Home/ 2020年 May 2020年 May 世界恐慌をサバイバルするセルフ・ヘルプの精神【前編】 2020.05.31 https://youtu.be/T0CHRHSZNKk 幸福実現党外務局長及川幸久 ◆100%自己責任という考え方 前編では、「セルフ・ヘルプの精神」の大事な側面として「ポジティブシンキング」について述べましたが、他にも大きな側面として「100%自己責任」の考え方があります。 20世紀に世界で一番売れた本だと言われている1993年に発刊された『心のチキンスープ』という本があります。 著者はジャック・キャンフィールドという人です。この本を出すまではまったく売れない作家でした。 ジャック・キャンフィールドは、別の本の中でこう言っています。 「人生の責任を100%自分で持とう。」 その中で、トヨタの高級車「レクサス」のショップの実話を紹介しています。 このお店ではロサンゼルスの富裕層がやってきて高級車レクサスが飛ぶように売れていました。しかし1991年湾岸戦争が始まるとピタリとアメリカの経済は止まり、全然車が売れなくなってしまったのです。 しかも、簡単に終わると思ったの戦争は延々と続きました。 今起きていることの責任は湾岸戦争にあるのか。それとも自分にあるのか。ディーラーは「この責任は、すべて自分にある」と考えました。 戦争は自分ではコントロールできない範囲で起きてしまったこと。しかし車が1台も売れないという状況は自分に責任がある。そう考え方を変えたら一つのアイデアが浮かびました。 そして、街の高級住宅地でセレブがやっているパーティーにレクサスの新車を持っていき、試乗をすすめたのです。 するとハンドルの握りやエンジンの具合、車の座席のクッションの心地よさが新しいということでレクサスが売れ始めたのです。 これによって、このディーラーは新たな顧客を得ることができ、戦争があっても売り上げを上げるようになりました。 ここでジャック・キャンフィールドが言いたかったことは、自分がコントロールできないことが起きたとしても、自分の「念い、イメージする力、行動は、完全なる自由が与えられている」ということです。 その自由を行使することによって、「セルフ・ヘルプの精神」で自分の道を拓くことができると言っているのです。 これが、「100%自己責任」という考え方です。 ◆運命がレモンをくれたらそれでレモネードを作れ もう一つは、「運命がレモンをくれたらそれでレモネードを作れ」です。 以前にも紹介した幸福実現党の大川隆法総裁の『鋼鉄の法』は、サミュエル・スマイルズの『自助論』をもっと現代的に書いています。 この本の中に「運命がレモンをくれたらそれでレモネードをつくれ」という話があります。これは、デール・カーネギーの『道は開ける』の中にも出てくる言葉です。 「運命がレモンのようなすっぱい、つらい経験を自分に与えたとしたら、そのつらい経験からレモネードという甘くていいものをつくっていこう」というたとえ話です。 失敗は失敗で終わらせてはいけない。失敗して、挫折して、絶望して、人によっては、自分の命を失う人もいるかもしれない。しかし失敗というのは使い方があるのです。 「次の仕事のヒントにできないか」「同じ失敗をしないようにできないか」という問いかけを自分にして、ここから教訓を得ようとすることです。 ここまでが「セルフ・ヘルプの精神」の側面として、「ポジティブシンキング」「100%自己責任」「運命がレモンをくれたらそれでレモネードを作れ」を述べました。 ◆心の対話の方法 最後に自分自身との「心の対話」の具体的な方法についてです。 ナポレオン・ヒルは、90年前の世界恐慌の時に『THINK and GROWRICH』(『思考が現実化する』)という本を出して、恐慌の中で苦しんでいる人々を元気づけました。 実は、ナポレオン・ヒルは、世界恐慌のさなかにもう一冊重要な本を書いています。 日本語版では、『悪魔を出しけ!』というタイトルですが、英語のタイトルも同じ意味で『悪魔を出し抜け』です。 ナポレオン・ヒル自身が、自分の心の中で自分の心の中にある悪魔と対話をする内容です。「自分の中の悪魔」と戦えということです。 自分を失敗させ不幸にするものは、政府でも他人でもなく、自分の中の悪魔なのだと言っています。 新型コロナウイルスの正体は、「中国共産党ウイルス」であり、その狙いは何かというと、「人々に恐怖や絶望を与える」ことです。 ナポレオン・ヒルは、「自分の中の悪魔を撃退せよ」と、これがまさに世界恐慌を撃退することになるのだと。そのために自分自身との「心の対話」が必要です。 まず、一人になる空間を見つけてください。皆さんの自宅でもどこでもいいです。そして目を閉じて深呼吸を繰り返してください。 心が落ち着いたと思ったら、自分で自分に質問して、その自分がした質問に自分で答えるのです。 例えば「立志」について。 「私は、政府や他人に頼るのではなく、自分のことは自分で守るつもりか?」 そう自分に問いかけてみて、自分と対話するわけです。 「ポジティブ思考」について。 「私は、目の前の事実が変えられないと思い込んでポジティブに考えることを忘れていないか?」 「100%自己責任」について。 「私は、人生の責任を100%負っているか?」 そして「失敗」について。 「私は、失敗から教訓を得ているか?」 このように、静かな空間の中で自分に対して聞いてみる。これが心の対話です。 世界恐慌を乗り越えるためのサバイバル術とは、それは「セルフ・ヘルプの精神」です。 それを「心の対話」の実践によって身につけていく。それが今この時期にやるべきことだと考えます。 