Home/ 新着一覧 新着一覧 日本の誇りを取り戻す――歴史教育と偉人教育、教科書採択の重要性 2015.06.18 文/幸福実現党 山口県本部副代表 かわい美和子 ◆吉田松陰や松下村塾を知らなかった山口県の子供たち いま放映されている大河ドラマの主人公は吉田松陰の妹です。 岩国市に住んでおります知人が2人のお子さんに、地元山口県の偉人の吉田松陰について尋ねたところ、上の子は吉田松陰のことを殆ど知りませんでした。 一方、下の子は「松下村塾を創った立派な人なんだよね」と、しっかりと覚えておりました。 「この違いは何だろう」と知人もショックを受け、理由を考えてみたところ、2人の子の中学歴史教科書の記述の違いにあることに行き当たりました。 岩国市で採択されている中学歴史教科書は、3年前(平成24年度)に育鵬社が採択されました。下の子は育鵬社の歴史教科書で学び、上の子はそれ以前に採択されていた東京書籍の歴史教科書で学んでいました。 さっそく私も、現在出されている両社の中学校歴史教科書を読み比べてみたところ、育鵬社の教科書では、コラムで吉田松陰の紹介と併せて松下村塾のことも丁寧に教えていました。 ところが、東京書籍の教科書では、「私塾で人材を育成し、幕府に背いて処刑された」として簡単に触れているだけで、松下村塾や後世に残した功績についてちゃんと教えていませんでした。 これでは、吉田松陰のことを上のお子さんが知らないのも無理はないだろうなと感じました。 歴史教科書は史実を教えるとともに、我が国の発展に尽くした偉人のこともしっかりと教えることは当たり前です。偉人教育が充実した中学歴史教科書で、ぜひとも子供たちに歴史を学んでほしいと思います。 ◆自分の国を誇れる健全な愛国心を育む、偉人教育の重要性 文部科学省の新学習指導要領では、小学校6年の社会科として主要な歴史上の人物を採り上げ、その人物の働きを通して学習できるように指導することを定めています。 新学習指導要領に掲げる人物に限らず、我が国の発展に尽くした偉人を広く採り上げ、その人物の魅力や後世に残した功績を教えることも、とても重要です。 以前に私は、HRPニュースファイルに、「自分の国を誇れる健全な愛国心を育む、偉人教育の重要性」( http://hrp-newsfile.jp/2015/2073/ )と題する投稿をいたしました。 そこで、私の故郷の周南市の偉人である児玉源太郎の偉業を紹介するとともに、大きな歴史の転換点で活躍した偉人、特に日本のみならず、周辺国や他国の発展にも貢献した偉人たちを子供たちに教えることが、自分の国を誇れる健全な愛国心を育むためにも重要であることを述べました。 真の国際人を育むためにも、語学教育だけでなく、自分の国を誇れる健全なアイデンティティーをもった人材教育が重要であるのです。 日本が、アジアのみならず、世界を平和と繁栄に導くリーダーとしての使命を発揮するためには、その前提として、いまの教育の中から自虐史観を廃し、自分の国を責めるのではなく、我が国の偉人や歴史をしっかりと教える教科書と情熱を持った教師による教育が必要不可欠です。 ◆「日本の誇りを取り戻す」教科書採択を進めるために 今年は、4年に一度の「教科書採択」の年に当たります。すでに昨年、文科省の検定を合格した教科書の中から、各地の「共同採択地区」単位で協議を行い、平成28年度から4年間採択される教科書が最終的に決定する事となっています。 各採択地区(各自治体)においては、住民の意見なども聴取しながら、専門家による議論などを経て、8月末までに、具体的な教科書採択が決まる流れとなっています。 平成28年度から使用される中学校の教科書採択は、まさに現時点進行中です。 各採択地区の協議会では、専門家による議論が進められていますが、その際の資料として、6月19日から14日間、各自治体で教科書展示会を行い、国民の意見を「意見書」として聴取することとなっています。 4年に一度行われる今回の中学校の教科書採択にあたり、一人でも多くの国民の皆さまに、教科書展示会へ足をお運び頂き、意見書をお寄せ頂いて、明確に「愛国心」を育てる教科書を支持頂きたいと思います。 教育は、人間を変える「魔法の力」を持っています。自分の国に誇りを持ち、世界をリードできる人材の輩出を目指して、子どもたちに最高の教育ツールと環境を提供することは、私たち大人の責務です。 詳しくは、下記HRPニュースファイルのバックナンバーもご覧くださいませ。 ■「日本の誇りを取り戻す」教科書採択を進めるために http://hrp-newsfile.jp/2015/2229/ (ご参考) 全国の教科書展示会の会場は、下記URLから調べることができます。 ■都道府県が設置する教科書センター一覧(平成27年5月現在) http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/center.htm ※なお開催期間(法定開催期間)は、平成27年6月19日から14日間ですが、自治体によっては、法定外開催期間として開催期間を延ばしている所もございます。 「憲法を守って国が滅ぶ」――三人の憲法学者の意見陳述を受けて 2015.06.17 ◆「安保関連法案は違憲」と述べた3人の憲法学者 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 去る6月4日、衆院憲法調査会に3人の憲法学者が招かれ、国会で審議中の「安保関連法案」について全員「憲法違反」との意見を述べました。 特に、法案成立を進めている自民党が推薦した早大の長谷部恭男教授が「個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか」と「違憲」の判断を表明したことが大きな衝撃を与えています。 