Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 重大な分岐点が迫るロシア・ウクライナ戦争――停戦交渉の道を拓くべき【前編】 2022.07.03 http://hrp-newsfile.jp/2022/4314/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆ウクライナ東部の戦いは重大な局面に 6月以降、ウクライナの戦いは、ロシア軍が攻勢に転じています。6月下旬には、ロシア軍は、ウクライナ東部の要衝・セベロドネツク市を制しました。 ゼレンスキー大統領は、欧米に武器支援の拡大を求めていますが、「支援疲れ」が広がり、欧米の識者の中からは、停戦の勧めも出てきています。 その代表は、国際政治学者のキッシンジャー氏です。同氏は、5月23日に開催されたダボス会議で、以下のように提言しました。(※1) 「和平交渉および交渉のための活動を、今後、2カ月以内に開始する必要がある」「戦争の結果は、それらによって形づくられるべきだ」 「特に、最終的な露欧関係と、最終的なウクライナと欧州との関係との間で、克服しがたい(あるいは全く克服されない可能性がある)動揺と緊張が生み出される前に」 「理想的には、その境界線は戦争前の状況に戻すべきだ」 「それ以上を求めると、NATOが結束して取り組んできたウクライナの自由のための戦争ではなく、ロシアへの新たな戦争になってしまう」 「それ(ロシアへの新たな戦争)は、境界線を引くことを不可能にし、困難にする」 この提言は、ウクライナに、全領土の奪回を諦めることを勧めています。 戦争前には、ウクライナ東部で「ルガンスク人民共和国」が独立を宣言していたので、この主張は、ウクライナがクリミア半島や東部の親露派支配地域を放棄することを意味するわけです。 これに対して、ゼレンスキー大統領は、「和平という幻想との交換を提案する領土には、普通のウクライナ人が実際に住んでいる」と反発しました。 まず、ロシアを侵攻前の地点に押し戻し、その後、クリミア半島や東部2州を取り戻すと気勢を上げました。 しかし、全領土の奪回を目指すゼレンスキー氏の路線でゆくと、戦争は終わりません。 欧米とロシアの代理戦争がさらに激化し、多くの国民が命を落とすことになります。 ◆世界は対米追随国ばかりではない 日本のメディアは「ウクライナ応援」の一点張りですが、世界は、必ずしも、対ロ強硬派ばかりではありません。 まず、欧州を見ると、英国やポーランド、バルト3国などはバイデン政権のロシア弱体化路線を支持していますが、ドイツ、フランス、イタリアは停戦交渉が必要という立場です。 5月初めに、フランスのマクロン大統領は、ロシアに「屈辱を与えたいという誘惑や、報復したいという気持ちに屈してはならない」と述べました。 イタリアのドラギ首相は、訪米時に、欧州の人々は「停戦の確保と、信頼できる交渉の再開について考えたいと思っている」と発言をしています。 ドイツのショルツ首相は、マクロン氏とともに、電話でプーチン大統領と対話し、ウクライナに滞留する穀物を出荷できるよう、南部の主要港オデッサの封鎖解除を求めました(5/28)。 アジアやアフリカでは、さらに論調が違います。 G20の議長国インドネシアは、一貫して停戦を訴え、日米に反対されてもプーチン大統領にG20サミットへの招待状を送りました。 6月30日、インドネシアのジョコ大統領は、プーチン大統領にモスクワで会談した際、ゼレンスキー大統領からのメッセージを渡したことを明らかにし「両首脳の接触を調整する用意がある」と述べています。 インドは中立の立場をとり、「ロシアからの資源輸入を停止してほしい」という米国の要請を退けました。 アフリカ諸国(52か国)は、ロシア軍即時撤退を求めた3月2日の国連決議では、その半分がロシア非難に加わりませんでした。 つまり、世界のすべての国が、プーチンをヒトラーと同一視する風潮に賛同しているわけではありません。 日本では、反ロシア的な世論が盛り上がっていますが、わが国もまた、対ロ制裁に追随する以外の選択肢があることを忘れるべきではありません。 ◆「ロシアは悪、ウクライナは正義」という報道は停戦交渉の妨げ マスコミの多くは、プーチンをヒトラーと同一視し、ロシア軍をナチスと同じように扱っています。 しかし、こうした「世論」は、停戦交渉の開始を妨げます。 「ロシア軍はナチスと同じだ」という見方からは、「停戦交渉はナチスに領土を譲るのに等しい」という結論が導き出されるからです。 停戦を呼びかけたフランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏も「敵国が怪物である」という印象操作が交渉の妨げになることを警告していました。(※2) こうした風潮は、「ロシアは悪、ウクライナは正義」と色分けされた報道によって増幅されてきました。 その典型は、ロシア軍が一般人の犠牲も辞さない戦いを続けている、という批判です。 ただ、今回のウクライナの戦いは、もともと、国際法が想定したような戦いにはなっていません。 