Home/ 新着一覧 新着一覧 アジアインフラ銀行への注目を逆手に、積極的「繁栄」主義を目指そう! 2015.04.02 文/HS政経塾部長 兼 幸福実現党事務局部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆各国から熱い視線が注がれる、ある国際金融機関 アジアインフラ投資銀行(AIIB)という国際金融機関に注目が集まっています。 中国が主導して2015年内の設立を目指しており、アジア諸国の鉄道・道路・発電所などのインフラ整備の資金提供を主な目的としています。 3月31日時点で、51カ国・地域が参加申請をしており、日本側の予想を上回る活況を見せています。 ちなみに、インフラ整備の資金提供を主な目的とする国際金融機関は、既に存在しており、日米が主導しているアジア開発銀行(ADB)には67の国と地域が参加しています。 日米が主導するアジア開発銀行は、融資枠を現状の1.5倍に広げて、2017年に200億ドル(約2.4兆円)へと拡大する計画もありますが、アジア各国のインフラ需要は、毎年7000億ドル(約84兆円)超という試算もあり、現状ではインフラ投資への資金が大きく不足しています(4/1毎日)。 アジアにおけるインフラ投資への資金不足を解消するという点で、中国主導のアジアインフラ投資銀行への期待が高まっているのです。 ◆当面の判断の節目となる6月 今後の議論の行方として、アジアインフラ銀行の出資期限となる6月末までに、日本として参加するか否か判断することになり、今後の議論の深まりが注目されます。 <アジアインフラ銀行の主な日程> ・2013年10月:習近平国家主席が設立を提唱 ・2014年10月:中国や東南アジアなど21カ国が設立合意 ・2015年 -3月31日:創設メンバーとなるための参加申請期限 -4月15日前後:創設メンバーの確定 -6月末:出資期限、参加国の出資比率等の決定 -12月末までに:運営開始を目指す。 (4/2日経、4/1毎日を参照) ◆変化しつつある日米のスタンス 日本としては、アジアインフラ投資銀行に対して、運営体制・融資基準・既存の国際機関との関係が曖昧であり、相手国の債務返済能力を超えた融資をしてしまう可能性や、環境破壊を招きかねないという点で、慎重な姿勢をとっていました。 しかし、アジアのインフラ需要を取り込むチャンスを逃すべきではないという産業界からの根強い意見もあり、将来的な参加の可能性もあります。 また、アメリカのルー財務長官は、アジアインフラ銀行が、既存の金融機関を補完するものであれば「歓迎する」というスタンスを示しています(4/2産経)。 ◆中国との経済的結びつきに伴う恩恵への期待 当初、日本政府はアジアインフラ投資銀行に参加する国は限定的だと見ており、「G7諸国からの参加はない」旨の報告が、財務省から首相官邸に入っていました。(4/1日経) しかし、3月12日のイギリスの参加表明を皮切りに、ドイツ、フランス、イタリアといったG7諸国も、参加を表明しました。各国とも、停滞する世界経済の中で、経済面で中国との関係を強めることで生じる恩恵への期待が垣間見えます。 イギリスでは、外務省側はアメリカとの関係悪化を懸念して、アジアインフラ銀行への参加に反対していたようですが、オズボーン財務相が経済的な利益を重視するべきとして、参加を決断しました(March 26, Financial Times, “Sound and fury over UK’s AIIB membership signifies very little”)。 ◆日本に求められる構想力 日本の判断にかかわらず、中国主導のアジアインフラ投資銀行への各国の期待は高まることが予想されます。 インフラの受注競争の遅れを取らないために、アジアインフラ投資銀行に参加するという商業面のみの判断ではなく、日本がアジアや世界に対していかなる貢献ができるのかという構想の下に、進むべき道を決めるべきではないでしょうか。 ここで、日本側の対応として、以下2つの提案をします。 1)アジア開発銀行の融資基準を見直す 日米主導のアジア開発銀行は、「融資基準が厳しすぎる」とASEANから不満が出ていたことが、中国主導のアジアインフラ投資銀行への期待が高まった遠因ともなっているので、アジア開発銀行の役割を再定義する中で、融資基準の緩和について検討するべきです。 2)TPP交渉への追い風とする 中国のアジアインフラ投資銀行の構想は、環太平洋経済連携協定(TPP)への対抗という側面もあります。TPP交渉は大詰めを迎えつつあるので、締結に向けての材料として、アメリカに働きかけるべきです。 世界的な低金利の中、マネーは魅力的な投資先を求めています。リニアモーターカーの建設など、インフラ投資の質を高める方向で、日本ならではの提案も必要でしょう。 積極的平和と共に、アジアや世界に対する「積極的繁栄」のために、日本がなすべきことを構想することが求められています。中国主導のアジアインフラ投資銀行の動向に左右されるのではなく、日本にしか通れない道を、堂々と進むべきです。 国家のビジョンは予算で示せ! 2015.04.01 文/幸福実現党・岡山県本部副代表 たなべ雄治 ◆かつて、国立の大学院での出来事 私が大学院の工学研究科に在籍していた時の出来事です。研究していた分野で、ある高価な実験装置があれば研究が一気に進むという状況がありました。 上司の助教授に相談したところ、いくらかの予算オーバー。しかし予算を繰り越して、翌年度分の一部と足せば十分に手の届く額でした。 ところが、制度上予算の繰り越しは出来ないとのことでした。予算を使い切らなかった場合は、余った額が翌年度の予算から削られるのだとか。「必要なかったのね」と判断されるのだそうです。 そして翌年の三月には予算が余っているのだとかで、要るのか要らないのか分からない購入物をリストアップさせられたのでした。 ◆単年度予算の弊害 そんな悔しい思いもいつしか忘れ去り、それが単年度予算という制度の所為だと知ったのは随分後になってからでした。 単年度予算には、予算を消化するための無駄遣い、予算配分の硬直化、など様々なデメリットが考えられます。