Home/ 古川 裕三 古川 裕三 執筆者:古川 裕三 HS政経塾 担当チーフ 「誠」の政治の実現を! 2016.04.13 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川ゆうぞう ◆「無関心」という問題 選挙権18歳の法改正を受け、マスコミ各社が18歳から19歳の若者に対してアンケートを行っていますが、その結果によると、若者の政治への無関心がより鮮明となりました。 例えば、あるマスコミの調査結果では、政党支持率が自民党20%、民進党6%と、その他の政党は0~2%程度で、「支持政党なし」が64%にのぼっています。 別のマスコミの調査でも、支持政党なしが8割を超える結果で、その理由は、「政党について詳しく知らないから」が52%を占めました。 「いまの日本の政治家は、若い人たちのことを考えて政治をしていると思いますか」という問いに対しては、「そう思う」が12%、「そうは思わない」が80%を占め、「政治不信」、というよりは「政治家」不信の実態が明らかとなりました。 ◆「責任回避」解散はまっぴらごめん 総理は「消費税は予定どおり上げる」と発言しておきながら、一方で、最近も消費増税の延期を決めるため、外堀を埋めるべく、スティングリッツ教授やクルーグマン教授ら、「権威ある経済学者」に、消費増税の延期を「代弁」してもらっています。 このやり方は2014年12月の消費増税先送り解散と全く同じ手法です。 消費増税の延期を決めるだけでは何の大義もありません。 現在の消費の冷え込みをみれば、消費増税が誤りだったことは明白なわけですから、素直に失敗を認めて国民に謝罪し、増税を中止する法改正をすればよいだけの話です。 わざわざ500億もの税金を使って総選挙をする必要はなく、税金の無駄使い以外の何物でもありません。 首相の「責任回避」のために、無駄な税金と時間と労力をかけることに、国民も付き合わされたくはありません。責任回避せず、言い訳せず、逃げないのがリーダーの条件です。 ウソをつくから国民の心が離れるのです。 一国の宰相は「支持率」ベースではなく「天意はどこにありや」を謙虚に忖度する心をベースに国家運営をなしていかねばなりません。 ◆消費税は「人道に対する罪」 かつて、97年に消費税を5%へ増税した故・橋本首相は、のちに「財務官僚に騙された」と述懐していますが、要するに、消費増税は誤りだったことを認めているのです。 5%への増税以降、98年から自殺者が3万人を超えるようになりました。これは、消費増税により資金繰りに困り、倒産する企業が続出し、経営者の自殺が増加したからです。 消費税は、「社会保障のため」、ではなく、現実は「経営者の生命を追い込む」税制という意味において「非人道的」といえるでしょう。 最近、私もある経営者の方と面会し、「8%への増税以降、お客さんが減ってどうしようもない、10%に上がったら終わる」と切実な声を頂戴しました。 ◆政治家は「ウソ」ではなく「誠」を旨とすべき 幸福実現党が立党して7年間、私たちの主張はぶれることなく、国民の幸福、そして世界の平和と繁栄にとって何が必要か、という視点を中心に、政策を発信し続けてまいりました。 その根底に流れている精神は、日本を護り、育み、今日までの繁栄を築いてくださった諸先輩への感謝の心と、日本を護りし神々への尊崇の念、そして世界に対する責任感です。 そして何より、戦後失われた「正義」を政治に取り戻したいという強い使命感です。 私たち幸福実現党が、なぜ戦いをやめないのか、この志を、今夏にむけて、国民お一人、お一人に訴えかけてまいりたいと思います。 ウソにウソを重ね、地位や名誉に執着した欲望にまみれた既存の政党の政治家たちとは一線を画する私たちの「真心」と「情熱」に触れていただけたならば、きっと、世の「無関心」な若者も、日本の夜明けを前に、「黙ってられなく」なるでしょう。 「反対のための反対」ではなく、「新しき創造のための活動」が、日本を変えます。 女性活躍推進法が企業負担を重くする 2016.03.09 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆震災復興への誓い 3.11東日本大震災から5年―。改めまして被災された皆様に心よりの追悼の意を表するとともに、引き続き我が党は、宗教政党として、被災者の方々を物心両面からサポートできますよう、努力に努力を重ねてまいります。 ◆女性活躍推進法とは さて、本年4月の新年度より、安倍政権、肝いりの政策である「女性活躍推進法」が全面施行されます。 本法律では、301人以上の企業に対し、女性の採用や登用の促進に向けた行動計画を提出することや、それをホームページなどで公表することが義務付けられています。その行動計画の提出期限が4月1日となっており、現在、該当する企業はその対応に追われています。 あるメーカーの人事担当者は、本音ではどうしたらいいかわからない、社内でどのような影響が出るかが未知数だという不安の声もあがっています。 実際のところ、本法律の各企業への理解も進んでおらず、全国的に労働局への提出も進んでいません。 男性が8割以上という企業の担当者によると、女性管理職の比率を30%にするように、という目標数値だけが独り歩きしているため、その中で、自社は15%とか10%にしますと行動計画にうたったところで、何の㏚にもならないので公表できない。立法精神は尊いが、すべての業種を同じに扱われても困る、と漏らすなど、政府の掛け声は、企業には届いていません。(テレビ東京「WBS3月7日放送より」) ◆マイナンバー制度+女性活躍推進法=2重負担 今年1月よりスタートしたマイナンバー制度も、従業員のマイナンバーの管理は各企業に義務付けられていて、その管理業務が新たに発生しているわけですが、4月から始まる推進法により、新たな負担を強いられるわけです。 なかには、マイナンバー制度の対応に追われており、行動計画作成どころではない、と悲鳴をあげている担当者もおり、アベノミクスならぬ「アホノミクス」と揶揄されるまでになった安倍総理の経済政策は、企業に対して義務を課して自由を奪う、全体主義的な色彩がより強くなってきたと言えるでしょう。 