菅官房長官は、調査会終了後の会見でこの件にふれ、「違憲という指摘は全くあたらない。法案審議には影響がない」と話ました。 さらに政府は6月9日、野党に対して「あくまでも我が国の存立を全うし、国民をまもるため、やむを得ない措置として一部限定された場合において武力行使を認めたにとどまる」と補足しつつ、「憲法違反」を否定する見解を提出していますが、今後の国会運営の難航が予想されます。 ◆「なぜ安保法制が必要なのか」の議論はどこに? 冷戦期の日本の繁栄は、日米安保条約に基づき、米軍が日本を守ってきた事が大きな原因です。 朝鮮戦争を機に米国主導の元、日本も自衛隊を発足させ、自国の防衛力を強化してきましたが、この日米両国が同盟関係にある事が大きな抑止力となり、東アジアで大きな戦争が起きなかった事で、高度経済成長を実現することができました。 ところが冷戦終結後、中国・北朝鮮が日本の安全保障にとっての新たな脅威として立ち上がってきました。特に中国については、現在の習近平主席の時代に入り、その覇権主義的な傾向がますます強まっています。 最近では、フィリピンとの国境に当たる南沙諸島のミスチーフ礁において、大規模な埋め立てを行い、滑走路を造設している事が大きな問題とされています。 この結果、中国によるフィリピンへの軍事的侵攻の危機がやってきました。この危機をフィリピン一国で対抗するには、極めて困難であり、日米両国が中国の覇権主義に対する抑止力として、しっかりと同盟関係を強化する必要があるのです。 要するに、安保法制が実現することで、発生するかもしれない紛争を防ぐことができるのです。 これは「戦争を起こす」ものではなく、「戦争をやめさせる」ための抑止力としての判断だという事をご理解頂きたいのです。 当然、フィリピンのアキノ大統領は、日本の集団的自衛権容認を歓迎しています。同様に、中国と国境を接して、紛争の火種を抱えているインド、東南アジア諸国、台湾は、現在の日本での国会審議の様子について、かたずを飲んで見守っている事でしょう。 ◆国民の命を守るために、「憲法9条改正」を進めよう 戦後一貫して同盟国である日本を守るという姿勢を崩さなかった米国に対して、その信頼を裏切るような判断は決して行ってはなりません。 日本は米国に対し、有事の際には、共に戦うという姿勢を見せる事によって、その信頼をつないでいくことができるのです。この集団的自衛権は国連憲章51条にも明記されており、国際社会では常識とされている事です。 日本は、かつて英国を同盟国として、その恩恵を享受してきました。日英同盟なくして、日露戦争の勝利はなく、日本を世界の一等国へと押し上げた原動力となりました。 ところが、この同盟関係が破棄された後、日本は孤立への道をたどり、国際連盟からの脱退、そして大東亜戦争開戦へと続く事になります。 同様に日米同盟も、日本の国益にとって最重要なことです。これは日本一国だけでなく、東アジアの平和と繁栄のためにも、同盟関係を強化する必要があるのです。 米国はオバマ大統領の下で、軍事費が削減され、基地撤退の方針も議論され始めていますが、今回の日本政府の判断は、米国側にも同盟堅持への強い意思表示と映ることだと思います。 今回、憲法調査会で意見を述べた学者の方々の意見の通りに、集団的自衛権を拒否し続ければ、米国は日本との同盟関係を断ち切る可能性が強くなり、日本は自国の防衛力のみで中国に対する事態になります。 それは、文字通り「憲法を守って国が亡ぶ」という局面になりかねません。ここで、今一度何が大切なのかを考えなおすべきです。 政治家は、国民の生命と財産を守る義務を負います。 学者の方は、そうした責任は有りませんが、一人の国民としての誇り・気概を持っているならば「憲法9条を改正しなければ国を守ることができない」という発言があってもよいのではないでしょうか。 現在進めている安保関連法案は絶対に成立させ、日米同盟をさらに強化する事で、東アジアの平和と繁栄を推し進めることが大切です。 さらに、私たち幸福実現党が立党以来訴え続けているとおり、憲法9条を改正し、国防軍を創設することが必要です。今後の大切なテーマとして、ご理解いただきますよう、お願いいたします。 ネット空間が戦場?―サイバーセキュリティを強化せよ! 2015.06.16 文/幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生 油井哲史(ゆい てつし) 日本年金機構に続き、東京商工会議所がサイバー攻撃を受け、個人情報が流出する事件が発生しました。 サイバー攻撃は、「サイバー犯罪」「サイバーテロ」「サイバー戦争」に分類されますが、それぞれ重なり合っており、境界が非常に曖昧です。 サイバー戦争となると、水道・ガス・電力などのライフライン、防衛システム、金融システム、通信システムなどを麻痺・停止させ、国家を窮地に陥れるほどの威力を持ちます。 IT化された社会は、サイバー攻撃によって崩壊する危険性があるのです。 サイバー空間における脅威の深刻化、拡散、グローバル化が急速に進展している中、サイバーセキュリティの確保は、社会経済システムを健全に機能させ、国家に安全且つ豊かな日常生活をもたらすだけでなく、経済の好循環を支え、持続的な経済成長を実現させるのに不可欠です。 ◆私たちはサイバー空間という戦場の中で生活をしている ブルース・ウィルス主演の「ダイハード4.0」ではサイバーテロの恐ろしさを見事に表現しておりますが、これはフィクションではなく、現実の世界です。 