Home/ 佐々木 勝浩 佐々木 勝浩 執筆者:佐々木 勝浩 幸福実現党 広報本部スタッフ 日本政府は「尖閣は中国領」と主張する中国の捏造プロパガンダを一刀両断せよ! 2012.09.29 中国政府は9月25日、『釣魚島白書』を発行し、歴史的、地理的、法的観点から見て尖閣諸島を自国の固有の領土だと主張しました。 この中では「明の時代の1403年に出版された書物に、釣魚島とその周辺地域の名称が歴史的に初めて登場し、これは14、15世紀にすでに中国人が島を発見し、名前を付けたことを示すもの」と述べています。(9/26 朝鮮日報「尖閣:中国が白書発表 釣魚島は中国固有の領土」) また、27日の国連総会の一般討論演説で中国の楊外相が「日本は1985年の日清戦争末期に釣魚島(尖閣諸島の中国名)を盗んだ」と強い言葉で国際社会に訴え、記者会見では、「正しい歴史認識を持っていなければ、北東アジアの秩序は挑戦を受ける」と日本を批判しました。(9/29 中日新聞「尖閣『日本が盗んだ』と非難 中国外相国連演説」) 「盗人猛々しい」とはまさにこのことですが、中国が歴史的、地理的、法的根拠から国際社会に対して「尖閣諸島が中国領だ」と主張していることに対して、日本は世界に対して、それを覆す根拠を明確に示し、中国の捏造プロパガンダを一刀両断する必要があります。 「尖閣諸島が明代から中国の領土だった」との主張を覆す証拠として、中国・明代の『石泉山房文集』で尖閣諸島のひとつ、大正島について、明から1561年に琉球王朝(沖縄)へ派遣された使節、郭汝霖が皇帝に提出した上奏文に「琉球」と明記されていたことが分かっています。 つまり尖閣諸島は明代から琉球領だったことは明白です。 早くから中国・明が尖閣諸島の存在を知っていた事実はありますが、古文書に名前があるだけでは領土とは認められません。「永続的に実効支配し続けようとする国家意思」が見られない島は「無主地」と判断するのが国際法上の考え方です。 尖閣諸島は長らく「無主地」の状態が続いていましたが、尖閣諸島に日本人が最初に足を踏み入れたのは、1884年のことで、福岡の実業家・古賀辰四郎氏が探検隊を派遣し、無人島であることを確認し、国際社会へ領有を主張した上で、他国からの異議もなかったため1895年に日本の領有を決定した経過があります。 つまり、楊外相が言う「日本が1895年の日清戦争末期に釣魚島を盗んだ」という事実はありません。 その後、古賀氏が日本政府から島を借り受けて開発を進め、カツオブシ工場と鳥の剥製工場を営みました。最盛期には最大248人が島に住み、これを見ても日本の魚釣島の実効支配は否定しようがありません。 また、1919年、中国・福建省の漁船が難破して31人が魚釣島に漂着した時には、島に住んでいた日本人が救助し、中華民国の長崎領事の島民への感謝状の宛名には『大日本帝国沖縄県八重山郡尖閣諸島』と記されています。 つまり、当時の中華民国は尖閣諸島が日本の領土であることを認めていたのです。 しかし、近年に入って1968年、アジア極東経済委員会(ECAFE)が、尖閣諸島周辺にペルシャ湾級の石油・天然ガスが埋葬されている可能性があると発表すると中国は、尖閣諸島は中国固有の領土と主張し始めました。 1960年4月に北京市地図出版社が発行した『世界地図集』では、尖閣諸島が日本の領土として『魚釣島』『尖閣群島』と日本名で表記されており、中国が日本の領土だと認めていたことは明白です。 それが1970年以降の地図になると国境線が勝手に移動され、国境は尖閣諸島の東側へと書き換えられています。こうして中国の「尖閣実効支配」の計画は地図の改ざんから始まったのです。(9/29 NEWSポストセブン「尖閣諸島『中国が日本の領土と認めていたことは明白』と識者」) また、米CIA報告書は尖閣に関し、66年に中国で文化大革命の担い手である紅衛兵向けに刊行された地図帳掲載の地図では、中国の国境外に位置しており、「琉球(沖縄)、従って日本に属することを示している」と指摘しています。 同報告書は、台湾でも「尖閣海域が中国側の境界内にあると表示する地図はなかった」としており、ソ連や無作為に抽出した欧州などの地図にも、尖閣が中国側に属するとの表記はないと結論づけています。(9/23 時事「尖閣帰属、日本の主張に説得力=米CIAの71年報告」) 以上が、「正しい歴史認識」であり、尖閣諸島が日本の領土である根拠です。 日本は、既に尖閣諸島を巡って中国と戦争に入っている認識を持たねばなりません。 弾丸が飛び交うばかりが戦争ではなく、中国は「思想戦」「言論戦」で相手国を攻撃し戦わずして勝つ戦略を取っています。 だからこそ、日本は「思想戦」「言論戦」でも中国に勝利し、国際社会で日本の立場を強烈に主張すべきです。(文責・佐々木勝浩) 前代未聞の中国公船6隻が領海侵犯――秒読み段階に入った中国の尖閣侵攻にどう立ち向かうか? 2012.09.14 風雲急を告げる尖閣情勢、戦後67年の太平の眠りを覚ます現代の「黒船」がやって来ました。 中国の尖閣支配は、まさに秒読み「3・2……」の段階に入ったと言っても過言ではありません。 9月14日朝、尖閣諸島周辺の日本の領海に、中国国家海洋局所属の海洋監視船計6隻が、相次いで侵入しました。(9/14 読売「中国船6隻 尖閣領海侵入、国有化に対抗か」) 6隻が一度に領海内に入ったことは初めての事態で、尖閣侵攻への強い意志を表したものと見られます。 これについて中国国営新華社通信は、「主権保護の巡視航行を開始した」と異例の早さで速報を流しました。(9/14 読売「新華社が『主権保護の巡視航行を開始』と速報」) 中国は数日前に、尖閣諸島及びその付属島嶼に尖閣諸島周辺に「領海基線」を設定し、尖閣の領有権を国際社会に主張しています。