いずれにせよ、各企業、マンパワーとして手が回らないというところもあれば、同業他社がどのような行動計画を提出するのか、内容を見てから自社のものを出したいとする「様子見」もあり、提出が滞っているようです。 ◆「保育園落ちた」ブログ さらに、女性活躍推進法の施行を前に、もう一つの問題が噴出しました。先般、子供が保育園に入れずに待機児童となったことへの不満をぶつける匿名のブログが反響を呼び、ネット世論でも共感の声が広がりました。 さらに、小さい子供を抱えて国会前で抗議活動する親も現れ、政権の批判を展開していることもニュースとして取り上げられました。 これはさすがに、報道のされ方や、用意周到なプラカードの書き方を見る限り、お決まりの左翼的手法と見受けられます。 ただ無視できないのは、たとえイデオロギーを抜きにしたとしても、14年の消費増税以降、経済的な理由で働きたくても働けない方がさらに増えていることは事実だということです。 また、待機児童ゼロ作戦は、消費税10%を前提に予算組されているところが厄介です。例えれば、実はまだ収入が確定していないのにキャッシュカードで買い物してしまった、という状況に似ているといえましょうか。 安倍総理は、増税後のGDPマイナス成長を受け、一時は消費税の再増税の延期をほのめかす発言もありましたが、最近は、財務省にくぎを刺されてのことでしょうか、「来年4月に10%に上げる」と明言しています。 女性受けを狙って「女性が輝く社会」を標ぼうし、女性活躍推進法や待機児童ゼロを掲げたところまではよかったですが、現実は、消費税の増税により、働かざるをえないママを増加させ、それに伴う保育園の不足に拍車がかかってしまいました。 さらに、担い手不足も深刻で、保育園施設が完成しても、そこで働く保育士が確保できずに「開かずの園」となっている箇所もあります。 ◆「近居」のすすめ 待機児童問題の解決策のひとつは、家族の助け合いでカバーできるようにしていくことです。 ひと昔前は三世代同居がメインでしたが、核家族化が進んだ現代においては、子世帯同様に、親世帯もプライベートを確保したいというニーズも増えました。 そのため、同居は比較的ハードルが高く、だからこそ、現代版「終の棲家」である特養(特別養護老人ホーム)に人気が集中して「待機老人」が数十万人もいるという事情もあります。 こうした現代的事情を受けて、同居と別居の間をとる「近居」が今注目され始めています。 すでに民間では「近居割」と称して、親世帯と子孫世帯が近距離に住むと家賃を割り引くサービスが登場していますが、国の政策においても同様に、住民税などを減税するのはいかがでしょうか。 親世帯と子孫世帯が行き来しやすい近距離に居住することで、お互いのプライベートを保ちながら、助け合えるようになるのでお互いに安心です。 子世帯のメリットとしては、親の老後を近くで見守れることができるし、気軽に育児サポートを頼むことができます。 一方、親世帯も孫のイベントごとに参加することができるなど、子孫の顔がいつでも見られる安心感や生きがいが得られます。 ◆血の通った政策を 幸福実現党は、一時的で表面的な人気取りバラマキ政策ではなく、真に国民の悩みや苦しみに対して真摯に向き合い、それらを解決するために必要な「血の通った政策」の提言と実行に努めてまいります。 若者の投票率を上げるには――ウソやごまかしのない政治を! 2016.02.02 文/千葉県本部 副代表 古川裕三 ◆公職選挙法の改正 昨年6月に改正された公職選挙法により、今夏の参院選より18歳以上が投票可能となります。 ただ、現行法では住民票を移してから3カ月以上居住していないと、その居住先での選挙人名簿に登録されずに投票することができません。 仮に、参院選の日程が、6月23日公示、7月10日投開票だった場合、18歳、19歳の学生は、3カ月前の3月23日までに転居していなければ投票できなくなってしまうわけです。 新たな有権者約240万人のうち、投票できなくなる有権者が7万人にも上る可能性があります。 こうした事態を解消すべく、このほど、議員立法により、転居前の自治体で投票が可能となる公職選挙法の改正案が参院特別委員会において全会一致で可決され、成立が確実となりました。 さらに政府は、現行では1か所に限定されている投票所を拡大させ、ショッピングモールや駅などに共通投票所を設置することや、期日前投票の投票時間を拡大させるなど、投票の利便性を高める公選法の改正案を成立させるとしています。 ◆政治不信の原因 これらの法改正により、投票の利便性が高まること自体はよいことですが、あくまで方法論であって本質論ではないこともまた事実であります。 そもそも、若者の政治離れが進み、全体としても、各選挙の投票率が下がり続けている原因のひとつは、国民の多くが、「政治家は選挙の時だけいいことを言って、通ったあとはやりたい放題だ」、と認識しています。 なぜなら政治家に不信感を抱いているからです。「政治とカネ」にまつわる問題も後を絶ちません。 また、国民は「バラマキ政治」にも嫌気がさしています。選挙前にばらまいて、財政赤字が膨らんだとして後から増税してくる、というパターンに辟易しているのです。 ◆これぞ「THE・バラマキ」 例のごとく、参院選を控え、首相の支持により、補正予算で3951億円もの予算が組まれ、そのうち3600億円以上が「年金生活者等支援臨時福祉給付金」なるものに割かれ、選挙直前の6月中に、高齢者へ3万円がばらまかれるそうです。 その対象は1130万人。これを「税金による買収」と呼ばずして何でしょうか。ポピュリズムそのものです。 ちなみに今回の補正予算においては、「子育て世帯臨時給付金」は廃止されますので、出生率1.8を目指している首相の政策との整合性にも疑問が残るところです。 「若者や子育て世代は忙しくて選挙にも行けないだろうから、その代り、選挙直前に高齢者に現金を配ったら、投票率も高い、律儀な高齢者の皆さんは確実に票をお返ししてくれるだろう」という魂胆でしょう。 