起きたとして、大きな問題になっています。 報道では、今年7月末に衆院議員が届いたメールの添付文書をパソコンで開きウイルスに感染。8月末に衆院事務局に相談するまでの1カ月間、議員らのパソコンに保存されたデータが閲覧された可能性があるとしています。 主な手口として、あるテレビ番組の内容を紹介します。 三菱重工やIHI、石川島播磨重工(旧石川島播磨重工業、現在のIHI)のような防衛産業に対するサイバー攻撃は、数年前から、ずっと続いてきたことです。 その手口は、標的型のメールとして、内閣府の実在の人物からメールが来るというものです。この標的型メールは、はっきり標的、ターゲットを持って、ウイルスを仕組んだメールです。 共通する手口としては、実在する人物からのメールになっています。メールアドレスだけ見たら、確かにその方のメールアドレスです。そこに付いてる添付ファイルの題名も、「原発のリスク整理」とかいうタイトルがついてて、開けたくなるようにできているそうです。 しかも、基本的にいつも同じ人物からのメールです。問い合わせると実在している人物。実在してるけれど、メールを出したかどうか確認すると、「出していない」という返事。 それで、サイバー攻撃だと分かります。しかし、何度も繰り返しメールが来ます。内容を確認する前にメールを開けてしまえば、ウィルスに感染したり、情報を盗まれたりしてしまいます。 本来これが日本ではなくアメリカやイギリスやフランスだったら、当然この人物がなぜ名前を使われるのか、その元々の原因は何なのかを突き止めて、この人物の名前が使われないようにするはずですが、そのままになっている。 この姿勢が日本の甘いところでしょう。 今回の事件についても、対策本部とか警察に通報するとか、悠長なことを言っている「平和ボケぶり」です。 一方、アメリカ下院情報特別委員会のマイク・ロジャーズ委員長(共和)は10月4日、サイバー攻撃に関する公聴会で、中国政府が米企業などの知的財産を盗み出すため「容認できないレベル」のサイバー攻撃を仕掛けていると断定。中国は米国や同盟国に「大規模な貿易戦争」を挑んでいると非難し、日米欧などが結束して圧力をかける重要性を訴えています。 企業の専門家らは高度な技術を駆使した攻撃内容から「中国政府が関与していることにほとんど疑いはない」とみていると語っています。 米政府は一昨年7月に国防総省など政府機関サイトがサイバー攻撃を受けたことに危機感を強め、今年7月にサイバー戦略を策定しています。特に、中国軍がコンピューターウイルスを開発するための「情報戦部隊」を創設したと指摘。中国軍によるサイバー戦の主目的は〈1〉敵情報の盗み出し〈2〉敵の兵站(へいたん)・通信ネットワークなどを攻撃して敵の行動を妨害〈3〉戦闘時にサイバー戦を展開し、攻撃の相乗効果を高める――の3点にあると報告しました。 中国の主な標的はアメリカと日本です。米軍は充分に警戒し、対策を講じています。 日本もアメリカ同様に、国家の防衛戦略として「サイバー戦略」を持ち、サイバー部隊を組織して事に当たるべき時がきています。 今回の事件はその警告として受け止め、今すぐに行動するべきでしょう。(文責:小島一郎) 普天間基地移設問題――仲井真知事は、国家レベルの判断に従うべきだ! 2011.10.24 普天間飛行場移設問題について、米政府が「普天間飛行場の固定化」という言葉を使い、日本に「辺野古への早期移設」を迫っていることが22日分かりました。 米側が「固定化」に直接言及するのは異例のことで、背景には財政難による計画見直し論があると見て、日本側は危機感を強めています。 米側の強硬な姿勢を伝えられていたため、野田首相は所信表明演説で「普天間飛行場の固定化を回避する」と述べました。移設を急がねばならないとのメッセージです。 今月19日には玄葉外相が、22日には官房副長官が相次いで仲井真知事と会談し、政府の方針に改めて理解を求めましたが、仲井真知事は「県外移設」を繰り返すばかりで双方の溝は埋まらず、事態は暗礁に乗り上げています。 米軍普天間飛行場(宜野湾)の移設問題は、今年4月12日で、日米政府が初めて普天間移設に合意した1996年4月12日から、なんと15年が経過しました。 昨年の沖縄知事選では「普天間飛行場移設」が争点となりましたが、幸福実現党・金城タツロー候補以外の二人は「県外か国外移設」と米軍基地排除を訴えていたため、金城氏以外の誰が知事になっても基地問題は解決せず、日米同盟に亀裂が入ることは目に見えていました。 昨年、私も普天間飛行場のすぐ隣の普天間第二小学校のグランドに立ってみました。すぐ真上を手が届きそうなくらいの近さで飛行していく状態は背筋が凍るくらい恐ろしいものでした。 住宅街に囲まれた普天間基地の「固定化」を回避し、いち早く、海と山に囲まれた辺野古に基地を移転し、安全性を確保すべきです。 普天間基地移設問題の結論は、日米両政府が年月をかけて出した「辺野古移設」以外に無いのです。 