Home/ 国防・安全保障 国防・安全保障 ワクチン接種の効果とリスク。強制は全体主義への道。【前編】 2021.06.25 https://youtu.be/lViHNdmv3pY 幸福実現党党首 釈量子 ◆ワクチン接種推進に躍起になる政府 いま政府は東京オリンピック開催までに、出来るだけ多くの人にワクチンを接種してもらおうと、一日あたり100万回接種を目指してアクセルを踏んでいます。 例えば、ワクチンの打ち手を確保するために、医師や歯科医師、看護師に加え、臨床検査技師や救急救命士も打ち手として認める指針を出しました。 また、町医者などがワクチンを打つと、1回あたり2000円を超える報酬が入り、休日の場合はこれが4200円に跳ね上がります。 自治体レベルでも、接種者に対する商品券やタクシークーポンの配布など、様々な接種推進策が行われています。 このように、ワクチンを接種しないといけないような空気が創られているのは事実で、これは少し心配な流れでしょう。 ◆ワクチンの効果とリスク、中立的に報じられているのか? 厚生労働省は「ワクチン接種は強制ではない」と訴えており、ホームページにも明記されています。 これはウイルス調査を特定の国が情報隠蔽しているため不透明で、今回のワクチン自体、人類にとって未知のことが非常に多いためです。 一般的に、ワクチン承認されるまで、開発や臨床試験に最低5年かかると言われますが、欧米では甚大の死亡者が出ており、今まで使われたことのない新技術まで駆使して、1年以内にワクチンをスピード開発、世界中で大規模接種が進められているのが現状です。 しかし、マスコミでは連日、ワクチン接種を推進するようなニュースが非常に多く、「ワクチン接種が唯一最大の対策だ」というような世論まで形成されつつあります。 事情があってワクチン接種ができない人や接種したくない人は「感染対策に協力的でない人」というようなレッテルを貼られかねません。 しかも、厚生労働省は「予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています」と言っているものの、効果とリスクがバランスよく報じられているのか、疑問符が付くところです。 ◆ワクチン副反応の各国比較 一番心配されていることは、副反応の問題です。 ワクチン接種が進んだ6月4日時点の状況としては、主にファイザー製ワクチンが、およそ1800万回接種され、接種後に196名の方が亡くなられております。 これを見ると、米国や英国と比べ、副反応とみられる症状で亡くなる方の割合は、今のところ特に多いというわけではありません。 *100万回接種あたりの報告件数は日本で10.9件、英国で16.1件 *100万人接種当たりの報告件数は日本で14.7件。米国で18.0件 なおインフルエンザワクチン(令和元年)は、およそ5600万回分接種され、医療機関からの死亡報告数は5名でした。 現時点で、厚生労働省はワクチン接種後の死亡事例に関して、因果関係は認めておらず、「評価ができない」というあいまいな評価をしています。 ◆中長期的に不透明なワクチンのリスク しかし、196名の方が亡くなられたのは、厳然とした事実で、死亡事例以外にも、重篤な副反応として、障害が残ったり、入院が必要になるようなケースが報告されています。 また、重篤までいかなくても、37.5℃以上の高熱に苦しむ方はかなりの割合で、特に若い年代ほど、2人に1人は高熱の症状が出ると報告されています。 何より忘れてはならないことは、中長期的な視点です。 現在、国民を総動員しての、大規模治験中だとする専門家も多いのですが、理論的に安全性が示されていても、実際のデータは十分なく、中長期的にはどのような影響が出るかについての検証はまだ不十分です。 例えば、ワクチンを打つことで「抗体依存性感染増強(ADE)」によって、変異株に対する重症化のリスクが指摘されています。 ◆ワクチン接種による不妊症の懸念も? また「m-RNA」を封入する脂質ナノ粒子が卵巣に集積することによる「不妊症の懸念」を指摘する専門家もいましたが、これに対しては情報が錯綜しております。 日本産婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会からは「COVID-19ワクチンは、現時点で妊婦に対して短期的安全性を示す情報が出つつあるが、中長期的な副反応や、胎児及び出生児への安全性に関しては、今後の情報収集が必要」とし、「接種する場合には、産婦人科医は被接種者に、十分に説明する」という指針が出されています。 若い世代は、この辺りを慎重に見極める必要があるかと思います。 更に、「ワクチンを打つことによって、自然免疫が弱まる」という指摘もあり、特定のウイルス感染を防ぐことはできても、それ以外の感染には弱くなってしまうなどと指摘されており、更なる検証が必要かと思います。 (後編につづく) 日米台の半導体「中国包囲網」へ。日本復活のカギは?【後編】 2021.06.17 https://youtu.be/UT3GXmPe9kc (6月8日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆「周回遅れ」にある日本の半導体産業 前編では、台湾、韓国、中国、アメリカの半導体事情を紹介しましたが、その中、日本のルネサスエレクトロニクスが40ナノで、日本企業がいかに立ち遅れているのかが分かります。 考えられるボトルネックとしては、先端工場の運営ノウハウが不足していることに加えて、「微細化」するほど、工場や製造装置の投資額が莫大になるので、本来は相当な利益を上げて、投資に回さなければいけません。 TSMCの利益や投資額を見てみますと、20年12月期売上約5兆円、純利益約2兆円で、トヨタの純利益が2.2兆円(21年3月期)とほぼ同じレベルとなっています。 