国の組織の随所で、学生の時分の私が経験したような矛盾が発生しているのでしょう。現に様々な指摘がなされています。 ◆単年度予算にもそれなりの意味はあるが・・・ 弊害の目立つ単年度予算ですが、全くの無意味ではありません。国家の予算を一年単位で分断してチェックすることで、財政権の乱用を防ぐという意義はあるのです。 とはいえ単年度予算が、財政権力を抑制する唯一の制度というわけではありません。複数年度予算制度でも、それをチェックする方法くらい存在します。年度をまたいだ柔軟な予算のやりくりを、財政権の乱用だと理解するのは行き過ぎでしょう。 ◆複数年度予算は導入可能 憲法第86条では、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」と規定していますが、ここに会計年度の定義はありません。 会計年度を定めているのは、財政法第11条 「国の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終るものとする。」です。 憲法改正を待たずとも、財政法の改正で複数年度予算の導入は可能です。 ◆大切なのは国家のビジョン ただ複数年度予算を導入すれば解決するというものでもありません。柔軟な予算編成ができることは重要ですが、それよりもやはり「何を目的として国民の血税を使うのか」という国家ビジョンこそが大切です。 予算編成における国家ビジョンの欠落を如実に示すのは、何と言っても防衛予算でしょう。 中国は毎年毎年、日本の数倍の予算を国防費につぎ込み(Global Note社調べでは7倍)、さらにその額は伸び続けています。 中国の国防費がGDP比4%程度なのに対し、日本はなぜか数十年一貫してGDP比1%を死守しています。アメリカの国防予算対GDP比率の変動は大きいですし、2013年のインドの国防予算対GDP比は実に8%でした。 安全保障環境に応じて国防予算を変動させるのは、国家を維持するうえで当然のことです。ましてや日本は、尖閣諸島が中国に脅かされるなど、国防の危機にあります。 補正予算や継続費という制度をフル活用して防衛力強化に努めてはいますが、焼け石に水といった感が否めません。 防衛予算により、日本のビジョンと意思をはっきりと示すべきです。 ◆予算委員会は悲劇か喜劇か 会計年度の開始日4月1日までに予算を成立させるため、3月までは予算国会とも言われます。 予算委員会がTV中継されますが、その中で予算の議論はほとんどされません。話題に上るのは、国会議員のスキャンダルばかりです。 素行不良な与党議員も問題ですが、本質的な予算の議論をすることなく足を引っ張ることしか考えない野党議員にも残念な限りです。 有権者を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたいものですが、私たち有権者も、よく政治家を見て投票する必要があるのでしょう。 政治に関心のある人ほど、政治に失望していたりするものです。しかしもう一歩踏み込んで、政治のあるべき姿を考えてゆかねばなりません。 統一地方選を目前に控えています。”考える人”の力を結集して、政治を正していくことも幸福実現党の仕事です。 2015年、地球新世紀の幕開け――左派経済学の打破から第2の産業革命へ 2015.03.31 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆ピケティ経済学の論点 フランスの経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』は米国での出版を契機に大きな話題となり、今年1月末の来日もあって日本でも注目されました。 ここではピケティ経済学の論点と矛盾点を踏まえつつ、私たちが築くべき21世紀の経済社会について論じてまいります。 ピケティは過去200年に渡る欧米諸国のデータを集積することにより、以下の言説を唱えました。 1)世界中で所得と富の分配の格差拡大が進んでいる。2)その要因は資本収益率>国民所得の上昇率(以下、r>g)にある。 つまり、例外的な期間を除けば、一部の資本家が所有する資本の収益率(r)は国民一般の所得上昇率(g)を常に上回る。3)グローバル資産課税や税制の累進性強化によって世界的所得格差を是正すべきだ。 これはノーベル経済学賞受賞者であるクズネッツが唱えた「資本主義経済は発展すればするほどに格差解消に向かう」とする定説を覆すものです。 ピケティによれば、クズネッツが研究対象とした期間は、二つの世界大戦とそれに挟まれた期間、すなわち1913年から1948年に限られており、この間に戦争や革命による動乱で株や海外権益等、資本家が保有する資産が暴落または喪失されたため、この期間に限ってr>gの不等式が逆転し、格差が解消に向かったとされます。 ピケティが空間的にも時間的にもクズネッツの研究を圧倒するデータを集積し、クズネッツの定説を陳腐化させた点は評価されるべきでしょう。 しかし政治的・政策的な結論としてグローバル資産課税や税制の累進性強化がそのまま正しいと言えるかどうかについては冷静な議論が必要です。 ◆ピケティ経済学の矛盾点 ピケティ経済学の特徴は理論によってではなく、過去の事実、膨大なデータの集積によって、未来の経済社会への予測を立て、政策提言をした点にあります。 例えばピケティは欧米における人口増加率の上昇期と一人当たりGDPの上昇期が、だいたい重なっていることから、人口増加率が低下傾向にある現在の世界経済はやがて長期停滞に向かっていくと予想を立てます。 しかし、たとえ人口の増加率と一人当たりの経済成長率に正の相関がみられたとしても、人口増加が経済成長を規定するとは言えません。 一方、著名な経済史家のウィリアム・バーンスタインは、著書『「豊かさ」の誕生』のなかで、19世紀西欧で富の飛躍的増大がもたらされた要因は、私有財産制の確立や科学的精神の勃興だとしています。 人々の勤労意欲を掻き立てるため、経済成長には所有権の確立が不可欠であるとする説は、理論的にも経験的にも批判の余地がなく、現代経済学においても基本理論となっております。 