世界恐慌をサバイバルするセルフ・ヘルプの精神【前編】 2020.05.30 https://youtu.be/T0CHRHSZNKk 幸福実現党外務局長及川幸久 ◆イギリスを繁栄させたセルフ・ヘルプの精神 コロナウイルスの被害というよりも経済的な問題が、日本、そして世界で深刻な問題になってきました。 イギリスの著述家サミュエル・スマイルズは、「天は自らを助くる者を助く」(セルフ・ヘルプの精神)という有名な言葉を残しました。 幕末、徳川幕府は、当時の覇権国であったイギリスに海外の技術や知識を日本に導入するため若手を留学させました。その留学団のリーダーが中村正直です。 中村の問題意識は、「同じ島国なのに、どうしてイギリスが覇権国として、これほどまで繁栄したのか」ということでした。 まず、イギリスの工業生産力に驚くのですが、夜は街灯が光を放って明るい。家は江戸城の塀よりも高く、しかも住んでいるのは庶民が住んでいる。これに中村は驚いたわけです。 そのうち日本では江戸幕府が倒れ、留学団は帰国することになりました。 船で帰る直前に中村の知り合いのイギリス人が、「今流行っている本はこれだ」と渡したのが、サミュエル・スマイルズ著『セルフ・ヘルプ』という本だったわけです。 この本は、150年前、聖書の次に読まれていた本で、大ベストセラーだったのです。イギリスをイギリスたらしめた秘伝書と言われています。 300人近くのイギリスの庶民が「自助努力の精神」を発揮して、コツコツ努力して成功してきたサクセス・ストーリーを集めた本でした。 中村は帰りの船の中でこれ読み、「イギリスに繁栄をもたらした答え」はこれだとすぐに理解しました。それが「セルフ・ヘルプの精神」だったわけです ◆「立志」で世界列強に仲間入りした日本 中村は、この本を帰りの船の中で繰り返し読んで暗記するくらいになったと言われています。彼自身は、この本の本質を次のようにつかみます。 セルフ・ヘルプの「自助」とは何か。それは、努力したら道が開けます。それだけではないのです。 そうではなくて、まず志を立てる。志を立て努力によって志を成し遂げる。これがセルフ・ヘルプなのだと。この中心概念をつかみました。 これを中村は、「立志」と呼びます。 日本に帰ると彼自身はこの本を日本語に翻訳して『西国立志編』というタイトルで出しました。 『西国立志編』の西国とは、イギリスのことです。「立志」とは彼がつかんだ「セルフ・ヘルプの精神」だったのでこういうタイトルにしたわけです。 徳川幕府には、「立志」という概念がなく、武士はみんな「幕府にぶら下がっていた」と言うわけです。この本は、明治時代に100万部を超えるベストセラーになりました。 日本は鎖国を続けていた遅れたアジアの国だったのですが、しかし江戸時代から識字率は高く、この本を読んでいなかった者はいなかったと言われるぐらいでした。 その結果、日本は世界列強に仲間入りを果たしたのです。 ◆サバイバル精神が日本を繁栄させる この話を現代に当てはめると、今は不況・恐慌の心理状態にあります。そういう時に人々はどんなことを思ってしまうのか。 「幕府にぶら下がる精神」を、今に置き換えると「政府にぶら下がる精神」になっています。 人々が生活で困っているなら、すべての人の家賃は全部政府が持て。給料も全部持て。電気代も全部持て。何から何まで政府が全部持てばいいじゃないかというような政党もあります。 そうなると、国民も政府が何とかしてくれると思うようになります。 これは、「セルフ・ヘルプの精神」と対極にある考えです。政府に頼る気持ちを捨てて、自分のことは自分で守る。サバイバルする「自助の精神」を持つ人が多い国は繁栄します。 サミュエル・スマイルズの『セルフ・ヘルプ』はこれを説いていました。 ◆どんな時でもポジティブに考える アメリカでは、ノーマン・ビンセント・ピール牧師が世界的なベストセラー『ポジティブシンキング積極的思考の力』で重要なことを言っています。 「目の前の事実がどんなに困難で、絶望的だとしても、それは重要ではない。重要なのは、その事実に対する私たちの姿勢だ。なぜならポジティブな思いを持っていれば、その事実を変えられるから。」 これが「ポジティブシンキング」の中核部分です。 今、「目の前に起きている事実」は重要じゃない。それが10年に1回の不況であったとしても、100年に1回の恐慌であったとしても、それは重要ではない。 重要なのは、「事実に対する私たちの姿勢」なのだと。その姿勢がポジティブであるかどうかだと。ポジティブであったらそれを変えられると。 ここに「セルフ・ヘルプの精神」の大事な側面があります。どんな時も「ポジティブ」に考えることです。 今、自分の人生に何が起きているか。会社が倒産しそうになっているかもしれない。失業しそうになっているかもしれない。給料がもう出ないかもしれない。ボーナスなんかあり得ないかもしれない。 そんな時であったとしても「ポジティブ」に考えるという姿勢が目の前の事実を変えるのだと。 (つづく) 世界の工場は中国からインドに。日本も台湾を参考に国内回帰を。 2020.05.29 https://www.youtube.com/watch?v=YFj84vVAbhI 幸福実現党広報本部長補佐 畠山元太朗 ◆世界の工場は中国からインドに 米中貿易戦争が始まって以来、中国に進出している企業はチャイナリスクを意識し、脱中国を進めてきました。 しかし、トランプ政権がコロナウイルス感染拡大に関する中国への責任追及を強め、米中対立が激化するなか、脱中国の動きが広がっています。 インドの「Economic Times」によると、アップルは今後5年間でインド国内のiPhone生産施設の大幅な拡大に動いています。 アップルの主力製品であるiPhoneの大半は台湾の「鴻海(ホンハイ)精密工業」が、中国本土にある工場で製造しています。 