ウクライナ側では、大統領が国民に武器を取ることを呼びかけ、一般人が民兵になって戦争に参加するケースが常態化しています。 (※正規兵に比べて訓練が短い「民兵」を戦場に投入し、国際法に違反せずに戦い続けるのは難しいので、従来、国際社会は、こうした戦い方に否定的だった) 武器を取らなくても、市民がスマホやドローンを使ってロシア軍の兵士や戦車の居場所を通報し、そこにウクライナ軍が攻撃をしかけるようなケースも多々ありました。 ウクライナ市民も戦争の参加者になっているので、ロシア軍の攻撃も、それに見合って激化しました。 そのため、これ以上、戦いが拡大していけば、被害者はうなぎのぼりに増えていきます。 「『ロシア軍=悪。ウクライナ軍=正義』という色をつけた報道で煽ることは、停戦交渉の妨げになり、結果的に、被害者を増やすことを助けてしまうかもしれない」と、冷静に考え直すべき時が来たのです。 (後編につづく) (※1) Henry Kissinger: Ukraine Should Give Up Territory to Russia to Reach Peace BY GIULIA CARBONARO 5/24/22 https://www.newsweek.com/henry-kissinger-ukraine-should-give-territory-russia-reach-peace-1709488) (※2) 日経ビジネスオンライン「エマニュエル・トッド氏『日本はウクライナ戦争から抜け出せ』」2022.5.31 「もうロシアとケンカしたくない!」が世界の本音? 【後編】 2022.06.27 https://youtu.be/aJS-Y8Bg52E 幸福実現党党首 釈量子 ◆アジア・アフリカで広がるロシア擁護の動き 実際、トルコから見た東方世界、中東・アジアに目を向ければ、「極悪な侵略者ロシア、可哀そうなウクライナを助ける欧米諸国」という日本のメディアにありがちなステレオタイプとは、全く異なった見方がされています。 例えば、ドバイを抱えるアラブ首長国連邦UAE、サウジアラビアといった伝統的な親米国が、トランプ政権からバイデン政権になってから、急速に距離を取りつつあります。 UAEに至っては、3月初旬に行われた国連安保理の「ロシアへの非難決議」で棄権票を投じ、ここまでアメリカ離れが進んでいるのかと、世界に衝撃を与えました。 UAEが誇る中東随一の経済都市ドバイは、経済制裁で苦しむロシア企業や富裕層にとって、うってつけの海外拠点となりつつあります。なんとドバイの不動産市場では「ロシア人マーケットがいま最も盛況」と言われています。 UAEの旧宗主国は英国なのですが、欧米諸国の対ロシア制裁に同調しないという姿勢をはっきりとさせています。(WSJ) ようやく原油増産に応じたサウジアラビアも、米バイデン政権から再三の懇願は無視し続け、電話も出ないという状況で、ロシアと歩調を合わせてきました。 3月には、サウジアラビアと中国の間で、原油取引の一部を米ドルから中国元で決済するという取り決めの可能性が報じられました。 石油のドル決済こそ、ドル覇権の力の源泉なので、大きな流れです。米国から中露へのシフトが顕著です。 また、アフリカ諸国も、ロシアやウクライナに食料を依存している地域ですが、欧米側の肩を明確に持つ国はあまりないのが実情です。 6月3日、アフリカ連合の議長国セネガルのサル大統領がプーチン大統領とソチで会談を行い、「欧米の対ロ制裁でロシア産の穀物がアフリカに届かなくなっており、制裁が状況を悪化させた」と訴えています。 それに対してプーチン大統領は「ロシアは常にアフリカの側にあり、植民地主義との戦いでアフリカを支援してきた」と語っています。 更にインドは、安保理決議ではUAEと同じく棄権票を投じましたが、ロシアとは軍事装備上、切っても切れない関係があり、明確に欧米側に付くことは考え難いと言えます。 ◆欧米諸国の中から噴出する「ロシアとケンカしたくない!」の声 最近になって、欧米諸国の内部からも、長引くウクライナ戦争や対ロ制裁について、「かえって自分たちの首を絞めかねない」と否定的な意見も多くなってきました。 ハンガリーは、EU加盟国ですが、NATOが5月4日にロシア産原油の輸入禁止を柱とした追加制裁を発動すると、これに強く反発しました。ロシア正教トップの総主教キリル1世への制裁もハンガリーの反対で見送られています。 ハンガリーはロシア産の原油がないと国が立ち行かなくなるので、制裁案を飲むなんてことは、「ハンガリー経済にとって核爆弾だ」というくらいの大打撃になるのは間違いありません。 ハンガリーのオルバン首相も、エルドアン大統領同様、プーチン大統領との個人的な信頼関係が強く、また宗教的・民族的な価値観など、EUという「外形的な枠組み」よりも、更に深いところでつながっているようです。 このように、欧米諸国も一枚岩ではありません。 停戦交渉についても、ドイツ、イタリア、フランスはロシアとの対話による和平を重視する一方、ロシア嫌いの英国やポーランド、エストニアなどバルト3国は「ウクライナの軍事的勝利が解決」と強硬路線を採り、EUに大きな亀裂が走っています。 