(9/11 人民日報「釣魚島及びその付属島嶼の領海基線に関する中国政府の声明」) その内容は、「中国が釣魚島及びその付属島嶼、領海に対して絶対的な主権を持ち、日本の公務船や自衛隊が釣魚島海域に入れば侵入になる」というものです。(9/11 中国網「中国が釣魚島の領海基線を公表 基線内に入った日本船は『侵入』に」) また、中国解放軍の羅援少将は「琉球問題をめぐって日米とやり合う。軍事面の用意もし、必要であれば釣魚島を軍事演習、ミサイル発射試験のエリアに組み入れる。そして、戦略力を十分に高めたら、島を奪う」と公言しています。(9/13 中国網「解放軍将官10人、釣魚島について日本に対抗する準備をとの共同声明を発表」) 実際、中国解放軍は尖閣上陸を想定して、上陸訓練を実施しています。(9/12 産経「上陸を想定?中国軍が演習活発化」) 中国の強硬姿勢は、先の中国漁船衝突事件の船長の釈放、そして、今回の香港保釣活動家を簡単に送り返してしまった民主党政権の甘い対応を見て、今ならドンドン踏み込めると判断したからに他なりません。 中国が尖閣諸島を侵攻したならば、即座に戦って奪還しなければ、尖閣諸島が中国の軍事基地となります。そうなれば、次には沖縄侵攻が始まります。そして、中国が沖縄を占領すれば、次には日本本土が危機にさらされます。寸土を失うものは全土を失うのです。 中国の強硬姿勢に対して、今、必要なことは、具体的な対応です。 今後、中国軍は、民主党代表選の政治空白を狙って、さらに何らかの手段に出ることが予想されます。中国と戦争になる最悪の状態を避けるためには、まずは外交による心理戦で勝つことが第一です。 大川隆法党名誉総裁は、黒川白雲政調会長の公開対談「『人間グーグルとの対話』―日本を指南する―」において、下記の通り、指摘しています。⇒http://www.hr-party.jp/new/2012/28745.html 「いざというときのために応戦する準備をしておかないと、意見は言えない。少し乱暴じゃなきゃいけない。外交にはブラフ(はったり)も必要です。『(漁船が)何百隻来たって、全部沈めます。一隻残らず沈めます』くらい、言っておくべきです。そうしたら、相当の覚悟がなければ来れませんから。」 もし、中国の武装船が来た場合、日本は命がけで尖閣を守る姿勢を見せる必要があります。 まず、中国船が来た時に最初に対応するのは海上保安庁です。海上保安庁の船を装備強化し、後方に海上自衛隊の軍艦を配置します。さらには万が一の時の為に米国艦船の応援を依頼しておくべきです。 中国は、憲法九条を後生大事に守っている間は絶対に日本から撃ってこないと安心していますが、外交ルートを通して中国にこう伝えます。 「日本は日本国憲法前文にあるように、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して自国の平和を保持してきた。しかし平和と信義に信頼出来ない国に対しては、憲法九条の戦争放棄の条項を適用せず、領土を守るために断固として然るべき対応を取る。 発砲したり、尖閣に上陸した場合は、海上保安庁や海上自衛隊、そして米軍の支援を受けてすべて撃沈する!」 これで中国は、簡単に尖閣海域での領海侵犯はできなくなります。 その上で、まず、矢面に立つ海上保安庁には、中国が一発でも撃ってきたら、発砲の許可を出しておくべきです。「専守防衛」ですから憲法上も問題がありません。 そしてすぐに海上自衛隊に海上警備命令を発動して中国船と対抗します。その後に米軍艦隊が控えていることを知れば、中国は手を出せなくなります。 その為には、海保、自衛隊、米軍との尖閣諸島領海での合同訓練も必要です。最悪を想定して最悪の事態を回避する、その判断が出来るかにかかっています。 最大の問題は、首相が尖閣を戦ってでも守り抜く決断を出せるのか否かです。それが出来ない首相は一刻も早く辞任し、今こそ、国民は英断できる政権を選ぶべきです。(文責・佐々木勝浩) 日本は早急に中国の実効支配を阻止するため「領海警備法」を制定せよ! 2012.09.09 石原知事が進めようとしていた東京都の尖閣購入は国内でも話題となり、購入資金14億円が集まるほどの国民の支持を得る一方で中国側は石原知事を「日本の右翼分子の挑発」(環球時報)と報道してきました。 本来であれば、中国の尖閣諸島の実効支配を防ぐためには、東京都ではなく日本国政府が国有化し、建造物などを建て、その管理のために常時常駐している状況をつくることが先決です。 しかし、政府は地権者から尖閣諸島を購入しても「東京都などが求めていた船だまりや灯台などの構造物は作らず、基本的に島を現状のままで維持し、島の国有化を通じて、日本の実効支配を強め、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理につなげるため国有化後は海上保安庁が島を所管する方向」としています。(9/5読売「尖閣売買、地権者が国と合意…都を通さず購入へ」) 建造物も立てず、日本国民の上陸も許可しないことは「実効支配を強める」ことには一切なりません。 日中関係筋は、中国側が尖閣諸島について(1)上陸しない、(2)調査しない、(3)開発をしないことを日本側が受け入れれば、国有化を黙認する交渉があったことを指摘しています。(9/1 東京「中国、尖閣問題で要求『上陸・調査・開発しない』」) まるで中国から「東京都が建造物を立てる前に日本政府が購入し、右翼分子石原都知事を黙らせろ!そうすれば尖閣諸島については棚上げにしてやるから我々も黙っていてやる!」と恫喝を受けているようなものです。 「尖閣領海棚上げ論」というものがあります。 