安倍総理も、命運が尽きたのでしょうか。自民党内部からも反発が出るほど露骨なバラマキ政策を主導するしかないのですから。 ◆年金保険料、使い込みの罪を糺せ 若者の政治離れに歯止めをかけ、国民の政治不信を払しょくするためには、政治家がまず「誠実」であるべきです。少なくとも、嘘を上塗りして失政のツケを国民に回してはいけません。 ここで取り上げたいのは、年金問題です。立党時より訴えておりますが、政府はまず、消えた年金積立金800兆円のけじめをつけよと言いたいところです。 年金制度は当初、積立方式でスタートしたにもかかわらず、いつの間にか賦課方式(現役世代から高齢者への仕送り制度)へと勝手に制度変更されました。 そして納めた以上の年金を高齢者へ給付する大盤振る舞いから始まり、厚労省や旧社会保険庁の官僚たちが天下り先の特殊法人や公益法人を通じて浪費した人件費、福利厚生費への流用、グリーンピアなどの無駄なハコモノ建設など、年金以外の助成金などに使い込まれました。 このことについて、政府は一度でも謝罪したことがあったでしょうか。 年金保険料と称して、税金として使い込んでいたわけですから、その罪は極めて重いです。正義の観点から、歴代の政治家、官僚など、関係者は刑事告訴を受けるべきです。 この事実をひた隠し、「子供にツケを回さない、安心の社会保障のため」と謳って消費税をどんどんと上げようとしているから許せません。 少子高齢化が進展するなか、賦課方式のままであれば、若くなればなるほどその負担が重くなります。 「景気が悪い、給料が上がらない、だけど消費税や保険料は重くのしかかる。」これで若者に希望を持てと言っても無理があります。 私たちは、増税ありきの考えは間違いで、民ありき、国民の豊かさ、幸福ありきであるという信念のもと、「小さな政府」を中軸に、国を守る国防政策、個人が豊かになる経済政策を一貫して7年間言い続けてまいりました。全くぶれていません。 幸福実現党の最大の強みは、正直かつ誠実で、先見性に富んでいるところです。 立党7周年を迎える今年、どうか国民の皆様には、私たちに信頼を寄せていただきたいと心よりお願い申し上げます。 そして最後に、私と同じ若者に一言。 「一緒に変えよう。政策はある。」 国民一人ひとりが豊かになれる政治を! 2015.12.23 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆今年の流行語大賞「爆買い」 今年の流行語で年間大賞となった「爆買い」という言葉。中国人観光客が、ドラッグストアや家電量販店、スーパーマーケット、百貨店などで、化粧品、医薬品、お菓子など、一人当たり10数万円もの買い物をすることが社会現象化しました。 一つの商品を買い物かごに収まりきらないほど買い込んでいる映像がメディアにも度々登場していましたが、まさしく「イナゴの大群」よろしく、店内の商品を一掃していく姿には、言葉を失いました。 この「爆買い」現象について、一人の日本人としてある種の憤りを感じているのは、私だけではないはずです。 もちろん、消費不況の日本では、インバウンド消費(海外からの訪日客の消費)が頼みの綱であるという小売業の切実さは理解できますが、少々、納得できないものが残ります。 なぜなら、政府は日本国民に対しては2014年4月より消費税を3%増税し、「買い物できない」ように“制限”をかけておきながら、同年10月には、改正「外国人旅行者向け消費税免税制度」により、従来は免税対象外だった消耗品(食料品、飲料品、薬品類、化粧品類、その他消耗品)を含めたすべての品目を消費税免税の対象としました。 要するに、日本人は消費しないので、中国人の皆さんは消費税を廃止するのでどんどん買い物してください、ということです。 つまり、この「爆買い」という社会現象は、政府の制度によるものであり、この制度を機に、免税店も一気に増加しました。 ここ最近で「tax free」と書かれているお店がやけに増えたと実感されている読者も多いのではないでしょうか。この文字を見るたびに、消費税がかからないって、何ていいのだろうと思います。 中国人はお得意様で、日本人は政府の失政のつけである財政赤字を埋めるために高い税金を払い続けなければならない家畜か何かでしょうか。 私なら、GDPの6割を占める個人消費がもっと活発になるように、日本人に対して、消費税率を一律に減税して、国民の皆様を幸福にしたいと思います。 日本人が「爆買い」するというと少々品性に欠けるかもしれませんので、日本人が、もっと積極的に「大人買い」できる社会を目指す、というのはいかがでしょうか。 別に秋葉原や銀座の街を行きかう中国人の皆様を蔑視しているわけでは決してありませんが、日本人が消費増税に耐えているのに、中国人が免税で爆買いしている様はやはり異常だと指摘したいのです。 もっと日本人が買い物できるようにすべきです。むしろ、中国に対しては、中国国内で、日本製と同じような高品質のものが日常的に買える社会にすべきだと言いたい。その前に、pm2.5をどうにかしていただきたい。 ◆政治家が、今、考え、なすべきこととは何か ところで、89年より竹下内閣下で導入された消費税は、すでに失敗した政策であると結論されます。 消費税が導入された当時の大義は、「財政再建」でした。この当時の財政赤字は100兆円程度でしたが、20年経った今は、1000兆円と10倍になりました。 つまり消費税は不況を作り出し、トータルの税収を減らす効果しかなかったのです。「財政再建」のための消費税という政策的大義はとっくに失われています。 この客観的事実に対して、現政権はもっと謙虚に反省し、「政治家が、いま、考え、なすべきこととは何か。」を元総理の言葉に照らして熟考すべきです。 ※参照:『竹下登の霊言――政治家が、今、考え、なすべきこととは何か。』 大川隆法著/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1597 ところが、政府は反省どころかウソを重ねて、消費増税の大義を「社会保障のため」と言い換えるようになりました。