米国では、対ロ制裁によるエネルギー価格の上昇などインフレ傾向が加速し、選挙には悪影響、もはや完全に逆効果になりつつあるようです。 米国が考える和平案の中には、ウクライナ保全の見返りに、NATOに対するウクライナ中立化や、クリミアやドンバスなどに関する対ロ交渉も議論の枠組みに、もう含まれていることが報道されてきました。 ◆「欧米追従」を貫く日本、いつの間にか肩透かしを食らうかも 世界大戦にエスカレーションするか否か、緊迫する世界情勢の中で、「機を見るに敏」で立ち回る国際社会の中で、日本政府の「欧米追従」の姿勢は変わる気配を見せません。 バイデン政権がアフガンにおいて、20年間で8兆ドルも投じたのに手のひらを返して撤退してしまったように、いつの間にか肩透かしを食らい、割を食うのは日本だけ、という事態にもなりかねません。 地政学的に見ても、ロシアを敵に回して最も危険度が高いのは欧州のどの国よりも、中国・北朝鮮・ロシアの3ヵ国に囲まれた日本かもしれません。 日本が本来担うべきは、トルコのように東西文明の懸け橋にならんとする、もっと大きな役割であるべきです。 そのためにも、世界の行く末をよき方向にリードしていこうとする積極的でダイナミックな立ち回りこそ、日本に求められているのではないでしょうか。 「もうロシアとケンカしたくない!」が世界の本音? 【中編】 2022.06.26 https://youtu.be/aJS-Y8Bg52E 幸福実現党党首 釈量子 ◆トルコが実質的に「世界大戦」化を防いでいる? もう一つ、別の視点から見て、世界大戦に広がりかねない火種を、結果的にトルコが抑えているのが現状です。それがスウェーデンとフィンランドのNATO加盟への反対です。 5月29日、トルコのエルドアン大統領はこの両国のNATO加盟は「認められない」との認識を改めて示しました。 1か月以上、両国との協議を進めてきましたが、現時点ではトルコにとって「期待したレベルに達していない」と判断した模様です。 その一つの判断材料となるのが、5月下旬にトルコからスウェーデンに示されてきた「条件リスト」の中身です。 基本的には、スウェーデンが、テロ組織の隠れ蓑となって、武器支援や財政的支援を行っていることへの強い不満が表明されています。 特に、トルコではクルド人勢力の問題があります。 クルド人というのは、トルコやシリア、イラク、イランなど国を超えて住んでいる民族で、約3000万人いると言われます。このクルド人は自分たちの国を持ったことがなく、「国を持たない最大の民族」と呼ばれています。 1980年代に、トルコでは「クルド人など存在しない」と主張して、国内にいる少数のクルド人を弾圧しました。すると、クルド労働者党(PKK)がトルコ国内で武装闘争を開始し、死者が4万人を超えてしまいました。 しかし、クルド人は独立を果たすことができず、トルコにとっては「テロ組織」と危険視しています。 一方、シリアやイラクに横断して住んでいるクルド人たちが、アメリカや欧米から支援を受けてIS(イスラム国)に対して、勝利しました。その見返りに、クルド人たちはシリア北部で自治区を作って独立を果たそうとします。 これにはトルコが警戒し、2019年シリア北部に侵攻して、クルド人20万人ぐらいが家を失ったとされます。 非常に複雑な歴史があり、トルコは「条件リスト」で、スウェーデンがクルド系組織を支援していると指摘して抵抗しているわけです。 ただ、トルコのこの動きが、結果的に、戦争の拡大を防いでいると言っても過言ではありません。 万が一、ロシアと国境を接するフィンランド、そしてスウェーデンがNATOに加盟したら、プーチン大統領にとってはウクライナ同様、レッドラインを超えたと見做すはずです。 実際に、5月下旬、フィンランド国境にロシア軍部隊を増強しています。 そういう意味からみれば、結果的にトルコの反対が世界大戦への波及を防いでいることは確かです。 ◆プーチンとエルドアンの不思議な絆 歴史的には、トルコは、クリミア戦争などで象徴されるように、隣国ロシアの南下政策には苦しめられてきた経緯があります。 現在進行形でシリアやリビアでは、ロシアと対立関係にもありますし、ウクライナにはトルコ製のドローン兵器を輸出してロシア軍と対峙したりもしています。 ところが、トルコ中東問題の専門家によると、「長年それぞれ国のトップを張り続けた、プーチン大統領とエルドアン大統領の間には、特別な絆、定期的に対話を重ねる信頼関係がある」と言われています。 エルドアン大統領に関する「指導者」としての評価は横に置きつつも、いま、核戦争につながりかねない世界大戦を未然に防いだほうがいい、という判断をしているのは注目されます。 (後編につづく) 「もうロシアとケンカしたくない!」が世界の本音? 【前編】 2022.06.25 https://youtu.be/aJS-Y8Bg52E 幸福実現党党首 釈量子 ◆ウクライナの「停戦仲介」に名乗りを挙げたトルコ ウクライナ戦争が開戦から4ヶ月半が経過しましたが、いま停戦の「仲介役」として本格的に名乗りを挙げ、世界から動向を注目されている国があります。 