アップルのサプライチェーンは、本社は設計・マーケティングを担当し、ソニーなどの高品質の部品を各国から調達し、中国の工場で最終製品の組み立てを行っていました。 しかし、米中貿易戦争が激化する中、生産拠点を分散化するためにインドに工場を建設しました。 今回の生産設備拡大が行われると、今後5年間でiPhoneの5分の1はインド製になります。 インド政府高官によれば、今後5年間で400億ドル(約4兆3000億円)の収益を生み出すとコメントしています。 さらに、インド政府は中国からの生産拠点移転を検討する米国企業の誘致に本腰を入れています。 4月だけで、米製薬大手(アボット・ラボラトリーズ)を含む1,000社以上と協議しました。 インドではモディ首相のもとで「Make in India」を掲げ、インド製造業の振興を図っていますが、米中対立を契機に一気に進めたいという狙いがあります。 インドは中国に並ぶ「人口大国」ですが、年齢構成がはるかに若いという特徴があります。 国連統計によれば、2015年の年齢中央値は、中国36.7歳に対し、インド26.8歳です。 また、平均的な所得水準、賃金水準が低いので、「若くて、安くて、豊富な労働力」があります。 これが、インドが、中国に代わる「世界の工場」の地位を受け継ぐ可能性が高いと言われる大きな理由です。 ただ、インド経済の弱点もあります。国家財政が弱いので、「インフラが未整備」という点があります。製造業を振興するためには、「莫大なインフラ投資」が必要になります。 例えば、電力の安定供給は不可欠なので、電力インフラが重要です。停電がよく起こるようでは工場を安定して稼働できません。 物流インフラも大事です。雨季の洪水で物流が止まるようでは、製造大国にはなりません。 この点、日本は新幹線型の高速鉄道や地下鉄などの交通インフラで技術提供していますが、今後大きな需要が見込まれます。 金融機関が中長期債を発行するなどしてバックアップしながら、日本経済の成長戦略の一環として取り組みつつ、日印関係強化を図るべきかと思います。 ◆ベトナム、EUと自由貿易協定(FTA)を結ぶ また、アップルは「脱中国」の一環として、「ヘッドフォン」をベトナムで生産する予定です。 中国の代替国として、インドとベトナムが有力候補で挙げられますが、そのベトナムは5月中にEUとの自由貿易協定(FTA)を締結します。 今後10年かけて双方の輸出品の殆ど全ての(99%)関税を撤廃します。ベトナムは中国、バングラディッシュに次ぐ世界3位の衣料品輸出大国です。 今後、輸出の約2割を占める衣料品や履物の輸出拡大が期待できるとともに、今後ますます脱中国に動く企業の受け皿になっていくでしょう。 ◆日本も台湾を参考に国内回帰を さらに、台湾の製造業が中国から国内回帰する動きを強めています。 2019年1月からの投資額はハイテク分野を中心に7600億台湾ドル(約2兆7000億円)に達しました。単純計算で、対中投資の5倍強のペースです。 台湾の国内回帰の成功には、台湾政府の後押しが効いています。蔡英文政権は2019年1月、新たな優遇策を発表しました。 工場用地の紹介や外国人労働者の雇用規制の緩和、民間融資の金利一部肩代わりなどです。 中国で2年以上の投資実績があり、米中貿易摩擦の影響を受けるなどの条件を満たす企業が対象です。 2期目の就任式で、蔡英文総統は「世界に信頼されるサイバーセキュリティなどの産業供給網を築く」と話し、日米欧との連携を深めて中国依存を加速する姿勢を鮮明にしました。 以上、脱中国の動きとして、(1)インドや東南アジアへの分散化、(2)企業の国内回帰を見てきました。 トランプ政権はインド太平洋戦略を掲げ、中国を外した国際的なサプライチェーン構築を急いでいます。 日本は日本企業の国内回帰を推し進めつつ、自由や民主主義、信仰の価値観を共有するインドや東南アジアの国々との連携を強くし、アジアのリーダーとしての役割を果たさなくてはなりません。 成長戦略インサイト(6)財政投入は戦略性を持って行うべし 2020.05.28 成長戦略インサイト(6)財政投入は戦略性を持って行うべし 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 ――今月25日、政府は5都道県への緊急事態宣言を解除した 4月7日に発令された緊急事態宣言は、今回の解除を受けて約7週間ぶりに、全面的に解除されることとなりました。 政府や自治体の判断の遅れは企業経営者にとって命取りとなります。もっと早いタイミングでの全面解除とはならなかったのか、との思いは拭えません。 今後、感染拡大の第二波、第三波が到来することも予想されますが、政府が再度緊急事態宣言を発出するなど、今回と同様な措置を取るようなことがあれば、日本経済は奈落の底へと沈みかねません。 感染症の出口戦略として、東京都がロードマップを示すなど、自治体が独自に要請の解除に向けた基準を示しています。各要請を緩和するための一定の基準を示すのは良いのでしょうが、感染症の次の波が押し寄せた場合、これが経済活動を継続する上で支障をきたすことにつながりかねません。自治体などが何らかの判断を行うにあたっては、あくまで裁量の余地は残しておくべきでしょう。 今後、経済活動を行いながら徹底した感染症対策を行うべきなのは言うまでもありませんが、それはあくまでも、「国民の知恵を信頼する」ということを基本スタンスとすべきです。 ――27日には、事業規模117兆円に至る第二次補正予算が閣議決定された このうち、一般会計からの歳出分は31兆円余りとなります。いずれにしても、歳出のあり方については、その使途のあり方が問題となります。 日本は政府の失策もあり、経済は既に危機的状況を迎えている中にあって、企業等に対する融資策を強化すべきことには概ね異論はないでしょう。 