老後が人質にされれば、国民は誰も反対できません。 この大義を振りかざして昨年の4月に政府は景気回復ままならない段階で消費増税したのです。これは、ぬるま湯でまだ体が十分に温まっていないのに、いきなり氷を大量に投じたのと同じようなものです。 案の定、昨年の消費増税後、GDPはマイナス成長となりました。 ◆マイナンバーという名の監視モニター さらに政府は、ナチズムの本質であるところの全国民に番号をつけて管理する「マイナンバー制度」を導入し、将来的には個人の金融資産を把握し、財産税をかけようと企んでいます。 マイナンバー制度とは、「私有財産監視制度」であり、今年1717兆円にまで増加した個人金融資産に課税したいというのが政府の本音でしょう。個人の経済的自由が奪われようとしています。 結局のところ、消費増税で「消費してもとる」、マイナンバーで、「貯金して金融資産を増やしてもとる」、どちらにしてもとりますよ、というのが政府の方針です。 今のまま行くと、富裕層は日本からいなくなるだけでなく、中間層も資産課税の強化によって豊かになれず、巨大な国家という生き物を構成するための一要因として国民は税金を納め続けることになります。これを国家社会主義といいます。 ◆「正義」について考えよう 格差是正という美名のもとに、国民を隷従の下に置く体制(結果の平等社会)を「正義」とするか、それとも個人の創意工夫と努力精進を奨励し、国民一人ひとりが豊かになれる体制(機会の平等)を「正義」とするか、この選択が迫られていると言えるでしょう。 私たち幸福実現党は、小さな政府、安い税金を志向する政党として、もちろん、後者に正義があると考えます。 来年の参議院選挙に向け、国民の皆様に、「隷属」をとりますか、「自由」をとりますか、あなたはどちらを選びますか、と問いかけていきたいと思います。 パート主婦を襲う「106万円の壁」 2015.11.11 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆新たな「106万円の壁」とは 平成28年10月から施行される「短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大」の法改正により、今まではパート主婦が年収130万円未満で働く場合、健康保険や年金保険料について夫の扶養から外れることはありませんでしたが、今後、これが106万円未満に引き下げられることになります。 俗に言う「130万円の壁」が「106万円の壁」となるわけです。(ちなみに、「103万円の壁」とは、パート年収が103万円を超えると所得税が課税されることを指します。) 実際、この法改正によるパート主婦が被る打撃は大きいものがあります。 短時間労働者の就労実態を分析すると、平均時給を1012円、一日の実労働時間数5.3時間、1か月の実労働日数を17日とする厚労省による平均データを用いて、年収を算出すると、109万円を超えることになります。 年収106万を超えてしまうので、新たに健康保険と厚生年金保険料が給与から天引きされ、手取りが減る家庭が激増します。 年間における保険料負担は、およそ10数万円〜20万円程度と、手取りも大幅に減少します。 今までも「130万円の壁」を超えないようセーブしてきた家庭は多いわけですが、厚労省によれば、来年からの法改正により保険料を新たに納めなければならないパート労働者は約25万人と試算しています。 平成28年11月から夫の扶養から外れてしまう対象は、(1)勤務期間が1年以上となり、(2)労働時間が週20時間以上となり、(3)月額賃金が8.8万円以上(残業代、通勤手当などは含まず)で、(4)従業員が501以上の企業に勤務している方です。 これを受け、企業側も今後、人材を絞り込んで雇用数を減らし、長時間労働を課すような転換を迫られることになります。 他方、人材を多く雇って、短時間労働で賃金を抑えるというやり方もあります。そして、勤続年数を1年未満にするよう雇用調整し、学生を活用するようになるでしょう。 ◆「女性が輝く社会」は本当か この法改正に向けて、労働政策研究・研修機構が12年7月〜8月にかけて実施した調査によると、社会保険の適用が拡大されたら、「働き方を変える」が62%、「適用されるよう、かつ手取り収入が増えるよう働く時間を増やす」が27%、逆に「適用にならないよう働く時間を減らす」が15%という結果でした。(日経新聞朝刊2014年2月5日付) 「女性が輝く社会」を掲げる安倍政権ですが、実態は、「女性にもっと保険料を納めさせる社会」へ、ということではないでしょうか。 所得税や住民税、そして社会保険料も含めて、夫と妻の収入を分けるのではなく、世帯の合計収入の額によって、納める税額や保険料を算出する方式を採用すべきではないでしょうか。 具体的には、以前のHRPニュース「人口増加に向けて世帯課税方式の導入を」でも紹介しましたが、世帯課税方式という、子供が増えるほど減税幅が大きくなる方式を採用するのも一案です。 ◆法律は自由を守るもの いずれにせよ、もうこれ以上、あの手この手で税金や保険料を上げる「お上中心主義」はやめていただきたいものです。 ハイエクが提唱したように、法律は本来、国民の自由の範囲を規定するものであって、自由を縛ることが目的ではありません。 法改正によって、女性の働き方が制限されてしまう、やはり何か違うのではないでしょうか。 あるいは、「女性活躍推進法」など、法律によって女性管理職の登用の比率を決めることも、民間企業の人事に政府が首を突っ込んでいることになりますから、やりすぎです。 ◆マイナンバー詐欺にはご注意を 最後になりますが、我が家にも「恐怖の」マイナンバーが届きました。国家が個人を管理し、監視する社会が近づいています。 「自由」の旗手として、国家社会主義への警鐘を鳴らす使命が、幸福実現党にはあります。 増税やマイナンバーなど、国民の自由を侵害するものについては正々堂々と「NO」の声を上げてまいります。 