それが、東洋と西洋の狭間に位置する国トルコです。 3月から両国に停戦交渉の場を提供してきたトルコですが、5月30日、トルコのエルドアン大統領は改めて、ロシアのプーチン大統領、またウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議し、両国の仲介に意欲を示しています。 それに合わせて、プーチン大統領にとって開戦後、初の外遊となるトルコ訪問について、ロシア大統領府は「準備している」ことを明らかにしました。 特に世界を危機に陥れている食料や肥料等の供給網の復旧、要するに、穀物、ヒマワリ油や肥料類などの輸出ルートが確保できるかどうか、という点が注目されています。 ◆ロシアではなく、ウクライナ?黒海封鎖の真犯人とは 欧米側のスタンスとしては、侵略者ロシア・プーチン大統領が、ウクライナ産の穀物が輸出されないように、黒海に面した港湾を封鎖、「世界に深刻な食料不足を引き起こした」という一面的な批判を展開しています。 一方、プーチン大統領の言い分は真っ向から異なります。 今回の食料危機は「誤った欧米の経済制裁」が原因であり、港湾の封鎖についてはウクライナ側が「港の入り口に機雷をしかけた」と訴えています。これについてもウクライナ側は「ロシアの仕業」だと言っています。 戦場となり、交通インフラが極めて不安定なウクライナは難しいとしても、ロシアとしては国内で収穫された食料の輸出は開戦後も行いたかったはずです。 実際に、ロシア産小麦や大麦、ヒマワリ油などの生産地域は、コーカサス地方やロシア南部など、ウクライナ周辺地域に集中しているため、輸出の主力となる海上ルートは黒海経由となるのが、妥当でしょう。 そういう意味から、機雷によって自国の輸出ルートを自ら潰すとは考え難く、ロシアを悪役にするウクライナ(または西側)側の策略とも考えられます。 そんな中、ロシアと共同しながら、黒海に敷設された機雷の除去という大きな役割を担っているのが、トルコなのです。 ロシアのラブロフ外相は6月1日、サウジアラビアでの会見で「(トルコの)エルドアン大統領と会談した結果、発展途上国にとって必要不可欠な食料物資等(貨物)とウクライナの港の機雷除去を進める手助けをするという合意に達した」とトルコの貢献を、国際社会に報じています。 このように、ロシアと対立関係にあるNATOの一員として、黒海の交通管理という国際的に承認された役割を担いつつ、ロシアとの独自外交で、停戦仲介のメインプレーヤーを演じるトルコが存在感を放っています。 また、6月3日、プーチン大統領はウクライナ産の穀物に関しては、同盟国ベラルーシ経由でバルト海から海上輸送する案が「一番簡単で安価だ」と述べ、条件としてベラルーシの制裁解除を挙げました。 ベラルーシのルカシェンコ大統領も、バルト海の港から自国製品の輸出が出来るようになれば、ウクライナ産の穀物も運ぶ用意があると認めております。 欧米側の制裁が解除されれば、世界を苦しめている食料危機が、実質的に大きく軽減される未来が容易にイメージできます。 (中編につづく) 「日本を守り抜く決意」街宣映像 2022.06.24 ■参院選2022≫「日本を守り抜く決意」 党幹事長、江夏正敏が福岡選挙区に立候補 (6.22初日街宣・博多駅前) https://youtu.be/uczfQQrL0IU ■≪参院選2022≫兵庫選挙区に立候補。 党政調会長・里村英一候補の第一声の街頭演説 https://youtu.be/chCJGH7cp9A ■≪参院選2022 ≫釈量子、第一声後の街頭演説ダイジェスト 神奈川県選挙区のいき愛子候補、埼玉県選挙区のみなと侑子候補の応援へ https://youtu.be/VEb3kJaFJQQ ■国家存亡の危機――この国に「精神的主柱」を 2つの理念と7つの柱 https://hr-party.jp/policy/class/2022/ ■参議院選挙2022特設サイト・候補予定者紹介ページ https://hr-party.jp/ ニッポンの防衛費――米国兵器依存から日の丸防衛産業の復活を【後編】 2022.06.19 https://youtu.be/wzo_UbLxDXE 幸福実現党党首 釈量子 ◆日本が見習うべき、ドイツ・ショルツ政権の特別防衛基金 日本にとって大きな参考になるのが、ドイツ・ショルツ政権が決断した防衛費に関する新たなイノベーションです。 日本は「財務省主導型」、いわゆる従来の「予算要求型」で、防衛省が財務省に予算を下さいとお願いする形では、機動的で、十分な防衛配備はできません。 こうした限界を超えるために、例えばドイツ・ショルツ政権は、ロシアによるウクライナ侵攻が欧州に及ぶ危機に対応する形で、「GDP比2%程度」の防衛予算と共に、特別防衛基金として「13兆円規模」のファンド創設を決断しています。 このように、「財務省主導型」から「防衛省(連邦国防省)主導型」に移行することで、より柔軟で機動的な防衛体制の構築につながることは間違いなさそうです。 ◆兵器の米国依存脱却、「日の丸」軍事産業を立ち上げろ! 