しかし、雇用調整助成金や家賃支援給付、あるいは困窮学生への支援策等については本来、緊急事態宣言とそれに伴う措置がなければ、その多くは発生しなかったはずの歳出であったと言えます。 感染症の影響が長期に及んで、政府が今後も同様の形で給付策を実施するなどすれば、財政はいずれ持ちこたえられなくなるというのが、実際のところです。 そして、歳出が拡大し続けた場合、次に待ち受けているのは大増税であるということを忘れてはなりません。 今、マイナンバーと金融機関の預貯金口座を連結する案が浮上していますが、これが実現すれば、いずれ、国民の資産が国に丸裸にされる上、これが資産課税の強化に結びつくことになります。 マイナンバーを通じて、支援を受けるべき人に、行政側から迅速な支援が行われるという「プッシュ型支援」が実施されることを見返りに、国民は、大増税という大きなしっぺ返しを受けかねないというのが実態です。 ――歳出のあり方は本来、どうあるべきと思うか 政府は本来、コロナ禍という「レモン」を「レモネード」に変えるべく、戦略的な投資に向けてイノベーションを図るべきです。 具体的には、サプライチェーンを強化するための生産拠点の国内回帰策、あるいは万全なエネルギー供給体制の構築や農業生産力の強化など、経済成長のほか、危機に対応するための自給体制の構築に資する部分に対して、重点投資すべきです。 一方で、第一次補正予算においては、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」が計上されていますが、その額はわずか2,200億円にすぎません。 政府がお金を使おうとすると、どうしても総花的なものとなるのでしょうが、本来あるべき規模感からいってそれが過小に留まることは、決して好ましいことではありません。 アフターコロナにおいて、新たなカリスマ企業家が、次の日本経済を引っ張る一要素となるでしょう。 政府が直接的にお金を使うばかりではなく、例えば、優れた目利きを持つ銀行家を介して、適切な分野や企業家に資金を適切に配分するという考え方も重要です。 政府は既に、政府系金融機関はもとより、官民ファンドを通じた融資策を行うとしていますが、必要に応じて、そうした枠組みを通じた融資策を拡充することは、検討に値するでしょう。 ――民間金融機関の動きとして、例えば横浜銀行は、資本性の強い「コロナ対応劣後ローン」を供給している 各地域の中小企業を支えるのが地銀です。横浜銀行が供給する「資本性が強いローン」は、返済を後回しにできる上、「借入」ではなく、「資本金」とみなすことができるとの性質を持っています。 日本経済を守るためには政府や日銀として、こうした仕組みを支えるための、何らかの枠組みを作ることは検討に値するでしょう。ただ、政府や日銀もある種「経営危機」に陥っている上、政府等の充実したバックアップがあればモラル・ハザードが起こり、例えば、金融機関が借り手にとってメリットが大きい貸し出しを、経営実態に対する検証を十分に行わないまま行うといった懸念もないわけではありません。従ってこの場合、バックアップ策を実施するとしても、「無制限に」というわけには中々いかないのが現実でしょう。 しかし、いずれにしても、ウィズコロナ、アフターコロナの世界に順応することもまた、企業にとっての一つの生き筋と言えます。こうした資本性融資の拡大を支援することにより、企業を救済するばかりか、変化に対応する民間の“サバイバル”を応援するのも良いと思います。 以上 世界恐慌をサバイバルする3つのマインドセット【後編】 2020.05.20 https://youtu.be/LKcqEs1Btn0 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆マインドセット(3)「自分が売りたいものではなく、相手が欲するものを考える」 前回は、マインドセットその1「計画を立てる、未来をデザインする」と、マインドセットその2「―つのドアが閉まると別のドアが開く」を説明しました。 今回は、マインドセットのその3を説明します。 さて、幸福実現党の大川総裁は、2018年の11月に北海道の千歳での講演『繁栄を招くための考え方』(書籍『自由・民主・信仰の世界』)で「恐慌」が来るかもしれないという話をしました。 2019年は、新しい元号になり、2020年は東京オリンピックもありお祝いムードですが、残念ながら人々が手探りの厳しい時代になるだろうという内容だったのです。 まさに今、そうなっているわけです。 この講演の中で大川総裁は、不況でも生き残っている経営者は、「自分が売りたいもの」ではなく、「相手が欲するもの」を考えて、「客のニーズに応えようと努力している人」であると説いています。 緊急事態宣言の中で、休業せざるを得ない人たちが今でもたくさんいます。例えば特に飲食業の方々にとってはお客さんが来ないので売り上げが立たないわけです。 そんな中である高級レストランではテイクアウトのお弁当を気軽に買ってもらえる努力をしている例もあります。 これは、今こういうものができたからでなく、今こういうものが必要とされているから、一生懸命考えて世の中を良くしようと思って努力した結果です。 これも自分自身の「心との対話」をやることによって、今人々が一体何を求めているかがわかるとうことです。 ◆インスピレーショナブル仕事法 この3つ目のマインドセットに関連して幸福実現党の大川総裁が出している書籍『鋼鉄の法』の中に、「インスピレーショナブル仕事法」があります。 「天上界には、この人を手伝ってあげたいと思える人がいたら、インスピレーションを降ろしてヘルプする霊人がたくさんいる。」 ナポレオン・ヒルの「神は自分がこれ欲しいのだと正確にわかっている人の味方になる」という話とほぼ同じ内容です。 