米国を例に挙げれば、1998年に米国軍部のコンピューターが攻撃され、軍事や原子力に関するデータ盗難の被害にあいました。 さらに2003年、NASAや国立研究所など多くの機関がサイバー攻撃を受け、コンピューター・ネットワークへアクセス侵入されています。 サイバーセキュリティは2011年7月14日、時代の転換点が訪れます。 米国防総省が今後のサイバー攻撃に対する基本姿勢となる「サイバー空間作戦戦略」を公表しました。 その戦略の中で、サイバー空間を陸、海、空、宇宙に次ぐ「第五の作戦領域」として定義し、サイバー攻撃にもミサイルなどの通常兵器による報復攻撃を辞さないと明言したのです。 つまり、コンピューターやスマートフォンなどネット空間・サイバー空間は私たちの生活の場として定着していますが、そこは戦場にもなっているということです。 ◆日本を取り巻くサイバー事件 実際に日本も狙われています。 2011年、三菱重工の防衛・原発関連の拠点にて他国からサイバー攻撃を受け、国家の安全保障の根幹にかかわる事件と報道されました。同年、衆議院および参議院の公務用PCやサーバーがサイバー攻撃を受けました。 また、2012年には尖閣諸島情勢と関連したとみられるサイバー攻撃を受け、裁判所や重要インフラ事業者などのウェブサイトが改ざんされる被害を受けました。 国家は社会経済システムを安定的に機能させ、国民の安心・安全を守り、経済の更なる発展、文化の繁栄に寄与しなければなりません。 そして、人々を真なる幸福の実現へと導き、この国に生まれ、この時代に生まれてよかったと、人々が心の底から喜べるような国造りをすべきです。 ◆サイバーセキュリティで遅れをとっている日本と今後の対策 日本はサイバーセキュリティに遅れを取っていると言わざるを得ません。人材と予算において米国と比較をしてみたいと思います。 米国はシリコンバレーを拠点に民間企業の協力を得てサイバー攻撃を防ぎ、軍のサイバー軍を2016年までに6,200名へ増強する計画を立てています。官民の専門化が常駐し、協力してサイバー対策技術の開発や人材確保など手がけています。 これに対し、日本は今年1月に内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を立ち上げましたが、人員は約80名。増員する方針ですが「100名以上」にとどまっています。 昨年3月に発足した自衛隊のサイバー防衛隊も約90名。原発など重要インフラの対策はNICSや所管省庁が担い、サイバー防衛隊は防衛省・自衛隊を対象にしたサイバー対処が主任務となります。 双方を合わせても200名に届かず、人材不足が課題です。 さらに、予算規模も開きがあり、米国はサイバーセキュリティ強化に向けて2016年度予算案に140億ドル(約1兆7,276億円)を割り当てています。 それに対し、日本では2015年度の情報セキュリティ関連の予算概算要求額は367億円。国家規模の違いを考慮に入れたとしても、遅れをとっている状況を鑑みて、もう少し力を入れても良いと考えます。 今後の対策としては、サイバーセキュリティを確保するための人材確保と育成強化。産学官民が一体となりサイバー脅威への対処能力を培うための啓発活動の促進。 サイバーセキュリティにおける国際パートナーシップの強化。サイバー攻撃があった際に反撃を可能とするなど毅然とした対応が出来るよう法的整備を促進することが考えられます。サイバーセキュリティの面においても、国防意識の強化を促していかねばなりません。 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ――愚かな政治家は大衆に阿る(1) 2015.06.13 文/幸福実現党・京都府本部副代表 植松みつお ◆極東の火薬庫、「朝鮮半島」の歴史の趨勢に学ぶべき時 ここ二千年余りの極東の歴史を俯瞰して観るならば、朝鮮半島の混乱は日本にも影響が出て、互いが緊張状態となり、その当時の体制に揺らぎが出て、時として戦闘行為や、場合によっては国家が滅ぶという事態が過去六度ありました。 今回、4回に分けて「朝鮮半島」の歴史から教訓を学んでみたいと思います。 その教訓を掴んでおくことが転ばぬ先の杖となり、プロシアの名宰相ビスマルクの至言である「賢者は歴史に学ぶ」ことになると思います。 そして、結論を先に申せば、過去の歴史に学び、為政者たちがその教訓を生かし、しっかりとしたビジョンを共有し、協調・協力し合ってリーダーシップを振るい、互いが自国主義に陥ることなく、世界の平和と安定、更に自由と繁栄を守り抜く気概を態度で示すことが大事です。 特に、先進国のリーダーは発展途上国の繁栄にも寄与する国家経営モデルを開発し、共有させることが、地球世紀のより良き未来を構築となればいいと考えるからです。 ◆過去二千年の朝鮮半島有事の歴史を振り返る では、二千年前からの史実に遡って考えてみましょう。 (1)3世紀、三韓征伐の時代 まず、一度目は3世紀頃の三韓征伐に遡ります。 その主役でもある神功皇后(息長帯比売命)は、新羅の王家の末裔(『古事記』の応神天応記によると、母方の系譜が新羅国の王子、天之日矛)であり、滋賀の北近江坂田にご生家がありました。 その後、仲哀天皇に嫁ぎ、(この時点で、新羅の王家の末裔と天皇家が繋がっている事実が分かります)滋賀の穴太(高穴穂)に住まわれました。 朝鮮半島の有事により、神功皇后が新羅を攻めたことで、新羅の方々は、そのご威光に打たれ(実際は、王家の末裔によるお郷帰りと言える)、ひれ伏したとも伝わっています。 その後、三韓(馬韓こと後の百済、弁韓こと後の任那・加羅、辰韓こと後の新羅)からの朝貢を受けます。 