現在の混迷を深める極東情勢において、中国による台湾や尖閣諸島・沖縄への侵略行為や、北朝鮮によるミサイル攻撃、ロシアによる北海道侵攻など、いつ何時、日本が攻撃される事態が起こってもおかしくない状況になりつつあります。 幸福実現党は、「日本の未来を本当に守り抜くためには」という命題に対して「国防費」についても考えていきたいと思っております。 また、日米首脳会談によって、「防衛費の相当な増額」がなされたといっても、結局、日本の血税は、「相互運用」というアメリカとの「お約束」によって、すべて米国の軍事産業に流れていくのも不都合な真実でしょう。 実際に、海上自衛隊の装備も、ほぼ米国製だともいわれています。 今後、日本では、「防衛産業」を日本の基幹産業として立ち上げていく必要があると我々は考えております。 例えば、北海道の室蘭は「鉄の街」と言われ、日本製鉄や日本製鋼がありますが、その周辺にも、加工技術に優れた中小企業が数多く存在しています。 地元の室蘭工業大学にも航空宇宙工学を研究する学部があり、宇宙開発の研究も盛んに行われているという特徴を備えています。 ロケット発射技術は、電波で誘導すれば軍事で転用できます。日本の地方都市でも大きなポテンシャルがあると言えます。 ◆兵器の米国依存の脱却、「日の丸」軍事産業の立ち上げを しかし、最後にボトルネックがあります。それが「憲法九条」です。「国を護る」のは、予算があって、武器があればいいというものではありません。 いわゆる「平和憲法」の呪縛が、この国の手足を縛り、国防論議もされない中において、「防衛費の相当な増額」を大きな成果だと考える現政権に、はたして国を護り抜くことができるのでしょうか。 更に言えば、日本では大学で軍事に関する研究すらできません。どの国でも大学は国益に資する研究を競って行っています。 軍事研究によって革新的な技術が生まれてきた事例としては、コンピューター、人工衛星、GPS、インターネットなどがあります。アメリカでは大学の軍事研究が国に大きく関わっています。 今の日本は、未だかつてない国防上の危機に立たされています。自国で軍事研究を行うことは、国家の自助努力として欠かすことはできません。 軍事転用できる技術というのは、他国が常に狙っているため、「軍事研究するな」という規制を廃し、防衛力強化につなげていかなくてはならないはずです。 ◆政府がやらなくてはならない仕事 幸福実現党は次の参議院選挙においては「減量の経済学」を掲げております。 デジタル庁や子ども家庭庁や、また新設予定の「健康危機管理庁(仮称)」など、無駄な省庁や役人を減量し、「政府はやらなくてよい仕事はするな」と訴えています。 しかし、「政府がやらなくてはならない仕事」、それが国民の生命・安全・財産を護る「国防」という仕事です。防衛費の拡大と、バラマキや政府の無駄仕事などと、同じにしては断じてなりません。 ウクライナ支援のために、6億ドルを拠出する岸田政権ですが、であるならば、ノーガードの北海道防衛や、いつ何時起こってもおかしくない、中国による尖閣・沖縄など南西諸島侵攻に万全の備えを構築することこそ、必要なのではないでしょうか。 ニッポンの防衛費――米国兵器依存から日の丸防衛産業の復活を【前編】 2022.06.18 https://youtu.be/wzo_UbLxDXE 幸福実現党党首 釈量子 ◆「防衛費の相当な増額」、それは日本の防衛に本当に足りるのか? 5月23日、日米首脳会談の後、岸田首相は「防衛費の相当な増額を確保する決意」について、アメリカの支持を得たことを明かしました。 ここでの「相当な増額」について、安倍元首相は「6兆円の後半という意味ではないか」とコメントしましたが、現時点でははっきりしていません。 2021年度の当初予算は約5.3兆円でしたが、その後、防衛費6兆円を初めて超す予算の補正が加えられました。 安倍元首相が言った「6兆円の後半」が本当であれば、昨年に続いて大幅アップとなることは間違いありません。 しかし、いま日本を取り巻く周辺国の「脅威」からみて、「その防衛費は、はたして妥当なのか」「日本を守り抜くことが出来るのか」、そうした議論が尽くされた上で算出されたものとも言えません。 適正な防衛費を図る一つの指標である、「防衛費GDP比」から見ても、日本は「GDP比1%」の枠から上回ることもなく、ここ50年以上、国際情勢などの激変は無視するかのように、ほぼ横ばいで推移しています。 この「GDP比1%」をその他の主要国と比較してみると、シンガポール約3%(2.98%)、韓国2.78%、英国は2.2%。 他にも、米国3.74%、インド2.88%、ロシア4.26%、イギリス2.25%、サウジ8.45%、ドイツ1.4%、フランス2%など、他国との差は歴然。日本は極めて低水準であると言えます。 ◆横這い日本とは比較にならない軍拡をとげる中国 日本が「GDP比1%」の呪縛に囚われ続けてきた中、急ピッチで軍事費を拡大し続けたのは、お隣の中国です。 実際に、中国政府が2022年に公表した軍事費は約26兆3000億円と、日本の4倍以上ですが、実際はもっと多いとみられています。 その根拠が、アメリカが2021年度に作成した報告書によると、「中国が公表する軍事費はいくつかの主要な項目を省いている。