未来の計画が明確で、そして世の中のために人々のために、自分は何かをしようと真剣に考え仕事をしている人にはインスピレーションがきます。 そのインスピレーションを受けるためには、「努力とイメージの力」が必要です。 自分ができる努力はすべてやる。同時にイメージを働かせて、未来をデザインする。未来をデザインするとは、まさにイメージ化するということです。 イメージをすることによってインスピレーションというものが降りてくる。受け取れる事があります。これを「心の対話」で試してみてください。 世界恐慌をサバイバルするマインドセットのその3は、「自分が売りたいものではなく、相手が欲するものを考える」ということです。 ◆3つのマインドセットで貧乏神を追い出そう! 世界恐慌の原因になっているのは言うまでもなく、中国発の新型コロナウイルスです。 新型コロナウイルスの正体とは、「中国共産党ウイルス」です。「中国共産党ウイルス」の正体は何か。それは貧乏神です。 みんなが貧乏になる。世界中が貧乏になる。つまり世界恐慌を起こす。これが中国共産党ウイルスの本当の正体です。 新型コロナウイルスに感染して健康を失って、体調悪くし命をなくす方もいらっしゃいます。 しかしそれだけではなく、このウイルスによって貧乏神にとりつかれて、心が貧乏になって、自らの未来に対する希望を失う人たちの方がはるかに多いのです。 この貧乏神を追い出すために、今回は3つのマインドセットをお話致しました。 世界恐慌をサバイバルする3つのマインドセット【前編】 2020.05.19 https://youtu.be/LKcqEs1Btn0 幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆恐怖心を克服する「マインドセット」 今、世界は徐々にロックダウンから解除の方向に向かっていますが、果たしてコロナウイルスの第二波、第三波はやってくるのでしょうか。また世界恐慌はやってくるのでしょうか。 その中で会社が倒産し、職を失い、未来の希望を失っている方もいるかもしれません。そういう方のために今回は、「世界恐慌をサバイバルする3つのマインドセット」をお届け致します。 世界恐慌は、学校で1929年に起きたと教わります。しかし正確にはこの後10年以上続きます。 その世界恐慌の時代にアメリカの大統領になったのがフランクリン・ルーズベルトでした。 1933年、ルーズベルトは大統領就任演説の中で、有名な言葉を発しています。 「私たちが恐るべき唯一のものは、恐慌ではなく心の中の恐怖心だ。」 人々が世界恐慌の恐怖心に苛まれていた時に、私たちが恐るべきものは恐慌ではなく、「心の中の恐怖心」だと言ったのです。 この言葉を言わしめたのは、ルーズベルト大統領のスピーチライターだったナポレオン・ヒルです。 ナポレオン・ヒルは、世界恐慌の真っ只中の1937年に「Think and Grow Rich」という本を発刊しています。これは歴史上の大ベストセラーの一つといわれている名著です。 日本語版では、「思考は現実化する」というタイトルで出ています。 英語タイトル「Think and Grow Rich」は、「考えて、金持ちになろう」です。つまり「マインドセット」が重要だと言っているのです。 「マインドセット」を考えるにあたって、著者ナポレオン・ヒルは、「恐怖心の克服」を最も強調しています。 これが、ルーズベルト大統領のスピーチの中に出てきた言葉です。 ◆マインドセット(1)「計画を立てる」 では、どうしたらこの恐怖心を克服できるのでしょうか。 マインドセットのその1は、「計画を立てる、未来をデザインする」ということです。 職を失って未来がわからないから恐怖心があるわけです。にもかかわらずナポレオン・ヒルは、だから「計画を立てろ」と言っています。 ナポレオン・ヒルは次のように言っています。 「神は、自分の望んでいることが正確にわかっている人の味方になろうとしているようだ。もし本人にそれを手に入れる覚悟があるならば!」 恐慌、もしくは不況になると多くの人々が絶望します。しかし、この時にナポレオン・ヒルが訴えたのは、絶望する前に「未来の計画を考える」だったのです。 これが、世界恐慌をサバイバルするマインドセットのその1です。 ◆マインドセット(2)「―つのドアが閉まると別のドアが開く」 幸福実現党の大川隆法総裁が、12年前の2008年1月に『朝は来ない夜はない』という演題で講演をされました。 タイトルの通り、「夜が延々と続くような乱気流の大混乱の時代、苦難の時代になったとしても朝の来ない夜はない。だから朝が来る未来を信じて頑張っていきましょう」という内容でした。 実は、2008年1月に講演があった時は景気が良かったのです。しかし、2008年9月に何があったかというと、リーマンショックです。それを予知していたかのような内容だったのです。 この時、大川総裁が不況をどう乗り越えたらいいのかについて話されています。 「どんな苦境にあっても必ず立ち直るチャンスはあります。一つのドアが閉まっても、別のドアが開きます。」 これは実は有名な言葉です。電話を発明したアレクサンダー・グラハム・ベルが、「When one door closes, another door opens. (1つのドアが閉まると、別のドアは開く。) 非常にシンプルな話ですが、これは真理です。 ベルのお母さんは難聴だったのですが、それがきっかけで音声学に興味をもち、それを極めていったら電話の発明につながったのです。 この言葉について、ベルはもう少し詳しく言っています。 「ひとつのドアが閉まるとき、別のドアが開く。しかし閉まったドアをいつまでも残念そうに見つめているので、私たちのために開いているドアが目に入らない。」 