また、三韓征伐をされた際、応神天皇を身籠もっておられ、そのお子が仁徳天皇です。あの巨大な仁徳天皇陵を見れば、いかに徳の高い天皇であったかが分かります。 こうして日本の天皇中心の徳治政治が確立していくことになります。 ここでの教訓は、日本と朝鮮半島の南部とは国体的に深い関係があったということです。朝貢を受けていたのは日本の皇室であったことを見れば、立場的に日本の方が上位にあったのは事実です。 (2)7世紀、白村江の戦い 次に、2度目が飛鳥時代です。 日本・百済連合軍VS唐・新羅の連合軍という図式のなか、李舜臣という英雄の登場により、日本・百済連合軍が白村江の戦いに敗れます。 その後、朝鮮半島は新羅によって統一されますが、戦いに敗れた日本は、防衛上、天智天皇のもと、大津京に遷都します。 その後、壬申の乱を経て、主導権を握った天武・持統天皇の体制下、再びの奈良・藤原京への遷都を行い、日本は本格的な律令国家として固まってゆくのです。 ここでの教訓は、戦いに敗れることで、国家としての弱点が明らかになったということです。 それは、大東亜戦争も同様ですが、国家経営の基盤が脆弱だったことです。それを敵国だった唐に遣唐使を出して学び、都のインフラや国防体制を固めます。 その点で、敗戦は国家としては痛手ですが、イノベーションの機会となり、新たな人材や諸制度を生む機会となることもあり、要は、勝者から何を学ぶかという視点が大事だと思います。 (つづく) 憲法9条改正――周辺国の「公正と信義」に信頼して国は守れるのか 2015.06.12 文/幸福実現党スタッフ 荒武 良子(あらたけ・りょうこ) ◆憲法9条の3つの要素 憲法9条は、以下の3つの考えから成り立っています。 (1)「戦争の放棄」 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 (2)「戦力の不保持」 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 (3)「交戦権の否認」 交戦権は、これを認めない。 ◆周辺国の公正と信義に信頼して国は守れるのか 以上の3つの要素から成り立つ9条の特徴は、明確な侵略意図を持った国が、日本に攻めてくる場合について想定されていないことです。 憲法の前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」日本の国を守ると表現されていますが、周辺の国に、戦争の意図がないことが前提となっています。 この考え方は、(1)戦争放棄の考えのもとに、(2)戦力を持たず、(3)交戦権がない場合、仮に明確な戦争の意図を持った国が日本に向かってきた場合、相手の国の思うがままになってしまいます。 ◆朝鮮戦争の教訓 第二次大戦後すぐに、この憲法9条に想定されていない事態が起きています。それが第二次世界大戦の終結から5年後の1950年の朝鮮戦争です。 朝鮮の北側を社会主義国の中国・ソ連が支援し、南側を資本主義国のアメリカが支援しました。この戦争は、社会主義国対資本主義国の代理戦争とも言われています。 このときにアメリカは、それまでの日本への非軍事化政策を変更し、再軍備を指定しました。そして現在の自衛隊のもととなる警察予備隊が組織されることとなりました。 自衛隊について、これまでの政府見解では、「自衛のための必要最小限度を超える実力(1972年田中角栄内閣)」、などとし、9条で言う「戦力」にはあたらず、「合憲」となっています。 また、最高裁は、自衛隊が違憲かどうかについて、「高度な政治性を有する問題は、司法審査の対象になじまず、国会など、国民から直接的に信託を受けた機関が判断すべき」とする「統治行為論」によって、憲法判断を避けています。 ◆憲法9条改正を 尖閣諸島を領有しているのは日本ですが、数年前から中国の公船が尖閣諸島海域を航行し、時には領海侵犯まで起こしています。 他にも日本が領有していた竹島問題を韓国は不当に領有を主張し支配してしまいました。 こうした状況を見ても、日本国憲法前文にいう「平和を愛する諸国民」とは言えない国が日本の周辺には存在しています。 こうした現状もふまえ、憲法9条の「戦争放棄」について、現実に自衛隊が必要であれば、憲法を変えた方がよいでしょう。 「平和主義を基調とする」のは良いと思いますが、「侵略的戦争はこれを放棄し、防衛のみに専念する」と変更すればよいのではないでしょうか。 「そのための戦力は、固有の権利として、これを保持する」とはっきりと規定し、解釈改憲ではなく、自衛隊法の根拠を、堂々と憲法に明記すべきです。(参考「幸福実現党宣言」) 日韓の歴史観、どこが対立点?あと10日で日韓基本条約50周年 2015.06.11 文/HS政経塾スタッフ遠藤明成 ◆6月22日で日韓基本条約署名からちょうど50年 6月11日の午前中に、日本と韓国の外務省局長会議が都内で開催され、いわゆる従軍慰安婦を巡る歴史認識や韓国外相の来日などを巡って協議が行われました。 「日韓両政府は国交正常化50年の記念式典に、両首脳が相互に出席する検討に入っている」(日経電子版2015/6/11)とも報じられていますが、日韓基本条約が署名された6月22日を見込んで、日韓関係の緊張緩和が模索されているのです。 ◆日韓の歴史認識の主な対立点とは 今後の日韓協議でも、歴史認識を巡る韓国側の強硬路線が障害となりそうですが、日本は安易に妥協すべきではありません。 歴史認識を巡るいわれなき批判に対しては、正確な史実をもって反論すべきでしょう。 慰安婦に関しては、今までのHRPニュースで盛んに取り上げられてきたので、本日は、日韓の歴史観が対立する他の代表的な論点を三つほど取り上げてみます。 