公的な研究機関によれば実際は公表値(26兆3000億円)の1.1~2倍になる可能性がある。」と述べています。 この事実を鑑みるに、4倍どころか5倍~8倍の軍事費を使っていると言えます。 それに比べると、日本の防衛費の内訳を見ると実に貧弱と言わざるを得ません。人件・糧食費が約4割(42.8%)、維持費が約2割(22.7%)、基地対策経費が約1割(9%)なので、現状維持のために実に予算の「4分の3」が費やされています。 残りの「4分の1」、昨年度でいえば「1兆5千億円強」で新たな防衛力をつくるための資金を捻出している、苦しい懐事情にあるのが実態です。 ◆GDP5%程度なければ、今の日本は到底守り抜けない!? では「いまの日本にはどの程度の防衛費が本当は妥当なのか」これまでとは違う視点で考えてみたいと思います。 自衛隊元西部方面総監の用田和仁氏によると、「本当に日本を守り抜くには今さら『倍増』では到底間に合わない。『5倍増』のGDP5%程度が妥当だ」といいます。 そして、用田氏は、最優先事項として次の項目を指摘しています。 (1)サイバーや電磁波領域の装備増強 例えば、中国は軍用無人機の開発に非常に力を入れてきました。 日本の防空識別圏に中国の無人偵察機が侵入していますが、今後、おびただしい数の攻撃型ドローンなどが、我が国の領土を襲来する可能性も指摘されています。 そのような時に、電子機器を攪乱したり、焼き切ったりするのが、電磁波領域の装備です。 また、自衛隊の人員を簡単には増やせない点を補うための「無人潜水艇」などを、海・空における無人化・ロボット化などの技術開発は促進すべきだとも指摘されておりました。 (2)次に、中国のような軍事大国に対しては「空母や軍艦を出すならそれを対艦ミサイルで沈める」といった非対称戦的な戦い方を重視し、予算を投下することです。 (3)もちろん、ミサイル防衛の整備や、水中での作戦を有利に進めるべく、攻撃型原潜等の配備の重要性も言及されていました。 (後編につづく) クアッド失敗!? 対露制裁でほころぶ中国包囲網【後編】 2022.06.15 (6月1日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆クアッドとしての立場を考えない「親中派」 このように、アルバニージ氏は親中派の政治家であり、経済の落ち込みを救うために心理的にも距離が近い中国との関係の改善に動くでしょう。 そうなれば、「対中国」であるはずのクアッドが機能しなくなる恐れがあります。 さらに、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、アルバニージ氏は中国とは「大惨事に至らない競争を」と述べています。これはバイデン政権がよく使うフレーズです。(※1) 当のバイデン政権は、インフレを止めるためにトランプ政権が課した中国への関税を引き下げることを検討しています。 実際に引き下げとなれば、これを合図にオーストラリアも中国との関係改善へ動く可能性もあります。 まさに、ロシア制裁などによるインフレを皮切りにして、クアッドの中国包囲網がほころびつつあるわけです。 クアッドのうち、オーストラリアとアメリカは、このように中国接近の流れができつつありますが、残りのインドは多くの報道の通り、対ロシア制裁に明確に賛同せず、むしろ、ロシアからの石油などを爆買いしています。 3月・4月だけで昨年1年間の原油輸入量の倍以上を購入、発注しています。(※2) ◆歩調も合わず、本末転倒のクアッド これらの事実が何を意味しているのかと言えば、中国とロシアを権威主義国と言って、同時に相手にする戦略、これは「破綻している」ということです。 クアッドが対ロシアに動こうとすれば、インドはクアッドに賛同できなくなり、アメリカやオーストラリアは対ロシアのため、経済的に中国に対して融和姿勢を取るようになります。 それが、先日の首脳会議のあとの共同声明でも表れています。声明では、ロシアにせよ中国にせよ、名指しはできていません。 一方で、中国とロシアは爆撃機6機をクアッドの会議に合わせる形で日本周辺に飛ばしています。明らかにクアッドに対して、中国とロシアで連帯するぞという姿勢を示しています。 このように当のクアッド側は、お世辞にも歩調が合っているとは言えず、さらにはクアッドの動きに刺激された中露を結束すらさせてしまっているわけですから、本末転倒です。 クアッドは、もはや失敗であると見るべきでしょう。 ◆日本は独自外交を 中国は着実に対クアッドの布石を打っています。日本とオーストラリアの間のオセアニアの島々に次々と中国資本を投下し、安全保障の結びつきも強めています。 これは日本のシーレーンの危機を意味します。オーストラリアから日本への石炭や鉄鉱石が通る貿易ルートがあります。台湾有事の際の中東からの石油などの迂回ルートを塞ぐ動きです。 こうした中国の動きを考えれば、日本としては、ロシアとの友好の道を閉ざすのは非常に危険です。 中国は西側と南側の補給ルートを断とうとするわけですから、わざわざ日本が北側からの補給ルートを閉ざせば、日本は食糧的にもエネルギー的にも干上がる可能性が高くなります。 