これと同じことをヘレン・ケラーが言っています。「閉じたドアばかりに目を奪われて、開いたドアに気付かない」と。 この開いたドアを見つけるためにはどうしたらいいのでしょうか。そのためには、自分自身との「心の対話」が必要です。 一人になって心を静めて、自分自身と対話してみることです。 マインドセットその2は、「―つのドアが閉まると別のドアが開く」です。 自分自身との「心の対話」をすることによって、ドアが閉じだかように見えても、開いているドアがあるということに気付くはずです。新しいドアの向こうには必ず光があります。 (つづく) 「コロナ自粛の強要」に「営業の自由」を!【後編】 2020.05.15 https://youtu.be/QV72OmshdrI 幸福実現党党首 釈量子 ◆アベノマスクは何だったのか? 「アベノマスク」も466億円をかけましたが、届いてみたら小学生の給食用マスクの大きさのもので、ポストに2枚入れて終わりです。 配布開始から2週間弱でわずか約3・4%しか配布できず、厚労省によると妊婦向けマスク数万枚に異物が混入して回収しています。 公共事業は、広く業者を募る「競争入札」が基本で、もちろん災害の緊急復旧工事など緊急なものは随意契約を認めていますが、特定の政権との癒着も指摘されています。 そして届いたマスクが、感染源の中国製も含んでいたことに驚きだったのですが、ある調査では、アベノマスクを「使わない」と答えた人は75.9%に上っています。 政府に仕事をやってもらうと、こうしたニーズに合わないことをしてあっという間に時間が過ぎていきます。 気が付いた時には「大恐慌だ」と慌てふためいても、もう遅いのです。 一日も早く、外出自粛および休業要請を終了させていただきたいと思います。 ◆コロナで死ななくても、経済で死ぬ 緊急事態宣言を解除したら「感染が爆発するのではないか」「これまでの努力が水の泡」という声もありますが、「コロナで死ななくても、経済で死ぬ」ことが世界中で問題となっています。 オーストラリア医療協会では7日に声明を出し、「新型コロナウイルスによって、経済的影響を受けた自殺者が最大50%増える恐れがある」と警鐘を鳴らしました。 そして「心の健康と自殺防止に優先的に取り組むことが急務だ」として、政府に対応の拡充を求めています。 オーストラリアでは、新型コロナの死者は現時点で約100人。 一方、毎年約3,000人が自殺しているので、コロナ関連自殺が750~1,500人増える可能性があるとして、コロナによる直接的な死者を大きく上回る公算が大きい」としているわけです。 昨年、日本では約2万人が自殺していたとされます。もっとも、不審死が10万人以上いるので、実態はもっと多いとされますが、もしオーストラリア医療協会のいうように50%増えたら3万人です。 しかし日本では2003年に34,427人に上るので、もとに戻ってしまうか、それ以上になる可能性もあります。 トランプ大統領は、「病気になる人や重症になる人も出てくるだろう。だが、われわれは米国の活動を再開する必要がある。」「死者は増えるだろう。ワクチンの有無にかかわらず、ウイルスは伝染する。われわれは平常に戻る」と言っています。 専門家会議も「この新たなウイルスとともに社会で生きていかなければならないことが見込まれる」と言っています。今のところは「インフルエンザと同じ対処をするしかない、ということになるのではないでしょうか。 ◆強まる「全体主義的傾向」 最後に、気になるのがコロナ禍と共に、政治が「全体主義的傾向」を強めていることです。 そうした政治の発信を受けて、「自粛警察」や「他県ナンバー狩り」などが横行していますが、世相がとても悪くなりました。 市民が積極的に”摘発”する動きはナチスの時代すら彷彿させます。当時、警察やスパイ以上にユダヤ人を密告したのが「住民」です。 「排除の理論」は止めなければなりませんし、そうしたところは、台風や水害で、他県から応援が入ったことを思い出していただきたいなと思います。 知事までエゴイズムをむき出しにするかのような姿は、恥ずかしいことだと思います。 ◆幸福実現党は「働きたい人の味方」となる唯一の政治勢力 この度、専門家会議から「新しい生活様式」が出されましたが、これは憲法の諸権利を制限する可能性があります。 例えば、「集会の自由」への制限、大学にも行けなくなる、小中学校もシャットダウン、働く自由も制限されてしまいます。 特に「人の移動」を制限すると社会インフラの基盤が破壊されます。 人為的な経済破壊が続けば、回復するのが大変です。 戦後の焼け野原から復興に20年かかりました。後戻りできないダメージを与える可能性もあるわけです。 勤労の意欲のある人を罰する空気が蔓延していますが、日本には本来、こうした働きたい人の味方となる政治勢力がありません。 私たちは「働きたい人の味方」として、声を上げていきたいと思います。 「緊急事態宣言」を早期に解除し、外出自粛や休業要請等を一日も早く終わらせて民間企業を救い、智慧と工夫で「感染症の対策」と「経済活動の再開」の両立を進めるべきです。 「コロナ自粛の強要」に「営業の自由」を!【前編】 2020.05.14 https://youtu.be/QV72OmshdrI 幸福実現党党首 釈量子 ◆検討され始めた経済活動再開の重要性 政府が「緊急事態宣言」を5月31日までに延長し13の特定警戒都道府県は措置を継続し、それ以外の34の都道府県では緩和を容認する方針が示されました。 自治体によっては全面解除に踏み出したところもありますが、安倍首相も5月14日に前倒ししての解除を検討するなど(5月8日時点)、手探りで「感染拡大阻止」と「経済活動」との両立を検討し始めています。 