これはかつて鄧小平が1978年、日中平和友好条約の批准書交換のため訪日した際、「尖閣諸島の領有問題については中日間双方に食い違いがあるため、領海の問題は一時棚上げし、次の世代に解決方法を委ねよう」と提案したことが始まりです。 尖閣諸島は日本固有の領土であるのに、なぜ日本が棚上げする必要があるのか、全く許容できませんが、尖閣よりも日中友好を重んじる自民党政権、民主党政権は代々、「棚上げ論」路線を取って来ました。 しかし、その後、中国はガス田の開発や、尖閣諸島近海に漁船や監視船を派遣し、日本の領海を侵食してきました。 中国の「棚上げして結論を先送りし、その間に徐々に実効支配を強める戦略」を日本は十分に理解しておかなくてはなりません。 つまり、政府が尖閣を購入しても、野田首相が意図する「平穏かつ安定的な維持管理」が出来るかといえばそうではありません。 中国は日中の国力や軍事力の分析をした上で「日本が突進してきても何も恐れることはない。中国が適切に対応しさえすれば、いずれ釣魚島が中国の支配下に戻ることは間違いない」と主張し虎視眈々と尖閣諸島の実効支配を狙っているのです。(8/23中国網日本語版「中国が適切に対応すれば、釣魚島を取り戻す日は遠くない」) 中国の尖閣上陸は秒読み段階に入っています。 これまでの中国の行動パターンを分析すると、先般の中国漁船衝突事件でもそうであったように首相の外国訪問中や、民主党の代表選の政治空白の最中に中国の監視船や漁船が尖閣諸島に近づくことが多く、実際に香港の保釣活動家も9月、10月に尖閣再上陸を表明しています。 一方、今国会で、海上保安庁法と外国船舶法の改正が成立し、海上保安官に陸上警備権を与え被疑者を直接逮捕できるようになり、(これまでは警察官が逮捕していた)、また保釣活動家の船舶が領海内で停泊、徘徊している場合、立ち入り検査することなく、退去勧告できるようになります。 状況は領海警備の法的な整備が半歩前進したとはいえ、1999年の北朝鮮工作船の領海侵犯事件後、検討された「領海警備法」の制定や、領海侵犯法の制定を行い、自衛隊に領海警備の任務を与え、日本の聖域を侵す者には断固とした処置を施すべく、早急に「法的結界」を築くべきです。(文責・佐々木勝浩) 【内なる国難】「人権救済法案」の危険性 2012.09.02 2012年8月、この熱い夏に起こった2つの国難「韓国大統領の竹島上陸」と「香港の保釣(ほちょう)活動家の尖閣上陸」は、日本にとって屈辱的な事件として歴史に刻まれることになるでしょう。 「竹島上陸」「尖閣上陸」のように、外から自国の領土に上陸される屈辱は、ある意味で分かりやすいもので、今回の2つの国難は、日本国民の国防意識を喚起したことも事実です。 しかし、「外からの2つの国難」とは別に、国内では、同時にもう一つ、「内なる国難」が迫っています。 いわゆる「闇法案」と呼ばれる「人権救済法案」の国会提出の動きが密かに進もうとしています。 野田首相は8月23日の衆院予算委員会で、今国会中の提出に向け法案作業を急ぐ意向を表明、29日には法務部門会議を開き、人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省の外局に新設する人権救済機関設置法案(人権救済法案)を了承しました。 政府・民主党は法案の今国会中の提出を目指していますが、会期末が迫っており、事実上、成立は不可能と見られています。(8/29 産経「人権救済法案を今国会提出へ、成立は不可能」⇒http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120829/stt12082923340016-n1.htm) 成立が不可能にもかかわらず、国会提出を急ぐのは「次期衆院選で人権団体の票を得るため」と見られています。(同上) しかし、「人権救済法案」は、自公政権の時から「人権擁護法案」「人権侵害法案」等、批判を受ける度に名称を変えて、虎視眈々と成立を目指す民主・自民・公明を中心とする売国議員達の動きがあり、全く油断できません。 今後も、いつ国会に提出されてもおかしくありません。 9月1日の産経抄には「人権救済法案」の問題点として、以下の指摘がなされています。 ▼人権委員会は独立性が高く、コントロールできる大臣がいない。偏った人物が委員長に選ばれれば、どうなるか。すべての市町村に配置される委員会直属の人権擁護委員が、「どこかに差別はないか」とウの目タカの目で見回る監視社会になりかねない。 ▼ことに問題なのは、委員会が「深刻な人権侵害」と認定すれば、勧告のみならず警察や検察ばりに出頭要請や立ち入り検査もできるようになることである。何よりも救済対象となる「不当な差別、虐待」の定義が曖昧なのだ。 ▼小欄は先週、竹島に上陸しただけでなく、天皇陛下に謝罪を求めた韓国の李明博大統領が反省するまで「韓国製のモノは買わない」と書いた。法案が成立すれば、「不当な差別的言動」と解釈され、委員会に呼び出されてこっぴどく叱られるやもしれぬ。 産経抄が指摘するように、本法案の最大の問題は「人権」の定義が曖昧で、もし、左翼・売国奴が人権委員にが入り込んだ場合、正当な言論活動を行なっている団体や個人に対する言論弾圧がなされる危険性があります。 また、市町村には人権擁護委員が置かれ、その規定には日本国籍の有無がないため、外国人が人権擁護委員に就任した場合、中国の軍拡に対する正当な批判や、韓国大統領の竹島不法上陸や従軍慰安婦の強制連行を否定しただけで、「人権侵害(民族差別)」として、「言論弾圧」される可能性が出てきます。 つまり、日本を敵視している韓国人や中国人達が人権擁護委員に就任し、日本の法律で日本人を合法的に言論弾圧をできるのです。 