また、21年の設備投資計画は最大約2.9兆円で、まるで国家予算かと思うほどの投資規模で、税金を使わずに、TSMCは民間企業としてこれだけの投資を行っています。 台湾経済への貢献は甚大で、採用が追いつかないほどの雇用を生み、台湾国内に工場を次々と新設していますが、これらの中には、2022年下半期に量産予定の3ナノ生産用の設備投資や新工場も含まれています。 現時点で、兆単位の設備投資に耐えられるのは、TSMC以外では、サムスンやインテルくらいです。 ◆先端工場誘致を進める米国 米国は現状をよく把握しており、中国に負けないためには、米軍の最新鋭戦闘機で先端半導体を使用しないといけませんし、米国内で生産できる体制を整える必要があります。 昨年、トランプ政権の時に、米政府はTSMCに働きかけ、アリゾナ州に1兆円~1.2兆円の5ナノ工場を建設するという誘致に成功し、今後、更にアリゾナ州に2.3兆円~2.5兆円の3ナノ工場の追加投資を検討しているとのことです。 TSMCの他には、サムスンが5ナノ、インテルが7ナノの先端工場を、米国内に建設予定で、バイデン政権はこうした企業を支援するために、米国内に工場や研究開発拠点を設ける企業に、5年間で4.3兆円の補助金を検討しています。 ◆TSMCにとって「経済合理性」が低い日本 では、日本はどうすべきでしょうか。 日本は約2000億円の支援基金で先端工場の誘致に動いていますが、如何せん、金額が見劣りする点、米国のようにアップルや軍需産業などの納品先が少ない点、人件費が高い点など、TSMCにとってはほぼ「経済合理性」がありません。 経済産業省は「TSMCが日本で実施する半導体の研究開発に5年間で190億円出す」と発表しましたが、これは、日本に先端工場を誘致したかったが、実現しなかったことを意味します。 TSMCにとって負担の少ない研究開発で折り合いをつけたと言えるかもしれません。 それを裏付けるように、今年1月のTSMC決算発表会で、モリス・チャン社長は「単独での日本進出も、合弁での進出もない」と話しました。 一方、4月下旬には、中国南京市のファウンドリーに新ラインを設置し、約3100億円を投資し、自動車向けの半導体(10ナノ以上)を増産するという発表がありました。 これらを見ると、TSMCは非常に「したたか」で、民間企業として「経済合理性に基づいて判断している」ということです。 一般的には、海外の半導体メーカーが日本に研究所を置く場合、実際の目的は、企業や大学研究室からの「最先端技術情報」の収集や、優秀な技術者のリクルートにあって、ボランティア精神で、日本に貢献しようとはあまり考えていないのが実情です。 ◆製造装置と素材は日本の「強み」 そこで、改めて着目したいのが日本の強みであり、半導体の設計・製造を側面から支える「製造装置メーカー」としては、世界最強で、2020年のトップ15社のうち、7社が日本企業です。 他にも、シリコンウエハーなど「素材」の分野も大きな強みで、こうした日本企業がなければ、TSMCも先端半導体を作ることができません。 まず、こうした技術を死守することが大事です。 中国は日本の技術を常に狙っており、TSMCとの共同研究を行って、気づいたら、日本が身ぐるみはがされていたとならないように注意が必要です。 ◆国内の生産体制を構築し、地方に雇用創出を また、米国は製造装置メーカーから先端工場まで、国内で一貫して生産できるように誘致を進めています。 日本の素材・製造装置メーカーが開発拠点を米国に移転したら、日本が空洞化する可能性もあります。 半導体は「産業のコメ」と言われ、製造業の基盤になっているので、おろそかにできませんし、安全保障の問題にも直結します。 脱中国、日米台の連携を深めることも大事ですが、製造装置や素材など、日本の強みで、国内の生産基盤を死守しながら、雇用を生むことを考えて、国内に半導体の先端工場を作るべく努力すべきだと思います。 政府もなんとかしないといけないという危機感はあるようですが、一刻も早く付加価値の高い製造業で雇用増大を図り、地方に工場を建設し、地方の活性化を目指すべきだと思います。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 日米台の半導体「中国包囲網」へ。日本復活のカギは?【前編】 2021.06.16 https://youtu.be/UT3GXmPe9kc (6月8日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆日本の半導体が敗れた理由 政府は6月2日、今月決める成長戦略の原案を公表し、半導体産業を成長戦略の中核に据えることを明らかにしました。 背景には、「半導体はもはや食料やエネルギーと同じ戦略物資だ」という考え方があります。 現在、日本や米国は、特に「最先端の半導体」については、台湾のTSMCに依存している状況です。 もし台湾が中国による軍事侵攻を受け、半導体供給網が断たれてしまったら、世界経済は大混乱に陥ってしまうという危機感から、世界で国内に製造拠点を確保しようという流れがきています。 ◆「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の80年代 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれていた80年代後半、日本の半導体産業は世界シェア1位(1988年:50.3%)でした。 半導体の売上高は年々増え、今後も伸び続けていくことは間違いありませんが、日本企業のシェアは88年の50.3%をピークに下がり続け、2019年には僅か10%にまで低迷しています。 将来的には、シェア0%になる可能性もあるとされます。 また、1992年と2019年の企業別の売上ランキングを比較すると、1992年は10社中6社が日本企業で、2019年は1社のみがランクインしています。 ◆半導体産業の凋落の背後にある米国 「なぜ日本の半導体は凋落したのか?」