【1:日韓併合】 韓国の主流の歴史観では、日本の強制に基づく第二次日韓協約(1905)や日韓併合条約(1910)は国際法的に無効だと主張します。 しかし、ロシアが日露戦争の講和で日本の韓国統治を認めたように、第二次日韓協約は諸外国に承認されています。そして、伊藤博文暗殺などを経て韓国は併合(1910)されることになったのです。 これらの条約は当時の基準では何ら不法性を問われるものではなく、韓国の学者が01年の国際会議で「強制ゆえに無効」と主張した際にも、英国の国際法学者に否定されました(産経01.11.27)。 「自分で生きていけない国について周辺の国が国際的秩序の観点からその国を取り込むということは当時よくあったことで、日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」(J・クロフォード英ケンブリッジ大教授) 【2:伊藤博文暗殺】 そして、韓国側は伊藤博文を暗殺した安重根を英雄として讃えていますが、実際は、韓国併合に反対していた伊藤を暗殺したことで、日韓併合が決定づけられたのです。 (伊藤は保護国化論で、将来的に韓国の自治を促そうとしていた) 【3:日本の朝鮮半島統治】 韓国側は「日帝の略奪」を批判しますが、日本が日露戦争に敗れた場合は、朝鮮半島全土がロシア領となり、ロシア革命後には朝鮮全土が社会主義化したことでしょう。 そして、日本の朝鮮統治が非人道的なものだったというのも事実に反しています。 例えば、評論家の黄文雄氏は「日帝の略奪」論に以下のように反論しています(WiLL2010年10月号)。 ・殖産興業によって生活レベルが上がり、医療衛生が普及した。米の生産高や人口が倍増した。アイルランドがイングランドと合邦後、人口が3分の1になったのとは対照的。 ・朝鮮総督府は初めて半島国土調査と国土開発計画を行い、治山治水、地下資源の開発、インフラへの投資を行なった。 ・日本は42円(市場価格)の朝鮮米を64.5円で買うなど、逆ザヤで朝鮮を資金援助している。 黄文雄氏は「併合以来、年に千数百万円から2000万円の一般経費補助金が、朝鮮総督府会計に補填され続け、財政運営を支えてきた」(『朝鮮半島を救った日韓併合』)とも述べています。当時は大量のお金が日本から韓国へと流れていたのです。 日本は朝鮮人の名前を奪い、差別したと批判されますが、そもそも日本統治以前の李氏朝鮮では下層階級や女性の多くには氏が与えられていませんでした。 明治維新以降、百姓が公式に苗字を名乗ることを認めたように、日本は身分制社会を平等に苗字を持てる社会に変えようとしたわけです。 そして、日本軍には洪思翊(こうしよく/ホンサイク)中将を始めとした多数の朝鮮人の軍高官がいました。欧米軍に比べれば非常に公平だったのです。 ◆怨恨に対して、歴史の真実をもって答えるべき 韓国側の反日史観は怨恨に彩られており、その史観には、日本を敵とすることで自国内の問題から国民の目をそらせようとする政治的意図も伺えます。 日本側としては、怨恨に対して歴史の真実を示し、いわれなき批判から自国の誇りを守ることが大事だと言えるでしょう。 時価総額バブル期超え――バブルとは言わせない本物の繁栄に向けて 2015.06.10 文/幸福実現党埼玉県本部幹事長代理 HS政経塾2期卒塾生 川辺賢一 ◆東証一部、時価総額バブル期超え 先月22日、東証一部の時価総額が591兆円に達し、バブル絶頂期(1989年12月)を上回り、25年ぶりに過去最高を記録しました。 こうした経済状況に対して、アベノミクスを評価する声もあれば、「官製相場」だと言ったり、「政治が無理やり作ったバブルだ」と言う声もあります。 では、私たちは一体、現在の経済状況をどのように分析し、どのような未来経済に向かうべきなのでしょうか。そこで本稿では経済金融の観点から、現在の分析と未来への提言を行います。 まず現在の相場を特別「官製相場」であるとする考えに対して、筆者は違和感を持ちます。 というのも、もし現在の相場が「官製」なら、「官製」でない相場を探す方が難しいからです。 例えば2003年4月末、厳格な不良債権処理に向けた小泉政権の方針発表を受け、当時バブル後最安値であった7603円台まで急落した相場も、デフレ容認的だった民主党政権期に8千円台~1万円台で低迷し続けた相場も「官製相場」に違いありません。 中央銀行を中心とした現代の銀行制度や統一的な財政制度を持つ近代的な主権国家を前提とするならば、良いか悪いかは別にして、政治の影響を受けない株式市場は存在しないのです。 そして一般に株価は景気の先行指標と言われますから、株は安いよりも高い方が良く、実体経済の回復のためにも株高は必要なのです。 ◆株高から「実感ある景気回復」へ しかし一方で現政権は実体経済の回復を潰すような、間違った政策も実行しております。 先月、名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金が24ヶ月ぶりにプラスに転じたと報道されましたが、24ヶ月も実質賃金が減少し続けたのは異常なことです。 それは昨年4月の消費税率の引上げで、賃金が上がらないのに一般物価が押し上げられたことが原因です。 また日本経済は米国等と比較して、株高が実体経済の回復に波及しづらいと言われます。 それなのに政府は昨年1月、NISA導入に伴って証券優遇税制を撤廃し、株高の実体経済への波及を阻害するばかりか、株高自体を阻害する手を打ってしまっているのです。 幸福実現党はかねてより消費税率5%への引戻しと証券売買に掛かる税金の撤廃を提唱し、株高から「実感ある景気回復」を後押しする経済をつくろうとしています。 ◆中央銀行改革――権力の正統性を問う さて冒頭では「政治の影響を受けない株式市場は存在しない」ということを述べました。 特に昨今の株高やドル高円安の為替相場が、日銀による2013年4月以降の「異次元緩和」や2014年末の「追加緩和」、また米連銀の「QE3終了」や「利上げ観測」によってもたらされているように、いかに中央銀行の権力が巨大であるかが伺えます。 円高が定着すれば、日本企業の海外移転比率が上昇し、円安が定着すれば、日本企業の国内回帰が促されるように、中央銀行の政策は為替への多大な影響を通じて、日本の産業構造をも変える力を持つのです。 しかし、こうした中央銀行の権力に関して、その正統性を問う議論はあまり見られません。 例えば日銀最大の株主は財務省であり、そのトップは財務大臣、そして財務大臣は総理大臣に任命され、総理大臣は国民に選出された国会議員により指名されます。 中央銀行においては時の政治や世論の動向に左右されない「独立性」が重要視されますが、その権力構造を冷静に分析する限り、「独立性」とは名ばかりで、一人一票を原則とした政治の原理と不可分であることがわかります。 「独立性」が担保されなければ、中央銀行は公共性や全体の景気動向を勘案するのではなく、マスコミ先導型の世論や政治の恣意的な判断に従って、例えば倒産寸前の金融機関につなぎ融資を提供したり、しなかったり、その判断を下すことになるのです。 それに対し、幸福実現党・大川隆法総裁は講演で「日銀は新たに出資を求めるべきだ」との提言を行っております。 日銀が民間から出資を募り、民間優位の資本構成になれば、これまでの世論による支配から、市場による支配へと、日銀の権力構造は根底から変わるのです。 現代の銀行制度の中心にあって一国の産業構造に多大な影響を与える中央銀行は、民間の金融機関や産業界の総意が反映される体制であるべきではないでしょうか。 東証一部、時価総額バブル期超えを迎えた今、株高を「実感ある景気回復」へ変え、バブルとは言わせない本物の繁栄を作っていく必要があります。 幸福実現党は新しい提案を通じて、日本と地球全ての平和と発展繁栄に全力で尽くします。 核抑止力の必要性 2015.06.09 文/HS政経塾5期生 水野善丈(みずの よしひろ) ◆国際社会における核保有国の立場 先月5月23日、5年に1度行われる核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書に合意されず閉幕しました。 イランやアラブ諸国が強く主張していた「中東地域の非核化」問題での合意が成立しないだけでなく、「核禁止条約」構想も同文書より削除されました。 日本においては、広島・長崎が求めていた被爆地訪問も中国の反発で盛り込まれない結果に終わりました。 日本は非核保有国の中でも、唯一の被爆国として広島・長崎を中心に核兵器廃絶を訴えてきてはいるものの、核なき国際社会を実現するのは困難であるのが現実です。 なぜなら、日本自身もアメリカの「核の傘下」に守られているように、核兵器を持つことで自国や同盟国を安定的に守ることができ、それゆえ核保有国にとっては国際社会における発言力を増すものとなっているためであるからです。 ◆核保有を背景に覇権を拡大する中国 現在の中国や北朝鮮を見るにつけても、日本やアメリカに対して発言力を増している背景には、明らかに核兵器を保有していることが発言力に繋がっていると言えます。 特に中国は、アメリカの財政悪化による軍事費の削減が続く中、軍事支出をこの20年間で22倍にも増やし、国防とは考えられないほどの軍事拡大も強めています。 また、近年では「一帯一路」構想を提唱しているように、ユーラシア大陸すべてに覇権拡大を狙っており、その勢いは世界各国を中国の傘下に置こうとしているようにも見えます。 現在の中国は、20年前には考えられないような大国となっており、経済成長とともに軍事力を増強し、核兵器を保持することにより国際社会においても存在感を強めています。 ◆共産主義圏が核兵器を持つ怖さ また、自由主義圏が持っている核兵器と共産主義圏が持っている核兵器とでは、意味あいが少し違うということも認識する必要があります。 自由主義圏の核兵器の使用に関しては、国民の世論によるチェックが効き、さらには国際世論によるチェックも効くため、核実験すら行うには厳しい目が向けられ核兵器使用の抑止となっています。 実際に過去フランスで核実験が行われた際は、国際社会に予告もされ、それに対して国際世論から非常に非難を受けています。 自由主義圏では、核に関して、こうした透明性があるのです。 しかし一方で、共産主義圏である中国は、国家主導で情報遮断が行われ、国内においては言論の自由、出版の自由など国民の自由が制限されているので、国民が戦争や核兵器に反対することができません。 このように共産主義圏では核兵器の透明性は皆無に近いのです。 実際に、中国は1995年5月のNPTの無期限延長に署名をした数日後に、新型の核弾頭の実験を行い、自国のアジア・太平洋における力を誇示させ国際社会を驚かせました。 同様に独裁国家である北朝鮮も本年2015年、日本海に向けてのミサイル発射を行っており、日本やアメリカに向けて脅威を示しています。 これをみても独裁者の一声で核実験やミサイル発射が行われる中国・北朝鮮が核兵器を持つことは、自由主義圏が核兵器を持つことよりも一層恐ろしいことを認識する必要があるでしょう。 ◆日米同盟強化だけで日本は安全といえるのか 現在、中国のアジア・太平洋における覇権拡大に備え、安倍政権では安保法制の見直しがなされ日米同盟は強化されています。 