ちなみに、すでに「人権委員会」がある韓国では、人権委員会に持ち込まれた事件総数の14700件のうち、85パーセントが「虚偽」か「事実ではない」として却下されています。(『こんなに危ない「人権委員会」』日本政策研究センター発刊) 問題は「虚偽」の告発として却下されても、人権委員会から調査などを受けたという「風評被害」が調査を受けた個人に残り、社会的な信用を失い兼ねず、それこそが「新たな人権侵害」につながっていくことにあります。 「人権救済法案」こそが、最大の「人権侵害」をもたらす危険性が高いのです。 今回は、幸いにも法案成立は不可能と見られますが、人権団体の票目当て、あるいは在日外国人の支援目当ての民主・自民・公明を中心とする多くの売国議員達が密かに「人権救済法案」の国会の通過を目論んでいることを忘れてはなりません。 「竹島上陸」「尖閣上陸」のように外からの侵略だけではなく、内からの日本人弾圧を招きかねない売国法案を断固阻止して参りましょう!(文責・佐々木勝浩) 国難の元凶・民主党政権が呼び込んだ尖閣危機 2012.08.19 8月18日、鳩山元首相は「民主党は原点回帰すべきであり、次の代表選挙しかチャンスはない」と述べ、来月の党代表選挙で野田総理大臣に代わる新しい代表の選出を目指すと語りました。 その中で鳩山氏は、香港の活動家らが尖閣諸島に上陸したことなどについて、「私が総理大臣だったときは『東アジア共同体』を主張して、中国も韓国もこれに納得していた。総理大臣を辞めたとたんにこれだけの事件が起きており、残念だ」と述べました。(8/18 「鳩山氏 新代表の選出を目指す」⇒http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120818/k10014370391000.html) この発言について、フジテレビ「報道2001」に出演していた民主党の長島昭久首相補佐官はコメントを求められ困っていましたが、鳩山氏は自身自身が今回の韓国大統領の竹島上陸、香港活動家の尖閣上陸を呼び込んだという自覚が全く欠けています。 民主党政権は、韓国に対しては従軍慰安婦問題の謝罪要求を受け入れ、「菅談話」として発表しましたが、「日本に要求を突きつければ何でも受け入れる」という誤った認識を与えたことが、親日であった李明博大統領の竹島上陸を呼んだと言えます。 また、鳩山氏は米軍普天間飛行場の移転を「最低でも県外」と主張し、沖縄県民を振り回すと共に、日米同盟に取り返せない亀裂に生じさせた事実は否定できません。 「東アジア共同体」は米国抜きのアジア共同体構想として、左翼の米軍反対の世論形成に勢いを与え、米国の日本に対する信頼を失墜させました。 日米同盟の亀裂の拡大が、中国の尖閣諸島・沖縄侵攻の気運を盛り上げ、今回の事態を招いたことは否定できません。 また野田政権は、中国の尖閣上陸を許す環境づくりを行ったとしか言いようがない失策を行いました。 野田政権は12日、東京都が上陸許可を申請しても認めない方針を固め、13日には、超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」が提出した戦時中に遭難した疎開船の犠牲者の慰霊祭を目的とした尖閣諸島への上陸許可申請を認めませんでした。 上陸許可を出さなかった理由は「尖閣は平穏かつ安定的な維持管理に努めており、政府機関を除く上陸を認めていない」としています。 この判断は、尖閣諸島の領有権を強く主張する中国との不測の事態発生を懸念したためですが、他国に対しては「日本は尖閣諸島を実効支配していない」というメッセージを発しました。 まさに弱腰外交の現れです。中国は相手が「一歩引けば三歩踏み込んでくる国家」であることを知らなければなりません。 本来であれば、今こそ、野田首相自身が率先して、尖閣諸島に上陸し、日本の国旗を立て、実効支配を強化すべきです。 民主党政権が日本国民や議員に尖閣上陸の許可を与えないということは、中国に「日本国民は上陸させないから、いつでも尖閣諸島へ上陸してください」というメッセージを発しているようなものです。 また、今回、海上保安庁も、上陸阻止のための準備時間も十分ありながら、上陸を許してしまいました。これも、野田政権の「断固上陸阻止」という決意が欠けていたためです。 尖閣に上陸して逮捕された香港の活動家は、上陸する際の海上保安庁巡視船の阻止行動について「衝突は2、3回しかなかった」と説明。魚釣島に接近すると、多くの巡視船が離れていったので、「上陸のチャンスがあると確信した」と語っています。(8/18 時事⇒http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012081800135) また、尖閣に上陸した香港活動家を逮捕した際、 野田首相は「法令にのっとり、厳正に対処する」と大見得を切りましたが、法令にのっとって、釈放したに過ぎません。全くの弱腰です。 弱腰の「強制送還」が招く、次なる尖閣侵攻シナリオでも述べられていたように、香港活動家は10月にも尖閣へ再上陸すると明言しています。自民党の総裁選や民主党の代表選の政治空白を縫って上陸のチャンスを伺うつもりでしょう。 保釣活動家は、尖閣に上陸をすれば、帰りは荒海にもまれる事もなく、機内食を美味しく食べて涼しい顔で帰国でき、しかも英雄として母国で迎えられます。 そうした前例を日本はつくってしまったのです。 中国では「英雄」を志願する者が益々増えるでしょう。海上保安官はその度に、領海侵犯の罪を問われることのなく帰る中国人や華人を命がけで逮捕しなければならないのです。 民主党の弱腰外交は、国難を呼び込むばかりであり、中国の尖閣諸島上陸に対しては「領海侵犯法」を早急に制定し、国家としての領海、領土を守る強い決意を内外に示す必要があります。