といえば、幾つかの要因が挙げられます。 一つ目は、1986年に結んだ「日米半導体協定」です。 80年代後半、日本の半導体がシェアを伸ばし、米国は脅威を感じて圧力をかけました。 例えば、「ダンピング防止」という理由で「米国が決めた公正価格」を下回ったら、ダンピングと見なされました。 この協定によって、日本企業は価格決定権を奪われてしまったわけです。 また、当時の日本国内の半導体市場は、9割以上が日本製の半導体が占めており、これに対し、米国は「日本は鎖国している」と批判し、「開国」を迫りました。 その結果、91年に締結された「新日米半導体協定」では、日本国内における海外半導体のシェアを20%以上に高めないとダメだという文言が盛り込まれ、相当エネルギーを割かれました。 その後、1996年にこの協定は解消されましたが、こうした日本の扱われ方をみて、「第二の敗戦だった」と言う方もいます。 ◆金融政策のミスリードで苦境に陥った半導体産業 二つ目としては、「円高」の影響が挙げられ、1985年の「プラザ合意」以降、日本の円高傾向が続き、半導体の輸出には相当なダメージを与えました。 例えば、99年に日立やNECの事業再編から生まれた「エルピーダメモリ」という会社が2012年に倒産、米国の会社に吸収合併され、当時の社長は「(リーマンショック前と比べ)韓国のウォンと比較して70%も円高になった。企業努力ではカバーしきれない」と悔しそうに記者会見で語っていたのが印象的です。 このように、当時の金融政策が円高を生み、日本企業を守れなかった側面もあるように思います。 他にも、「企業の問題としてマーケティング力が弱く、日本の技術力を活かせなかった」という要因も挙げられるでしょう。 これらの要因が重なって、日本企業の勢いは一気に衰退しますが、それと反比例するかのように、韓国のサムスンや台湾のTSMCなどがシェアを伸ばしてきました。 さらに、最近では、中国が半導体を自前で製造できるように、巨額の投資を行って追い上げています。 ◆微細化を巡る熾烈な技術競争 現在行われている半導体戦争のキーワードは「微細化」です。 半導体の性能は1ナノメートル単位の回路幅で表され、幅が狭いほど、処理能力が高くなり、消費電力が低くなります。 現在、最先端の半導体を製造しているのは、TSMCとサムスンで、回路幅は5ナノです。次に、インテルが10ナノで、あのインテルが全力を尽くしても、TSMCの5ナノに追いつくことができません。 TSMCは2022年に3ナノ量産を予定しており、いま圧倒的に独走中なのがわかります。 なお、3ナノというのは「3秒間で伸びる髪の毛の長さ」と同等で、いまの半導体の驚異的な微細レベルがよく分かります。 中国のSMICが14ナノで、TSMCの技術力と比較すると、SMICは4~5年遅れていると言われています。 また、米国の輸出規制により、TSMCがSMICなどに対して、10ナノ以下の「先端半導体」は輸出できないことになっています。 (つづく) トランプ再始動!バイデン外交で戦争勃発!? 2021.06.02 https://youtu.be/e7V27w_oSMc (5月18日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆トランプのもとで共和党一枚岩に! 5月14日、アメリカ共和党の下院議員団はトランプ大統領と対立していた下院ナンバー3の共和党会議議長リズ・チェイニー氏に代わり、親トランプ派のエリス・ステファニク氏を選出しました。 ステファニク氏は、ハーバード大学出身のエリートで、若干30歳の時に史上最年少で選出された若手政治家です。 ステファニク氏は記者会見で、「私はトランプ大統領を支持する。彼は共和党の重要な代弁者で、一緒に仕事をするのを楽しみにしている」と話しました。 トランプ氏も、「圧倒的な大勝利だ。これで下院共和党は結束した」と歓迎する声明を発表しました。 これで、共和党がトランプ大統領のもとで一枚岩になり、2022年の中間選挙を戦うことになったわけです。 ◆2024年大統領選、トランプ出馬!? トランプの存在感を示す出来事は、他にもあります。4月10日、共和党全国委員会がフロリダ州パームビーチで春の幹部集会を開催しました。 共和党の連邦議員、州知事、有力市長、大口献金者など数百人が集まって、今後の活動方針を話し合いました。この集会にトランプ氏は特別ゲストとして招かれました。 参加者から漏れ伝わってきた内容によると、次期大統領候補のニッキ―・ヘイリー氏の発言が注目に値します。 ヘイリー氏はトランプ政権で国連大使として活躍したインド系の女性政治家ですが、次のように述べています。 「私は次回の大統領選で民主党候補と戦う意欲は十分にあるが、トランプ前大統領が出馬する場合には競争はせず、彼の支援に回ります。」 この話を聞くと、共和党の幹部たちは、2024年の次期大統領選にトランプ氏が出馬することをある程度容認していることがわかります。 ◆バイデン外交で高まる戦争リスク バイデン政権はトランプ政権の対中強硬路線を踏襲していると言われていますが、「似て非なるもの」だと言えます。 (1)対中外交 3月18日、アラスカで行われた米中会談では、中国の外交担当・楊潔篪(ようけつち)氏が自国の人権弾圧を棚に上げ、米国の「ブラック・ライブス・マター」の問題を激しく非難しました。 3月下旬、FOXテレビのインタビューを受け、トランプ氏は「米国側は交渉の場から立ち去るべきだった」「もし同じことをしていたら、私は対中関税を2倍に上げていただろう」と答えています。 トランプ政権は、オバマの対話路線が中国を助長させたと考え、巨大な軍事力を背景に相手国に譲歩させる「力による平和」を実現しようとしたわけです。 しかし、5月4日、対アジア、対中政策を決めるキーパーソン、インド太平洋調整官カート・キャンベル氏は「ウォール・ストリート・ジャーナル」が主催したシンポジウムで次のような演説を行いました。 