ここまで事態を複雑化させた民主党政権の所業は大罪ですが、今回、問題にしたいのは、仲井真知事や名護市の稲嶺市長の姿勢です。 閣僚が次々と沖縄入りし、国家の方針を説明しても、「辺野古移設は白紙にすべきだ」など、日米合意の見直しを迫るばかりです。 本日24日、午前・午後の2回に渡って、2隻の中国の漁業監視船が日本の接続水域に出入りを繰り返していたことが判明しました。中国の尖閣侵攻は目前に迫っています。 国難が迫っている今、仲井真知事らは国家の判断を拒絶すべきではありません。 仲井真知事が、混乱の種をまいた民主党への反発を強めている気持ちは分かります。しかし、仲井真知事の感情やプライド、特定支持母体からの圧力等によって、国家の安全保障の根幹が揺さぶられてはたまりません! 地域が独自色を出して繁栄することは重要です。しかし、国防や外交、震災対応など、一地方のレベルを超えた重要かつ迅速な判断が求められる高次な事象については、自治体は国家の判断に従うべきです。 例えば、1995年の阪神・淡路大震災では、当時の兵庫県知事が左翼寄りの人で、自衛隊への救援要請が遅れました。過去には自衛隊による防災訓練さえ拒否していた人です。知事の許可が下りずに、人命救助が遅れるなど決してあってはなりません。 民主党は「地方主権」を掲げているからと言って、東北大震災後の復興を「その県で頑張ってください」などと言えるでしょうか?国防や災害にあたっては、一地方自治体だけではどうしようもないこともあるのです。 安全保障などの国政レベルの重要な判断を、一地方自治体の長が拒絶してひっくり返すことは「国家解体」をもたらします。 私たちも直接、ご意見を伺いましたが、名護市内や辺野古地区には、移設を容認する住民も少なくありません。 政府は今こそ、リーダーシップを発揮し、日米間の懸案事項である「普天間問題」の解決(辺野古移設)に向け、具体的進展を実現し、日米同盟深化を図るべきです。(文責・竜の口法子) 日本の空が危ない!――制海権のみならず、制空権を拡大する中国 2011.10.16 10月14日の朝日新聞一面によると、日本周辺に近づいてきた中国機に対する航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)は今年4~9月、前年同期比3倍超の83回に達し、半年間としては過去最多になりました。 昨年は3月に早期警戒機型1機が中間線付近まで進出しただけでしたが、今年3月には情報収集機型など2機が中間線を越え、尖閣諸島周辺の日本領空約50キロまで接近しています。 今年7月にも中国の情報収集機型が2回、中間線を越えており、8月中旬には中国の「戦闘機」が初めて東シナ海の日中中間線を越え、海上自衛隊の情報収集機を追尾しました。 このように、昨年9月の尖閣諸島中国漁船衝突事件以来、日本領空に接近する中国機は急増しています。(2011年9月7日産経) しかも、中国は「情報収集機」から「戦闘機」に格上げし、日中中間線を越え、着実に東シナ海での「制空権」を拡大させています。 空だけでなく、海でも中国漁船衝突事件後、海上保安庁が尖閣海域で中国漁船による領海侵入に対して行った退去警告は既に300件以上。周辺海域では今も多い日には約50隻の中国などの漁船が確認され、海保幹部は「今後急増する可能性もあり、予断を許さない」と警告を発しています。(2011年9月7日読売) 尖閣諸島付近で中国軍機や中国船の侵出が急増している最大の原因は、中国漁船衝突事件において、民主党政権が中国漁船船長を釈放し、日本領における主権(統治権)を放棄したことによります。 あれから一年を経て、前政権で内閣官房参与を務めた松本健一氏が「中国人船長を処分保留のまま釈放したのは、当時の菅首相と仙谷由人官房長官の政治判断によるものだった」との報道もされています。(2011年9月26日産経) このように、民主党政権が国防の務めを放棄したことが原因で、中国は今、日本の国防の隙を突いて制海権、制空権を拡大しつつあります。 もはや、尖閣諸島海域は中国漁船、中国漁業監視船、中国調査船が自由に航行できる海と化しています。今後は、制海権のみならず、日本の制空権も確実に中国に奪われ、拡大されていくでしょう。 先の民主党代表選挙でも国防政策について全く触れず、国防の素人であることを自慢する防衛大臣を誕生させた野田政権に国防強化を期待することは全くできません。 民主党政権の間に、中国は日本侵攻に向けて、着々と歩を進めていくことは間違いありません。 今、沖縄や本土も含めた日本の防衛は尖閣諸島を突破口にして、中国の圧倒的な軍事圧力の前に破られようとしています。 もはや民主党政権に国防強化は全く期待できない以上、国を憂える心ある志士達が立ち上がる以外にありません。それが私たち幸福実現党の使命でもあります。(文責・佐々木勝浩) すべてを表示する « Previous 1 … 97 98 99 100 101 Next »