しかし、2020年代になると中国の実質経済規模と軍事予算規模はアメリカを凌駕し、世界一の規模になると予想されています。 もし中国の経済力・軍事力が世界一になったときに、アメリカが日本を守ってくれるか保障はありません。 米政治学者のミアシャイマー教授も著書で「中国の経済規模がアメリカよりも大きくなれば、中国は巨大な軍事能力を獲得し、アメリカに対して数多くの屈辱を与える能力を持つ国になる」と分析しています。 中国がアメリカを超えるパワーを持ったとき、日本人の命を守るためアメリカ人が犠牲になることはまずないと考えられます。 つまり、現在進めている日米同盟強化は重要なことではありますが、それで日本の防衛が十分であるかは別の話であるということなのです。 ◆日本は精神的脱藩し自主防衛体制を整えるべき アメリカの「核の傘」で守られてきた日本でありましたが、これからは真剣に「自分の国は自分で守る」ということを考えていかなければいけません。 日米同盟を堅持しつつも、中国・北朝鮮の核兵器の恫喝に屈しないため必要最小限の自衛能力として「自主的な核抑止力」も持つべきであるでしょう。 しかし、この核兵器の保有の議論は長らくアメリカや日本国内における反発により進んでこなかったのです。 こうした現実に則した国防の議論を進めていくためにも、アメリカに頼りっぱなしの精神、そして、戦後70年間、日本国民が持ち続けてきた自虐史観から精神的脱藩をしなければならないときが来ているのではないでしょうか。 横田基地「オスプレイ配備反対運動」への疑問 2015.06.07 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆安倍総理米議会演説に合わせ、反対運動 去る5月11日、東京都の横田基地に新型輸送機「オスプレイ」配備の検討がされている、との報道がありました。 菅官房長官、中谷防衛大臣ともに「日米同盟の抑止力を向上させる」と説明している所から、中国の太平洋進出に対しての対抗措置である事が伺えます。 特に、同じ「東京都」である小笠原諸島近辺では、中国船によるサンゴ密漁事件が多発していました。 これも尖閣諸島での事件同様に、安全保障上、注目すべき問題で、米軍も対策に乗り出している事が分かります。 このことは、日本の安全保障上、歓迎されるべきことなのですが、報道では「周辺自治体の対応はいかに」「住民たちも反対」などと言った、配備決定に対して疑問を持たせる報道が続きました。 まさに、「普天間基地の移設問題」と同じトーンでの報道で、安倍総理が米議会で歴史的な演説を行い、日米同盟にとって、さらなる強化の方向が出てきた中だけに、そうした流れに水をさすような印象を与えるものでした。 極端な形になると、普天間基地と横田基地の航空写真を並べて掲載し、「最後に被害を受けるのは、基地周辺の住民」というイメージづくりがはっきりと分かります。 ◆オスプレイ事故の一番の被害者は米兵自身 さらに、オスプレイ関係のニュースは続きます。 5月18日に、ハワイでの訓練中に事故が発生し、2人の海兵隊員が死亡しました。沖縄県は、このニュースに敏感に反応し、翁長知事及び沖縄県議団がハワイを訪問し、事故の実態を調査しています。 しかし、実際に事故が発生した場合、確実に被害者となるのは、乗っている米兵です。常識のある人間であれば、新型の航空機の安全性について、これを最大限に向上させる事を第一に考えるはずです。 特に米国は、民主主義国であり、兵隊の生死について、大変敏感に反応する国柄です。当然、軍用航空機の安全性についても最大限の配慮をするはずです。 現在、航空機の安全性は「事故率」という指標で判断されています。これは、10万飛行時間当たりの重大事故件数を示したもので、オスプレイは、1.93という数字が記録されています。 これは、米軍航空機の平均値である2.45より低い数字で、「オスプレイが危険」という報道は、正しいものではありません。 ◆なぜ、「オスプレイ」が横田基地に配備されるのか さらに、「オスプレイ」と、日米で運用されている代表的なヘリコプターであるCH-47との比較をみれば、なぜオスプレイが横田基地に配備されるのかが、分かります。 1、最大速度「オスプレイ」 565キロ/時 →「CH-47」 315キロ/時 2、航続距離「オスプレイ」 3,590キロ → 「CH-47」 2,252キロ 上記のとおり、小笠原近海で中国海軍による軍事的な紛争があったとしても、オスプレイを導入することで、より早く現地に到着することができるのです。 報道で、これらの事について全く触れていない事が、公平を欠いていると思いました。 ◆横田基地周辺の市民は本当に反対しているのか また、気になるのが「周辺自治体の住民が反対している」という話です。 報道では、市民が周辺自治体の庁舎を巡り、「オスプレイ」配備について、反対の意志表示をするよう要請している映像を流すと共に、要望を出した市民の方へインタビューを行っていました。 その中では、「なぜオスプレイ反対なのか」について合理的な理由が欠けており、やや感情的な議論になっていると感じました。 私には、基地周辺の自治体である「福生市」「瑞穂町」「武蔵村山市」に、今回のオスプレイ配備の「被害者」となる知人・友人がおります。 さらに、実際に私も、福生市へ行ったのですが、報道とは異なり、オスプレイ配備についての危機感を持っている市民はほとんど見受けられませんでした。 確かに明確な推進の意思表示をする方はいませんが、かと言って、反対の声を挙げている市民もほとんどいないのが実態です。 また、昨年、横田基地で行われたイベント(横田友好祭)で、「オスプレイ」の展示が目玉となり、多くの訪問者たちが喜んだことも事実です。 ◆日米同盟の強化を基本とした判断を このように、日本の安全保障上、オスプレイの配備は、反対すべき理由はほとんどないにも関わらず、「周辺自治体の住民」の声なるものが実態以上に報道されているのが実情です。 沖縄では、普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げています。現時点では、米軍は日米同盟に基づき、基地を維持しておりますが、米国では、オバマ大統領の財政政策が厳しい状態にあり、軍事費についても削減の方向が打ち出されています。 このまま沖縄や、今回の横田基地での市民運動が勢いを持つようになると、在日米軍の撤退という判断もありえる事は考えておくべきです。 従いまして、中国の脅威が日に日に増している現在、日本は、日米同盟の更なる強化という方向に基づき、「オスプレイ」配備も、反対する必要はなく、本来、歓迎すべきことなのです。 皆さまのご理解を賜りますよう、お願いいたします。 沖縄――視野を広げることで「真実」は見えてくる 2015.06.05 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆沖縄からの抗議の電話 先日5月17日の「沖縄県民集会」ですが、下記の動画がインターネットにアップされました。 「オール左翼」の5.17沖縄県民大会【沖縄最前線!】 その直後、沖縄から抗議の電話がかかってきたのです。 「自分は、5月17日の沖縄県民集会に参加したが、なにが『オール左翼』だ!自分は左翼でもなんでもない。なんで沖縄県民を『オール左翼』だと決めつける!」 声の主は相当、怒り心頭で、確かに、沖縄に住んでいる人からすれば「オール左翼」と言われるのは、心外かもしれません。 どう返そうか、一瞬迷いましたが、これも「対機説法」です。 「私も当日参加しましたが、沖縄県民の方だけでなく、大阪、北海道、三重、千葉など、全国の労働組合の人たちが参加していました。それを『オール左翼』と言っているんです。」 「でも自分は左翼でもなんでもない!」 「そうですね。あなたは沖縄の方であり純粋に参加したのでしょう。」 「そうだ。だから左翼ではない!」 「私たちが言いたいは、翁長知事が前から『オール沖縄』という言葉を使い、あたかもオスプレイや米軍の辺野古移設に対して沖縄県民の全てが反対であるかのような印象操作をしているので、それを打ち消す意味で『オール左翼』という言葉を使い批判しているんです。」 「いや沖縄県民は、約80%が米軍反対だ。」 「私がつかんでいる感覚では、米軍反対は半分ですね。米軍を認めるような発言をするとすぐ左翼が攻撃し言論を封殺するので米軍反対派の声しか聞こえていないだけです。だから『オール沖縄』ではありません。」 「そんなことはない。米軍反対派がはるかに多い。」 他にも、普天間基地の辺野古移転が出来ない理由など話したのですが、ずっと平行線は続きました。そこで私は視点を変えました。 ◆沖縄を思う気持ちは同じ 「ところであなたは沖縄をどうしたら幸せにできるかを考えて頑張っているのですよね。それは私も同じです。私だって沖縄県の人たちに幸せになってもらいたいから活動しているのです。その思いは同じです。」 日本を中国に差し出そうとする確信犯は別にして、お互いに「沖縄を愛している」という「同じ原点」に立つと、相手も自然と声を和らげ、聞く耳を持つようになりました。 「米軍がない方が沖縄にとっては良い、それはわからないわけではありません。しかし1980年代にフィリピンは、米軍を追い出した後、中国がそれまでフィリピンが領有していた海域をどんどん取ってしまいました。最近は人工島を造って軍事基地にまでしています。」 「う~ん!?」 「中国は台湾だって2020年くらいまでに取ろうとしているし、沖縄だって中国のものだと最近は言っています。」 「台湾を2020年までにとると言ってるの?」 「邪魔な米軍がなくなれば、中国は沖縄だって取りやすくなります。中国だって頭が良いですから米軍に弾丸は撃ちません。国連に働きかけ米軍を沖縄から追い出す画策をしているんですよ。」 【参考】――「中国、アルゼンチンなど少なくとも6カ国が沖縄の米軍基地に関し、沖縄の人々の自己決定権や土地権、環境権、女性の人権などが侵害されているとし、米国に改善を勧告したことが19日分かった。(5/20琉球新報)」 私は続けました。 「チベットやウイグルだって中国の自治区になり、人権侵害しています。このままでは沖縄も同じようになる方向に向かっているし、だから私は沖縄を守りたいと真剣に考えています!」と確信を込めて伝えました。 その後、「原発は賛成か、反対か」の質問を受け、「日本の経済を考えれば原発は、再稼働すべき」とはっきり申し上げましたが、最初のような反発は返ってきませんでした。 試しに「また沖縄に行きますから会いますか?」と聞いてみると、「それはごめんだ」という様子で、最後は「いろいろと教えていただきありがとうございました」と電話は切れました。 ◆視野を広げることで「真実」は見えてくる 今回の教訓は、沖縄の「閉ざされたマスコミ報道」の中で生きていると、知らず知らずに左派の感化を受けてしまうということです。 「世界観が沖縄だけ」であれば、それは米軍がない方が良いに決まっています。しかし「もっと広い視野」で世界を見れば、沖縄を狙っている国の存在が見えてきます。 沖縄という空間から視野を広げることができれば、どんな選択をすべきか自ずと見えてくるのです!こうした啓蒙活動が沖縄には必要なのかもしれません。 すべてを表示する « Previous 1 … 115 116 117 118 119 … 253 Next »