「バイデン政権の対中政策は、オバマ大統領とトランプ大統領のそれぞれの中国に対する政策の混合形態であるが矛盾もある。私たちは、中国と共通の懸念を抱く課題について、中国と協力できる分野に関心を高めている。」 バイデン大統領をはじめ、キャンベル氏やブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官など、外交分野のキーパーソンは全てオバマ政権にいた方々です。 オバマとトランプの混合形態と言っていますが、オバマ時代に逆戻りしています。 (2)北朝鮮問題 トランプ氏は最近、「FROM THE DESK OF DONALD J. TRUMP」という公式サイトを立ち上げました。 4月23日、トランプ氏は、朝鮮半島問題を取り上げ、「北朝鮮の金正恩氏は韓国の文在寅大統領を全く尊敬していなかった。私が北朝鮮による韓国侵攻を止める役割を担った」と書いています。 トランプ氏が金正恩氏と会談した後は、北朝鮮のミサイル発射は一度もありません。トランプ氏による「力による平和」が実現されていたのです。 しかし、バイデン政権に代わった後、日本海に向けて弾道ミサイルを2発発射しました。 バイデン大統領は「人権外交」を掲げており、北朝鮮との折り合いをつけるのは難しいと思います。 (3)イスラエルVSハマス 現在、イスラエル軍とイスラム原理主義組織ハマスの交戦が続いています。 これについても、5月11日、トランプ氏は、「私の平和な大統領時代には、イスラエルの敵方は、もしイスラエルが攻撃を受ければ、即座に米軍の報復を受けることをわかっていた」「バイデンのイスラエルに対する支援不足が、ハマスによる新たな攻撃を許してしまった」と述べています。 バイデン政権は4月、トランプ政権が停止していたパレスチナ支援を再開しました。そのため、5月10日に始まったイスラエルとハマスの交戦が始まってからも、バイデン大統領は積極的な発言を控えてきました。 15日になって、バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府トップのアッバス議長と電話会談を続けて行ったのも、より中立的な立場から調停したいという思惑があったからだと思います。 このように、バイデン政権は対立を避け、中立的な立場からバランス外交を大事にしていますが、かえって紛争の火種を撒いています。 共和党より、民主党の時代の方が、戦争が多くなると言われますが、その通りになってきました。 台湾やウクライナにも、紛争の火種があります。 トランプの発言をチェックしていくことで、バイデン外交の弱点が見えてきますが、今後も、ウォッチしていきたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 バイデン、台湾見殺しか?「日本版台湾関係法」で日米台の連携強化を!【後編】 2021.05.29 https://youtu.be/CHtr9G7-J2o (5月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆バイデン政権、米中対話路線に転換か? 前編では、米国議会では、中国の台湾侵攻を防ぐため、安全保障対話・合同軍事演習の枠組み構築、台湾との二国間貿易協定交渉などの議論が増えていることを指摘しました。 ところが、こうした議論が増える中で、5月4日の「フィナンシャルタイムズ」のオンラインイベントで、バイデン政権でアジア政策を統括する重要人物、インド太平洋調整官のキャンベル氏が、次のような気になる発言をしました。 「米国が中国の武力侵攻から台湾を守る立場を明確にすると、重大な不都合が生じる。中国は世界中で米国の国益を損なうような行動を取るだろう。従って、これまでの『戦略的曖昧さ』を維持すべきだ。」 オバマ政権時代に、米軍の「アジア回帰」を推進した人物でアジア通として知られていますが、中国が南シナ海の軍事拠点化を進めることを許してしまった張本人です。 キャンベル氏の本音は、トランプ政権のように、台湾の軍事支援を強化し、政府高官の交流を促すような政策をどんどん行えば、中国を刺激し、米中衝突のリスクが高くなるので、これまで通り、台湾の問題は曖昧なままでよいというわけです。 しかし、挑発的な発言を繰り返し、他国を刺激しているのは、中国であることを忘れてはいけなせん。巨大な軍事力を備えた中国の横暴を、事なかれ主義で止めることはできません。 また、キャンベル氏はオンライン会議で、米中の不測の事態に備えるために、「米中対話のホットライン」を作るべきだと主張しました。 中国共産党系のメディア「環球時報」は、この発言に対して、「ホットラインを作りたいならば、台湾問題に口を出すことを止めなくてはいけない」と答えています。 もしバイデン政権がオバマ時代のように中国との対話路線に戻っていくならば、台湾が危ない状況に置かれることになります。 ◆「日本版台湾関係法」制定を! 日本と台湾は運命共同体です。日本は米国と同じく、台湾政策を見直す時期に来ています。そして、日米同盟を基軸に、日米台の連携を主導すべきだと思います。 4月17日に行われた「日米共同声明」では、「台湾」が明記されました。1969年以来、52年ぶりで非常に画期的なことです。 しかし、喜んでいたのも束の間、菅首相は4月20日、衆議院本会議で共産党・赤嶺議員から、台湾問題に言及したことに関する質問を受け、「軍事的関与などを予断するものではない」と回答をしました。 また、公明党・佐藤議員から、台湾有事の対応について質問され、「いかなる事態が(米軍を後方支援できる)重要影響事態などに該当するか一概に述べることは困難だ」と答えました。 いかにも、自民党親中派や公明党に配慮し、中国を刺激しないように配慮した官僚答弁になっています。 重要影響事態とは、「日本以外の他国への攻撃であっても、放っておいたら日本が危ない場合は、自衛隊が米軍など他国軍の後方支援を行うことができる」というものです。 