それを踏まえるならば、ピケティが言うように、rの上昇を抑えるため課税強化を進めると、人々の勤労意欲の減退を通じて、gの上昇をも妨げてしまい、結果、目的であったはずの格差是正も進みません。 また、そもそも格差是正を進めることが政治的正義であると無前提に受け入れられがちですが、ピケティ自身が認めるように、かつてr>gの不等式が逆転したのは戦時期前後の動乱期に限られます。 国民所得の上昇率が長期停滞に向かう世界で、もしもr>gの不等式を逆転させようとするならば、世界戦争や大恐慌に匹敵するインパクト、すなわち株や土地等のかたちで所有される富が喪失される事態を起す必要があるでしょう。 90年代初頭、日本で政策的に引き起こされたバブル潰しで幸せになった人がいなかったように、格差是正のためとはいえ、自発的に資産価値を下落・喪失させるのは馬鹿げています。 ◆2015年、地球新世紀の幕開け! それでは私たちはいかに長期停滞予測を打破し、豊かな経済社会を創造していくべきでしょうか。 近代の経済史に学ぶならば、まず国民の所有権を侵害する課税強化はなるべく避けられるべきです。そして19世紀の産業革命に先んじて科学的精神の勃興、すなわち新しい学問の誕生があったことも忘れてはなりません。 さて、本年4月、ついに日本発の本格私学、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)が開学します。 創立者の大川隆法総裁は著書『勇気の法』でこのように述べます。 「この21世紀の100年間に、日本を発展・繁栄させ、世界一の国にしなければなりません。政治や経済、芸術をはじめ、宇宙開発や海洋開発などの科学技術の分野、その他あらゆる分野で世界一になることです。それが、日本に生きる若者たちの使命です。」 今、まさしく地球新世紀の幕が開ける時です。幸福実現党は新しい科学、学問の発展を支援し、第2、第3の産業革命を起こして参ります。そして日本を中心とした史上空前の繁栄の文明創造に貢献いたします。 日米で語り継がれる「硫黄島の戦い」 2015.03.30 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆硫黄島で今年も行われた日米合同慰霊祭 平成27年3月21日、硫黄島で日米合同の戦没者慰霊祭が開催されました。 今年は、日本政府から塩崎厚労大臣、中谷防衛大臣が出席し、戦後70周年という節目の年にあたり、初めて現役閣僚が出席しました。 硫黄島の戦いは、大東亜戦争でも最も激しい戦いの一つとして有名です。 しかし現在、この慰霊祭がきっかけとなり、日米双方の元兵士が、お互いの友情を確かめる光景が展開されています。命を懸けて戦い抜いたものだけに分かる、何らかの絆が生まれたものだと思わずにはいられません。 ◆栗林忠道中将の英断 昭和19年7月、太平洋の要衝、サイパン島が米軍の占領下に入り、B29による東京への空襲が可能となりました。 サイパンと東京の中間点に所在する硫黄島は、米爆撃機の動きを東京に逐一報告することができ、しかも島内には飛行場があり迎撃を行う事も可能で、首都を防衛する意味でも重要な軍事拠点となりました。 そこで、硫黄島が次の戦いの場所になる事が予想され、日本側でも準備が進められました。この時に硫黄島の司令官に任命されたのが、栗林忠道(くりばやし ただみち)陸軍中将です。 栗林中将は、サイパン島での失敗の原因、そしてパラオ諸島ペリリュー島で米軍に大打撃を与えた戦法を研究し、日本軍として徹底的な持久戦・ゲリラ戦を戦い抜くことを決意しました。そして、早速島内の洞窟を掘り進み、島全体を地下要塞化する事に着手しました。 ところが、当時は、海岸への上陸の際に相手を食い止める作戦(水際作戦)が有効だと信じられており、部下の参謀長・大隊長が大反対。さらに、海軍も飛行場を取られることになり大反対となりました。 しかし栗林中将は、自らの信念に基づき、持久戦を行う決意を変えませんでした。 最終的に、東京の大本営も栗林中将の意見を取り入れることになりましたが、四面楚歌のごとき場面においても、決してその信念を崩さなかったという意味で、栗林中将は、後に大いに賞賛される事となりました。 ◆「硫黄島の戦い」に全世界が注目した理由 さて、攻撃側である米軍の予想では、5日間程度で硫黄島占領が可能との予想を立てておりました。しかし、栗林中将の作戦と、日本軍兵士たちの忍耐力によって、その予想は、覆される事になりました。 米軍の総力を挙げての75日間にわたる爆撃のあと、満を持して上陸を行った米軍海兵隊は、日本軍の徹底したゲリラ戦に大打撃を受けます。 上陸作戦の初日(昭和20年2月19日)、日本軍が米軍に対して与えた損害は、戦死501名、戦傷死47名、負傷1,755名となり、大きな衝撃を与えました。 この硫黄島の戦いは、米国民にとってもよく知られる戦いとなり、昭和20年に入ると、欧州戦線での連合国側の勝利がほぼ確定、マスコミ各社が硫黄島に集まり、各紙の一面には、連日この戦いの帰趨が掲載される事となったのです。 この戦いを通じて、日本軍の指揮官である「Kuribayashi」の名前は、全米に知れ渡たる事になりました。 ◆米国人魂の象徴となった「硫黄島の星条旗」 しかし米国民の間では、歩みを進め続ける米軍の青年たちの姿に大きな賞賛を博すことになります。その象徴となった写真が「硫黄島の星条旗」です。 上陸作戦4日後の昭和20年2月23日、米海兵隊は、硫黄島の拠点である「すり鉢山」の占領に成功し、標高の最も高い地点を確保した事で、星条旗を掲げる時に撮影したものです。 この写真は、激戦を戦う米国兵の勇気を象徴したものとして、現代にまで語り継がれており、映画「父親たちの星条旗」も有名です。 この画像は「米国人の勇気」「愛国心」を示す象徴的な写真として残り続け、さらに現在は記念碑として、米国アーリントン墓地に設置されています。 アーリントン墓地は、国立の戦没者慰霊の施設であり、いわば日本の靖国神社にあたる施設です。米国大統領はここへ定期的に参拝を行い、慰霊を行っています。 私は、この記念碑について、大統領が定期的に参拝することで、米国人の誇りを高め、使命感を持って国益を追求し、国家の繁栄を形成する要因になった事と確信するものです。 ◆首相の靖国参拝を実現し「日本の誇り」を取り戻そう 栗林中将を中心に、海兵隊を相手に大健闘をした日本軍も物量作戦の前に徐々に包囲網が狭められ、日本軍司令部は3月26日、最後の大規模な突入を行い、その組織的な抵抗が終了しました。栗林中将自身もこの突入の際、戦没したと言われています。 硫黄島の戦いに関して、日米双方で犠牲になった将兵に対し、米国では賞賛の声が止むことがありません。 しかし、日本国内で「硫黄島の戦い」と言っても、国家のために命を投げ出して戦った当時の若者たちに対して、その行為に対して、敬意が払われる事も少ないようです。 我が国は、「植民地の解放」の大義の下、多くの若者たちが命を捨てて、祖国のために戦いました。 日本では、国家のために戦った兵士の魂は靖国神社に還ると言われています。硫黄島で戦った兵士たちも、自分の死が無駄ではない、と信じてその命を投げ出したのです。 少なくとも、現代の日本において、総理大臣が靖国に参拝し、英霊に対して敬意を表し、慰霊を行うことは当たりまえなのではないでしょうか。 今年は、戦後70年という節目の年になります。政府においては、ぜひ、安倍総理の靖国参拝を実現し、日本の誇りを取り戻す大切な一年となる事を強く願うものです。 電源構成――原発の新増設に道をひらけ! 2015.03.29 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 3月30日に、2030年時点の日本のエネルギーミックスを決める政府の有識者会合「長期エネルギー需給見通し小委員会」(以下、小委)が開催され、原子力・火力等の電源構成に関する審議が行われる予定です。 小委では1月末から、エネルギー需要や省エネルギーの見通し、再生可能エネルギー導入量などが検討されてきましたが、いよいよ“本丸”である原発の議論が始まります。 ◆「空白」が続く日本のエネルギー政策 民主党政権下の2009年9月に鳩山元首相が国連総会で「日本のCO2排出量を2020年に1990年比25%削減」と表明したことを受け、2010年6月に発表された第3次エネルギー基本計画では、2030年に原発比率53%を目指すこととしました。 しかし、2011年に発生した東日本大震災・福島原発事故を経て原発推進から一転、民主党政権は脱原発へと方針転換しましたが、結局、新しいエネルギー基本計画を策定することはできませんでした。 その後、2012年12月に自公連立政権が復活し、脱原発の方針は見直されたものの、2014年4月に発表された第4次エネルギー基本計画では、政治的な理由で具体的な原発比率に言及することができず、将来の電源構成の見通しを示さないまま現在に至っています。 他方、国連気候変動枠組条約に基づく国際交渉により、各国は2020年以降の地球温暖化対策の「約束草案」の提出を求められています。 日本は6月のG7サミットまでに削減目標を表明すると見られ、CO2排出量の根拠を示すために、原発比率を含む電源構成の見通しを速やかに決定する必要に迫られています。 ただ、4月に統一地方選挙を控え、原発の議論を前面に出したくない与党の事情もあるため、原発比率の提示は4月末以降となるようです。 ◆経済成長にはほど遠い需要見通し 小委は2月の会合でエネルギー需要の将来見通しを示しました(※1)。これによると、2030年における電力需要(省エネ対策前)は1兆1,440億キロワット時で、2012年の約1.2倍に増加するとしています。 ※1 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第3回) 資料1「エネルギー需要見通しに関する基礎資料」(資源エネルギー庁) その前提となる経済成長率(実質)は1.7%とされ、実質GDPは711兆円(約1.4倍)に増加すると説明しています。 しかし、実質GDPの増加とエネルギー・電力需要の増加との間には強い相関があり、2000~2010年の電力需要の増加率と経済成長率はほぼ等しい(電力需要のGDP弾性値≒1)という実績が認められる(※2)ことから、実質GDPが約1.4倍に成長するなら電力需要も約1.4倍、つまり、約1兆3,000億キロワット時に増加すると考える方が自然です。 ※2 「RITEモデルによるエネルギー・環境会議選択肢の分析と代替案の提案」(地球環境産業技術研究機構) また、政府の経済成長率1.7%という想定はかなり消極的で、政策次第でもっと高くなる可能性は十分にあります。 過小な電力需要の想定では、電力不足が制約となって将来の経済成長の機会が奪われるとともに、相対的な国力の低下によって安全保障を脅かされることが懸念されます。 将来の日本周辺の安全保障環境を十分に考慮し、もっと高い経済成長を前提としたエネルギー政策のオプションを用意しておく必要があります。 ◆非現実的な省エネルギー見通し さらに小委は、省エネ対策を推進することにより、2030年の電力需要を約9,370億キロワット時まで削減できるとしています(※3)。 ※3 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第3回) 資料2「省エネルギー対策について」(資源エネルギー庁)より換算 これは、小委の電力需要見通し(1兆1,440億キロワット時)に対して約18%削減、経済成長率とほぼ等しい増加を想定した場合の電力需要(約1兆3,000億キロワット時)に対して約30%削減という、非常に過大で非現実的な省エネを前提とした数字です。 このような省エネを無理に実現しようとすれば、国民に厳しい節約を強要することになり、「ケチケチ型」の社会になってしまいます。 また、製造業における省エネは多額の投資を必要としますが、その投資が回収できるだけの経済成長が実現できない可能性があります。 過大な省エネは、民主党政権が導入した再生可能エネルギーの固定価格買取制度と同様に、莫大な国民負担をもたらす結果となります。 小委が想定する過大な省エネは、実際には不可能であり、政府や有識者の一部は「絵に描いた餅」であることを理解しているようです。 ◆今こそ、正々堂々と原発新増設の議論を 実は、過小な需要想定や過大な省エネ想定の背景には、「原発依存度の低減」と「再生可能エネルギーの最大限の導入」を公約してしまった自公連立政権の、政治的な事情があると言われています。 再エネ比率を大きく見せつつ、供給に支障がない見通しを描くためには、需要を少なく見積もり、省エネに頼るしかないのです(3/24産経)。 しかし、実際には需要が想定に比べて大幅に増加し、結局はその増加分を火力発電で供給することになるでしょう。その結果、化石燃料の輸入に一段と依存することになり、エネルギー自給率の低下と電力コストの増大を招きます。 したがって、適切な経済成長シナリオと需要想定に基づいて、安全保障と経済性を重視したエネルギー政策を決定することが極めて重要であり、電源構成の議論の中で、正々堂々と原発の新増設を打ち出していくべきです。 既存の原発を最大限に活用するのはもちろんのこと、安全性に優れた最新型の原発の新増設を視野に入れて、化石燃料への依存度を下げ、安くて安定した電力を大量に供給できるようにすることが、日本の産業の国際競争力を高め、国民の生活を豊かにし、国力を高め、他国の侵略を受けない強靭な国家をつくることに繋がります。 幸福実現党は、日本が2030年代にGDP世界一となることを目指し、国民の自由と繁栄を守るため、理想的なエネルギー政策の策定に向けて提言を行ってまいります。 日本が果たすべき「ワールド・ジャスティス」への使命―「イスラム圏」編(2) 2015.03.28 文/幸福実現党・茨城県本部副代表 中村幸樹(なかむら・こうき) 世界の紛争は宗教的対立を含んでおり、世界的正義がどこのあるかを判断するということは大変難しいことです。これを解決するためには、各宗教を束ねる全地球レベルの価値観を示すことができなければなりません。 社長が、経営者として会社の全責任を持っているように、「地球」の経営に対して全責任をもっている「至高の神」「地球神」の考えがあるとすれば、誰でもが聞きたい話です。この考えに基づけば、地球の紛争も解決できるからです。 今回は、その世界の紛争を解決するために必要な地球レベルの「ワールド・ジャスティス(世界的正義)」について述べて参ります。 ◆「寛容」と「許し」の論拠 世界の紛争を根本解決には、お互いの理解を妨げる壁を取り除き、「寛容」と「許し」の論拠となる、決定的叡智が必要です。 それは、「地球神の存在」「霊界構造と教えの多様性」「人間神の子の思想」であると考えます。 ◆「地球神の存在」 イスラム教、キリスト教、ユダヤ教を指導した、同一の神が現実に存在します。 『旧約聖書』で「エロヒム」と呼ばれ、現在は「エル・カンターレ」と呼ばれる、創造主、根本神(根本仏)、至高神にして、地球神が、マホメットもイエスもモーセも地上に遣わし、最高責任者として彼らを指導してきました。 「アラー(イスラム教)」「天なる父(キリスト教)」「在りて在るもの(ユダヤ教)」が同一の神であり、信仰の対象が同じであると明確に認識すれば、互いに「悪魔の宗教」とレッテルを張って攻撃するような考え方を改めることができます。 地球神は実在し、諸宗教を統合できる地球的仏法真理は存在します。 この事実が、「寛容」と「許し」への第一の論拠となります。 ◆「霊界構造と教えの多様性」 霊界は、悟り(心の境涯、愛の発展段階)に応じた、さまざまな階層(次元)に分けられ、地域性や心の傾向性によっても、空間的に分けられています。 地球神(至高神)ではない神々、天使、聖霊は、必ずしも全知全能ではなく、認識力や考え方に違いがあると知ることは、寛容さの基礎になります。 例えば、ヤハウェの考えはエロヒムの教えと違い、絶対の真理ではないと理解すれば、裁き心の緩和につながります。 救世主や預言者が地上に降りても、至高神の法の全てをストレートに受けられるわけではなく、自らの悟り、地域性、時代性、教えを説く対象、通信役の天使の個性等の影響を受けつつ教えを説くため、人類普遍の法と、人・時・所で解釈や内容に融通を利かせるべき教えとが混在します。 こうしたメカニズムを知れば、教えの普遍的な共通部分は祝福しつつ、教えの違いや多様性は、寛容に理解し合い、学び合い、必要に応じて教えをイノベーションすることができます。 仏神と霊界の実在、永遠の生命と転生輪廻、波長同通の法則、原因結果の法則、愛と慈悲の心、反省の心、魂修行とユートピア建設等。 以上の変えられない本質的で普遍的な法の根幹と、変えても良い部分を判別することで、他宗教との矛盾点、生活様式や慣習、経済・科学・学門等の新しい課題に対しても、教えに必要な修正をかけて、「寛容」と「許し」につなげることができます。 ◆人間神の子の思想 人間が神の子であり、すべての人間の魂に神の性質が宿っているなら、すべての人間の尊厳は護られるべきとの考えに到ります。 「憎しみを捨て、愛をとる」考えが正当となり、報復や、テロ、虐殺への防波堤となります。 唯物論、人間罪の子、性悪説など、神性を否定する思想は、人間不信、犯罪、殺戮につながる、間違った思想です。 すべての人間には、根本神(根本仏)から分かれてきた尊い神性(仏性)が宿っています。 「ワールド・ジャスティス」の根底には、地球神の慈悲の心があり、人間の魂も神の子としての慈悲の心を宿している尊い存在だという真実が、前提としてあるのです。 幸福実現党は、地球神、ワールド・ティーチャーの智慧と慈悲を基盤とした宗教政党であるからこそ、宗教が根底にある全世界の課題に対して、「ワールド・ジャスティス」(世界的正義)を明らかにし、根本的な解決を図ることができます。 幸福実現党は、全世界の平和と繁栄へ、「ニュー・ワールド・オーダー」をつくり出して参ります。 日本が果たすべき「ワールド・ジャスティス」への使命―「イスラム圏」編(1) 2015.03.27 文/幸福実現党・茨城県本部副代表 中村幸樹(なかむら・こうき) ◆世界的正義 日本が使命として担うべき「ワールド・ジャスティス(世界的正義)」として、以下の3点があります。 (1)白人優位主義による帝国主義的植民地支配に対する歴史の修正。 (2)共産主義運動という名の唯物論思想による「神仏の封じ込め作戦」への戦い。 (3)イスラム圏の改革。 (1)~(3)は連動しています。 白人の植民地支配への反省を促し、大東亜戦争の日本の正義を国際常識とすれば、巨大共産主義先軍国家である中国の野望を阻止する力(三戦「世論戦、心理戦、法律戦」への対処力)となり、イスラム圏と対するユダヤ・キリスト教圏への説得力、調停力につながるからです。 今回は、最近注目度の高い「イスラム圏」に焦点を当てて、論じたいと思います。テロ行為や卑劣な殺人は、許しがたい暴挙であり、再発防止の措置は大切です。 しかし、日本と世界の政治家やマスコミ、知識人の大半は、イスラム圏の問題に対し、「ワールド・ジャスティス」を冷静に分析、判断できない状態にあります。 歴史的、民族・人種的、宗教的視野からの智慧が不足しているからです。 根本的な解決には、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教間の確執を超克しなければならず、「寛容」と「許し」を伴う3つの精神的叡智を、政治的叡智として取り入れる必要があると考えます。 ◆武士道精神、騎士道精神 日本の武士道精神は、大義の下、己を律し、敵に対しても慈悲の心、礼の心を貫くため、日露戦争の名将、東郷平八郎や乃木希典などが諸外国で絶賛されました。 大東亜戦争においても、迫害されたユダヤ人を真っ先に保護したり、本気でアジアの同胞を解放する等、世界一人道的で規律正しくあったというのが事実です。 西洋でも騎士道精神が生まれました。 しかし、カトリック・プロテスタント間の宗教対立でその伝統が見失われ、1618年からドイツを中心に繰り広げられた30年戦争では、お互いに相手を悪魔と捉えて徹底的に戦い、甚大な被害と荒廃をもたらしました。 その反省から、1648年に締結された「ウエストファリア条約」では、かつて封建時代の中で発達していた騎士道精神が見直され、相手を辱めるようなことはせず、お互いの宗教を認め、相手の国の宗教には口を挟まないという国際的な取り決めがなされました。 武士道精神も騎士道精神も、関係国が全てその認識を持っていれば有効ですが、ヒトラーのような独裁者が出現した場合や、騎士道の文化を継承しなかった国(米ソ中等)には効果がない、という教訓もあります。 しかし、日本軍が武士道精神で、民間人へのテロや虐殺を決してしなかった事実や、イスラムの英雄サラディンが騎士道精神を貫き、キリスト教圏からも評価された等の教訓は、テロ撲滅や相互の融和に、プラスに作用するはずです。 ◆日本の「和」の精神 聖徳太子「十七条憲法」の第一条には、「和を以って貴(とうと)しと為し、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。」とあります。 大きく和する、大調和の精神は、仏教伝来の折にも発揮され、仏教の優れた教えは採り入れつつ、古来からの神道も引き継ぐという、共存共栄や融合の伝統を生み出しました。 そして、儒教やキリスト教、その他の思想や文化に対しても、寛容に取り込んでいく歴史を培ってきました。 「和」の精神は、異なる宗教や文化を調和させ、争いを緩和し、抑止する力がありますので、世界の紛争解決にも効果を期待できます。 以上、日本の「和」の精神について述べましたが、次回、もっと踏み込んで、世界の紛争を解決するために必要な「ワールド・ジャスティス」について述べて参ります。 緊迫する中東情勢――日本文化・教育の輸出で中東の平和と安定に貢献を! 2015.03.26 文/HS政経塾 第1期卒塾生 彦川だいし ◆「イスラム国」騒動の影で拡大するイランの影響力 3月25日、イラク政府の要請により、米軍など有志連合が北部ティクリートの奪還に向けた空爆支援を開始しました。 ティクリートはイスラム国の拠点であるモスルと首都バグダッド結ぶ交通の要衝であり、イラク治安部隊が戦闘を展開する上で重要な地域です。 米国防総省のウォーレン報道部長は、ティクリート奪還作戦はイラク治安部隊が主導しており、同作戦の成功は「米軍が最も頼りになる連携相手だとイラク側が理解することが重要だ」と指摘しています。 この発言は、対「イスラム国」戦争の影でイランがイラクに対する影響力を拡大していることを念頭においたものと思われます。 というのも、3月2日にティクリート奪還作戦が開始された当初、シーア派民兵約3万人を含むイラク治安部隊の戦闘指導が同じシーア派国家であるイランの軍人が行っており、米軍に対してイラク政府側から支援要請がなかったという経緯があったからです。 イラク戦争後、「民主的な」プロセスを経て成立した政府がシーア派系イラク人による政権だったとしても、それが対「イスラム国」戦争を通じてイランの息のかかったシーア派系国家に変質することは、イランの核開発を問題視する米国として、とうてい受け入れられる事態ではないと言えます。 ◆イエメン内戦に見る、「イスラム世界」の厳しい覇権争い イランの影響力が拡大することを受け入れられないのは、米国だけではありません。イランが中東で影響力を拡大するとなれば、サウジアラビアなどスンニ派諸国との緊張が高まる恐れがあります。 例えば、先ごろからシーア派反政府組織による内戦が激化していたイエメンを見ると、同国のハディ暫定大統領がサウジアラビアなど湾岸諸国に軍事介入を要請したため、3月26日よりサウジ軍などからシーア派反政府組織「フーシ」に対する空爆が開始されています。 イランはこのような湾岸諸国による軍事介入に対して、「イエメンの主権侵害に当たる」として非難すると共に空爆の即時中止を求めました。 当のイランは今年、「フーシ」が内戦で優位に立つとすぐに経済使節団を交換していたほか、「フーシ」支配地域と航空機の定期便を就航させるなど、実に「手際の良い」対応をとっています。 イランはイエメンの「フーシ」に対する支援を公には認めていませんでしたが、水面下の支援なくして、とうていありえない対応だと言えるのではないでしょうか。 仮にイエメンとイラク、二つのイラン系シーア派国家が誕生したとしましょう。その時一番困るのは、これら両国に直接南北を挟まれることになる、サウジアラビアだと考えられます。 