幸福実現党は5月8日、内閣府に「緊急事態宣言解除を求める要望書」を安倍晋三総理大臣宛てに提出し、以下の二点の要望を致しました。 (1)緊急事態宣言を早期に解除し、感染症の対策と両立しつつ、経済活動の再開を進めること (2)コロナウイルスに感染しなくても、鬱・借金などで自殺者が増える可能性が高いため、その対策を早急に進めること ◆感染症学者に一国のかじ取りが理解できるのか? 「首相や知事が、専門家に検討してもらう」として責任を振り替えるのは、もう限界ではないかということです。 安倍首相が会見のたびにいつも「専門家会議」の尾身副座長を帯同しておられますが、少し違和感を覚えます。 感染学者はもちろん経済の専門家ではありませんし、哲学的見解があるわけでも、教育の専門家でもないからです。 「緊急事態宣言の延長」も、経緯はそうした感染症の学者を中心とした専門家会議の見解を受けてのことですが、今回のように「営業の自由」「働く自由」を制限されるとなると、民間企業で働く人たちにとっては、文字通り、生きていくための術を奪われるわけです。 まるで感染症学者が「主権者」のようになってしまうわけです。 ◆忍びよる「大不況」の危機 「緊急事態宣言」の1か月で何が起きたのでしょうか。 「大不況」「大量失業」の危機が現実味を帯びてきました。 第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストによると、実質GDP(国内総生産)は緊急事態宣言によって、5月6日までの1カ月で21・9兆円押し下げられ、5月末まで延びると、更に23・1兆円、累計45兆円が押し下げられるとしています。 また、ゴールドマン・サックス証券のリポート(5月7日付)によると、日本の4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率マイナス25%と試算しており、別の民間予測ではマイナス42%というものまであります。 4月下旬~5月中旬にかけて、各社、第1四半期の決算の速報を発表し始めていますが、いまだかつてない減益や赤字で、各社悲鳴が上がっています。 特に、今後の見通しが全く立たず、業績予測の欄には「合理的な策定が困難なので非開示にする」「分かり次第、開示する」というところもあります。 ◆「大量失業」時代が訪れる 政治の動きとしては4月30日に第一次補正予算が成立して、10万円の現金給付や企業の資金繰り支援などを決めて、一時的には延命はできるとしても、問題はこれからです。 「中小企業の6割が、6月までに経営危機に陥る」との調査もあります。 東京商工リサーチによると、5月1日時点でコロナ関連倒産は114件ですが、負債額が1千万円以上をカウントしているので、「廃業」も含め、店じまいは相当出ていますが、倒産しても、政府は責任を取ってはくれませんし、再建を手伝ってはくれる訳ではありません。 そして、「大量失業」が迫っています。 大和総研によると、感染拡大が6月までに収束した場合であっても、 2020年の雇用者数は前年から99万人減少し、失業率は3.8%に上昇するとしております。 また、感染が年末まで続く場合、雇用は301万人減少し、失業率は6.7%に達するとしています。 既に、患者が激減した都心の店舗では固定費を削るためにスタッフを一度解雇して、失業手当でしのいでもらっているとか、テレワークを機に人員を整理せざるをえない企業など、雇用調整に踏み切る企業も出ています。 ◆自己責任、サバイバルで生き抜こうとする民間企業の智慧と工夫 「民間企業はどうすべきか」といえば、自己責任でサバイバルです。 家族を守り、職業を守り、会社を守るために、「緊急事態宣言」が出されようとも、自己責任で道を開くしかありません。 中小企業だけでなく、莫大な固定費がかかる大手企業も絶体絶命ですが、閉館したままの映画館や百貨店がつぶれても、誰も同情はしてくれないので、「営業を再開し、潰れる前に一生懸命働く」ことです。 そんな中、智慧と工夫で動き出す企業が現れているのは、明るいニュースです。 大手ゼネコンの清水建設は、マスクの着用や検温、消毒態勢の整備などの対策徹底を条件に、13都道府県で止めていた工事を順次、再開するそうです。 先月工事を中断した時点では、協力企業や下請けを含め約2万人が働いていたので、万の単位で雇用確保に動き出しています。 経済活動を続けるために、あの手この手で工夫するところも出てきました。 タクシーの需要が減ったので、宅配サービスを始める会社も現れています。 法律上、タクシーは人以外運べませんでしたが、国交省は道路運送法に基づく特例措置によって規制を緩和、これを受けて工夫したわけです。 また、ヨットの帆を作っていた会社が、医療用ガウンを制作したり、ニーズに応えようとしています。 政治は、規制緩和など自由の領域を広げて、こうした民間の動きを支援することではないでしょうか。 (つづく) 新型コロナで、一帯一路崩壊へ。タンザニア大統領「中国の融資条件は、酔っ払いにしか受け入れられない」 2020.05.03 https://www.youtube.com/watch?v=vf7o9BZd8b0 幸福実現党広報本部長補佐 畠山元太朗 ◆タンザニア大統領が一帯一路離脱宣言 アフリカでは今、中国に対する反発が強まっています。 アフリカ東海岸にタンザニアという国があります。タンザニアは、ダイヤモンドや金、ウランやニッケルなどのレアメタル、レアアースを産出する資源国であり、中国の一帯一路構想にとって重要拠点と位置付けられてきました。 しかし、タンザニアのジョン・マグフリ大統領は「コロナ感染対策のために、バガモヨ市にある港湾建設に関わる中国への借金100億ドルを中止する」と発表しました。 