日本が米軍の後方支援を行うためには、台湾有事を「重要影響事態」と判断しなくてはなりませんが、日本への影響をどう見積もるかで解釈の余地のある政治的判断が必要です。 強い政治的リーダーシップが求められますが、菅首相の答弁を聞いていると心配になります。 5月11日~17日、陸上自衛隊とフランス陸軍は、離島への上陸や市街地戦を想定した共同軍事演習を行っています。 中国は台湾攻撃後、市街戦を行うので、台湾防衛のための共同訓練と言ってよいでしょう。 さらに、東シナ海で日米豪仏の共同軍事演習も行っています。しかし、台湾防衛と言いながら、これまで一度も日米台の共同軍事演習を行っていません。これを何とかしなくてはなりません。 その際、日本と台湾の間に正式な国交がないことがボトルネックになります。 日本も米国を見習って台湾との間に「日本版台湾関係法」をつくり、日米台の共同軍事演習や経済交流促進、首相の訪台などを盛り込んではどうでしょうか? 国会には、日米共同声明を具体化するために「日本版台湾関係法」制定の議論をしてほしいと願います。 日本の国益を守り、アジアの自由と平和を守るために、「日本版台湾関係法」の制定を強く訴えたいと思います。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 バイデン、台湾見殺しか?「日本版台湾関係法」で日米台の連携強化を!【前編】 2021.05.28 https://youtu.be/CHtr9G7-J2o (5月15日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆米国の台湾政策「戦略的曖昧さ」とは? 今日は「台湾防衛」をテーマにお話ししたいと思います。 5月初め、イギリスの雑誌「エコノミスト」では、中国が軍事的圧力を強化していることを受け、台湾のことを「地球上で最も危険な場所」と指摘しました。 蔡英文総統は不安を打ち消そうとすぐに反応し、「考えられるリスクを管理し、必ず台湾の安全を守れる」とコメントしました。 もし台湾が中国の侵略を受けた場合、米国は台湾を守るために本当に軍事行動に出るのでしょうか? 現在、米国ではこの問題に関する議論が増えています。キーワードは「戦略的曖昧さ」です。 「戦略的曖昧さ」とは何かというと、これまでの米国の台湾政策である、中国が台湾に侵攻した場合の米国の対応を明確にしないことを意味します。 1972年にニクソン大統領が中国を訪問し、冷戦時代のソ連に対抗するために中国と国交を結び、台湾との国交を断絶しました。 しかし、当時の親台湾派の議員が、「このままだと台湾が中国に飲み込まれてしまう」という危機感を感じて、1979年に「台湾関係法」という法律を作りました。 これによって、米国は台湾との正式な国交は無いものの、台湾を中国の侵略から防衛するための武器を輸出できるようになりました。 こうした状況の中、米国は「戦略的曖昧さ」によって、中国の台湾侵攻を抑止するとともに、台湾の独立宣言を阻止し、アジアの安定に寄与してきました。 例えば、1995年、中国がクリントン政権に対して「もし中国が台湾を侵攻したら、米国はどのように対処するか?」と聞いたら、「それはわからない。状況次第だ」と答えました。 これが、米国の台湾政策における「戦略的曖昧さ」です。米国は数十年間に渡り、ずっとこのスタンスを維持してきました。 ◆米国で高まる台湾政策見直し論 しかし、中国はこの間、台湾奪取を狙って虎視眈々と軍事力を増強してきました。 これに対して、トランプ大統領は、ニクソン以降の対中政策を見直すことを表明し、台湾に対して最新鋭の武器輸出や政府高官を派遣するなど、米台関係の強化に貢献しました。 今年に入ってからはさらに進んで、米国の台湾政策「戦略的曖昧さ」を見直すべきではないかという意見が出てくるようになりました。 これまでの曖昧さこそが、中国の横暴を助長させているのだから、「中国が台湾を攻撃した場合、米国は台湾を必ず守ること」を明確にするものです。 今年1月、前インド太平洋長官のデービッドソン氏は上院軍事委員会で、「現在の中国の軍事展開を見れば6年以内に台湾侵攻の可能性がある」と警告を発して、日本でもかなり報道されました。 その際、「米国はこれまで『戦略的曖昧さ』の政策により恩恵を受けてきたが、中国との軍事バランスが変わった今、定期的に見直す必要がある」という意見も述べています。 デービッドソンの後任となった、現在のインド太平洋長官アキリーノ氏も、「『戦略的曖昧さ』の台湾政策を変更することで、どんなリスクや代償が生まれるのか、ぜひとも議論したい」と話しています。 インド太平洋軍のトップがここまで突っ込んだ話をしているのを見ると、軍人の間では、台湾が香港のようになってしまうという危機感を共有しているのではないかと思います。 こうした意見を持つ人は、共和党議員やシンクタンクに根強くいます。 例えば、トランプ政権で大統領補佐官を務めたボルトン氏は昨年7月、「選挙で選ばれた政府を有する台湾のような国を承認しようとしないのであれば、国家承認の意義とは一体何か」と述べ、台湾を国家として全面的に認めるよう訴えました。 また、米共和党のリック・スコット上院議員とガイ・レッシェンサラー下院議員は今年2月、中国の台湾侵攻を防ぐため、大統領に一定の武力を行使する権限を付与すべきとする「台湾侵略未然防止法案」(Taiwan Invasion Prevention Act)を上下両院に再提出しました。 法案の内容は、米台と理念の近いパートナーを交えた安全保障対話・合同軍事演習の枠組み構築、台湾との二国間貿易協定交渉の推進、大統領や国務長官の訪台、台湾総統の米議会での演説などです。 (後編につづく) ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 米国で再燃「武漢研究所コロナ起源説」!