サウジアラビアは、かつて2011年にトゥルキ・ファイサル王子がイラン、イスラエルと二つの核武装国に囲まれた場合、自らも核武装のオプションを検討せざるを得ないと発言していることから、イランの勢力伸長に対して強い警戒心を持っていることが伺われます。 対「イスラム国」の戦争を通じてイランの影響力が増し、緊張が過度に拡大しないよう、米国としても神経を尖らせているのではないかと推察します。冒頭のウォーレン報道部長の発言からは、そうした印象が伺えます。 ◆中東の平和と安定のために、日本ならではの貢献を 中東情勢が不安定になった場合、原油価格・資源価格の上昇という形で我が国の経済は打撃を受けてしまいます。遠い中東の地であったとしても、中東の混乱を放置するわけにはいきません。 エネルギー安全保障の観点から、シーレーン防衛を固めるのはもちろん必要ですが、重要な点はイスラム圏の意識改革です。イスラム文化の良さを壊すことなく、経済と社会の発展を実現できる日本的な「和の精神」を広めていく仕組みをつくることが必要だと考えます。 具体的には、イスラム圏でも評価の高い日本型の学校教育を輸出し、日本にあこがれを持つ若者を育てること。さらにそのような若者を、留学生として日本の大学に迎え入れ、日本と本国の架け橋となる人材として送り出すという仕組みを作ることです。 戦前、日本が多くの若者の留学を受け入れ、母国を発展させる人材として送り出したことを、もう一段大きなスケールで実行するわけです。 日本経済を発展させた、日本人の商道徳。多様な文化を受け入れ、新たな価値の創造を可能にする和の精神。それらの根本にある日本人の倫理観や宗教観。 こう言った有形無形の文化体験を通じて、日本と中東の架橋となり、母国の発展を後押しできる人材を育てることが重要だと思います。 ロシア、プーチン大統領は何に追い詰められているのか 2015.03.25 文/幸福実現党・世田谷区代表、HS政経塾第2期卒塾生 曽我周作 ◆プーチン大統領、突然の「核戦力準備」発言 「ロシアのプーチン大統領は15日、国営テレビで放映された特別番組「クリミア、祖国への道」のインタビューで、ウクライナで昨年2月に親露のヤヌコビッチ政権が崩壊し親欧米派が政権を掌握した際、ロシアの核戦力に戦闘準備を指示していたと明らかにした。政変の危険性を強調し、一方的なクリミア編入の正当性を強調する狙いがあるとみられる。」(共同) この衝撃的なニュースが飛び込んできたとき驚かれた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 筆者もその一人であり、プーチン大統領が何に追い詰められてそのような発言をしたのだろうかと疑問に感じました。 ◆プーチン大統領の政権基盤揺らぐ? ロシアでは2月27日に野党有力指導者、「カリスマ的な野党指導者だった」と言われるネムツォフ元第1副首相が殺害されたばかりです。 上記報道の中に「政変の危険性を強調し」とありますが、ロシアではプーチン政権が圧倒的な支持を得ているように見えているものの、実情は違っているかもしれないことが伺える一連の動きかと思われます。 加えて、「アメリカのオバマ政権の一部はプーチン大統領の政権基盤を揺るがし、政権を交代することを狙っている」という指摘も存在しています。 ネムツォフ氏については「ロシア国内はもちろん、国外でもネムツォフ氏の動向が報じられることはほとんどなかった」とも言われており、以前の選挙でも落選していたようですから、殺害された時点でどれほどの影響力があったのかは分かりません。 しかし、「ロシアのメディアから排除され、彼の政治活動が伝えられていなかった」とも指摘されるように、プーチン政権にとっては脅威の一つであったと見られています。 参考:http://www.huffingtonpost.jp/2015/02/28/boris-nemtsov_n_6776162.html ◆苦境に立つロシア経済が政権を揺るがす原因か ロシアは現在欧米からの制裁や原油安で経済的に非常に大きなダメージを受けているところです。 クリミア併合など、「強いロシア」を率いるプーチン大統領というイメージもありますが、経済状況の悪化の中で政権の基盤が揺らいでいるのかもしれません。 ロシアは過度に石油や天然ガスといった資源に依存した経済構造で、「連邦予算の約半分を石油・天然ガスの税収に依存」(産経 3/19)している状況です。 ロシアの富豪が減少しているということが世界の長者番付でも見て取ることができますが、仮にプーチン大統領の政権基盤が揺らいでいるとするならば、やはりこのロシア経済の悪化が大きな原因ではないでしょうか。 ◆ウクライナ問題は、簡単に解決はしない 残念ながら、ウクライナ情勢を含め、プーチン大統領の「核戦力準備」の発言など、日本にとってはマイナスの動きでしかありません。 親日家と言われるプーチン大統領と安倍首相は良好な関係にあるとはいえ、安倍首相はプーチン大統領率いるロシアと接近しづらい状況です。 ロシアの一連の動きは日本の最重要の同盟国アメリカのオバマ政権を大いに刺激しています。 ただ、事の発端のウクライナ問題は簡単には解決しそうにありません。 核戦力の準備についての言及の真意はわかりませんが、ロシアにとってウクライナ問題とはまさに国防上の問題であるということは、ドミートリー・トレーニン氏が、ウクライナがNATOに加盟した場合の問題について「ロシア・ウクライナ国境が冷戦期の分断線のようになる」ということを指摘していることからもわかります。 同氏は「境界線を引こうとすれば、無数のいさかいが起きるだろう」としたうえで、仮にそのような事態になれば、ロシアが「大規模な兵力の再配備を行うことになろう」と指摘しています。(『ロシア新戦略』より) ウクライナ問題が最終的決着するまでにはまだ時間がかかるのではないでしょうか。 ◆日本政府は粘り強い外交を 日本としては、少なくとも日米同盟を堅持したうえで、ロシアが完全に中国と一体化しないようにしなければなりません。 この一連の動きの最中に鳩山元首相がクリミアを訪問し、ロシアによるクリミア併合に肯定的な発言をしたという、どう見てもロシアのプロパガンダに利用されたとみられることがありました。 