幸福実現党としては、クアッドは、既に失敗していると見て、単なるアメリカ追従はやめて、日本の国益を考えた独自外交も考えて、強大な中国に備えていくべきだと考えます。 (※1) https://www.wsj.com/articles/australias-center-left-labor-party-on-track-to-win-election-11653137678?page=1 (※2) https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70006 クアッド失敗!? 対露制裁でほころぶ中国包囲網【前編】 2022.06.14 https://youtu.be/R2o25ITa6yU (6月1日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆クアッド失敗の兆し 5月24日、東京でクアッド首脳会議が開かれました。 クアッドとは、日本、アメリカ、インド、オーストラリアの4か国の対中国包囲網の枠組みです。会談の後は、共同声明で、中国を念頭に「威圧的、挑発的、一方的な行動に強く反対する」と発表しました。 しかし実のところ、クアッドは既に失敗する可能性が見え始めました。その表れのひとつが、会談直前の21日に行われたオーストラリアの総選挙です。 対中強硬派だった保守連合(自由党と国民党)を率いるモリソン首相が敗れ、親中派だと言われているアンソニー・アルバニージ党首が率いる労働党が第一党となり、政権を奪取しました。 オーストラリアの政権交代は9年ぶりの出来事です。 ◆政権交代によるオーストラリアの「親中化」 選挙キャンペーンでは、習近平国家主席が「Labor(労働党)」と書かれた投票用紙を投票箱に投じている写真をラッピングした、PRトラックがオーストラリアを走り回っていました。 これは与党系の市民団体による活動ですが、このように保守連合は、中国問題を争点にしようとしましたが、これは空振りに終わります。 理由は、ロシア・ウクライナ戦争などでオーストラリアは、20年ぶりの前年比5.1%の物価高(3月)を記録し、国民の関心は、インフレに対処に集まっていたからです。 労働党のアルバニージ党首は、インフレに追いつくために少なくとも5.1%の最低賃金の引き上げを支持し、育児補助金の引き上げなどのバラマキ政策を主張しました。 さらに労働党に期待されていることは中国との関係改善です。 保守連合のモリソン前首相は、「2019年にコロナ・ウィルスの起源の調査を中国ですべきだ」と主張したところ、中国との関係が悪化しました。 これがきっかけで中国は、実質上の報復としてオーストラリアからの石炭やワインなど200億ドル相当の品目に関税をかけ、例えば、オーストラリアのワインの輸出量は12億ドル近くから2420万ドルに落ち込みました。これは、約98%の減少になります。(※1) ◆親しくしないものには制裁を与える中国 オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国であり、この輸出の落ち込みは経済に大打撃です。 これにロシア制裁などによるインフレが加わって、生活のために中国と関係改善して少しでも稼ぎを増やしたいという国民の声が高まりました。 例えば、西オーストラリア穀物グループのダグ・スミス会長は「私たちの業界に課されている中国の関税が取り除かれれば、とんでもない利益となるだろう」と取材に答えたことが5月29日、イギリスのデイリー・メールが報じています。(※2) ◆中国にゴマをするアルバニージ氏 新首相のアルバニージ氏は、クアッド首脳会議の直前に「中国からの要求は完全に不適切であり、私たちはそれらを全て拒否します」と強気な発言をしており、すぐに中国に妥協する姿勢は見せていません。 これがいつまで続くかは怪しいところです。 先ほどのデイリー・メールは、1月25日にキャンベラの「ナショナル・プレス・クラブ」でアルバニージ氏が「中国が何億人もの人々を貧困から救ったのは、多大な賞賛に値する」と述べたと報じています。 報道によると、さらにアルバニージ氏は「これは素晴らしい経済的成果であり、人類の歴史上、これまでに見たことのないようなもの」と中国をベタ褒めしました。(※3) ある意味で、アルバニージ氏の最低賃金の引き上げなどの社会主義的な経済思想が、中国共産党の思想と共鳴していると指摘できると思います。 (後編につづく) (※1) https://www.dailymail.co.uk/news/article-10851989/Anthony-Albanese-repair-Australias-trade-tensions-China.html (※2) ttps://www.dailymail.co.uk/news/article-10851989/Anthony-Albanese-repair-Australias-trade-tensions-China.html (※3) (※3) https://www.dailymail.co.uk/news/article-10438091/Federal-Election-2022-Albanese-praises-China-lifting-hundreds-millions-poverty.html 自民党の「反撃能力」 使えるのは、核ミサイルを落とされた後?