人民解放軍の関与を示唆する「爆弾文書」とは?【後編】 2021.05.26 https://youtu.be/LM78qTAeuRU 幸福実現党党首 釈量子 ◆米英科学界からも噴出する「WHO調査結果」への疑念の声 共和党議員による厳しい追及が続く中、5月14日には、英ケンブリッジ大学や米スタンフォード大学などの科学者18人が、科学誌『サイエンス』への書簡で、「パンデミックの起源を判断するにはさらなる調査が必要だ」と主張しました。 書簡では、「武漢研究所から偶然漏えいした可能性と、動物から人へと感染した可能性は、理論上両方ともあり得る」との見解を示しました。 WHOの調査団が作成した最終報告書では、「コウモリから別の動物を介して人に感染した可能性が高い」との見解を示し、研究所からウイルスが漏えいした可能性は「極めて低い」と結論付けました。 しかし、科学者らは報告書が漏えい説について「バランスの取れた検討」がされていないと厳しい指摘をしています。 5月19日には、下院情報委員会の共和党議員が中間報告書「新型コロナウイルスと武漢研究所」を発表しました。 これによると、「新型コロナの起源が武漢研究所であることを示す重要な状況証拠が次々と明らかになっているが、中国が主張する自然発生説を示す証拠はほとんどない。二度とパンデミックが起きないように、政府は中国に対して情報開示するよう圧力をかけるべきである」と主張しています。 ◆「爆弾文書」が明らかにする中国人民解放軍の関与 新型コロナ起源の状況証拠の一つとして注目したいのが「中国人民解放軍の関与」です。 前述の中間報告書では、「中国人民解放軍は生物兵器開発プログラムを持っており、武漢研究所の研究にも関与していた」ということを挙げています。 これに関連して、5月上旬、豪メディア『ザ・オーストラリアン』で、ある「爆弾文書」がリークされました。 どんな文書かと言うと、2015年に人民解放軍科学者、除徳忠らによって書かれたもので、米国務省が新型コロナの起源を調査する過程で入手したものです。 ◆新型コロナウイルスは「生物戦争」を戦う中国の兵器 「爆弾文書」の注目ポイントは、以下2点となります。 第一に「第三次世界大戦は『生物戦争』になる」という記述です。 文書には、「中国人民解放軍の科学者は、第一次世界大戦は『化学戦争』であり、第二次世界大戦は『核戦争』、第三次世界大戦は『生物戦争』になる。第三次世界大戦に備えて、2015年から新型コロナウイルスを含むウイルスを“生物兵器”として研究開発する」と書かれています。 新型コロナ感染拡大による被害の大きさは戦争被害と比較されますが、見事に予言していたかのように感じます。 例えば、アメリカの第二次大戦の死亡者は約40万人ですが、すでに現時点で超えています。 ◆事前に考え抜かれていた「ウイルス攻撃」の理想的条件とは? 第二に、「生物兵器の使用方法を計画していた」ということです。 文書には、「戦争で勝利するために生物兵器が重要になることを踏まえ、生物兵器を使用し、最大限の損害を与えるための理想的な条件を示す。具体的には、強烈な太陽光はウイルスにダメージを与えるので、晴れた日の日中に持ち運ぶべきではない。また、雨や雪は空気感染の影響を弱まらせる。従って、夜や明け方、もしくは、曇りの日で、適度な風が吹いている日に、ウイルスをばら撒くべきだ。そうすれば、ウイルスは対象エリアに広がっていくはずだ。その結果、ウイルス攻撃によって、入院治療を必要とする患者が溢れ返り、敵国の医療システムを崩壊させることができる」と書かれています。 これは、まるで各国で問題になっている「医療崩壊」を予言していたかのような、リアルな描写です。 中国は早速、この書類は「中国を貶めるためのでっち上げだ」と反論していますが、米国や豪州、カナダの政府機関での経験を持つデジタル科学捜査の専門家、ロバート・ポッター氏によれば、「この書類は作り物ではなく、事実である」と言っています。 このように、米国では、新型コロナウイルスは武漢研究所から漏れたのではないか、という議論が再燃しています。 日本ではなかなか、こうした報道を見かけることもありませんが、全世界を地獄に引きずり込んだ新型コロナ起源の追及を決して忘れてはならないと思います。 米国で再燃「武漢研究所コロナ起源説」!人民解放軍の関与を示唆する「爆弾文書」とは?【前編】 2021.05.25 https://youtu.be/LM78qTAeuRU 幸福実現党党首 釈量子 ◆再び注目を集める「武漢研究所コロナ起源説」 かつては「陰謀論」として無視されていましたが、いま米国では「武漢研究所から新型コロナが流出した」という見方が再び注目を集めています。 本年1月、トランプ政権の時に国務省が発表したファクト・シートには「武漢研究所が中国人民解放軍と共同研究していたことや、2019年秋の段階で何人かの研究者が新型コロナと同じような症状で倒れていた、という事実を隠蔽している」という指摘がありました。 バイデン政権はトランプ前政権のこうした見解を認めており、世界保健機関(WHO)による中国武漢の調査結果が3月に発表されましたが、ブリンケン国務長官は「中国寄りだ」と不満を述べ、「コロナ発生源を明らかにする必要がある」とも語っています。 また、米国の情報機関を統括する、アブリル・ヘインズ国家情報長官は「自然発生か、武漢研究所から漏れたのか、両方の可能性を調査している」と話しています。 ◆真相究明に立ち上がった米・共和党議員たち こうした言葉とは裏腹に、バイデン政権は武漢研究所を本気で追及する気があるとは言えない状況が続いている一方、共和党議員たちが独自に真相究明に乗り出しています。 今年3月、エネルギー・商業委員会の共和党議員は「国立衛生研究所(NIH)」のフランシス・コリンズ所長宛てに、また、4月には「エコヘルス・アライアンス」のピーター・ダスザック氏宛てに、武漢研究所と行った共同研究に関する記録を全て提出するよう求めました。 