アメリカのオバマ政権にとっては、現在も大きく揺れている普天間基地の辺野古への移設問題について「トラスト・ミー」と発言した、鳩山氏のこの行動に怒りを覚えるだろうことは想像に難くありません。 これから戦後70年の節目に発表する談話発表や、アメリカ議会での演説など、安倍首相にとってはアメリカとの関係にも非常に細かく神経を使った外交が求められている最中に、鳩山氏の行動も含め頭の痛い事態であります。 以前ワシントンでお会いした伊藤貫氏は、歴史問題について、アメリカは共和党よりも民主党のほうが強硬姿勢だと指摘していました。 安倍政権は外交的に極めて難しい局面に立たされているのかもしれませんが、国益をかけて力強く、そして粘り強く対応していくべきです。 「仕事は幸福」という価値観に立脚した労働法制を! 2015.03.24 文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太 ◆日本にはびこる岩盤規制の一角・労働法制 安倍政権は今通常国会において、労働時間規制の緩和を中心に、労働基準法の改正法案を提出する予定となっており、岩盤規制の中核、労働法制にメスを入れつつあります。 改正内容を二つに大別すると、まずディーリングやコンサルタントなど、年収1075万円以上の高度専門職を対象に、時間外労働などへの支払い義務を免除し、成果で給与を決める「高度プロフェッショナル制度」の導入と、仕事の時間配分や残業の必要性を労働者本人が判断する「裁量労働制の拡大」が挙げられます。 終戦から半世紀以上を経過し、日本人の働き方が大きく変化している反面、三六協定(労働基準法36条)など未だ当時の工場労働者を念頭に作られた労働時間規制が存在し、今まで時代錯誤の感がぬぐえなかった点は否めませんでした。 第1次安倍政権時にも、同様の改正案が議論されましたが、労組や野党、マスコミから「残業代ゼロ法案」と厳しく批判され、法案成立を断念した経緯から、とりわけ安倍首相にとっても今回の改正案に対する思い入れは強いはずです。 大いに賛同できる改正案ですが、昨年は議論のテーブルにのっていた「解雇規制」の緩和見直しは労組の猛反発から見送られたことを考えれば、労働法制の改革は道半ばであると言わざるをえません。 ◆解雇規制は本当に労働者のためになるのか? 今後、労働者・企業双方に魅力的な労働環境を創設するために考えるべきポイントを2つ挙げていきたいと思います。 第一には、前述した「解雇規制」についてです。 もちろん、差別的な解雇や解雇権の乱用から労働者を守るために最低限必要な制度であり、法制度だけを比較すればヨーロッパ諸国とさほど変わらず、解雇が自由なアメリカを除けば、国際的な水準と見られる風潮もあります。 しかし、経営上の判断で「整理解雇」を行うに当たって、ヨーロッパでは要件が緩和されるのに比べ、日本では司法が「整理解雇」は労働者に責任がないと考えるため、人員削減の必要性や解雇回避の努力など、「整理解雇の4要件」を満たした場合のみ、正当な解雇と認めるという厳しい限定がなされています。 このように実質厳しい解雇規制があることで、まず企業側は正社員を採用する際に、慎重な判断が求められ、潜在的な正社員としての就職機会を奪うことにつながると言えます。 また、整理解雇を行う前に希望退職の募集を行う必要が出てくることで、本当は残って欲しい優秀な人材から流出してしまうというジレンマに陥ることも多々あります。 結果的に、この解雇ルールによって守られているのが、正社員という立場をフル活用しようとする「ぶら下がり社員」たちであり、企業・労働者双方から見ても、公平さが欠如した形になっているのです。 ◆派遣は本当に悪なのか? 第二としては、「派遣労働」についてです。 今回、安倍政権は労働者派遣法の改正案も閣議決定し、更なる規制緩和を目指していますが、野党側から「派遣の固定化につながる」と強く批判されています。 また、産業界においても「派遣はダメな働き方である」や「(派遣を含めた)非正規社員は全て正社員にすべし」といった極端な論調も根強く、派遣という雇用形態がマイナスであるかのように喧伝されています。 しかしながら、派遣会社の営業管理職として、過去にのべ1000人単位の派遣社員と接してきた経験上、上記のような議論は現場感覚を失した空理空論であると言わざるをえません。 派遣社員は正社員になれないから派遣という道を選ぶ訳ではなく、専門性追求やキャリアアップ、資格取得の時間確保など、積極的な動機から選ぶ派遣社員が大半であったといえます。 また、派遣から正社員へのステップとして「紹介予定派遣」という制度も既に10年以上前から施行され、派遣期間を通じて実務を行うことで、労働者のみならず、企業側からのミスマッチを解消しようという取り組みも行われております。 更に言えば、「必要な時に、必要な部署へ、必要な労働力を」が可能となる派遣という弾力的な仕組みが、ある意味で厳しすぎる解雇規制の補完的な役割を担い、企業側のニーズを満たしてきたと言えるのではないでしょうか。 ◆「自由・多様性・公平性」を保障する労働市場の創設を! かのP.F.ドラッカーは「ネクスト・ソサエティ」の中で、近未来には、雇用の半数はフルタイム社員ではなくなり、派遣を始めとするアウトソーシング業がより栄えていくなど、今後、企業と雇用の形がより柔軟に変容していくことを予見していました。 しかしながら、日本の現行労働法制は「労働は賦役である」という左翼的な価値観に彩られており、時代遅れだと言えます。 今の労働時間規制に関する議論にしても、本人がその仕事に生きがいを感じることが出来るならば、残業時間がいかに長かろうが、喜びと共に、大きな成果と貢献を果たすことにつながるはずです。 今こそ、「仕事は幸福」であり、「人間を成長させるもの」であるという価値観を土台に持った労働法制が必要なのではないでしょうか。 自由で、多様性を認め、公平性を保った労働市場を創設することこそ、日本で働く全ての人の自助努力の発揮につながり、結果的に日本経済の大繁栄に結びついていくはずです。 すべてを表示する « Previous 1 … 122 123 124 125 126 … 253 Next »