通知カードが届くタイミングを狙った詐欺も横行し始めておりますので、読者の皆様、くれぐれも、マイナンバー詐欺にはご注意ください。 欺瞞に満ちた「安心の社会保障」 2015.09.30 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆支持率回復を狙った「新・三本の矢」 先般、安倍総理は、アベノミクスの第二ステージとして、(1)希望を生み出す強い経済、(2)夢を紡ぐ子育て支援、(3)安心につながる社会保障を謳った「新三本の矢」を発表し、具体的には、(1)GDP600兆円、(2)出生率1.8、(3)介護離職ゼロなどを掲げました。 特に(2)と(3)に社会保障の充実がうたわれていることをみてもわかるとおり、国民の生活重視の路線を強調し、安保法制の成立後の支持率回復と、来年の参院選を意識した内容となっています。 なお、8%→10%への消費増税についても、17年4月の予定通り実施するとしていますが、これは、子育て支援も社会保障も、10%への消費増税が前提であるということであり、逆に言えば、「社会保障」という大義のもと、「人命」を人質に取り、誰も反対できなくさせているわけです。 ◆滞納額ワーストの消費税 ちなみに、国税庁の発表によると平成26年における消費税の新規発生滞納額が、前年度比117.1%の3294億円で、全税目の55.7%を占め、例年同様に税目別滞納額でワーストでした。 消費税率が5%から8%に引き上げられたことで、消費税の新規滞納発生額が480億円も増えました。この結果をみても、例年、滞納額がワーストであるという状況を鑑みても、やはり消費税は減税していくべきではないでしょうか。 8%への増税後、滞納額が新規で増えたということは、事業の存続のために、滞納せざるを得ない中小零細企業が増えたということです。 法人税と違い、消費税は赤字であっても納めなければなりませんから、消費増税によって売り上げが落ちた企業、特に中小零細企業の事業者は自腹を切って納めているのが現状です。 今後の倒産件数や失業者の増加、またそれに伴う自殺者数の増加が懸念されます。 ◆アダム・スミスの徴税の原則 そもそも、国民の資本、生産手段など、経済活動の元手にあたるものに対して税金をかけることは徴税の原則から外れることを経済学の父、アダム・スミスは『国富論』の中で指摘しています。 つまり、木になった果実、その実りの一部を税として納めてもらうことが原則で、元手であるリンゴの木の枝をへし、折って納めてもらったり、木の幹を削ったりしてはならないということです。 元手である木が傷ついてしまったら、果実を生み出す力がなくなってしまうからです。 その意味で、消費税は、消費活動そのものを妨害するマイナス効果しかありません。企業の売り上げ、利益を減らし、果実を生み出す力を削ぎ落していきます。 消費税は、生産者から消費者に商品が届くまでの流通過程の全てに課せられるハードルのようなものであり、このハードルの高さが増税によって上がっているのです。 さらに、消費税は、逆進性が強く、低所得者ほど負担が重いという意味で消費者いじめの税金であり、日本経済を支える中小企業に大打撃を与える税金なのです。 本当の意味で、国民の立場に立って「安心の社会保障」を謳うのであれば、消費減税こそが、有効な政策手段であるはずです。 減税を通じて個人の経済力を上げ、自立した個人を増やしていくことが、膨張し続ける社会保障費を抑えていくことにもなるのです。 ◆欺瞞に満ちた「安心の社会保障」に騙されないために 今回の「新・三本の矢」の政策において、民をいじめる消費増税を表明した一方で「安心の社会保障」を謳うとは、国民を欺いていると言わざるをえません。 日本のGDPの約6割を占める消費を冷え込ませる消費増税を宣言しておきながら、GDP600兆円を目指すとする政策は矛盾しています。消費増税は、GDPを減らすのです。 世界一の経済大国であるアメリカも、逆進性があり、物価を上昇させ、行政上のコストがかかる、などの理由から国家としては付加価値税(消費税)を導入していません。 消費大国であるアメリカは、消費の大敵である消費税の威力をよくわかっている、というべきでしょう。 アメリカのように、個人消費を増やして経済成長を実現していく路線を日本もとるべきであり、その意味で、消費減税が起爆剤となるはずです。 幸福実現党は、国民の経済的自由を守る砦として、消費減税を訴え続けてまいります。 ギリシャ危機に学ぶこと 2015.07.01 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆ギリシャ危機 ギリシャが再び危機に陥っています。09年10月にギリシャ政府による財政赤字の隠ぺいが明るみになって以来、財政再建が喫緊の課題であったわけです。 EUがギリシャ向け金融支援の月末での打ち切りを表明しており、同じく6月30日に支払期限を迎える国際通貨基金(IMF)への債務16億ユーロ(約220億円)の目途がつかなければ、債務不履行(デフォルト)になる可能性があります。 ギリシャのチプラス首相も「銀行が窒息状態にあるのにどうやって支払えというのか」と居直っています。 これを受け、すでにギリシャ国内では銀行業務が停止しており、ATMで引き出せる預金額も一日60ユーロに制限、さらに海外への送金も規制され、客で長蛇の列ができ混乱しています。 ◆注視される国民投票の行方 7月5日には、EUが求める緊縮財政策への賛否を問う国民投票が行われる予定ですが、国民がこの賛成案を拒否すれば、ギリシャのEU離脱という事態もありえます。 賛成票が勝った場合は、ギリシャへの融資が再開される可能性がありますが、否決された場合、公的債務の返済凍結、全面的な資本規制の開始、信用証書の発行増加という政策がとられることになり、国際的な信用失墜の危機を招くとも限りません。 デフォルトになった場合、国内の銀行で破たんも相次ぎ、年金や公務員給与の支払いができなくなるなどの恐れもあります。 