共和党議員の厳しい追及を受けている渦中の一人が「コロナ研究の第一人者」として知られるピーター・ダスザック氏で、2005年以降、コロナに関する研究論文を21本発表、中国のコロナ研究者と長年、直接仕事をしてきた人物です。 2019年には、数百万匹のコウモリが住む中国の洞穴で、ダスザック氏が見慣れぬ防護服を着ていたため、洞穴を見に来た観光客からの「何をしているのか」という問いに対し、「SARSのようなウイルスを探している」と答えた、というエピソードが残っています。 トランプ前大統領は昨年4月、この話を引き合いに出し、エコヘルス・アライアンスへのコロナウイルス研究の助成金をストップしています。 ◆米中のコロナ共同研究に米政府からも多額の資金提供が…? 5月5日、共和党のマイク・ギャラガ―議員は「国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)」のアンソニー・ファウチ所長宛てに書簡を送り、「今回のような悲惨な感染症の起源について、これまでのような浅い理解のままでは許されない」と指摘し、詳しい情報提供を求めています。 この「国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)」と、その母体である「国立衛生研究所(NIH)」によって、米国の科学者と武漢研究所の間で行われた共同研究に多額の資金が提供されていたことが分かっており、この中には、コウモリのコロナウイルス研究も含まれていました。 ギャラガ―議員は、ファウチ氏が「武漢研究所コロナ起源説」に対して、これまで何度も冷や水を浴びせてきたことを問題視し、武漢研究所に対する米国政府の資金提供や支援がいかに行われたかを、洗いざらい開示するよう要求しています。 ◆人工的に作れる致死率の高いコロナウイルス また「コロナ遺伝子変異に関する研究」について明らかにすることが大事だと強調しています。 なぜなら、意図的に遺伝子配列を変えることによって、自然界に存在するコロナウイルスよりも感染力が強く、致死性の高いコロナウイルスを作ることが可能になるからです。 ノーベル生理学・医学賞を受賞された、北里大学特別栄誉教授の大村智氏が雑誌『到知』(2020年12月号)の中で、「新型コロナウイルスの遺伝子は遺伝子配列の四か所がエイズウイルスと同じであり、人工的に作られたフシがいっぱいある」と言っておられました。 今回の情報開示によって、新型コロナウイルスと同じようなウイルスを実験で作っていたことがわかれば、「武漢研究所コロナ起源説」を裏付けることになります。 今のところ、これらの情報開示請求に対して、ファウチ氏、コリンズ氏、ダスザック氏からの回答は得られていないようです。 更に、5月6日、共和党のキャシー・マクモリス・ロジャース議員らはブリンケン国務長官宛てに書簡を送り、国務省が機密文書扱いにしている新型コロナウイルスに関する機密研究調査報告書に関して「機密解除」するよう求めています。 (後編につづく) 日本国憲法改正へ、今がその時 2021.05.11 https://youtu.be/5vPRzx2pqOs (4月30日収録) 幸福実現党政調会長 里村英一 ◆進まない憲法論議 今年で日本国憲法が施行されてから74年目を迎えました。コロナ問題で前面に出にくい昨今ですが、国際情勢が大きく変わる中で日本国憲法はこのままでいいのでしょうか。 隣国の中国あるいは北朝鮮の核武装が進んでいる時、憲法改正について議論しないのはあまりも無責任であると思わざるを得ません。 最近のある世論調査によると国民は憲法改正に53%が賛成です。政治もマスコミも日本国民の生命、安全、財産に関わる問題があるのだという観点からしっかりと憲法問題を取り上げ報道していただきたいと思います。 例えば、尖閣諸島では中国公船が頻繁に接近あるいは領海侵犯するようになっています。また、台湾の防空識別圏に対して中国軍機の進入が増えています。 先日の日米首脳会談でも「台湾」という言葉が入りましたが、アメリカはこの問題で動くかもしれません。 しかし日本は何ができるのか、そうした法整備が日本では進んでいません。憲法9条によって日本の手足が縛られた状態では心もとないと思います。 日本をこうした不安定な状態に置いているのは、政治やメディアの責任放棄であると言わざるを得ません。 ◆憲法改正の必要性 2点目として、「世代間の責任」についてです。 憲法改正が進まない理由には、日本国憲法の原点に先の「戦争における反省」があります。私たち日本人は、もう武器を取らないと決めたのだと。 百歩譲って終戦直後はそのような認識が正しいと言えるような状態もあったかも分かりません。しかし、今の若い達には何の関係もない話です。 ある意味で戦後を経験した私たち世代が責任を持って憲法改正すると必要はあると思います。 憲法前文もあるように、「平和を愛する諸国」を信頼して日本の安全を委ねるようなことは、はっきり言っても矛盾しています。 ですから「平和を愛する諸国」でない国に対しては「憲法前文の適用を除外」する。あるいは「憲法9条を改正」する。さらに一歩進んで21世紀にふさわしい「新しい日本国憲法」を制定するべきだと思います。 ◆憲法改正の政治思想的な必要性 3点目として、「政治思想的な必要性」について触れておきたいと思います。政治思想家のハンナ・アレントは次のような学説を述べていました。 「フランス革命は失敗した。しかしアメリカの独立革命は成功した。その理由はアメリカの独立革命が自由の創設に成功したからだ」と。 なぜアメリカの独立革命が自由を創設できたのか、それはアメリカの建国の祖たちが国民の議論によってあるべき憲法というものを決めたからです。 その憲法がアメリカ国民の自由を保障することになったとハンナ・アレントは評価しました。しかし、フランス革命は恐怖政治を生み出し、多くの方をギロチンに送り出しました。 