(文責・佐々木勝浩) 李韓国大統領の竹島上陸――対応を誤れば、次は中国の尖閣諸島上陸も 2012.08.11 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が8月10日午後、日本固有の領土である島根県・竹島に上陸しました。 竹島については、2008年に当時の韓昇洙(ハン・スンス)首相が上陸したことがありますが、韓国の大統領が上陸するのは初めての事態です。 李大統領の上陸にあたっては、韓国軍は、日本海上保安庁や自衛隊の接近を警戒し、KF16戦闘機編隊が空中警護を行い、駆逐艦や護衛艦、哨戒艦が海上警備を行うなど、ものものしい厳戒体制が取られました。(8/11東亜日報) 竹島は国際法に照らしても、歴史的事実に照らしても、明らかに我が国固有の領土であり、韓国による許しがたい「不法占拠」が続けられて来ました。 1905年、明治政府が竹島を島根県に編入し国際法的にも日本の領土になりました。(外務省「竹島の領有権に関する我が国の一貫した立場」⇒http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/index.html) しかし、日本の敗戦後、米占領軍が竹島を日本の行政権から外したことを口実に1952年、李承晩(イ・スンマン)韓国初代大統領が、公海上に「李承晩ライン」(海洋主権宣言)を一方的に設定し、竹島に守備隊を駐屯させました。 韓国は97年に竹島の接岸施設工事、2005年には竹島への一般観光客の入島を解禁する等、年々、実効支配強化を進めています。 日本政府は54年と62年に2度に渡って国際司法裁判所への提訴を提案しましたが、韓国側は受け入れませんでした。国際司法裁判に持ち込めば、竹島が日本の領土と認められることは明らかだからです。 玄葉外相は11日、李明博大統領の竹島上陸への対抗措置として、竹島の領有権問題について、国際司法裁判所への提訴を検討する考えを表明しましたが、韓国外交通商省当局者は「一考の価値もない」と述べ、裁判開始に必要となる提訴への同意を拒否する考えを鮮明にしました。 韓国は自国の主張に自信があるのであれば、速やかに国際司法裁判に委ねるべきですが、そうしないのは、韓国側が敗訴することが分かっているからです。 韓国は国策として「反日」で国家をまとめてきた経緯があり、その一環として竹島を「独島(ドクト)」と名づけ、国家規模で歴史を捏造し、「独島は韓国領」という教育を続けて来ました。 自立した国家であれば、他国を責めることなく独立自尊の国家運営をなすべきです。それが出来ないのが韓国の弱さでもあります。 一方、日本は日本で、育鵬社等の保守系教科書が登場するまでは、公教育では竹島が自国の領土であることは教えて来ませんでした。 また、日本政府は国際社会で「竹島は日本領土である」という主張を怠って来ました。 「親日」と言われて来た李大統領の竹島上陸の背景には、前国会議員の実兄が逮捕されたことによる支持率低下を挽回すべく、8月15日の解放記念日や五輪男子サッカーの日韓戦を直前に控え、「竹島上陸」カードを使ったのではないかと報じられています。 こうした背景を鑑みてか、森本防衛相は「韓国の内政上の要請によるものだ。他国の内政にとやかくコメントすることは控えるべきだ」と述べました。 しかし、日本の領土を守り抜く責任を負った防衛大臣が、竹島問題は韓国の「内政問題」であり、日本は干渉すべきではないとしたことは極めて重大な問題発言であり、防衛大臣としての資質が欠落していると言わざるを得ません。 野田首相は、今回の竹島上陸に対し、「極めて遺憾」として武藤駐韓大使を帰国させることを明らかにしましたが、相手国への抗議の意思を示す「召還」ではなく、抗議の姿勢をトーンダウンさせた「一時帰国」の形を取りました。 これまでも民主党政権は、鳩山元首相は韓国に対して竹島への「不法占拠」という表現を封印し、菅前首相は日韓併合100年にあたって韓国に対して「首相談話」として謝罪。野田首相は、返還義務のない「朝鮮王朝儀軌」を引き渡しました。 韓国は、民主党政権の3年間で、日本は「ごり押しすれば簡単に退く国家」と確信したのでしょう。 特に、今回の対処を誤れば、事は対韓国の問題だけでは済みません。 今回の日本側の対応を、北方領土に足を踏み入れたロシアのメドべージェフ首相や尖閣諸島実効支配を虎視眈々と狙っている中国が注目しています。 日本政府の最終兵器が「遺憾の意を表す」程度に過ぎなければ、着々と竹島の実効支配強化を進める韓国に倣って、ロシアは北方領土領有の既成事実化し、中国が尖閣諸島の実効支配を進めることは間違いありません。 尖閣諸島は、8月中に東京都が尖閣諸島の調査の許可を国に求めています。しかし藤村官房長官国は「何人も尖閣諸島への上陸を認めない」との方針を打ち出し、中国に弱腰姿勢を見せています。 幸いにも8月初旬に3つの台風が尖閣諸島を通過しました。「神風」が中国船の出港を阻み、辛うじて守っているような状態にありますが、問題は日本国家に自国を守る意志があるかどうかが問われています。 今回の韓国大統領の竹島上陸に対する対応を誤れば、次に来るのは中国の尖閣諸島上陸であり、「日本占領」のシナリオです。 日本政府は、今回の対応の失敗が国難を呼び込むことを肝に銘じ、日本固有の領土である「竹島」を守り抜くべく、毅然たる態度で、竹島の主権確立を目指すべきです。(文責・佐々木勝浩) 平成24年度版『防衛白書』を読む――「多様化する脅威」から日本を守れ! 2012.08.05 8月6日、広島は67回目の原爆の日を迎えます。 