さらには、経済規模の大きい欧州単一通貨であるユーロへの信用低下により、売り込まれる可能性があり、世界経済への影響も懸念されています。 ただ他方で、甘利経済再生相は、ギリシャの経済規模は小さく、影響を過大評価せずに冷静に対処すべきと発言しています。 ◆多すぎる公務員 ギリシャは過去30年にわたって積極財政路線で財政赤字が肥大化してきました。 歳出の大半が巨額な公共投資でしたが、必ずしも効率的ではなく、公的部門が民間よりも大きくなり、就業者数の4分の1が公務員と言われるまでになっています。 このことについてアテネ商工会議所の関係者は、「人口規模に比べて公的部門が大きすぎる。ギリシャの人口は約1100万人だが、110万人の公務員がいる。ちなみに人口規模がだいたい同じくらいのオーストリア(約830万人)は30万人だ」と指摘しています。 さらには、公務員の多さに加え、公務員の給与が民間よりも高いとも指摘されています。 自由を愛するギリシャの国の標語は「自由さもなくば死」だそうですが、公務員のストライキも頻発している昨今、「自由すぎる、そうすると死」ともいえる状況にさしかかっています。 努力して豊かになる自由ではなく、義務や努力からの自由、つまりは「怠け者の自由」を行使すると、国民の勤勉性が失われ、国力の衰退につながるのです。 ◆解決の方向性 こうした現状を踏まえると、大きくなりすぎた公的部門の民営化を進めていくべきでしょう。公務員が栄えて民間が衰退するのは国家経済の破滅を意味するからです。 ただし、EU側が提示する緊縮策を丸呑みできないギリシャの事情もわかります。ギリシャは観光が主要産業の一つです。 ギリシャ観光産業協会によると、観光業が昨年ホテルの予約などを通じて同国のGDPに直接貢献した額は全体の9%にあたる170億ユーロであり、かつ、店舗やレストラン、観光地などでの支出を通じて間接的にGDPに貢献した額は450億ユーロに上るといいます。 しかし、このホテル、レストランにも付加価値税(日本でいう消費税)を標準税率の23%に増税せよとEUの緊縮策では提言されています。 しかし、増税されれば国家としての稼ぎ頭である観光業がダメージをうけるのは必至であり、これに抵抗するのは当然と言えば当然です。 望むらくはギリシャの国民、特に公務員が、民間に下ってもっと勤勉になり、EUの金融支援に頼る「借金依存体質」を脱却せねばなりませんが、EU側も、数少ない主要産業の成長の芽を摘むような緊縮策を押し付けるべきではありません。 日本も、静観している、という大人な態度もいいですが、世界一の債権国なのですから、ピンチはチャンスとみて、EUとギリシャを仲介しつつ、大胆な金融支援でギリシャを救済し、EUへの影響力を増していくという考えがあってもよいのではないでしょうか。 いずれにせよ、大きな政府、高い税金の国は衰退し、小さな政府、安い税金の国は繁栄するということです。 幸福実現党は、日本の一国平和、繁栄主義ではなくして、世界の恒久平和と繁栄のために貢献するリーダー国家を目指してまいります。 家族福祉としての消費減税――少子化対策 2015.05.06 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆我が国の子供の数 総務省が5日の「こどもの日」にあわせて発表した「我が国のこどもの数」によると、15歳未満の子供の今年4月1日現在の人口は、昨年より16万人少ない1.617万人で、34年連続の減少で、過去最少を更新しました。 また、子供の人口の割合は12.7%であるのに対し、65歳以上人口の割合は26.4%であり、高齢者人口に比べ、子供の人口の割合が半分以下であり、少子高齢化がより進行していることがわります。 ◆「子育て支援」から「結婚支援」へ ではどうしたら、この人口減少に歯止めをかけることができるのでしょうか。今までの政府の少子化対策の中心は「子育て支援」であり、「結婚支援」ではありませんでした。 このことについて、「婚活」(就職活動ならぬ結婚活動の略称)という言葉の生みの親、家族社会学者の山田昌弘氏は、著書『婚活時代』のあとがきのなかで、以下のように述べています。 「少子化の直接の要因が「未婚化」、つまり、結婚する人の減少にあるのにもかかわらず、少子化対策として打ち出されるものは、子育て支援(保育所整備や育児休業導入や児童手当)なのです。」 政府の少子化対策の力点は、結婚支援策という本丸ではなく、「仕事と子育ての両立支援」という側面支援に置かれてきたことは否めません。 ただようやく、政府も近年、少子化対策交付金を確保し、各自治体における結婚支援を後押しするようになってきました。 例えば、広島県では職場に狙いを定めて企業内婚活サポーター制度を始めています。 これは、企業の推薦者に結婚支援とセクハラ・パワハラのボーダーラインについて注意を促す内容の研修を施し、社内婚活のサポートを行うというものです。 そのほか、大分県のある自治体では婚活サポーター制度を導入し、サポーターが成婚まで導くと一組あたり10万円の成功報酬を支給し、さらに市外居住者を結婚させ、市内に移住させたら一人につき5万円を加算するなど、各自治体もあの手この手で結婚支援に乗り出し始めています。 ◆少子化問題の本質 しかし、少子化問題の本質は、未婚・晩婚化であり、その背景には不安定雇用という経済的理由が存在します。 内閣府「少子化社会対策白書」(2014年版)によると、理想の子供数を持たない理由として、「子育てにお金がかかりすぎるから」が多くなっています。 自らの選択で結婚しないという人が増えているというわけではなく、実際は低収入や雇用が不安定なために結婚できない人が増加しているというのが現実です。 総務省の就業構造基本調査(2012年)によると、非正規労働者は5年前に比べて153万増の2043万人となり、雇用者全体に占める割合では38.2%にも上っています。 また、先の「少子化社会対策白書」によると、2013年の30〜34歳の正規労働者の57.1%は結婚できていても、非正規になるとその半分も結婚できていないという実態も明らかとなりました。 ◆若者に雇用を その意味では、経済政策としてだけではなく、若者の結婚支援策としても、雇用の安定化が極めて重要な課題といえます。 本丸は、非正規雇用の増大に歯止めをかけ、正社員化の流れをつくることですが、しかし、だからといって、政府が企業の労使問題に口をはさみ、賃上げ要求などすべきではありません。 なぜなら、政府の要請に従って賃上げするには、企業は正規雇用の数を減らして、非正規を増やして対応するしかなくなります。 つまり、デフレ脱却を焦って企業に賃上げ要求をすると、かえって非正規雇用が増えて、また不安定な若者が増大し、結婚できない人がさらに増えるという、負のスパイラルに陥ることになるからです。 ◆ボトルネックは何か 結婚支援、子育て支援の拡充策もさることながら、まず政府がやるべきは、企業が正規雇用を増やすことができない「ボトルネック」をこそ解消することです。 そのボトルネックとは何でしょうか。 それは、2017年にやってくる2度目の消費増税です。3月31日、15年度税制改正関連法が参院本会議で可決、成立しましたが、15年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半先送りし、17年4月とすることが確定してしまいました。 しかも、今回は、「景気条項」は削除されました。つまり、17年4月の段階で景気が悪化していても容赦なく、問答無用で増税されるのです。 今から約2年後に待ち受ける増税という確定事項に、企業は「備え」ざるを得ません。 増税によってさらにお客さんが減る、売上が減ることが予測されるわけですから、設備投資や求人を易々と増やすことなどできません。その結果、このままいけば、未婚化はさらに進むでしょう。 逆に、消費減税の効果は、実質可処分所得の増加、消費の拡大、企業の売上増加、給与アップというサイクルを生み出し、好景気に向かっていきます。 そして、非正規社員が正規社員へと移行する道も開け、結果として結婚に踏み出せる若者も増えるはずです。 ◆家族福祉としての減税政策 幸福実現党は、その対策の一つとして、デフレ加速策にして、少子化進行政策である、まさしく「百害あって一利なし」の消費増税法の廃止と、まずは5%への減税を強く訴えていきます。 今後とも「家族福祉」という側面から、減税政策の必要性を広く啓蒙してまいります。 (詳しくは『減税』大川裕太著をご参照ください。) ※『幸福実現党テーマ別政策集 2 「減税」』/大川裕太(著) 幸福実現党 http://www.irhpress.co.jp/irhpress/news/21448/ 日本の常任理事国入りを実現するために 2015.03.19 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆安倍首相の演説 16日、安倍首相は国連の70周年記念行事で演説し、「日本はひとつひとつ、実績を積み上げてきた静かな誇り胸に、常任理事国の役割を引き受ける用意があります」と常任理事国入りに改めて意欲を示すとともに、国連改革の必要性について訴えました。 また、演説では、国連分担金、PKO分担金の累計は200億ドル、開発援助の実績は3249億ドルにも上る点も強調し、日本の貢献をアピールしています。 ◆敵国条項をまず削除せよ 国連改革でまず必要なのは、国連憲章における敵国条項の削除です。 国際連合とは、あくまで日本語訳であり、英訳では「連合国」です。つまり、第二次世界大戦の戦勝国による連合であり、未だに国連憲章の53条および107条にある敵国条項は存在しています。 つまり敗戦国である日本もドイツも、この敵国条項がある限りは常任理事国に入ることができません。 1994年11月の国連総会第6委員会では、旧敵国条項削除を憲章改正特別委員会に求める決議が採択され、95年12月の国連総会において「53条と107条の国連憲章からの削除を求める決議」が採択されたものの正式な手続きまでには及んでいません。 53条1項後段では、「連合国の敵国」だった国が侵略を再現する行動などを起こした場合、安保理の許可なしに軍事制裁を課すことが容認されています。 また、107条では、旧敵国の行動に対して責任を負う政府が戦争後の過渡的期間の間に行った休戦・降伏・占領などの戦後措置などは憲章によって無効化されないと規定されています。 この条項の問題点は、敵国がいつ、どのような状態になれば敵国ではなくなるのかが明記されていない点であり、かつまた、旧敵国との紛争については平和的に解決する義務すらない、という点にあります。 ◆敵国条項を利用する中国 一方で常任理事国である中国は、この敵国条項を上手に利用し、自らの「侵略行為」を正当化させています。 例えば、民主党政権下、沖縄県・尖閣諸島を国有化した際、中国は「日本は中国への侵略をおこなっている」だとか、「日本の行動は、戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」などと主張しました。 ただし、78年に締結された日中平和友好条約第1条第2項には「日中双方は、国連憲章の原則に基づいて、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力または武力による威嚇に訴えないことを確認する」と規定されています。 つまり、日中関係において、中国は日本を敵国条項の適用除外をしているはずなのです。 そうであるにもかかわらず、中国は軍事拡張路線の一途をたどり、日本への武力による威嚇行為を続けています。いつ友好条約のこの条文は反故にされたのでしょうか。 ◆日本はもっと交渉力を上げよ この中国の「中華思想」という名の「自己中心主義」に対して、ある明治維新の立役者は歯に衣を着せずに正論を述べています。 『「君らは汚ねえぞ。拒否権を発動する以上、それだけのペナルティをちゃんと払わんかい!金を払わんなら常任理事国を降りい!」っちゅうて、やっぱり、そのくらい怒鳴りこまんといかんな。それで言うことをきかんのなら、「うちの(国連分担金の)シェアを落とさせてもらいます」言うて、国連を、ちょっと揺さぶってもええんと違うか。』 (『坂本龍馬 天下を斬る!~日本を救う維新の気概』 大川隆法著) http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=815 さすがは、人並み外れた発想力と構想力で日本犬猿の仲だった薩摩藩と長州藩を結び付けた「交渉力」をお持ちの龍馬先生の発言は違います。 今回の安倍首相の演説は、確かに歴代の総理に比べれば「踏み込んだ内容」なのかもしれませんが、一方で「先の大戦への反省の弁」も述べていますので、やはりどこか「弱い」のです。 戦後70年にわたる戦後体制の「殻」をぶち破るには、はっきり言うべきことを言うことです。戦勝国側にとって都合のよい体制維持は、必ずしも国際正義にかなったものではないということを、日本は堂々と発言すべきです。 私たち宗教政党には「恐れるもの」がありませんので、アメリカや、中国相手に堂々と交渉することができます。 幸福実現党は、戦後失われた日本の尊厳を取り戻し、日本の常任理事国入りを実現させ、自由と宗教的寛容の精神を武器として、世界の恒久平和と繁栄に貢献してまいります。 歴史認識――正論に基づく堂々とした反論を! 2015.02.25 文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三 ◆安保理会合での対日批判 23日、ニューヨークで行われた中国外相が主宰する国連安全保障理事会の討論会合において、中国の王毅外相が「歴史的事実がすでに明らかであるのに、過去の侵略の犯罪を糊塗にしようとしている国がある」と、名指しはしないまでも、明確な対日批判を展開しました。 これを受け、日本の吉川大使は、先の大戦への「深い反省の念」に基づき、「平和を愛する国家としての道を歩んでいる」と訴え、反論したと報じられております。(2/25産経新聞3面) ◆中国共産党こそ歴史修正主義者 日本はそろそろ、「(自虐的)反省」ではなく「ファクト(事実)」に基づいて反論すべきです。70年前、日本が負けた国は、現在の中国共産党ではなく、中華民国(台湾)ですから、そもそも言われる筋合いがないですし、現在進行形で侵略を行っている国に非難される謂われはありません。 国連憲章における常任理事国は英・仏・米・ソ・中の五か国ですが、忘れてはならないのは、ソ連崩壊後はロシアが引き継ぐことになったものの、中華民国は台湾なので、本来、常任理事国は現在の中国ではなく、台湾だということです。 戦後、中国共産党は大躍進政策で数千万人を殺し、チベットを侵略した際、120万以上もの僧侶を虐殺したとも言われています(チベット亡命政府の発表)。さらには新疆ウイグルや内モンゴルを侵略し、89年の天安門事件では、民主化を求める数千人の学生たちを戦車でひき殺し、銃殺しました。 これは、まぎれもない事実であり、デマやプロパガンダではありません。ですから、冒頭の王毅外相に対しては、「歴史的事実は明らかであるのに、現在(・・)の侵略を糊塗にしそうとしている国がある」と言い返したいところです。 現在も第一列島線付近もすべて中国の海に変えようと実効支配を強めています。22日の産経新聞によると、中国が南シナ海のスプラトリー諸島における人工島の建設を急ピッチで進めており、面積が約200倍に拡張されている岩礁もあると報じています。 ここでは、軍事用滑走路や軍港、さらには対空高射砲塔とみられる軍事施設も建設中とのことですが、これらは領有権を主張するフィリピンを無視して勝手に建設しているのです。 ◆「日本は無罪だ」とするマイケル・ヨン氏の鋭い指摘 本年2月号の月刊ザ・リバティの独占インタビュー記事に続き、アメリカのジャーナリスト、マイケル・ヨン氏のインタビューが23日の産経新聞に掲載されました。 『月刊ザ・リバティ』2月号 世界初・独占インタビュー アメリカ人ジャーナリストが徹底検証 「慰安婦『強制連行』はつくり話だ」 – 戦後70年日本の誇りを取り戻そう http://the-liberty.com/article.php?item_id=8918 そこでヨン氏は、安倍首相が今夏発表する戦後70年談話について、「謝罪」を盛り込むべきとする左翼勢力に対して「第二次大戦をいつまでもひきずってはいけない」とし、IWG報告書(※)を調査した結果、「米政府が3千万ドルかけ、54人もの調査担当者を使って慰安婦に関しては何も見つけられなかった。(中略)(従軍慰安婦の強制連行説は)理論的でない」と断じています。 ※IWG報告書…中国系反日団体「抗日連合会」の働きかけにより、米国が07年4月にまとめた「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)」による議会報告書のこと。850万ページのうち14万2千ページが日本の戦争犯罪に関する文書だが、日本の慰安婦に関する戦争犯罪を裏付ける文書は全く発見されなかった。 ◆「戦後」を終わらせるために 本年4月に戦後70年を記念して天皇皇后両陛下が先の大戦における激戦地であるパラオ・ペリリュー島に慰安のためにご訪問される予定です。 この程、大川隆法総裁により、「パラオ諸島ペリリュー島守備隊長 中川州男(くにお)大佐の霊言」が収録され、「憎しみではなく、愛のために戦った」大日本帝国軍人の誇り高い精神性が明らかとなりました。 パラオ諸島ペリリュー島守備隊長 中川州男(くにお)大佐の霊言 http://info.happy-science.jp/lecture/2015/12901/ 改めて、中・韓・米が主張するいわゆる「従軍慰安婦」や「南京大虐殺」などありえないという真実を、武士道精神の体現者である中川大佐の魂を揺さぶる言霊でもって、一人でも多くの日本人に感じていただきたい―。 われら幸福実現党、戦後70年、先人の名誉回復と、日本の誇りを取り戻すため、全力を尽くしてまいります。 すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 Next »