【後編】 2022.06.12 http://hrp-newsfile.jp/2022/4287/ HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆有事にだけ、米国に「核持ち込み」をお願いするのは筋違い 冷戦以降、日本が、核を「持たず、つくらず、持ち込ませず」という三原則のうち、「持ち込ませず」をあいまいにしてきたのは、近隣諸国に「日本に米軍の核があるかもしれない」と思わせるためでした。 そうすることで旧自民党は、ソ連や中国、北朝鮮などをけん制してきましたが、これが、民主党政権が行った「核密約の公開」で崩れました。 核密約は、米軍が核を持ち込んでも日本政府は知らぬふりをする、ということが主な内容だったからです。 今の日本は、核保有国に包囲されている状態なので、本来は、「持ち込ませず」を廃止し、核抑止力を強化しなければいけません。 しかし、岸田首相は欧米のロシア制裁に歩調を合わせ、ウクライナに防弾チョッキなどを送り、ロシアを敵に回しました。 中国・北朝鮮・ロシアという三方位に脅威がある中で、岸田政権は、核抑止力が下がった状態を放置しているわけです。 自民党政調会の提言には「緊急事態における核の持ち込みと非核三原則についての考え方を踏襲していく」と書かれていました。 しかし、米軍の「核の持ち込み」は、本来、核攻撃や核威嚇を防ぐために、緊急事態になる前に、平時に行うべき政策です。 緊急事態になった後、バイデン大統領に「核を持ち込んでください」と言っても、ウクライナの時と同じく、「第三次大戦を避けたい」と言われる可能性が高いからです。 核密約を公開し、非核三原則を守ってきた日本が、米国に「有事にだけ核を持ち込んでください」と頼むのは、虫が良すぎる考え方だと言えます。 やはり、「核の持ち込み」が必要なのであれば、「核を持ち込ませず」という原則を廃止し、米軍がいつでも核を持ち込める体制に変えなければなりません。 ◆自民党の憲法改正案は「専守防衛」をよしとしている こうしてみると、自民党政調会の提言では、日本を守れないことがよくわかります。 それは、自民党の憲法改正案についても同じことが言えます。 自民党案では「自衛隊を明記」する条文を「加憲」するだけなので、「戦争放棄」と「戦力不保持」「交戦権の否認」を定めた今の9条がそのまま残ります。 9条の1項と2項の解釈から生まれた「専守防衛」が残るので、先制攻撃を受ける体制の中で「自衛隊を保持する」と言っているだけの話にすぎません。 これでは日本を守れないので、幸福実現党は、抜本的な憲法九条の改正が必要だと訴えています。 「戦争放棄」と「戦力不保持」「交戦権の否認」の全てを改め、国防軍を組織する必要があるからです。 ◆「憲法九条の抜本改正」こそが日本を救う 幸福実現党が憲法九条の抜本改正を訴えているのは、戦争がしたいからではありません。 今の体制では、日本が守れないからです。 大川隆法党総裁は2019年に「どうしても避けられない戦争が未来に起きる。それも、自分たちから侵略するのではなく、他国から侵略されて、国民に大いなる受難が来る」ということが予想されるならば、せめて国民の「生命・安全・財産」と「領土・領海・領空」を護るために、きっちりとした仕事をすることは、税金を集めている国家の使命である」と訴えています(『自由・民主・信仰の世界』第三章)。 専守防衛のように、被害が出た後に反撃する体制だと抑止力が効かず、日本への攻撃を誘発しかねません。 憲法9条のない他国と同じように、通常の軍隊で国を守れる体制をつくり、「抑止力」を機能させなければならないのです。 通常戦力には通常戦力、核には核でしか抑止が効かないため、幸福実現党は「非核三原則の撤廃」や「米軍による核の持ち込み容認」を主要政策に掲げています。 そして、米国だけに日本の運命を委ねることはできないので、「自前の核装備を積極的に検討」しなければいけないと考えています。 そうすることで、幸福実現党は、日本を守る「責任政党」としての使命を果たそうとしています。 【参照】 ・NHK NEWS WEB「自民 茂木幹事長『防衛費増額や “反撃能力”の保有 公約に』」(2022年5月29日) ・自由民主党政務調査会『新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言』(https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/203401_1.pdf) ・朝日デジタル「核密約公開、民主政権に再三『憂慮』 米外交公電で判明」(2011年5月7日) すべてを表示する « Previous 1 … 5 6 7 8 9 … 101 Next »