その意味でフランス革命は、「自由・平等・博愛」を掲げながら全く逆のものを生み出したのです。 このハンナ・アレントの意見に照らし合わせた時に今の日本も考えなければならないと思います。 実際、日本の憲法は、GHQ(占領軍)に押し付けられたものです。今国民がゼロから議論し自分たちで制定したわけではありません。 その意味において、憲法の権威というものがありません。さらに言えば自分たちの議論によってつくった憲法によってこそ権威が生まれるのであれば、私たち日本人は自由をも生み出してないことになります。 つまり、今のこの日本国憲法というものは実は日本がまだ独立してない、自由もない、その証であるというようなことになるわけです。 これは非常に民主主義国家日本にとって不幸なことだと思います。今こそ私たち日本人は互いに議論し、そして自分たちで制定した憲法を生み出す時に来ていると思います。 最後に、この点において日本国憲法の議論すらこれを否定する一部の政党、メディアがあります。「反省してない」とか「憲法対する冒涜だ」という意見があります。 やはり議論をし、その上で自分たちの新しい法律あるいは方針を公的領域において決めていくということ。これそのものが民主主義にとって大切なあり方です。 つまり、憲法議論の否定は民主主義を否定するということのなにものでもありません。 「憲法改正は、今がその時である」と言わせていただきます。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本外交と企業【後編】 2021.05.02 https://youtu.be/bbWJoSzrZus 幸福実現党党首 釈量子 ◆北京冬季五輪ボイコット、3つの方法 「ユーラシアグループ」が提唱する「北京冬季五輪ボイコットの3つの方法」の一つ目は、外交的ボイコットと呼ばれるもので、可能性が60%あると見ています。 これは、政府高官を北京に派遣させないことで、オリンピック開催国としての立場を外交面から批判するものです。 参加国は、米国、カナダ、英国、オーストラリアに加え、EUの数か国と予想し、日本やインド、韓国は中国との経済的なつながりが大きく、参加しないと見ています。 二つ目は、アスリートのボイコットで、可能性が30%あると見ています。 アスリートのボイコットは、米国内の政治圧力により、オリンピック選手が競技に参加することを中止させることです。 また、米国民が観客として北京に行かない、米国内でテレビ放映も行わない、スポンサーにならないことによって中国に利益を与えない、という経済的ボイコットもあります。 アスリートのボイコットや経済的ボイコットは、外交的ボイコットよりも厳しい対応になるので、米中関係は冷戦状態に入り、中国政府は欧米ブランドのボイコットを指示するだろうと予想しています。 三つめは、当たり障りのない中国非難声明を出すものです。これは、公式のボイコットではありませんが、一番可能性が低く10%と見ています。 米上院議員(ロムニー)の中には、外交的ボイコットと経済的ボイコットの併用が最善の策だと主張しています。 なぜなら、米国民が観光客として北京に行かないので、中国はホテルや食事、チケットで儲けることができない。 一方で、人生をかけて練習してきたアスリートの舞台を用意することができるからです。 今後も、米国やヨーロッパで北京オリンピックのボイコットについて議論されると思います。 米国務省は、「ボイコットを公式に決めてはいないが、今後大いに議論したい」と、ボイコットに含みを持たせています。 ◆ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本企業 日本はウイグル人権弾圧に対する制裁と同じく、新たな外交姿勢が問われることになります。これまでの加藤官房長官や公明党・山口代表の発言を見ると、これからも「中国忖度政治」が続くような気がしてなりません。 民間企業にも影響が出ています。衣料品ブランドは批判リスクを負って、新疆綿を使い続けるか、取引を止めて中国の不買運動を受けるか、難しい対応を迫られています。 スウェーデンのH&Mは強制労働の疑いがあるので、新疆綿を使用しないと発表しましたが、中国の不買運動に直面しています。 ナイキも、同様の理由で、新疆綿の使用を停止しました。 しかし、無印良品の良品企画は新疆綿の使用を継続し、問題があれば取引を停止すると発表しました。ユニクロの柳井会長は「政治問題なのでノーコメント」と答えました。 日本企業は歯切れの悪い対応となりました。そんな中、カゴメが新疆産のトマトペーストの使用を中止すると発表しました。 総じて、H&Mやナイキなどの欧米の企業は、ウイグルで人権弾圧の疑いが残っている限りは、取引しない。日本の良品企画は、確かな証拠がないので、取引を継続する。このように判断が分かれています。 日本政府や日本の企業は新たな対応を迫られています。日本が中国との経済的関係が深いのは確かですが、現在、経済原理を超える価値判断が求められています。 日本人の意識も変わりつつあります。産経新聞とFNNの世論調査によると、ウイグルや香港の人権問題について、日本も国会決議や制裁で関与すべきかどうか聞いたところ、8割が「関与すべき」と答えています。 中国の人権弾圧に対して、日本は宗教観や政治哲学に基づいて、価値判断すべき時が来ているのではないでしょうか。 今後は欧米に足並みを揃えるという消極的姿勢ではなく、アジアのリーダー国として日本が率先して人権擁護に動くべきだと思います。 ~・~・~・~・~・~・~ 幸福実現党の最新情報が届く「機関紙愛読者(党友)」にも、ぜひお申込み下さい!! https://hr-party.jp/newspaper/application/ ※配信頻度:毎月2回程度 すべてを表示する « Previous 1 … 13 14 15 16 17 … 101 Next »