広島において、原爆の犠牲となられた多くの方々の御霊に対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げますと共に、日本と世界の平和を守り抜くことを固く誓わせて頂きます。 広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい。過ちは 繰返しませぬから」という言葉が刻まれています。 この言葉に代表されるように、私たち日本人は、戦後、占領軍によって導入され、日教組が育ててきた「自虐史観教育」の中で、「日本が外に行けば悪いことをする民族である」と刷り込まれ、「暴虐な日本が戦争を放棄さえすれば世界は平和である」と洗脳されて来ました。 日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と謳っていますが、これは、自国の平和を他国に依存するという「植民地条項」であり、主権の放棄です。 残念ながら、国際社会は善意に満ちているわけではありません。中国の軍事拡大、尖閣諸島を巡る日本への恫喝、北朝鮮のミサイル発射や核実験を行い、「平和を愛する諸国民」ではない近隣国が存在していることは明らかです。 こうした現状を踏まえ、先日7月31日、平成24年度版『防衛白書』が公開されました。⇒http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2012/w2012_00.html 同白書は、中国に関し海軍艦艇部隊の太平洋進出が「常態化しつつある」と懸念を表明すると共に、北朝鮮については弾道ミサイル発射を「今後も行う可能性が高い」と警告しています。 「中国や北朝鮮の脅威」を正面から捉え、踏み込んで表記したことは当然と言えば当然ですが、評価できます。 また、「国際社会の課題」と題した第2章において、グローバル化・多角化する安全保障問題について言及している点も評価できます。 特に、本章で重要なテーマは、第2節で取り上げられている「サイバー空間をいかに防衛していくのか」という課題です。 サイバー空間はコンピュータネットワークとして社会インフラの重要な部分を占めており、これをいかに防衛するかという問題に関しては、非常に重要な問題です。 しかし、日本は自衛隊内部に専門部隊が創設されていないために警察任せとなっており、先進国の中で最も対策が遅れています。 一方、同白書で評価できない点は、日本の国益(National Interest)と日本の国益における軍事力の役割(National interest and the Role of Military power)を明確な形で規定していないことにあります。 これは、日本が自国の利益をどのように考えているか、そしてその利益を守るためにどのように軍事力を用いるのかという重要な命題について明確に答える用意がないということを意味しています。 このことが周辺国を含めた諸外国にどのような影響を与えているかと言えば、日本は中国以上に「訳が分からない怪しい国」「何をするか分からない国」して認識されているということです。 東南アジアの国々が、日本に積極的に頼らず、アメリカだけに頼るのはこのことが原因です。 私達は、もっと自らの戦略を内外にアピールしていく必要があります。日本は今、自国の国益をあらゆる脅威から守るために、安全保障戦略を真剣に考えなければならない時期に来ています。 現在、日本の脅威は多様化しています。国際関係においては、日中問題というバイラテラル(2国間)の問題のみらならず、ますます「脅威」が多様化・複雑化する様相を呈しています。 グローバル化が進んだ現在、たとえ日本から遠く離れている国々の出来事であろうとも、日本に影響を及ぼすということは十分にあり得ます。 特定の脅威に視野が狭まると、他からの脅威に対応できなくなる隙が生まれます。私たち日本国民は、日本の防衛について深く知り、更なる大局観を持って見ていく必要があります。 特に、サイバー空間における戦いは「国家対国家」の戦いであるばかりでなく、ウィキリークスやアノニマスに代表されるように、ある集団が国家を敵に回して戦える時代が到来しています。 今こそ、私たち日本国民は、こうした「多様化する脅威」から自分の国を守ることを真剣に考えなければなりません。 そのための第一歩として、『防衛白書』は非常に役に立ちます。是非、御一読をお勧め致します。(文責・佐々木勝浩) 内戦が激化するシリア情勢――日本政府はいかに貢献すべきか 2012.07.22 シリアでは、政府軍と反政府軍との間での戦闘が激化しています。 シリアの首都、ダマスカス中心部にある治安機関の建物で7月18日に起きた爆発では、ラジハ国防相やアサド大統領の義理の兄の副国防相ら少なくとも3人が死亡したとされています。 18日にはシリア全土で180人が、19日には60人が死亡したとされており、事態は混迷を深めています。(7/20 NHK「シリア 首都での戦闘続く」) こうした事態を受け、21日、政府軍が反体制派への攻撃を強め、シリア各地で激しい戦闘が発生しています。(7/22ロイター「シリア第2の都市でも戦闘激化、大統領は軍部隊の首都集結を指示か」) しかし、日本政府や日本のマスコミはシリア問題に対して、あまりにも無関心です。 同国が内戦に至った原因を深く追及しておらず、政権側はイスラム教アラウィ派、反政権側はイスラム教スンニ派というステレオタイプな宗派間対立として見る向きもあります。 しかし、シリア問題の本質は、単なるイスラム教の「宗派間対立」ではなく、市民が「独裁政権からの自由」を求めて行動を起こしていることにあります。 つまり、イスラム教を信仰している人々も、人類普遍の真理である「自由」に目覚めつつあることを意味しているのです。 