昨年6月、前大統領が締結した港湾プロジェクトの内容に関して、中国側の要求に無理があることに怒りを露わにし、計画を停止していました。 しかし、今回はさらに一歩踏み込んで、新型コロナ感染拡大の責任がある中国への借金を、感染症対策予算に充当するというものです。 アフリカでは、他の国々の間でも中国への反発が強くなっています。一番大きな影響を与えたのは、中国広東省広州のナイジェリア人居住区でコロナのクラスターが発生し、黒人差別が行われたという出来事です。 例えば、大家から家を追い出されたり、ホテルから退去を命じられる。抵抗すれば、警察を呼ばれ、拘束され、屈辱的な尋問を受ける。黒人女性がデパートに入店することを拒否されるケースもあったようです。 ナイジェリア外相は「われわれは身の回りの物を持って、路上で寝起きしているナイジェリア人の映像を見た。もちろん、本国にいる私たちにとって痛ましくてならないものだ」と発言。同政府も「容認できない」と中国を非難しました。 また、アフリカの約20か国が共同書簡を作成し、草案段階では「明らかな人権侵害」と明記しています。 他にも、エジプトやナイジェリアの弁護士が、新型コロナの賠償金を求める訴訟を起こしています。アフリカで、ここまで中国に対する反発が強まったのは初めてです。 ◆米共和党上院議員が中国の一帯一路阻止に動く また、4月26日、アメリカの共和党上院議員16名が「一帯一路構想のもと、中国に多額の借金を抱える新興国を守れ」という趣旨の共同声明を発表しました。 声明では「我々は、国務省や財務省に対して、IMF(国際通貨基金)やWB(世界銀行)が新興国に追加支援を行うにあたり、中国の一帯一路構想の下で行われた融資内容を検討するよう求めた。中国の融資は、国際基準に合致していない」と書かれています。 4月13日、IMF国際通貨基金は、最貧国の内、25か国に対して債務返済猶予を発表しました。猶予措置には、自然災害やパンデミック(感染症の世界的流行)の際に対応する「大災害抑制・救済基金(CCRT)」を活用します。 アメリカは資金拠出の一部を担っていますが、アメリカ国民の税金が原資になっている以上、IMFの新興国援助の形で中国の一帯一路を助けるようなことがあってはいけないと、共和党上院議員は考えているわけです。 さらに、トランプ政権に対して、中国金融機関による融資内容の透明性を高めさせるとともに、国際基準に合わない契約条件を見直すよう圧力をかけることを求めています。 中国が火事場泥棒的に、借金を返せない新興国から港湾等の資産や鉱物資源の権益を収奪しないように強く牽制したものです。 今回、日本は新興国支援として1億ドル(約110億円)の資金をIMFに提供しています。 今後、日本は資金提供のみに甘んじず、米国との連携を強化しながら、アジア、アフリカへの中長期的な融資を通して積極的に関与し、自由や民主主義、信仰の価値観を共有する国々を増やしていく必要があります。 武漢ウイルス感染拡大。米国で高まる中国賠償責任論。 2020.05.02 https://www.youtube.com/watch?v=0sRCc6fdFLo&t=154s 幸福実現党広報本部長補佐 畠山元太朗 ◆米国ミズーリ州が中国を提訴 アメリカでは中国発新型コロナウイルス拡大による被害が大きく、中国に責任を問う世論が高まっています。4月3日~5日に行われた米国ハリス世論調査によると、「中国政府に責任がある77%」「中国が賠償金を支払うべき54%」となっています。 4月21日には、ミズーリ州のシュミット司法長官が連邦地裁に中国を提訴しました。 これまで、中国政府の初期対応に問題があったとして、フロリダ州、テキサス州、ネバダ州で個人や企業が中国を相手取った訴えを起こしましたが、公的機関である州当局が訴えたのは初めてです。 通常、主権免除の原則があり、外国政府を相手取った訴訟を行うことはできませんが、今回の訴訟を契機に、米国議会に法整備を促し、新型コロナ犠牲者にも、中国に対する損害賠償を請求する道を拓くことも狙いとしてあります。 実際に、2016年には「テロ支援者制裁法」が成立し、主権免除の例外が認められ、9.11犠牲者がサウジアラビアを相手取った訴訟を起こしています。 ◆共和党を中心に中国賠償責任論を推進 中国に責任を負わせる方法は他にもあります。 ニューメキシコ州の上院議員候補者であるGavin Clarkson氏は「トランプ大統領とムニューチン財務長官は、中国共産党が保有している1.1兆ドル(約120兆円)の米国債を賠償に充てるべきだ。財務省は今後、中国が米国債の購入・保有・売却を禁止し、適用範囲を政府高官にも広げるべきだ」と主張しています。 また、アメリカ合衆国弁護士のJohn Yoo氏は、2001年~2003年までブッシュ政権の法律顧問も務めた方ですが、国際機関の強制力の弱さを指摘した上で、関税などの経済制裁に加え、「トランプ政権は中国国有企業の資産を差し押さえるべきだ。」 「中国は一帯一路構想のもとで、アフリカや東欧、ラテンアメリカで数十億ドルの貸付を行い、払えない国の港湾や施設を収奪している。米国はこれらの資産を差し押さえ、コロナ賠償金として借金帳消しにすべきだ」と論じています。 議員の中にも、同様の考え方を持つ方々がいます。Marsha Blackburn氏(共和党・上院議員)は「米国は中国に債務免除を求めるべき」、Josh Hawley(共和党・上院議員)は「米国民が新型コロナで被った被害について、中国共産党に損害賠償請求できるようにしたい」と訴えています。 アメリカでは共和党が中心となり、中国賠償責任論を推し進めています。今後、日本は中国の顔色を伺う八方美人外交ではなく、正義に基づく、筋の通った外交を展開しなくてはなりません。 すべてを表示する 1 2 Next »