現在、シリア問題に取り組んでいる国連は、活動することのできない停戦監視団を送り、無意味に安全保障理事会を重ねるだけで、物事の本質を突いた解決策を提示できていません。 NATOは軍事介入する可能性を否定していますが、むやみに軍事介入すれば、シリアと親密な隣国イランを不必要に刺激し、イランを巻き込んだ戦争の発端となる可能性があります。 まずは、国際社会は一致した対応をとり、シリア国民が自らの力で自由を手にすることを支援すべきです。 また、武力介入が行われる場合、その主力は2011年3月に行われたリビアにおける軍事作戦と同じように、アメリカ軍よりも北大西洋条約機構(NATO)が主体となった欧州連合軍が主体になるものと推測されます。 では、日本は責任ある大国として、どのようにシリアの問題に関して関わっていけばよいのでしょうか。 シリアの「内戦をいかに終わらせるか」も重要ですが、日本政府としては、内戦後のシリアの復興シナリオをいかに描くかが重要です。 例えば、2011年に長期間の独裁政権から解放されたエジプトでは、選挙で選ばれたモルシ大統領と長年政権を維持してきた軍部との争いが始まり、市民の自由が遠のいています。 「アラブの春」は「独裁政権からの解放」だけが目的で、その後の「国家ビジョン」が無かったことが、改革が行き詰まっている原因です。日本はキリスト教国にもイスラム教国にも分け隔てなく接することのできる数少ない国です。 日本は内戦後のシリアが、自身の自助努力によって、いかに繁栄を手にすることができるかを考え、支援していくべきです。 なぜなら、「アラブの春」と呼ばれる一連の革命の発端は、高失業率など経済失政への不満が強まり、若年層の不満が鬱積した結果起こったためであり、日本政府はシリア経済の回復・成長を支援すべきです。 シリアは反体制派が四分五裂のため、アサド政権崩壊後のビジョンが見通せない上、シリアは石油資源が少なく、近い将来の枯渇が心配されているため、復興に向けてはEU、日本、湾岸産油国などによる支援が不可欠です。 米シンクタンクのヘリテージ財団は、アサド政権崩壊後、米政府は、欧州の同盟諸国や日本、アラブ湾岸産油国と手を携えて、シリア安定化に向けた支援を進め、シリア国民が日常生活を取り戻すのに貢献すべきだと提言しています。(7/2ヘリテージ財団「American Leadership Needed for Shaping a Post-Assad Syria」) 今後、日本が行うべき国際社会に対する貢献は「内戦の原因を根絶する」という戦略的な目標を立て、その国の国民自身が自らの自助努力によって経済的な繁栄を手にできるように支援していくことが重要です。(文責・佐々木勝浩) 「脱原発」に向けた政府の茶番――真のエネルギー政策論議を喚起せよ! 2012.07.08 関西電力は7月5日、大飯原発3号機の発電を開始し、送電を始めました。 9日にもフル稼働に到達し、それによって8月の関電管内のピーク時における電力不足は14.9%から9.2%へ縮小する見込みです。 3号機のフル稼働により、関電管内は2010年夏に比べた節電目標を15%から10%に引き下げますが、依然、綱渡り状態は続きます。需給が厳しい九州は10%、四国と北海道も7%の目標をそれぞれ維持します。(7/7 中国新聞⇒http://goo.gl/dKOJg) そのような中、大飯原発の再稼働に反対する抗議活動が、6月末から7月にかけての金曜日に首相官邸前で行われてきました。 特に、再稼働直前の6月29日には抗議行動を激化させ、官邸前から霞が関への車道が人で埋め尽くされました(主催者発表は20万人、警視庁発表は約1万7000人)。 以前より、虎視眈々と日本から国防の要となる原子力エネルギーを排除しようとして来た左翼勢力は、菅前首相の「脱原発」路線に乗じた形で日本の世論を乗っ取り、「全原発廃止」に追い込もうとしているのです。 こうした「脱原発の空気」に対して、京都大学原子炉実験所・山名元教授は「『原子力性悪説』を前提としたメディア報道など、正当な議論を排除するような『異常な言論空間』が形成されてしまっている」と警鐘を鳴らしています。(6/15 産経「原発『不信と否定の空気』変えよ」⇒http://goo.gl/FE9aI) エネルギー政策は国家を支える基盤です。しかし、今の日本は、「魔女狩り」的な感情的な原発への「不信と否定の空気」の中で、政治においても、マスコミや言論においても、冷静なエネルギー政策論議がなされていません。 幸福実現党が主張して来たように、「脱原発」は(1)電気料金の大幅な値上げ、(2)電力供給の不安定化・脆弱化、(3)産業の国外移転の加速、(4)GDPの減少と失業者の増大、(5)エネルギー安全保障の崩壊等をもたらしますが、こうしたことがほとんど議論されていません。 こうした中、政府の「エネルギー・環境会議」が6月29日に、今後の原発政策について、2030年のエネルギー・環境に関する「3つの選択肢」(原発依存度を基準に、①原発ゼロシナリオ、②原発15%シナリオ、③原発20~25%シナリオ)を取りまとめました。⇒http://goo.gl/qXUad 議事録を調べると、元々選択肢にあった原発依存度「35%」の案は、5月28日の案までは残っているのですが、6月5日以降は消されています。「脱原発依存を掲げる政府方針と合わない」という理由で、大勢を占める左翼系の委員が強く反対したことが原因です。 国民の意見を聞く前に、原発を維持・増強していく選択肢自体を消したことは大問題であり、「脱原発ありき」の茶番劇であることを露呈しています。 その結果、いずれのシナリオを選んだとしても、原発の発電減少分を再生可能エネルギーで補っているため、発電コストが14.1円/kWh~15.1円/kWhと大幅に膨らみます(参考:8.6円/kWh(2010年))。 また、地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、上記シナリオの場合、GDPは自然対比(原発維持した場合との比較)28~45兆円も減少する見込みです。 また、いずれのシナリオも、実質経済成長率を2010年代は1.1%、2020年代は0.8%と低成長を前提としており、その結果、節電も1割も進むとしています。 これは大問題であり、経済成長率が仮定を上回った場合、電力不足が発生することを意味します。電源の開発は10年も20年もかかりますので、経済成長が起きてから建設を始めても手遅れになります。 また、この選択肢では、エネルギーの補給路が有事の際に絶たれる可能性をほとんど想定していません。「エネルギー安全保障」という国家の最重要事項を考慮していない欠陥シナリオであることは明白です。 国家戦略室は、この「3つの選択肢」について、年7月2日から7月31日までの間、意見(パブリックコメント)を募集するとしています。(募集要項⇒http://goo.gl/4DkBh、パブリックコメント投稿フォーム⇒http://goo.gl/KkbPU) 国民からのパブリックコメントを元に、エネルギー・環境会議が8月に2030年までのエネルギー政策を定める「革新的エネルギー・環境戦略」を答申し、政府が最終決定する予定です。 この選択が、2030年までの日本のエネルギー政策を決定します。エネルギー政策の選択を誤れば日本の没落は避けられません。 私たち国民は、政府が誤った選択をしないよう、しっかりと意見を伝えていく必要があります。(文責・佐々木勝浩) 沖縄戦終結の日――迫り来る中国の侵略から沖縄を守れ! 2012.06.24 6月23日は「沖縄戦」が終結した日です。 昭和20年、米軍との戦いは本土決戦間近の様相を呈していました。日本は、沖縄戦を持久戦に持ち込み、本土決戦で関東北部の山岳地帯に引きずり込んで、勝てないまでも「負けない形」で終戦をできるだけ有利に運ぼうと考えていました。 米軍は、昭和20年3月に地形が変わるほどの艦砲射撃を沖縄に対して行い、上陸しました。しかし、日本軍と沖縄県民は、物資も不足する中で決死の戦いに挑み、その戦闘が終わった日が6月23日でした。 沖縄の戦死者は軍人が6万人、一般の沖縄県民は14万人にのぼりました。沖縄戦を研究して来られた故・中村粲氏(元獨協大学名誉教授)は、沖縄戦について下記のように述べています。(『嗚呼沖縄戦の学徒隊』原書房刊) 「戦後、沖縄と沖縄県民の姿はマスコミの偏向報道によって著しく歪曲され、沖縄県民は恰も軍の強制で意に反して戦争協力させられたかの如く宣伝されてきた。これは事実ではない。」 「沖縄の人々は莞爾として国の大事に殉じたのであり、これを強制によるものとするのは戦没した沖縄県民を冒涜するも甚だしい。全沖縄は国難きたるや、欣然軍に協力し、一木一草焼け盡くすまで戦ったのである。」 その結果、米軍は、当初2週間程で沖縄を占領できると考えていましたが、沖縄県民の激しい抵抗を受けて沖縄占領に3ヶ月を要しました。本土決戦の準備が整ったのは7月になってからです。 沖縄は十分に米軍を苦しめました。沖縄出身の元自衛官、惠隆之介拓殖大学客員教授は「沖縄戦」の意義として、次のように述べています。(『誰も語れなかった沖縄の真実 ――新・沖縄ノート』ワック刊) 「ヘンリー・L・スティムソン米陸軍長官は、最高指導部会議において、沖縄戦と硫黄島の戦闘を引用し、『日本本土決戦に際しては、米軍将兵死傷者数百万人以上、必要兵力五百万以上』と発言した。この結果、米国は本土上陸戦に及び腰になった。」 「わが国への無条件降伏の強要を断念し、昭和二十年七月二十六日、ポツダム宣言を発し、有条件降伏の受諾を勧告するという形式に変更した。これこそが天皇制の存続であった。」 沖縄での戦いが日本と皇室を守ったのです。もし、沖縄が米軍の思惑通りに簡単に占領されていたら、千葉県九十九里海岸から米軍が上陸作戦を実行、首都圏において米陸軍と日本陸軍との間で「本土決戦」が行われていたことでありましょう。 その後、ソ連が参戦し、北海道を占領し、日本全土を戦場に米ソの戦いが起こっていた可能性は否定できません。 終戦後、ソ連は利根川以北から分割管理すると米国に主張していました。そうなれば、日本の北半分には北朝鮮と同じような「共産国家」が樹立され、日本が「分断国家」になっていた可能性もあります。 まさに沖縄県民の生命を掛けた米軍への決死の抵抗、そして愛国心が日本の国を守ったのです。日本国民は、6月23日という日を沖縄を慰霊するために決して忘れてはなりません。 現代に目を移せば、中国の軍事的な海洋進出など、中国による「琉球自治区化」工作が始まっています。沖縄が中国に占領されれば、日本は再び、「本土決戦」の危機を迎えることになります。 沖縄を守ることが、日本全土を守ることになるのです。そのためには、普天間基地移設問題を解決し、「日米同盟」を強化すると共に、日本が「気概ある国家」に生まれ変わり、自主防衛を固める必要があります。 現在、幸福実現党は党員の皆様からの多大なるご支援ご協力を賜り、「沖縄防衛プロジェクト」(http://goo.gl/uExVw)を着々と進めております。今後とも、皆様と力を合わせて沖縄を守って参ります。ご支援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。(文責・佐々木勝浩) すべてを表示する « Previous 1 … 16 17 18 19 20 … 22 Next »